JP2022018899A - 車室内音響装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022018899000001
【課題】座席のシート背面部のヘッドレストにスピーカが設けられ、スピーカからの発音が他の座席に着座している搭乗者に影響を与えるのを抑制できる車室内音響装置を提供する。
【解決手段】座席のシート背面部4の上に位置するヘッドレスト31にスピーカ32が収納されている。ヘッドレスト31では、スピーカ32の前方に管部材群40a,40bが設けられている。管部材群40a,40bを構成する複数の管部材41は一端が閉鎖され、他端の開口端部がスピーカ32から音圧が与えられる位置に開口している。スピーカ32から発せられる音圧が管部材41で減衰させられるため、他の座席の搭乗者へ音圧が到達しにくくなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車室内の座席のヘッドレストにスピーカが設置された車室内音響装置に関する。
特許文献1に、車室内の座席のヘッドレストにスピーカが設置された車室内音響装置に関する発明が記載されている。
この車室内音響装置は、車室内の座席のシート背面部の上に位置するヘッドレストの内部に一対のスピーカが配置されている。この一対のスピーカは、左右方向に距離を空けて配置されている。ヘッドレストの内部には内部空間を形成する芯材が収納されており、この内部空間が一対のスピーカのエンクロージャとして機能している。芯材と2つのスピーカは、遮音パッドに囲まれている。ヘッドレストの前部には遮音パッドで挟まれた一対の繊維パッドが設けられており、それぞれの繊維パッドがスピーカの前面に対向している。遮音パッドと繊維パッドとでスピーカグリル構造となっており、繊維パッドは前方に向かうにしたがって互いに外側へ向くように傾斜して設けられている。
特許文献1に記載された車室内音響装置は、音を通過させる繊維パッドと音を抑制する遮音パッドとでスピーカグリル構造が形成されている。ヘッドレストにおいて左右離れた位置に配置された一対のスピーカから発せられる音は繊維パッドを通過するが、一対の繊維パッドは前方に向かうにしたがって互いに外側へ広がる構造であるため、左右のスピーカからの音圧は、その座席に着座している搭乗者の両側の耳部に向けられる。
特開2016-43828号公報
近年の車室内音響装置では、車室内の複数の座席にスピーカが設置され、複数の搭乗者のそれぞれが異なるコンテンツに関する音響を個別に聴取することが好まれている。しかし、特許文献1に記載された車室内音響装置は、座席のヘッドレストの左右離れた位置に一対のスピーカが配置されており、しかもダクト構造の繊維パッドは前方に向かうにしたがって外側へ広がるように形成されている。そのため、音圧が搭乗者の頭部の両側部のみならず左右方向の周囲に向けて、さらには前方に向けて伝搬しやすい。特に中音域や低音域では、音圧が、回折現象により、前方のみならずヘッドレストの周囲に巻きこむようにして周囲に放射されやすくなるため、音圧が左右両側方および前方に向けて伝搬しやすい。よって、それぞれの座席に設けられたスピーカからの再生音が互いに干渉するなど、座席間での音響の分離度が低下することになる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ヘッドレストに設けられたスピーカからの発音が、他の座席に向けて放射状態で移行するのを抑制でき、それぞれの搭乗者が音を分離して聴取しやすくした車室内音響装置を提供することを目的としている。
本発明は、車室内の座席のヘッドレストに、前記座席に着座している搭乗者へ音圧を与えるスピーカが設置されている車室内音響装置において、
前記ヘッドレストに、内部が空洞の管部材が設置され、前記管部材の開口端部が、前記スピーカで発生する音圧が与えられる位置に設けられていることを特徴とするものである。
本発明の車室内音響装置は、前記ヘッドレストに、管長が相違する複数の前記管部材が設置されていることが好ましい。
本発明の車室内音響装置は、前記管部材の前記開口端部が、前記スピーカに設けられた振動板を境としてそれよりも発音方向の前方に位置しているものである。
また、本発明の車室内音響装置は、前記管部材の前記開口端部が、前記スピーカに設けられ振動板を境としてそれよりも発音方向と反対側の後方に位置しているものであってもよい。
本発明の車室内音響装置は、前記ヘッドレストの左右方向の中心部に、前記スピーカが配置されているものである。
例えば、本発明の車室内音響装置は、前記スピーカは、前記搭乗者の首背部または後頭部に対向しているものである。
本発明の車室内音響装置は、スピーカからの音圧がヘッドレストに設けられた管部材の内部を伝搬することで音響エネルギーが消耗されるため、スピーカからの音圧がヘッドレストの周囲に回り込みにくくなり、左右両側方や前方への音の伝搬が抑制される。そのため、それぞれの座席に設けられたスピーカからの再生音を、その座席に着座している搭乗者が聴取できるが、異なる座席間では、音圧が互いに影響しにくくなるため、それぞれの座席に着座している搭乗者が、スピーカからの再生音を分離して聴取しやすくなる。
また、ヘッドレストに管長が異なる複数の管部材が設けられていると、幅広い周波数の音圧のエネルギーを消耗できるようになる。開口端部と逆側の端部が閉鎖されている管部材を使用する場合には、管長を、エネルギーを消耗させたい音圧の波長の1/4の長さとし、両端が開口端部の管部材を使用する場合には、管長を、エネルギーを消耗させたい音圧の波長の1/2の長さとすることで、中音領域や低音領域など、ヘッドレストの周囲に回折しやすい音圧を抑制することが可能である。
本発明の第1実施形態の車室内音響装置を備えた自動車の車室内を示す平面図、 図1に示された後部座席の車室内音響装置を示す一部断面を含む平面図、 図1に示された後部座席の車室内音響装置を示す一部断面を含む側面図、 図2のIV矢視部分を拡大した部分拡大断面図、 (A)(B)は、図4をV-V線で切断した断面を実施形態別に示す拡大断面図、 本発明の第2実施形態の車室内音響装置を示す図4に相当する部分拡大断面図、 本発明の第3実施形態の車室内音響装置を示す図2に相当する一部断面を含む平面図、
図1は、自動車の車室内の一部を示す平面図であり、前部座席(運転席)1と、後部座席2、および前部座席1の前方のステアリングホイール3が示されている。各図では、X1方向が前方でX2方向が後方、Y1方向が左方向でY2方向が右方向である。またZ1方向が上方向で、Z2方向が下方向である。
前部座席1には前席搭乗者10が着座しており、後部座席2に後席搭乗者20が着座している。図2に、後部座席2に着座している後席搭乗者20の肩部21と頭部22および左側(Y1側)と右側(Y2側)の耳部23が示されている。図3には、後席搭乗者20の首部24が示されている。
図1に示されるように、前部座席1のシート背面部(シートバック)4の上、および後部座席2のシート背面部4の上に、本発明の第1実施形態の車室内音響装置30が設けられている。車室内音響装置30は、シート背面部4の上に設置されるヘッドレスト31と、ヘッドレスト31の内部に収納されたスピーカ32とを有している。ヘッドレスト31の前方(X1方向)に向く前面は、左右方向(Y1-Y2方向)に向けてほぼ平面である中央前面31aと、中央前面31aを挟んで左側(Y1側)に位置する傾斜前面31bと、右側に位置する傾斜前面31cとを有している。傾斜前面31bと傾斜前面31cは、前方(X1方向)に向かうにしたがって、互いに離れる方向に傾斜している。
図2と図3に、後部座席2のシート背面部4に設置された車室内音響装置30の断面構造が示されている。図2に、前後方向(X1-X2方向)に延びる中心線Oが示されている。中心線Oは、シート背面部4およびヘッドレスト31を左右方向(Y1-Y2方向)で二分する中心線であり、後席搭乗者20およびその頭部22と首部24とを左右方向(Y1-Y2方向)で二分する中心線である。中央前面31aは中心線Oにほぼ垂直であり、傾斜前面31bと傾斜前面31cは、中心線Oに斜めに対面している。
図2と図3に示されるように、ヘッドレスト31には、中央前面31aから後方(X2方向)に向けて前方領域33が形成されている。前方領域33は空間領域である。または音圧が通過可能な低密度の繊維層やクッション材が介在していてもよい。前方領域33の後方に凹状の収納空間34が形成されている。スピーカ32は収納空間34の内部に設けられている。ヘッドレスト31の中央前面31aでは、前方領域33の前方がカバー部材35で塞がれている。カバー部材35は音圧が通過可能であり、多孔質の軟質シートや多孔質の樹脂板などで形成されている。前方領域33と収納空間34との境界部には、仕切り板36が設けられており、仕切り板36に形成された開口部にスピーカ32が設置されている。
スピーカ32は、収納空間34の内部において、仕切り板36に固定されている。スピーカ32は、仕切り板36に固定されたフレーム32aと、フレーム32aの内部前方に支持されたコーン形状の振動板32bと、フレーム32aに固定された振動板32bを振動させる磁気駆動回路32cとを有している。振動板32bが、仕切り板36の開口部内に対向しており、スピーカ32は発音方向が前方(X1方向)に向けられている。
図2に示されるように、スピーカ32の中心線、すなわちコーン形状の振動板32bの中心および磁気駆動回路32cの中心を通る線は、平面図において中心線Oと一致している。図3に示されるように、スピーカ32は、後席搭乗者20の首背部25に対して、後方(X2方向)へ距離を空けて対向している。また、スピーカ32は後席搭乗者20の後頭部26に後方から対向してもよいし、首背部25と後頭部26との中間部に対向していてもよい。
図2に示されるように、ヘッドレスト31の内部には、前方領域33の左側(Y1側)に管部材群40aが設けられ、前方領域33の右側(Y2側)に管部材群40bが設けられている。図3に示されるように、ヘッドレスト31の内部では、前方領域33の上側(Z1側)に管部材群40cが設けられている。
図4に、図2のIV矢視部が示されている。図4には右側(Y2側)の管部材群40bが拡大して示されている。管部材群40bは複数の管部材41を有している。図4の断面図に現れている管部材群40bでは、9本の管部材41が前後方向(X1-X2方向)に並んで配置されている。9本の管部材41は、左右方向(Y1-Y2方向)に直線状に延びている。ただし、管部材41は左右方向(Y1-Y2方向)に対して所定の角度を有して傾斜して設けられていてもよい。
図4に示される管部材群40bの一部をV-V線で切断した断面構造が図5(A)(B)で実施形態別に示されている。複数の管部材41は前後方向(X1-X2方向)に並んで配置されているとともに、上下方向(Z1-Z2方向)にも複数段となるように配置されている。図5(A)に示される実施形態では、個々の管部材41の断面が円形である。あるいは楕円形であってもよい。図5(B)に示される実施形態では、個々の管部材41の断面が長方形である。あるいは正方形であってもよい。管部材41の前後方向(X1-X2方向)と上下方向(Z1-Z2方向)の配列数は、図4と図5に示される実施形態よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
図4に示されるように、それぞれの管部材41の右側(Y2側)の端部は閉鎖された閉鎖端部42であり、左側(Y1側)の端部は解放された開口端部43である。一部の管部材41の開口端部43は前方領域33の内部で開口しており、他の管部材41の開口端部43は、ヘッドレスト31の傾斜前面31cに開口している。図4に示される実施形態では、全ての管部材41の開口端部43が、スピーカ32の発音方向の前方に位置し、さらに正確にはスピーカ32の振動板32bよりも前方(X1方向)に位置している。
全ての管部材41の開口端部43は、振動板32bの振動によって前方(X1方向)に向けられる音圧が与えられる位置に開口している。前方領域33にはスピーカ32の音圧が強く作用するため、前方領域33に開口端部43が位置している管部材41の内部空間に音圧が伝搬しやすくなっている。さらに前方の管部材41の開口端部43は傾斜前面31cに開口しているが、傾斜前面31cは中心線Oに斜めに対向しているため、開口端部43に沿って左右方向へ広がろうとする音圧も、管部材41の内部に伝搬しやすくなっている。
図2において中心線Oよりも左側(Y1側)に位置する管部材群40aは、図4に示される管部材群40bと、中心線Oを挟んで面対称の構造である。図3に示されている管部材群40cは、前方領域33の上側に位置しており、前後方向と左右方向に複数の管部材41が配列している。管部材41の上端は閉鎖端部42であり、下端は開口端部43である。それぞれの管部材41の開口端部43は前方領域33の内部に解放されて、スピーカ32から前方に発せられる音圧が与えられる位置に開口している。
ヘッドレスト31に設けられた管部材群40a,40b,40cでは、異なる管長の管部材41が組み合わされている。ここでの管長とは、各管部材41の内部空間において、開口端部43から閉鎖端部42までの長さ寸法を意味している。図4に示される管部材群40bでは、管長がL1,L2,L3、L4,L5の管部材41が組み合わされて配列している。管部材群40a,40b,40cでは、管部材41の管長が1本ずつ全て相違していてもよいし。1つの管部材群に同じ管長のものが含まれ、全体としては異なる管長が組み合わされたものであってもよい。
図1には、前部座席1に着座している前席搭乗者10の肩部11と頭部12および耳部13が示されている。前部座席1のシート背面部4の上にも車室内音響装置30が設けられている。前部座席1に設けられた車室内音響装置30のヘッドレスト31およびスピーカ32の構造は、図2と図3および図4に示された後部座席2に設けられたものと同じである。
前部座席1に設けられた車室内音響装置30に装備されたスピーカ32と、後部座席2に設けられたスピーカ32の再生音はモノラルである。
図1と図2に示される第1実施形態の車室内音響装置30は、前部座席1と後部座席2とで、スピーカ32から別のコンテンツに基づく音を個別に発生させることが可能である。例えば、前部座席1のスピーカ32からは、運転者である前席搭乗者10に対し、ナビゲーションシステムの道案内音やその他の車両走行情報やエアーコンディショナ―の動作情報が音声として与えられる。また前部座席1のスピーカ32から音楽再生音が与えられてもよい。後部座席2のスピーカ32から後席搭乗者20に対して、ゲーム操作に基づく音や、テレビジョン受像機の音声、あるいは個人的に聞きたい音楽の再生音が与えられる。
図1と図2の平面図に示されるように、スピーカ32の中心は中心線O上に位置し、図3に示されるように、スピーカ32が首背部25(または後頭部26)に後方から対向している。スピーカ32と首背部25(または後頭部26)との間には空間が形成されているため、音圧が後席搭乗者20の耳部23に届きやすく、後席搭乗者20は近くに位置するスピーカ32の再生音を十分な音量で聴取することができる。
スピーカ32から前方(X1方向)に指向される音圧は、首背部25(または後頭部26)に当たって、音圧が首部24および頭部22よりも前方へ直進するのが抑制される。また、スピーカ32から左右方向や上下方向へ向かう音圧は、ヘッドレスト31の左側(Y1側)の端部付近と右側(Y2側)の端部付近で回折されるなどして、左右方向と上下方向へ拡散していく。スピーカ32から発せられる音圧のうちの高音域の成分は前方への指向性が高いため、首背部25(または後頭部26)で遮られやすい。ただし、低音域や中音域の音圧は、高音域に比べて前方への指向性が低いため、左右方向や上下方向へ回り込むようにして周囲に拡散しやすい。
車室内音響装置30では、スピーカ32の発音方向の前方において、左右両側に管部材群40aと管部材群40bが設けられ、上側に管部材群40cが設けられている。管部材群40a,40b,40cでは、管部材41の開口端部43が、前方領域33内に開口し、また傾斜前面31b,31cに開口して、スピーカ32の振動板32bの振動により生成される音圧が、全ての管部材41の開口端部43に与えられる。
音圧は、それぞれの管部材41の開口端部43から管部材41の内部空間を伝搬することでエネルギーが消耗され、ヘッドレスト31の前方周辺で、スピーカ32から発せられる音響エネルギーが消耗させられる。図4に示されるように、管部材41の一端が閉鎖端部42で、一方の端部のみが開口端部43の場合に、管長の4倍の波長を有する空気振動が管内で共鳴してエネルギーが大幅に減衰させられる。管部材41は両端が開口端部で、一方の開口端部に音圧が与えられる構造であってもよい。この場合には、管長の2倍の波長を有する空気振動が管内で共鳴してエネルギーが大幅に減衰させられる。
管部材群40a,40b,40cでは、図4に示されるように、異なる管長L1,L2,L3,L4,L5の管部材41が組み合わされて使用されている。そのため、複数の周波数において、管内で空気振動が共鳴するようになり、広い周波数帯域で音響エネルギーを、ヘッドレスト31の前方領域で減衰させることができる。
車室内音響装置30では、図2と図3に示されるように、スピーカ32の中心が平面視で中心線O上に位置し、スピーカ32が後席搭乗者20の首背部25または後頭部26に対向している。そのため、スピーカ32から発せられる高音域の音圧は前方への指向性が高いため、首背部25や後頭部26に当たることで、前方への伝搬が遮断されやすい。そのため、比較的指向性の低い低音域や中音域の音圧のエネルギーを、複数の管部材41の共鳴によって減衰させることが効果的である。
一般に低音域の周波数は100~150Hz程度で、中音域の周波数は150Hzから4KHzである。音速を340m/sとすると、低音域の音圧振動の波長は、3.4m~2.3m、中音域の空気振動の波長は、2.3m~8.5cmである。低音域と中音域の空気振動を管の共鳴により減衰させるには、一端が閉鎖端部42である管部材41の場合、管長L1,L2、L3,L4,L5は、85cm~2.1cmの範囲の数値から選択して使用することが好ましい。両端が開口端部である管部材が使用される場合には、管長が、1.7m~4.3cmの範囲の数値から選択して使用することが好ましい。すなわち、管部材群40a,40b,40cを構成する複数の管部材41のうち、前記数値範囲内のいずれかのかの管長を有するものが含まれていることが好ましい。
前部座席1に設けられた車室内音響装置30の音響効果は、後部座席2に設けられた車室内音響装置30と同じである。車室内音響装置30では、スピーカ32から発せられる音圧が搭乗者の首背部25や後頭部26に当たることで音響エネルギーが減衰させられ、また音圧による空気振動が管部材群40a,40b,40cの各管部材41の内部を伝搬することで減衰させられる。そのため、各座席に着座している搭乗者の耳部には音響が十分な音量で届くことになるが、他の座席への音圧の伝搬を抑制することができる。そのため、それぞれの座席に着座している搭乗者は、他の座席のスピーカからの音に影響されることなく、個別に再生音を聴取することが可能になる。
図6に本発明の第2実施形態の車室内音響装置130の一部が示されている。図6は、図4に相当する部分拡大断面図である。図6に示される車室内音響装置130では、前方領域33の右側(Y2側)に、図4に示されたのと同じ構造の管部材群40bが設けられている。管部材群40bを構成する管部材41は一端が閉鎖端部42であり、開口端部43が、スピーカ32の振動板32bよりも前方(X1方向)で開口している。車室内音響装置130では、スピーカ32の振動板32bよりも後方に、背部管部材群40dが設けられている。背部管部材群40dにも、管長が相違する複数の管部材41が設けられている。管部材41は一端が閉鎖端部42となっており、他端の開口端部43が、スピーカ32が位置する収納空間34の内部であって、スピーカ32の振動板32bよりも後方に開口している。
図6に示される車室内音響装置130では、スピーカ32よりも前方に位置する管部材群40a,40b,40cを構成する管部材41によって、振動板32bの振動によって前方(X1方向)へ与えられる音圧のエネルギーが減衰させられる。振動板32bよりも後方の空間である収納空間34内では、振動板32bの振動によって、前方へ与えられる音圧と位相が反転した背部音圧が発生する。この背部音圧は、背部管部材群40dを構成している管部材41の内部に伝搬し、背部音圧のエネルギーが減衰させられる。背部音圧の空気振動が減衰させられることによって、背部音圧が仕切り板36を前方に透過することがあっても、振動板32bから前方に与えられる音圧と、背部音圧とが干渉するのを防止でき、音質品質を向上させることが可能である。
図7示される車室内音響装置230では、ヘッドレスト31の収納空間34の内部に2つのスピーカ32が設置されている。2つのスピーカ32は左右方向に距離を離して配置されて、ステレオ音響装置として機能できるようになっている。この車室内音響装置230においても、2つのスピーカ32の前方に管部材群40a,40b,40cが設けられている。この管部材群40a,40b,40cに設けられた管部材41によって音響エネルギーを減衰させることが可能である。
1 前部座席
2 後部座席
4 シート背面部
10 前席搭乗者
20 後席搭乗者
22 頭部
23 耳部
25 首背部
26 後頭部
30 車室内音響装置
31 ヘッドレスト
31a 中央前面
31b,31c 傾斜前面
32 スピーカ
33 前方領域
34 収納領域
40a,40b,40c 管部材群
40d 背部管部材群
41 管部材
42 閉鎖端部
43 開口端部
130,230 車室内音響装置
L1,L2,L3,L4,L5 管長

Claims (6)

  1. 車室内の座席のヘッドレストに、前記座席に着座している搭乗者へ音圧を与えるスピーカが設置されている車室内音響装置において、
    前記ヘッドレストに、内部が空洞の管部材が設置され、前記管部材の開口端部が、前記スピーカで発生する音圧が与えられる位置に設けられていることを特徴とする車室内音響装置。
  2. 前記ヘッドレストに、管長が相違する複数の前記管部材が設置されている請求項1記載の車室内音響装置。
  3. 前記管部材の前記開口端部は、前記スピーカに設けられた振動板を境としてそれよりも発音方向の前方に位置している請求項1または2記載の車室内音響装置。
  4. 前記管部材の前記開口端部は、前記スピーカに設けられ振動板を境としてそれよりも発音方向と反対側の後方に位置している請求項1ないし3のいずれかに記載の車室内音響装置。
  5. 前記ヘッドレストの左右方向の中心部に、前記スピーカが配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の車室内音響装置。
  6. 前記スピーカは、前記搭乗者の首背部または後頭部に対向している請求項5記載の車室内音響装置。
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