JP2022120680A - 通信装置、通信装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

通信装置、通信装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチリンク通信において定期的に送信されるフレームの受信タイミングのずれが生じた場合の送受信制御の技術を提供する。【解決手段】IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置は、該他の通信装置から該複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信し、該第1のフレームに基づいて、該他の通信装置から送信される該第1のフレームの該通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得し、該複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する。該通信装置は、該受信タイミングを含む期間において該第2のフレームを送信せず、該第1のフレームが受信されたことに応じて、該第2のリンクにて該第2のフレームを送信する。【選択図】図5

Description

本発明は、無線通信技術に関する。
近年の通信されるデータ量の増加に伴い、無線LAN(Local Area Network)等の通信技術の開発が進められている。無線LANの主要な通信規格として、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11規格シリーズが知られている。IEEE802.11規格シリーズには、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax等の規格が含まれる。例えば、IEEE802.11axでは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access(直交周波数多元接続))を用いて、最大9.6ギガビット毎秒(Gbps)という高いピークスループットに加え、混雑状況下での通信速度を向上させる技術が規格化されている(特許文献1)。
さらなるスループット向上や周波数利用効率の改善、通信レイテンシ改善を目指した後継規格として、IEEE802.11beと呼ばれるtask groupが発足した。IEEE802.11beでは、1台のAP(アクセスポイント)が1台のSTA(ステーション)と2.4GHz帯等の周波数バンドで複数のリンク(Link)を構築し、同時通信を行うマルチリンク(Multi-Link)通信が検討されている。また、無線通信デバイスのハードウェア上の制約から、マルチリンク通信において、あるリンクで送信動作中に他のリンクで受信動作ができないように構成されるAPやSTAが検討されている。
特開2018-50133号公報
あるリンクで送信動作中に他のリンクで受信動作ができないSTAは、各リンクで定期的にBeacon(ビーコン)フレーム(以下、Beaconと称する場合がある)を受信する必要がある。しかしながら、このようなSTAは、当該あるリンクでなんらかデータを送信している間は、当該他のリンクではBeaconを含むグループアドレスフレームを受信できない。また、このようなSTAは、当該あるリンクでBeaconを受信するタイミングがわかっていたとしても、リンクの混雑具合によってはBeaconを受信するタイミングがずれることがある。こうした場合でも、STAは当該あるリンクで送信動作中に当該他のリンクで送信動作ができないように動作する必要がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、マルチリンク通信において定期的に送信されるフレームの受信タイミングのずれが生じた場合の送受信制御の技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の通信装置は、以下の構成を有する。すなわち、IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置であって、前記他の通信装置から前記複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信する受信手段と、前記第1のフレームに基づいて、前記他の通信装置から送信される前記第1のフレームの前記通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得する取得手段と、前記複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する送信手段と、を有し、前記送信手段は、前記受信タイミングを含む期間において前記第2のフレームを送信せず、前記受信手段により前記第1のフレームが受信されたことに応じて、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信する。
本発明によれば、マルチリンク通信において定期的に送信されるフレームの受信タイミングのずれが生じた場合の送受信制御の技術が提供される。
無線通信システムの構成例を示す図である。 通信装置のハードウェア構成例を示す図である。 通信装置の機能構成例を示す図である。 実施例1によるSTAにより実行される処理のフローチャートである。 実施例1によるAPとSTAの処理の一例を示すシーケンス図である。 実施例1によるAPとSTAの処理の別の例を示すシーケンス図である。 実施例2によるSTAにより実行される処理のフローチャートである。 実施例2によるAPとSTAの処理の一例を示すシーケンス図である。 実施例2によるAPとSTAの処理の別の例を示すシーケンス図である。 実施例2によるAPとSTAの処理の別の例を示すシーケンス図である。 実施例3によるAPとSTAの処理の一例を示すシーケンス図である。 実施例3によるAPとSTAの処理の別の例を示すシーケンス図である。 TIM elementの構成例を示す。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(無線通信システムの構成)
図1は、本実施形態にかかる無線通信システムの構成例を示す。本システムは、通信装置101、102、105を有して構成される。通信装置102(以下、STA102)は、無線ネットワーク100に参加する役割を有するSTA(ステーション/端末装置)である。通信装置101(以下、AP101)は、無線ネットワーク100を構築する役割を有するAP(アクセスポイント)である。AP101はSTA102と通信可能である。通信装置105(以下、STA105)は無線ネットワーク100に参加していないSTAである。STA105は、AP101とは通信できないが、お互いの電波が干渉する距離にあるものとする。
AP101、STA102の各々は、IEEE802.11be(EHT(Extreme/Extremely High Throughput))規格に準拠した無線通信を実行することができる。AP101、STA102は、2.4Hz帯、5GHz帯、6GHz帯、60GHz帯等の周波数において通信することができる。各通信装置が使用する周波数帯は、これに限定されるものではなく、例えば60GHz帯のように、異なる周波数帯を使用してもよい。また、AP101、STA102は、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、および320MHzの帯域幅を使用して通信することができる。各通信装置が使用する帯域幅は、これに限定されるものではなく、例えば240MHzや4MHzのように、異なる帯域幅を使用してもよい。
AP101は、IEEE802.11be規格に準拠したOFDMA通信を実行することで、複数のユーザの信号を多重する、マルチユーザ(Multi User(MU))通信を実現することができる。OFDMA通信では、分割された周波数帯域の一部(Resource Unit(RU))が各STAにそれぞれ重ならないように割り当てられ、各STAに対する搬送波が直行する。そのため、APは規定された帯域幅の中で複数のSTAと並行して通信することができる。
なお、AP101、STA102は、IEEE802.11be規格に対応するとしたが、これに加えて、IEEE802.11be規格より前の規格であるレガシー規格に対応していてもよい。具体的には、AP101、STA102は、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax規格の少なくともいずれか一つに対応していてもよい。また、IEEE802.11シリーズ規格に加えて、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wide Band)、ZigBee、MBOA(Multi Band OFMA Alliance)などの他の通信規格に対応していてもよい。UWBには、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WiNETなどが含まれる。また、有線LANなどの有線通信の通信規格に対応していてもよい。
AP101の具体例としては、無線LANルーターやパーソナルコンピュータ(PC)などが挙げられるが、これらに限定されない。またAP101は、IEEE802.11be規格に準拠した無線通信を実行することができる無線チップなどの情報処理装置であってもよい。また、STA102の具体的な例としては、カメラ、タブレット、スマートフォン、PC、携帯電話、ビデオカメラ、ヘッドセットなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、STA102は、IEEE802.11be規格に準拠した無線通信を実行することができる無線チップなどの情報処理装置であってもよい。
AP101およびSTA102は、複数の周波数チャネルを介してリンクを確立して通信するマルチリンク通信を実行する。IEEE802.11シリーズ規格では、各周波数チャネルの帯域幅は20MHzとして定義されている。ここで、周波数チャネルとは、IEEE802.11シリーズ規格に定義された周波数チャネルであって、当該規格では、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯、60GHz帯の各周波数帯に複数の周波数チャネルが定義されている。なお、隣接する周波数チャネルとボンディングすることで、1つの周波数チャネルにおいて40MHz以上の帯域幅を利用してもよい。
例えばAP101は、STA102と2.4GHz帯の第1の周波数チャネルを介したリンク103を確立し、通信することができる。STA102はこれと並行して、AP101と5GHz帯の第2の周波数チャネルを介したリンク104を確立し、通信することができる。この場合に、STA102は、リンク103と並行してリンク104を維持するマルチリンク通信を実行する。このようにAP101は複数の周波数チャネルを用いた複数のリンク(マルチリンク)をSTA102と確立することで、STA102との通信におけるスループットを向上させることができる。
なお、マルチリンク通信において、周波数帯の異なるリンクを複数確立してもよい。例えば、AP101とSTA102は、2.4GHz帯におけるリンク103と6GHz帯におけるリンク104に加えて、5GHz帯における別のリンクを確立するようにしてもよい。あるいは、同じ周波数帯に含まれる複数の異なるチャネルを介してリンクを確立するようにしてもよい。例えば、AP101とSTA102は、2.4GHz帯における6chのリンクをリンク103として、これに加えて2.4GHz帯における1chのリンクをリンク104として確立するようにしてもよい。
また、周波数帯が同じリンクと、異なるリンクとが混在していてもよい。例えば、AP101とSTA102は、2.4GHz帯における6chのリンク103に加えて、2.4GHz帯の1chのリンク104と、5GHz帯における149chの別のリンクを確立してもよい。AP101はSTA102と周波数の異なる複数の接続を確立することで、ある帯域が混雑している場合であっても、STA102と他方の帯域で通信を確立することができるため、STA102との通信におけるスループットの低下や通信遅延を防ぐことができる。
本実施形態では、一例として、リンク103を2.4GHz帯の6chで20MHzの接続とし、リンク番号を1とする。また、リンク104を6GHz帯の113chで320MHzの接続とし、リンク番号を2とする。
なお、図1の無線ネットワーク100は1台のAPと1台のSTAによって構成されているが、APおよびSTAの台数や配置はこれに限定されない。例えば、図1の無線ネットワークに加えて、STAを1台増やしてもよい。このとき確立する各リンクの周波数帯やリンクの数、周波数幅は問わない。
STA105は、本実施形態では、AP101、STA102の間で確立した複数のリンクのうち、あるリンクにて、他のリンクを考慮せずに動作する通信装置であればよい。例えば、上記説明において、STA105は、無線ネットワーク100に参加しないSTAとしたが、無線ネットワーク100に参加していてもよい。この場合、STA105はIEEE802.11beに準拠しておらず、例えばIEEE802.11bにのみ準拠したSTAとしてもよい。また、この場合、STA105は、AP101とは2.4GHz帯の6chでリンクを確立するものとしてもよい。あるいは、STA105は、電子レンジなどの無線ネットワークとは関係のない電波ノイズを発生させるノイズ発生源としてもよい。あるいは、STA105は、マルチリンク通信に対応した通信装置であり、AP101と複数のリンクを構築する装置であってもよい。この場合、STA105は、あるリンクでの動作を無視して他方のリンクで通信する通信装置でありうる。
マルチリンク通信を行う場合、AP101とSTA102の間では、1つのデータを分割して複数のリンクを介して相手装置に送信されてもよい。また、AP101とSTA102は、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)通信を実行するように構成されてもよい。この場合、AP101およびSTA102は複数のアンテナを有し、一方がそれぞれのアンテナから異なる信号を同じ周波数チャネルを用いて送る。受信側は、複数のアンテナを用いて複数ストリームから到達したすべての信号を同時に受信し、各ストリームの信号を分離し、復号する。このように、MIMO通信を実行することで、AP101およびSTA102は、MIMO通信を実行しない場合と比べて、同じ時間でより多くのデータを通信することができる。また、AP101およびSTA102は、マルチリンク通信を行う場合に、一部のリンクにおいてMIMO通信を実行してもよい。
(STAおよびAPの構成)
図2に、本実施形態におけるSTA102のハードウェア構成例を示す。STA102は、ハードウェア構成例として、記憶部201、制御部202、機能部203、入力部204、出力部205、通信部206およびアンテナ207を有する。なお、AP101も、STA102と同様のハードウェア構成を有することができる。
記憶部201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリにより構成され、後述する各種動作を行うためのコンピュータプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。なお、記憶部201として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部201が複数のメモリ等を備えていてもよい。
制御部202は、例えば、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサにより構成され、記憶部201に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、STA102の全体を制御する。なお、制御部202は、記憶部201に記憶されたコンピュータプログラムとOS(operating System)との協働により、STA102の全体を制御するようにしてもよい。また、制御部202は、他の通信装置との通信において送信するデータや信号(無線フレーム)を生成する。また、制御部202がマルチコア等の複数のプロセッサを備え、複数のプロセッサによりSTA102全体を制御するようにしてもよい。
また、制御部202は、機能部203を制御して、無線通信や、撮像、印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部203は、STA102が所定の機能を実行するためのハードウェアである。
入力部204は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部205は、モニタ画面やスピーカーを介して、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部205による出力とは、モニタ画面上への表示や、スピーカーによる音声出力、振動出力などであってもよい。なお、タッチパネルのように入力部204と出力部205の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。また、入力部204および出力部205は、夫々STA102と一体であってもよいし、別体であってもよい。
通信部206は、IEEE802.11be規格に準拠した無線通信の制御を行う。また、通信部206は、IEEE802.11be規格に加えて、他のIEEE802.11シリーズ規格に準拠した無線通信の制御や、有線LAN等の有線通信の制御を行ってもよい。通信部206は、アンテナ207を制御して、制御部202によって生成された無線通信のための信号の送受信を行う。
なお、STA102が、IEEE802.11be規格に加えて、NFC規格やBluetooth規格等に対応している場合、これらの通信規格に準拠した無線通信の制御を行ってもよい。また、STA102が複数の通信規格に準拠した無線通信を実行できる場合、夫々の通信規格に対応した通信部206とアンテナ207を個別に有する構成であってもよい。STA102は通信部206を介して、画像データや文書データ、映像データ等のデータを通信する。なお、アンテナ207は、通信部206と別体として構成されていてもよいし、通信部206と合わせて一つのモジュールとして構成されていてもよい。
アンテナ207は、2.4GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯等の周波数帯における通信が可能なアンテナである。図2では1つのアンテナ207を示すが、複数であってもよい。または、STA102は、周波数帯ごとに異なるアンテナを有していてもよい。また、上記のように、STA102は、アンテナを複数有している場合、各アンテナに対応した通信部206を有していてもよい。
図3に、本実施形態におけるSTA102の機能構成例を示す。STA102は、機能構成例として、無線LAN制御部301、フレーム生成部302、送信制御部303、Beacon(ビーコン)受信制御部304、UI(User Interface)制御部305を有する。なお、AP101もSTA102と同様の機能構成を有することができる。
無線LAN制御部301は、他の無線LAN装置との間で無線信号を送受信するための制御を行うためのプログラムを含んで構成されうる。無線LAN制御部301は、IEEE802.11規格シリーズに従って、フレーム生成部302で生成されたフレームを通信部206とアンテナ207を介して送受信し、無線LANの通信制御を実行する。なお、無線LAN制御部の数は1つに限らず、2つでもよいし、3つ以上でも構わない。
フレーム生成部302は、無線LAN制御部301で送信するべき無線フレームを生成する。フレーム生成部302で生成するフレームの内容は記憶部201(図2)に保存されている設定によって制約を課してもよい。またUI制御部305からのユーザ設定によって変更してもよい。生成されたフレームの情報は無線LAN制御部301に送られ、通信部206とアンテナ207を介して通信相手に送信される。
送信制御部303は、STA102から送信される各種フレームに対する送信制御を行う。例えば、送信制御部303は、各リンクでフレームを送信するべきタイミングを計測(カウント)・決定し、その結果を無線LAN制御部301に伝える。無線LAN制御部301はこれを基にフレームを送信する。
Beacon受信制御部304は、Beaconフレーム(以下、Beaconと称する場合がある)を受信するタイミングの管理や受信したBeaconの解析等を行う。例えば、Beacon受信制御部304は、受信したBeaconの情報を基に、次にBeaconを受信するタイミングの情報を取得し、無線LAN制御部301や送信制御部303に伝える。Beaconを受信するタイミング(Beacon受信タイミング)は、Beaconに含まれる、TBTT(Target Beacon Transmission Time)といった、Beacon送信時間の間隔を示す値により取得されうる。
UI制御部305は、入力部204に対するユーザからの操作(ユーザ設定)に基づいて制御信号を生成し、各構成要素へ伝達する。また、UI制御部305は、出力部205に対する各種出力の制御を行う。
下記に続く各実施例では、図1に示す通信システムにおいて、STA102がグループアドレスフレーム(Group Addressed Frame)を受信する場面を想定する。なお、グループアドレスフレームとは、Destination Address(DA)フィールドもしくはA1フィールドに含めるMAC Addressフィールドにおいて、Group Bitが1であるアドレスを含むフレームでありうる。例えばBeaconを含めたブロードキャストフレームは、Group Bitが1のため、グループアドレスフレームの一種である。他にも、マルチキャストアドレスを宛先としたマルチキャストフレームについても同様にGroup Bitを1とするため、グループアドレスフレームとなる。
続いて、本実施形態によるSTA102の処理について、いくつかの実施例を用いて説明する。なお、本実施形態では、AP101は、TIM(Traffic Indication Message)を含むBeaconを定期的に送信している。STA102は、Beagonに含まれる、Beacon送信時間の間隔を示す値から、所定間隔のBeacon受信タイミングの情報を取得することができる。AP101は、STA102向けのデータがある場合、TIM(TIM element)を使ってデータ(グループアドレスフレーム)があることを、Beaconを用いて通知し、当該通知の後にデータを送信することができる。データがあることを通知することができるTIMはDTIM(Delivery Traffic Indication Message)と呼ばれる。
(実施例1)
本実施例では、STA102がリンク104でBeaconを受信する際に、予定しているタイミングでBeaconが受信できない場面を想定する。このとき、本実施例ではSTA102は、Beaconおよびそれに続く(Beaconとは別の)グループアドレスフレームを受信するまでは、リンク103とリンク104でフレームを送信しないように構成される。
なお、本実施例において、Beaconはグループアドレスフレームであればどのようなフレームであってもよい。例えば、Beaconは、マルチキャストアドレスを宛先としたマルチキャストフレームでもよい。BeaconとBeaconの間で20TU(Time Unit)間隔で送信するFILS DiscoveryフレームもしくはUnsolicited Probe Responseフレームでもよい。他のマネジメントフレームであるProbe ResponseフレームやActionフレームでもよい。もしくは、定期的に送信されるTrigger(トリガー)フレームでもよい。また、本実施例ではリンク104のみでBeaconを受信する場面を考えるが、リンク103で受信する場面でも同様である。また、リンク103とリンク104で同時にBeaconを受信する場面でも同様である。リンク103とリンク104で同時にBeaconを受信するが、どちらか一方が受信できなかった場面でも同様である。
図4は、本実施例において、STA102がAP101からリンク104においてBeaconを受信する際のSTA102の処理をフローチャートで示している。図4に示すフローチャートは、STA102の制御部202が記憶部201に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現されうる。本フローチャートで示す処理は、STA102が、AP101とマルチリンク(本実施形態ではリンク103とリンク104)で接続を確立したと同時に開始されうる。
STA102がAP101と接続されている状態で、STA102のBeacon受信制御部304は、いずれかのリンクでBeacon受信タイミングが近付いたか、すなわち、Beacon受信タイミングの所定時間前かどうかを判定する(S401)。当該所定時間は、本実施例では10μsecとするが、これは一例であり、5μsecでもよいし、20μsecでもよい。なお、上述したように、Beacon受信タイミングであるか否かは、AP101から受信するBeaconに含まれる、Beacon送信時間の間隔を示す値で知ることができる。本実施例では、Beacon受信タイミングは100msec毎(すなわち、Beacon間隔=100msec)とするが、150msec毎等、任意の間隔に設定されうる。
いずれかのリンクでBeacon受信タイミングが近づいた場合(S401でYes)、処理はS402へ進む。以下、Beacon受信タイミングが近づいたリンクを、対象のリンクと呼ぶ。S402では、STA102の送信制御部303の制御により、無線LAN制御部301は、対象のリンクでBeacon受信の期間に入る前に、STA102はデータアップロード(UL)を控える。すなわち、STA102は、Beacon受信タイミングを含む期間においてデータアップロード/データ送信を行わない。これは、データアップロード中であれば、全リンクでデータアップロードをいったん中断することを意味する。ここでアップロードを中断するリンクとは、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなる全リンクである。よって、例えば、AP101とSTA102で同時に送信と受信ができる第3のリンク(不図示)を確立していた場合、当該第3のリンクではデータアップロードを中断しなくてもよい。
次に、STA102のBeacon受信制御部304は、対象のリンクでBeaconの受信を待つ(S403)。対象のリンクで、Beacon受信タイミングでBeaconを受信しなかった場合(S403でNo)、STA102の送信制御部303は、所定の予定時間(本来のBeacon受信タイミングからフレーム受信の待機をやめるタイミングの時間)を超過しているか否かを確認する(S404)。本実施形態では、当該予定時間を10msecとする。当該予定時間が経過していなければ(S404でNo)、処理はS402に戻り、経過していれば(S404でYes)、処理はS408に進む。対象のリンクでBeaconを受信した場合(S403でYes)、STA102のBeacon受信制御部304は、追加のグループアドレスフレーム(Group Addressed Frame)があるかどうか(Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されるか)を確認する(S405)。このために、STA102は、Beaconに含まれるTIM elementを確認する。また、STA102は、TIM elementを確認することにより、自分宛のデータがたまっているかを確認することができる。
図13にTIM element1300の構成例を示す。本elementはIEEE802.11の規格に沿って定義される。Element IDフィールド1301には、使用するelementがTIM elementであることを示す値の5が入る。Lengthフィールド1302は、Elementの長さを示す。DTIM Countフィールド1303は、このelementを含むBeaconがDTIM(Delivery Traffic Indication Map)Beacon(DTIMを含むBeacon)であるかどうかを示す。この値が0のとき、このelementが含まれるBeaconはDTIM Beaconであることを示し、この後にSTA向けのフレーム(データ)が含まれる可能性がある。この値が0以外の値であれば、DTIM Beaconではないため、STA102は、Beaconに続く、STA向けのフレームおよびグループアドレスフレームはないものと判断できる。
Bitmap Controlフィールド1305は、そのBit0がAID0(Association Identifier)のフレームがあるか否かを指す。Bit0が1の場合、Beaconの後ろには何らかのグループアドレスフレームが追加で用意されていることを示す。Partial Virtual Btimapフィールド1306は、各STA向けのフレームがキューにたまっているか否かを示す。このフィールドに用意された各Bitが接続時にAPからSTAに割り振ったAIDに紐づいている。STA102は、AIDと紐づいたBitが1になっているか否かを確認することで、自分宛のフレームがAPのデータ送信キューにたまっているか否かを判断できるようになる。
STA102のBeacon受信制御部304は、Beaconに含まれるTIM elementを確認し、Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されることを確認した場合(S405でYes)、処理はS406へ進み、確認しなかった場合(S405でNo)、処理はS408へ進む。S406では、STA102の送信制御部303の制御により、無線LAN制御部301は、引き続きデータのアップロードを控える(中断を継続する)。STA102の送信制御部303は、追加のグループアドレスフレームを受信し終わるまで、データのアップロードを控える(S407)。追加のグループアドレスフレームを受信し終わったか否かの判断は、STA102が対象のリンク(グループアドレスフレームを受信したリンク)にてグループアドレスフレームを受信してから一定時間、例えばDIFS(Distributed Coordination Function Interframe Space)時間経過したことを基にしてもよい。あるいは、グループアドレスフレームを受信した後、AckフレームもしくはBlock Ackフレームを送信したことを契機としてもよい。
STA102の無線LAN制御部301が、対象のリンクにてBeaconに続くグループアドレスフレームを受信した場合(S407でYes)、もしくはこれらを受信できなかったが一定時間が経過した場合(S404でYes)、処理はS408へ進む。S408において、STA102の送信制御部303は、自身の送信キューに送信フレームがたまっているか否かを確認する(S408)。STA102の送信制御部303は、送信キューに送信データがたまっていないことを確認した場合(S408でNo)、処理を終了する。送信キューに送信データがたまっていることを確認した場合(S408でYes)、処理はS409へ進む。S409では、STA102の送信制御部303は、最後のフレーム受信からAIFS(Arbitration Interframe Space)の期間待ってから、さらに通信を開始するまでの待機時間のためにバックオフカウンタを設定する。なお、AIFSの値は送信するデータの優先度によって異なる。これが優先度の高い音声(VO)やビデオ(VI)のデータの場合、AIFSは短い。逆に、優先度の低いバックグラウンド(BK)のデータの場合、AIFSは長く設定される。なお、ここで待つ期間はDIFSでもよい。また、バックオフカウンタのカウンタ値は、任意の値に設定されうる。
STA102の送信制御部303は、バックオフカウンタを設定すると、同時に送受信できない全リンクのいずれかで他の通信装置がフレームを送信しているか否かを確認する(S410)。全リンクで他の通信装置がフレームを送信していないことを確認した場合(S410でNo)、STA102の送信制御部303は、バックオフカウンタを1減らす(S416)。STA102の送信制御部303は、バックオフカウンタが0になるまで、これを繰り返す(S417)。バックオフカウンタが0になった時(S417でYes)、STA102の無線LAN制御部301はデータ送信を開始(再開)する(S418)。
全リンクのいずれかで他の通信装置がフレームを送信していることを確認した場合(S410でYes)、STA102の送信制御部303は、他の通信装置による送信中のリンクは、STA102がフレームを送信する予定のリンクであるかを確認する(S411)。他の通信装置による送信中のリンクが、フレームを送信する予定のリンクである場合(S411でYes)、STA102の送信制御部303は、フレームに含まれるNAV(Network Allocation Vector)期間は送信待機する。そして、NAV期間の終了後、STA102の送信制御部303は再びAIFS期間待つ(S414)。ここで待つ期間はDIFS期間でもよい。当該期間中に、STA102が他の通信装置によるさらなるフレーム送信を確認した場合、再び同様に待つ。AIFS期間が終われば、STA102の送信制御部303は、バックオフカウンタの処理を再開し(S415)、処理は再びS410に戻る。
S411で、他の通信装置による送信中のリンクが、フレームを送信する予定のリンクでない場合(S411でNo)、STA102の送信制御部303は、他の通信装置により送信されたフレームがSTA102宛(自分宛)か否かを確認する(S412)。送信されたフレームがSTA102宛である場合(S412でYes)、STA102はそのフレームを受信する必要があり、また、フレーム受信中は他のリンクでフレーム送信ができない。そのため、STA102は、フレームの受信が完了するまで、同時にフレーム送受信できない組み合わせの全リンクでフレーム送信を待つ必要がある(S413)。フレームの受信を完了したら、処理は再びS410に戻る。
なお、STA102の送信制御部303は、S413で待っている間も送信予定のリンクでバックオフカウンタの処理を続けてもよい。この場合、STA102はカウンタ処理を続けるが、カウントが0になっても他のリンクでのフレーム受信が完了するまで、フレーム送信を待機する。そして、他のリンクでのフレーム受信が完了したときに、フレームを送信する予定のリンク(送信待機したリンク)にて他の通信装置がフレームを送信していなければ、STA102の無線LAN制御部301は、フレームを送信する。しかし、他のリンクでのフレーム受信が完了すると同時にフレーム送信が発生するため、フレーム送信するリンクにて他の通信装置との電波衝突が発生する可能性が高くなる。よって、他のリンクであっても自分宛のフレームがある場合は、同時に送受信できない組み合わせの全リンクのうち、送信待機している全リンクにてバックオフカウンタを一時止めるほうが望ましい。他のリンクでSTA102が受信しているフレームがない場合(S412でNo)、STA102の送信制御部303はバックオフカウンタを進める(S416)。S417以降の処理は上述の通りである。
なお、図4ではSTA102によるフレームの送信予定のリンクは1つであることを前提としたが、STA102が同時に複数のリンクでフレームを送信しようとしている場合、リンクごとに処理を分けてもよい。例えば、STA102がリンク103とリンク104で送信準備しているときに、リンク104で他の通信装置がフレーム送信していることを確認した場合、リンク103の処理はS412に移り、リンク104の処理はS414に移るようにしてもよい。
続いて、本実施例によるAP101とSTA102の一連の処理の流れを図5と図6を用いて説明する。図5は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の一例を示すシーケンス図であり、以下の説明において図4も参照する。図5は、マルチリンク(リンク103とリンク104)におけるあるリンクでBeaconに続いて追加のグループアドレスフレームを受信するが、Beaconの受信タイミングがチャネルの混雑によりずれてしまった場合を示す。リンク103とリンク104は、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなるリンクである。
STA102は、自身のTXOP(Transmission Opportunity:連続送信可能な時間)511にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間521が設定されている。STA102は、本来のBeacon受信タイミング531で、リンク104にてBeaconを受信予定である。STA102は、Beacon受信タイミング531に近づくと(S401でYes)、データのアップロードを控える(一時中断する)(S402)。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間521の長さがわかっており、NAV期間521がリンク103でのBeacon受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間521が終了するまではデータの送信(TXOP511)を続けていてもよい。図5では、STA102は、NAV期間521の終了後のBeacon受信タイミング533の前まで、データの送信を続けてもよい。ただし、NAV期間521の終了とBeacon受信タイミングに大きな差がある場合、STA102は、NAV期間521の終了を基準にデータの送信を考えてもよい。NAV期間521の終了がBeacon受信タイミングよりも早い場合、STA102はBeacon受信タイミングまでにはデータの送信を中断する。
本実施例では、電波環境によってはNAV期間521の設定はSTA102にとっては有効なものの、AP101にとっては無効な場合を考慮する。よって本実施例ではNAV期間に関わらず、STA102は、Beacon受信タイミング531をデータ送信の中断の目安としている。これにより、AP101からBeaconを受信しうる期間が、STA102が考えるNAV期間と重なっていても、STA102はリンク104にてBeaconを受信することができる。
タイミング532は、本来のBeacon受信タイミング531でBeaconを受信しなかった場合に(S403でNo)、フレーム受信の待機をやめるタイミング(S404の予定時間に対応)を示す。図5では、タイミング532より前にNAV期間521が終了した後のタイミング533でリンク104にて、STA102は、AP101からBeacon522を受信する。STA102は、Beacon522に含まれるTIM element(図13のTIM element1300参照)を確認し、Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されることを確認する(S405でYes)。よって、Beacon522の受信後、STA102は続けて追加のグループアドレスフレーム523を受信する(S407)。
Beaconおよび追加のグループアドレスフレームの受信がタイミング534で完了したら(S407でYes)、STA102はTXOP512に従ってデータ送信を再開する(S408、S409、S410、S416、S417、S418)。なお、STA102は、追加のグループアドレスフレームの受信の後、リンク104にてAckフレームを返してもよく、その場合はAckフレームの後にリンク103でデータ送信を再開することになる。
図6は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の別の例を示すシーケンス図であり、以下の説明において図4も参照する。図6は、マルチリンク(リンク103とリンク104)におけるあるリンクでBeaconを受信するが、Beaconの受信タイミングがチャネルの混雑によりずれてしまった場合を示す。図6の例では、Beaconの後に続いて追加のグループアドレスフレームは送信されない。リンク103とリンク104は、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなるリンクである。
図5と同様に、STA102は、自身のTXOP611にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間621が設定されている。STA102は、本来のBeacon受信タイミング631で、リンク104にてBeaconを受信予定である。STA102は、Beacon受信タイミング631に近づくと(S401でYes)、データのアップロードを一時中断する(S402)。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間621の長さがわかっており、NAV期間621がリンク103でBeacon受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間621が終了するまではデータの送信(TXOP611)を続けていてもよい。この点の考察については前述の通りである。
タイミング632は、本来のBeacon受信タイミング631でBeaconを受信しなかった場合に(S403でNo)、フレーム受信の待機をやめるタイミング(タイミング531からタイミング632はS404の予定時間に対応)を示す。図6では、タイミング632より前にNAV期間621が終了した後のタイミング633でリンク104にて、STA102は、AP101からBeacon622を受信する。STA102は、Beacon622に含まれるTIM element(図13のTIM element1300参照)を確認し、Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されないことを確認する(S405でNo)。よって、タイミング634の時点で、STA102はリンク104での受信が完了する。そこで、STA102は、その後、TXOP612に従ってデータ送信を再開する(S408、S409、S410、S416、S417、S418)。本実施例において、タイミング632は定めなくてもよい。
図4~図6を参照して説明したように、実施例1によれば、AP101からのBeaconを受信するタイミングがずれたとしても、STA102は、同時に送受信を行うことなく、データの送信を継続することができる。
なお、AP101は、Beacon送信のタイミングがずれた場合、次のBeacon送信のタイミングは、本来のBeacon送信のタイミングからを周期とする。例えば、Beaconの送信間隔(周期)が100TUであり、AP101が最初に0TU時点でBeaconを送信し、次に103TUでBeaconを送信した場合を考える。この場合、AP101は、この次のBeacon送信のタイミングは200TU時点に近づくように設定してもよい。これは一例であり、Beacon送信の周期を別の手法で設定してもよい。また、AP101は、この次に送信するBeaconは203TUに近づくように設定してもよい。
また、AP101は、リンク103とリンク104とで、Beacon送信タイミングを揃えるように動作してもよい。これに応じて、STA102において、リンク103とリンク104とで、Beacon受信タイミングが重なりうる。この場合、STA102は、リンク103とリンク104の両方でBeaconおよび(存在すれば)それに続くグループアドレスフレームの受信が完了するまで、送信待機する。STA102は、両リンクでBeaconとグループアドレスフレームの受信が完了するか、受信待機をやめるタイミングまでにBeaconを受信できなかった場合、フレームの送信を再開する。AP101がBeaconを送信するタイミングを揃えることで、STA102は、データフレームを送信待機する期間を減らすことができる。結果として、AP101によりマルチリンクでBeacon送信タイミングを揃えることにより、STA102によるスループットが向上しうる。
また、STA102は、図5や図6で示したデータ送信を中断した後(TXOP511、611)、AP101から受信確認であるAckフレームやBlock Ackフレームを受信してもよい。これらのフレームを受信する場合、STA102は、これらのフレームを受信する時間を余裕に見積もって、送信を中断してもよい。これにより、中断するタイミングでの送信データのフィードバックを受けることができ、データの再送が素早く行えるようになる。
(実施例2)
本実施例では、STA102がBeagon受信期間を過ぎた場合に、対象のリンクでのBeacon受信の試行を行わない場合について述べる。本実施例では、リンク104でBeaconを受信するものとする。なお、リンク103でBeaconを受信する場面でも同様である。また、リンク103とリンク104で同時にBeaconを受信する場面でも同様である。同時にBeaconを受信しようとするが、どちらか一方が受信できなかった場面でも同様である。なお、前述した実施例で説明済みの内容については本実施例での説明を省略する。
図7は、本実施例において、STA102がAP101からリンク104においてBeaconを受信する際のSTA102の処理をフローチャートで示している。図4に示すフローチャートは、STA102の制御部202が記憶部201に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現されうる。本フローチャートで示す処理は、STA102が、AP101とマルチリンク(本実施形態ではリンク103とリンク104)で接続を確立したと同時に開始されうる。
STA102がAP101と接続されている状態で、STA102のBeacon受信制御部304は、いずれかのリンクでBeacon受信タイミングが近付いたか、すなわち、Beacon受信タイミングの所定時間前かどうかを判定する(S701)。当該所定時間は、本実施例では10μsecとするが、これは一例であり、5μsecでもよいし、20μsecでもよい。本実施例では、Beacon受信タイミングは100msec毎(すなわち、Beacon間隔=100msec)とするが、150msec毎等、任意の間隔に設定されうる。
いずれかのリンクでBeacon受信タイミングが近づいた場合(S701でYes)、処理はS702へ進む。以下、Beacon受信タイミングが近づいたリンクを、対象のリンクと呼ぶ。S702では、STA102の送信制御部303は、対象のリンクでBeacon受信の期間に入る前に、STA102はデータアップロード(UL)を控える。すなわち、STA102は、Beacon受信タイミングを含む期間においてデータアップロード/データ送信を行わない。これは、データアップロード中であれば、全リンクでデータアップロードをいったん中断することを意味する。ここでアップロードを中断するリンクとは、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなる全リンクである。よって、例えば、AP101とSTA102で同時に送信と受信ができる第3のリンク(不図示)を確立していた場合、当該第3のリンクではデータアップロードを中断しなくてもよい。
次に、STA102のBeacon受信制御部304は、対象のリンクでのBeaconの受信を、一定の期間待つ(S703)。すなわち、STA102は、本来のBeacon受信タイミングから当該一定の時間が経過するまでの期間(以下、第1の受信待機期間と称する)待つ。本実施例において当該第1の受信待機期間を100μsecとするが、これは一例であり、他の時間期間でもよい。第1の受信待機期間を過ぎた時点で(S703でYes)、STA102の送信制御部303は、送信キューに送信データがたまっているか否かを確認する(S704)。送信データがたまっていない場合(S704でNo)、STA102は処理を終了する。送信データがたまっている場合(S704でYes)、STA102のBeacon受信制御部304は、第1の受信待機期間中にBeaconを受信したか否かを確認する(S705)。
第1の受信待機期間にBeaconを受信できなかった場合(S705でNo)、STA102の無線LAN制御部301は、対象のリンクでのデータ受信の試行を中止する(S709)。すなわち、STA102は、データ受信をあきらめる。第1の受信待機期間にBeaconを受信した場合(S705でYes)、処理はS706へ進み、Beacon受信制御部304は、Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されるか否かを確認する。当該確認処理は、図4のS405と同様である。
Beaconに続いてグループアドレスフレームが送信されることを確認した場合(S706でYes)、処理はS707へ進み、確認しなかった場合(S706でNo)、処理はS710へ進む。S707では、STA102の無線LAN制御部301は、Beaconに続く追加のグループアドレスフレームを受信したか否かを確認する。無線LAN制御部301は、Beaconを受信してからあらかじめ定めた期間、追加のグループアドレスフレームの受信を待つ(S708)。本実施例では当該期間(以下、第2の受信待機期間と称する)を100μsecとするが、これは一例であり、他の時間期間でもよい。第2の受信待機期間を過ぎてもグループアドレスフレームを受信できなかった場合(S708でYes)、STA102は、対象のリンクでのデータ受信の試行を中止し(S709)、処理はS710へ進む。また、第2の受信待機期間にグループアドレスフレームを受信できた場合(S707でYes)も、処理はS710へ進む。S710では、図4のS409と同様に、STA102の送信制御部303は、送信する予定のリンクにてバックオフカウンタを設定する(S710)。S711からS719の処理は、図4におけるS410からS418の処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、S707におけるグループアドレスフレームを受信したか否かの確認は、STA102が、自分宛のフレームがあるか否かの確認であってもよい。また、グループアドレスフレームを、対象のリンク(Beacon受信予定のリンク)と別のリンク、例えばリンク103で受信済みのことがわかっている場合は、STA102は、Beaconに続くグループアドレスフレームを受信しないと判断し、処理をS710に進めるようにしてもよい。
続いて、本実施例によるAP101とSTA102の一連の処理の流れを図8~図10を用いて説明する。図8は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の一例を示すシーケンス図であり、以下の説明において図7も参照する。図8は、マルチリンク(リンク103とリンク104)におけるあるリンクでBeaconを受信するが、Beaconの受信タイミングがチャネルの混雑によりずれてしまった場合を示す。さらに、図8は、Beaconに続いて追加のグループアドレスフレームを受信する予定であったが、所定の期間にフレームを受信できなかった場合を示す。リンク103とリンク104は、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなるリンクである。
実施例1で説明した図5と同様に、STA102は、自身のTXOP811にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間821が設定されている。STA102は、本来のBeacon受信タイミング831で、リンク104にてBeaconを受信予定である。STA102は、Beacon受信タイミング831に近づくと(S701でYes)、データのアップロードを一時中断する(S702)。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間821の長さがわかっており、NAV期間821がリンク103でBeacon受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間821が終了するまではデータの送信(TXOP811)を続けていてもよい。この点の考察については、実施例1で述べた通りである。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間821の長さがわかっており、NAV期間821がリンク103でBeaconを受信する期間と重ならないことがわかっている場合、NAV期間621が終了するまではデータの送信(TXOP811)を続けていてもよい。この点の考察については前述のとおりである。
タイミング832は、Beaconを受信した場合に、Beaconに続くグループアドレスフレームの受信の待機をやめるタイミングを示す(タイミング833からタイミング832の期間が、図7のS708における第2の受信待機期間に対応)。図8では、タイミング832により前にNAV期間821が終了した後のタイミング833でリンク104にて、STA102はAP101からBeacon822を受信する。AP101は、Beacon822に続いて、追加のグループアドレスフレーム823を送信する。しかし、Beacon822の送信から追加のグループアドレスフレーム823までの間に第2の受信待機期間が経過したため、STA102は、リンク104にて、Beacon822を受信するが、タイミング832以降の期間824でフレーム受信を実施しない(Not Received)。これに代わり、STA102は、リンク103にて、TXOP812に従ってデータ送信を再開する(S707でNo、S708でYesS709、S710、S711、S717、S718、S719)。AP101はタイミング834にて追加のグループアドレスフレーム823の送信を完了する。しかし、STA102はこのグループアドレスフレームの受信を無視し、リンク103にてデータフレームを送信する。
図9は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の別の例を示すシーケンス図であり、以下の説明において図7も参照する。図9は、マルチリンク(リンク103とリンク104)におけるあるリンクでBeaconを受信するが、Beaconの受信タイミングがチャネルの混雑によりずれてしまった場合を示す。図9の例では、Beaconの後に続いて追加のグループアドレスフレームは送信されない。リンク103とリンク104は、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなるリンクである。
図8と同様に、STA102は、自身のTXOP911にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間921が設定されている。STA102は、本来のBeacon受信タイミング931で、リンク104にてBeaconを受信予定である。STA102は、Beacon受信タイミング931に近づくと(S701でYes)、データのアップロードを一時中断する(S702)。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間921の長さがわかっており、NAV期間921がリンク103でBeacon受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間921が終了するまではデータの送信(TXOP911)を続けていてもよい。この点の考察については、実施例1で述べた通りである。
タイミング932は、Beaconの受信の待機をやめるタイミングを示す(本来のBeacon受信タイミング931からタイミング932の期間が、図7のS703の第1の受信待機期間に対応)。図9では、タイミング932より前のタイミング933でリンク104にて、STA102はAP101からBeacon922を受信する。Beacon922には他に追加のグループアドレスフレームが続かないため、STA102はタイミング934の時点で、リンク104での受信が完了する。そこで、STA102はその後、TXOP912に従ってデータ送信を再開する(S706でNo、S710、S711、S717、S718、S719)。
図10は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の別の例を示すシーケンス図であり、以下の説明において図7も参照する。図10は、マルチリンク(リンク103とリンク104)におけるあるリンクでBeaconを受信するが、Beaconの受信タイミングがチャネルの混雑によりずれてしまった場合を示す。さらに、図10は、Beaconを受信する予定であったが、所定の期間にBeaconを受信できなかった場合を示す。リンク103とリンク104は、同時に送信と受信ができないリンクの組み合わせとなるリンクである。
図8と同様に、STA102は、自身のTXOP1011にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間1021が設定されている。STA102は、本来のBeacon受信タイミング1031で、リンク104にてBeaconを受信予定である。STA102は、Beacon受信タイミング1031に近づくと(S701でYes)、データのアップロードを一時中断する(S702)。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間1021の長さがわかっており、NAV期間1021がリンク103でBeacon受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間1021が終了するまではデータの送信(TXOP1011)を続けていてもよい。この点の考察については、実施例1で述べた通りである。
タイミング1032は、Beaconの受信の待機をやめるタイミングを示す(本来のBeacon受信タイミング1031からタイミング1032の期間が、図7のS703の第1の受信待機期間に対応)。STA102は、Beaconの受信に関わらず、タイミング1032が過ぎたこと(第1の受信待機期間が経過したこと)を契機に、TXOP1012に従ってデータの送信を再開する(S705でNo、S709、S710、S711、S717、S718、S719)。図10では、タイミング1032の時刻より遅れてタイミング1033にて、AP101からBeacon1022が送信される。Beaconの送信終了はタイミング1034となる。しかし、STA102は、リンク103にてデータを送信中であるため、TXOPに対応した期間1024(Not Received)において、リンク104にてBeacon1022を受信できない。
図7~図10を参照して説明したように、実施例2によれば、AP101からのBeaconを受信するタイミングがずれたとしても、STA102は、Beaconの受信よりもデータの送信を優先して行う。これにより、リンクによって混雑に差があった場合でも、STA102は、データフレームをいち早くAP101に伝えることができるようになり、結果として、STA102による通信遅延を下げることができる。
(実施例3)
実施例1と実施例2では、AP101がBeaconを送信し、STA102がそれを受信する場合について述べたが、送信されるフレームは定期的に送られるグループアドレスフレームであればなんでもよい。例えば、IEEE802.11シリーズ規格に準拠する、省電力を目的とした技術であるTWT(Target Wake Time)で定められるTriggerフレームを対象としてもよい。本実施例では、TWTを例にした動作を説明する。
図11は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の一例を示すシーケンス図である。図11は、Triggerフレームの受信が本来受信するはずのタイミング/期間(以下、Trigger受信タイミングとも称する)からはずれるが、受信待機期間中にAP101からTriggerフレームが送信される場合の例を示す。すなわち、図5~図6に関連して説明した処理例と類似する。Trigger受信タイミングは、STA102により所定の情報に基づいて取得さうる。
STA102は、自身のTXOP1111にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間1121が設定されている。STA102は、本来のTrigger受信タイミング1131で、リンク104にてTriggerフレームを受信予定である。STA102は、Trigger受信タイミング1131に近づくと、データのアップロードを一時中断する。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間1121の長さがわかっており、NAV期間1121がリンク103でTrigger受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間1121が終了するまではデータの送信(TXOP1111)を続けていてもよい。この点の考察については、実施例1で述べた通りである。
タイミング1132は、Triggerフレームおよびそれに続くフレームの受信の待機をやめるタイミングを示す。STA102は、タイミング1133でリンク104にてTriggerフレーム1122を受信する。これに対しSTA102は、リンク104にてPS Poll(Power Save Poll)フレームもしくはU-APSD(Unscheduled Automatic Power-Save Delivery)フレーム1123を返送する。AP101は各STAからの返送を見て、DL MU PPDU(Downlink Multi-user Physical layer Protocol Data Unit)フレーム1124を送信する。これはSTA102を含む複数STAへのフレームである。STA102はDL MU PPDUフレーム1124を受信した後、Block Ackフレーム1125を返送する。STA102は、Block Ackフレーム1125の返送の終了タイミング1134を契機に、データの送信(TXOP1112)を再開する。なお、STA102は、AP101から再送データがあった場合は再送が終わるまでデータ送信の再開を待つ。
図12は、本実施例によるAP101とSTA102の処理の別の例を示すシーケンス図である。図12は、Triggerフレームの受信がTriggerタイミングから外れ、受信待機期間が経過しまった場合の例を示す。すなわち、図8~図10に関連して説明した処理例と類似する。
STA102は、自身のTXOP1211にしたがってリンク103でデータの送信(アップロード)をしている。一方、リンク104では、例えばSTA105(図1参照)がAP101と別のAPにデータフレームを送信中であり、NAV期間1221が設定されている。STA102は、本来のTrigger受信タイミング1231で、リンク104にてTriggerフレームを受信予定である。STA102は、Trigger受信タイミング1231に近づくと、データのアップロードを一時中断する。
なお、STA102は、リンク104のNAV期間1221の長さがわかっており、NAV期間1221がリンク103でTrigger受信タイミングと重ならないことがわかっている場合、NAV期間1221が終了するまではデータの送信(TXOP1211)を続けていてもよい。この点の考察については、実施例1で述べた通りである。
タイミング1232は、Triggerフレームの受信の待機をやめるタイミングを示す。STA102は、Triggerフレームの受信に関わらずタイミング1232が過ぎたことを契機に、データの送信(TXOP1212)を再開する。図12ではタイミング1232より遅れてタイミング1233にてAP101からTriggerフレーム1222が送信される。Triggerフレームとそれに続くデータ送受信の手続き終了はタイミング1234となる。しかしSTA102はリンク103にてデータを送信中であるため、期間1223においてリンク104でのTriggerフレームは受信できない(Not Received)。
上記に説明した実施例では、AP101およびSTA102はEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)によるチャネルアクセスを前提として説明している。しかし課題を解決する手段としてはこれに限らない。例えば、AP101は接続しているSTAからのUL通信についてはTriggerフレームをベースとした通信のみ許可するものとしてもよい。この場合は他のリンクでBeaconを受信するタイミングではULデータがないようにチャネル割り当てを行う。これにより、STAにとって、Beaconの受信期間とフレーム送信が重なることを回避できる。
また、実施例2において、STA102は、Beaconの受信が複数回できなかった場合、その旨をAP101に送信し、別の周波数でリンクを構築してもよい。これにより、混雑していない環境でのリンク構築が可能となり、Beaconの受信が遅れにくくなるほか、そのリンクでデータを送受信することで、スループット向上が期待できる。
このように、上記に説明した実施形態によれば、マルチリンクにおいて、あるリンクで送信動作中に他のリンクで受信動作ができないように構成されるSTAは、到来するBeacon等のグループアドレスフレームのタイミングがずれたとしても、送信動作を制御する。よって、周波数リソースを無駄にせず通信を継続することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100 ネットワーク、 101 通信装置(AP)、 102 通信装置(STA)、 103 リンク、 104 リンク、 105 通信装置(STA)

Claims (14)

  1. IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置であって、
    前記他の通信装置から前記複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信する受信手段と、
    前記第1のフレームに基づいて、前記他の通信装置から送信される前記第1のフレームの前記通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得する取得手段と、
    前記複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する送信手段と、を有し、
    前記送信手段は、前記受信タイミングを含む期間において前記第2のフレームを送信せず、前記受信手段により前記第1のフレームが受信されたことに応じて、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信することを特徴とする通信装置。
  2. 前記送信手段は、前記第2のリンクにて前記第2のフレームの送信を開始した後に、前記期間において前記第2のフレームの送信を一時中断し、前記受信手段により前記第1のフレームが受信されたことに応じて、前記第2のリンクにて前記第2のフレームの送信を再開することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記送信手段により前記期間において前記第2のフレームの送信が一時中断されている状態で前記受信手段により前記第1のフレームが受信された場合に、前記第1のフレームに基づいて、前記第1のフレームに続いて受信されるべき第3のフレームが存在するかを判定する判定手段を更に有し、
    前記判定手段により、前記第3のフレームが存在することが判定された場合、前記送信手段は、前記受信手段により前記第1のフレームと前記第3のフレームが受信されたことに応じて、前記第2のフレームの送信を再開することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記第1のフレームと前記第3のフレームは、グループアドレスフレームであることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置であって、
    前記他の通信装置から前記複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信する受信手段と、
    前記第1のフレームに基づいて、前記他の通信装置から送信される前記第1のフレームの前記通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得する取得手段と、
    前記複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する送信手段と、を有し、
    前記送信手段は、
    前記受信タイミングを含む第1の期間において前記第2のフレームを送信せず、
    前記受信手段により前記第1のフレームが受信されずに前記第1の期間が経過した場合、前記第1の期間の経過の後に、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信することを特徴とする通信装置。
  6. 前記送信手段は、
    前記第2のリンクにて前記第2のフレームの送信を開始した後に、前記第1の期間において前記第2のフレームの送信を一時中断し、
    前記受信手段により前記第1のフレームが受信されずに前記第1の期間が経過した場合、前記第1の期間の経過の後に、前記第2のフレームの送信を再開することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  7. 前記送信手段により前記第1の期間において前記第2のフレームの送信が一時中断されている状態で前記受信手段により前記第1のフレームが受信された場合に、前記第1のフレームに基づいて、前記第1のフレームに続いて受信されるべき第3のフレームが存在するかを判定する判定手段を更に有し、
    前記判定手段により前記第3のフレームが存在することが判定された場合であって、かつ、前記受信手段により前記第3のフレームが受信されずに前記第1のフレームが受信されたタイミングから第2の期間が経過した場合、前記送信手段は、前記第2の期間の経過の後に、前記第2のフレームの送信を再開することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  8. 前記第1のフレームと前記第3のフレームは、グループアドレスフレームであることを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  9. 前記送信手段は、前記第1のリンクにて前記通信装置と前記他の通信装置に対して設定されているNAV(Network Allocation Vector)期間中は、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信することができることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 前記第1のフレームは、Beaconフレームであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
  11. 前記第1のフレームは、Triggerフレームであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
  12. IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置の制御方法であって、
    前記他の通信装置から前記複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信する受信工程と、
    前記第1のフレームに基づいて、前記他の通信装置から送信される前記第1のフレームの前記通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得する取得工程と、
    前記複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する送信工程と、を含み、
    前記送信工程では、前記受信タイミングを含む期間において前記第2のフレームを送信せず、前記受信工程において前記第1のフレームが受信されたことに応じて、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信することを特徴とする制御方法。
  13. IEEE802.11シリーズ規格に準拠し、他の通信装置との間で周波数チャネルが異なる複数のリンクを用いてマルチリンク通信を行うことが可能な通信装置の制御方法であって、
    前記他の通信装置から前記複数のリンクのうちの第1のリンクにて第1のフレームを受信する受信工程と、
    前記第1のフレームに基づいて、前記他の通信装置から送信される前記第1のフレームの前記通信装置における所定間隔の受信タイミングの情報を取得する取得工程と、
    前記複数のリンクのうち第2のリンクにて第2のフレームを送信する送信工程と、を有し、
    前記送信工程では、
    前記受信タイミングを含む第1の期間において前記第2のフレームを送信せず、
    前記第1のフレームが受信されずに前記第1の期間が経過した場合、前記第1の期間の経過の後に、前記第2のリンクにて前記第2のフレームを送信することを特徴とする通信装置。
  14. コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
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