JP2022109402A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトな車両に適した内燃機関及び蓄電装置を選択し、最低限の動力性能を確保しながら燃費性能、コスト、重量、搭載スペース等の複数の背反する要素をバランスさせる。【解決手段】総排気量1.5l以下の内燃機関を搭載するハイブリッド車両を設計・開発するにあたり、蓄電装置を、内燃機関の燃料消費率が最小に近い運転領域Aにおける最小出力P2に相当する大きさの電力を受容し充電できる能力を有するものとし、並びに、蓄電装置から走行用電動機に供給できる電力の上限を、法規に基づく燃料測定モードに則って走行するときに走行用電動機が発生させる最大出力に、法規に基づく最高速度にて所定の勾配の登坂路を走行するときの抵抗を打ち消すために走行用電動機が発生させる出力を加え、そこから運転領域Aにおける内燃機関の最大出力P1を減じたものに相当する大きさの電力に、0.5以上1.5以下の範囲内の係数を乗じた値に設定する。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関により発電機を駆動して発電した電力を蓄電装置に充電しまたは走行用電動機に供給する態様のハイブリッド車両に関する。
近時、内燃機関及び電動機の二種の動力源を備えるハイブリッド車両が一定の普及を見ている。シリーズ方式のハイブリッド車両(例えば、下記特許文献を参照)は、内燃機関により発電用モータジェネレータを駆動して発電を行い、発電した電力を蓄電装置、即ちリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等のバッテリ及び/またはキャパシタに蓄えるとともに、走行用モータジェネレータに供給する。そして、走行用モータジェネレータによって車両の駆動輪を回転させて走行する。
発電用モータジェネレータのみならず、走行用モータジェネレータもまた、回生制動により発電を行い、発電した電力を蓄電装置に蓄えることができる。蓄電装置の容量一杯まで既に電荷が蓄えられている場合には、回生制動により得られる電力を敢えて発電用モータジェネレータに供給し、これを電動機として作動させて内燃機関を回転駆動するモータリングを行うことで、余剰の電力を消費する。
燃料を燃焼させて内燃機関を運転するファイアリングを行う際には、エンジン回転数毎の目標エンジントルク(または、エンジン負荷率、スロットルバルブ開度、吸入空気量、燃料噴射量)を結ぶ動作線に沿って、内燃機関の運転を制御することが通例である。一般に、目標エンジントルクは、対応するエンジン回転数の下で熱効率が最大化するような値に設定する。
ハイブリッド車両では、内燃機関をファイアリングしなくとも、走行用モータジェネレータが蓄電装置に蓄えた電荷を消費して回転駆動力を出力し、車両を走行させることが可能である。よって、車両の運用中であっても、内燃機関の回転を停止している状態が継続することがある。
蓄電装置に蓄えている電荷の量が減少したときや、走行用モータジェネレータに対する要求出力が大きいときには、内燃機関を始動しその気筒に燃料を供給してこれを燃焼させ、内燃機関の出力する回転駆動力により発電用モータジェネレータを駆動し、発電を実行して蓄電装置を充電、または走行用モータジェネレータに供給する電力を増強する。
シリーズ方式のハイブリッド車両にあって、発電用モータジェネレータは、停止した内燃機関を始動する準備として内燃機関をモータリング、即ちクランキングする役割を兼ねる。クランキング時には、蓄電装置から必要な電力の供給を受ける。
特開2020-156134号公報
現在上市されているハイブリッド車両では、キビキビとした走行フィーリングを実現するべく、走行用の電動機に対して大電力を供給可能な大形の蓄電装置が搭載されている。実のところ、既存のハイブリッド車両に搭載されている蓄電装置及び電動機の出力は、必要十分な最低限の動力性能に対して過剰なスペックとなっている。
他方、軽自動車や小型自動車に匹敵するコンパクトなハイブリッド車両を設計・開発するにあたっては、コスト面、さらに車体における搭載スペースの制約から、できる限り小形かつ軽量な蓄電装置を採用することが要望される。しかしながら、小形バッテリは、容量が小さく、端子電圧が低く、入出力可能な電力の大きさがどうしても制限される。
以上に着目してなされた本発明は、コンパクトなハイブリッド車両に適した内燃機関及び蓄電装置を選択し、必要十分な最低限の動力性能を確保しながら、燃費性能、コスト、重量、搭載スペースといった複数の背反する要素をうまくバランスさせることを所期の目的としている。
本発明では、総排気量が1.5l以下の内燃機関により発電機を駆動して発電した電力を蓄電装置に充電しまたは走行用電動機に供給するハイブリッド車両であって、前記蓄電装置が、前記内燃機関をファイアリングして運転する際の燃料消費率が最小に近い所定の運転領域における当該内燃機関の最小出力またはその近傍の所定の出力に相当する大きさの電力を受容して充電できる能力を有し、並びに、前記蓄電装置から前記走行用電動機に供給できる電力の上限を、法規に基づく所定の燃料測定モードに則って走行するときに走行用電動機が発生させる最大出力に、法規に基づく最高速度にて所定の大きさの勾配の登坂路を走行するときの走行抵抗を打ち消すために走行用電動機が発生させる出力を加え、そこから前記所定の運転領域における前記内燃機関の最大出力またはその近傍の所定の出力を減じたものに相当する大きさの電力に、0.5以上1.5以下の範囲内の所定の係数を乗じた値に設定したハイブリッド車両を構成した。
本発明によれば、コンパクトなハイブリッド車両に適した内燃機関及び蓄電装置を選択し、必要十分な最低限の動力性能を確保しながら、燃費性能、コスト、重量、搭載スペースといった複数の背反する要素をうまくバランスさせることができる。
本発明の一実施形態におけるシリーズ方式のハイブリッド車両及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態のハイブリッド車両に搭載される内燃機関の概要を示す図。 同実施形態の制御装置が制御するハイブリッド車両の要求出力の区分を示す図。 同実施形態の制御装置が制御する内燃機関の運転条件を示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態におけるハイブリッド車両の主要システムの概略構成を示している。このハイブリッド車両は、内燃機関1と、内燃機関1により駆動されて発電を行う発電用モータジェネレータ2と、発電用モータジェネレータ2が発電した電力を蓄える蓄電装置3と、発電用モータジェネレータ2及び/または蓄電装置3から電力の供給を受けて車両の駆動輪62を駆動する走行用モータジェネレータ4とを備えている。
本実施形態のハイブリッド車両は、内燃機関1を発電にのみ使用するシリーズハイブリッド方式の電気自動車であり、車両の駆動輪62には専ら走行用モータジェネレータ4から走行のための駆動力を供給する。内燃機関1と駆動輪62との間は機械的に切り離されており、元来両者の間で回転駆動力の伝達がなされない。つまり、内燃機関1は、走行用モータジェネレータ4及び駆動輪62から完全に独立して回転し、また完全に独立して停止することが可能である。従って、イグニッションスイッチ(パワースイッチ、またはイグニッションキー)がONに操作されている車両の運用中、運転者がアクセルペダルを踏むことで車両が走行可能な状態にあっても、蓄電装置3が十分な電荷を蓄え、かつブレーキブースタ15が十分な負圧を蓄えている状況下では、燃料の燃焼を伴う内燃機関1の運転を実施しないことがある。
内燃機関1の回転軸であるクランクシャフトは、発電用モータジェネレータ2の回転軸と、歯車機構を介してまたは軸を直結して機械的に接続している。そして、内燃機関1が出力する回転駆動力を発電用モータジェネレータ2に入力することで、発電用モータジェネレータ2が発電する。発電した電力は、蓄電装置3に充電し、及び/または、走行用モータジェネレータ4に供給する。また、発電用モータジェネレータ2は、自らが回転駆動力を発生させて内燃機関1のクランクシャフトを回転駆動するモータリング用の電動機としても機能する。例えば、発電用モータジェネレータ2は、停止している内燃機関1を始動する準備としてのクランキングを実行する。
走行用モータジェネレータ4は、車両の走行のための駆動力を発生させ、その駆動力を減速機61を介して駆動輪62に入力する。また、走行用モータジェネレータ4は、駆動輪62に連れ回されて回転することで発電し、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収する。この回生制動により発電した電力は、蓄電装置3に充電する。
尤も、既に蓄電装置3の容量一杯まで電荷が蓄えられており、それ以上の充電が困難であるならば、走行用モータジェネレータ4が回生発電した電力を敢えて発電用モータジェネレータ2に供給し、発電用モータジェネレータ2を電動機として稼働させて内燃機関1を回転駆動する。これにより、車両の制動性能を維持しながら、余剰の電力を消尽する。また、このとき、内燃機関1の回転が保たれることから、内燃機関1の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを実行することができる。
発電機インバータ21は、発電用モータジェネレータ2が発電する交流電力を直流電力に変換する。そして、その直流電力を蓄電装置3または駆動機インバータ41に入力する。並びに、発電機インバータ21は、発電用モータジェネレータ2を電動機として作動させる際に、蓄電装置3及び/または駆動機インバータ41から供給される直流電力を交流電力に変換した上で発電用モータジェネレータ2に入力する。
駆動機インバータ41は、蓄電装置3及び/または発電機インバータ21から供給される直流電力を交流電力に変換した上で走行用モータジェネレータ4に入力する。並びに、駆動機インバータ41は、車両の回生制動を行うときに走行用モータジェネレータ4が発電する交流電力を直流電力に変換した上で蓄電装置3または発電機インバータ21に入力する。発電機インバータ21及び駆動機インバータ41は、PCU(Power Control Unit)02の一部をなす。
蓄電装置3は、バッテリ及び/またはキャパシタ等である。バッテリは、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等の、エネルギ密度の大きい高電圧の二次電池である。蓄電装置3は、発電用モータジェネレータ2及び走行用モータジェネレータ4の各々が発電する電力を充電して蓄える。並びに、蓄電装置3は、発電用モータジェネレータ2及び走行用モータジェネレータ4の各々を電動機として作動させるための電力を放電し、それらモータジェネレータ2、4に必要な電力を供給する。
図2に、本実施形態のハイブリッド車両に搭載される内燃機関1の概要を示している。内燃機関1は、例えば火花点火式の4ストロークレシプロエンジンであり、複数の気筒11(例えば、三気筒。図2には、そのうち一つを図示する)を包有している。各気筒11の吸気ポート近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ111を設けている。また、各気筒11の燃焼室の天井部に、点火プラグ112を取り付けてある。点火プラグ112は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路13は、外部から空気を取り入れて各気筒11の吸気ポートへと導く。吸気通路13上には、エアクリーナ131、電子スロットルバルブ132、サージタンク133、吸気マニホルド134を、上流からこの順序に配置している。エアクリーナ131は、吸気通路13における最上流の位置、即ち空気を取り入れる吸気口に所在する。吸気口は、冷たい空気を取り入れて内燃機関の充填効率を上げるために、車両の前方に開口している。
排気を排出するための排気通路14は、気筒11内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒11の排気ポートから外部へと導く。この排気通路14上には、排気マニホルド142及び排気浄化用の三元触媒141を配置している。
EGR装置12は、排気通路14と吸気通路13とを連通する外部EGR通路121と、EGR通路121上に設けたEGRクーラ122と、EGR通路121を開閉し当該EGR通路121を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ123とを要素とする。EGR通路121の入口は、排気通路14における触媒141の下流の箇所に接続している。EGR通路121の出口は、吸気通路13におけるスロットルバルブ132の下流の箇所(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)に接続している。
内燃機関1、発電用モータジェネレータ2、蓄電装置3、インバータ21、41及び走行用モータジェネレータ4の制御を司る制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECU、即ち内燃機関1を制御するEFI(Electronic Fuel Injection)ECU01、モータジェネレータ2、4及びインバータ21、41を制御するMG(Motor Generator)ECU02、蓄電装置3を制御するBMS(Battery Management System)ECU03等、並びに、それらの制御を統括する上位のコントローラであるHV(Hybrid Vehicle)ECU00が、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものである。
ECU0に対しては、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関1のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者によるアクセルペダルの踏込量をアクセル開度(いわば、運転者が車両(の走行用モータジェネレータ4)に対して要求している駆動力)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関1の気筒11に連なる吸気通路13(特に、サージタンク133または吸気マニホルド134)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、内燃機関1の気筒11を内包しているシリンダブロックの振動の大きさを検出する振動式のノックセンサから出力される振動信号f、蓄電装置3に蓄えている電荷量を検出するセンサ(特に、バッテリ電流及び/またはバッテリ電圧センサ)から出力されるバッテリSOC(State Of Charge)信号g、ブレーキブースタ15の定圧室に蓄えている負圧を検出する負圧センサから出力される負圧信号h等が入力される。
そして、ECU0は、各種センサを介してセンシングしている、運転者が操作するアクセルペダルの踏込量や、現在の車両の車速、蓄電装置3が蓄えている電荷の量、発電用モータジェネレータ2の発電電力等に応じて、走行用モータジェネレータ4が出力する回転駆動力、内燃機関1が出力する回転駆動力、及び発電用モータジェネレータ2が発電する電力の大きさを増減制御する。
原則として、蓄電装置3が現在十分な電荷を蓄えており、走行用モータジェネレータ4に対して要求される出力が小さいならば、内燃機関1への燃料の供給を遮断して内燃機関1を運転しない。翻って、蓄電装置3が蓄えている電荷の量が下限値を下回り、または走行用モータジェネレータ4に対して要求される出力が大きいならば、内燃機関1を始動し気筒11に燃料を供給してこれを燃焼させるファイアリングを実行し、内燃機関1の出力する回転駆動力により発電機モータジェネレータ2を駆動し、発電を実施して蓄電装置3を充電し、または走行用モータジェネレータ4に供給する電力を増強する。
図3に、車両の運転者が要求する出力と、内燃機関1及び発電用モータジェネレータ2の運転の要否との関係を示している。要求出力は、運転者が操作するアクセルペダルの踏込量及び車速によって決まる。駆動輪62に与えるべき駆動力は、アクセル開度が大きいほど大きくなる。要求出力は、駆動輪62に与えるべき駆動力が大きいほど大きくなり、車速が高くなるほど大きくなる。図3上、右上方に向かうほど要求出力が大きいということになる。
ECU0は、駆動輪62に与えるべき駆動力が比較的小さく、車速も比較的低い低出力領域Iでは、内燃機関1に燃料を供給せずにその運転を停止し、発電用モータジェネレータ2を発電機として稼働させない。低出力領域Iでは、走行用モータジェネレータ4が、蓄電装置3のみから電力供給を受けて、車両の走行のための駆動力を出力する。低出力領域Iは、典型的には、アクセル開度が0または所定値以下に小さいとき、あるいは車両の減速走行中である。
対して、ECU0は、駆動輪62に与えるべき駆動力がある程度以上大きい、または車速がある程度以上高い中高出力領域II、IIIでは、内燃機関1に燃料を供給してこれを運転し、発電用モータジェネレータ2を発電機として稼働させる。要求出力が顕著に大きくない中出力領域IIでは、走行用モータジェネレータ4が、主として発電用モータジェネレータ2から電力供給を受けて、車両の走行のための駆動力を出力する。このとき、蓄電装置3からは、少量の電力供給を受けるか、または全く電力供給を受けない。要求出力が顕著に大きい高出力領域IIIでは、走行用モータジェネレータ4が、発電用モータジェネレータ2及び蓄電装置3の双方から電力供給を受けて、車両の走行のための駆動力を出力する。
内燃機関1の気筒11に燃料を供給して内燃機関1を運転しておらず、走行用モータジェネレータ4により駆動輪62を駆動して車両を走行させている最中に、内燃機関1を始動して発電用モータジェネレータ2による発電を実行しようとするためには、まず、発電用モータジェネレータ2を電動機として作動させ、これにより内燃機関1の始動のためのクランキングを行う。そして、内燃機関1のクランクシャフトが所定回数以上または所定角度以上回転し、内燃機関1の各気筒11の現在の行程またはピストンの位置を知得する気筒判別が完了したならば、内燃機関1の各気筒11の行程に合わせて適切なタイミングで燃料を噴射し、かつ適切なタイミングで燃料を着火燃焼させるファイアリングを開始する。内燃機関1のクランクシャフトの回転角度及び回転速度即ちエンジン回転数は、発電用モータジェネレータ2に付帯するレゾルバを介して(MG ECU02において)検出することができ、内燃機関1に付帯するクランク角センサを介して(EFI ECU01において)検出することもできる。
内燃機関1が自立的に回転し発電のために必要な回転駆動力を出力可能な状態となった、つまり発電用モータジェネレータ2の出力を低減させてもなおエンジン回転数が上昇傾向を維持できるようになったならば、電動機として作動させている発電用モータジェネレータ2の出力を0まで低減させてクランキングを終了し、今度は内燃機関1により発電用モータジェネレータ2を回転駆動する。さらに、発電用モータジェネレータ2を発電機として作動させ、その発電電力を0から増大させる。
その後、エンジン回転数を段階的に引き上げられる目標回転数に追従させるように、内燃機関1の気筒1に供給する吸気量及び燃料噴射量、並びに発電用モータジェネレータ2の発電電力を増減調整する。最終的な目標回転数は、内燃機関1を最適または最適に近い効率で運転でき燃料消費率にとって最も有利な回転数、あるいは、内燃機関1が最大トルク若しくは最大出力またはこれに近いトルク若しくは出力を達成できるような回転数に設定する。
ECU0の一部をなすEFI ECU01は、内燃機関1の運転制御に必要な各種情報b、d、e、fを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒11に吸入される空気量を推算する。そして、吸入空気量に見合った(目標空燃比を具現するために必要な)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する点火の回数を含む)、要求EGR率(または、EGRガス量)等といった内燃機関1の運転パラメータを決定する。EFI ECU01は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを、出力インタフェースを介して点火プラグ112のイグナイタ、インジェクタ111、スロットルバルブ132、EGRバルブ123等に対して出力する。
ECU0の一部をなすHV ECU00のメモリには予め、内燃機関1をファイアリングして運転する際の運転条件、特にエンジン回転数とエンジントルクとの関係を規定する動作線Lのマップデータを記憶保持している。図4中、細い破線は、内燃機関1の出力が一定となる等出力線を表している。エンジン回転数を横軸にとり、エンジントルクを縦軸にとると、エンジン回転数とエンジントルクとの積であるエンジン出力が一定となる等出力線が双曲線の形で描かれる。細い鎖線は、内燃機関1の正味燃料消費率(Brake Specific Fuel Consumption)が一定となるエンジン回転数及びエンジントルクの組である等燃料消費率線を表している。燃料消費率は、内燃機関1が単位量の機械エネルギを出力するために消費する燃料の量[g/kWh]であって、燃料消費率線はその等高線である。当然ながら、燃料消費率が小さいほど、内燃機関1の熱効率は高い。
これら等出力線と等燃料消費率線とを組み合わせることで、ある要求出力を達成するときに最も燃料消費率が小さくなる(よくなる)エンジン回転数及びエンジントルクの組を、様々な出力についてプロットすることができる。それが、最適燃費線となる動作線Lである。通常、ECU0は、最適燃費線Lに沿って、即ち最適燃費線L上またはその近傍の範囲内に、エンジン回転数及びエンジントルクを制御する。
図4中、内燃機関1の燃料消費率が最小に近い運転領域(いわば、「燃費の目玉」)Aを、網点を付して表している。当該運転領域Aにおいて、内燃機関1の出力が最大となる点がP1であり、内燃機関1の出力が最小となる点がP2である。
本実施形態では、軽自動車や小型自動車に匹敵するコンパクトなハイブリッド車両を実現することを念頭に置いている。本実施形態では、各気筒11の排気量を合算した総排気量が1.5l以下である内燃機関1、例えば総排気量1.5l以下の四気筒エンジン、総排気量1.2l以下の四気筒エンジン、総排気量1l以下の三気筒エンジン、総排気量660cc以下の三気筒エンジンまたは二気筒エンジン等を採用することを想定している。このような内燃機関1の一気筒11あたりの排気量は、400cc未満である。
車体に搭載するモータジェネレータ2、4、PCU02及び蓄電装置3についても、同様である。とりわけ、蓄電装置3は、コスト、重量、及び車体のエンジンコンパートメント(エンジンルーム)を占有するスペースに及ぼす影響が大きく、できる限り小形かつ軽量であることが望まれる。一方で、小形の蓄電装置3は、その容量が小さく、端子電圧が低く、入出力可能な電力の大きさがどうしても制限される。
そこで、本実施形態では、採用する蓄電装置3を、以下に記載するルール(1)及び(2)に則って選定することとしている。
(1)蓄電装置3が、燃料消費率が最小に近い運転領域Aにおける内燃機関1の最小出力P2またはその近傍の所定の出力に相当する大きさの電力を受容し充電できる能力を有していること:
車両の停車中は、走行用モータジェネレータ4が電力を消費せず、内燃機関1により発電用モータジェネレータ2を駆動して発電した電力の殆どまたは全てを蓄電装置3の充電に振り向けることが可能である。このときには、(蓄電装置3に現在蓄えている電荷量が極端に少なくなっている場合を除き)内燃機関1を、上記の運転領域Aにて、しかもその出力を極小化してファイアリング運転し、発電及び充電を実行することが好ましい。後の回生制動による充電を考慮すると、内燃機関1の出力を徒に増大させて蓄電装置3を急速に満充電せず、蓄電装置3の空き容量をある程度残しておくことが得策だからである。
(2)なおかつ、上記の運転領域Aにおける内燃機関1の最大出力P1と、蓄電装置3が出力する最大電力とを合わせることで、一般的な運転者が所望する必要最低限の動力性能を達成できること:
法規に基づく所定の燃料測定モードに従って走行する際の最大出力に、法規に基づく最高速度にて所定の大きさの勾配の登坂路を走行する際の走行抵抗に相当する出力を合算したものが、一般的な運転者のニーズの目安となる。その合算出力以上の出力を走行用モータジェネレータ4において発生させることができるよう、発電用モータジェネレータ2及び蓄電装置3から電力を供給できることが求められる。
具体例を挙げて述べる。内燃機関1の運転領域Aにおける燃料消費率が約250g/kWh以下であり、そのときの最小出力P2が約6.5kWであるとする。この場合において、蓄電装置3に対する電力の入出力における総体的な効率が約0.9であるとすると、蓄電装置3が少なくとも約7.2kW(≒6.5kW/0.9)以上の大きさの電力を受容し充電できる能力を有していれば、上掲の条件(1)が充足される。
また、重量が約900kgの車両が、現行法規下における燃費に関する国際的な試験法であるWLTC(Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle)モードに従って走行する際の最大の要求出力が約18kW、現行法規(道路構造令)下における高速道路または自動車専用道路の標準的な縦断勾配5%の登坂路を現行法規(道路交通法施行令)下における最高速度(特に、高速自動車国道の法定速度)100km/hで走行する際の走行抵抗に対抗する要求出力が約12kWであるとする。因みに、走行抵抗[N]は、車両が受ける空気抵抗、車輪の転がり抵抗、路面勾配による勾配抵抗、及び車速が加速するときの加速抵抗の総和であるが、車速が一定である(100km/hから加速も減速もしない)と仮定すれば加速抵抗は0となって無視できる。この場合において、必要最低限の動力性能を確保するために走行用モータジェネレータ4が発生させるべき出力、換言すれば発電用モータジェネレータ2及び蓄電装置3の双方から走行用モータジェネレータ4に供給するべき合算の電力の大きさは、約30kW(=18kW+12kW)である。その上で、内燃機関1の運転領域Aにおける最大出力P1が約23.5kWであるとすると、蓄電装置3が少なくとも約6.5kW(=30kW-23.5kW)以上の電力を放電し走行用モータジェネレータ4に供給できる能力を有していれば、上掲の条件(2)が充足される。
条件(2)について補足すると、車両の動力性能に余裕を持たせ、登坂路上での加速性を確実に担保するためには、上記の6.5kW(または、これから効率0.9を除算した7.2kW)に1よりも大きく1.5以下である係数を乗じ、蓄電装置3の出力電力の上限を6.5kWないし9.75kW(または、10.8kW)の範囲内の値に設定することが考えられる。
あるいは、蓄電装置3に要するコストの削減や、蓄電装置3のより一層の小形軽量化を目論むのであれば、上記の6.5kW(または、7.2kW)に0.5以上で1よりも小さい係数を乗じ、蓄電装置3の出力電力の上限を3.25kW(または、3.6kW)ないし6.5kW(または、7.2kW)の範囲内の値に設定する。但し、運転者が要求する出力を達成するために、内燃機関1の出力を運転領域Aにおける最大出力P1よりも増大させる必要が生じる可能性がある。そうなれば、運転領域A外で内燃機関1を運転することになり、その分熱効率は低下する。
上述した係数の範囲は0.5以上1.5以下であるが、具体的な数値はこれに限定されず、例えば係数を0.9以上1.1以下の範囲内に定めてもよい。
本実施形態では、総排気量が1.5l以下の内燃機関1により発電機2を駆動して発電した電力を蓄電装置3に充電しまたは走行用電動機4に供給するハイブリッド車両を設計・開発するにあたり、前記蓄電装置3を、前記内燃機関1をファイアリングして運転する際の燃料消費率が最小に近い所定の運転領域Aにおける当該内燃機関1の最小出力P2またはその近傍の所定の出力に相当する大きさの電力(上記例では、6.5kWまたは7.2kW)を受容して充電できる能力を有するものとし、並びに、前記蓄電装置3から前記走行用電動機4に供給できる電力の上限を、法規に基づく所定の燃料測定モードに則って走行するときに走行用電動機4が発生させる最大出力(上記例では、18kW)に、法規に基づく最高速度にて所定の大きさの勾配の登坂路を走行するときの走行抵抗を打ち消しまたは打ち勝つ(拮抗する)ために走行用電動機4が発生させる出力(上記例では、12W)を加え、そこから前記所定の運転領域Aにおける前記内燃機関1の最大出力P1またはその近傍の所定の出力(上記例では、23.5kW)を減じたものに相当する大きさの電力(上記例では、6.5kWまたは7.2kW)に、0.5以上1.5以下の範囲内の所定の係数を乗じた値(上記例では、3.25kWないし10.8kWの範囲内の値)に設定することとした。
本実施形態によれば、大容量だがオーバスペックで高価な大形の蓄電装置3を採用せずとも、効率がよく必要十分な動力性能が確保されたハイブリッド車両を実現することが可能となる。消費電力が最小に近くなる車両の停車時には、内燃機関1を燃費の目玉の領域A内の最小出力P2またはこれに近い出力で運転し、発電機2を駆動して発電した電力を余さず蓄電装置3に充電することができる。つまり、蓄電装置3の電力受容能力の不足により折角発電した電力を無駄に捨ててしまうことを抑制できる。
走行用電動機4に対する要求出力が大きい高負荷運転時には、蓄電装置3が出力する電力に内燃機関1及び発電機2が出力する電力を上乗せして走行用電動機4に供給し、必要な動力性能を確保できる。重量が800kgないし1t程度のハイブリッド車両において、高速で登坂路を走行するケースを含め、蓄電装置3の出力6.5kWに内燃機関1及び発電機2の出力23.5kWを足した30kWの電力を走行用電動機4に印加できる性能を備えていれば、大半の走行条件をカバーできる。23.5kWは、内燃機関1を燃費の目玉の領域A内の最大出力P1またはこれに近い出力で運転することにより得られ、熱効率が高く、ひいては良好な実用燃費性能を達成することができる。
既存の軽自動車に搭載されている内燃機関の最大出力の一例が38kW(これは、燃費の目玉から外れた領域での値である)であるが、その内燃機関を高圧縮比化したりアトキンソンサイクル(ミラーサイクル)化したりして効率をより高めた内燃機関1を設計し、その最大出力が30kW(これもまた、燃費の目玉Aから外れた領域での値である)となったとしても、短時間であれば蓄電装置3と合わせて36.5kWの電力を走行用電動機4に供給できる。従って、既存の軽自動車または小型自動車に匹敵する最高走行性能、最高加速性能を発揮することができる。
車両に搭載する蓄電装置3として小容量かつ小形軽量のものを選択でき、蓄電装置3に費やすコストを低減できるだけでなく、蓄電装置3が占有するスペースを削減でき、代わりに人が搭乗する車室や荷物室を拡張することができる。このことは、車両の利便性、商品性及び魅力の向上に繋がる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、本発明を適用する対象は、シリーズ方式のハイブリッド車両には限定されない。
その他、各部の具体的な構成や処理の内容等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…内燃機関
2…発電機(発電用モータジェネレータ)
3…蓄電装置(バッテリ及び/またはキャパシタ)
4…走行用電動機(走行用モータジェネレータ)
A…内燃機関の燃料消費率が最小に近い所定の運転領域
1…所定の運転領域における内燃機関の最大出力
2…所定の運転領域における内燃機関の最小出力

Claims (1)

  1. 総排気量が1.5l以下の内燃機関により発電機を駆動して発電した電力を蓄電装置に充電しまたは走行用電動機に供給するハイブリッド車両であって、
    前記蓄電装置が、前記内燃機関をファイアリングして運転する際の燃料消費率が最小に近い所定の運転領域における当該内燃機関の最小出力またはその近傍の所定の出力に相当する大きさの電力を受容して充電できる能力を有し、
    並びに、前記蓄電装置から前記走行用電動機に供給できる電力の上限を、法規に基づく所定の燃料測定モードに則って走行するときに走行用電動機が発生させる最大出力に、法規に基づく最高速度にて所定の大きさの勾配の登坂路を走行するときの走行抵抗を打ち消すために走行用電動機が発生させる出力を加え、そこから前記所定の運転領域における前記内燃機関の最大出力またはその近傍の所定の出力を減じたものに相当する大きさの電力に、0.5以上1.5以下の範囲内の所定の係数を乗じた値に設定したハイブリッド車両。
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