JP2022061200A - 電動車両用駆動ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】構成物品の車両搭載性を向上させながら、トルクの伝達効率を向上させること。【解決手段】電動車両用駆動ユニット1は、前後方向に延び、モータ10のトルクを変速ギヤ30に伝達するスルーシャフト14と、前後方向に延び、変速ギヤ30を介して伝達されたトルクをアクスル20に伝達するピニオンシャフト31と、ピニオンシャフト31における変速ギヤ30が設けられた側と反対側の端部に連結されており、ピニオンシャフト31の回転に応じて回転するドライブピニオン22と、ドライブピニオン22にかみ合うように設けられ、車両の幅方向を回転軸方向として回転するリングギヤ23と、幅方向に延び、リングギヤ23の回転に応じて回転するアクスルシャフト50と、アクスルシャフト50の両端部に設けられ、減速機構を有したハブリダクション60と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、電動車両用駆動ユニットに関する。
電動車両用駆動ユニットとして、モータ、アクスル、及び変速ギヤが一体的に設けられたeAxleが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載されたeAxleでは、モータ、アクスル、及び変速ギヤが車両の前後方向に並んで配置されており、アクスルを貫通するように設けられたスルーシャフトによってアクスル後方の変速ギヤにモータのトルクが伝達されると共に、変速ギヤから前方に延びるピニオンシャフトによって、変速ギヤによって調整されたトルクがアクスルに伝達される。このように、モータのトルクを後方から前方に折り返すようにしてアクスルに伝達する構成が採用されることにより、アクスル前後の空間に構成部品を固めて配置することができ、構成部品の車両搭載性を向上させることができる。
ここで、上述したような構成では、構成物品の車両搭載性を向上させることができる反面、ギヤに求められる減速比(トルク増大比)が大きくなる。要求される減速比を実現する構成においては、例えば動力を伝達するギヤを多く設ける等が必要となり、トルクの伝達効率が低下することが問題となる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、構成物品の車両搭載性を向上させながら、トルクの伝達効率を向上させることができる電動車両用駆動ユニットを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電動車両用駆動ユニットは、車両の前後方向においてアクスルを挟むようにモータとギヤ部とが一体的に設けられた電動車両用駆動ユニットであって、前後方向に延び、モータのトルクをギヤ部に伝達するスルーシャフトと、前後方向に延び、ギヤ部を介して伝達されたトルクをアクスルに伝達するピニオンシャフトと、ピニオンシャフトにおけるギヤ部が設けられた側と反対側の端部に連結されており、ピニオンシャフトの回転に応じて回転するドライブピニオンと、ドライブピニオンにかみ合うように設けられ、車両の幅方向を回転軸方向として回転するリングギヤと、幅方向に延び、リングギヤの回転に応じて回転するアクスルシャフトと、アクスルシャフトの両端部に設けられ、減速機構を有したハブリダクションと、を備える。
本発明の一態様に係る電動車両用駆動ユニットでは、車両の前後方向においてモータ、アクスル、及びギヤ部が一体的に設けられている。そして、車両の前後方向に延びるスルーシャフトによってモータのトルクがギヤ部に伝達されると共に、車両の前後方向に延びるピニオンシャフトによってギヤ部を介して伝達されたトルクがアクスルに伝達され、ドライブピニオン及びリングギヤを介してアクスルシャフトにトルクが伝達される。このように、モータのトルクを後方から前方に折り返すようにしてアクスルに伝達する構成が採用されることにより、アクスル前後の空間に構成部品を固めて配置することができ、構成部品の車両搭載性を向上させることができる。ここで、このような構成では、構成物品の車両搭載性を向上させることができる一方で、ギヤに求められる減速比(トルク増大比)が大きくなり、減速比を担保するギヤの構成を採用することによって、トルクの伝達効率が低下することが問題となり得る。この点、本発明の一態様に係る電動車両用駆動ユニットでは、アクスルシャフトの両端部に、減速機構を有したハブリダクションが設けられている。このように、減速機構を有したハブリダクションが設けられることにより、ギヤに要求される減速比(トルク増大比)が軽減され、トルク増大比よりもトルクの伝達効率に重きをおいたギヤの構成を採用することができ、トルクの伝達効率を向上させることができる。以上のように、本発明の一態様に係る電動車両用駆動ユニットによれば、構成物品の車両搭載性を向上させながら、トルクの伝達効率を向上させることができる。トルクの伝達効率が向上することによって、電費を低減して航続距離を増やし、車両の商品性向上に寄与することができる。
ドライブピニオン及びリングギヤは、互いの回転軸中心が交わるように配置される、スパイラルベベルギヤを構成していてもよい。車両の前後方向にモータ、アクスル、及びギヤ部が並んで配置される構成(モータ縦置きタイプ)では、モータの回転とタイヤの回転とが直交するため、直交軸歯車であるハイポイドギヤ又はスパイラルベベルギヤが採用される。ハイポイドギヤとは、ドライブピニオン及びリングギヤの回転軸中心が交わらない直交軸歯車である。スパイラルベベルギヤとは、当該回転軸中心が交わる直交軸歯車である。従来、直交軸歯車に要求される減速比(トルク増大比。例えば4.0以上)を実現すべく、強度及び耐久性の観点から、上記ハイポイドギヤが採用されている。ここで、ハイポインドギヤは、強度及び耐久性の観点で優れているものの、スパイラルベベルギヤと比較してトルクの伝達効率が悪い。しかしながら、車両の前後方向に配置されたギヤのみで必要となる減速機能を実現する構成においては、強度及び耐久性の観点からハイポイドギヤを採用せざるを得ず、トルクの伝達効率を十分に向上させることができていない。この点、本発明に係る構成では、上述したようにハブリダクションに減速機構が設けているため、ギヤに要求されるトルク増大比が軽減され、直交軸歯車として必要な強度及び耐久性の条件が緩和される。このことによって、スパイラルベベルギヤを採用することが可能になり、トルクの伝達効率をより向上させることができる。
ハブリダクションは、互いに異なる複数の減速比を設定可能な減速機構を有していてもよい。このように、ハブリダクションにおいて変速が可能になることによって、ギヤ部における変速機能を完全にハブリダクションに置き換えることが可能になり、トルクの伝達効率をより向上させることができる。
ギヤ部は、スルーシャフトの一端部に設けられた1つの第1ギヤと、ピニオンシャフトの一端部に設けられ第1ギヤにかみ合う1つの第2ギヤと、のみから構成されていてもよい。このような構成では、Highレシオ時のみかみ合い箇所が少なく(例えば3箇所のみと)なるので、ギヤかみ合い損失を低減し、トルクの伝達効率をより向上させることができる。また、車両の前後方向における構成物品の数が少なくなることにより、構成物品の車両搭載性をより向上させることができる。
本発明の一態様によれば、構成物品の車両搭載性を向上させながら、トルクの伝達効率を向上させることができる電動車両用駆動ユニットを提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る電動車両用駆動ユニットについて、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1を模式的に示す図である。図1に示される電動車両用駆動ユニット1は、電動車両における駆動に係る構成であり、例えば、モータ10、アクスル20(デフ)、及び変速ギヤ30(ギヤ部)が車両の前後方向に並んで一体的に設けられたeAxleである。本実施形態では、車両の前方から後方に向かって、モータ10、アクスル20、及び変速ギヤ30が並んで配置されているとして説明する。電動車両用駆動ユニット1では、モータ10のトルクがスルーシャフト14によって後方の変速ギヤ30に伝達され、変速ギヤ30によって調整されたトルクがピニオンシャフト31を介して前方に折り返されてアクスル20に伝達される(図1において矢印で示された動力伝達の流れを参照)。このような、モータ10のトルクが後方から前方に折り返すようにしてアクスル20に伝達される構成では、アクスル20の前後の空間に構成部品を固めて配置することができ、構成部品の車両搭載性を向上させることができる。
図1に示されるように、電動車両用駆動ユニット1は、モータ10と、アクスル20と、変速ギヤ30と、を備えている。電動車両用駆動ユニット1は、上述したように、車両の前後方向においてアクスル20を挟むようにモータ10と変速ギヤ30とが一体的に設けられている。以下では、車両の前後方向において、モータ10から変速ギヤ30に向かう方向を「後」、反対の方向を「前」と記載する。
電動車両用駆動ユニット1は、モータ10のトルクを変速ギヤ30に伝達するための構成として、出力シャフト11と、ギヤ12と、ギヤ13と、スルーシャフト14と、ギヤ15と、ギヤ16と、を備えている。出力シャフト11は、モータ10のトルクを伝達する出力軸であり、モータ10の後端から後方に向かって延びている。ギヤ12は、出力シャフト11に連結されたギヤである。ギヤ13は、ギヤ12とかみ合うように設けられたギヤである。スルーシャフト14は、前後方向に延び、モータ10のトルクを変速ギヤ30に伝達するシャフトである。スルーシャフト14は、ギヤ13に連結され、ギヤ13及びギヤ12を介して受けたモータ10のトルクを後方(変速ギヤ30)に伝達する。ギヤ15は、スルーシャフト14の後端部分に連結されており、Lowレシオでの変速において動力伝達を行うギヤである。ギヤ16は、スルーシャフト14の後端部分(詳細にはギヤ15よりもさらに後方)に連結されており、Highレシオでの変速において動力伝達を行うギヤである。
変速ギヤ30は、ギヤ32と、ギヤ33と、ハブスリーブ34と、を備えている。ギヤ32は、Lowレシオでの変速に係るギヤ15とかみ合うように設けられたギヤである。ギヤ33は、Highレシオでの変速に係るギヤ16とかみ合うように設けられたギヤである。ハブスリーブ34は、後述するピニオンシャフト31に例えばスプライン嵌合により連結されており、ギヤ32及びギヤ33間に挿入されてギヤ32及びギヤ33間を移動可能とされている。ハブスリーブ34がギヤ32側に移動しギヤ32とかみ合っている状態(Lowレシオが選択されている状態)においては、ギヤ15とかみ合うギヤ32の回転がハブスリーブ34を介してピニオンシャフト31に伝達される。また、ハブスリーブ34がギヤ33側に移動しギヤ33とかみ合っている状態(Highレシオが選択されている状態)においては、ギヤ16とかみ合うギヤ33の回転がハブスリーブ34を介してピニオンシャフト31に伝達される。
電動車両用駆動ユニット1は、変速ギヤ30によって調整されたトルクをアクスル20に伝達するための構成として、ピニオンシャフト31を備えている。ピニオンシャフト31は、前後方向に延び、変速ギヤ30を介して伝達されたトルクをアクスル20に伝達する。ピニオンシャフト31は、ハブスリーブ34に連結され、ハブスリーブ34を介して受けたトルクを前方(アクスル20)に伝達する。
アクスル20は、ドライブピニオン22と、リングギヤ23と、アクスルハウジング開口部24と、アクスルシャフト50と、を備えている。ドライブピニオン22及びリングギヤ23は、伝達されたトルクをアクスルシャフト50に伝達する構成である。ドライブピニオン22は、ピニオンシャフト31における変速ギヤ30が設けられた側と反対側の端部に連結されており、ピニオンシャフト31の回転に応じて回転する。すなわち、ドライブピニオン22は、車両の前後方向を回転軸方向として回転する。リングギヤ23は、ドライブピニオン22にかみ合うように設けられ、車両の幅方向を回転軸方向として回転するリング型のギヤである。
ドライブピニオン22及びリングギヤ23は、互いの回転軸中心が交わる(ある一点において一致する)ように配置される、スパイラルベベルギヤを構成している。このようなスパイラルベベルギヤは、ドライブピニオン22及びリングギヤ23の回転軸中心が交わるようにドライブピニオン22及びリングギヤ23が設けられていることによって、ドライブピニオン22からリングギヤ23へのトルク伝達においてギヤかみ合い損失が小さくなり、トルクの伝達効率を向上させることができる。なお、本実施形態ではドライブピニオン22及びリングギヤ23がスパイラルベベルギヤを構成しているとして説明するが、ドライブピニオン22及びリングギヤ23は、ハイポイドギヤを構成するものであってもよい。ハイポイドギヤでは、ドライブピニオン22及びリングギヤ23の回転軸中心が交わらないように(すなわちリングギヤ23に対してドライブピニオン22が偏心するように)各構成が配置される。ハイポイドギヤは、トルクの伝達効率の点においてスパイラルベベルギヤより劣るものの、偏心している分だけドライブピニオン22を大型化し易くなり、強度及び耐久性の点で優位である。
アクスルシャフト50は、リングギヤ23に連結されると共に車両の幅方向に延びており、リングギヤ23の回転に応じて回転する。アクスルシャフト50の両端部にはハブリダクション60が取り付けられている。アクスルハウジング開口部24は、デフのハウジングの連結部分である。スルーシャフト14及びピニオンシャフト31は、アクスルハウジング開口部24を通過するように延びている。
ハブリダクション60は、アクスルシャフト50の両端部に設けられた、駆動輪のハブに内蔵された構成である。ハブリダクション60は、減速機構を有している。図2は、電動車両用駆動ユニット1のトルク伝達構造を模式的に示す図である。図2に示されるように、ハブリダクション60は、リングギヤ61と、ピニオンギヤ62と、サンギヤ63と、を備えている。リングギヤ61は、ハブに固定されている。サンギヤ63は、アクスルシャフト50に連結されており、アクスルシャフト50に応じて回転する。ピニオンギヤ62は、サンギヤ63にかみ合うギヤであり、サンギヤ63に応じて回転する。ピニオンギヤ62は、自転しながら、リングギヤ61に沿ってリングギヤ61の周りを回転(公転)する。このようにして、アクスルシャフト50のトルクがサンギヤ63及びピニオンギヤ62によって減速され、タイヤに出力されるトルクとなる。ハブリダクション60では、減速比が固定とされており、減速比がサンギヤ63及びリングギヤ61の歯数によって決まっている。
上述した電動車両用駆動ユニット1における、モータ10からタイヤへのトルク伝達について説明する。電動車両用駆動ユニット1では、モータ10のトルクに応じて出力シャフト11及び該出力シャフト11に連結されたギヤ12が回転する。そして、ギヤ12にかみ合うギヤ13が回転し、該ギヤ13に連結されているスルーシャフト14が回転する。スルーシャフト14の後端には、Lowレシオでの変速において動力伝達を行うギヤ15、及び、Highレシオでの変速において動力伝達を行うギヤ16が連結されており、それぞれ、変速ギヤ30のギヤ32及びギヤ33にかみ合っている。そして、ピニオンシャフト31に連結されているハブスリーブ34がギヤ32とかみ合うことにより、ギヤ15とかみ合うギヤ32の回転がハブスリーブ34を介してピニオンシャフト31に伝達される。一方で、ピニオンシャフト31に連結されているハブスリーブ34がギヤ33とかみ合うことにより、ギヤ16とかみ合うギヤ33の回転がハブスリーブ34を介してピニオンシャフト31に伝達される。ピニオンシャフト31にはドライブピニオン22が連結されており、該ドライブピニオン22がリングギヤ23とかみ合うことにより、リングギヤ23の回転に応じてアクスルシャフト50が回転する。そして、アクスルシャフト50のトルクがハブリダクション60において減速され、減速後のトルクがタイヤに出力される。このようにして、モータ10のトルクをタイヤに伝達することができる。
次に、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1の作用効果について、比較例と比較しながら説明する。
図3は、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100を模式的に示す図である。比較例に係る電動車両用駆動ユニット100は、モータ10、アクスル20(デフ)、及び変速ギヤ30が車両の前後方向に並んで一体的に設けられたeAxleである点において、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1と同様である。一方で、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100では、ピニオンシャフト31におけるアクスル20に近づく側の端部(すなわち前端)にトランスファギヤ41が連結されており、該トランスファギヤ41にかみ合うトランスファギヤ42が連結されたピニオンシャフト21がアクスル20に向かって延びている点において、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1と異なる。このように、動力を伝達するギヤが多い構成(トランスファギヤ41,42の分だけギヤが多い構成)においては、ギヤかみ合い損失が多くなり、トルクの伝達効率が低下する。また、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100では、eAxleの構成におけるギヤのみで減速比(トルク増大比)を実現しており、減速機構を有したハブリダクションが設けられていない。このような構成において、要求される減速比を実現する上では、アクスル20を構成するドライブピニオン22及びリングギヤ23の強度及び耐久性を担保する必要があるため、電動車両用駆動ユニット100のドライブピニオン22及びリングギヤ23はハイポイドギヤを構成している。ハイポイドギヤは、偏心している分だけドライブピニオン22を大型化し易くなり強度及び耐久性の点で優位であるものの、偏心していることによってトルクの伝達効率が低下してしまう。このように、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100は、トルクの伝達効率を十分に向上させることができない。
上記課題を解決する構成として、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1は、車両の前後方向においてアクスル20を挟むようにモータ10と変速ギヤ30とが一体的に設けられた電動車両用駆動ユニットであって、前後方向に延び、モータ10のトルクを変速ギヤ30に伝達するスルーシャフト14と、前後方向に延び、変速ギヤ30を介して伝達されたトルクをアクスル20に伝達するピニオンシャフト31と、ピニオンシャフト31における変速ギヤ30が設けられた側と反対側の端部に連結されており、ピニオンシャフト31の回転に応じて回転するドライブピニオン22と、ドライブピニオン22にかみ合うように設けられ、車両の幅方向を回転軸方向として回転するリングギヤ23と、幅方向に延び、リングギヤ23の回転に応じて回転するアクスルシャフト50と、アクスルシャフト50の両端部に設けられ、減速機構を有したハブリダクション60と、を備える。
本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1では、車両の前後方向においてモータ10、アクスル20、及び変速ギヤ30が一体的に設けられている。そして、車両の前後方向に延びるスルーシャフト14によってモータ10のトルクが変速ギヤ30に伝達されると共に、車両の前後方向に延びるピニオンシャフト31によって変速ギヤ30を介して伝達されたトルクがアクスル20に伝達され、ドライブピニオン22及びリングギヤ23を介してアクスルシャフト50にトルクが伝達される。このように、モータ10のトルクを後方から前方に折り返すようにしてアクスル20に伝達する構成が採用されることにより、アクスル20前後の空間に構成部品を固めて配置することができ、構成部品の車両搭載性を向上させることができる。ここで、このような構成では、構成物品の車両搭載性を向上させることができる一方で、ギヤに求められる減速比(トルク増大比)が大きくなり、減速比を担保するギヤの構成(例えば比較例に係る電動車両用駆動ユニット100のような構成)を採用することによって、トルクの伝達効率が低下することが問題となり得る。この点、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1では、アクスルシャフト50の両端部に、減速機構を有したハブリダクション60が設けられている。このように、減速機構を有したハブリダクション60が設けられることにより、ギヤに要求される減速比(トルク増大比)が軽減され、トルク増大比よりもトルクの伝達効率に重きをおいたギヤの構成を採用することができ、トルクの伝達効率を向上させることができる。以上のように、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1によれば、構成物品の車両搭載性を向上させながら、トルクの伝達効率を向上させることができる。トルクの伝達効率が向上することによって、電費を低減して航続距離を増やし、車両の商品性向上に寄与することができる。
より具体的には、本実施形態に係る電動車両用駆動ユニット1では、ドライブピニオン22及びリングギヤ23が、互いの回転軸中心が交わるように配置されあるスパイラルベベルギヤを構成している。上述したように、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100では、直交軸歯車に要求される減速比(トルク増大比。例えば4.0以上)を実現すべく、強度及び耐久性の観点から、ハイポイドギヤが採用されている。ハイポインドギヤは、強度及び耐久性の観点で優れているものの、スパイラルベベルギヤと比較してトルクの伝達効率が悪い。しかしながら、車両の前後方向に配置されたギヤのみで必要となる減速機能を実現する構成(比較例に係る電動車両用駆動ユニット100のような構成)においては、強度及び耐久性の観点からハイポイドギヤを採用せざるを得ず、トルクの伝達効率を十分に向上させることができていない。この点、本実施形態に係る構成では、上述したようにハブリダクション60に減速機構が設けているため、ギヤに要求されるトルク増大比が軽減され、直交軸歯車として必要な強度及び耐久性の条件が緩和される。このことによって、スパイラルベベルギヤを採用することが可能になり、トルクの伝達効率をより向上させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、ハブリダクション60の減速比が一定(固定)であるとして説明したが、図4に示される電動車両用駆動ユニット1Aのように、互いに異なる複数の減速比を設定可能な減速機構を有したハブリダクション60Aが採用されてもよい。図4は、変形例に係る電動車両用駆動ユニット1Aを模式的に示す図である。図4に示される電動車両用駆動ユニット1Aでは、ハブリダクション60Aが、互いに異なる複数の減速比を設定可能な減速機構を有する遊星歯車であり、変速可能に構成されている。図5は、ハブリダクション60Aの減速構造を模式的に示す図である。
図5(a)はニュートラルの状態、図5(b)は減速状態、図5(c)は非減速状態を示している。図5(a)~図5(c)に示されるように、変速可能なハブリダクション60Aは、リングギヤ72と、ピニオンギヤ73と、サンギヤ74と、キャリア75と、を備えている。リングギヤ72は、ハブ71に固定されている。サンギヤ74は、アクスルシャフト50の先端のスリーブ76にかみ合った場合にアクスルシャフト50に応じて回転する。ピニオンギヤ73は、サンギヤ74にかみ合うギヤであり、サンギヤ74に応じて回転する。キャリア75は、タイヤにトルクを出力する構成である。キャリア75は、自身がスリーブ76にかみ合った状態(図5(c)参照)においては、アクスルシャフト50のトルクをそのままタイヤに出力する。一方で、キャリア75は、スリーブ76がサンギヤ74にかみ合った状態(図5(b)参照)においては、サンギヤ63及びピニオンギヤ62によって減速されたトルクをタイヤに出力する。
このようなハブリダクション60Aでは、図5(b)に示される減速時においては、アクスルシャフト50のスリーブ76がサンギヤ74にかみ合い、アクスルシャフト50の回転速度に対してキャリア75の回転速度が遅くなる。これにより、アクスルシャフト50のトルクに対して減速されたトルクがタイヤに出力される。また、図5(c)に示される非減速時においては、アクスルシャフト50のスリーブ76がキャリア75にかみ合い、アクスルシャフト50の回転速度がそのままキャリア75の回転速度となる。これにより、アクスルシャフト50のトルクを減速していないトルクがタイヤに出力される。このように、ハブリダクション60Aでは、スリーブ76とかみ合う構成を切り替えることによって、互いに異なる複数の減速比(減速する/減速しない)を実現している。なお、図5(a)に示されるように、スリーブ76がいずれの構成とも嵌合しないニュートラルの状態においては、アクスルシャフト50が空回りし、タイヤへのトルク出力が行われない。減速状態及び非減速状態の切り替え時において回転速度合わせを行う際には、当該ニュートラルの状態とされる。
このようなハブリダクション60Aにおいて変速する構成は、低減速比(減速しない)時において、ハブリダクション60Aを構成する各ギヤを介してトルクを伝達しないため、ギヤかみ合い損失が発生しない。このことにより、トルクの伝達効率をより向上させることができる。
そして、電動車両用駆動ユニット1Aでは、ハブリダクション60Aにおいて変速が可能になることによって、ギヤ部における変速機能が完全にハブリダクションに置き換えられている。このことにより、電動車両用駆動ユニット1Aのギヤ部は、スルーシャフト14の一端部に設けられた一つの第1ギヤ91と、ピニオンシャフトの一端部に設けられ第1ギヤ91にかみ合う1つの第2ギヤ92と、のみから構成することが可能になっている。このような構成では、Lowレシオにおいては、ギヤ12及びギヤ13のかみ合い箇所、第1ギヤ91及び第2ギヤ92のかみ合い箇所、直交軸歯車におけるかみ合い箇所、ハブリダクション60Aにおけるかみ合い箇所の合計4か所でギヤかみ合い損失が発生し、Highレシオにおいては、ギヤ12及びギヤ13のかみ合い箇所、第1ギヤ91及び第2ギヤ92のかみ合い箇所、直交軸歯車におけるかみ合い箇所の3箇所でのみかみ合い損失が発生する。例えば比較例に係る電動車両用駆動ユニット100では、LowレシオでもHighレシオでも4か所でかみ合い損失が発生するのに対して、電動車両用駆動ユニット1AではHighレシオ時のみかみ合い箇所が3箇所となるので、比較例に係る電動車両用駆動ユニット100と比較して、ギヤかみ合い損失を低減し、トルクの伝達効率をより向上させることができる。また、ギヤ構成がシンプルになることにより、車両の前後方向における長さを短くすることができ、よりコンパクトな駆動ユニットを提供することができる。
1,1A…電動車両用駆動ユニット、10…モータ、14…スルーシャフト、20…アクスル、22…ドライブピニオン、23…リングギヤ、30…変速ギヤ(ギヤ部)、31…ピニオンシャフト、50…アクスルシャフト、60,60A…ハブリダクション。
Claims (4)
- 車両の前後方向においてアクスルを挟むようにモータとギヤ部とが一体的に設けられた電動車両用駆動ユニットであって、
前記前後方向に延び、前記モータのトルクを前記ギヤ部に伝達するスルーシャフトと、
前記前後方向に延び、前記ギヤ部を介して伝達されたトルクを前記アクスルに伝達するピニオンシャフトと、
前記ピニオンシャフトにおける前記ギヤ部が設けられた側と反対側の端部に連結されており、前記ピニオンシャフトの回転に応じて回転するドライブピニオンと、
前記ドライブピニオンにかみ合うように設けられ、車両の幅方向を回転軸方向として回転するリングギヤと、
前記幅方向に延び、前記リングギヤの回転に応じて回転するアクスルシャフトと、
前記アクスルシャフトの両端部に設けられ、減速機構を有したハブリダクションと、を備える電動車両用駆動ユニット。 - 前記ドライブピニオン及び前記リングギヤは、互いの回転軸中心が交わるように配置される、スパイラルベベルギヤを構成している、請求項1記載の電動車両用駆動ユニット。
- 前記ハブリダクションは、互いに異なる複数の減速比を設定可能な前記減速機構を有している、請求項1又は2記載の電動車両用駆動ユニット。
- 前記ギヤ部は、前記スルーシャフトの一端部に設けられた1つの第1ギヤと、前記ピニオンシャフトの一端部に設けられ前記第1ギヤにかみ合う1つの第2ギヤと、のみから構成されている、請求項3記載の電動車両用駆動ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169040A JP2022061200A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 電動車両用駆動ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020169040A JP2022061200A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 電動車両用駆動ユニット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2022061200A true JP2022061200A (ja) | 2022-04-18 |
Family
ID=81206625
Family Applications (1)
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JP2020169040A Pending JP2022061200A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 電動車両用駆動ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022061200A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024052976A1 (ja) * | 2022-09-06 | 2024-03-14 | 日産自動車株式会社 | 減速機構付きモータ |
-
2020
- 2020-10-06 JP JP2020169040A patent/JP2022061200A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024052976A1 (ja) * | 2022-09-06 | 2024-03-14 | 日産自動車株式会社 | 減速機構付きモータ |
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