JP2022039294A - 虚像表示装置及び光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】正面に画像光が射出され、外部から表示中の映像が見えてしまうことを防止する。【解決手段】虚像表示装置100は、画像光生成装置11と、部分反射膜24bを設けた凹面透過ミラー24を有し、画像光生成装置11から射出された画像光MLを虚像として結像させる光学ユニット12とを備え、光学ユニット12は、部分反射膜24bの外界側に配置され、凹面透過ミラー24を通過する光路から逸らすように画像光MLを回折させる反射型回折素子DDを有する。【選択図】図2A

Description

本発明は、シースルー型の虚像表示装置及び光学ユニットに関し、特に画像光を凹面透過ミラーに入射させ凹面透過ミラーからの反射光を観察するタイプの虚像表示装置及び光学ユニットに関する。
虚像表示装置として、透過反射面と凹面透過ミラーとを備える所謂バード・バス型の装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、透過反射面を設けたプリズム部材に入射した画像光をプリズム部材の全反射面で透過反射面に向けて全反射させて導くとともに、透過反射面によって画像光をプリズム部材の前方に配置された凹面透過ミラーに向けて反射することが記載されている。
特開2020-008749号公報
上記特許文献1の虚像表示装置では、正面に画像光が射出されるため、外部から表示中の映像が見えてしまうという問題がある。
本発明の一側面における虚像表示装置は、画像光生成装置と、部分反射膜を設けた凹面透過ミラーを有し、画像光生成装置から射出された画像光を虚像として結像させる光学ユニットとを備え、光学ユニットは、部分反射膜の外界側に配置され、凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように画像光を回折させる反射型回折素子を有する。
第1実施形態の虚像表示装置の装着状態を説明する外観図である。 図1の虚像表示装置を説明する側方断面図である。 凹面透過ミラー等を説明する部分拡大側方断面図である。 凹面透過ミラーに組み込んだ反射型回折素子の機能を説明する図である。 変形例の虚像表示装置を説明する側方断面図である。 第2実施形態の装置を説明する側方断面図である。 図5の装置における反射型回折素子等の機能を説明する図である。 変形例の虚像表示装置を説明する側方断面図である。 第3実施形態の装置を説明する側方断面図である。 図8の装置における反射型回折素子等の機能を説明する図である。 第4実施形態について説明する側方断面図である。 第5実施形態について説明する斜視図である。 第6実施形態の虚像表示装置を説明する平面断面図である。 変形例の虚像表示装置を説明する平面断面図である。 第7実施形態の虚像表示装置を説明する正面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1~4等を参照して、本発明に係る第1実施形態の虚像表示装置及びこれに組み込まれる光学ユニットについて説明する。
図1は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する。)200の装着状態を説明する図であり、HMD200は、これを装着する観察者又は装着者USに虚像としての映像を認識させる。図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、HMD200又は虚像表示装置100を装着した観察者又は装着者USの両眼EYの並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、装着者USにとっての両眼EYの並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、+Z方向は、装着者USにとっての前方向又は正面方向に相当する。±Y方向は、鉛直軸又は鉛直方向に平行になっている。
HMD200は、右眼用の第1表示装置100Aと、左眼用の第2表示装置100Bと、表示装置100A,100Bを支持するテンプル状の一対の支持装置100Cとを備える。第1表示装置100Aは、上部に配置される表示駆動部102と、メガネレンズ状で眼前を覆う外観部材105とで構成される。第2表示装置100Bも同様に、上部に配置される表示駆動部102と、メガネレンズ状で眼前を覆う外観部材105とで構成される。支持装置100Cは、表示駆動部102を介して外観部材105の上端側を支持している。第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとは、光学的に左右を反転させたものであり、以後では、右眼用の第1表示装置100Aを代表の虚像表示装置100として説明する。
図2Aを参照して、右眼用の表示装置100Aである虚像表示装置100について説明する。虚像表示装置100は、画像光生成装置11と光学ユニット12と表示制御回路13とを備える。ただし、本明細書において、表示制御回路13を除いたものも、光学的機能を達成する観点で虚像表示装置100と呼ぶ。画像光生成装置11や表示制御回路13は、図1に示す表示駆動部102の外枠内に支持され、光学ユニット12の一部も、表示駆動部102の外枠内に支持されている。
画像光生成装置11は、自発光型の表示デバイスである。画像光生成装置11は、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)ディスプレイであり、2次元の表示面11aにカラーの静止画又は動画を形成する。画像光生成装置11は、表示制御回路13に駆動されて表示動作を行う。画像光生成装置11は、有機ELディスプレイに限らず、無機EL、LEDアレイ、有機LED、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等を用いた表示デバイスに置き換えることができる。画像光生成装置11は、自発光型の画像光生成装置に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。画像光生成装置11として、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
光学ユニット12は、投射レンズ21と、透過傾斜ミラー23と、凹面透過ミラー24とを備える結像系であり、画像光生成装置11から射出された画像光MLを虚像として結像させる。光学ユニット12において、画像光生成装置11から投射レンズ21にかけての光路は、透過傾斜ミラー23の上側に配置されている。より具体的には、画像光生成装置11や投射レンズ21は、透過傾斜ミラー23を延長した傾斜平面と、凹面透過ミラー24の上端を上方に延長した鉛直面との間に挟まれた空間に配置されている。
投射レンズ21は、図1に示す表示駆動部102の外枠内に保持され、画像光生成装置11から射出された画像光MLを結像するように収束させた後に透過傾斜ミラー23に入射させる。投射レンズ21は、詳細な説明を省略するが、1枚以上のレンズで構成することができ、球面レンズ又は非球面レンズを含むものであるが、自由曲面レンズを含むものであってもよい。
透過傾斜ミラー23は、平板状の光学部材であり、透過性を有する平面反射面MSを有する。透過傾斜ミラー23における透過の語は、光を部分的に透過させることを意味する。透過傾斜ミラー23は、一様な厚さを有し透過性を有する平行平板23aの内側面23r上に透過反射膜として金属膜又は誘電体多層膜を形成したものであり、かかる透過反射膜は、平面反射面MSとして機能する。平面反射面MSの反射率及び透過率は、例えば50%程度に設定される。なお、平行平板23aの外側面23f上には、反射防止膜を形成することができる。
透過傾斜ミラー23は、光軸AXをYZ面内で直交する方向に折り曲げる。投射レンズ21を経て下方向に進む画像光MLは、透過傾斜ミラー23によって前方である+Z方向に折り曲げられ、凹面透過ミラー24に入射する。透過傾斜ミラー23は、凹面透過ミラー24と眼EY又は瞳孔が配置される射出瞳EPとの間に配置されて射出瞳EPを覆っている。透過傾斜ミラー23は、図1に示す表示駆動部102の外枠に対して直接又は間接的に固定することができ、凹面透過ミラー24等に対する配置関係が適切に設定された状態とすることができる。
凹面透過ミラー24は、射出瞳EPに向かって凹形状を有する光学部材である。凹面透過ミラー24における透過の語は、光を部分的に透過させることを意味する。凹面透過ミラー24は、結像のための機能として光収束機能を有し、透過傾斜ミラー23で反射され発散しつつ前方に進む画像光MLを反射することによってコリメートする。凹面透過ミラー24によって透過傾斜ミラー23に戻された画像光MLは、透過傾斜ミラー23を部分的に透過し射出瞳EPに集められる。つまり、凹面透過ミラー24は、内側に凹の部分反射膜24bによって画像光MLをコリメートしつつ射出瞳EPに集めるように反射する。この際、画像光MLは、凹面透過ミラー24の部分反射面MCの全体に対して垂直に近い方向から入射して反射されるので、光学的な対称性が高いものとなっている。凹面透過ミラー24の板状体24aは、湾曲しながらも一様な厚さを有する。板状体24aは、光を実質的に損失なく透過させる透過性を有する。板状体24aの内側面24r上には、部分反射膜として金属膜又は誘電体多層膜が形成され、かかる部分反射膜は、凹の部分反射面MCとして機能する。部分反射面MCの反射率及び透過率は、例えば20~50%程度に設定される。部分反射面MCによって凹面透過ミラー24の外界光OL等に対する光透過性が確保される。板状体24aの外側面24f上には、画像光MLを回折させる反射型回折層が形成され、かかる反射型回折層は、反射型回折素子DDとして機能する。反射型回折素子DDによって凹面透過ミラー24の画像光MLに対する遮断性が確保される。反射型回折素子DDは、部分反射面MCを形成する部分反射膜の外界側に配置されることでその機能を発揮する。ここでは、反射型回折素子DDは、凹面透過ミラー24の外界側面を形成するように凹面透過ミラー24の一部として形成されている。この場合、部品点数を減らして装置の重量や価格の増加を抑えることがきる。なお、反射型回折素子DDの表面上には、反射防止膜を形成することができる。
部分反射面MCは、自由曲面であってもよいが、球面や非球面のような軸対称な曲面とすることで、部分反射面MCに目的とする反射特性を持たせることが容易になる。
凹面透過ミラー24は、図1に示す透過性の外観部材105の一部を構成するように組み込まれている。つまり、凹面透過ミラー24の周囲に透過性を有し或いは透過性を有しない板状部材を拡張するように設けることで、凹面透過ミラー24を含む外観部材105とすることができる。外観部材105は、メガネレンズ状のものに限らず、様々な輪郭又は外観とすることができる。
凹面透過ミラー24又は板状体24aは、形状的な強度を確保する観点で1mm以上の厚みを有するが、軽量化の観点で2mm以下の厚みを有することが好ましい。板状体24aは、光透過性を有する樹脂材料から、例えば射出成形によって形成される。
光路について説明すると、画像光生成装置11からの画像光MLは、投射レンズ21を経て透過傾斜ミラー23に入射する。透過傾斜ミラー23と投射レンズ21と間には、画像光生成装置11の表示面11aに形成された画像を適宜拡大した中間像(不図示)が形成されてもよい。透過傾斜ミラー23に入射して平面反射面MSによって例えば50%程度反射された画像光MLは、凹面透過ミラー24に入射して部分反射面MCによって例えば50%程度以下の反射率で反射される。凹面透過ミラー24で反射された画像光MLは、透過傾斜ミラー23を透過し、装着者USの眼EY又は瞳孔が配置される射出瞳EPに入射する。ここで、射出瞳EPは、眼EYが配置されることを想定した光学ユニット12のアイポイントであり、画像光生成装置11の表示面11aの各点からの光は、虚像の観察を可能にする角度で射出瞳EPのある一か所に集まるように入射する。射出瞳EPには、凹面透過ミラー24を通過した外界光OLも入射する。つまり、HMD200を装着した装着者USは、外界像に重ねて、画像光MLによる虚像を観察することができる。
なお、凹面透過ミラー24は、外界光OLを通過させるが画像光MLも通過させるので、凹面透過ミラー24の正面に通過光LPを生じさせる。仮に通過光LPの強度が大きいとすると、装着者USの周囲に存在する第三者OSが画像光生成装置11の表示面11aに表示された画像の一部PIを観察できるようになる(図1参照)。これに対し、本実施形態では、後述するように凹面透過ミラー24において部分反射膜24bの外界側に反射型回折素子DDを設けて通過光LPの発生を抑制し、画像の一部PIが第三者OSによって観察可能になることを回避している。
以下、図2Bを参照して、凹面透過ミラー24の構造について説明する。凹面透過ミラー24は、全体の形状を維持する支持体である板状体24aと、板状体24aの内側(図2における射出瞳EP側)に形成された部分反射膜24bと、板状体24aの外界側に形成された24cとを含む。部分反射膜24bは、内側に凹の部分反射面MCとして機能し、画像光MLを所期の反射率で反射する。この際、部分反射膜24bは、可視波長域の画像光MLを波長に関わらず略一様に反射する。反射型回折層24cは、外側に凸の反射型回折素子DDとして、部分反射膜24bを透過した画像光MLである漏れ光LEを直進光路から逸らすように回折させる。反射型回折層24cは、部分反射膜24bと同様の曲面であり、板状体24aは、略一様な厚み有する。反射型回折層24cは、画像光ML又は漏れ光LEを、凹面透過ミラー24を通過する直進光路から逸らすように折り曲げる。漏れ光LEを直進光路から逸らすとは、画像光ML又は漏れ光LEの光路を外界の正面方向に向かわないように他の方向へ向けることを意味する。反射型回折素子DDを利用することで、漏れ光LEを斜めに反射するように折り曲げることができる。漏れ光LEが反射型回折素子DDに略垂直に入射する場合、漏れ光LEを折り曲げる角度は、元に対して90°以上となるが、正反射に近づかないように元に対して135°以下とする。具体的には、反射型回折層24cは、画像光ML又は漏れ光LEを、凹面透過ミラー24を通過する直進光路に対して下方向に反射するように折り曲げる。ここで、下方向とは、漏れ光LEの入射点における反射型回折層24cの接平面とYZ面に平行な面との交線に沿って入射点の下側又は-Y側を基準として45°以内の下に広がる円錐領域内であって、反射型回折層24cよりも内側又は射出瞳EP側を意味する。反射型回折層24cによって下方向に折り曲げられた回折光LDは、は凹面透過ミラー24の板状体24a内を外側面24f又は内側面24rによって反射等されつつ伝搬して端部から射出され、或いは凹面透過ミラー24の外側面24f又は内側面24rで屈折等されて外部に射出されるが、凹面透過ミラー24外に射出される回折光LDは、凹面透過ミラー24の各部で減衰され、射出方向も元の画像光MLを反映する規則性を有するものではなくなる。結果的に、漏れ光LEが存在しても、その大半が反射型回折層24cで回折され、画像光生成装置11の表示面11aに形成された表示像を反映した虚像又は実像であって第三者に観察可能なものが形成されるといった状況を回避することができる。仮に、反射型回折層24cが存在しないとすると、画像光MLの漏れ光LEが凹面透過ミラー24を直進して外界側に射出され、画像光生成装置11の表示面11aに形成された表示像を反映した虚像又は実像の一部が第三者にとって観察可能となる。なお、凹面透過ミラー24の下端の縁には、回折光LDを吸収するための吸収材を塗布し又は接着することができる。
反射型回折層24c又は反射型回折素子DDは、3色に対応する3つの回折要素として、赤のR光を回折するR回折層41aと、緑のG光を回折するG回折層41bと、青のB光を回折するB回折層41cとを含む。R回折層41aは、漏れ光LEのR成分LE1を回折しての元の光路から逸らし、下方向に射出される赤波長域の回折光LDを形成する。G回折層41bは、漏れ光LEのG成分LE2を回折して元の光路から逸らし、下方向に射出される緑波長域の回折光LDを形成する。B回折層41cは、漏れ光LEのB成分LE3を回折して元の光路から逸らし、下方向に射出される青波長域の回折光LDを形成する。R回折層41a、G回折層41b、及びB回折層41cは、それぞれが反射型回折素子であり、フィルム状の光学素子として個別に作製され、互いに接合されて積層され、全体として板状体24aの外側面24f上に張り付けられて外界側面を形成している。各回折層41a,41b,41cは、例えば体積ホログラム素子である。各回折層41a,41b,41cが体積ホログラム素子である場合、反射型回折素子DDは、3色に対応する3つの体積ホログラム層として、3層の回折層41a,41b,41cを含むものとなる。この場合、回折層41a,41b,41cは、例えば物体光と参照光とをフィルム状の記憶材料に照射し記憶材料内でこれらを干渉させて露光・記録するといった手法によって作製される。
なお、部分反射膜24bは、板状体24a上に直接形成されるものである必要はなく、例えば板状体24aをハードコート膜で被覆し、その上に部分反射膜24bを形成してもよい。反射型回折層24cも、板状体24a上に直接形成され或いは直接貼り付けられるものである必要はなく、例えば板状体24aをハードコート膜で被覆し、その上に反射型回折層24cを形成し或いは貼り付けてもよい。さらに、部分反射膜24bは、板状体24a中に埋め込まれるものであってもよい。
反射型回折素子DDは、R回折層41a、G回折層41b、及びB回折層41cからなる3層構造とする必要はなく、単一の層内にRGBの各色の画像光ML又は漏れ光LEを回折する縞を一括して作り込んだものであってもよい。このように、単層でRGBの画像光ML又は漏れ光LEを回折させる場合、3つの回折層41a,41b,41cを組み込む場合に比較して回折効率が低下しピーク波長で若干の抜け光が発生すると考えられるが、このような抜け光の光強度が大きくなければ、第三者が表示中の画像を観察することは容易でなくなる。逆に、反射型回折素子DDは、3層以上の多層構造とすることもできる。例えば、上記回折層41a,41b,41cのほかに、RG間の波長域で画像光MLを回折させる第4の回折層と、GB間の波長域で画像光MLを回折させる第5の回折層とを追加して、5層構造の反射型回折素子DDとすることができる。この場合、RG間又はGB間の波長域で用いられている画像光MLが凹面透過ミラー24の外界側に射出されて第三者にとって観察可能となることを防止することができる。
以上では、反射型回折層24cは、画像光ML又は漏れ光LEを、凹面透過ミラー24を通過する光路から逸らすように下方向に反射し又は折り曲げるように伝搬させるとしたが、画像光ML又は漏れ光LEを、元の光路から上方向に反射し又は折り曲げるように伝搬させるものであってもよい。ここで、上方向とは、漏れ光LEの入射点における反射型回折層24cの接平面とYZ面に平行な面との交線に沿って入射点の上側又は+Y側を基準として45°以内の上に広がる円錐領域内であって、反射型回折層24cよりも内側又は射出瞳EP側を意味する。この場合、凹面透過ミラー24の上端の縁には、回折光LDを吸収するための吸収材を塗布し又は接着することができる。3つの回折層41a,41b,41cは、RGBの各色光を同じ方向に回折させるものである必要はなく、いずれか1色を上側に回折させ、残りの色を下側に回折させてもよい。3つの回折層41a,41b,41cは、同様に回折効率を高めたものである必要はなく、例えば比視感度の高いG回折層41bについて相対的に回折効率を高めることもできる。
反射型回折層24cは、画像光ML又は漏れ光LEを凹面透過ミラー24の左右の横方向又は斜め方向に反射し又は折り曲げるように伝搬させるものであってもよい。ここで、横方向とは、漏れ光LEの入射点における反射型回折層24cの接平面とYZ面に平行な面との交線に沿って入射点の±X側を基準として45°以内の円錐領域内であって、反射型回折層24cよりも内側又は射出瞳EP側を意味する。この場合、凹面透過ミラー24の右端又は左端の縁には、回折光LDを吸収するための吸収材を塗布し又は接着することができる。ただし、横方向の場合、漏れ光LEの回折角度が大きくなると、回折光LDが凹面透過ミラー24内面から凹面透過ミラー24の側方に射出される割合が高まる。これを回避するため、装着者USの横に居る第三者が虚像を観察できないように、凹面透過ミラー24の左右端において顔側に張り出す遮光部材を設けることが望ましい場合も生じ得る。なお、斜め方向とは、横方向と上下方向との中間方向を意味し、例えば+X方向と+Y方向との中間及びそれに対して45°以内の円錐領域内であって、反射型回折層24cよりも内側又は射出瞳EP側を意味する。
図3は、凹面透過ミラー24に設けた反射型回折層24c又は反射型回折素子DDの機能を説明する模式的なチャートである。このチャートにおいて、横軸は、波長を示し、縦軸は、光強度(任意単位)を示す。実線で示す画像光MLの波長特性W1は、画像光生成装置11の発光特性に対応し、青のB光、緑のG光、及び赤のR光の波長域において光強度のピークを有する。一点鎖線で示す波長特性W2は、反射型回折層24c又は反射型回折素子DDによる回折光LDの光強度と反射型回折層24c又は反射型回折素子DDによる内部吸収とを加算したものである。反射型回折層24c又は反射型回折素子DDによる回折光LDのピークごとの波長幅については、標準的には±数15nm程度に設定される。ただし、設計波長以外の画像光MLも、目標の角度とはならないが、ある程度の効率で反射され光路を逸らすことができる。また、反射型回折素子DDに形成する干渉縞にある程度の揺らぎを持たせることなどによって、回折効率のピーク値は下がるが、回折波長幅についてある程度の調整が可能になる。これにより、反射型回折素子DDによる回折対象波長を画像光MLの波長幅に近づけるように調整することができる。破線で示す波長特性W3は、凹面透過ミラー24を最終的に通り抜ける画像光MLつまり通過光LPの光強度を示しており、元の画像光MLの光強度と比較するとピーク高さが大幅に減少しており、特にB光、G光、及びR光の波長域で光強度がゼロに近いレベルまで低くなっている。なお、B光、G光、及びR光の波長域間、つまりBGの中間波長域及びGRの中間波長域では、若干の通過光LPが許容されるが、外界光OLの通過も許容され、外界光OLの確実なシースルー視が確保され明るい外界像の観察が可能になっている。
図4は、図2Aに示す光学ユニット12の変形例を説明する図である。この場合、凹面透過ミラー24又は外観部材105の前面にカバー124を配置し、凹面透過ミラー24等の全体をカバー124で覆っている。この変形例では、凹面透過ミラー24ではなくカバー124に反射型回折素子DDである反射型回折層24cを形成している。つまり、反射型回折素子DDは、凹面透過ミラー24の外界側に配置されたカバー124に形成されている。カバー124に反射型回折素子DDを形成することにより、反射型回折素子DDの製造や組み込みが容易になる。反射型回折素子DD又は反射型回折層24cは、図示のように板状体124aの外側面124f上に形成されてもよいが、内側面124r上に形成されてもよい。外側面124f上に反射型回折層24cを形成した場合、内側面124r上に反射防止膜を形成することができ、内側面124r上に反射型回折層24cを形成した場合、外側面124f上に反射防止膜を形成することができる。なお、カバー124は、図1に示す表示駆動部102の外枠に対して着脱可能なシェードのようなものとすることができる。この際、板状体124aは、例えば光吸収剤を分散させ或いは含侵させた光吸収材で形成することができる。カバー124は、図示のように平坦であってもよいが、凹面透過ミラー24と同様の曲率を持たせたものとすることができる。この場合、カバー124は、凹面透過ミラー24や射出瞳EPに向かって凹の板状体となり、反射型回折素子DDも凹面透過ミラー24や射出瞳EPに向かって凹面を形成する。
以上のように、第1実施形態の虚像表示装置100によれば、反射型回折素子DDが凹面透過ミラー24を通過する光路から逸らすように画像光MLを回折させるので、部分反射膜24bを透過して外界側に射出される画像光MLを抑制することができ、表示中の映像が外部から見えにくくなり、情報漏えいの抑制効果が高まる。
また、本実施形態の虚像表示装置100では、反射型回折素子DDが画像光MLを上方又は下方に回折させる。虚像表示装置100の上方や下方に第三者が存在する状況は生じにくく、上方又は下方に遮光部材を配置することは容易であるので、情報漏えいの抑制効果をより高めることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の虚像表示装置について説明する。第2実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図5は、第2実施形態の虚像表示装置100について説明する側方断面図である。この場合、画像光生成装置11の表示面11a上に波長制限フィルター51が配置されている。つまり、波長制限フィルター51は、画像光生成装置11に付随して設けられている。波長制限フィルター51は、例えば誘電体多層膜を含み、特定波長域で光を透過させ特定波長域以外で光を減衰させる。波長制限フィルター51の透過特性は、反射型回折層24c又は反射型回折素子DDによる回折効率の波長特性に対応させたものとなっており、画像光MLのうち反射型回折層24cで回折されやすい波長成分を透過させる波長特性を有する。つまり、波長制限フィルター51は、画像光MLの波長分布を反射型回折素子DDの波長特性に応じて修正したものとなっている。この場合、波長制限フィルター51に入射する画像光MLの特性を反射型回折素子DDの回折特性に適合させやすくなり、情報漏えい防止の確実性が高まる。
図6は、波長制限フィルター51や反射型回折素子DDの機能を説明する模式的なチャートであり、図3に対応する。図6に示す例において、実線で示す画像光MLの波長特性W1は、画像光生成装置11の発光特性又は光源特性に対して波長制限フィルター51の透過特性を重ねたものとなっている。つまり、波長制限フィルター51は、図3に示す波長特性W1を図6に示す波長特性W1に低下させるような透過率分布を有している。波長制限フィルター51の透過特性については、誘電体多層膜を構成する誘電体膜の屈折率、膜厚、層数等を調整することによって制御することができる。一点鎖線で示す反射型回折素子DDの波長特性W2については、図3に示すものと同じで変更はない。結果的に、凹面透過ミラー24を最終的に通り抜ける画像光ML又は通過光LPの波長特性W3は、B光、G光、及びR光の波長域だけでなく、BGの中間波長域及びGRの中間波長域においても、光強度が低いレベルに抑え込まれたものとなっている。この場合、BGの中間波長域及びGRの中間波長域で光の抜けがなくなり、よりプライバシー保護といった情報漏えいの抑制効果が高まる。また、本実施形態の装置では、画像光MLに使用する光の波長幅を狭くすることになり、色三角形の色域を広くとることができるという利点が生まれる。ただし、眼EYに到達する光強度は小さくなるため、光利用効率は落ちる。
図6に示す例では、波長制限フィルター51によって、画像光MLの波長特性W1において、RGBの各色の光源波長幅が反射型回折素子DDの各色に関する回折波長幅と同程度にまで絞られたものとなっている。なお、図示を省略するが、画像光MLの波長特性W1において、RGBの各色の光源波長幅が反射型回折素子DDの各色に関する回折波長幅よりも狭くなってもよい。この場合、通過光LPをほぼ無くすことができ情報漏えいの抑制効果が高い。
図7は、図6に示す光学ユニット12の変形例を説明する図である。この場合、凹面透過ミラー24の反射型回折層24c又は反射型回折素子DDの内側に波長制限フィルター151を配置している。より詳細に説明すると、波長制限フィルター151は、凹面透過ミラー24において基材である板状体24aと反射型回折素子DDとの間に配置されている。波長制限フィルター151は、図6に示す光学ユニット12に組み込まれた波長制限フィルター51と同一の波長特性を有する。反射型回折素子DDの内側に波長制限フィルター151を配置する場合、眼に到達する光強度は、図6に示す構造と同様となるが、外界光OLが波長制限フィルター151によって減衰され、シースルー性が低下する。なお、図示を省略するが、透過傾斜ミラー23の外側面23f上に波長制限フィルター151を配置することもできる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の虚像表示装置について説明する。第3実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図8は、第3実施形態の虚像表示装置100について説明する側方断面図である。この場合、画像光生成装置311は、狭帯域光源311aとスキャナー311bとを有する。狭帯域光源311aは、具体的には、レーザー光源であり、半値幅が±1nm以下となっている。狭帯域光源311aは、詳細な説明を省略するが、RGBの3つの光源からのレーザー光をダイクロイックミラーで合成したものであり、表示制御回路13によってRGBの各色の発光タイミングを高速でオン・オフすることができるようになっている。スキャナー311bは、表示制御回路13の制御下で狭帯域光源311aの発光タイミングと同期してミラー15を2軸のまわりに往復回転させることで周期的に傾斜させ、レーザー光の反射方向を2軸方向のまわりに関して制御することができる。これにより、画像光生成装置311から射出される画像光MLは、虚像表示装置100において観察される虚像に対応する角度及び強度を有し、2次元的に走査されるものとなる。スキャナー311bは、光学ユニット12の一部でもある。
図9は、画像光生成装置311の特性や反射型回折素子DDの機能を説明する模式的なチャートであり、図3に対応する。図9に示す例において、実線で示す画像光MLの波長特性W1は、画像光生成装置311の発光特性であり、波長的広がりが殆どなく、ピーク値を有するものとなっている。一点鎖線で示す反射型回折素子DDの波長特性W2については、図3に示すものと同じで変更はない。結果的に、凹面透過ミラー24を最終的に通り抜ける画像光ML又は通過光LPは、殆どゼロで存在しない。
以上において、狭帯域光源311aは、LED等の光源を狭帯域化したものであってもよい。また、スキャナー311bは、2つのミラー15を非平行な軸のまわりに回転させるものであってもよい。さらに、スキャナー311bの後段に光束の状態を調整するためのリレーレンズや、画像光MLの光束サイズを拡大する瞳拡大部材を配置することもできる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態の虚像表示装置について説明する。第4実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図10は、第4実施形態の虚像表示装置100について説明する側方断面図である。この場合、射出瞳EPから透過傾斜ミラー23を経て凹面透過ミラー24に向かう光軸AX、つまり射出光軸AXEが前方の+Z方向に対して傾斜角δ=10°程度下向きに傾いて延びている。射出光軸AXEは、凹面透過ミラー24の形状的な対称性に由来する軸線である。射出光軸AXEを水平軸であるZ軸に対して前方側で10°程度下向きにすることにより、虚像を観察する装着者USの眼EYの疲れを低減することができる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態の虚像表示装置について説明する。第5実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図11を参照して、第5実施形態の虚像表示装置について説明する。光学ユニット512は、投射レンズ21と、折り返しミラー22と、透過傾斜ミラー23と、凹面透過ミラー24とを備える。つまり、投射レンズ21と透過傾斜ミラー23の間に折り返しミラー22が配置されている。
折り返しミラー22は、画像光生成装置11からの光路順で、第1ミラー22aと第2ミラー22bとを含む。折り返しミラー22は、投射レンズ21からの画像光MLを交差方向に反射する。第2ミラー22bの光射出側には、透過傾斜ミラー23が配置されている。投射レンズ21の光軸である投射光軸AX0は、横のX軸方向に平行に延びている。第1ミラー22aによって投射光軸AX0から反射光軸AX1に沿って光路が折り曲げられ、第2ミラー22bによって反射光軸AX1から反射光軸AX2に沿って光路が折り曲げられる。結果的に、投射レンズ21の射出側において略水平横方向に延びていた光軸が透過傾斜ミラー23の入射側において鉛直に近い方向に延びる。
透過傾斜ミラー23は、鉛直方向に延びるXY面を基準とした場合、-X側から見てX軸の周りに反時計方向に角度θ=20~40°程度傾いた状態となっている。画像光生成装置11から折り返しミラー22にかけての光路は、透過傾斜ミラー23の上側に配置されている。より具体的には、画像光生成装置11、投射レンズ21、及び折り返しミラー22は、透過傾斜ミラー23を延長した傾斜平面と、凹面透過ミラー24の上端を上方に延長した鉛直面との間に挟まれた空間に配置されている。
透過傾斜ミラー23は、上記のようにXY面を基準として、-X側から見てX軸の周りに反時計方向に角度θ=20~40°程度傾いた状態となっている。つまり、透過傾斜ミラー23は、鉛直軸であるY軸と透過傾斜ミラー23とがなす角度が45°未満となるように配置されている。Y軸と透過傾斜ミラー23とがなす角度が仮に45°よりも大きくなると、透過傾斜ミラー23が標準より倒れた状態となって、透過ミラーのZ軸方向における厚みが増えてしまうが、Y軸と透過傾斜ミラー23とがなす角度が45°よりも小さくなると、透過傾斜ミラー23が標準よりも立ち上がった状態となって、透過ミラーのZ軸方向における厚みが減る。つまり、本実施形態のようにY軸と透過傾斜ミラー23とがなす角度を45°未満とすることで、凹面透過ミラー24を基準として透過傾斜ミラー23が背面の-Z方向に大きく突出する配置になることを回避することができ、虚像表示装置100又は光学ユニット512の前後のZ方向に関する厚みが増すことを回避することができる。
光学ユニット512において、凹面透過ミラー24の断面構造は、図2Aや2Bに示すものと同じものとなっている。また、図4に示す第2実施形態のように、凹面透過ミラー24の前面にカバー124を配置し、凹面透過ミラー24ではなくカバー124に反射型回折素子DDである反射型回折層24cを形成することもできる。光学ユニット512において、図5に示す波長制限フィルター51や図7に示す波長制限フィルター151を組み込むこともできる。画像光生成装置11や投射レンズ21は、図8に示す画像光生成装置311のように、狭帯域光源311aやスキャナー311bで構成されものに置き換えることができる。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態の虚像表示装置について説明する。第6実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図12に示すように、光学ユニット612は、投射レンズ21と導光体612aとを備える。導光体612aは、導光部材31と光透過部材32とを接着層CCを介して接合したものである。導光部材31や光透過部材32は、可視域で高い光透過性を示す樹脂材料で形成されている。導光部材31は、第1面~第5面S11~S15を有し、これらのうち第1面及び第3面S11,S13は、互いに平行な平面であり、第2面、第4面、及び第5面S12,S14,S15は、全体として凸の光学面であり、例えば自由曲面からなる。光透過部材32は、第1透過面~第3透過面S21~S23を有し、これらのうち第1透過面及び第3透過面S21,S23は、互いに平行な平面であり、第2透過面S22は、全体として凹の光学面であり、例えば自由曲面からなる。導光部材31の第2面S12と光透過部材32の第2透過面S22とは、凹凸を反転させた等しい形状を有し、両者の一方の表面に部分反射膜からなる部分反射面MCが形成されている。部分反射面MCは、内側に凹で、外界側に凸となっている。部分反射面MC挟んで接合された導光部材31の部分と光透過部材32とは、透過性を有しかつ結像に寄与する凹面透過ミラー624として機能している。凹面透過ミラー624は、外界側の表面に反射型回折層24cを有している。反射型回折層24cは、部分反射面MCの外界側に配置され、反射型回折素子DDとして機能する。反射型回折素子DDは、凹面透過ミラー624を通過する光路から逸らすように画像光MLを回折させるので、部分反射膜24bを透過して外界側に射出される画像光MLを抑制することができる。
以下、画像光MLの光路について概要を説明する。導光部材31は、投射レンズ21から射出された画像光MLを、第1面~第5面S11~S15での反射等により観察者の眼に向けて導光する。具体的には、投射レンズ21からの画像光MLは、まず第4面S14に入射して反射膜RMの内面である第5面S15で反射され、第4面S14に内側から再度入射して全反射され、第3面S13に入射して全反射され、第1面S11に入射して全反射される。第1面S11で全反射された画像光MLは、第2面S12に入射し、第2面S12に設けた部分反射面MCすなわち部分反射膜を部分的に透過しつつも部分的に反射されて第1面S11に再度入射して通過する。第1面S11を通過した画像光MLは、観察者の眼が配置される射出瞳EPに略平行光束として入射する。つまり、観察者は、虚像としての画像光MLにより画像を観察することになる。
光学ユニット612は、導光部材31により観察者に画像光MLを視認させるとともに、導光部材31と光透過部材32とを組み合わせた状態で、観察者に歪みの少ない外界像を観察させるものとなっている。この際、第3面S13と第1面S11とが互いに略平行な平面(視度略0)となっていることで、外界光OLについて、収差等をほとんど生じさせない。また、第3透過面S23と第1透過面S21とが互いに略平行な平面となっている。さらに、第3透過面S23と第1面S11とが互いに略平行な平面となっていることで、収差等をほとんど生じない。以上により、観察者は、光透過部材32越しに歪みのない外界像を観察することになる。
図13は、図12に示す虚像表示装置100の変形例を説明する図である。この場合、光学ユニット612又は導光体612aの外界側にカバー124が着脱可能に固定されている。カバー124は、図4に示すものと同様の構造を有し、反射型回折素子DDとしての反射型回折層24cを有している。反射型回折素子DDは、凹面透過ミラー624を通過する光路から逸らすように画像光MLを回折させるので、部分反射膜24bを透過して外界側に射出される画像光MLを抑制することができる。
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態の虚像表示装置について説明する。第7実施形態の虚像表示装置等は、第1実施形態の虚像表示装置等を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図14を参照して、本実施形態では、凹面透過ミラー24又は外観部材105のうち局所的な有効領域A1において、部分反射面MCや反射回折素子DDを形成することができる。有効領域A1の周囲の領域A2,A3については、部分反射面MCに関して徐々に画像光MLの反射率を減少させた反射率遷移領域を形成することができ、反射回折素子DDに関して徐々に画像光MLの回折効率を減少させた遷移領域を形成することができる。なお、図4に示すように、凹面透過ミラー24を覆うようにカバー124を設ける場合、カバー124は、有効領域A1を覆うような領域に形成すれば足る。なお、カバー124が凹面透過ミラー24の外界側を全体的に覆う場合、カバー124のうち、凹面透過ミラー24の有効領域A1を射出瞳EP基準で視線方向に関して覆うような領域において、反射回折素子DDを形成することができる。
〔変形例その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
光学ユニット12は、投射レンズ21を備えない光学系にすることができる。この場合、画像光生成装置11の表示面11aに形成された表示像を凹面透過ミラー24によってコリメートする光学系となる。
凹面透過ミラー24を構成する板状体24aについては、樹脂材に限らず、ガラスや合成石英、或いはそれらと樹脂材との複合材で形成することもできる。
光学ユニット12は、透過傾斜ミラー23の前段に、導光体、プリズム、プリズムとミラーの複合体等を含む光学系であってもよい。
具体的な態様における虚像表示装置は、画像光生成装置と、部分反射膜を設けた凹面透過ミラーを有し、画像光生成装置から射出された画像光を虚像として結像させる光学ユニットとを備え、光学ユニットは、部分反射膜の外界側に配置され、凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように画像光を回折させる反射型回折素子を有する。
上記虚像表示装置では、反射型回折素子が凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように画像光を回折させるので、部分反射膜を透過して外界側に射出される画像光を抑制することができ、表示中の映像が外部から見えにくくなり、情報漏えいの抑制効果が高まる。
具体的な側面において、反射型回折素子は、画像光を上方又は下方に回折させる。虚像表示装置の上方や下方に第三者が存在する状況は生じにくく、上方又は下方に遮光部材を配置することは容易であり、情報漏えいの抑制効果をより高めることができる。
別の側面において、反射型回折素子は、凹面透過ミラーの外界側面に凹面透過ミラーの一部として形成されている。この場合、部品点数を減らして装置の重量や価格の増加を抑えることがきる。
さらに別の側面において、反射型回折素子は、凹面透過ミラーの外界側に配置されたカバーに形成されている。この場合、反射型回折素子の製造や組み込みが容易になる。
さらに別の側面において、カバーは、画像光の各色の波長域間で外界光に対して透過性を有する。
さらに別の側面において、カバーは、凹面透過ミラーの有効領域を覆うような領域に形成される。
さらに別の側面において、反射型回折素子は、体積ホログラム素子である。体積ホログラム素子は、画像光に対する制御性が高く、外界光の透過性に関する設計の自由度も高い。
さらに別の側面において、体積ホログラム素子は、3色に対応する3つの体積ホログラム層を含む。この場合、3色ごとの回折効率を高めることができ、凹面透過ミラーを経て外界側に射出される通過光を抑える効果が高まる。
さらに別の側面において、反射型回折素子は、画像光の波長分布を反射型回折素子の波長特性に応じて修正する波長制限フィルターを備える。この場合、波長制限フィルターに入射する画像光の特性を反射型回折素子の回折特性に適合させやすくなり、情報漏えい防止の確実性が高まる。
さらに別の側面において、波長制限フィルターは、画像光生成装置に付随して設けられている。この場合、外界光が波長制限フィルターによって減衰されないので、シースルー性の低下を抑えることができる。
さらに別の側面において、波長制限フィルターは、凹面透過ミラーにおいて基材と反射型回折素子との間に配置されている。
さらに別の側面において、画像光生成装置は、狭帯域光を射出する光源を含む。
さらに別の側面において、画像光生成装置は、光源であるレーザー光源から射出されたレーザー光を走査するスキャナーを含む。
さらに別の側面において、凹面透過ミラーは、画像光を射出瞳に集めるように反射する。
さらに別の側面において、光学ユニットは、画像光生成装置からの画像光を反射する透過傾斜ミラーを有し、凹面透過ミラーは、透過傾斜ミラーで反射された画像光を透過傾斜ミラーに向けて反射する。この場合、透過傾斜ミラーが眼前を覆うように配置され、凹面透過ミラーが透過傾斜ミラーを覆うように配置される。
具体的な態様における光学ユニットは、部分反射膜を設けた凹面透過ミラーを有し、画像光を虚像として結像させる光学ユニットであって、部分反射膜の外界側に配置され、凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように画像光を回折させる反射型回折素子を有する。
11,311…画像光生成装置、12,512,612…光学ユニット、13…表示制御回路、21…投射レンズ、23…透過傾斜ミラー、23a…平行平板、24,624…凹面透過ミラー、24a…板状体、24b…部分反射膜、24c…反射型回折層、31…導光部材、32…光透過部材、41a,41b,41c…回折層、51,151…波長制限フィルター、100…虚像表示装置、100A,100B…表示装置、102…表示駆動部、105…外観部材、311a…狭帯域光源、311b…スキャナー、612a…導光体、AX…光軸、AXE…射出光軸、CC…接着層、DD…反射型回折素子、EP…射出瞳、EY…眼、LD…回折光、LE…漏れ光、LP…通過光、MC…部分反射面、ML…画像光、MS…平面反射面、OL…外界光、US…装着者

Claims (16)

  1. 画像光生成装置と、
    部分反射膜を設けた凹面透過ミラーを有し、前記画像光生成装置から射出された画像光を虚像として結像させる光学ユニットとを備え、
    前記光学ユニットは、前記部分反射膜の外界側に配置され、前記凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように前記画像光を回折させる反射型回折素子を有する、虚像表示装置。
  2. 前記反射型回折素子は、画像光を上方又は下方に回折させる、請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記反射型回折素子は、前記凹面透過ミラーの外界側面に前記凹面透過ミラーの一部として形成されている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  4. 前記反射型回折素子は、前記凹面透過ミラーの外界側に配置されたカバーに形成されている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  5. 前記カバーは、前記画像光の各色の波長域間で外界光に対して透過性を有する、請求項4に記載の虚像表示装置。
  6. 前記カバーは、前記凹面透過ミラーの有効領域を覆うような領域に形成される、請求項4及び5のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  7. 前記反射型回折素子は、体積ホログラム素子である、請求項1~6のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  8. 前記体積ホログラム素子は、3色に対応する3つの体積ホログラム層を含む、請求項7に記載の虚像表示装置。
  9. 前記反射型回折素子は、前記画像光の波長分布を前記反射型回折素子の波長特性に応じて修正する波長制限フィルターを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  10. 前記波長制限フィルターは、前記画像光生成装置に付随して設けられている、請求項9に記載の虚像表示装置。
  11. 前記波長制限フィルターは、前記凹面透過ミラーにおいて基材と前記反射型回折素子との間に配置されている、請求項9に記載の虚像表示装置。
  12. 前記画像光生成装置は、狭帯域光を射出する光源を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  13. 前記画像光生成装置は、前記光源であるレーザー光源から射出されたレーザー光を走査するスキャナーを含む、請求項12に記載の虚像表示装置。
  14. 前記凹面透過ミラーは、前記画像光を射出瞳に集めるように反射する、請求項1~13のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  15. 前記光学ユニットは、前記画像光生成装置からの画像光を反射する透過傾斜ミラーを有し、
    前記凹面透過ミラーは、前記透過傾斜ミラーで反射された画像光を前記透過傾斜ミラーに向けて反射する、請求項1~14のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  16. 部分反射膜を設けた凹面透過ミラーを有し、画像光を虚像として結像させる光学ユニットであって、
    前記部分反射膜の外界側に配置され、前記凹面透過ミラーを通過する光路から逸らすように前記画像光を回折させる反射型回折素子を有する、光学ユニット。
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