JP2022065570A - 乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布時に上滑りがなく、肌への密着感があり、毛穴を十分にカバーすることができ、塗布後の肌のべたつき感が低減された乳化組成物を提供する。【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):(A)ソルビタン脂肪酸エステル、(B)炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤で処理された着色顔料、(C)25℃で液状の不揮発性油、(D) 炭酸塩、(E)水を含有する乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、乳化組成物に関する。
ファンデーションなどのメイクアップ化粧料においては、毛穴をカバーするために、化粧料を肌にしっかりと付着させる必要がある。
例えば、特許文献1には、シリコーンゴム粒子の表面をシリコーンレジンで被覆した粒子からなる複合粉体、シリコーン油以外の不揮発性油剤を含有する油中水型乳化化粧料が、肌を明るく見せ、伸展性、密着性に優れ、毛穴隠し効果を発揮することが記載されている。
一方、炭酸塩を配合した日焼け止め化粧料が知られている。
例えば、特許文献2には、疎水性微粒子金属酸化物からなる無機紫外線散乱剤、管状塩基性炭酸マグネシウム及び油分を配合した日焼け止め化粧料が記載され、特許文献3には、少なくとも1種の無機UVフィルターと、表面反応炭酸カルシウムを含有するUV-A及び/又はUV-B防御を有する化粧品組成物が記載されている。
これらの化粧料においては、炭酸塩を用いることにより、紫外線防御効果を向上させている。
特開2014-172872号公報 特開2011-236182号公報 特表2020-506953号公報
従来の乳化化粧料では、塗布時に化粧料が肌の上で上滑り感がでやすく、化粧料を肌に十分付着させた実感が不足し、また、毛穴に対する化粧料の付着も弱く、毛穴を十分にカバーすることができなかった。また、塗布後の肌にべたつき感が残るという課題もあった。
本発明者は、ソルビタン脂肪酸エステル、特定の表面処理された着色顔料、25℃で液状の不揮発性油、炭酸塩を組合わせて用いることにより、上記課題を解決した乳化組成物が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)ソルビタン脂肪酸エステル、
(B)炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤で処理された着色顔料、
(C)25℃で液状の不揮発性油、
(D) 炭酸塩、
(E)水
を含有する乳化組成物に関する。
本発明の乳化組成物は、塗布時に上滑り感が低減され、塗布後の肌への密着感を向上し、また、毛穴を十分にカバーすることができ、しかも、塗布後の肌のべたつき感が低減されたものである。
なお、上滑り感とは、指先などに乳化化粧料を取り、顔に塗布した際に、液状の油剤を伸ばしているように、肌の上でいつまでも伸び広がる感じがあり、乳化化粧料が肌に付着しながら伸びる実感がないことを示す。また、密着感とは、塗布後の肌に付いた乳化組成物が、表情を変えるなどして顔の肌を動かしても、肌の動きに追従しながらも肌の表面から取れることがなく、また、大皺や小皺などによれて部分的に集まることがなく、しっかりと付着していることを示す。
本発明で用いる成分(A)は、ソルビタン脂肪酸エステルである。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、HLBが1~10であるのが好ましく、2~7がより好ましく、3~6がさらに好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。また、2種以上の非イオン界面活性剤から構成される場合、混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの質量(g)を示す。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンが好ましく、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンがより好ましく、モノイソステアリン酸ソルビタンがさらに好ましい。
成分(A)のソルビタン脂肪酸エステルとしては、市販品を用いることができ、例えば、モノイソステアリン酸ソルビタンとしては、Span 120(HLB4.7)(クローダ社製)、セスキステアリン酸ソルビタンとしては、NIKKOL SS-15V(HLB4.2)、モノオレイン酸ソルビタンとしては、NIKKOL SO-10V(HLB4.3)(以上、日光ケミカルズ社)等が挙げられる。
成分(A)の含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、全組成中に0.05~5質量%であるのが好ましく、0.08~3質量%であるのがより好ましく、0.2~2質量%がさらに好ましい。
成分(B)は、炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤で処理された着色顔料である。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、さらに、カーボンブラック等の無機顔料挙げられ、これらの着色顔料の複合体、これらの着色顔料とパール顔料とを組み合わせた複合顔料などが挙げられる。複合顔料に用いられるパール顔料としては、例えば、雲母、金雲母、セリサイト、ガラス、カオリン、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、板状アルミナ粉末等の天然又は合成の無機粉体が挙げられる。複合顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆合成金雲母、酸化クロム被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄被覆ガラス末、酸化チタン内包ガラス末、酸化鉄内包ガラス末等が挙げられる。
これらのうち、金属酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがより好ましく、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましい。
炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤による処理としては、例えば、アルキルアルコキシシラン処理、金属石鹸処理、アシル化アミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理等の表面処理が挙げられる。
アルキルアルコキシシラン処理としては、炭素数6~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが挙げられる。
アルキルアルコキシシラン処理としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アルキルアルコキシシランを構成するアルキル基の炭素数は、6~18が好ましく、8~14がより好ましく、8~12がさらに好ましく、8がよりさらに好ましい。
また、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アルキルアルコキシシランを構成するアルキル基は、直鎖が好ましい。
アルキルアルコキシシラン処理しては、例えば、トリエトキシカプリリルシラン処理、トリメトキシカプリリルシラン処理等が挙げられ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、トリエトキシカプリリルシラン処理が好ましい。
アシル化アミノ酸処理において、アシル化アミノ酸を構成するアミノ酸としては、プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられ、これらの塩が含まれる。アシル化アミノ酸処理のアシル基を構成するアルキル基の炭素数としては、3~23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが挙げられる。
アシル化アミノ酸処理としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アシル化アミノ酸を構成するアミノ酸は、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、アスパラギン酸、グルタミン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましく、グルタミン酸がさらに好ましい。また、アシル化アミノ酸のアシル基を構成するアルキル基の炭素数は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、7~21が好ましく、11~17がより好ましく、13~17がさらに好ましい。また、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アシル化アミノ酸のアシル基を構成するアルキル基は直鎖が好ましい。
アシル化アミノ酸処理としては、例えば、ステアロイルグルタミン酸処理、ラウロイルアスパラギン酸処理、ジラウロイルグルタミン酸リシン処理、ラウロイルリシン処理等が挙げられ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、ステアロイルグルタミン酸処理、ラウロイルアスパラギン酸処理、ジラウロイルグルタミン酸リシン処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、ステアロイルグルタミン酸処理、ラウロイルアスパラギン酸処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上がより好ましく、ステアロイルグルタミン酸処理が好ましい。これらの塩としては、Na、Ca、Al、Mg、Zn、Zr、Ti塩が挙げられ、Na塩が好ましい。
また、アシル化アミノ酸処理は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、シリコーン処理と組合わせて用いるのが好ましい。
有機チタネート処理としては、アルキルチタネート処理が挙げられ、例えば、長鎖カルボン酸型、ピロリン酸型、亜リン酸型、アミノ酸型等のアルキルチタネート処理が挙げられる。
有機チタネート処理としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、長鎖カルボン酸型のアルキルチタネート処理が好ましい。
長鎖カルボン酸型のアルキルチタネート処理としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理、イソプロピルトリオクタノイルチタネート処理、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート処理、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート処理、ジイソステアロイルエチレンチタネート処理等が挙げられ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理、イソプロピルトリオクタノイルチタネート処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理がより好ましい。
また、有機チタネート処理は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アシル化アミノ酸処理と組合わせて用いるのが好ましい。
炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤による処理としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、アルキルアルコキシシラン処理、金属石鹸処理、アシル化アミノ酸処理、有機チタネート処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、アルキルアルコキシシラン処理、アシル化アミノ酸処理、有機チタネート処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがより好ましく、アシル化アミノ酸処理、有機チタネート処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、ステアロイルグルタミン酸2Na処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがよりさらに好ましい。
着色顔料を炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤で表面処理するには、通常の方法により、行うことができる。
表面処理剤の処理量は、着色顔料の質量に対して、0.1~20質量%であるのが好ましく、0.5~10質量%がより好ましく、1~7質量%がさらに好ましい。
成分(B)の着色顔料は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、全組成中に1~20質量%であるのが好ましく、2~18質量%がより好ましく、6~13質量%がさらに好ましい。
なお、成分(B)の含有量は、表面処理剤で処理した後の着色顔料の質量である。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、0.003~4であるのが好ましく、0.006~2がより好ましく、0.008~1がさらに好ましく、0.009~0.5がよりさらに好ましい。
成分(C)は、25℃で液状の不揮発性油である。
25℃で液状とは、25℃における粘度が、10,000mPa・s以下のことを示す。ここで、粘度は、B型粘度計(TVB-10M、東機産業社製)、ローターNo.4、60rpm,60秒で測定される。
また、不揮発性とは、以下の方法(1)により測定される、25℃、6時間での蒸発量が20%未満のものをいう。
方法(1):直径120mmのガラス製シャーレの中に、直径90mmの濾紙を入れ、濾紙にサンプルを1gのせて、65%RHの室内(25℃)に保存する。そして6時間後のサンプルの残留物を測定し、蒸発量を算出する。
成分(C)の不揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素油;パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル等のモノエステル油;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等のジエステル油;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等のトリエステル油;テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル等のテトラエステル油;ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
これらのうち、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上させる観点から、直鎖又は分岐鎖の炭化水素油、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油、テトラエステル油、シリコーン油から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、直鎖又は分岐鎖の炭化水素油、モノエステル油、ジエステル油、シリコーン油から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがより好ましく、分岐鎖の炭化水素油、モノエステル油、ジエステル油、シリコーン油から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、流動イソパラフィン、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、メチルフェニルポリシロキサン、カプリリルメチコン、ジカプリン酸プロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがよりさらに好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上させる観点から、全組成中に0.5~35質量%であるのが好ましく、2~25質量%がより好ましく、5~20質量%がさらに好ましく、7~17質量%がよりさらに好ましい。
成分(D)の炭酸塩としては、2価金属の炭酸塩が好ましく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらのうち、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上させる点から、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、炭酸カルシウムがより好ましい。また、塗布後の肌のべたつき感を低減する観点から、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、炭酸マグネシウムがより好ましい。
さらに、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを組合わせて含むのが好ましい。
なお、成分(D)の炭酸塩は、単独で用いられるものである。粉体の表面処理剤として用いられる場合や、複合粉体原料として用いられる場合には、炭酸塩が組成物中に単独で存在しないため、本発明の効果を得ることはできない。
成分(D)の炭酸塩の形状は制限されず、紡錘状、棒状、球状、板状、針状、繊維状、花弁状等のいずれでも良い。
成分(D)の炭酸塩の形状は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、紡錘状、棒状、板状、針状、繊維状、花弁状が好ましく、紡錘状、棒状、板状、針状、繊維状がより好ましく、紡錘状、棒状、板状がさらに好ましい。
また、炭酸塩の体積平均粒子径は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、0.1~50μmであるのが好ましく、1~30μmがより好ましく、6~20μmがよりさらに好ましい。
さらに、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、炭酸塩の平均厚みに対する長軸の粒子径(アスペクト比)は1~100が好ましく、1.3~50がより好ましく、1.6~30がさらに好ましい。
ここで、体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定器(堀場製作所製、LA-920)により測定される。本発明において、体積平均粒子径とは、体積基準の平均粒子径であり、50%メジアン径とする。
また、アスペクト比は、体積平均粒子径と粒子の平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(体積平均粒子径/平均厚さ)で定義される。
なお、粒子の平均厚さは、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡により観察して測定した10~50個の母粒子の厚さを数平均して求められる。
成分(D)の炭酸塩としては、市販品を用いることができ、例えば、炭酸カルシウムとして、軽微性炭酸カルシウム(近江化学工業製、体積平均粒径7.5μm、紡錘状、アスペクト比1.9)、SCS-M5(堺化学工業社製、体積平均粒径5μm、球状、アスペクト比1)等、炭酸マグネシウムとして、重質炭酸マグネシウム(協和化学工業社製、体積平均粒径16μm、板状、アスペクト比26)等が挙げられる。
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、全組成中に0.1~10質量%であるのが好ましく、0.5~8質量%がより好ましく、1.2~5質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(D)に対する成分(B)の質量割合(B)/(D)は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、0.2~100であるのが好ましく、0.5~70がより好ましく、0.8~35がさらに好ましく、1~20がよりさらに好ましい。
本発明において、成分(E)の水の含有量は、全組成中に20~80質量%であるのが好ましく、30~70質量%がより好ましく、40~60質量%がさらに好ましく、45~55質量%がよりさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、さらに、皮膜形成剤を含有することができ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させることができる。
かかる皮膜形成剤としては、通常の化粧料に用いられるもので、フッ素変性シリコーン樹脂、トリメチルシロキシケイ酸、アクリルシリコーン樹脂、アルキルシルセスキオキサン樹脂等が挙げられる。
フッ素変性シリコーン樹脂としては、下記一般式(1):
1 gSiO(4-g)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1~8の炭化水素基、フェニル基、水酸基又は一般式-R2-Rf(R2は炭素数2~6の2価のアルキレン基を示し、Rfは炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を示す)であって、水酸基及び一般式-R2-Rfを必須とする官能基から任意に選ばれ、gは平均数で1.0≦g≦1.8である。尚、R1は、同じであっても、異なっても良い)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなフッ素変性シリコーン樹脂としては、化粧品表示名称「トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸」(INCI名称「Trifluoropropyldimethyl/Trimethylsiloxysilicate」が好ましく、予め溶剤に溶解させたXS66-B8226(50質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、XS66-B8636(50質量%ジメチルポリシロキサン(10cs)溶液)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等の市販品を用いることができる。
トリメチルシロキシケイ酸としては、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH33SiO1/2S[SiO2Tで表されるもの(Sは1~3、Tは0.5~8)が好ましい。
トリメチルシロキシケイ酸としては、化粧品表示名称「トリメチルシロキシケイ酸」(INCI名称「Trimethylsiloxysilicate」)が好ましく、予め溶剤に溶解させたKF-7312T(60質量%メチルトリメチコン溶液)、KF-7312L(50%ジメチルポリシロキサン(2cs)溶液)、KF-7312J(50質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KF-7312K(50質量%ジメチルポリシロキサン(6cs)溶液)(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
アクリルシリコーン樹脂としては、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体、アクリル-シリコーン系グラフト共重合体等が挙げられる。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体としては、特開平11―1530号公報、特開2000-63225号公報等に記載されたものが挙げられる。
カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体としては、シリコーンデンドリマー・アクリル共重合体が好ましく、化粧品表示名称「(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー」(INCI名称「Acrylates/Polytrimethylsiloxymethacrylate Copolymer」)が好ましく、予め溶剤に溶解させたFA4001CM(30質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、FA4002ID(40質量%イソドデカン溶液)、DOWSIL FA 4003 DM Silicone Acrylate(40質量%ジメチルポリシロキサン(2cs)溶液)(以上、ダウ・東レ社製)等の市販品を用いることができる。
アクリル-シリコーン系グラフト共重合体としては、特開平2-25411号公報等に記載されたものが挙げられる。
アクリル-シリコーン系グラフト共重合体としては、化粧品表示名称「(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー」(INCI名称「Acrylates/Dimethicone Copolymer」)が好ましく、予め溶剤に溶解させたKP545(30質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KP549(40質量%メチルトリメチコン溶液)、KP550(40質量%イソドデカン溶液)(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
アルキルシルセスキオキサン樹脂としては、例えば、特開平4-312511号公報に記載されたもの等を使用することができる。具体的には、R3SiO1.5単位より成るシラノール基含有オルガノポリシルセスキオキサン(式中、R3は置換又は非置換の1価炭化水素基を表す)100質量部に対して、(R4 3Si)aZ(式中、R4は置換又は非置換の1価炭化水素基を表し、aは1又は2を表し、Zはaが1のときは水素原子、水酸基、加水分解性基を表し、aが2のときは-O-、-N(X)-、-S-を表す。ここでXは水素原子、炭素数1~4の1価炭化水素基又はR4 3Si-を表す)で表されるシリコーン化合物5~100質量部を反応させて得られるものであり、R3SiO1.5単位50~99モル%、R4 3SiO0.5単位1~50モル%より成るシリコーン樹脂等を挙げることができる。
アルキルシルセスキオキサン樹脂としては、化粧品表示名称「ポリプロピルシルセスキオキサンシクロペンタシロキサン」(INCI名称「POLYPROPYLSILSESQUIOXANECYCLOPENTASILOXANE」が好ましい。市販品としては、例えば、ポリプロピルシルセスキオキサンである670FLUID(ダウ・東レ社製)や、ポリプロピルシルセスキオキサンとトリメチルシロキシケイ酸との混合物であるDOWSIL MQ-1640 FLAKE RESIN(37質量%ポリプロピルシルセスキオキサンと63質量%トリメチルシロキシケイ酸の混合物)(ダウ・東レ社製)等を用いることができる。
皮膜形成剤としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、トリメチルシロキシケイ酸、アクリルシリコーン樹脂、アルキルシルセスキオキサン樹脂から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、アクリルシリコーン樹脂がより好ましく、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体がさらに好ましい。
皮膜形成剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させる観点から、全組成中に0.1~10質量%であるのが好ましく、0.5~7質量%がより好ましく、1.5~4質量%がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、さらに、25℃で固体状又は半固体状の油剤を含有することができ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上させることができる。
25℃で固体状又は半固体状とは、25℃における粘度が10,000mPa・sより大きいことをいう。
ここで、粘度は、B型粘度計(TVB-10型、東機産業社製)、ローターNo.4、12rpm,60秒(ただし、50,000mmPa・s以上は、ローターNo.4、3rpm,60秒)で測定される。
25℃で固体状の油剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば制限されず、エステルワックス、炭化水素ワックス等を用いることができる。エステルワックスを含む25℃で固体状の油剤としては動物性ワックス、植物性ワックス等が挙げられ、炭化水素ワックスを含む25℃で固体状の油剤としては、鉱物性ワックス、合成ワックス等が挙げられる。より具体的には、エステルワックスを含む25℃で固体状の油剤としては、植物性ワックスであるシア脂、コメヌカロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ等が挙げられ、炭化水素ワックスを含む25℃で固体状の油剤としては、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。
25℃で半固体状の油剤としては、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカダミアナッツ油脂肪酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のコレステロール類誘導体;N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のフィトステロール類誘導体;ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、ロジン酸ジペンタエリトリット等のジペンタエリトリット脂肪酸エステル類;トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、トリラノリン脂肪酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル等のトリグリセライド類;硬化油等の部分的に水素添加されたトリグリセライド類、ラノリン、軟質ラノリン脂肪酸、ラノステロール類誘導体、ワセリン、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油などが挙げられる。
25℃で固体状又は半固体状の油剤としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、植物性ワックス、コレステロール類誘導体、フィトステロール類誘導体、トリグリセライド類、ラノリン、ワセリン、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、
植物性ワックス、コレステロール類誘導体、フィトステロール類誘導体、トリグリセライド類、ラノリン、ワセリンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがより好ましく、植物性ワックス、フィトステロール類誘導体、トリグリセライド類がさらに好ましく、トリグリセライド類を含むのがよりさらに好ましい。
25℃で固体状又は半固体状の油剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感、毛穴に対するカバー力を向上し、べたつき感を低減する観点から、全組成中に0.05~8質量%であるのが好ましく、0.06~5質量%がより好ましく、0.07~3質量%がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、さらに、揮発性油を含有することができ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減することができる。
ここで揮発性油とは、以下の方法(1)により測定される、25℃、6時間での蒸発量が20%以上のものをいう。
方法(1):直径120mmのガラス製シャーレの中に、直径90mmの濾紙を入れ、濾紙にサンプルを1gのせて、65%RHの室内(25℃)に保存する。そして6時間後のサンプルの残留物を測定し、蒸発量を算出する。
揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。
シリコーン油としては、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。鎖状ジメチルポリシロキサンとしては、直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、直鎖のものとしては、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)等が挙げられ、分岐鎖のもとしては、メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等が挙げられる。環状ジメチルポリシロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
炭化水素としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減させる観点から、シリコーン油、炭化水素油から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、ジメチルポリシロキサン(2cs)、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがより好ましく、ジメチルポリシロキサン(2cs)、デカメチルシクロペンタシロキサン、軽質流動イソパラフィンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがよりさらに好ましい。
揮発性油は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減させる観点から、全組成中に1~30質量%であるのが好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、さらに、シリコーン系界面活性剤を含有することができ、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得ることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、HLBが1~8が好ましく、2~7がより好ましく、3~6がさらに好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。また、2種以上の非イオン界面活性剤から構成される場合、混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの質量(g)を示す。
シリコーン系界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等の直鎖型又は分岐鎖型ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーン、アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、直鎖型又は分岐鎖型ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、直鎖型又は分岐鎖型ポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、直鎖型ポリエーテル変性シリコーンがさらに好ましい。
シリコーン系界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、塗布時に肌上での乳化組成物の上滑り感を低減し、塗布後の肌の密着感を向上させ、安定な乳化組成物を得る観点から、1~8質量%が好ましく、2~6.5質量%がより好ましく、3~5.5質量%がさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、前記成分以外に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、タルク等の体質顔料、前記以外の粉体、高分子化合物、酸化防止剤、香料、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、清涼剤等を含有することができる。
本発明の乳化組成物は、通常の方法に従って製造することができ、油中水型乳化組成物、水中油型乳化組成物等のいずれにもすることができる。また、液状、乳液液、ペースト状、クリーム状、ジェル状、固形状等の剤型にすることができ、ペースト状、クリーム状、固形状が好ましい。
本発明の乳化組成物は、油中水型乳化化粧料として適用することが好ましく、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料などとして適用することができる。メイクアップ化粧料として好適である。
実施例1~11及び比較例1
表1及び表2に示す組成の油中水型乳化化粧料を製造し、塗布時の上滑り感のなさ、塗布後の肌の密着感、毛穴カバー力及び塗布後の肌のべたつきのなさを評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
(製法)
成分(A)、(C)及び他の油性成分を、80℃で加熱撹拌して油相混合物を調製し、油相混合物に予め粉砕混合した成分(B)、(D)及びその他の粉体を含む粉体相を加えてホモミキサーを用いて混合した。その後、80℃に加熱した水相を添加し、混合した後、室温まで冷却して、油中水型乳化化粧料を得た。
(評価方法)
(1)塗布時の上滑り感のなさ:
専門評価者3名が、各油中水型乳化化粧料0.3gを指に取って、顔に塗布したとき、塗布中の上滑り感のなさを、以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
なお、上滑り感とは、指先などに油中水型乳化化粧料を取り、顔に塗布した際に、液状の油剤を伸ばしているように、肌の上でいつまでも伸び広がる感じがあり、油中水型乳化化粧料が肌に付着しながら伸びる実感がないことを示す。
5;上滑り感が明らかにないと感じる。
4;上滑り感がほとんどないと感じる。
3;上滑り感があまりないと感じる。
2;上滑り感がややあると感じる。
1;上滑り感が明らかにあると感じる。
(2)塗布後の肌の密着感:
専門評価者3名が、各油中水型乳化化粧料0.3gを指に取って、顔に塗布して伸ばした後、塗布後の肌の密着感を、以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
なお、密着感とは、塗布後の肌に付いた油中水型乳化組成物が、表情を変えるなどして顔の肌を動かしても、肌の動きに追従しながらも肌の表面から取れることがなく、また、大皺や小皺などによれて部分的に集まることがなく、しっかりと付着していることを示す。
5;密着感が明らかにあると感じる。
4;密着感がかなりあると感じる。
3;密着感があると感じる。
2;密着感があまりないと感じる。
1;密着感が明らかにないと感じる。
(3)毛穴カバー力:
専門評価者3名が、各油中水型乳化化粧料0.3gを指に取り、顔に塗布して伸ばした後、毛穴に対するカバー力を以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
5;毛穴が明らかに隠れていると感じる。
4;毛穴が隠れていると感じる。
3;毛穴がほぼ隠れていると感じる。
2;毛穴があまり隠れていないと感じる。
1;毛穴が明らかに隠れていないと感じる。
(4)塗布後の肌のべたつきのなさ:
専門評価者3名が、各油中水型乳化化粧料0.3gを指に取って、顔に塗布した後、塗布後の肌を触り、べたつきのなさについて、以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
5;べたつきが明らかにないと感じる。
4;べたつきがほとんどないと感じる。
3;べたつきがあまりないと感じる。
2;べたつきがややあると感じる。
1;べたつきが明らかにあると感じる。
Figure 2022065570000001
Figure 2022065570000002
*1:モノイソステアリン酸ソルビタン:クローダ社製、Span 120、
*2:ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:信越化学工業社製、KF-6017、
*3:パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル:BASF社製、ユビナール MC80、
*4:メチルフェニルポリシロキサン:ダウ・東レ社製、DOWSIL FZ-209、
*5:ジメチルポリシロキサン(2cs):信越化学工業社製、KF-96L-2cs、
*6:軽質流動イソパラフィン:日油社製、パールリーム4、
*7:(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー・ジメチコン混合物:ダウ・東レ社製、DOWSIL FA 4003 DM Silicone Acrylate(40質量%ジメチコン(2cs)溶液)、
*8:トリベヘン酸グリセリル:クローダ社製、シンクロワックス HR-C、
*9:ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸2Na複合処理酸化チタン:三好化成社製、SA/NAI-TR-10 MIBRID COLOR POWDER、
*10:ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸2Na複合処理ベンガラ:三好化成社製、SA/NAI-R-10 MIBRID COLOR POWDER、
*11:ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸2Na複合処理黄酸化鉄:三好化成社製、SA/NAI-Y-10 MIBRID COLOR POWDER、
*12:ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸2Na複合処理黒酸化鉄:三好化成社製、SA/NAI-B-10 MIBRID COLOR POWDER、
*13:ジメチコン・ステアロイルグルタミン酸2Na複合処理タルク:三好化成社製、SA/NAI-TA-46R MIBRID COLOR POWDER、
*14:アミノ酸・チタネート複合処理酸化チタン:大東化成工業社製、ASI処理酸化チタン(酸化チタン(略球状、平均粒子径0.2μm)98質量%に対し、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート1.5質量%、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム0.42質量%、塩化亜鉛0.08質量%で被覆処理したもの)、
*15:アミノ酸・チタネート複合処理ベンガラ:大東化成工業社製、ASI処理ベンガラ(酸化鉄(針状、平均粒子径(長さ)0.9μm、平均幅0.08μm)98質量%に対し、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート1.5質量%、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム0.42質量%、塩化亜鉛0.08質量%で被覆処理したもの)、
*16:アミノ酸・チタネート複合処理黄酸化鉄:大東化成工業社製、ASI処理黄酸化鉄(*15と同様の被覆処理をしたもの)、
*17:アミノ酸・チタネート複合処理黒酸化鉄:大東化成工業社製、ASI処理黒酸化鉄(*15と同様の被覆処理をしたもの)、
*18:アミノ酸・チタネート複合処理タルク:大東化成工業社製、ASI処理タルク、
*19:ジメチコン処理シリカ:三好化成社製、A-SB-300(7%)、
*20:炭酸カルシウム:近江化学工業製、軽微性炭酸カルシウム(体積平均粒子径7.5μm、紡錘状、アスペクト比1.9)
*21:炭酸カルシウム:堺化学工業社製、SCS-M5、(体積平均粒子径5μm、球状、アスペクト比1)
*22:炭酸マグネシウム:協和化学工業社製、重質炭酸マグネシウム(体積平均粒子径16μm、板状、アスペクト比26)

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
    (A)ソルビタン脂肪酸エステル、
    (B)炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤で処理された着色顔料、
    (C)25℃で液状の不揮発性油、
    (D) 炭酸塩、
    (E)水
    を含有する乳化組成物。
  2. 成分(B)において、炭素数3以上のアルキル基を含む表面処理剤による処理が、少なくとも、アシル化アミノ酸処理、有機チタネート処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含む請求項1記載の乳化組成物。
  3. 成分(D)が炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含む請求項1又は2記載の乳化化粧料。
  4. 成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、0.003~4である請求項1~3のいずれか1項記載の乳化組成物。
  5. 成分(D)に対する成分(B)の質量割合(B)/(D)が、0.2~100である請求項1~4のいずれか1項記載の乳化組成物。
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