JP2022101633A - 光ファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロベンドロスを抑制し得る光ファイバの提供【解決手段】光ファイバ(10)は、ガラス部(13)と、プライマリ被覆層(14)と、セカンダリ被覆層(15)とを備える。光ファイバ(10)において、ジオメトリマイクロベンドロス特性FμBL_Gと、光学マイクロベンドロス特性FμBL_Δβと、を用いて、TIFF2022101633000026.tif17170で表されるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad8]・10-12)以下である。【選択図】図5

Description

本発明は、光ファイバに関し、具体的には、光ファイバケーブルに使用し得る光ファイバに関する。
近年、Fiber To The Home(FTTH)サービスの成熟やモバイル端末の普及、クラウドサービスの利用拡大、映像トラフィックの増大等の理由により、光ファイバケーブル等によって構築される通信インフラのトラフィックが増大している。そのため、通信インフラを従来に比べて経済的かつ効率的に構築することが求められている。このような背景の下、光ファイバケーブルに実装される光ファイバの実装心数や実装密度を増加させる要請がある。
光ファイバの実装心数や実装密度を増加させる手段として、光ファイバを細径化することが考えられる。しかし、この場合、光ファイバが側圧の影響を受け易くなり、光ファイバの軸が微小に曲がるいわゆる微小曲げによって生じる光損失であるマイクロベンドロスが大きくなり得る。下記特許文献1には、光ファイバの被覆の弾性係数及びガラス転移点を調整することによって光ファイバの被覆厚さを薄くし、これによって、光ファイバを細径化した場合でもマイクロベンドロスを抑制し得ることが記載されている。
特表2012-508395号公報
しかし、上記マイクロベンドロスは、光ファイバの被覆厚さ、コア及びクラッドを形成するガラスの外径、上記ガラスのヤング率、被覆のヤング率など、光ファイバのジオメトリに関するパラメータと、光ファイバを伝搬する光の伝搬定数など、光ファイバの光学特性に関するパラメータと、によって影響を受ける傾向がある。上記特許文献1では、マイクロベンドロスを抑制する点に関して、上記パラメータとして被覆厚さが考慮されているが、被覆厚さ以外のパラメータが考慮されていない。したがって、マイクロベンドロスに影響を及ぼす種々のパラメータが考慮された、マイクロベンドロスを抑制し得る光ファイバが求められている。
そこで、本発明は、マイクロベンドロスを抑制し得る光ファイバを提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明は、コア及び前記コアを囲うクラッドを含むガラス部、前記クラッドを覆うプライマリ被覆層、及び前記プライマリ被覆層を覆うセカンダリ被覆層を含む光ファイバであって、前記プライマリ被覆層のスプリング係数をκs(MPa)、前記ガラス部の曲げ剛性をHf(MPa・μm4)、前記セカンダリ被覆層の耐変形性をD(MPa)、前記セカンダリ被覆層の曲げ剛性をH(MPa・μm4)、前記ガラス部のヤング率をEg(GPa)、前記プライマリ被覆層のヤング率をEp(MPa)、前記セカンダリ被覆層のヤング率をEs(MPa)、前記ガラス部の外径をdf(μm)、前記プライマリ被覆層の外周面の半径をRp(μm)、前記セカンダリ被覆層の外周面の半径をRs(μm)、前記プライマリ被覆層の厚さをtp(μm)、及び前記セカンダリ被覆層の厚さをts(μm)とする場合に、
Figure 2022101633000002
で表される前記光ファイバのジオメトリマイクロベンドロス特性FμBL_G(GPa-1・μm-10.5・10-27)と、前記光ファイバを伝搬する導波モードにおける伝搬定数と放射モードにおける伝搬定数との差を伝搬定数差Δβ(rad/m)とする場合に、
Figure 2022101633000003
で表される前記光ファイバの光学マイクロベンドロス特性FμBL_Δβ(1/(rad/μm)8)と、
を用いて、
Figure 2022101633000004
で表されるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβ([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)の値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であることを特徴とするものである。
光ファイバのマイクロベンドロスは、非特許文献1(J. Baldauf, et al., “Relationship of Mechanical Characteristics of Dual Coated Single Mode Optical Fibers and Microbending Loss,”IEICE Trans. Commun., vol. E76-B, No. 4, 1993.)、非特許文献2(K. Petermann, et al., “Upper and Lower Limits for the Microbending Loss in Arbitrary Single-Mode Fibers,”J. Lightwave technology, vol. LT-4, no.1, pp. 2-7, 1986.)、非特許文献3(大越 他,“光ファイバ,”オーム社,pp.235-239, 1989.)、及び非特許文献4(P. Sillard, et al., “Micro-Bend Losses of Trench-Assisted Single-Mode Fibers,”ECOC2010, We.8.F.3, 2010.)に記載されているように、光ファイバのジオメトリ及び光学特性の両方の影響を受ける傾向がある。
ここで、光ファイバのジオメトリとは、光ファイバの構造に関するパラメータであり、本発明では、光ファイバにおけるプライマリ被覆層のスプリング係数κs、ガラス部の曲げ剛性Hf、セカンダリ被覆層の耐変形性D、セカンダリ被覆層の曲げ剛性H、ガラス部のヤング率Eg、プライマリ被覆層のヤング率Ep、セカンダリ被覆層のヤング率Es、ガラス部の外径df(ガラス部の直径)、プライマリ被覆層の半径Rp、セカンダリ被覆層の半径Rs、プライマリ被覆層の厚さtp、及びセカンダリ被覆層の厚さtsをいう。
ところで、上記非特許文献2~4によれば、マイクロベンドロスは、光ファイバを伝搬する導波モードが放射モードと結合するモード結合によって生じる現象とされる。このようなモード結合は、上記微小曲げに起因して起こると考えられており、また、光ファイバを伝搬する光の導波モードにおける伝搬定数と放射モードにおける伝搬定数との差である伝搬定数差(Δβ)によって決定されると言われている。上述した光ファイバの光学特性は、光ファイバを伝搬する光の特性に関するパラメータであり、本発明では上記伝搬定数差Δβ(rad/m)を意味する。
このような光ファイバのマイクロベンドロスは、粗面化されたボビンの胴部分に光ファイバを所定の張力で1層巻きにした状態で測定される伝送損失と、当該光ファイバをボビンから繰り出して張力をほとんどかけない状態で測定される伝送損失との差であるサンドペーパー張力巻きロス増の値で表される場合がある。このようなサンドペーパー張力巻きロス増の値が小さい程、光ファイバのマイクロベンドロスが小さい。
ところで、通信インフラを構成する光ファイバケーブルとして、テープ心線を保持する保持体に形成された複数のスロットのそれぞれに複数のテープ心線を収容して構成されるいわゆるテープスロット型ケーブル(RSCC: Ribbon Slotted Core Cable)、及び、上記保持体を用いずにケーブル内部にテープ心線を密集配置して構成される細径高密度ケーブル(UHDC: Ultra-High Density Cable)が知られている。このうち、テープスロット型ケーブルは、上記のように、複数のテープ心線がスロット内に収容される構造であるため、テープ心線を構成する光ファイバに側圧がかかり、マイクロベンドロスが生じ得る。したがって、テープスロット型ケーブルでは、このようなマイクロベンドロスを考慮して、サンドペーパー張力巻きロス増の値が0.6dB/km以下に抑えられた光ファイバを用いることが好ましい。
本発明者は、光ファイバケーブルに用いられる光ファイバに関して、サンドペーパー張力巻きロス増と上記種々のパラメータとの関係を鋭意研究した。その結果、上記式で表されるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が、サンドペーパー張力巻きロス増の値と高い相関関係にあることを見出した。つまり、本発明者は、マイクロベンドロス特性因子の値がサンドペーパー張力巻きロス増の値と概ね傾きが正の比例関係にあることを見出した。
本発明者は、さらに研究を進めたところ、上記マイクロベンドロス特性因子の値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)であるときにサンドペーパー張力巻きロス増の値が0.6dB/kmよりもやや小さい値になることを見出した。上記のように、マイクロベンドロス特性因子の値とサンドペーパー張力巻きロス増の値とは概ね傾きが正の比例関係にある。したがって、光ファイバのマイクロベンドロス特性因子の値を6.1([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 以下にすることによって、テープスロット型ケーブルに適用できる程度にマイクロベンドロスを抑制することができる。
このように、本発明の光ファイバによればマイクロベンドロスを抑制し得る。
また、前記マイクロベンドロス特性因子の値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であることがより好ましい。
通信インフラを構成する光ファイバケーブルのうち、細径高密度ケーブルでは、上記のようにテープ心線が密集配置される。このため、テープスロット型ケーブルと同様にテープ心線を構成する光ファイバが側圧を受け、マイクロベンドロスが生じ得る。また、細径高密度ケーブルは、上記のようにスロットレスであり、すべてのテープ心線がケーブル内部に密集配置されるため、テープ心線が複数の溝に分かれて配置されるテープスロット型ケーブルに比べて、光ファイバに大きな側圧がかかる傾向がある。そのため、細径高密度ケーブルでは、テープスロット型ケーブルに用いられる光ファイバよりもマイクロベンドロスの小さい光ファイバを使用することが推奨される。このような点から、細径高密度ケーブルでは、サンドペーパー張力巻きロス増の値が0.34dB/km以下に抑えられた光ファイバを用いることが好ましい。
本発明者は、このようなサンドペーパー張力巻きロス増の値(0.34dB/km)に概ね対応するマイクロベンドロス特性因子の値は4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)であることを見出した。したがって、光ファイバのマイクロベンドロス特性因子の値を4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることによって、細径高密度ケーブルにも適用できる程度にマイクロベンドロスを抑制し得る。
また、上記のような光ファイバにおいて、前記プライマリ被覆層の厚さと前記セカンダリ被覆層の厚さとを和した被覆厚さが42.0μm以下であることが好ましい。
上記被覆厚さが大きいほど光ファイバの外径が大きくなる傾向があり、当該被覆厚さが小さいほど光ファイバの外径が小さくなる傾向がある。通信インフラを構成する光ファイバケーブルに用いられる光ファイバは、一般的に、概ね60μm程度の被覆厚さを有する。したがって、被覆厚さを42.0μm以下とすれば、通信インフラを構成する一般的な光ファイバに比べて細径化された光ファイバを実現し得る。ところで、マイクロベンドロス特性因子の値は、上記のように、種々のパラメータによって定まり、当該パラメータには、プライマリ被覆層の厚さとセカンダリ被覆層の厚さとが含まれる。このため、本発明によれば、プライマリ被覆層の厚さやセカンダリ被覆層の厚さを薄くしても、他のパラメータを調整することによって、マイクロベンドロス特性因子の値を6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることができ、また、4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることもできる。したがって、本発明の光ファイバにおいて被覆厚さを42.0μm以下としても、テープスロット型ケーブルや細径高密度ケーブルに使用できる程度にマイクロベンドロスを抑制し得る。
また、前記被覆厚さが38.0μm以下であることがより好ましい。
また、前記被覆厚さが36.5μm以下であることがさらに好ましい。
また、前記被覆厚さが34.5μm以下であることがさらに好ましい。
また、前記被覆厚さが34.0μm以下であることがさらに好ましい。
このように被覆厚さを小さくしていくことで、マイクロベンドロスがテープスロット型ケーブルや細径高密度ケーブルに使用できる程度に抑制され、かつ、より細径化された光ファイバを実現し得る。
また、被覆厚さが42.0μm以下である場合において、前記ガラス部の外径が65μm以上100μm以下であってもよい。
上記ガラス部の外径が大きいほど光ファイバの外径が大きくなる傾向があり、当該ガラス部の外径が小さいほど光ファイバの外径が小さくなる傾向がある。通信インフラを構成する光ファイバケーブルに用いられる光ファイバは、一般的に、ガラス部の外径が125μmになるように形成される。したがって、被覆厚さを42.0μm以下にするとともにガラス部の外径を100μm以下とすれば、通信インフラを構成する一般的な光ファイバに比べてより細径化された光ファイバを実現し得る。ところで、マイクロベンドロス特性因子の値は、上記のように、種々のパラメータによって定まり、当該パラメータには、被覆厚さ及びガラス部の外径が含まれる。このため、本発明によれば、被覆厚さを薄くするとともにガラス部の外径を小さくしても、他のパラメータを調整することによって、マイクロベンドロス特性因子の値を6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることができ、また、4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることもできる。したがって、本発明の光ファイバにおいて被覆厚さを42.0μm以下とするとともにガラス部の外径を100μm以下としても、テープスロット型ケーブルや細径高密度ケーブルに使用できる程度にマイクロベンドロスを抑制し得る。
なお、脆性を有するガラス部の外径が65μm程度の細さであれば、脆性のガラスが細くなった分、光ファイバの機械的な曲げ耐性が高くなり得る。
また、前記ガラス部の外径が90μm以下であることがより好ましい。
また、前記ガラス部の外径が80μm以下であることがより好ましい。
また、前記ガラス部の外径が75μm以下であることがより好ましい。
また、前記ガラス部の外径が70μm以下であることがより好ましい。
このようにガラス部の外径を小さくしていくことで、マイクロベンドロスがテープスロット型ケーブルや細径高密度ケーブルに使用できる程度に抑制され、かつ、さらに細径化された光ファイバを実現し得る。
また、上記被覆厚さが42.0μm以下である場合、波長1310nmにおけるモードフィールド径が7.6μm以上8.7μm以下であり、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下であり、零分散波長が1300nm以上1324nm以下であり、零分散スロープが0.073ps/km/nm以上0.092ps/km/nmであってもよい。
この場合、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが1.5dB/turn以下であってもよい。
あるいは、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが0.2dB/turn以下であってもよい。
あるいは、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが0.1dB/turn以下であってもよい。
以上のように、本発明によれば、マイクロベンドロスを抑制し得る光ファイバが提供される。
本発明の第1実施形態に係る光ファイバケーブルの長手方向に垂直な断面の構造を概略的に示す図である。 図1に示される光ファイバケーブルに含まれる光ファイバテープ心線の一例を概略的に示す斜視図である。 図2に示される光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの長手方向に垂直な断面の構造を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光ファイバケーブルの長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。 図3に示される光ファイバにおけるマイクロベンドロス特性因子の値とサンドペーパー張力巻きロス増との関係を示す図である。
以下、本発明に係る光ファイバを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光ファイバケーブル1の長手方向に垂直な断面の構造を概略的に示す図である。図1に示すように、光ファイバケーブル1は、いわゆるテープスロット型ケーブル(RSCC: Ribbon Slotted Core Cable)である。この光ファイバケーブル1は、シース3と、複数のテープ心線4と、保持体5と、抗張力体6と、を主な構成として備える。
シース3は、管状の部材であり、例えばポリエチレンなどの熱可塑性樹脂から形成されてもよい。このシース3の内部空間には、上記保持体5が収容される。このように、シース3は、保持体5を内部に収容して保持体5を保護する。
保持体5は、複数のテープ心線4を保持する部材である。保持体5には、複数のスロット5Sが形成されており、これらスロット5Sのそれぞれに複数のテープ心線4が収容される。なお、このスロット5Sに収容されるテープ心線4の数を増やすことで、光ファイバケーブル1に含まれる光ファイバの心数を増やすことができる。
本実施形態において、抗張力体6は、図1の断面視において保持体5の概ね中心に埋設されている。このような抗張力体6によって、テープ心線4の長手方向に張力が作用した際にテープ心線4が必要以上に伸びることが抑制され得る。
図2は、テープ心線4の一例を概略的に示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態のテープ心線4は、いわゆる間欠接着型のテープ心線である。このテープ心線4は、複数の光ファイバ10が長手方向に垂直な方向に沿って並べられ、並べられた光ファイバ10同士が接着された構成を有する。テープ心線4は、接着部4Aと、単心部4Bとを含んでいる。接着部4Aは、隣り合う光ファイバ10同士が接着される部位であり、長手方向に沿って一定のピッチで間欠的に設けられている。単心部4Bは、接着部4Aの間に位置する部位であり、光ファイバ10同士が接着されていない部位である。このような構成により、テープ心線4は容易に変形することができ、例えば捩じったり、あるいは概ね円筒状に束ねたりすることができる。図1では、各テープ心線4が概ね円筒状に束ねられた状態が概略的に示されている。
なお、図2では、テープ心線4が4本の光ファイバ10から構成される例が示されているが、これは例示的なものである。すなわち、テープ心線4を構成する光ファイバ10の数は特に限定されず、4本より少なくてもよいし、4本より多くてもよい。例えば、テープ心線4は、12心の光ファイバ10から構成されてもよい。また、テープ心線4は間欠接着型に限定されるものではない。
図3は、テープ心線4を構成する光ファイバ10の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。本実施形態の光ファイバ10はシングルモード光ファイバである。図3に示すように、光ファイバ10は、コア11と、コア11を隙間なく囲むクラッド12と、クラッド12を被覆するプライマリ被覆層14と、プライマリ被覆層14を被覆するセカンダリ被覆層15と、を主な構成として備える。光ファイバ10において、クラッド12はコア11よりも低い屈折率を有する。
コア11は、ドーパントが添加されていない純粋石英から形成されてもよく、あるいは、屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等がドーパントとして添加された石英から形成されてもよい。
クラッド12は、上述のように、コア11よりも低い屈折率を有する。クラッド12は、例えば、コア11が純粋石英から形成される場合には、屈折率を低下させるフッ素(F)やホウ素(B)等がドーパントとして添加された石英から形成されてもよく、コア11が屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等がドーパントとして添加された石英から形成される場合には、ドーパントが添加されていない純粋石英から形成されてもよい。また、クラッド12には、塩素(Cl2)が添加された石英から形成されていてもよい。また、クラッド12は、単一層であってもよく、異なる屈折率を有する複数の層からなってもよく、空孔アシスト型であってもよい。
このように、コア11及びクラッド12は、いずれも石英(ガラス)から形成される。したがって、コア11及びクラッド12を総称してガラス部13と言う。すなわち、ガラス部13はコア11及びクラッド12を含んでおり、このガラス部13がプライマリ被覆層14によって覆われている。なお、ガラス部13は、光ファイバ裸線部とも呼ばれることがある。このようなガラス部13の外径(直径)dfは、一般的には125μmである。しかし、本実施形態では、ガラス部13の外径dfをこれよりも小さな外径にすることができる。例えば、65μm以上100μm以下にすることができ、65μm以上90μm以下にすることができ、65μm以上80μm以下にすることができ、65μm以上75μm以下にすることができ、あるいは、65μm以上70μm以下にすることができる。このようにガラス部13の外径dfを小さくできる理由については後に説明する。
なお、脆性を有するガラス部の外径dfが65μm程度の細さであれば、脆性のガラスが細くなった分、光ファイバの機械的な曲げ耐性が高くなり得る。
プライマリ被覆層14は、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂から形成され、ガラス部13の外側に厚さtp(μm)で形成される。本実施形態では、プライマリ被覆層14のヤング率Egは、セカンダリ被覆層15のヤング率Esに比べて低い。このようにガラス部に直接接するプライマリ被覆層14が低ヤング率とされることで、プライマリ被覆層14が緩衝材として作用し、ガラス部13に作用する外力が低減され得る。なお、プライマリ被覆層14の外周面の半径をRp(μm)とすると、プライマリ被覆層14の外径は2Rpで表され、また、ガラス部の半径(df×1/2)をRg(μm)とすると、プライマリ被覆層14の上記厚さtpは以下の式で表される。
p=Rp-Rg
本実施形態において、セカンダリ被覆層15は、光ファイバ10の最外層をなす層であり、例えば、プライマリ被覆層14を形成する樹脂とは異なる種類の紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂から形成され、プライマリ被覆層14の外側に厚さts(μm)で形成される。例えば、セカンダリ被覆層15は、プライマリ被覆層14が紫外線硬化樹脂から形成される場合は、プライマリ被覆層14を形成する紫外線硬化樹脂とは異なる紫外線硬化樹脂で形成されてもよく、プライマリ被覆層14が熱硬化樹脂から形成される場合は、プライマリ被覆層14とは異なる熱硬化樹脂から形成されてもよい。本実施形態では、セカンダリ被覆層15のヤング率Esは、プライマリ被覆層14のヤング率Egよりも高い。このように、光ファイバ10の最外層をなすセカンダリ被覆層15が高ヤング率とされることで、ガラス部13が外力から適切に保護され得る。なお、セカンダリ被覆層15の外周面の半径をRsとすると、セカンダリ被覆層15の外径、すなわち、光ファイバ10の外径は2Rsで表され、また、セカンダリ被覆層15の上記厚さtsは、以下の式で表される。
s=Rs-Rp
ところで、光ファイバケーブルに使用される光ファイバの外径は一般的に概ね240μm程度から250μm程度である。したがって、セカンダリ被覆層15の外径は概ね240μmであってもよい。しかし、本実施形態では、セカンダリ被覆層15の外径を240μmよりも小さくすることができる。例えば、190μm程度にすることができ、150μm程度~160μm程度にすることができ、あるいは、125μm程度にすることができる。このようにセカンダリ被覆層15の外径、すなわち、光ファイバ10の外径を小さくできる理由については後に説明する。
また、プライマリ被覆層14の厚さtpとセカンダリ被覆層15の厚さtsとの和を被覆厚さtとすると、光ファイバケーブルに使用される光ファイバの被覆厚さは一般的に60μm程度である。したがって、光ファイバ10の被覆厚さtは60μm程度であってもよい。しかし、本実施形態では、光ファイバ10の被覆厚さtを60μmよりも小さくすることができる。例えば、42.5μm以下にすることができ、38.0μm以下にすることができ、36.5μm以下にすることができ、34.5μm以下にすることができ、あるいは、34.0μm以下にすることができる。このように光ファイバ10の被覆厚さを小さくできる理由については後に説明する。
上述のように、本実施形態の光ファイバケーブル1は、このような光ファイバ10を複数含むテープ心線4が保持体5のスロット5S内に密に収容される。その結果、光ファイバケーブル1には多くの心数の光ファイバが収容され得る。例えば、光ファイバケーブル1には、1000心以上の光ファイバが収容される。また、上述のように、本実施形態の光ファイバ10では、ガラス部13が一般的な光ファイバのガラス部よりも小さな外径に形成され得るとともに、被覆厚さが一般的な光ファイバの被覆厚さよりも小さく形成され得る。このため、光ファイバ10の外径を一般的な光ファイバの外径よりも小さくし得、光ファイバ10が細径化され得る。このように光ファイバ10を細径化することによって、テープ心線4の寸法を一般的なテープ心線の寸法よりも小さくし得る。したがって、このように寸法が小さなテープ心線4をスロット5Sに収容することで、光ファイバケーブル1に収容される光ファイバの心数をより増やし得る。あるいは、このように寸法が小さなテープ心線4をスロット5Sに収容することで、光ファイバケーブル1の寸法を小さくし得る。
一方、スロット内におけるテープ心線の収容密度が増加する程、光ファイバに作用する側圧が大きくなる傾向がある。このように光ファイバが側圧を受けることで、光ファイバの軸が微小に曲がり、マイクロベンドロスが生じ得る。また、光ファイバのガラス部の外径や光ファイバの被覆厚さを小さくすると、ガラス部が側圧を受け易くなり、やはりマイクロベンドロスが生じ得る。
しかし、本実施形態の光ファイバ10は、後述するマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下になるように形成される。このため、ガラス部の外径や被覆厚さが小さくされて、スロット5S内に収容される光ファイバ10の心数が増えた場合でも、マイクロベンドロスが抑制され得る。以下、この理由について詳細に説明する。
光ファイバのマイクロベンドロスは、非特許文献1(J. Baldauf, et al., “Relationship of Mechanical Characteristics of Dual Coated Single Mode Optical Fibers and Microbending Loss,”IEICE Trans. Commun., vol. E76-B, No. 4, 1993.)、非特許文献2(K. Petermann, et al., “Upper and Lower Limits for the Microbending Loss in Arbitrary Single-Mode Fibers,”J. Lightwave technology, vol. LT-4, no.1, pp. 2-7, 1986.)、非特許文献3(大越 他,“光ファイバ,”オーム社,pp.235-239, 1989.)、及び非特許文献4(P. Sillard, et al., “Micro-Bend Losses of Trench-Assisted Single-Mode Fibers,”ECOC2010, We.8.F.3, 2010.)に記載されているように、光ファイバのジオメトリ及び光学特性の両方の影響を受ける傾向がある。
ここで、光ファイバのジオメトリとは、光ファイバの構造に関するパラメータであり、本実施形態では、光ファイバにおけるプライマリ被覆層のスプリング係数κs、ガラス部の曲げ剛性Hf、セカンダリ被覆層の耐変形性D、セカンダリ被覆層の曲げ剛性H、ガラス部のヤング率Eg、プライマリ被覆層のヤング率Ep、セカンダリ被覆層のヤング率Es、ガラス部の外径df(ガラス部の直径)、プライマリ被覆層の半径Rp、セカンダリ被覆層の半径Rs、プライマリ被覆層の厚さtp、及びセカンダリ被覆層の厚さtsをいう。
ところで、上記非特許文献2~4によれば、マイクロベンドロスは、光ファイバを伝搬する導波モードが放射モードと結合するモード結合によって生じる現象とされる。この導波モードは、例えばLP01モードとされる。このようなモード結合は、光ファイバの軸が微小に曲がるいわゆる微小曲げに起因して起こると言われており、また、導波モードにおける伝搬定数と放射モードにおける伝搬定数との差である伝搬定数差(Δβ)によって決定されると考えられている。上述した光ファイバの光学特性は、光ファイバを伝搬する光の特性に関するパラメータであり、本発明では上記伝搬定数差Δβ(rad/m)を意味する。
このような光ファイバのマイクロベンドロスは、粗面化されたボビンの胴部分に光ファイバを所定の張力で1層巻きにした状態で測定される伝送損失と、当該光ファイバをボビンから繰り出して張力をほとんどかけない状態で測定される伝送損失との差であるサンドペーパー張力巻きロス増の値で表される場合がある。このようなサンドペーパー張力巻きロス増の値が小さい程、光ファイバのマイクロベンドロスが小さい。
ところで、本実施形態の光ファイバケーブル1のようなテープスロット型ケーブル(RSCC)は、上記のようにマイクロベンドロスが生じ得る。したがって、テープスロット型ケーブルは、このようなマイクロベンドロスを考慮して、サンドペーパー張力巻きロス増の値を0.6dB/km以下とする要求特性がある。
本発明者は、光ファイバケーブルに用いられる光ファイバに関して、サンドペーパー張力巻きロス増と上記種々のパラメータとの関係を鋭意研究した。その結果、ジオメトリに関するパラメータであるプライマリ被覆層のスプリング係数κs、ガラス部の曲げ剛性Hf、セカンダリ被覆層の耐変形性D、セカンダリ被覆層の曲げ剛性H、ガラス部のヤング率Eg、プライマリ被覆層のヤング率Ep、セカンダリ被覆層のヤング率Es、ガラス部の外径df、プライマリ被覆層の外周面の半径Rp、セカンダリ被覆層の外周面の半径Rs、プライマリ被覆層の厚さtp、及びセカンダリ被覆層の厚さtsに関する下記式(1)
Figure 2022101633000005
によって定まるジオメトリマイクロベンドロス特性FμBL_Gと、
光学特性に関するパラメータである伝搬定数差Δβに関する下記式(2)
Figure 2022101633000006
によって定まる光学マイクロベンドロス特性FμBL_Δβと、を用いて、下記式(3)
Figure 2022101633000007
で表されるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が、サンドペーパー張力巻きロス増の値と高い相関関係にあることを見出した。つまり、本発明者は、マイクロベンドロス特性因子の値がサンドペーパー張力巻きロス増の値と概ね傾きが正の比例関係にあることを見出した。
なお、非特許文献5(K. Kobayashi, et al., “Study of Microbending loss in thin coated fibers and fiber ribbons,” IWCS, pp.386 - 392, 1993.)によれば、上記式(1)における定数μの典型値は「3」である。したがって、上記式(1)は、下記式(4)となる。
Figure 2022101633000008
また、上記非特許文献2及び非特許文献6(C. D. Hussey, et al., “Characterization and design of single-mode optical fibres,” Optical and Quantum Electronics, vol. 14, no. 4, pp. 347 - 358, 1982.)によれば、上記式(2)における定数pの典型値は「4」である。したがって、上記式(2)は、下記式(5)となる。
Figure 2022101633000009
また、本発明者は、さらに研究を進めたところ、上記マイクロベンドロス特性因子の値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)であるときにサンドペーパー張力巻きロス増の値が0.6dB/kmよりもやや小さい値になることを見出した。上記のように、マイクロベンドロス特性因子の値とサンドペーパー張力巻きロス増の値とは概ね傾きが正の比例関係にある。したがって、光ファイバのマイクロベンドロス特性因子の値を6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることによって、テープスロット型ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスを抑制し得る。
上述のように、本実施形態の光ファイバ10は、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下になるように形成される。このため、本実施形態の光ファイバ10では、テープスロット型ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスが抑制され得る。したがって、光ファイバ10を使用する光ファイバケーブル1は良好な光学特性を示し得る。
また、上述のように、本実施形態の光ファイバ10では、ガラス部13の外径dfを125μmよりも小さくしたり、被覆厚さtを60μmよりも小さくしたりした場合でも、ガラス部の外径dfや被覆厚さt以外のパラメータが調整されてマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下とされるため、テープスロット型ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスが抑制され得る。ここで、図3に示すように、光ファイバ10の外径2Rsは、ガラス部の外径dfと、被覆厚さtとを用いて、
2Rs=df+2t
で表される。このため、上記のように、被覆厚さtを小さくし、また、ガラス部の外径dfを小さくすることによって、光ファイバの細径化を実現し得る。したがって、このように細径化され、かつ、マイクロベンドロスが抑制された光ファイバ10を用いることで、心数の増加や小寸法化を実現した光学特性の優れたテープスロット型ケーブルを構成し得る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の光ファイバケーブル2の長手方向に垂直な断面の構造を概略的に示す図である。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル2は、第1実施形態と概ね同様の構成を有するテープ心線4が内部に収容される点において、第1実施形態の光ファイバケーブル1と同様の構成を有する。しかし、以下の点において、光ファイバケーブル2は光ファイバケーブル1と主に異なっている。
光ファイバケーブル1は上記のようにテープスロット型ケーブル(RSCC)である。一方、図4に示すように、本実施形態の光ファイバケーブル2は、保持体5を有していない。すなわち、光ファイバケーブル2は、テープ心線が保持体のスロットに収容されずに、シース内に直接収容されるいわゆる細径高密度ケーブル(UHDC: Ultra-High Density Cable)である。つまり、光ファイバケーブル2のシース3の内側には収容空間3Sが形成されており、当該収容空間3Sに複数のテープ心線4が配置される。なお、光ファイバケーブル2のシース3には、光ファイバケーブル2の中心を挟んで互いに対向する位置に抗張力体6が埋設されてもよい。
また、上記のように、本実施形態のテープ心線4は第1実施形態のテープ心線4と概ね同様の構成を有する。しかし、本実施形態のテープ心線4に含まれる光ファイバ10のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値は、後述する理由により、4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下とされる。
光ファイバケーブル2のような細径高密度ケーブルは、上記のように保持体5を有しておらず、スロットレスであるため、シース3の収容空間3Sにテープ心線4を密集配置することができる。そのため、光ファイバケーブル1のようなテープスロット型ケーブルに比べて、多くのテープ心線を収容し得る。
一方、細径高密度ケーブルでは、上記のように多くのテープ心線が1か所に密集配置されるため、テープスロット型ケーブルに比べて、光ファイバに大きな側圧がかかる傾向にある。そのため、細径高密度ケーブルでは、テープスロット型ケーブルに用いられる光ファイバよりもマイクロベンドロスの小さい光ファイバを使用することが推奨される。このような点から、細径高密度ケーブルは、上記サンドペーパー張力巻きロス増の値を0.34dB/km以下とする要求特性がある。
本発明者は、このようなサンドペーパー張力巻きロス増の値(0.34dB/km)に対応するマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を上記式(3)~(5)に基づいて算出した結果、当該値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)であることを見出した。すなわち、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下にすることで、細径高密度ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスを抑制し得ることを見出した。
本実施形態の光ファイバ10は、上記のように、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下になるように上記種々のパラメータが調整されて構成される。このため、細径高密度ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスが抑制され得る。したがって、光ファイバ10を使用する光ファイバケーブル2は良好な光学特性を示し得る。
また、上述のように、本実施形態の光ファイバ10では、ガラス部13の外径dfを125μmよりも小さくしたり、被覆厚さtを60μmよりも小さくしたりして光ファイバ10を細径化した場合でも、細径高密度ケーブルの要求特性を満たす程度にマイクロベンドロスが抑制され得る。したがって、このように細径化された光ファイバ10を用いることで、心数の増加や小寸法化を実現した光学特性の優れた細径高密度ケーブルを構成し得る。
次に、ガラス部13の外径dfを小さくできる理由、光ファイバ10の被覆厚さを小さくできる理由、及び光ファイバ10の外径を小さくできる理由等について説明する。
本発明者は、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値とサンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値との関係を検証するために以下の実施例1~48を行った。なお、本発明を実施する態様は当該実施例1~48に限定されるものではない。
(実施例1~22)
本発明者は、上記種々のパラメータが変更された光ファイバのサンプル1~22を準備し、各サンプル1~22について、サンドペーパー張力巻きロス増の値を測定するとともに、上記式(3)~(5)に基づいてマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を計算した。サンプル1の光ファイバが実施例1の光ファイバであり、サンプル2の光ファイバが実施例2の光ファイバである。このように、光ファイバのサンプル番号は実施例の番号に対応している。なお、サンプル8の光ファイバは、通信インフラを構成する光ファイバケーブルに一般的に使用される光ファイバであり、125μmのガラス部の外径と、57.5μmの被覆厚さとを有する。このサンプル8のような光ファイバを「一般的な光ファイバ」ということがある。
サンドペーパー張力巻きロス増の試験は以下のようにして行われた。すなわち、まず、胴径380mmのボビンの胴部分に、サンドペーパー(平均粒径50μmのSiC(例えば型番#360))を巻き付け、その周囲に100gfで光ファイバ素線を1層巻きした状態とし、波長1550nmの光を伝搬させる。この際の伝送損失を測定する。その後、この光ファイバ素線をボビンから繰り出し、張力をほとんどかけない状態で波長1550nmの光を伝搬させ、伝送損失を測定する。そして、これらの伝送損失の差を求め、この差の値をサンドペーパー張力巻きロス増αμBLとした。
下記表1~5に、サンプル1~22のそれぞれにおけるパラメータの諸元、サンプル1~22のそれぞれにおけるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値、及びサンプル1~22のそれぞれにおけるサンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値を示す。
なお、下記表1~5、及び後述する下記表7~10において、モードフィールド径(MFD)、カットオフ波長、及びマクロベンドロス等は以下の通りである。モードフィールド径は、波長1310nmの光を光ファイバに伝搬させたときのLP01モードの光のモードフィールド径である。
なお、モードフィールド径は、ITU-T勧告G.650.1において、Petermann IIの定義式(下記式(6))で表される。ここで、E(r)は、光ファイバの中心軸からの距離がrとなる点における電界強度を表す。
Figure 2022101633000010
また、上記カットオフ波長は、高次モードが十分に減衰する最小の波長を示す。この高次モードは、例えば、LP11モードを指す。具体的には、高次モードの損失が19.3dBになる最小波長である。カットオフ波長には、ファイバカットオフ波長とケーブルカットオフ波長とがあり、例えばITU-T勧告G.650に記載の測定法により、測定することができる。表1~5に記載されたカットオフ波長はケーブルカットオフ波長である。また、MAC値は、波長1310nmの光のモードフィールド径とケーブルカットオフ波長との比であり、モードフィールド径を2w、ケーブルカットオフ波長λccとすると、2w/λccとして定義される。また、マクロベンドロスは、光ファイバを半径10mmで曲げた際に波長1625nmの光がこの曲がった部分を伝搬することによって生じる曲げ損失である。マクロベンドロスの単位における「/turn」は、「光ファイバの1曲がり当たり」を意味する。また、伝搬定数差は、波長1550nmの光の導波モードにおける伝搬定数と、波長1550の光の放射モードにおける伝搬定数との差であり、この実験では、波長1550nmの光のLP01モードにおける伝搬定数とLP11モードにおける伝搬定数との差である。伝搬定数は、試作した光ファイバの屈折率分布に基づいて、非特許文献7(K. Saitoh and M. Koshiba, “Full-Vectorial Imaginary-Distance Beam Propagation Method Based on a Finite Element Scheme: Application to Photonic Crystal Fibers,” IEEE J. Quant. Elect. vol. 38, pp. 9 27-933, 2002.)に記載される2次元有限要素法を用いて計算した。また、ゼロ分散波長とは、波長分散の値がゼロになる波長のことを指す。ここで、波長分散は、材料分散と導波路分散の合計である。また、ゼロ分散スロープとは、ゼロ分散波長における波長に対する波長分散の変化率のことを指す。
Figure 2022101633000011
Figure 2022101633000012
Figure 2022101633000013
Figure 2022101633000014
Figure 2022101633000015
本発明者は、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を横軸(X軸)、サンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値を縦軸(Y軸)とする座標系に対して、サンプル1~22のそれぞれのマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値及びサンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値をプロットした。その結果、図5に示すような散布図が得られた。この散布図から、最小2乗法用いて関数を求めたところ、下記式(7)で表される正の傾きを有する1次関数が得られた。また、図5のデータの相関係数は94%以上を得た。
Figure 2022101633000016
すなわち、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値とサンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値とは高い相関関係を有し、具体的には、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値がサンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値と概ね正の傾きを有する比例関係にあることが分かった。
ところで、上述のように、テープスロット型ケーブル(RSCC)は、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値を0.60(dm/km)以下とする要求特性がある。また、細径高密度ケーブル(UHDC)は、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値が0.34(dm/km)以下とする要求特性がある。そこで、下記表6に各実施例1~22におけるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値、サンドペーパー張力巻きロス増αμBLの値、テープスロット型ケーブル(RSCC)の要求特性に対する合否、及び細径高密度ケーブル(UHDC)の要求特性に対する合否を示す。なお、表6において、Yは要求特性を満たしていることを意味し、Nは要求特性を満たしていないことを意味する。
Figure 2022101633000017
表6より、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であれば、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値が概ね0.60以下となり、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)よりも大きくなると、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値が0.60を超える傾向があることが分かった。つまり、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下になるように上記表1~5に記載されたパラメータの値を調整することで、テープスロット型ケーブルの要求特性を満たし得ることが分かった。
また、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であれば、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値が概ね0.34以下となり、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)よりも大きくなると、サンドぺーパ張力巻きロス増αμBLの値が0.34を超える傾向があることが分かった。つまり、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下になるように上記表1~5に記載されたパラメータの値を調整することで、テープスロット型ケーブルの要求特性に加えて、細径高密度ケーブルの要求特性を満たし得ることが分かった。
具体的には、サンプル1~22のうちテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすサンプルは、サンプル1、5、及び6を除くサンプルであった。また、テープスロット型ケーブルの要求特性に加えて細径高密度ケーブルの要求特性を満たすサンプルは、実施例1、2、5、6、13、及び18を除くサンプルであった。
また、サンプル1~22における少なくともテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすサンプルのうち、サンプル4、7、及び8を除くサンプルは、一般的な光ファイバのガラス部の外径(125μm)よりも小さな80μm又は90μmのガラス部の外径を有する。具体的には、サンプル2、3、9~14、及び18~22が80μmのガラス部の外径を有し、サンプル15~17が90μmのガラス部の外径を有する。つまり、サンプル2、3、及び9~22のようにパラメータを調整することによって、少なくともテープスロット型ケーブルの要求特性を満たし、かつ、一般的な光ファイバよりも小さなガラス部の外径を有する光ファイバを形成し得ることが分かった。
また、サンプル1~22における少なくともテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすサンプルは、サンプル8を除いて、一般的な光ファイバの被覆厚さ(概ね60μm)よりも小さな被覆厚さを有することが分かった。具体的には、サンプル3、9、及び12は42.0μmの被覆厚さを有し、サンプル10、11、13、14、18、及び20~22は36.5μmの被覆厚さを有し、サンプル2は36.0μmの被覆厚さを有し、サンプル15~17は34.5μmの被覆厚さを有し、サンプル4及び7は34.0μmの被覆厚さを有することが分かった。つまり、サンプル2~4、7、及び9~22のようにパラメータを調整することによって、少なくともテープスロット型ケーブルの要求特性を満たし、かつ、一般的な光ファイバよりも小さな被覆厚さを有する光ファイバを形成し得ることが分かった。
このように、サンプル1~22のうち、サンプル1、5、6、及び8を除くサンプルは、少なくともテープスロット型ケーブルの要求特性を満たし、かつ、一般的な光ファイバよりも小さなガラス部の外径及び被覆厚さを有していることが分かった。ガラス部の外径及び被覆厚さの両方を一般的な光ファイバのガラス部の外径及び被覆厚さよりも小さく形成することで、光ファイバの細径化を効果的に実現し得る。
また、サンプル1~22の光ファイバは、7.6μm以上のMFDを有する。MFDが小さすぎると、汎用光ファイバと接続したときのMFDのミスマッチが生じ得る。しかし、光ファイバのMFDが7.6μm以上あれば、汎用光ファイバと接続したときのMFDのミスマッチが小さくなり得る。このため、接続損失の発生を効果的に抑制することができる。
さらに、サンプル5~8の光ファイバは、国際規格であるITU-.G.657.A1を満足する。すなわち、波長1310nmのMFDが8.2μm以上9.6μm以下であり、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下であり、零分散波長が1300nm以上1324nm以下であり、零分散スロープが0.073ps/km/nm以上0.092ps/km/nm以下であり、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが1.5dB/turn以下である。また、サンプル1~4の光ファイバは、ITU-T.G.657.A2を満足する。すなわち、波長1310nmのMFDが8.2μm以上9.6μm以下であり、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下であり、零分散波長が1300nm以上1324nm以下であり、零分散スロープが0.073ps/km/nm以上0.092ps/km/nm以下であり、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが0.2dB/turn以下である。また、サンプル13~15の光ファイバは、ITU-T.G.657.B3を満足する。すなわち、波長1310nmのMFDが8.26μm以上9.6μm以下であり、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下であり、零分散波長が1300nm以上1324nmであり、零分散スロープが0.073ps/km/nm以上0.092ps/km/nm以下であり、半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが0.1dB/turn以下である。
(実施例23~28)
また、本発明者は、サンプル16,17,19と同一の光学特性、具体的には、これらのサンプルと同一のMFD、ケーブルカットオフ波長、MAC値、マクロベンドロス(曲げ損失)、伝搬定数差、零分散波長、および零分散スロープを有し、サンプル19と同一のプライマリ被覆層の厚さおよびセカンダリ被覆層の厚さを有し、ガラス部の外径が65μmの光ファイバを想定して、以下の表7に示すように調整した光ファイバのサンプル23~28のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を求めた。
Figure 2022101633000018
表7に示すように、サンプル23~28は、いずれも65μmのガラス部の外径と、42μmの被覆厚さとを有する。サンプル25~28のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値はいずれも6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル25~28はテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。また、サンプル27及28のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値は4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル27及び28はテープスロット型ケーブルの要求特性に加えて、細径高密度ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。なお、サンプル23及び24は、サンプル25~28と同様に、65μmのガラス部の外径と42μmの被覆層の厚さとを有するが、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)を超えており、テープスロット型ケーブルの要求特性も細径高密度ケーブルの要求特性も満たさなかった。
(実施例29~36)
また、本発明者は、サンプル15,16,17,19と同一の光学特性、具体的には、これらのサンプルと同一のMFD、ケーブルカットオフ波長、MAC値、マクロベンドロス、伝搬定数差、零分散波長、および零分散スロープを有し、サンプル19と同一のプライマリ被覆層の厚さおよびセカンダリ被覆層の厚さを有し、ガラス部の外径が70μmの光ファイバを想定して、表8,9に示すように調整した光ファイバのサンプル29~36のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を求めた。
Figure 2022101633000019
Figure 2022101633000020
表8,9に示すように、サンプル29~36は、いずれも70μmのガラス部の外径と、42μmの被覆厚さとを有する。サンプル26~28のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値はいずれも6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル29~36はテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。また、サンプル31、33、35及び36のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値はいずれも4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル31、33、35及び36はテープスロット型ケーブルの要求特性に加えて、細径高密度ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。
(実施例37~42)
また、本発明者は、サンプル15,17,19と同一の光学特性、具体的には、これらのサンプルと同一のMFD、ケーブルカットオフ波長、MAC値、マクロベンドロス、伝搬定数差、零分散波長、および零分散スロープを有し、サンプル19と同一のプライマリ被覆層の厚さおよびセカンダリ被覆層の厚さを有し、ガラス部の外径が75μmの光ファイバを想定して、以下の表10に示すように調整した光ファイバのサンプル37~42のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を求めた。
Figure 2022101633000021
表10に示すように、サンプル37~42は、いずれも75μmのガラス部の外径と、42μmの被覆厚さとを有する。サンプル37~42のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値はいずれも4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル37~42はテープスロット型ケーブルの要求特性に加えて、細径高密度ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。
(実施例43~48)
また、本発明者は、サンプル15,17,19と同一の光学特性、具体的には、これらのサンプルと同一のMFD、ケーブルカットオフ波長、MAC値、マクロベンドロス、伝搬定数差、零分散波長、および零分散スロープを有し、サンプル19と同一のプライマリ被覆層の厚さおよびセカンダリ被覆層の厚さを有し、ガラス部の外径が80μmの光ファイバを想定して、以下の表11に示すように調整した光ファイバのサンプル43~48のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値を求めた。
Figure 2022101633000022
表11に示すように、サンプル45~48は、いずれも80μmのガラス部の外径と、125μmのセカンダリ被覆層の外径と、22.5μmの被覆層の厚さとを有する。サンプル45~48のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値はいずれも6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル45~48はテープスロット型ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。また、サンプル47のマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値は4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下であり、サンプル47はテープスロット型ケーブルの要求特性に加えて、細径高密度ケーブルの要求特性を満たすことが分かった。なお、サンプル43及び44は、サンプル45~48と同様に、80μmのガラス部の外径と、125μmのセカンダリ被覆層の外径と、22.5μmの被覆層の厚さとを有するが、マイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβの値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)を超えており、テープスロット型ケーブルの要求特性も細径高密度ケーブルの要求特性も満たさなかった。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記第1及び第2実施形態では、セカンダリ被覆層が光ファイバの最外層である例を説明した。しかし、セカンダリ被覆層のさらに外周に第3被覆層として着色層を設けた場合においても、着色層のヤング率がセカンダリ被覆層のヤング率と著しく異なることが無い限り、セカンダリ被覆層と着色層とを含めて第2被覆層、すなわち、セカンダリ被覆層とみなして、本発明に適用することが可能である。
本発明によれば、マイクロベンドロスを抑制し得る光ファイバが提供され、例えば通信インフラなどの分野において利用可能である。

Claims (16)

  1. コア及び前記コアを囲うクラッドを含むガラス部、前記クラッドを覆うプライマリ被覆層、及び前記プライマリ被覆層を覆うセカンダリ被覆層を含む光ファイバであって、
    前記プライマリ被覆層のスプリング係数をκs(MPa)、前記ガラス部の曲げ剛性をHf(MPa・μm4)、前記セカンダリ被覆層の耐変形性をD(MPa)、前記セカンダリ被覆層の曲げ剛性をH(MPa・μm4)、前記ガラス部のヤング率をEg(GPa)、前記プライマリ被覆層のヤング率をEp(MPa)、前記セカンダリ被覆層のヤング率をEs(MPa)、前記ガラス部の外径をdf(μm)、前記プライマリ被覆層の外周面の半径をRp(μm)、前記セカンダリ被覆層の外周面の半径をRs(μm)、前記プライマリ被覆層の厚さをtp(μm)、及び前記セカンダリ被覆層の厚さをts(μm)とする場合に、
    Figure 2022101633000023
    で表される前記光ファイバのジオメトリマイクロベンドロス特性FμBL_G (GPa -1 ・μm -10.5 ・10 -27 と、
    前記光ファイバを伝搬する導波モードにおける伝搬定数と放射モードにおける伝搬定数との差を伝搬定数差Δβ(rad/m)とする場合に、
    Figure 2022101633000024
    で表される前記光ファイバの光学マイクロベンドロス特性FμBL_Δβ(1/(rad/μm)8)と、を用いて、
    Figure 2022101633000025
    で表されるマイクロベンドロス特性因子FμBL_GΔβ([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)の値が6.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下である
    ことを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記マイクロベンドロス特性因子の値が6.1([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )以下(5.83([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )及び5.99([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )を除く)である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 前記マイクロベンドロス特性因子の値が6.1([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )以下(5.83([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )以上を除く)である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 前記マイクロベンドロス特性因子の値が5.8([GPa -1 ・μm -2.5 /rad ]・10 -12 )以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  5. 前記マイクロベンドロス特性因子の値が4.1([GPa-1・μm-2.5/rad]・10-12)以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  6. 前記プライマリ被覆層の厚さと前記セカンダリ被覆層の厚さとを和した被覆厚さが42.0μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  7. 前記ガラス部の外径が65μm以上100μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  8. 前記プライマリ被覆層のヤング率が0.12MPa以上0.60MPa以下である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  9. 前記セカンダリ被覆層のヤング率が800MPa以上1400MPa以下である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  10. 波長1550nmの光のLP01モードとLP11モードの伝搬定数差が11623rad/m以上15702rad/m以下である
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  11. MAC値(a.u.)が5.87以上7.14以下である
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  12. 波長1310nmの光のモードフィールド径が7.6μm以上8.66μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  13. 零分散波長が1309nm以上1339nm以下である
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  14. 零分散スロープが0.079ps/km/nm以上0.091ps/km/nm以下である
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  15. 波長1310nmにおける光のモードフィールド径が7.6μm以上8.7μm以下であり、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下であり、零分散波長が1300nm以上1324nm以下であり、零分散スロープが0.073ps/km/nm以上0.092ps/km/nmである
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の光ファイバ。
  16. 半径10mmで曲げたときの波長1625nmにおけるマクロベンドロスが1.5dB/turn以下である
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光ファイバ。

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