JP2022074565A - ハンド、ロボット、ロボットシステム及びハンドの制御方法 - Google Patents

ハンド、ロボット、ロボットシステム及びハンドの制御方法 Download PDF

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剛 松浦
Takeshi Matsuura
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Yoshimi Odate
寿夫 和田
Toshio Wada
裕章 福田
Hiroaki Fukuda
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Abstract

【課題】ハンドの動作の柔軟性をさらに向上させること。【解決手段】ハンドは、ベース1と、ベース1から延び、屈曲可能に構成された2つの第1指21と、ベース1に設けられ、2つの第1指21を所定の開閉方向Aへ移動させて2つの第1指21にワークを把持させる開閉機構3と、ベース1に設けられ、2つの第1指21を屈曲させる屈曲機構3とを備える。各第1指21は、ベース1から延びる第2部分23と、第2部分23に開閉方向Aと平行な回転軸B回りに回転可能に連結される第1部分22とを有し、第1部分22が第2部分23に対して屈曲するように構成されている。第1部分22には、第1部分22を第1部分22の延伸方向C2へ弾性的に伸縮させる緩衝機構25が設けられている。【選択図】図3

Description

本開示は、ハンド、ロボット、ロボットシステム及びハンドの制御方法に関する。
従来より、2つの指でワークを把持するロボットハンドが知られている。例えば特許文献1に開示のロボットハンドは、2つの指を支持する共通のフレームを備えている。そして、特許文献1のロボットハンドでは、フレームを弾性的に支持することによって、ワークが載置された台と指とが接触した際の衝撃を吸収するようにしている。
実公平5-6074号公報
ところで、ロボットにおいては、ハンドの動作の柔軟性が向上すれば、その分、ハンドが連結されたロボットアームの動作量が低減される。そのため、ロボットの制御が平易となる。特許文献1に記載のハンドの衝撃吸収機構もハンドの動作の柔軟性が向上する1つの要素ではあるが、ハンドの動作の柔軟性を向上させるためにはまだ改善の余地が十分ある。
本開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンドの動作の柔軟性をさらに向上させることにある。
本開示の技術は、ベースと、前記ベースから延び、屈曲可能に構成された2つの指と、前記ベースに設けられ、前記2つの指を所定の開閉方向へ移動させて前記2つの指にワークを把持させる開閉機構と、前記ベースに設けられ、前記2つの指を屈曲させる屈曲機構とを備えているハンドである。前記各指は、前記ベースから延びる第2部分と、前記第2部分に前記開閉方向と平行な回転軸回りに回転可能に連結される第1部分とを有し、前記第1部分が前記第2部分に対して屈曲するように構成されている。前記第1部分には、前記第1部分を前記第1部分の延伸方向へ弾性的に伸縮させる緩衝機構が設けられている。
前記の技術では、2つの指のそれぞれに緩衝機構が設けられているので、各指で独立して緩衝機能を発揮することができる。また、屈曲機構が設けられているので、指を屈曲させることによって、ワークを移動させたり、ワークの把持姿勢を変更したりすることができる。また、緩衝機構が第2部分ではなく第1部分に設けられているので、第2部分は伸縮動作を行わない。一方、屈曲機構では、第1部分を回転させるための動力伝達機構等が第2部分を介して配置され得る。このような動力伝達機構等の設計に当たっては、第2部分の伸縮動作を考慮しなくてもよいので、動力伝達機構等、ひいては屈曲機構の構成が複雑化することを避けることができる。また、第1部分に緩衝機構が設けられているので、指の屈曲に応じて緩衝方向が変化する。第1部分に対し衝撃が作用する方向はハンドの使用状況によって様々ではあるが、緩衝方向が第1部分に追従して変化することによって衝撃が適切に吸収される場合もある。このように、ハンドの様々な動作が可能になる。
本開示の別の技術は、前述したハンドと、前記ハンドが連結されたロボットアームとを備えているロボットである。
前記の技術では、ロボットとして、ハンドの様々な動作が可能になる。そのため、ロボットアームで対応しなくてもよくなり、ロボットアームの動作量を低減することができる。
前述したハンドによれば、ハンドの動作の柔軟性をさらに向上させることができる。
前述したロボットによれば、ハンドの動作の柔軟性をさらに向上させることができる。
図1は、ロボットシステムの構成を示す模式図である。 図2は、ハンドの正面図である。 図3は、図2のIII-III線におけるハンドの断面図である。 図4は、第1指の第1部分を中心とする拡大断面図である。 図5は、図3のV-V線における第1ハンドの断面図である。 図6は、第1指の第2部分を中心とする拡大断面図である。 図7は、ベースの内部が見える状態で第2ハンドを第1ハンドと反対側から見た概略図であって、第2指が全開状態となっている図である。 図8は、第2指を軸方向へ進出側から見た概略図である。 図9は、第2把持部を中心とする概略的な断面図である。 図10は、ベースの内部が見える状態で第2ハンドを第1ハンドと反対側から見た概略図であって、第2指が全閉状態となっている図である。 図11は、第2指が全閉状態となった第2把持部を中心とする概略的な断面図である。 図12は、ベースの内部が見える状態で第2ハンドを第1ハンドと反対側から見た概略図であって、第2指が全開状態となって軸方向へ進出した図である。 図13は、緩衝機構を中心とする拡大断面図である。 図14は、ベアリングユニットの概略構成を示す斜視図である。 図15は、ベースプレートの概略構成を示す斜視図である。 図16は、アングルの概略構成を示す斜視図である。 図17は、ベアリングホルダの概略構成を示す斜視図である。 図18は、第1把持部によってアングルを把持する状態を示す概略図である。 図19は、第1把持部によってアングルをベースプレートに載置する状態を示す概略図である。 図20は、第1把持部によってボルトを把持する状態を示す概略図である。 図21は、第2把持部が第1把持部からボルトを受け取る状態を示す概略図である。 図22は、第2把持部がボルトをネジ孔にねじ込む状態を示す概略図である。 図23は、第2把持部によってベアリングホルダを把持する状態を示す概略図である。 図24は、第2把持部によってベアリングホルダをアングルに挿入する状態を示す概略図である。 図25は、アングルに挿入されたベアリングホルダの一状態を端面側から視て示す概略図であり、第1指がザグリ穴に係止した状態を示す図である。 図26は、第2把持部によってボルトをアングルのネジ孔へねじ込む状態を示す概略図である。 図27は、第1把持部によってシャフトを把持する状態を示す概略図である。 図28は、第2把持部が第1把持部からシャフトを受け取る状態を示す概略図である。 図29は、第2把持部によってシャフトをベアリングホルダのベアリングに挿入する状態を示す概略図である。 図30は、第1把持部によってアングルを把持する状態を示す概略図である。 図31は、偏心把持を行う第1把持部の一状態を示す概略図である。 図32は、偏心把持を行う第1把持部の一状態を示す概略図である。 図33は、偏心把持を行う第1把持部の一状態を示す概略図である。 図34は、アングルを把持した第1把持部が上方へ移動した状態を示す概略図である。 図35は、アングルに挿入されたベアリングホルダの一状態を端面側から視て示す概略図であり、第1指が移動経路の始点に押し付けられた状態を示す図である。 図36は、図35のZ1-Z1線におけるアングルおよびベアリングホルダの断面図である。 図37は、図25のZ2-Z2線におけるアングルおよびベアリングホルダの断面図である。 図38は、アングルに挿入されたベアリングホルダの一状態を端面側から視て示す概略図であり、第1指が移動経路の終点に移動した状態を示す図である。 図39は、図38のZ3-Z3線におけるアングルおよびベアリングホルダの断面図である。 図40は、第1指がワークの表面に押し付けられた状態を示す第1把持部の概略図である。 図41は、第1指がワークの係止部に係止した状態を示す第1把持部の概略図である。 図42は、傾斜した載置台に第1指が接触した状態を示す第1把持部の概略図である。 図43は、傾斜した載置台のワークを第1指が把持した状態を示す第1把持部の概略図である。 図44は、第1指が屈曲してワークを取付板に押し付けた状態を示す第1把持部の概略図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、ロボットシステム1000の構成を示す模式図である。
ロボットシステム1000は、ロボット1100と、ロボット1100を制御する制御部1200とを備える。
ロボット1100は、例えば、産業用ロボットである。ロボット1100は、ロボットアーム1110と、ロボットアーム1110の先端に連結されたハンド100とを有している。ロボット1100は、ロボットアーム1110によってハンド100を動作、即ち、移動させる。ハンド100は、いわゆるエンドエフェクタの1つである。ハンド100は、ワークWを把持する。さらに、ハンド100は、ワークWを持ち直したり、ワークWを他のワーク等へ組み込んだりする。
図2は、ハンド100の正面図である。ハンド100は、第1ハンドH1と第2ハンドH2とを有している。第1ハンドH1と第2ハンドH2とは、共通のベース1に設けられている。第1ハンドH1及び第2ハンドH2は、それぞれ単独で処理を実行することも、協働して処理を実行することもできる。単独の処理は、例えば、第1ハンドH1又は第2ハンドH2がワークを把持する処理である。協働での処理は、例えば、第1ハンドH1から第2ハンドH2へワークを受け渡す処理や、第1ハンドH1と第2ハンドH2とでワークを把持する処理である。
=第1ハンド=
第1ハンドH1は、ベース1と、ベース1に設けられた第1把持部2とを備えている。第1ハンドH1は、第1把持部2によってワークに対する様々な処理を実行する。
図3は、図2のIII-III線におけるハンド100の断面図である。つまり、図3は、ベース1の内部が見える状態で、第1ハンドH1を第2ハンドH2側から見た図である。尚、図3においては、ベース1の内部構成が概略的に図示されている。
第1把持部2は、ベース1から延びる2つの第1指21と、2つの第1指21を所定の開閉方向Aへ開閉させる開閉機構3と、2つの第1指21を屈曲させる屈曲機構4とを有している。さらに、各第1指21は、各第1指21に作用する衝撃を吸収する緩衝機構25を有している。
2つの第1指21は、開閉機構3によって開閉方向Aへ互いに離間及び接近する。これにより、2つの第1指21は、ワークを把持したり、ワークの把持を解放したりする。この例では、開閉機構3は、2つの第1指21を独立に動作させる。つまり、第1ハンドH1は、2つの第1指21にそれぞれ対応する2つの開閉機構3を有している。2つの第1指21は、屈曲するように構成されており、屈曲機構4によって屈曲する。屈曲機構4は、2つの第1指21を一緒に動作させる。第1ハンドH1は、2つの第1指21で共通の1つの屈曲機構4を有している。開閉機構3及び屈曲機構4は、ベース1に設けられている。
-第1指-
各第1指21は、図2,3に示すように、先端側の第1部分22とベース1側の第2部分23とを有している。第1部分22と第2部分23とは、関節24で連結されている。第1部分22は、開閉方向Aと平行な回転軸B回りに関節24を介して回転する。これにより、第1指21は、第1部分22が第2部分23に対して屈曲した屈曲状態及び第1部分22と第2部分23とが一直線状に延びた延伸状態に変化することができる。
第2部分23は、ベース1に連結されている。第2部分23は、開閉方向Aと直交する延伸方向C1へベース1から延びている。第2部分23の先端に関節24が設けられている。
第1部分22は、固定部分26と可動部分27とを有している。固定部分26及び可動部分27は、一直線状に並んで、延伸方向C2へ延びている。固定部分26は、関節24に連結されている。可動部分27は、緩衝機構25を介して、延伸方向C2へ移動可能に固定部分26に連結されている。可動部分27のうち、第1指21の延伸状態において第2ハンドH2の方を向く面は、第1ハンドH1から第2ハンドH2へワークを受け渡す際等にワークを支持する支持面21aとなっている。
図4は、第1指21の第1部分22を中心とする拡大断面図である。緩衝機構25は、図4に示すように、ボールスプライン28とバネ29とを有している。ボールスプライン28は、固定部分26と可動部分27とを連結している。ボールスプライン28は、可動部分27を固定部分26に対して延伸方向C2へ移動可能とし、可動部分27をボールスプライン28の軸回りに回転不能としている。バネ29は、固定部分26と可動部分27との間に圧縮状態で設けられている。バネ29は、延伸方向C2へ伸縮する。バネ29は、可動部分27を延伸方向C2へ押圧して、可動部分27を固定部分26から最も伸長した状態にしている。通常時は、第1部分22は、このように可動部分27が固定部分26から最も伸長した状態(以下、「通常状態」という)となっている。ボールスプライン28はガイド部材の一例であり、バネ29は弾性部材の一例である。ボールスプライン28は、転動することによって可動部分27を延伸方向C2へ案内する転動体を有するものであり、バネ29は、可動部分27を弾性的に押圧するものである。
一方、可動部分27の先端22a(以下、第1指21の先端22aまたは第1部分22の先端22aともいう)から延伸方向C2へ可動部分27に衝撃が作用すると、可動部分27が延伸方向C2において固定部分26の側へ移動し、バネ29が圧縮変形する。これにより、衝撃がバネ29によって吸収される。衝撃が無くなると、バネ29が伸長し、可動部分27は通常状態へ戻る。
このように、第1指21は、第1部分22が回転軸B回りに回転することによって屈曲すると共に、第1指21へ作用する衝撃を第1部分22が伸縮することによって吸収する。
-開閉機構-
図5は、図3のV-V線における第1ハンドH1の断面図である。図6は、第1指21の第2部分23を中心とする拡大断面図である。尚、図5では、開閉機構3のギヤ列32及び屈曲機構4のギヤ列42の図示を一部省略している。
各開閉機構3は、図3,5に示すように、第1モータ31と、第1モータ31の駆動力を伝達するギヤ列32と、第1指21を開閉方向Aへ案内するガイド33とを有している。2つの開閉機構3は、ベース1内において互いに干渉しないように配置されている。
第1モータ31は、例えば、サーボモータであり、エンコーダが設けられている。また、第1モータ31のドライバには、電流センサが設けられている。
第1指21は、ガイド33に摺動可能に連結されている。具体的には、ガイド33は、開閉方向Aに延びる状態でベース1に設けられている。ガイド33には、ブロック33aが摺動可能に設けられている。第1指21の第2部分23は、ブロック33aに取り付けられている。
ギヤ列32は、第1モータ31の駆動力を第1指21へ伝達する。例えば、ギヤ列32は、ラックアンドピニオンを形成するラック32a及びピニオン32bを含んでいる。ラック32aは、ブロック33aに取り付けられている。このとき、ラック32aは、開閉方向Aに延びている。すなわち、ラック32aの複数の歯は、開閉方向Aに並んでいる。ピニオン32bは、ラック32aに噛合している。これにより、ピニオン32bまで伝達された第1モータ31の回転力は、開閉方向Aへのラック32aの直進移動力に変換される。ラック32aが開閉方向Aへ移動すると、ラック32aと共にブロック33a及び第1指21も開閉方向Aへ移動する。
このように構成された開閉機構3では、第1モータ31が駆動されると、第1モータ31の回転駆動力がギヤ列32によって伝達される。最終的に、回転駆動力は、ギヤ列32に含まれるラック32a及びピニオン32bによってブロック33aへ直進移動力として伝わる。ブロック33aは、ガイド33に沿って開閉方向Aへ移動する。ブロック33aと共に、第1指21も開閉方向Aへ移動する。開閉方向Aにおける第1指21の移動の向きは、第1モータ31の回転方向によって切り替えられる。また、第1指21の開閉方向Aにおける位置は、第1モータ31のエンコーダ出力に基づいて検出される。さらに、第1指21の移動時の第1モータ31の回転トルクは、電流センサの検出結果に基づいて検出される。
開閉機構3は、各第1指21に設けられているので、2つの第1指21は、それぞれの開閉機構3によって互いに独立して開閉方向Aへ移動させられる。
-屈曲機構-
屈曲機構4は、図3,5,6に示すように、第2モータ41と、第2モータ41の駆動力を伝達するギヤ列42と、ギヤ列42を介して第2モータ41の駆動力が伝達される第1タイミングプーリ43と、関節24に設けられた第2タイミングプーリ44と、第1タイミングプーリ43の回転を第2タイミングプーリ44に伝達するタイミングベルト45とを有している。第1タイミングプーリ43、第2タイミングプーリ44及びタイミングベルト45は、1つの第1指21につき1セット設けられている。
第2モータ41は、例えば、サーボモータであり、エンコーダが設けられている。また、第2モータ41のドライバには、電流センサが設けられている。
ギヤ列42は、ウォームギヤ、ウォームホイール及び平歯車42a等を含んでいる。平歯車42aは、ボールスプライン46を介して回転可能に支持されている。詳しくは、ボールスプライン46は、開閉方向Aに延びる状態でベース1に設けられている。ボールスプライン46は、その軸Dを中心に回転可能にベース1に支持されている。平歯車42aは、ボールスプライン46に回転不能に設けられている。つまり、平歯車42aは、軸Dを中心として、ボールスプライン46と一体的に回転する。
第1タイミングプーリ43は、ボールスプライン46に回転不能に設けられている。ボールスプライン46には、2つの第1タイミングプーリ43が設けられている。第1タイミングプーリ43は、軸Dを中心として、ボールスプライン46と一体的に回転する。つまり、平歯車42aの回転は、ボールスプライン46を介して、第1タイミングプーリ43に伝達される。それに加えて、第1タイミングプーリ43は、ボールスプライン46に対して軸Dの方向へ摺動可能となっている。
さらに、各第1タイミングプーリ43は、対応する1つの第1指21に連結されている。詳しくは、第1タイミングプーリ43は、第2部分23のうちベース1側の端部に、軸Dを中心に回転可能に連結されている。つまり、第1指21がガイド33に沿って開閉方向Aへ移動すると、第1タイミングプーリ43は、第1指21と共にボールスプライン46の軸Dの方向へ移動する。そして、ボールスプライン46が回転する場合には、第1指21が回転することなく、第1タイミングプーリ43は、ボールスプライン46と共に回転する。
第2タイミングプーリ44は、各第1指21の関節24において、第1部分22の固定部分26に回転不能に設けられている。つまり、第2タイミングプーリ44が回転すると、第1部分22が回転軸Bを中心に回転する。
タイミングベルト45は、第1タイミングプーリ43及び第2タイミングプーリ44に巻回されている。タイミングベルト45は、第1タイミングプーリ43の回転を第2タイミングプーリ44に伝達する。
このように構成された屈曲機構4では、第2モータ41が駆動されると、第2モータ41の回転駆動力は、ギヤ列42を介してボールスプライン46に伝達される。ボールスプライン46が軸D回りに回転すると、ボールスプライン46に設けられた第1タイミングプーリ43が軸D回りに回転する。第1指21は、ガイド33に連結されているので、回転しない。第1タイミングプーリ43の回転は、タイミングベルト45によって第2タイミングプーリ44に伝達される。第2タイミングプーリ44が回転すると、第1指21の第1部分22が回転軸Bを中心に回転する。これにより、第1指21が屈曲する。尚、第1部分22の回転角度によっては、第1部分22及び第2部分23が一直線状に並ぶ状態となる。
回転軸B回りの第1部分22の回転の向き、即ち、第1指21の屈曲の向きは、第2モータ41の回転方向によって切り替えられる。また、第1部分22の回転軸B回りの回転位置、即ち、第1指21の屈曲の程度又は屈曲の角度は、第2モータ41のエンコーダ出力に基づいて検出される。さらに、第1指21の屈曲時の第2モータ41の回転トルクは、電流センサの検出結果に基づいて検出される。
各第1指21に、一組の第1タイミングプーリ43、第2タイミングプーリ44及びタイミングベルト45が設けられている。各第1指21の第1タイミングプーリ43は、共通のボールスプライン46に設けられている。つまり、共通の第2モータ41の駆動によって、2つの第1指21が同時に且つ同様に屈曲する。屈曲の向き及び角度は、2つの第1指21で同じである。
尚、第1指21は、ガイド33に沿って開閉方向Aへ移動し得る。このとき、第1タイミングプーリ43も、第1指21と共にボールスプライン46に沿って開閉方向Aへ移動する。つまり、開閉方向Aの任意の位置において、屈曲機構4は、第1指21を屈曲させることができる。
-第1ハンドH1の動作の概略説明-
このように構成された第1ハンドH1は、開閉機構3によって2つの第1指21を開閉方向Aへ移動させることにより、2つの第1指21にワークを把持させることができる。例えば、第1ハンドH1は、開閉方向Aにおいて2つの第1指21を接近させる(閉じ動作させる)ことによりワークを把持することができる一方、開閉方向Aにおいて2つの第1指21を離隔させる(開き動作させる)ことによってもワークを把持することができる。
また、第1ハンドH1は、開閉機構3によって2つの第1指21を独立して動作させることができるため、開閉方向Aにおいて第1ハンドH1の中心から偏心した位置でワークを把持することができる(以下、このような把持を偏心把持という)。ここでいう第1ハンドH1の中心は、例えば、第1指21の可動範囲の中心Q(以下、単に「可動範囲の中心Q」ともいう)である。より詳しくは、第1ハンドH1は、ワークの位置に応じて、2つの第1指21のそれぞれの移動量を調整して第1ハンドH1の中心から偏心した位置でワークを把持する。このように、第1ハンドH1は、ワークが第1ハンドH1の中心からずれている場合でも、2つの第1指21でワークを適切に把持することができる。
また、第1ハンドH1は、図2に示すように、2つの第1指21を屈曲させることができる。第1指21は、第1部分22を開閉方向Aへ投影させて形成される仮想領域(図2において、第1部分22を紙面に直交する方向へ投影させて形成される領域)Xが後述する第2把持部5の軸Eに干渉する位置と仮想領域Xが軸Eに干渉しない位置との間で第1部分22が移動するように屈曲する。例えば、第1ハンドH1は、ワークを把持した状態の2つの第1指21を屈曲機構4によって屈曲させることができる。そのため、2つの第1指21を屈曲させることによっても、ワークを移動させたり、ワークの姿勢を変更したりすることが可能である。したがって、ロボットアーム1110の動作量を低減することができる。
また、第1ハンドH1は、第1指21の第1部分22に作用する衝撃を緩衝機構25によって吸収することができる。そのため、例えば、第1ハンドH1をワークの位置に移動させる際、第1部分22の先端22aとワークの載置台とが接触することによって生ずる第1部分22への衝撃を吸収することができる。
=第2ハンド=
第2ハンドH2は、第1ハンドH1と共通のベース1に設けられている。第2ハンドH2は、ワークを把持して、様々な処理を実行する。
以下、第2ハンドH2についてさらに詳細に説明する。図7は、ベース1の内部が見える状態で第2ハンドH2を第1ハンドH1とは反対側から見た概略図であって、第2指51が全開状態となっている図である。
第2ハンドH2は、ワークを把持する第2把持部5と、第2把持部5を所定の軸E方向へ直進させる直進機構6と、第2把持部5を軸Eの回りの回転させる回転機構7とを備えている。第2把持部5は、ワークを把持する3本の第2指51と、3本の第2指51を開閉させるリンク機構52とを有する。第2ハンドH2は、第2把持部5によって把持されたワークを軸Eの回りに回転させながら軸E方向へ直進させることができる。これにより、第2ハンドH2は、例えば、ワークを孔に挿入したり、ネジ孔に螺合させたりする。以下、軸E方向において第2指51がベース1から進出する側を単に「進出側」と称し、軸E方向において第2指51がベース1へ後退する側を単に「後退側」と称する。
第2ハンドH2は、第2指51を開閉させる開閉機構8をさらに備えていてもよい。第2ハンドH2は、第2把持部5による把持が解放された状態のワークを軸E方向へ押圧する押圧機構9をさらに備えていてもよい。第2ハンドH2は、第2指51を軸E方向へ弾性的に支持する緩衝機構10を備えていてもよい。
-把持部-
図8は、第2指51を軸E方向へ進出側から見た概略図である。図9は、第2把持部5を中心とする概略的な断面図である。
第2把持部5は、3本の第2指51と、3本の第2指51を開閉させるリンク機構52とを有している。第2把持部5は、把持部の一例である。
3本の第2指51は、図8に示すように、軸Eを中心とする周方向において等間隔(即ち、120度間隔)に配置されている。3つの第2指51は、リンク機構52によって軸Eを中心に開閉するように構成されている。つまり、3つの第2指51は、軸Eを中心とする半径方向へ離間及び接近する。これにより、3つの第2指51は、ワークを把持したり、ワークの把持を解放したりする。さらに、3つの第2指51は、軸Eからの距離が互いに同じになるように開閉する。3本の第2指51は、少なくとも2本の指の一例である。尚、3本の第2指51は、軸E回りに120度間隔で配置されているが、図7では、構成をわかりやすく図示するために、2本の第2指51が軸E回りに180度間隔で配置された状態で図示している。
各第2指51は、図9に示すように、概ね軸E方向へ延びている。第2指51は、ベース51aと爪51bとを有している。爪51bは、ベース51aの先端に設けられている。爪51bは、第2指51の先端部を形成している。第2指51は、爪51bにおいてワークを把持する。
リンク機構52は、複数のリンク53を有している。複数のリンク53は、3組の第1リンク53a及び第2リンク53bを含んでいる。図面においては、各リンクを区別して「53a」、「53b」と表記する場合と、各リンクを区別せずに「53」と表記する場合とがある。各第2指51に、1組の第1リンク53a及び第2リンク53bが連結されている。第1リンク53a及び第2リンク53bは、互いに交差するように配置され、それぞれの長手方向中央において互いに回転可能に連結されている。複数のリンク53は、軸Eを中心とする半径方向において3本の第2指51の内側に配置されている。
第1リンク53aの一端部は、第2指51に回転可能に連結されている。詳しくは、第2指51のベース51aには、第2指51の延伸方向に延びる長孔51cが形成されている。第1リンク53aの一端部は、長孔51cに回転可能且つ摺動可能に連結されている。
第2リンク53bの一端部は、第2指51に回転可能に連結されている。詳しくは、第2リンク53bの一端部は、第2指51のベース51aのうち長孔51cよりも第2指51の先端側の部分に回転可能に連結されている。
-開閉機構-
開閉機構8は、図7に示すように、リンク機構52を動作させることによって3本の第2指51を開閉させる。開閉機構8は、外筒81と、シャフト82と、リンク機構52を駆動する第3モータ83と、第3モータ83の駆動力をシャフト82に伝達するギヤ列84とを有している。
外筒81及びシャフト82は、軸Eを軸心とするように、同軸状に軸E方向へ延びている。具体的には、外筒81は、軸Eを軸心とする略円筒状に形成されている。シャフト82は、軸Eを軸心とする略円柱状に形成されている。
外筒81及びシャフト82において、軸E方向における一端部をそれぞれ第1端部81a及び第1端部82aと称し、軸E方向における他端部をそれぞれ第2端部81b及び第2端部82bと称する。第1端部81a及び第1端部82aは、軸E方向における進出側の端部である。第2端部81b及び第2端部82bは、軸E方向における後退側の端部である。第1端部81a及び第1端部82aには、第2把持部5が連結されている。
外筒81は、ベース1に取り付けられた軸受12に軸E方向へ移動可能且つ軸E回りに回転可能に支持されている。
シャフト82は、外筒81内に挿入される。外筒81とシャフト82とは、軸E回りに相対的に回転可能であり且つ軸E方向へ相対的に移動可能となっている。シャフト82の第1端部82aは、外筒81の第1端部81aから外側へ突出している。シャフト82の第2端部82bは、外筒81の第2端部81bから外側へ突出している。
シャフト82は、第1端部82aを含むリンクシャフト82cと、第2端部82bを含むシャフト本体82dとに分割されている。リンクシャフト82cとシャフト本体82dとは、軸Eを中心に回転可能且つ軸E方向に移動不能に連結されている。第2端部82bには、雄ネジ82gが形成されている。
リンクシャフト82cの先端、即ち、第1端部82aの先端には、図9に示すように、押圧ブロック91が設けられている。
外筒81の第1端部81aには、リンクシャフト82cを案内する略円筒状のリンクブロック81cが設けられている。リンクシャフト82cは、リンクブロック81cを貫通している。リンクシャフト82cとリンクブロック81cとの間には、僅かなクリアランスが設けられている。
外筒81の第1端部81a及びシャフト82の第1端部82aには、リンク機構52が連結されている。具体的には、シャフト82の第1端部82a、具体的には押圧ブロック91に、第1リンク53aの一端部(第2指51に連結されていない端部)が回転可能に連結されている。外筒81の第1端部81a、具体的にはリンクブロック81cには、第2リンク53bの一端部(第2指51に連結されていない端部)が回転可能に連結されている。
リンクシャフト82cが軸E方向へ移動すると、軸E方向において、第1リンク53aの一端部と第2リンク53bの一端部との相対位置が変化し、それに応じて、第2指51の軸E方向の位置及び軸Eを中心とする半径方向の位置が変化する。
第3モータ83は、例えば、サーボモータであり、エンコーダが設けられている。また、第3モータ83のドライバには、電流センサが設けられている。第3モータ83は、図7に示すように、ベース1に支持されている。
ギヤ列84は、第3モータ83から順に並ぶ第1ギヤ列84a及び第2ギヤ列84cを含んでいる。
第1ギヤ列84aは、複数の歯車を含んでいる。第1ギヤ列84aの複数の歯車は、軸Eと平行な軸回りに回転可能にベース1に支持されている。第1ギヤ列84aは、第3モータ83の回転駆動力をボールスプライン84bを介して第2ギヤ列84cに伝達する。ボールスプライン84bは、シャフト82の軸Eと平行に延びる軸Fを有している。ボールスプライン84bは、軸Fを中心に回転自在にベース1に支持されている。第1ギヤ列84aのうちの一の歯車(最終段の歯車)は、ボールスプライン84bに軸F回りに回転不能且つ軸F方向へ移動不能に連結されている。つまり、第1ギヤ列84aの歯車が回転すると、ボールスプライン84bは、軸F回りに回転する。
第2ギヤ列84cは、ギヤボックス85に収容されている。第2ギヤ列84cは、第1歯車84d、第2歯車84e及び第3歯車84fを含んでいる。第1歯車84d、第2歯車84e及び第3歯車84fは、軸Eと平行な軸回りに回転可能にギヤボックス85に支持されている。
第1歯車84dは、ボールスプライン84bを介して第1ギヤ列84aと連結されている。第1歯車84dは、ボールスプライン84bに軸F回りに回転不能且つ軸F方向へ移動可能に連結されている。つまり、第1歯車84dは、ボールスプライン84bと一体的に回転する。
第3歯車84fの内周には、雌ネジが形成されている。第3歯車84fは、シャフト82の雄ネジ82gに螺合している。第2歯車84eは、第1歯車84dと第3歯車84fとの間に位置し、第1歯車84d及び第3歯車84fのそれぞれに噛合している。
ギヤボックス85は、外筒81を軸E回りに回転可能に且つ軸E方向へ移動不能に支持している。シャフト82は、第3歯車84fを介してギヤボックス85に支持されている。また、ギヤボックス85は、シャフト82が軸E回りに回転しないように、シャフト82の軸E回りの回転を規制している。
このように構成された開閉機構8の動作について説明する。図10は、ベース1の内部が見える状態で第2ハンドH2を第1ハンドH1と反対側から見た概略図であって、第2指51が全閉状態となっている図である。図11は、第2指51が全閉状態となった第2把持部5を中心とする概略的な断面図である。
第3モータ83が駆動されると、第3モータ83の回転駆動力は、第1ギヤ列84aを介してボールスプライン84bに伝達される。ボールスプライン84bが軸F回りに回転すると、ボールスプライン84bに連結された第1歯車84dが軸F回りに回転する。第1歯車84dの回転は、第2歯車84eを介して第3歯車84fに伝達する。シャフト82は、軸E回りに回転しないので、第3歯車84fが回転すると、図10に示すように、シャフト82は、第3歯車84fに対して軸E方向へ相対的に移動する。つまり、シャフト82は、外筒81に対して軸E方向へ相対的に移動する。軸E方向へのシャフト82の移動によって、図11に示すように、第1リンク53aの一端部もシャフト82と共に軸E方向へ移動する。外筒81に連結された第2リンク53bの一端部とシャフト82に連結された第1リンク53aの一端部との軸E方向への相対位置が変化し、第1リンク53aと第2リンク53bとの相対関係が変化する。これにより、3つの第2指51は、軸Eを中心とする半径方向へ移動する。すなわち、3つの第2指51が開閉する。
シャフト82の軸E方向への移動の向き、即ち、3つの第2指51の軸Eを中心として離間するか接近するかは、第3モータ83の回転方向によって切り替えられる。また、3つの第2指51の軸Eを中心とする半径方向の位置、即ち、3つの第2指51の開閉の程度は、第3モータ83のエンコーダ出力に基づいて検出される。さらに、3つの第2指51の開閉時の第3モータ83の回転トルクは、電流センサの検出結果に基づいて検出される。
-直進機構及び回転機構-
前述の如く、第2把持部5は、外筒81及びシャフト82に連結されている。直進機構6は、外筒81及びシャフト82を軸E方向へ移動させることによって、第2把持部5を軸E方向へ直進させる。回転機構7は、外筒81及びシャフト82のリンクシャフト82cを軸E回りに回転させることによって第2把持部5を軸E回りに回転させる。尚、この例では、直進機構6と回転機構7との間で要素の一部が共通となっている。また、直進機構6は、開閉機構8との間で要素の一部が共通となっている。回転機構7は、開閉機構8との間で要素の一部が共通となっている。
詳しくは、直進機構6は、図7,10に示すように、第4モータ61と、第4モータ61の駆動力を伝達する第1ギヤ列62と、送りネジ機構63と、外筒81と、シャフト82とを有している。
第4モータ61は、例えば、サーボモータであり、エンコーダが設けられている。また、第4モータ61のドライバには、電流センサが設けられている。第4モータ61は、ベース1に支持されている。第4モータ61は、駆動部の一例である。
第1ギヤ列62は、回転可能にベース1に支持された複数の歯車を有している。
送りネジ機構63は、送りネジ64と、送りネジ64に噛合する直進要素としてのナット65とを有している。
送りネジ64の軸Gは、軸Eと平行に延びている。送りネジ64は、第1ギヤ列62に含まれる一の歯車に回転不能に連結されている。すなわち、送りネジ64は、該一の歯車と一体的に軸G回りに回転する。
ナット65は、送りネジ64に噛合している。ナット65は、ギヤボックス85に収容されている。ナット65は、軸G回りに回転しないように、ギヤボックス85によって回り止めされている。ナット65は、筒状に形成された本体65aと、本体65aに設けられたフランジ65bとを有している。
ナット65は、緩衝機構10によって、ギヤボックス85に軸G方向、即ち、軸E方向へ弾性的に押し付けられている。詳しくは、緩衝機構10は、バネである。具体的には、緩衝機構10は、コイルバネである。緩衝機構10は、フランジ65bに対して軸E方向の進出側に配置されている。緩衝機構10は、フランジ65bとギヤボックス85との間で圧縮した状態となっている。緩衝機構10は、弾性力によって軸E方向の進出側へギヤボックス85をナット65へ押圧する。これにより、ナット65が軸G方向へ移動すると、ギヤボックス85もナット65と一体的に軸G方向、即ち、軸E方向へ移動する。
外筒81及びシャフト82の構成は、前述の通りである。外筒81は、ギヤボックス85に軸E回りに回転可能に且つ軸E方向へ移動不能に支持されている。シャフト82は、第3歯車84fを介してギヤボックス85に支持されている。そのため、ギヤボックス85が軸E方向へ移動すると、外筒81及びシャフト82もギヤボックス85と共に軸E方向へ移動する。
回転機構7は、図7,10に示すように、第4モータ61と、第4モータ61の駆動力を伝達する第1ギヤ列62と、第4モータ61の駆動力を第1ギヤ列62から外筒81へさらに伝達する第2ギヤ列73と、外筒81と、シャフト82とを有している。つまり、回転機構7の第4モータ61、第1ギヤ列62、外筒81及びシャフト82は、直進機構6と共通である。
第2ギヤ列73は、第5歯車73a及び第6歯車73bを含んでいる。第5歯車73a及び第6歯車73bは、軸E方向へ移動不能に且つ、軸Eと平行な軸回りに回転可能にギヤボックス85に支持されている。
第5歯車73aは、ボールスプライン73cを介して第1ギヤ列62に含まれる一の歯車と連結されている。ボールスプライン73cの軸Hは、軸Eと平行に延びている。ボールスプライン73cは、軸H回りに回転不能に該一の歯車に連結されている。つまり、ボールスプライン73cは、該一の歯車と一体的に軸H回りに回転する。
ボールスプライン73cには、第5歯車73aが軸H回りに回転不能且つ軸H方向へ移動可能に連結されている。つまり、第5歯車73aは、ボールスプライン73cと一体的に回転する。このとき、第5歯車73aは、ギヤボックス85に対して相対的に回転する。
第6歯車73bは、外筒81に軸Eを中心に回転不能且つ軸E方向へ移動不能に連結されている。つまり、第6歯車73bは、外筒81と一体的に回転する。
このように構成された直進機構6及び回転機構7の動作について説明する。図12は、ベース1の内部が見える状態で第2ハンドH2を第1ハンドH1と反対側から見た概略図であって、第2指51が全開状態となって軸E方向へ進出した図である。
第4モータ61が駆動されると、第4モータ61の回転駆動力は、第1ギヤ列62を介してボールスプライン73cに伝達される。ボールスプライン73cが軸H回りに回転すると、ボールスプライン73cの回転が第2ギヤ列73に伝達される。これにより、第6歯車73bが軸E回りに回転し、それと共に外筒81も軸E回りに回転する。外筒81の第1端部81aにはリンク53のうち第2リンク53bが連結されている。ここで、リンク53のうち第1リンク53aが連結されているリンクシャフト82cは、シャフト本体82dに対して軸E回りに自在に回転する。そのため、第2リンク53bが軸E回りに回転すると、第1リンク53aも第2リンク53bと共に軸E回りに回転する。その結果、3つの第2指51が軸E回りに回転する。
尚、3つの第2指51が軸E回りに回転しても、第3モータ83が動作していない限り、シャフト本体82dは、回転しない。そのため、外筒81とシャフト82との軸E方向の相対位置は変化しない。その結果、3つの第2指51の開閉状態が変化することなく、3つの第2指51は、軸E回りに回転する。
それと同時に、第4モータ61の回転駆動力は、第1ギヤ列62を介して送りネジ64に伝達される。送りネジ64が軸G回りに回転すると、送りネジ64に螺合するナット65が軸G方向へ移動する。ナット65が軸G方向へ移動すると、ギヤボックス85も軸G方向、即ち、軸E方向へ移動する。ギヤボックス85は、外筒81及びシャフト82を支持している。そのため、ギヤボックス85が軸E方向へ移動すると、外筒81及びシャフト82もギヤボックス85と一体的に軸E方向へ移動する。このとき、外筒81は、回転機構7によって軸E回りに回転されられている。つまり、外筒81は、軸E回りに回転しながら軸E方向へ直進する。
また、ギヤボックス85は、開閉機構8の第2ギヤ列84cも支持している。そのため、ギヤボックス85が軸E方向へ移動する際には、第2ギヤ列84cもギヤボックス85と一体的に軸E方向へ移動する。第2ギヤ列84cに含まれる第1歯車84dは、ギヤボックス85に支持されている以外にボールスプライン84bにも連結されている。そのため、ギヤボックス85が軸E方向へ移動する際には、第1歯車84dは、ボールスプライン84bに沿って摺動して、ギヤボックス85と共に軸E方向へ移動する。このとき、第3モータ83が動作していない限りは、第1歯車84dは、ボールスプライン84bの軸F回りに回転することなく、軸E方向へ移動する。そのため、第2ギヤ列84cに含まれる歯車は、回転しない。これにより、ギヤボックス85が軸E方向へ移動する際に、外筒81とシャフト82との軸E方向の相対位置は変化しない。その結果、3つの第2指51の開閉状態が変化することなく、3つの第2指51は、軸E方向へ移動する。
尚、第5歯車73aは、ギヤボックス85に支持されている以外にボールスプライン73cにも連結されている。ただし、第5歯車73aは、ボールスプライン73cに沿って軸H方向へ移動することができる。そのため、ギヤボックス85が軸E方向へ移動する際には、第5歯車73aは、ボールスプライン73cに沿って摺動して、ギヤボックス85と共に軸E方向へ移動する。ギヤボックス85が軸E方向へ移動しても、第5歯車73aは、ボールスプライン73cの回転を第6歯車73bへ適切に伝達する。
-押圧機構-
押圧機構9は、第2把持部5による把持が解放された状態のワークを軸Eの方向へ押圧する。この例では、押圧機構9は、直進機構6と一体的に形成されている。すなわち、押圧機構9は、直進機構6との間で要素の一部が共通となっている。具体的には、押圧機構9は、図7,10,12に示すように、第4モータ61と、第4モータ61の駆動力を伝達する第1ギヤ列62と、送りネジ機構63と、シャフト82と、シャフト82に設けられた押圧ブロック91(図9,11参照)とを有している。
前述の如く、第4モータ61の駆動力は、第1ギヤ列62によって送りネジ機構63に伝達される。送りネジ機構63は、ギヤボックス85等を介してシャフト82を軸E方向に直進させる。シャフト82のうちリンクシャフト82cの先端、即ち、第1端部82aの先端には、図9に示すように、押圧ブロック91が設けられている。押圧ブロック91は、軸Eに直交する押圧面92を有している。第4モータ61の駆動によってシャフト82が軸E方向へ直進すると、押圧ブロック91が軸E方向へ直進する。押圧ブロック91は、押圧部の一例である。
押圧ブロック91には、リンク機構52のリンク53が連結されている。第2指51が開いた場合(少なくとも最大限開いた場合)には、押圧ブロック91よりも軸E方向の進出側のスペースから第2指51が軸Eを中心とする半径方向外側へ退避した状態となる。このように第2指51が開いた状態となることによって、押圧ブロック91が軸E方向へ直進する際に、ワークと第2指51が干渉することを回避することができる。つまり、第2指51に邪魔をされることなく、押圧ブロック91によってワークを押圧することができる。
-緩衝機構-
図13は、緩衝機構10を中心とする拡大断面図である。尚、図13においては、緩衝機構10の緩衝作用においてもベース1に対して相対的に移動しない部材、即ち、送りネジ64、ナット65、ボールスプライン73c及びボールスプライン84bは破線で図示されている。緩衝機構10は、送りネジ機構63のナット65とギヤボックス85と弾性的に連結している。具体的には、緩衝機構10は、ギヤボックス85内に収容されている。ギヤボックス85がナット65に対して軸E方向における後退側へ変位可能なようにナット65とギヤボックス85とを弾性的に連結している。ギヤボックス85には、外筒81及びシャフト82が支持されている。外筒81の第1端部81a及びシャフト82の第1端部82aには、リンク53を介して第2指51が連結されている。すなわち、緩衝機構10は、軸E方向における後退側へ第2指51が変位可能に、第2指51を弾性的に支持する。
このような緩衝機構10は、軸E方向における後退側へ第2指51に力が作用すると、緩衝機構10が弾性変形、即ち、圧縮変形して、第2指51、リンク機構52、外筒81、シャフト82及びギヤボックス85が軸E方向における後退側へ一体的に移動する。こうして、第2指51へ作用する力が吸収される。
-第2ハンドH2の動作の概略説明-
このように構成された第2ハンドH2は、第2指51によってワークを把持する際に、ワークを把持するのに適切な位置まで第2指51を直進機構6によって軸E方向へ移動させることができる。例えば、第2ハンドH2は、開いた状態の3つの第2指51をワークの近くまで直進機構6によって軸E方向へ移動させ、その後、3つの第2指51を閉じさせることによって第2指51でワークを把持する。尚、第2ハンドH2は、第2指51を開かせることによってワークを把持することもできる。
また、第2ハンドH2は、第2指51でワークを把持した状態で、第2指51を軸E回りに回転させながら軸E方向へ直進させることができる。これにより、第2ハンドH2は、挿入結合される2つのワークの一方のワークを他方のワークに結合させる作業(以下、「結合作業」という)を行うことができる。結合作業には、2つのワークを嵌め合いによって結合させる嵌め合い作業と2つのワークをネジ結合させる螺合作業とを含む。嵌め合い作業には、一方のワークを他方のワークの内側に嵌め合わせる作業と、一方のワークを他方のワークの外側に嵌め合わせる作業とを含む。螺合作業には、雄ネジが形成された一方のワークを雌ネジが形成された他方のワークに螺合させる作業と、雌ネジが形成された一方のワークを雄ネジが形成された他方のワークに螺合させる作業とが含まれる。嵌め合い作業においては、第2ハンドH2は、一方のワークを第2指51で把持して軸E回りに回転させながら他方のワークに嵌め合わせるだけでなく、一方のワークを押圧ブロック91で軸E方向へ押圧することによって他方のワークへ嵌め合わせることもできる。
さらに、第2ハンドH2では、第2指51でワークを把持する際又はワークの結合作業を行う際に第2指51へ軸E方向における後退側へ力が作用すると、第2指51が軸E方向において後退して、緩衝機構10がその力を吸収する。
制御部1200は、例えばマイクロコントローラ等のコンピュータを備えたロボットコントローラである。制御部1200は、記憶されているロボットコントローラとしての基本プログラム等のソフトウェアを実行することにより、ロボットアーム1110およびハンド100の各種動作を制御する。具体的には、制御部1200は、ロボットアーム1110に内蔵されているアクチュエータ(図示省略)を制御することによりロボットアーム1110を動作させる。また、制御部1200は、第1モータ31及び第2モータ41を制御することにより、第1ハンドH1を動作させる。また、制御部1200は、第3モータ83及び第4モータ61を制御することにより、第2ハンドH2を動作させる。尚、制御部1200は、ハンド100とロボットアーム1110とで個別に設けられていてもよい。
-組立作業-
前記のように構成されたハンド100によるベアリングユニット200の組立作業を一例として説明する。図14は、ベアリングユニット200の概略構成を示す斜視図である。ベアリングユニット200では、ベースプレート210に固定されたアングル220にベアリング235及びベアリングホルダ230が取り付けられ、ベアリング235にシャフト250が挿入されている。このベアリングユニット200の組立作業は、ベースプレート210にアングル220を載置する作業(載置作業)と、アングル220をベースプレート210にボルト240によって締結する作業(第1締結作業)と、ベアリングホルダ230をアングル220の取付孔224に挿入する作業(ホルダ挿入作業)と、ベアリングホルダ230を位置決めする作業(位置決め作業)と、ベアリングホルダ230をアングル220にボルト240によって締結する作業(第2締結作業)と、ベアリングホルダ230に装着されているベアリング235にシャフト250を挿入する作業(シャフト挿入作業)とが含まれる。
-各部品の説明-
このベアリングユニット200の組立作業では、部品として、ベースプレート210、アングル220、ベアリングホルダ230、ボルト240およびシャフト250が含まれる。図15は、ベースプレート210の概略構成を示す斜視図である。図16は、アングル220の概略構成を示す斜視図である。図17は、ベアリングホルダ230の概略構成を示す斜視図である。
ベースプレート210は、板状部材であり、平面視で矩形状に形成されている。ベースプレート210には、アングル220をボルト240によって締結するための2つのネジ孔211が設けられている。ネジ孔211は、ベースプレート210の厚み方向に貫通している。
アングル220は、ベアリングホルダ230が取り付けられる部材である。アングル220は、第1プレート221と、第2プレート222とを有している。第1プレート221と第2プレート222とは、直角を成すように繋がっている。第2プレート222には、ベースプレート210のネジ孔211に対応する2つの貫通孔223が設けられている。つまり、貫通孔223は、アングル220をベースプレート210に取り付けるためのボルト240が挿入される孔である。第1プレート221には、第1プレート221の厚み方向に貫通し、ベアリングホルダ230が挿入される取付孔224が設けられている。
また、第1プレート221には、取付孔224の周囲に複数(この例では、4つ)のネジ孔225が設けられている。ネジ孔225は、取付孔224に挿入されたベアリングホルダ230をアングル220にボルト240によって締結するための孔である。4つのうち2つのネジ孔225は、鉛直方向に並んでおり、残りの2つのネジ孔225は、水平方向に並んでいる。つまり、4つのネジ孔225は、取付孔224の周方向において互いに90度間隔で設けられている。なお、ネジ孔225は第1プレート221の厚み方向に貫通している。
ベアリングホルダ230は、ベアリング235を保持するための部品である。この例では、既にベアリングホルダ230の内側にベアリング235が装着されている。ベアリング235には、シャフト250が挿入される貫通孔236が形成されている。ベアリングホルダ230は、ホルダ本体231と、フランジ232とを有している。ホルダ本体231は、円筒状に形成されている。フランジ232は、円環状に形成されており、ホルダ本体231の軸方向における端部の外周に一体形成されている。アングル220の取付孔224には、ホルダ本体231が挿入される。ホルダ本体231の外径は、取付孔224の孔径と略同じである。フランジ232には、アングル220のネジ孔225に対応する4つの貫通孔233が設けられている。つまり、貫通孔233は、ベアリングホルダ230をアングル220に取り付けるためのボルト240が挿入される孔である。各貫通孔233には、ボルト240の頭を収容するザグリ穴234が設けられている。
ボルト240は、雄ネジが形成されたボルト本体241と、ボルト本体241の端部に設けられた円柱状の頭242とを有している(後述の図20を参照)。
以下に、各作業におけるハンド100の動作を詳細に説明する。尚、以下の作業においては、制御部1200が、ロボットアーム1110及びハンド100を後述のように動作させる。
-載置作業-
図18は、第1把持部2によってアングル220を把持する状態を示す概略図である。図19は、第1把持部2によってアングル220をベースプレート210に載置する状態を示す概略図である。この載置作業では、ベースプレート210は、水平方向に延びる状態で架台等に位置している。
まず、第1ハンドH1の第1把持部2によってトレーT上のアングル220を把持する。詳しくは、アングル220は、第1プレート221が水平方向に延びる状態で、第2プレート222が鉛直方向に延びる状態でトレーT上に載置されている。ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第1把持部2をトレーTのアングル220の位置に位置させる。このとき、第1把持部2の2つの第1指21は、延伸状態で且つ開いた状態となっている。図18に示すように、第1把持部2は、2つの第1指21を開閉方向Aにおいて互いに接近する向きへ移動させ、2つの第1指21によってアングル220を把持する。
次に、第1把持部2は、把持したアングル220をベースプレート210に載置する。詳しくは、第1把持部2は、アングル220を把持した状態の2つの第1指21を屈曲させる。具体的には、第1プレート221が鉛直方向に延びた状態となるように、且つ、第2プレート222が下側に位置するように、第1指21が屈曲する。そして、図19に示すように、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第1把持部2に把持されたアングル220をベースプレート210における所定の位置に載置する。具体的には、ロボットアーム1110は、アングル220の貫通孔223の軸心がベースプレート210のネジ孔211の軸心に一致するようにアングル220をベースプレート210に載置する。
以上の動作によって載置作業が完了する。
-第1締結作業-
図20は、第1把持部2によってボルト240を把持する状態を示す概略図である。図21は、第2把持部5が第1把持部2からボルト240を受け取る状態を示す概略図である。図22は、第2把持部5がボルト240をネジ孔211にねじ込む状態を示す概略図である。
まず、第1ハンドH1の第1把持部2によってトレーT上のボルト240を把持する。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第1把持部2をトレーTのボルト240の位置に位置させる。このとき、第1把持部2の2つの第1指21は、延伸状態で且つ開いた状態となっている。また、ボルト240は、2つの第1指21の間に位置している。第1把持部2は、2つの第1指21を開閉方向Aにおいて互いに接近する向きへ移動させ、図20に示すように、2つの第1指21によってボルト240を把持する。
次に、第1把持部2は、ボルト240を第2ハンドH2の第2把持部5に受け渡す。詳しくは、第1把持部2は、ボルト240を把持した状態の2つの第1指21を屈曲させる。具体的には、第1把持部2は、第1指21を屈曲させて、第1部分22を開閉方向Aへ投影させて形成される仮想領域Xが軸Eに干渉する位置まで第1部分22を移動させる。仮想領域Xは、図21において、第1部分22を紙面と直交する方向に投影した領域である。尚、図21においては、仮想領域Xをわかりやすくするために、仮想領域Xを第1部分22よりも少し大きくして二点鎖線で図示している(図28においても同様)。第1部分22を仮想領域Xが軸Eに干渉する位置まで移動させた結果、3つの第2指51が進退する軸Eの近傍にボルト240が位置するようになる。その後、第2ハンドH2は、第2指51を軸E方向へ移動させて、第1指21に把持されたボルト240の位置に第2指51を位置させる。このとき、3つの第2指51は開いた状態となっている。第2ハンドH2は、3つの第2指51を互いに接近するように移動させ、図21に示すように、3つの第2指51によってボルト240を把持する。3つの第2指51は、ボルト240のボルト本体241の軸心が軸Eと一致する状態でボルト240の頭242を把持する。
続いて、第2ハンドH2は、ボルト240をネジ孔211に螺合させる。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第2把持部5に把持されたボルト240をベースプレート210のネジ孔211の上方、即ち、アングル220の貫通孔223の上方へ位置させる。このとき、ロボットアーム1110は、ボルト本体241の軸心を貫通孔223の軸心に略一致させる。第2ハンドH2は、回転機構7によって第2指51を回転させつつ直進機構6によって第2指51を下方へ移動させる。これにより、ボルト240は、図22に示すように、貫通孔223に進入し、さらにネジ孔211にねじ込まれていく。最終的に、第2ハンドH2は、ボルト240が第2プレート222をベースプレート210に固定するまでボルト240をネジ孔211へねじ込む。
これらの一連の動作が2か所のネジ孔211に対して行われることによって、最終的に、アングル220がベースプレート210にボルト締結される。
以上の動作によって第1締結作業が完了する。
-ホルダ挿入作業-
図23は、第2把持部5によってベアリングホルダ230を把持する状態を示す概略図である。図24は、第2把持部5によってベアリングホルダ230をアングル220に挿入する状態を示す概略図である。
まず、第2ハンドH2の第2把持部5によってトレーT上のベアリングホルダ230を把持する。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第2把持部5をトレーTのベアリングホルダ230の位置に位置させる。ベアリングホルダ230は、フランジ232を上に、ホルダ本体231を下にした状態でトレーT上に載置されている。第2把持部5の3つの第2指51は、閉じた状態で、ホルダ本体231内のベアリング235の貫通孔236の内部へ挿入される。第2ハンドH2は、3つの第2指51を開かせて、図23に示すように、3つの第2指51を貫通孔236の内周面に接触させる。これにより、第2把持部5は、3つの第2指51によってベアリングホルダ230を把持する。
次に、第2ハンドH2は、ベアリングホルダ230をアングル220の取付孔224へ嵌め合わせる。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第2把持部5に把持されたベアリングホルダ230をアングル220の取付孔224の側方に位置させる。このとき、ロボットアーム1110は、第2把持部5の軸E、即ち、ベアリングホルダ230の軸心を取付孔224の軸心に略一致させる。そして、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させ、ベアリングホルダ230のホルダ本体231を取付孔224へ接近させる。その後、第2ハンドH2は、回転機構7によって第2指51を回転させつつ直進機構6によって第2指51を軸E方向へ直進させる。これにより、ホルダ本体231が取付孔224内に進入していく。最終的に、第2ハンドH2は、図24に示すように、ベアリングホルダ230のフランジ232が第1プレート221へ接触するまでベアリングホルダ230を取付孔224へ挿入する。
以上の動作によって挿入作業が完了する。
-位置決め作業-
図25は、アングル220に挿入されたベアリングホルダ230の一状態を端面232a側から視て示す図である。
まず、ハンド100は、第1把持部2をベアリングホルダ230のフランジ232の端面232aにおける所定位置に押し付ける。ここで、フランジ232の端面232aは、ベアリングホルダ230の軸心K方向におけるフランジ232の端部の面である。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第1把持部2をフランジ232の端面232aの側方に位置させる。このとき、第1把持部2の2つの第1指21は、延伸状態で且つ開いた状態となっている。そして、2つのうち一方の第1指21は、開閉機構3によって開閉方向Aにおける前述の所定位置に対応する位置に移動させられる。そして、ロボットアーム1110は、ハンド100をフランジ232に向かって移動させて、一方の第1指21を端面232aにおける所定位置に押し付ける。
続いて、第1ハンドH1の第1把持部2によってベアリングホルダ230を回転させて位置決めを行う。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を回転させて、第1把持部2の一方の第1指21をベアリングホルダ230の軸心K回りに回転させる。そして、図25に示すように、端面232aに押し付けられている第1指21は、貫通孔233の位置まで回転すると、その貫通孔233のザグリ穴234に入り込む(係止する)。そして、ロボットアーム1110は、ハンド100をさらに回転させて、フランジ232の貫通孔233の軸心をアングル220のネジ孔225の軸心と一致させる。こうして、ベアリングホルダ230は所定の回転位置に位置決めされる。なお、図25では、第1指21についてはその先端(即ち、第1部分22の先端22a)を図示している。また、図25では、ベアリング235の図示を省略している。
以上の動作によって位置決め作業が完了する。
-第2締結作業-
図26は、第2把持部5によってボルト240をアングル220のネジ孔225へねじ込む状態を示す概略図である。
まず、第1ハンドH1の第1把持部2によってトレーT上のボルト240を把持する。次に、第1把持部2は、ボルト240を第2ハンドH2の第2把持部5に受け渡す。これらの動作は、第1締結作業と同様である。
続いて、第2ハンドH2は、ボルト240をアングル220のネジ孔225に螺合させる。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第2把持部5に把持されたボルト240をアングル220のネジ孔225の側方、即ち、ベアリングホルダ230の貫通孔233の側方へ位置させる。このとき、ロボットアーム1110は、第2把持部5の軸E、即ち、ボルト240の軸心をネジ孔225の軸心に略一致させる。そして、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させ、ボルト240を貫通孔233へ少しだけ挿入する。その後、第2ハンドH2は、回転機構7によって第2指51を軸E回りに回転させつつ直進機構6によって第2指51を軸E方向へ直進させる。これにより、図26に示すように、ボルト240が貫通孔233内に進入し、さらにネジ孔225へねじ込まれていく。最終的に、第2ハンドH2は、ボルト240がベアリングホルダ230のフランジ232がアングル220に固定されるまでボルト240をネジ孔225へねじ込む。
これらの一連の動作が4か所のネジ孔225に対して行われることによって、最終的に、ベアリングホルダ230がアングル220にボルト締結される。
以上の動作によって第2締結作業が完了する。
-シャフト挿入作業-
図27は、第1把持部2によってシャフト250を把持する状態を示す概略図である。図28は、第2把持部5が第1把持部2からシャフト250を受け取る状態を示す概略図である。図29は、第2把持部5によってシャフト250をベアリングホルダ230のベアリング235に挿入する状態を示す概略図である。
まず、第1ハンドH1の第1把持部2によってトレーT上のシャフト250を把持する。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第1把持部2をトレーTのシャフト250の位置に位置させる。このとき、第1把持部2の2つの第1指21は、延伸状態で且つ開いた状態となっている。また、シャフト250は、2つの第1指21の間に位置している。第1把持部2は、2つの第1指21を開閉方向Aにおいて互いに接近する向きへ移動させ、図27に示すように、2つの第1指21によってシャフト250を把持する。
次に、第1把持部2は、シャフト250を第2ハンドH2の第2把持部5に受け渡す。詳しくは、第1把持部2は、シャフト250を把持した状態の2つの第1指21を屈曲させる。具体的には、第1把持部2は、第1指21を屈曲させて、第1部分22の仮想領域Xが軸Eに干渉する位置まで第1部分22を移動させる。その結果、3つの第2指51が進退する軸Eの近傍にシャフト250が位置するようになる。その後、第2ハンドH2は、第2指51を軸E方向へ移動させて、第1指21に把持されたシャフト250の位置に第2指51を位置させる。このとき、3つの第2指51は開いた状態となっている。第2ハンドH2は、3つの第2指51を互いに接近するように移動させ、図28に示すように、3つの第2指51によってシャフト250を把持する。3つの第2指51は、シャフト250の軸心が軸Eと一致する状態でシャフト250の端部を把持する。
次に、第2把持部5は、シャフト250をベアリングホルダ230のベアリング235へ挿入する。詳しくは、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させて、第2把持部5に把持されたシャフト250をベアリングホルダ230の側方に位置させる。このとき、ロボットアーム1110は、第2把持部5の軸E、即ち、シャフト250の軸心をベアリング235の貫通孔236の軸心に略一致させる。そして、ロボットアーム1110は、ハンド100を移動させ、シャフト250をベアリング235の貫通孔236の近傍に少しだけ押し付ける。その後、第2ハンドH2は、回転機構7によって第2指51を軸E回りに回転させつつ直進機構6によって第2指51を軸E方向へ直進させる。これにより、シャフト250が貫通孔236内に進入していく。このとき、第2ハンドH2は、第2把持部5によるシャフト250の把持を解放して、押圧機構9の押圧ブロック91でシャフト250を軸E方向へ押圧して、シャフト250を貫通孔236へ挿入する場合もある。最終的に、第2ハンドH2は、シャフト250が貫通孔236へ所定量、挿入されたところでシャフト250の挿入を停止する。
以上の動作によってシャフト挿入作業が完了し、ベアリングユニット200の組立作業が完了する。
このようなベアリングユニット200の組立作業において、第1ハンドH1は、トレーTから第1指21への衝撃を吸収することができる。
詳しくは、前記の載置作業では、ロボットアーム1110は、第1ハンドH1をトレーTに置かれたアングル220の上方に移動させる。続いて、ロボットアーム1110は、図30に示すように、第1ハンドH1を下降させて、第1把持部2の第1指21をトレーTに接触させる。このとき、2つの第1指21は、延伸状態となっている。第1指21がトレーTに接触した際、第1指21の第1部分22では可動部分27が延伸方向C2において固定部分26の側へ移動する(図30に示す実線の矢印を参照)。
これにより、第1指21がトレーTに接触した際の衝撃が緩衝機構25によって吸収される。そのため、第1指21とトレーTとの衝突がある程度許容されるので、より高速で第1ハンドH1をアングル220の位置に移動させることができる。また、トレーTとの衝撃を吸収できることから、トレーTの位置に丁度に停止しなくてもよくなり、トレーTの位置を高精度に検出する必要がなくなる。
第1指21がトレーTに接触した状態では、第1指21の可動範囲の中心Q(以下、単に「可動範囲の中心Q」ともいう)とアングル220における把持対象部分とがずれている場合がある。つまり、2つの第1指21の間隔の中心(以下、単に「2つの第1指21の中心」ともいう)とワークとがずれている場合がある。この場合、第1ハンドH1はワークを偏心把持することができる。
ここでは、説明の便宜上、簡易な形状のワークWを偏心把持する場合について図31~図33を参照しながら説明する。この例では、ワークWは、水平方向への移動が制限された状態で載置台Sに載置されている。
図31に示すように、2つの第1指21が載置台Sに接触した状態では、2つの第1指21はワークWの外側に位置する。このとき、2つの第1指21の可動部分27は固定部分26側へ移動した状態となっている。また、可動範囲の中心QとワークWとはずれている。つまり、ワークWが一方の第1指21側へ偏心している。
図32に示すように、この状態において、2つの第1指21は開閉機構3によって移動される。具体的には、制御部1200が2つの第1モータ31を制御することにより、2つの第1指21は開閉方向Aにおいて互いに接近する向きへ移動する。つまり、2つの第1指21はそれぞれワークWに向かって移動する。このとき、2つの第1指21の移動に対する抵抗は、互いに略同じであり、また小さい。そのため、各第1モータ31の必要な回転トルクは小さい。その後、2つのうち一方の第1指21が先にワークWに接触する。そうすると、ワークWに接触した第1指21に対応する第1モータ31の回転トルクが上昇する。そして、ワークWに接触した第1指21に対応する第1モータ31の回転トルクが所定値まで上昇すると、制御部1200はその第1モータ31を停止させる。これにより、先にワークWに接触した第1指21が停止する。
先にワークWに接触した第1指21が停止しても、他方の第1指21は継続して移動する。つまり、ワークWに接触していない第1指21に対応する第1モータ31の回転トルクは小さいままであるため、制御部1200はその第1モータ31を駆動させ続ける。その後、図33に示すように、他方の第1指21もワークWに接触して停止する。なお、この例では、他方の第1指21は可動範囲の中心Qを越えた位置まで移動する。こうして、ワークWが偏心把持される。そして、図示しないが、制御部1200は、第1モータ31のエンコーダ出力に基づいて、ワークWを把持した状態の2つの第1指21を可動範囲の中心Qに移動させる。このように、可動範囲の中心QとワークWとがずれている場合でも、開閉機構3によって2つの第1指21を独立して動作させることができるため、適切にワークWを把持することができる。また、こうした偏心把持が可能であるため、前述した組立作業においては、ワークとしてのアングル220の位置検出を高精度に行う必要がない。
このように、2つの第1指21は、一方の第1指21が可動範囲の中心Q(第1ハンドH1の中心)を越えて他方の第1指21の側へ移動することが可能に構成されている。そのため、前記で説明したような小さいワークWに対しても適切に偏心把持を行うことができる。
また、前述したベアリングユニット200の組立作業において、第1ハンドH1は、把持したワークの姿勢および位置を変更することができる。
詳しくは、前記の載置作業では、第1把持部2がアングル220を把持すると、ロボットアーム1110は、第1ハンドH1を上方へ移動させる。この状態では、図34に示すように、2つの第1指21は延伸状態となっており、アングル220は第1プレート221が水平方向に延びた状態となっている。また、第1ハンドH1が上方へ移動する際、第1指21の第1部分22は通常状態に戻る。つまり、可動部分27はバネ29の伸長によって下方へ移動する。
そして、第1把持部2は、アングル220を把持した状態の2つの第1指21を所定の方向へ屈曲させる(図19参照)。つまり、第1把持部2は、把持したアングル220が所定の姿勢となるように2つの第1指21を屈曲させる。具体的には、第1プレート221が鉛直方向に延び、且つ、第2プレート222が下側に位置する状態となるように、アングル220の姿勢が変更される。このように、第1ハンドH1は、ワークを把持した状態の2つの第1指21を屈曲させることによって、ワークの姿勢を変更することができるし、ワークを移動させることができる。そのため、ロボットアーム1110を動作させなくても、把持したワークの姿勢および位置を変更することができる。
特に、前述したベアリングユニット200の組立作業では、第1ハンドH1は、把持したワークを第2ハンドH2の第2把持部5に受け渡すことができる。
詳しくは、前述の第1締結作業では、第1把持部2が、ボルト240を第2把持部5に受け渡す。具体的には、第1把持部2の屈曲機構4は、ボルト240を把持した状態の2つの第1指21を屈曲させて、所定の受渡し位置にボルト240を移動させる。この例において、所定の受渡し位置は、第2把持部5の3つの第2指51が進退する軸E上の位置である。つまり、2つの第1指21は、把持しているボルト240が軸E上の近傍に位置するように屈曲する。その後、第2把持部5は、3つの第2指51によってボルト240を把持する。こうして、第1把持部2から第2把持部5へのボルト240(ワーク)の受渡し動作が行われる。また、第2締結作業におけるボルト240の受渡し動作およびシャフト挿入作業におけるシャフト250の受渡し動作も、第1締結作業時の動作と同様である。
また、前述したベアリングユニット200の組立作業において、第1ハンドH1は、ネジ孔225や貫通孔233の位置を検出することなく、ベアリングホルダ230の位置決めを行うことができる。
詳しくは、前記の位置決め作業では、制御部1200は、第1指21の先端を、ベアリングホルダ230のフランジ232の端面232aに押し当てて引っ込ませた状態でフランジ232の端面232aに沿って摺動させて、ベアリングホルダ230のフランジ232に形成された、端面232aよりも凹んだザグリ穴234に第1指21を係止させて回転(移動)させることによってベアリングホルダ230を回転(移動)させる。
つまり、前記の位置決め作業では、制御部1200によって、以下の第1ハンドH1(ハンド100)の制御方法が行われる。この制御方法は、押し当て動作、係止動作および移動動作を含んでいる。押し当て動作は、第1指21の先端22aをフランジ232の端面232aに押し当てて引っ込ませることである。係止動作は、押し当て動作によって引っ込んだ状態の第1指21をフランジ232の端面232aに沿って摺動させて、ベアリングホルダ230のフランジ232に形成された、端面232aよりも凹んだザグリ穴234に第1指21を係止させることである。移動動作は、係止動作によってザグリ穴234に係止した状態の第1指21を回転(移動)させることによってベアリングホルダ230を回転(移動)させることである。なお、ベアリングホルダ230はワークの一例であり、端面232aは表面の一例であり、ザグリ穴234は係止部の一例である。
より詳しくは、押し当て動作では、図35および図36に示すように、ロボットアーム1110によって、2つのうち一方の第1指21の先端22aがフランジ232の端面232aにおける所定位置(後述する移動経路Rの始点Ra)に押し付けられる。このとき、ハンド100では、一方の第1指21が、開閉機構3によって開閉方向Aにおける前述の所定位置(移動経路Rの始点Ra)に対応する位置に移動させられている。端面232aに押し付けられていない他方の第1指21は、フランジ232の外側に位置している。第1指21の先端22aは、可動部分27における他の部分よりも細くなっており、ザグリ穴234に入り込み可能な大きさとなっている。なお、図35および後述する図38では、図25と同様、第1指21についてはその先端(即ち、第1部分22の先端22a)を図示している。また、図35、図36および後述する図37~図39では、図25と同様、ベアリング235の図示を省略している。
制御部1200では、フランジ232の端面232aにおいて一方の第1指21を移動させる所定の移動経路Rが設定されている。この例では、図35に示すように、移動経路Rは、4つの貫通孔233(ザグリ穴234)のピッチ円P上に設定されている。具体的に、移動経路Rは、ピッチ円Pにおける10時の角度位置から反時計回りに回転して6時の角度位置までの経路となっている。つまり、移動経路Rにおける始点Raは、ピッチ円Pにおける10時の角度位置に設定され、移動経路Rにおける終点Rbは、ピッチ円Pにおける6時の角度位置に設定されている。したがって、押し当て動作では、一方の第1指21は移動経路Rの始点Raに押し付けられる。つまり、一方の第1指21では、第1部分22の先端22aが端面232aに押し付けられている。一方の第1指21は、端面232aに押し付けられた状態では、緩衝機構25のバネ29が圧縮されて可動部分27が固定部分26の側へ引っ込んだ(移動した)状態となっている。他方の第1指21の可動部分27は通常状態となっている。以上により、押し当て動作が完了する。なお、このとき、一方の第1指21は、何れのザグリ穴234にも挿入されていない(係止されていない)とする。
続く、係止動作では、ロボットアーム1110がハンド100を回転させて、第1把持部2の2つの第1指21を回転させる。このとき、ハンド100の回転中心は、フランジ232の軸心K、即ち4つの貫通孔233のピッチ円Pの中心と一致している。また、ハンド100は、図35において、軸心Kを中心に反時計回りに回転する。そのため、一方の第1指21も、ピッチ円Pにおける移動経路R上を終点Rbへ向かって移動する。そして、図25および図37に示すように、一方の第1指21は、貫通孔233の位置まで回転(移動)すると、バネ29の伸長によって、その貫通孔233のザグリ穴234に入り込む。つまり、一方の第1指21では可動部分27が貫通孔233へ向かって移動する。これにより、一方の第1指21は、ザグリ穴234に係止する。こうして、一方の第1指21がザグリ穴234に係止すると、ベアリングホルダ230は第1指21と共に回転させられる状態となる。以上により、係止動作が完了する。
続く、移動動作では、ロボットアーム1110によってハンド100がさらに回転させられる。そうすると、図38に示すように、2つの第1指21が回転するに伴ってベアリングホルダ230も反時計回りに回転する。つまり、貫通孔233(ザグリ穴234)が一方の第1指21と一緒に回転する。そして、一方の第1指21が終点Rbまで回転(移動)すると、即ち、一方の第1指21がピッチ円Pにおける移動経路Rに相当する回転角θbだけ回転すると、制御部1200はハンド100の回転動作を停止させる。以上により、移動動作が完了する。この例において、一方の第1指21は、始点Raから終点Rbまでの間、一度も停止することなく移動し続ける。つまり、一方の第1指21は、移動しながらザグリ穴234に係止する。このように、一方の第1指21がザグリ穴234に係止したことを検出しなくても、ベアリングホルダ230を一方の第1指21と共に回転させることができる。
所定の回転角θbは、貫通孔233(ザグリ穴234)のピッチ角θaよりも大きい値に設定されている。このピッチ角θaは、アングル220のネジ孔225のピッチ角でもある。このように回転角θbを設定することにより、一方の第1指21が端面232aに押し付けられたときに、一方の第1指21と貫通孔233(ザグリ穴234)との角度差が如何なる値であっても、一方の第1指21を所定の回転角θbだけ回転させる間に何れかの貫通孔233(ザグリ穴234)の位置まで移動させることができる。
また、所定の回転角θbは、一方の第1指21が所定位置まで回転(移動)するように設定されている。具体的に、この所定位置は、アングル220における何れかのネジ孔225の位置である。この例では、鉛直方向に並ぶ2つのネジ孔225のうち、下側のネジ孔225の位置が、前記の所定位置に設定されている。つまり、この所定位置は、一方の第1指21が入り込んだザグリ穴234に対応する貫通孔233の軸心がネジ孔225の軸心と一致する位置である。この例では、一方の第1指21がピッチ円Pにおける10時の角度位置に押し付けられているので、所定の回転角θbは120°である。
このように設定された回転角θbだけ第1指21を回転させることにより、図39に示すように、貫通孔233(ザグリ穴234)の軸心とネジ孔225の軸心とが一致する位置までベアリングホルダ230が回転させられる。こうして、ベアリングホルダ230は所定の角度位置に位置決めされる。以上のように、貫通孔233及びネジ孔225の位置を検出しなくても、ベアリングホルダ230の位置決めを行うことができる。
以上のように、ハンド100は、ベース1と、ベース1から延び、屈曲可能に構成された2つの第1指21と、ベース1に設けられ、2つの第1指21を所定の開閉方向Aへ移動させて2つの第1指21にワークを把持させる開閉機構3と、ベース1に設けられ、2つの第1指21を屈曲させる屈曲機構4とを備えている。各第1指21は、ベース1から延びる第2部分23と、第2部分23に開閉方向Aと平行な回転軸B回りに回転可能に連結される第1部分22とを有し、第1部分22が第2部分23に対して屈曲するように構成されている。第1部分22には、第1部分22を第1部分22の延伸方向C2へ弾性的に伸縮させる緩衝機構25が設けられている。
また、ロボット1100は、ハンド100と、ハンド100が連結されたロボットアーム1110とを備えている。
これらの構成によれば、2つの第1指21のそれぞれに緩衝機構25が設けられることによって、各第1指21で独立して緩衝機能を発揮することができる。また、屈曲機構4が設けられることによって、第1指21を屈曲させることでも、ワークを移動させたり、ワークの把持姿勢を変更したりすることができる。そのため、ロボットアーム1110の動作量を低減することができる。ロボットアーム1110は、ハンド100に比して、必要な動作空間が大きいため、他の機器等との干渉の虞が多くなる。ロボットアーム1110の動作量を低減できれば、その分、ロボットアーム1110を動作させる制御が簡易となる。また、ロボットアーム1110の動作量を低減できれば、ロボットアーム1110を動作させるための電力を軽減することができる。また、ロボットアーム1110の動作量を低減できれば、作業時間を短縮することができる。
また、緩衝機構25が第2部分23ではなく第1部分22に設けられていることによって、屈曲機構4の構成を簡易にすることができる。具体的に、第2部分23には緩衝機構25が設けられていので、第2部分23は伸縮動作を行わない。一方、屈曲機構4では、第1部分22を回転させるためのタイミングベルト45等の動力伝達機構が第2部分23を介して配置されている。このような動力伝達機構の設計に当たっては、第2部分23の伸縮動作を考慮しなくてもよいため、動力伝達機構等、ひいては屈曲機構4の構成の複雑化を避けることができる。
また、仮に緩衝機構25が第2部分23または第2部分23よりもベース1側に設けられている場合、第1指21が屈曲しても緩衝方向は変わらない。第1部分22に緩衝機構25が設けられていると、指の屈曲に応じて緩衝方向が変化する。衝撃が作用する方向はハンドの使用状況によって様々ではあるが、緩衝方向が第1部分22に追従して変化することによって衝撃を適切に吸収できる場合もある。
以上のように、ハンド100の様々な動作が可能になるので、ハンド100の動作の柔軟性を向上させることができる。
また、ロボット1100においては、ロボットアーム1110の動作量を低減できることから、ロボット1100の制御を簡易にすることができる。
また、ロボットシステム1000は、ハンド100と、ハンド100を制御する制御部1200とを備えている。制御部1200は、第1部分22の先端22aをベアリングホルダ230のフランジ232の端面232a(ワークの表面)に押し当てて第1部分22を引っ込ませる押し当て動作と、押し当て動作によって引っ込んだ状態の第1部分22の先端22aを端面232aに沿って摺動させて、フランジ232に形成された、端面232aよりも凹んだザグリ穴234(係止部)に第1部分22を係止させる係止動作と、係止動作によって係止した状態の第1部分22を移動させることによってベアリングホルダ230を移動させる移動動作とを実行する。
また、ハンド100の制御方法は、第1部分22の先端22aをベアリングホルダ230のフランジ232の端面232a(ワークの表面)に押し当てて第1部分22を引っ込ませることと、引っ込んだ状態の第1部分22の先端22aを端面232aに沿って摺動させて、ベアリングホルダ230のフランジ232に形成された、端面232aよりも凹んだザグリ穴234(係止部)に第1部分22を係止させることと、ザグリ穴234に係止した状態の第1部分22を回転(移動)させることによってベアリングホルダ230を回転(移動)させることとを含む。
これらの構成によれば、第1部分22に緩衝機構25が設けられているので、第1部分22を端面232aに押し当てることによって第1部分22が引っ込んだ状態になる。そして、引っ込んだ状態の第1部分22を端面232aにおいてザグリ穴234の位置まで摺動させる。ここで、ザグリ穴234は端面232aよりも凹んでいるので、引っ込んでいた第1部分22が緩衝機構25によってザグリ穴234の側へ向かって伸長してザグリ穴234に係止する。そして、ザグリ穴234に係止した第1部分22を移動させることにより、ベアリングホルダ230を移動させることができる。このように、緩衝機構25によって第1部分22を自動的にザグリ穴234に係止させることができ、それによってベアリングホルダ230を移動させることができる。したがって、2つの第1指21で把持しなくても、簡易な方法でワーク(ベアリングホルダ230)を移動させる方法を構築することができる。
また、第1部分22の回転角θbについて、貫通孔233のピッチ角θaよりも大きい値に設定することにより、第1指21を回転角θbだけ回転させる間に必ず第1指21を貫通孔233(ザグリ穴234)に係止させることができる。そして、係止動作の後に移動動作を行うため、回転角θbについて、第1指21が所定位置まで回転(移動)する値に設定することにより、ベアリングホルダ230を所定位置に回転させることができる。このように、第1指21の回転角θbを設定することにより、貫通孔233やネジ孔225、第1指21の位置を検出しなくても、ベアリングホルダ230の位置決めを行うことができる。
また、ハンド100では、2つの第1指21は、開閉方向Aにおいて互いに独立に移動するように構成されている。
前記の構成によれば、2つの第1指21を独立して動作させることができるため、偏心把持を実現することができる。つまり、ワークの位置に応じて、2つの第1指21のそれぞれの移動量を調整して中心(可動範囲の中心Q)から偏心した位置でワークを把持することができる。したがって、2つの第1指21の間隔の中心とワークの中心とがずれている場合でも、ワークを適切に把持することができる。このような偏心把持が可能になることから、ワークの位置を高精度に検出する必要がない。
また、ハンド100において、屈曲機構4は、ワーク(ボルト240、シャフト250)を把持した状態の2つの第1指21を屈曲させて、ワークの所定の受渡し位置にワークを移動させる。
前記の構成によれば、2つの第1指21を屈曲させることによって、把持しているワークをその受渡し位置に移動させることができる。そのため、ロボットアーム1110の動作量を低減することができる。
また、ハンド100において、第1部分22は、第2部分23に回転可能に連結された固定部分26と、固定部分26に緩衝機構25を介して連結され、延伸方向C2へ移動することによって第1部分22が伸縮する可動部分27とを有している。そして、緩衝機構25は、転動することによって可動部分27を延伸方向C2へ案内する転動体を有するボールスプライン28(ガイド部材)と、可動部分27を弾性的に支持するバネ29(弾性部材)とを有している。
前記の構成によれば、第1部分22に対して延伸方向C2と直交する開閉方向Aに把持力が作用している状態であっても、第1部分22を延伸方向C2に円滑に伸縮させることができる。したがって、ワークWを把持した状態の第1指21においても延伸方向C2の緩衝機能を得ることができる。また、ボールスプライン28を用いていることから、可動部分27が延伸方向C2回り(即ち、ボールスプライン28の軸回り)に回転することを阻止することができる。そのため、可動部分27においてワークWを把持する面や支持面21aを一定に保つことができるので、ワークWの把持動作および受渡し動作を安定して行うことができる。
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態の第1ハンドH1は、前述した動作に限らず、以下の動作も行うことができる。
例えば、制御部1200は、第1ハンドH1によって、載置台Sに載置されたワークWを所定位置までスライド移動させることができる。制御部1200は、前記実施形態と同様、押し当て動作、係止動作および移動動作を第1ハンドH1に実行させる。押し当て動作では、図40に示すように、2つのうち一方の第1指21の先端がワークWの上面(表面)に押し付けられる。ワークWに押し付けられていない他方の第1指21は、ワークWの外側に位置している。ここでは、ワークWに押し付けられている第1指21を一方の第1指21と称し、ワークWに押し付けられていない第1指21を他方の第1指21と称する。具体的に、一方の第1指21では、可動部分27の先端が端面232aに押し付けられている。この状態では、可動部分27は固定部分26の側へ引っ込んだ状態となっている。他方の第1指21の可動部分27は通常状態となっている。以上により、押し当て動作が完了する。
続く、係止動作では、第1ハンドH1が載置台Sと平行な方向へ移動し、それに伴って、2つの第1指21も同じ方向へ移動する。このとき、一方の第1指21はワークWの上面に対して摺動する。より詳しくは、第1ハンドH1は、一方の第1指21がワークWに上面に形成された係止部Waに向かって摺動するように移動する。係止部Waは、ワークWの上面よりも凹んでいる。そして、図41に示すように、一方の第1指21は、係止部Waの位置まで移動すると、バネ29によって伸長し係止部Waに入り込む。つまり、一方の第1指21では、バネ29によって可動部分27が係止部Waの側へ移動する。これにより、一方の第1指21は係止部Waに係止し、ワークWは第1指21と共に移動可能な状態となる。以上により、係止動作が完了する。
続く、移動動作では、第1ハンドH1が係止動作時と同様の方向へさらに移動する。これによって、ワークWも第1指21の移動と共に同じ方向へ移動する。つまり、ワークWは第1ハンドH1によって載置台Sを所定距離だけスライド移動される。以上により、移動動作が完了する。こうして、制御部1200は、載置台SのワークWを所定位置までスライド移動させることができる。なお、この例では、2つのうち一方の第1指21をワークWの係止部Waに係止させるようにしたが、これに限られず、2つの第1指21の両方をワークの係止部に係止させるようにしてもよい。その場合、ワークの上面には2つの第1指21のそれぞれに対応する係止部が設けられる。
また、前記実施形態の第1ハンドH1は、ワークWの載置台Sが傾いている場合でも、ワークWを適切に把持することができる。図42に示すように、ロボットアーム1110は、第1ハンドH1を下降させて、第1把持部2の第1指21を載置台Sに接触させる。このとき、2つの第1指21は、鉛直方向に延びた状態となっている。また、2つの第1指21は、ワークWを間に置いて、載置台Sの傾斜方向に並んだ状態となっている。2つの第1指21はそれぞれ、載置台Sに接触すると、可動部分27が延伸方向C2において固定部分26の側へ移動する。この可動部分27の移動量は、2つの第1指21で異なる。具体的に、可動部分27の移動量は、載置台Sの傾斜方向において高い側に位置する第1指21(以下、高い側の第1指21ともいう)の方が、低い側に位置する第1指21(以下、低い側の第1指21ともいう)よりも多い。このように、2つの第1指21のそれぞれにおいて、可動部分27の移動量が載置台Sの高さに応じて調整される。
そして、図43に示すように、2つの第1指21は、開閉方向Aにおいて互いに接近する向きへ移動し、最終的にワークWに接触する。こうして、2つの第1指21でワークWが把持される。各第1指21が互いに接近する向きへ移動する際、各第1指21の可動部分27は延伸方向C2へ移動する。具体的に、高い側の第1指21の可動部分27は、高い側の第1指21が移動するに伴って、載置台Sの側へ移動する。低い側の第1指21の可動部分27は、低い側の第1指21が移動するに伴って、固定部分26の側へ移動する。このように、2つ第1指21のそれぞれに独立して緩衝機構25が設けられているので、2つの第1指21が移動するに伴って各可動部分27を載置台Sの傾斜面に追従させることができる。そのため、傾いている載置台Sにおいても2つの第1指21を円滑に移動させることができ、ワークWを適切に把持することができる。
また、図44に示すように、前記実施形態の第1ハンドH1は、把持したワークW1を鉛直方向に延びる取付板W2に取り付ける場合でも、第1指21に作用する衝撃を適切に吸収することができる。詳しくは、まず、第1ハンドH1は、ワークW1を把持した延伸状態の2つの第1指21を屈曲させる。続いて、ロボットアーム1110は、第1ハンドH1を移動させて、ワークW1を取付板W2に接触させる(押し付ける)。この例では、ワークW1と共に第1指21の先端も取付板W2に接触する(図40参照)。ワークW1が取付板W2に接触した際、第1指21では可動部分27が延伸方向C2において固定部分26の側へ移動する。つまり、第1指21が屈曲しても、第1部分22の緩衝方向は変わらない。これにより、ワークW1(第1指21)が取付板W2に接触した際の衝撃を緩衝機構25によって吸収することができる。そのため、この場合も、第1ハンドH1を取付板W2の位置に高速で移動させることができるし、取付板W2の位置検出を高精度に行う必要がない。このように、緩衝機構25が第1部分22に設けられているので、緩衝方向を第1部分22に追従して変化させることができる。したがって、前記のような場合でも衝撃を適切に吸収することができる。
また、前記実施形態のハンド100は、屈曲機構4を省略した場合でも、前述したワークの位置決め作業を同様に行うことができる。
また、前記実施形態において、開閉機構3は、2つの第1指21を連動させて移動させるようにしてもよい。
また、前記実施形態のハンド100は、ロボット1100以外の装置に組み込まれてもよい。
また、前記実施形態のハンド100は、第1ハンドH1と第2ハンドH2とを備えているが、第2ハンドH2を備えていなくてもよい。
また、前記実施形態の緩衝機構25では、転動体として玉が設けられたボールスプライン28を用いたが、これに限らず、転動体として例えば玉やローラー、ころが設けられたガイド部材を用いるようにしてもよい。
1000 ロボットシステム
1100 ロボット
1110 ロボットアーム
1200 制御部
100 ハンド
1 ベース
3 開閉機構
4 屈曲機構
21 第1指(指)
22 第1部分
22a 先端
23 第2部分
25 緩衝機構
28 ボールスプライン(ガイド部材)
29 バネ(弾性部材)
230 ベアリングホルダ(ワーク)
232a 端面(表面)
A 開閉方向
B 回転軸
C2 延伸方向
W ワーク

Claims (8)

  1. ベースと、
    前記ベースから延び、屈曲可能に構成された2つの指と、
    前記ベースに設けられ、前記2つの指を所定の開閉方向へ移動させて前記2つの指にワークを把持させる開閉機構と、
    前記ベースに設けられ、前記2つの指を屈曲させる屈曲機構とを備え、
    前記各指は、前記ベースから延びる第2部分と、前記第2部分に前記開閉方向と平行な回転軸回りに回転可能に連結される第1部分とを有し、前記第1部分が前記第2部分に対して屈曲するように構成され、
    前記第1部分には、前記第1部分を前記第1部分の延伸方向へ弾性的に伸縮させる緩衝機構が設けられているハンド。
  2. 請求項1に記載のハンドにおいて、
    前記開閉機構は、前記2つの指を前記開閉方向において互いに独立に移動させるように構成されているハンド。
  3. 請求項1に記載のハンドにおいて、
    前記屈曲機構は、ワークを把持した状態の前記2つの指を屈曲させて、前記ワークの所定の受渡し位置に前記ワークを移動させるハンド。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のハンドにおいて、
    前記第1部分は、前記第2部分に回転可能に連結される固定部分と、前記固定部分に前記緩衝機構を介して連結され、前記延伸方向へ移動することによって前記第1部分が伸縮する可動部分とを有し、
    前記緩衝機構は、転動することによって前記可動部分を前記延伸方向へ案内する転動体を有するガイド部材と、前記可動部分を弾性的に押圧する弾性部材とを有しているハンド。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンドと、
    前記ハンドが連結されたロボットアームとを備えているロボット。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンドと、
    前記ハンドを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記第1部分の先端をワークの表面に押し当てて前記第1部分を引っ込ませる押し当て動作と、
    前記押し当て動作によって引っ込んだ状態の前記第1部分の先端を前記表面に沿って摺動させて、前記ワークに形成された、前記表面よりも凹んだ係止部に前記第1部分を係止させる係止動作と、
    前記係止動作によって係止した状態の前記第1部分を移動させることによって前記ワークを移動させる移動動作と、
    を実行するロボットシステム。
  7. 指、前記指を前記指の延伸方向へ弾性的に伸縮させる緩衝機構を有するハンドと、
    前記ハンドを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記指の先端をワークの表面に押し当てて前記指を引っ込ませる押し当て動作と、前記押し当て動作によって引っ込んだ状態の前記指の先端を前記表面に沿って摺動させて、前記ワークに形成された、前記表面よりも凹んだ係止部に前記指を係止させる係止動作と、前記係止動作によって係止した状態の前記指を移動させることによって前記ワークを移動させる移動動作とを実行するロボットシステム。
  8. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンドの制御方法であって、
    前記第1部分の先端をワークの表面に押し当てて前記第1部分を引っ込ませることと、
    前記引っ込んだ状態の前記第1部分の先端を前記表面に沿って摺動させて、前記ワークに形成された、前記表面よりも凹んだ係止部に前記第1部分を係止させることと、
    前記係止部に係止した状態の前記第1部分を移動させることによって前記ワークを移動させることとを含むハンドの制御方法。

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