JP2022044327A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧センサを単セルそれぞれに配置せずとも、水素欠乏を起こしているセルを特定することのできる、燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池の出力低下を検知した場合や、水素欠乏時に発生する二酸化炭素をアノード側出口にて検知した場合等に、燃料電池に所定の負荷変動を実施し、変動後、アノード側出口における二酸化炭素濃度の上昇がみられるまでの時間を測定し、得られた時間を、予め作成しておいたセル位置マップと照合することで、水素欠乏を起こしているセルを特定する。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
水素等のアノードガスと、酸素等のカソードガスとを、化学反応させることによって発電を行う、燃料電池が知られている。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に、それぞれ、水素等のアノードガス(燃料ガス)と酸素等のカソードガス(酸化剤ガス)を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する。
アノードガスとして水素が供給されたアノード(燃料極)では、下記式(1)の反応が進行する。
→ 2H + 2e ・・・(1)
上記式(1)で生じる電子(e)は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後に、カソード(酸化剤極)に到達する。他方で、上記式(1)で生じたプロトン(H)は、水と水和した状態で、電気浸透により、アノードとカソードとに挟まれた電解質膜内を、アノード側からカソード側に移動する。
一方、カソードでは、上記式(1)で生じて電解質膜を通過したプロトン(H)と、カソードガスとして供給された酸素と、上記式(1)で生じて外部回路を経由した電子(e)とが、下記式(2)の反応を進行させる。
2H + 1/2O + 2e → HO ・・・(2)
したがって、電池全体では下記式(3)に示す化学反応が進行し、起電力が生じて、外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
+ 1/2O → HO ・・・(3)
このような燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極接合体を基本構造とする単セルが、複数積層された構成となっている。
また、上記式(3)に示されるように、燃料電池は、発電により水を生成する。そして、燃料電池内やガス流路において、生成した水の凍結やフラッディングが発生すると、燃料電池の電圧が低下して、セルに負電圧が生じる場合がある。負電圧となると、外部から供給する水素の量が十分であっても、必要量の水素がアノードに供給されず、水素欠乏に起因するアノードの劣化が発生していた。
これに対して、特許文献1においては、複数のセルが積層された燃料電池スタックに、セルの電圧を検出する電圧センサと、燃料電池から排出されたアノード排ガス中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃度検出器と、を備えた燃料電池システムが提案されている。
水素が欠乏したときのアノードでは、下記式(4)に示す反応が起こり、二酸化炭素を発生させる。そして、燃料電池における他の反応では、二酸化炭素の発生は起こらない。このため、二酸化炭素濃度を検出し、濃度上昇が確認された場合には、水素欠乏の状態が発生していると判断できる。
C + 2HO → CO +4e +4H・・・(4)
特許文献1に記載された燃料電池システムにおいては、配置された電圧センサの出力と、二酸化炭素濃度検出器の出力に応じて、水素欠乏によるアノードの劣化を判定する劣化判定手段を備える。
また、特許文献2においては、燃料電池から排出されるアノード排ガス中の水素濃度を検出する水素濃度センサを有する燃料電池システムが提案されている。特許文献2に記載された燃料電池システムは、水素濃度センサで検出された水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなったときに、燃料電池に供給される水素量が不足していると判断する。
特開2005-285692号公報 特開2008-052927号公報
しかしながら、特許文献1に記載された燃料電池システムにおいては、セル電圧を測定する電圧センサを、単セルそれぞれに配置する態様としなければ、水素欠乏を起こしているセルを特定することができなかった。
また、特許文献2に記載された燃料電池システムにおいても、燃料電池スタック全体として水素欠乏を起こしていることは検知できるものの、水素欠乏を起こしているセルを特定することはできなかった。
水素欠乏を起こしているセルが特定できない場合には、水素欠乏を確認してセルの交換が必要となったときに、交換の必要がないセルも含めて、スタック全体を交換しなければならず、資源的なロスが大きくなっていた。
また、電圧センサは一般に高価であり、また、配置にあたって、電気的な絶縁性を確保しつつ、精密で複雑な構造を必要とする。このため、電圧センサを単セルそれぞれに配置する態様の燃料電池システムは、高価となる上に、精密な構造とせざるを得ないものとなっていた。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、電圧センサを単セルそれぞれに配置せずとも、水素欠乏を起こしているセルを特定することのできる、燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った。そして、燃料電池の出力低下を検知した場合や、水素欠乏時に発生する二酸化炭素をアノード側出口にて検知した場合等に、燃料電池に所定の負荷変動を実施し、変動後、アノード側出口における二酸化炭素濃度の上昇がみられるまでの時間を測定し、得られた時間を、予め作成しておいたセル位置マップと照合すれば、水素欠乏を起こしているセルを特定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。なわち、本発明は、以下のとおりである。
複数のセルが積層された燃料電池スタックを備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックから排出されるアノード排ガス中の二酸化炭素の濃度を検出する、二酸化炭素濃度検出部と、
前記二酸化炭素濃度検出部で前記二酸化炭素が検出されたときに、水素欠乏が発生しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する、水素欠乏セル推定部と、
を備え、
前記水素欠乏セル推定部は、前記燃料電池スタックに所定の負荷変動を付与したときの、前記二酸化炭素濃度検出部で前記二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間と、水素欠乏しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置と、の関係のマップデータに基づいて、水素欠乏が発生しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する、
燃料電池システム。
本発明の燃料電池システムによれば、電圧センサを単セルそれぞれに配置せずとも、水素欠乏を起こしているセルを特定することができる。
このため、水素欠乏を確認してセルの交換が必要となったときに、水素欠乏を起こしているセルのみを交換することが可能となり、交換の必要がないセルも含めたスタック全体の交換を回避することができる。その結果、資源的なロスを抑制することができる。
また、電圧センサを単セルそれぞれに配置しないことで、燃料電池システムの構成を簡略化することが可能となり、また、電圧センサに要していたコストを低減することも可能となる。更には、燃料電池の容積を低減することが可能となり、体積エネルギー密度を向上させることができる。
一般的な燃料電池システムの構成を示す図である。 負荷変動を付与したときの二酸化炭素濃度検出部での検出時間と、検出された二酸化炭素の濃度との関係を示すグラフである。 負荷変動を付与したときの、二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間と、水素欠乏しているセルの燃料電池スタックの積層方向における位置とのマップデータのグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、種々変形して実施することができる。
《燃料電池システムの構成》
本発明の燃料電池システムは、複数のセルが積層された燃料電池スタックと、二酸化炭素濃度検出部と、水素欠乏セル推定部と、を備える。そして、燃料電池の出力低下を検知した場合や、水素欠乏時に発生する二酸化炭素をアノード側出口にて検知した場合等に、燃料電池に所定の負荷変動を実施することで、水素欠乏を起こしているセルを特定することができる。
本発明の燃料電池システムは、例えば、電気自動車に搭載されて、駆動用電源として用いることができる。あるいは、定置型電源として用いてもよい。
<燃料電池>
本発明の燃料電池システムを構成する燃料電池は、特に限定されるものではなく、公知の燃料電池を適用することができる。燃料電池は、複数のセルが積層されたスタックとなっている。
そして、スタックを形成する一般的な単セルは、例えば、アノード側セパレーター、アノード側ガス拡散層、アノード側触媒層、電解質膜、カソード側触媒層、カソード側ガス拡散層、及びカソード側セパレーターが、この順に積層された積層体となっている。すなわち、一般的な燃料電池の単セルとなる積層体は、電解質膜の各々の面の側が、アノード(An)又はカソード(Ca)となっている。
(電解質膜)
燃料電池セルにおける電解質膜は、アノード側触媒層とカソード側触媒層との間に配置される。電解質膜は、電子及びガスの流通を阻止するとともに、アノードで発生したプロトン(H)を、アノード側触媒層からカソード側触媒層に移動させる機能を有する。
電解質膜は、湿潤状態で良好な電子伝導性を示すものであり、固体高分子電解質型燃料電池の場合には、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いる。
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸(PFSA)アイオノマー等のスルホン酸基を含む高分子電解質樹脂で形成された、イオン伝導性を有するイオン交換膜が挙げられる。なお、スルホン酸基に限定されるものではなく、例えば、リン酸基やカルボン酸基等、他のイオン交換基(電解質成分)を含む膜であってもよい。
(触媒層)
電解質膜の各々の面に形成される触媒層は、アノード側及びカソード側でそれぞれ異なる働きをする。アノード側触媒層は、アノードガスである水素(H)を、プロトン(H)と電子(e)に分解する機能を有する。一方で、カソード側触媒層は、プロトン(H)と電子(e)と、カソードガスに含まれる酸素(O)から、水(HO)を生成する機能を有する。
アノード側及びカソード側の触媒層は、同様の材料で形成することができる。例えば、白金や白金合金等の触媒を担持した導電性の担体が用いられ、更に具体的には、例えば、導電性物質として機能するカーボンブラック等の炭素粒子に触媒が担持された、触媒担持炭素粒子と、上記した電解質膜の構成成分である、イオン交換基によりプロトン伝導性を発現する電解質成分と、から構成される層が挙げられる。触媒担持炭素粒子が、プロトン伝導性を有するアイオノマー等の電解質成分により被覆されて形成された層であってもよい。
(ガス拡散層)
ガス拡散層は、供給される反応ガスを拡散させて均一にし、隣接する触媒層にガスを行き渡らせる機能を有する。ガス拡散層は、拡散層基材層にマイクロポーラス層が積層された積層体となっていることが一般的であり、マイクロポーラス層(MPL)が、隣接する触媒層に面するように配置される。
ガス拡散層を構成する拡散層基材層は、例えば、カーボンペーパー若しくはカーボンクロス等のカーボン多孔質体、又は金属メッシュ若しくは発泡金属等の金属多孔質体等により、形成することができる。
拡散層基材層の上に存在し、触媒層と隣接するマイクロポーラス層(MPL))は、一般に、炭素粒子と撥水性樹脂とを、主成分として含む層である。
炭素粒子としては、例えば、カーボンブラック、グラフェン、又は黒鉛等の粒子等を挙げることができる。撥水性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系の高分子材料や、ポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。
(セパレーター)
セパレーターは、発電要素となる積層体を両側から挟み込む役割を果たす。そして、アノード側セパレーターには、アノードガスが流れる流路(アノード側流路)が形成されており、カソード側セパレーターには、カソードガスが流れる流路(カソード側流路)が形成されている。
<アノードガス供給部>
燃料電池システムは一般に、アノードガスとして水素(H)を用いる。そして、燃料電池システムおいてアノードガスは、複数のセルが積層された燃料電池スタックに導入され、それぞれの単セルにて発電のために消費された後に、それぞれの単セルから排出され、最終的に、燃料電池スタックからアノード排ガスとして排出される。本明細書において、燃料電池スタックにアノードガスを導入し、また、燃料電池スタックからアノード排ガスを排出する箇所を、アノードガス供給部と呼ぶ。
本発明の燃料電池システムは、アノードガス供給部に、後記する二酸化炭素濃度検出部と、水素欠乏セル推定部とを備えることを特徴とする。
アノードガス供給部のその他の構成は、特に限定されるものではなく、燃料電池スタックにアノードガスを供給できるものであればよい。一般的には、アノードガスタンクと、アノードガス供給管と、アノードガス排気管と、アノードガス還流管と、主止弁と、可変調圧弁と、ポンプと、を少なくとも備える。
アノードガスタンクは、アノードガスとしての水素ガスが貯蔵される貯蔵装置であり、アノードガス供給管を介して、燃料電池スタックにおけるアノード側流路に接続されている。アノードガス供給管上には、アノードガスタンクから近い順に、主止弁と可変調圧弁とが設けられる。可変調圧弁は、アノードガスタンクから燃料電池へ供給されるアノードガスの圧力(アノードガス量)を調整するための、調圧弁である。
アノードガス排気管は、燃料電池におけるアノード側流路から排出されるアノード排ガスが流れる流路である。アノードガス還流管は、アノードガス排気管と、アノードガス供給管における可変調圧弁よりも下流側の部位とに接続される。
そして、アノード側流路からアノードガス排気管に排出されたアノード排ガスは、アノードガス還流管を経由して、再びアノードガス供給管に導かれる。アノードガス還流管には、流路内でアノードガスを循環させるための駆動力を発生してアノードガスの流量を調節するために、ポンプが設けられている。
上記の構成の燃料電池システムおいては、アノードガスは、アノードガス供給管、燃料電池スタック、アノードガス排気管、及びアノードガス還流管等を介して、循環することとなる。
図1は、一般的な燃料電池システムの構成を示す図である。図1を用いて、燃料電池スタックにおけるアノードガスである水素(H)の動きを説明する。
燃料電池スタック10は、複数のセルが積層された構成となっており、図1に示されるように、アノードガスである水素(H)の入口及び出口に近いセルである出入口部セルA、積層スタックの中央部に位置するセルである中央部セルB、水素(H)の入口及び出口から最も遠くに位置する奥部セルCを有する。
図1に示される燃料電池システムにおいては、アノードガスである水素(H)は、燃料電池スタック10の一端部から、燃料電池スタック10の積層方向に向かって流れるように、導入される。
アノードガス供給部にて、水素(H)の入口から燃料電池スタック10に導入された水素(H)の一部は、出入口部セルAに到達した後に発電のために消費されつつ出入口部セルAを通過し、その後、出入口部セルAから排出され、水素(H)の出口まで移動して、燃料電池スタック10からアノード排ガスとして排出される。
同様に、水素(H)の入口から燃料電池スタック10に導入されたアノードガスである水素(H)の一部は、中央部セルBに到達した後に発電のために消費されつつ中央部セルBを通過し、その後、中央部セルBから排出され、燃料電池スタック10からアノード排ガスとして排出される。
同様に、水素(H)の入口から燃料電池スタック10に導入されたアノードガスである水素(H)の一部は、奥部セルCに到達した後に発電のために消費されつつ奥部セルCを通過し、その後、奥部セルCから排出され、水素(H)の出口まで移動して、燃料電池スタック10からアノード排ガスとして排出される。
したがって、出入口部セルAを通過する水素(H)は、燃料電池スタック10においては、水素(H)の入口から出口までの道のりが短いため、短時間にて燃料電池スタック10から排出されることとなる。一方で、奥部セルCを通過する水素(H)は、燃料電池スタック10において、水素(H)の入口から出口までの道のりが長いため、出入口部セルAや中央部セルBを通過する水素(H)と比較して、燃料電池スタック10から排出されるまでの時間が長くなる。
(二酸化炭素濃度検出部)
本発明の燃料電池システムは、アノードガス供給部に、燃料電池スタックから排出されるアノード排ガス中の二酸化炭素の濃度を検出するための、二酸化炭素濃度検出部を備える。
水素が欠乏したセルでは、下記式(4)に示す反応が起こし、二酸化炭素を発生する。そして、燃料電池における他の反応では、二酸化炭素の発生は起こらない。このため、二酸化炭素濃度検出部にて、アノード排ガス中に二酸化炭素が検出されたときには、燃料電池スタックを構成している単セルのいずれかにて、水素欠乏が発生していると判断できる。
C + 2HO → CO +4e +4H・・・(4)
二酸化炭素濃度検出部にて二酸化炭素を検出するための方法や装置は、特に限定されるものはなく、二酸化炭素の濃度を測定できるものであればよい。例えば、二酸化炭素濃度検出センサ等が挙げられる。
二酸化炭素濃度検出センサを備えさせる場合には、その種類は特に限定されるものではないが、中では、応答性及び精度の観点から、NDIR方式の二酸化炭素センサが好ましい。
(水素欠乏セル推定部)
本発明の燃料電池システムは、アノードガス供給部に、上記した二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素が検出されたときに、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する、水素欠乏セル推定部、例えばブロセッサを備える。
水素欠乏セル推定部は、燃料電池スタックに所定の負荷変動を付与したときの、二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間と、水素欠乏しているセルの燃料電池スタックの積層方向における位置との関係のマップデータを備える。そして、当該マップデータに基づいて、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する。
燃料電池スタックに水素欠乏が発生しているセルが存在する場合に、燃料電池システムに負荷変動を付与すると、アノード排ガス中に、水素欠乏セルから発生する二酸化濃度の上昇がみられる。
このとき、水素欠乏が発生しているセルが、燃料電池スタックへの水素の出入口に近いセルであれば、水素(H)の入口から出口までの道のりが短いため、短時間にて燃料電池スタックからアノード排ガスが排出されることとなるため、二酸化濃度の上昇がみられるまでの時間は短いものとなる。
一方で、水素欠乏が発生しているセルが、燃料電池スタックへの水素の出入口から遠いセルであれば、水素(H)の入口から出口までの道のりが長いため、燃料電池スタックからアノード排ガスが排出されるまでの時間が長くなるため、二酸化濃度の上昇がみられるまでの時間が長いものとなる。
図2は、図1に示される燃料電池システムに負荷変動を付与したときの、二酸化炭素濃度検出部での検出時間と、検出された二酸化炭素の濃度との関係を示すグラフである。
図2に示されるように、出入口部セルAで水素欠乏が発生した場合には、燃料電池スタック10において、水素(H)の入口から出口までの道のりが短いため、負荷変動を付与した後、時間t1という短時間の経過で、二酸化濃度の上昇がみられる。
中央部セルBで水素欠乏が発生した場合には、燃料電池スタック10において、水素(H)の入口から出口までの道のりが出入口部セルAよりも長くなるため、負荷変動後、時間t2が経過した付近で、二酸化濃度の上昇がみられる。
奥部セルCを通過する水素(H)は、燃料電池スタック10において、水素(H)の入口から出口までの道のりが中央部セルBよりも長くなるため、負荷変動後、時間t3が経過した付近で、二酸化濃度の上昇がみられる。
水素欠乏セル推定部が備える、燃料電池スタックに所定の負荷変動を付与したときの、水素欠乏しているセルの燃料電池スタックの積層方向における位置と、二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間との関係のマップデータは、上記で説明した、負荷変動後に二酸化炭素濃度の上昇が検出されるまでの時間と、燃料電池スタックにおける水素欠乏セルの位置との関係を示すマップである。
上記の関係を示すマップの一例を、図3に示す。図3は、横軸が負荷変動後に二酸化炭素濃度の上昇が検出されるまでの時間であり、縦軸が水素欠乏したセルの位置を示すマップである。本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタックにおいて水素欠乏を起こしたセルの位置を変化させて、所定の負荷変動を実施したときに、二酸化炭素濃度の上昇が検出されるまでの時間を計測し、これらがプロットされたマップデータを予め作成し、備えさせておく。
図3のマップに示されるように、水素欠乏したセルの位置が、出入口部セルA<中央部セルB<奥部セルCの順で、二酸化炭素濃度の上昇が検出されるまでの時間が長くなることが判る。
そして、水素欠乏セル推定部では、二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間との関係のマップデータに基づいて、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する。
<カソードガス供給部>
燃料電池システムは一般に、カソードガスとして、空気を用いる。そして、燃料電池システムおいてカソードガスは、複数のセルが積層された燃料電池スタックに導入され、それぞれの単セルにて消費されて水を生成する。消費されずに残ったカソードガスは、それぞれの単セルから排出され、最終的に、燃料電池スタックからカソード排ガスとして排出される。本明細書において、燃料電池スタックにカソードガスを導入し、また、燃料電池スタックからカソード排ガスを排出する箇所を、カソードガス供給部と呼ぶ。
カソードガス供給部の構成は、燃料電池にカソードガスを供給することができれば、特に限定されるものではない。一般的には、エアコンプレッサと、カソードガス供給管と、カソードガス排出管と、背圧弁と、を備える。
エアコンプレッサは、カソードガスである空気を圧縮し、カソードガス供給管を介して、燃料電池のカソード側流路に空気を供給する。したがって、カソードガス供給管は、エアコンプレッサと燃料電池とを接続して、燃料電池にカソードガスを供給する。
カソード側流路から排出されるカソード排ガスは、カソードガス排出管を介して、燃料電池システムの外部に排出される。発電反応において、水素と酸素とが反応して生成した水は、カソード排ガスとともに燃料電池から排出され、カソードガス排出管を介して、燃料電池システムの外部に排出される。
カソードガス排出管には、背圧弁が設けられており、背圧弁の開度を調節することにより、燃料電池システムの外部に排出されるカソード排ガスの圧力(背圧)を調節し、燃料電池内部のカソードガスの背圧(圧力)を調整することができる。
なお一般的に、燃料電池システムは、アノードガスの流れとカソードガスの流れが、対向流となっている。すなわち、アノードガスとカソードガスとは、燃料電池を構成する電解質膜を挟んで、電解質膜とそれぞれ略並行に、逆向きに流れるように設計されている。
<電流制御部>
本発明の燃料電池システムは、発電中の電流を制御することのできる電流制御部を備えることが好ましい。電流制御部の構成は、電流を制御できるものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、配線に、電流センサ及び電圧センサが設けられており、燃料電池の出力電流及び出力電圧を測定可能としつつ、電流又は電圧を上昇させて燃料電池スタックに負荷を与えることのできる負荷装置を備える構成が挙げられる。
電流制御部には、更に、燃料電池の温度を測定するための温度センサや、燃料電池の抵抗値を検出するための抵抗測定器が設けられていてもよい。
<ガス供給制御部>
本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタックに供給するアノードガス及びカソードガスの流量を、それぞれ制御することのできるガス供給制御部を備えることが好ましい。
ガス供給制御部は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、一般的には、予め設定された制御プログラムに従って演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種信号を入出力する入出力ポート等を備える。
そして、主止弁、可変調圧弁、ポンプ、エアコンプレッサ、背圧弁等に対して駆動信号を出力することができる。
例えばガス供給制御部は、上記した可変調圧弁、ポンプ等に対して駆動信号を出力して、燃料電池システムを循環するアノードガスの量を調整することができる。また、背圧弁に駆動信号を出力して、カソードガスの背圧を上昇させることができる。
《燃料電池システムの作用》
本発明の燃料電池システムの作用について説明する。
本発明の燃料電池システムは、アノードガス供給部に備えられた二酸化炭素濃度検出部と、水素欠乏セル推定部の作用により、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する。
燃料電池システムが出力低下を検知した場合や、アノード排ガス中に水素欠乏時に発生する二酸化炭素検知した場合等には、本発明の燃料電池システムは、所定の負荷変動を実施する。
所定の負荷変動とは、二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間と、水素欠乏しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置との関係のマップデータに基づいて、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定するために、付加する負荷変動である。ここで、このマップデータは、予め作成されて、燃料電池システムに備えられている。
二酸化炭素濃度の上昇が検出できる負荷であれば、その種類や変動の大きさは、特に限定されるものではない。例えば、電流値を高電流に変更する等の態様が挙げられる。
電流値を高電流に変更する方法としては、例えば、上記した電流制御部において、配線に設けられた電流センサにて燃料電池の出力電流を測定しつつ、負荷装置によって電流を上昇させる方法が挙げられる。
所定の負荷変動を実施した後、二酸化炭素濃度検出部により、アノード排ガス中の二酸化炭素の濃度が上昇するまでの時間を測定し、水素欠乏しているセルの燃料電池スタックの積層方向における位置と、二酸化炭素濃度検出部で二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間との関係のセル位置マップと照合することで、水素欠乏が発生しているセルの、燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する。
10 燃料電池スタック
A 出入口部セル
B 中央部セル
C 奥部セル

Claims (1)

  1. 複数のセルが積層された燃料電池スタックを備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックから排出されるアノード排ガス中の二酸化炭素の濃度を検出する、二酸化炭素濃度検出部と、
    前記二酸化炭素濃度検出部で前記二酸化炭素が検出されたときに、水素欠乏が発生しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する、水素欠乏セル推定部と、
    を備え、
    前記水素欠乏セル推定部は、前記燃料電池スタックに所定の負荷変動を付与したときの、前記二酸化炭素濃度検出部で前記二酸化炭素の濃度の上昇が検出されるまでの時間と、水素欠乏しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置と、の関係のマップデータに基づいて、水素欠乏が発生しているセルの、前記燃料電池スタックの積層方向における位置を推定する、
    燃料電池システム。
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