JP2022062460A - 酸素バリア材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生分解性材料であるポリアスパラギン酸由来のポリアスパラギン酸系樹脂を用いた酸素バリア材であって、優れた酸素バリア性を有し、さらに酸素バリアフィルムを製膜する際の熱架橋工程を特に必要としない酸素バリア材の提供。【解決手段】ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材である。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材及びその製造方法、並びに該酸素バリア材を用いた酸素バリア膜を基材上に備えた積層体及び該酸素バリア材を用いた酸素バリア膜を成形してなる成形体に関する。
食品等の包装に用いられる軟包装材料分野では、内容物の品質保持(食の安全性)やフードロス削減という目的から高いバリア性が要求されている。
また、包装パッケージが内容物保護等で有用である一方、内容物が消費された後は不要となり廃棄され、廃プラスチック問題、海洋汚染、環境・食品汚染といった問題を引き起こしている。本問題の深刻化に伴い、パッケージ業界では環境に配慮した新素材開発が活発化している。その中で、バイオマス資源を原料とした高生分解性のプラスチックの利用が拡大してきている。
ポリアスパラギン酸は生分解性材料であり上記課題に対応し得る材料である。そこで、ポリアスパラギン酸を用いたガスバリア膜(ガスバリアフィルム)、特に酸素バリア膜の提供が望まれている。
ところで、従来、水系樹脂のバリア材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)等が知られているが、樹脂の親水性が高く高湿度下のバリア性が発現されないため、各種の改良が試みられている。
また、ポリカルボン酸とポリアミン及び/又はポリオールから製膜されるガスバリアフィルムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、包装パッケージが内容物保護等で有用である一方、内容物が消費された後は不要となり廃棄され、廃プラスチック問題、海洋汚染、環境・食品汚染といった問題を引き起こしている。本問題の深刻化に伴い、パッケージ業界では環境に配慮した新素材開発が活発化している。その中で、バイオマス資源を原料とした高生分解性のプラスチックの利用が拡大してきている。
ポリアスパラギン酸は生分解性材料であり上記課題に対応し得る材料である。そこで、ポリアスパラギン酸を用いたガスバリア膜(ガスバリアフィルム)、特に酸素バリア膜の提供が望まれている。
ところで、従来、水系樹脂のバリア材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)等が知られているが、樹脂の親水性が高く高湿度下のバリア性が発現されないため、各種の改良が試みられている。
また、ポリカルボン酸とポリアミン及び/又はポリオールから製膜されるガスバリアフィルムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
上記引用文献1には、ガスバリアフィルムを製膜する際に用いられるポリカルボン酸として、カルボキシル基含有ポリアミノ酸が挙げられており、係るポリアミノ酸としてポリアスパラギン酸が挙げられている。しかし、引用文献1には、ポリアスパラギン酸を用いた酸素バリアフィルムの具体例は全くない。引用文献1に記載の内容からは、優れた酸素バリア性を有するポリアスパラギン酸を用いた酸素バリアフィルムを提供することはできない。
さらに、引用文献1では、ガスバリアフィルムは、ポリアミン又はポリオールの架橋剤を用いる必要があり、ガスバリアフィルムを製膜するため、塗布液を塗布した後、熱架橋工程を行う必要がある。
しかし、酸素バリアフィルムを製膜する際、特に架橋剤を必要とせず、熱架橋工程も不要であれば、より簡便な工程で酸素バリアフィルムが得られるため実用上好ましい。
さらに、引用文献1では、ガスバリアフィルムは、ポリアミン又はポリオールの架橋剤を用いる必要があり、ガスバリアフィルムを製膜するため、塗布液を塗布した後、熱架橋工程を行う必要がある。
しかし、酸素バリアフィルムを製膜する際、特に架橋剤を必要とせず、熱架橋工程も不要であれば、より簡便な工程で酸素バリアフィルムが得られるため実用上好ましい。
そこで、本発明は、生分解性材料であるポリアスパラギン酸由来のポリアスパラギン酸系樹脂を用いた酸素バリア材であって、優れた酸素バリア性を有し、さらに酸素バリアフィルムを製膜する際の熱架橋工程を特に必要としない酸素バリア材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させると、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を得ることができ、係るポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いて得られる酸素バリアフィルムは、ポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を用いて得られる酸素バリアフィルムに比べ、より酸素バリア性を向上させることができ上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1]ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材。
[2]前記ポリアスパラギン酸構成単位が、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表され、前記ポリアスパラギン構成単位が、下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表される、[1]に記載の酸素バリア材。
[3]前記ポリアスパラギン酸系共重合体において、前記ポリアスパラギン構成単位の占める割合が70モル%以下である、[1]又は[2]に記載の酸素バリア材。
[4]前記酸素バリア材が、さらに層状粘土鉱物を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の酸素バリア材。
[5]前記層状粘土鉱物が、スメクタイトを有する、[1]~[4]のいずれかに記載の酸素バリア材。
[6][1]に記載の酸素バリア材を製造する、酸素バリア材の製造方法であって、
ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させて、前記ポリアスパラギン酸系共重合体を製造する、酸素バリア材の製造方法。
[7]基材と、[1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を前記基材上に塗布してなる被覆層と、を備える積層体。
[8][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を成形してなる成形体。
[9][7]に記載の積層体又は[8]に記載の成形体を用いた包装材。
[10][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含むコーティング材。
[11][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含むインキ。
[12][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含む接着剤。
[1]ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材。
[2]前記ポリアスパラギン酸構成単位が、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表され、前記ポリアスパラギン構成単位が、下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表される、[1]に記載の酸素バリア材。
[3]前記ポリアスパラギン酸系共重合体において、前記ポリアスパラギン構成単位の占める割合が70モル%以下である、[1]又は[2]に記載の酸素バリア材。
[4]前記酸素バリア材が、さらに層状粘土鉱物を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の酸素バリア材。
[5]前記層状粘土鉱物が、スメクタイトを有する、[1]~[4]のいずれかに記載の酸素バリア材。
[6][1]に記載の酸素バリア材を製造する、酸素バリア材の製造方法であって、
ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させて、前記ポリアスパラギン酸系共重合体を製造する、酸素バリア材の製造方法。
[7]基材と、[1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を前記基材上に塗布してなる被覆層と、を備える積層体。
[8][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を成形してなる成形体。
[9][7]に記載の積層体又は[8]に記載の成形体を用いた包装材。
[10][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含むコーティング材。
[11][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含むインキ。
[12][1]~[5]のいずれかに記載の酸素バリア材を含む接着剤。
本発明により、生分解性材料であるポリアスパラギン酸由来のポリアスパラギン酸系樹脂を用いた酸素バリア材であって、優れた酸素バリア性を有し、さらに酸素バリアフィルムを製膜する際の熱架橋工程を特に必要としない酸素バリア材を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下に記載する構成要件の説明は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(酸素バリア材)
本発明の酸素バリア材は、ポリアスパラギン酸系共重合体を有する。
ここで、酸素バリア材とは、酸素バリアフィルムを形成するために用いられる材料をいう。
本発明では、酸素バリア材に含有させるポリアスパラギン酸系樹脂として、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を用いることが特徴である。
本発明の酸素バリア材は、ポリアスパラギン酸系共重合体を有する。
ここで、酸素バリア材とは、酸素バリアフィルムを形成するために用いられる材料をいう。
本発明では、酸素バリア材に含有させるポリアスパラギン酸系樹脂として、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を用いることが特徴である。
<ポリアスパラギン酸系共重合体>
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含む。より具体的には、ポリアスパラギン酸を構成するアスパラギン酸の構成単位のうち一部がアミド化されたアスパラギンの構成単位から構成されたポリアスパラギン(部位)を含む。つまり、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリアスパラギン酸とポリアスパラギン酸の一部がアミド化されたポリアスパラギン部位とが共重合された構造を有する、部分アミド化ポリアスパラギン酸である。
このポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いることにより、ポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を用いて製造した酸素バリアフィルムに比べ、より優れた酸素バリア性を示す酸素バリアフィルムを提供することができる。
ポリアスパラギン部位は非水性を示すため、ポリアスパラギン酸系共重合体の親水性が低下し、酸素バリアフィルムの酸素バリア性能が向上したものと推察される。
本発明の酸素バリア材を用いて得られる酸素バリアフィルムは、特に中湿度域(湿度75%RH条件下のバリア測定)における酸素バリア性が優れたものとなる。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含む。より具体的には、ポリアスパラギン酸を構成するアスパラギン酸の構成単位のうち一部がアミド化されたアスパラギンの構成単位から構成されたポリアスパラギン(部位)を含む。つまり、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリアスパラギン酸とポリアスパラギン酸の一部がアミド化されたポリアスパラギン部位とが共重合された構造を有する、部分アミド化ポリアスパラギン酸である。
このポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いることにより、ポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を用いて製造した酸素バリアフィルムに比べ、より優れた酸素バリア性を示す酸素バリアフィルムを提供することができる。
ポリアスパラギン部位は非水性を示すため、ポリアスパラギン酸系共重合体の親水性が低下し、酸素バリアフィルムの酸素バリア性能が向上したものと推察される。
本発明の酸素バリア材を用いて得られる酸素バリアフィルムは、特に中湿度域(湿度75%RH条件下のバリア測定)における酸素バリア性が優れたものとなる。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させることにより得ることができるが、該ポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法についての詳しい説明は後述する。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体のより好ましい態様は、以下のとおりである。
ポリアスパラギン酸系共重合体は、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるポリアスパラギン酸構成単位(I)を有する。
一般式(1)は、α-タイプのアスパラギン酸由来の構成単位を示し、一般式(2)は、β-タイプのアスパラギン酸由来の構成単位を示す。
また、ポリアスパラギン酸系共重合体は、下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)を有する。
一般式(3)は、α-タイプのアスパラギン由来の構成単位を示し、一般式(4)は、β-タイプのアスパラギン由来の構成単位を示す。
ポリアスパラギン酸系共重合体は、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるポリアスパラギン酸構成単位(I)を有する。
一般式(1)は、α-タイプのアスパラギン酸由来の構成単位を示し、一般式(2)は、β-タイプのアスパラギン酸由来の構成単位を示す。
また、ポリアスパラギン酸系共重合体は、下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)を有する。
一般式(3)は、α-タイプのアスパラギン由来の構成単位を示し、一般式(4)は、β-タイプのアスパラギン由来の構成単位を示す。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるポリアスパラギン酸構成単位(I)、いわゆるアスパラギン酸由来の構成単位の一部が、アミド化され、下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)、いわゆるアスパラギン由来の構成単位に変わり、ポリアスパラギン酸構成単位(I)とポリアスパラギン構成単位(II)とが共重合して形成された構造を有する。
ポリアスパラギン酸系共重合体における、ポリアスパラギン構成単位の占める割合は、共重合体の水への溶解性の観点から、70モル%以下であることが好ましく、65モル%以下であることがより好ましい。
一方、塗膜の吸湿性の観点から、15モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。
一方、塗膜の吸湿性の観点から、15モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。
本発明において、ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合は、例えば、実施例でも示す通り、次のようにして求めることができる。
ポリスクシンイミドをアンモニアで加水分解することにより得られた本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体における酸価を測定する。一方、比較するため、上記ポリアスパラギン酸系共重合体を製造する際に用いたポリスクシンイミドと同量のポリスクシンイミドを用意し、係るポリスクシンイミドを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)で加水分解することにより得られたポリアスパラギン酸における酸価を測定する。
ポリアスパラギン酸系樹脂の酸価を測定するには、例えば、JIS-K0070に記載の酸価測定方法に従い測定することができる。
ポリスクシンイミドをアンモニアで加水分解することにより得られた本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体における酸価を測定する。一方、比較するため、上記ポリアスパラギン酸系共重合体を製造する際に用いたポリスクシンイミドと同量のポリスクシンイミドを用意し、係るポリスクシンイミドを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)で加水分解することにより得られたポリアスパラギン酸における酸価を測定する。
ポリアスパラギン酸系樹脂の酸価を測定するには、例えば、JIS-K0070に記載の酸価測定方法に従い測定することができる。
次に、上記で測定したポリアスパラギン酸の酸価の値とポリアスパラギン酸系共重合体の酸価の値との結果を用いて、ポリアスパラギン酸の酸価の値に対する本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の酸価の値の比を求める。ここで得られた比は、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体において、一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)で重合されているポリアスパラギンの割合を除き、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるポリアスパラギン酸構成単位(I)で重合されているポリアスパラギン酸の割合を示している。
したがって、上記で得られたポリアスパラギン酸構成単位(I)で重合されているポリアスパラギン酸の割合を100から差し引いて残った割合が、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体において、一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)で重合されているポリアスパラギンの割合を示している。
よって、上記の方法により、ポリアスパラギン酸系共重合体における、ポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体において部分アミド化されたポリアスパラギン部位の占める割合(モル%)を求めることができる。
したがって、上記で得られたポリアスパラギン酸構成単位(I)で重合されているポリアスパラギン酸の割合を100から差し引いて残った割合が、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体において、一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるポリアスパラギン構成単位(II)で重合されているポリアスパラギンの割合を示している。
よって、上記の方法により、ポリアスパラギン酸系共重合体における、ポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体において部分アミド化されたポリアスパラギン部位の占める割合(モル%)を求めることができる。
本発明の酸素バリア材は、さらに層状粘土鉱物を含有してもよい。また、酸素バリア材として本発明の効果を損なわない限り、本発明の酸素バリア材は、ポリアスパラギン酸系共重合体や層状粘土鉱物の他、その他の成分を含有してもよい。
<層状粘土鉱物>
本発明の酸素バリア材は、さらに層状粘土鉱物を有していてもよい。
酸素バリア材が、層状粘土鉱物を含有することにより、酸素バリア性をより高めることができる。
層状粘土鉱物の具体例としては、例えば、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)などが挙げられる。これらのなかでも、水溶液中でへき開(剥離)し易いという観点から、スメクタイト族粘土鉱物(以下スメクタイトと略す)が好ましく、モンモリロナイトがより好ましい。層状粘土鉱物は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明の酸素バリア材は、さらに層状粘土鉱物を有していてもよい。
酸素バリア材が、層状粘土鉱物を含有することにより、酸素バリア性をより高めることができる。
層状粘土鉱物の具体例としては、例えば、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)などが挙げられる。これらのなかでも、水溶液中でへき開(剥離)し易いという観点から、スメクタイト族粘土鉱物(以下スメクタイトと略す)が好ましく、モンモリロナイトがより好ましい。層状粘土鉱物は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
層状粘土鉱物の層間カチオンは、特に制限されず、用いる層状粘土鉱物の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、スメクタイトの層間カチオン(天然スメクタイトの場合、ほとんどがナトリウムである)をリチウムイオン、アンモニウムイオン、プロトン等に交換したスメクタイトであってもよい。本発明で好ましく用いられるスメクタイトとしては、例えば、ナトリウム型スメクタイト、リチウム型スメクタイト、アンモニウム型スメクタイト、プロトン型スメクタイト等が挙げられる。用いるスメクタイトの種類によっても変わるため特に制限されるものではないが、バリア性を向上させる観点からは、これらのなかでもナトリウム型スメクタイト、リチウムイオン型スメクタイトが好ましく、よりイオン半径の小さいリチウムイオン型スメクタイトがより好ましい傾向がある。
スメクタイトのアンモニウムイオン当量、リチウムイオン当量、及び水素イオン当量の合計が、50~120meq/100gであってよい。スメクタイトのアンモニウムイオン当量、リチウムイオン当量、及び水素イオン当量の合計は、50meq/100g以上、80meq/100g以上、又は100meq/100g以上であってよく、120meq/100g以下、又は110meq/100g以下であってよい。スメクタイトのアンモニウムイオン当量は、1Nの塩化カリウム溶液に溶出してくる陽イオン量、リチウムイオン当量は、1Nの酢酸アンモニウム溶液に溶出してくる陽イオン量をそれぞれイオンクロマトグラフィーにより測定することで求めることができる。また、水素イオン当量はイオン交換前の陽イオン量とイオン交換後の陽イオン量の差から求めることができる。例えば、層間イオンがナトリウムであるモンモリトナイトを用いた場合は、イオン交換操作前後のモンモリロナイトから1Nの酢酸アンモニウム溶液に溶出してくるナトリウムイオン量をイオンクロマトグラフィー測定し、その差分から水素イオン当量を求めることができる。
層状粘土鉱物の含有量は、特に限定されず、用いる層状粘土鉱物の種類等に応じて適宜設定できるが、通常は5~70質量%程度であり、10~60質量%程度が好ましい。
<その他の成分>
酸素バリア材には、適宜目的に応じて、上記ポリアスパラギン酸系共重合体や層状粘土鉱物の他に、その他の成分を含有してもよい。
酸素バリア材には、適宜目的に応じて、上記ポリアスパラギン酸系共重合体や層状粘土鉱物の他に、その他の成分を含有してもよい。
<<修飾剤>>
酸素バリア材は、更に修飾剤を含有してもよい。修飾剤としては、例えば、カップリング剤、シラン化合物、酸無水物等が挙げられる。酸素バリア材がこれらの修飾剤を含有する場合、例えば、酸素バリア材が層状粘土鉱物を含有していると、該層状粘土鉱物の濡れ性を向上させ、酸素バリア材への分散性を向上させることができる。修飾剤は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられる。
酸素バリア材は、更に修飾剤を含有してもよい。修飾剤としては、例えば、カップリング剤、シラン化合物、酸無水物等が挙げられる。酸素バリア材がこれらの修飾剤を含有する場合、例えば、酸素バリア材が層状粘土鉱物を含有していると、該層状粘土鉱物の濡れ性を向上させ、酸素バリア材への分散性を向上させることができる。修飾剤は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられる。
<<溶剤>>
酸素バリア材は、使用用途に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
酸素バリア材は、使用用途に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
<<添加剤>>
酸素バリア材は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤(上記ポリアスパラギン酸系共重合体、層状粘土鉱物、及び修飾剤に該当する化合物は除く。)を含有してもよい。添加剤としては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤、金属酸化物等が挙げられる。これらの各種添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
酸素バリア材は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤(上記ポリアスパラギン酸系共重合体、層状粘土鉱物、及び修飾剤に該当する化合物は除く。)を含有してもよい。添加剤としては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤、金属酸化物等が挙げられる。これらの各種添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
<酸素バリア材の利用>
酸素バリア材の利用方法の好ましい実施態様としては、コーティング材、インキ、接着剤等への利用が挙げられる。
例えば、本発明の酸素バリア材をコーティング材として用いることができる。
また、本発明の酸素バリア材に着色剤等を含有させることにより、インキとして用いることができる。
また、本発明の酸素バリア材が接着性能を有している場合には、接着剤として用いることができる。
酸素バリア材の利用方法の好ましい実施態様としては、コーティング材、インキ、接着剤等への利用が挙げられる。
例えば、本発明の酸素バリア材をコーティング材として用いることができる。
また、本発明の酸素バリア材に着色剤等を含有させることにより、インキとして用いることができる。
また、本発明の酸素バリア材が接着性能を有している場合には、接着剤として用いることができる。
<<コーティング材>>
本発明の酸素バリア材は、コーティング材として好適に用いることができる。コーティング材は、上記酸素バリア材を含むものであればよい。バリアコーティング材料としての諸特性を満たせば、コーティング材の形態は限定されない。
コーティング材のコーティング方法としては特に制限はない。具体的な方法としては、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティング装置についても特に限定はない。
本発明の酸素バリア材は、コーティング材として好適に用いることができる。コーティング材は、上記酸素バリア材を含むものであればよい。バリアコーティング材料としての諸特性を満たせば、コーティング材の形態は限定されない。
コーティング材のコーティング方法としては特に制限はない。具体的な方法としては、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティング装置についても特に限定はない。
<<インキ>>
本発明の酸素バリア材に着色剤を含有させインキとして使用することができる。
着色剤としては、一般にインキに含まれる樹脂や溶剤に溶解する染料と、溶解しない顔料とが挙げられる。本発明にかかるインキは、顔料と染料のどちらか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。
染料としては、公知慣用のものを使用することができ、例えば、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料、スクワリリウム色素等が挙げられる。これら染料は、単独又は混合して用いることができる。
顔料としては無機顔料と有機顔料とが例示される。無機顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化鉄、酸化クロム、アルミニウム、マイカ、カーボンブラック、赤土、黄土、緑土、紺青、亜鉛華、コバルト青、エメラルド緑、ビリジャンが例示できる。
また、有機顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン顔料、ペリノン系顔料、トリフエニルメタン系顔料、チオインジゴ顔料、ジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料等が挙げられる。これら顔料は、単独又は混合して用いることができる。
本発明の酸素バリア材に着色剤を含有させインキとして使用することができる。
着色剤としては、一般にインキに含まれる樹脂や溶剤に溶解する染料と、溶解しない顔料とが挙げられる。本発明にかかるインキは、顔料と染料のどちらか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。
染料としては、公知慣用のものを使用することができ、例えば、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料、スクワリリウム色素等が挙げられる。これら染料は、単独又は混合して用いることができる。
顔料としては無機顔料と有機顔料とが例示される。無機顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化鉄、酸化クロム、アルミニウム、マイカ、カーボンブラック、赤土、黄土、緑土、紺青、亜鉛華、コバルト青、エメラルド緑、ビリジャンが例示できる。
また、有機顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン顔料、ペリノン系顔料、トリフエニルメタン系顔料、チオインジゴ顔料、ジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料等が挙げられる。これら顔料は、単独又は混合して用いることができる。
<<接着剤>>
本発明の酸素バリア材が、接着性能を有する場合には、接着剤として好適に用いることができる。接着剤は、上記酸素バリア材を含むものであればよい。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。
本発明の酸素バリア材は、酸素バリア性に優れていることから、この接着剤は酸素バリア用接着剤として好適に利用可能である。
本発明の酸素バリア材が、接着性能を有する場合には、接着剤として好適に用いることができる。接着剤は、上記酸素バリア材を含むものであればよい。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。
本発明の酸素バリア材は、酸素バリア性に優れていることから、この接着剤は酸素バリア用接着剤として好適に利用可能である。
液状又はペースト状の接着剤の場合、1液型の接着剤としてもよく、硬化剤を別にした2液型の接着剤としてもよい。液状又はペースト状の接着剤の場合は、使用方法としては特に限定はないが、一方の接着面に塗布後、他方の接着面を貼り合わせ、接着させてよく、接着面の界面に注入後、接着させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
(酸素バリア材の製造方法)
本発明の酸素バリア材を製造するために、該酸素バリア材に含有させるポリアスパラギン酸系共重合体は、以下のようにして製造する。
本発明の酸素バリア材を製造するために、該酸素バリア材に含有させるポリアスパラギン酸系共重合体は、以下のようにして製造する。
<ポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法>
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させて得ることができる。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法の好ましい態様としては、下記(A)~(B)の工程:
(A)工程:アンモニアを用いてポリスクシンイミドを加水分解することによりポリアスパラギン酸アンモニウム構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含む共重合体を作製する、
(B)工程:上記(A)工程で得られた共重合体をイオン交換により酸処理することによりポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を作製する
を含むポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法が挙げられる。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体は、ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させて得ることができる。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法の好ましい態様としては、下記(A)~(B)の工程:
(A)工程:アンモニアを用いてポリスクシンイミドを加水分解することによりポリアスパラギン酸アンモニウム構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含む共重合体を作製する、
(B)工程:上記(A)工程で得られた共重合体をイオン交換により酸処理することによりポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を作製する
を含むポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法が挙げられる。
上記(A)工程において、ポリアスパラギン酸アンモニウム構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含む共重合体は、図1で示されるようにして作製される。図1で示される共重合体は、一般式(a)及び/又は一般式(b)で表されるアスパラギン酸アンモニウム由来の構成単位と一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるアスパラギン由来の構成単位とが重合されたランダム重合体である。
一般式(a)は、α-タイプのアスパラギン酸アンモニウム由来の構成単位を示し、一般式(b)は、β-タイプのアスパラギン酸アンモニウム由来の構成単位を示す。
上記(B)工程において、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体は、図2で示されるようにして作製される。図2で示される共重合体は、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるアスパラギン酸由来の構成単位と一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるアスパラギン由来の構成単位とが重合されたランダム重合体である。
一般式(a)は、α-タイプのアスパラギン酸アンモニウム由来の構成単位を示し、一般式(b)は、β-タイプのアスパラギン酸アンモニウム由来の構成単位を示す。
上記(B)工程において、ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体は、図2で示されるようにして作製される。図2で示される共重合体は、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるアスパラギン酸由来の構成単位と一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるアスパラギン由来の構成単位とが重合されたランダム重合体である。
尚、ポリアスパラギン酸の製造方法として従来知られている方法は、ポリスクシンイミドを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を用いて加水分解することによりポリアスパラギン酸を作製する方法であり、例えば、図3で示されるようにして作製される。
<<反応条件>>
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法において、アンモニアを用いてポリスクシンイミドを加水分解することによりポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を製造することができれば、製造に用いる材料の量や反応条件(反応時間や反応温度等)は、適宜選択することができる。ただし、反応条件によっては、ポリアスパラギン部位の安定性がよくない場合もあるため、製造に用いる材料の量や反応条件(反応時間や反応温度等)を十分考慮したうえで、反応に供するとよい。
例えば、ポリスクシンイミドに対して、0.3当量~3.0当量となる量のアンモニアを加えることが好ましい。
ポリスクシンイミドにアンモニアを加えた後、20~80℃で、1分~10日の反応条件で反応させとよい。
本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の製造方法において、アンモニアを用いてポリスクシンイミドを加水分解することによりポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を製造することができれば、製造に用いる材料の量や反応条件(反応時間や反応温度等)は、適宜選択することができる。ただし、反応条件によっては、ポリアスパラギン部位の安定性がよくない場合もあるため、製造に用いる材料の量や反応条件(反応時間や反応温度等)を十分考慮したうえで、反応に供するとよい。
例えば、ポリスクシンイミドに対して、0.3当量~3.0当量となる量のアンモニアを加えることが好ましい。
ポリスクシンイミドにアンモニアを加えた後、20~80℃で、1分~10日の反応条件で反応させとよい。
(成形体)
本発明の成形体は、上記本発明の酸素バリア材を成形して得ることができる。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体は、酸素バリア材からなっていてよく、酸素バリア材の硬化物からなっていてもよい。また、成形体は、酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなるものであれば、酸素バリアフィルム自体が自立膜であるか否かは特に制限はない。さらに、成形体の形状に制限はなく、例えば、膜厚が250μmより厚い板状やシート状であっても、又は膜厚が250μm以下のフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
本発明の成形体は、上記本発明の酸素バリア材を成形して得ることができる。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体は、酸素バリア材からなっていてよく、酸素バリア材の硬化物からなっていてもよい。また、成形体は、酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなるものであれば、酸素バリアフィルム自体が自立膜であるか否かは特に制限はない。さらに、成形体の形状に制限はなく、例えば、膜厚が250μmより厚い板状やシート状であっても、又は膜厚が250μm以下のフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
板状、シート状の成形体を製造する場合、例えば押し出し成形法、平面プレス、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いてガスバリア材を成形する方法が挙げられる。また、フィルム状の成形体を製造する場合、例えば溶融押出法、溶液キャスト法、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形が挙げられる。
酸素バリア材が液状である場合、塗布により成形してもよい。塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
本発明の成形体は、優れた酸素バリア性を示す。特に本発明の成形体は、酸素バリア性、中でも中湿度域(湿度75%RH条件下のバリア測定)における酸素バリア性に優れている。
湿度75%RH条件下での成形体の酸素透過率は、好ましくは30cc/m2/day/atm以下であり、より好ましくは15cc/m2/day/atm以下、さらに好ましくは10cc/m2/day/atm以下である。
また、本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなる本発明の成形体は、上記引用文献1の酸素バリアフィルムと異なり、酸素バリアフィルムを製膜する際、特に架橋剤を必要とせず、熱架橋工程(例えば、200℃以上といった高温での架橋工程)も不要である。
本発明の酸素バリア材を用いるとより簡便な工程で酸素バリアフィルムを成形してなる成形体を得ることができる。
湿度75%RH条件下での成形体の酸素透過率は、好ましくは30cc/m2/day/atm以下であり、より好ましくは15cc/m2/day/atm以下、さらに好ましくは10cc/m2/day/atm以下である。
また、本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなる本発明の成形体は、上記引用文献1の酸素バリアフィルムと異なり、酸素バリアフィルムを製膜する際、特に架橋剤を必要とせず、熱架橋工程(例えば、200℃以上といった高温での架橋工程)も不要である。
本発明の酸素バリア材を用いるとより簡便な工程で酸素バリアフィルムを成形してなる成形体を得ることができる。
(積層体)
本発明の酸素バリア材を用いた好ましい実施態様として、基材と、基材上に酸素バリア材を塗布してなる被覆層とを備えた積層体が挙げられる。
積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
本発明の酸素バリア材を用いた好ましい実施態様として、基材と、基材上に酸素バリア材を塗布してなる被覆層とを備えた積層体が挙げられる。
積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、樹脂フィルム、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。
また、基材の硬度、透明度等にも制限はない。
また、基材の硬度、透明度等にも制限はない。
基材として樹脂フィルムを使用する場合、使用する樹脂フィルムは、目的に応じて適宜選択すればよい。例えば包装材として使用する際は、最外層をポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)、二軸延伸ポリプロピレン(以下OPPと略す)、ポリアミドから選択された熱可塑性樹脂フィルムを使用し、最内層を無延伸ポリプロピレン(以下CPPと略す)、低密度ポリエチレンフィルム(以下LLDPEと略す)から選ばれる熱可塑性樹脂フィルムを使用した2層からなる複合フィルム、あるいは、例えばPET、ポリアミド、OPPから選ばれた最外層を形成する熱可塑性樹脂フィルムと、OPP、PET、ポリアミドから選ばれた中間層を形成する熱可塑性樹脂フィルム、CPP、LLDPEから選ばれた最内層を形成する熱可塑性樹脂フィルムを使用した3層からなる複合フィルムやこれよりもさらに多層のフィルムが例示できる。特にPETフィルムの場合には、非石油由来原料ベースのエチレングリコールを用いたPETを原料として使用した場合には、積層体全体の植物由来の含有率を高めることができ、より環境に配慮した積層体を得ることができるため、特に好ましい。また、積層体表面には、膜切れやはじきなどの欠陥のない接着層が形成されるように必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
基材の厚みは特に限定されるものではなく、本発明の積層体が使用される用途に応じて適宜選択されるが、積層体の機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは0.1~500μm、より好ましくは1~300μm、更に好ましくは10~200μmである。
被覆層の厚みは特に限定されるものではなく、本発明の積層体が使用される用途に応じて適宜選択されるが、積層体のガスバリア性をより確実に得る観点からは0.05μm以上とすることが好ましい。被覆層の厚みの上限値は、特に制限されないが、経済性等の見地より5μm程度とすることが好ましい。
本発明の積層体は、優れた酸素バリア性を示す。特に本発明の積層体は、特に中湿度域(湿度75%RH条件下のバリア測定)における酸素バリア性に優れている。湿度75%RH条件下での積層体の酸素透過率は、好ましくは30cc/m2/day/atm以下であり、より好ましくは15cc/m2/day/atm以下、さらに好ましくは10cc/m2/day/atm以下である。
<積層体の製造方法>
積層体は、基材上に上述した酸素バリア材の被覆層を積層することで得ることができる。基材上に積層する酸素バリア材の被覆層は、基材に対し直接塗布又は直接成形により形成してもよく、酸素バリア材の成形体を積層してもよい。
直接塗布する場合、塗布方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。
また、積層体は、酸素バリア材の硬化物に対して基材の前駆体を塗布して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は酸素バリア材が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させて得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
また、本発明の酸素バリア材は、積層体を形成する際、熱架橋のための高温加熱処理工程を特に必要としない。
本発明の酸素バリア材を用いるとより簡便な工程で酸素バリアフィルムを基材上に備えた積層体を得ることができる。
積層体は、基材上に上述した酸素バリア材の被覆層を積層することで得ることができる。基材上に積層する酸素バリア材の被覆層は、基材に対し直接塗布又は直接成形により形成してもよく、酸素バリア材の成形体を積層してもよい。
直接塗布する場合、塗布方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。
また、積層体は、酸素バリア材の硬化物に対して基材の前駆体を塗布して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は酸素バリア材が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させて得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
また、本発明の酸素バリア材は、積層体を形成する際、熱架橋のための高温加熱処理工程を特に必要としない。
本発明の酸素バリア材を用いるとより簡便な工程で酸素バリアフィルムを基材上に備えた積層体を得ることができる。
本発明では、さらに高い酸素バリア性を付与するために、必要に応じてアルミニウム等の金属、或いはシリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したフィルムや、ポリビニルアルコールや、エチレン・ビニールアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを併用して、より高い酸素バリア性を付与することもできる。中でもアルミニウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物の蒸着層を設けたフィルム(いわゆる蒸着フィルム)を本発明の積層体と併用することにより、被覆層を補強することで極めて高い酸素バリア性を付与することができる。
<透過を遮断できるガス成分種類>
本発明の積層体が遮断できるガスとしては、酸素の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等を例示することができる。
本発明の積層体が遮断できるガスとしては、酸素の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等を例示することができる。
(積層体及び成形体の適用)
本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを基材上に備えた本発明の積層体や、本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなる本発明の成形体は、酸素バリア性に優れることから、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、構造部品等、様々な分野に好適に使用可能である。
また、食品、医薬品、電子部材などの包装用途に適用することができる。
酸素バリアフィルムを適用する好ましい態様として、例えば、包装材やバリア紙が挙げられる。
本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを基材上に備えた本発明の積層体や、本発明の酸素バリア材を用いた酸素バリアフィルムを成形してなる本発明の成形体は、酸素バリア性に優れることから、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、構造部品等、様々な分野に好適に使用可能である。
また、食品、医薬品、電子部材などの包装用途に適用することができる。
酸素バリアフィルムを適用する好ましい態様として、例えば、包装材やバリア紙が挙げられる。
<包装材>
本発明の積層体や成形体は、食品等の包装に用いる包装材料として利用することができる。
食品等の包装に用いられる包装材には、内容物の保護、耐レトルト性、耐熱性、透明性、加工性といった機能が要求される。内容物の品質保持のためには、特に酸素バリア機能が重要となる。
本発明の酸素バリア材を利用すれば、優れた酸素バリア性を有する包装材を提供することができる。
本発明の積層体や成形体は、食品等の包装に用いる包装材料として利用することができる。
食品等の包装に用いられる包装材には、内容物の保護、耐レトルト性、耐熱性、透明性、加工性といった機能が要求される。内容物の品質保持のためには、特に酸素バリア機能が重要となる。
本発明の酸素バリア材を利用すれば、優れた酸素バリア性を有する包装材を提供することができる。
<バリア紙>
本発明の積層体や成形体は、バリア性を有する紙素材のバリア紙として利用することができる。
例えば、酸素バリア材の水溶液又は水分散液の形態で紙基材に塗布又は含浸によって、紙基材上に形成された被覆層(酸素バリアフィルム)を有するバリア紙は、各種の紙シートや紙容器に適用することができる。
例えば、ドライフードやコーヒー等の可食品の紙包材としてのバリア紙に、あるいは粉洗剤等の非可食品の紙包材としてのバリア紙に使用することができる。
本発明の酸素バリア材を含有する水溶液、水性エマルジョン、あるいは水分散液の紙基材への塗布、あるいは含浸方法としては、例えば、エアナイフコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、キャストコーティング、ブレードコーティング、ゲートロールコーティング、キスロールコーティング、ディピング法、スプレーコーティング等が挙げられる。上記方法を用いて、本発明の酸素バリア材を紙基材へ塗布、あるいは含浸させることが可能であり、さらに例えば、サイズプレス含浸すれば、紙基材の内部まで含浸可能である。
本発明の積層体や成形体は、バリア性を有する紙素材のバリア紙として利用することができる。
例えば、酸素バリア材の水溶液又は水分散液の形態で紙基材に塗布又は含浸によって、紙基材上に形成された被覆層(酸素バリアフィルム)を有するバリア紙は、各種の紙シートや紙容器に適用することができる。
例えば、ドライフードやコーヒー等の可食品の紙包材としてのバリア紙に、あるいは粉洗剤等の非可食品の紙包材としてのバリア紙に使用することができる。
本発明の酸素バリア材を含有する水溶液、水性エマルジョン、あるいは水分散液の紙基材への塗布、あるいは含浸方法としては、例えば、エアナイフコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、キャストコーティング、ブレードコーティング、ゲートロールコーティング、キスロールコーティング、ディピング法、スプレーコーティング等が挙げられる。上記方法を用いて、本発明の酸素バリア材を紙基材へ塗布、あるいは含浸させることが可能であり、さらに例えば、サイズプレス含浸すれば、紙基材の内部まで含浸可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリスクシンイミドの製造例1)
撹拌装置を備えた四つ口フラスコ内に、L-アスパラギン酸(江蘇杰成生物工程有限公司(Yixing Qiancheng Bio-Engineering Co.Ltd.)製)100部、85%リン酸10部、メシチレン224部、及びスルホラン96部を仕込んだ。
常圧下、150~160℃まで昇温し5時間保持し重縮合反応を行った。反応中に生じた水は170℃まで更に昇温し系外へ留去した。反応終了後、反応液を濾過して反応生成物を得た。
得られた生成物を蒸留水400部で4回洗浄し、その後、減圧下80℃/24時間乾燥させ、ポリスクシンイミドの粉末72部を得た。得られたポリスクシンイミドのポリスチレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、重量平均分子量が64,000であった。
撹拌装置を備えた四つ口フラスコ内に、L-アスパラギン酸(江蘇杰成生物工程有限公司(Yixing Qiancheng Bio-Engineering Co.Ltd.)製)100部、85%リン酸10部、メシチレン224部、及びスルホラン96部を仕込んだ。
常圧下、150~160℃まで昇温し5時間保持し重縮合反応を行った。反応中に生じた水は170℃まで更に昇温し系外へ留去した。反応終了後、反応液を濾過して反応生成物を得た。
得られた生成物を蒸留水400部で4回洗浄し、その後、減圧下80℃/24時間乾燥させ、ポリスクシンイミドの粉末72部を得た。得られたポリスクシンイミドのポリスチレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、重量平均分子量が64,000であった。
(実施例1)
<ポリアスパラギン酸系共重合体(部分アミド化ポリアスパラギン酸)の製造>
製造例1で得たポリスクシンイミド100部に対して、蒸留水450部中でスラリー化した(濃度18質量%)。
本スラリーに28%アンモニア水を100部(ポリスクシンイミドに対して1.6当量)を30分かけ滴下した。滴下後、25℃にて24時間撹拌保持し、その後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 アンバーライトIR120B-H)1,000部を1,700部の蒸留水中に入れた液中に、上記ポリスクシンイミドのアンモニア処理液を投入した。
30分ほど撹拌保持した後、濾過しイオン交換樹脂を分別、凍結乾燥して部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を得た。
<ポリアスパラギン酸系共重合体(部分アミド化ポリアスパラギン酸)の製造>
製造例1で得たポリスクシンイミド100部に対して、蒸留水450部中でスラリー化した(濃度18質量%)。
本スラリーに28%アンモニア水を100部(ポリスクシンイミドに対して1.6当量)を30分かけ滴下した。滴下後、25℃にて24時間撹拌保持し、その後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 アンバーライトIR120B-H)1,000部を1,700部の蒸留水中に入れた液中に、上記ポリスクシンイミドのアンモニア処理液を投入した。
30分ほど撹拌保持した後、濾過しイオン交換樹脂を分別、凍結乾燥して部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を得た。
<酸素バリア材の被覆層を備えた積層体(積層フィルム)の製造>
上記で得られた部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を蒸留水にて溶解し濃度10質量%の塗布液とした。
本塗布液を40℃に加温した状態で、12μmのPETフィルム(東洋紡(株)製 「E-5100」)のコロナ処理面にバーコーターを用いて乾燥後の塗布膜の厚みが2μmになるように塗布した。塗布後直ぐに80℃の乾燥機中で2分加熱処理した。
これにより、PETフィルム上に上記ポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を塗布してなる被覆層を備えた積層体(積層フィルム)を得た。
該積層フィルムの酸素バリア性を評価するため、酸素透過率を測定した。
酸素透過率の測定は、JIS-K7126(等圧法)に準じ、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置「OX-TRAN1/50」を用いて、温度23℃、0%RH、および、温度23℃、75%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。
上記で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
上記で得られた部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を蒸留水にて溶解し濃度10質量%の塗布液とした。
本塗布液を40℃に加温した状態で、12μmのPETフィルム(東洋紡(株)製 「E-5100」)のコロナ処理面にバーコーターを用いて乾燥後の塗布膜の厚みが2μmになるように塗布した。塗布後直ぐに80℃の乾燥機中で2分加熱処理した。
これにより、PETフィルム上に上記ポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を塗布してなる被覆層を備えた積層体(積層フィルム)を得た。
該積層フィルムの酸素バリア性を評価するため、酸素透過率を測定した。
酸素透過率の測定は、JIS-K7126(等圧法)に準じ、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置「OX-TRAN1/50」を用いて、温度23℃、0%RH、および、温度23℃、75%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。
上記で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
<実施例1で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合の測定>
上記で得られた部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を用いて、該部分アミド化ポリアスパラギン酸の酸価を測定したところ、酸価=261mg-KOH/gであった。
酸価は、JIS-K0070に記載の酸価測定方法に準拠して測定した。
次に以下のようにして、比較参照用のポリアスパラギン酸を製造した。
上記で得られた部分アミド化ポリアスパラギン酸の粉末を用いて、該部分アミド化ポリアスパラギン酸の酸価を測定したところ、酸価=261mg-KOH/gであった。
酸価は、JIS-K0070に記載の酸価測定方法に準拠して測定した。
次に以下のようにして、比較参照用のポリアスパラギン酸を製造した。
<<ポリアスパラギン酸の製造例2>>
上記製造例1で得たポリスクシンイミド100部に対して、蒸留水450部中でスラリー化した(濃度18wt%)。
本スラリーに2N-NaOHを500部(ポリスクシンイミドに対して1.0当量)を6時間かけ滴下した。その後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 アンバーライトIR120B-H)1,000部を1,700部の蒸留水中に入れた液中に、ポリスクシンイミドのNaOH処理液を投入した。30分ほど撹拌保持した後、濾過しイオン交換樹脂を分別、凍結乾燥してポリアスパラギン酸の粉末を得た。ポリアスパラギン酸の重量平均分子量は100,000であった。
上記で得られたアスパラギン酸の粉末を用いて、該アスパラギン酸の酸価を測定したところ、酸価=470mg-KOH/gであった。
上記製造例1で得たポリスクシンイミド100部に対して、蒸留水450部中でスラリー化した(濃度18wt%)。
本スラリーに2N-NaOHを500部(ポリスクシンイミドに対して1.0当量)を6時間かけ滴下した。その後、イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製 アンバーライトIR120B-H)1,000部を1,700部の蒸留水中に入れた液中に、ポリスクシンイミドのNaOH処理液を投入した。30分ほど撹拌保持した後、濾過しイオン交換樹脂を分別、凍結乾燥してポリアスパラギン酸の粉末を得た。ポリアスパラギン酸の重量平均分子量は100,000であった。
上記で得られたアスパラギン酸の粉末を用いて、該アスパラギン酸の酸価を測定したところ、酸価=470mg-KOH/gであった。
<<ポリアスパラギン構成単位の占める割合計算>>
ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は、以下のようにして求めた。
ポリアスパラギン酸の酸価(470mg-KOH/g)に対する本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の酸価(261mg-KOH/g)の割合は、55%程度であった。
したがって、ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン酸構成単位の占める割合は、約55モル%であり、ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は、約45モル%であった。
実施例1で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合の測定結果を下記表1に示す。
ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は、以下のようにして求めた。
ポリアスパラギン酸の酸価(470mg-KOH/g)に対する本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体の酸価(261mg-KOH/g)の割合は、55%程度であった。
したがって、ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン酸構成単位の占める割合は、約55モル%であり、ポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン構成単位の占める割合、いわゆるポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は、約45モル%であった。
実施例1で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合の測定結果を下記表1に示す。
(実施例2)
実施例1におけるポリアスパラギン酸系共重合体の製造において、スラリーにアンモニア水を滴下後の撹拌保持条件を、25℃にて3日間に変更した以外は、実施例1と同様にポリアスパラギン酸系共重合体を製造した。また、実施例1における積層フィルムの製造において、塗布液を特に加温処理することなく、12μmのPETフィルムに塗布した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを製造した。
実施例2で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
また、実施例2で使用したポリアスパラギン酸系共重合体の酸価を測定したところ、酸価=393であった。したがって、実施例2で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は16モル%程度であった。結果を下記表1に示す。
実施例1におけるポリアスパラギン酸系共重合体の製造において、スラリーにアンモニア水を滴下後の撹拌保持条件を、25℃にて3日間に変更した以外は、実施例1と同様にポリアスパラギン酸系共重合体を製造した。また、実施例1における積層フィルムの製造において、塗布液を特に加温処理することなく、12μmのPETフィルムに塗布した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを製造した。
実施例2で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
また、実施例2で使用したポリアスパラギン酸系共重合体の酸価を測定したところ、酸価=393であった。したがって、実施例2で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は16モル%程度であった。結果を下記表1に示す。
(実施例3)
実施例1におけるポリアスパラギン酸系共重合体の製造において、スラリーにアンモニア水を滴下後の撹拌保持条件を、25℃にて1時間に変更した以外は、実施例1と同様にポリアスパラギン酸系共重合体を製造した。
実施例3で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
また、実施例3で使用したポリアスパラギン酸系共重合体の酸価を測定したところ、酸価=165であった。したがって、実施例3で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は65モル%程度であった。結果を下記表1に示す。
実施例1におけるポリアスパラギン酸系共重合体の製造において、スラリーにアンモニア水を滴下後の撹拌保持条件を、25℃にて1時間に変更した以外は、実施例1と同様にポリアスパラギン酸系共重合体を製造した。
実施例3で得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
また、実施例3で使用したポリアスパラギン酸系共重合体の酸価を測定したところ、酸価=165であった。したがって、実施例3で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の占める割合は65モル%程度であった。結果を下記表1に示す。
(比較例3)
実施例1の<実施例1で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の測定>の欄で記載した<<ポリアスパラギン酸の製造例2>>で得た比較参照用のポリアスパラギン酸を用いた。
製造例2で得られたポリアスパラギン酸の水溶液(濃度14.3重量%)を塗布液とし、12μmのPETフィルム(東洋紡(株)製 「E-5100」)のコロナ処理面にバーコーターを用いて乾燥後の塗布膜の厚みが2μmになるように塗布した。塗布後直ぐに80℃の乾燥機中で2分加熱処理した。これにより、PETフィルム上にポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を塗布してなる被覆層を備えた積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
実施例1の<実施例1で使用したポリアスパラギン酸系共重合体におけるポリアスパラギン部位(部分アミド化部位)の測定>の欄で記載した<<ポリアスパラギン酸の製造例2>>で得た比較参照用のポリアスパラギン酸を用いた。
製造例2で得られたポリアスパラギン酸の水溶液(濃度14.3重量%)を塗布液とし、12μmのPETフィルム(東洋紡(株)製 「E-5100」)のコロナ処理面にバーコーターを用いて乾燥後の塗布膜の厚みが2μmになるように塗布した。塗布後直ぐに80℃の乾燥機中で2分加熱処理した。これにより、PETフィルム上にポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を塗布してなる被覆層を備えた積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの酸素透過率の測定結果を下記表1に示す。
上記実施例及び比較例から、本発明にかかるポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いて形成される酸素バリアフィルムを有する積層体は、ポリアスパラギン酸を有する酸素バリア材を用いて形成される酸素バリアフィルムを有する積層体に比べ、より優れた酸素バリア性(特に中湿度域の酸素バリア性)を示すことが確認できた。
また、実施例のポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いて形成される酸素バリアフィルムを有する積層体は、酸素バリア材を製膜する際、熱架橋のための高温加熱処理工程を特に必要とせず、簡便な工程で積層体を製造することができる。
また、実施例のポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材を用いて形成される酸素バリアフィルムを有する積層体は、酸素バリア材を製膜する際、熱架橋のための高温加熱処理工程を特に必要とせず、簡便な工程で積層体を製造することができる。
Claims (12)
- ポリアスパラギン酸構成単位とポリアスパラギン構成単位とを含むポリアスパラギン酸系共重合体を有する酸素バリア材。
- 前記ポリアスパラギン酸系共重合体において、前記ポリアスパラギン構成単位の占める割合が70モル%以下である、請求項1又は2に記載の酸素バリア材。
- 前記酸素バリア材が、さらに層状粘土鉱物を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸素バリア材。
- 前記層状粘土鉱物が、スメクタイトを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の酸素バリア材。
- 請求項1に記載の酸素バリア材を製造する、酸素バリア材の製造方法であって、
ポリスクシンイミドとアンモニアとを反応させて、前記ポリアスパラギン酸系共重合体を製造する、酸素バリア材の製造方法。 - 基材と、請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素バリア材を前記基材上に塗布してなる被覆層と、を備える積層体。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素バリア材を成形してなる成形体。
- 請求項7に記載の積層体又は請求項8に記載の成形体を用いた包装材。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素バリア材を含むコーティング材。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素バリア材を含むインキ。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素バリア材を含む接着剤。
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---|---|---|---|
JP2020170477A JP2022062460A (ja) | 2020-10-08 | 2020-10-08 | 酸素バリア材及びその製造方法 |
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