JP2022034093A - ヨウ化アルカン誘導体の製造方法 - Google Patents

ヨウ化アルカン誘導体の製造方法 Download PDF

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Masahiko Seki
優輔 高橋
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Abstract

【課題】非極性溶媒中においてもヨウ化アルカン誘導体を製造することが可能なヨウ化アルカン誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2022034093000019
(式中、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基若しくは水素原子である。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メシロキシ基又はトシロキシ基から選ばれる基である。)で表わされるアルカン誘導体を、有機溶媒中、4置換アンモニウムハライドの存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより反応させ、上記式(1)のXがヨウ素に置換された、ヨウ化アルカン誘導体を製造する、ヨウ化アルカン誘導体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ化アルカン誘導体の新規な製造方法に関する。詳しくは、非極性溶媒中でもヨウ化アルカン誘導体を製造可能なヨウ化アルカン誘導体の新規な製造方法に関する。
ヨウ化アルカン誘導体は、医薬品を含む各種生理活性化合物の合成原料として極めて有用な化合物である(非特許文献1)。その主な合成法として、脱離基を有するアルカン誘導体(脱離基:塩素、臭素、トシロキシ基、メシロキシ基)にヨウ化アルカリ金属塩を接触させる方法が、フィンケルシュタイン反応として知られている。本反応は、ハロゲン化アルカリ金属塩のアセトンなど極性溶媒への溶解度差を利用している。例えば、NaIはアセトンへ溶解するが、NaBrはアセトンにほとんど溶けない。このことから、平衡が、R-Iが生成する方向へ移動し、ブロミド(R-Br)からヨージド(R-I)へのハロゲン交換反応が進行する。
Figure 2022034093000001
フィンケルシュタイン反応は、大規模スケールの工業的製造法を含むヨウ化アルカン誘導体の一般合成法として多用されてきた。
しかし、上述のハロゲン化アルカリ金属塩の溶解度差を実現するため、その反応溶媒としては、アセトン、2-ブタノンといった極性溶媒に限られており(非特許文献2、3)、非極性溶媒中で本反応を行うことは原理的に不可能だった。そのため、得られたヨウ化アルカン誘導体を次の工程や反応で使用する際に、溶媒置換したり、ヨウ化アルカン誘導体を単離したりしないと使用できない場合があった。
Journal of The American Chemical Society 2002, 124, 12424-12425 Journal of The American Chemical Society 2001, 123, 11586-11593 The Journal Organic Chemistry 2002, 67, 764-771
従って、本発明の目的は、非極性溶媒中においてもヨウ化アルカン誘導体を製造することが可能なヨウ化アルカン誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、脱離基を有するアルカン誘導体を4置換アンモニウム塩の存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより、非極性溶媒中においてもヨウ化アルカン誘導体を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)
Figure 2022034093000002
(式中、R~Rは、ハロゲン原子、エステル基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基及びケトン基から選ばれる少なくとも一つの基を含んでいても良い、アルキル基又はアラルキル基若しくは水素原子であり、R~Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基である場合、互いに結合して環を形成していてもよい。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メシロキシ基又はトシロキシ基から選ばれる基である。)
で表わされるアルカン誘導体を、
有機溶媒中、
下記式(2)で表わされる
Figure 2022034093000003
(式中、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基であり、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、又は硫酸水素基である。)
4置換アンモニウム塩の存在下、
ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより反応させ、
下記式(3)
Figure 2022034093000004
(式中、R~Rは前記式(1)におけるものと同義である。)
で表わされるヨウ化アルカン誘導体を製造する、ヨウ化アルカン誘導体の製造方法である。
本発明において、有機溶媒は非極性溶媒であることが好ましい。また、水存在下で、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることが好ましい。
本発明のヨウ化アルカン誘導体の製造方法によれば、脱離基を有するアルカン誘導体を4置換アンモニウム塩の存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより、溶媒として非極性溶媒を用いてもヨウ化アルカン誘導体を製造することができる。従来の方法では、溶媒として非極性溶媒を用いるとヨウ化アルカン誘導体を得ることができなかった。
本発明のヨウ化アルカン誘導体の製造方法によれば、非極性溶媒を用いてもヨウ化アルカン誘導体を得ることができるため、これまで使用するには溶媒置換又はヨウ化アルカン誘導体を単離する必要のあった工程や反応にもこれらの操作をすることなく使用することができ、医薬品を含む各種生理活性化合物の合成材料の製造方法として極めて有用な方法であり、本発明の工業的利用価値は非常に高い。
本発明は、アルカン誘導体を、有機溶媒中、4置換アンモニウム塩の存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより、ヨウ化アルカン誘導体を製造する、ヨウ化アルカン誘導体の製造方法である。以下、本発明について詳細に説明する。
(アルカン誘導体)
本発明において、アルカン誘導体は、下記式(1)
Figure 2022034093000005
で表わされる化合物である。
前記式(1)中、R~Rは、ハロゲン原子、エステル基(-COO-)、カルボキシル基(-COOH)、アミド基(-CONH-)、ニトリル基(-CN)、ニトロ基(-NO)、アルデヒド基(-CHO)及びケトン基(-CO-)から選ばれる少なくとも一つの基を含んでいても良い、アルキル基又はアラルキル基若しくは水素原子である。R~Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~Rの少なくとも2つがアルキル基又はアラルキル基である場合、互いに結合して環を形成していてもよい。
アルキル基は炭素数1~20であることが好ましく、アラルキル基は炭素数7~20であることが好ましい。ハロゲン原子、エステル基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基及びケトン基は、アルキル基又はアラルキル基のどこに置換されていてもよい。エステル基、アミド基及びケトン基がアラルキル基の芳香族環上に置換されている場合、これらの基のもう一方の結合手に結合する基は特に制限されないが、アルキル基又はアラルキル基が好ましい。R~Rであるアルキル基又はアラルキル基が上記の基を有している場合、その炭素数には、上記の基の炭素数も含まれる。
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メシロキシ基(-OMs)又はトシロキシ基(-OTs)から選ばれる基である。
式(1)で表わされるアルカン誘導体が、下記式(1A)
Figure 2022034093000006
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数7~11のアラルキル基であり、Xは、塩素原子又は臭素原子である。)
で表わされる5-ハロゲノ吉草酸エステルである場合、本発明の方法により、ビオチン合成の中間体への側鎖導入に有用な下記式(3A)
Figure 2022034093000007
(式中、Rは、前記式(1A)におけるものと同義である。)
で表わされる5-ヨード吉草酸エステルを製造することができる。
式(1A)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数7~11のアラルキル基であり、炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
式(1)で表わされるアルカン誘導体としては、下記化学式で表わされる化合物を好ましいものとして挙げることができる。
Figure 2022034093000008
(有機溶媒)
本発明においては、有機溶媒中で、式(1)で表わされるアルカン誘導体を製造する。有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、極性の低いもの又は非極性の有機溶媒であることが好ましい。
有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類を挙げることができる。好ましくは、非極性溶媒である、酢酸エチル、酢酸ブチル、THF、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、キシレンである。これら有機溶媒は、単独で、又はこれらの混合溶媒として用いることができる。
有機溶媒の使用量は、特に制限されるものではない。式(1)で表わされるアルカン誘導体に対して、有機溶媒を1~100倍容量使用することが好ましく、2~10倍容量使用することがより好ましい。なお、反応溶媒として混合溶媒を使用する場合には、混合溶媒の全量が前記範囲を満足すれば良い。
(4置換アンモニウム塩)
本発明において、4置換アンモニウム塩は、下記式(2)
Figure 2022034093000009
で表わされる化合物である。4置換アンモニウム塩が反応系に存在しない場合、反応が進行しないか遅く、目的とする式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体を効率良く製造することができない。
前記式(2)中、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基であり、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~Rは、そのうちの少なくとも3個がアルキル基であることが好ましい。
アルキル基は炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~4であることがより好ましい。アラルキル基は炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~10であることがより好ましい。
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、又は硫酸水素基であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又は硫酸水素基であることが好ましい。
式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩としては、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(TBAI)、テトラメチルアンモニウムヨージド(TMAI)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリド(TBAC)、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、テトラ-n-ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムハイドロジェンサルフェートを好ましいものとして挙げることができる。
式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩の使用量は、特に制限されるものではない。式(1)で表わされるアルカン誘導体1モルに対して、0.001~1モル使用することが好ましく、0.005~0.1モル使用することがより好ましい。
(ヨウ化アルカリ金属塩)
本発明において、ヨウ化アルカリ金属塩は、特に限定されないが、4置換アンモニウム塩との反応性や価格の観点からからヨウ化ナトリウムを用いることが好ましい。
ヨウ化アルカリ金属塩の使用量は特に制限されるものではない。式(1)で表わされるアルカン誘導体1モルに対して、1~5モル使用することが好ましく、1~2モル使用することがより好ましい。
(水)
本発明においては、反応速度が向上することから、反応系に水が存在することが好ましい。水は、特に制限されることなく、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。水の使用量は、特に制限されるものではなく、有機溶媒に対して、0.001~1倍容量使用することが好ましく、0.005~0.1倍容量であることがより好ましい。水の使用量をこの範囲とすることで、反応速度が向上し、目的とする式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体をより短時間で製造することができる。
(ヨウ化アルカン誘導体の製造)
本発明においては、アルカン誘導体を、有機溶媒中、4置換アンモニウム塩の存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより反応させ、ヨウ化アルカン誘導体を製造する。該反応は、各成分を混合することにより実施できる。
各成分を混合する方法は、特に制限されるものではなく、撹拌装置を備えた反応容器内で実施することができる。各成分を反応容器内に添加する手順は、式(1)で表わされるアルカン誘導体、式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩及び有機溶媒を予め反応容器に仕込み、式(1)で表わされるアルカン誘導体及び式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させた後、撹拌しながらヨウ化アルカリ金属塩及び必要に応じて水を添加混合する方法が好ましい。
式(1)で表わされるアルカン誘導体、式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩及び有機溶媒を反応容器に仕込む順番は特に制限されないが、まず有機溶媒を仕込み、次いで撹拌しながら式(1)で表わされるアルカン誘導体、式(2)で表わされる4置換アンモニウム塩の順に添加し、溶解させることが好ましい。この添加、溶解時の温度は、特に制限されるものではなく、5℃~200℃の範囲で実施することができる。より具体的には、20℃~150℃であることが好ましく、30℃~120℃であることがより好ましい。
ヨウ化アルカリ金属塩の添加時の温度も特に制限されず、上記温度範囲と同じでよい。ヨウ化アルカリ金属塩添加後、温度を10℃~200℃とし、反応させる。より具体的には、30℃~140℃であることが好ましく、40℃~120℃であることがより好ましい。当該温度範囲で反応を実施することで、高収率かつ短時間で反応を進行させることができる。
反応時間も、特に制限されるものではなく、生成物である式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体への転化率を確認しながら適宜決定すればよいが、通常、0.5時間以上72時間以下であればよく、好ましくは0.5時間以上60時間以下であり、より好ましくは1時間以上50時間以下である。なお、ヨウ化アルカリ金属塩の添加時に水も添加すると、反応速度が向上し、目的とする式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体をより短時間で製造することができる。その場合、反応時間は、通常、0.5時間以上24時間以下であればよく、好ましくは1時間以上10時間以下であり、より好ましくは1時間以上4時間以下である。
反応雰囲気も、特に制限されるものではないが、不活性ガス雰囲気下、空気雰囲気下であることが好ましい。
また、反応系内は、大気圧下、加圧下、減圧下の何れであってよい。中でも、大気圧下で実施することが好ましい。
本発明においては、上記反応により、下記式(3)
Figure 2022034093000010
で表わされるヨウ化アルカン誘導体が得られる。式(3)中、R~Rは前記式(1)におけるものと同義である。
得られた式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体は、次のような方法によって分離することができる。例えば、チオ硫酸ナトリウム水溶液及び水で反応液を洗浄し、有機層を減圧濃縮すれば良い。
また、得られた式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体は、カラム分離、再結晶等の公知の方法により、より高純度化することもできる。
得られた式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体は、医薬品を含む各種生理活性化合物の合成材料として、好適に使用することができる。
例えば式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体が、下記式(3A)
Figure 2022034093000011
(式中、Rは、前記式(1A)におけるものと同義である。)
で表わされる5-ヨード吉草酸エステルである場合、ビオチン合成の中間体に側鎖を導入する反応に利用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(5-ヨード吉草酸エチルの転化率の測定及び定量)
5-ブロモ吉草酸エチル(以下、Br-TAIとも言う。)の5-ヨード吉草酸エチル(以下、I-TAIとも言う。)への転化率、I-TAIの定量は、ガスクロマトグラフィーにより下記の条件で行った。
ガスクロマトグラフィー分析条件
装置:Agilent Technologies製 7820A GC System
カラム:Agilent Technologies製 HP-5(30m×0.32mm×0.25μm)
カラム温度:100-280℃ 10℃/min
試料導入部温度:300℃
検出器温度:300℃
キャリアガス:He,1.1mL/min,スプリット 1:60
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
導入量:0.2μL。
実施例1
下記式で示される反応を行い、ヨウ化アルカン誘導体を製造した。
Figure 2022034093000012
Br-TAI(10.0g、47.8mmol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(TBAI、1.06g、2.87mmol)を反応容器中でトルエン(50mL)に溶解させた後、25℃でヨウ化ナトリウム(8.6g、57.4mmol)、蒸留水(500μL)を加え、100℃で2時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却後、一部とり、クロロホルムに溶解させ、10%塩酸を加えて分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、Br-TAIのI-TAIへの転化率は99.43%であった。
上記反応液を、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)、及び水(20mL)で洗浄後、有機層を減圧濃縮することによりI-TAIを得た(12.1g、Br-TAIを基準とした収率:99%)。
得られたI-TAIについて、H-NMRを測定した結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ:4.11(I(CHCO CH CH,q,J=7.2Hz)、3.19(ICH (CHCOEt,t,J=7.0Hz)、2.33(I(CH CH COEt,t,J=7.4Hz)、1.86(ICH CH (CHCOEt,m)、1.74(I(CH CH CHCOEt,m)、1.26(I(CHCOCH CH ,t,J=7.2Hz)。
実施例2
Br-TAI(1.0g、4.78mmol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(TBAI、105.9mg、0.287mmol)を反応容器中でトルエン(5.0mL)に溶解させた後、25℃でヨウ化ナトリウム(860.1mg、5.74mmol)を加え、同温で67時間攪拌した。Br-TAIからI-TAIへの転化が進行しないので、その後、100℃に昇温し、40時間攪拌した。
反応液を一部とり、クロロホルムに溶解させ、10%塩酸を加えて分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、Br-TAIのI-TAIへの転化率は93.99%であった。
比較例1
Br-TAI(1.0g、4.78mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、25℃でヨウ化ナトリウム(860.1mg、5.74mmol)を加え、同温で67時間攪拌した。その後、100℃に昇温し、24時間攪拌したが、反応は全く進行しなかった。
実施例3
下記式で示される反応を行い、Br-TAIからI-TAIを製造し、該I-TAIを用いて、ビオチン中間体へ側鎖を導入した。
Figure 2022034093000013
Br-TAI(10.0g、47.8mmol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド(TBAI、1.06g、2.87mmol)を反応容器中でトルエン(50mL)に溶解させた後、25℃でヨウ化ナトリウム(8.6g、57.4mmol)、蒸留水(500μL)を加え、100℃で2時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却後、一部とり、クロロホルムに溶解させ、10%塩酸を加えて分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、I-TAIへの転化率は99.43%であった。
上記反応液を、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)、水(20mL)で洗浄した。有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣をガスクロマトグラフィーで定量した結果、I-TAIが11.75g(Br-TAIからの収率:96.0%)含まれていることを確認した。
亜鉛末(7.45g、114mmol)をTHF(12.1mL)、トルエン(8.3mL)に懸濁させ、26~30℃で臭素(4.74g、29.7mmol)を70分かけて滴下し、同温で2時間攪拌した。その後、47~50℃で先に調製した粗体のI-TAI(11.75g、45.9mmol)(濃縮残渣)を1時間かけて滴下し、50~52℃で4時間攪拌した。その後、反応液を30℃に冷却し、(4S,5R)-1,3-ジベンジル-3,3a,6,6a-テトラヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-2,4-ジオン(以下、DTLとも称す;7.47g、22.1mmol)、トルエン(19mL)を加え、同温で10%Pd/C(174.8mg、0.165mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.4mL)懸濁液を添加し、同温で17時間攪拌した。
反応終了後、反応液に、16%塩酸(24mL)を25℃で加え、同温で5時間攪拌した後、濾過した。得られた有機層を水(30mLx3)、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(30mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、エチル (3aS,4Z,6aR)-5-(1,3-ジベンジル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-2-オキソ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-5-イリデン)ペンタノアート(以下、DVEとも称す;9.64g、DTLに対する収率:96.9%)を得た。
得られたDVEについて、赤外分析(IR)、H-NMRを測定した結果を示す。
IR(KBr)ν:2932,1691cm-1
H-NMR(400MHz,CDCl)δ:7.08-6.95(10H,m),5.13(1H,dd,J=8.0Hz),4.59(2H,m),3.99-3.72(6H,m),2.71-2.62(2H,m),1.99-1.95(2H,m),1.88-1.72(2H,m),1.45-1.35(2H,m),0.96(3H,dd,J=8.0Hz)。
実施例4
4置換アンモニウム塩としてテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドを用いてBr-TAIからI-TAIを製造し、該I-TAIを用いて、ビオチン中間体へ側鎖を導入した。
Br-TAI(40.0g、191mmol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(TBAB、3.7g、11.5mmol)を反応容器中でトルエン(100mL)に溶解させた後、25℃でヨウ化ナトリウム(34.4g、230mmol)、蒸留水(1.0mL)を加え、100℃で2時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却後、一部とり、クロロホルムに溶解させ、水を加えて分液し、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、I-TAIへの転化率は98.77%であった。
上記反応液を、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣をガスクロマトグラフィーで定量した結果、I-TAIが48.4g(Br-TAIからの収率:99.0%)含まれていることを確認した。
亜鉛末(29.6g、453mmol)をTHF(48mL)、トルエン(34mL)に懸濁させ、26~30℃で臭素(15.1g、94.5mmol)を3.5時間かけて滴下した。その後、55℃で先に調製した粗体のI-TAI(48.4g、189mmol)(濃縮残渣)を1.5時間かけて滴下し、55℃で3時間攪拌した。その後、反応液を30℃に冷却し、DTL(45.1g、135mmol)、トルエン(97mL)を加え、同温で10%Pd/C(1.24g、1.17mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(12mL)懸濁液を添加し、同温で15時間攪拌した。
反応終了後、反応液に、16%塩酸(108mL)を25℃で加え、同温で1時間攪拌した後、濾過した。側鎖を不飽和直鎖炭化水素側鎖とするための塩酸存在下での脱水反応が不十分であったため、得られた濾液に更に10%塩酸(30mL)を加えた後、40℃で3時間攪拌した。得られた有機層を水(93mL、165mLx2)、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(165mL)、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(165mL)、水(93mL)で洗浄した。
有機層を濃縮した後、トルエン(80mL)を加えて減圧濃縮することを2回繰り返した。得られた濃縮残渣をメタノール(100mL)に溶解させ、活性炭(セラケム株式会社製雪A、1.71g)を加えて、40℃で1時間攪拌した。反応液を濾過し、DVEをメタノール溶液として得た(DVE 54.4g、DTLに対する収率:90.7%)。

Claims (4)

  1. Figure 2022034093000014
    (式中、R~Rは、ハロゲン原子、エステル基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基及びケトン基から選ばれる少なくとも一つの基を含んでいても良い、アルキル基又はアラルキル基若しくは水素原子であり、R~Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基である場合、互いに結合して環を形成していてもよい。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メシロキシ基又はトシロキシ基から選ばれる基である。)
    で表わされるアルカン誘導体を、
    有機溶媒中、
    下記式(2)で表わされる
    Figure 2022034093000015
    (式中、R~Rは、アルキル基又はアラルキル基であり、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、又は硫酸水素基である。)
    4置換アンモニウム塩の存在下、
    ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることにより反応させ、
    下記式(3)
    Figure 2022034093000016
    (式中、R~Rは前記式(1)におけるものと同義である。)
    で表わされるヨウ化アルカン誘導体を製造する、ヨウ化アルカン誘導体の製造方法。
  2. 有機溶媒が、非極性溶媒である請求項1に記載のヨウ化アルカン誘導体の製造方法。
  3. 水存在下、ヨウ化アルカリ金属塩と接触させることを特徴とする請求項1に記載のヨウ化アルカン誘導体の製造方法。
  4. 式(1)で表わされるアルカン誘導体が下記式(1A)
    Figure 2022034093000017
    (式中、Rは、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数7~11のアラルキル基であり、Xは、塩素原子又は臭素原子である。)
    で表わされる5-ハロゲノ吉草酸エステルであり、
    式(3)で表わされるヨウ化アルカン誘導体が下記式(3A)
    Figure 2022034093000018
    (式中、Rは、前記式(1A)におけるものと同義である。)
    で表わされる5-ヨード吉草酸エステルである、請求項1~3の何れか1項に記載のヨウ化アルカン誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113582847A (zh) * 2021-07-16 2021-11-02 湖北工业大学 一种改进桑德迈尔反应制备碘代苯甲酸(酯)的方法

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