JP2022023806A - 制御性t細胞調節剤およびその用途 - Google Patents

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憲広 久保田
Norihiro Kubota
明香 柿山
Akika Kakiyama
幸司 宮▲崎▼
Koji Miyazaki
直美 水澤
Naomi Mizusawa
修一 鈴木
Shuichi Suzuki
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Abstract

【課題】ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合を最適な範囲に調節する技術を提供する。【解決手段】乳酸菌を有効成分とする制御性T細胞調節剤。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、乳酸菌を有効成分とする制御性T細胞調節剤およびその用途に関する。
制御性T細胞(regulatory T cell)は、自己免疫疾患の疾患を引き起こす過剰な免疫応答を抑制する役割を担っている。そのため、上記疾患の患者においては、制御性T細胞が減少している。
従って、制御性T細胞の量を調節することは上記疾患の予防・治療のため重要な技術である。これまで、種々の制御性T細胞の量を調節する技術が提案されており、例えば、トレハロースを有効成分とする制御性T細胞増強剤等が報告されている(特許文献1)。
しかしながら、この制御性T細胞増強剤は、トレハロースがフィルミクテス門の腸内細菌の増加を介して制御性T細胞が増殖されることを示しており、フィルミクテス門の細菌は安全性に問題がある場合があるため、好ましくない可能性がある。
特開2018-188408号公報
従って、本発明の課題は、ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合を最適な範囲に調節する技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、乳酸菌が、ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合を最適にすることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、乳酸菌を有効成分とする制御性T細胞調節剤である。
また、本発明は、上記制御性T細胞調節剤を含有する自己免疫疾患予防及び/又は治療剤である。
本発明の制御性T細胞調節剤は、これまでにも食経験のある乳酸菌を有効成分とするものであり、安全である。
また、本発明の制御性T細胞調節剤は、ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合を最適な範囲に調節するため、自己免疫疾患の予防及び/又は治療に役立つ。
血中の制御性T細胞(Treg)の割合を示す図である(図中、1は飲用開始前、2は飲用期間、3は飲用後を示す。制御性T細胞の割合(%)は、CD4+T細胞中にしめるCD25+Foxp3+細胞の割合を測定して算出した)。 健常者および軽症者を対象とした血中の制御性T細胞(Treg)の割合を示す図である(図中、1は飲用開始前、2は飲用期間、3は飲用後を示す。制御性T細胞の割合(%)は、CD4+T細胞中にしめるCD25+Foxp3+細胞の割合を測定して算出した)。
本発明の制御性T細胞調節剤は、乳酸菌を有効成分とするものである。乳酸菌は、特に限定されず、例えば、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.デルブルッキィー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・プランタルム(ラクトバチルス・プランタルム)(Lactobacillus plantarum)等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・プランタルム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクチス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)等のエンテロコッカス属細菌を挙げることができ、これらの乳酸菌を1種または2種以上用いることができる。
なお、近年ラクバチルス属の乳酸菌は再分類されている(Zheng et al., A taxonomic note on the genus Lactobacillus : Description of 23 novel genera, emended description of the genus Lactobacillus Beijerinck 1901, and union of Lactobacillaceae and Leuconostocaceae. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 2020 Apr; 70(4):2782-2858 DOI 10.1099/ijsem.0.004107)。上記ラクトバチルス属の乳酸菌の分類について、上記文献に基づいて再分類すると以下のようになる。
Figure 2022023806000002
新分類による乳酸菌としては、ラクチカゼイバチルス・カゼイ(Lacticaseibacillus casei)等のラクチカゼイバチルス属細菌、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.デルブルッキィー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、等のラクトバチルス属細菌、リジラクトバチルス・サリバリウス(Ligilactobacillus salivarius)等のリジラクトバチルス属細菌、リモシラクトバチルス・ファーメンタム(Limosilactobacillus fermentum)等のリモシラクトバチルス属細菌、リコリラクトバチルス・マリ(Liquorilactobacillus mali)等のリコリラクトバチルス属細菌、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)等のラクチプランチバチルス属細菌等、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・プランタルム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクチス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)等のエンテロコッカス属細菌を挙げることができ、これらの乳酸菌を1種または2種以上用いることができる。
なお、本発明においては、旧分類でラクトバチルス属の乳酸菌がラクトバチルス属の乳酸菌として含まれる。
これらの中でもラクチプランチバチルス・プランタルムが好ましく、ラクチプランチバチルス・プランタルムYIT 0132(FERM BP-11349)が特に好ましい。
ラクチプランチバチルス・プランタルムYIT 0132は、Lactiplantibacillus plantarum YIT 0132と名付け(旧分類ではラクトバチルス・プランタルムに属し、Lactobacillus plantarum YIT 0132である)、寄託番号FERM BP-11349として平成22年2月24日付で、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に国際寄託されている。
乳酸菌の形態は特に限定されず、生菌体であっても死菌体であってもよく、また湿潤菌体でも乾燥菌体でもよい。また、乳酸菌は培養物やその濃縮物、乾燥物等として用いてもよく、菌体の破砕物や抽出物等の菌体処理物であってもよい。
本発明の制御性T細胞調節剤は、上記乳酸菌に、必要に応じ、薬学的に許容される担体と組み合わせて製剤化できる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。さらに必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、賦形剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の制御性T細胞調節剤の剤型は特に限定されないが、例えば、液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、坐剤、外用剤等が挙げられ、常法に従って調製することができる。
本発明の制御性T細胞調節剤における乳酸菌の含有量は特に限定されるものではないが、制御性T細胞調節効果がより有効に発揮されることから、制御性T細胞調節剤に含まれる総菌数は10cfu/g以上であることが好ましく、特に10cfu/g~1010cfu/gであることが好ましい。投与方法は経口投与及び非経口投与のいずれでもよいが、投与が容易であり、長期の投与に適しているため経口投与が好ましい。また、その投与量も特に限定されるものではないが、乳酸菌の総菌数として、好ましくは1日当たり10cfu以上、より好ましくは1010cfu以上であり、さらに好ましくは1011cfu以上であり、特に好ましくは1011~1012cfuである。
本発明の制御性T細胞調節剤は、飲食品の形態でもよく、上記乳酸菌に、公知の食品添加物及び/又は食品素材を配合し、常法に従って調製することができる。その形態は特に限定されず、例えば、液状、錠剤、カプセル、ペースト、顆粒等とすることができる。飲食品としては、発酵乳飲食品、発酵豆乳、発酵果汁、発酵野菜汁等の発酵飲食品、パン、ビスケット、ホットケーキ、麺、錠菓等のデンプンを主体とする食品、ガム、キャンディー、和菓子等の菓子類、ハム、ソーセージ等の畜肉食品、ちくわ、かまぼこ等の魚肉食品、魚介類食品、ドレッシング、醤油、ジャム、ふりかけ等の調味料、茶、ジュース、清涼飲料、酒類等の飲料等が挙げられる。これらの中でも発酵飲食品が好ましく、発酵果汁がより好ましく、乳酸菌発酵果汁がさらに好ましい。
上記した乳酸菌発酵果汁は、果汁を乳酸菌で発酵して得られるものであって、乳酸菌を含有しているものをいう。
ここで果汁としては、特に限定されないが、例えば、バナナ、リンゴ、ブドウ等の果汁やオレンジ、温州ミカン等のミカン属の柑橘類の果汁等が挙げられる。これらの中でも柑橘類の果汁が好ましく、ミカン属の柑橘類の果汁がより好ましい。果汁のBrixは特に限定されないが、例えば、1~10、好ましくは2~8である。
果汁を乳酸菌で発酵させる条件は特に限定されないが、例えば、果汁に乳酸菌を0.1~3.0質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは0.2~1.0%で接種し、30~37℃、好ましくは33~37℃で、24~48時間、好ましくは36~48時間で培養すればよい。
また、培養の際には、果汁にレタス、キャベツ、ニンジン、ケール等の野菜汁、牛乳、生クリーム、脱脂粉乳、全粉乳等の乳成分を添加してもよい。
培養後には、風味を調整するために、果糖、ショ糖、ブドウ糖、マルトース、スクラロース、ステビア等の甘味料、pH調整剤等を添加してもよい。
乳酸菌発酵果汁は、従来公知の果汁と同様に、濃縮、粉末化、冷凍等してもよい。
また、乳酸菌発酵果汁は、常温保存できることから加熱殺菌をして、乳酸菌を死菌とすることが好ましい。加熱殺菌の条件は、特に限定されないが、例えば、95~100℃で5~60秒等である。
乳酸菌発酵果汁の好ましい態様としては、温州ミカンの果汁(Brix1~10)にラクチプランチバチルス・プランタルムYIT 0132を0.4%となるように接種し、好気の条件で発酵させ、最後に加熱殺菌したものである。この乳酸菌発酵果汁は死菌のラクチプランチバチルス・プランタルムを5.0×10cfu/mlで含むものである。
斯くして得られる本発明の制御性T細胞調節剤は、ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞、例えば、CD4+CD25+Foxp3+細胞(+は陽性を示す)等の割合を最適な範囲に調節することができる。すわなち、ヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合を増加や減少させることもできるし、何らかの要因によりヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合が減少するのを抑制することもできるが、減少を抑制することが特に好ましい。そのため、本発明の制御性T細胞調節剤は、罹患時にヘルパーT細胞に占める制御性T細胞の割合が減少するリウマチ等の自己免疫疾患を予防及び/又は治療することが特に好ましい。
本発明の制御性T細胞調節剤の投与対象は動物であれば特に限定されず、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、牛、馬、羊等の哺乳動物等が挙げられる。本発明のQOL改善剤は特に花粉症に罹患している動物のQOLを改善することから、これらの動物の中でも花粉症に罹患するヒト、サル、チンパンジー、イヌ、ネコ等の哺乳動物が好ましく、特にヒトが好ましい。
本発明の制御性T細胞調節剤の投与量は特に限定されないが、例えば、制御性T細胞調節剤が乳酸菌発酵果汁を有効成分とする場合には、1日あたりの摂取量を125mlとして、含有する乳酸菌の数は1.0×10cfu/ml~1.0×1010cfu/ml、好ましくは5.0×10cfu/ml以上とする。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
被験飲料の調製:
温州ミカン(学名:Citrus unshiu)のBrix8の果汁(南海果工株式会社製)にラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)YIT 0132(FERM BP-11349)を、0.4%となるように接種した後、37℃、好気の条件で、2日間培養し、発酵物を得た。この発酵物に、果糖を3%となるように添加したものを100℃で35秒間加熱殺菌して、ラクチプランチバチルス・プランタルムの加熱死菌体を5.0×10cfu/mLで含む乳酸菌発酵果汁を得た。これを125mLずつ紙パックに充填して被験飲料を調製した。これを使用するまで常温で保存した。
参 考 例 1
プラセボ飲料の調製:
温州ミカン(学名:Citrus unshiu)のBrix8の果汁(南海果工株式会社製)に、果糖を3%となるように添加したものを100℃で35秒間加熱殺菌して、プラセボ飲料を得た。これを125mLずつ紙パックに充填した。これを使用するまで常温で保存した。
実 施 例 2
血中の制御性T細胞の割合の測定:
実施例1の被験飲料および参考例1のプラセボ飲料を、下記のようにして選択された花粉症有症者50名ずつに、1日1本で8週間飲用させた(プラセボ対照無作為割付二重盲検並行群間比較試験)。飲用開始前(-30日~-15日)、飲用期間中(26~38日)、飲用終了後(59~72日)に各1回ずつ採血をし、血中の制御性T細胞の割合を測定した。その結果を図1に示した。
<花粉症有症者の選択>
前年の花粉飛散シーズン(2月~4月)に花粉症症状を呈し、スギ特異的IgEがクラス2以上(陽性)の者で、花粉症症状の程度が、質問票による昨シーズンの症状スコア(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ、目のかゆみ、涙目・充血が各5段階評価で0-4の指標で判定し、0は症状がなく、数字が大きくなるにつれて症状の程度が強くなる)が平均2以上の者
<制御性T細胞の割合の測定方法>
ヒト末梢血中の制御性T細胞の割合は、CD4+T細胞中にしめるCD25+Foxp3+細胞の割合を測定することにより算出した(+は陽性を示す)。CD4+T細胞数、CD4+CD25+Foxp3+細胞数はフローサイトメトリーにより測定した。
(結果)
プラセボ群では花粉の飛散に伴い(飲用前(1)→飲用中(2)、飲用前(1)→飲用後(3))制御性T細胞の割合が有意に減少していたのに対し、被験飲料群では制御性T細胞の割合が減少するのを抑制していた。また、飲用中(2)において、被験飲料群はプラセボ群に対して制御性T細胞の割合が有意に高値を示した。制御性T細胞は、自己免疫疾患を引き起こす過剰な免疫応答を抑制する働きをもつことが知られており、被験飲料は自己免疫疾患の予防及び/又は治療に利用できることが示唆された。
実 施 例 3
異なる群間での比較:
実施例2で血中の制御性T細胞の割合を測定した花粉症有症者のうち、抗アレルギー薬を常時摂取している者を除いて、同様の測定を行った。すなわち、被験飲料群を健常者(抗アレルギー薬を摂取しない者)16名、軽症者(抗アレルギー薬を時々摂取する者)28名の合計44名、プラセボ群を健常者32名および軽症者17名の49名とし、これらの群について血中の制御性T細胞の割合を比較した。その結果を図2に示した。
(結果)
花粉症有症者の健常者および軽症者についても実施例2と同様に、プラセボ群では花粉の飛散(飲用前(1)→飲用中(2)、飲用前(1)→飲用後(3))に伴い制御性T細胞の割合が有意に減少していたのに対し、被験飲料群では制御性T細胞の割合が減少するのを抑制していた。また、飲用中(2)において、被験飲料群はプラセボ群に対して制御性T細胞の割合が有意に高値を示した。
実 施 例 4
乳酸菌発酵果汁の調製:
温州ミカン果汁をバレンシアオレンジに代えた以外は実施例1と同様の方法で乳酸菌発酵果汁を製造した。これを125mLずつ紙パックに充填した。
実 施 例 5
乳酸菌含有果汁飲料の調製:
温州ミカン(学名:Citrus unshiu)のBrix8の果汁(南海果工株式会社製)に、果糖を3%、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)YIT 0132(FERM BP-11349)を0.4%となるように添加したものを100℃で35秒間加熱殺菌して、乳酸菌含有果汁飲料を得た。これを125mLずつ紙パックに充填した。
本発明の制御性T細胞調節剤は、自己免疫疾患の予防及び/又は治療に利用できる。

Claims (7)

  1. 乳酸菌を有効成分とする制御性T細胞調節剤。
  2. 乳酸菌が、ラクチプランチバチルス・プランタルムである請求項1に記載の制御性T細胞調節剤。
  3. 乳酸菌が、ラクチプランチバチルス・プランタルムYIT 0132(FERM BP-11349)である請求項1に記載の制御性T細胞調節剤。
  4. 請求項1~3の何れか1に記載の乳酸菌を用いた乳酸菌発酵果汁を有効成分とする制御性T細胞調節剤。
  5. 果汁が、柑橘類の果汁である請求項4に記載の制御性T細胞調節剤。
  6. 果汁が、ミカン属の柑橘類の果汁である請求項4に記載の制御性T細胞調節剤。
  7. 請求項1~6の何れか1に記載の制御性T細胞調節剤を含有する、自己免疫疾患の予防及び/又は治療剤。
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