以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
以下の説明において、互いに交差する3方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向として説明する。X軸方向は、互いに反対の方向であるX1方向及びX2方向を含む。X軸方向は第1方向の一例である。Y軸方向は、互いに反対の方向であるY1方向及びY2方向を含む。Y軸方向は、第2方向の一例である。Z軸方向は、互いに反対の方向であるZ1方向及びZ2方向を含む。Z1方向は、下向きの方向であり、Z2方向は、上向きの方向である。また、本明細書において、「上」及び「下」を用いる。「上」及び「下」は、液体噴射装置1Aの通常の使用状態における「上」及び「下」に対応する。
Z軸方向は、上下方向に沿う方向である。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、例えば、80°以上100°以下の範囲内の角度で交差してもよい。Z軸方向は、上下方向に沿う方向でなくてもよい。
図1は、第1実施形態に係る液体噴射装置1Aの構成例を示す概略図である。液体噴射装置1Aは、「液体」の一例であるインクを液滴として媒体PPに噴射するインクジェット方式の印刷装置である。本実施形態の液体噴射装置1Aは、インクを噴射する複数のノズルが媒体PPの幅方向での全範囲にわたり分布する、いわゆるライン方式の印刷装置である。媒体PPは、典型的には印刷用紙である。なお、媒体PPは、印刷用紙に限定されず、例えば、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象でもよい。
図1に示すように、液体噴射装置1Aは、インクを貯留する液体容器2を備える。液体容器2の具体的な態様としては、例えば、液体噴射装置1Aに着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、および、インクを補充可能なインクタンクが挙げられる。なお、液体容器2に貯留されるインクの種類は任意である。液体容器2は、液体貯留部の一例である。
液体容器2は、図示しないが、第1液体容器と第2液体容器とを含む。第1液体容器には、第1インクが貯留される。第2液体容器には、第1インクと異なる種類の第2インクが貯留される。例えば、第1インクおよび第2インクは、互いに異なる色のインクである。なお、第1インクと第2インクとが同じ種類のインクであってもよい。
液体噴射装置1Aは、制御ユニット3、媒体搬送機構4、循環機構5、及び複数の液体噴射ヘッド10を有する。制御ユニット3は、液体噴射装置1Aの各要素の動作を制御する。制御ユニット3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と、半導体メモリー等の記憶回路とを含む。当該記憶回路には、各種プログラムおよび各種データが記憶される。当該処理回路は、当該プログラムを実行するとともに当該データを適宜使用することにより各種制御を実現する。
媒体搬送機構4は、制御ユニット3によって制御され、媒体PPを搬送方向DMに搬送する。搬送方向DMは、例えばY1方向である。搬送方向DMは、Y1方向に限定されず、Y2方向でもよく、その他の方向でもよい。媒体搬送機構4は、X軸方向に沿って長尺な搬送ローラーと、当該搬送ローラーを回転させるモーターと、を含む。なお、媒体搬送機構4は、搬送ローラーを用いる構成に限定されず、例えば、媒体PPを外周面に静電力等により吸着させた状態で搬送するドラムまたは無端ベルトを用いる構成でもよい。
液体噴射ヘッド10は、制御ユニット3によって制御され、液体容器2から循環機構5を介して供給されるインクを複数のノズルのそれぞれから媒体PPに噴射する。複数の液体噴射ヘッド10は、X軸方向に並べられてラインヘッド50を構成する。
液体容器2に貯留されたインクは循環機構5を介して、液体噴射ヘッド10に供給される。循環機構5は、液体噴射ヘッド10にインクを供給するとともに、液体噴射ヘッド10から排出されるインクを回収する。循環機構5は、回収されたインクを再度、液体噴射ヘッド10に供給する。循環機構5は、液体噴射ヘッド10にインクを供給するための流路、液体噴射ヘッド10から排出されたインクを回収するための流路、回収されたインクを貯留するためのサブタンク、及びインクを移送するためのポンプ等を含む。
次に、図2~図6を参照して、液体噴射ヘッド10について説明する。図2は、液体噴射ヘッド10の斜視図である。図3は、液体噴射ヘッド10の分解斜視図である。図4は、液体噴射ヘッド10の側面図である。図5は、液体噴射ヘッド10の噴射面30を示す斜視図である。図6は、液体噴射ヘッド10の噴射面30を示す底面図である。図5では、液体噴射ヘッド10は、斜め下方から図示されている。図2に示されるように、液体噴射ヘッド10は、流路構造体11及びホルダー13を備える。図3に示されるように、液体噴射ヘッド10は、複数のヘッドチップ20を有する。
図2及び図3に示される流路構造体11の内部には、インクが流れる流路が形成される。この流路は、循環機構5及び複数のヘッドチップ20に連通する。液体噴射ヘッド10の内部には、複数のヘッドチップ20にインクを供給するための流路と、ヘッドチップ20から排出されたインクを回収するための流路とが形成される。流路構造体11は、板状の部材である複数の流路基板を含む。
この流路基板には、流路を形成するための凹部や開口部、流路基板からZ軸方向へ突出するパイプの少なくとも何れかが形成される。流路構造体11の複数の流路基板のうち最もZ2方向に積層された流路基板である天板17は、噴射面30とは反対側を向く面である上面170を有する。天板17には、上面170からZ2方向へ突出し、液体噴射ヘッド10の外部の流路と接続される流路パイプ14が設けられている。
図3及び図4に示されるように、液体噴射ヘッド10は、配線基板12を備える。配線基板12は、複数のヘッドチップ20と後述する中継基板16とを電気的に接続するための実装部品である。配線基板12は、例えば、リジッド配線基板である。配線基板12は、ホルダー13に対して、Z2方向に配置されている。また、本実施形態では、配線基板12は、Z軸方向に積層された流路構造体11を構成する複数の流路基板の間に配置されている。
配線基板12のZ2方向を向く面である上面12aには、コネクター12bが設置される。コネクター12bは、中継基板16に接続される接続部品である。配線基板12は、ヘッドチップ20の駆動素子と電気的に接続される配線部材28と接続されている。配線部材28は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)やCOF(Chip On Film)等である。
中継基板16は、コネクター12bからZ2方向に延在する。中継基板16は、流路構造体11の一部をZ2方向に通過し、上方に張り出す。中継基板16の板厚方向は、Y軸方向に沿う。中継基板16のZ2方向の端部には、複数のコネクター18が設けられている。コネクター18は、Y軸方向の両側に配置されている。コネクター18の夫々は、図示しない複数の接続端子を内部に有する。この接続端子は、液体噴射ヘッド10の外部と電気的に接続するための端子である。複数の接続端子は、X軸方向に並んで配置される。
中継基板16及びコネクター18は、液体噴射ヘッド10の外部と電気的に接続するための電気接続部110に含まれる。中継基板16には、コネクター18と、配線基板12とを電気的に接続する配線が形成されている。中継基板16は、例えば、リジッド配線基板である。液体噴射ヘッド10をZ軸方向に沿って見た場合のコネクター18の配置については後述する。
図4に示されるように、Y軸方向において、中継基板16の両側には、カバー19A及びカバー19Bが設けられている。カバー19Aは、中継基板16のY1方向の面を覆う。カバー19Bは、中継基板16のY2方向の面を覆う。カバー19A及びカバー19Bは、X軸方向における中継基板16の端面を覆う部分を含んでもよい。
ホルダー13は、配線基板12の下方に位置する。ホルダー13は、Z軸方向に所定の厚みを有する。ホルダー13は、固定板15及び複数のヘッドチップ20を保持する。ホルダー13には、ヘッドチップ20を収容するための開口や凹部が形成されている。ホルダー13は、複数の板状の部材を含んでもよい。ホルダー13は、例えばステンレス鋼から形成される。ホルダー13の材質は、ステンレス鋼に限定されず、金属、樹脂等その他の材質でもよい。
ホルダー13には、Y軸方向の両側に張り出すフランジ部41,42が形成されている。フランジ部41,42は互いに反対側に張り出す。フランジ部41は、Y1方向に張り出し、フランジ部42は、Y2方向に張り出す。フランジ部41,42については後述する。
図5及び図6に示される固定板15は、複数のヘッドチップ20をホルダー13に対して固定するための板状の部材である。固定板15は、液体噴射ヘッド10の底面を構成する。固定板15の下面15aは、媒体PPと対向する面であり、噴射面30の一部を構成する。固定板15には、ヘッドチップ20のノズルプレート23を露出させる開口部が形成されている。図6に示されるように、ノズルプレート23には複数のノズルNが形成されている。複数のヘッドチップ20の配置、及び噴射面30の形状については後述する。
ヘッドチップ20は、インクをノズルから噴射させるための図示しない機構を含む。ヘッドチップ20は、インクが流れる流路、ノズルに連通する圧力発生室、圧力発生室内のインクの圧力を変化させるための振動板、振動板を振動させるための圧電素子、圧電素子を駆動するための上部電極及び下部電極、並びに、上部電極及び下部電極と電気的に接続される前述の配線部材80等を備える。ヘッドチップ20の外形は、噴射面30の法線方向に見て、矩形状を成している。矩形状は略矩形状を含む。ヘッドチップ20は、矩形の角部の少なくとも一部が削られて略矩形状を成していてもよいし、矩形の少なくとも1辺に切り欠きや突起が形成された略矩形形状を成していてもよい。
噴射面30の法線方向であるZ2方向に液体噴射ヘッド10を見た場合には、固定板15の下面15a、ノズルプレート23、及びフランジ部41,42が見える。噴射面30は、固定板15及びノズルプレート23を含む。噴射面30とフランジ部41,42とは、図4に示されるように、Z軸方向において異なる位置に配置される。
次に図6を参照して、Z軸方向に噴射面30を見た場合の複数のヘッドチップ20の配置について説明する。図6では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、ノズル列Lnを一点鎖線で模式的に示している。図6に示されるように、Z軸方向に噴射面30を見た場合、複数のヘッドチップ20の長手方向は、X軸方向及びY軸方向に対して傾斜するV方向である。V方向は、第3方向の一例である。
ヘッドチップ20は、複数のノズルNが形成されたノズルプレート23を有する。ノズルNは、ノズルプレート23の板厚方向に貫通する貫通孔である。ノズルプレート23の板厚方向はZ軸方向に沿う。複数のノズルNは、ヘッドチップ20の長手方向に並べられてノズル列Lnを構成する。同一のノズル列Lnに含まれる複数のノズルNは、同一の直線上に配置される。ノズル列Lnは、V方向に沿って延在する。
「ヘッドチップ20の長手方向がV方向である」とは、ヘッドチップ20の外形がV方向に長尺であることをいい、また、ヘッドチップ20のノズル列LnがV方向に沿うことを含んでもよい。更に、「ヘッドチップ20の長手方向がV方向である」とは、噴射面30の法線方向に見たヘッドチップ20の外形が矩形状である場合には、矩形の長辺がV方向に沿うことをいう。
複数のヘッドチップ20は、複数のチップ群25A,25Bを構成する。複数のチップ群25A,25Bは、Y1方向にこの順に並ぶ。なお、本明細書において、後述するヘッドチップ21A~21C,22A~22Cを区別しないときは、ヘッドチップ20と記載する。
チップ群25Aは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ21A,21B,21Cを有する。ヘッドチップ21A,21B,21Cは、この順でX2方向に並ぶ。チップ群25Aのヘッドチップ20のうち隣り合うヘッドチップ20のノズル列Ln同士は、Y軸方向に見て一部が重複している。このため、X軸方向における印字幅を大きくすることができる。
また、チップ群25Aのヘッドチップ21A~21C同士は、X軸方向に見て大部分が重なる。なお、本実施形態では、ヘッドチップ21Bは、隣り合うヘッドチップ21Aに対してY2方向に少しずれ、ヘッドチップ21Cは、隣り合うヘッドチップ21Bに対してY2方向に少しずれているが、チップ群25Aのヘッドチップ21A~21C同士は、Y軸方向にずれていなくてもよい。
チップ群25Bは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ22A,22B,22Cを有する。チップ群25Bに含まれるヘッドチップ22A,22B,22Cの位置関係は、チップ群25Aに含まれるヘッドチップ21A,21B,21Cの位置関係と同じである。
チップ群25Aとチップ群25Bとは、Y軸方向に見てほぼ重なる。チップ群25A及びチップ群25BがY軸方向に見てほぼ重なることは、Y軸方向に見て、チップ群25Aのうち最もX1方向に配置されたヘッドチップ21Aとチップ群25Bのうち最もX1方向に配置されたヘッドチップ22Aとがほぼ重複し、且つ、チップ群25Aのうち最もX2方向に配置されたヘッドチップ21Cとチップ群25Bのうち最もX2方向に配置されたヘッドチップ22Cとがほぼ重複することを意味する。
ちなみに、2つのヘッドチップ20がY軸方向に見てほぼ重複するとは、例えば、ヘッドチップ21Aの最もX1方向に位置するノズルNとヘッドチップ22Aの最もX1方向のノズルNとがX軸方向に対して同じ位置にある、又は、ヘッドチップ20の隣り合うノズルNにX軸方向におけるピッチの半分以下であることを指す。このような構成によれば、チップ群25Aから噴射する液体の種類とチップ群25Bから噴射する液体の種類とを同じにすることで高画質化を実現することができ、液体の種類を変えることで多色化を実現することができる。
また、チップ群25Aとチップ群25Bとは、X軸方向に見て互いの一部が重複しているので、Y軸方向に噴射面30を小型化することができる。
次に、図7を参照して、Z軸方向に噴射面30を見た場合の複数のヘッドチップ20と仮想の平行四辺形120との位置関係について説明する。図7では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、仮想の平行四辺形120を二点鎖線で示している。仮想の平行四辺形120は、複数のヘッドチップ20の配置に応じて設定できる。仮想の平行四辺形120は、噴射面30の形状を説明するために使用される。仮想の平行四辺形120について説明したあとに、噴射面30の形状について説明する。
仮想の平行四辺形120は、仮想辺121~124を有する。仮想辺121,122は、互いにX軸方向に離間し、V方向に沿う。仮想辺123,124は、互いにY軸方向に離間し、U方向に沿う。U方向は、Z軸方向に噴射面30を見て、X軸方向、Y軸方向、及びV方向に対して傾斜する。U方向は、Z軸方向に噴射面30を見て、X軸方向に対して例えば5°傾斜する。なお、U方向は、Z軸方向に噴射面30を見て、X軸方向に対して傾斜していなくてもよく、換言すれば、U方向は、X軸方向であってもよい。
仮想の平行四辺形120は、鋭角部131,132、及び鈍角部133,134を有する。仮想辺121,123は、鋭角部131を構成する。仮想辺122,124は、鋭角部132を構成する。仮想辺122,123は、鈍角部133を構成する。仮想辺122,124は、鈍角部134を構成する。Z軸方向に見て、仮想の平行四辺形120の内側に、全てのヘッドチップ20が位置する。
仮想辺121に対して、少なくとも1つのヘッドチップ20が内接する。ヘッドチップ20が仮想辺121~124に内接するとは、仮想の平行四辺形120の内側に配置されたヘッドチップ20が仮想辺121~124に接することをいう。本実施形態では、仮想辺121に対して、1つのヘッドチップ20のみが内接する。仮想辺121に対して、ヘッドチップ21Aのみが内接する。
仮想辺122に対して、少なくとも1つのヘッドチップ20が内接する。本実施形態では、仮想辺122に対して、1つのヘッドチップ20のみが内接する。仮想辺122に対して、ヘッドチップ22Cのみが内接する。仮想辺122に内接するヘッドチップ22Cは、仮想辺121に内接するヘッドチップ21Aと異なる。
仮想辺123に対して、少なくとも1つのヘッドチップ20が内接する。本実施形態では、仮想辺123に対して、複数のヘッドチップ20が内接する。例えばチップ群25Bが含む3つのヘッドチップ22A~22Cが、仮想辺123に対して内接する。
仮想辺124に対して、少なくとも1つのヘッドチップ20が内接する。本実施形態では、仮想辺124に対して、複数のヘッドチップ20が内接する。例えばチップ群25Aが含む3つのヘッドチップ21A~21Cが、仮想辺124に対して内接する。
このように本実施形態では、液体噴射ヘッド10が有する全てのヘッドチップ20の夫々は、Z軸方向に見て、仮想の平行四辺形120の仮想辺121~124の何れかに内接している。
図8は、噴射面30の一部を示す底面図であり、仮想の平行四辺形120の鋭角部131を示す図である。図8では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、仮想の平行四辺形120を二点鎖線で示し、鋭角部131の領域を点線で示している。図8に示されるように、複数のヘッドチップ20は、鋭角部131に対して最も近くで仮想辺121に内接するヘッドチップ21Aと、鋭角部131に対して最も近くで仮想辺123に内接するヘッドチップ22Aと、を含む。鋭角部131に対して最も近くで仮想辺121に内接するヘッドチップ21Aは、鋭角部131に対して最も近くで仮想辺123に内接するヘッドチップ22Aとは異なる。仮想辺121に内接するヘッドチップ21Aは、仮想辺123に内接していない。仮想辺123に内接するヘッドチップ22Aは、仮想辺121に内接していない。
複数のヘッドチップ20は、鋭角部132に対して最も近くで仮想辺124に内接するヘッドチップ21Cと、鋭角部132に対して最も近くで仮想辺122に内接するヘッドチップ22Cと、を含む。鋭角部132に対して最も近くで仮想辺124に内接するヘッドチップ21Cは、鋭角部132に対して最も近くで仮想辺122に内接するヘッドチップ22Cとは異なる。仮想辺124に内接するヘッドチップ21Cは、仮想辺122に内接していない。仮想辺122に内接するヘッドチップ22Cは、仮想辺124に内接していない。
複数のヘッドチップ20は、仮想辺121,124の両方に内接するヘッドチップ21Aを含む。複数のヘッドチップ20は、仮想辺122,123の両方に内接するヘッドチップ22Cを含む。
次に、図7を参照して、Z軸方向に見た場合の噴射面30の外形について説明する。噴射面30は、縁部31~38を有する。縁部31~38は、噴射面30の外形を構成する。縁部31は、仮想の平行四辺形120の仮想辺121に沿って延在する。縁部32は、仮想辺122に沿って延在する。縁部31,32は、V方向に沿って直線的に延在する。
縁部33,34は、噴射面30のY軸方向における両端部をそれぞれ構成する。縁部33,34は、互いにY軸方向に離間し、X軸方向に沿って直線的に延在する。縁部33は、噴射面30のY1方向における端部を構成し、縁部34は、噴射面30のY2方向における端部を構成する。
縁部35は、噴射面30のX1方向における端部を構成する。縁部35は、Y軸方向において、縁部31と縁部33とを接続する。縁部35は、X軸方向において、仮想の平行四辺形120の鋭角部131と、この鋭角部131に最も近いヘッドチップ20との間で、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部35は、仮想辺121,123と交差する。
縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺123に接しない複数のヘッドチップ20のうちの少なくとも1つと重なる。縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺124に接する複数のヘッドチップ20のうちの少なくとも1つと重なる。縁部35は、X軸方向に見て、ヘッドチップ21Aの端部20aと重なる。ヘッドチップ21Aは、仮想辺124に接し、仮想辺123に接していない。端部20aは、ヘッドチップ20の長手方向における両端部20a,20bのうち、縁部33に近い方の端部である。
縁部36は、噴射面30のX2方向における端部を構成する。縁部36は、Y軸方向において、縁部32と縁部34とを接続する。縁部36は、X軸方向において、仮想の平行四辺形120の鋭角部132と、この鋭角部132に最も近いヘッドチップ20との間で、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部36は、仮想辺122,124と交差する。
縁部36は、X軸方向に見て、仮想辺124に接しない複数のヘッドチップ20のうちの少なくとも1つと重なる。縁部36は、X軸方向に見て、仮想辺123に接する複数のヘッドチップ20のうちの少なくとも1つと重なる。縁部36は、X軸方向に見て、ヘッドチップ22Cの端部20bと重なる。ヘッドチップ22Cは、仮想辺123に接し、仮想辺124に接していない。端部20bは、ヘッドチップ20の長手方向における両端部20a,20bのうち、縁部34に近い方の端部である。
縁部37は、X軸方向において、縁部35に対向し、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部37は、Y軸方向において、縁部32と縁部33とを接続する。縁部37は、X軸方向において、鈍角部133の外側に配置される。縁部37は、X軸方向において仮想の平行四辺形120の外側に位置しており、Z軸方向に見て仮想の平行四辺形120と重複しない。
縁部38は、X軸方向において、縁部36に対向し、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部38は、Y軸方向において、縁部31と縁部34とを接続する。縁部38は、X軸方向において、鈍角部133の外側に配置される。縁部38は、X軸方向において仮想の平行四辺形120の外側に位置しており、Z軸方向に見て仮想の平行四辺形120と重複しない。
次に図8を参照して、縁部35,36と仮想の平行四辺形120の鋭角部131,132との位置関係について説明する。図8に示されるように、Z軸方向に見て、噴射面30は、仮想の平行四辺形120の鋭角部131と重なっていない。縁部35は、X軸方向において、鋭角部131よりも仮想の平行四辺形120の中心に近い位置に存在する。仮想の平行四辺形120の中心は、仮想の平行四辺形120の対角線の交点とする。縁部35は、X軸方向において、鋭角部131よりも外側にしない。鋭角部131に最も近いヘッドチップ22Aは、鋭角部131の範囲内に存在しない。
鋭角部131の範囲は、例えば図8の点線で示すように、鋭角部131の頂点131aから所定の長さL11の範囲内とすることができる。この所定の長L11さは、例えば、頂点131aから、この頂点131aに最も近いヘッドチップ22Aまでの距離L12の80%の長さでもよい。この所定の長さL11は、例えば、距離L12の50%以上90%以下でもよい。
噴射面30は、同様に、鋭角部132と重なっていない。縁部36は、X軸方向において、鋭角部132よりも仮想の平行四辺形120の中心に近い位置に存在する。鋭角部132に最も近いヘッドチップ21Cは、鋭角部132の範囲内に存在しない。
次に図9を参照して、縁部37,38と仮想の平行四辺形120の鈍角部133,134との位置関係について説明する。図9は、噴射面30の一部を示す底面図であり、仮想の平行四辺形120の鈍角部133を示す図である。図9では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、仮想の平行四辺形120を二点鎖線で示し、鈍角部133の領域を点線で示している。図9に示されるように、噴射面30は、仮想の平行四辺形120の鈍角部133の全領域と重なる。縁部37は、X軸方向において、鈍角部133の外側に位置する。縁部33は、Y軸方向において、鈍角部133の外側に位置する。噴射面30は、鈍角部133の外側まで存在する。
鈍角部133の範囲は、例えば図9の点線で示すように、鈍角部133の頂点133aから所定の長さL21の範囲内とすることができる。鈍角部133の範囲内の全てに噴射面30が存在する場合を、鈍角部133の全領域と重なるとみなす。鈍角部133の範囲を示す所定の長さL21は、例えば、ヘッドチップ20の幅W20と同じ長さでもよい。この所定の長さL21は、ヘッドチップ20の幅W20の70%以上120%以下でもよい。鈍角部133の範囲を示す所定の長さL21は、鋭角部131の範囲を示すL11と同じ長さでもよい。
噴射面30は、同様に鈍角部134の全領域と重なる。噴射面30は、鈍角部134の外側まで存在し、縁部38は、X軸方向において、鈍角部134の外側に位置する。縁部34は、Y軸方向において、鈍角部134の外側に位置する。鈍角部134の範囲を示す所定の長さは、鈍角部133の範囲を示す所定の長さL21と同じとする。噴射面30は、仮想の平行四辺形120の両方の鈍角部133,134の全領域と重なる。
このような液体噴射ヘッド10では、仮想の平行四辺形120の鋭角部131,132に噴射面30が重なっていない。噴射面30のX軸方向に沿う幅W1は、仮想の平行四辺形120のX軸方向に沿う幅W2よりも短い。幅W1は、X軸方向における縁部35と縁部36との間の距離である。幅W2は、X軸方向における仮想の平行四辺形120の鋭角部131,132間の距離である。
例えば、仮想の平行四辺形に沿う外形を有する噴射面を設定した場合には、噴射面の外形がX軸方向に大きくなってしまう。液体噴射ヘッド10によれば、仮想の平行四辺形120の鋭角部131,132に噴射面30が重ならないので、ヘッドチップ20が配置されない領域が縮小される。このような複数の液体噴射ヘッド10がX軸方向に並べられて、ラインヘッド50が構成されるので、ラインヘッド50の長手方向における長さが短縮される。その結果、液体噴射装置1Aの小型化を図ることができる。
次に、図7~図9を参照して、縁部35の長さL35及び縁部37の長さL37について説明する。縁部37の長さL37は、縁部35の長さL35よりも短い。縁部35の長さL35は、Y軸方向における端部35aから端部35bまでの距離である。端部35aは、縁部33と縁部35との交点である。端部35bは、縁部35と縁部31との交点である。縁部35は、Z軸方向に見て、ホルダー13の外形を成す縁部155と同じ位置に配置される。
縁部37の長さL37は、Y軸方向における端部37aから端部37bまでの距離である。端部37aは、縁部33と縁部37との交点である。端部37bは、縁部37と縁部32との交点である。端部35a,37aは、Y軸方向において同じ位置に存在する。端部35bは、Y軸方向において、端部37bと比較して、縁部33から遠い位置に存在する。図5に示されるように、縁部37は、Z軸方向に見て、ホルダー13の外形を成す縁部157より内側に位置する。
図10は、X軸方向に並べられた複数の液体噴射ヘッド10の噴射面30を示す底面図である。図10に示されるように、隣接する液体噴射ヘッド10において、一方の液体噴射ヘッド10の縁部37と、他方の液体噴射ヘッド10の縁部35と間の隙間の幅W11は、ホルダー13同士の隙間の幅W12よりも広い。換言すれば、X軸方向に隣り合う液体噴射ヘッド10において、噴射面30同士の間の幅W11は、ホルダー13同士の間の幅W12よりも広い。
図5に示されるように、縁部37を規定する壁面13aは、ホルダー13の縁部157を規定する壁面13bよりも、X軸方向において内側に配置される。縁部32を規定する壁面13cは、X軸方向において、壁面13bよりも内側まで形成されている。縁部32と縁部37との交点である端部37bは、壁面13bのX1方向に位置する。
このような液体噴射ヘッド10によれば、壁面13aがホルダー13の外形よりも内側に位置し、Y軸方向における噴射面30同士の間の幅W11を広く確保できる。これにより、Z軸方向の噴射面30近傍において、毛細管現象によるインクの吸い上げが低減される。
同様に、本実施形態では、縁部38の長さは、縁部36の長さよりも短い。そのため、隣接する液体噴射ヘッド10において、一方の液体噴射ヘッド10の縁部36と、他方の液体噴射ヘッド10の縁部38と間の隙間の幅も、ホルダー13同士の隙間の幅W12よりも広い。
次に、図11を参照して、液体噴射ヘッド10の上面170について説明する。図11は、液体噴射ヘッド10の上面170の外形を示す平面図である。図11では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、仮想の平行四辺形140を二点鎖線で示し、鋭角部145の領域を点線で示している。図11では、電気接続部110は模式的に矩形の枠として図示されている。電気接続部110は、後述の図13に示されるように、平面視において略矩形状を成している。図12は、配線基板12及び中継基板16を示す斜視図である。液体噴射ヘッド10は、Z軸方向において、噴射面30とは反対側を向く上面170と、上面170の端部170aと重なるように配置された電気接続部110と、を備える。
電気接続部110は、Z軸方向に上面170を見て、上面170のY軸方向における端部170aに配置されている。端部170aは、上面170の第1端部の一例である。端部170aは、Y2方向の端部である。電気接続部110は、前述のコネクター12b、中継基板16、及びコネクター18を含んでもよい。電気接続部110は、カバー19A,19Bを含んでもよい。
電気接続部110は、Z軸方向に見て矩形状を成す。電気接続部110は、X軸方向に沿って長尺な矩形状を成す。X軸方向に沿って長尺な矩形状とは、Z軸方向に見て、X軸方向に沿う長さが、Y軸方向に沿う長さより長いことを含む。矩形状は、略矩形状を含む。略矩形状の電気接続部110は、Z軸方向に見て、X軸方向に張り出す部分や、Y軸方向に張り出す部分を含む。
次に、図11を参照して、上面170の外形について説明する。上面170は、縁部171~178を有する。縁部171は、第1縁部の一例であり、縁部172は、第2縁部の一例であり、縁部173は、第3縁部の一例であり、縁部174は、第4縁部の一例である。上面170は、前述のとおり、天板17の上面である。縁部171,172は、V方向に沿って直線的に延在する。縁部171,172は、X軸方向に離間する。
縁部173,74は、上面170のY軸方向における両端部をそれぞれ構成する。縁部173,174は、X軸方向に沿って直線的に延在する。縁部173は、上面170のY2方向における端部170aを構成する。縁部174は、上面170のY1方向における端部170bを構成する。端部170bは、第2端部の一例である。
縁部175は、Y軸方向において、縁部171と縁部173とを接続する。縁部176は、Y軸方向において、縁部172と縁部174とを接続する。
縁部177は、上面170のX2方向における端部に位置する。縁部177は、Y軸方向において、縁部172と縁部173とを接続する。縁部178は、上面170のX1方向における端部に位置する。縁部178は、Y軸方向において、縁部171と縁部174とを接続する。
次に図11を参照して、上面170の外形に対応する仮想の平行四辺形140について説明する。仮想の平行四辺形140は、前述した仮想の平行四辺形120と異なる。仮想の平行四辺形140は、仮想辺141~144を有する。仮想辺141は、第1仮想辺の一例であり、仮想辺142は、第2仮想辺の一例であり、仮想辺143は、第3仮想辺の一例であり、仮想辺144は、第4仮想辺の一例である。仮想辺141,142は、V方向に沿う斜辺である。仮想辺141,142は、互いにX軸方向に離間する。仮想辺143,144は、X方向に沿う。
仮想の平行四辺形140は、鋭角部145,146、及び鈍角部147,148を有する。仮想辺142,143は、鋭角部145を構成する。仮想辺141,仮想辺144は、鋭角部146を構成する。仮想辺141,143は、鈍角部147を構成する。鈍角部147は、第1鈍角部の一例である。仮想辺142,仮想辺144は、鈍角部148を構成する。Z軸方向に見て、全てのヘッドチップ20は、仮想の平行四辺形140の内側に配置される。図4に示されるように、上面170は、ヘッドチップ20よりも上方に配置される。
縁部175は、X軸方向において、仮想の平行四辺形140の鈍角部147の外側に配置されている。縁部175は、鈍角部147のX1方向に位置する。
縁部176は、X軸方向において、仮想の平行四辺形140の鈍角部148の外側に配置されている。縁部176は、鈍角部148のX2方向に位置する。
縁部177は、X軸方向において、鋭角部145と、この鋭角部145に最も近いヘッドチップ20との間で、Y軸方向に直線的に延在する。縁部177は、X軸方向において、鋭角部145とヘッドチップ21Cとの間に位置する。縁部177は、X軸方向において、鋭角部145とヘッドチップ22Cとの間に位置する。
縁部178は、X軸方向において、鋭角部146と、この鋭角部146に最も近いヘッドチップ20との間で、Y軸方向に直接的に延在する。縁部178は、X軸方向において、鋭角部146とヘッドチップ21A,22Bとの間に位置する。
図11に示されるように、上面170は、Z軸方向に見て、端部170a、端部170b、中央部170cを含む。端部170a及び端部170bは、X軸方向に長尺な矩形状を成す。なお、矩形状は、略矩形状を含んでいてもよく、例えば、一対の短辺の長さが完全に一致していない場合や、一対の長辺の長さが完全に一致していない場合、角にR形状を有する場合も含む。端部170aは、縁部175及び縁部177を短辺とし、縁部173に対向するとともに縁部173に平行な直線及び縁部173を長辺とする矩形状を成す。
なお、縁部173に対向するとともに縁部173に平行な直線とは、換言すれば、縁部175の縁部173とは反対側の端と、縁部177の縁部173とは反対側の端とを結ぶ直線である。端部170bは、縁部176及び縁部178を短辺とし、縁部174に対向するとともに縁部174に平行な直線及び縁部174を長辺とする矩形状を成す。
なお、縁部174に対向するとともに縁部174に平行な直線とは、換言すれば、縁部176の縁部174とは反対側の端と、縁部178の縁部174とは反対側の端とを結ぶ直線である。端部170a及び端部170bは、互いにY軸方向に離間する。中央部170cは、Y軸方向において、端部170aと端部170bとの間に配置される。中央部170cには、複数の流路パイプ14が配置されている。
中央部170cは、Z軸方向に見て、平行四辺形状を成す部分である。上面170の縁部171,172は、平行四辺形状を成す中央部170cの斜辺に相当する。なお、平行四辺形状とは、略平行四辺形である形状を含み、例えば、対向する斜辺の長さが完全に一致していない場合も含む。端部170a、中央部170c、及び端部170bは、Y軸方向にこの順で並んでいる。中央部170cは、端部170aのY1方向に隣接する。つまり、中央部170cの外形である平行四辺形は、端部170aの縁部173と対向する長辺を一辺としている。中央部170cは、端部170bのY2方向に隣接する。つまり、中央部170cの外形である平行四辺形は、端部170bの縁部174と対向する長辺を一辺としている。Z軸方向に上面170を見た場合、電気接続部110は、端部170aと重なるように配置されている。
上面170は、Z軸方向に見て、鋭角部145,146と重なっていない。上面170は、Z軸に見て、鈍角部147,148と重なる。上面170は、X軸方向において、鈍角部147,148の外側まで張り出す。上面170は、X1方向において、鈍角部147の頂点よりも外側まで張り出し、X2方向において、鈍角部148の頂点よりも外側まで張り出す。
鋭角部145の範囲は、例えば、鋭角部145の頂点145aから所定の長さL53とすることができる。鋭角部145の範囲を示す所定の長さL53は、電気接続部110のY軸方向における最大長さL52(図13参照)の10%以上50%以下とすることができる。所定の長さL53は、電気接続部110のY軸方向における最大長さL52の30%以上50%以下でもよい。鋭角部146の範囲は、鋭角部145の範囲と同様に設定できる。
鈍角部147の範囲は、例えば、仮想の平行四辺形120の鈍角部133と同様に、設定できる。鈍角部147の範囲は、ヘッドチップ20の幅W20に基づいて設定できる。鈍角部147の範囲は、鋭角部145と同様に、電気接続部110のY軸方向における最大長さL52の10%以上50%以下でもよい。鈍角部148の範囲は、鈍角部147と同様に設定できる。
次に、図11を参照して、Z軸方向に見た場合の電気接続部110の大きさ及び位置について説明する。電気接続部110は、X軸方向において、鈍角部147の頂点よりも外側まで張り出す。ここで、「電気接続部110は、X軸方向において、鈍角部147の頂点よりも外側まで張り出す」とは、Z軸方向に見て、鈍角部147の頂点を通過しX軸と直交するY軸に延在する直線に対して、電気接続部110の一部がX1方向に位置することを指す。また、電気接続部110は、X軸方向において、仮想辺141よりも外側まで張り出す。
電気接続部110は、X軸方向において、鋭角部145の頂点よりも外側まで張り出していない。電気接続部110は、X軸方向において、仮想辺142よりも外側まで張り出していない。
次に、図13を参照して、仮想の平行四辺形140の点P1,P2間の距離L111と、電気接続部110のX軸方向における最大長さL110との関係について説明する。図13は、上面170の外形に対向する仮想の平行四辺形140と電気接続部110との位置関係を示す概略図である。図13では、仮想の平行四辺形140を二点鎖線で示し、鋭角部145の領域を点線で示している。
点P1は、仮想辺141と仮想辺143との交点である。点P1は、第1交点の一例であり、鈍角部147の頂点である。点P2は、電気接続部110のY軸方向における端部110bを通る仮想辺143に平行な仮想の直線と、仮想辺142との交点である。電気接続部110の端部110bは、Y軸方向における両端部のうち、縁部174から遠い方の端部である。点P2は、第2交点の一例である。
電気接続部110のX軸方向における最大長さL110は、X軸方向における点P1から点P2までの距離L111よりも長い。
次に、図13を参照して、X軸方向における仮想辺143の中心点P3と、X軸方向における電気接続部110の中心点P4との位置関係について説明する。X軸方向における電気接続部110の中心点P4は、仮想辺143の中心点P3よりも、X軸方向において、鈍角部147に近い位置に配置される。点P4から鈍角部147の頂点である点P1までの距離L114は、点P3から点P1までの距離L112よりも短い。
次に図6及び図11を参照して、Z軸方向に見た場合における噴射面30と上面170との位置関係について説明する。Z軸方向に見た場合、噴射面30と上面170とは略同じ外形を有する。図6に示される通り、噴射面30の縁部37,38は、上面170の縁部175,176と比較して、X軸方向において、内側に配置される。
次に図7及び図11を参照して、電気接続部110と噴射面30の複数のノズルNとの位置関係について説明する。図7に示されるように、噴射面30は、複数のノズルNを有する。
複数のノズルNは、Z軸方向に見て、上面170の端部170a、中央部170c及び端部170bに重なるように配置されている。図11に示されるように、Z軸方向に見て、複数のノズルNの一部は、電気接続部110と重なる。また、電気接続部110は、Z軸方向に見て、ヘッドチップ21A,21B,21Cの端部20b上に配置される。
次に図13を参照して、電気接続部110の対称性について説明する。電気接続部110は、X軸方向における電気接続部110の中心点P4を通りY軸方向に延在する仮想の直線L41を基準として線対称である。
次に図13を参照して、電気接続部110のY軸方向における長さL51,L52について説明する。長さL51は、中心点P4を通る仮想線L41に沿う部分の電気接続部110のY軸方向における長さである。長さL52は、X軸方向における電気接続部110の端部のY軸方向における長さである。電気接続部110の中央部のY軸方向における長さL51は、X軸方向における端部のY軸方向における長さL52よりも長い。また、図13に示す通り、本実施形態では、X軸方向において、コネクター18の幅は、中継基板16の幅よりも小さい。
このような液体噴射ヘッド10では、X軸方向において、上面170が鈍角部147の外側まで張り出しているので、電気接続部110が配置可能な上面170の範囲を拡大できる。例えば、仮想の平行四辺形140に対応するような外形を有する上面を設定すると、電気接続部110を設置可能な面積が狭くなってしまう。液体噴射ヘッド10では、鈍角部147の外側まで張り出すように上面170が広げられるので、Y軸方向よりもX軸方向に広い幅広なコネクター18を配置できる。
液体噴射ヘッド10では、電気接続部110の中心点P4が、X軸方向において、仮想辺143の中心点P3よりも、鈍角部147の近くに配置されている。そのため、電気接続部110から配線基板12のヘッドチップ20の配線部材80との接続部分までの距離を短くできる。
液体噴射ヘッド10では、Z軸方向に見て、電気接続部110は、複数のノズルNの一部に重なるように配置される。つまり、ヘッドチップ20の近くに電気接続部110が配置される。液体噴射ヘッド10では、電気接続部110から、ヘッドチップ20に設けられた配線部材80までの配線距離を短くすることができる。液体噴射ヘッド10では、電気接続部110と配線部材80との距離を短くして、液体噴射ヘッド10の小型化を図ることができる。
液体噴射ヘッド10では、上面170の端部170aの形状が、X軸方向に長尺な矩形状を成している。このような液体噴射ヘッド10によれば、Z軸方向に見て、X軸方向に長尺な電気接続部110を上面170の端部170aと重なるように配置しやすい。
液体噴射ヘッド10では、カバー19A,19Bによって、中継基板16が覆われているので、中継基板16を保護することができる。液体噴射ヘッド10では、例えば、インクが中継基板16に付着することが防止される。なお、電気接続部110は、カバー19,18Bを備えていない構成でもよい。
電気接続部110は、中継基板16及びこの中継基板16に接続されたコネクター18を備える構成に限定されない。例えば、電気接続部110は、配線基板12上に設けられたコネクター12bを備え、中継基板16及びコネクター18を備えていない構成でもよい。中継基板16の板厚方向は、Y軸方向に沿っていなくてもよく、例えば、X軸方向、Z軸方向、又はその他の方向に沿っていてもよい。電気接続部110は、上面170の端部170aに設けられた開口部を通過するように配置されていてもよい。
電気接続部110は、Z軸方向に見て上面170の端部170aと重なるように1つ設けられていたが、上面170の端部170aと端部170bとの夫々に重なるように設けられた2つの電気接続部を設ける構成でもよい。
次に、図2、図4、及び図6を参照して、液体噴射ヘッド10の位置決め部45,46について説明する。液体噴射ヘッド10は、位置決め部45,46を備える。位置決め部45,46は、複数の液体噴射ヘッド10を保持するヘッド保持部材53に対して位置決めする。なお、ヘッド保持部材53については、図18を参照して後述する。
位置決め部45,46は、フランジ部41に設けられている。位置決め部45,46は、互いにX軸方向に離間する。位置決め部45は、フランジ部41において、X2方向の端部に配置され、位置決め部46は、X1方向の端部に配置される。位置決め部45,46は、フランジ部41の厚み方向であるZ軸方向に貫通する開口部を有する。位置決め部45,46には、位置決めの対象である相手側の凸部が嵌められる。相手側の凸部は、例えばヘッド保持部材53に設けられている。
相手側の凸部は、例えば円柱状のピンである。位置決め部45,46の開口部の内周面の夫々は、Z軸方向と交差する方向において、相手側の凸部と接触する。これにより、液体噴射ヘッド10は、X軸方向及びY軸方向において移動が拘束され位置決めされる。
位置決め部45,46は、開口部に限定されず、その他の凹部でもよい。位置決め部45,46は、相手側の凹部又は開口部に嵌る凸部でもよい。Z軸方向に見て、位置決め部45,46の形状は、円形でもよく、矩形でもよく、その他の形状でもよい。
また、位置決め部45,46のZ軸方向に見た開口形状は、Z軸方向において、異なっていてもよい。本実施形態では、位置決め部45の開口形状は略正方形であり、位置決め部46の開口形状は位置決め部45,46が並ぶ方向であるX軸方向に長尺な略矩形である。このようにすることで、相手側の凸部(位置決めピン47,48)のX軸方向の製造誤差によってずれていたとしても、位置決めを行うことができる。なお、位置決め部45,46の少なくとも一方の開口形状を、位置決め部45,46が並ぶ方向であるX軸方向に長尺なオーバル形状とすることで、同様の効果を得られる。
なお、位置決め部45,46を凸部とする場合には、凸部は、フランジ部41からZ1方向に突出するものでもよく、Z2方向に突出するものでもよい。また、位置決め部45,46は、フランジ部42に設けられていてもよい。位置決め部45,46は、ホルダー13のその他の部分に設けられていてもよく、液体噴射ヘッド10においてホルダー13以外の部分に設けられていてもよい。
次に、図14を参照して、Z軸方向に見た場合の液体噴射ヘッド10の外形150について説明する。図14は、液体噴射ヘッド10の噴射面30を示す底面図である。図14では、ヘッドチップ20の外形を破線で示し、仮想の平行四辺形160を二点鎖線で示している。Z軸方向に見て、液体噴射ヘッド10の外形150は、ホルダー13の外形である。ホルダー13は、縁部151~158を有する。縁部151~158は、液体噴射ヘッド10の外形150を構成する。縁部151,152は、V方向に沿って直線的に延在する。縁部151,152は、互いにX軸方向に離間する。
縁部153,154は、ホルダー13のY軸方向における両端部に配置される。縁部153,154は、互いにY軸方向に離間し、X軸方向に沿って直線的に延在する。縁部153は、ホルダー13のY1方向における端部を構成する。縁部154は、ホルダー13のY2方向における端部を構成する。縁部153は、フランジ部41のY1方向の端部に配置される。縁部154は、フランジ部42のY2方向の端部に配置される。
縁部155は、ホルダー13のX1方向における端部に配置される。縁部155は、Y軸方向において、縁部151と縁部153とを接続する。縁部155は、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部156は、ホルダー13のX2方向における端部に配置される。縁部156は、Y軸方向において、縁部152と縁部154とを接続する。縁部156は、Y軸方向に沿って直線的に延在する。
縁部157は、X軸方向において、縁部155に対向し、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部157は、Y軸方向において、縁部152と縁部153とを接続する。縁部158は、X軸方向において、縁部156に対向し、Y軸方向に沿って直線的に延在する。縁部158は、Y軸方向において、縁部151と縁部154とを接続する。
次に、液体噴射ヘッド10の外形150に対応する仮想の平行四辺形160について説明する。仮想の平行四辺形160は、前述の仮想の平行四辺形120、140とは異なる。仮想の平行四辺形160は、仮想辺161~164を有する。仮想辺161,162は、V方向に沿う斜辺である。仮想辺161は、ホルダー13の縁部151に沿って配置される。仮想辺162は、ホルダー13の縁部152に沿って配置される。仮想辺161,162は、互いにX軸方向に離間する。仮想辺163は、ホルダー13の縁部153に沿って配置される。仮想辺164は、ホルダー13の縁部154に沿って配置される。仮想辺163,164は、X軸方向に沿う。
仮想の平行四辺形160は、鋭角部165,166、及び鈍角部167,168を有する。仮想辺161,163は、鋭角部165を構成する。仮想辺162,164は、鋭角部166を構成する。仮想辺162,163は、鈍角部167を構成する。仮想辺161,164は、鈍角部168を構成する。Z軸方向に見て、仮想の平行四辺形160の内側に、全てのヘッドチップ20が位置する。
次に、位置決め部45と仮想の平行四辺形160との位置関係について説明する。位置決め部45は、Z軸方向に見て、仮想の平行四辺形160と重ならない位置に配置されている。位置決め部45は、X軸方向において、仮想の平行四辺形160の鈍角部167の外側に配置されている。位置決め部45は、鈍角部167のX2方向に配置される。
次に、位置決め部46と仮想の平行四辺形160との位置関係について説明する。図14及び図15に示されるように、位置決め部46は、Z軸方向に見て、仮想の平行四辺形160と重なる。位置決め部46は、仮想の平行四辺形160の鋭角部165と重ならない。
鋭角部165の範囲は、例えば、鋭角部165の頂点165aから所定の長さL61の範囲内とすることができる。この所定の長さL61は、例えば、頂点165aから、この頂点165aに最も近いヘッドチップ22Aまでの距離L62の80%の長さとすることができる。この所定の長さL61は、例えば、距離L62の50%以上、90%以下でもよい。
次に、図14を参照して、液体噴射ヘッド10のネジ穴61~64について説明する。ネジ穴61~64は、ヘッド保持部材53に対して液体噴射ヘッド10を固定するための固定部の一例である。ネジ穴61,62は、フランジ部41に設けられ、ネジ穴63,64は、フランジ部42に設けられる。ネジ穴61,62は、フランジ部41の長手方向の両端部に配置される。ネジ穴63,64は、フランジ部42の長手方向の両端部に配置される。
ネジ穴61は、X軸方向において位置決め部45と隣り合っている。ネジ穴61は、位置決め部45のX1方向に配置される。ネジ穴61は、ヘッドチップ22Cの端部20aのY1方向に配置される。ネジ穴61は、仮想の平行四辺形160と重なっていない。ネジ穴61は、鈍角部167の外側に配置される。ネジ穴61は、鈍角部167のX2方向に位置する。ネジ穴61は、X軸方向において、鈍角部167と位置決め部45との間に配置される。
ネジ穴62は、X軸方向において、位置決め部46と隣り合っている。ネジ穴62は、位置決め部46のX2方向に配置される。ネジ穴62は、ヘッドチップ22Aの端部20aのY1方向に配置される。ネジ穴62は、Z軸方向に見て鋭角部165と重なっていない。
ネジ穴63は、ヘッドチップ21Cの端部20bのY2方向に配置される。ネジ穴63は、Z軸方向に見て鋭角部166に配置されていない。ネジ穴64は、ヘッドチップ21Aの端部20bのY2方向に配置される。ネジ穴64は、仮想の平行四辺形160と重なっていない。ネジ穴64は、鈍角部168の外側に配置される。ネジ穴64は、鈍角部168のX1方向に位置する。
したがって、本実施形態でのネジ穴61,62のX軸方向の距離は、フランジ部41の仮想の平行四辺形160と重なる部分にネジ穴61,62が設けられた場合におけるネジ穴61,62のX軸方向の距離に比べて長い。そのため、このネジ穴61,62に挿通されたネジによって、フランジ部41がヘッド保持部材53に対して固定される際に、ネジ穴61またはネジ穴62を中心として、液体噴射ヘッド10が回転移動するような位置ずれを低減することができる。ネジ穴63,64についても、同様である。
また、ネジ穴61~64は、Y軸方向において、噴射面30の外側に配置されている。ネジ穴61~64の各々の少なくとも一部は、X軸方向に関して噴射面30に存在する複数のノズルNの範囲H内に配置されている。本実施形態で具体的に説明すると、ネジ穴61,62,64の各々の全部が、X軸方向に関して範囲H内に配置されており、ネジ穴63の一部が、X軸方向に関して範囲H内に配置されている。
なお、ネジ穴61~64の各々の全部が、X軸方向に関して範囲H内に配置されていてもよい。このように、ネジ穴61~64がX軸方向に関して複数のノズルNの近傍に配置されることにより、ヘッド保持部材53に対してZ軸を回転軸とした噴射面30の回転ずれに起因するノズルNのアライメント精度の低下を低減できる。
ネジ穴61~64には、それぞれネジが挿通される。ネジ穴61~64に挿通されたネジによって、フランジ部41,42はヘッド保持部材53に対してネジ止めさる。これにより、液体噴射ヘッド10がヘッド保持部材53に対して固定される。
液体噴射ヘッド10によれば、フランジ部41の長手方向の両端部に位置決め部45,46が設けられている。位置決め部45,46を互いにX軸方向に離間して配置することができるので、位置決め部45,46同士の距離を延ばすことができる。液体噴射ヘッド10では、位置決め部45,46同士の距離を広げ、位置決め精度の向上が図られる。
液体噴射ヘッド10では、位置決め部45が鈍角部167の外側に配置されている。液体噴射ヘッド10では、仮想の平行四辺形160に対応する外形のホルダーと比較して、位置決め部45の位置をX2方向に配置できる。液体噴射ヘッド10では、位置決め部45,46同士が接近して配置されるのを回避することができ、位置決め精度の低下が抑制される。
液体噴射ヘッド10では、位置決め部46が仮想の平行四辺形160の鋭角部165と重ならない。X軸方向の液体噴射ヘッド10の外形を小さくするために、Z軸方向に見て液体噴射ヘッド10の外形150を鋭角部165と重ならないようにしても、前述の通り位置決め部45が鈍角部167の外側に配置されているため、位置決め部45,46同士が接近して配置されるのを回避することができ、位置決め精度の低下が抑制される。
液体噴射ヘッド10では、位置決め部46が仮想の平行四辺形160の鋭角部165と重ならない。そして、フランジ部41は、X軸方向に長尺な矩形状を有する。矩形状とは、略矩形状を含んでもよく、例えば角部がR形状を有している場合も含む。例えば、仮想の平行四辺形160に対応する外形のホルダーにおいて、鋭角部165と重なる位置に位置決め部46が配置される場合には、先細り形状となる部分に開口が形成されることになる。このような場合には、鋭角部165近傍の部分の強度が低下してしまい、液体噴射ヘッド10を繰り返し使用しているうちに、鋭角部165の近傍の部分が損傷するおそれがある。
しかしながら、液体噴射ヘッド10では、鋭角部165と重なる位置に位置決め部46が配置されていない。これにより、位置決め部46の近傍の部分の強度低下が回避され、フランジ部41の破損のおそれが低減される。その結果、液体噴射ヘッド10の信頼性向上が図られる。
また、液体噴射ヘッド10では、Z軸方向に見て、ホルダー13の縁部155,156が仮想の平行四辺形160の鋭角部165,166と重なっていない。X軸方向において、複数のヘッドチップ20と鋭角部165,166との間に縁部155,156が配置される。これにより、X軸方向においてホルダー13の大型化が回避され、液体噴射ヘッド10の大型化が回避される。
次に、図16~図18を参照して、第2実施形態に係る液体噴射装置1Bについて説明する。図16は、第2実施形態に係る液体噴射装置1Bを示す概略図である。図17は、搬送ドラム6の中心軸線方向に見た液体噴射装置1Bを示す図である。図17は、媒体PPの搬送方向に離間する複数のラインヘッド50A,50Bを示す底面図である。
第2実施形態に係る液体噴射装置1Bが、第1実施形態に係る液体噴射装置1Aと異なる点は、複数のラインヘッド50A,50Bを備える点である。第2実施形態の液体噴射装置1Bの説明において、第1実施形態の液体噴射装置1Aと同様の説明は省略する。
ラインヘッド50A,50Bは、第1実施形態のラインヘッド50と同じ構成である。図16~図18に示されるように、ラインヘッド50Aは、複数の液体噴射ヘッド10Aが並べられて構成される。ラインヘッド50Bは、複数の液体噴射ヘッド10Bが並べられて構成される。液体噴射ヘッド10A,10Bは、液体噴射装置1Aの液体噴射ヘッド10と同じ構成である。
図17では、液体噴射ヘッド10Aに関する3方向として、XA軸方向、YA軸方向、及びZA軸方向が示される。これらのXA軸方向、YA軸方向、及びZA軸方向は、液体噴射ヘッド10におけるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に相当する。
液体噴射ヘッド10Bに関する3方向として、XB軸方向、YB軸方向、及びZB軸方向が示される。これらのXB軸方向、YB軸方向、及びZB軸方向は、液体噴射ヘッド10におけるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に相当する。
なお、以下の説明において、X軸方向と示す場合は、液体噴射ヘッド10AについてはXA軸方向を指し、液体噴射ヘッド10BについてはXB軸方向を指す。同様に、Y軸方向と示す場合は、液体噴射ヘッド10AについてはYA軸方向を指し、液体噴射ヘッド10BについてはYB軸方向を指す。Z軸方向と示す場合は、液体噴射ヘッド10AについてはZA軸方向を指し、液体噴射ヘッド10BについてはZB軸方向を指す。
ラインヘッド50A,50Bは、搬送方向DMにおいて、互いに離間して配置される。搬送方向DMは、搬送ドラム6の中心軸方向に見て、搬送ドラム6の周方向に沿う。搬送ドラム6の中心軸方向は、X軸方向に沿う。液体噴射ヘッド10A,10Bの噴射面30は、搬送ドラム6の外周面6aと対面する。噴射面30の法線L30A,L30Bの方向は、搬送ドラム6の外周面6aの法線方向に沿う。図17では、液体噴射ヘッド10Aの噴射面30のY軸方向における中心を通る法線L30Aが図示され、液体噴射ヘッド10BのY軸方向における噴射面30の中心を通る法線L30Bが図示されている。
液体噴射ヘッド10Aには、フランジ部41A,42Aが設けられている。液体噴射ヘッド10Bには、フランジ部41B,42Bが設けられている。フランジ部41A,41Bは、液体噴射ヘッド10のフランジ部41と同じ構成であり、フランジ部42A,42Bは、液体噴射ヘッド10のフランジ部42と同じ構成である。
X軸方向に見た場合、液体噴射ヘッド10Aのフランジ部41Aは、Y軸方向において、液体噴射ヘッド10Bに向かって張り出す。フランジ部41Aは、Y軸方向において、噴射面30の中心よりも液体噴射ヘッド10Bに近い位置に配置される。
X軸方向に見た場合、液体噴射ヘッド10Aのフランジ部42Aは、Y軸方向において、液体噴射ヘッド10Bとは反対側に向かって張り出す。フランジ部42Aは、Y軸方向において、噴射面30の中心よりも液体噴射ヘッド10Bから遠い位置に配置される。
X軸方向に見た場合、液体噴射ヘッド10Bのフランジ部41Bは、Y軸方向において、液体噴射ヘッド10Aに向かって張り出す。フランジ部41Bは、Y軸方向において、噴射面30の中心よりも液体噴射ヘッド10Aに近い位置に配置される。
X軸方向に見た場合、液体噴射ヘッド10Bのフランジ部42Bは、Y軸方向において、液体噴射ヘッド10Aとは反対側に向かって張り出す。フランジ部42Bは、Y軸方向において、噴射面30の中心よりも液体噴射ヘッド10Aから遠い位置に配置される。
次に、図18を参照して、ヘッド保持部材53について説明する。液体噴射装置1Bは、ラインヘッド50A,50Bを保持するヘッド保持部材53を備える。ヘッド保持部材53は、例えばステンレス鋼から形成される。ヘッド保持部材53の材質は、ステンレス鋼に限定されず、金属、樹脂等のその他の材質でもよい。
ヘッド保持部材53は、固定面54~57を有する。固定面54,55は、液体噴射ヘッド10Aの固定に用いられ、固定面56,57は、液体噴射ヘッド10Bの固定に用いられる。固定面54~57は、X軸方向に延在する。図18では、液体噴射ヘッド10Bが装着される前の状態が、部分的に図示されている。
ヘッド保持部材53には、開口部51A,51B,52A,52Bが形成されている。Z軸方向において、開口部51A,51Bは、搬送ドラム6と近い方に配置され、開口部52A,52Bは、搬送ドラム6から遠い方に配置される。
開口部51Aは、液体噴射ヘッド10Aを保持するための開口部である。開口部51Aは、固定面54と固定面55との間で、X軸方向に連続する。この開口部51Aに複数の液体噴射ヘッド10Aが挿入される。開口部51Aは、ヘッド保持部材53において、搬送ドラム6の外周面6aに対向する面に形成されている。ヘッド保持部材53において、搬送ドラム6の外周面6aに近い方の面は、ヘッド保持部材53の噴射面となる。複数の液体噴射ヘッド10Aは、ヘッド保持部材53の噴射面側から開口部51Aに挿入されて、ヘッド保持部材53に固定される。
開口部51Bは、液体噴射ヘッド10Bを保持するための開口部である。開口部51Bは、固定面56と固定面57との間で、X軸方向に連続する。この開口部51Bに複数の液体噴射ヘッド10Bが挿入される。開口部51Bは、ヘッド保持部材53の噴射面に形成される。複数の液体噴射ヘッド10Bは、ヘッド保持部材53の噴射面側から開口部51Bに挿入されて、ヘッド保持部材53に固定される。
開口部52Aは、液体噴射ヘッド10Aごとに対応した個別の開口部である。液体噴射ヘッド10Aの電気接続部110は、開口部52Aを通り、ヘッド保持部材53から外部に張り出す。
開口部52Bは、液体噴射ヘッド10Bごとに対向した個別の河口部である。液体噴射ヘッド10Bの電気接続部110は、開口部52Bを通り、ヘッド保持部材53から外部に張り出す。
固定面54には、液体噴射ヘッド10Aのフランジ部41Aが固定され、固定面55には、フランジ部42Aが固定される。固定面55には、液体噴射ヘッド10Bのフランジ部41Bが固定され、固定面57には、フランジ部42Bが固定される。
固定面54,56には、位置決めピン47,48がそれぞれ設けられている。位置決めピン47,48は、例えば円柱状を成す。位置決めピン47は、位置決め部45に嵌る。位置決めピン48は、位置決め部46に嵌る。位置決めピン47の外径は、位置決め部45の開口部の内径よりもやや小さい。位置決めピン48の外径は、位置決め部46の開口部の内径よりもやや小さい。したがって、位置決め部45の開口部に位置決めピン47を挿入する際、位置決めピン47は位置決め部45の開口部の内周面から圧力を受ける。位置決め部46と位置決めピン48も同様である。
位置決めピン47,48の硬度は、フランジ部41A,41Bの硬度よりも高い。例えば、液体噴射装置1Bに固定された非交換部品として使用し、液体噴射ヘッド10Aを交換部品として使用する場合について考える。非交換部品であるヘッド保持部材53の位置決めピン47の硬度を交換部品である液体噴射ヘッド10Aの位置決め部45の硬度よりも高くすることで、位置決めピン47を位置決めによって削れにくくすれば、ヘッド保持部材53を交換する必要がなくなり、液体噴射装置1Bの維持コストを抑制できる。
固定面54,56には、めねじ部65,66が設けられ、固定面55,57には、めねじ部67,68が設けられる。図18では、ネジが装着される前のめねじ部65~68が図示されている。めねじ部65は、ネジ穴61に対応する位置に設けられ、めねじ部66は、ネジ穴62に対応する位置に設けられる。めねじ部67は、ネジ穴63に対応する位置に設けられ、めねじ部68は、ネジ穴64に対応する位置に設けられる。ネジ穴61~64に挿通されたねじは、それぞれ対応するめねじ部65~68に装着される。これにより、液体噴射ヘッド10A,10Bがヘッド保持部材53に対して固定される。
次に図16を参照して、液体噴射装置1Bにおける電気接続部110の配置について説明する。液体噴射ヘッド10A,10Bがヘッド保持部材53に対して固定された状態において、液体噴射ヘッド10Aの電気接続部110は、Y軸方向において噴射面30の中心に対して、液体噴射ヘッド10Bから遠い方に配置される。同様に、液体噴射ヘッド10Bの電気接続部110は、Y軸方向において噴射面30の中心に対して、液体噴射ヘッド10Aから遠い方に配置される。
このような液体噴射装置1Bによれば、搬送方向DMにおいて互いに近い方にフランジ部41A,41Bが配置される。これにより、フランジ部41A,41Bに配置された位置決め部45,46を互いに接近させて、ラインヘッド50A,50Bを配置できる。その結果、ラインヘッド50A,50B間の位置ずれを抑制することができる。
このような液体噴射装置1Bによれば、搬送方向DMにおいて互いに遠い方に電気接続部110が配置される。これにより、ラインヘッド50A,50Bにおいて、互いのコネクター18同士の距離を確保できる。例えば、ラインヘッド50Aのコネクター18に対して、電気ケーブルを接続する際に、ラインヘッド50Bのコネクター18に接続された電気ケーブルが邪魔にならない。液体噴射装置1Bの使用状態において、ラインヘッド50Aのコネクター18に接続された電気ケーブルと、ラインヘッド50Bのコネクター18との電気ケーブルとの距離が適切に維持され、電気ケーブル同士が接近しすぎない。
ヘッド保持部材53は、搬送ドラム6の外周面6aの法線に沿う方向に見て、点対称に形成されていてもよい。例えば、ヘッド保持部材53は、図18に示されるように中心点P53を基準として、点対称に形成されている。ラインヘッド50A,50Bは、中心点P53を基準として、点対称に配置される。
次に、図19を参照して、第1変形例に係る液体噴射ヘッド10Cについて説明する。図19は、第1変形例に係る液体噴射ヘッドの噴射面を示す底面図である。液体噴射ヘッド10Cの説明において、前述の液体噴射ヘッド10と同様の説明は省略する。第1変形例に係る液体噴射ヘッド10Cは、ヘッドチップ20の数量及び配置が前述の液体噴射ヘッド10と異なる。液体噴射ヘッド10Cは、液体噴射ヘッド10の噴射面30とは異なる形状の噴射面30を備える。液体噴射ヘッド10Cの仮想の平行四辺形120の形状は、液体噴射ヘッド10の仮想の平行四辺形120の形状と異なる。
液体噴射ヘッド10Cは、V方向に沿って延在する複数のヘッドチップ20を備える。V方向は、液体噴射ヘッド10におけるV方向と異なっていてもよく、同じでもよい。液体噴射ヘッド10Cは、複数のチップ群225A~225Dを備える。複数のチップ群225A~225Dは、Y1方向にこの順に並ぶ。
チップ群225Aは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ221A,221B,221Cを有する。これらのヘッドチップ221A,221B,221Cは、X2方向にこの順に並ぶ。ヘッドチップ221Aは、縁部31に内接する。
チップ群225Bは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ222A,222B,222Cを有する。これらのヘッドチップ222A,222B,222Cは、X2方向にこの順に並ぶ。
チップ群225Cは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ223A,223B,223Cを有する。これらのヘッドチップ223A,223B,223Cは、X2方向に順に並ぶ。
チップ群225Dは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ224A,224B,224Cを有する。これらのヘッドチップ224A,224B,224Cは、X2方向に順に並ぶ。ヘッドチップ224Cは、縁部32に内接する。
次に、液体噴射ヘッド10Cのヘッドチップ20の配置に対応する仮想の平行四辺形120について説明する。全てのヘッドチップ20は、仮想の平行四辺形120の内側に存在する。仮想辺121に対して、ヘッドチップ221Aが内接する。仮想辺122に対して、ヘッドチップ224Cが内接する。仮想辺123に対して、ヘッドチップ224A,22B,224Cが内接する。仮想辺124に対してヘッドチップ221A,221B,221Cが内接する。複数のヘッドチップ20のうち、仮想の平行四辺形120に接していないヘッドチップ20があってもよい。
液体噴射ヘッド10Cにおいても、液体噴射ヘッド10と同様に、噴射面30は鋭角部131,132と重なっていない。噴射面30は、仮想の平行四辺形120の両方の鈍角部133,134の全領域と重なる。仮想辺121には、1つのヘッドチップ221Aのみが内接する。複数のヘッドチップ20は、鋭角部131に対して最も近くで仮想辺121に内接するヘッドチップ221Aと、鋭角部131に対して最も近くで仮想辺123に内接するヘッドチップ222Aと、を含む。
液体噴射ヘッド10Cの縁部35は、X軸方向において、鋭角部131とヘッドチップ224Aとの間で、Y軸方向に延在する。縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺123に接しないヘッドチップ221A,222A,223Aと重なる。縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺124に接するヘッドチップ221Aと重なる。
液体噴射ヘッド10Cの縁部37は、液体噴射ヘッド10の縁部37と同様に、X軸方向において、鈍角部133の外側に配置される。
このような噴射面30を備える液体噴射ヘッド10Cは、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10と同様な作用効果を奏する。噴射面30のX軸方向に沿う長さは、仮想の平行四辺形120のX軸方向に沿う長さよりも短い。このような液体噴射ヘッド10Cによれば、仮想の平行四辺形120の外形と同じ構造の場合と比較して、X軸方向における長さを短くできる。
次に、図20を参照して、第2変形例に係る液体噴射ヘッド10Dについて説明する。図20は、第2変形例に係る液体噴射ヘッドの噴射面を示す底面図である。液体噴射ヘッド10Dの説明において、前述の液体噴射ヘッド10と同様の説明は省略する。第1変形例に係る液体噴射ヘッド10Dは、ヘッドチップ20の数量及び配置が前述の液体噴射ヘッド10と異なる。液体噴射ヘッド10Dは、液体噴射ヘッド10の噴射面30とは異なる形状の噴射面30を備える。液体噴射ヘッド10Dの仮想の平行四辺形120の形状は、液体噴射ヘッド10の仮想の平行四辺形120の形状と異なる。
液体噴射ヘッド10Dは、V方向に沿う延在する複数のヘッドチップ20を備える。V方向は、液体噴射ヘッド10におけるV方向と異なっていてもよく、同じでもよい。液体噴射ヘッド10Dは、複数のチップ群325A,325Bを備える。複数のチップ群325A,325Bは、Y1方向にこの順に並ぶ。
チップ群325Aは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ321A,321B,321Cを有する。これらのヘッドチップ321A,321B,321Cは、X2方向にこの順に並ぶ。ヘッドチップ321Aは、仮想辺121に内接する。ヘッドチップ321Bは、仮想辺122に内接する。
チップ群325Bは、複数のヘッドチップ20として、ヘッドチップ322A,322B,322Cを有する。これらのヘッドチップ322A,322B,322Cは、X2方向にこの順に並ぶ。ヘッドチップ322Aは、仮想辺121に内接する。ヘッドチップ322Cは、仮想辺122に内接する。
ヘッドチップ321A,322Aは、その長手方向に並ぶ。ヘッドチップ321B,322Bは、その長手方向に並ぶ。ヘッドチップ321C,322Cは、その長手方向に並ぶ。
液体噴射ヘッド10Dにおいても、液体噴射ヘッド10と同様に、噴射面30は鋭角部131,132と重なっていない。噴射面30は、仮想の平行四辺形120の両方の鈍角部133,134の全領域と重なる。仮想辺121には、2つのヘッドチップ321A,322Aが内接する。鋭角部131に対して最も近いヘッドチップ322Aは、仮想辺121及び仮想辺123の両方に接する。
液体噴射ヘッド10Dの縁部35は、X軸方向において、鋭角部131とヘッドチップ322Aとの間で、Y軸方向に延在する。縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺123に接するヘッドチップ322Aと重なる。縁部35は、X軸方向に見て、仮想辺124に接するヘッドチップ321Aと重ならない。
液体噴射ヘッド10Dの縁部37は、液体噴射ヘッド10の縁部37と同様に、X軸方向において、鈍角部133の外側に配置される。
このような噴射面30を備える液体噴射ヘッド10Dは、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10と同様な作用効果を奏する。噴射面30のX軸方向に沿う長さは、仮想の平行四辺形120のX軸方向に沿う長さよりも短い。このような液体噴射ヘッド10Dによれば、仮想の平行四辺形120の外形と同じ構造の場合と比較して、X軸方向における長さを短くできる。
次に、図21を参照して、第3変形例に係る液体噴射ヘッド10Eについて説明する。図21は、第3変形例に係る液体噴射ヘッド10Eの噴射面30を示す底面図である。第3変形例に係る液体噴射ヘッド10Eが、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10と違う点は、フランジ部41,42とは異なる構成のフランジ部41C,41D,42C,42Dを備える点である。なお、液体噴射ヘッド10Eの説明において、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10と同様の説明は省略する。
液体噴射ヘッド10Eのホルダー13には、Y軸方向に張り出すフランジ部41C,41D,42C,42Dが形成されている。フランジ部41C,41Dは、Y1方向に張り出し、フランジ部42C,42Dは、Y2方向に張り出す。
フランジ部41C,41Dは、互いにX軸方向に離間する。X軸方向において、フランジ部41C,41D間には切り欠き部が形成されている。フランジ部41Cは、フランジ部41DのX2方向に位置する。フランジ部41Cには、位置決め部45及びネジ穴61が形成される。フランジ部41Dには、位置決め部46及びネジ穴62が形成される。
フランジ部42C,42Dは、互いにX軸方向に離間する。X軸方向において、フランジ部42C,42D間には切り欠き部が形成されている。フランジ部42Cは、フランジ部42DのX1方向に位置する。フランジ部42Cには、位置決め部45及びネジ穴61が形成される。フランジ部42Dには、ネジ穴63が形成される。
このような液体噴射ヘッド10Eにおいても、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10と同様の作用効果を奏する。
次に図22を参照して、第3実施形態に係る液体噴射装置1Cについて説明する。図22は、第3実施形態に係る液体噴射装置1Cを示す概略図である。図22に示す第3実施形態に係る液体噴射装置1Cは、シリアル型の印刷装置である。液体噴射装置1Cは、媒体PPの搬送方向DMに並ぶ複数の液体噴射ヘッド10を備える。複数の液体噴射ヘッド10は、X軸方向に並べられる。第3実施形態に係る液体噴射装置1Cの説明において、第1実施形態の液体噴射装置1Aと同様の説明は省略する。
液体噴射装置1Cは、ヘッド搬送機構7を備える。ヘッド搬送機構7は、キャリッジ8及び無端ベルト9を有する。キャリッジ8は複数の液体噴射ヘッド10を保持する。キャリッジ8は、無端ベルト9に連結されている。キャリッジ8は、無端ベルト9によって搬送されて、主走査方向に往復動する。
液体噴射装置1Cは、印刷処理を実行する場合、主走査方向に交差する副走査方向に媒体PPを搬送しつつ、主走査方向に液体噴射ヘッド10を往復動させながら、液体噴射ヘッド10からインクを噴射する。これにより、媒体PP上に、印刷データに応じたドットが形成される。
このようなシリアル型のプリンターである液体噴射装置1Cにおいても、液体噴射ヘッド10を適用できる。
なお、前述した実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
前述の形態で例示した液体噴射装置1Aでは、例えば図10に示したように、隣接する液体噴射ヘッド10において、一方の液体噴射ヘッド10の縁部37と、他方の液体噴射ヘッド10の縁部35と間の隙間の幅W11は、ホルダー13同士の隙間の幅W12よりも広くしていたが、幅W11と幅W12とは同じであってもよい。換言すれば、液体噴射ヘッド10の縁部37の長さL37を、縁部35の長さL35と同じとしてもよい。同様に、液体噴射ヘッド10の縁部38の長さを、縁部36の長さと同じにすることで、一方の液体噴射ヘッド10の縁部38と、他方の液体噴射ヘッド10の縁部36と間の隙間の幅を、ホルダー13同士の隙間の幅W12と同じにしてもよい。この場合、縁部37を規定する壁面13aは、ホルダー13の縁部157を規定する壁面13bとX軸方向において同じ位置に配置されていてもよい。換言すれば、壁面13aと壁面13bとが面一であってもよい。
前述の形態で例示した液体噴射装置1Aは、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、液体噴射装置1Aの用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。