JP2022068045A - 車両の制御装置 - Google Patents

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崇智 丹羽
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Abstract

Figure 2022068045000001
【課題】変速頻度が少なくなりやすいパワーオンダウンシフトによって有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御を速やかに最適化できる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】複合変速機42に設けられた複数の油圧式の係合装置CBの係合の組み合わせを切り替えることによって変速段を切り替える油圧制御において学習を行う車両10の電子制御装置90は、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満である場合に、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffを反映し、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred以上である場合に、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponを反映する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有段変速機の変速段を切り替える油圧制御に学習値を反映させる車両の制御装置に関する。
所定の条件成立時に、パワーオンダウンシフトによって有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御において学習を行う車両の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。
特開2018-17267号公報
油圧制御における学習では、車両の運転状態に応じて領域を分けて学習を行うことが一般的である。しかし、車両が走行する道路状況や運転者による運転の仕方によっては、例えばパワーオンダウンシフトによる変速頻度が非常に少なく、車両の納車から学習完了までに長期間を要する可能性がある。すなわち、学習が完了するまでの長期間、パワーオンダウンシフトによって有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御において変速期間や変速ショックの低減などが最適化されないおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、変速頻度が少なくなりやすいパワーオンダウンシフトによって有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御を速やかに最適化できる車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、有段変速機に設けられた複数の油圧式係合装置の係合の組み合わせを切り替えることによって変速段を切り替える油圧制御において学習を行う、車両の制御装置であって、(a)パワーオンダウンシフトにおける学習回数が所定回数未満である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値を反映し、(b)前記パワーオンダウンシフトにおける学習回数が前記所定回数以上である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に前記パワーオンダウンシフトにおける学習値を反映することにある。
第1発明の車両の制御装置によれば、(a)パワーオンダウンシフトにおける学習回数が所定回数未満である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値が反映され、(b)前記パワーオンダウンシフトにおける学習回数が前記所定回数以上である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に前記パワーオンダウンシフトにおける学習値が反映される。車両が走行する道路状況や運転者による運転の仕方によっては、パワーオンダウンシフトによる変速頻度が非常に少なく、車両の納車からパワーオンダウンシフトにおける学習の完了までに長期間を要する可能性がある。しかし、納車後においてパワーオンダウンシフトにおける学習回数が少ない場合であっても、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値が反映されることでパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。また、パワーオンダウンシフトにおける学習回数が所定回数以上である場合は、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値が反映されるため、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値が反映されるよりも有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御が最適化される。
第2発明の車両の制御装置によれば、第1発明において、(a)前記パワーオンダウンシフトにおける学習回数が前記所定回数未満であって前記パワーオンダウンシフトにおける学習値が所定の規定量を一度も超えたことがない場合には、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に前記規定量を限度として前記コーストダウンシフトにおける学習値が反映され、(b)前記パワーオンダウンシフトにおける学習回数が前記所定回数未満であって前記パワーオンダウンシフトにおける学習値が前記規定量を一度でも超えたことがある場合には、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に前記パワーオンダウンシフトにおける学習値が反映される。パワーオンダウンシフトにおける学習値が過補正とならない所定の規定量を一度も超えたことがない場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に規定量を限度としてコーストダウンシフトにおける学習値が反映される。これにより、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値を反映させても過補正となることが回避される。一方、パワーオンダウンシフトにおける学習値が所定の規定量を一度でも超えたことがある場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値が反映されても過補正となることが無く、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御が最適化される。
第3発明の車両の制御装置によれば、第2発明において、前記規定量は、前記油圧式係合装置毎に設定される。油圧式係合装置毎に、例えば製造ばらつきに起因した特性ばらつきの範囲が異なる場合がある。そのため、油圧式係合装置毎の特性ばらつきの範囲に応じて規定量がそれぞれ設定されることにより、過補正となることが精度良く回避されつつパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
第4発明の車両の制御装置によれば、第2発明において、前記規定量は、車速領域毎に設定される。パワーオンダウンシフトによって有段変速機の変速段が切り替えられる油圧制御における変速期間や変速ショックなどは、車速の大きさに応じて異なる。そのため、車速領域毎に規定量が設定される場合には、車速領域毎に規定量が設定されていない場合に比較して、過補正となることが精度良く回避されつつパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
第5発明の車両の制御装置によれば、第1発明乃至第4発明のいずれか1の発明において、前記コーストダウンシフトにおける学習値は、回生トルクが所定のトルク値よりも大きい領域で学習されたものを含む。回生トルクが所定のトルク値よりも大きい領域では、回生トルクが所定のトルク値以下の領域に比較して、コーストダウンシフトによる変速頻度が多くなりやすい。このように、変速頻度が多くなりやすい回生トルクが大きい領域で学習されたものを含むコーストダウンシフトにおける学習値がパワーオンダウンシフトにおける油圧制御に反映されることで、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
本発明の実施例1に係る電子制御装置を備える車両の概略構成図であるとともに、車両における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。 図1に示す有段変速部の変速作動とそれに用いられる係合装置の断接の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。 図1に示す無段変速部と有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 図1に示す有段変速部の変速制御に用いられる変速線図と、エンジン走行とモータ走行との切替制御に用いられる駆動力源切替マップと、の一例を示す図である。 図1に示す電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートの一例である。 本発明の実施例2に係る電子制御装置を備える車両の概略構成図であるとともに、車両における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
以下、本発明の各実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の各実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の実施例1に係る電子制御装置90を備える車両10の概略構成図であるとともに、車両10における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。車両10は、ハイブリッド車両であり、エンジン12、第1回転電機MG1、第2回転電機MG2、動力伝達装置16、駆動輪14、及び電子制御装置90を備える。
エンジン12は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関にて構成され、車両10の走行用駆動力源である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、電子スロットル弁、燃料噴射装置、点火装置等を含むエンジン制御装置50が制御されることにより、エンジン12から出力されるエンジントルクTe[Nm]が制御される。
第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、例えば電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、車両10の走行用駆動力源となり得る。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、各々、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転電機MG1から出力されるMG1トルクTg[Nm]及び第2回転電機MG2から出力されるMG2トルクTm[Nm]が制御される。回転電機から出力されるトルクは、例えば正回転の場合、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、減速側となる負トルクでは回生トルクである。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2からそれぞれ出力されるMG1トルクTg及びMG2トルクTmが力行トルクである場合には、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2から出力される動力(特に区別しない場合には、駆動力やトルクも同義)が走行用駆動力である。
バッテリ54は、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2の各々に対して電力を授受する。バッテリ54は、例えばリチウムイオン組電池やニッケル水素組電池などの充放電可能な2次電池である。第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、車体に取り付けられる非回転部材であるトランスアクスルケース18内に設けられている。
動力伝達装置16は、トランスアクスルケース18内において共通の軸線上に直列に配設された、電気式の無段変速部20及び機械式の有段変速部22等を備える。無段変速部20は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン12に連結されている。有段変速部22は、無段変速部20の出力側に連結されている。動力伝達装置16は、有段変速部22の出力回転部材である出力軸24に連結された差動歯車装置26、差動歯車装置26に連結された一対の車軸28等を備える。動力伝達装置16において、エンジン12や第2回転電機MG2から出力される動力は、有段変速部22へ伝達される。有段変速部22へ伝達された動力は、差動歯車装置26等を介して駆動輪14へ伝達される。このように構成された動力伝達装置16は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式の車両に好適に用いられる。無段変速部20や有段変速部22等は上記共通の軸線に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸線の下半分が省略されている。上記共通の軸線は、エンジン12のクランク軸やクランク軸に連結された連結軸30などの軸線である。動力伝達装置16における無段変速部20、有段変速部22、差動歯車装置26、及び一対の車軸28が、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた動力伝達経路PTを構成している。
無段変速部20は、エンジン12の動力を第1回転電機MG1及び中間伝達部材32に機械的に分割する動力分割機構としての第1遊星歯車装置34を備える。中間伝達部材32は、無段変速部20の出力回転部材である。第1回転電機MG1は、エンジン12の動力が伝達される回転電機である。中間伝達部材32には、第2回転電機MG2が動力伝達可能に接続されている。無段変速部20は、第1回転電機MG1の運転状態が制御されることにより第1遊星歯車装置34の差動状態が制御される電気式の無段変速機である。第1回転電機MG1は、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne[rpm]を制御可能な回転電機である。中間伝達部材32は、有段変速部22を介して駆動輪14に連結されているので、第2回転電機MG2は動力伝達経路PTに動力伝達可能に接続され、第2回転電機MG2は駆動輪14に動力伝達可能に接続された回転電機である。
第1遊星歯車装置34は、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置である。
有段変速部22は、中間伝達部材32と駆動輪14との間の動力伝達経路PTの一部を構成する有段変速機としての機械式変速機構、つまり第1遊星歯車装置34と駆動輪14との間の動力伝達経路PTの一部を構成する有段変速機である。中間伝達部材32は、有段変速部22の入力回転部材としても機能する。有段変速部22は、例えば第2遊星歯車装置36及び第3遊星歯車装置38の複数の遊星歯車装置と、クラッチC1,C2、ブレーキB1,B2、及び一方向クラッチF1の複数の係合装置と、を備える、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2については、特に区別しない場合は単に「係合装置CB」という。なお、係合装置CBは、本発明における「油圧式係合装置」に相当する。
係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。この係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56が後述する電子制御装置90によって制御されることにより、油圧制御回路56から出力される調圧された各制御油圧に応じて、各々、係合や解放などの状態である断接状態が切り替えられる。
第2遊星歯車装置36は、サンギヤS1、キャリアCA1、及びリングギヤR1を備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置である。第3遊星歯車装置38は、サンギヤS2、キャリアCA2、及びリングギヤR2を備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置である。
第1遊星歯車装置34、第2遊星歯車装置36、第3遊星歯車装置38、係合装置CB、一方向クラッチF1、第1回転電機MG1、及び第2回転電機MG2は、図1に示すように連結されている。
係合装置CBは、油圧制御回路56内に設けられた不図示の電磁弁(例えばリニアソレノイド弁)から各々出力される調圧された各制御油圧により、係合装置CBのそれぞれのトルク容量である係合トルクが変化させられる。
有段変速部22は、複数の係合装置CBの断接状態の組み合わせすなわち係合の組み合わせが切り替えられることによって、変速比γat(=AT入力回転速度Nati[rpm]/AT出力回転速度Nato[rpm])が異なる複数の変速段(ギヤ段)のうちのいずれかの変速段が形成される。AT入力回転速度Natiは、有段変速部22の入力回転速度であって、中間伝達部材32の回転速度と同値であり且つ第2回転電機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nm[rpm]と同値である。AT出力回転速度Natoは、有段変速部22の出力回転速度であって、出力軸24の回転速度である出力回転速度No[rpm]と同値であり、無段変速部20と有段変速部22とを合わせた全体の変速機である複合変速機42の出力回転速度でもある。なお、有段変速部22を含む複合変速機42は、本発明における「有段変速機」に相当する。
シフトレバー48の操作ポジションPOSshは、例えば「P」,「R」,「N」,「D」,「M」の各操作ポジションである。P操作ポジションは、複合変速機42がニュートラル状態とされ且つ出力軸24の回転が機械的に阻止(ロック)されたパーキングポジションを選択するパーキング操作ポジションである。R操作ポジションは、車両10の後進走行を可能とする後進走行ポジションを選択する後進走行操作ポジションである。N操作ポジションは、複合変速機42がニュートラル状態とされたニュートラルポジションを選択するニュートラル操作ポジションである。D操作ポジションは、複合変速機42の全ての変速段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とする前進走行ポジションを選択する前進走行操作ポジションである。M操作ポジションは、運転者による操作によって複合変速機42の変速段を切り替える手動変速を可能とする手動変速操作ポジションである。このM操作ポジションにおいては、シフトレバー48の操作毎に変速段をアップシフトさせるためのアップシフト操作ポジション「+」、シフトレバー48の操作毎に変速段をダウンシフトさせるためのダウンシフト操作ポジション「-」が備えられている。操作ポジションPOSshがD操作ポジションにある場合には、後述する変速マップに従って複合変速機42の有段変速部22を自動変速する自動変速モードが成立させられる。また、操作ポジションPOSshがM操作ポジションにある場合には、運転者による変速操作により有段変速部22を変速することが可能な手動変速モードが成立させられる。
図2は、図1に示す有段変速部22の変速作動とそれに用いられる係合装置CBの断接状態の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。図2において、「○」は係合状態、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速部22のコーストダウンシフト時に係合状態、「空欄」は解放状態をそれぞれ表している。有段変速部22では、例えば図2に示すように、複数の変速段として第1速変速段(図2中の「1st」)-第4速変速段(図2中の「4th」)の4段の前進用変速段が形成可能である。最もロー側の第1速変速段の変速比γatが最も大きく、ハイ側の変速段ほど変速比γatが小さくなる。
図3は、図1に示す無段変速部20と有段変速部22とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3に示す共線図は、第1遊星歯車装置34、第2遊星歯車装置36、及び第3遊星歯車装置38の歯数比の関係を示す横軸と、相対回転速度を示す縦軸と、から成る二次元座標で表され、横線X1が回転速度零を示し、横線XGが中間伝達部材32の回転速度を示している。
3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順にサンギヤS0、キャリアCA0、リングギヤR0の相対回転速度をそれぞれ示すものであり、それら3本の縦線Y1~Y3の間隔は第1遊星歯車装置34の歯数比(=サンギヤの歯数Zs/リングギヤの歯数Zr)ρ0に応じて定められる。4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、右から順に、サンギヤS1、キャリアCA1及びリングギヤR2、リングギヤR1及びキャリアCA2、サンギヤS2の相対回転速度をそれぞれ示すものであり、それら4本の縦線Y4~Y7の間隔は第2遊星歯車装置36及び第3遊星歯車装置38のそれぞれの歯数比ρ1,ρ2に応じて定められる。
有段変速部22では、クラッチC1とブレーキB2(一方向クラッチF1)とが係合させられることにより、縦線Y7と横線XGとの交点と縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸24に連結された回転要素の回転速度を示す縦線Y6と、の交点で、第1速変速段(1st)における出力軸24の回転速度が示される。クラッチC1とブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸24に連結された回転要素の回転速度を示す縦線Y6との交点で、第2速変速段(2nd)における出力軸24の回転速度が示される。クラッチC1とクラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L3と出力軸24に連結された回転要素の回転速度を示す縦線Y6との交点で、第3速変速段(3rd)における出力軸24の回転速度が示される。クラッチC2とブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L4と出力軸24と連結された回転要素の回転速度を示す縦線Y6との交点で、第4速変速段(4th)における出力軸24の回転速度が示される。
前述したように、複数の係合装置CBの断接状態の組み合わせが切り替えられることで、有段変速部22で形成される変速段が切り替えられる。
図4は、図1に示す有段変速部22の変速制御に用いられる変速線図と、エンジン走行とモータ走行との切替制御に用いられる駆動力源切替マップと、の一例を示す図である。エンジン走行は、少なくともエンジン12を走行用駆動力源とする走行モードである。モータ走行は、エンジン12を走行用駆動力源とせず第1回転電機MG1又は第2回転電機MG2を走行用駆動力源とする走行モードである。図4に示すように、車速V[km/h]とアクセル開度θacc[%]とを変数としてアップシフト線(実線)及びダウンシフト線(破線)を有する関係(変速線図、変速マップ)が予め記憶されている。変数である実際の車速V及びアクセル開度θaccで表される点がアップシフト線又はダウンシフト線を横切ると、変速制御の開始が判断される。一般的にエンジン効率が低下する、一点鎖線Aで示される車速Vが比較的低い低車速領域、或いは、アクセル開度θaccが比較的低い低負荷領域において、モータ走行が実行される。また、モータ走行は、第2回転電機MG2にインバータ52を介して接続されたバッテリ54の充電状態値(充電容量)SOC[%]が所定値以上の場合に適用される。この変速線図に基づいて有段変速部22の変速段が形成されることで、車両10の燃費が有利となる。
図1に戻り、車両10は電子制御装置90を備える。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、車両10のエンジン12、第1回転電機MG1、第2回転電機MG2、及び動力伝達装置16を含む駆動装置を制御する。なお、電子制御装置90は、本発明における「制御装置」に相当する。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えば、エンジン回転速度センサ70、MG1回転速度センサ72、MG2回転速度センサ74、出力回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、バッテリセンサ82、油温センサ84、シフトポジションセンサ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えば、エンジン回転速度Ne[rpm]、第1回転電機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng[rpm]、AT入力回転速度Nati[rpm]と同値であるMG2回転速度Nm[rpm]、車速Vに対応する出力軸24の回転速度である出力回転速度No[rpm]、運転者による加速操作の大きさを表す加速操作量としてのアクセル開度θacc[%]、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth[%]、バッテリ54のバッテリ温度THbat[℃]やバッテリ充放電電流Ibat[A]やバッテリ電圧Vbat[V]、油圧制御回路56内の作動油温THoil[℃]、シフトレバー48の操作ポジションPOSshなど)が、それぞれ入力される。MG2回転速度センサ74及び出力回転速度センサ76は、例えばレゾルバであって、回転速度とともに回転方向も検知できる。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えば、エンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56など)に各種指令信号(例えば、エンジン12を制御するためのエンジン制御信号Se、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2を各々制御するための回転電機制御信号Smg、係合装置CBの各々の断接状態を制御するための油圧制御信号Satなど)が、それぞれ出力される。
電子制御装置90は、複合変速機42の変速段を切り替える油圧制御において、係合装置CBの断接状態を切り替える制御油圧の制御変数を適宜学習して最適化することができる。例えば、解放状態から係合状態へ断接状態が切り替えられる係合装置CBの制御油圧を制御する電磁弁に対するパック詰めの指示油圧値が制御変数として学習され、最適化される。
電子制御装置90は、例えば変速期間の最適化を目的としたパック詰めの指示油圧値を学習する場合、その変速制御開始からイナーシャ開始及びその変速制御開始から変速制御完了までに要する時間をそれぞれ目標時間に近づけてその変速期間のばらつきを抑制するように、パック詰めの指示油圧値の補正値を調整する学習を逐次行う。この場合、実際に要する時間と目標時間との間の偏差の正負に応じて、係合装置CBの断接状態を制御するパック詰めの指示油圧値の大きさを最適化する補正値を学習値として学習する。例えば、この補正値は、学習によって調整されたパック詰めの指示油圧値と、学習が一度も行われていない状態におけるパック詰めの指示油圧値の初期値と、の差分である。すなわち、初期値に学習された補正値が加算されることで、パック詰めの指示油圧値が最適条件に近づけられる。
電子制御装置90は、コーストダウンシフトにおける複合変速機42の変速段を切り替える油圧制御やパワーオンダウンシフトにおける複合変速機42の変速段を切り替える油圧制御のそれぞれにおいて、係合装置CB毎に解放状態から係合状態へ断接状態を切り替える場合におけるパック詰めの指示油圧値の最適条件を学習する。また、パック詰めの指示油圧値の最適条件の学習は、車速領域毎に分けて行われる。
コーストダウンシフトとは、例えばアクセルオフ(アクセル開度θaccが零又は略零)の減速走行中における車速Vの低下によって実行されるダウンシフトのうちでアクセルオフの減速走行状態のまま実行されるダウンシフト、すなわち惰性走行中における車速Vの低下によって実行されるダウンシフト(例えば、図4に示すように、実際の車速V及びアクセル開度θaccで表される点P0が矢印Xのように変化した場合)である。パワーオンダウンシフトとは、加速要求により実行されるダウンシフト(例えば、図4に示すように、実際の車速V及びアクセル開度θaccで表される点P0がアクセルペダルが踏み込まれたことにより矢印Yのように変化した場合)である。ダウンシフトはダウン変速と同意であり、アップシフトはアップ変速と同意である。
一般的に第2回転電機MG2のMG2トルクTmが回生トルクである場合におけるコーストダウンシフトは、回生トルクであるMG2トルクTmが小さい領域での実行頻度は少なく、回生トルクであるMG2トルクTmが大きい領域での実行頻度は多い。例えば、回生トルクであるMG2トルクTmが所定のトルク値Tpredよりも大きい領域に比較して、回生トルクであるMG2トルクTmが所定のトルク値Tpred以下の領域のコーストダウンシフトの実行頻度は少ない。所定のトルク値Tpredは、コーストダウンシフトの実行頻度が多くなると想定される回生トルクの下限値であって、予め実験的に或いは設計的に定められたものである。コーストダウンシフトの実行回数が多いほど、コーストダウンシフトにおける油圧制御の学習回数が多くなる。そのため、車両10の納車(例えば、車両10の工場からの出荷或いは係合装置CBが交換修理された車両10の受け渡し)からコーストダウンシフトにおける油圧制御を最適化する学習が完了までに必要な期間は、回生トルクであるMG2トルクTmが大きい領域の方が小さい領域に比較して短くなりやすい。
ここで、コーストダウンシフトにおける油圧制御において学習されるパック詰めの指示油圧値の補正値を代表して学習値Poff[Pa]と表し、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御において学習されるパック詰めの指示油圧値の補正値を代表して学習値Pon[Pa]と表すこととする。学習値Poff及び学習値Ponは、それぞれ係合装置CB毎、車速領域毎の複数の学習値を代表するものである。
電子制御装置90は、初期状態判定部90a、第1学習値判定部90b、第2学習値判定部90c、油圧制御部90d、学習部90e、及び学習値記憶部90fを機能的に備える。以下、電子制御装置90の機能ブロックの説明(図5のフローチャートの説明を含む)は、発明の理解を容易にするため、同一の係合装置CB、同一の車速領域において学習値Pon及び学習値Poffが学習される場合の例である。
初期状態判定部90aは、車両10の納車後のパワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満である所定の初期状態であるか否かを判定する。所定回数Npredは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御の学習の進捗度が一定程度以上進んでいるか否かを判定する回数であって予め実験的に或いは設計的に定められる。例えば、所定回数Npredは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御の学習値Ponが収束すると想定されるのに必要な学習回数である。すなわち、学習回数Nlrnが所定回数Npred以上の場合には、学習値Ponは収束しているか又は収束していなくても収束値の近傍にあり、学習回数Nlrnが所定回数Npred未満の場合には、学習値Ponが収束しているか不明である。
第1学習値判定部90bは、車両10のパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Pr[Pa]以内であるか否かを判定する。所定の規定量Prは、係合装置CBのばらつき(例えば、製造ばらつきに起因した特性ばらつきなど)や同一の車速領域内において車速が異なっていることを考慮しても過補正とならない範囲内を表す所定量であって、予め実験的に或いは設計的に定められたものである。所定の規定量Prは、係合装置CB毎に設定されるとともに車速領域毎に設定される。
第2学習値判定部90cは、納車以降、車両10のパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度も超えたことがないか否かを判定する。
油圧制御部90dは、複合変速機42の変速段を切り替える場合に、係合装置CBの係合(断接状態)を制御する油圧制御を行う。パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満であると初期状態判定部90aにより判定され、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Pr以内であると第1学習値判定部90bにより判定され、且つ、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度も超えたことがないと第2学習値判定部90cにより判定された場合には、油圧制御部90dは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffを反映する。なお、「パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffを反映する」とは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御の制御変数が学習値Poffにより補正され、当該油圧制御が実行されることを意味する。「所定の規定量Prを限度として」とは、学習値Poffが所定の規定量Pr以内である場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に学習値Poffが反映され、学習値Poffが所定の規定量Pr以内ではない場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prが反映されることを意味する。
一方、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred以上であると初期状態判定部90aにより判定された場合、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを超えていると第1学習値判定部90bにより判定された場合、及び、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度でも超えたことがあると第2学習値判定部90cにより判定された場合、のいずれかが成立する場合には、油圧制御部90dは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponを反映する。なお、「パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponを反映する」とは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御の制御変数が学習値Ponにより補正され、当該油圧制御が実行されることを意味する。油圧制御部90dは、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に反映させる学習値Poff及び学習値Ponを学習値記憶部90fから読み出す。
学習部90eは、コーストダウンシフト及びパワーオンダウンシフトによって複合変速機42の変速段が切り替えられる油圧制御において、それぞれ学習を実行する。また、学習部90eは、学習したコーストダウンシフトにおける学習値Poff及びパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponを、それぞれ学習値記憶部90fに記憶させる。
学習値記憶部90fは、学習部90eで学習された学習値Poff及び学習値Ponを、それぞれ記憶する。
図5は、図1に示す電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートの一例である。図5のフローチャートは、パワーオンダウンシフトの実行を開始することが判断されると、スタートされる。
まず、初期状態判定部90aの機能に対応するステップS10において、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満であるか否かが判定される。ステップS10の判定が肯定された場合は、ステップS20が実行される。ステップS10の判定が否定された場合は、ステップS50が実行される。
第1学習値判定部90bの機能に対応するステップS20において、車両10のパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Pr以内であるか否かが判定される。ステップS20の判定が肯定された場合は、ステップS30が実行される。ステップS20の判定が否定された場合は、ステップS50が実行される。
第2学習値判定部90cの機能に対応するステップS30において、車両10のパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度も超えたことがないか否かが判定される。ステップS30の判定が肯定された場合は、ステップS40が実行される。ステップS30の判定が否定された場合は、ステップS50が実行される。
油圧制御部90dの機能に対応するステップS40において、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映され、そのパワーオンダウンシフトにより複合変速機42の変速段が切り替えられる。そしてリターンとなる。
油圧制御部90dの機能に対応するステップS50において、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映され、そのパワーオンダウンシフトにより複合変速機42の変速段が切り替えられる。そしてリターンとなる。
本実施例によれば、(a)パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満であってパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度も超えたことがない場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映され、(b)パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満であってパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度でも超えたことがある場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映され、(c)パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred以上である場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映される。車両10が走行する道路状況や運転者による運転の仕方によっては、パワーオンダウンシフトによる変速頻度が非常に少なく、車両10の納車からパワーオンダウンシフトにおける学習の完了までに長期間を要する可能性がある。しかし、納車後においてパワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが少ない場合であっても、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffを反映させることでパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。また、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが過補正とならない所定の規定量Prを一度も超えたことがない場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映される。パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponとコーストダウンシフトにおける学習値Poffとは互いに収束値が異なるため、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffをそのまま反映させると、過補正となってしまう可能性がある。しかし、本実施例では、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映されるため、過補正となることが回避される。一方、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度でも超えたことがある場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映されても過補正となることが無く、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御が最適化される。パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred以上である場合は、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映されるため、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映されるよりも複合変速機42の変速段が切り替えられる油圧制御が最適化される。
本実施例によれば、所定の規定量Prは、係合装置CB毎に設定される。係合装置CB毎に、例えば製造ばらつきに起因した特性ばらつきの範囲が異なる場合がある。そのため、係合装置CB毎の特性ばらつきの範囲に応じて所定の規定量Prがそれぞれ設定されることにより、過補正となることが精度良く回避されつつパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
本実施例によれば、所定の規定量Prは、車速領域毎に設定される。パワーオンダウンシフトによって複合変速機42の変速段が切り替えられる油圧制御における変速期間や変速ショックなどは、車速Vの大きさに応じて異なる。そのため、車速領域毎に所定の規定量Prが設定された場合には、車速領域毎に所定の規定量Prが設定されていない場合に比較して、過補正となることが精度良く回避されつつパワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
本実施例によれば、コーストダウンシフトにおける学習値Poffは、回生トルクが所定のトルク値Tpredよりも大きい領域で学習されたものを含む。回生トルクが所定のトルク値Tpredよりも大きい領域では、回生トルクが所定のトルク値Tpred以下の領域に比較して、コーストダウンシフトによる変速頻度が多くなりやすい。このように、変速頻度が多くなりやすい回生トルクが大きい領域で学習されたものを含むコーストダウンシフトにおける学習値Poffがパワーオンダウンシフトにおける油圧制御に反映されることで、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御が速やかに最適化される。
図6は、本発明の実施例2に係る電子制御装置90を備える車両110の概略構成図であるとともに、車両110における各種制御のための制御機能の要部を表す機能ブロック図である。
本実施例は、前述の実施例1の構成と略同じであるが、実施例1における複合変速機42の替わりに複合変速機42aとなっている点が異なる。複合変速機42a以外の構成(電子制御装置90を含む)は、実施例1と同じである。そのため、実施例1と異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
複合変速機42aは、無段変速部20aと有段変速部22aとを合わせた全体の変速機である。無段変速部20aは、例えば無段変速部20に更にブレーキB0とクラッチC0とを備えた構成である。有段変速部22aは、例えば第2遊星歯車装置36、第3遊星歯車装置38、及び第4遊星歯車装置40の複数の遊星歯車装置と、クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2,B3と、を備える、公知の遊星歯車式の自動変速機である。第1遊星歯車装置34と、第2遊星歯車装置36と、第3遊星歯車装置38と、第4遊星歯車装置40と、クラッチC0,C1,C2及びブレーキB0,B1,B2,B3の複数の係合装置と、第1回転電機MG1と、第2回転電機MG2とは、図6に示すように連結されている。なお、クラッチC0,C1,C2及びブレーキB0,B1,B2,B3の複数の係合装置は、本発明における「係合装置」に相当する。また、有段変速部22aを含む複合変速機42aは、本発明における「有段変速機」に相当する。
本実施例によれば、前述の実施例1と同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例1,2では、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度も超えたことがない場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に所定の規定量Prを限度としてコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映され、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度でも超えたことがある場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが反映される態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、パワーオンダウンシフトにおける学習値Ponが所定の規定量Prを一度でも超えているかいないかにかかわらず、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満である場合には、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映される態様であっても良い。車両10が走行する道路状況や運転者による運転の仕方によっては、パワーオンダウンシフトによる変速頻度が非常に少なく、車両10の納車からパワーオンダウンシフトにおける学習の完了までに長期間を要する可能性がある。しかし、納車後においてパワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが少ない場合であっても、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffを反映させることでパワーオンダウンシフトにおける油圧制御を速やかに最適化でき得る。
前述の実施例1,2では、パワーオンダウンシフトの油圧制御に反映させるコーストダウンシフトにおける学習値Poffは、回生トルクであるMG2トルクTmが所定のトルク値Tpredよりも大きい領域で学習されたものを含む態様であったが、必ずしも含まれていなくても良い。パワーオンダウンシフトの油圧制御に反映させるコーストダウンシフトにおける学習値Poffが回生トルクであるMG2トルクTmが所定のトルク値Tpredよりも大きい領域で学習されたものを含まなくても、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映されることで、パワーオンダウンシフトにおける油圧制御を速やかに最適化でき得るからである。
前述の実施例1,2では、所定の規定量Prは、係合装置CB毎に設定される態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、係合装置CB毎の製造ばらつきに起因した特性ばらつき等を考慮しても、係合装置CBのいずれもが過補正とならない範囲内を表す所定量として係合装置CBに対して同一の所定の規定量Prが設定されても良い。
前述の実施例1,2では、所定の規定量Prは、車速領域毎に設定される態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、車速領域が異なっても過補正とならない範囲内を表す所定量として全ての車速領域に対して同一の所定の規定量Prが設定されても良い。
前述の実施例1,2では、制御油圧の制御変数として学習された学習値Pon,Poffは、いずれもパック詰めの指示油圧値の補正値であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、制御油圧の制御変数として学習される学習値Pon,Poffは、パック詰めの制御油圧の供給期間、定圧待機圧の指示油圧値、定圧待機圧の制御油圧の供給期間などの補正値であっても良い。また、学習値Pon,Poffは、学習によって調整された値と初期値との差分である補正値に限らず、学習によって最適条件に調整された制御変数そのものの値であっても良い。学習値Pon,Poffが学習によって最適条件に調整された制御変数そのものの値である場合には、所定の規定量Prは、係合装置CBのばらつきや車速領域が異なっていることを考慮しても過補正とならない制御変数の範囲内であることを判定するための所定量であって、予め実験的に或いは設計的に定められたものである。
前述の実施例1,2では、所定条件(例えば、パワーオンダウンシフトにおける学習回数Nlrnが所定回数Npred未満)が成立する場合に、パワーオンダウンシフトが実行されるときにそのパワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値Poffが反映される態様であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、前記所定条件が成立する場合に、実行されたコーストダウンシフトにおいて学習された学習値Poffが学習値記憶部90fに記憶されているパワーオンダウンシフトにおける学習値Ponに上書きされて更新される態様であっても良い。このような態様であっても、パワーオンダウンシフトが実行される場合には、その油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値が反映されるからである。
前述の実施例1,2では、車両10,110はいずれもハイブリッド車両であったが、これに限らず、例えば車両10,110は、エンジン12を搭載しない電気自動車であっても良い。また、前述の実施例1,2では、自動変速機である複合変速機42,42aは、無段変速部20,20aと有段変速部22,22aとを有する構成であったが、本発明はこの態様に限らない。例えば、車両10,110は、エンジン12及び1つの回転電機が動力伝達可能に連結された駆動力源と駆動輪14との間に自動変速機が設けられた態様や回転電機のみで構成された駆動力源と駆動輪14との間に自動変速機が設けられた態様であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、110:車両
42、42a:複合変速機(有段変速機)
90:電子制御装置(制御装置)
B0、B1、B2、B3:ブレーキ(油圧式係合装置)
C0、C1、C2:クラッチ(油圧式係合装置)
Nlrn:学習回数
Npred:所定回数
Poff:学習値(コーストダウンシフトにおける学習値)
Pon:学習値(パワーオンダウンシフトにおける学習値)

Claims (1)

  1. 有段変速機に設けられた複数の油圧式係合装置の係合の組み合わせを切り替えることによって変速段を切り替える油圧制御において学習を行う、車両の制御装置であって、
    パワーオンダウンシフトにおける学習回数が所定回数未満である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御にコーストダウンシフトにおける学習値を反映し、
    前記パワーオンダウンシフトにおける学習回数が前記所定回数以上である場合に、前記パワーオンダウンシフトにおける油圧制御に前記パワーオンダウンシフトにおける学習値を反映する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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