JP4117451B2 - 耐屈曲性に優れたガスバリア性積層フィルム - Google Patents

耐屈曲性に優れたガスバリア性積層フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種ガスの遮蔽による内容物の保存を目的とした食品や医薬品などの包装材料に使用されるガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内容物保存を目的とした包装材料には、透明性、軽量性、経済性等の理由からプラスチックフィルムやシート、あるいはそれらの成形加工品の使用が主流になっている。食品、医薬品、化粧品などの包装に用いられるプラスチックフィルムの要求性能としては、各種ガスに対するバリア性、透明性、耐レトルト処理性、耐衝撃性、柔軟性、ヒートシール性などが挙げられるが、内容物の性能あるいは性質を保持するという目的から、酸素および水蒸気に対する高いバリア性が特に要求されている。
一般に熱可塑性プラスチックフィルムのガスバリア性はそれほど高いものではないことから、これらのフィルムにガスバリア性を付与する手段としては従来、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂をコーティングする手法が主に用いられてきた。しかし、この手法で作製されるPVDCコートフィルムはハロゲン原子を含有しているため、環境保全の観点から非ハロゲン系ガスバリア性フィルムが求められている。
これに代わる技術としてシリカやアルミナなどの無機化合物を可撓性プラスチックフィルムの表面に蒸着したフィルムなどが使用されている。しかしながら、これらのフィルムは原反の状態では非常に高いガスバリア性が発現するが、ガスバリア層が硬い無機化合物の蒸着により形成されるため、フィルムの成型加工時の屈曲や伸長によりガスバリア層にクラックやピンホールが発生し、実際に包装材料として使用する場合にはガスバリア性が著しく低下してしまう問題が頻繁に発生するという問題があった。
一方、ポリプロピレンなどの可撓性プラスチックフィルムの表面にアルミを蒸着したフィルムが、特に遮光性が必要な内容物を中心に広く使用されているが、このフィルムについてもシリカやアルミナなどの無機蒸着フィルムと同様の問題が頻繁に発生するものであった。
本発明は上記問題を解決し、成型加工時の屈曲等の処理によるガスバリア性の著しい低下が発生せず、耐屈曲性に優れた非ハロゲン系バリアフィルムを提供する事を目的としている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ樹脂組成物を主成分とするラミネート用接着剤を使用してフィルムを作製することで、耐屈曲性に優れたバリアフィルムが得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、金属、ガラスおよび無機酸化物から選ばれた少なくとも1つの無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層を少なくとも1層含むガスバリア性積層フィルムであって、該ガスバリア性積層フィルムを構成する各層を積層するに際し、少なくとも1個所の層間が、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするラミネート用接着剤で接着され、且つ該エポキシ樹脂硬化剤が下記の ( ) ( ) の反応生成物、または ( ) ( ) および ( ) の反応生成物であり、該ラミネート用接着剤により形成されるエポキシ樹脂硬化物中に(1)式に示される骨格構造が40重量%以上含有されることを特徴とするガスバリア性積層フィルムに関するものである。
( ) メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
( ) ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
( ) 炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
【化2】
Figure 0004117451
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明のガスバリア性積層フィルムは、少なくとも1層の無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層、および少なくとも1層の熱可塑性樹脂層から構成される。層構成を例示すると、無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層/シーラント層となる熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層/シーラント層となる熱可塑性樹脂層、無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層/シーラント層となる熱可塑性樹脂層などが挙げられる。
【0005】
本発明における無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層は、金属、ガラスおよび無機酸化物から選ばれる少なくとも1つの無機化合物を基材となる熱可塑性樹脂に蒸着させたものである。金属としてはアルミニウム、マグネシウム、チタンなどが挙げられるが、アルミニウムが好ましい。ガラスとしてはシリカ(酸化ケイ素)が好ましい。無機酸化物としてはアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、錫、ジルコニウム、鉛などの金属の酸化物が挙げられるが、アルミニウムの酸化物が好ましい。
これらの無機化合物の蒸着層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法、あるいはプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学気相成長法等の公知の方法を挙げることができる。
また、これらの無機蒸着層を保持する基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、6-ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル系樹脂等、各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。これらのフィルムないしシート材料の厚さとしては2〜300μm程度、好ましくは5〜100μm程度が実用的であり、一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。また、これらのフィルムないしシート材料の表面には必要に応じてアンカーコート剤をコーティングするなどの各種表面処理を実施することもできる。
【0006】
無機化合物が蒸着されていない熱可塑性樹脂層には、前述の蒸着層保持基材に用いられる各種の樹脂が同様に使用できる。
本発明のガスバリア性積層フィルムにおいては、一方の外層を構成する熱可塑性樹脂層をシーラント層とすることができる。シーラント層としては、一般に使用されているヒートシール性を有する熱可塑性ポリマーフィルムが同様に使用され得るが、良好なヒートシール性の発現を考慮した場合には、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルムを選択することが好ましい。これらのフィルムの厚さは、10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。
【0007】
また、本発明のガスバリア性積層フィルムの各層を構成する熱可塑性樹脂フィルムの表面には、適切な表面処理がなされた後で、必要に応じて印刷層を設けることもできる。印刷層を設ける際には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。また、印刷層を形成するインキについても、アゾ系、フタロシアニン系などの顔料、ロジン、ポリアミド樹脂、ポリウレタンなどの樹脂、メタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶剤等から形成される従来のポリマーフィルムへの印刷層に用いられてきたインキが同様に適用され得る。
【0008】
本発明の積層フィルムに、酸素捕捉機能を有する組成物から成る層が含まれていてもよい。酸素捕捉機能を有する組成物は例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や鉄等の金属粉を樹脂に練り込んだ組成物や、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマー等の分子内に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン系のポリマーやオリゴマー、メタキシリレン構造を有するポリアミドに酸化触媒としてコバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物を加えた酸素吸収性樹脂等が挙げられる。
【0009】
本発明のガスバリア性積層フィルムを構成する各層を積層するに際し、少なくとも1個所の層間の接着に用いる接着剤は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするラミネート用接着剤である必要がある。これ以外の層間は、ポリウレタン系接着剤等が利用できるが、該ラミネート用接着剤を各接着個所に用いるとより好ましい。また、接着剤を用いずに押出しラミネートにより積層してもよい。
【0010】
本発明のガスバリア性積層フィルムに使用されるラミネート用接着剤は、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を主成分とし、これらにより形成されるエポキシ樹脂硬化物中に前記(1)の骨格構造が40重量%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上含有されることを特徴としている。接着層を形成するエポキシ樹脂硬化物中に前記(1)の骨格構造が高いレベルで含有されることにより、高いガスバリア性が発現する。以下に、エポキシ樹脂硬化物を形成するエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤について説明する。
【0011】
前記ラミネート用接着剤に用いられるエポキシ樹脂は、飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよいが、高いガスバリア性の発現を考慮した場合には芳香環を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましい。
具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂が挙げられる。
この中でもメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が特に好ましい。
さらに、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるために、上記の種々のエポキシ樹脂を適切な割合で混合して使用することもできる。
【0012】
前記エポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類とエピハロヒドリンの反応により得られる。例えば、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンにエピクロルヒドリンを付加させることで得られる。
【0013】
ここで、前記グリシジルアミン部位は、キシリレンジアミン中のジアミンの4つの水素原子と置換できる、モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位を含む。モノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラ−グリシジルアミン部位の各比率はメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの反応比率を変えることで変更することができる。例えば、メタキシリレンジアミンに約4倍モルのエピクロルヒドリンを付加反応させることにより、主としてテトラグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂が得られる。
【0014】
前記エポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対し過剰のエピハロヒドリンを水酸化ナトリウム等のアルカリ存在下、20〜140℃、好ましくはアルコール類、フェノール類の場合は50〜120℃、アミン類の場合は20〜70℃の温度条件で反応させ、生成するアルカリハロゲン化物を分離することにより合成される。
【0015】
生成したエポキシ樹脂の数平均分子量は各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比により異なるが、約80〜4000であり、約200〜1000であることが好ましく、約200〜500であることがより好ましい。
【0016】
前記ラミネート用接着剤に用いられるエポキシ樹脂硬化剤には、ポリアミン類、フェノール類、酸無水物またはカルボン酸類などの一般に使用され得るエポキシ樹脂硬化剤が同様に使用することができる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は飽和または不飽和の脂肪族および脂環族、芳香族あるいは複素環族のいずれの化合物であってよく、ラミネートフィルムの使用用途およびその用途における要求性能に応じて選択することが可能である。
【0017】
具体的には、ポリアミン類としてはエチレジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルデンジアミンなどの脂環族アミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン、およびこれらを原料とするエポキシ樹脂またはモノグリシジル化合物との変性反応物、炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、エピクロロヒドリンとの付加反応物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物、これらのポリアミン類とのとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応生成物などが使用できる。
【0018】
フェノール類としてはカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの多置換基モノマー、およびレゾール型フェノール樹脂などが、酸無水物またはカルボン酸類としてはドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物などの脂肪族酸無水物、(メチル)テトラヒドロ無水フタル酸、(メチル)ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環族酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、およびこれらのカルボン酸などが使用できる。
【0019】
高いガスバリア性の発現を考慮した場合には、芳香族部位を分子内に含むエポキシ樹脂硬化剤が好ましく、前記(1)の骨格構造を分子内に含むエポキシ樹脂硬化剤がより好ましい。具体的にはメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン、およびこれらを原料とするエポキシ樹脂またはモノグリシジル化合物との変性反応物、炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、エピクロロヒドリンとの付加反応物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物、これらのポリアミン類とのとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応生成物などを使用することがより好ましい。
【0020】
高いガスバリア性および各種フィルム材料との良好な接着性を考慮した場合には、メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン(ポリアミン)と、該ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物、およびメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンと該ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、炭素数1〜8の一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応生成物を使用することが特に好ましい。
【0021】
該ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。
【0022】
また、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの炭素数1〜8の一価のカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などを上記多官能性化合物と併用して開始ポリアミンと反応させてもよい。反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、エポキシ樹脂硬化剤中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高い酸素バリア性および各種フィルム材料への良好な接着強度が得られる。
【0023】
メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンと、該ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物の反応比は、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比で0.3〜0.95の範囲が好ましい。0.3より少ない比率では、エポキシ樹脂硬化剤中に十分な量のアミド基が生成せず、高いレベルのガスバリア性が発現しない。また、0.95より高い範囲では高粘度となるためラミネート時の作業性が低下する。
【0024】
本発明で使用するラミネート用接着剤の主成分であるエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の配合割合については、一般にエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応によりエポキシ樹脂硬化物を作製する場合の標準的な配合範囲であってよい。具体的には、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数の比が0.5〜5.0、好ましくは0.8〜3.0の範囲である。
【0025】
本発明で使用するラミネート用接着剤には各種フィルム材料に塗布時の表面の湿潤を助けるために、必要に応じてシリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビックケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK348、BYK381などがある。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01重量%〜2.0重量%の範囲が好ましい。
【0026】
本発明で使用するラミネート用接着剤にはラミネート直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0027】
本発明で使用するラミネート用接着剤により形成される接着層のガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、ラミネート用接着剤の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤を添加しても良い。フィルムの透明性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01重量%〜10.0重量%の範囲が好ましい。
【0028】
さらに、本発明で使用するラミネート用接着剤により形成される接着層のプラスチックフィルム材料に対する接着性を向上させるために、ラミネート用接着剤の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0029】
本発明のガスバリア性積層フィルムを作製する場合には、ドライラミネート、ノンソルベントラミネート、押出しラミネート等公知のラミネート法を用いることが可能である。
【0030】
本発明で使用するラミネート用接着剤をフィルム材料に塗布し、ラミネートする場合には、接着層となるエポキシ樹脂硬化反応物を得るのに十分な接着剤組成物の濃度および温度で実施されるが、これは開始材料およびラミネート方法の選択により変化し得る。すなわち、接着剤組成物の濃度は選択した材料の種類およびモル比、ラミネート方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶媒および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈する場合までの様々な状態をとり得る。適切な有機溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性系溶媒、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなどのアルコール類、N, N-ジメチルホルムアミド、N, N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられるがメタノール、酢酸エチル、2-プロパノールなどの比較的低沸点溶剤が好ましい。また、溶剤を使用した場合には塗布後の溶媒乾燥温度は室温から約140℃までの様々なものであってよい。接着剤組成物をポリマーフィルムに塗布する際の塗装形式としては、ロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗りなどの一般的に使用される塗装形式のいずれも使用され得る。ロール塗布またはスプレー塗布が好ましい。例えば、ポリウレタン系接着剤成分をポリマーフィルムに塗布し、ラミネートする場合と同様のロールコートあるいはスプレー技術および設備が適用され得る。
【0031】
続いて、各ラミネート方法での具体的な操作について説明する。ドライラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に本発明のラミネート用接着剤の有機溶剤および/または水による希釈溶液をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることによりラミネートフィルムを得ることができる。この場合、ラミネート後に必要に応じて室温〜60℃で一定時間のエージングを行ない、硬化反応を完了することが望ましい。一定時間のエージングを行なうことにより、十分な反応率でエポキシ樹脂硬化反応物が形成され、高いガスバリア性が発現する。
【0032】
また、ノンソルベントラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に予め40℃〜100度程度に加熱しておいた本発明のラミネート用接着剤を40℃から120℃に加熱したグラビアロールなどのロールにより塗布後、直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることによりラミネートフィルムを得ることができる。この場合もドライラミネート法の場合と同様にラミネート後に必要に応じて一定時間のエージングを行なうことが望ましい。
【0033】
押出しラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に接着補助剤(アンカーコート剤)として本発明のラミネート用接着剤の主成分であるエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤の有機溶剤および/または水による希釈溶液をグラビアロールなどのロールにより塗布し、室温〜140℃で溶剤の乾燥、硬化反応を行なった後に、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることによりラミネートフィルムを得ることができる。溶融させるポリマー材料としては低密度ポリエチレン樹脂や直線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0034】
本発明のラミネート用接着剤を各種フィルム材料等に塗布、乾燥、貼り合わせ、熱処理した後の接着層の厚さは0.1〜100μm、好ましくは0.5〜10μmが実用的である。0.1μm以下では十分なガスバリア性および接着性が発揮し難く、一方100μm以上では均一な厚みの接着層を形成することが困難になる。
【0035】
本発明のガスバリア性積層フィルムは、各種フィルム材料との接着に使用するラミネート用接着剤が、各種フィルム材料に対する好適な接着性能に加え、強靭性、高ガスバリア性を有する事を特徴としていることから、フィルムの成型加工時の屈曲等の処理によるガスバリア性の著しい低下が発生せず、耐屈曲性に優れた非ハロゲン系バリアフィルムが得られる。
【0036】
【実施例】
以下に本発明の実施例を紹介するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0037】
エポキシ樹脂硬化剤A
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.90molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Aを得た。
【0038】
エポキシ樹脂硬化剤B
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.80molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Bを得た。
【0039】
エポキシ樹脂硬化剤C
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.67molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Cを得た。
【0040】
エポキシ樹脂硬化剤D
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.33molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.33molのリンゴ酸を少量ずつ添加し、0.5時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Dを得た。
【0041】
エポキシ樹脂硬化剤E
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下120℃に昇温し、0.67molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下し、120℃で0.5時間攪拌した。さらに0.33molの酢酸を0.5時間かけて滴下し、1時間攪拌した。生成する水およびメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤Eを得た。
【0042】
また、ガスバリア性の評価方法は以下の通りである。
〈酸素透過率 (cc/m2・day・atm)〉
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX-TRAN10/50A)を使用して、積層フィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
〈積層フィルムの耐屈曲性 (cc/m2・day・atm)〉
ゲルボーフレックステスター(理学工業社製)を用いて360度のひねりを50回加えた積層フィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
【0043】
実施例1
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製; TETRAD-X)を50重量部およびエポキシ樹脂硬化剤Aを181重量部含むメタノール/酢酸エチル=1/1溶液(固形分濃度;30重量%)を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌し、塗布液Aを調製した。この塗布液Aを厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムにバーコーターNo.3を使用して塗布し(塗布量:3 g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをニップロールにより貼り合わせ、35℃で1日間エージングすることにより積層フィルムを得た。接着層中の骨格構造(1)の含有率は64.0重量%であった。得られた積層フィルムについてそのガスバリア性、耐屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Bを115重量部用いた塗布液Bを調製し、使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は62.3重量%であった。
【0045】
実施例3
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Cを89重量部用いた塗布液Cを調製し、使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は62.4重量%であった。
【0046】
実施例4
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Dを114重量部用いた塗布液Dを調製し、使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は60.5重量%であった。
【0047】
実施例5
エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Eを143重量部用いた塗布液Eを調製し、使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は62.1重量%であった。
【0048】
実施例6
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂の代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート807)を50重量部、エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Bを141重量部用いた塗布液Fを調製し、使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は54.4重量%であった。
【0049】
実施例7
厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの代わりに厚み30μmのポリプロピレンフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0050】
実施例8
厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムの代わりに厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0051】
実施例9
厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムの代わりに厚み15μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着6-ナイロンフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0052】
実施例10
厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムの代わりに厚み12μmのアルミニウム蒸着PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0053】
実施例11
厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムの代わりに厚み20μmのアルミニウム蒸着延伸ポリプロピレンフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0054】
実施例12
塗布液Aを厚み20μmの延伸ポリプロピレンフィルムにバーコーターNo.3を使用して塗布し(塗布量:3 g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムのPETフィルム面をニップロールにより貼り合わせ、35℃で6時間エージングした。続いて得られた積層フィルムの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着面に塗布液AをバーコーターNo.3を使用して塗布し(塗布量:3 g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み30μmのポリプロピレンフィルムをニップロールにより貼り合わせ、35℃で1日間エージングすることにより積層フィルムを得た。
【0055】
実施例13
厚み20μmの延伸ポリプロピレンフィルムの代わりに厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムを、厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムのかわりに厚み15μmの延伸6-ナイロンフィルムを使用した以外は、実施例12と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0056】
実施例14
厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムの代わりに、厚み12μmのシリカ蒸着PETフィルムを使用した以外は、実施例13と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0057】
実施例15
ポリウレタン系接着剤塗布液として、ポリエーテル成分(東洋モートン(株)製;TM-329)を50重量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製;CAT-8B)を50重量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度;30重量%)を作製した。この塗布液を、塗布液Aの代わりに、厚み12μmの酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着PETフィルムと厚み15μmの延伸6-ナイロンフィルムの接着にのみ使用した以外は、実施例13と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0058】
比較例1
実施例15と同じポリウレタン系接着剤塗布液を、塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は0.0重量%であった。結果を表2に示す。
【0059】
比較例2
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂の代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;エピコート807)を50重量部、エポキシ樹脂硬化剤Aの代わりにエポキシ樹脂硬化剤Bを47重量部用いた塗布液Gを調製し、塗布液Aの代わりに使用した以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。接着層中の骨格構造(1)の含有率は35.7重量%であった。
【0060】
比較例3
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例8と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0061】
比較例4
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例9と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0062】
比較例5
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例10と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0063】
比較例6
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例11と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0064】
比較例7
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例12と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0065】
比較例8
塗布液Aの代わりに、比較例1と同じポリウレタン系接着剤塗布液を使用した以外は、実施例13と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0066】
比較例9
実施例1で調製した塗布液の代わりに、比較例1で調製した塗布液を使用した以外は、実施例14と同様の方法で積層フィルムを作製した。
【0067】
【表1】
Figure 0004117451
【0068】
【表2】
Figure 0004117451
【0069】
表1および表2の層構成において、各略号は以下の通りである。
EP:エポキシ樹脂系接着剤塗布液
PU:ポリウレタン樹脂系接着剤塗布液
Si-PET:シリカ蒸着PETフィルム
Al2O3-PET:アルミナ蒸着PETフィルム
Al2O3-NY:アルミナ蒸着6-ナイロンフィルム
Al-PET:アルミニウム蒸着PETフィルム
AL-OPP:アルミニウム蒸着延伸ポリプロピレンフィルム
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
0PP:延伸ポリプロピレンフィルム
ONY:延伸6-ナイロンフィルム
CPP:ポリプロピレンフィルム
【0070】
【発明の効果】
本発明のガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア性材料とシーラント材料との接着に使用するラミネート用接着剤が、各種フィルム材料に対する好適な接着性能に加え、強靭性、高ガスバリア性を有する事を特徴としていることから、フィルムの成型加工時の屈曲等の処理によるガスバリア性の著しい低下が発生せず、耐屈曲性に優れた非ハロゲン系バリアフィルムが提供され、高ガスバリア性が要求される食品や医薬品などの包装材料を始めとする様々な用途に応用される。

Claims (7)

  1. 金属、ガラスおよび無機酸化物から選ばれた少なくとも1つの無機化合物が蒸着された熱可塑性樹脂層を少なくとも1層含むガスバリア性積層フィルムであって、該ガスバリア性積層フィルムを構成する各層を積層するに際し、少なくとも1個所の層間が、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするラミネート用接着剤で接着され、且つ該エポキシ樹脂硬化剤が下記の ( ) ( ) の反応生成物、または ( ) ( ) および ( ) の反応生成物であり、該ラミネート用接着剤により形成されるエポキシ樹脂硬化物中に(1)式に示される骨格構造が40重量%以上含有されることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
    ( ) メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
    ( ) ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
    ( ) 炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
    Figure 0004117451
  2. 前記無機化合物が、シリカ、酸化アルミニウム(アルミナ)および金属アルミニウムから選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 前記(B)多官能性化合物が、アクリル酸、メタクリル酸および/またはその誘導体である請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  4. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
  5. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂である請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルム。
  6. 前記ラミネート接着剤におけるエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の配合割合が、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数の比として0.5〜5.0の範囲である請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  7. 前記エポキシ樹脂硬化剤における(A)と(B)の反応比が、(A)に対する(B)のモル比として0.3〜0.95である請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
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