JP2022083731A - 電池パック搭載車両 - Google Patents

Abstract

【課題】バッテリなどの部品配置の自由度を高めることができ、電池パックを車体に締結する締結ボルトへの工具のアクセスを容易にでき、作業工程を少なく抑えてメンテナンスの費用を低く抑えることができる電池パック搭載車両を提供する。【解決手段】電池パック搭載車両は、右左側の第２フロアクロスメンバが前座席の後部を支持し、右左側の第３フロアクロスメンバが後座席の前部を支持する。第１～第４のフロア縦フレームは、右左側の第２フロアクロスメンバおよび右左側の第３フロアクロスメンバの間において車体前後方向に延び、フロアパネルから上方に***されている。電池パックは、フロアパネルの下方に配置され、第１～第４のフロア縦フレームに固定されている。【選択図】図６

Description

本発明は、電池パック搭載車両に関する。

電池パック搭載車両として、例えば、シート（座席）を支持するフロアクロスメンバが三分割され、三分割されたフロアクロスメンバの接合部に締結ブラケットが設けられ、締結ブラケットに電池パックのバッテリクロスメンバが支持される構成が開示されている。電池パックは、バッテリクロスメンバが締結ブラケットを介してフロアクロスメンバに支持された状態においてフロアパネルの下方（すなわち、床下）に配置されている（例えば、特許文献１参照）。

バッテリクロスメンバをフロアクロスメンバで支持することにより、電池パックをフロアクロスメンバに強固に支持できる。また、フロアクロスメンバが三分割されることにより、三分割されたフロアクロスメンバのプレス成形を容易にできる。さらに、三分割されたフロアクロスメンバの接合部に締結ブラケットが設けられている。よって、例えば、側面衝突により入力する衝撃荷重（以下、側突荷重ということもある。）の分散を促進することが可能である。

特開２０１８－１９３００３号公報

しかし、特許文献１に記載の電池パック搭載車両によれば、例えば、フロアクロスメンバに対してバッテリクロスメンバを車体前後方向において位置を合わせようとすると、座席の位置に合わせて電池パックを配置する必要がある。このため、座席の位置を基準にして電池パックが配置されるために、電池パックのバッテリなどの部品配置（レイアウト）の自由度（特に、縦長のバッテリにおける長手方向を車体前後方向として配置するなどの自由度）が制限される。
この対策として、例えば、電池パックの車体に対する配置位置を優先する構成とした場合、車体のフロアクロスメンバの位置が通常のガソリン車に対し、電気自動車が専用設計となり、プラットフォームの共用化ができない。一方、電池パックのバッテリクロスメンバを車体のフロアクロスメンバに合わせると、バッテリの種類やサイズ、容量が制限される。

また、電池パックは、例えば、バッテリクロスメンバを締結ブラケットに締結する締結部位が車両の車体前後方向において中央部に位置する。よって、車両の車体前後方向において中央の締結部位を下方から締結する必要がある。このため、バッテリクロスメンバの締結部位にアクセスする距離が遠くなり作業性に影響を与えることが考えられる。
この対策として、例えば、車両の上部（すなわち、フロアパネルの上方）から電池パックの締結部を締結可能に構成することが考えられる。しかし、例えば、電池パックの締結部が座席の下方に位置することが考えられる。このため、電池パックの脱着の際に、座席を車体前後方向にスライド（移動）させたり、シートを車体から取り外したりする必要があり、作業工程が増えることによりメンテナンス費が増加する。

本発明は、バッテリなどの部品配置（レイアウト）の自由度を高めることができ、さらに、電池パックを車体に締結する締結ボルトへの工具のアクセスを容易にでき、加えて、作業工程を少なく抑えることによりメンテナンスの費用を低く抑えることができる電池パック搭載車両を提供することを目的とする。

前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
（１）本発明に係る電池パック搭載車両は、車両（例えば、実施形態の電池パック搭載車両Ｖｅ）の床部を形成するフロアパネル（例えば、実施形態のフロアパネル２３）から上方に***されて車幅方向に延び、前座席（例えば、実施形態の右側の前座席ＦＳ１、左側の前座席ＦＳ２）の後部を支持する第２フロアクロスメンバ（例えば、実施形態の右側の第２フロアクロスメンバ４５、左側の第２フロアクロスメンバ４５）と、前記第２フロアクロスメンバの車体後方において前記第２フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延び、かつ、前記フロアパネルから上方に***され、後座席（例えば、実施形態の後座席ＲＳ）の前部を支持する第３フロアクロスメンバ（例えば、実施形態の右側の第３フロアクロスメンバ４６、左側の第３フロアクロスメンバ４６）と、前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバの間において車体前後方向に延びるフロア縦フレーム（例えば、実施形態の第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８）と、前記フロア縦フレームおよび前記フロアパネルの床下に配置され、バッテリモジュール（例えば、実施形態のバッテリモジュール８２）を収納するバッテリケース（例えば、実施形態のバッテリケース８１）が前記フロア縦フレームに上下に固定された電池パック（例えば、実施形態の電池パック２０）と、を備えている。

この構成によれば、第２フロアクロスメンバの車体後方に第３フロアクロスメンバを備えた。また、第２フロアクロスメンバおよび第３フロアクロスメンバの間にフロア縦フレームを設け、フロア縦フレームを車体前後方向に延ばした。さらに、第２フロアクロスメンバで前座席の後部（後脚部）を支持し、第３フロアクロスメンバで後座席の前部（前脚部）を支持するようにした。また、フロア縦フレームに、電池パックのバッテリケースを上下に固定した。これにより、電池パックのバッテリなどの部品配置（レイアウト）の自由度を車体前後方向において高めることができる。
特に、電池パックのバッテリなどの部品配置の自由度を車体前後方向において高めることにより、例えば、車両の走行時に、バッテリケースに発生する上下方向へ振動のうち最大振幅位置を車体に固定できる。

また、例えば、電池パックのバッテリケースをフロア縦フレームに締結（固定）する締結ボルトなどを、前座席および後座席の間の室内側の空間に配置できる。これにより、電池パックを車体に締結する締結ボルトへの工具のアクセスを容易にできる。
さらに、電池パックを締結する締結ボルトなどを、前座席および後座席の間の空間に配置することにより、電池パックを脱着する際に、例えば、前座席を車体前後方向にスライド（移動）させたり、前座席や後座席を外したりする必要がない。
これにより、組立順番の制約を少なくでき、かつ、作業工程を少なく抑えることにより作業時間の短縮が可能になり、メンテナンス（保守点検）の費用を低く抑えることができる。

（２）前記第２フロアクロスメンバの車体前方において前記第２フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延び、前記前座席の前部を支持する第１フロアクロスメンバ（例えば、実施形態の第１フロアクロスメンバ４４）と、前記第３フロアクロスメンバの車体後方において前記第３フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延びる第４フロアクロスメンバ（例えば、実施形態の第４フロアクロスメンバ４７）と、前記第１フロアクロスメンバ、前記第２フロアクロスメンバ、前記第３フロアクロスメンバ、および前記第４フロアクロスメンバに車幅方向外側から接合され、車体前後方向に延びるサイドシル（例えば、実施形態の右側のサイドシル３１、左側のサイドシル３１）と、前記第１フロアクロスメンバおよび前記第４フロアクロスメンバを車体前後方向において連結し、かつ、前記フロアパネルから上方に***され、前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバを車幅方向の左右側に分割するフロアトンネル（例えば、実施形態のフロアトンネル２４）と、前記第１フロアクロスメンバから車体前方に向けて延びるフロントサイドフレーム（例えば、実施形態の右側のフロントサイドフレーム３６、左側のフロントサイドフレーム３６）と、を備え、前記フロントサイドフレームは、車体前後方向に延びる前フレーム部（例えば、実施形態の前フレーム部３７）と、前記前フレーム部の後端部（例えば、実施形態の後端部３７ａ）から車体後方へ向うに従って車幅方向外側へ傾斜状に延びて、前記サイドシルの前部（例えば、実施形態の前部３１ａ）に接合される外側延長部（例えば、実施形態の右側の外側延長部３８、左側の外側延長部３８）と、前記前フレーム部の前記後端部から車体後方へ向うに従って車幅方向内側へ傾斜状に延びて、前記第１フロアクロスメンバに接合される内側延長部（例えば、実施形態の右側の内側延長部３９、左側の内側延長部３９）と、を備え、前記前フレーム部、前記外側延長部、および前記内側延長部により平面視においてＹ字フレームに形成され、前記第１フロアクロスメンバ、前記第４フロアクロスメンバ、および前記サイドシルで形成された平面視矩形枠体の内部に前記バッテリケースが配置されていてもよい。

この構成によれば、第１フロアクロスメンバ、第２フロアクロスメンバ、第３フロアクロスメンバ、および第４フロアクロスメンバに車幅方向外側からサイドシルを接合（結合）した。また、第１フロアクロスメンバおよび第４フロアクロスメンバをフロアトンネルで車体前後方向において連結した。さらに、フロントサイドフレームをＹ字フレームに形成し、外側延長部をサイドシルの前部に接合し、内側延長部を第１フロアクロスメンバに接合した。加えて、第１フロアクロスメンバで前座席の前部（前脚部）を支持するようにした。
さらに、第１フロアクロスメンバ、第４フロアクロスメンバ、およびサイドシルで形成された平面視矩形枠体の内部にバッテリケースを配置した。

ここで、第１～第４のフロアクロスメンバ、サイドシル、フロントサイドフレーム、フロアトンネルは、剛性の高い車体骨格の一部を構成する部材である。また、前座席の前部も剛性の高い部材である。これにより、バッテリケースを車体骨格の一部を構成する矩形枠体の内部に配置でき、前面衝突や側面衝突により入力する衝撃荷重からバッテリケース（特に、バッテリモジュール）を保護できる。
以下、前面衝突により入力する衝撃荷重を「前突荷重」、側面衝突により入力する衝撃荷重を「側突荷重」ということがある。

例えば、前面衝突によりフロントサイドフレームに車体前方から前突荷重が入力した場合には、前突荷重の一部がフロントサイドフレームの外側延長部を経てサイドシルの前部に伝達され、サイドシルで支えられる。また、前突荷重の残りは、フロントサイドフレームの内側延長部を経て第１フロアクロスメンバに伝達される。第１フロアクロスメンバには前座席の前部およびフロアトンネルが連結（接合）されている。よって、第１フロアクロスメンバに伝達された荷重は、前座席の前部およびフロアトンネルで支えられる。

また、側面衝突によりサイドシルに車体側方から側突荷重が入力した場合には、側突荷重がサイドシルを経て第１～第４のフロアクロスメンバに伝達され、第１～第４のフロアクロスメンバで支えられる。
これにより、バッテリケース（特に、バッテリモジュール）を前突荷重や側突荷重から保護できる。

（３）前記フロアパネルは、前記前座席に着座した乗員（例えば、実施形態の乗員６６，６８）の足置き場（例えば、実施形態の第１前足置き場６１、第２前足置き場６３）の車体後方において、上方に***されたフロア部（例えば、実施形態のメインフロア部７３）の下方に前記バッテリケースを収納する収納空間（例えば、実施形態の収納スペース７８）を形成してもよい。

この構成によれば、フロアパネルは、前座席に着座した乗員の足置き場の車体後方においてフロア部を上方に***した。これにより、前座席に着座した乗員の足置き場をフロア部より低く下げて、乗員の足元スペースを確保できる。
また、前座席に着座した乗員の足置き場の車体後方においてフロア部を上方に***することにより、フロア部の下方の電池パックを収納する収納スペース（収納空間）を大きく確保できる。これにより、フロア部の下方に、十分な容量のバッテリモジュールを備えた電池パックを収納できる。
このように、前座席の乗員の足元スペースを確保し、かつ、十分な容量のバッテリモジュールを収納できるようにフロア部を上方に***させて車室側に取り込むことにより、電池パック搭載車両の車体をコンパクトに構成できる。

（４）前記バッテリケースは、前記フロア縦フレームに上下に固定されるトレークロスメンバ（例えば、実施形態のロアクロスメンバ９３、アッパクロスメンバ９６）を備えていてもよい。

この構成によれば、バッテリケースのクロスメンバを、フロア縦フレームに上下に固定した。よって、クロスメンバ（すなわち、電池パック）のレイアウトの自由度を車体前後方向において高めることができる。これにより、クロスメンバを、クロスメンバの車体前方と車体後方とにバッテリを均等に配置できる位置で、かつ、フロア縦フレームに固定できる位置に配置できる。
このように、クロスメンバの前方と後方とにバッテリを均等に配置することにより、バッテリケース（すなわち、電池パック）を小型化できる。

（５）前記電池パックは、前記フロアトンネルのうち車体前方の内部に配置される第１バッテリ補機（例えば、実施形態の第１バッテリ補機８３１）と、前記第１バッテリ補機の車体後方に設けられ、前記フロアトンネルのうち車体後方の内部に配置される第２バッテリ補機（例えば、実施形態の第２バッテリ補機８３２）と、前記第１バッテリ補機および前記第２バッテリ補機を接続し、前記フロアトンネルの内部において前記第２フロアクロスメンバを跨いで車体前後方向に延びる高圧電線（例えば、実施形態の電気配線８４）と、を備え、前記第１バッテリ補機は、前記第２バッテリ補機に比べて上方に高く形成されていてもよい。

この構成によれば、フロアトンネルのうち車体前方の内部に第１バッテリ補機を下方から配置し、フロアトンネルのうち車体後方の内部に第２バッテリ補機を下方から配置した。よって、第１バッテリ補機および第２バッテリ補機をバッテリモジュールの上方に配置できる。これにより、例えば、バッテリモジュールの周囲に第１バッテリ補機および第２バッテリ補機を配置する必要がなく、電池パックを小型化した状態で、バッテリの容量を十分に確保できる。
以下、フロアトンネルのうち車体前方の内部を「前トンネル部の内部」、フロアトンネルのうち車体後方の内部を「後トンネル部の内部」ということもある。

また、第１バッテリ補機および第２バッテリ補機を、前トンネル部の内部および後トンネル部の内部に振り分けて配置した。さらに、振り分けた第１バッテリ補機および第２バッテリ補機を高圧電線で接続した。ここで、前トンネル部および後トンネル部は、第２フロアクロスメンバの車体前後方向に振り分けて形成されている。すなわち、車体前後方向において、高圧電線を第２フロアクロスメンバに対して跨ぐ位置に配置し、第１バッテリ補機および第２バッテリ補機を第２フロアクロスメンバから離して配置できる。
よって、フロアトンネルにおいて、第２フロアクロスメンバに相当する部位のみを他の部位より低く抑えることができる。これにより、第２フロアクロスメンバの剛性、強度を、側面衝突により車両の側部から入力する荷重に対して確保でき、側面衝突による側突荷重からバッテリ、第１バッテリ補機および第２バッテリ補機などを保護できる。

さらに、第１バッテリ補機は、第２バッテリ補機に比べて上方に高く形成されている。以下、第２バッテリ補機より高い第１バッテリ補機を「背の高い第１バッテリ補機」、第１バッテリ補機より低い第２バッテリ補機を「背の低い第２バッテリ補機」ということもある。背の高い第１バッテリ補機としては、例えば、高圧ジャンクションボード、背の低い第２バッテリ補機としては、例えば、遮断スイッチが挙げられる。

背の高い第１バッテリ補機は、前トンネル部の内部に配置されている。ここで、例えば、前トンネル部を、前座席のうち左右の座席の間（具体的には、運転席と助手席との間）のセンターコンソールの内部に収納することにより、センターコンソールの内部に背の高い第１バッテリ補機を収納できる。
また、背の低い第２バッテリ補機は、後トンネル部の内部に配置されている。よって、後トンネル部の高さを低く抑えることができる。後トンネル部は、前部座席の車体後方から後座席の車幅方向中央部（の下方）まで延びている。これにより、後トンネル部の高さを低く抑えることにより、後座席の車体前方のスペースを広く確保できる。
このように、背の高い第１バッテリ補機および背の低い第２バッテリ補機をフロアトンネルの内部において車体前後方向に振り分けて配置することにより、車両の室内空間を広くできる。

（６）前記第２フロアクロスメンバは、前記フロアトンネルの車幅方向の両側に一対設けられ、前記フロアトンネルの内部には、一対の前記第２フロアクロスメンバに連結する第１補強材（例えば、実施形態の第１補強材２４５）と、前記フロアパネルに連結する第２補強材（例えば、実施形態の第２補強材２４６）と、を備え、前記第１補強材および前記第２補強材が正面視でＸ字状に形成されていてもよい。

この構成によれば、フロアトンネルのうち一対の第２フロアクロスメンバに対応する部位（以下、中央トンネル部ということもある。）の内部に第１補強材および第２補強材をＸ字状に設けた。よって、中央トンネル部の内部において、第１補強材および第２補強材の剛性、強度を確保できる。また、第１補強材を、フロアトンネルの両側に設けた一対の第２フロアクロスメンバに連結させた。さらに、第２補強材を、フロアトンネルの両側に設けた一対のフロアパネルに連結させた。
ここで、第１補強材および第２補強材はＸ字状に設けられている。よって、例えば、側面衝突により第２フロアクロスメンバを経て入力する荷重を第１補強材および第２補強材で支持できる。これにより、例えば、第１補強材や第２補強材の板厚を厚くしてフロアトンネルを補強する必要がなく、第１補強材や第２補強材の耐力を低く抑えて軽量にできる。

（７）前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバは、前記サイドシルまで各端部（例えば、実施形態のクロスメンバ右端部４５ａ、クロスメンバ左端部４５ｃ、クロスメンバ右端部４６ａ、クロスメンバ左端部４６ｃ）が車幅方向外側へ向けて下方に傾斜され、前記第２フロアクロスメンバの前記端部とともに前記フロアパネルを挟むように前記フロアパネルの下方に設けられた第１傾斜メンバ（例えば、実施形態の傾斜メンバ４８）と、を備え、前記第３フロアクロスメンバの前記端部とともに前記フロアパネルを挟むように前記フロアパネルの下方に設けられた第２傾斜メンバ（例えば、実施形態の傾斜メンバ４８）と、を備え、前記第１傾斜メンバは、前記フロアパネルとともに前記サイドシルまで閉断面（例えば、実施形態の傾斜閉断面４９）を形成する、前記第２傾斜メンバは、前記フロアパネルとともに前記サイドシルまで閉断面（例えば、実施形態の傾斜閉断面４９）を形成してもよい。

この構成によれば、第２フロアクロスメンバおよび第３フロアクロスメンバの各端部を車幅方向外側へ向けてサイドシルまで下方に傾斜させた。また、フロアパネルの下方に第１傾斜メンバおよび第２傾斜メンバを設けた。さらに、第１傾斜メンバおよびフロアパネルでサイドシルまで延びる閉断面を形成し、第２傾斜メンバおよびフロアパネルでサイドシルまで延びる閉断面を形成した。よって、フロアパネルのうちサイドシルの近傍部位を、第２フロアクロスメンバおよび第１傾斜メンバで補強でき、第３フロアクロスメンバおよび第２傾斜メンバで補強できる。

フロアパネルのうちサイドシルの近傍部位を補強する理由はつぎの通りである。すなわち、例えば、電池パックの上下方向の高さを大きくし、さらに、乗員の乗降を容易にするためには、フロアパネルをサイドシルの上端に沿って接合することが好ましい。しかし、フロアパネルをサイドシルの上端に沿って接合した場合、側面衝突により入力する側突荷重に対して、サイドシルの近傍部位の剛性、強度を確保することが難しい。
そこで、フロアパネルのうちサイドシルの近傍部位を、第２フロアクロスメンバおよび第１傾斜メンバで補強し、さらに、第３フロアクロスメンバおよび第２傾斜メンバで補強して、剛性、強度を確保するようにした。
これにより、例えば、電池パックの上下方向の高さを大きくし、さらに、乗員の乗降を容易にするために、フロアパネルをサイドシルの上端に沿って形成した場合でも、側面衝突により入力する荷重をフロアクロスメンバや傾斜メンバで支持できる。

（８）前記第１傾斜メンバおよび前記フロアパネルで形成される前記閉断面は、前記第２フロアクロスメンバの前記端部と前記フロアパネルとにより形成される閉断面（例えば、実施形態のクロスメンバ傾斜閉断面４３）より大きく、前記第２傾斜メンバおよび前記フロアパネルで形成される前記閉断面は、前記第３フロアクロスメンバの前記端部と前記フロアパネルとにより形成される閉断面（例えば、実施形態のクロスメンバ傾斜閉断面４３）より大きくしてもよい。

この構成によれば、第１傾斜メンバの閉断面を第２フロアクロスメンバの閉断面より大きくした。また、第２傾斜メンバの閉断面を第３フロアクロスメンバの閉断面より大きくした。よって、側面衝突により入力した荷重で、第１傾斜メンバや第２傾斜メンバをフロアクロスメンバに対して下方に折り曲げるように変形できる。これにより、側面衝突による側突エネルギー（衝撃エネルギー）を第１傾斜メンバや第２傾斜メンバで吸収できる。

（９）前記フロア縦フレームは、車幅方向に間隔をあけて複数設けられ、前記フロアパネルは、少なくとも車幅方向に隣接する前記フロア縦フレームの間に、ビード形状に上方へ膨出するビード部（例えば、実施形態の第１ビード部７６、第２ビード部７７）を有していてもよい。

この構成によれば、フロア縦フレームの間にビード部を設け、ビード部を上方へ膨出させた。これにより、例えば、前座席と後座席との間にフレーム縦フレームが上方に***されていても、フレーム縦フレームと同様に、上方に膨出するビード部により、乗員の歩行に耐える平坦面を形成できる。

（１０）前記バッテリケースは、前記フロントサイドフレームの前記内側延長部に固定された前部（例えば、実施形態の前フレーム１０１）と、前記第４フロアクロスメンバに固定された後部（例えば、実施形態の後フレーム１０２）と、前記サイドシルに固定された右側部（例えば、実施形態の右側フレーム１０３）および左側部（例えば、実施形態の左側フレーム１０４）と、前記フロア縦フレームに固定された車体前後方向の中央部（例えば、実施形態のロアクロスメンバ９３、アッパクロスメンバ９６）と、を備えていてもよい。

この構成によれば、バッテリケースの前部をフロントサイドフレームの内側延長部に固定した。また、バッテリケースの後部を第４フロアクロスメンバに固定し、電池パックの右側部および左側部をサイドシルに固定した。さらに、バッテリケースの中央部をフロア縦フレームに固定した。これにより、バッテリケースの内部にバッテリモジュールの収納空間を大きく確保して電池パックの電池容量を最大化でき、さらに、バッテリケース（すなわち、電池パック）をフロアパネルの下方に安定させて固定できる。

さらに、電池パックの中央部をフロア縦フレームに固定した。フロア縦フレームは車体前後方向に延びるフレームである。よって、電池パックのレイアウトを決める際に、例えば電池パックをある程度車体前後方向に移動させることが可能である。すなわち、電池パックのパック重心を車両全体の車両重心より車体後方に配置できる。これにより、例えば、バッテリモジュールに対する、車両の側部に入力する側突荷重による回転モーメントを小さく設定でき、側面衝突による電池パックへの衝撃を緩和できる。

（１１）前記第１バッテリ補機は高圧ジャンクションボード、前記第２バッテリ補機は遮断スイッチであってもよい。

ここで、第２バッテリ補機はフロアトンネルの車体後方（すなわち、後トンネル部）に配置されている。後トンネル部は、例えば前座席と後座席との間の空間に配置されている。そこで、この構成において、第２バッテリ補機を遮断スイッチとした。よって、遮断スイッチを前座席と後座席との間の空間に配置できる。これにより、例えば、前座席や後座席を移動させることなく遮断スイッチを操作できるので、電池パックのメンテナンス作業（保守点検作業）が容易になる。

（１２）前記バッテリケースは、前記バッテリモジュールが配置されるトレー（例えば、実施形態のケース部９２）を備え、前記トレーは、前記サイドシルに固定される前記左側部および前記右側部を形成するサイドフレーム（例えば、実施形態の右側フレーム１０３、左側フレーム１０４）と、前記サイドフレームと前記バッテリモジュールとの間に設けられ、側面衝突の荷重で底部（例えば、実施形態のケース底部１０８）が変形することにより衝撃エネルギーを吸収可能なトレー変形部（例えば、実施形態の易変形部１６１）と、を備えていてもよい。

この構成によれば、サイドシルに固定されたサイドフレームと、バッテリモジュールとの間にトレー変形部を設けた。さらに、側面衝突の荷重でトレー変形部を変形することにより衝撃エネルギーを吸収可能とした。これにより、側面衝突の荷重によるバッテリモジュールへの干渉を低減できる。
さらに、例えば、車体の車幅方向外側に設けられたサイドシルなどの車体フレーム（骨格部材）への補強を不要にできる。これにより、車体の耐力を低く抑えて車体を軽量化できる。

本発明によれば、バッテリなどの部品配置（レイアウト）の自由度を高めることができ、さらに、電池パックを車体に締結する締結ボルトへの工具のアクセスを容易にでき、加えて、作業工程を少なく抑えることによりメンテナンスの費用を低く抑えることができる。

本発明に係る一実施形態の電池パック搭載車両を左側方からみた概略図である。 本発明に係る一実施形態の電池パック搭載車両を斜め前方からみた斜視図である。 一実施形態の電池パック搭載車両を示す底面図である。 図２の電池パック搭載車両をＩＶ－ＩＶ線で破断した断面図である。 図２の電池パック搭載車両をＶ－Ｖ線で破断した斜視図である。 一実施形態の電池パック搭載車両の前座席および後座席の位置関係を説明する斜視図である。 一実施形態の電池パックからケースカバーを外した状態を示す分解斜視図である。 一実施形態の電池パック搭載車両を電池パックの第１境界部で破断した斜視図である。 図２の電池パック搭載車両をＩＸ－ＩＸ線で破断した断面図である。 図４のＸ部を拡大した断面図である。 一実施形態の電池パックの易変形部を変形する例を説明する断面図である。

以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る電池パック搭載車両を説明する。図面において、矢印ＦＲは車両の前方、矢印ＵＰは車両の上方、矢印ＬＨは車両の左側方を示す。また、電池パック搭載車両は、概ね左右対称の構成である。よって、以下、左右の構成部材に同じ符号を付して説明する。

＜車両本体＞
図１から図３に示すように、電池パック搭載車両Ｖｅは、車両本体（以下、車体１０ということもある）１０と、電池パック２０と、を備えている。以下、電池パック搭載車両Ｖｅを単に「車両Ｖｅ」ということもある。
車両本体１０は、サイドシルユニット２２と、フロアパネル２３と、フロアトンネル２４と、フロントサイドフレームユニット２５と、リヤフレームユニット２６と、フロアクロスメンバユニット２７と、フロア縦フレームユニット２８と、を備えている。

サイドシルユニット２２は、右側のサイドシル（サイドシル）３１と、左側のサイドシル（サイドシル）３１と、を備えている。右側のサイドシル３１は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。右側のサイドシル３１は、車幅方向右外側に設けられ、フロアパネル２３の車幅方向右外側部に沿って車体前後方向に延在されている。
左側のサイドシル３１は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。左側のサイドシル３１は、車幅方向左外側に設けられ、フロアパネル２３の車幅方向左外側部に沿って車体前後方向に延びている。

左側のサイドシル３１と右側のサイドシル３１との間にフロアパネル２３が設けられている。フロアパネル２３は、平面視略矩形状の板状部材であり、車両Ｖｅの床部を形成している。フロアパネル２３は、第１フロア部３３と、第２フロア部３４と、を備えている。
第１フロア部３３は、右側のサイドシル３１とフロアトンネル２４との間の車幅方向右側に設けられている。第２フロア部３４は、左側のサイドシル３１とフロアトンネル２４との間の車幅方向左側に設けられている。
第１フロア部３３および第２フロア部３４の間にフロアトンネル２４が車体前後方向に延在されている。すなわち、第１フロア部３３および第２フロア部３４は、フロアトンネル２４の車幅方向の両側に一対設けられている。フロアトンネル２４は、フロアパネル２３から上方へ向けて***されている。フロアトンネル２４については、後で詳しく説明する。

フロントサイドフレームユニット２５は、右側のフロントサイドフレーム（フロントサイドフレーム）３６と、左側のフロントサイドフレーム（フロントサイドフレーム）３６と、を備えている。右側のフロントサイドフレーム３６および左側のフロントサイドフレーム３６は、電池パック２０より車体前方に設けられている。

右側のフロントサイドフレーム３６は、後述する第１フロアクロスメンバ４４から車体前方に向けて延びている。右側のフロントサイドフレーム３６は、右側の前フレーム部３７と、右側の外側延長部（外側延長部）３８と、右側の内側延長部（内側延長部、中央側延長部）３９と、を備えている。
右側の前フレーム部３７は、右側の外側延長部３８および右側の内側延長部３９の車体前方において車体前方に延びている。右側の外側延長部３８は、右側の前フレーム部３７の後端部３７ａから車体後方へ向うに従って車幅方向外側（右側）へ傾斜状に延びて、右側のサイドシル３１の前部３１ａに接合される。
右側の内側延長部３９は、右側の前フレーム部３７の後端部３７ａから車体後方へ向うに従って車幅方向内側（中央側）へ傾斜状に延びて、後述する第１フロアクロスメンバ４４の中央部に接合されている。また、右側の内側延長部３９は、後端部３９ａが電池パック２０の右側の前支持ブラケット１３５（後述する）に結合されている。

右側のフロントサイドフレーム３６は、右側の前フレーム部３７、右側の外側延長部３８、および右側の内側延長部３９により平面視においてＹ字フレームに形成されている。右側のフロントサイドフレーム３６は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。

左側のフロントサイドフレーム３６は、後述する第１フロアクロスメンバ４４から車体前方に向けて延びている。左側のフロントサイドフレーム３６は、左側の前フレーム部３７と、左側の外側延長部（外側延長部）３８と、左側の内側延長部（内側延長部、中央側延長部）３９と、を備えている。
左側の前フレーム部３７は、左側の外側延長部３８および左側の内側延長部３９の車体前方において車体前方に延びている。左側の外側延長部３８は、左側の前フレーム部３７の後端部３７ａから車体後方へ向うに従って車幅方向外側（左側）へ傾斜状に延びて、左側のサイドシル３１の前部３１ａに接合される。
左側の内側延長部３９は、左側の前フレーム部３７の後端部３７ａから車体後方へ向うに従って車幅方向内側（中央側）へ傾斜状に延びて、後述する第１フロアクロスメンバ４４の中央部に接合されている。また、左側の内側延長部３９は、後端部３９ａが電池パック２０の右側の前支持ブラケット１３５（後述する）に結合されている。

左側のフロントサイドフレーム３６は、左側の前フレーム部３７、左側の外側延長部３８、および左側の内側延長部３９により平面視においてＹ字フレームに形成されている。左側のフロントサイドフレーム３６は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。

リヤフレームユニット２６は、右側のリヤフレーム４１と、左側のリヤフレーム４１と、を備えている。右側のリヤフレーム４１および左側のリヤフレーム４１は、電池パック２０より車体後方に設けられている。

右側のリヤフレーム４１は、右側のサイドシル３１の後端部３１ｂから車体後方に向けて延び、平面視で概ねＪ字状に形成されている。右側のリヤフレーム４１は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。
左側のリヤフレーム４１は、左側のサイドシル３１の後端部３１ｂから車体後方に向けて延び、平面視で概ねＪ字状に形成されている。左側のリヤフレーム４１は、閉断面に形成され、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。

フロアクロスメンバユニット２７は、右側のサイドシル３１と左側のサイドシル３１との間に配置され、フロアパネル２３の上面に沿って接合されている。
フロアクロスメンバユニット２７は、第１フロアクロスメンバ４４と、右側の第２フロアクロスメンバ４５と、左側の第２フロアクロスメンバ４５と、右側の第３フロアクロスメンバ４６と、左側の第３フロアクロスメンバ４６と、第４フロアクロスメンバ４７と、を備えている。

第１フロアクロスメンバ４４は、フロアトンネル２４の前部２４ａに設けられている。右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５は、第１フロアクロスメンバ４４の車体後方において、フロアトンネル２４の車幅方向の両側に一対設けられている。

右側の第３フロアクロスメンバ４６および左側の第３フロアクロスメンバ４６は、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５の車体後方において、フロアトンネル２４の車幅方向の両側に一対設けられている。
右側の第３フロアクロスメンバ４６は、右側の第２フロアクロスメンバ４５に沿って車幅方向に延び、後述する第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６を介して連結されている。左側の第３フロアクロスメンバ４６は、左側の第２フロアクロスメンバ４５に沿って車幅方向に延び、後述する第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８を介して連結されている。
第４フロアクロスメンバ４７は、フロアトンネル２４の後端部２４ｃに設けられている。

第１フロアクロスメンバ４４の右端部、右側の第２フロアクロスメンバ４５の右端部４５ａ、右側の第３フロアクロスメンバ４６の右端部４６ａ、および第４フロアクロスメンバ４７の右端部に車幅方向右外側から右側のサイドシル３１が接合（結合）されている。
第１フロアクロスメンバ４４の左端部、左側の第２フロアクロスメンバ４５の左端部４５ｃ、左側の第３フロアクロスメンバ４６の左端部４６ｃ、および第４フロアクロスメンバ４７の左端部に車幅方向左外側から左側のサイドシル３１が接合（結合）されている。

第１フロアクロスメンバ４４は、右側のサイドシル３１の前部３１ａ近傍と、左側のサイドシル３１の前部３１ａ近傍との間のフロアパネル２３において車幅方向に延在されている。第１フロアクロスメンバ４４は、車幅方向の中央部がフロアトンネル２４の前部２４ａに接合されている。第１フロアクロスメンバ４４は、例えば、フロアパネル２３とともに閉断面を形成する。第１フロアクロスメンバ４４は、例えば、後述する右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５の車体前方において右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５に沿って車幅方向に延びている。

図２、図４に示すように、右側の第２フロアクロスメンバ４５は、右側のサイドシル３１の中央３１ｃとフロアトンネル２４の中央２４ｂとの間において車幅方向に延在されている。右側の第２フロアクロスメンバ４５は、第１フロア部３３の上面から***され、第１フロア部３３とともに閉断面を形成する。右側の第２フロアクロスメンバ４５は、右端部（端部）４５ａのうち頂部４５ｂが右側のサイドシル３１の中央３１ｃまで車幅方向右外側へ向けて下方に傾斜されている。以下、右側の第２フロアクロスメンバ４５の右端部４５ａを「クロスメンバ右端部４５ａ」ということもある。
クロスメンバ右端部４５ａと第１フロア部３３の右端部３３ａとによりクロスメンバ傾斜閉断面（閉断面）４３が形成されている。

クロスメンバ右端部４５ａの下方には傾斜メンバ（第１傾斜メンバ）４８が備えられている。傾斜メンバ４８は、クロスメンバ右端部４５ａとともに第１フロア部３３の右端部（サイドシル３１の近傍部位）３３ａを挟むように第１フロア部３３（具体的には、右端部３３ａ）の下方に設けられている。

傾斜メンバ４８は、第１フロア部３３の右端部３３ａとともに右側のサイドシル３１の中央３１ｃまで傾斜閉断面（閉断面）４９を形成する。よって、第１フロア部３３の右端部３３ａは、右側の第２フロアクロスメンバ４５および傾斜メンバ４８により補強されている。ここで、傾斜閉断面４９は、クロスメンバ傾斜閉断面４３より大きく形成されている。

以下、左側の第２フロアクロスメンバ４５、右側の第３フロアクロスメンバ４６、および左側の第３フロアクロスメンバ４６について説明する。なお、以下の説明において、クロスメンバ傾斜閉断面、傾斜メンバ、および傾斜閉断面については、便宜上、右側の第２フロアクロスメンバ４５で説明したクロスメンバ傾斜閉断面４３、傾斜メンバ４８、および傾斜閉断面４９と同じ符号を付して説明する。

左側の第２フロアクロスメンバ４５は、左側のサイドシル３１の中央３１ｃとフロアトンネル２４の中央２４ｂとの間において車幅方向に延在されている。左側の第２フロアクロスメンバ４５は、第２フロア部３４の上面から***され、第２フロア部３４とともに閉断面を形成する。左側の第２フロアクロスメンバ４５は、左端部（端部）４５ｃのうち頂部４５ｄが左側のサイドシル３１の中央３１ｃまで車幅方向左外側へ向けて下方に傾斜されている。以下、左側の第２フロアクロスメンバ４５の左端部４５ｃを「クロスメンバ左端部４５ｃ」ということもある。
クロスメンバ左端部４５ｃと第２フロア部３４の左端部３４ａとによりクロスメンバ傾斜閉断面（閉断面）４３（図示せず）が形成されている。

クロスメンバ左端部４５ｃの下方には傾斜メンバ（第１傾斜メンバ）４８（図示せず）が備えられている。傾斜メンバ４８は、クロスメンバ左端部４５ｃとともに第２フロア部３４の左端部（サイドシル３１の近傍部位）３４ａを挟むように第２フロア部３４（具体的には、左端部３４ａ）の下方に設けられている。

傾斜メンバ４８は、第２フロア部３４の左端部３４ａとともに左側のサイドシル３１の中央３１ｃまで傾斜閉断面（閉断面）４９（図示せず）を形成する。よって、第２フロア部３４の左端部３４ａは、左側の第２フロアクロスメンバ４５および傾斜メンバ４８により補強されている。ここで、傾斜閉断面４９は、クロスメンバ傾斜閉断面４３より大きく形成されている。

右側の第３フロアクロスメンバ４６は、右側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍とフロアトンネル２４の後端部２４ｃ近傍との間の第１フロア部３３において車幅方向に延在されている。右側の第３フロアクロスメンバ４６は、第１フロア部３３の上面から***され、第１フロア部３３とともに閉断面を形成する。右側の第３フロアクロスメンバ４６は、右端部（端部）４６ａのうち頂部４６ｂが右側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍まで車幅方向外側へ向けて下方に傾斜されている。以下、右側の第３フロアクロスメンバ４６の右端部４６ａを「クロスメンバ右端部４６ａ」ということもある。
クロスメンバ右端部４６ａと第１フロア部３３の右端部３３ａとによりクロスメンバ傾斜閉断面（閉断面）４３（図示せず）が形成されている。

クロスメンバ右端部４６ａの下方には傾斜メンバ（第２傾斜メンバ）４８（図示せず）が備えられている。傾斜メンバ４８は、クロスメンバ右端部４６ａとともに第１フロア部３３の右端部（サイドシル３１の近傍部位）３３ａを挟むように第１フロア部３３（具体的には、右端部３３ａ）の下方に設けられている。

傾斜メンバ４８は、第１フロア部３３の右端部３３ａとともに右側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍まで傾斜閉断面（閉断面）４９（図示せず）を形成する。よって、第１フロア部３３の右端部３３ａを右側の第３フロアクロスメンバ４６および傾斜メンバ４８により補強できる。ここで、傾斜閉断面４９は、クロスメンバ傾斜閉断面４３より大きく形成されている。

左側の第３フロアクロスメンバ４６は、左側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍とフロアトンネル２４の後端部２４ｃ近傍との間の第２フロア部３４において車幅方向に延在されている。左側の第３フロアクロスメンバ４６は、第２フロア部３４の上面から***され、第２フロア部３４とともに閉断面を形成する。左側の第３フロアクロスメンバ４６は、左端部（端部）４６ｃのうち頂部４６ｄが左側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍まで車幅方向外側へ向けて下方に傾斜されている。以下、左側の第３フロアクロスメンバ４６の左端部４６ｃを「クロスメンバ左端部４６ｃ」ということもある。
クロスメンバ左端部４６ｃと第２フロア部３４の左端部３４ａとによりクロスメンバ傾斜閉断面（閉断面）４３（図示せず）が形成されている。

クロスメンバ左端部４６ｃの下方には傾斜メンバ（第２傾斜メンバ）４８（図示せず）が備えられている。傾斜メンバ４８は、クロスメンバ左端部４６ｃとともに第２フロア部３４の左端部（サイドシル３１の近傍部位）３４ａを挟むように第２フロア部３４（具体的には、左端部３４ａ）の下方に設けられている。

傾斜メンバ４８は、第２フロア部３４の左端部３４ａとともに左側のサイドシル３１の後端部３１ｂ近傍まで傾斜閉断面（閉断面）４９（図示せず）を形成する。よって、第２フロア部３４の左端部３４ａを左側の第３フロアクロスメンバ４６および傾斜メンバ４８で補強できる。ここで、傾斜閉断面４９は、クロスメンバ傾斜閉断面４３より大きく形成されている。

なお、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５、および右左側の第３フロアクロスメンバ４６，４６の説明で、傾斜閉断面４９をクロスメンバ傾斜閉断面４３より大きくした理由については後で詳しく説明する。

第４フロアクロスメンバ４７は、右側の第３フロアクロスメンバ４６および左側の第３フロアクロスメンバ４６の車体後方において右側の第３フロアクロスメンバ４６および左側の第３フロアクロスメンバ４６に沿って車幅方向に延びている。
第４フロアクロスメンバ４７は、右側のサイドシル３１の後端部３１ｂと、左側のサイドシル３１の後端部３１ｂとの間のフロアパネル２３において車幅方向に延在されている。第４フロアクロスメンバ４７は、車幅方向の中央部がフロアトンネル２４の後端部２４ｃに接合されている。
第１フロアクロスメンバ４４、第４フロアクロスメンバ４７、右側のサイドシル３１、および左側のサイドシル３１は、平面視矩形枠体に形成されている。

図２に示すように、フロアトンネル２４は、第１フロアクロスメンバ４４、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５、右右側の第３フロアクロスメンバ４６，４６、および第４フロアクロスメンバ４７に交差して車体前後方向に延びている。実施形態では直交して延びている。
換言すれば、フロアトンネル２４は、第１フロアクロスメンバ４４および第４フロアクロスメンバ４７を車体前後方向において連結している（結んでいる）。また、フロアトンネル２４は、フロアパネル２３から上方へ向けて***されることにより、右側の第２フロアクロスメンバ４５と左側の第２フロアクロスメンバ４５とを車幅方向の左右側（両側）に分割している。さらに、フロアトンネル２４は、右側の第３フロアクロスメンバ４６と左側の第３フロアクロスメンバ４６とを車幅方向の左右側（両側）に分割している。

フロアトンネル２４は、前トンネル部２４１と、中央トンネル部２４２と、後トンネル部２４３と、を有する。前トンネル部２４１は、フロアトンネル２４の前部２４ａ近傍（すなわち、フロアトンネル２４の車体前方）において、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５より車体前方に形成されている。
中央トンネル部２４２は、前トンネル部２４１の車体後方において、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５に対応する部位（フロアトンネル２４の中央２４ｂ）に形成されている。後トンネル部２４３は、中央トンネル部２４２および右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５より車体後方（すなわち、フロアトンネル２４の車体後方）において、フロアトンネル２４の後半部に形成されている。
以下、フロアトンネル２４のうち車体前方の内部を「前トンネル部２４１の内部」、フロアトンネル２４のうち車体後方の内部を「後トンネル部２４３の内部」ということもある。

図４、図５に示すように、前トンネル部２４１は、中央トンネル部２４２、および後トンネル部２４３に比べてフロアパネル２３から上方に高く***されている。また、中央トンネル部２４２は、後トンネル部２４３に比べてフロアパネル２３から上方に低く***されている。

中央トンネル部２４２の車幅方向の両側には、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５が一対設けられている（図２も参照）。
ここで、中央トンネル部２４２は、フロアパネル２３からの高さが低く抑えられている。よって、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５の各内端部４５ｅが中央トンネル部２４２の頂部２４２ａまで延びている。これにより、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５は、中央トンネル部２４２の頂部２４２ａを介して車幅方向に一体に連続した状態に形成されている。したがって、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５は、車幅方向に対する剛性、強度が確保されている。

中央トンネル部２４２の内部には、第１補強材２４５と、第２補強材２４６と、が設けられている。第１補強材２４５および第２補強材２４６は、平坦に形成された各中央部２４５ａ，２４６ａが上下方向に重ね合わされた状態で接合されている。第１補強材２４５は、車幅方向の両端部が中央部２４５ａから車幅方向外側に向うに従って上方に傾斜している。第１補強材２４５は、車幅方向の両端部が一対の右側の第２フロアクロスメンバ４５および右側の第２フロアクロスメンバ４５の各内端部４５ｅに中央トンネル部２４２を介してそれぞれ連結されている。

また、中央トンネル部２４２の車幅方向の両側には、第１フロア部３３および第２フロア部３４が設けられている。第２補強材２４６は、車幅方向の両端部が中央部２４６ａから車幅方向外側に向うに従って下方に傾斜している。第２補強材２４６は、車幅方向の両端部が一対の第１フロア部３３の内端部３３ｂおよび第２フロア部３４の内端部３４ｂに中央トンネル部２４２を介してそれぞれ連結されている。

ここで、第１補強材２４５および第２補強材２４６は、正面視で略Ｘ字状（Ｘ字状）に一体に形成されている。これにより、第１補強材２４５および第２補強材２４６は、中央トンネル部２４２の内部において、第１補強材２４５および第２補強材２４６の剛性、強度が確保されている。
よって、例えば、側面衝突により左左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５を経て入力する衝撃荷重（荷重）Ｆ１を第１補強材２４５および第２補強材２４６で支持できる。これにより、例えば、第１補強材２４５や第２補強材２４６の板厚を厚くして中央トンネル部２４２（すなわち、フロアトンネル２４）を補強する必要がなく、第１補強材２４５や第２補強材２４６の耐力を低く抑えて軽量にできる。

図２、図５に示すように、フロア縦フレームユニット２８は、フロアパネル２３に車幅方向へ間隔をあけて第１～第４のフロア縦フレーム（フロア縦フレーム）５５～５８が複数設けられている。具体的には、フロア縦フレームユニット２８は、第１フロア部３３に設けられた第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６と、第２フロア部３４に設けられた第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８と、を備えている。

第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６は、第１フロア部３３に車幅方向へ間隔をあけて設けられている。第１フロア縦フレーム５５は、右側の第２フロアクロスメンバ４５および右側の第３フロアクロスメンバ４６に交差（実施形態では、直交）して車体前後方向に延びている。同様に、第２フロア縦フレーム５６は、右側の第２フロアクロスメンバ４５および右側の第３フロアクロスメンバ４６に交差（実施形態では、直交）して車体前後方向に延びている。
第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６は、第１フロア部３３（すなわち、フロアパネル２３）から上方に***され、第１フロア部３３とともに閉断面を形成している。第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６は、各前端部が右側の第２フロアクロスメンバ４５に接合（結合）され、各後端部が右側の第３フロアクロスメンバ４６に接合（結合）されている。なお、第１フロア部３３に設ける第１、第２のフロア縦フレーム５５，５６の個数は任意に選択できる。

第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８は、第２フロア部３４に車幅方向へ間隔をあけて設けられている。第３フロア縦フレーム５７は、左側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第３フロアクロスメンバ４６に交差（実施形態では、直交）して車体前後方向に延びている。同様に、第４フロア縦フレーム５８は、左側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第３フロアクロスメンバ４６に交差（実施形態では、直交）して車体前後方向に延びている。
第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８は、第２フロア部３４（すなわち、フロアパネル２３）から上方に***され、第２フロア部３４とともに閉断面を形成している。第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８は、各前端部が左側の第２フロアクロスメンバ４５に接合（結合）され、各後端部が左側の第３フロアクロスメンバ４６に接合（結合）されている。なお、第２フロア部３４に設ける第３、第４のフロア縦フレーム５７，５８の個数は任意に選択できる。

図６に示すように、第１フロアクロスメンバ４４の右半部４４ａには、右側の前座席（前座席）ＦＳ１の前部（前脚部）が固定されることにより支持されている。右側の第２フロアクロスメンバ４５には、右側の前座席（前座席）ＦＳ１の後部（後脚部）が固定されることにより支持されている。
また、第１フロアクロスメンバ４４の左半部４４ｂには、左側の前座席（前座席）ＦＳ２の前部（前脚部）が固定されることにより支持されている。左側の第２フロアクロスメンバ４５には、左側の前座席（前座席）ＦＳ２の後部（後脚部）が固定されることにより支持されている。

ここで、車体前後方向において、第１フロアクロスメンバ４４と右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５との間に、フロアトンネル２４の前トンネル部２４１が配置されている。すなわち、前トンネル部２４１は、右側の前座席ＦＳ１と左側の前座席ＦＳ２との間に配置されている。よって、前トンネル部２４１は、例えば、センターコンソール（図示せず）の内部に収納することが可能である。
また、右側の第３フロアクロスメンバ４６および左側の第３フロアクロスメンバ４６には、後座席ＲＳの前部（前脚部）が固定されることにより支持されている。

図１、図２、図６に示すように、第１フロア部３３には、第１前足置き場（足置き場）６１と、第１後足置き場（足置き場）６２と、を有している。
第１前足置き場６１は、電池パック２０より車体前方の部位に配置されている。第１前足置き場６１には、右側の前座席（前座席）ＦＳ１に着座した乗員６６の足６６ａが載せられる。第１後足置き場６２は、電池パック２０の上方で、かつ、第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６の間の部位に配置されている。第１後足置き場６２には、後座席ＲＳの右半部に着座した乗員６７の足６７ａが載せられる。

また、第２フロア部３４には、第２前足置き場（足置き場）６３と、第２後足置き場（足置き場）６４と、を有している。
第２前足置き場６３は、電池パック２０より車体前方の部位に配置されている。第２前足置き場６３には、左側の前座席ＦＳ２に着座した乗員６８の足６８ａが載せられる。第２後足置き場６４は、電池パック２０の上方で、かつ、第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８の間の部位に配置されている。第２後足置き場６４には、後座席ＲＳの左半部に着座した乗員６９の足６９ａが載せられる。
なお、実施形態では、フロアパネル２３に第１、第２の前足置き場６１，６３、および第１、第２の後足置き場６２，６４を設けた例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、フロアパネル２３に第１、第２の前足置き場６１，６３および第１、第２の後足置き場６２，６４の一方を設けてもよい。

また、フロアパネル２３は、電池パック２０の車体前方の部位で前フロア部７２が形成され、電池パック２０の上方の部位でメインフロア部（フロア部）７３が形成されている。前フロア部７２は、第１前足置き場６１および第２前足置き場６３を有する。
メインフロア部７３は、第１後足置き場６２および第２後足置き場６４を有する。メインフロア部７３は、右側のサイドシル３１および左側のサイドシル３１の各上端３１ｄ（左側の上端３１ｄは図示せず）に接合されている。右側のサイドシル３１および左側のサイドシル３１の各上端３１ｄにメインフロア部７３を接合することにより、メインフロア部７３と右側のサイドシル３１との境界に上下方向の段差をなくして平坦に形成できる。また、メインフロア部７３と左側のサイドシル３１との境界に上下方向の段差をなくして平坦に形成できる。これにより、例えば、乗員６６～乗員６９は、電池パック搭載車両Ｖｅに容易に乗降できる。

図１、図２、図４に示すように、乗員６６～乗員６９の乗降を容易にするために、右側のサイドシル３１および左側のサイドシル３１の各上端３１ｄにメインフロア部７３が接合されている。このため、側面衝突により入力する衝撃荷重（以下、側突荷重という）Ｆ１に対して、右左側のサイドシル３１，３１の近傍部位の剛性、強度を確保することが難しい。

そこで、前述したように、メインフロア部７３のうち右側のサイドシル３１の近傍部位（右端部）に、クロスメンバ右端部４５ａおよび傾斜メンバ４８を設けて近傍部位を補強するようにした。この傾斜メンバ４８およびメインフロア部７３で右側のサイドシル３１まで延びる閉断面を形成した。
メインフロア部７３のうち右側のサイドシル３１の近傍部位（右端部）に、クロスメンバ右端部４６ａおよび傾斜メンバ４８（図示せず）を設けて近傍部位を補強するようにした。この傾斜メンバ４８およびメインフロア部７３で右側のサイドシル３１まで延びる閉断面を形成した。

メインフロア部７３のうち左側のサイドシル３１の近傍部位（左端部）に、クロスメンバ左端部４５ｃおよび傾斜メンバ４８（図示せず）を設けて近傍部位を補強するようにした。この傾斜メンバ４８およびメインフロア部７３で左側のサイドシル３１まで延びる閉断面を形成した。
メインフロア部７３のうち左側のサイドシル３１の近傍部位（右端部）に、クロスメンバ左端部４６ｃおよび傾斜メンバ４８（図示せず）を設けて近傍部位を補強するようにした。この傾斜メンバ４８およびメインフロア部７３で左側のサイドシル３１まで延びる閉断面を形成した。

よって、メインフロア部７３のうち、右側のサイドシル３１側の右端部、および左側のサイドシル３１側の左端部の剛性、強度を確保できる。これにより、例えば、側面衝突により入力する側突荷重Ｆ１を、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５、右左側の第３フロアクロスメンバ４６，４６、および傾斜メンバ４８などで支持できる。したがって、メインフロア部７３を右側のサイドシル３１および左側のサイドシル３１の各上端３１ｄに沿って形成でき、乗員の乗降を容易にできる。
さらに、メインフロア部７３を右側のサイドシル３１および左側のサイドシル３１の各上端３１ｄに接合することにより、例えばメインフロア部７３の高さを上げることができる。これにより、例えば、電池パック２０の上下方向の高さを大きくすることができる。

図１、図２、図６に示すように、さらに、メインフロア部７３には、第１、第２のフロア縦フレーム５５，５６の間に第１後足置き場６２が設けられ、第３、第４のフロア縦フレーム５７，５８の間に第２後足置き場６４が設けられている。これにより、第１後足置き場６２および第２後足置き場６４を電池パック２０に近づける位置まで下方に下げることができる。
また、前フロア部７２には、第１前足置き場６１および第２前足置き場６３が設けられている。前フロア部７２は、電池パック２０より車体前方において、メインフロア部７３より下方に配置されている。よって、第１前足置き場６１および第２前足置き場６３は、第１後足置き場６２および第２後足置き場６４より下方に設けられている。

このように、第１前足置き場６１および第２前足置き場６３を第１後足置き場６２および第２後足置き場６４（すなわち、メインフロア部７３）より下方に低く下げて設けた。これにより、右側の前座席ＦＳ１および左側の前座席ＦＳ２に着座した乗員６６，６８の足元スペースを確保できる。
さらに、第１前足置き場６１および第２前足置き場６３の車体後方において、メインフロア部７３を上方に***させて室内空間（車室）７５側に取り込むようにした。よって、メインフロア部７３の下方の収納スペース（収納空間）７８を大きく確保できる。収納スペース７８には、電池パック２０（すなわち、後述するバッテリケース８１）が収納される。これにより、メインフロア部７３の下方に、十分な容量のバッテリモジュール８２（後述する）を備えた電池パック２０を収納できる。
このように、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２に着座した乗員６６，６８の足元スペースを確保し、かつ、十分な容量のバッテリモジュール８２を収納できるようにメインフロア部７３を上方に***させた。これにより、電池パック搭載車両Ｖｅの車体１０をコンパクトに構成できる。

ここで、メインフロア部７３は、複数の第１ビード部（ビード部）７６と、複数の第２ビード部（ビード部）７７と、を有する。
第１ビード部７６は、車幅方向に隣接する第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６の間において、車幅方向に複数本（実施形態では、３本）形成されている。実施形態では、複数の第１ビード部７６として、３本の第１ビード部７６を例示するが、第１ビード部７６の本数は適宜選択が可能である。
第１ビード部７６は、第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６と同様に、ビード形状に上方へ膨出されている。さらに、第１ビード部７６は、右側の第２フロアクロスメンバ４５と右側の第３フロアクロスメンバ４６との間において車体前後方向に延びている。

よって、第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６が、右側の前座席ＦＳ１と後座席ＲＳの右半部との間において、上方に***されていても、複数の第１ビード部７６により平坦面を形成できる。これにより、右側の前座席ＦＳ１と後座席ＲＳの右半部との間において、例えば、後座席ＲＳの右半部に着座する乗員６７の歩行に耐える平坦面を形成できる。

第２ビード部７７は、車幅方向に隣接する第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８の間において、車幅方向に複数本（実施形態では、３本）形成されている。実施形態では、複数の第２ビード部７７として、３本の第２ビード部７７を例示するが、第２ビード部７７の本数は適宜選択が可能である。
第２ビード部７７は、第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８と同様に、ビード形状に上方へ膨出されている。さらに、第２ビード部７７は、左側の第２フロアクロスメンバ４５と左側の第３フロアクロスメンバ４６との間において車体前後方向に延びている。

よって、第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８が、左側の前座席ＦＳ２と後座席ＲＳの左半部との間において、上方に***されていても、複数の第２ビード部７７により平坦面を形成できる。これにより、左側の前座席ＦＳ２と後座席ＲＳの左半部との間において、例えば、後座席ＲＳの左半部に着座する乗員６９の歩行に耐える平坦面を形成できる。

なお、実施形態では、第１ビード部７６を第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６の間に形成し、第２ビード部７７を第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８の間に形成した例について説明したが、これに限らない。その他の例として、第１ビード部７６を第１フロア縦フレーム５５および第２フロア縦フレーム５６の間の部位に加えて他の部位に形成してもよい。また、第２ビード部７７を第３フロア縦フレーム５７および第４フロア縦フレーム５８の間の部位に加えて他の部位に形成してもよい。

＜電池パック＞
図１から図３に示すように、電池パック２０は、メインフロア部７３の下方（すなわち、車両Ｖｅの床下）に設けられている。また、電池パック２０は、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５、右左側の第３フロアクロスメンバ４６，４６、および第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８の下方に配置されている。
さらに、電池パック２０は、第１フロアクロスメンバ４４、第４フロアクロスメンバ４７、右側のサイドシル３１、および左側のサイドシル３１で形成された平面視矩形枠体の内部に、後述するバッテリケース８１が配置されている。

図５から図７に示すように、電池パック２０は、バッテリケース８１と、バッテリモジュール８２と、補機ユニット８３と、電気配線（高圧電線）８４と、を備えている。

（バッテリケース）
バッテリケース８１は、ケース本体８６と、ケースカバー８７と、を備えている。ケース本体８６は、ケース枠部９１と、ケース部（トレー）９２と、ロアクロスメンバ（トレークロスメンバ、車体前後方向の中央部）９３と、第１縦フレーム９４（図３参照）と、第２縦フレーム９５（図３参照）と、アッパクロスメンバ（トレークロスメンバ、車体前後方向の中央部）９６と、アッパデッキ９７と、を備えている。

ケース枠部９１は、前フレーム（前部）１０１と、後フレーム（後部）１０２（図３も参照）と、右側フレーム（右側部、サイドフレーム）１０３と、左側フレーム（左側部、サイドフレーム）１０４と、右傾斜フレーム１０５（図３参照）と、左傾斜フレーム１０６（図３参照）と、を備えている。
前フレーム１０１は、バッテリモジュール８２の前辺に対して車体前方に間隔をあけて配置されて車幅方向に延びている。後フレーム１０２は、バッテリモジュール８２の後辺に対して車体後方に間隔をあけて配置されて車幅方向に延びている。
右側フレーム１０３は、バッテリモジュール８２の右側辺に対して車幅方向右側に間隔をあけて配置され、前フレーム１０１の右端部から車体後方へ向けて延びている。右側フレーム１０３および後フレーム１０２は、右傾斜フレーム１０５で連結されている。
左側フレーム１０４は、バッテリモジュール８２の左側辺に対して車幅方向左側に間隔をあけて配置され、前フレーム１０１の左端部から車体後方へ向けて延びている。左側フレーム１０４および後フレーム１０２は、左傾斜フレーム１０６で連結されている。

図３、図７に示すように、ケース枠部９１は、前フレーム１０１、後フレーム１０２、左側フレーム１０４、右側フレーム１０３、右傾斜フレーム１０５、および左傾斜フレーム１０６により、平面視で概ね矩形枠状に形成されている。ケース枠部９１は、バッテリモジュール８２の外周に対して間隔をあけて覆うように形成されている。
ケース枠部９１は、ケース部９２の外周に取り付けられている。ケース部９２は、ケース枠部９１の内部に取り付けられ、バッテリモジュール８２の下方に設けられている。
具体的には、ケース部９２は、ケース底部（トレーの底部（底壁））１０８（図４参照）と、ケース周壁１０９と、を有する。

ケース底部１０８は、バッテリモジュール８２の下方に配置され、平面視で概ね矩形状に形成されている。ケース底部１０８は、バッテリケース８１の底部を形成し、車幅方向の両外側に易変形部１６１（図４参照）が設けられている。易変形部１６１については、後で詳しく説明する。
ケース底部１０８の外周に沿ってケース周壁１０９が形成されている。ケース周壁１０９は、ケース前壁１１２と、ケース後壁１１３と、ケース右壁１１４と、ケース左壁１１５と、を有する。ケース部９２には、ロアクロスメンバ９３、複数の第１縦フレーム９４（図３参照）、および複数の第２縦フレーム９５（図３参照）が設けられている。

ロアクロスメンバ９３は、ケース部９２（特に、ケース底部１０８）において車体前後方向の中央に配置され、車幅方向へ向けて延設されている。すなわち、ロアクロスメンバ９３は、車体前後方向の中央部を構成する部材である。ロアクロスメンバ９３は、例えば、右端部９３ａがケース右壁１１４に接触され、左端部９３ｂがケース左壁１１５に接触されている。
ケース底部１０８のうち、ロアクロスメンバ９３の車体前方には、複数の第１縦フレーム９４が車幅方向に間隔をあけて設けられている。ケース底部１０８のうち、ロアクロスメンバ９３の車体後方には、複数の第２縦フレーム９５が車幅方向に間隔をあけて設けられている。

複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５は、車体前後方向において間隔をあけて同一線上に配置されている。複数の第１縦フレーム９４と複数の第２縦フレーム９５との間にロアクロスメンバ９３が設けられている。
実施形態では、ロアクロスメンバ９３として１本を例示するが、ロアクロスメンバ９３の本数は適宜選択が可能である。また、実施形態では、複数の第１縦フレーム９４として５本を例示し、複数の第２縦フレーム９５として５本を例示するが、第１縦フレーム９４および第２縦フレーム９５の本数は適宜選択が可能である。

隣り合う一対の第１縦フレーム９４の間にバッテリ８５が縦置きに配置され、縦置きに配置されたバッテリ８５が一対の第１縦フレーム９４に支持されている。隣り合う一対の第２縦フレーム９５の間にバッテリ８５が縦置きに配置され、縦置きに配置されたバッテリ８５が一対の第２縦フレーム９５に支持されている。
バッテリ８５は、複数の電池セル（図示せず）を長手方向に重ねて縦長の矩形体に形成されている。以下、縦長のバッテリ８５を「縦長バッテリ８５」ということもある。
また、縦長バッテリ８５を縦置きに配置するとは、バッテリ８５の長手方向を車体前後方向（縦方向）に向けて配置することをいう。

このように、ケース部９２のケース底部１０８に車体前後方向に間隔をあけて、複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５を車体前後方向へ向けて設けた。さらに、複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５の間にロアクロスメンバ９３を設けた。
よって、ロアクロスメンバ９３の車体前方および車体後方のケース領域において、複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５に沿って、複数の縦長バッテリ８５を車体前後方向に向けて縦置きに配置できる。これにより、複数の縦長バッテリ８５を効率よく縦置きできるため十分な航続距離を確保できる。

（バッテリモジュール）
ロアクロスメンバ９３の車体前方において、複数の第１縦フレーム９４により前側のバッテリ８５が縦置きに複数支持されている。ロアクロスメンバ９３の車体後方において、複数の第２縦フレーム９５により後側のバッテリ８５が縦置きに複数支持されている。前側に複数配置されたバッテリ８５で第１バッテリ列１２８が構成され、後側に複数配置されたバッテリ８５で第２バッテリ列１２９が構成されている。
第１バッテリ列１２８および第２バッテリ列１２９は、車体前後方向に一対配置されている。第１バッテリ列１２８および第２バッテリ列１２９により、例えば、駆動用のバッテリモジュール８２が構成されている。

すなわち、バッテリモジュール８２は、複数のバッテリ８５が長手方向を車体前後方向に向けて縦置きされた状態で、複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５に支持されている。
実施形態では、第１バッテリ列１２８と第２バッテリ列１２９とを車体前後方向に一対配置する例について説明したが、これに限らない。その他の例として、第１バッテリ列１２８と第２バッテリ列１２９とを車体前後方向に３列以上配置してもよい。

バッテリモジュール８２は、第１バッテリ列１２８と第２バッテリ列１２９との間で形成されて車幅方向に延びる第１境界部１２１と、複数のバッテリ８５の間のうち車体前後方向に延びる第２境界部１２２と、を有する。第１境界部１２１は、ロアクロスメンバ９３に沿って車幅方向に延びている。第２境界部１２２は、第１縦フレーム９４、第２縦フレーム９５に沿って車体前後方向に延びている。
バッテリモジュール８２の上方で、第１境界部１２１に相当する位置にアッパクロスメンバ９６が配置されている。

図７から図９に示すように、アッパクロスメンバ９６は、ロアクロスメンバ９３に沿って設けられている。アッパクロスメンバ９６は、上下連結カラー１２４の上端部１２４ａに締結ボルト１２５で結合されている。上下連結カラー１２４は、下端部１２４ｂがロアクロスメンバ９３に結合されている。よって、アッパクロスメンバ９６は、締結ボルト１２５および上下連結カラー１２４を介してロアクロスメンバ９３に結合されている。

この状態において、アッパクロスメンバ９６のフランジ９６ａが締結ボルト１２７によりバッテリ８５に結合されている。これにより、複数のバッテリ８５がアッパクロスメンバ９６により上方から固定されている。具体的には、アッパクロスメンバ９６は、バッテリモジュール８２の車体前後方向の中央において、車体前後方向に配置された複数のバッテリ８５を連結し、かつ、車幅方向に配置された複数のバッテリ８５を連結する。
また、バッテリモジュール８２の前端部８２ａにおいて、車幅方向に配置された複数のバッテリ８５は、前連結ブラケット（図示せず）で連結されている。さらに、バッテリモジュール８２の後端部８２ｂにおいて、車幅方向に配置された複数のバッテリ８５は、後連結ブラケット（図示せず）で連結されている。

このように、複数の第１縦フレーム９４および複数の第２縦フレーム９５に複数のバッテリ８５を載置した。さらに、複数のバッテリ８５（すなわち、バッテリモジュール８２）をアッパクロスメンバ９６で上方から固定した。
具体的には、バッテリモジュール８２の車体前後方向の中央部を、アッパクロスメンバ９６により、複数のバッテリ８５が車体前後方向と車幅方向とで上方から連結した。また、バッテリモジュール８２の前端部８２ａを、前連結ブラケットにより車幅方向で連結した。さらに、バッテリモジュール８２の後端部８２ｂを、後連結ブラケットにより車幅方向で連結した。
これにより、複数の縦長バッテリ８５（すなわち、バッテリモジュール８２）を安定して固定でき、加えて、バッテリモジュール８２の剛性を確保した状態で一体に連結できる。

（補機ユニット）
図５、図７に示すように、バッテリモジュール８２の上方に配置され、複数の第２境界部１２２のうち車幅方向中央の第２境界部１２２にアッパデッキ９７が設けられている。アッパデッキ９７は、帯状に形成され、バッテリモジュール８２の前端部８２ａから後端部８２ｂまで車体前後方向に延びている。アッパデッキ９７には補機ユニット８３が備えられている。補機ユニット８３は、第１バッテリ補機８３１と、第２バッテリ補機８３２と、第３バッテリ補機８３３と、を備えている。

第１バッテリ補機８３１は、例えば、高圧ジャンクションボードである。高電圧ジャンクションボックスは、例えば、駆動用のバッテリモジュール８２の電気を駆動用のモータ（図示せず）に供給する補機である。
第２バッテリ補機８３２は、例えば、遮断スイッチである。遮断スイッチは、例えば、バッテリモジュール８２の電源を遮断するスイッチである。
第３バッテリ補機８３３は、例えば、ＥＣＵ（制御機器、Electronic Control Unit）などである。ＥＣＵは、例えば、駆動用のバッテリモジュール８２と駆動用のモータとの間の放電、充電を制御するバッテリマネジメントユニットである。

第１バッテリ補機８３１は、アッパデッキ９７の前部９７ａに載置された状態で設けられている。第２バッテリ補機８３２は、第１バッテリ補機８３１の車体後方において、アッパデッキ９７の中央部９７ｂに載置された状態で設けられている。第３バッテリ補機８３３は、第２バッテリ補機８３２の車体後方において、アッパデッキ９７の後部９７ｃに載置された状態で設けられている。
第１バッテリ補機８３１は、第２バッテリ補機８３２、第３バッテリ補機８３３に比べて、アッパデッキ９７の表面から上方に高く形成されている。
以下、第１バッテリ補機８３１を「背の高い第１バッテリ補機８３１」ということもある。また、第２バッテリ補機８３２および第３バッテリ補機８３３を、それぞれ「背の低い第２バッテリ補機８３２」および「背の低い第３バッテリ補機８３３」ということもある。

図７、図８に示すように、バッテリモジュール８２の車幅方向中央の上部で、かつ、複数のバッテリ８５の間（すなわち、車幅方向中央の第２境界部１２２）に補機ユニット８３を配置した。よって、バッテリモジュール８２の容量を損なうことなく、バッテリモジュール８２の車幅方向の幅寸法Ｗ１を小さく抑えることができる。これにより、例えば、側面衝突により入力する側突荷重Ｆ１による変形を許容する衝突ストロークの空間（変形許容空間）Ｗ２を大きく設定できる。

（電気配線）
図５、図７に示すように、バッテリモジュール８２の第１境界部１２１の空間、および車幅方向中央の第２境界部１２２の空間に電気配線８４が配置されている。電気配線８４は、複数のバッテリ８５、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３などを接続する。
すなわち、電気配線８４は、第１バッテリ列１２８のバッテリ端子と、第２バッテリ列１２９の複数のバッテリ端子とをロアクロスメンバ９３に沿って第１境界部１２１の空間を車幅方向に横配線（配策）されている。また、横配線された電気配線８４は、アッパデッキ９７の上面に沿って束ねられた状態で車体前後方向に縦配線（配策）され、駆動モータ（図示せず）の側へ接続されている。

ここで、側面衝突により入力する荷重Ｆ１をロアクロスメンバ９３およびアッパクロスメンバ９６で支えることができる。これにより、ロアクロスメンバ９３に沿って車幅方向に横配線した電気配線８４を、ロアクロスメンバ９３およびアッパクロスメンバ９６により荷重Ｆ１から保護できる。また、アッパデッキ９７の上面に沿って束ねた状態で駆動モータの側へ縦配線した電気配線８４は、側面衝突により入力する荷重Ｆ１から車幅方向において比較的離れた位置に配置されている。これにより、縦配線の電気配線８４を荷重Ｆ１から保護できる。

ケース本体８６にバッテリモジュール８２、補機ユニット８３、および電気配線８４が収容された状態において、ケースカバー８７がケース枠部９１に上方から取り付けられている。
ケースカバー８７は、***部８９が車幅方向中央においてアッパデッキ９７に沿って車体前後方向に延びている。***部８９は、補機ユニット８３（すなわち、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、第３バッテリ補機８３３）、および電気配線８４に対応して上下方向に凹凸状に形成されている。***部８９にアッパデッキ９７、補機ユニット８３および電気配線８４が下方から収納されている。この状態に電池パック２０が組み付けられ、車両Ｖｅの床下に取り付けられている。

（車両の床下への電池パックの組付け）
図３、図８に示すように、バッテリケース８１の右側フレーム１０３は、右側のサイドシル３１のインナパネル３１ｅに下方から固定されている。バッテリケース８１の左側フレーム１０４は、左側のサイドシル３１のインナパネル３１ｅに下方から固定されている。
バッテリケース８１の前フレーム１０１は、一対の前支持ブラケット１３５（図７も参照）を介して一対の内側延長部３９（すなわち、一対のフロントサイドフレーム３６）（図３参照）に固定されている。
バッテリケース８１の後フレーム１０２は、一対の後支持ブラケット１３６を介してリヤクロスメンバ１３８に固定されている。リヤクロスメンバ１３８は、電池パック２０より車体後方に設けられて車幅方向へ延び、車体１０の骨格の一部を構成する剛性の高い部材である。さらに、バッテリケース８１の後フレーム１０２は、第４フロアクロスメンバ４７（図２参照）に固定されている。

図３、図８、図９に示すように、締結ボルト１２５の頭部１２５ａがケースカバー８７の貫通孔１４１を貫通して上方のフロアパネル２３（具体的には、メインフロア部７３）に接触している。また、頭部１２５ａに設けられたラバー部材１４２が、ケースカバー８７の貫通孔１４１を貫通して上方のフロアパネル２３に接触している。
頭部１２５ａの雌ねじ１４４がフロアパネル２３の取付孔１４５に合わせて下方に配置されている。締結ボルト１４６がフロアパネル２３の取付孔１４５を経て頭部１２５ａの雌ねじ１４４にねじ結合されている。

よって、電池パック２０のアッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３が、締結ボルト１４６、締結ボルト１２５、上下連結カラー１２４を介してフロアパネル２３に取り付けられている。
締結ボルト１４６の頭部１４６ａは、例えば、第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８の頂部の貫通孔５５ａ～５８ａから上方に突出している。あるいは、締結ボルト１４６の頭部１４６ａは、例えば、第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８の貫通孔５５ａ～５８ａに対応する位置に配置されている。

ここで、第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８は、左右のフランジ５５ｂ～５８ｂがフロアパネル２３（具体的には、メインフロア部７３）に接合されている。よって、電池パック２０のアッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３は、フロアパネル２３を介して第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に上下に固定されている。
また、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３は、バッテリケース８１の車体前後方向の中央部を形成している。よって、バッテリケース８１は、車体前後方向の中央部が第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に上下に固定されている。

第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８は車体前後方向に延びるフレームである。よって、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３（すなわち、電池パック２０）のレイアウトの自由度を車体前後方向において高めることができる。これにより、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３を、各クロスメンバ９６，９３の車体前方と車体後方とにバッテリ８５を均等に配置できる位置で、かつ、第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に固定できる位置に配置できる。
このように、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３の車体前方と車体後方とにバッテリ８５を均等に配置することにより、バッテリケース８１（すなわち、電池パック２０）を小型化できる。

また、バッテリケース８１は、前フレーム１０１、後フレーム１０２、右側フレーム１０３、および左側フレーム１０４などでバッテリケース８１の外枠（すなわち、ケース枠部９１）が形成されている。よって、バッテリケース８１は、ケース枠部９１が右左側のサイドシル３１，３１、一対の内側延長部３９（一対のフロントサイドフレーム３６）、リヤクロスメンバ１３８、および第４フロアクロスメンバ４７に固定されている。
さらに、バッテリケース８１の車体前後方向の中央部（すなわち、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３）を第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に固定した。
これにより、バッテリケース８１の内部にバッテリモジュール８２の収納空間を大きく確保して電池パック２０の電池容量を最大化でき、さらに、バッテリケース８１（すなわち、電池パック２０）をフロアパネル２３の下方に安定させて固定できる。

さらに、電池パック２０の車体前後方向の中央部（すなわち、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３）を第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に固定した。第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８は車体前後方向に延びるフレームである。よって、電池パック２０のレイアウトを決める際に、例えば電池パック２０をある程度車体前後方向に移動させることが可能である。すなわち、電池パック２０のパック重心Ｇｉを車両全体の車両重心Ｇｂより車体後方に配置できる。車両全体の車両重心Ｇｂとは、車体１０、モータ（図示せず）、および電池パック２０などのすべてを含む重心である。
電池パック２０のパック重心Ｇｉを車両重心Ｇｂより車体後方に配置することにより、例えば、バッテリモジュール８２に対する、車両Ｖｅの側部に入力する側突荷重Ｆ１による回転モーメントＭ１を小さく設定できる。これにより、側面衝突による電池パック２０への衝撃を緩和できる。

この状態において、電池パック２０は、車両Ｖｅの床下に組み付けられている。さらに、電池パック２０に収納されたバッテリモジュール８２の複数のバッテリ８５が長手方向を車体前後方向に向けて縦置きされた状態に配置されている（図５、図７参照）。
また、図５から図７に示すように、車両Ｖｅのフロアトンネル２４の内部に、ケースカバー８７の***部８９、補機ユニット８３（第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、第３バッテリ補機８３３）、および電気配線８４が収納されている。

具体的には、第１バッテリ補機８３１は、前トンネル部２４１の内部に下方から収納（配置）されている。第２バッテリ補機８３２および第３バッテリ補機８３３は、後トンネル部２４３の内部に下方から収納（配置）されている。電気配線８４は、中央トンネル部２４２の内部に下方から収納されている。電気配線８４は、中央トンネル部２４２の内部において、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５を跨いで車体前後方向に延びている。

このように、前トンネル部２４１の内部に第１バッテリ補機８３１を下方から配置し、後トンネル部２４３の内部に第２バッテリ補機８３２および第３バッテリ補機８３３を下方から配置した。よって、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３（すなわち、補機ユニット８３）をバッテリモジュール８２の上方に配置できる。これにより、例えば、バッテリモジュール８２の周囲に補機ユニット８３を配置する必要がなく、電池パック２０を小型化した状態で、バッテリ８５の容量を十分に確保できる。

また、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３を、前トンネル部２４１の内部および後トンネル部２４３の内部に振り分けて配置した。さらに、振り分けた第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３を電気配線８４で接続した。
ここで、前トンネル部２４１および後トンネル部２４３は、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５の車体前後方向に振り分けて形成されている。すなわち、車体前後方向において、電気配線８４を、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５に対して跨ぐ位置に配置できる。また、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３を、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５から離して配置できる。

よって、フロアトンネル２４において、右左側の第２フロアクロスメンバ４５，４５に相当する部位（すなわち、中央トンネル部２４２）のみを他の部位（すなわち、前トンネル部２４１および後トンネル部２４３など）より低く抑えることができる。これにより、前述したように、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５は、中央トンネル部２４２の頂部２４２ａを介して車幅方向に一体に連続した状態に形成されている。
したがって、右側の第２フロアクロスメンバ４５および左側の第２フロアクロスメンバ４５の剛性、強度を、側面衝突により車両Ｖｅの側部から入力する側突荷重Ｆ１に対して確保できる。これにより、側面衝突による荷重Ｆ１からバッテリモジュール８２（すなわち、複数のバッテリ８５）、第１バッテリ補機８３１、第２バッテリ補機８３２、および第３バッテリ補機８３３などを保護できる。

さらに、第１バッテリ補機８３１は、第２バッテリ補機８３２および第３バッテリ補機８３３に比べて上方に高く形成されている。背の高い第１バッテリ補機８３１としては、前述したように、例えば高圧ジャンクションボード、背の低い第２バッテリ補機８３２としては、前述したように、例えば遮断スイッチが挙げられる。また、背の低い第３バッテリ補機８３３としては、前述したように、例えば、ＥＣＵが挙げられる。

背の高い第１バッテリ補機８３１は、前トンネル部２４１の内部に配置されている。ここで、例えば、前トンネル部２４１を、右側の前座席ＦＳ１と左側の前座席ＦＳ２との間のセンターコンソール（図示せず）の内部に収納することにより、センターコンソールの内部に背の高い第１バッテリ補機８３１を収納できる。
また、背の低い第２バッテリ補機８３２や背の低い第３バッテリ補機８３３は、後トンネル部２４３の内部に配置されている。よって、後トンネル部２４３の高さを低く抑えることができる。後トンネル部２４３は、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２の車体後方から後座席ＲＳの車幅方向中央部（の下方）まで延びている。これにより、後トンネル部２４３の高さを低く抑えることにより、後座席ＲＳの車体前方のスペースを広く確保できる。
このように、背の高い第１バッテリ補機８３１、背の低い第２バッテリ補機８３２、および背の低い第３バッテリ補機８３３をフロアトンネル２４の内部において車体前後方向に振り分けて配置することにより、車両Ｖｅの室内空間７５（図１参照）を広くできる。

以上説明したように、実施形態に係る電池パック搭載車両Ｖｅによれば、以下の作用、効果が得られる。
すなわち、バッテリケース８１を車体前後方向の中央部が第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に上下に固定することにより、電池パック２０のバッテリ８５などの部品配置（レイアウト）の自由度を車体前後方向において高めることができる。
特に、電池パック２０のバッテリ８５などの部品配置の自由度を車体前後方向において高めることにより、例えば、車両Ｖｅの走行時に、バッテリケース８１に発生する上下方向（図６に示す矢印Ａ方向）への曲げ部のうち最大振幅位置を車体１０に固定できる。
例えば、バッテリケース８１の最大振幅位置を車体前後方向の中央部とし、アッパクロスメンバ９６およびロアクロスメンバ９３を第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に固定することにより、バッテリケース８１の振幅を抑えることができる。

また、第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８は、車体前後方向において、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２と後座席ＲＳとの間に配置されている。よって、例えば、電池パック２０のバッテリケース８１を第１～第４のフロア縦フレーム５５～５８に固定する締結ボルト１４６などを、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２および後座席ＲＳの間の室内側の空間に配置できる。これにより、電池パック２０を車体１０に締結する締結ボルト１４６への工具のアクセスを容易にできる。

さらに、前後の座席の間に締結ボルト１４６などを配置することにより、電池パック２０の脱着の際に、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２を車体前後方向にスライド（移動）させたり、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２や後座席ＲＳを外したりする必要がない。
よって、例えば、電池パック２０を組み付ける際に、組付順番の制約を少なく抑え、さらに、作業工程を少なく抑えることにより作業時間を短縮することが可能となる。これにより、例えば、電池パック２０の着脱性を向上でき、メンテナンス（保守点検）の費用を低く抑えることができる。

特に、第２バッテリ補機８３２は、フロアトンネル２４の後トンネル部２４３のうち、車体前方側の部位２４３ａに配置されている。後トンネル部２４３の車体前方側の部位２４３ａは、例えば、車体前後方向において右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２と後座席ＲＳとの間の空間に配置されている。そこで、第２バッテリ補機８３２を遮断スイッチとして、後トンネル部２４３の車体前方側の部位２４３ａに収納するようにした。よって、第２バッテリ補機８３２（すなわち、遮断スイッチ）を右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２と後座席ＲＳとの間の空間に配置できる。これにより、例えば、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２や後座席ＲＳをスライド（移動）や、外すことなく遮断スイッチを操作できるので、電池パック２０のメンテナンス作業（保守点検作業）を容易にできる。

図２、図３、図８に示すように、電池パック２０のバッテリケース８１は、第１フロアクロスメンバ４４、第４フロアクロスメンバ４７、右側のサイドシル３１、および左側のサイドシル３１で形成された平面視矩形枠体の内部に配置されている。
ここで、第１～第４のフロアクロスメンバ４４～４７、右左側のサイドシル３１，３１、右左側のフロントサイドフレーム３６，３６、フロアトンネル２４は、剛性の高い車体骨格の一部を構成する部材である。また、第１フロアクロスメンバ４４が支持された右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２の前部（前脚部）も剛性の高い部材である。
よって、バッテリケース８１を車体骨格の一部を構成する矩形枠体の内部に配置できる。これにより、バッテリケース８１（特に、バッテリモジュール８２）を、例えば、前面衝突による前突荷重（荷重）や、側面衝突による側突荷重（荷重）から保護できる。

具体的には、例えば、側面衝突により右左側のサイドシル３１，３１、に側突荷重Ｆ１が入力した場合には、側突荷重Ｆ１がサイドシル３１を経て第１～第４のフロアクロスメンバ４４～４７に伝達され、第１～第４のフロアクロスメンバ４４～４７で支えられる。これにより、バッテリケース８１（特に、バッテリモジュール８２）を側突荷重Ｆ１から保護できる。

また、前面衝突により右左側のフロントサイドフレーム３６，３６に車体前方から前突荷重Ｆ２が入力した場合には、前突荷重Ｆ２の一部がフロントサイドフレーム３６の外側延長部３８に伝達される。外側延長部３８に伝達された荷重は、外側延長部３８を経てサイドシル３１の前部３１ａに伝達される。サイドシル３１の前部３１ａに伝達された荷重は、サイドシル３１で支えられる。
また、前突荷重Ｆ２の残りは、フロントサイドフレーム３６の内側延長部３９を経て第１フロアクロスメンバ４４の中央部に伝達される。第１フロアクロスメンバ４４には右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２の前部（前脚部）およびフロアトンネル２４が連結（接合）されている。よって、第１フロアクロスメンバ４４の中央部に伝達された荷重は、右左側の前座席ＦＳ１，ＦＳ２の前部およびフロアトンネル２４で支えられる。これにより、バッテリケース８１（特に、バッテリモジュール８２）を前突荷重Ｆ２から保護できる。

図４、図１０に示すように、右外側の第１縦フレーム９４および右外側の第２縦フレーム９５（図３も参照）は、バッテリモジュール８２の車幅方向の右側外端部８２ｃにおいて車体前後方向へ向けて延設されている。右外側の第１縦フレーム９４および右外側の第２縦フレーム９５は、バッテリモジュール８２の車幅方向の右側外端部８２ｃを支持している。
バッテリケース８１のケース底部１０８には、右外側の第１縦フレーム９４および右外側の第２縦フレーム９５より車幅方向外側に易変形部（トレー変形部）１６１が設けられている。
具体的には、易変形部１６１は、右側フレーム１０３とバッテリモジュール８２との間に設けられている。
易変形部１６１は、下方へ向けて突出するようにビード状に形成され、車体前後方向に延びている。易変形部１６１は、側面衝突の側突荷重Ｆ１で変形して側突エネルギー（衝撃エネルギー）を吸収可能に形成されている。

よって、図１１に示すように、側面衝突により入力した側突荷重Ｆ１で易変形部１６１を変形させて、側突エネルギーを易変形部１６１で吸収できる。これにより、側面衝突の荷重Ｆ１によるバッテリモジュール８２への干渉を低減できる。
さらに、例えば、車体１０の車幅方向外側に設けられた右側のサイドシル３１などの車体フレーム（骨格部材）への補強を不要にできる。これにより、車体の耐力を低く抑えて車体を軽量化できる。

ここで、図１０、図１１に示すように、易変形部１６１は、下方へ向けて突出するようにビード状に形成されている。よって、易変形部１６１を下方に向けて変形させることができる。これにより、例えば、電池パック２０のバッテリケース８１の内部に収納されているバッテリモジュール８２（すなわち、複数のバッテリ８５）や、水冷配管８８などに易変形部１６１が干渉することを回避できる。

また、図８に示すように、バッテリケース８１のケース底部１０８のうち、左側フレーム１０４とバッテリモジュール８２との間に易変形部（図示せず）が設けられている。
よって、側面衝突により入力した側突荷重Ｆ１で易変形部を下方へ向けて変形させることができる。これにより、側突エネルギーを易変形部で吸収しできるので、左側のサイドシル３１などの車体フレーム（骨格部材）への補強を不要にでき、車体フレームを軽量化できる。
さらに、易変形部を下方に向けて変形させることにより、バッテリモジュール８２（すなわち、複数のバッテリ８５）や、水冷配管８８（図４参照）などに易変形部が干渉することを回避できる。

加えて、図２、図４で説明したように、右側の第２フロアクロスメンバ４５の右端部４５ａの下方に傾斜メンバ４８を設けることにより、傾斜閉断面４９がクロスメンバ傾斜閉断面４３より大きく形成されている。よって、例えば、傾斜メンバ４８を側面衝突により入力した側突荷重Ｆ１で、右側の第２フロアクロスメンバ４５に対して下方に折り曲げるように変形できる。これにより、側面衝突による側突エネルギーを傾斜メンバ４８で吸収できる。

左側の第２フロアクロスメンバ４５、右側の第３フロアクロスメンバ４６、および左側の第３フロアクロスメンバ４６についても、右側の第２フロアクロスメンバ４５と同様に、傾斜メンバ４８が下方に設けられている。よって、例えば、側面衝突により入力した側突荷重Ｆ１で、左側の第２フロアクロスメンバ４５、右側の第３フロアクロスメンバ４６、および左側の第３フロアクロスメンバ４６に対して傾斜メンバ４８を下方に折り曲げるように変形できる。これにより、側面衝突による側突エネルギーを傾斜メンバ４８で吸収できる。

なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。

Ｖｅ 電池パック搭載車両（車両）
１０ 車両本体（車体）
２０ 電池パック
２３ フロアパネル
２４ フロアトンネル
３１ 右左側のサイドシル（サイドシル）
３１ａ 前部
３６ 右左側のフロントサイドフレーム（フロントサイドフレーム）
３７ 前フレーム部
３７ａ 後端部
３８ 右左側の外側延長部（外側延長部）
３９ 右左側の内側延長部（内側延長部、中央側延長部）
４３ クロスメンバ傾斜閉断面（閉断面）
４４ 第１フロアクロスメンバ
４５ 右左側の第２フロアクロスメンバ
４５ａ クロスメンバ右端部（右端部、端部）
４５ｃ クロスメンバ左端部（左端部、端部）
４６ 右左側の第３フロアクロスメンバ
４６ａ クロスメンバ右端部（右端部、端部）
４６ｃ クロスメンバ左端部（左端部、端部）
４７ 第４フロアクロスメンバ
４８ 傾斜メンバ（第１傾斜メンバ、第２傾斜メンバ）
４９ 傾斜閉断面（閉断面）
５５～５８ 第１～第４のフロア縦フレーム（フロア縦フレーム）
６１，６３ 第１、第２の前足置き場（足置き場）
６６，６８ 乗員
７２ 前フロア部
７３ メインフロア部（フロア部）
７６，７７ 第１、第２のビード部（ビード部）
７８ 収納スペース（収納空間）
８１ バッテリケース
８２ バッテリモジュール
８３ 補機ユニット
８４ 電気配線（高圧電線）
８５ バッテリ（縦長バッテリ）
９２ ケース部（トレー）
９３ ロアクロスメンバ（トレークロスメンバ、車体前後方向の中央部）
９６ アッパクロスメンバ（トレークロスメンバ、車体前後方向の中央部）
１０１ 前フレーム（前部）
１０２ 後フレーム（後部）
１０３ 右側フレーム（右側部、サイドフレーム）
１０４ 左側フレーム（左側部、サイドフレーム）
１０８ ケース底部（トレーの底部）
１６１ 易変形部（トレー変形部）
２４５，２４６ 第１、第２の補強材
８３１ 第１バッテリ補機
８３２ 第２バッテリ補機
８３３ 第３バッテリ補機
ＦＳ１，ＦＳ２ 右左側の前座席（前座席）
ＲＳ 後座席
Ｆ１ 側突荷重（衝撃荷重、荷重）
Ｆ２ 前突荷重（衝撃荷重、荷重）

Claims (12)

1. 車両の床部を形成するフロアパネルから上方に***されて車幅方向に延び、前座席の後部を支持する第２フロアクロスメンバと、
   前記第２フロアクロスメンバの車体後方において前記第２フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延び、かつ、前記フロアパネルから上方に***され、後座席の前部を支持する第３フロアクロスメンバと、
   前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバの間において車体前後方向に延びるフロア縦フレームと、
   前記フロア縦フレームおよび前記フロアパネルの床下に配置され、バッテリモジュールを収納するバッテリケースが前記フロア縦フレームに上下に固定された電池パックと、を備える、
   ことを特徴とする電池パック搭載車両。
2. 前記第２フロアクロスメンバの車体前方において前記第２フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延び、前記前座席の前部を支持する第１フロアクロスメンバと、
   前記第３フロアクロスメンバの車体後方において前記第３フロアクロスメンバに沿って車幅方向に延びる第４フロアクロスメンバと、
   前記第１フロアクロスメンバ、前記第２フロアクロスメンバ、前記第３フロアクロスメンバ、および前記第４フロアクロスメンバに車幅方向外側から接合され、車体前後方向に延びるサイドシルと、
   前記第１フロアクロスメンバおよび前記第４フロアクロスメンバを車体前後方向において連結し、かつ、前記フロアパネルから上方に***され、前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバを車幅方向の左右側に分割するフロアトンネルと、
   前記第１フロアクロスメンバから車体前方に向けて延びるフロントサイドフレームと、を備え、
   前記フロントサイドフレームは、
   車体前後方向に延びる前フレーム部と、
   前記前フレーム部の後端部から車体後方へ向うに従って車幅方向外側へ傾斜状に延びて、前記サイドシルの前部に接合される外側延長部と、
   前記前フレーム部の前記後端部から車体後方へ向うに従って車幅方向内側へ傾斜状に延びて、前記第１フロアクロスメンバに接合される内側延長部と、を備え、
   前記前フレーム部、前記外側延長部、および前記内側延長部により平面視においてＹ字フレームに形成され、
   前記第１フロアクロスメンバ、前記第４フロアクロスメンバ、および前記サイドシルで形成された平面視矩形枠体の内部に前記バッテリケースが配置されている、
   ことを特徴とする請求項１に記載の電池パック搭載車両。
3. 前記フロアパネルは、
   前記前座席に着座した乗員の足置き場の車体後方において、上方に***されたフロア部の下方に前記バッテリケースを収納する収納空間を形成する、
   ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の電池パック搭載車両。
4. 前記バッテリケースは、前記フロア縦フレームに上下に固定されるトレークロスメンバを備える、
   ことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の電池パック搭載車両。
5. 前記電池パックは、
   前記フロアトンネルのうち車体前方の内部に配置される第１バッテリ補機と、
   前記第１バッテリ補機の車体後方に設けられ、前記フロアトンネルのうち車体後方の内部に配置される第２バッテリ補機と、
   前記第１バッテリ補機および前記第２バッテリ補機を接続し、前記フロアトンネルの内部において前記第２フロアクロスメンバを跨いで車体前後方向に延びる高圧電線と、を備え、
   前記第１バッテリ補機は、前記第２バッテリ補機に比べて上方に高く形成されている
   ことを特徴とする請求項２に記載の電池パック搭載車両。
6. 前記第２フロアクロスメンバは、
   前記フロアトンネルの車幅方向の両側に一対設けられ、
   前記フロアトンネルの内部には、
   一対の前記第２フロアクロスメンバに連結する第１補強材と、
   前記フロアパネルに連結する第２補強材と、を備え、
   前記第１補強材および前記第２補強材が正面視でＸ字状に形成されている、
   ことを特徴とする請求項２に記載の電池パック搭載車両。
7. 前記第２フロアクロスメンバおよび前記第３フロアクロスメンバは、前記サイドシルまで各端部が車幅方向外側へ向けて下方に傾斜され、
   前記第２フロアクロスメンバの前記端部とともに前記フロアパネルを挟むように前記フロアパネルの下方に設けられた第１傾斜メンバと、を備え、
   前記第３フロアクロスメンバの前記端部とともに前記フロアパネルを挟むように前記フロアパネルの下方に設けられた第２傾斜メンバと、を備え、
   前記第１傾斜メンバは、
   前記フロアパネルとともに前記サイドシルまで閉断面を形成する、
   前記第２傾斜メンバは、
   前記フロアパネルとともに前記サイドシルまで閉断面を形成する、
   ことを特徴とする請求項２に記載の電池パック搭載車両。
8. 前記第１傾斜メンバおよび前記フロアパネルで形成される前記閉断面は、
   前記第２フロアクロスメンバの前記端部と前記フロアパネルとにより形成される閉断面より大きく、
   前記第２傾斜メンバおよび前記フロアパネルで形成される前記閉断面は、
   前記第３フロアクロスメンバの前記端部と前記フロアパネルとにより形成される閉断面より大きい、
   ことを特徴とする請求項７に記載の電池パック搭載車両。
9. 前記フロア縦フレームは、車幅方向に間隔をあけて複数設けられ、
   前記フロアパネルは、
   少なくとも車幅方向に隣接する前記フロア縦フレームの間に、ビード形状に上方へ膨出するビード部を有する、
   ことを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の電池パック搭載車両。
10. 前記バッテリケースは、
    前記フロントサイドフレームの前記内側延長部に固定された前部と、
    前記第４フロアクロスメンバに固定された後部と、
    前記サイドシルに固定された右側部および左側部と、
    前記フロア縦フレームに固定された車体前後方向の中央部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項２に記載の電池パック搭載車両。
11. 前記第１バッテリ補機は高圧ジャンクションボード、
    前記第２バッテリ補機は遮断スイッチである、
    ことを特徴とする請求項５に記載の電池パック搭載車両。
12. 前記バッテリケースは、前記バッテリモジュールが配置されるトレーを備え、
    前記トレーは、
    前記サイドシルに固定される前記左側部および前記右側部を形成するサイドフレームと、
    前記サイドフレームと前記バッテリモジュールとの間に設けられ、側面衝突の荷重で底部が変形することにより衝撃エネルギーを吸収可能なトレー変形部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項１０に記載の電池パック搭載車両。

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