JP2022052786A - 避雷器 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの削減・耐震性を考慮した小形軽量で取付自由度の高い避雷器を提供する。【解決手段】避雷器1の内部構造2は、接地側端子7と線路側端子との間に配置された一対の電極10、11と、電極10、11間の酸化亜鉛素子9と、電極10と線路側端子8との間に介装された皿ばね12と、各構成7~12を収容して挟持する一対の角枠6とを備える。この両端子7、8には、固定用の孔部7e、8eを備えた板状部7d、8dが設けられている。また、内部構造2は、板状部7d、8dが露出するように絶縁材料の外皮3によりモールドされている。【選択図】図1
Description
本発明は、酸化亜鉛素子を用いた避雷器に関する。
従来から電力線などを伝わって電気機器内部に侵入する過電圧サージから該電気機器を保護する避雷器が用いられている。この避雷器には、サージを吸収する部品として、電圧非直線特性を備えた酸化亜鉛素子が用いられている
例えば特許文献1の避雷器は、軸方向に沿って互いに間隔をおいた一対の接続装着部(電極部材)と、少なくとも一つの円柱状の酸化亜鉛素子と、該酸化亜鉛素子を挟持する略楕円形状の線輪とを内部構造に備え、軸方向の端部に配置された各接続装着部には、線路、接地電位に通じるボルト穴が形成されている。この内部構造は、シリコーンゴムなどをベースとする絶縁材料のポリマー外被によってモールドされている。
例えば特許文献1の避雷器は、軸方向に沿って互いに間隔をおいた一対の接続装着部(電極部材)と、少なくとも一つの円柱状の酸化亜鉛素子と、該酸化亜鉛素子を挟持する略楕円形状の線輪とを内部構造に備え、軸方向の端部に配置された各接続装着部には、線路、接地電位に通じるボルト穴が形成されている。この内部構造は、シリコーンゴムなどをベースとする絶縁材料のポリマー外被によってモールドされている。
特許文献1の避雷器は、各接続装着部の酸化亜鉛素子側に線輪を懸架するための弧状の載置面を形成しなければならない。そのため、各接続装着部に軸方向の長さが必要となり、避雷器の全長が長くなるおそれがある。特に酸化亜鉛素子の枚数が少ない場合には各接続装着部の方が長くなるため、避雷器の小形軽量化に適さない。
また、各接続装着部には、前記載置面などの特殊加工が必要なため、部品製造工程が増加し、製造コストの抑制が困難となるおそれがある。さらに各接続装着部に形成したボルト穴で接地側など外部と固定されるため、地震などの振動が避雷器に直接伝播して故障を生じるおそれもある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、製造コストの削減・耐震性を考慮した小形軽量で取付自由度の高い避雷器の提供を図ることを解決課題としている。
(1)本発明は、端子間に配置された一対の電極と、
前記電極間の酸化亜鉛素子と、
前記両端子・前記両電極・前記素子を収納して挟持する角枠と、
を備え、
前記両端子の少なくとも一方には、固定接続用の孔部を形成した板状部が設けられていることを特徴としている。
前記電極間の酸化亜鉛素子と、
前記両端子・前記両電極・前記素子を収納して挟持する角枠と、
を備え、
前記両端子の少なくとも一方には、固定接続用の孔部を形成した板状部が設けられていることを特徴としている。
(2)本発明の一態様において、
前記端子は、円盤状に形成された端子本体と、
前記端子本体において前記素子の反対側に立設された前記板状部と、を備える。
前記端子は、円盤状に形成された端子本体と、
前記端子本体において前記素子の反対側に立設された前記板状部と、を備える。
(3)本発明の他の態様においては、
前記電極・前記端子間の少なくとも一方にばね部材が介装され、
前記ばね部材のばね圧により前記角枠内に前記端子本体・前記両電極・前記素子が挟持される。
前記電極・前記端子間の少なくとも一方にばね部材が介装され、
前記ばね部材のばね圧により前記角枠内に前記端子本体・前記両電極・前記素子が挟持される。
(4)本発明のさらに他の態様において、
前記端子本体・前記両電極・前記素子は、単数または複数の前記角枠内に収納されて挟持されている。
前記端子本体・前記両電極・前記素子は、単数または複数の前記角枠内に収納されて挟持されている。
(5)本発明のさらに他の態様は、前記角枠を樹脂製としている。
(6)本発明のさらに他の態様は、前記板状部が露出するように絶縁材料の外被によりモールドされている。
本発明によれば、製造コストの削減・耐震性を考慮した小形軽量で取付自由度の高い避雷器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る避雷器を説明する。この避雷器は、酸化亜鉛素子を用いたギャップレスタイプの避雷器であって、特に使用する素子枚数(長さ)が短く、シリコーンゴムなどのポリマー絶縁材料で直接モールドする避雷器に適している。
≪実施例≫
図1中の1は、実施例に係る前記避雷器を示している。この避雷器1は、酸化亜鉛素子9を有する内部構造2(図2~図4参照)と、内部構造2をポリマー絶縁材料で一体的にモールドする外被3とを備えている。
図1中の1は、実施例に係る前記避雷器を示している。この避雷器1は、酸化亜鉛素子9を有する内部構造2(図2~図4参照)と、内部構造2をポリマー絶縁材料で一体的にモールドする外被3とを備えている。
内部構造2は、図2および図3に示すように、避雷器本体5を一対の角枠6内に収容して挟持することで構成されている。この避雷器本体5は、図4に示すように、接地側端子7・線路側端子8間に配置された電極10,11と、電極10,11間の酸化亜鉛素子9と、電極11と線路側端子8との間に介装された皿ばね12とを備えている。
酸化亜鉛素子9は、非直線性の電圧―電流特性を有し、避雷器1の連続使用電圧下では絶縁体として機能する一方、雷サージなど電圧の大きい領域では導体とし機能する。なお、図4中では、一つの円柱状の酸化亜鉛素子9が示されているが、複数の酸化亜鉛素子9を積層してもよい。
電極10,11にはアルミ製または鉄製のものが使用される。また、皿ばね12は、ポリマー形避雷器で一般的に使用される肉薄(高さの小さい)タイプの使用が小形軽量化の観点から好ましく、ばね圧(使用条件などに合わせて設計される。)により角枠6内に収容された避雷器本体5を挟持する。このとき適正なばね圧を得るため、電極11により内部構造2の厚さを調整している。この意味で電極11は厚さ調整用電極といえる。
前記両端子7,8は、それぞれ円盤状に形成された端子本体7a,8aと、端子本体7a,8aの前記素子9と反対側の面に固定されるL字状の取付部7b,8bとを備えている。
具体的には取付部7bの一端部7c(図2および図3参照)は、端子本体7aの下面7fにプロジェクション溶接またはスポット溶接で一体的に固定されている。また、取付部8bの一端部8cは、端子本体8aの上面8fに前記溶接で一体的に固定されている。
これにより取付部7b,8bの他端部7d,8dが、それぞれ端子本体7a,8aの下面7f,上面8fに立設される。このとき取付部7b,8bの他端部7d,8dは、それぞれ固定接続用の孔部7e,8eが貫通形成されていることから、板状の孔あき端子となっている。
各角枠6は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics/FRP)製であって、小量生産時には板材からの切り出しで製作でき、また大量生産時には引き抜きによる角パイプのスライスで製作することができる。このように構成された避雷器1によれば、次の作用効果が得られる。
(1)すなわち、避雷器1の製作にあたっては、まず接地側端子7・電極10・前記素子9・電極11・皿ばね12・線路側端子8の順に積層する。つぎに皿ばね12を圧縮し、全長が小さくなったところで各角枠6内に収容してクランプする。これにより各角枠6は、避雷器本体5の軸方向の支持および半径方向の支持部材として機能する。
したがって、特許文献1のように電極10,11に線輪を懸架するための弧状の載置面を形成する必要が無く、これにより避雷器1の全長を短くでき、軽量小形化を図ることが可能となる。また、製造工程が簡素化でき、この点で製造コストを抑えることもできる。その結果、製造コストの削減を考慮した小形軽量で取付自由度の高い避雷器を提供可能となる。
そして、最終的にシリコーンゴムなどのポリマー絶縁材料の外被3で一体的にモールドすることで内部構造2の剛性が向上し、各構成6~12のガタツキやズレなどが防止される。特に前記素子9の積層枚数が少ない場合、通常必要な強度は小さいため、十分な強度が得られる。
(2)また、避雷器1は、接地側・線路側などの外部との接続に取付部7b,8bの他端部7d,8dを用いる。すなわち、図示省略のボルト軸部を孔部7e,8eに通してナット(図示省略)を締結することで固定される。
このとき取付部7b,8bの他端部7d,8dは板状の端子なため、地震などの振動時に撓み変形し、その振動を吸収することが可能である。この点で耐震性が向上し、振動による故障を軽減することができる。
≪他例≫
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。以下に一例を示す。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。以下に一例を示す。
(1)避雷器1は、ポリマー絶縁材料によるモールド化に適しているが、環境から前記素子9を保護する必要がない場合(変圧器の絶縁油内で使用するなど)には、図2および図3に示す内部構造2の状態のままで使用することもできる。
(2)接地側端子7・線路側端子8の他端部7d,8dのいずれか一方のみを、板状の孔あき端子とすることもできる。この場合にも設置側または線路側からの振動を吸収し、振動による故障を軽減する効果が得られる。なお、孔部7e,8eは、単なる貫通孔だけでなく、雌ねじ孔に形成してもよいものとする。
(3)皿ばね12を線路側端子8と電極11との間ではなく、接地側端子7と電極10との間に介装した場合にも、皿ばね12のばね圧により角枠6内に収容された避雷器本体5を挟持することができる。同様に線路側端子8・電極11間と接地側端子7・電極10間の双方に皿ばね12を介装してもよい。
1…避雷器
2…内部構造
3…外皮
5…避雷器本体
6…角枠
7…接地側端子
7a,8a…端子本体
7b,8b…取付部
7c,8c…一端部
7d,8d…他端部(板状部)
7e,8e…孔部
7f,8f…下面/上面
8…線路側端子
9…酸化亜鉛素子(バリスタ)
10,11…電極
12…皿ばね
2…内部構造
3…外皮
5…避雷器本体
6…角枠
7…接地側端子
7a,8a…端子本体
7b,8b…取付部
7c,8c…一端部
7d,8d…他端部(板状部)
7e,8e…孔部
7f,8f…下面/上面
8…線路側端子
9…酸化亜鉛素子(バリスタ)
10,11…電極
12…皿ばね
Claims (6)
- 端子間に配置された一対の電極と、
前記電極間の酸化亜鉛素子と、
前記両端子・前記両電極・前記素子を収納して挟持する角枠と、
を備え、
前記両端子の少なくとも一方には、固定接続用の孔部を形成した板状部が設けられていることを特徴とする避雷器。 - 前記各端子は、円盤状に形成された端子本体と、
前記端子本体において前記素子の反対側に立設された前記板状部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の避雷器。 - 前記電極・前記端子間の少なくとも一方にばね部材が介装され、
前記ばね部材のばね圧により前記角枠内に前記端子本体・前記両電極・前記素子が挟持される
ことを特徴とする請求項1または2記載の避雷器。 - 前記端子本体・前記両電極・前記素子は、単数または複数の前記角枠内に収納されて挟持されている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の避雷器。 - 前記角枠は、樹脂製であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の避雷器。
- 前記板状部が露出するように絶縁材料の外被によりモールドされていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の避雷器。
Priority Applications (1)
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JP2020159214A JP2022052786A (ja) | 2020-09-24 | 2020-09-24 | 避雷器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020159214A JP2022052786A (ja) | 2020-09-24 | 2020-09-24 | 避雷器 |
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Publication Number | Publication Date |
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Citations (6)
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JPS58186745U (ja) * | 1982-06-04 | 1983-12-12 | 松下電器産業株式会社 | サ−ジ吸収器 |
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2020
- 2020-09-24 JP JP2020159214A patent/JP2022052786A/ja active Pending
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