JP2022115314A - 異音判別システム - Google Patents

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Abstract

【課題】異音が周期的に稼働する部品が発した異音であるのか、燃焼の異常に起因した異音であるのかを判別する。【解決手段】異音判別システムの実行装置は、内燃機関を第1機関回転速度で運転させた状態で録音した第1録音データにおける代表的な成分の発生周期を第1発生周期として抽出する第1代表周期抽出処理(S100)と、内燃機関を第2機関回転速度で運転させた状態で録音した録音データにおける代表的な成分の発生周期を第2発生周期として抽出する第2代表周期抽出処理(S110)とを実行する。実行装置は、異音の発生周期が機関回転速度に反比例しているか否かを判定する相関確認処理(S120)を実行する。実行装置は、反比例していると判定した場合(S120:YES)にパーツ起因異音であると判定し(S130)、反比例する傾向がないと判定した場合(S120:NO)に燃焼起因異音であると判定する(S140)。【選択図】図2

Description

この発明は車両の異音を収録した録音データを解析して異音の種類を判別する異音判別システムに関するものである。
特許文献1には、録音した音のデータを分析し、録音されている音の音圧レベルと次数とを車両の速度に対応させて表示する装置が開示されている。この装置は、テストドライバによるコメントなども同時に録音し、表示とあわせてこのコメントや録音した音を再生して異音の要因を解析しやすくする試験用の装置である。
特開2005-098984号公報
上記の音の次数は、一回転当たりの発生回数を示す値である。そのため、特許文献1に開示されている次数に基づいて異音の要因を解析する方法は、回転軸やギヤなどの回転体及びこれら回転体の回転に同期して稼働するピストンなどの部品が、周期的に運動することによって発生する異音を対象とする方法である。
車両に搭載された内燃機関において発生するノッキングなどの燃焼の異常は、周期的に発生するとは限らず、不定期に発生する。すなわち、車両において発生する異音には、特許文献1に開示されている方法では要因を解析できない異音も含まれている。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための異音判別システムは、内燃機関を備えた車両において発生した異音を収録した録音データを解析して前記異音の種類を判別する。この異音判別システムは、プログラムが記憶されている記憶装置と、前記記憶装置に記憶されている前記プログラムを実行する実行装置と、を備えている。この異音判別システムでは、前記実行装置が、前記内燃機関を第1機関回転速度で運転させた状態で録音した前記録音データにおける代表的な成分の発生周期を第1発生周期として抽出する第1代表周期抽出処理と、前記内燃機関を前記第1機関回転速度と異なる第2機関回転速度で運転させた状態で録音した前記録音データにおける代表的な成分の発生周期を第2発生周期として抽出する第2代表周期抽出処理と、前記第1発生周期と前記第2発生周期と前記第1機関回転速度と前記第2機関回転速度とに基づいて前記異音の発生周期が機関回転速度に反比例しているか否かを判定する相関確認処理と、前記相関確認処理において反比例していると判定した場合に前記異音が前記内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発する異音であると判定し、前記相関確認処理において反比例する傾向がないと判定した場合に前記異音が前記内燃機関における燃焼の異常に起因した異音であると判定する判別処理と、を実行する。
内燃機関の運転に伴って周期的に稼働する部品から異音が発せられている場合、異音は内燃機関の出力軸の回転と同期して周期的に発生しやすい。一方で、内燃機関における燃焼の異常は、出力軸の回転と同期して周期的に発生するとは限らない。異音が内燃機関の出力軸の回転と同期して発生している場合、異音の発生周期は機関回転速度に反比例する。そのため、異音の発生周期が機関回転速度に反比例しているか否かを判定すれば、周期的に稼働する部品から発せられている異音と、燃焼の異常に起因して発生している異音とを判別することができる。
上記構成によれば、第1代表周期抽出処理を通じて第1発生周期を抽出し、第2代表周期抽出処理を通じて第2発生周期を抽出する。そして、抽出された第1発生周期及び第2発生周期と、第1機関回転速度及び第2機関回転速度を用いて、異音の発生周期が機関回転速度に反比例しているか否かを相関確認処理において判定する。相関確認処理を通じて反比例していると判定した場合には、実行装置は、録音データに収録されている異音は内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発している異音であると判定する。一方で、実行装置は、相関確認処理を通じて反比例していないと判定した場合には、録音データに収録されている異音は内燃機関における燃焼の異常に起因した異音であると判定する。
すなわち、上記構成によれば、周期的に稼働する部品が発した異音と、燃焼の異常に起因した異音とを判別することができる。
一実施形態の異音判別システムであるデータセンタと、同データセンタを含むネットワークの構成を示す模式図。 データセンタの実行装置が実行する異音判別ルーチンの処理の流れを示すフローチャート。 異音判別ルーチンにおける代表周期抽出処理の流れを示すフローチャート。 録音データの例を示すグラフ。 代表周期抽出処理における周期の抽出方法を説明するための説明図。
以下、異音判別システムの一実施形態について、図1~図5を参照して説明する。
図1は、一実施形態にかかる異音判別システムを含むネットワークの構成を示している。図1に示すように、異音判別システムであるデータセンタ100は、通信ネットワーク200を介して、整備工場300に備えられている整備用端末30と通信する。そして、データセンタ100は、整備用端末30から送信された録音データに収録されている異音の種類を判別する。
整備工場300は、車両の修理や整備、点検などを行う工場である。そして、整備用端末30は、整備工場300に備えられた情報処理端末である。整備用端末30は、プログラムが記憶されている記憶装置32と、記憶装置32に記憶されているプログラムを実行して各種の処理を実行する実行装置31とを備えている。なお、記憶装置32は、プログラムが記憶されているROMとデータを一時的に記憶するRAMとを含んでいる。また、整備用端末30は、通信装置33を備えている。通信装置33は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組合せとして実装されている。そして、通信装置33は、通信ネットワーク200を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
<異音判別システムの構成>
図1に示すように、異音判別システムであるデータセンタ100は、プログラムが記憶されている記憶装置120と、記憶装置120に記憶されているプログラムを実行して各種の処理を実行する実行装置110とを備えている。なお、実行装置110は、プロセッサを含んでいる。
また、データセンタ100は、通信装置130を備えている。通信装置130は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組合せとして実装されている。そして、通信装置130は、通信ネットワーク200を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
なお、データセンタ100は、複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、データセンタ100は、複数のサーバ装置によって構成され得る。
このように構成されたデータセンタ100は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有している。実行装置110は、整備用端末30にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションからの要求に応答して各種の処理を実行する。これにより、実行装置110は、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データなどを整備用端末30に対して送信する。なお、画面データは、例えば、HTMLデータである。整備用端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他のアプリケーション画面が表示される。
整備用端末30は、ウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介したデータセンタ100との通信を実行することによって、車両の整備に関する情報のやりとりを行うことができる。
図1に示すように、整備用端末30には、マイク40が接続されている。マイク40は、整備の対象車両である車両10で発生している異音を収録するために、車両10のエンジンコンパートメント内に設置される。
また、整備用端末30は、車両10と接続され、車両10の運転状態を検出するための各種のセンサから車両10の運転状態を示す車両データを取得する。例えば、車両データには、機関回転速度NE、負荷率KL及び車速センサの出力値である車速SPが含まれている。その他、車両データとしては、エンジンオイルの温度である油温や機関冷却水の温度である水温、エンジンが吸入する空気の温度である吸気温などを含んでいてもよい。また、車両データとしては、ブレーキペダルが踏み込まれているか否かを示す情報や、車両10の変速機のシフトポジション、変速機の変速段などを示す情報を含んでいてもよい。
データセンタ100は、マイク40によって収録した録音データに収録されている異音の種類を判別する。
<録音データの収録について>
異音を解消するための整備の対象車両である車両10が入庫すると、整備工場300では、車両10のエンジンコンパートメント内に整備用端末30に接続されたマイク40を取り付ける。そして、例えば、車両10のユーザから聞き取った情報などに基づいて異音の発生状況を再現するように車両10を操作しながら、マイク40によって異音を収録する。具体的には、異音が発生している状態で機関回転速度NEを一定に保った状態を例えば十数秒間維持し、その間に異音を収録して既定時間、例えば10秒の録音データを作成する。
なお、この異音判別システムでは、機関回転速度NEが異なる状態で収録した2つの録音データを用いて判別対象の異音の種類を判別する。そのため、ここでは、判別対象の異音が発生する範囲で機関回転速度NEを変更して録音データの作成を2回行う。つまり、まず、機関回転速度NEを第1機関回転速度NE1に維持した状態で異音を収録し、その録音データを第1録音データとする。そして、次に機関回転速度NEを第1機関回転速度NE1とは異なる第2機関回転速度NE2に維持した状態で異音を収録し、その録音データを第2録音データとする。こうして録音データを収録する際には、整備用端末30を車両10の制御装置にも接続し、録音データの収録と同時にそのときの車両データも整備用端末30に読み込む。
なお、録音データを収録する際の車両10の操作は、整備用端末30からの制御指令によって行うようにしてもよい。
こうして第1録音データと第2録音データを作成すると、整備用端末30からデータセンタ100に対して、これら録音データと各録音データを収録したときの車両データとをそれぞれ紐付けたデータを送信し、判別対象の異音がパーツ起因異音であるのか燃焼起因異音であるのかを判別する判別処理の実行をリクエストする。すなわち、この異音判別システムで判別する異音の種類は、パーツ起因異音と燃焼起因異音である。
なお、パーツ起因異音とは、車両に搭載されている内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発する異音である。内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品の具体的な例としては、例えば、クランク軸や変速機のギヤなどの回転体や、ピストンやタイミングチェーンなどの周期的な運動をする部品が挙げられる。一方、燃焼起因異音とは、内燃機関における燃焼の異常に起因した異音である。例えば、ノッキングや失火などに起因する異音があげられる。
<異音判別ルーチンについて>
次に、図2を参照して、データセンタ100が異音判別システムとして異音の種類を判別するために実行する異音判別ルーチンについて説明する。図2に示す異音判別ルーチンは、整備用端末30から送信されたデータを受信し、判別処理のリクエストを受け付けたときに、データセンタ100の実行装置110によって実行される。
図2に示すように、データセンタ100の実行装置110は、この異音判別ルーチンを開始すると、まずステップS100の処理において、通信装置130で受信した第1録音データに対する代表周期抽出処理を実行する。
図3は代表周期抽出処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、実行装置110は、代表周期抽出処理を開始すると、まずステップS200の処理において、録音データにおける変曲点を抽出する。ここでは、第1録音データに対する代表周期抽出処理であるため、第1録音データにおける変曲点を抽出する。
図4のグラフは録音データに収録されている音の音圧の推移を示している。ステップS200の処理では、こうした音圧の推移を示すグラフのうち、所定の音圧を超えている部分におけるグラフの変曲点を抽出する。なお、所定の音圧は、正の値であり、且つ異音として乗員が認識し得る大きさに設定されている。そのため、図4に示すグラフの例であれば、音圧が「0」の位置より高い領域において直線状に立ち上がっている部分の頂点に相当する部分が変曲点として抽出される。
こうして変曲点を抽出すると、実行装置110は処理をステップS210へと進める。図3に示すように、ステップS210の処理では、実行装置110は、Max変曲点Pmaxを特定する。具体的には、実行装置110は、ステップS200の処理を通じて抽出した変曲点のうち、最も音圧の値が高い変曲点をMax変曲点Pmaxとする。なお、図4には、図4に示したグラフにおけるMax変曲点Pmaxが示されている。
次に、実行装置110は、ステップS220の処理において、上位N個の変曲点を変曲点Pとし、各変曲点PについてMax変曲点Pmaxとの間隔を算出する。このステップS220の処理では、実行装置110は、まずステップS200の処理を通じて抽出された変曲点のうち、発生時点がMax変曲点Pmaxの発生時点に近い順にN番目までのN個の変曲点を、変曲点Pとして抽出する。なお、Nは正の整数である。Nの大きさの決め方については後述する。
そして、実行装置110は、N個の変曲点を抽出し、これらを変曲点Pにすると、これらの変曲点Pのそれぞれと、Max変曲点Pmaxとの間隔を算出する。具体的には、図5に示すように、Max変曲点Pmaxから各変曲点Pまでの時間的間隔を算出する。図5は、Max変曲点Pmaxと各変曲点Pとの時間的間隔を示し、代表周期抽出処理の内容を説明するための説明図である。図5においては、Max変曲点Pmaxの発生時点を最も長い直線で示し、各変曲点Pの発生時点をそれよりも短い直線で示している。すなわち、図5に示されている直線は、図4に示されている直線とは異なり、その長さは音圧の大きさを示していない。また、図5では、説明の便宜上、Max変曲点Pmaxを除く、各変曲点Pに対して発生順序に応じてP1,P2,P3,P4,P5,P6の符号を付している。
図5に示す例では、Max変曲点Pmaxと変曲点P4との間隔はAである。また、Max変曲点Pmaxと変曲点P5との間隔も同様にAである。そして、Max変曲点Pmaxと変曲点P3との間隔はBである。また、Max変曲点Pmaxと変曲点P6との間隔も同様にBである。Max変曲点Pmaxと変曲点P2との間隔は2Aである。すなわちAの2倍である。また、Max変曲点Pmaxと変曲点P1との間隔は2Bである。すなわち、Bの2倍である。
ステップS220の処理では、上位N個の各変曲点PについてこうしてMax変曲点Pmaxとの間隔を算出する。ステップS220の処理を通じてN個の変曲点PについてMax変曲点Pmaxとの間隔を算出し終わると、実行装置110は、処理をステップS230へと進める。
ステップS230の処理では、実行装置110は、変曲点Pの発生周期を抽出する。具体的には、実行装置110は、ステップS220の処理を通じて算出したN個の各変曲点PとMax変曲点Pmaxとの間隔のうち、共通する約数を有する変曲点Pについては同一の周期で発生しているものとみなして整理する。
図5に示す例では、A,2A,B,2Bの4種類の間隔が算出されていた。このうち、Aと2AはAが共通する約数になっている。そのため、Max変曲点Pmaxとの間隔がAである変曲点P4及び変曲点P5と、Max変曲点Pmaxとの間隔が2Aである変曲点P2とは、いずれも発生周期がAの成分としてまとめられる。また、Bと2BはBが共通する約数になっている。そのため、Max変曲点Pmaxとの間隔がBである変曲点P3及び変曲点P6と、Max変曲点Pmaxとの間隔が2Bである変曲点P1とは、いずれも発生周期がBの成分としてまとめられる。これにより、図5に示す例では、発生周期としてAとBの2つが抽出されることになる。
このようにステップS230では、ステップS220の処理を通じて算出した間隔に基づいて、録音データに収録されている異音における主要な成分の発生周期を抽出する。
次に、ステップS240の処理において、実行装置110は、抽出した発生周期毎に音圧の平均値を算出する。実行装置110は、抽出されているN個の変曲点Pにおける音圧の値の平均値を、発生周期毎に算出する。すなわち、ステップS230の処理を通じてt1~t10まで10個の発生周期が抽出されている場合には、実行装置110は、ステップS240の処理において発生周期毎にそれぞれに平均値を算出する。これにより、ステップS240の処理を通じて10個の平均値が算出される。
次に、実行装置110は、処理をステップS250へと進める。ステップS250の処理では、実行装置110は、平均値が最大の発生周期を代表周期として抽出する。具体的には、実行装置110は、ステップS240を通じて算出した平均値を比較し、平均値が最も大きい発生周期を、代表周期として抽出する。なお、代表周期は、解析対象になっている録音データにおける代表的な成分の発生周期である。
なお、ここでは、第1録音データに対する代表周期抽出処理を実行しているため、実行装置110は、ステップS250の処理を通じて第1録音データにおける代表周期を抽出し、この代表周期の値を第1発生周期T1とする。すなわち、第1発生周期T1は、第1録音データにおける代表周期を示す値である。
こうして代表周期を抽出すると、実行装置110は、代表周期抽出処理を終了させる。これにより、第1録音データにおける代表的な成分の発生周期を第1発生周期T1として抽出する第1代表周期抽出処理が完了する。
ところで、Nの値の大きさは、代表周期を抽出することができる数になっていればよく、その大きさは適宜設定可能である。ただし、Nが小さすぎると解析する範囲が狭すぎて代表周期を適切に抽出できないおそれがある。また、Nが多すぎると、解析にかかる時間が長くなってしまう。そこで、例えば、Nの大きさは、録音データの長さ及び録音データを収録したときの機関回転速度NE等に基づいて設定してもよい。具体的には、録音データの長さが長いほど多く、録音データを収録したときの機関回転速度NEが高いほど多くするようにしてもよい。これは、録音データが長いほど、また機関回転速度NEが高いほど、録音データにおいて異音の発生回数が多くなる可能性が高いためである。
図2における異音判別ルーチンにおいて、ステップS100の第1代表周期抽出処理が終了すると、実行装置110は、処理をステップS110へと進める。ステップS110の処理では、実行装置110は、第2録音データに対する代表周期抽出処理を実行する。ステップS110の処理では、実行装置110は、第2録音データを対象に図3~図5を参照して説明した代表周期抽出処理を実行する。
なお、ここでは、第2録音データに対する代表周期抽出処理を実行している。そのため、実行装置110は、ステップS250の処理を通じて第2録音データにおける代表周期を抽出し、この代表周期の値を第2発生周期T2とする。すなわち、第2発生周期T2は、第2録音データにおける代表周期を示す値である。
こうして代表周期を抽出すると、実行装置110は、代表周期抽出処理を終了させる。これにより、第2録音データにおける代表的な成分の発生周期を第2発生周期T2として抽出する第2代表周期抽出処理が完了する。
図2に示すように、次に、実行装置110は、処理をステップS120へと進め、第1録音データ及び第2録音データに収録されていた判別対象の異音の発生周期が機関回転速度NEに反比例しているか否かを判定する。ここでは、実行装置110は、第1発生周期T1と第2発生周期T2と第1機関回転速度NE1と第2機関回転速度NE2とに基づいて判別対象の異音の発生周期が機関回転速度NEに反比例しているか否かを判定する。すなわち、このステップS120の処理は、判別対象の異音の発生周期が機関回転速度NEに反比例しているか否かを判定する相関確認処理である。
発生周期が機関回転速度NEに完全に反比例している場合には、第2機関回転速度NE2を第1機関回転速度NE1で割った商と、第1発生周期T1を第2発生周期T2で割った商とが等しくなる。そこで、ステップS120の処理では、実行装置110は、例えば、第2機関回転速度NE2を第1機関回転速度NE1で割った商と、第1発生周期T1を第2発生周期T2で割った商との乖離の大きさが既定の範囲内であることに基づいて反比例していると判定する。なお、乖離の大きさはそれぞれの商の比率で表してもよいし、それぞれの商の差で表してもよい。また、既定の範囲の大きさは、判別を行う上で適切な大きさに適宜設定すればよい。
乖離の大きさが既定の範囲内であり、ステップS120の処理において発生周期が機関回転速度NEに反比例していると判定した場合(ステップS120:YES)には、実行装置110は、処理をステップS130へと進める。そして、ステップS130の処理において、実行装置110は、判別対象の異音はパーツ起因異音であると判定する。一方で、乖離の大きさが既定の範囲よりも大きく、ステップS120の処理において発生周期が機関回転速度NEに反比例する傾向がないと判定した場合(ステップS120:NO)には、実行装置110は、処理をステップS140へと進める。そして、ステップS140の処理において、実行装置110は、判別対象の異音は燃焼起因異音であると判定する。
すなわち、ステップS130の処理及びステップS140の処理は、相関確認処理の判定結果に基づいて異音の種類を判別する判別処理である。そして、判別処理では、相関確認処理において反比例していると判定した場合にパーツ起因異音であると判定し、反比例する傾向がないと判定した場合に燃焼起因異音であると判定する。
こうしてステップS130又はステップS140の処理を通じて異音の種類を判別すると、実行装置110は、通信装置130を用いて判別結果を整備用端末30に送信して異常判別ルーチンを終了させる。
こうしてデータセンタ100によって異音の種類を判別することにより、判別結果を受信した整備工場300では、受信した判別結果を参考にして異音の発生源を絞り込む作業を行うことができる。
<実施形態の作用>
内燃機関のクランク軸の回転に伴って回転するギヤに傷がついている場合を考える。例えば、変速機を構成しているギヤの歯の一つに傷がついている場合、そのギヤが1回転する度に、傷のついている歯が相手側のギヤの歯と噛み合い、異音が発生する。そのため、異音は機関回転速度NEと同期して周期的に発生する。この場合、機関回転速度NEが高くなると、その分、単位時間当たりに傷のついている歯が噛み合う回数が増える。そのため、単位時間当たりに異音の発生する回数が増えて異音の発生周期は短くなる。クランク軸が一回転する間に傷のついているギヤが回転する回数は変速比が変更されなければ変化しないため、異音の発生周期は機関回転速度NEに反比例することになる。
そのため、この場合には、録音データをデータセンタ100に送信し、データセンタ100において異音判別ルーチンを実行すると、ステップS120の処理において肯定判定がなされ、パーツ起因異音であるとの判別結果が出力される。
次に、特定の気筒において発生するのではなく、ランダムに発生するノッキングが発生している場合を考える。この場合、ノッキングはランダムに発生しているため、ノッキングによる異音の発生周期と機関回転速度NEとの間に相関関係はあまりない。
そのため、この場合には、データセンタ100において異音判別ルーチンを実行すると、ステップS120の処理において否定判定がなされ、燃焼起因異音であるとの判別結果が出力される。
<実施形態の効果>
内燃機関の運転に伴って周期的に稼働する部品から異音が発せられている場合、異音は内燃機関の出力軸の回転と同期して周期的に発生しやすい。一方で、内燃機関における燃焼の異常は、出力軸の回転と同期して周期的に発生するとは限らない。異音が内燃機関の出力軸の回転と同期して発生している場合、異音の発生周期は機関回転速度NEに反比例する。そのため、異音の発生周期が機関回転速度NEに反比例しているか否かを判定すれば、周期的に稼働する部品から発せられている異音と、燃焼の異常に起因して発生している異音とを判別することができる。
上記のデータセンタ100によれば、第1代表周期抽出処理を通じて第1発生周期T1を抽出し、第2代表周期抽出処理を通じて第2発生周期T2を抽出する。そして、第1発生周期T1及び第2発生周期T2と、第1機関回転速度NE1及び第2機関回転速度NE2を用いて、異音の発生周期が機関回転速度NEに反比例しているか否かを判定する。そして、反比例していると判定した場合には、実行装置110は、録音データに収録されている異音は内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発しているパーツ起因異音であると判定する。一方で、実行装置110は、反比例していないと判定した場合には、録音データに収録されている異音は内燃機関における燃焼の異常に起因した燃焼起因異音であると判定する。すなわち、異音判別システムであるデータセンタ100によれば、周期的に稼働する部品が発した異音と、燃焼の異常に起因した異音とを判別することができる。
(2)整備工場300における整備を行う上で、異音の原因を特定する際に、燃焼に起因する異音とパーツに起因する異音とが判別できていれば、原因を絞り込みやすくなる。そのため、整備に要する時間を短くすることができる。また、的確な整備を行うことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記の実施形態では、マイク40をエンジンコンパートメント内に設置する例を示したが、マイク40の設置場所は適宜変更可能である。例えば、マイク40を車両10のキャビン内に設置して異音を収録するようにしてもよい。
・異音判別システムをデータセンタ100として具現化した例を示したが、こうした構成に限らない。例えば、整備用端末30として具現化することもできる。すなわち、データセンタ100を用いずに、整備用端末30の実行装置31が記憶装置32に記憶されているプログラムを実行して異音判別ルーチンを実行するように構成してもよい。
・また、整備用端末30とデータセンタ100とで分担して、上記実施形態における異音判別ルーチンにおける一連の処理と同様の処理を実行するように構成してもよい。すなわち、整備用端末30とデータセンタ100とで異音判別システムを構成してもよい。この場合、例えば、図2を参照して説明したステップS100及びステップS110の代表周期抽出処理までをデータセンタ100で実行し、ステップS120以降の処理、すなわち相関確認処理以降の処理を整備用端末30で実行する。また、例えば、ステップS120の相関確認処理までをデータセンタ100で実行し、ステップS120における判定の結果を受信した整備用端末30において判別処理だけを実行するようにしてもよい。
・異音判別システムを車両に搭載することもできる。すなわち異音判別システムを車両に搭載された実行装置として実現してもよい。この場合、例えば、判別結果を整備用端末30に出力する。
・上記の実施形態では、異音判別システムによる判別結果を車両の整備に活用する例を示した。これに対して、異音判別システムの用途は整備用に限られない。例えば、車両の開発現場において、異音の発生源を特定するための実験、研究に用いることもできる。すなわち、異音判別システムは実験、研究用の解析装置であってもよい。
・上記の実施形態では、相関確認処理において、第2機関回転速度NE2を第1機関回転速度NE1で割った商と、第1発生周期T1を第2発生周期T2で割った商との乖離の大きさが既定の範囲内であることに基づいて反比例していると判定する例を示した。これに対して第1機関回転速度NE1及び第2機関回転速度NE2と、第1発生周期T1及び第2発生周期T2とを用いれば、上記の方法でなくても同様の関係が成立していることを確認することはできる。そのため、反比例しているか否かを判定するための方法は上記の実施形態で例示した方法に限らない。
・異音判別システムは、(a)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、(b)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは(c)それらの組み合わせ、を含む実行装置によって構成されることができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
10…車両
30…整備用端末
31…実行装置
32…記憶装置
33…通信装置
40…マイク
100…データセンタ
110…実行装置
120…記憶装置
130…通信装置
200…通信ネットワーク
300…整備工場

Claims (1)

  1. 内燃機関を備えた車両において発生した異音を収録した録音データを解析して前記異音の種類を判別する異音判別システムであり、
    プログラムが記憶されている記憶装置と、前記記憶装置に記憶されている前記プログラムを実行する実行装置と、を備え、前記実行装置が、前記内燃機関を第1機関回転速度で運転させた状態で録音した前記録音データにおける代表的な成分の発生周期を第1発生周期として抽出する第1代表周期抽出処理と、前記内燃機関を前記第1機関回転速度と異なる第2機関回転速度で運転させた状態で録音した前記録音データにおける代表的な成分の発生周期を第2発生周期として抽出する第2代表周期抽出処理と、前記第1発生周期と前記第2発生周期と前記第1機関回転速度と前記第2機関回転速度とに基づいて前記異音の発生周期が機関回転速度に反比例しているか否かを判定する相関確認処理と、前記相関確認処理において反比例していると判定した場合に前記異音が前記内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発する異音であると判定し、前記相関確認処理において反比例する傾向がないと判定した場合に前記異音が前記内燃機関における燃焼の異常に起因した異音であると判定する判別処理と、を実行する異音判別システム。
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