JP2022060803A - 美容機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】美容施術の操作性を高める。【解決手段】美容機器100は本体10と作用ヘッド20をもつ。作用ヘッド20は操作板40に取り付けられている。操作板40は本体10に対して回動可能であり、その結果、作用ヘッド20も本体10に対して回動する。作用ヘッド20は先端が使用者の肌に当てられる部材である。作用ヘッド20は超音波で振動する。使用者は肌に水気をもたせた状態で、振動する作用ヘッド20を肌に当て、ウォーターピーリングを行う。【選択図】図1
Description
本発明は人の肌に作用する美容機器に関する。
ウォーターピーリングという美容法が知られている。使用者はまず頬などの肌を水や化粧水で濡らす。そこにウォーターピーリング用の美容機器(以下単に「美容機器」という)のヘッドを当てる。ヘッドは超音波の周波数で高速に振動する。この振動により肌に含ませた水分はミスト状になり、毛穴の汚れや古い角質が除去される。ウォーターピーリングによれば、クレンジング剤や洗顔料だけを使うよも効果的かつ比較的手軽に肌の汚れを落とすことができる。
美容機器は一般に、使用者が手で持つ本体と、その本体に取り付けて使う金属板によるヘッドからなる。ヘッドが本体に内蔵された圧電素子によって超音波で振動する。使用者はヘッドの先端の線状の領域を頬や鼻に当てて施術する。特許文献1には、ヘッドとして第1の縁部とそれより外側に突出した第2の縁部を備える装置が提案されている。ふたつの縁部を持つため対象となる肌の部位に応じた施術がしやすくなる。
鉄板焼きのヘラのようにヘッドの先端が単一の線領域しかもたない装置に比べ、特許文献1の装置は施術の効率を改善する。しかし本発明者は特許文献1の装置にも改善の余地があると考え、本発明をなした。本発明の目的は以下のいずれか、またはそれらの組合せにある。
・使用者の腕の疲れの軽減
・施術効率の改善
・施術の正確性の改善
・いろいろな施術箇所に最適なヘッドの提供
・施術効率の改善
・施術の正確性の改善
・いろいろな施術箇所に最適なヘッドの提供
本発明の美容機器は、使用者が把持する本体と、先端が使用者の肌に当てられる部材であって肌に電気的ないし機械的に作用する作用ヘッドとを備え、作用ヘッドは本体に回動可能に取り付けられている。
本発明の美容機器の別の態様は、使用者が本体を把持したとき、本体の両側よりも中央が使用者の肌に近くなるよう本体が湾曲している。
本発明によれば、作用ヘッドが回動するため、施術しやすい位置を見つけることができる。また、本体の湾曲により、使用者がより胴体に近い位置で本体を握ることができ、施術が楽である。
以下、各図面において同一または同等の構成要素、部材には同一の符号を付し、適宜重複する説明は省略する。
図1、図2のごとく、実施の形態に係る美容機器100は、使用者が把持する本体10と、先端が使用者の肌に当てられる部材であって、超音波により振動する作用ヘッド20を備える。作用ヘッド20は回動ユニット(図5で後述)の一部として本体10に回動可能に取り付けられている。回動ユニットのうち操作板40が外部に現れている。本体10には操作板40を収容する窪み14がある。
図1、図2のごとく、実施の形態に係る美容機器100は、使用者が把持する本体10と、先端が使用者の肌に当てられる部材であって、超音波により振動する作用ヘッド20を備える。作用ヘッド20は回動ユニット(図5で後述)の一部として本体10に回動可能に取り付けられている。回動ユニットのうち操作板40が外部に現れている。本体10には操作板40を収容する窪み14がある。
操作板40において、作用ヘッド20とは反対側の表面に、使用者が指で操作する操作領域44が設けられる。操作領域44は表面に細かい凹凸を設け、またはラバー等滑りにくい材質で作ることができる。本体10の中央付近には動作スイッチ12がある。
図2のごとく、本体10は使用者(図中「U」の方向にいる)が把持したとき、両端よりも中央が使用者の肌に近くなるよう湾曲している。本体10の重心Oから本体10の両端へ向かう線L1、L2は重心Oにおいて角度θで交差する。
・本体10の長手方向の全長:12~17センチ
・作用ヘッド20の外から見える部分の全長:3~5センチ
・作用ヘッド20の外から見える部分がL1より手前に折れる角度:0~25度
という条件のとき、θは5~15度だと使いやすいことが実験でわかった。使用者が顔に施術するとき、使用者がもつ本体10の中央が使用者に近づくため、手と上半身がより近づき、腕を上半身に預けやすくなる。そのため、施術の位置決めも容易になり、腕の疲れも軽減できる。なお、ここで重心Oとは、本体10の長手方向の中心と定義するが、もちろん基準点は別であってもよい。その場合、角度の測り方が変わるだけで、機器の本質には影響しない。
・本体10の長手方向の全長:12~17センチ
・作用ヘッド20の外から見える部分の全長:3~5センチ
・作用ヘッド20の外から見える部分がL1より手前に折れる角度:0~25度
という条件のとき、θは5~15度だと使いやすいことが実験でわかった。使用者が顔に施術するとき、使用者がもつ本体10の中央が使用者に近づくため、手と上半身がより近づき、腕を上半身に預けやすくなる。そのため、施術の位置決めも容易になり、腕の疲れも軽減できる。なお、ここで重心Oとは、本体10の長手方向の中心と定義するが、もちろん基準点は別であってもよい。その場合、角度の測り方が変わるだけで、機器の本質には影響しない。
作用ヘッド20は曲げ加工された金属板であり、図1において、向かって左に第1領域21、それと対称に右に第2領域22、それらの間に一番幅の広い第3領域23がある。いずれの領域も加工線26において図1の手前側、すなわち使用者に近づく方向に曲げられている。第1領域21、第2領域22、第3領域23それぞれの先端21a、22a、23aは、本体10より手前で使用者の肌に当たる。第1領域の先端21aと第2領域の先端22aは鼻の脇のように比較的狭い箇所に用い、第3領域の先端23aは平面的で比較的面積の広い頬を中心に使う。
これら3つの領域のいずれかが肌に当たっているときは、ほかのふたつの領域は肌に触れないよう形状と寸法に工夫がある。第1領域の先端21aを肌に当てるときは、第2領域の先端22aの側を少し浮かすように持つことで、第2領域の先端22a、第3領域の先端23aは肌に触れない。第2領域の先端22aは第1領域の先端21aと対称であるから、当然同様の使い方ができる。第3領域の先端23aを使うときは、本体10を施術箇所に対して少し立てる形をとることで第1領域の先端21aと第2領域の先端22aが肌に触れない角度となっている。実際には、第1領域、第2領域、第3領域の先端21a、22a、23aの幅が4~7ミリのとき、加工線26における折り曲げ角度は30~40度でこうした効果が得られやすいことがわかった。
図3は美容機器100の分解斜視図、図4はその中の操作板40の裏面構造、図5は回動ユニット62の組み上がりの状態を示す。
美容機器100は図中の一点鎖線に沿って操作板40、本体上ケース10a、回動ユニット上ケース50、超音波振動子52が載った上補強板53、作用ヘッド20、アルミニウムによる下補強板58、回動ユニット下ケース60、本体下ケース10bの順に組まれる。その際、電気ユニット70も組み込まれる。電気ユニット70は図示しない充電池と超音波振動子52の仕様に合わせた電圧を発生するアナログ回路、および、美容機器100をプログラム動作させる際には、それに必要なマイクロプロセッサおよびプログラムを格納するメモリが搭載されている。
美容機器100は図中の一点鎖線に沿って操作板40、本体上ケース10a、回動ユニット上ケース50、超音波振動子52が載った上補強板53、作用ヘッド20、アルミニウムによる下補強板58、回動ユニット下ケース60、本体下ケース10bの順に組まれる。その際、電気ユニット70も組み込まれる。電気ユニット70は図示しない充電池と超音波振動子52の仕様に合わせた電圧を発生するアナログ回路、および、美容機器100をプログラム動作させる際には、それに必要なマイクロプロセッサおよびプログラムを格納するメモリが搭載されている。
超音波振動子52は、酸化チタンや酸化バリウムなどで構成され、交流電圧の印加により逆圧電効果によって振動する。ウォーターピーリングにおいては一般に25~90kHz程度が効果的とされる。
図4のように操作板40の裏面には回動ユニット上ケース50の穴51(図3参照)に嵌合して両者を固定するボス41が立っている。ボス41の径は、操作板40が本体10に対して回動できる程度に本体上ケース10aに穿たれた穴11より小さい。回動ユニット上ケース50から回動ユニット下ケース60まで各部品が組み付けられ、頂部に封止板56(図3参照)が接着されると図5に示す回動ユニット62となる。回動ユニット62の超音波振動子52は、図示しないケーブルにより電気ユニット70から給電を受ける。なお、正確には回動ユニット62は操作板40も含む概念であるが、そのうち本体10内にある部分が図5に示されている。
図6、図7、図8は作用ヘッド20が本体10に対して回動する様子を示す。
図6は操作板40が時計方向で最大回動位置まで来た状態である。このとき回動ユニット62に固定されている作用ヘッド20も当然最大回動位置にある。この位置において、第1領域の先端21aの中心Q1が本体10の重心Oと操作板40の回動中心Pを結ぶ線上にある(図中の一点鎖線で、以下「中心線」と呼ぶ)。操作板40の外周は円であるが、操作領域44の側で外側に飛び出し、全体として卵に近い形となっている。窪み14は卵型の操作板40を収容できる長円に近い形で、その向かって左の側壁14aと操作板40の同じく向かって左の側壁40aが当たることにより、それ以上の回動が規制される。
図6は操作板40が時計方向で最大回動位置まで来た状態である。このとき回動ユニット62に固定されている作用ヘッド20も当然最大回動位置にある。この位置において、第1領域の先端21aの中心Q1が本体10の重心Oと操作板40の回動中心Pを結ぶ線上にある(図中の一点鎖線で、以下「中心線」と呼ぶ)。操作板40の外周は円であるが、操作領域44の側で外側に飛び出し、全体として卵に近い形となっている。窪み14は卵型の操作板40を収容できる長円に近い形で、その向かって左の側壁14aと操作板40の同じく向かって左の側壁40aが当たることにより、それ以上の回動が規制される。
図7は図6と逆側に振ったときの最大回動位置を示す。操作板40と窪み14はともに左右対称形であり、第2領域の先端22aの中心Q2が中心線上にある。この位置で窪み14の右側壁14bと操作板40の右側壁40bが当たり、それ以上の回動を規制する。
図8は、図6と図7のちょうど中間で、第3領域の先端23aの中心Q3が中心線上にある。この位置を以下「正対位置」と呼ぶ。
図8は、図6と図7のちょうど中間で、第3領域の先端23aの中心Q3が中心線上にある。この位置を以下「正対位置」と呼ぶ。
以上の構成による美容機器100を顔に使用する方法を説明する。使用者によって施術の順序はいろいろ考えられるため、以下、代表例である。
ステップ1
使用者はまず肌を水や化粧水で十分に濡らし、比較的広くて平坦な頬を施術する。このとき使用者は操作板40を図8の正対位置で使う。この位置だと、使用者は作用ヘッド20の領域の中で一番広い第3領域の先端23aを用いることが容易であり、施術のスピードが確保できる。
使用者はまず肌を水や化粧水で十分に濡らし、比較的広くて平坦な頬を施術する。このとき使用者は操作板40を図8の正対位置で使う。この位置だと、使用者は作用ヘッド20の領域の中で一番広い第3領域の先端23aを用いることが容易であり、施術のスピードが確保できる。
ステップ2
頬が終わると、施術は鼻の脇などの狭い箇所へ進む。このとき、第3領域の先端23aは広すぎて使いにくいため、第1領域の先端21aまたは第2領域の先端22aを利用する。こうした先端の広狭だけでなく、「自分の利き手の側は比較的施術しやすいが、反対側は楽ではない」という経験則も加味して実施の形態が創作されている。
頬が終わると、施術は鼻の脇などの狭い箇所へ進む。このとき、第3領域の先端23aは広すぎて使いにくいため、第1領域の先端21aまたは第2領域の先端22aを利用する。こうした先端の広狭だけでなく、「自分の利き手の側は比較的施術しやすいが、反対側は楽ではない」という経験則も加味して実施の形態が創作されている。
図9は実際に鼻の脇を施術する様子を示す。使用者は、本人から見て左の鼻の脇Lを自身の利き手である右手で美容機器100をもって施術している。このとき使用者は操作板40を図7の位置に回動させて使う。この位置だと、図9からわかるとおり、正対位置(図8)で使うときよりも手首を寝かせることができる。すると腕全体を幾分利き手の側に残すことができるため、正対位置よりも疲れが軽減され、施術の位置決めも楽になる。
ここでは鼻の脇を例示したが、本発明者が実験をしてみると、肌の箇所により操作板40の異なる角度が楽であることが体感できた。わずかな角度の変化で使い勝手が大きく改善される箇所も多く、実施の形態の係る美容機器100の有用性が実感できている。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態によれば、従来の美容機器よりも施術の効率がよい。異なる施術箇所に対してひとつの作用ヘッド20の複数の箇所を利用できるため、ヘッド自体を付け替える手間もない。単一の領域しかもたないヘッドと比較しても、構造はさして大きくならない。施術時の腕の疲れも軽減され、狭い箇所を正確に施術できる効果も期待できる。
実施の形態には以下の変形技術も考えられる。
(1)操作板40が図6、図7、図8それぞれの位置にあるとき、その位置を保持しやすいよう、付加的な構造(図示しない)を設けてもよい。例えば、操作板40の裏面とそれに向き合う窪み14の上面に、軽く嵌合しあう小さな凹凸を設ければ、その位置での姿勢保持がしやすくなる。
(1)操作板40が図6、図7、図8それぞれの位置にあるとき、その位置を保持しやすいよう、付加的な構造(図示しない)を設けてもよい。例えば、操作板40の裏面とそれに向き合う窪み14の上面に、軽く嵌合しあう小さな凹凸を設ければ、その位置での姿勢保持がしやすくなる。
(2)操作板40の回動範囲は図6と図7の状態の間としたが、この範囲を広げてもよい。左右に半周ずつ、合計一周回動させることもできる。この場合も(1)の保持構造は有用である。
(3)実施の形態では回動の規制を操作板40の側壁と窪み14の側壁の当たりで実現した。しかし、これはどのような構造で実現してもよく、例えば作用ヘッド20の回動を規制するストッパがあってもよい。
(3)実施の形態では回動の規制を操作板40の側壁と窪み14の側壁の当たりで実現した。しかし、これはどのような構造で実現してもよく、例えば作用ヘッド20の回動を規制するストッパがあってもよい。
(4)実施の形態では施術として超音波によるウォーターピーリングを挙げたが、他の手法の施術も考えられる。例えば、EMS(Electrical Muscle Stimulation)を搭載する場合、本体10で使用者が握る箇所のいずれかに片方の電極を設け、作用ヘッド20をもう一方の電極とすればよい。この場合、電気ユニット70から操作板40へEMSに適切な微弱電流を供給すればよい。
なお、当然、動作スイッチ12は施術内容にふさわしいものとすればよく、数が増えることもある。
なお、当然、動作スイッチ12は施術内容にふさわしいものとすればよく、数が増えることもある。
10 本体、 20 作用ヘッド、 21 第1領域、 22 第2領域、 23 第3領域、 40 操作板、 62 回動ユニット、 100 美容機器。
Claims (7)
- 使用者が把持する本体と、
先端が使用者の肌に当てられる部材であって肌に電気的ないし機械的に作用する作用ヘッドと、
を備え、作用ヘッドは本体に回動可能に取り付けられたことを特徴とする美容機器。 - 請求項1に記載の美容機器において、作用ヘッドの先端が少なくとも第1領域と第2領域を含み、いずれかの領域が肌に接する際、他の領域は肌から離れるよう位置決めされたことを特徴とする美容機器。
- 請求項2に記載の美容機器において、作用ヘッドの回動範囲は、
本体と作用ヘッドそれぞれの中心どうしを結ぶ線上に第1領域が位置するために作用ヘッドがとるべき第1の回動位置と、
前記線上に第2領域が位置するために作用ヘッドがとるべき第2の回動位置と、
を含むよう定められたことを特徴とする美容機器。 - 請求項3に記載の美容機器において、作用ヘッドの回動範囲は第1の回動位置から第2の回動位置までであることを特徴とする美容機器。
- 使用者が把持する本体と、
先端が使用者の肌に当てられる部材であって肌に電気的ないし機械的に作用する作用ヘッドと、
を備え、作用ヘッドの先端は両側に第1領域と第2領域、それらの間に第3領域を有し、それらのいずれかの領域が選択的に肌に触れるよう本体に対して回動することを特徴とする美容機器。 - 請求項5に記載の美容機器において、第1領域と第2領域の幅は等しく、かつ第3領域の幅よりも狭いことを特徴とする美容機器。
- 使用者が把持する本体と、
先端が使用者の肌に当てられる部材であって肌に電気的ないし機械的に作用する作用ヘッドと、
を備え、使用者が本体を把持したとき、本体の両端よりも中央が使用者の肌に近くなるよう本体が湾曲していることを特徴とする美容機器。
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