したがって、異常な細胞成長の処置において使用するための、化合物(例えば、阻害剤)、組成物(例えば、製剤、例えば経口用製剤(例えば、経口剤形))、および非受容体チロシンキナーゼFAKの阻害剤の使用方法が必要とされている。米国特許第8,247,411号は、キナーゼ阻害剤、より詳細には、FAKの阻害剤である、新規ピリミジン誘導体の幅広いクラスに関するものである。これらの誘導体などの化合物は、異常な細胞成長の処置において有用となり得る。
一態様では、本発明は、例えば、添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF);例えばポリオール(例えば、マンニトール−デンプン(例えば、Pearlitol Flash)、マンニトール、ソルビトール))と混合されている、組成物、例えばVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む医薬組成物を含む。一部の実施形態では、この添加剤は結合剤である。一部の実施形態では、この添加剤はポリマーである。一部の実施形態では、このポリマーは沈殿阻害剤である。一部の実施形態では、この沈殿阻害剤はHPMCASである。一部の実施形態では、この沈殿阻害剤はHPMCAS−HFである。一部の実施形態では、この添加剤は、経口投与されると、(例えばインビボで、例えば溶液中のVS−6063の)沈殿を低減する。一部の実施形態では、この添加剤は、経口投与されると、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)のバイオアベイラビリティを向上(例えば、吸収を改善)する。一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)とポリマーとの重量比(例えば、相対量)は、約1対1、1対2、1対3、1対4、1対5、1対6、1対7、1対8または1対9である。一部の実施形態では、上記のポリマーは、沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF)である。一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)は、組成物中に、提供されるポリマー、例えば沈殿阻害剤の量に対して、重量あたり約10、25、30、31、32、32.5、33、34、35、40、45、50%またはそれ超の重量(w/w)となる量で存在する。一部の実施形態では、本組成物は、該組成物の重量あたり、5〜50%、5〜30%、10〜30%、10〜20%、12〜15%または13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩と混合される。一部の実施形態では、ポリマーは、経口剤形の重量あたり、25〜55%、35〜45%、38〜43%または40%重量のポリマーで存在する。一部の実施形態では、このポリマーは、沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF)である。一部の実施形態では、この沈殿阻害剤はHPMCASである。一部の実施形態では、この沈殿阻害剤はHPMCAS−HFである。
一部の実施形態では、本組成物は、経口剤形で構成される。一部の実施形態では、この経口剤形は、該経口剤形の重量あたり、5〜50%、5〜30%、10〜30%、10〜20%、12〜15%または13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む。一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)は、経口剤形の重量あたり、13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する。
一部の実施形態では、この経口剤形は錠剤である。一部の実施形態では、この錠剤は物理的ブレンドまたは混合物の直接圧縮によって提供される。一部の実施形態では、この物理的ブレンドまたは混合物は、乾式造粒プロセスによって提供される。
一部の実施形態では、この錠剤は、約5〜20kP、7〜17kP、5〜15kPまたは10〜15kPの錠剤硬度を有する。一部の実施形態では、この錠剤は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13kPまたはそれ超の錠剤硬度を有する。一部の実施形態では、この錠剤は、約1〜20分、3〜17分、5〜15分、または9〜15分の崩壊時間を有する。一部の実施形態では、この錠剤は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20分またはそれ超の崩壊時間を有する。
一部の実施形態では、本医薬組成物は1種または複数の充填剤(例えば、微結晶性セルロース(例えば、微結晶性セルロースPH102、例えば、Avicel PH102)、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物(例えば、FastFlo316)))をさらに含む。一部の実施形態では、この充填剤は、経口剤形の重量あたり、5〜80%、10〜70%、20〜60%、30〜60%、30〜50%または42%重量の充填剤で存在する。一部の実施形態では、この充填剤は2種の充填剤の混合物である。一部の実施形態では、1種の充填剤は、微結晶性セルロース、微結晶性セルロースPH102(例えば、Avicel PH102)である。一部の実施形態では、1種の充填剤は、ラクトース一水和物(例えば、FastFlo316)である。一部の実施形態では、この充填剤は、経口剤形の重量あたり、10〜30%、15〜25%または20%重量の充填剤で存在する。一部の実施形態では、これらの充填剤は相互に1:1(w/w)の比で存在する。
一部の実施形態では、本経口剤形は崩壊剤(例えば、ポリマー、例えば、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドン、カルボキシメチルセルロースまたはクロスカルメロースナトリウム、デンプン、例えば改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)を含む。一部の実施形態では、この崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。一部の実施形態では、この崩壊剤は、経口剤形の重量あたり、0〜5%、1〜5%、2.5〜5%または3%重量の崩壊剤で存在する。
一部の実施形態では、この経口剤形は滑沢剤(例えば、タルク、シリカ、脂肪、例えばステアリン酸マグネシウム)を含む。一部の実施形態では、この滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一部の実施形態では、この滑沢剤は、経口剤形の重量あたり、0.1〜2%または0.2〜1.5%重量の滑沢剤で存在する。一部の実施形態では、この滑沢剤は1%w/wで存在する。一部の実施形態では、この滑沢剤は0.5%w/wで存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形よりも大きなCmax値を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量(例えば、やはり100mgのVS−6063を有する参照剤形に対して、100mgのVS−6063を有する剤形)の参照剤形よりも、少なくとも1.1倍(例えば、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍)大きい。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量の参照剤形よりも、少なくとも1.6倍大きく、少なくとも1.7倍大きく、少なくとも1.8倍大きく、少なくとも1.9倍大きく、少なくとも2倍大きく、少なくとも3倍大きく、または少なくとも4倍大きい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形と比べて、食品による影響が低下している。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異は、同一投与量の参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異よりも小さい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与された場合、一定の曝露を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が50%未満となる曝露をもたらす。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が40%、30%、20%または10%未満となる曝露をもたらす。
一態様では、本発明は、乾燥重量基準で、約5〜50重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、乾燥重量基準で約25〜55重量%の量の薬学的に許容される添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))、乾燥重量基準で約10〜30重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、微結晶性セルロース、例えば微結晶性セルロースPH102、例えばAvicel PH102)、乾燥重量基準で約10〜30重量%の量の第2の薬学的に許容される充填剤(例えば、ラクトース、例えばラクトース一水和物、例えばFastFlo316)、乾燥重量基準で約0〜5重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、デンプン、例えば改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)、および乾燥重量基準で約0.1〜2重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む、経口剤形を含む。一部の実施形態では、本発明は、乾燥重量基準で約10〜15重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、乾燥重量基準で約35〜55重量%の量の薬学的に許容される添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))、乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、微結晶性セルロース、例えば微結晶性セルロースPH102、例えばAvicel PH102)、乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の第2の薬学的に許容される充填剤(例えば、ラクトース、例えばラクトース一水和物、例えばFastFlo316)、乾燥重量基準で約2.5〜3.5重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、デンプン、例えば改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)、および乾燥重量基準で約0.2〜1.5重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む、経口剤形を含む。一部の実施形態では、本経口剤形は、圧縮した医薬品錠剤または直接圧縮した医薬品錠剤である。
一部の実施形態では、添加剤は、1種または複数の結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニル(polyvinylactate)を含む(例えば、Soluplus)))である。一部の実施形態では、結合剤は、ポリマー、例えば沈殿阻害剤である。一部の実施形態では、結合剤は、2種の結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルを含む(例えば、Soluplus)))を含む。一部の実施形態では、結合剤は、ポリマー、例えば沈殿阻害剤である。一部の実施形態では、この結合剤は、経口剤形の重量あたり、約37.5%重量の結合剤で存在する。一部の実施形態では、この結合剤は、経口剤形の重量あたり、約25%重量の結合剤で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、ポリオール(例えば、マンニトール−デンプン(例えば、Pearlitol Flash)、マンニトール、ソルビトール)である。
一部の実施形態では、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン(例えば、クロスポビドン)である。一部の実施形態では、この崩壊剤は、経口剤形の重量あたり、0〜30%、5〜25%、5〜20%、5〜15%または10%重量の崩壊剤で存在する。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形よりも大きなCmax値を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量(例えば、やはり100mgのVS−6063を有する参照剤形に対して、100mgのVS−6063を有する剤形)の参照剤形よりも、少なくとも1.1倍(例えば、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍)大きい。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量の参照剤形よりも、少なくとも1.6倍大きく、少なくとも1.7倍大きく、少なくとも1.8倍大きく、少なくとも1.9倍大きく、少なくとも2倍大きく、少なくとも3倍大きく、または少なくとも4倍大きい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形と比べて、食品による影響が低下している。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異は、同一投与量の参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異よりも小さい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与された場合、一定の曝露を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が50%未満となる曝露をもたらす。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が40%、30%、20%または10%未満となる曝露をもたらす。
一態様では、本発明は、乾燥重量基準で約10〜15重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の薬学的に許容される添加剤(例えば、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)))、乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の第2の薬学的に許容される添加剤(例えば、結合剤(例えば、ポリ酢酸ビニル(例えば、Soluplus)))、乾燥重量基準で約30〜40重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、ポリオール(例えば、マンニトール−デンプン(例えば、Pearlitol Flash)))、乾燥重量基準で約5〜15重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、および乾燥重量基準で約0.2〜1.5重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む、経口剤形を含む。
一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)は、経口剤形の重量あたり、10%重量のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)で存在する。一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)は、経口剤形の重量あたり、25%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する。一部の実施形態では、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)は、経口剤形の重量あたり、50%重量のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)で存在する。
一部の実施形態では、この物理的ブレンドまたは混合物は、スプレードライ分散プロセスによって提供される。一部の実施形態では、本プロセスは、少なくとも10重量%(例えば、10、20、25、40、50%またはそれ超)のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、固体分散物をもたらす。一部の実施形態では、本プロセスは、10重量%のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、固体分散物をもたらす。一部の実施形態では、本プロセスは、25重量%のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、固体分散物をもたらす。一部の実施形態では、この分散物は、ポリマー、例えばポリマーマトリックス(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMACS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)またはヒプロメロースフタレート、例えばHPMCP−HP55、HPMCP−HP55S、Methocol E3LV、PVP−VA、Soluplus、PVAP、ポリメタクリル酸(例えば、Eudragit 、例えばEudragit L100−55)、Soluplus:PVP−VA混合物、Soluplus、HPMCAS(例えば、HPMCAS−H)混合物)をさらに含む。一部の実施形態では、この分散物は、ポリマーマトリックス(例えば、ポリメタクリル酸(例えば、Eudragit 、例えばEudragit L100−55))をさらに含む。
一態様では、本発明は、がん障害(例えば、中皮腫(例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、卵巣がん(例えば進行性卵巣がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLC))、または非血液系悪性疾患と特定された被験体の処置に使用するための、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む経口剤形を含む。
一態様では、本発明は、障害の処置を必要としている患者において、障害を処置する方法であって、10〜500mgのVS−6063(例えばVS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えばVS−6063塩酸塩)を含む経口剤形を投与し、これにより該障害を処置するステップを含む、方法を含む。一部の実施形態では、この障害は、がん障害(例えば、中皮腫(例えば、外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん)、卵巣がん(例えば、進行性卵巣がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えば、KRAS変異NSCLC))または非血液系悪性疾患である。
一部の実施形態では、投与は、追加の薬剤(例えば、抗がん剤または抗腫瘍剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセル)の投与と組み合わせて行われる。
一態様では、本発明は、(a)乾燥重量基準で重量%として、(i)乾燥重量基準で5〜50重量%のVS−6063、(ii)薬学的に許容される添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばHPMC、例えばHPMC−AS、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF)、および(iii)薬学的に許容される充填剤、薬学的に許容される崩壊剤および薬学的に許容される滑沢剤から選択される、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤を混合して(例えば、ブレンドして)、錠剤に直接圧縮することが可能な打錠用粉末の形態で、VS−6063製剤を形成するステップ、および(b)ステップ(a)の間に調製された製剤を圧縮して、単位剤形の圧縮されたVS−6063錠剤を形成するステップを含む、単位剤形の直接圧縮されている錠剤を調製する方法を含む。一部の実施形態では、薬学的に許容される充填剤は、乾燥重量基準で30〜60重量%で存在する。一部の実施形態では、薬学的に許容される崩壊剤は、乾燥重量基準で2.5〜5重量%で存在する。一部の実施形態では、薬学的に許容される滑沢剤は、乾燥重量基準で0.5〜2重量%で存在する。
一態様では、本発明は、中皮腫、例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫(例えば、非転移性、切除不能)を有する被験体を処置する方法であって、有効量のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を前記被験体に提供し、これにより前記被験体を処置する、方法を含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の有効なクールを前記被験体に提供するステップを含む。
一部の実施形態では、前記被験体は、腫瘍抑制遺伝子に変異を有する。一部の実施形態では、前記被験体は、ニューロフィブロミン2(NF2)に変異を有する。NF2は、腫瘍抑制遺伝子であり、細胞増殖の制限およびアポトーシスの促進において機能し得る、タンパク質マーリン(Merlin)をコードする。マーリンは、ある種の結合パートナーと相互作用するFAKの能力を撹乱するFAKのリン酸化を減衰することにより、少なくとも部分的にFAKを調節し、FAK媒介性シグナル伝達経路の阻害をもたらす。したがって、マーリンの発現および/もしくは活性の低下をもたらすNF2遺伝子における変異、またはNF2変異の非存在下でのマーリン発現および/もしくは活性の低下は、FAK阻害剤に対する感受性の向上をもたらし得る。したがって、NF2遺伝子における1つまたは複数の変化、またはマーリン発現および/もしくは活性のレベルの変化、例えばマーリン発現のレベル低下を有するがん患者は、FAK阻害剤に対する感受性が向上していることを特徴とするがんを有している可能性があり、こうして、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、例えばVS−6063遊離塩基または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩))による処置から恩恵を受けることがある。一部の実施形態では、前記被験体は、例えば、参照標準、例えば腫瘍抑制遺伝子において変異を有していない被験体、NF2に変異を有していない被験体、またはがんを有していない被験体に比べて、NF2およびまたはマーリンのレベルが異常である。一部の実施形態では、前記被験体は、マーリンタンパク質のレベルが異常(例えば、レベルがより低いか、または機能障害レベルである)である。一部の実施形態では、本方法は、例えば、被験体のNF2およびまたはマーリン(すなわち、マーリンタンパク質)の状態に関する情報を取得するステップ、例えば直接取得するステップまたは間接的に取得するステップを含む。一部の実施形態では、NF2およびまたはマーリンの状態は、免疫組織化学によって決定される。一部の実施形態では、NF2およびまたはマーリンの状態は、DNA配列分析によって決定される。一部の実施形態では、本方法は、被験体のNF2およびまたはマーリンの状態について前記被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、NF2およびまたはマーリンの状態、例えば変異体NF2に応答して、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を前記被験体に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、マーリン発現のレベルは低い、低下している、またはマーリン発現が存在していない。一部の実施形態では、マーリン発現のレベルを参照標準と比較する。一部の実施形態では、参照標準と比較して、マーリン発現のレベルが低い、低下している、またはマーリン発現が存在していない。一部の実施形態では、マーリン発現のレベルは、マーリンRNA発現のレベルによって評価される。一部の実施形態では、マーリン発現のレベルは、マーリンをコードするRNAのレベルの評価によって測定される。一部の実施形態では、マーリン発現のレベルは、マーリンタンパク質発現のレベルによって評価される。一部の実施形態では、マーリンタンパク質発現のレベルは、免疫組織化学またはウエスタンブロットによりアッセイされる。免疫組織化学またはIHCとは、生物組織において、抗原に特異的に結合する抗体の原理を利用して組織切片の細胞中の抗原(例えばタンパク質)の場所を特定するプロセスを指す。好ましい実施形態では、マーリンタンパク質発現のレベルは、免疫組織化学によりアッセイされる。
一部の実施形態では、患者は、NF2遺伝子の1つまたは複数の変化を有する。
一部の実施形態では、NF2遺伝子における変化には、変異、染色体欠失、またはNF2遺伝子またはNF2プロモーターへの変化が含まれる。一部の実施形態では、NF2プロモーターへの変化には、メチル化の変化、例えば過剰メチル化が含まれる。一部の実施形態では、評価には、患者のNF2遺伝子型に関する情報を取得するステップが含まれる。一部の実施形態では、患者のNF2遺伝子型が、参照標準と比較される。
一部の実施形態では、NF2遺伝子における変化には、変異、染色体欠失、またはNF2遺伝子への変化が含まれる。NF2遺伝子は、任意の調節配列、例えば、プロモーター配列およびエンハンサー配列を含む。一部の実施形態では、NF2遺伝子における変化には、変異、染色体欠失、またはNF2遺伝子への変化が含まれる。NF2遺伝子は、任意の調節配列、例えば、プロモーター配列およびエンハンサー配列を含む。ある特定の実施形態では、NF2遺伝子における変化は、1つまたは複数の変異である。ある特定の実施形態では、この変化は、一塩基多型である。ある特定の実施形態では、この変化は点変異である。ある特定の実施形態では、この変化は不活性化変異である。ある特定の実施形態では、NF2遺伝子における変化は、染色体欠失である。ある特定の実施形態では、変化は不活性化染色体欠失である。ある特定の実施形態では、NF2遺伝子における変化は、遺伝子のプロモーター領域の過剰メチル化である。
NF2遺伝子における1つまたは複数の変化、またはマーリン発現および/または活性のレベルの変化、例えばマーリン発現のレベル低下を有するがん患者は、FAK阻害剤に対する感受性または応答性を特徴とするがんを有している可能性があり、こうして、FAK阻害剤による処置から恩恵を受けることがある。
一部の実施形態では、本方法は、第2の治療のクール、例えば第2の抗腫瘍治療または抗がん治療、例えば1種または複数の抗腫瘍剤または抗がん剤を共投与するステップを含む。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、中皮腫の診断後に提供される。一部の実施形態では、第2の治療のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールの提供を開始する前に終了する。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第1のクールを提供するステップ、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を投与するステップ、および前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第1のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の投与前に開始される。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤(thereaputic agent)のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクール中に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記被験体は、第2の治療、例えば第2の抗がん治療または抗腫瘍治療、例えば1種または複数の抗がん剤または抗腫瘍剤のクールを以前に受けている。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、中皮腫の診断後に投与される。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に終了する。一部の実施形態では、前記第2の治療は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の最初の投与後に投与されない。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、第2のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクール中に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記第2の治療は、治療剤、例えば、抗腫瘍剤または抗がん剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、追加の薬剤、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば、有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質(intercalating antibiotics)、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬を含む群より選択される抗がん剤または抗腫瘍剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬(platin drug)、例えばシスプラチンまたはカルボプラチンを含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬以外の薬物を含み、例えば、前記治療剤は、タキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル;植物由来の抗腫瘍物質、例えばアルカロイド、例えばビノレルビン;代謝拮抗薬、例えば、ゲムシタビン;または細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンを含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、第1および第2の治療剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記第1および第2の治療剤は、それぞれ、追加の治療剤、例えば抗腫瘍剤または抗がん剤、例えば有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬からなる群より選択される抗腫瘍剤または抗がん剤の群より選択される。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬、例えばシスプラチンまたはカルボプラチンを含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬以外の薬物を含み、例えば、前記治療剤は、タキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル;植物由来の抗がん物質または抗腫瘍物質、例えばアルカロイド、例えばビノレルビン;代謝拮抗薬、例えばゲムシタビン;または細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンを含む。
一態様では、本発明は、がん、例えば肺がん、例えば非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLCを有する被験体を処置する方法であって、有効量のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を前記被験体に提供し、これにより前記被験体を処置する、方法を含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の有効なクールを前記被験体に提供するステップを含む。一部の実施形態では、前記がんは転移性である。一部の実施形態では、被験体は、局所再発性疾患を有する。
一態様では、本発明は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)による処置のために、がん、例えば肺がん、例えば非小細胞肺がん(NSCLC)を有する被験体を評価する方法を含み、この方法は、前記NSCLCにおける遺伝子の変異状態を取得する、例えば直接または間接的に取得し、それによって前記被験体を評価するステップを含む。一部の実施形態では、遺伝子は、KRAS、INK4a/Arfおよびp53を含む群より選択される。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASの変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびINK4a/Arfの変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびp53の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRAS、INK4a/Arfおよびp53の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、前記変異状態に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体およびINK4a/Arf変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体およびp53変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体、INK4a/Arf変異体およびp53変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおける遺伝子中の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおいて、KRAS、INK4a/Arfおよびp53を含む群に由来する遺伝子における変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASの変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびINK4a/Arfの変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびp53の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRAS、INK4a/Arfおよびp53の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、前記被験体(例えば、NSCLCを有する被験体)の細胞は、KRAS変異体;KRAS変異体およびINK4a/Arf変異体;またはKRAS変異体、INK4a/Arf変異体およびp53変異体を含む。一部の実施形態では、前記がんは転移性である。一部の実施形態では、被験体は、局所再発性疾患を有する。
一部の実施形態では、本方法は、前記被験体のNSCLCにおける遺伝子の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、遺伝子は、KRAS、INK4a/Arfおよびp53を含む群より選択される。一部の実施形態では、本方法は、前記被験体のNSCLCにおけるKRASの変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記被験体のNSCLCにおけるKRASおよびINK4a/Arfの変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、被験体のNSCLCにおける前記被験体のKRASおよびp53の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRAS、INK4a/Arfおよびp53の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、前記変異状態に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体およびINK4a/Arf変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体およびp53変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、NSCLCがKRAS変異体、INK4a/Arf変異体およびp53変異体を含んでいるという決定に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおける遺伝子中の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおいて、KRAS、INK4a/Arfおよびp53を含む群に由来する遺伝子における変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASの変異について、被験体を直接試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびINK4a/Arfの変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRASおよびp53の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記NSCLCにおけるKRAS、INK4a/Arfおよびp53の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、被験体(例えば、肺がん、例えばNSCLCを有する被験体)における細胞は、KRAS変異体;KRAS変異体およびINK4a/Arf変異体;またはKRAS変異体、INK4a/Arf変異体およびp53変異体を含む。
一部の実施形態では、本方法は、第2の治療のクール、例えば第2の抗腫瘍治療または抗がん治療、例えば1種または複数の抗腫瘍剤または抗がん剤を共投与するステップを含む。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、NSCLCの診断後に提供される。一部の実施形態では、第2の治療のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールの提供を開始する前に終了する。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第1のクールを提供するステップ、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を投与するステップ、および前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第1のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の投与前に開始される。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクール中に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記被験体は、第2の治療のクール、例えば第2の抗腫瘍治療または抗がん治療、例えば1種または複数の抗腫瘍剤または抗がん剤を以前に受けている。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、NSCLCの診断後に投与される。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に終了する。一部の実施形態では、前記第2の治療は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の最初の投与後に投与されない。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、第2のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクール中に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記第2の治療は、治療剤、例えば、抗腫瘍剤または抗がん剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、追加の薬剤、例えば抗腫瘍剤または抗がん剤、例えば有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬からなる群より選択される抗腫瘍剤または抗がん剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬、例えばシスプラチンまたはカルボプラチンを含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬以外の薬物を含み、例えば、前記治療剤は、タキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル;植物由来の抗腫瘍物質、例えばアルカロイド、例えばビノレルビン;代謝拮抗薬、例えば、ゲムシタビン;または細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンを含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、第1および第2の治療剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記第1および第2の治療剤は、それぞれ、追加の治療剤、例えば抗腫瘍剤または抗がん剤、例えば有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬からなる群より選択される抗腫瘍剤または抗がん剤の群より選択される。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬、例えばシスプラチンまたはカルボプラチンを含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、プラチン薬以外の薬物を含み、例えば、前記治療剤は、タキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル;植物由来の抗腫瘍物質または抗がん物質、例えばアルカロイド、例えばビノレルビン;代謝拮抗薬、例えばゲムシタビン;または細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカンを含む。
一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、少なくとも5、10、15、20、25、30または35日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、5〜40、10〜40、10〜30または10〜25日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、15〜40、15〜30または15〜25日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、21+/−5、21+/−4、21+/−3、21+/−2または21+/−1日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、21日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、1日あたり、1、2、3または4回、投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、1日あたり2回、投与される。一部の実施形態では、前記VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、経口投与される。一部の実施形態では、50〜800、50〜600、50〜500、50〜400、50〜300または50〜200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100〜800、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300または100〜200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200〜800、200〜600、200〜500、200〜400または200〜300mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、250〜800、250〜600、250〜500、250〜400または250〜300mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、これらの範囲には、一方または両方のエンドポイントは含まれず、例えば、この場合、これらの範囲には、低い側のエンドポイントが含まれない。一部の実施形態では、100+/−50、150+/−50、200+/−50、250+/−50、300+/−50、400+/−50、500+/−50、550+/−50または600+/−50mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、400mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。
一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、複数のサイクル(例えば、1回超のサイクル)で投与される。一部の実施形態では、各サイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、一定である(例えば、投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量が同じである)。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、別のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量とは異なる。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、後のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量より少ない。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、後のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量より多い。
一部の実施形態では、50+/−25、100+/−50、150+/−50、200+/−50、250+/−50、300+/−50、400+/−50、500+/−50、550+/−50または600+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、100+/−50、100+/−25、100+/−10または100+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100+/−20、100+/−10または100+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、100mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、200+/−50、200+/−25、200+/−10、または200+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200+/−20、200+/−10または200+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、200mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、400+/−50、400+/−25、400+/−10または400+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、400+/−20、400+/−10または400+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、400mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形よりも大きなCmax値を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量(例えば、やはり100mgのVS−6063を有する参照剤形に対して、100mgのVS−6063を有する剤形)の参照剤形よりも、少なくとも1.1倍(例えば、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍)大きい。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量の参照剤形よりも、少なくとも1.6倍大きく、少なくとも1.7倍大きく、少なくとも1.8倍大きく、少なくとも1.9倍大きく、少なくとも2倍大きく、少なくとも3倍大きく、または少なくとも4倍大きい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形と比べて、食品による影響が低下している。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異は、同一投与量の参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異よりも小さい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与された場合、一定の曝露を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が50%未満となる曝露をもたらす。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が40%、30%、20%または10%未満となる曝露をもたらす。
一態様では、本発明は、50〜800mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する単位剤形を含む。一部の実施形態では、単位剤形は、50+/−25mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、50+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、本発明は、100〜800mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する単位剤形を含む。一部の実施形態では、単位剤形は、100+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、100+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、100mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。
一態様では、本発明は、卵巣がん、例えば進行性または転移性卵巣がんを有する被験体を処置する方法を提供し、この方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の有効量を前記被験体に提供し、場合により、有効量の第2の治療剤、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセルを前記被験体に提供するステップであって、前記量が単独または組み合わされて、前記被験体を処置するのに有効であり、これにより前記被験体を処置する、ステップを含み、前記被験体が、少なくとも1日間、例えば、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の全サイクルまたはクールの間に、100または250mg/日を超えるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を受容しており、前記被験体が、少なくとも5、10または15日間、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を受容しており、前記第2の治療剤が、例えば異なるクールレジメンで、例えば、前記VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)と必ずしも同じではない日に提供される。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールを前記被験体に提供し、場合により、第2の治療剤、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセルを前記被験体に提供するステップであって、前記クールが単独または組み合わされて、前記被験体を処置するのに有効となる、ステップを含む。
一態様では、本発明は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、卵巣がんを有する被験体を評価する方法であって、前記卵巣がんにおける遺伝子の変異状態を取得して、例えば直接取得または間接的に取得して、これにより前記被験体を評価するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、前記変異状態に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記卵巣がんにおける遺伝子中の変異について、被験体を試験するステップを含む。
一部の実施形態では、本方法は、前記被験体の卵巣がんにおける遺伝子の変異状態を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)により処置するために、前記変異状態に応答して、前記被験体を選別するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、前記被験体の卵巣がんにおける遺伝子中の変異について、被験体を試験するステップを含む。一部の実施形態では、前記がんは、転移性である。一部の実施形態では、前記がんは局所再発性である。一部の実施形態では、前記がんは進行性である。
一部の実施形態では、本方法は、第2の治療のクール、例えば第2の抗がん治療または抗腫瘍治療、例えば1種または複数の抗がん剤または抗腫瘍剤を共投与するステップを含む。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールと第2の治療、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセルの投与のクールとが共投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールと第2の治療、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセルの投与のクールとが重なる。一部の実施形態では、前記第2の治療は、パクリタキセルの投与を含む。一部の実施形態では、前記パクリタキセルは、1つのクール、例えば、7+/−3、7+/−2、7+/−1または7日毎に、少なくとも2回、投与される。一部の実施形態では、前記パクリタキセルは、80+/−50、80+/−40、180+/−30、80+/−20、80+/−10または80mg/m2で投与される。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、卵巣がんの診断後に提供される。一部の実施形態では、第2の治療のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)、例えば、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクールの提供の開始前に終了する。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第1のクールを提供するステップ、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を投与するステップ、および前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第1のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の投与前に開始される。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に、開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の投与中、すなわちその投与のクール中には、前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記被験体は、第2の治療、例えば第2の抗がん治療または抗腫瘍治療、例えば1種または複数の抗がん剤または抗腫瘍剤のクールを以前に受けている。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールは、卵巣がんの診断後に投与される。一部の実施形態では、第2の治療の前記クールが、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に終了する。
一部の実施形態では、前記第2の治療は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の最初の投与後に投与されない。一部の実施形態では、本方法は、前記第2の治療の第2のクールを提供するステップを含む。一部の実施形態では、第2のクールが第1のクールに置き換わり、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、第2のクールは、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与前、それと同時またはその後に開始される。一部の実施形態では、投与回数、投与頻度、投与で送達される第2の治療剤の量、または被験体、例えば被験体の血中における第2の治療剤のレベルは、第1のクールと比較して、第2のクールでは低下する。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の初回投与後に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のクール中に前記被験体に投与されない。一部の実施形態では、前記第2の薬剤は、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)のサイクル中に前記被験体に投与されない。
一部の実施形態では、前記第2の治療は、治療剤、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記治療剤は、例えば、有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばパクリタキセルを含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、第1および第2の治療剤の投与を含む。一部の実施形態では、前記第2の治療は、追加の薬剤、例えば抗がん剤または抗腫瘍剤、例えば、有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬からなる群より選択される抗がん剤または抗腫瘍剤の投与を含む。
一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、5、10、15、20、21、25、28、30、35、40、45または50日間に等しいか、またはそれらより長いサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、5〜40、10〜40、10〜30または10〜25日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、15〜40、15〜30または15〜25日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、21+/−5、21+/−4、21+/−3、21+/−2または21+/−1日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、21日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、28+/−5、28+/−4、28+/−3、28+/−2または28+/−1日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、28日間のサイクルにわたり投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、1日あたり、1、2、3または4回、投与される。一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、1日あたり2回、投与される。一部の実施形態では、前記VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、経口投与される。一部の実施形態では、50〜800、50〜600、50〜500、50〜400、50〜300または50〜200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100〜800、100〜600、100〜500、100〜400、100〜300または100〜200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200〜800、200〜600、200〜500、200〜400または200〜300mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、250〜800、250〜600、250〜500、250〜400または250〜300mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、これらの範囲(例えば、本明細書に記載されている範囲)には、一方または両方のエンドポイントは含まれず、例えば、この場合、これらの範囲には、低い側のエンドポイントが含まれない。一部の実施形態では、50+/−25、100+/−50、150+/−50、200+/−50、250+/−50、300+/−50、400+/−50、500+/−50、550+/−50または600+/−50mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、50mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100+/−50、100+/−25、100+/−10または100+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200+/−50、200+/−25、200+/−10または200+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、400+/−50、400+/−25、400+/−10または400+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、400mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。
一部の実施形態では、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)は、複数のサイクル(例えば、1回超のサイクル)で投与される。一部の実施形態では、各サイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、一定である(例えば、投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量が同じである)。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、別のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量とは異なる。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、後のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量より少ない。一部の実施形態では、あるサイクルにおいて投与されるVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量は、後のサイクル(例えば、第2のサイクル)において投与される、VS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の量より多い。
一部の実施形態では、50+/−25、100+/−50、150+/−50、200+/−50、250+/−50、300+/−50、400+/−50、500+/−50、550+/−50または600+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、200+/−50、200+/−25、200+/−10または200+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、200+/−20、200+/−10または200+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、200mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、100+/−50、100+/−25、100+/−10、または100+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、100+/−20、100+/−10または100+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、100mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、50+/−25、50+/−10または50+/−5mg/日のVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)が投与される。一部の実施形態では、50+/−20、50+/−10または50+/−5mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。一部の実施形態では、50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)の単位投与製剤が投与される。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形よりも大きなCmax値を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量(例えば、やはり100mgのVS−6063を有する参照剤形に対して、100mgのVS−6063を有する剤形)の参照剤形よりも、少なくとも1.1倍(例えば、少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍)大きい。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形のCmax値は、同一投与量の参照剤形よりも、少なくとも1.6倍大きく、少なくとも1.7倍大きく、少なくとも1.8倍大きく、少なくとも1.9倍大きく、少なくとも2倍大きく、少なくとも3倍大きく、または少なくとも4倍大きい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形と比べて、食品による影響が低下している。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異は、同一投与量の参照経口剤形、例えば、混合物中に、添加剤(例えば、セルロースポリマーおよびその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF))を含んでいない剤形を投与された被験体の摂食状態と絶食状態との間のTmax値の差異よりも小さい。
一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与された場合、一定の曝露を有する。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が50%未満となる曝露をもたらす。一実施形態では、本明細書に記載されている経口剤形は、被験体に投与されると、同一投与量の参照経口剤形の曝露と比べて、複数の被験体にわたり、曝露に伴う変動性が40%、30%、20%または10%未満となる曝露をもたらす。
一態様では、本発明は、50〜800mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する単位剤形を含む。一部の実施形態では、単位剤形は、100+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、100+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、100mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、200mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400+/−50mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400+/−10mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。一部の実施形態では、単位剤形は、400mgのVS−6063もしくは薬学的に許容されるその塩、または組成物(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む組成物)を有する。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばHPMC、例えばHPMCAS、例えばHPMCAS−HF;結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルを含む(例えば、Soluplus))))と混合されている、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、医薬組成物。
(項目2)
前記添加剤がポリマーである、項目1に記載の医薬組成物。
(項目3)
前記ポリマーが沈殿阻害剤である、項目2に記載の医薬組成物。
(項目4)
前記沈殿阻害剤がHPMCASである、項目3に記載の医薬組成物。
(項目5)
前記沈殿阻害剤がHPMCAS−HFである、項目3に記載の医薬組成物。
(項目6)
経口投与されると、前記添加剤が(例えばインビボで、例えば溶液中のVS−6063の)沈殿を低減する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目7)
経口投与されると、前記添加剤がVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)のバイオアベイラビリティを向上(例えば、吸収を改善)する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目8)
VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)と前記ポリマーとの重量比(例えば、相対量)が、約1対1、1対2、1対3または1対4である、項目2に記載の医薬組成物。
(項目9)
前記ポリマーが沈殿阻害剤(例えばHPMC、例えばHPMCAS、例えばHPMCAS−HF)である、項目8に記載の医薬組成物。
(項目10)
VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)が、前記組成物中に、提供されるポリマー、例えば沈殿阻害剤の量に対して、約25、30、31、32、32.5、33、34、35、40、45、50%またはそれ超(w/w)となる量で存在する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目11)
前記組成物の重量あたり、5〜50%、5〜30%、10〜30%、10〜20%、12〜15%、13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩と混合される、項目1に記載の医薬組成物。
(項目12)
経口剤形で構成されている、項目1に記載の医薬組成物。
(項目13)
経口剤形が、前記経口剤形の重量あたり、5〜50%、5〜30%、10〜30%、10〜20%、12〜15%、13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、項目1に記載の医薬組成物。
(項目14)
前記VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)が、経口剤形の重量あたり、13%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する、項目1に記載の医薬組成物。
(項目15)
錠剤である、項目12に記載の経口剤形。
(項目16)
前記錠剤が、物理的ブレンドまたは混合物の直接圧縮によって提供される、項目15に記載の経口剤形。
(項目17)
前記物理的ブレンドまたは混合物が乾式造粒プロセスにより提供される、項目16に記載の経口剤形。
(項目18)
前記ポリマーが、経口剤形の重量あたり、25〜55%、35〜45%、38〜43%、40%重量のポリマーで存在する、項目2に記載の経口剤形。
(項目19)
前記ポリマーが沈殿阻害剤(例えばHPMC、例えばHPMCAS、例えばHPMCAS−HF)である、項目18に記載の経口剤形。
(項目20)
1種または複数の充填剤(例えば、微結晶性セルロース(例えば、微結晶性セルロースPH102、例えば、Avicel PH102);ラクトース(例えば、ラクトース一水和物(例えば、FastFlo316)))をさらに含む、項目1に記載の経口剤形。(項目21)
前記充填剤が、前記経口剤形の重量あたり、5〜80%、10〜70%、20〜60%、30〜60%、30〜50%、42%重量の充填剤で存在する、項目20に記載の経口剤形。
(項目22)
前記充填剤が2種の充填剤の混合物である、項目20に記載の経口剤形。
(項目23)
1種の充填剤が微結晶性セルロースPH102(例えば、Avicel PH102)である、項目22に記載の経口剤形。
(項目24)
1種の充填剤がラクトース一水和物(例えば、FastFlo316)である、項目22に記載の経口剤形。
(項目25)
前記充填剤が、前記経口剤形の重量あたり、10〜30%、15〜25%、20%重量の充填剤で存在する、項目23または24に記載の経口剤形。
(項目26)
前記充填剤が相互に1:1w/wの比で存在する、項目22に記載の経口剤形。
(項目27)
崩壊剤(例えば、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドン、カルボキシメチルセルロースまたはクロスカルメロースナトリウム、改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)をさらに含む、項目1に記載の経口剤形。
(項目28)
前記崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムである、項目27に記載の経口剤形。
(項目29)
前記崩壊剤が、前記経口剤形の重量あたり、0〜5%、1〜5%、2.5〜5%、3%重量の崩壊剤で存在する、項目27に記載の経口剤形。
(項目30)
滑沢剤(例えば、タルク、シリカ、脂肪、例えばステアリン酸マグネシウム)をさらに含む、項目1に記載の経口剤形。
(項目31)
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、項目30に記載の経口剤形。
(項目32)
前記滑沢剤が、前記経口剤形の重量あたり、0.1〜2%、0.2〜1.5%、1%、0.5%重量の滑沢剤で存在する、項目30に記載の経口剤形。
(項目33)
乾燥重量基準で約5〜50重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、
乾燥重量基準で約10〜30重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、微結晶性セルロース、例えば微結晶性セルロースPH102、例えばAvicel PH102)、
乾燥重量基準で約10〜30重量%の量の第2の薬学的に許容される充填剤(例えば、ラクトース、例えばラクトース一水和物、例えばFastFlo316)、
乾燥重量基準で約25〜55重量%の量の追加の薬学的に許容される添加剤(例えば沈殿阻害剤、例えばHPMC−AS、例えばHPMC−AS HF)、
乾燥重量基準で約0〜5重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、デンプン、例えば改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)、および
乾燥重量基準で約0.1〜2重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)
を含む、経口剤形。
(項目34)
乾燥重量基準で約10〜15重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、
乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、微結晶性セルロース、例えば微結晶性セルロースPH102、例えばAvicel PH102)、
乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の第2の薬学的に許容される充填剤(例えば、ラクトース、例えばラクトース一水和物、例えばFastFlo316)、
乾燥重量基準で約35〜55重量%の量の追加の薬学的に許容される添加剤(例えば沈殿阻害剤、例えばHPMC−AS、例えばHPMC−AS HF)、
乾燥重量基準で約2.5〜3.5重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、デンプン、例えば改変デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム)、および
乾燥重量基準で約0.2〜1.5重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)
を含む、項目33に記載の経口剤形。
(項目35)
圧縮した医薬品錠剤または直接圧縮した医薬品錠剤である、項目33または34に記載の経口剤形。
(項目36)
前記添加剤が、1種または複数の結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルを含む(例えば、Soluplus)))である、項目1に記載の経口剤形。
(項目37)
前記結合剤が、2種の結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルを含む(例えば、Soluplus)))を含む、項目36に記載の経口剤形。
(項目38)
前記結合剤が、前記経口剤形の重量あたり、約37.5%重量の結合剤で存在する、項目37に記載の経口剤形。
(項目39)
前記結合剤が、前記経口剤形の重量あたり、約25%重量の結合剤で存在する、項目37に記載の経口剤形。
(項目40)
前記充填剤が、ポリオール(例えば、マンニトール−デンプン(例えば、Pearlitol Flash)、マンニトール、ソルビトール)である、項目20に記載の経口剤形。
(項目41)
前記崩壊剤が、ポリビニルポリピロリドン(例えば、クロスポビドン)である、項目27に記載の経口剤形。
(項目42)
前記崩壊剤が、前記経口剤形の重量あたり、0〜30%、5〜25%、5〜20%、5〜15%、10%重量の崩壊剤で存在する、項目27に記載の経口剤形。
(項目43)
乾燥重量基準で約10〜15重量%の量の、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)、
乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の薬学的に許容される添加剤(例えば結合剤(例えばポリビニルピロリドン(例えばポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone))、
乾燥重量基準で約15〜25重量%の量の第2の薬学的に許容される添加剤(例えば結合剤(例えば、ポリ酢酸ビニル(例えば、Soluplus)))、
乾燥重量基準で約30〜40重量%の量の薬学的に許容される充填剤(例えば、例えばポリオール(例えば、マンニトール−デンプン(例えばPearlitol Flash)))、
乾燥重量基準で約5〜15重量%の量の薬学的に許容される崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、
乾燥重量基準で約0.2〜1.5重量%の量の薬学的に許容される滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)
を含む、経口剤形。
(項目44)
前記VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)が、経口剤形の重量あたり、10%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する、項目1に記載の経口剤形。
(項目45)
前記VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)が、経口剤形の重量あたり、25%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する、項目1に記載の経口剤形。
(項目46)
前記VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)が、経口剤形の重量あたり、50%重量のVS−6063または薬学的に許容されるその塩で存在する、項目1に記載の経口剤形。
(項目47)
前記物理的ブレンドまたは混合物がスプレードライ分散プロセスによって提供される、項目16に記載の経口剤形。
(項目48)
前記プロセスが、少なくとも10%重量(例えば、10、20、25、40、50%またはそれ超)のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む固体分散物をもたらす、項目47に記載の経口剤形。
(項目49)
前記プロセスが、10%重量のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、固体分散物をもたらす、項目47に記載の経口剤形。
(項目50)
前記プロセスが、25%重量のVS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む、固体分散物をもたらす、項目47に記載の経口剤形。
(項目51)
前記分散物が、ポリマーマトリックス(例えば、HPMACS(例えば、HPMCAS−H、HPMCAS−M)、HPMCP(例えば、HPMCP−HP55、HPMCP−HP55S)、Methocol E3LV、PVP−VA、Soluplus、PVAP、Eudragit L100−55、Soluplus:PVP−VA混合物、Soluplus、HPMCAS(例えば、HPMCAS−H))混合物をさらに含む、項目47に記載の経口剤形。
(項目52)
前記分散物が、ポリマー、例えばポリマーマトリックス(例えば、ポリメタクリル酸(例えば、Eudragit L100−55))をさらに含む、項目51に記載の経口剤形。
(項目53)
がん障害(例えば、中皮腫(例えば、外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん(例えば進行性卵巣がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLC))、非血液系悪性疾患)と特定された被験体の処置に使用するための、VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)を含む経口剤形。
(項目54)
障害の処置を必要としている患者において、障害を処置する方法であって、10〜500mgのVS−6063(例えばVS−6063遊離塩基)、または薬学的に許容されるその塩(例えばVS−6063塩酸塩)を含む経口剤形を投与し、これにより前記障害を処置するステップを含む、方法。
(項目55)
前記障害が、がん障害(例えば、中皮腫(例えば、外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、乳がん、例えば、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん(例えば、進行性卵巣がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えば、KRAS変異NSCLC))、非血液系悪性疾患)である、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記投与が、追加の薬剤(例えば、がん治療薬、例えばタキサン、例えばパクリタキセル)の投与と組み合わせて行われる、項目54に記載の方法。
(項目57)
単位剤形の直接圧縮錠剤を調製するための方法であって、前記方法は、以下:
(a)乾燥重量基準で重量%として
(i)乾燥重量基準で5〜50重量%のVS−6063、
(ii)添加剤(例えば、結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えば、例えばHPMC、例えばHPMCAS、例えばHPMCAS−HF)、および
(iii)充填剤、崩壊剤および滑沢剤から選択される、少なくとも1つの添加剤
を混合して(例えば、ブレンドして)、
錠剤に直接圧縮することが可能な打錠用粉末の形態で、VS−6063製剤を形成するステップ、ならびに
(b)ステップ(a)の間に調製された前記製剤を圧縮して、単位剤形の圧縮VS−6063錠剤を形成するステップ
を含む、方法。
(項目58)
充填剤が、乾燥重量基準で30〜60重量%で存在する、項目57に記載の方法。
(項目59)
崩壊剤が、乾燥重量基準で2.5〜5重量%で存在する、項目57に記載の方法。
(項目60)
滑沢剤が、乾燥重量基準で0.5〜2重量%で存在する、項目57に記載の方法。
発明の詳細な説明
本開示は、組成物、例えば製剤、例えば経口剤形の詳細に対するその適用、または該組成物、例えば製剤、例えば経口剤形の調製もしくは投与の特定の順序に限定されない。本組成物、例えば、本明細書に記載されている剤形は、他の技法を使用して好適に調製され得るか、または様々な方法で投与され得る。同様に、本明細書で使用されている表現および用語は、説明を目的としているものであり、限定として見なされるべきではない。
定義
本明細書で使用する場合、冠詞「a」および「an」は、該冠詞の文法上の目的語が1つまたは1つ超(例えば、少なくとも1つ)であることを指す。
「約」および「およそ」は、一般に、測定値の性質または精度を考慮して、測定された量の許容可能な程度の誤差を意味するものとする。誤差の例示的な程度は、所与の値または値の範囲の、20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
本明細書で使用する場合、障害(例えば、本明細書に記載されている障害)を処置するのに有効な化合物の量、「有効量」または「有効なクール」とは、被験体に単回または多回用量で投与する際に、このような処置の非存在下(例えば、プラセボ処置)で予期されるものを超えて、被験体を処置する、または障害(本明細書に記載されている障害)を有する被験体を治癒、緩和、軽減もしくは改善するのに有効な化合物の量を指す。
用語「薬学的に許容される」とは、本明細書で使用する場合、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、VS−6063遊離塩基、VS−6063塩酸塩)と一緒に、被験体に投与されることができる化合物または担体(例えば、添加剤)であって、その薬理学的活性を破壊せず、かつ該化合物の治療量を送達するのに十分な用量で投与した場合、非毒性である、化合物または担体を指す。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本明細書で使用する場合、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、例えばVS−6063遊離塩基)の誘導体を指し、この場合、該化合物は、存在している酸または塩基の部位をその塩形態(例えば、VS−6063塩酸塩)に変換することにより修飾される。薬学的に許容される塩の例には、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれる。本開示の薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性無機酸または有機酸から形成される、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063)の従来的の非毒性塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、従来的の化学的な方法により、塩基性または酸性部位を含有している、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、VS−6063遊離塩基)から合成することができる。一般に、こうした塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、水中、または有機溶媒(一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルの様な非水性媒体が好ましい)中、またはこれら2種の混合物中、化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることにより調製することができる。適切な塩の一覧表示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれている、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985年、1418頁およびJournal of Pharmaceutical Science、66巻、2号(1977年)に見いだされる。
「薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ」という句は、本明細書で使用する場合、任意の薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、または化合物であるVS−6063の他の誘導体を指し、レシピエントに投与されると、治療剤をもたらす(直接または間接的に)ことができる。特に、好都合な誘導体およびプロドラッグは、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、VS−6063遊離塩基、VS−6063塩酸塩)が哺乳動物に投与されると(経口投与される化合物を、血中により容易に吸収させることを可能にすることによって)、例えば、本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、VS−6063遊離塩基、VS−6063塩酸塩)と比べて、こうした化合物のバイオアベイラビリティが向上するか、または本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、VS−6063遊離塩基、VS−6063塩酸塩)の生物学的区画への送達を増強するものである。好ましいプロドラッグは、水溶解度または消化管膜を通る能動輸送を増強する基が本明細書に記載されている式の構造に付加されている、誘導体を含む。
用語「経口剤形」とは、本明細書で使用する場合、薬剤、例えばVS−6063を被験体に投与するために使用される組成物または媒体を指す。通常、経口剤形は、口を経て投与されるが、「経口剤形」は被験体に投与され、かつ例えば口、食道、胃、小腸、大腸および結腸を含めた、消化管の膜、例えば粘膜を横切って吸収される、あらゆる物質を包含するよう意図されている。例えば、「経口剤形」は、栄養管を介して胃に投与される溶液を包含する。
用語「処置する」または「処置」とは、本明細書で使用する場合、化合物を単独で、または追加の薬剤と組み合わせて、被験体、例えば、障害(例えば、本明細書に記載されている障害)、障害の症状、または障害への素因を有する被験体に、該障害を治癒する、治す、緩和する、軽減する、改変する、救済する、改良する、改善するまたは障害に影響を及ぼす目的で適用または投与することを指す。
共投与、共投与すること、または共に提供することとは、治療の投与の文脈において本明細書で使用する場合、同時の投与、二次治療の投与前(例えば、直前、5、10、15、30、45、60分未満先立って、1、2、3、4、6、8、10、12、16、20、24、48、72時間またはそれより長い時間先立って)の1つの治療の投与を指す。
本明細書で言及される、治療のクールは、治療剤の、1回または複数の別々の投与を含む。治療のクールは、治療剤の1つまたは複数のサイクルを含むことができる。
サイクルとは、薬物投与のサイクルの文脈において本明細書で使用する場合、薬物が患者に投与される期間を指す。例えば、ある薬物が21日間のサイクルにわたり投与される場合、この周期的投与は、例えば、毎日または1日2回で21日間、投与される。薬物は、1回より多いサイクルにわたり投与することができる。一部の実施形態では、第1および第2の、またはその後のサイクルは、期間および周期的投与の一方または両方に関して同じである。実施形態では、第1および第2の、またはその後のサイクルは、期間および周期的投与の一方または両方に関して異なる。休止期間が、各サイクルの間に設けられてもよい。休止サイクルは、長さが、1、2、4、6、8、10、12、16、20、24時間、1、2、3、4、5、6、7日間、または1、2、3、4週間またはそれ超とすることができる。
様々な範囲、例えば、1日あたり投与される薬物の量の範囲は、本明細書で提示されている。一部の実施形態では、その範囲は、両方のエンドポイントを含む。他の実施形態では、その範囲は、一方または両方のエンドポイントを除外する。例として、その範囲は、低い側のエンドポイントを除外することができる。したがって、こうした実施形態では、低い側のエンドポイントを除く、250〜400mg/日の範囲は、250mg/日を超え、400mg/日未満かまたはそれに等しい量を包含する。
本明細書で使用する場合、用語「被験体」は、ヒトおよび非ヒト動物を含むよう意図される。例示的なヒト被験体は、障害、例えば本明細書に記載されている障害を有するヒト被験体を含む。本発明の用語「非ヒト動物」には、すべての脊椎動物、例えば非哺乳動物(ニワトリ、両生類、爬虫類など)および非ヒト霊長類などの哺乳動物、家畜および/または農業上有用な動物、例えば、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなどが含まれる。
化合物VS−6063
本活性剤(例えば、活性成分)は、米国特許第7,928,109号において開示されている、化合物VS−6063(例えば、VS−6063遊離塩基):
または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩)である。VS−6063は、デファクチニブ(defactinib)またはPF−04554878としても公知である。
VS−6063は、FAKタンパク質チロシンキナーゼの強力な阻害剤であり、哺乳動物、特にヒトにおいて、抗増殖剤(例えば抗がん)、抗腫瘍(例えば、固形腫瘍に対して有効)、抗血管新生(例えば、血管の増殖を停止または予防)としての治療的使用に適応され得る。VS−6063は、非血液系悪性疾患の予防および処置において有用となり得る。さらに、VS−6063は、肝臓、腎臓、膀胱、胸部、胃、卵巣、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状腺の悪性腫瘍および良性腫瘍、肝癌、肉腫、神経膠芽腫、頭部および頚部などの様々なヒト過剰増殖性障害、ならびに皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)および前立腺の良性過形成(例えば、BPH)などの他の過形成状態の予防および処置において有用となり得る。VS−6063はまた、中皮腫などの障害の予防および処置において有用となり得る。
一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、5、10、11、12、12.5、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60%w/wまたはそれ超の量で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、約10〜50%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、約10%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、10%w/w超で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、約13%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、約25%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、VS−6063または薬学的に許容されるその塩は、組成物中、約50%w/wの量で存在する。
医薬組成物および経口剤形
例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出性製剤、溶液剤および懸濁剤などの経口投与に適した形態であってもよい医薬組成物が提供される。本医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形にあってもよい。医薬組成物は、VS−6063または薬学的に許容されるその塩に加え、薬学的に許容される担体を含んでもよく、例えば安定化剤(例えば結合剤、例えばポリマー、例えば沈殿阻害剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M))、賦形剤、結合剤および滑沢剤などの1種または複数の薬学的に許容される添加剤を、場合によりさらに含んでもよい。一部の実施形態では、本組成物は、錠剤に直接圧縮することができる、自由に流動する粘着性の打錠用粉末をもたらす。さらに、この錠剤は、他の医療的または薬学的な薬剤、担体、およびまたはアジュバントを含んでもよい。例示的な医薬組成物には、例えばVS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む、圧縮された錠剤(例えば、直接圧縮された錠剤)を含む。
活性成分または治療成分(例えば、本明細書に記載されている化合物、例えばVS−6063(例えばVS−6063遊離塩基)または薬学的に許容されるその塩(例えば、VS−6063塩酸塩))を含む錠剤も提供される。活性成分または治療成分に加え、錠剤は、担体などのいくつかの不活発物質を含んでもよい。薬学的に許容される担体は、石油、動物、植物または合成起源(ピーナッツ油、ゴマ油など)のものを含む、水および油などの滅菌液体とすることができる。食塩溶液および水性デキストロースもまた、液体担体として使用することができる。こうして、本発明による使用のための経口剤形は、添加剤および補助剤を含む1種または複数の薬学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化することができ、これらの担体は、薬学的に使用することができる調製物への活性成分の加工を容易にする。
添加剤は、圧縮される材料に、良好な粉末流動および圧縮特徴を付与することができる。添加剤の望ましい特徴には、強固な錠剤が低い圧縮力で作製されることを可能にすることに関する高い圧縮性、組成物中の他の添加剤の粉末流動を改善することができる良好な粉末流動特性、および例えば、錠剤が加工、輸送および取扱中に砕けるのを予防する粘着性が含まれ得る。こうした特性は、医薬組成物の乾式造粒(例えば、ローラー圧密、強打(slugging)により)、湿式造粒、スプレー乾燥球形化(spray drying spheronization)(例えば、スプレー乾燥した分散物、固体ナノ分散物)または結晶化(例えば、塩形態)などの事前処理工程により、これらの添加剤に付与される。それらは、最終錠剤において働く役割に応じて、分類することができる。一部の添加剤は、多機能に働くことができる。例えば、充填剤は結合剤とすることができ、およびまたは沈殿阻害剤として働くことができる。完成した錠剤に物理的特徴をもたらす他の添加剤は、着色剤および矯味矯臭剤(例えば、チュアブル錠の場合)である。添加剤の例は、例えば、Raymond C Rowe、Paul J. SheskeyおよびSian C. Owenにより編集されたHandbook of Pharmaceutical Excipients(第5版);出版社:Pharmaceutical Pressにおいて記載されている。
経口投与の場合、活性成分、例えば本明細書に記載されている化合物(例えば、VS−6063、例えばVS−6063遊離塩基またはVS−6063塩酸塩)は、活性成分と当技術分野で周知の薬学的に許容される担体とを組み合わせることにより、容易に製剤化することができる。こうした担体は、本発明の活性成分を、被験体によって経口で摂取するために、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、散剤または顆粒剤、水性または非水性媒体中の懸濁剤または溶液剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための薬理学的調製物は、固体添加剤を使用し、場合により得られた混合物を粉砕し、そして顆粒の混合物を加工し、所望の場合、好適な補助剤を加えた後に、例えば錠剤を得ることができる。賦形剤、結合剤または崩壊剤などの適切な添加剤が望ましくなり得る。
錠剤は、通常、賦形剤または充填剤を含有し、これらは、例えば、圧縮するために実用的なサイズをもたらす、ブレンドのバルク重量を増加させるために加えられる。使用され得る賦形剤または充填剤は、第二リン酸カルシウムなどのカルシウム塩、およびラクトース、スクロース、デキストロース、微結晶性セルロース、マンニトールおよびマルトデキストリンなどの糖の1つまたは複数を含む。薬学的に許容される充填剤および薬学的に許容される賦形剤の例には、以下に限定されないが、粉砂糖、圧縮可能な糖、デキシトレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロースおよびタルクが含まれる。一部の実施形態では、賦形剤または充填剤は、微結晶性セルロースであり、これは、アルファ−セルロースの制御された加水分解により製造することができる。適切な微結晶性セルロースは、約20nm〜約200nmの平均粒子サイズを有する。適切な微結晶性セルロースには、例えば、FMC Corporationにより製造されている、Avicel PH101、Avicel PH102、Avicel PH103、Avicel PH105およびAvicel PH200が含まれる。一部の実施形態では、賦形剤または充填剤は、ラクトースである。一部の実施形態では、ラクトースは、製剤化前に約50μm〜約500μmの間の平均粒子サイズを有する。
本医薬組成物は、一般に滑沢剤も含む。滑沢剤は、通常、打錠用材料が打抜たがねに付着するのを予防するため、錠剤圧縮中の摩擦を最小限にするため、および圧縮された錠剤をダイから取り出すのを可能にするために添加される。こうした滑沢剤は、組成物の重量あたり、通常、1重量%未満の量で最終錠剤ミックスに一般に含まれている。滑沢剤の例には、以下に限定されないが、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、タルク、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、グリセリルベヘネート(glycerylbehaptate)、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドポリマー(例えば、カーボワックス)、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、ラウリルステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物が含まれる。好ましい滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウムが含まれる。一部の実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一部の実施形態では、使用される滑沢剤の量は、約0.1〜約2.0%、好ましくは約0.5〜1.5%w/wである。
流動促進剤(glidant)は、粉末に添加されて、その流動性を改善することができる物質である。流動促進剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosilとして販売されているグレードなど)、デンプンおよびタルクが含まれる。流動促進剤は、0〜約5%w/wのレベルで医薬組成物中に存在し得る。やはり、添加剤が多機能に働き得ることに留意すべきである。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムはまた、流動促進剤として機能し得る。
賦形剤/充填剤および滑沢剤に加えて、他の従来的の添加剤もまた、本発明の医薬組成物中に存在してもよい。こうしたさらなる添加剤には、崩壊剤、結合剤、矯味矯臭剤、着色剤および流動促進剤が含まれる。一部の添加剤は、多機能で、例えば、結合剤と錠剤崩壊剤の両方として働くことができる。
錠剤崩壊剤は、溶解を促進する(例えば、錠剤崩壊速度を高める)ために必要な量で存在することができる。崩壊剤は、剤形が水性環境に置かれると、錠剤またはカプセル剤中の粒子結合の物理的な力に対抗し得る添加剤である。崩壊剤には、デンプン誘導体、およびカルボキシメチルセルロースの塩が含まれる。薬学的に許容される崩壊剤の例には、以下に限定されないが、デンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、クレイ、セルロース、アルギネート、ゴム、架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルポリピロリドン、PVPP、クロスポビドン、クロスポリビドン(crospolividone))、架橋カルボキシメチルセルロースカルシウムおよび架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、およびダイズポリサッカライドが含まれる。一部の実施形態では、本組成物中に使用される崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。一般に、崩壊剤の量は、組成物の、0〜約25%w/w、より一般には、約1%〜約15%w/w、および通常、15%w/w未満、10%w/w未満または5%w/w未満とすることができる。一部の実施形態では、崩壊剤の量は、組成物の約10%w/wである。一部の実施形態では、崩壊剤の量は、組成物の約3%w/wである。
結合剤は、固形製剤中の粒子接着に寄与する添加剤である。結合剤の例には、以下に限定されないが、ポリマー、例えばデンプン(例えば、マンニトール−デンプン、例えばPearlitol Flash)、コーンシロップ、ポリサッカライド、ゼラチン、セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはヒプロメロース(例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)または酢酸コハク酸ヒプロメロース、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−M、HPMCAS−HF)、HPMCフタレート(HPMCP)、(例えば、HPMCP−HP55、HPMCP−HP55S)、Methocel(例えば、Methocel E3LV))、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロース、およびラクトース、スクロース、デキストロース、グルコース、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトールなどの糖、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit 、例えばEudragit L100−55)、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニル(例えば、ポリビニルフタレート(PVAP)、ポリビニルカプロラクタム−ポリ酢酸ビニル−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、Soluplus)を含む)、ソルビトール、アルファ化デンプン、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムなどのその塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコールなどが含まれる。一般に、結合剤の量は、幅広く、例えば組成物の0%〜95%w/wで変動し得る。上記の通り、添加剤は多機能で働くことがある。例えば、打錠用賦形剤はまた、結合剤として働くこともできる。一部の実施形態では、この結合剤は沈殿阻害剤である。沈殿阻害剤は、一般に、例えば、溶液またはGI管において、過飽和安定化(例えば、過飽和溶液の安定化)を媒介する、ならびにまたは沈殿を遅延させるおよびもしくは阻害(例えば、急速な沈殿を防止)する添加剤である。一部の実施形態では、結合剤は、デンプン(例えば、マンニトール−デンプン、例えばPearlitol Flash)、セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、酢酸コハク酸HPMC(HPMCAS)(例えば、HPMCAS−H、HPMCAS−M)、HPMCフタレート(HPMCP)(例えば、HPMCP−HP55、HPMCP−HP55S)、Methocel(例えば、Methocel E3LV))、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロース、およびラクトース、スクロース、デキストロース、グルコース、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトールなどの糖、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit 、例えばEudragit L100−55)、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)、他のコポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルを含む(例えば、Soluplus))からなる群より選択される。一部の実施形態では、結合剤は、ポリビニルピロリドン(例えば、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、Copovidone)である。一部の実施形態では、結合剤は、マンニトール−デンプン、例えばPearlitol Flashである。一部の実施形態では、結合剤は、コポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニル(例えば、Soluplus)を含むコポリマー)である。一部の実施形態では、結合剤はポリマーである。一部の実施形態では、ポリマーは沈殿阻害剤である。一部の実施形態では、沈殿阻害剤は、HPMC(例えば、HPMCAS、例えばHPMCAS−H、HPMCAS−MまたはHPMCAS−HF)である。
一部の実施形態では、1種超の結合剤が組成物中で使用される。一部の実施形態では、結合剤の量は、組成物の約0〜60%w/wである。一部の実施形態では、組成物中に存在している結合剤の量は、該組成物の重量あたり、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80%重量またはそれ超である。一部の実施形態では、結合剤の量は、組成物の約20〜約80%w/wである。一部の実施形態では、結合剤の量は、組成物の約50%w/wである。一部の実施形態では、結合剤の量は、組成物の約80%w/wである。
投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、様々になり得る。正確な製剤、投与経路および投与量は、患者の状態を考慮して、個々の医師によって選択され得る(例えば、Finglら、1975年の「The Pharmacological Basis of Therapeutics」を参照されたい)。上で列挙されているものよりも少ないかまたは多い用量が必要となることがある。特定のいかなる被験体にとっての具体的な投与量および処置レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出率、薬物組み合わせ、疾患、状態もしくは症状の重症度および経過、疾患、状態もしくは症状に対する被験体の傾向、および処置する医師の判断を包む、様々な要因に依存する。
錠剤は、何も添加していないもの(plain)、フィルム、または糖でコーティングされ分割されたもの(sugar coated bisected)、エンボス加工されたもの、層状になったもの、または持続放出性のものとすることができる。それらは、様々なサイズ、形状および色で作製することができる。錠剤は、嚥下され得る、噛まれ得る、または口腔もしくは舌下で溶解され得る。
3つのプロセス:湿式造粒、直接圧縮および乾式造粒が、圧縮錠剤を作製するために一般に使用される。錠剤製剤に、錠剤の迅速な圧縮を可能にする所望の物理的特徴を与えるよう、調製方法および添加剤のタイプが選択される。圧縮後、錠剤は、外観、硬度、崩壊能および許容可能な溶解プロファイルなどの、いくつかの追加の属性を有していなければならない。充填剤および他の添加剤の選択は、薬物の化学および物理特性、加工中の混合物の挙動、最終錠剤の特性に依存する。活性な構成成分と提案される添加剤との化学的および物理的適合性を決定するために、事前の製剤化研究が行われる。
直接圧縮は、粉末材料が、薬物の物理および化学特性が変わることなく直接圧縮される、比較的迅速な方法である。活性成分(例えば、本明細書に記載されている化合物、例えばVS−6063、例えばVS−6063遊離塩基またはVS−6063塩酸塩)、直接圧縮用添加剤、ならびに流動促進剤および滑沢剤などの他の補助物質が、錠剤に圧縮される前に(例えば、2シェル型ブレンダー(twin shell blender)または類似の低せん断装置で)ブレンドされる。この方法は、通常、成分のブレンド、乾式ふるいがけ、滑沢化(lubrication)および圧縮からなる。
この乾式造粒プロセスは、構成要素の1つ、すなわち薬物または賦形剤の一方が、打錠されるのに十分な粘着特性を有する場合に使用され得る。この方法は、成分をブレンド、強打(または、成分のローラーによる圧密)、乾式ふるいがけ、滑沢化および圧縮からなる。一部の実施形態では、乾式造粒は、例えば、ブレンド(例えば、本明細書に記載されている組成物、例えばVS−6063を含む組成物)の加工性、例えば流動特性を改善するために使用される。
湿式造粒法は、例えば、粉末混合物を、打錠するための流動特性および粘着特性の改善された顆粒に変換するために使用され得る。この手順は、例えば適切なブレンダーで粉末を混合するステップ、次いで、せん断下で混合粉末に造粒用溶液を加えて、造粒物を得るステップからなる。次に、湿った塊を適切なふるいでふるいにかけ、トレイ乾燥または流動床乾燥によって乾燥する。交互に、湿潤した塊を乾燥して、ミルに通してもよい。全体のプロセスには、秤量、乾燥粉末のブレンド、湿式造粒、乾燥、ミリング、ブレンド、滑沢化および圧縮が含まれる。
経口剤形は、所望の場合、FDAにより承認を受けたキットなどのパックまたはディスペンサーデバイスで提示されてもよく、これらは、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有してもよい。このパックは、例えば、ブリスターパックなどの金属製またはプラスチック製フォイルを含むことができる。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与するための指示書を伴ってもよい。パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器を伴う注意書きを伴ってもよく、この注意書きは、該政府機関による、組成物の形態またはヒトもしくは獣医学的投与の承認を反映したものである。こうした注意書きは、例えば、処方薬に対して米国食品医薬品局によって承認を受けたラベル付け、または承認済み製品インサートとすることができる。
処置および投与の方法
本発明は、とりわけ、異常な細胞成長、例えばがんを処置するための方法であって、VS−6063または薬学的に許容されるその塩を含む経口剤形を投与するステップを含む、方法に関する。
異常な細胞成長
本明細書で使用する場合、および別に示さない限り、異常な細胞成長は、正常な調節機構(例えば、接触阻害の喪失)に依存しない細胞成長を指す。これには、(1)例えば、変異したチロシンキナーゼを発現することにより、または受容体チロシンキナーゼの過剰発現により増殖する腫瘍細胞(腫瘍)、(2)例えば、異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる、他の増殖性疾患の良性および悪性細胞、(3)例えば、受容体チロシンキナーゼにより増殖する任意の腫瘍、(4)例えば、異常なセリン/トレオニンキナ−ゼ活性化により増殖する任意の腫瘍、および(5)例えば、異常なセリン/トレオニンキナ−ゼ活性化が起こる、他の増殖性疾患の良性および悪性細胞、の異常成長が含まれる。異常な細胞成長は、上皮(例えば、癌腫、腺癌)、間葉(例えば、肉腫(例えば、平滑筋肉腫、ユーイング肉腫))、血液系(例えば、リンパ腫、白血病、脊髄形成異常(例えば、前悪性))、または他(例えば、黒色腫、中皮腫、および起源が未知の他の腫瘍)の細胞における細胞成長を指すことができる。
異常な細胞成長は、がんを指すことができ、このがんには、以下に限定されないが、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLC、転移性のがん)、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頚部のがん、皮膚または眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん(例えば、進行性または転移性卵巣がん)、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、結腸がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、黄体ホルモン受容体(receiptor)およびHer2/neuについての遺伝子を発現しない乳がん))、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部(cervix)の癌腫、膣の癌腫、外陰の癌腫、ホジキン病、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、腎臓または尿管のがん、腎細胞癌、腎盂の癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊椎軸(spinal axis)の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、中皮腫(例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)、または上述のがんの1つまたは複数の組み合わせが含まれる。一部の実施形態では、がんは転移性である。一部の実施形態では、異常な細胞成長は、局所再発性(例えば、被験体は、局所再発性疾患、例えばがんを有する)である。
一部の実施形態では、本方法は、非血液系悪性疾患を処置するのに有効な本発明の経口剤形を哺乳動物に投与するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、乳がん、肺がんおよび卵巣がんを処置するのに有効である。一実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がん(例えば、エストロゲン受容体、黄体ホルモン受容体およびHer2/neuについての遺伝子を発現しない乳がん)である。一実施形態では、肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)、例えばKRAS変異NSCLCである。一実施形態では、卵巣がんは、進行性卵巣がん(例えば、進行性卵巣がんまたは転移性卵巣がん)である。
一実施形態では、本方法は、哺乳動物に、組成物、例えば、中皮腫(例えば、悪性胸膜中皮腫、例えば外科的に切除可能な悪性胸膜中皮腫)を処置するのに有効な本発明の経口剤形を投与するステップを含む。
本発明の独創的な方法は、本明細書に記載されている組成物の治療有効量を単回および多回投与することを企図している。組成物、例えば本明細書に記載されている組成物は、被験体の状態の性質、重症度および程度に応じて、規則的な間隔で投与することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、単回用量で投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、多回用量で投与される。一部の実施形態では、治療有効量の組成物、例えば本明細書に記載されている組成物は、経口かつ規則的な間隔で定期的(例えば、1、2、3、4、5もしくは6日間、または1、2、3、4、5、6、7、8もしくは9週間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9か月間もしくはそれ超毎に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ超)に投与され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、所定の間隔(例えば、1、2、3、4、5もしくは6日間、または1、2、3、4、5、6、7、8もしくは9週間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9か月間またはそれ超毎に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ超)で投与される。
組み合わせ
本発明の経口剤形および方法は、追加の(例えば、第2の、二次的)薬剤(例えば治療剤)と組み合わせて投与され得る。この追加の薬剤は、抗腫瘍剤または抗がん剤、例えば有糸***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、インターカレート抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節因子、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン薬および抗アンドロゲン薬からなる群より選択される抗腫瘍剤を含むことができる。
本発明の経口剤形は単独療法として適用することができるか、または1種または複数の他の抗腫瘍物質、例えば、例えば有糸***阻害剤、例えばタキサン、例えばドセタキセル(Taxotere)、パクリタキセル;アルカロイド、例えばビンブラスチン;アルキル化剤、例えば白金配位アルキル化化合物、例えばプラチン系、例えばシスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;およびシクロホスファミド;代謝拮抗薬、例えばゲムシタビン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、シトシンアラビノシドおよびヒドロキシ尿素、成長因子阻害剤;細胞周期阻害剤;インターカレート抗生物質、例えばアドリアマイシンおよびブレオマイシン;酵素、例えばインターフェロン;および抗ホルモン薬、例えばNolvadex(タモキシフェン)などの抗エストロゲン薬または例えばCasodex(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)などの抗アンドロゲン薬から選択されるものを含むことができる。
本発明の経口剤形は、単独で使用されてもよく、または様々な抗がん剤または支持療法剤(supportive care agent)の1種または複数と組み合わせて使用されてもよい。例えば、本発明の経口剤形は、細胞毒性剤、例えばカンプトテシン、イリノテカンHCl(Camptosar)、エドテカリン(edotecarin)、SU−11248、エピルビシン(Ellence);タキサン、例えばドセタキセル(Taxotere)、パクリタキセル;リツキシマブ(Rituxan)、ベバシズマブ(Avastin)、メシル酸イマチニブ(Gleevac)、Erbitux、ゲフィチニブ(Iressa)およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1つまたは複数のものと共に使用され得る。本発明はまた、ホルモン治療、例えば、エキセメスタン(Aromasin)、Lupron、アナストロゾール(Arimidex)、タモキシフェンクエン酸塩(Nolvadex)、Trelstarおよびそれらの組み合わせと共に本発明の経口剤形を使用することも企図する。さらに、本発明は、本発明の経口剤形を単独で、または1種または複数の支持療法製品、例えば、フィルグラスチム(Neupogen)、オンダンセトロン(Zofran)、Fragmin、Procrit、Aloxi、Emendまたはそれらの組み合わせからなる群より選択される製品と組み合わせて提供する。こうした共同処置は、それらの処置の個々の構成要素の同時、逐次または個別に投薬する方法により実現することができる。
本発明の経口剤形は、以下と一緒に使用することができ、それらは、追加的または二次薬剤の例、例えば本発明の経口剤形と一緒に使用することができる、抗腫瘍剤、抗がん剤の非限定的なリストである。
〇 アルキル化剤には、以下に限定されないが、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン、ブロスタリシン(brostallicin)、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルホスファミド(glufosfamide)、イホスファミド、KW−2170、マホスファミドおよびミトラクトール;白金配位性アルキル化化合物、例えばプラチン系(シスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン(eptaplatin)、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンまたはサトルプラチン(satrplatin)など)が含まれる;
〇 代謝拮抗薬には、以下に限定されないが、メトトレキセート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル(5−FU)を単独で、またはロイコボリン、テガフル、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスフェート(cytarabine ocfosfate)、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン、エフロルニチン、エチニルシチジン(ethynylcytidine)、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、TS−1、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド(nolatrexed)、オクホスフェート(ocfosfate)、プレメトレキセド二ナトリウム(disodium premetrexed)、ペントスタチン、ペリトレキソール(pelitrexol)、ラルチトレキセド、トリアピン(triapine)、トリメトレキサート、ビダラビン、ビンクリスチン、ビノレルビンと組み合わせて含まれる;
〇 抗生物質には、以下に限定されないが、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アナマイシン(annamycin)、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エピルビシン、ガラルビシン(galarubicin)、イダルビシン、マイトマイシンC、ネモルビシン(nemorubicin)、ネオカルジノスタチン、ペプロマイシン、ピラルビシン、レベカマイシン(rebeccamycin)、スティマラマー(stimalamer)、ストレプトゾシン、バルルビシンまたはジノスタチンが含まれる;
〇 ホルモン治療剤、例えば、エキセメスタン(Aromasin)、Lupron、アナストロゾール(Arimidex)、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、フォルメスタン、タモキシフェンクエン酸塩(Nolvadex)およびフルベストラントなどの抗エストロゲン薬、Trelstar、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール(Femara)、またはビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、Casodex(登録商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)などの抗アンドロゲン薬、およびそれらの組み合わせ;
〇 植物由来の抗腫瘍物質には、例えば、有糸***阻害剤、例えばアルカロイド、例えばビンブラスチン;タキサン、例えばドセタキセル(Taxotere)、パクリタキセルから選択されるものが含まれる;
〇 細胞毒性トポイソメラーゼ阻害剤には、アクラルビシン、アモナフィド(amonafide)、ベロテカン(belotecan)、カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体(以下に限定されないが、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン(diflomotecan)、イリノテカン、イリノテカンHCl(Camptosar)を含む)、エドテカリン(edotecarin)、エピルビシン(Ellence)、エトポシド、エキサテカン(exatecan)、ギマテカン(gimatecan)、ルルトテカン(lurtotecan)、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピクサントロン、ルビテカン(rubitecan)、ソブゾキサン、SN−38、タフルポシド(tafluposide)およびトポテカン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、1種または複数の薬物が含まれる;
〇 免疫薬には、インターフェロンおよび多数の他の免疫増強剤が含まれる。インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1aまたはインターフェロンガンマ−n1が含まれる。他の薬剤には、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン、TheraCys、ウベニメクス、WF−10、アルデスロイキン、アレムツズマブ、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、黒色腫ワクチン(Corixa)、モルグラモスチム、OncoVAX−CL、サルグラモスチム、タソネルミン、テクロイキン(tecleukin)、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、Virulizin、Z−100、エプラツズマブ、ミツモマブ、オレゴボマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)およびProvengeが含まれる;
〇 生物学的応答調節因子は、生存、成長、または組織細胞の分化などの生きている生物または生物応答の防御機構を修飾して、これらを抗腫瘍活性を有するように誘導する薬剤である。こうした薬剤には、クレスチン(krestin)、レンチナン、シゾフラン(sizofuran)、ピシバニルまたはウベニメクスが含まれる;
〇 他の抗がん剤には、アリトレチノイン、アムプリゲン(ampligen)、アトラセンタン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エキシスリンド、フィナステリド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテフォシン、ミトキサントロン、1−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、タザロテン、TLK−286、Velcade、Tarceva、トレチノイン、CTLA4阻害剤またはファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤が含まれる;
〇 他の抗血管新生化合物には、アシトレチン、フェンレチニド、サリドマイド、ゾレドロン酸、アンジオスタチン、アプリジン(aplidine)、シレングチド(cilengtide)、コムブレタスタチンA−4、エンドスタチン、ハロフギノン、レビマスタット(rebimastat)、レモバブ、Revlimid、スクアラミン、ウクライン(ukrain)およびVitaxinが含まれる;
〇 白金配位性化合物には、以下に限定されないが、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチンまたはオキサリプラチンが含まれる;
〇 チロシンキナーゼ阻害剤は、IressaまたはSU5416である;
〇 抗体には、Herceptin、Erbitux、Avastin、リツキシマブまたは細胞毒性リンパ球抗原4(CTLA4)が含まれる;そして
〇 インターフェロンには、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1aまたはインターフェロンガンマ−n1が含まれる。
本開示は、以下の実施例においてさらに記載され、この実施例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
実施例1 VS−6063製剤の乾式造粒
VS−6063即時放出(IR)製剤は、乾式造粒手法を使用して調製した。この製剤の組成は、表1に示されている。
顆粒内ブレンドは、使用前に、600μmのふるいにより、VS−6063および添加剤のすべてをふるいがけすることにより調製した。機能的添加剤およびVS−6063の必要量を秤量し、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、事前ブレンドし、次いで、32rpmで5分間に設定したターブラーミキサーで混合した。残りのふるいがけした構成成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を上記の事前ブレンドに加えて、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、混合し、次いで、32rpmで15分間に設定したターブラーミキサーで混合した。ステアリン酸マグネシウムの添加後、32rpmで3分間に設定して、ターブラーミキサーで最終のブレンドを行った。次に、顆粒内ブレンドをローラー圧密した。2種のIR錠剤製剤用の顆粒特性を特徴付け、同じ組成の直接圧縮バッチと比較した。表2に示されている。
粒子サイズの分析データは、粒子サイズ分布>710μmが約20%および粒子サイズ分布<75μmが約20%の二モード粒子サイズ分布であることを示している。
これらのブレンドの物理特性を決定し、直接圧縮製剤(HPMC−AS製剤のみ)と比較した(表2)。試験したブレンドに関するハウスナー比は>1.3であり、Carrの指数は>23%であり、これらのブレンドは、粉末流動に乏しく、粘着性で、かつ粒子間摩擦が大きい恐れがあることを示した。しかし、安息角は、まずまずの粉末流動であることを示している。
直接圧縮手法との比較では、乾燥粒状ブレンドに必要な所望の錠剤硬度を達成するのに、より高い圧縮力が必要となり得る。
図1は、HPMC−AS製剤の場合、直接圧縮手法を使用して調製した錠剤の溶解と比較すると、乾式造粒は、pHの変更(例えば、胃のpHから腸のpH)後に溶解が遅くなり得ることを示している。
PVP VA/Soluplus製剤の場合、乾式造粒手法により調製された錠剤の溶解プロファイルは、直接圧縮手法を使用して調製された錠剤と比較すると、一層遅くなり得る。生じた溶解プロファイルは、VS−6063参照製品(例えば、未製剤化製品)のそれと非常に類似していた。
実施例2 VS−6063即時放出製剤の乾式造粒
乾式造粒手法を使用して、VS−6063IR製剤の1つのバッチを調製した(表4)。
顆粒内ブレンドは、使用前に、600μmのふるいにより、VS−6063および添加剤のすべてをふるいがけすることにより調製した。機能的添加剤およびVS−6063の必要量を秤量し、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、事前ブレンドし、次いで、32rpmで5分間に設定したターブラーミキサーで混合した。残りのふるいがけした構成成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を上記の事前ブレンドに加えて、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、混合し、次いで、32rpmで15分間に設定したターブラーミキサーで混合した。ステアリン酸マグネシウムの添加後、32rpmで3分間に設定して、ターブラーミキサーで最終のブレンドを行った。次に、顆粒内ブレンドをローラー圧密した。
乾式造粒プロセスの完了後、圧密したリボンを、1.4mm、1.18mmおよび850μmのふるいに通した。次に、32rpmで3分間、ターブラーミキサーを使用し、顆粒とステアリン酸マグネシウムとを混合することにより、錠剤用ブレンドを調製した。
粒子サイズ分析データにより、より硬質なリボンを生じた、ローラー圧密したPVP VA/Soluplus製剤(約35%が<150μmである)と比べ、ブレンドのより大きな部分が、微粒子(約45%が<150μmである)からなっていたことが示される。
ローラー圧密前およびその後のブレンドの物理特性も決定し、乾式造粒手法を使用することにより、流動性は著しく改善されていない可能性があることが示された(表5)。これらのデータはまた、粉末流動特性は、より硬質なリボンから形成された顆粒と比べると、より軟質なリボンの形成によって、改善されていない可能性があることも示している(表5)。
直接圧縮手法と比較すると、乾燥造粒製剤に必要な所望の錠剤硬度を達成するために、8000lbsという一層高い圧縮力が必要となり得る。しかし、これは、より硬質のリボンから調製された顆粒に由来する錠剤の製造に必要となり得る10000lbsの圧縮力と比べると、より低い可能性がある。
製剤にさらなるクロスポビドンを添加すると崩壊時間が改善するかどうかを決定するために、崩壊剤の合計の含有量が13%となるようクロスポビドン含有量をさらに増加した(3%を顆粒外ブレンドに加えた)。錠剤は、カーバー錠剤打錠器で、錠剤用工具(tablet tooling)である18.97×10.41mmの楕円形工具を使用して錠剤を圧縮した。圧縮力は、10〜14kPの錠剤硬度を達成するよう調節した。錠剤圧縮データを表6に示している。
直接圧縮と比較すると、乾式造粒によって作製された顆粒は、圧縮性または粉末流動は改善されていない可能性がある。より軟質なリボンの使用により、得られた錠剤の崩壊時間を改善し得ないが、その溶解プロファイルは、参照製品と比べて改善されておらず(図2)、このことは、PVP VA/Soluplus製剤中の沈殿阻害剤の機能が、乾式造粒中に失われている可能性があることを示している。
実施例3 VS−6063製剤の乾式造粒
乾式造粒手法を使用して、VS−6063IR製剤の1つのバッチを調製した(表8)。
顆粒内ブレンド調製は、使用前に、600μmのふるいにより、VS−6063および添加剤のすべてをふるいがけすることにより行った。機能的添加剤およびAPI(例えば、VS−6063)の必要量を秤量し、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、事前ブレンドし、次いで、32rpmで5分間に設定したターブラーミキサーで混合した。残りのふるいがけした構成成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を上記の事前ブレンドに加えて、大きなプラスチック製スパチュラを使用して1分間、混合し、次いで、32rpmで15分間に設定したターブラーミキサーで混合した。ステアリン酸マグネシウムの添加後、32rpmで3分間に設定して、ターブラーミキサーで最終のブレンドを行った。次に、顆粒内ブレンドをローラー圧密した。
IR錠剤製剤の顆粒特性が表9に示されており、同じ組成の直接圧縮バッチと比較する。
粒子サイズ分析データにより、両方のバッチについて、二モード粒子サイズ分布であることが示された。
これらのブレンドの物理特性を決定し、直接圧縮製剤(HPMC−AS製剤のみ)と比較した。データは、乾式造粒手法の使用によって、流動性が改善され得ることを示した(表9)。しかし、これらの実験に関するハウスナー比は>1.3であり、Carrの指数は>23%であり、これらより、粉末流動に乏しい可能性があり、粘着性で、かつ粒子間摩擦が大きいことが示された。安息角のデータは、依然として、まずまずの粉末流動であることを示している。
乾式造粒製剤の両方について、直接圧縮手法との比較では、所望の錠剤硬度を達成するのに、一層高い圧縮力が必要となり得る。
図3からのデータにより、HPMC−AS製剤の場合、乾式造粒手法を導入することにより、pHを変更した後のすべてのバッチの溶解プロファイルは、直接圧縮手法を使用して調製した錠剤と同等であることが示唆される。
実施例4 様々な製剤中のVS−6063の薬物動態のインビボ評価
使用した略語:
相対バイオアベイラビリティ=AUCinf試験製剤/AUCinf参照製剤
Cmax 観測された最大濃度
Tmax 最大濃度の時間
t1/2 終末半減期
AUCinf 時間0から無限まで外挿した濃度−時間曲線下面積
AUClast 時間0から最終定量可能濃度までの濃度−時間曲線下面積 。
研究設計
用量セッションの間に最短3日間の洗い流し期間を含む4セッションのクロスオーバー設計において、1群あたりの1匹の雄のビーグル犬からなる4つの群に、様々な製剤中のVS−6063の経口栄養用量を与えた。各セッションにおいて、VS−6063、Soluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDD、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物、およびEUDRAGIT L100−55中のVS−6063−10%SDDを、目標用量レベル10mg API/kgで投与した。血液試料(抗凝固剤:K2EDTA)は、投薬前、および各用量セッションにおいて投薬した後、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12および24時間時に、各動物から採集するよう予定した。血漿については、血液試料を処理し、VS−6063について、この血漿をLC−MS/MSにより分析した。個々の動物に関する血漿中濃度−時間データを解析し、VS−6063の薬物動態プロファイルを決定した。
用量セッションの間に最短3日間の洗い流し期間を含む4セッションのクロスオーバー設計において、1群あたりの1匹の雄のビーグル犬からなる4つの群に、様々な製剤中のVS−6063の経口栄養用量を与えた。各セッションにおいて、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物、およびSoluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDDを、目標用量レベル20mg API/kgで投与し、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物を、目標用量レベル10および20mg API/kgで投与した。血液試料(抗凝固剤:K2EDTA)は、投薬前、および各用量セッションにおいて投薬した後、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12および24時間時に、各動物から採集するよう予定した。血漿については、血液試料を処理し、VS−6063について、この血漿をLC−MS/MSにより分析した。個々の動物に関する血漿中濃度−時間データを解析し、VS−6063の薬物動態プロファイルを決定した。
用量製剤
0.1%(v/v)Tween 80を含む水中の0.5%(w/v)Methocel A4M中の10mg API/mLの目標濃度で、VS−6063を製剤化した(補正係数0.934)。水中の0.5%(w/v)Methocel A4M中の10mg
API/mLの目標濃度で、Soluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDDを製剤化した(補正係数0.25)。水中の0.5%(w/v)Methocel A4M中の10mg API/mLの目標濃度で、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物を製剤化した(補正係数0.25)。水中の0.5%(w/v)Methocel A4M中の10mg API/mLの目標濃度で、EUDRAGIT L100−55中のVS−6063−10%SDDを製剤化した(補正係数0.10)。
水中の0.5%(w/v) Methocel A4M中の10mg API/mLの目標濃度で、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物およびSoluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDDを製剤化した(補正係数0.25)。水中の0.5%(w/v)Methocel A4M中の5mg API/mLおよび10mg API/mLの目標濃度で、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物を製剤化した(補正係数0.50)。
用量投与
用量セッションの間に最短3日間の洗い流し期間を含む4セッションのクロスオーバー設計において、1群あたりの1匹の雄のビーグル犬からなる4つの群に、様々な製剤中のVS−6063の経口栄養用量を与えた。各セッションにおいて、VS−6063、Soluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDD、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物、およびEUDRAGIT L100−55中のVS−6063−10%SDDを、目標用量レベル10mg API/kgで投与した。動物は、用量投与前に一晩、絶食させた。水を差し控えることはしなかった。食物は、用量後4時間で戻した。
投薬前に、各動物の体重を記録した。用量(最も近い0.01mLに四捨五入した)は、処置前の体重(kg)および1mL/kgの用量体積に基づいて算出した。経口栄養用量後、栄養チューブを取り除く前に、このチューブに水10〜20mLを勢いよく流した。各動物に投薬する前およびその直後に、投薬シリンジを秤量し、各動物に投与した製剤の量を、シリンジ重量の差異から決定した。
用量セッションの間に最短3日間の洗い流し期間を含む4セッションのクロスオーバー設計において、1群あたりの1匹の雄のビーグル犬からなる4つの群に、様々な製剤中のVS−6063の経口栄養用量を与えた。各セッションにおいて、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物、およびSoluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDDを、目標用量レベル20mg API/kgで投与し、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物を、目標用量レベル10および20mg API/kgで投与した。動物は、用量投与前に一晩、絶食させた。水を差し控えることはしなかった。食物は、用量後4時間で戻した。
投薬前に、各動物の体重を記録した。用量(最も近い0.01mLに四捨五入した)は、処置前の体重(kg)および2mL/kgの用量体積に基づいて算出した。経口栄養用量後、栄養チューブを取り除く前に、このチューブに水10〜20mLを勢いよく流した。各動物に投薬する直前およびその直後に、投薬シリンジを秤量し、各動物に投与した製剤の量を、シリンジ重量の差異から決定した。
血漿中のVS−6063濃度
平均(n=4)血漿中濃度−時間プロファイルは、図5に示されている(直線目盛り)。
4セッションにわたり、目標用量10mg/kgのVS−6063の単回経口用量の後に、血漿中濃度がかなり急激な速度で上昇し、用量後2〜4時間(平均2.50時間)以内に、個々の動物について最大濃度に到達した。次に、平均濃度は、見かけ上一次の様式で低下した。VS−6063の濃度は、用量後24時間まで(最終時点)、動物すべてにおいて定量可能であった。
4セッションにわたり、目標用量10mg API/kgのSoluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDD、Soluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物、およびEUDRAGIT L100−55中のVS−6063−10%SDDの単回経口用量の後に、血漿中濃度がかなり急激な速度で上昇し、用量後0.5〜4時間(平均1.75〜1.88時間)以内に、個々の動物について最大濃度に到達した。次に、平均濃度は、見かけ上一次の様式で低下した。VS−6063の濃度は、用量後24時間まで(最終時点)、動物すべてにおいて定量可能であった。
VS−6063に関する血漿中の薬物動態
VS−6063に関する、血漿中の薬物動態パラメーターを表13および表14に示している。
4セッションにわたる、目標用量10mg/kgのVS−6063の場合、平均推定半減期は、約3.9時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ614ng/mLおよび2.50時間であった。平均AUClastは、3100ng*時/mLであり、平均AUCinfは、3120ng*時/mLであった(表17)。
4セッションにわたる、目標用量10mg API/kgのSoluplus/PVP−A中でのVS−6063−25%SDDの場合、平均推定半減期は、約3.2時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1770ng/mLおよび1.75時間であった。平均AUClastは、8130ng*時/mLであり、平均AUCinfは、8170ng*時/mLであった(表18)。
4セッションにわたる、目標用量10mg API/kgのSoluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物の場合、平均推定半減期は約3.7時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1460ng/mLおよび1.75時間であった。平均AUClastは、7320ng*時/mLであり、平均AUCinfは、7410ng*時/mLであった(表19)。
4セッションにわたる、目標用量10mg API/kgのEUDRAGIT L100−55中のVS−6063−10%SDDの場合、平均推定半減期は、約2.9時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1800ng/mLおよび1.88時間であった。平均AUClastは、8720ng*時/mLであり、平均AUCinfは、8740ng*時/mLであった(表20)。
平均薬物動態データにより、試験製剤(VS−6063−25%SDD、VS−6063−25%の物理混合物およびVS−6063−10%SDD)と参照製剤(VS−6063)とを比較した場合、相対バイオアベイラビリティが向上しているが、動物間の変動性がかなりあることが示唆される。平均相対バイオアベイラビリティの推定値は、VS−6063−25%の物理混合物の場合、2.97(CV72.7%)であり、VS−6063−10%SDDの場合、3.21(CV43.3%)であり、VS−6063−25%SDDの場合、3.78(CV89.9%)であった。クロスオーバーデータを比較すると、動物番号4001は、参照製剤(VS−6063)に最も低く曝露されており、処置を受けた動物の間で、全体的な変動性の一因となり(平均AUCinfの場合、CV52.8%)、かつ試験製剤の間で最も高い相対バイオアベイラビリティに寄与した。
VS−6063−25%の物理混合物を投与された4匹の被験体の中で、3匹において嘔吐が観察されたが、平均相対バイオアベイラビリティは、参照製剤と比べた場合、他の試験製剤と類似していた。
血漿中のVS−6063濃度
平均血漿中濃度−時間プロファイルが、図6に示されている(直線目盛り)。
4セッションにわたり、目標用量20mg API/kgのVS−6063−25%の物理混合物の単回経口用量の後に、血漿中濃度が急激な速度で上昇し、用量後0.25〜1時間(平均0.688時間)以内に最大濃度に到達した。次に、平均濃度は、見かけ上一次の様式で低下した。VS−6063の濃度は、用量後24時間まで(最終時点)、動物すべてにおいて定量可能であった。
4セッションにわたり、目標用量20mg API/kgのVS−6063−25%SDDの単回経口用量の後に、血漿中濃度がかなり急激な速度で上昇し、用量後0.25〜2時間(平均1.31時間)以内に最大濃度に到達した。次に、平均濃度は、見かけ上一次の様式で低下した。VS−6063の濃度は、用量後24時間まで(最終時点)、動物すべてにおいて定量可能であった。
4セッションにわたり、目標用量10mg API/kgおよび20mg API/kgのVS−6063−50%の物理混合物の単回経口用量の後に、血漿中濃度がかなり急激な速度で上昇し、10mg API/kgの用量の場合、用量後0.5〜2時間(平均1.38時間)以内、および20mg API/kgの用量の場合、用量後0.5〜4時間(平均2.13時間)以内に最大濃度に到達した。次に、平均濃度は、見かけ上一次の様式で低下した。VS−6063の濃度は、用量後24時間まで(最終時点)、動物すべてにおいて定量可能であった。
VS−6063に関する血漿中の薬物動態
VS−6063に関する、血漿中の薬物動態パラメーターを表15および表16に示している。
4セッションにわたる、目標用量20mg API/kgのSoluplus/PVP−AとのVS−6063−25%の物理混合物の場合、平均推定半減期は約3.0時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1670ng/mLおよび0.688時間であった。平均AUClastは、8670ng*時/mLであり、平均AUCinfは、8700ng*時/mLであった(表21)。
4セッションにわたる、目標用量20mg API/kgのSoluplus/PVP−A中のVS−6063−25%SDDの場合、平均推定半減期は、約3.1時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1300ng/mLおよび1.31時間であった。平均AUClastは、5920ng*時/mLであり、平均AUCinfは、5940ng*時/mLであった(表22)。
4セッションにわたる、目標用量10mg API/kgのSoluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物の場合、平均推定半減期は約3.0時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ680ng/mLおよび1.38時間であった。平均AUClastは、3390ng*時/mLであり、平均AUCinfは、3400ng*時/mLであった(表23)。
4セッションにわたる、目標用量20mg API/kgのSoluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物の場合、平均推定半減期は約3.5時間であった。平均Cmaxおよび平均Tmaxは、それぞれ1160ng/mLおよび2.13時間であった。平均AUClastは、6900ng*時/mLであり、平均AUCinfは、6930ng*時/mLであった(表24)。
嘔吐の観察はより低い曝露と一致した一方、別の場合では、相関はなかった。
薬物動態データにより、目標用量10mg API/kgおよび20mg API/kgのVS−6063−50%の物理混合物は用量に比例することが示唆される。平均用量で正規化したAUCinfおよびCmaxは類似し得る。
両方の研究からのデータを比較すると、以下の表11中にまとめられている通り、VS−6063−25%の物理混合物(20mg API/kg)およびVS−6063−25%SDD(20mg API/kg)は、VS−6063−25%の物理混合物(10mg API/kg)およびVS−6063−25%SDD(10mg API/kg)での、用量で正規化した平均AUCinfおよびCmaxと比べて用量に比例しなかった。
平均薬物動態データにより、目標用量10mg API/kgおよび20mg API/kgの試験製剤VS−6063−50%の物理混合物を参照製剤VS−6063(10mg/kg)に対して比較すると、相対バイオアベイラビリティが類似していることが示唆される。
結論
平均薬物動態データにより、Soluplus(10mg API/kg)中のVS−6063−25%SDD、Soluplus(10mg API/kg)とのVS−6063−25%の物理混合物、およびEudragit L100−55(10mg API/kg)中のVS−6063−10%SDDをVS−6063(10mg/kg)に対して比較すると、相対バイオアベイラビリティは向上し得るが、動物間に変動性があったことを示唆している。平均相対バイオアベイラビリティの推定値は、VS−6063−25%の物理混合物の場合、2.97(CV72.7%)であり、VS−6063−10%SDDの場合、3.21(CV43.3%)であり、VS−6063−25%SDDの場合、3.78(CV89.9%)であった。
平均薬物動態データにより、目標用量の10mg API/kgおよび20mg API/kgのSoluplus/PVP−AとのVS−6063−50%の物理混合物は用量に比例することが示唆される。平均用量で正規化した平均AUCinfおよび平均Cmaxは、概して類似し得る。
両方の研究からのデータを比較すると、VS−6063−25%の物理混合物(20mg API/kg)およびVS−6063−25%SDD(20mg API/kg)は、VS−6063−25%の物理混合物(10mg API/kg)およびVS−6063−25%SDD(10mg API/kg)での、用量で正規化した平均AUCinfおよび平均Cmaxを比較した場合、それほど用量に比例しない。用量で正規化した平均薬物動態データにより、目標用量10mg API/kgおよび20mg API/kgのVS−6063−50%の物理混合物をVS−6063(10mg/kg)に対して比較すると、相対バイオアベイラビリティが類似し得ることが示唆される。
実施例5 臨床研究のプロトコル:選択したVS−6063の製剤の安全性、バイオアベイラビリティ、および薬力学の第I相試験
研究設計
第I相、非盲検、単一施設、単回用量の部分無作為化治験において、VS−6063のプロトタイプおよび参照製剤の安全性、バイオアベイラビリティおよび薬力学を、健常な男性被験体で研究した。この研究は、4つの期間を含み、これらの各々は、同一研究設計に厳守し、40〜65歳の間の年齢で、18.0〜35.0kg/m2の間のボディマス指数を有する24名の健常な男性被験体を含んだ。28日間のスクリーニング期間の後に、投薬日の前日(−1日目)の朝、医療ユニットに入院し、1日目の朝に投薬した。レジメンAおよびBの被験体に、約10時間の一晩の絶食後に、VS−6063を投与した一方、レジメンCおよびDの被験体には、高脂肪の朝食(25分以内に摂取した)を始めて30分以内に、VS−6063を投与した。被験体は、投薬後36時間まで、その場に残った。各レジメンの投与間に、7日間の最短の洗い流し期があった。追跡のための通話は、期間3および4において、最終用量後7〜10日目に行い、被験体の良好状態が続いていることを確認する。
統計的方法
用量を補正した薬物動態(PK)パラメーターである、AUClast、AUCinfおよびCmaxに関する正式な統計的解析を行い、相対バイオアベイラビリティおよび食物の影響の存在を評価した。このPKパラメーターに自然対数変換を施し、混合モデル技法を使用して解析した。様々なレジメンの比較を行うため、調節した幾何平均比(GMR)、および調節したGMRに対する90%信頼区間(CI)を算出した。CIはt分布に基づいており、その変動は、自由度を算出するためのKenward−Roger法を使用するモデルによって見積もった。
研究結果
摂食状態および絶食状態で、200mgのVS−6063参照製剤錠剤(VS−6063、微結晶性セルロースPH102、Fastflo316、デンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む)または100mgのVS−6063プロトタイプ製剤錠剤(VS−6063、HPMCAS−HF、微結晶性セルロースPH102、Fastflo316、デンプングリコール酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを含む)のどちらかを投与した後、血漿中濃度が、投薬直後に最大レベルまで上昇した。この後に、VS−6063が分布されて体循環から排出されるので、24時間の試料採取期間にわたり、血漿中レベルの二相性低下が続いた。摂食状態または絶食状態のどちらかにおいて、参照製剤とプロトタイプ製剤との間の半減期の実際の差異を求めることができなかった。
絶食状態では、レジメンBにおいて投与された100mgのプロトタイプ製剤は、レジメンAにおける200mgの参照製剤と比べて、かなり高い曝露をもたらす。CmaxおよびAUClastに基づくレジメンB/レジメンAについての調節されたGMRおよび90%CIは、それぞれ421.33(348.4%、509.5%)および433.05(366.8%、511.3%)であり、製剤中の変化の結果として、曝露が4倍の増加に等しくなった。バイオアベイラビリティの向上に加えて、プロトタイプ製剤の投与時に観察された、曝露パラメーターに関連する変動性が約70%から30%へと低下するという証拠が存在した。
VS−6063の最大血漿中濃度に到達するまでにかかった時間の比較は、絶食状態よりも、摂食状態において2〜4倍長く(CmaxおよびAUClastにより評価した)、吸収速度に食物が影響していることを示している。さらに、摂食状態および絶食状態の両方において、200mgのVS−6063参照製剤を投与した後の曝露の決定により、絶食状態に比べて、摂食状態における曝露のレベルがより高いことが示され、これは、参照製剤に対して、食物の影響が存在していることを意味している。これらの影響があるにもかかわらず、プロトタイプ製剤を投与して、摂食状態における参照製剤と比較した場合、VS−6063曝露の増加が依然として観測された。CmaxおよびAUClastに基づく、レジメンC/レジメンDについての調節されたGMRおよび90%CIは、それぞれ129.8および125.1であった。
全体として、最大曝露は、絶食状態において投与されたプロトタイプ製剤を用いて達成された。AUCinfに関する等しい曝露が、摂食状態におけるプロトタイプ製剤を用いてもやはり達成された。
VS−6063は、参照製剤とプロトタイプ製剤の両方で、摂食状態と絶食状態の両方において投与した場合、良好に耐容された。研究の間に報告された重篤有害事象(AE)も重症AEもなく、AEの結果として中止された被験体はいなかった。合計のAEの全体的な発生数は低く、12件のAEが9名の被験体によって報告された。レジメンA、BおよびD(それぞれ、3名の被験体、2名の被験体および1名の被験体)と比べて、レジメンC(5名の被験体)に関して、AEの発生数が最も高かった。最も一般的なAEは、頭痛であり、これは3名の被験体によって報告された。他のすべてのAEは、1名の被験体によって報告された。VS−6063に関連するAEを報告した被験体は皆無であり、ほとんどすべてのAEは、重症度が中程度であった。あらゆる実験室での評価、バイタルサインの測定、ECGまたは身体検査において、臨床的に重要な所見はなかった。