本開示の例示的な態様による誘導加熱調理器は、誘導加熱調理器の本体の側面、典型的には調理時のユーザの立ち位置に対向する側面、に本体側操作部及び表示部を有している。本体側操作部は、ユーザの入力を受け付ける複数のキーを有している。複数のキーは、ホームキー及び1以上の選択キーを含む。例えば電源投入後、誘導加熱調理器の操作制御部は、表示部に初期画面を表示する。初期画面は、階層化されたメニュー項目の最上位の階層の画面である。1以上の選択キーへの入力を受け付けると、本体側操作部は表示部に表示されたホーム画面を下位の階層の画面に切り替える。例えばユーザが誘導加熱調理器の設定を行うため、本体側操作部を操作して日頃は利用しない下位の階層の設定項目を変更することが考えられる。しかしながら、設定に不慣れなユーザが操作を進めても所望の設定項目に到達することができず、操作に迷うことがある。そのようなユーザは、通常、もう一度最初から操作をやり直したいと感じることが多い。
そこでユーザが本体側操作部に設けられたホームキーを押下すると、ホームキーへの入力を受け付けた本体側操作部は、現在表示されている画面の階層に関わらず、表示部にホーム画面を表示する。これにより、ユーザは非常に容易にもう一度最初から操作をやり直すことができる。改めて操作をし直すことにより、ユーザは種々の項目を確認しながら所望の設定項目に到達することができる。ホームキーを設けることにより、ユーザはその後の調理作業を効率的に進めることができる。
一般に、誘導加熱調理器のトッププレートは側面よりも十分広い。誘導加熱調理器のトッププレートにも、何らかの情報を表示する表示部及びユーザが操作する操作部を設けることは可能である。しかしながら、ユーザはトッププレート上で調理を行うことが多いため、複数の加熱コイルを配置する等の事情から表示部及び操作部の面積を割きにくいという事情があり得る。また、加熱コイルが設けられていない位置に広い表示部を設けたとしても、そのような位置に鍋、フライパン等の調理器具を置くと表示部の多くが隠れてしまい、視認性を確保できない可能性も生じ得る。そのような理由から、本発明者は、トッププレート上の操作部及び表示部の領域は必要最小限にとどめ、本体側の側面に操作部を設け、さらに、比較的広い表示領域を確保した表示部を設けることが好適であると考えた。このような構成によれば、高い視認性及び操作性の両方を確保することが可能になる。なお本開示は、本体側の側面に操作部及び表示部を設けた上で、さらにトッププレート上に操作部及び表示部を設けることを排除しない。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題は限定されることはない。
(1)実施の形態
(1-1)概要
以下、図1Aから図3を参照しながら、本開示の実施の形態に係る誘導加熱調理器を説明する。
図1Aは、例示的な実施の形態に係る誘導加熱調理器1の斜視図である。図1Bは、操作パネル40が引き出された誘導加熱調理器1の斜視図である。図2は、誘導加熱調理器1の制御系を示すブロック図である。図3は、誘導加熱調理器1の構成を概略的に示す図である。
図1A、図1B及び図3の他、本開示にかかる図面の一部にはX軸、Y軸および/またはZ軸が表示されている。誘導加熱調理器の使用時に使用者が誘導加熱調理器に対向したとき、X軸方向は、加熱調理器の幅方向(長手方向)を示し、Y軸方向は奥行き方向(短手方向)を示し、Z軸方向は高さ方向を示す。また、X軸の正の方向を右方、負の方向を左方とする。また、Y軸の正の方向を後方、負の方向を前方とする。
《誘導加熱調理器》
まず、本開示にかかる誘導加熱調理器1の一般的な構成を説明する。
図1Aに示すように、誘導加熱調理器1は、本体3と、本体3の上面に容器が載置されるトッププレート5とを有する。容器は、例えば、シチューなどの調理対象としての食材を収容する被加熱物である。
誘導加熱調理器1の本体3の内部、より具体的には、誘導加熱調理器1のトッププレート5における容器載置領域の下側(-Z側)の位置には、加熱コイル7、8、9が配置されている。換言すれば、加熱コイル7、8、9は、トッププレート5とともに本体3の上部に載置されている。加熱コイル7~9は、容器を誘導加熱するために誘導磁界を発生させる。なお、加熱調理器1は3個の加熱コイル7~9を備えるが、1個、2個または4個以上の加熱コイルを備えてもよい。
誘導加熱調理器1では、例えば、加熱コイル7、8、9のそれぞれを操作するために操作部19、20、21が設けられている。つまり、加熱コイル7、8、9のそれぞれは、操作部19、20、21のそれぞれと「対応」する。このように、本明細書では、加熱コイル7、8、9のそれぞれに対して設けられた構成要素のことを、加熱コイルに「対応する」構成要素と呼ぶ。
図1Aに示すように、加熱コイル7~9の上側(+Z側)のトッププレート5上には、加熱コイル7、8、9のそれぞれに「対応」して、容器載置領域を示すリング状のマーカ11、12、13が印刷されている。
上面視において、トッププレート5上の、加熱コイル7、8のそれぞれの外側には、リング状に光る発光部15、16が配置されている。また、トッププレート5上の、加熱コイル9の前側(-Y側)には、円弧形状の発光部17が配置されている。発光部15~17は、例えば、対応するそれぞれの加熱コイル7~9に電流が流れているときに発光する。発光部15~17は、それぞれ、例えば、不図示のLED発光基板を有する。
また、マーカ11~13内側の、トッププレート5の下側には温度センサ18が配置されている。温度センサ18が検出した検出値は、制御部31へ送られる。制御部31は、温度検出値を参照しながら、加熱コイル7~9に流れる電流量を調整し、調理方法のアシスト案内をするタイミングを決定する。なお、発光部15~17および温度センサ18は必須の構成要素ではなく、搭載されていない場合も誘導加熱調理器1は動作可能である。
誘導加熱調理器1のトッププレート5の前側(-Y側)には、操作部19、20、21が配置されている。操作部19、20、21は、加熱コイル7~9のそれぞれを操作するためにユーザによって利用される。操作部19は加熱コイル7を操作し、操作部20は加熱コイル8を操作し、操作部21は加熱コイル9を操作するために設けられている。本明細書では、操作部19は加熱コイル7に対応し、操作部20は加熱コイル8に対応し、操作部21は加熱コイル9に対応する。
誘導加熱調理器1のトッププレート5の前側、加熱コイル7~9と操作部19~21との間には、表示部23、24、25がそれぞれ配置されている。表示部23、24、25は、それぞれ、操作部19~21の操作対象の状態を表示する。表示部23~25の動作は、後述する制御部31によって制御される。本明細書では、トッププレート5に設けられた操作部19~21を「天面操作部19~21」と呼び、表示部23~25を「天面表示部23~25」と呼ぶことがある。
表示部23~25は、それぞれ、例えば、マトリックス・ドット液晶表示装置を備えている。マトリックス・ドット液晶表示装置は、例えば、トッププレート5の幅方向に延びた帯形状を有する、フルドット液晶表示パネルである。
表示部23~25は、それぞれ、操作対象の状態、加熱コイル7~9の動作の内容等を画像オブジェクトで表示する。例えば、表示部23は加熱コイル7の動作の内容を表示し、表示部24は加熱コイル8の動作の内容を表示し、表示部25は加熱コイル9の動作の内容を表示する。
画像オブジェクトは文字および/または画像である。例えば、画像オブジェクトは「加熱」という文字である。このとき、誘導加熱調理器1では、その表示部23~25に対応する加熱コイル7~9を用いて加熱動作が可能であることを示している。また、表示部23~25は、「加熱」という文字とともに、加熱の開始を示す「スタート」という文字の画像オブジェクトを表示してもよい。加熱が開始された後は、表示部23~25は、加熱コイル7~9の加熱量(火力)の大きさを示す数字、アイコン等の画像オブジェクトを表示してもよい。
なお、表示部23~25は、セグメント表示の液晶表示装置であってもよい。1または複数のセグメントを用いて表示される文字および/または画像は、上述の画像オブジェクトの範疇である。
本体3は、加熱コイル7~9の加熱に関する情報を音声出力するスピーカ27を備える。スピーカ27は、誘導加熱調理器1の前面側に配置され、ユーザに対して音声案内を出力する。
本体3にも操作部が設けられている。図1Aには、操作パネル40が収納されている状態が示されている。そして図1Bには、操作パネル40が引き出された状態が示されている。例えばユーザが操作パネル40を+Y方向に軽く押すと、操作パネル40のロックが外れ、操作パネル40が-Y方向に引き出される。あるいは、ユーザが電源スイッチ22をオンすると、不図示のモータが動作して操作パネル40を-Y方向に送り出してもよい。誘導加熱調理器1を使用していない状態では、操作パネル40、及び次に説明する操作パネル40の表示部41、操作部42、43及び50は本体3内に収容されている。
操作パネル40は、表示部41と、操作部42、43及び50とを有している。表示部23~25がマトリックス・ドット液晶表示装置である場合、表示部41もまたマトリックス・ドット液晶表示装置であってもよい。または、表示部41は有機EL(Electro Luminescence)表示装置であってもよい。つまり、表示部23~25及び表示部41は、同じ表示原理で画像および/または文字を表示する表示装置で実現されてもよいし、異なる表示原理で画像および/または文字を表示する表示装置で実現されてもよい。
本実施形態では、セグメント方式の表示原理ではなく、より柔軟な表示が可能なドットマトリックス方式による表示原理を採用する表示装置を想定している。その理由は、誘導加熱調理器1の多機能化に対応して、表示部41に種々の情報を表示することを可能にするためである。ドットマトリックス方式であれば、例えば表示を切り替えながら、多様な設定項目を表示することができる。ドットマトリックス方式に代表されるような柔軟な表示が可能な表示方式を採用する表示部41であれば、表示方式は任意である。
本明細書でいう「切り替え」とは、典型的には、表示部41に表示されている内容を全く書き換えて新たな内容を表示することを意味する。表示を「切り替え」ることの利点は、限られた表示領域を有効に活用できることにある。ユーザに対し、これまで表示した全ての内容を表示する場合、多くの表示領域が必要になり、新たな内容を表示するための表示領域が減少する。「これまで表示した全ての内容」とは、例えば、これまでに表示されてきた内容を維持しながら、同じ画面上に新たな内容を追加的に表示する場合の、表示されている内容を意味する。一方、これまでに表示されてきた内容、例えば最初の画面に表示されていた内容を、表示せず全く書き換えることで表示を切り替える場合は、表示部41の全ての表示領域にわたって新たな内容を表示でき、呈示可能は情報量を増やすことができる。あるいは、情報量を増やすことに代えて文字を大きく表示することにより、視認性を大きく向上させることができる。
図1Bに明示されているように、トッププレート5は加熱コイル7~9とともに本体3の上面に載置されているのに対し、本体3の操作パネル40または操作部42、43及び50は、本体3の側面に設けられており、ホームキー(操作部50)及び1以上の選択キー(操作部42及び43)を含む複数のキーでユーザの入力を受け付ける。
操作部42、43及び50は、本体3のグリル44の操作、及び、本体3の種々の設定を行う際に利用される。グリル44内にも加熱コイル(図示せず)が設けられている。表示部41と、操作部42、43及び50のより詳細な説明は後述する。なお、本明細書では、操作部42、43及び50を包括して「本体操作部」と呼ぶことがある。本体操作部及び天面操作部を包括して「操作部」と呼ぶこともある。また、加熱コイルと、当該加熱コイルに対応する操作部及び表示部とを、1組の「加熱ユニット」と呼ぶことがある。例えば図1Aに示されている、加熱コイル7、操作部19、及び表示部23は1組の加熱ユニットであり、加熱コイル8、操作部20、及び表示部24は、他の1組の加熱ユニットである。同様に、図1Bに示されているグリル44、操作部42及び43、及び表示部41もまた、1組の加熱ユニットである。なお、操作部42及び43は誘導加熱調理器1の設定にも利用され、グリル44の操作にのみ利用されるのではない。そのため、操作部42及び43のうち、グリル44の動作に関連するボタンまたはスイッチのみを、グリル44に関する1組の加熱ユニットに含めてもよい。
図2に示すように、誘導加熱調理器1は、本体3の内部に、制御部31、記憶部33を備える。制御部31は、例えばCPU、マイクロコントローラ(マイコン)などの信号処理回路を含む。記憶部33は、ROM、RAM、ハードディスク、SSDなどの記憶装置である。記憶部33は、誘導加熱調理器1を動作させるためのコンピュータプログラムを記憶している。制御部31は当該コンピュータプログラムを実行することによって後述する種々の機能を果たすように構成されている。
コンピュータプログラムを実行した制御部31は、その時々において、加熱制御部35、操作制御部37及び調理案内制御部39として動作する。例えば制御部31が加熱コイル7~9、及びグリル44内の加熱コイル(以下「グリル44用加熱コイル」と記述する。)に流す電流量を制御するときは、制御部31は加熱制御部35として動作する。また制御部31が、操作部19~21において受け付けた入力を制御し、表示部23~25の表示領域への表示を制御する場合には、制御部31は操作制御部37として動作する。制御部31が、調理案内の情報出力を制御する場合には、制御部31は調理案内制御部39として動作する。ただし、加熱制御部35、操作制御部37、および調理案内制御部39の一部または全部は、ソフトウェア的に実現されなくてもよく、1つまたは複数のCPU、マイクロプロセッサ、FPGAから構成されてもよい。なお、グリル44の加熱手段としては、加熱コイル以外であってもよい。たとえばグリル44の加熱手段は、シーズヒータ、平面ヒータ、またはマイクロ波発生装置などでもよく、これらの一部または全部の組み合わせであってもよい。加熱制御部35は、これらの加熱手段へ電力を供給し、加熱を制御できればよい。
操作部19~21、42、43及び50の出力信号は制御部31に入力される。制御部31は操作に応じて加熱コイル7~9、及びグリル44用加熱コイルの加熱量等を設定する。操作部19の操作指示に応じて、加熱制御部35として機能する制御部31は、加熱コイル7の加熱の開始又は停止を制御する。加熱制御部35は、加熱コイル7~9に高周波電流を供給してトッププレート5に載置された容器の加熱を行う。また、加熱制御部35は、加熱コイル7~9に流す電流量を制御することで、加熱コイル7~9からの加熱量を制御する。また、操作部19~21の出力信号は制御部31に入力されているので、操作制御部37および調理案内制御部39として機能する制御部31の動作の制御にも利用される。また、加熱制御部35は、加熱コイル7~9と同様、グリル44用加熱コイルに高周波電流を供給してグリル44内の被加熱物の加熱を行う。また、加熱制御部35は、グリル44用加熱コイルに流す電流量を制御することで、当該加熱コイルからの加熱量を制御する。
調理案内制御部39は、予め定められた加熱シーケンスまたは調理シーケンスにしたがって、適切な条件が成立したタイミングで調理案内情報を操作制御部37に送る。適切な条件とは、温度センサ18による検出温度が予め定められた温度条件を満たすか否か、または、検出温度が予め定められた温度に達してから予め定められた時間経過したか否か等の条件である。調理案内するアシストメニューごとに、これらの条件が設定されている。調理案内制御部39が、これらの条件を満たしたと判断すると、調理案内制御部39は、その条件に対応した調理案内を表示部23~25から表示するように操作制御部37に指示する。これらの加熱シーケンス、調理シーケンス、及び調理案内は記憶部33に記憶されている。
《操作部と表示部》
次に、図4、図5A~図6Bを参照しながら、操作部19~21と、操作部42、43及び50と、表示部23~25、41とを説明する。
まず図4を参照する。操作部19~21は、それぞれ、第1操作部51、第2操作部53、第3操作部55、及び、第4操作部57を備える。第1操作部51~第4操作部57は、例えば、静電容量式のスイッチを含むタッチスイッチでもよいし、押しボタンスイッチでもよい。第1操作部51~第4操作部57は、対応する加熱コイル7~9の加熱動作を設定する。第1操作部51は、時計の模様が印刷されており、主に、タイマー設定を選択するのに用いられる。第2操作部53及び第3操作部55は、それぞれ矢印の模様、例えば「<」、「>」の記号、が印刷されており、主に、メニュー選択および火力量やタイマー時間を設定するのに用いられる。第4操作部57は、操作部と対応する加熱領域を示す模様が印刷されており、状況に応じて異なる機能が割り当てられる多機能スイッチとして機能する。電源スイッチ22は、誘導加熱調理器1の電源を投入する機能を有する。電源スイッチ22は、さらに誘導加熱調理器1の電源を遮断する機能を有していてもよい。電源スイッチ22とは別に、電源を遮断するためのスイッチが設けられていてもよい。
操作部19、20および/または21の各々に含まれる第1操作部51、第2操作部53、第3操作部55および第4操作部57は、本開示では「操作ユニット」としても総称される。操作ユニットは、ユーザの加熱操作および/または各種の設定を受け付けるインタフェースである。操作ユニットは、第1操作部51、第2操作部53、第3操作部55および第4操作部57の任意の一部で構成されてもよい。
(1-2)詳細
次に、本開示にかかる誘導加熱調理器1を詳細に説明する。説明の便宜のため、1組の加熱ユニットを構成する、トッププレート5上の天面操作部20及び天面表示部24を例示する。
図5Aは、誘導加熱調理器1に電源が投入される前の天面操作部20及び天面表示部24周辺の部分拡大図である。ユーザによって電源スイッチ22が押下されると、誘導加熱調理器1の電源が投入される。
図5Bは、誘導加熱調理器1に電源が投入された直後の天面表示部24の表示内容を示している。天面表示部24には「メニュー」という画像オブジェクト30が表示されている。「メニュー」の文字の下方には、他の画像オブジェクト「<」及び「>」が示されている。これらの画像オブジェクトは、その直下に設けられた第2操作部53及び第3操作部55の押下により、他の画面表示に遷移し得ることを意味している。
次に、図6A及び図6Bを参照しながら、本体操作部42、43及び50を説明する。図6Aは、誘導加熱調理器1に電源が投入される前の本体操作部42、43及び50、及び表示部41周辺の部分拡大図である。ユーザによって電源スイッチ22が押下されると、誘導加熱調理器1の電源が投入される。
図6Bは、誘導加熱調理器1に電源が投入された直後の表示部41の表示内容を示している。表示部41の上部には「メニュー」という画像オブジェクトが表示され、その下方には選択可能な各メニューの画像オブジェクト(「手動」、「オーブン」、「凍ったままIHグリル」、「自動」)が表示されている。各画像オブジェクトは、それぞれその直下に表示された本体操作部42の第1操作部61、第2操作部63、第3操作部65、及び第4操作部67によって選択され得る。本体操作部43は、誘導加熱調理器1の清掃等のお手入れ動作、動作の設定等を行うために利用される。本体操作部43押下時の表示部41の表示の具体例は後述する。本明細書では、第1操作部61、第2操作部63、第3操作部65、第4操作部67および/または本体操作部43を、それぞれ項目を選択するという機能に注目して「選択キー」と呼ぶことがある。誘導加熱調理器1は1以上の選択キーを有している。
操作部50は、ホームキーである。「ホームキー」とは、表示部41に現在表示されている画面を、ホーム画面に戻すためのキーである。操作部50を「ホームキー50」と記述することがある。ホーム画面の一例は、図6Bに示すような、電源投入直後に表示される画面である。ユーザが本体側操作部のホームキー50を押下すると、ホームキー50への入力を受け付けた本体側操作部は、現在表示されている画面に関わらず、表示部41にホーム画面を表示する。一例として、ホーム画面は最上位の階層に相当する画面である。本実施形態では、表示部41には、階層化された種々のメニュー項目が表示される。メニュー項目の階層化に起因してユーザが操作に迷ったとき、ホームキー50を押下することで、ユーザは非常に容易にもう一度最初のホーム画面から操作をやり直すことができる。改めて操作をし直すことにより、ユーザは種々の項目を確認しながら所望の設定項目に到達することができる。つまり、ホームキー50を設けることにより、ユーザはその後の調理作業を効率的に進めることができる。後に、種々の階層でユーザがホームキー50を押下したときの表示部41の表示の遷移と、表示の遷移を禁止する例を説明する。
なお、これまでの説明では、天面操作部20及び本体操作部42、43及び50はハードウェアで実現されたスイッチであることを想定して説明していた。しかしながら、天面操作部20及び本体操作部42、43及び50の全部または一部は、表示部を備えないソフトウェアスイッチで実現されてもよい。または、天面操作部20及び本体操作部42、43及び50の全部または一部は、表示部24及び41に表示されたソフトウェアスイッチ及びタッチパネルによって実現されてもよい。
例えば表示部24及び41に重畳して不図示のタッチパネルが設けられ、ユーザのタッチ操作、押下操作等を検出してもよい。タッチパネルは圧力、静電容量の変化等によってユーザによるタッチ、及びタッチ位置を検出する。例えば制御部31は、タッチ位置が、天面操作部20及び本体操作部42、43及び50のどの操作部の表示位置に対応するかを判定し、当該操作部に関連付けられた機能を実行する。なおタッチパネルは入力装置の一例である。他に、非接触でユーザの指の位置及び入力操作を検出する入力装置を採用してもよい。例えば電波、赤外線等によって近傍の物体の有無及びその位置を検出可能な近接センサを搭載し、近接センサを利用してかざした手を検出することにより、天面操作部20及び本体操作部42、43及び50への操作を検出することができる。このような近接センサを利用すると、調理時の手の汚れ等を気にすることなく操作を行うことができる。
次に、図7A及び図7Bを参照しながら、操作部42を利用して、表示部41に表示された項目を選択する方法を説明する。
図7Aは、操作部を使ってメニューの各項目を選択する際の操作部とメニュー項目との対応関係を示している。本実施形態では、表示部41に表示された種々のメニュー項目は、種々のメニュー項目の各位置に対応付けられた操作部が押下されることによって選択される。図7Aの例では、表示部41に表示されたメニュー項目71(「手動」)は、当該メニュー項目71の位置に対応付けられた操作部61が押下されることによって選択される。両矢印は、メニュー項目71と第1操作部61とが対応付けられていることを示している。同様に、メニュー項目73(「オーブン」)は第2操作部63と、メニュー項目75(「凍ったままIHグリル」)は第3操作部65と、メニュー項目77(「自動」)は第4操作部67と対応付けられている。各操作部63、65及び67の押下により、各メニュー項目73、75及び77が選択される。
図7Aの例では、表示部41に表示されたメニュー項目の数と、操作部の数とが一致していた。一方、両者の数が一致しない場合もある。
図7Bは、メニュー項目の数と操作部の数とが相違する場合の対応関係を示している。表示部41は、大項目の表示80aと、中項目の表示80bとを含む。中項目の表示80bはさらに、小項目の表示(タイマー項目81、選択項目83及びスタート項目87)を含む。本例では小項目の表示は3つである。一方、4つの操作部(第1操作部61~第4操作部67)は図7Aと同じである。
図7Bでは、選択項目83は、タイマー項目81及びスタート項目87の図面左右方向の幅よりも広く表示されている。このような場合、本実施形態では、タイマー項目81と第1操作部61とが対応付けられ、選択項目83と第2及び第3操作部63及び65とが対応付けられ、スタート項目87と第4操作部67とが対応付けられる。そして、各操作部の押下により対応する各項目が選択される。第2操作部63が押下されても第3操作部65が押下されても、選択項目83が選択される。ただし選択項目83が、例えば温度の設定の上下などの設定値の増減などに対応付けられる場合には、第2操作部63の押下は温度の減少、第3操作部65の押下は温度の増加を選択する操作を意味する。
以下の説明では、表示部に表示される項目を「選択する」とは、ユーザがその項目に対応する操作部を押下することを意味する。説明の便宜のため、図面には押下される操作部を表記する。
図8から図11を参照しながら、表示部41のホーム画面に表示された各メニュー項目から辿る下位の階層の例を説明する。これらの図からは、表示部41では、表示される画面の内容が複数の階層にわたって遷移していくことが説明される。理解の便宜のため、表示内容がどのように変遷するかを説明するが、表示部41の表示内容の遷移は、操作制御部37の制御に基づいて行われる。すなわち操作制御部37が、表示部41を制御して必要な表示を行わせている。各図の最上段は「階層0」とし、下位の階層になるほど階層1、階層2のように数字が増加する。図面では、操作制御部37に受け付けられた入力操作の回数が1回のときは「x1」、n回のときは「xn」などと表記する。
図8は、ホーム画面のメニュー項目71(「手動」)からの表示の遷移例を示している。第1操作部61が押下されると表示部41の表示は、グリル44の手動メニューである「グリル手動」に遷移する。階層1の表示は、図7Bと同じである。階層1において第1操作部61が押下されると、階層2に進み、表示部41にはタイマー設定メニューが表示される。ここで第3操作部65が所定の回数、押下されるとタイマーの数値がユーザの所望の時間(たとえば「30分」とする。)と表示される。なお、第3操作部65の押下によってタイマー時間「30分」が追加的に表示される。表示部41の表示は書き換えられない。つまり表示部41の表示は遷移しない。その後、第4操作部67が押下されると加熱が開始される。
図8には、階層1及び階層2の表示を囲む破線8aが示されている。破線8aは、表示部41が破線8a内の内容を表示しているときにユーザがホームキー50を押下すると、表示部41の表示が階層0のホーム画面に遷移する範囲を意味する。すなわち本体操作部37がホームキー50への入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層が階層1であるか階層2であるかに関わらず、ホーム画面を表示する。
一方、階層1において第4操作部67が押下され、または、階層2においてタイマー時間がセットされた後に第4操作部67が押下されると、加熱が開始される。このとき表示部41の表示画面は、破線8bで囲まれる表示内容に遷移する。破線8bは、表示部41が破線8b内の内容を表示しているときにユーザがホームキー50を押下しても、表示部41の表示は階層0のホーム画面に遷移しないことを意味する。換言すると、破線8bは、加熱制御部35がグリル44用加熱コイルに電力を供給している間に、操作制御部37がホームキー50への入力を受け付けたときは、ホーム画面への遷移を禁止することを意味する。その結果、グリル44の加熱は継続される。
図9は、ホーム画面のメニュー項目73(「オーブン」)からの表示の遷移例を示している。
第2操作部63が押下されると表示部41の表示はグリル44のオーブンメニューである「オーブン」に遷移する。階層1において第1操作部61が押下されると、階層2に進み、表示部41にはオーブン利用時のタイマー設定メニューが表示される。ここで第3操作部65が押下されるとタイマーの数値が「30分」と表示される。なお、第3操作部65の押下によってタイマー時間「30分」が追加的に表示される。表示部41の表示は書き換えられない。つまり表示部41の表示は遷移しない。その後、第4操作部67が押下されると加熱制御部35がグリル44用加熱コイルに電力を供給し加熱が開始される。
階層1及び階層2の表示は図9に示す破線9aで囲まれている。また階層1において第4操作部67が押下され、または、階層2においてタイマー時間がセットされた後に第4操作部67が押下された後の表示部41は破線9bで囲まれている。
破線9a及び9bの意味は、図8の破線8a及び8bの意味とそれぞれ同じである。破線9a内の表示時には、本体操作部37がホームキー50への入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層が階層1であるか階層2であるかに関わらず、ホーム画面を表示する。一方、破線9b内の表示時には、操作制御部37がホームキー50への入力を受け付けたときは、ホーム画面への遷移を禁止する。
図10は、ホーム画面のメニュー項目75(「凍ったままIHグリル」)からの表示の遷移例を示している。また図11は、ホーム画面のメニュー項目77(「自動」)からの表示の遷移例を示している。いずれも、階層0から階層1に遷移した後は、階層1において種々のメニュー項目のうちから1つのメニュー項目が選択される。その後第4操作部67が押下されると加熱が開始される。
図10及び図11では、階層1の表示は破線10a及び11aで囲まれている。また図10及び図11では、階層1において第4操作部67が押下され、または、階層2においてタイマー時間がセットされた後に第4操作部67が押下された後の表示部41の表示は破線10b及び11bで囲まれている。
破線10a及び10bの意味、及び破線11a及び11bの意味は、破線8a及び8bの意味とそれぞれ同じである。図9における破線9a及び9bから容易に類推されるため、繰り返しの記載は省略する。
次に、図12から図14を参照しながら、本体操作部43を押下した場合の、ホーム画面から辿る下位の階層の例を説明する。なお、本体操作部43を以下では「ツールボタン43」と記述する。
図12は、ツールボタン43押下後の「お手入れ」選択時の表示部41の表示の遷移例を示している。ツールボタン43の押下後、表示部41の表示は階層1に遷移する。階層1においてユーザが第1操作部61を押下すると、「お手入れ」が選択され階層2に遷移する。「お手入れ」とは、誘導加熱調理器1のグリル44庫内を加熱して油汚れを焼き切ることにより、清掃を行う動作モードである。階層2においてユーザが第4操作部67を押下すると、加熱が開始される。
図12では、階層1及び階層2の表示は破線12aで囲まれている。また図12では、階層2において第4操作部67が押下された後の表示部41の表示は破線12bで囲まれている。破線12a及び12bの意味は、破線8a及び8bの意味とそれぞれ同じであるから再度の説明は省略する。
図13は、ツールボタン43押下後の「レンジフード」選択時の表示部41の表示の遷移例を示している。ツールボタン43の押下後、表示部41の表示は階層1に遷移する。階層1においてユーザが第2操作部63を押下すると、「レンジフード」が選択され階層2に遷移する。「レンジフード」とは、誘導加熱調理器1からレンジフード(図示せず)を操作する動作モードである。誘導加熱調理器1からレンジフードに制御線が接続され、制御線を介した制御信号により、レンジフードのファンを回転させることができる。
図13では、階層1及び階層2の表示は破線12aで囲まれており、これらの階層でホームキー50が押下されると表示部41の表示はホーム画面に戻る。図13の例では、ホームキー50押下時にホーム画面への遷移は禁止されない。加熱処理のような、誘導加熱調理器1の動作を制約する動作モードではないからである。
図14は、ツールボタン43押下後の「設定」選択時の表示部41の表示の遷移例を示している。ツールボタン43の押下後、表示部41の表示は階層1に遷移する。階層1においてユーザが第3操作部65を押下すると、「設定」が選択され階層2に遷移する。「設定」とは、誘導加熱調理器1の動作に関する設定項目を調整する動作モードである。階層2には合計13の設定項目が例示されている。各設定項目は一例に過ぎないため、詳細の説明は省略する。
ユーザが、例えば「音声音量設定」の設定項目が選択された状態で第4操作部67を押下すると、表示部41の表示は、「音声音量設定」の設定内容を変更するための階層3に遷移する。ユーザが、第2操作部63及び第3操作部65を利用して好みの音声音量を設定し再度第4操作部67を押下すると、設定は完了する。このとき表示部41には「設定しました。」というメッセージが表示され、3秒後、自動的に表示部41はホーム画面に遷移する。
図14の例では、階層1~3の表示が破線14aで囲まれている。これらの任意の階層でホームキー50が押下されると表示部41の表示はホーム画面に戻る。「設定」項目選択時は、誘導加熱調理器1の動作を制約する動作モードではないため、図13の例と同様、ホームキー50押下時にホーム画面への遷移は禁止されない。
誘導加熱調理器1の操作制御部37の処理は図15Aまたは図15Bの処理として説明し得る。
図15Aは、ホーム画面への遷移処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、例えば誘導加熱調理器1の電源スイッチ22が押下された直後に行われる。
ステップS10において、操作制御部37は表示部41にホーム画面を表示する。
ステップS11において、操作制御部37は、第1操作部61等の選択キーへの入力を受け付けると、表示部41のホーム画面の表示を、下位の階層の表示に切り替えて、当該選択キーに対応するメニュー項目を表示する。
ステップS12において、操作制御部37はホームキー50への入力を受け付けると、現在の階層にかかわらず表示部41にホーム画面を表示し、処理を終了する。
既に定義したように、「切り替え」とは、表示部41に表示されている内容を全く書き換えて新たな内容を表示することを意味する。上述のステップS11では、ホーム画面の表示が下位の階層の表示に切り替えられる。そのため、操作制御部37は全ての表示領域にわたって新たな内容を表示できるという利点がある一方、ユーザにとっては現在のメニュー項目の位置または階層が把握しにくくなり、操作上の迷いが生じやすくなる場合がある。そのような場合、ホームキー50を用いた上述の処理を行えば、ユーザが下位のどの階層で操作に迷いが生じても、容易に表示部41の表示をホーム画面に戻すことができる。これにより、ユーザの操作性を向上させることが可能になる。
図15Bは、図15Aの応用例による、ホーム画面への遷移処理の手順を示すフローチャートである。図15Aの処理と同じ処理には同じ参照符号を付し説明は省略する。
ステップS11の後のステップS20において、操作制御部37は、ホームキー50への入力があるかどうかを判定する。入力がない場合には処理はステップS11に戻り、引き続き、選択キーへの入力を待つ。入力がある場合には処理はステップS21に進む。
ステップS21において、操作制御部37は、加熱調理中かどうかを判定する。加熱調理中でなければ操作制御部37はステップS12の処理を実行する。加熱調理中であれば、操作制御部37は処理を終了する。すなわち、ホームキー50の押下を受け付けたものの、操作制御部37は、表示部41の表示をホーム画面に変化させない。このような処理を、本明細書では、ホーム画面への遷移を禁止する、と表現している。
なお、図15Bには明示していないが、加熱調理が終了した場合には、操作制御部37は、ユーザの入力に応じて表示部41の表示内容を変化させてもよい。
これまでは、誘導加熱調理器1の操作パネル40及び表示部41に関する操作及び表示に関して説明した。操作パネル40及び表示部41以外の構成、例えば天面操作部及び天面表示部の構成、は任意であり、図4に示すように、トッププレート5にホームキーが設けられている必要はなかった。
以下では、これまでの構成及び動作に加え、トッププレート5にもホームキー60を設けた応用例を説明する。
図16は、トッププレート5上の天面操作部20及び天面表示部24の近傍にホームキー60を設けた例を示している。ホームキー60の機能は、ホームキー50と同じである。すなわち、操作制御部37は、天面表示部24に、階層化されたメニュー項目の最上位の階層の画面であるホーム画面を表示する。そして、天面操作部20が天面操作部20を構成する1以上の選択キー51~57への入力を受け付けると、ホーム画面の表示を下位の階層の表示に切り替える。そして操作制御部37は、天面操作部20がホームキー60への入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層に関わらず、ホーム画面を表示する。上記処理は、図15Aの処理に対応する。同様に操作制御部37は、図15Bに対応する処理を、図16に示す天面操作部20、天面表示部24及びホームキー60を利用した処理として実行してもよい。
図17は、天面表示部24のホーム画面からの表示の遷移例を示している。図8等の例と同様、階層0が天面表示部24のホーム画面を示している。いま、第3操作部55が押下されると、天面表示部24の表示は、天面表示部24に対応する加熱コイル8のメニューである「加熱」に遷移する。階層1では、第3操作部55が押下されるたびに「揚げ物」、「焼き物」等の加熱に関するメニュー項目が切り替わる。
加熱に関するメニュー項目のうちの、例えば「焼き物アシスト」が表示されている状態で第4操作部57が押下されると、階層2に進み、天面表示部24には「焼き物アシスト」の詳細なメニュー項目が表示される。本例では、階層2には10個の調理メニュー項目が選択可能である。
調理メニュー項モックのうちの、例えば「フレンチトースト」が表示されている状態で第4操作部57が押下されると、誘導加熱調理器1は余熱動作を開始する。すなわち加熱が開始される。
図8の例と同様、図17においても、階層1及び階層2の表示を囲む破線17aが示されている。破線17aは、天面表示部24が破線17a内の内容を表示しているときにユーザがホームキー60を押下すると、天面表示部24の表示が階層0のホーム画面に遷移する範囲を意味する。すなわち本体操作部37がホームキー60への入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層が階層1であるか階層2であるかに関わらず、ホーム画面を表示する。
一方、階層2から加熱が開始されると、天面表示部24の表示画面は、破線17bで囲まれる表示内容に遷移する。破線17bは、天面表示部24が破線17b内の内容を表示しているときにユーザがホームキー60を押下しても、天面表示部24の表示は階層0のホーム画面に遷移しないことを意味する。換言すると、破線17bは、加熱制御部35が加熱コイル8に電力を供給している間に、操作制御部37がホームキー60への入力を受け付けたときは、ホーム画面への遷移を禁止することを意味する。その結果、加熱コイル8による加熱は継続される。
以上説明したように、天面操作部20及び天面表示部24に対してもホームキー60を設け、加熱中などの所定の場合を除き、ホームキー60が押下されると現在の階層にかかわらずホーム画面に遷移するよう、操作制御部37に制御させてもよい。
なお、ここでは天面操作部20及び天面表示部24の近傍にホームキー60を設ける構成例を挙げたが、他の構成を採用してもよい。例えば天面操作部19及び天面表示部23、または、天面操作部21及び天面表示部25にホームキー60を設けてもよい。あるいは、対応する天面操作部及び天面表示部の全部または任意の一部の組み合わせについてホームキー60を設けてもよい。
以上、本開示にかかる誘導加熱調理器の実施形態を説明した。上述したフローチャートによる処理は、コンピュータプログラムによって制御部31の動作として実現される。そのようなコンピュータプログラムは、記憶部33に記憶され、制御部31によって実行され得る。
(3)態様
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、上記実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、誘導加熱調理器(1)であって、本体(3)と、被加熱物を誘導加熱する加熱コイル(7、8および/または9)と、加熱コイルとともに本体の上面に載置されたトッププレート(5)と、本体の側面に設けられ、ホームキー(50)及び1以上の選択キー(61,63、65および/または67)を含む複数のキーでユーザの入力を受け付ける本体操作部(42、43および/または50)と、側面に設けられた表示部(41)と、本体操作部が受け付けた入力を処理して、表示部の表示を制御する操作制御部(37)とを備えている。操作制御部は、表示部に、階層化されたメニュー項目の最上位の階層の画面であるホーム画面(図6B)を表示し、本体操作部が1以上の選択キーへの入力を受け付けると、ホーム画面の表示を下位の階層(図8等の階層1)の表示に切り替え、本体操作部がホームキーへの入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層に関わらず、ホーム画面を表示する。
第2の態様は、第1の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。操作制御部は、ホーム画面を表示せず、下位の階層の画面に切り替える(図8等の階層1、2)。
第3の態様は、第2の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。操作制御部は、表示部に表示される画面の内容を複数の階層にわたって遷移させる(図8等の階層2)。
第4の態様は、第3の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。表示部に、ホーム画面から2以上離れた階層の画面が表示されている場合において、本体操作部がホームキー(50)への入力を受け付けると、操作制御部はホーム画面を表示する。
第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかに基づく誘導加熱調理器(1)である。表示部は、文字および/または図形をドットマトリクス方式で表示する表示装置を有する。
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかに基づく誘導加熱調理器(1)である。誘導加熱調理器(1)は、本体の側面に設けられたグリル(44)であって、グリル用加熱部を有するグリル(44)と、加熱コイル及びグリル用加熱部による加熱を制御する加熱制御部(35)とをさらに備えている。加熱制御部がグリル用加熱部に電力を供給している間に操作制御部がホームキー(50)への入力を受け付けたときは、ホーム画面への遷移を禁止する。
第7の態様は、第6の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。トッププレートは、1以上の天面用選択キーを有し、1以上の天面用選択キーでユーザの入力を受け付ける天面操作部、及び表示部の表示領域よりも狭い表示領域を有する天面表示部をさらに備えている。操作制御部は、天面操作部が受け付けた入力を処理して、天面表示部の表示を制御する。
第8の態様は、第7の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。天面操作部は、天面用ホームキー(60)をさらに有している。操作制御部は、天面表示部に、階層化されたメニュー項目の最上位の階層の画面である天面ホーム画面(図16)を表示し、天面操作部が1以上の天面用選択キー(51、53、55および/または57)への入力を受け付けると、天面ホーム画面を下位の階層の画面(図17の階層1)に切り替え、本体操作部が天面用ホームキーへの入力を受け付けると、天面ホーム画面に現在表示されている画面の階層に関わらず、天面ホーム画面を表示する。
第9の態様は、第8の態様に基づく誘導加熱調理器(1)である。加熱制御部が本体の天面に配置された加熱コイル(7、8および/または9)に電力を供給している間に本体操作部が天面用ホームキーへの入力を受け付けたときは、天面ホーム画面への遷移を禁止する。
第10の態様は、第1から第9の態様のいずれかに基づく誘導加熱調理器(1)である。本体操作部は本体の内部に収容可能である。
第11の態様は、誘導加熱調理器(1)の操作制御部(37)によって実行されるコンピュータプログラム(15A)である。誘導加熱調理器は、本体(3)と、被加熱物を誘導加熱する加熱コイル(7、8および/または9)と、加熱コイルとともに本体の上面に載置されたトッププレート(5)と、本体の側面に設けられ、ホームキー(50)及び1以上の選択キー(61,63、65および/または67)を含む複数のキーでユーザの入力を受け付ける本体操作部(42、43およびは50)と、側面に設けられた表示部(41)と、本体操作部が受け付けた入力を処理して、表示部の表示を制御する操作制御部(37)とを備えている。コンピュータプログラムは、操作制御部に、表示部に、階層化されたメニュー項目の最上位の階層の画面であるホーム画面を表示させ、本体操作部が1以上の選択キーへの入力を受け付けると、ホーム画面を下位の階層の画面に切り替えさせ、本体操作部がホームキーへの入力を受け付けると、現在表示されている画面の階層に関わらず、ホーム画面を表示させる。