JP2022105992A - 成形肉冷凍食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】肉片を加熱した後の切断面において良好な外観が得られる成形肉冷凍食品及びその製造方法を提供する。【解決手段】畜産動物肉片、油脂、水及びカルシウム弱酸塩を含有し、結着された前記肉片間に、混合された油脂、水及びカルシウム弱酸塩が存在する成形肉冷凍食品。カルシウム弱酸塩が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びグルコン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。畜産動物肉片は薄切り状、厚切り状又は角形状であることも好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、カルシウム弱酸塩を含有する成形肉冷凍食品及びその製造方法に関する。
従来、カルシウム弱酸塩等のカルシウム塩はその食感改良効果を求めて食肉加工食品に使用されている(例えば特許文献1~4)。例えば特許文献1では、肉団子のように弾力性のあるひき肉加工品を製造するためにひき肉生地中にカルシウム塩を使用している。特許文献2では、食感が柔らかく、箸通りの良いハンバーグ食品を得ることなどを目的にハンバーグ生地中にアルカリ土類金属化合物などを添加している。特許文献3では、ジューシー感があり、かつソフトな食感に優れる食肉に改善するために、カルシウム塩を含むピックル液を肉に注入することが記載されている。特許文献4には、加熱調理時の肉汁の流出や冷凍・解凍時のドリップを抑制し、歩留まりを向上することができる畜肉加工食品用水中油型乳化組成物として、アルギン酸とカルシウム塩を含有する畜肉加工食品用水中油型乳化組成物が記載されている。
特開2001-46023号公報 特開2002-238501号公報 特開2003-144096号公報 特開2005-46090号公報
近年、冷凍加工食品の市場は年々拡大を続けており冷凍食品の種類も多様化している。また食品業界には近年、食味、食感を維持しながらコストダウンを求める動きが広がっている。このような状況は加熱済み又は加熱用の食肉冷凍食品においても同様である。例えば、従来、コストダウンの点から肉片をトランスグルタミナーゼ等の結着剤で一枚肉や一塊肉のようにみせた成形肉が存在するが、冷凍食品においても、そのような成形肉が開発されている。この場合、肉片、水、動物脂及び結着剤を含有させた混合物を成形して成形肉冷凍食品とする。
しかしながら、本発明者は上記の成形肉冷凍食品では、成形肉の切断面において透明ないし灰色がかった部分が目立ち、良好な外観が得難いことを知見した。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る成形肉冷凍食品を提供することにある。
本発明者は、切断面において良好な外観を得るための構成について鋭意検討した。その結果、結着した肉片間に存在する混合状態の水及び動物脂に弱酸のカルシウム塩を含有させた成形肉は、切断面において一枚肉様又は一つの塊肉様の良好な外観が得られることを知見した。
本発明は上記知見に基づくものであり、畜産動物肉片、油脂、水及びカルシウム弱酸塩を含有し、結着された前記肉片間に、混合された油脂、水及びカルシウム弱酸塩が存在する成形肉冷凍食品を提供するものである。
また本発明は、水、カルシウム弱酸塩、畜産動物肉片、油脂、結着剤を混合する第1工程、
第1工程で得られた混合物から肉片が結着した成形物を得る第2工程、及び、
第2工程で得られた成形物又はその加熱物を冷凍する第3工程を有する、成形肉冷凍食品の製造方法を提供するものである。
本発明により、肉片を加熱した後の切断面において良好な外観が得られる成形肉冷凍食品及びその製造方法を得ることができる。
実施例1及び比較例1で得られた成形肉冷凍食品の加熱後の切断面を示す写真である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明は、畜産動物肉片、油脂、水及びカルシウム弱酸塩を含有し、結着された前記肉片間に、混合された油脂、水及びカルシウム弱酸塩が存在する成形肉冷凍食品を提供する。本発明者は、結着した肉片間に水及び油脂を介在させてなる従来の成形肉冷凍食品において、肉片加熱後における切断面において、一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得られない理由について鋭意検討した。そして、従来の成形肉冷凍食品の加熱後の切断面には肉片同士の間に透明な部位が存在し、それにより、一枚肉様又は一つの塊肉様に見え難いことを知見した。更に検討した結果、畜産動物肉片間における油脂及び水の混合物にカルシウム弱酸塩を分散させることで、成形肉冷凍食品の切断面が一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得られることを見出した。この理由は明確ではないが、カルシウム弱酸塩が結着された肉片間における水分中に懸濁状態となることで肉片間の水分の存在が透明に見える問題が改善されるとともに、肉片間に存在する油脂と水とカルシウム弱酸塩との混合物が自然な肉様の外観を与えやすいものと考えられる。本発明の成形肉冷凍食品は、肉片が加熱した状態で結着された状態のものであっても、肉片が未加熱の状態で結着されたものであってもよい。以下に記載する事項は、各成分・材料の好ましい量や比率についての記載も含め、特に断らない限りは、結着された肉片が未加熱状態である場合も、加熱された状態である場合も含むものとする。なお、ここでいう加熱は肉片の蛋白質が変性する程度の加熱を指し、例えば60℃以上の加熱を指すことが好ましい。
本発明におけるカルシウム弱酸塩としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びグルコン酸カルシウムが挙げられる。一枚肉様又は一つの塊肉様に見えやすい効果に優れる点、食感が良好な点、及び食味に影響を与えにくい点から、炭酸カルシウム又はリン酸カルシウムが好ましく、一枚肉様又は一つの塊肉様に見えやすい効果に優れる点から炭酸カルシウムが最も好ましい。
成形肉冷凍食品においてカルシウム弱酸塩の量は、未加熱状態の肉片100質量部に対し0.5質量部以上であることが、結着部が透明化することを防止でき、一枚肉様又は一つの塊肉様の切断面外観が得やすい点で好ましい。成形肉冷凍食品においてカルシウム弱酸塩の量は、未加熱状態の肉片100質量部に対し10質量部以下であることがえぐみを生じさせず、雑味の除去という点で好ましい。この観点から、カルシウム弱酸塩の量は、未加熱状態の肉片100質量部に対し、0.8質量部以上7質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
一方、加熱後の肉片100質量部に対するカルシウム弱酸塩の量は未加熱状態の肉片に対する量と概ね同様であり、肉片100質量部に対しカルシウム弱酸塩は、0.5質量部以上であることが、結着部が透明化することを防止でき、一枚肉様又は一つの塊肉様の切断面外観が得やすい点で好ましく、10質量部以下であることがえぐみが生じにくく、雑味の除去という点で好ましい。この観点からカルシウム弱酸塩の量は、加熱後の肉片100質量部に対し、0.8質量部以上7質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
また、カルシウム弱酸塩の量は切断面の良好な外観を得る点から、成形肉冷凍食品中、0.3~7.5質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましく、0.7~4質量%であることが特に好ましい。
畜産動物肉片としては、加熱後の色が白色又はそれに近い色であり、カルシウム弱酸塩を用いることによる一枚肉様又は一つの塊肉様である外観が得やすい点から、豚肉、鶏肉、羊肉の肉片が好ましく、豚肉が特に好ましい。
本明細書において「肉片」とは、ひき肉(ミンチ)よりも大きい切れ肉又は肉の塊を指す。結着される前の肉片は、通常、切断肉であり、薄切り状、厚切り状又は角形状のいずれであってもよい。これらの形状の違いは、最も面積の広い面を底としたときの高さ(厚さ)と、幅(前記の底の形状における長手方向と直交する方向の長さ)との関係によるが、いずれもひき肉よりも大きな最大長さ又は厚さを有する。なお、ここでいう長手方向とは、後述する最大長さの線分と平行な方向をいう。
結着される前の肉片の厚さは例えば、5mm以上であることが、一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得やすい点や食味、食感の点で好ましく、25mm以下であることが機械成型のしやすさの点で好ましい。通常、ひき肉は大きくても直径が4.8mm程度までであるが、本発明では、それを上回る厚さの肉片を用いることで、一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得やすいものとなる。これらの観点から、肉片の厚さは7~20mmであることがより好ましく、10~15mmであることが特に好ましい。
結着される前の肉片の厚さが、5~25mmであるとは、成形肉冷凍食品を構成する結着前の肉片の少なくとも1個の最大の厚さが5~25mmであればよい。しかしながら、好ましくは成形肉冷凍食品は、結着前の肉片のうち個数基準で60%以上について厚さが5~25mmであることが好ましく、80%以上について、厚さが5~25mmであることがより好ましく、90%以上について、厚さが5~25mmであることが特に好ましい。
肉片は結着前の状態において、最大長さが5mm以上であることが、一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得やすい点で好ましく、60mm以下であることが、製造作業性の点、製品の形状の点で好ましい。この観点から結着前の肉片は20~55mmであることがより好ましく、30~50mmであることが特に好ましい。ここでいう最大長さとは、例えば肉片のうち最も面積の大きな面が底になるように平面に戴置して上方から当該肉片を当該平面に投影視したときに、投影視した形状における最大長さである。なお、最大長さとは前記投影視した形状を横断する線分のうち、最大の線分の長さを指す。
結着される前の肉片は最大の大きさが、5~60mmであるとは、成形肉冷凍食品を構成する肉片の少なくとも1個の最大の大きさが5~60mmであればよい。しかしながら、成形肉冷凍食品は、好ましくは結着前の肉片のうち個数基準で60%以上について5~60mmであることが好ましく、80%以上について、5~60mmであることがより好ましく、90%以上について、5~60mmであることが特に好ましい。
結着される前の肉片は1個あたりの重さが2g以上であることが、一枚肉様又は一つの塊肉様の外観が得やすい点で好ましく、20g以下であることが、製造作業性の点で好ましい。この観点から結着前の肉片は5~15gであることがより好ましく、10~15gであることが特に好ましい。
結着される前の肉片の1個あたりの重さが2~20gであるとは、成形肉冷凍食品を構成する結着前の肉片の少なくとも1個の重さが2~20gであればよい。しかしながら、好ましくは、成形肉冷凍食品は、結着前の肉片のうち個数基準で60%以上について重さが2~20gであることが好ましく、80%以上について、重さが2~20gであることがより好ましく、90%以上について、重さが2~20gであることが特に好ましい。
なお、上述した結着される前の肉片の厚さ、最大長さ、重さは、通常は未加熱状態の肉片の厚さ、最大長さ、重さを指すが、通常、加熱後の肉片も結着状態から取り出した場合に上記の各範囲の厚さ、最大長さ、重さを有することが好ましい。
本発明の成形肉冷凍食品の全質量のうち、肉片の量が60質量%以上を占めることが一枚肉様又は一塊肉様の効果が得やすい点で好ましく、70質量%以上を占めることが更に好ましい。なお、肉片の量の上限としては、成形肉冷凍食品の全質量のうち、他の必須成分を含有できる量であればよいが、他の成分量を確保して機能を高める点から、例えば95質量%以下が好適であり、より好適には90質量%以下であり、特に好適には85質量%以下である。
本発明において、「結着」とは、結着剤を用いて肉片を結着することを指す。結着剤としては、成形加熱工程において肉片を結合できる無毒のものが挙げられ、具体的には蛋白質架橋剤が好ましく、例えば、トランスグルタミナーゼ等の蛋白質架橋・重合酵素が挙げられる。本発明において「結着」は特に、結着剤による蛋白質架橋又は重合を介することが、一枚肉様又は一つの塊肉様に見える効果に優れることから好ましく、特に蛋白質架橋・重合酵素を用いることが好ましく、トランスグルタミナーゼを用いることが最も好ましい。
また成形肉冷凍食品において、水の量は、肉片100質量部に対し、5質量部以上であることが製造コストダウンの点で好ましく、20質量部以下であることが食味、食感の点や、切断面の外観の点で好ましい。この観点から、水の量は肉片100質量部に対し、5質量部以上15質量部以下であることがより好ましく、7質量部以上12質量部以下であることが特に好ましい。ここでいう水の量は、肉片と混合状態にある水の量とし、肉片と混合状態にある材料由来(例えば後述する植物蛋白質、調味料、グルテン等)の水分は含めるが、油ちょう製品のバッター液等の、肉片、水、カルシウム弱酸塩及び油脂の混合物からなる成形肉の表面にのみ存在する原料に由来する水分は含めないものとする。なお、後述する成形肉冷凍食品の製造方法において第2工程で得られる成形物に含まれる水の量は、ここで記載した水の量と同様とすることができる。
本発明において成形肉冷凍食品における油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ココアバター、シア脂、サル脂、牛脂、豚脂、魚油、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、アマニ油、オリーブ油、乳脂等や、これらの加工油脂(水素添加油、分別油、エステル交換油)などを使用することができる。特に本発明では畜産動物脂肪を用いることが、一枚肉様又は一つの塊肉様製品として違和感ない食味を有する製品を得る点で好ましく、とりわけ、畜産動物肉片と同じ種類の畜産動物に由来する脂肪であることが好ましい。本発明において畜産動物脂肪を用いる場合、油脂中、畜産動物脂肪の量は50質量%以上であると、食味の点で好ましく、この観点から油脂中の畜産動物脂肪の量は70質量%以上であると更に好ましく、85質量%以上であることが更に一層好ましい。畜産動物肉片と同じ種類の畜産動物に由来するとは、例えば肉片が豚肉であれば、豚脂を用いることを指す。なお本明細書で油脂を含むという場合、成形肉冷凍食品に含まれる肉片に含まれる油脂以外の油脂を含むことを指す。
油脂の量は、肉片100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下であることが食味、食感の点で好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。ここでいう油脂の量は、肉片と混合状態にある油脂の量とし、油ちょう製品において油ちょうに用いた油等の、成形肉の表面にのみ存在する油脂は含めないものとする。
成形肉冷凍食品では、肉片間において、水、油脂及びカルシウム弱酸塩が混合状態で存在している。更に成形肉冷凍食品では、肉片間において、水を保持する担体として、肉片以外の蛋白質を含有していてもよい。蛋白質は例えば、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質などの植物蛋白質の粉末や、グルテンを使用することができる。成形肉冷凍食品が肉片以外の蛋白質を含有する場合、肉片が加熱されている場合もそうでない場合も、蛋白質の量としては、例えば肉片100質量部に対し0.5質量部以上15質量部以下が食味、食感や見た目の点で好ましく、1質量部以上9質量部以下であることがより好ましい。
特にグルテンは、保水以外に、肉片同士の結着を助けたり、食感を付与する役割を果たす。グルテンの量としては、例えば肉片100質量部に対し1質量部以上10質量部以下が食味、食感や見た目、食味を良好にする点で好ましく、2質量部以上6質量部以下であることがより好ましい。
グルテン以外の植物蛋白質の量としては、例えば肉片100質量部に対し0.1質量部以上5質量部以下が食味、食感や見た目の点で好ましく、0.5質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
更に成形肉冷凍食品では、肉片間において、でんぷんを含有していてもよい。でんぷんは、食感の付与の役割を果たす。でんぷんの量としては、例えば肉片100質量部に対し1質量部以上15質量部以下が食味、食感の点で好ましく、4質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
本発明の成形肉冷凍食品は、畜産動物肉片、水、油脂及びカルシウム弱酸塩、蛋白質、でんぷん以外に、その他の原料を含有することができる。その他の原料としては、例えば、肉質改良剤、調味料類などが挙げられる。その他の原料の含有量は特に限定されるものではないが、本発明の成形肉冷凍食品は、畜産動物肉片、水、油脂及びカルシウム弱酸塩、蛋白質、でんぷん以外の全成分(但し、油ちょう製品である場合のバッター液、パン粉及び打ち粉を除く)の含有量が合計で10質量%以下であることが、一枚肉様又は一塊肉様の切断面の外観が得やすい点で好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。なお、上記でいう打ち粉とは、バッターを付着させる前に肉に付着させる小麦粉などを指す。
本発明の成形肉冷凍食品は、一枚肉様食品又は一塊肉様食品であることが好ましい。一枚肉様食品又は一塊肉様食品とは、複数の肉片を結着させて一枚肉様又は一つの塊肉様に見せた食品を指し、例えば、一枚の厚切り又は一つの塊肉状の豚肉や牛肉、或いは、一枚又は切断した鶏もも肉、鶏むね肉等からなるようにみせた調理品を指す。一枚肉様食品又は一塊肉様食品としては、ステーキ、トンカツ、牛カツ、鶏カツ、トリ天、チャーシュー等が挙げられる。とりわけ本発明の成形肉冷凍食品は、豚肉の一枚肉様食品であることが、カルシウム弱酸塩を用いることによる外観改善効果に優れる点で好ましく、トンカツ様食品であることが特に好ましい。一枚肉様食品又は一塊肉様食品は冷凍食品の一包装内に一つまたは複数包装される。
次いで、本発明の成形肉冷凍食品に対応した好適な製造方法を説明する。上述した本発明の成形肉冷凍食品の説明は、適宜、下記の成形肉冷凍食品の製造方法の説明に使用でき、下記の成形肉冷凍食品の製造方法の説明は、適宜、上記の成形肉冷凍食品の説明に使用できる。
本製造方法は、水、カルシウム弱酸塩、畜産動物肉片、油脂、結着剤を混合する第1工程、
第1工程で得られた混合物から肉片が結着した成形物を得る第2工程、及び、
第2工程で得られた成形物又はその加熱物を冷凍する第3工程を有する、成形肉冷凍食品の製造方法である。
カルシウム弱酸塩、油脂、結着剤、畜産動物肉片としては上述したものがそれぞれ使用できる。カルシウム弱酸塩、油脂、水、畜産動物肉片の量としては、上記で挙げた量を使用量とすることができる。第1工程において使用する畜産動物肉片は未加熱状態である。ここでいう未加熱状態とは、後述する第3工程の加熱条件の加熱処理を受けていないことを指すことが好ましい。
第1工程における畜産動物肉片に対する結着剤の使用量としては、特に限定されるものではないが、例えば畜産動物肉片100質量部に対し、0.1質量部以上3質量部以下であることが、一枚肉様又は一塊肉様に見せる点や食感、食味の点で好ましく、0.2質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。特に蛋白質架橋剤が結着剤である場合に、結着剤の量が上記で挙げた範囲内であることが好ましい。
第1工程においては、水、カルシウム弱酸塩、油脂、畜産動物肉片、結着剤を一度に混合してもよいが、水、カルシウム弱酸塩、油脂を予め混合(第1段階の混合)後に、得られた混合物を肉片及び結着剤と混合(第2の段階の混合)することが、カルシウム弱酸塩の分散性が良い点で好ましい。第1段階の混合で使用する油脂、カルシウム弱酸塩、結着剤の使用量は、上記で挙げた食品中の肉片100質量部に対する油脂、カルシウム弱酸塩、結着剤の使用量と同様とすることができる。また第1段階の混合で使用する水の量は、肉片に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
また、蛋白質やグルテン、でんぷんを用いる場合は、第1段階及び第2段階のいずれの段階で混合してもよく、その前後に混合してもよい。なお水、カルシウム弱酸塩、油脂を予め混合する際には水としては氷水を使用することが微生物制御の理由から好ましい。また、第1工程において、予め水、カルシウム弱酸塩、油脂を混合し、得られた混合物と、肉片、結着剤を混合する際に更に加水してもよい。
第2工程では、第1工程で得られた水、カルシウム弱酸塩、油脂、畜産動物肉片及び結着剤を含有する混合物から、肉片が結着した成形物を得る。結着剤がトランスグルタミナーゼである場合は、混合物を5~20℃で静置すればよい。静置時間は例えば1~120分である。混合物の静置は、成形が先であってもよく、成形の後であってもよい。成形方法としては、適宜所望の食品の型に成型する方法が挙げられる。
第3工程においては、成形物をそのまま冷凍してもよく、加熱後に冷凍してもよい。加熱方法としては、適宜所望の食品の加熱方法が採用され、油ちょう、焼成、蒸し、茹で等の各種の加熱方法が挙げられる。加熱温度としては食品衛生的に問題のない温度であればよく、例えば中心温度75℃以上、或いは、80℃以上が好ましく挙げられる。ここでいう中心温度の測定位置とは例えば一枚肉であれば厚さ方向を二分する部位における全体の重心が挙げられる。
以上、本発明をその好ましい態様に基づき適宜説明したが、本発明は上記記載に限定されない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
氷水49.4質量部、炭酸カルシウム16.5質量部、グルテン以外の植物蛋白質5.9質量部をサイレントカッターへ投入し、混合した。そこへ豚脂30.6質量部を投入し混合してペースト状の豚脂含有混合物を得た。得られた豚脂含有混合物を冷蔵保存した。
上記とは別に、水4.6質量部、カット済み豚ロース肉(最大長さ50mm、厚さ15mm、1個の重さ10g)75質量部と、トランスグルタミナーゼ(味の素社アクティバ)0.2質量部とをミキサーに投入し、調味料類3質量部、豚脂含有混合物7.9質量部、グルテン3.3質量部、でんぷん6質量部を投入して混合し、10℃で1時間冷蔵保存して、肉片を結着させた。肉片100質量部に対する炭酸カルシウムの量は1.7質量部であった。
得られた混合肉を1枚肉状に成型し、バッター液を付着させた後にパン粉を付着させる操作を2回繰り返した後、中心温度75℃以上となるように油ちょうした。
得られた油ちょう品は、冷却後、中心温度が-18℃となるように冷凍して、冷凍食品を得た。
(比較例1)
炭酸カルシウムを添加しない以外は実施例1と同様とした。
実施例1と比較例1のロースカツ冷凍食品は、電子レンジにて600Wで30秒加熱して解凍させた。得られたロースカツをその厚さ方向に沿う断面にて切断した。切断したロースカツの切断面を6人のパネラーが下記の評価基準で観察した。
(評価基準)
5点:切断面全体が白く、ロースカツの一枚肉様に見える。
4点:切断面全体がやや白く、ロースカツの一枚肉様にまあまあ似ている。
3点:切断面におけるロース肉間が透明に見える。
2点:切断面におけるロース肉間の透明な部分が目立つ。
1点:切断面におけるロース肉間の透明な部分がはっきり目立つ。
得られた評価点の平均点を表1に示す。評価点は実施例1では、1点0人、2点0人、
3点1人、4点5人、5点0人、比較例1は1点1人、2点5人、3点0人、4点0人、5点0人であった。
Figure 2022105992000002
上記実施例1のロースカツを喫食したところ、食感及び食味が良好であり、弾力ある食感は比較例1に比しても優れていた。
(実施例2~4)
実施例1において、肉片100質量部に対する炭酸カルシウム量を下記表2の量に変更した。当該変更は、豚脂含有混合物の調製において、炭酸カルシウムの量を増減して行った。評価基準を以下に示す。なお、下記で記載するつなぎ部分とは、肉片間に存在する油脂、水及びカルシウム弱酸塩の混合物を意味する。
(評価基準)
●見た目
〇 切断面全体が白く、ロースカツの一枚肉様に見える。
△ 肉とつなぎ部分(ロース肉間)の色が少し違う。
× 肉とつなぎ部分(ロース肉間)の色が明らかに異なり、つなぎ部分が判る。
●味
〇 カルシウム弱酸塩の味を感じない。
△ カルシウム弱酸塩の苦みを少し感じる。
× カルシウム弱酸塩の味がする。
Figure 2022105992000003

Claims (10)

  1. 畜産動物肉片、油脂、水及びカルシウム弱酸塩を含有し、結着された前記肉片間に、混合された油脂、水及びカルシウム弱酸塩が存在する成形肉冷凍食品。
  2. 畜産動物肉片は薄切り状、厚切り状又は角形状である、請求項1に記載の成形肉冷凍食品。
  3. 畜産動物肉片は厚さが5mm以上、最大長さが5mm以上、一つの大きさが2g以上である、請求項1又は2に記載の成形肉冷凍食品。
  4. カルシウム弱酸塩が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム及びグルコン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種である、請求項1~3の何れか1項に記載の成形肉冷凍食品。
  5. 結着された畜産動物肉片間に、水、植物蛋白質、カルシウム塩及び油脂が分散している請求項1~4のいずれか1項に記載の成形肉冷凍食品。
  6. 畜産動物肉片がトランスグルタミナーゼにより結着されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の成形肉冷凍食品。
  7. 一枚肉様食品である、請求項1~6のいずれか1項に記載の成形肉冷凍食品。
  8. トンカツ様食品である、請求項1~7のいずれか1項に記載の成形肉冷凍食品。
  9. 水、カルシウム弱酸塩、畜産動物肉片、油脂、結着剤を混合する第1工程、
    第1工程で得られた混合物から肉片が結着した成形物を得る第2工程、及び、
    第2工程で得られた成形物又はその加熱物を冷凍する第3工程を有する、成形肉冷凍食品の製造方法。
  10. 結着剤がトランスグルタミナーゼである、請求項9に記載の成形肉冷凍食品の製造方法。
JP2021214573A 2021-01-05 2021-12-28 成形肉冷凍食品及びその製造方法 Active JP7043679B1 (ja)

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