JP2021518411A - Fcバリアント組成物およびその使用方法 - Google Patents

Fcバリアント組成物およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗体媒介受容体シグナル伝達を増強するための組成物および方法を提供する。

Description

本出願は、2018年3月21日に出願された米国仮特許出願第62/646,053号の優先権を主張し、その内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載され特許請求される本発明の日付の当業者に既知の最新技術をより完全に記載するために、これらの刊行物の開示は、参照により本出願に組み込まれる。
本特許開示は、著作権保護の対象となる、材料を含む。著作権所有者は、米国特許商標局の特許ファイルまたは記録に表れているように、特許文書または特許開示のいずれかによってファクシミリ複製に異議はないが、それ以外では、何であれすべての著作権を留保する。
発明の分野
本発明は、一般に、強化された機能を有する治療抗体に関する。具体的には、本発明は、Fc領域のバリアントを含むポリペプチド、およびそれを含む抗体に関する。より具体的には、本発明は、ポリペプチドのFc領域における1つ以上のアミノ酸置換の結果として変更されたエフェクター機能を有するFc領域含有ポリペプチドに関する。
発明の背景
モノクローナル抗体は、大きな治療可能性を有し、今日の医療ポートフォリオにおいて重要な役割を果たす。過去10年間、製薬業界における重要な傾向は、がん、喘息、関節炎、および多発性硬化症などの多くの疾患の治療のための治療剤としてのモノクローナル抗体(mAb)の開発であった。
抗体のFc領域、すなわち、CH2、CH3ドメインに及ぶ抗体の重鎖の末端、およびヒンジ領域の一部分は、可変性が制限されており、抗体が果たす生理学的役割への影響に関与している。抗体のFc領域に起因するエフェクター機能は、抗体のクラスおよびサブクラスで異なり、Fc領域を介した細胞上の特定のFc受容体(「FcR」)への抗体の結合を含み、これは様々な生物学的応答を引き起こす。
本発明は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアント、例えば、ヒトIgGのFcにおけるD270A、K322A、P329V、P331V、E333Qのうちの1つ以上と組み合わせて、アミノ酸置換E345K、E430G、L234A、およびL235A;またはE345K、E430G、S228P、およびR409Kを有するFcバリアントを含むポリペプチドを特徴とする。残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される(例えば、Edelman,et al.,Proc Natl Acad Sci USA 63(1969)78−85を参照されたい)。ポリペプチドは、低減したCDC活性に加えて、野生型IgG Fc領域を有するポリペプチドと比較して、ヒトFc受容体のうちの1つ以上に対する低減した親和性および/または増加した受容体クラスター化を示す。
本発明の一態様は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドに関する。一実施形態では、Fcバリアントは、残基位置228、234、235、270、322、329、331、333、345、409、430、440、またはそれらの組み合わせにおいて1つのアミノ酸置換、または少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個の置換を含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置228のアミノ酸は、プロリン(P)またはセリン(S)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置234のアミノ酸は、アラニン(A)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置235のアミノ酸は、アラニン(A)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置345のグルタミン酸(E)は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置409のアミノ酸は、リジン(K)、またはアルギニン(R)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置430のグルタミン酸(E)は、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置440のセリン(S)は、トリプトファン(W)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置270のアスパラギン酸(D)は、中性非極性アミノ酸で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置322のリジン(K)は、中性非極性アミノ酸で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置329のプロリン(P)は、中性非極性アミノ酸で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置331のアミノ酸は、中性非極性アミノ酸で置換されている。一実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置333のグルタミン酸(E)は、中性極性アミノ酸で置換されている。一実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)である。一実施形態では、アミノ酸置換は、L234A、L235A、E345K、およびE430Gを含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。一実施形態では、アミノ酸置換は、S228P、E345K、R409K、およびE430Gを含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、D270A、K322A、およびP331Gをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、D270AおよびP331Gをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、D270A、P331V、およびE333Qをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、P329Vをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、P331Vをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、P329VおよびP331Vをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、P329Vおよび/またはP331Fをさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、ヒトFc受容体のうちの1つ以上に対して低減した親和性を示す。他の実施形態では、ポリペプチドは、野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、増加した受容体クラスター化をさらに示す。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、減少した補体依存性細胞毒性(CDC)をさらに示す。
本発明の態様は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドに関し、Fcバリアントは、配列番号4に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換は、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じる。一実施形態では、Fcバリアントは、配列番号4に対する少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を含むアミノ酸配列を含む。一実施形態では、Xは、セリン(S)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、X、X、X、またはXは、中性非極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。別の実施形態では、Xは、中性極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
本発明の態様は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドに関し、Fcバリアントは、配列番号5に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換は、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じる。一実施形態では、Fcバリアントは、配列番号5に対する少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を含むアミノ酸配列を含む。一実施形態では、Xは、セリン(S)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、X、X、X、またはXは、中性非極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。別の実施形態では、Xは、中性極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
本発明の態様は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドに関し、Fcバリアントは、配列番号6に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換は、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じる。一実施形態では、Fcバリアントは、配列番号6に対する少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を含むアミノ酸配列を含む。一実施形態では、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置228のアミノ酸の置換であり、プロリン(P)を含む。一実施形態では、Xは、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、Xは、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である。一実施形態では、X、X、X、またはXは、中性非極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。別の実施形態では、Xは、中性極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
ポリペプチドは、例えば、抗体またはFc融合タンパク質である。抗体は、単一特異性抗体、二重特異性抗体、または多重特異性抗体である。ポリペプチドは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域を有することができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、例えば、CD27、OX40、4−1BB、CD40L、ICOS、およびCD28などの免疫モジュレーターに特異的な抗体であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、T細胞上の阻害分子、例えば、PD1、TIGIT、CTLA4、Lag3、Tim3、またはKIRに特異的な抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、T細胞上の刺激分子、例えば、GITR、CD27、OX40、4−BB、CD40L、ICOS、またはCD28に特異的な抗体である。他の実施形態では、ポリペプチドは、ケモカイン受容体、例えば、CCR4、CXCR4、またはCCR5に特異的な抗体である。他の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍細胞上の腫瘍関連分子、例えば、BCMA、CAIX、抗原提示細胞分子、またはそれらの組み合わせに特異的な抗体である。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞分子は、PDL1またはPDL2を含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、感染因子に特異的な抗体である。さらなる実施形態では、感染因子は、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、中東呼吸器症候群ウイルス(MERS)、アルファウイルス、フラビウイルス、またはインフルエンザウイルスを含む。例えば、アルファウイルスは、西部馬脳炎ウイルス(WEEV)、東部馬脳炎ウイルス(EEEV)、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、またはチクングニアウイルス(CHKV)であり得る。例えば、フラビウイルスは、ウエストナイルウイルス(WNV)、デンジウイルス血清型1〜4、黄熱病ウイルス、またはジカウイルスであり得る。いくつかの実施形態では、フラビウイルスは、蚊媒介性である。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスは、新興インフルエンザウイルスである。他の実施形態では、抗体は、キメラ抗原受容体(CAR)のターゲティングドメインを含む。さらに他の実施形態では、IgG FcのCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはそれらの組み合わせは、キメラ抗原受容体(CAR)の細胞外ドメインに組み込まれる。任意に、ポリペプチドは、BCMA、CAIX、CCR4、PDL1、PD−L2、PD1、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)、TIGIT、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、インフルエンザまたはフラビウイルスに特異的な抗体である。
一実施形態では、ポリペプチドは、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)に特異的な抗体である。一実施形態では、組換えGITR抗体は、表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む。
一実施形態では、ポリペプチドは、CCR4に特異的な抗体である。一実施形態では、組換えCCR4抗体は、表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む。
様々な態様では、ポリペプチドは、当該技術分野において実施されるように、薬物、毒素、放射性標識、またはそれらの組み合わせにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、毒素は、シュードモナス外毒素、リシン、ボツリヌス毒素、または当業者によって使用される他の毒素、例えば、(その全体が参照によって組み込まれる)Polito et al(Biomedicines.2016 Jun 1;4(2).pii:E12.doi:10.3390/biomedicines4020012)によって記載されるものであり得る。いくつかの実施形態では、放射性標識は、イットリウム−90、レニウム−188、ルテチウム−177、ストロンチウム−89、ラジウム−223などであり得る。いくつかの実施形態では、抗体薬物コンジュゲートは、モノメチルオーイスタチンE、または例えば、(その全体が参照によって組み込まれる)Schumacher et al.(J Clin Immunol.2016 May;36 Suppl 1:100−7.doi:10.1007/s10875−016−0265−6.Epub 2016 Mar 22)によって記載されるものであり得る。
また、本発明には、本発明によるポリペプチド、またはそれをコードする核酸を投与することによって、疾患に罹患した対象を治療する方法が含まれる。また、本発明には、本発明によるポリペプチドまたはそれをコードする核酸および薬学的に許容される担体を含む治療有効量の組成物を対象に投与することによって、疾患に罹患した対象を治療する方法が含まれる。
一実施形態では、本発明は、T細胞免疫を増強する方法を提供し、方法は、本明細書に記載される組換えGITR抗体または本明細書に記載される組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む。一実施形態では、本発明は、対象における腫瘍を治療する方法を提供し、方法は、本明細書に記載される組換えGITR抗体または本明細書に記載される組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む。一実施形態では、本発明は、CCL22/17分泌腫瘍を治療する方法を提供し、方法は、本明細書に記載される組換えGITR抗体または本明細書に記載される組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む。一実施形態では、CCL22/17分泌腫瘍は、血液系がんである。一実施形態では、血液系がんは、リンパ腫または白血病である。一実施形態では、腫瘍は、固形腫瘍または液体腫瘍である。一実施形態では、CCL22/17分泌腫瘍は、卵巣癌である。いくつかの実施形態では、液体腫瘍は、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、または急性リンパ芽球性白血病(ALL)であり得る。一実施形態では、本発明は、対象における血液系がんを治療することを提供し、方法は、本明細書に記載される組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む。一実施形態では、血液系がんは、リンパ腫または白血病である。
他の態様では、本発明は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む細胞上のリガンドに結合することができる抗体に細胞を接触させることによって、細胞シグナル伝達を増強するか、または細胞の受容体クラスター化を誘導する方法を提供する。他の態様では、本発明は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む細胞上のリガンドに結合することができる抗体に細胞を接触させることによって、細胞のCDC活性を低減する方法を提供する。Fcバリアントは、D270、K322、P329、P331、E345、E430、および/またはS440のアミノ酸置換などのアミノ酸置換を有し、残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。一実施形態では、変異は、D270A、K322A、P329V、P331G、P331V、P331F、E333Q、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440Wのうちの1つ以上を含む。
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施に使用することができるが、適切な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によってその全体が明示的に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先される。加えて、本明細書に記載される材料、方法、および例は、例示的のみであり、限定することを意図しない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであり、それらによって包含されるであろう。
293F細胞から発現および精製された抗GITR抗体のSDS−PAGE分析。抗GITR抗体E1−3H7 IgG1 LALA(レーン1)、E1−3H7安定化IgG4(レーン2)、CTI−10安定化IgG4(レーン3)、E1−3H7 IgG1 LALAヘキサマー(レーン4)、E1−3H7安定化IgG4ヘキサマー(レーン5)、およびE1−3H7 IgG1 WTヘキサマー(レーン6)をコードするpTCAEプラスミドを、293F細胞に一過性にトランスフェクトさせる。細胞上清を、96時間後に採取し、プロテインAアフィニティー樹脂で精製した。約2ug(精製後OD280読み取りによって測定)の各精製抗体を4〜20%ポリアクリルアミドゲルによって分析し、クーマシーブルー染色によって可視化した。レーン7は、対照CTI−10 IgG1を既知の濃度で含有する。パネルA還元条件、パネルB非還元条件。データは、各抗体が発現および精製されたことを示す。 Promegaによって作製され、我々のアッセイにおいて使用されるGloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞アッセイシステム内で、GITR−GITRL相互作用がNF−kB経路を活性化することを示す図である。 GloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞は、表面に発現した受容体GITRとのルシフェラーゼ活性に基づくリガンドまたは抗体反応を生成するレポーター細胞である。システム対照として、パネルAは、GITRリガンド(GITRL)が、予想されるルシフェラーゼ活性を誘導したことを示し、パネルBは、抗HA抗体が、111ng/mlのGITRLで誘導されたルシフェラーゼ活性をさらに増強するというデータを示す(GLTRLはc末端HAタグと融合していることに留意されたい)。 パネルCは、我々の新たに発見された抗GITR抗体E1−3H7−sIgG4が、GiTR/NF−kB依存性ルシフェラーゼを単独で誘導するか、または111ng/mlのGITRLで誘導されるルシフェラーゼ活性をさらに増強することができることを示し、これは市販の抗GITR Ab対照、CTI−10、パネルDの挙動とは異なる。 ヘキサマー化抗GITR E1−3H7抗体は、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において増加した感度を有する。(A)抗GITR抗体E1−3H7 IgG1−LALAおよび対応するヘキサマー(E1−3H7−LALA Hex)は、ルシフェラーゼ活性をGloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞から用量依存的に誘導した。E1−3H7ヘキサマーは、ルシフェラーゼ誘導を抗体濃度において約1log低い方にシフトすることができたことに留意されたい。(B)抗GITR E1−3H7抗体は、GITRL誘導性ルシフェラーゼ活性をさらに増強する。もう一度、E1−3H7−LALAヘキサマーは、そのような誘導をはるかに低いAb濃度で達成した。パネルCおよびDは、E1−3H7での同様の効果がIgG4およびその対応するsIgG4ヘキサマーを安定させたことを示す。抗GITR E1−3H7抗体は、111ng/mlのGITRリガンドの不在下(パネルAおよびC)または存在下(パネルBおよびD)で、5000ng/mlから20.58ng/mlまでの3倍希釈で使用した。 図4−1の説明を参照のこと。 ヘキサマー化抗GITR E1−3H7抗体は、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において増加した感度を有する。ルシフェラーゼ誘導の完全な範囲を確認するために、抗GITR E1−3H7−IgG1 LALAまたはIgG4抗体濃度が、111ng/mlのGITRリガンドの不在下(パネルAおよびC)または存在下(パネルBおよびD)で、15000ng/mlから61.73ng/mlまでの3倍希釈で使用されたことを除いて、図4に示されるものと同様の実験であり、それらの対応するヘキサマー形式は、5000ng/mlから20.58ng/mlまでのままであった。無関係なIgG対照は、111ng/mlのGITRLによるルシフェラーゼ誘導のベースレベルに対する有意な効果を示さなかった。 図5−1の説明を参照のこと。 抗GITR E1−3H7抗体のIgG1 Fc野生型、IgG1 Fc LALA変異体、または安定化IgG4ヘキサマーは、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において同様の活性を有する。抗GITR E1−3H7−IgG1 WTまたはIgG 1 LALAまたはsIgG4ヘキサマー抗体濃度は、111ng/mlのGITRリガンドの不在下または存在下で、5000ng/mlから20.58ng/mlまでの3倍希釈で使用したが、対照IgG1は、15000ng/mlから61.73ng/mlまでの濃度を有する。パネルAにおけるE1−3H7 IgG1 WTヘキサマー結果は、パネルBおよびCまたはパネルDおよびEに提示されるものとは別の実験からのものであることに留意されたい。X軸およびY軸は、パネルA〜Eについて同じである。 図6−1の説明を参照のこと。 Promegaからのレポーターシステムを用いたADCCアッセイ。 IgG1のWTおよびLALAヘキサマー変異体のFc領域の核酸およびアミノ酸配列。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 安定化ヘキサマーIgG4のFc領域の核酸およびアミノ酸配列。 図9−1の説明を参照のこと。 図9−1の説明を参照のこと。 IgG抗体の哺乳動物発現に使用することができるベクターのための発現ベクターマップ。 IgG抗体の哺乳動物発現に使用することができるベクターのための発現ベクターマップ。 IgG1の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号1)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 IgG2の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号2)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 IgG4の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号3)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 CDC活性が、sIgG4モノマーを除き、すべての抗GITR Ab構築物に残ることを示すグラフである。グラフは、細胞殺滅の量を定量化するために異なる試薬を使用した同様の実験を表す。左のグラフのアッセイは、培養中の生存細胞の数を決定するCellTiter−Gloシステムを使用するが、右のグラフのアッセイは、死細胞のみをカウントするCytoTox−Gloを使用する。 減少した補体依存性細胞毒性(CDC)を生成するためにLALA−ヘキサマー構築物のCH2領域に導入されたいくつかの変異のリボン構造の図である。図16のパネルAは、C1q結合に関与しており、変異の標的とされるCH2におけるその重要な残基を示す。パネルB〜Hは、各構築物において変異した残基(複数可)、および変異による予測される効果(複数可)を示す。パネルIおよびJは、2つのCL融合体を示し、1つは抗PDL1 scFvとの、もう1つはGFPアナログzsGreenとのものである。 GITR変異体のSDSページゲル(非還元ゲル、還元ゲル(10%BME))の写真画像である。Expi293F細胞にExpiFectamineをトランスフェクトし、採取およびプロテインAコンジュゲートセファロースを介した精製前の5日間培養した。1ugの各精製タンパク質を、Bolt(商標)4〜12%Bis−Tris Plus Gelで泳動した。右のゲル中の試料は還元されておらず、左のゲルは10%β−メルカプトエタノールで還元されている。レーン1.ラダー(Bioradプレシジョンプラス)、レーン2.mAb2−3 IgG1 WTモノマー、レーン3.mAb2−3 IgG1 WTヘキサマー、レーン4.E1−3H7 IgG1 WTモノマー、レーン5.E1−3H7 IgG1 WTヘキサマー、レーン6.E1−3H7 IgG1 LALAモノマー、レーン7.E1−3H7 IgG1 LALAヘキサマー、レーン8.Mt 1、レーン9.Mt 2、レーン10.Mt 3、レーン11.PV、レーン12.VP、レーン13.VV、レーン14.aPDL1、およびレーン15.PF(P329P P331F)。 図17−1の説明を参照のこと。 GITR+細胞に結合する抗GITR Abの結合曲線であり、結合について陽性の細胞%に関してフローサイトメトリーによって分析されている。試験されたGITRヘキサマー変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。 GITR+細胞への抗GITR Ab結合についての結合曲線であり、MFI(平均蛍光強度)に関してフローサイトメトリーによって分析されている。試験されたGITRヘキサマー変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。 CDCがWtおよびLALA構築物(RLU)と比較して低減したことを示す変異体のCDCの棒グラフを表す。試験された変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。すべての抗体の重鎖および軽鎖可変領域は、親E1−3H7抗GITR抗体に由来する。 CDCがWtおよびLALA構築物(殺滅%)と比較して低減したことを示す変異体のCDCの棒グラフを表す。試験された変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。すべての抗体は、親E1−3H7抗GITR抗体からのものである。導入された変異は、元の抗体と比較してCDC活性の量を有意に低減する。 GITRバイオアッセイ(RLU)のグラフを示す。左のグラフは抗体のみであるが、右のグラフは各試料への111ng/mlのGITRLの添加を有する(左および右のグラフの結果は異なる日に行われた)。データは、CDC活性を低減するために行われた変異が抗体のヘキサマー化に影響を与えないことを示す。モノマーと比較して、ヘキサマーのすべてが用量応答曲線で左への顕著なシフトを示す。 GITRバイオアッセイにおける抗体および一定のGITRLによる誘導の倍率のグラフを示す。左のグラフは抗体のみであるが、右のグラフは各試料への111ng/mlのGITRLの添加を有する(異なる日に行われた実験間の比較)。データは、CDC活性を低減するために行われた変異が抗体のヘキサマー化に影響を与えないことを示す。モノマーと比較して、ヘキサマーのすべてが用量応答曲線で左への顕著なシフトを示す。GITRリガンド(GITRL)と共刺激される場合、抗体は相加効果を有するが(図22および23)、市販のGTI−10抗GITR抗体はこれを有さない。 GITRバイオアッセイにおいてGITRLに対して正規化された場合の抗体による誘導の倍率のグラフを示す。このグラフは、(111ng/mlでの)GITRLに対して誘導倍率を正規化することによって、抗体からGITRLの効果をデコンボリューションする。正規化された誘導倍率は、次のように計算される:試料のRLU/GITRL(111ng/ml)のみのRLU。生物活性アッセイのこの分析はまた、変異したヘキサマーが、モノマーと比較して用量応答曲線で左への顕著なシフトを有し続けることを示す。 観察されたADCC活性のグラフを示す。グラフに列挙された変異体は、いかなる測定可能なADCC活性も有さない。陰性対照IgGは、特異的ADCC活性を示さなかった。 本発明によって企図される変異体の要約である。 IgG3の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号60)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 IgG Lc融合体の結合(%)を示すグラフである。aGITR−PDL1 Lc融合IgGを、PDL1で一過性にトランスフェクトされたCHO−GITR+細胞またはExpi293F細胞(約75〜80%のトランスフェクション効率)と様々な濃度でインキュベートした。RTで25分間インキュベーション後、細胞を洗浄し、融合抗体の結合をPDL1−scFv融合体のC末端上のHisタグを通した抗His−PEによって検出した。このグラフは、検出されたPE陽性細胞%によって決定されるように、二重特異性IgGの各アームが独立してその標的に結合することができることを示す。 IgG Lc融合体の結合(MFI)を示すグラフである。aGITR−PDL1 Lc融合体を、PDL1で一過性にトランスフェクトされたCHO−GITR+細胞またはExpi293F細胞(約75〜80%のトランスフェクション効率)と様々な濃度でインキュベートした。RTで25分間インキュベーション後、細胞を洗浄し、融合抗体の結合をPDL1−scFv融合体のC末端上のHisタグによって検出した。このグラフは、平均蛍光強度(MFI)によって決定されるように、二重特異性IgGの各アームが独立してその標的に結合することができることを示す。 IgG Lc融合体の同時結合(%)を示すグラフである。1E6 CHO−GITR細胞を各試料に使用した。aGITR IgG1 LALA Hex Lc融合体(aPDL1)を2倍段階希釈で加え、RTで25分間インキュベートした。試料を次いで洗浄し、1.5ugのPD−L 1−rbFcを各チューブに加え、チューブを25分間RTでインキュベートした。別の洗浄後、Biolegendの抗ウサギIgG FITC(2ug/ml)を検出用のウェルに加えた。 IgG Lc融合体の同時結合(MFI)を示すグラフである。1E6 CHO−GITR細胞を各試料に使用した。aGITR IgG1 LALA Hex Le融合体(aPDL1)を2倍段階希釈で加え、RTで25分間インキュベートした。試料を次いで洗浄し、1.5ugのPD−L 1−rbFcを各チューブに加え、チューブを25分間RTでインキュベートした。別の洗浄後、Biolegendの抗ウサギIgG FITC(2ug/ml)を検出用のウェルに加えた。 IgG1およびIgG4のCH2のアミノ酸配列アラインメントを示す。IgG4ヘキサマーからCDC活性を排除するためにIgG1LALA mut3と同様にIgG4構築物において変異を行った。IgG1 LALA Mut3は、D270A P331V E333Qである。sIgG4では、残基331はSである。第1のMut3アナログでは、D270AおよびE33Qのみを変更し、これはIgG1およびIgG4において同一である。第2の構築物を作製するために、残基330および331も、C1q結合ポケットの一部であるため、IgG1 LALAと同一になるように変更した。 sIgG4変異体のCDC活性(1時間)を示すグラフである。
発明の詳細な説明
1つ以上の実施形態の詳細な説明が本明細書に提供される。しかしながら、本発明が、様々な形式で具現化され得ることが、理解される。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の根拠として、および当業者に本発明を任意の適切な方法で用いるように教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
Fc受容体は、Fcへの結合を媒介する細胞外ドメイン、膜貫通領域、および細胞内のいくつかのシグナル伝達事象を媒介し得る細胞内ドメインを有することができる。これらの受容体は、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好酸球、肥満細胞、血小板、B細胞、大顆粒リンパ球、ランゲルハンス細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、およびT細胞を含む様々な免疫細胞において発現する。Fc/FcγR複合体の形成は、これらのエフェクター細胞を結合した抗原の部位に動員し、典型的には細胞内のシグナル伝達事象と、炎症メディエーターの放出、B細胞活性化、エンドサイトーシス、ファゴサイトーシス、および細胞毒性攻撃などの重要なその後の免疫応答と、を引き起こす。
多くの状況では、免疫グロブリンのFc領域によって媒介されるエフェクター機能の結合および刺激は、例えば、CD20抗体について、非常に有益であるが、特定の例では、エフェクター機能を減少またはさらに排除することがより有利であり得る。
他の例では、例えば、広く発現した受容体とその同族リガンドとの相互作用を遮断することが目的である場合、すべての抗体エフェクター機能を減少または排除して、望ましくない毒性を低減することが有利であろう。
受容体クラスター化を増加させることによってシグナル伝達を増強することも有利であろう。
補体依存性細胞毒性(CDC)活性を有意に減少させることも有利であろう。
ADCCおよび/またはADCPおよび/またはCDCなどの大きく低下したエフェクター機能、ならびに増強した受容体細胞シグナル伝達および/または誘導受容体細胞クラスター化を有する抗体についての満たされていないニーズがある。したがって、本発明の目的は、導入された変異を有する免疫グロブリンのFc領域のポリペプチドを合成および/または操作して、そのような効果を促進し、操作されたFc領域を含む抗体を最終的に特定することであった。一実施形態では、抗体は、本明細書に記載されるバリアントFc領域(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、またはIgA2バリアントFc領域)を有するがん療法のために開発することができる。一実施形態では、補体活性を回避しながらヘキサマー化することができる抗体を生成することができる。別の実施形態では、エフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞毒性(ADCC))も回避しながら、ヘキサマー化することができる抗体を生成することができる。一実施形態では、抗体は、GITRに特異的である。一実施形態では、抗体は、CCR4に特異的である。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、IgDまたはIgEのFc領域のバリアントヒンジ、CH1、および/またはCH2ドメインを含むことができ、そのアミノ酸配列は、参照によってその全体が組み込まれる、WO 2007/121354に記載される。
本発明は、部分的に、抗体ヘキサマー化を促進することが知られる抗体のFc領域における変異および増加した補体依存性細胞毒性(CDC)もエフェクター細胞シグナル伝達を著しく増強する予期しない能力を有するという発見に基づいている。本発明の、抗体バリアントを含む、ポリペプチドバリアントはすべて、結合領域と、抗体ヘキサマー化を促進し、エフェクター機能を低減することが知られる1つ以上の変異(複数可)を含む免疫グロブリンの全長または部分Fcドメインと、を含む。
配列番号1は、IgG1の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01857(IGHG1_HUMAN)、330アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。図12は、配列番号1を、KabatのEUインデックスに従って付番されるアミノ酸残基と対応させる表である。
Figure 2021518411
配列番号4は、IgG1のバリアントFc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01857(IGHG1_HUMAN)、330アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸残基を表し、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置228でのアミノ酸の置換であり、プロリン(P)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置234でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置235でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置345でのアミノ酸の置換であり、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置409でのアミノ酸の置換であり、アルギニン(R)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置430でのアミノ酸の置換であり、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置440でのアミノ酸の置換であり、トリプトファン(W)を含む。さらなる実施形態では、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置270でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置322でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置329でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置331でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置333でのアミノ酸の置換であり、中性極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、環構造を有さないアミノ酸(例えば、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、バリン(V))である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
Figure 2021518411
配列番号2は、IgG2の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01859(IGHG2_HUMAN)、326アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。図13は、配列番号2を、KabatのEUインデックスに従って付番されるアミノ酸残基と対応させる表である。
Figure 2021518411
配列番号5は、IgG2のバリアントFc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01859(IGHG2_HUMAN)、326アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸残基を表し、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置228でのアミノ酸の置換であり、プロリン(P)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置235でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置345でのアミノ酸の置換であり、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置409でのアミノ酸の置換であり、アルギニン(R)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置430でのアミノ酸の置換であり、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置440でのアミノ酸の置換であり、トリプトファン(W)を含む。さらなる実施形態では、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置270でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置322でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置329でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置331でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置333でのアミノ酸の置換であり、中性極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、環構造を有さないアミノ酸(例えば、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、バリン(V))である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
Figure 2021518411
配列番号3は、IgG4の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01861(IGHG4_HUMAN)、327アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。図14は、配列番号3を、KabatのEUインデックスに従って付番されるアミノ酸残基と対応させる表である。
Figure 2021518411
配列番号6は、IgG4のバリアントFc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01861(IGHG4_HUMAN)、327アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸残基を表し、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置228でのアミノ酸の置換であり、プロリン(P)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置234でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置235でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置345でのアミノ酸の置換であり、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置409でのアミノ酸の置換であり、リジン(K)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置430でのアミノ酸の置換であり、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置440でのアミノ酸の置換であり、トリプトファン(W)を含む。さらなる実施形態では、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置270でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置322でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置329でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置331でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置333でのアミノ酸の置換であり、中性極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、環構造を有さないアミノ酸(例えば、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、バリン(V))である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
Figure 2021518411
配列番号60は、IgG3の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01860(IGHG3_HUMAN)、377アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。図27は、配列番号60を、KabatのEUインデックスに従って付番されるアミノ酸残基と対応させる表である。
Figure 2021518411
配列番号61は、IgG3のバリアントFc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01860(IGHG3_HUMAN)、377アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸残基を表し、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置228でのアミノ酸の置換であり、プロリン(P)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置234でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置235でのアミノ酸の置換であり、アラニン(A)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置345でのアミノ酸の置換であり、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置409でのアミノ酸の置換であり、アルギニン(R)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置430でのアミノ酸の置換であり、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置440でのアミノ酸の置換であり、トリプトファン(W)を含む。さらなる実施形態では、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置270でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置322でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置329でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置331でのアミノ酸の置換であり、中性非極性アミノ酸を含み、Xは、KabatのEUインデックスによる残基位置333でのアミノ酸の置換であり、中性極性アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、環構造を有さないアミノ酸(例えば、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、バリン(V))である。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
Figure 2021518411
配列番号62は、IgA1の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01876(IGHA1_HUMAN)、353アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。また、各々その全体が参照によって組み込まれる、WO2007/121354およびRogers et al.,(2008)J Immunol.,180:4816−24を参照されたい。
Figure 2021518411
配列番号63は、IgA2の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01877(IGHA2_HUMAN)、340アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。また、各々その全体が参照によって組み込まれる、WO2007/121354およびRogers et al.,(2008)J Immunol.,180:4816−24を参照されたい。
Figure 2021518411
抗体ヘキサマー化を促進することができるFc変異は、免疫グロブリンのFc領域の約345〜440位のアミノ酸残基に対応するセグメントにおける1つ以上の変異(複数可)を含む。一実施形態では、抗体ヘキサマー化を促進することができるFc変異は、IgG1におけるE345〜S440に対応するセグメントにおける1つ以上の変異(複数可)を含む。そのような1つ以上の変異(複数可)はまた、アミノ酸残基位置345、430、および/または440のアミノ酸残基に対応する変異(例えば、IgG1におけるE345、E430および/またはS440)を含み得る。いくつかの実施形態では、変異は、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、およびS440Wを含み得る。いくつかの実施形態では、変異は、E345KおよびE430Gを含む。これらの変異は、本発明の文脈において「ヘキサマー化増強変異」として知られる。
エフェクター機能を低減することができるFc変異は、IgG1におけるアミノ酸残基L234および/またはL235〜S440における1つ以上の変異(複数可)を含む。一実施形態では、Fc領域におけるエフェクター機能変異は、IgG1におけるL234AおよびL235Aを含む。IgG4を安定させることができるFc変異は、IgG4におけるS228、L235、および/またはR409を含むが、これらに限定されない。一実施形態では、IgG4を安定させることができるFc変異は、IgG4におけるS228PおよびL235EまたはR409Kを含む。(IgGサブクラスの構造およびエフェクター機能の一般的な議論については、Vidarsson et al.,Front Immunol 2014;5−520も参照されたい)。補体依存性細胞毒性(CDC)を低下させることができるFc変異は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4における(KabatのEUインデックスによる)270、322、329、331、333位にあるアミノ酸残基における1つ以上の変異(複数可)を含む。
一実施形態では、本発明によるポリペプチドは、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドであり、Fcバリアントは、残基位置228、234、235、345、409、430、440、またはそれらの組み合わせでアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。さらなる実施形態では、Fcバリアントは、残基位置270、322、329、331、333、またはそれらの組み合わせでアミノ酸置換をさらに含み、アミノ酸残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。いくつかの実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、または7つのアミノ酸置換は、残基位置228、234、235、345、409、430、440で行われる。いくつかの実施形態では、少なくとも2、3、4、または5つのアミノ酸置換が、残基位置270、322、329、331、333で行われる。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置228のアミノ酸は、プロリン(P)またはセリン(S)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置234のアミノ酸は、アラニン(A)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置235のアミノ酸は、アラニン(A)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置345のグルタミン酸(E)は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置409のアミノ酸は、リジン(K)、またはアルギニン(R)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置430のグルタミン酸(E)は、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置440のセリン(S)は、トリプトファン(W)で置換されている。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置270、322、329、および/または331のアミノ酸は、中性非極性アミノ酸で置換されている。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む。いくつかの実施形態では、中性非極性アミノ酸は、環構造を有さないアミノ酸(例えば、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、バリン(V))である。一実施形態では、KabatのEUインデックスによる残基位置333のアミノ酸は、中性極性アミノ酸で置換されている。いくつかの実施形態では、中性極性アミノ酸は、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む。
本明細書および特許請求の範囲では、免疫グロブリン重鎖における残基の付番は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)におけるEUインデックスのものである。「KabatにおけるEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基付番を指す。
したがって、本発明は、結合領域と、1つ以上のヘキサマー化増強変異および1つ以上のエフェクター機能低減変異を有する免疫グロブリンの全長または部分Fcドメインと、を有する、抗体バリアントを提供する。本発明の抗体バリアントは、野生型Fcドメインを有する抗体と比較して、増強された受容体クラスター化およびまたはエフェクター細胞シグナル伝達を有する。
本明細書に記載される本発明は、バリアントFcドメインを含む抗体にさらに関する。一実施形態では、抗体は、バリアントFcドメインを含む抗GITR抗体である。表1A〜1Bは、それぞれ、抗GITR抗体の重鎖および軽鎖の可変領域の、核酸配列(配列番号7〜8)およびアミノ酸配列(配列番号9〜10)を提供する。一実施形態では、本明細書に記載されるバリアントFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体を操作するために、抗体の可変領域を移植することができる。
(表1A)Ab#E1−3H7可変領域核酸配列
Figure 2021518411
(表1B)Ab#E1−3H7可変領域アミノ酸配列
Figure 2021518411
以下の表1C.は、配列番号9〜10に基づく抗GITR抗体の重鎖および軽鎖可変領域のフレームワークおよびCDRの境界を示す。
(表1C)抗GITR E1−3H7アミノ酸配列
Figure 2021518411
一実施形態では、抗体は、バリアントFcドメインを含む抗CCR4抗体である。表1D.は、抗CCR4抗体の重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸配列(配列番号11〜12)を提供する。一実施形態では、本明細書に記載されるバリアントFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体を操作するために、抗体の可変領域を移植することができる。
(表1D)抗CCR4 mAb2.3可変領域アミノ酸配列
(=親和性成熟させたヒト化mAb1567)
Figure 2021518411
以下の表1E.は、配列番号11〜12に基づく抗CCR4抗体についての重鎖および軽鎖可変領域のフレームワークおよびCDRの境界を示す。
(表1E)抗CCR4 mAb2.3アミノ酸配列
Figure 2021518411
表2A.は、IgG1重鎖および軽鎖の定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜17)を提供する。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表2A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―野生型IgG1モノマー(Cを除いて、本明細書に記載の抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
一実施形態では、本明細書に記載される軽鎖のFc領域を使用して、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作することができる。一実施形態では、軽鎖のFc領域(CL(カッパ))は、配列番号43の核酸配列を含む:
Figure 2021518411
一実施形態では、軽鎖のFc領域(CL(カッパ))は、配列番号43のアミノ酸配列を含む:
Figure 2021518411
表2B.は、IgG1重鎖および軽鎖の定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜22)を提供する。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表2B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―野生型IgG1モノマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)。CH2およびCH3における太字残基は、例えば、異なるIgG1変異体を作製するために変異させることができる野生型残基(表3〜5における黄色で強調表示された残基)である。
Figure 2021518411
表3A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号23)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表3A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA変異体モノマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表3B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号24)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表3B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA変異体モノマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表4A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号25)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表4A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 WTヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表4B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号26)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表4B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 WTヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表5A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号27〜28)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表5A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALAヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表5B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号29〜30)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表5B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALAヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表6A.は、安定化IgG4重鎖および軽鎖の定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号31〜35)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG4を安定させるために導入された変異である。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表6A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―sIgG4モノマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表6B.は、安定化IgG4重鎖および軽鎖の定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号36〜40)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG4を安定させるために導入された変異である。太字/水色で強調表示された残基は、表7におけるsIgG4ヘキサマーを作製するために変異させることができる野生型残基である。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表6B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―sIgG4モノマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表7A.は、安定化IgG4重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号31〜33、35、および41)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG4を安定させるために導入された変異である。太字残基は、表7におけるsIgG4ヘキサマーを作製するために変異させることができる野生型残基である。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表7A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―sIgG4ヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表7B.は、安定化IgG4重鎖および軽鎖の定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号36〜40)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG4を安定させるために導入された変異である。太字/水色で強調表示された残基は、表7におけるsIgG4ヘキサマーを作製するために変異させることができる野生型残基である。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作するために使用することができる。
(表7B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―sIgG4ヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
表8A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および44)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表8A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt1
Figure 2021518411
表8B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および45)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表8B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt1
Figure 2021518411
表9A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および46)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表9A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt2
Figure 2021518411
表9B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および47)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表9B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt2
Figure 2021518411
表10A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および48)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表10A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt3
Figure 2021518411
表10B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および49)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表10B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt3
Figure 2021518411
表11A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および50)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表11A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−VP
Figure 2021518411
表11B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および51)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表11B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−VP
Figure 2021518411
表12A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および52)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表12A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−PV
Figure 2021518411
表12B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および53)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表12B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−PV
Figure 2021518411
表13A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および54)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表13A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−PF
Figure 2021518411
表13B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および55)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表13B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−PF
Figure 2021518411
表14A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、17、25、および56)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表14A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−VV
Figure 2021518411
表14B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、22、26、および57)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。
(表14B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−VV
Figure 2021518411
表15A.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についての核酸配列(配列番号13〜14、23、25、および58)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。一実施形態では、表15Aは、抗PDL1などのscFvとのインフレーム融合体を提供する。
(表15A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA−aPDL1
Figure 2021518411
表15B.は、IgG1重鎖および軽鎖のバリアント定常領域(Fc)についてのアミノ酸配列(配列番号18〜19、24、26、および59)を提供する。黄色で強調表示された残基は、IgG1 Fcバリアントを作製するためにFc領域に導入された変異を示す。例えば、本明細書に記載されるFc領域は、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のバリアントFc領域を操作するために使用することができる。一実施形態では、表15Bは、抗PDL1などのscFvとのインフレーム融合体を提供する。
(表15B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA−aPDL1
Figure 2021518411
1つ以上のヘキサマー化増強変異および1つ以上のエフェクター機能低減変異を有し、1つ以上のCDC活性低減変異をさらに有する抗体バリアントは、向上した治療可能性を有するであろう。特に、標的細胞表面への結合後にアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する抗体は、増加した生物学的活性を有するであろう。理論によって縛られることなく、これは、細胞表面受容体クラスター化がそれらの生物学的機能に必要とされる場合に当てはまる。本発明の抗体バリアントの増強した受容体クラスター化および/またはエフェクター細胞シグナル伝達は、実際的な臨床的利益、例えば、治療効果を達成するためのヒトモノクローナル抗体の有効用量を低下すること、およびより低い親和性抗体を有する抗体を使用することにつながる。
例えば、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を用いた抗体誘導性クラスター化を通した受容体シグナル伝達の増強は、アゴニスト活性が望まれる細胞表面上の創薬可能な標的を活用するために使用することができる。一実施形態では、ケモカイン受容体は、ケモカイン受容体クラスター化を通してシグナル伝達能力を増強するために、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用することによって、増加したアゴニスト活性が望まれる細胞表面上の創薬可能な標的として機能することができる。別の実施形態では、その受容体に結合しているので、サイトカイン、ホルモン、またはリガンドの依然として露出した領域を標的とすることによって、その受容体に結合しながら、サイトカイン、ホルモン、またはリガンドのアゴニストまたはアンタゴニスト活性を増強するために、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用することができる。例えば、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体は、T細胞増殖を促進するためにIL−2に向けられ得る。さらに他の実施形態では、アゴニスト活性を増加させることは、小分子薬物の標的として機能する、7回膜貫通ドメインに及ぶタンパク質(以下で議論されるGタンパク質共役受容体など)を標的とすることによって、より広く活用することができる。
本発明の一態様は、Wntシグナル伝達受容体タンパク質の細胞表面受容体クラスター化を通したWnt経路の増強されたシグナル伝達に関する。例えば、Wntタンパク質は、これらに限定されないが、細胞運命、細胞増殖、生存、および遊走の特定を含む、様々な発生プロセスを制御する、分泌されたシグナル伝達糖タンパク質の大きなファミリーに属する。よって、Wntシグナル伝達は、初期胚発生および後期発生中の細胞運命決定および組織パターン化を制御する重要な発生シグナル伝達経路である。一実施形態では、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する(例えば、wntタンパク質および/またはそれらのリガンドのクラスター化を誘導する)Wntアゴニスト抗体(例えば、R−スポンジンファミリーのタンパク質メンバーに特異的またはNorrinに特異的な抗体)は、幹細胞の分化を誘導する(例えば、刺激する)ために使用することができる。
本発明の別の態様は、一般に、これらの細胞表面分子の受容体クラスター化を通した、I型、II型、またはIII型受容体の増強されたアゴニストおよび/またはアンタゴニストシグナル伝達に関する。I型受容体は、それぞれ、神経伝達物質であるアセチルコリンおよびGABAの標的であるニコチン性受容体またはGABA作動性受容体である。ニコチン性受容体は、リガンドであるニコチンにも結合することができる。II型受容体は、Gタンパク質共役受容体、セロトニン受容体、およびグルタミン酸受容体などの代謝型受容体である。これらの受容体のリガンドは、例えば、様々なホルモン(エピネフリン、グルカゴン、カルシトニン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、ニューロキニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、カンナビノイド、オキシトシン)、および神経伝達物質(ドーパミン、セロトニン、および代謝型グルタミン酸など)を含む。III型受容体は、例えば、受容体チロシンキナーゼおよび酵素結合受容体を含む。インスリン受容体は、リガンドインスリンに結合するIII型表面分子である。他のIII型受容体は、上皮成長因子受容体、血小板由来成長因子受容体、血管内皮成長因子受容体、線維芽細胞成長因子受容体、および結腸癌キナーゼ4を含むが、これらに限定されない。一実施形態では、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用する、I型、II型、もしくはIII型細胞表面分子および/またはそれらのリガンドの抗体媒介性クラスター化は、アゴニストおよび/またはアンタゴニスト活性を増強するために使用することができる。例えば、PCSK9に特異的な、(例えば、タンパク質および/またはそれらのリガンドのクラスター化を誘導する)本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体は、Pcsk9に結合して、LDL受容体への結合をより効率的に阻害することができる。
例えば、7回膜貫通ドメイン(7−TMD)表面受容体のシグナル伝達は、7−TMDタンパク質のクラスター化を通してシグナル伝達能力を高めるために、これらのタンパク質に特異的な、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用することによって増幅することができる。いくつかの実施形態では、アンタゴニスト活性を増加させることも、小分子薬物の標的としても役立つ阻害性7−TMDタンパク質(例えば、Gタンパク質共役受容体)を標的とすることによって活用することができる。例えば、7−TMD細胞表面受容体阻害性シグナル伝達は、これらの標的とされた7−TMD阻害タンパク質が、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有するアンタゴニスト抗体の存在により細胞表面でクラスター化されるので、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用して増強することができる。よって、7−TMD受容体および/またはそれらのリガンドの抗体媒介性クラスター化は、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を増強するために使用され得る。一実施形態では、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を対象に投与することを使用して、片頭痛を治療するためにカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)リガンド/7−TMD受容体相互作用を遮断することができる。
さらなる実施形態では、抗体媒介性クラスター化(例えば、本明細書に記載されるFcバリアント領域を有する抗体を使用することによって受容体クラスター化を誘導すること)を使用して、低アビディティ抗体を明らかに高い親和性を有する抗体に変換することができる。これは結合活性およびその後の生物学的活性を高めるために使用することができる。
したがって、本発明はまた、がん、自己免疫障害、炎症性障害、神経疾患、心血管疾患、感染性疾患を治療し、幹細胞系列経路を誘導する治療方法において、本発明の抗体バリアントを使用する方法を提供する。「治療する」という用語は、特定の疾患、障害、および/または状態の1つ以上の症状、特徴、または臨床症状を部分的または完全に軽減、改善、向上、緩和、その発症を遅延、その進行を阻害、その重症度を低減、および/またはその発生率を低減することを指すことができる。治療は、疾患、障害、および/もしくは状態に関連する病理を発症するリスクを低下させる目的で、疾患、障害、および/もしくは状態の兆候を示さない対象(例えば、特定可能な疾患、障害、および/もしくは状態の前)、ならびに/または疾患、障害、および/もしくは状態の初期兆候のみを示す対象に実施することができる。いくつかの実施形態では、治療は、細胞シグナル伝達の増強または細胞の受容体クラスター化の誘導を含む。
本発明の抗体バリアントは、目的の任意の標的に特異的であり得る。例えば、目的の標的は、(これに限定されないが)腫瘍関連表面抗原、例えば、ErbB2(HER2/neu)、癌胎児性抗原(CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFRバリアントIII(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、管上皮ムチン、gp36、TAG−72、スフィンゴ糖脂質、神経膠腫関連抗原、β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン−反応性AFP、チログロブリン、RAGE−1、MN−CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸内カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70−2、M−CSF、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY−ESO−1、LAGA−1a、p53、プロステイン(prostein)(P501)、PSMA、生存およびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原−1(PCTA−1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF1)−I、IGF−II、IGFI受容体、中皮、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)、およびテネイシンC(TnC A1)および線維芽細胞関連タンパク質(fap)のA1ドメイン;CD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD28、CD33、CD34、CD133、CD138、CTLA−4、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)などの系譜特異的もしくは組織特異的な抗原、エンドグリン、主要組織適合性複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF 17)、またはウイルス特異表面抗原、例えば、HIV特異抗原(HIV gp120など);EBV特異抗原、CMV特異抗原、HPV特異抗原、ラッセ(Lasse)ウイルス特異抗原、インフルエンザウイルス特異抗原、およびこれらの表面マーカーの任意の誘導体またはバリアントであり得る。
(例えば、本明細書に開示されるIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、またはIgA2からのバリアントFc領域を有する)本明細書に記載される本発明の抗体バリアントは、目的の任意の標的、例えば、本明細書に記載されるタンパク質標的に特異的であり得る。一実施形態では、抗体は、T細胞上の阻害分子に特異的である。T細胞上の阻害分子の非限定的な例は、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1(GenPeptアクセッション番号NP_005009)、またはCD279としても知られる)、IgおよびITIMドメインタンパク質を有するT細胞免疫受容体(TIGIT(GenPeptアクセッション番号NP_776160))、CTLA4(CD152としても知られる、GenPeptアクセッション番号NP_005205)、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3(GenPeptアクセッション番号NP_002277))、TIM3(A型肝炎ウイルス細胞受容体2(GenPeptアクセッション番号NP_116171)としても知られる)、およびKIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体3DL1(KIR3DL1、GenPeptアクセッション番号NP_001309097)としても知られる)を含む。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるT細胞上の阻害分子は、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
一実施形態では、抗体は、T細胞上の刺激分子に特異的である。T細胞上の刺激分子の非限定的な例は、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR、GenPeptアクセッション番号NP_683700)、CD27(GenPeptアクセッション番号NP_001233)、OX40(TNFRSFとしても知られる、GenPeptアクセッション番号NP_003318)、4−1BB(TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(TNFRSF9)としても知られる、GenPeptアクセッション番号NP_001552)、CD40L(CD154としても知られる、GenPeptアクセッション番号NP_000065)、誘導性T細胞共刺激タンパク質(ICOS、GenPeptアクセッション番号NP_036224)、CD3(デルタ鎖についてのGenPeptアクセッション番号、NP_000723、イプシロン鎖についてのGenPeptアクセッション番号、NP_000724、ガンマ鎖についてのGenPeptアクセッション番号、NP_000064)、およびCD28(GenPeptアクセッション番号NP_006130)を含む。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるT細胞上の刺激分子は、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。別の実施形態では、CD3に特異的な抗体および/またはCD28に特異的な抗体を使用して、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞免疫療法などの細胞療法のための細胞のエクスビボ増殖のためのT細胞増殖を増強することができる。
一実施形態では、抗体は、ケモカイン受容体に特異的である。ケモカイン受容体の非限定的な例は、C−Cモチーフケモカイン受容体4(CCR4、GenPeptアクセッション番号NP_005499)、C−Cモチーフケモカイン受容体5(CCR5、GenPeptアクセッション番号NP_000570)、およびC−X−Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4、アイソフォームcについてのGenPeptアクセッション番号、NP_001334985)を含む。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるケモカイン受容体は、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
一実施形態では、抗体は、腫瘍細胞上の腫瘍関連分子に特異的である。腫瘍関連分子の非限定的な例は、TNF受容体スーパーファミリーメンバー17(TNFRSF17(BCMAとしても知られる)、GenPeptアクセッション番号NP_001183)、炭酸脱水酵素9(CAIX、GenPeptアクセッション番号NP_001207)、および抗原提示細胞分子(PDL1(プログラム細胞死リガンド1、CD274としても知られる、アイソフォームaについてのGenPeptアクセッション番号、NP_054862)またはPD−L2(プログラム細胞死リガンド2(PDCD1LG2)、CD273としても知られる、GenPeptアクセッション番号NP_079515)など)を含む。一実施形態では、本発明の抗体によって認識される腫瘍関連分子は、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
一実施形態では、抗体は、感染因子に特異的である。感染因子の非限定的な例は、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/SARS/SARS.html参照、例えば、抗体が、SARSウイルスのS(スパイク)タンパク質(GenPeptアクセッション番号NP_828851、その全体が参照によって組み込まれる、J Mol Biol 2003;331:991−1004にも記載されるゲノム)、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザA(グループ1およびグループ2など)、インフルエンザB、インフルエンザC、またはインフルエンザDウイルスに特異的である場合、例えば、抗体が、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)タンパク質(GenPeptアクセッション番号NP_040980、またはNP_056660)またはインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)タンパク質(GenPeptアクセッション番号NP_040980またはNP_056663)に特異的である場合)、フラビウイルス、アルファウイルス、および中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス(GenBankアクセッション番号AKL59399、例えば、抗体がMERSウイルス(GenBankアクセッション番号AHX71946)のS(スパイク)タンパク質に特異的である場合)を含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスは、新興インフルエンザウイルスである。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるSARSウイルスは、www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/SARS/SARS.htmlまたは本明細書において提供されるアクセッション番号でアクセス可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるMERSウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
アルファウイルスの非限定的な例は、西部馬脳炎ウイルス(WEEV、GenPeptアクセッション番号NP_640330、例えば、BFN3060株(GenBankアクセッション番号AAC56453)、BFS932株(GenBankアクセッション番号AIC81861)、AG80−646株(GenBankアクセッション番号:ACT75287))、東部馬脳炎ウイルス(EEEV、GenPeptアクセッション番号NP_632021、GenBankアクセッション番号:AJP13624、例えば、FL93−939株(GenBankアクセッション番号ABL84686))、ベネズエラ馬脳炎ウイルス(GenPeptアクセッション番号NP_040822、例えば、TC−83株(GenBankアクセス番号:AAB02516))、およびチクングニアウイルス(CHKV、GenPeptアクセッション番号NP_690588、GenBankアクセッション番号:AFP43243)を含む。
西部馬脳炎ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=57240&decorator=togaで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるWEEVウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。東部馬脳炎ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=868&decorator=togaで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるEEEVウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。ベネズエラ馬脳炎ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2681&decorator=togaで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるベネズエラ馬脳炎ウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。チクングニアウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=728&decorator=togaで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるチクングニアウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
フラビウイルスの非限定的な例は、ウエストナイルウイルス(WNV、GenPeptアクセッション番号NP_041724、例えば、Kerala株、GenBankアクセッション番号:AGI16461)、デングウイルス血清型1−4(GenPeptアクセッション番号NP_059433(例えば、DENV1 BR/SJRP/287/2011株、GenBankアクセッション番号AKQ00011、DENV1 BR/SJRP/484/2012株、GenBankアクセッション番号AKQ00014)、GenPeptアクセッション番号、NP_056776、GenBankアクセッション番号AFU65934.1(例えば、デングウイルス2/Homo sapiens/Haiti−1/2016株、GenBankアクセッション番号AOE23002)、GenPeptアクセッション番号YP_001621843、GenBankアクセッション番号AAA99437(例えば、デングウイルス3単離Jeddah−2014、GenBankアクセッション番号AIH13925)、GenPeptアクセッション番号NP_073286(例えば、DENV−4株Br264RR/10、GenBankアクセッション番号:AEX91754.1)、https://www.viprbrc.org/brc/home.spg?decorator=flavi_dengue)も参照、黄熱ウイルス(GenPeptアクセッション番号NP_041726(例えば、BeAn754036(PR4408)株、GenBankアクセッション番号ARQ19026)、DAK AR B490株、GenPeptアクセッション番号YP_009344961、YMP 48株、GenPeptアクセッション番号YP_009256192、Uganda S株、GenPeptアクセッション番号YP_009344968、Wesselsbron株、GenPeptアクセッション番号YP_002922020))、ジカウイルス(GenPeptアクセッション番号YP_009428568、GenPeptアクセッション番号YP_002790881、例えば、GenBankアクセッション番号AAV34151を有するMR 766株)、ポワッサンウイルス(POW、GenPeptアクセッション番号NP_620099)、セントルイス脳炎ウイルス(SLE、UniProtKB/Swiss−Prot:P09732)、および日本脳炎ウイルス(JEV、GenPeptアクセッション番号NP_059434)を含む。いくつかの実施形態では、フラビウイルスは、蚊媒介性(例えば、デングウイルス血清型1〜4(DENV1〜4)、ウエストナイルウイルス(WNV)、黄熱ウイルス(YFV)、ジカウイルス(ZIKV)、セントルイス脳炎ウイルス(SLE)、日本脳炎ウイルス(JEV)など)である。
ウエストナイルウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2694&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるウエストナイルウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
デングウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=730−731−732−733−734−735−736−843−844−845−846−847−848−849−850&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるデングウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
黄熱ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2713&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識される黄熱ウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
ジカウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2721&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるジカウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
ポワッサンウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2280&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるポワッサンウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
セントルイス脳炎ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=2588&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるセントルイス脳炎ウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
日本脳炎ウイルスの様々な株についてのGenBankアクセッション番号は、https://www.viprbrc.org/brc/vipr_genome_search.spg?method=SubmitForm&blockId=1695&decorator=flaviで入手することができる。一実施形態では、本発明の抗体によって認識されるセントルイス脳炎ウイルスは、本明細書において提供されるアクセッション番号で入手可能なアミノ酸配列に対して約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%同一である。
本発明による抗体バリアントの構築に有用な例示的な抗体は、例えば、その各々の内容が参照によってその全体で本明細書に組み込まれる、WO/2005/060520、WO/2006/089141、WO/2007/065027、WO/2009/086514、WO/2009/079259、WO/2011/153380、WO/2014/055897、WO2015/143194、WO2015/164865、WO2013/166500、およびWO2014/144061、PCT/US2015/054202、PCT/US2015/054010、および62/144,729において開示される抗体を含む。
本発明の抗体およびその断片は、本明細書において表に記載されるものなどの核酸を使用して、合成、操作、および/または生成することができる。一実施形態では、核酸は、表1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15Aにおいて開示されるヌクレオチドを含む配列、配列番号43、またはそれらの組み合わせを有する。別の実施形態では、核酸は、表1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15Aにおいて開示される核酸配列、配列番号43、またはそれらの組み合わせに対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一の配列を有する。本発明は、本明細書に具体的に開示される配列の部分およびバリアントを含むことが理解されるであろう。例えば、コドン最適化配列の形態を実施形態において使用することができる。
本発明の抗体およびその断片はまた、本明細書において表に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを使用して、合成、操作、および/または生成することができる。一実施形態では、ポリペプチドは、表1B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、9B、10B、11B、12B、13B、14B、15Bにおいて開示される連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列、配列番号43によってコードされるアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを有する。別の実施形態では、ポリペプチドは、表1B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、9B、10B、11B、12B、13B、14B、15Bにおいて開示されるアミノ酸配列、配列番号43によってコードされるアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせに対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一のアミノ酸配列を有する。
コード配列は、例えば、複製または非複製アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、弱毒結核菌ベクター、カルメットゲラン桿菌(BCG)ベクター、ワクシニアまたは改変ワクシニアアンカラ(MVA)ベクター、別のポックスウイルスベクター、組換えポリオおよび他の腸内ウイルスベクター、サルモネラ種細菌ベクター、赤痢菌種細菌ベクター、ベネズエラ馬脳炎ウイルス(VEE)ベクター、セムリキ森林ウイルスベクター、またはタバコモザイクウイルスベクターに存在し得る。コード配列は、例えば、CMVプロモーターなどの活性プロモーターを有するDNAプラスミドとして発現させることもできる。他の生ベクターも、本発明の配列を発現するために使用することができる。本発明の抗体の発現は、好ましくはヒト細胞における発現を最適化するコドンおよびプロモーターを使用して、抗体をコードする核酸のそれらの細胞への導入によって、対象自身の細胞において誘導することができる。
本発明の実施形態は、本発明の抗体バリアントを発現する細胞(すなわち、CART)を含む。細胞は、がん療法のための抗体バリアントを発現することができる免疫細胞、またはCARをコードする発現ベクターを保有する細菌細胞などの細胞を含む、任意の種類のものであり得る。本明細書中で使用される場合、用語「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養」は、交換可能に使用され得る。これらのすべての用語には、それらの子孫も含まれ、これは、あらゆる後続世代である。計画的または偶発性の変異のために、すべての子孫が同一ではない可能性があることが理解されている。異種核酸配列を発現する状況において、「宿主細胞」は、ベクターを複製し、および/またはベクターによってコードされる異種遺伝子を発現することができる真核細胞を指す。宿主細胞はベクターのレシピエントとして使用でき、使用されてきた。宿主細胞は、「トランスフェクト」または「形質転換」されてもよく、これは、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。形質転換された細胞は、初代対象細胞(primary subject cell)およびその子孫を含む。本明細書で使用される場合、「操作された」および「組換え」細胞または宿主細胞という用語は、例えば、ベクターなどの外因性核酸配列が導入された細胞を指すことができる。したがって、組換え細胞は、組換えによって導入された核酸を含まない自然発生細胞と区別できる。本発明の実施形態では、宿主細胞は、細胞毒性T細胞(TC、細胞毒性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+T細胞、またはキラーT細胞としても知られる)を含む、T細胞であり、CD4+T細胞、NK細胞、およびNKT細胞も本発明に包含される。
いくつかのベクターは、原核細胞および真核細胞の両方において複製および/または発現されることを可能にする制御配列を使用し得る。当業者は、上記の宿主細胞のすべてをインキュベートしてそれらを維持し、ベクターの複製を可能にする条件をさらに理解するであろう。また、ベクターの大規模生産、ならびにベクターによってコードされる核酸およびそれらの同族のポリペプチド、タンパク質、またはペプチドの生産を可能にする技術および条件も理解され、知られている。
細胞は、自家細胞、同系細胞、同種異系細胞、場合によっては異種細胞であってもよい。
多くの状況において、改変CTLの存在後のその不在が関心対象であるかまたは他の事由の研究にて、細胞が腫瘍性化し、治療を終わらせることを望む場合に、改変CTLを殺傷できることを望む場合がある。この目的のために、誘導性自殺遺伝子などの制御された条件下で改変細胞を殺傷することができる特定の遺伝子産物の発現を提供することができる。
本発明はさらに、1つ以上のポリペプチドを分泌するように改変されたCARTを含む。ポリペプチドは、例えば、抗体またはサイトカインであり得る。例えば、抗体は、CAIX、GITR、PDL1、PD−L2、PD−1、CCR4またはTIGITに特異的であり得る。
武装CARTは、標的とされる部位、例えば、腫瘍部位でポリペプチドを同時に分泌するという利点を有する。
武装CARTは、細胞内シグナル伝達ドメインの後に目的のポリペプチドをコードする核酸を含めることで構築できる。好ましくは、細胞内シグナル伝達ドメインと目的のポリペプチドとの間に配置された内部リボソーム侵入部位(IRES)がある。当業者は、複数のIRES配列をタンデムで使用することにより、2つ以上のポリペプチドを発現できることを理解することができる。
操作されたポリペプチドを含む抗体は、タンパク質を単離および精製するための様々な周知の技法を使用して、例えば、細胞からまたは組換え系から精製され得る。例えば、その各々が、それらの全体において参照によって本明細書に組み込まれる、Zola,Monoclonal Antibodies:Preparation and Use of Monoclonal Antibodies and Engineered Antibody Derivatives(Basics:From Background to Bench),Springer−Verlag Ltd.,New York,2000;Basic Methods in Antibody Production and Characterization,Chapter 11,“Antibody Purification Methods,”Howard and Bethell,Eds.,CRC Press,2000;Antibody Engineering(Springer Lab Manual),Kontermann and Dubel,Eds.,Springer−Verlag,2001における抗体精製方法を参照されたい。
本明細書に記載される、抗体、断片、および抗体誘導体、例えば、キメラ抗体またはヒト化抗体は、対象における使用のためのものなどの組成物(例えば、薬学的組成物)として製剤化することができる。適切な組成物は、薬学的に許容される担体(例えば、水性媒体)に溶解または分散された抗体または断片(またはその誘導体)を含むことができる。
薬学的に許容される担体は、薬学的投与に適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、等張剤および吸収遅延剤などを含むことができる。薬学的な活性物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。抗体と適合性である任意の従来の媒体または薬剤を使用することができる。補助的な活性剤も、組成物中に組み込むことができる。薬学的に許容される担体の非限定的な例は、これらに限定されないが、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アラビアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、水、安息香酸メチル、安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油を含む、固体または液体の充填剤、希釈剤、および封入物質を含む。
本発明の薬学的組成物は、無菌であり得、その意図された投与経路に適合するように製剤化することができる。投与経路の例は、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、および直腸投与を含む。
例えば、注射可能な使用に適した薬学的組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および無菌注射可能溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末を含む。静脈内投与について、適切な担体は、生理食塩水、静菌水、Cremophor EM(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。すべての場合において、組成物は、無菌でなければならず、容易な注射針通過性が存在する程度に流動性であるべきである。製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールのような薬学的に許容されるポリオール、およびそれらの適切な混合物を含有する、溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合における必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、およびチメロサールによって達成することができる。多くの場合、組成物において等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを含めることが有用であり得る。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物において、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによって達成することができる。
無菌注射可能溶液は、必要量の抗体を、必要に応じて、本明細書に列挙される成分の1つまたは組み合わせを有する適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。概して、分散液は、抗体を、基本的な分散媒および本明細書に列挙されるものからの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に組み込むことによって調製される。
別の例として、経口組成物は一般に、不活性希釈剤または可食性担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封入するか、または錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の目的のために、抗体は、賦形剤とともに組み込まれ、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用され得る。
薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュバント材料を組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含有することができる:微結晶セルロース、トラガカンスガム、もしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲル、もしくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはステロートなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ風味などの着香剤。
全身投与はまた、経粘膜的または経皮的手段によるものであり得る。経粘膜または経皮投与について、浸透させる障壁に適した浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は、当該技術分野で一般に知られており、例えば、経粘膜投与について、洗浄剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻腔スプレーまたは坐剤の使用を通して達成することができる。経皮投与について、活性化合物は、当該技術分野で一般に知られる軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。
抗体または断片(またはそれらの誘導体)はまた、皮膚または粘膜への局所投与(例えば、直腸内または膣内投与)に適切な組成物として製剤化され得る。そのような組成物は、液体、軟膏、クリーム、ゲル、およびペーストの形態をとることができる。抗体または断片(またはそれらの誘導体)はまた、鼻腔内投与に適切な組成物として製剤化され得る。標準的な製剤技法を適切な組成物の調製に使用することができる。
本発明の抗体および/または組成物は、対象に1回(例えば、単一の注射または沈着として)投与することができる。あるいは、投与は、それを必要とする対象に約2〜約28日、または約7〜約10日、または約7〜約15日の期間にわたって1日1回または2回であり得る。対象に年に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12回、またはそれらの組み合わせの期間わたって1日1回または2回投与することもできる。
治療有効用量範囲は、抗体または断片(またはその誘導体)、ならびに製剤の性質および投与経路に依存し得る。最適な用量は、過度の実験なしに当業者によって決定することができ、活性成分の薬力学的特性ならびにその投与様式および経路;有効成分の投与時間;レシピエントの年齢、性別、健康、および体重;症状の性質および程度;同時治療の種類、治療の頻度、および望ましい効果;ならびに排出率などの既知の因子に応じて変動し得る。例えば、約0.1〜1000mg/体重1kgの範囲における抗体の治療有効用量を使用することができる。好ましくは、約1〜50mg/kgの範囲における抗体の用量を使用することができる。
本発明の抗体または核酸は、キットで提供することもできる。一実施形態では、キットは、(a)抗体を含有する組成物を含有する容器、および任意に(b)情報資料を含む。情報資料は、本明細書に記載される方法および/または治療上の利益のための薬剤の使用に関する説明的、指導的、マーケティング、または他の資料であり得る。一実施形態では、キットは、疾患または状態に罹患した対象を治療するための第2の薬剤も含む。例えば、キットは、ポリペプチドを含む組成物を含有する第1の容器、および第2の薬剤を含む第2の容器を含む。
キットの情報資料は、その形態において限定されない。一実施形態では、情報資料は、抗体の産生、抗体の分子量、濃度、有効期限、バッチまたは産生部位情報などについての情報を含むことができる。一実施形態では、情報資料は、対象を治療するために、ポリペプチドまたはそれをコードする核酸を、例えば、適切な用量、剤形、または投与方法(例えば、本明細書に記載される用量、剤形、または投与方法)で投与する方法に関する。情報は、様々な形式で提供することができ、印刷されたテキスト、コンピュータ読み取り可能な資料、ビデオ録音、もしくは音声録音、または実質的な資料へのリンクもしくはアドレスを提供する情報を含む。
抗体またはそれをコードする核酸に加えて、キットにおける組成物は、溶媒もしくは緩衝液、安定剤、または保存剤などの他の成分を含むことができる。抗体または核酸は、任意の形態、例えば、好ましくは、実質的に純粋および/または無菌の、液体、乾燥、または凍結乾燥形態で提供することができる。液体溶液で提供される場合、液体溶液は、好ましくは水溶液である。乾燥形態として提供される場合、再構成は一般に、適切な溶媒の添加による。溶媒、例えば、無菌水または緩衝液は、任意にキットにおいて提供することができる。
キットは、抗体、核酸、またはそれを含む組成物のための1つ以上の容器を含むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、組成物および情報資料のための別個の容器、仕切り、または区画を含有する。例えば、組成物は、ボトル、バイアル、またはシリンジに含有することができ、情報資料は、プラスチックスリーブまたはパケットに含有することができる。他の実施形態では、キットの別個の要素は、単一の分割されていない容器内に含有される。例えば、組成物は、ラベルの形態でそれに添付された情報資料を有するボトル、バイアル、またはシリンジに含有される。いくつかの実施形態では、キットは、各々が抗体または核酸の1つ以上の単位剤形(例えば、本明細書に記載される剤形)を含有する、複数(例えば、パック)の個々の容器を含む。容器は、組み合わせ単位投与量、例えば、抗体および第2の薬剤の両方を、例えば、所望の比で含む単位を含むことができる。例えば、キットは、例えば、各々が単一の組み合わせ単位用量を含有する、複数のシリンジ、アンプル、ホイルパケット、ブリスターパック、または医療デバイスを含む。キットの容器は、気密性、防水性(例えば、水分の変化または蒸発に対して不浸透性)、および/または光密性であり得る。キットは、任意に、組成物の投与に適したデバイス、例えば、シリンジまたは他の適切な送達デバイスを含む。デバイスは、予め装填されて提供され得るか、または空であるが、装填に適し得る。
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。特許請求の範囲および/または明細書において「備える」という用語とともに使用されるときの「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」の意味とも一致する。
句「例えば」、「など」、「含む」などが本明細書で使用される場合は常に、他に明確に明記されない限り、句「限定することなく」が付随することが理解される。同様に、「一例」、「例示的」などは、非限定的であると理解される。
用語「実質的に」は、意図した目的に悪影響を与えない記述語からの逸脱を可能にする。記述用語は、単語「実質的に」が明確に列挙されていなくても、用語「実質的に」によって修正されることが理解される。
用語「備えている(comprising)」および「含んでいる(including)」、ならびに「有している(having)」および「伴っている(involving)」(および同様に「備える(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」、および「伴う(involves)」)などは、交換可能に使用され、同じ意味を有している。具体的には、用語それぞれは、「含んでいる(comprising)」の一般的な米国特許法の定義と一致して定義され、それ故、非限定用語(open term)の意味「少なくとも以下の(at least the following)」であると解釈され、追加の特徴、限定、態様などを除外しないとも解釈される。したがって、例えば、「工程a、b、およびcを伴うプロセス」は、プロセスが少なくとも工程a、bおよびcを含むことを意味している。用語「1つ(a)」、「1つ(an)」が使用される場合は常に、そのような解釈が文脈において無意味でない限り、「1以上」と理解される。
本明細書で使用される「約」という用語は、本明細書では、おおよそ、大まかに、およそ、またはその領域内を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上および下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、用語「約」は、本明細書では、数値を、記載された値の上下に20パーセントの変動(上下)で変更するために使用される。
本明細書および特許請求の範囲では、免疫グロブリン重鎖における残基の付番は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)におけるEUインデックスのものである。「KabatにおけるEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基付番を指す。
「親和性」は、例えば、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原またはFc受容体)との間の非共有相互作用の合計の強さを指し得る。特に示されない限り、「結合親和性」は、結合ペアのメンバー(例えば、抗体/Fc受容体または抗体および抗原)間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を指すことができる。分子XのそのパートナーYについての親和性は、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含む、当該技術分野で知られる一般的な方法によって測定することができる。さらに、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Yang,Danlin,et al.”Determination of High−affinity Antibody−antigen Binding Kinetics Using Four Biosensor Platforms.”Journal of visualized experiments:JoVE 122(2017)を参照されたい。結合親和性を測定するための特定の例示的(illustrative)かつ例示的(exemplary)な実施形態は、以下に記載される。例えば、その各々がその全体において参照によって本明細書に組み込まれる、WO2003056296、Neri,Dario,et al.”Biophysical methods for the determination of antibody−antigen affinities.”Trends in biotechnology 14.12(1996):465−470、Leonard,Paul et al.”Measuring protein−protein interactions using Biacore.”Protein Chromatography.Humana Press,2011.403−418、およびKarlsson,Robert,et al.”Analyzing a kinetic titration series using affinity biosensors.”Analytical biochemistry 349.1(2006):136−147を参照されたい。
「親和性成熟」抗体は、例えば、そのような変更を保有しない親抗体と比較して、1つ以上の超可変領域(HVR)における1つ以上の変更を有する抗体であり得、そのような変更は、抗原についての抗体の親和性における改善をもたらし得る。
「アミノ酸修飾」は、例えば、所定のアミノ酸配列のアミノ酸配列における変更であり得る。例示的な修飾は、アミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を含む。本明細書における好ましいアミノ酸修飾は、置換である。例えば、Fc領域の、指定された位置での「アミノ酸修飾」は、指定された残基の置換もしくは欠失、または指定された残基に隣接する少なくとも1つのアミノ酸残基の挿入を指すことができる。挿入によって、「隣接する」指定された残基は、例えば、その1〜2つの残基内の挿入であり得る。挿入は、指定された残基へのN末端またはC末端であり得る。
「アミノ酸置換」とは、所定のアミノ酸配列における少なくとも1つの既存のアミノ酸残基の、別の異なる「置換」アミノ酸残基での置換を指す。置換残基(複数可)は、「自然発生アミノ酸残基」(すなわち、遺伝暗号によってコードされる)であり、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile):ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、およびバリン(Val)からなる群から選択され得る。一実施形態では、置換残基は、システインではない。1つ以上の非自然発生アミノ酸残基での置換は、本明細書におけるアミノ酸置換を指すこともできる。「非自然発生アミノ酸残基」は、例えば、ポリペプチド鎖における隣接するアミノ酸残基(複数可)に共有結合することができる、上記の自然発生アミノ酸残基以外の残基であり得る。非自然発生アミノ酸残基の非限定的な例としては、ノルロイシン、オルニチン、ノルバリン、ホモセリン、およびEllman,et al.,(Meth.Enzym.202(1991)301−336)に記載されるものなどの他のアミノ酸残基類似体が挙げられる。そのような非自然発生アミノ酸残基を生成するために、例えば、Noren,et al.,(Science 244(1989)182およびEllman,et al.,上記)の手順を使用することができる。簡潔には、これらの手順は、サプレッサーtRNAを非自然発生アミノ酸残基で化学的に活性化すること、続いてRNAのインビトロ転写および翻訳を含む。
「アミノ酸挿入」は、所定のアミノ酸配列への少なくとも1つのアミノ酸の組み込みを指すことができる。挿入は、通常、1つまたは2つのアミノ酸残基の挿入からなるが、本明細書に記載される本発明は、より大きな「ペプチド挿入」、例えば、約3〜約5またはさらに約10までのアミノ酸残基の挿入を利用することができる。挿入された残基(複数可)は、上記のように自然または非自然発生であり得る。
「アミノ酸欠失」は、所定のアミノ酸配列からの少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を指すことができる。
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、それらが望ましい抗原結合活性を示す限り、これらに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト化抗体、および抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含する。本発明の抗体は、本明細書に記載されるものから選択されるFc配列を含むものを含む。例えば、抗体は、野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアント、例えば、アミノ酸置換E345K、E430G、L234A、およびL235A;またはE345K、E430G、S228P、およびR409Kを有するFcバリアントを含む。残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。本発明の実施形態では、インタクトな抗体、抗体誘導体、またはその断片(例えば、抗原結合断片)のいずれかを使用することができる。すなわち、例えば、インタクトな抗体、Fab断片、F(ab)2断片、ミニボディ、または二重特異性全抗体を、細胞シグナル伝達を増強する、および/または受容体クラスター化を誘導するためなどの、本発明の態様において使用することができる。
毒素は、本明細書に記載される抗体または抗体断片に結合することができる。そのような毒素は、放射性同位体、生物学的毒素、ホウ素化デンドリマー、および免疫リポソームを含み得る(Chow et al,Adv.Exp.Biol.Med.746:121−41,2012))。毒素は、当該技術分野で周知の方法を使用して抗体または抗体断片にコンジュゲートさせることができる(Chow et al,Adv.Exp.Biol.Med.746:121−41(2012))。本明細書に開示される抗体、またはその断片もしくは誘導体の組み合わせはまた、本発明の方法において使用され得る。
本明細書で使用される「抗体バリアント」という用語は、例えば、野生型抗体と比較したアミノ酸配列における変更が、例えば、野生型抗体における特定のアミノ酸残基の変異によって導入された、抗体バリアントにおいて生じることを特徴とする、野生型抗体のバリアントを指す。例えば、抗体バリアントは、細胞シグナル伝達を増強する、および/または受容体クラスター化を誘導するFc領域におけるアミノ酸置換を含み得る。そのような置換は、D270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/もしくはS440と組み合わせたE345K、E430G、L234A、およびL235A;またはヒトIgGのFcにおけるD270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/もしくはS440と組み合わせたE345K、E430G、S228P、およびR409Kなどの本明細書に記載されるものを含む。残基は、KabatのEUインデックスに従って付番される。
本明細書で使用される「抗体エフェクター機能(複数可)」または「エフェクター機能」という用語は、IgGのFcエフェクタードメイン(複数可)(例えば、免疫グロブリンのFc領域)によってもたらされる機能を指すことができる。そのような機能は、例えば、食作用もしくは溶解活性を有する免疫細胞上のFc受容体へのFcエフェクタードメイン(複数可)の結合によって、または補体系の成分へのFcエフェクタードメイン(複数可)の結合によってもたらされ得る。典型的なエフェクター機能は、ADCC、ADCP、およびCDCである。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子であり得る。抗体断片の例は、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’);ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えば、scFv)、および抗体断片から形成された多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。
参照抗体として「同じエピトープに結合する抗体」は、例えば、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する抗体であり得、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいてその抗原への抗体の結合を50%以上を遮断する。本明細書では、例示的な競合アッセイが提供される。
「抗体依存性細胞媒介性細胞毒性」および「ADCC」は、例えば、FcRを発現する非特異的細胞毒性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応を指す。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch,and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9(1991)457−492の464ページの表3に要約される。
例えば、「抗体依存性細胞食作用」および「ADCP」は、抗体でコーティングされた細胞が、全体または部分のいずれかにおいて、免疫グロブリンFc領域に結合する食作用性免疫細胞(例えば、マクロファージ、好中球、および樹状細胞)によって内在化されるプロセスである。
「結合ドメイン」は、例えば、別の分子に結合するポリペプチドの領域であり得る。FcRの場合、結合ドメインは、Fc領域の結合に関与するそのポリペプチド鎖の一部分(例えば、そのa鎖)を含むことができる。1つの有用な結合ドメインは、FcRα鎖の細胞外ドメインである。
例えば、Fc受容体への「結合」は、例えば、BIAcore(登録商標)アッセイにおけるFc受容体への抗体の結合であり得る(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden)。
BIAcore(登録商標)アッセイでは、Fc受容体が表面に結合され、変異が導入されたバリアント、例えば、抗体バリアントの結合が、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定される。例えば、各々が参照によってそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Rich,Rebecca L.,and David G.Myszka.”Advances in surface plasmon resonance biosensor analysis.”Current opinion in biotechnology 11.1(2000):54−61、およびRich,Rebecca L.;Rich,Rebecca L.,and David G.Myszka.”Spying on HIV with SPR.”Trends in microbiology 11.3(2003):124−133、McDonnell,James M.”Surface plasmon resonance:towards an understanding of the mechanisms of biological molecular recognition.”Current opinion in chemical biology 5.5(2001):572−577、およびDavid G.Myszka.”BIACORE J:a new platform for routine biomolecular interaction analysis.”Journal of Molecular Recognition 14.4(2001):223−228を参照されたい。結合の親和性は、k(抗体/Fc受容体複合体からの抗体の会合についての速度定数)、k(解離定数)、およびK(kd/ka)という用語によって定義することができる。あるいは、例えば、SPRセンサーグラムの結合シグナルは、共鳴シグナル高さおよび解離挙動に関して、参照の応答シグナルと直接比較することができる。
ヒトIgG Fc領域の「CH2ドメイン」(「Cγ2」ドメインとも称される)は、通常、約アミノ酸231〜約アミノ酸340に及ぶ。CH2ドメインは、別のドメインと密接にペアリングされていないという点でユニークである。むしろ、インタクトな天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に2つのN結合分岐炭水化物鎖が挿入されている。炭水化物はドメイン間ペアリングの代替を提供し、CH2ドメインを安定させるのに役立ち得ると推測されている(Burton,Molec.Immunol.22(1985)161−206)。一実施形態では、図8、9、11、および27は、それぞれ、IgG1、IgG2、IgG4、およびIgG3のCHドメインを示す。
「CH3ドメイン」は、Fc領域におけるCH2ドメインへのC末端残基のストレッチ(すなわち、IgGの約アミノ酸残基341〜約アミノ酸残基447)を含む。一実施形態では、図8、9、11、および27は、それぞれ、IgG1、IgG2、IgG4、およびIgG3のCHドメインを示す。
「がん」および「がん性」は、例えば、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的状態を指すか、または記述する。がんの例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な例は、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、ヘパトーマ、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、および様々なタイプの頭頸部癌を含む。
本明細書で使用される場合、「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養」という表現は互換的に使用され、すべてのそのような指定は子孫を含む。よって、「形質転換体」および「形質転換細胞」という語は、移入の数に関係なく、それが由来する初代対象細胞および培養物を含む。計画的または偶発性の変異のために、すべての子孫がDNAの内容において正確に同一ではない場合があることも理解されている。元の形質転換された細胞においてスクリーニングされたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫が含まれる。別個の指定が意図される場合、文脈から明らかであろう。
抗体の「クラス」とは、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgAにさらに分けられ得る。例えば、各々の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Vidarsson et al.”IgG subclasses and allotypes:from structure to effector functions.”Frontiers in immunology 5(2014):520、およびSpiegelberg,Hans L.”Biological Activities of Immunoglobulins of Different Classes and Subclasses1.”Advances in immunology.Vol.19.Academic Press,1974.259−294.を参照されたい。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
例えば、本明細書で使用される「細胞毒性剤」は、細胞機能を阻害もしくは防止する、および/または細胞死もしくは破壊を引き起こす物質を指す。細胞毒性剤は、これらに限定されないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、およびLuの放射性同位体);化学療法剤または薬物(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、または他の挿入剤);成長阻害剤;核酸分解酵素などの酵素およびその断片;抗生物質;その断片および/またはバリアントを含む、細菌、真菌、植物、または動物起源の小分子毒素または酵素活性毒素などの毒素;ならびに本明細書で論じられる様々な抗腫瘍剤または抗癌剤を含む。
「補体依存性細胞毒性」またはCDCは、例えば、標的結合抗体のFcエフェクタードメイン(複数可)が一連の酵素反応を活性化して標的細胞膜における孔の形成をもたらす細胞死を誘導するためのメカニズムを指す。抗体でコーティングされた標的細胞上のものなどの抗原抗体複合体は、補体成分C1qに結合してこれを活性化し、次に補体カスケードを活性化して、標的細胞死を引き起こす。補体の活性化はまた、白血球上の補体受容体(例えば、CR3)を結合することによってADCCを促進する標的細胞表面上の補体成分の沈着をもたらし得る。
「障害」は、Fcバリアントを含む抗体のような、ポリペプチドでの治療から利益を受けるであろう任意の状態であり得る。これは、哺乳動物を問題の障害にかかりやすくする病理学的状態を含む、慢性および急性障害または疾患を含む。一実施形態では、障害は、がんである。
「エフェクター機能」は、例えば、抗体のアイソタイプで異なる、抗体のFc領域に起因する生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例は、C1q結合および補体依存性細胞毒性(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)、食作用(ADCP)、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、ならびにB細胞活性化を含む。
本明細書で使用される「低減したエフェクター機能」は、対照(例えば、野生型Fc領域を有するポリペプチド)と比較して、例えば、ADCCまたはCDCのような、特定のエフェクター機能の少なくとも20%の低減を指すことができ、本明細書で使用される「大きく低減したエフェクター機能」は、対照と比較して、例えば、ADCCまたはCDCのような、特定のエフェクター機能の少なくとも50%の低減を指すことができる。
薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」は、所望の治療または予防結果を達成するために必要な投与量および期間で有効な量を指す。
「Fc領域」は、例えば、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を指す。用語は、天然配列Fc領域およびバリアントFc領域を含むことができる。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。ただし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在してもしなくてもよい。本明細書で特に指定されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基の付番は、Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)に記載される、EUインデックスとも呼ばれる、EU付番システムによる。
「バリアントFc領域」は、本明細書に記載されるような少なくとも1つの「アミノ酸修飾」によって、「天然」または「野生型」配列Fc領域のものとは異なるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域、例えば、約1〜約10個のアミノ酸置換と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。一実施形態では、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域における約1〜約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書におけるバリアントFc領域は、天然配列Fc領域および/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の相同性を保有、それと少なくとも約90%の相同性を保有、それと少なくとも約95%の相同性を保有、それと少なくとも約96%の相同性を保有、それと少なくとも約97%の相同性を保有、それと少なくとも約98%の相同性を保有、またはそれと少なくとも約99%の相同性を保有することができる。
本明細書で使用される「Fcバリアント」は、Fcドメインにおける修飾を含むポリペプチドを指す。本発明のFcバリアントは、それらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。よって、例えば、P329Gは、親Fcポリペプチドに対して329位でのプロリンのグリシンでの置換を有するFcバリアントであり、付番は、EUインデックスによる。野生型アミノ酸の同一性は、特定されていない場合があり、その場合、前述のバリアントは、P329Gと称される。本発明で議論されるすべての位置について、付番は、EUインデックスによる。EUインデックスまたはKabatもしくはEU付番スキームのようなEUインデックスは、EU抗体の付番を指す(参照によって全体が本明細書に組み込まれる、Edelman,et al.,Proc Natl Acad Sci USA 63(1969)78−85)。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。置換は、自然発生アミノ酸および非自然発生アミノ酸を含むことができる。バリアントは、非天然アミノ酸を含み得る。例は、すべて全体が参照によって組み込まれる、米国特許第6,586,207号、WO 98/48032、WO 03/073238、US 2004/0214988 A1、WO 05/35727 A2、WO 05/74524 A2、Chin,J.W.,et al.,Journal of the American Chemical Society 124(2002)9026−9027、Chin,J.W.and Schultz,P.G.,ChemBioChem 11(2002)1135−1137、Chin,J.W.,et al.,PICAS United States of America 99(2002)11020−11024、およびWang,L.,and Schultz,P.G.,Chem.(2002)1−10を含む。
「Fc領域含有ポリペプチド」は、Fc領域を含む、抗体またはイムノアドヘシン(本明細書の説明参照)などのポリペプチドを指す。
「Fc受容体」または「FcR」は、例えば、抗体のFc領域に結合する受容体を説明するために使用される。例示的なFcRは、天然配列ヒトFcRである。また、別の例示的なFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり、対立遺伝子バリアントおよびこれらの受容体の選択的スプライス形態を含む、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIサブクラスの受容体を含む。FcγRII受容体は、主にその細胞質ドメインにおいて異なる類似のアミノ酸配列を有する、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「阻害受容体」)を含む。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインにおいて免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を含有する。(Daeron,M.,Annu.Rev.Immunol.15(1997)203−234)における概説を参照されたい)。FcRは、Ravetch,and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9(1991)457−492、Capel,et al.,Immunomethods 4(1994)25−34、およびde Haas,et al.,J.Lab.Clin.Med.126(1995)330−41において概説される。将来的に特定されるものを含む、他のFcRは、本明細書では「FcR」という用語によって包含される。用語は、母体IgGの胎児への移入に関与する、新生児型受容体であるFcRnも含む(Guyer,et al.,J.Immunol.117(1976)587およびKim,et al.,J.Immunol.24(1994)249)。
例えば、「IgG Fcリガンド」は、IgG抗体のFc領域に結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物からの分子、例えば、ポリペプチドであり得る。Fcリガンドは、FcγR、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチン、マンノース受容体、ブドウ球菌プロテインA、連鎖球菌プロテインG、およびウイルスFcγRを含むが、これらに限定されない。Fcリガンドはまた、FcγRに対して相同であるFc受容体のファミリーである、Fc受容体ホモログ(FcRH)を含む(参照によって完全に組み込まれる、Davis,et al.,Immunological Reviews 190(2002)123−136)。Fcリガンドは、Fcに結合する未発見の分子を含み得る。特定のIgG Fcリガンドは、FcRnおよびFcガンマ受容体である。一実施形態では、「Fcリガンド」は、抗体のFc領域に結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物からの分子、例えば、ポリペプチドであり得る。
本明細書で使用される「Fcガンマ受容体」、「FcγR」、または「FcガンマR」は、IgG抗体Fc領域に結合し、FcγR遺伝子によってコードされるタンパク質のファミリーの任意のメンバーを意味する。ヒトでは、このファミリーは、アイソフォームFcγRIA、FcγRIB、およびFcγRICを含む、Fc.γ.RI(CD64);アイソフォームFcγRIIA(アロタイプH131およびR131を含む)、FcγRIIB(FcγRIIB−1およびFcγRIIB−2を含む)、およびFcγRIIcを含む、FcγRII(CD32);ならびにアイソフォームFcγRIIIA(アロタイプV158およびF158を含む)およびFcγRIIIb(アロタイプFcγRIIB−NA1およびFcγRIIB−NA2を含む)を含む、FcγRIII(CD16)(参照によって完全に組み込まれる、Jefferis,et al.,Immunol Lett 82(2002)57−65)、ならびに未発見のヒトFcγRまたはFcγRアイソフォームまたはアロタイプを含むが、これらに限定されない。FcγRは、これらに限定されないが、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含む、任意の生物に由来し得る。マウスFcγRは、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIII−2(CD16−2)、ならびに未検出のマウスFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプを含むが、これらに限定されない。
「FcRn」または「新生児型Fc受容体」は、例えば、IgG抗体のFc領域に結合し、少なくとも部分的にFcRn遺伝子によってコードされるタンパク質であり得る。FcRnは、これらに限定されないが、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含む、任意の生物に由来し得る。当該技術分野で知られるように、機能的FcRnタンパク質は、しばしば重鎖および軽鎖と称される、2つのポリペプチドを含む。軽鎖は、ベータ−2−ミクログロブリンであり、重鎖は、FcRn遺伝子によってコードされる。本明細書で特に示されない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖とベータ−2−ミクログロブリンとの複合体を指す。
例えば、「野生型または親ポリペプチド」は、その後修飾されてバリアントを生成する未修飾ポリペプチドであり得る。野生型ポリペプチドは、自然発生ポリペプチド、または自然発生ポリペプチドのバリアントもしくは操作されたバージョンであり得る。野生型ポリペプチドは、ポリペプチド自体、親ポリペプチドを含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。したがって、「野生型免疫グロブリン」は、修飾されてバリアントを生成する未修飾免疫グロブリンポリペプチドを指し、「野生型抗体」は、修飾されてバリアント抗体を生成する未修飾抗体を指す。「野生型抗体」は、本明細書に記載されるように、既知の市販の組換え産生された抗体を含むことに留意されたい。
「断片結晶化可能(Fc)ポリペプチド」は、エフェクター分子および細胞と相互作用する抗体分子の一部分である。それは免疫グロブリン重鎖のC末端部分を含む。
「フレームワーク」または「FR」は、例えば、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、およびFR4からなる。したがって、HVRおよびFR配列は、一般に、VH(またはVL)における以下の配列:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4に出現する。
「全長抗体」、「インタクトな抗体」、および「全抗体」は、本明細書において互換的に使用され、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書で定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。
「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を保有する。例示的な「エフェクター機能」は、C1q結合、補体依存性細胞毒性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の下方調節などを含む。そのようなエフェクター機能は、一般に、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わされるFc領域を必要とし、例えば、本明細書に開示される様々なアッセイを使用して評価することができる。
「ヒンジ領域」は一般に、ヒトIgG1のGlu216〜Pro230のアミノ酸のストレッチを指す(Burton,Molec.Immunol.22(1985)161−206)。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間S−−S結合を形成する最初と最後のシステイン残基を同じ位置に配置することによって、IgG1配列と整列され得る。
Fc領域の「下部ヒンジ領域」は、例えば、ヒンジ領域のすぐC末端の残基、すなわち、Fc領域の残基233〜239のストレッチに対応する。
「相同性」とは、例えば、最大の相同性パーセントを達成するために、必要に応じて、配列を整列させ、ギャップを導入した後に同一であるアミノ酸配列バリアントにおける残基のパーセンテージを指す。アラインメントのための方法およびコンピュータプログラムは、当該技術分野で周知である。そのようなコンピュータプログラムの1つは、1991年12月10日に米国著作権局、Washington,D.C.20559にユーザー文書とともに提出された、Genentech,Inc.によって作成された「Align 2」である。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」という用語は、互換的に使用され、そのような細胞の子孫を含む、外因性核酸が導入された細胞を指す。宿主細胞は、「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これは、一次形質転換細胞および継代数に関係なくそれに由来する子孫を含む。子孫は、核酸含有量において親細胞と完全に同一ではない場合があり得るが、変異を含有し得る。元の形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫が本明細書に含まれる。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生されるか、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト供給源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を保有するものである。ヒト抗体は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、エフェクター機能を実行する白血球である。好ましくは、細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を実行する。ADCCを媒介するヒト白血球の例は、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞毒性T細胞、および好中球を含み、PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、その天然供給源から、例えば、本明細書に記載されるような血液またはPBMCから単離され得る。
「ヒト化」抗体は、例えば、非ヒトHVRからのアミノ酸残基およびヒトFRからのアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指すことができる。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことができ、HVR(例えば、CDR)のすべてまたは実質的にすべては、非ヒト抗体のものに対応し、FRのすべてまたは実質的にすべては、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含むことができる。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。例えば、「キメラ」抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部分が特定の供給源または種に由来し、重鎖および/または軽鎖の残部が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
本明細書で使用される「超可変領域」または「HVR」は、配列において超可変である、および/または構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの領域の各々を指す。一般に、天然四本鎖抗体は、6つのHVR:VHに3つ(H1、H2、H3)、およびVLに3つ(L1、L2、L3)を含む。HVRは一般に、超可変ループおよび/または「相補性決定領域」(CDR)からのアミノ酸残基を含み、後者は、配列可変性が最も高く、および/または抗原認識に関与している。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、および96〜101(H3)で発生する(Chothia,and Lesk,J.Mol.Biol.196(1987)901−917)。例示的なCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2、およびCDR−H3)は、L1のアミノ酸残基24〜34、L2の50〜56、L3の89〜97、H1の31〜35B、H2の50〜65、およびH3の95〜102で発生する(Kabat,et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。VHにおけるCDR1を除いて、CDRは一般に、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRはまた、抗原と接触する残基である「特異性決定残基」または「SDR」を含む。SDRは、省略−CDRまたはa−CDRと呼ばれるCDRの領域内に含有される。例示的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2、およびa−CDR−H3)は、アミノ酸残基L1の31〜34、L2の50〜55、L3の89〜96、H1の31〜35B、H2の50〜58、およびH3の95〜102で発生する(Almagro,and Fransson,Front.Biosci.13(2008)1619−1633を参照されたい)。特に示されない限り、HVR残基および可変ドメイン中の他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書では、Kabat et al.、上記に従って付番される。
「免疫複合体」とは、少なくとも1つの標的分子および少なくとも1つの異種Fc領域含有ポリペプチドが互いに結合してより大きな分子量の複合体を形成するときに形成される比較的安定な構造を指す。免疫複合体の例は、抗原−抗体凝集体および標的分子−イムノアドヘシン凝集体である。本明細書で使用される「免疫複合体」という用語は、特に示されない限り、エクスビボ複合体(すなわち、それが自然に見出され得る形態または設定以外)を指す。しかしながら、例えば、哺乳動物における免疫複合体のクリアランスを評価するために、免疫複合体が哺乳動物に投与され得る。
「イムノコンジュゲート」は、これに限定されないが、細胞毒性剤を含む、1つ以上の異種分子(複数可)にコンジュゲートされた抗体である。
「個体」または「対象」は哺乳動物であり得る。哺乳動物には、家畜(例:牛、羊、猫、犬、馬)、霊長類(例:ヒトおよびサルなどの非人類霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例:マウスおよびラット)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、個体または対象はヒトである。
「対象」または「患者」という用語は、本発明の態様を、例えば、実験、診断、予防、および/または治療目的で投与することができる任意の生物を指すことができる。本開示の化合物が投与され得る典型的な対象は、哺乳動物、特に霊長類、特にヒトであろう。獣医用途には、例えば、ウシ(cattle)、ヒツジ、ヤギ、ウシ(cow)、ブタなどのような家畜、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウなどのような家禽、ならびに飼育動物、特にイヌおよびネコのようなペットなどの、多種多様な対象が適しているであろう。診断または研究用途には、齧歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類、および近交系ブタなどのブタを含む、多種多様な哺乳動物が適切な対象であろう。「生体対象」という用語は、上記の対象または生きている別の生物を指す。「生体対象」という用語は、生体対象から切除された部分(例えば、肝臓または他の臓器)だけではなく、対象または生物全体を指す。
実施例は、本発明のより完全な理解を促進するために以下に提供される。以下の実施例は、本発明を作製および実施する例示的な様式を例示する。しかしながら、本発明の範囲は、これらの実施例に開示されている特定の実施形態に限定されず、代わりの方法を使用して同様の結果を得ることができるため、例示のみを目的としている。
実施例1−ADCCアッセイ
我々は、Promegaからのレポーターシステムを用いたADCCアッセイを行った。CHO−GITR細胞のプールを選別して、99%超のGITR+細胞の純度を有する細胞集団を達成した。細胞を15k細胞/ウェルで播種し、様々な濃度の異なるaGITR抗体とインキュベートした。Promega ADCCバイオアッセイエフェクター細胞を5:1のE:T比で加え、プレートを37℃、5%CO2で6時間インキュベートした。インキュベーション後、Bio−Glo Lucifierase Assay試薬を添加し、発光シグナルを、BMG PolarStart Multilabelプレートリーダーを用いて検出した。データは、IgG1 WTモノマーおよびヘキサマー構築物のみが予想通り顕著なADCC活性を示したことを示す。ヘキサマー化がWT IgG1におけるADCCの規模を低下させるように見えることも興味深い。陰性対照IgGは、特定のADCC活性を示さなかった。
実施例2−CDC活性変異体としてのFcバリアント
IgG1におけるP329−P331モチーフは、C1q側鎖間のポケットに適合するループを形成する[Schneider et al.,Molecular Immunology 51(2012)66−72]。理論によって縛られることなく、プロリン(P)の側鎖リング構造は、C1qとのFc相互作用に顕著に寄与する。理論によって縛られることなく、構造を変更し、プロリンの側鎖を変更することによって、本発明者らは、ループの側鎖とC1q上の結合ポケットとの間に反発相互作用または立体衝突のいずれかを形成することができる。D270、K322、P329、およびP331位のアミノ酸を使用して、本発明者らは、最終構築物のヘキサマー構造およびADCCヌル機能を維持しながら、CDC活性を排除するように単一、二重、および三重変異体を設計した。図15は、本発明者らがLALA−ヘキサマー構築物のCH2領域に導入したいくつかの変異の図である。
本発明者らはまた、C1q結合を遮断する代替方法の試験を調査した。抗体が細胞表面上でヘキサマー化する場合、それらはC1q構築物がドッキングするための平らなディスクを形成する。理論によって縛られることなく、より巨視的なレベルでC1q結合に立体的に干渉するように、第2の構築物を軽鎖定常領域(CL)にテザーすることができる。これを試験するために、本発明者らは、2つのCL融合体を生成し、図15のパネルIおよびJに示されるように、1つは抗PDL1 scFvとの、もう1つはGFPアナログzsGreenとのものである。
一実施形態では、点変異の分析は、ヒトIgG1 Fc断片、グリコフォーム(G0F)2(PDBコード−1h3x)を使用して行った。点変異体は、COOT(結晶学的オブジェクト指向ツール)において手動でモデル化した。
実施例3−CDC活性は、sIgG4モノマーを除き、すべての抗GITR Ab構築物に残る
この実験における標的細胞(図16)は、選別されたCHO−GITR細胞であった。標的細胞を、CellTiterについて50,000/ウェルおよびCytoToxについて10,000細胞/ウェルで播種し、目的の抗体を、10%ヒト血清(Quidel)の最終濃度での3倍段階希釈で加えた。すべての試料を三重に分析した。37℃で1時間インキュベーション後、PromegaのCellTiter Glo(生細胞数)またはCytoTox−Glo(死細胞数)試薬を添加し、プレートをBMG PolarStar Omegaで読み取った。細胞および10%血清(抗体なし)の両方を含有するウェルを使用して、すべての試料を正規化した。
実施例4−結合分析
FACSは、選別されたCHO−GITR細胞を使用して行った。200k細胞/ウェルを、示されるように抗体の量を増加させながらインキュベートし、MACSバッファーで1回洗浄した後、2ul/ウェルのFITC標識抗ヒトLcラムダ(BioLegend 316606)を含有するMACSバッファーに再懸濁させた。MACSバッファーで洗浄した後、細胞をFortessa HTS FACSマシンで読み取り、生細胞にゲートをかけ、FITC+パーセントおよびMFIを計算してプロットした(それぞれ図18および19を参照されたい)。陰性対照IgGは、特定の結合活性を示さなかった。
実施例5−CDC活性分析
図20および図21における標的細胞は、選別されたCHO−GITR細胞(選別後P2)であった。標的細胞を10,000細胞/ウェルで播種し、目的の抗体を10%ヒト血清(Quidel)の最終濃度での3倍段階希釈で加えた。すべての試料を三重に分析した。37℃で2時間インキュベーション後、PromegaのCytoTox−Glo試薬を加え、プレートをBMG PolarStar Omegaで読み取った。細胞および10%血清(抗体なし)の両方を含有するウェルを使用して、すべての試料を正規化した。図20に示される選択された変異は、元の抗体と比較してCDC活性を有意に低減する。陰性対照IgG(mA2.3)は、特定のCDC活性を示さなかった。
実施例6−GITRバイオアッセイ
PromegaのGITRバイオアッセイレポーターアッセイを実験に使用した(図22〜24)。凍結および解凍GITR+Jurkat細胞を、GITRL(GITRリガンド)のみ、抗体のみ、または抗体+111ng/mlのGITRLのいずれかと37℃で6時間インキュベートした。PromegaのBio−Gloルシフェラーゼ基質を次いで加え、発光をPolarstar Omegaプレートリーダーで読み取った。図22〜23について未刺激細胞シグナルを差し引くことによって、値を正規化した。
実施例7−ADCCアッセイ
ADCCは、PromegaADCCレポーターアッセイを使用して行った(図25)。CHO−GITR細胞のプールを選別して、99%超のGITR+細胞の純度を有する細胞集団を達成した。細胞を15k細胞/ウェルで播種し、様々な濃度の異なるαGITR抗体とインキュベートした。Promega ADCCバイオアッセイエフェクター細胞を5:1のE:T比で加え、プレートを37℃で6時間インキュベートした。インキュベーション後、Bio−Glo Lucifierase Assay試薬を添加し、発光シグナルを検出した。
実施例8
図33を参照すると、CDCは、PromegaのCellTiter−Gloキット(生細胞アッセイ)を使用して行った。50k細胞を播種し、10%ヒト血清(最終濃度)および様々な抗体と混合した。それらを37℃で1または2時間インキュベートした後、RTで30分間平衡化させた。次いでCellTiter Glo試薬を加え、平衡化後、プレートをPolarstar Omegaで読み取った。
データは、選択されたsIgG4変異が、sIgG4 hex WTと比較してCDC活性を有意に増加させることを示す。
他の実施形態
本発明は、その詳細な説明とともに記載されたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図しており、限定することを意図していない。他の態様、利点、および変更は、以下の特許請求の範囲内である。
当業者であれば、ルーチンの実験以上のものを使用せずに、本明細書に具体的に記載された特定の物質および手順に対する多数の同等物を認識するであろう、または確認できるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、以下の請求項によってカバーされる。
[本発明1001]
野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が、残基位置228、234、235、270、322、329、331、333、345、409、430、440、またはそれらの組み合わせにおいて生じており、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、ポリペプチド。
[本発明1002]
KabatのEUインデックスによる残基位置228の前記アミノ酸が、プロリン(P)またはセリン(S)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1003]
KabatのEUインデックスによる残基位置234の前記アミノ酸が、アラニン(A)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1004]
KabatのEUインデックスによる残基位置235の前記アミノ酸が、アラニン(A)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1005]
KabatのEUインデックスによる残基位置345のグルタミン酸(E)が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1006]
KabatのEUインデックスによる残基位置409の前記アミノ酸が、リジン(K)またはアルギニン(R)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1007]
KabatのEUインデックスによる残基位置430のグルタミン酸(E)が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1008]
KabatのEUインデックスによる残基位置440のセリン(S)が、トリプトファン(W)で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1009]
KabatのEUインデックスによる残基位置270のアスパラギン酸(D)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1010]
KabatのEUインデックスによる残基位置322のリジン(K)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1011]
KabatのEUインデックスによる残基位置329のプロリン(P)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1012]
KabatのEUインデックスによる残基位置331の前記アミノ酸が、中性非極性アミノ酸で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1013]
前記中性非極性アミノ酸が、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む、本発明1009、1010、1011、または1012のポリペプチド。
[本発明1014]
KabatのEUインデックスによる残基位置333のグルタミン酸(E)が、中性極性アミノ酸で置換されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1015]
前記中性極性アミノ酸が、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)である、本発明1013のポリペプチド。
[本発明1016]
前記アミノ酸置換が、L234A、L235A、E345K、およびE430Gを含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1017]
前記アミノ酸置換が、S228P、E345K、R409K、およびE430Gを含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1018]
前記アミノ酸置換が、D270A、K322A、およびP331Gをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1019]
前記アミノ酸置換が、D270AおよびP331Gをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1020]
前記アミノ酸置換が、D270A、P331V、およびE333Qをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1021]
前記アミノ酸置換が、P329Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1022]
前記アミノ酸置換が、P331Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1023]
前記アミノ酸置換が、P329VおよびP331Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1024]
前記アミノ酸置換が、P329Vおよび/またはP331Fをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、本発明1016または1017のポリペプチド。
[本発明1025]
前記野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、1つ以上のヒトFc受容体に対して低減した親和性を示す、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1026]
前記野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、増加した受容体クラスター化をさらに示す、本発明1025のポリペプチド。
[本発明1027]
減少した補体依存性細胞毒性(CDC)をさらに示す、本発明1025のポリペプチド。
[本発明1028]
ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域を含む、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1029]
抗体またはFc融合タンパク質である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1030]
前記抗体が、単一特異性抗体、二重特異性抗体、または多重特異性抗体である、本発明1029のポリペプチド。
[本発明1031]
薬物、毒素、放射性標識、またはそれらの組み合わせにコンジュゲートされている、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1032]
T細胞上の阻害分子に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1033]
T細胞上の前記阻害分子が、PD1、TIGIT、CTLA4、Lag3、Tim3、またはKIRを含む、本発明1032のポリペプチド。
[本発明1034]
T細胞上の刺激分子に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1035]
T細胞上の前記刺激分子が、GITR、CD27、OX40、4−BB、CD40L、ICOS、またはCD28を含む、本発明1034のポリペプチド。
[本発明1036]
ケモカイン受容体に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1037]
前記ケモカイン受容体が、CCR4、CXCR4、またはCCR5を含む、本発明1036のポリペプチド。
[本発明1038]
腫瘍細胞上の腫瘍関連分子に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1039]
腫瘍細胞上の前記腫瘍関連分子が、BCMA、CAIX、抗原提示細胞分子、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1038のポリペプチド。
[本発明1040]
前記抗原提示細胞分子が、PDL1またはPDL2を含む、本発明1039のポリペプチド。
[本発明1041]
感染因子に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1042]
前記感染因子が、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、中東呼吸器症候群ウイルス(MERS)、アルファウイルス、フラビウイルス、またはインフルエンザウイルスを含む、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1043]
前記アルファウイルスが、西部馬脳炎ウイルス(WEEV)、東部馬脳炎ウイルス(EEEV)、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、またはチクングニアウイルス(CHKV)を含む、本発明1042のポリペプチド。
[本発明1044]
前記フラビウイルスが、蚊媒介性である、本発明1042のポリペプチド。
[本発明1045]
前記フラビウイルスが、ウエストナイルウイルス(WNV)、デンジウイルス血清型1〜4、黄熱ウイルス、またはジカウイルスを含む、本発明1042のポリペプチド。
[本発明1046]
前記インフルエンザウイルスが、新興インフルエンザウイルスである、本発明1042のポリペプチド。
[本発明1047]
前記抗体が、キメラ抗原受容体(CAR)のターゲティングドメインを含む、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1048]
CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはそれらの組み合わせが、細胞外ドメインに組み込まれている、本発明1047のポリペプチド。
[本発明1049]
グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1050]
CCR4に特異的な抗体である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1051]
FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号4に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 、X 6 、X 7 、X 、X 、X 、X 、X 、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
[本発明1052]
1 が、セリン(S)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1053]
2 が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1054]
3 が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1055]
4 が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1056]
5 が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1057]
6 が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1058]
7 が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、本発明1051のポリペプチド。
[本発明1059]
FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号5に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 、X 6 、X 、X 、X 、X 、X 、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
[本発明1060]
1 が、セリン(S)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1061]
2 が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1062]
3 が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1063]
4 が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1064]
5 が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1065]
6 が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、本発明1059のポリペプチド。
[本発明1066]
FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号6に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 、X 6 、X 7 、X 、X 、X 、X 、X 、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
[本発明1067]
1 が、KabatのEUインデックスによる残基位置228のアミノ酸の置換であり、かつプロリン(P)を含む、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1068]
2 が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1069]
3 が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1070]
4 が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1071]
5 が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1072]
6 が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1073]
7 が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、本発明1066のポリペプチド。
[本発明1074]
、X 、X 、またはX が、中性非極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である、本発明1051、1059、または1066のポリペプチド。
[本発明1075]
前記中性非極性アミノ酸が、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む、本発明1074のポリペプチド。
[本発明1076]
が、中性極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である、本発明1051、1059、または1066のポリペプチド。
[本発明1077]
前記中性極性アミノ酸が、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む、本発明1076のポリペプチド。
[本発明1078]
表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む、組換えGITR抗体。
[本発明1079]
表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む、組換えCCR4抗体。
[本発明1080]
本発明1078の組換えGITR抗体または本発明1079の組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む、T細胞免疫を増強する方法。
[本発明1081]
本発明1078の組換えGITR抗体を対象に投与する工程を含む、対象における腫瘍を治療する方法。
[本発明1082]
本発明1079の組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む、CCL22/17分泌腫瘍を治療する方法。
[本発明1083]
前記CCL22/17分泌腫瘍が、血液系がんである、本発明1082の方法。
[本発明1084]
前記血液系がんが、リンパ腫または白血病である、本発明1083の方法。
[本発明1085]
前記CCL22/17分泌腫瘍が、卵巣癌である、本発明1082の方法。
[本発明1086]
リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞の細胞シグナル伝達を増強する方法であって、前記抗体が、本発明1001、1051、1059、もしくは1066のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/またはS440においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
[本発明1087]
前記置換が、D270A、K322A、P329V、P331G、P331V、P331F、E333Q、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440W、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1086の方法。
[本発明1088]
リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞の受容体クラスター化を誘導する方法であって、前記抗体が、本発明1001、1051、1059、もしくは1066のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/またはS440においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
[本発明1089]
前記置換が、D270A、K322A、P329V、P331G、P331V、P331F、E333Q、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440W、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1088の方法。
[本発明1090]
腫瘍が、固形腫瘍または液体腫瘍である、本発明1083の方法。
[本発明1091]
リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞のCDC活性を低減する方法であって、前記抗体が、本発明1001、1051、1059、もしくは1066のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、L234、L235、K322、P329、P331、および/またはE333においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであり、それらによって包含されるであろう。
293F細胞から発現および精製された抗GITR抗体のSDS−PAGE分析。抗GITR抗体E1−3H7 IgG1 LALA(レーン1)、E1−3H7安定化IgG4(レーン2)、CTI−10安定化IgG4(レーン3)、E1−3H7 IgG1 LALAヘキサマー(レーン4)、E1−3H7安定化IgG4ヘキサマー(レーン5)、およびE1−3H7 IgG1 WTヘキサマー(レーン6)をコードするpTCAEプラスミドを、293F細胞に一過性にトランスフェクトさせる。細胞上清を、96時間後に採取し、プロテインAアフィニティー樹脂で精製した。約2ug(精製後OD280読み取りによって測定)の各精製抗体を4〜20%ポリアクリルアミドゲルによって分析し、クーマシーブルー染色によって可視化した。レーン7は、対照CTI−10 IgG1を既知の濃度で含有する。パネルA還元条件、パネルB非還元条件。データは、各抗体が発現および精製されたことを示す。 Promegaによって作製され、我々のアッセイにおいて使用されるGloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞アッセイシステム内で、GITR−GITRL相互作用がNF−kB経路を活性化することを示す図である。 GloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞は、表面に発現した受容体GITRとのルシフェラーゼ活性に基づくリガンドまたは抗体反応を生成するレポーター細胞である。システム対照として、パネルAは、GITRリガンド(GITRL)が、予想されるルシフェラーゼ活性を誘導したことを示し、パネルBは、抗HA抗体が、111ng/mlのGITRLで誘導されたルシフェラーゼ活性をさらに増強するというデータを示す(GLTRLはc末端HAタグと融合していることに留意されたい)。 パネルCは、我々の新たに発見された抗GITR抗体E1−3H7−sIgG4が、GiTR/NF−kB依存性ルシフェラーゼを単独で誘導するか、または111ng/mlのGITRLで誘導されるルシフェラーゼ活性をさらに増強することができることを示し、これは市販の抗GITR Ab対照、CTI−10、パネルDの挙動とは異なる。 ヘキサマー化抗GITR E1−3H7抗体は、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において増加した感度を有する。(A)抗GITR抗体E1−3H7 IgG1−LALAおよび対応するヘキサマー(E1−3H7−LALA Hex)は、ルシフェラーゼ活性をGloResponse NF−kB−luc2P/GITR Jurkat細胞から用量依存的に誘導した。E1−3H7ヘキサマーは、ルシフェラーゼ誘導を抗体濃度において約1log低い方にシフトすることができたことに留意されたい。(B)抗GITR E1−3H7抗体は、GITRL誘導性ルシフェラーゼ活性をさらに増強する。もう一度、E1−3H7−LALAヘキサマーは、そのような誘導をはるかに低いAb濃度で達成した。パネルCおよびDは、E1−3H7での同様の効果がIgG4およびその対応するsIgG4ヘキサマーを安定させたことを示す。抗GITR E1−3H7抗体は、111ng/mlのGITRリガンドの不在下(パネルAおよびC)または存在下(パネルBおよびD)で、5000ng/mlから20.58ng/mlまでの3倍希釈で使用した。 図4−1の説明を参照のこと。 ヘキサマー化抗GITR E1−3H7抗体は、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において増加した感度を有する。ルシフェラーゼ誘導の完全な範囲を確認するために、抗GITR E1−3H7−IgG1 LALAまたはIgG4抗体濃度が、111ng/mlのGITRリガンドの不在下(パネルAおよびC)または存在下(パネルBおよびD)で、15000ng/mlから61.73ng/mlまでの3倍希釈で使用されたことを除いて、図4に示されるものと同様の実験であり、それらの対応するヘキサマー形式は、5000ng/mlから20.58ng/mlまでのままであった。無関係なIgG対照は、111ng/mlのGITRLによるルシフェラーゼ誘導のベースレベルに対する有意な効果を示さなかった。 図5−1の説明を参照のこと。 抗GITR E1−3H7抗体のIgG1 Fc野生型、IgG1 Fc LALA変異体、または安定化IgG4ヘキサマーは、GITR/NF−kB依存性ルシフェラーゼ活性の媒介において同様の活性を有する。抗GITR E1−3H7−IgG1 WTまたはIgG 1 LALAまたはsIgG4ヘキサマー抗体濃度は、111ng/mlのGITRリガンドの不在下または存在下で、5000ng/mlから20.58ng/mlまでの3倍希釈で使用したが、対照IgG1は、15000ng/mlから61.73ng/mlまでの濃度を有する。パネルAにおけるE1−3H7 IgG1 WTヘキサマー結果は、パネルBおよびCまたはパネルDおよびEに提示されるものとは別の実験からのものであることに留意されたい。X軸およびY軸は、パネルA〜Eについて同じである。 図6−1の説明を参照のこと。 Promegaからのレポーターシステムを用いたADCCアッセイ。 IgG1のWTおよびLALAヘキサマー変異体のFc領域の核酸およびアミノ酸配列。図8は、出現順にそれぞれ配列番号92〜95を開示する。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 図8−1の説明を参照のこと。 安定化ヘキサマーIgG4のFc領域の核酸およびアミノ酸配列。図9は、出現順にそれぞれ配列番号96〜97を開示する。 図9−1の説明を参照のこと。 図9−1の説明を参照のこと。 IgG抗体の哺乳動物発現に使用することができるベクターのための発現ベクターマップ。 IgG抗体の哺乳動物発現に使用することができるベクターのための発現ベクターマップ。 IgG1の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号1)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 図12−1の説明を参照のこと。 IgG2の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号2)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 図13−1の説明を参照のこと。 IgG4の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号3)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 図14−1の説明を参照のこと。 CDC活性が、sIgG4モノマーを除き、すべての抗GITR Ab構築物に残ることを示すグラフである。グラフは、細胞殺滅の量を定量化するために異なる試薬を使用した同様の実験を表す。左のグラフのアッセイは、培養中の生存細胞の数を決定するCellTiter−Gloシステムを使用するが、右のグラフのアッセイは、死細胞のみをカウントするCytoTox−Gloを使用する。 減少した補体依存性細胞毒性(CDC)を生成するためにLALA−ヘキサマー構築物のCH2領域に導入されたいくつかの変異のリボン構造の図である。図16のパネルAは、C1q結合に関与しており、変異の標的とされるCH2におけるその重要な残基を示す。パネルB〜Hは、各構築物において変異した残基(複数可)、および変異による予測される効果(複数可)を示す。パネルIおよびJは、2つのCL融合体を示し、1つは抗PDL1 scFvとの、もう1つはGFPアナログzsGreenとのものである。 GITR変異体のSDSページゲル(非還元ゲル、還元ゲル(10%BME))の写真画像である。Expi293F細胞にExpiFectamineをトランスフェクトし、採取およびプロテインAコンジュゲートセファロースを介した精製前の5日間培養した。1ugの各精製タンパク質を、Bolt(商標)4〜12%Bis−Tris Plus Gelで泳動した。右のゲル中の試料は還元されておらず、左のゲルは10%β−メルカプトエタノールで還元されている。レーン1.ラダー(Bioradプレシジョンプラス)、レーン2.mAb2−3 IgG1 WTモノマー、レーン3.mAb2−3 IgG1 WTヘキサマー、レーン4.E1−3H7 IgG1 WTモノマー、レーン5.E1−3H7 IgG1 WTヘキサマー、レーン6.E1−3H7 IgG1 LALAモノマー、レーン7.E1−3H7 IgG1 LALAヘキサマー、レーン8.Mt 1、レーン9.Mt 2、レーン10.Mt 3、レーン11.PV、レーン12.VP、レーン13.VV、レーン14.aPDL1、およびレーン15.PF(P329P P331F)。 図17−1の説明を参照のこと。 GITR+細胞に結合する抗GITR Abの結合曲線であり、結合について陽性の細胞%に関してフローサイトメトリーによって分析されている。試験されたGITRヘキサマー変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。 GITR+細胞への抗GITR Ab結合についての結合曲線であり、MFI(平均蛍光強度)に関してフローサイトメトリーによって分析されている。試験されたGITRヘキサマー変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。 CDCがWtおよびLALA構築物(RLU)と比較して低減したことを示す変異体のCDCの棒グラフを表す。試験された変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。すべての抗体の重鎖および軽鎖可変領域は、親E1−3H7抗GITR抗体に由来する。 CDCがWtおよびLALA構築物(殺滅%)と比較して低減したことを示す変異体のCDCの棒グラフを表す。試験された変異体のキー:(a)Mt1:D270A K322A P331G、(b)Mt2:D270A P331G、(c)Mt3:D270A P331V E333Q、(d)VP:P329V P331P、(e)PV:P329P P331V、(f)VV:P329V P331V、および(g)PF:P329P P331F。すべての抗体は、親E1−3H7抗GITR抗体からのものである。導入された変異は、元の抗体と比較してCDC活性の量を有意に低減する。 GITRバイオアッセイ(RLU)のグラフを示す。左のグラフは抗体のみであるが、右のグラフは各試料への111ng/mlのGITRLの添加を有する(左および右のグラフの結果は異なる日に行われた)。データは、CDC活性を低減するために行われた変異が抗体のヘキサマー化に影響を与えないことを示す。モノマーと比較して、ヘキサマーのすべてが用量応答曲線で左への顕著なシフトを示す。 GITRバイオアッセイにおける抗体および一定のGITRLによる誘導の倍率のグラフを示す。左のグラフは抗体のみであるが、右のグラフは各試料への111ng/mlのGITRLの添加を有する(異なる日に行われた実験間の比較)。データは、CDC活性を低減するために行われた変異が抗体のヘキサマー化に影響を与えないことを示す。モノマーと比較して、ヘキサマーのすべてが用量応答曲線で左への顕著なシフトを示す。GITRリガンド(GITRL)と共刺激される場合、抗体は相加効果を有するが(図22および23)、市販のGTI−10抗GITR抗体はこれを有さない。 GITRバイオアッセイにおいてGITRLに対して正規化された場合の抗体による誘導の倍率のグラフを示す。このグラフは、(111ng/mlでの)GITRLに対して誘導倍率を正規化することによって、抗体からGITRLの効果をデコンボリューションする。正規化された誘導倍率は、次のように計算される:試料のRLU/GITRL(111ng/ml)のみのRLU。生物活性アッセイのこの分析はまた、変異したヘキサマーが、モノマーと比較して用量応答曲線で左への顕著なシフトを有し続けることを示す。 観察されたADCC活性のグラフを示す。グラフに列挙された変異体は、いかなる測定可能なADCC活性も有さない。陰性対照IgGは、特異的ADCC活性を示さなかった。 本発明によって企図される変異体の要約である。 IgG3の野生型Fc領域についてのアミノ酸配列(配列番号60)およびKabatのEUインデックスによる対応するアミノ酸残基番号である。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 図27−1の説明を参照のこと。 IgG Lc融合体の結合(%)を示すグラフである。aGITR−PDL1 Lc融合IgGを、PDL1で一過性にトランスフェクトされたCHO−GITR+細胞またはExpi293F細胞(約75〜80%のトランスフェクション効率)と様々な濃度でインキュベートした。RTで25分間インキュベーション後、細胞を洗浄し、融合抗体の結合をPDL1−scFv融合体のC末端上のHisタグを通した抗His−PEによって検出した。このグラフは、検出されたPE陽性細胞%によって決定されるように、二重特異性IgGの各アームが独立してその標的に結合することができることを示す。 IgG Lc融合体の結合(MFI)を示すグラフである。aGITR−PDL1 Lc融合体を、PDL1で一過性にトランスフェクトされたCHO−GITR+細胞またはExpi293F細胞(約75〜80%のトランスフェクション効率)と様々な濃度でインキュベートした。RTで25分間インキュベーション後、細胞を洗浄し、融合抗体の結合をPDL1−scFv融合体のC末端上のHisタグによって検出した。このグラフは、平均蛍光強度(MFI)によって決定されるように、二重特異性IgGの各アームが独立してその標的に結合することができることを示す。 IgG Lc融合体の同時結合(%)を示すグラフである。1E6 CHO−GITR細胞を各試料に使用した。aGITR IgG1 LALA Hex Lc融合体(aPDL1)を2倍段階希釈で加え、RTで25分間インキュベートした。試料を次いで洗浄し、1.5ugのPD−L 1−rbFcを各チューブに加え、チューブを25分間RTでインキュベートした。別の洗浄後、Biolegendの抗ウサギIgG FITC(2ug/ml)を検出用のウェルに加えた。 IgG Lc融合体の同時結合(MFI)を示すグラフである。1E6 CHO−GITR細胞を各試料に使用した。aGITR IgG1 LALA Hex Le融合体(aPDL1)を2倍段階希釈で加え、RTで25分間インキュベートした。試料を次いで洗浄し、1.5ugのPD−L 1−rbFcを各チューブに加え、チューブを25分間RTでインキュベートした。別の洗浄後、Biolegendの抗ウサギIgG FITC(2ug/ml)を検出用のウェルに加えた。 IgG1およびIgG4のCH2のアミノ酸配列アラインメントを示す。IgG4ヘキサマーからCDC活性を排除するためにIgG1LALA mut3と同様にIgG4構築物において変異を行った。IgG1 LALA Mut3は、D270A P331V E333Qである。sIgG4では、残基331はSである。第1のMut3アナログでは、D270AおよびE33Qのみを変更し、これはIgG1およびIgG4において同一である。第2の構築物を作製するために、残基330および331も、C1q結合ポケットの一部であるため、IgG1 LALAと同一になるように変更した。図32は、出現順にそれぞれ配列番号20および38を開示する。 sIgG4変異体のCDC活性(1時間)を示すグラフである。
配列番号98は、IgG3の野生型Fc領域のアミノ酸配列(UniProtKB−P01860(IGHG3_HUMAN)、377アミノ酸)を提供し、CH1ドメインは太字であり、ヒンジ領域は下線が引かれ、CH2ドメインはイタリック体であり、CH3ドメインは破線が引かれ、影付きのボックスは、本発明に従って置換され得るアミノ酸である。図27は、配列番号60を、KabatのEUインデックスに従って付番されるアミノ酸残基と対応させる表である。
Figure 2021518411
(表1C)抗GITR E1−3H7アミノ酸配列
Figure 2021518411
(表1E)抗CCR4 mAb2.3アミノ酸配列
Figure 2021518411
一実施形態では、本明細書に記載される軽鎖のFc領域を使用して、抗GITR抗体または抗CCR4抗体などの目的の抗体のFc領域を操作することができる。一実施形態では、軽鎖のFc領域(CL(カッパ))は、配列番号43の核酸配列を含む:
Figure 2021518411
一実施形態では、軽鎖のFc領域(CL(カッパ))は、配列番号64のアミノ酸配列を含む:
Figure 2021518411
(表7A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―sIgG4ヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
(表7B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―sIgG4ヘキサマー(Cを除いて抗CCR4 mAb2.3構築物と同じ)
Figure 2021518411
(表8A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt1
Figure 2021518411
(表8B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt1
Figure 2021518411
(表9A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt2
Figure 2021518411
(表9B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt2
Figure 2021518411
(表10A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex Mt3
Figure 2021518411
(表10B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex Mt3
Figure 2021518411
(表11A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−VP
Figure 2021518411
(表11B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−VP
Figure 2021518411
(表12A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−PV
Figure 2021518411
(表12B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−PV
Figure 2021518411
(表13A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−PF
Figure 2021518411
(表13B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−PF
Figure 2021518411
(表14A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA hex−VV
Figure 2021518411
(表14B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA hex−VV
Figure 2021518411
(表15A)Ab#E1−3H7定常領域核酸配列―IgG1 LALA−aPDL1
Figure 2021518411
(表15B)Ab#E1−3H7定常領域アミノ酸配列―IgG1 LALA−aPDL1
Figure 2021518411
本発明の抗体およびその断片はまた、本明細書において表に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを使用して、合成、操作、および/または生成することができる。一実施形態では、ポリペプチドは、表1B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、9B、10B、11B、12B、13B、14B、15Bにおいて開示される連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列、配列番号64によってコードされるアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせを有する。別の実施形態では、ポリペプチドは、表1B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、9B、10B、11B、12B、13B、14B、15Bにおいて開示されるアミノ酸配列、配列番号64によってコードされるアミノ酸配列、またはそれらの組み合わせに対して少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一のアミノ酸配列を有する。

Claims (91)

  1. 野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が、残基位置228、234、235、270、322、329、331、333、345、409、430、440、またはそれらの組み合わせにおいて生じており、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、ポリペプチド。
  2. KabatのEUインデックスによる残基位置228の前記アミノ酸が、プロリン(P)またはセリン(S)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. KabatのEUインデックスによる残基位置234の前記アミノ酸が、アラニン(A)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. KabatのEUインデックスによる残基位置235の前記アミノ酸が、アラニン(A)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. KabatのEUインデックスによる残基位置345のグルタミン酸(E)が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. KabatのEUインデックスによる残基位置409の前記アミノ酸が、リジン(K)またはアルギニン(R)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  7. KabatのEUインデックスによる残基位置430のグルタミン酸(E)が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  8. KabatのEUインデックスによる残基位置440のセリン(S)が、トリプトファン(W)で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  9. KabatのEUインデックスによる残基位置270のアスパラギン酸(D)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  10. KabatのEUインデックスによる残基位置322のリジン(K)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  11. KabatのEUインデックスによる残基位置329のプロリン(P)が、中性非極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  12. KabatのEUインデックスによる残基位置331の前記アミノ酸が、中性非極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  13. 前記中性非極性アミノ酸が、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む、請求項9、10、11、または12に記載のポリペプチド。
  14. KabatのEUインデックスによる残基位置333のグルタミン酸(E)が、中性極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  15. 前記中性極性アミノ酸が、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)である、請求項13に記載のポリペプチド。
  16. 前記アミノ酸置換が、L234A、L235A、E345K、およびE430Gを含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  17. 前記アミノ酸置換が、S228P、E345K、R409K、およびE430Gを含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項1に記載のポリペプチド。
  18. 前記アミノ酸置換が、D270A、K322A、およびP331Gをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  19. 前記アミノ酸置換が、D270AおよびP331Gをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  20. 前記アミノ酸置換が、D270A、P331V、およびE333Qをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  21. 前記アミノ酸置換が、P329Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  22. 前記アミノ酸置換が、P331Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  23. 前記アミノ酸置換が、P329VおよびP331Vをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  24. 前記アミノ酸置換が、P329Vおよび/またはP331Fをさらに含み、前記アミノ酸残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、請求項16または17に記載のポリペプチド。
  25. 前記野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、1つ以上のヒトFc受容体に対して低減した親和性を示す、請求項1に記載のポリペプチド。
  26. 前記野生型IgG Fc領域を含むポリペプチドと比較して、増加した受容体クラスター化をさらに示す、請求項25に記載のポリペプチド。
  27. 減少した補体依存性細胞毒性(CDC)をさらに示す、請求項25に記載のポリペプチド。
  28. ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  29. 抗体またはFc融合タンパク質である、請求項1に記載のポリペプチド。
  30. 前記抗体が、単一特異性抗体、二重特異性抗体、または多重特異性抗体である、請求項29に記載のポリペプチド。
  31. 薬物、毒素、放射性標識、またはそれらの組み合わせにコンジュゲートされている、請求項1に記載のポリペプチド。
  32. T細胞上の阻害分子に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  33. T細胞上の前記阻害分子が、PD1、TIGIT、CTLA4、Lag3、Tim3、またはKIRを含む、請求項32に記載のポリペプチド。
  34. T細胞上の刺激分子に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  35. T細胞上の前記刺激分子が、GITR、CD27、OX40、4−BB、CD40L、ICOS、またはCD28を含む、請求項34に記載のポリペプチド。
  36. ケモカイン受容体に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  37. 前記ケモカイン受容体が、CCR4、CXCR4、またはCCR5を含む、請求項36に記載のポリペプチド。
  38. 腫瘍細胞上の腫瘍関連分子に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  39. 腫瘍細胞上の前記腫瘍関連分子が、BCMA、CAIX、抗原提示細胞分子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項38に記載のポリペプチド。
  40. 前記抗原提示細胞分子が、PDL1またはPDL2を含む、請求項39に記載のポリペプチド。
  41. 感染因子に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  42. 前記感染因子が、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、中東呼吸器症候群ウイルス(MERS)、アルファウイルス、フラビウイルス、またはインフルエンザウイルスを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  43. 前記アルファウイルスが、西部馬脳炎ウイルス(WEEV)、東部馬脳炎ウイルス(EEEV)、ベネズエラ馬脳炎ウイルス、またはチクングニアウイルス(CHKV)を含む、請求項42に記載のポリペプチド。
  44. 前記フラビウイルスが、蚊媒介性である、請求項42に記載のポリペプチド。
  45. 前記フラビウイルスが、ウエストナイルウイルス(WNV)、デンジウイルス血清型1〜4、黄熱ウイルス、またはジカウイルスを含む、請求項42に記載のポリペプチド。
  46. 前記インフルエンザウイルスが、新興インフルエンザウイルスである、請求項42に記載のポリペプチド。
  47. 前記抗体が、キメラ抗原受容体(CAR)のターゲティングドメインを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  48. CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはそれらの組み合わせが、細胞外ドメインに組み込まれている、請求項47に記載のポリペプチド。
  49. グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  50. CCR4に特異的な抗体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  51. FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号4に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
  52. が、セリン(S)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  53. が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  54. が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  55. が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  56. が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  57. が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  58. が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、請求項51に記載のポリペプチド。
  59. FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号5に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
  60. が、セリン(S)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  61. が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  62. が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  63. が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  64. が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  65. が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、請求項59に記載のポリペプチド。
  66. FcバリアントヒトIgG Fc領域を含む操作されたポリペプチドであって、前記Fcバリアントが、配列番号6に対する少なくとも90%の同一性を含むアミノ酸配列を含み、アミノ酸置換が、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、またはそれらの組み合わせにおいて生じている、ポリペプチド。
  67. が、KabatのEUインデックスによる残基位置228のアミノ酸の置換であり、かつプロリン(P)を含む、請求項66に記載のポリペプチド。
  68. が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  69. が、アラニン(A)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  70. が、リジン(K)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、またはチロシン(Y)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  71. が、リジン(K)またはアルギニン(R)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  72. が、グリシン(G)、セリン(S)、フェニルアラニン(F)、またはトレオニン(T)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  73. が、トリプトファン(W)を含むアミノ酸置換である、請求項66に記載のポリペプチド。
  74. 、X、X、またはXが、中性非極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である、請求項51、59、または66に記載のポリペプチド。
  75. 前記中性非極性アミノ酸が、アラニン(A)、グリシン(G)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、またはバリン(V)を含む、請求項74に記載のポリペプチド。
  76. が、中性極性アミノ酸を含むアミノ酸置換である、請求項51、59、または66に記載のポリペプチド。
  77. 前記中性極性アミノ酸が、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)を含む、請求項76に記載のポリペプチド。
  78. 表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む、組換えGITR抗体。
  79. 表1Bに開示される可変領域アミノ酸配列と、表8B(配列番号18、19、22、26、45)、表9B(配列番号18、19、22、26、47)、表10B(配列番号18、19、22、26、49)、表11B(配列番号18、19、22、26、51)、表12B(配列番号18、19、22、26、53)、表13B(配列番号18、19、22、26、55)、表14B(配列番号18、19、22、26、57)、または表15B(配列番号18、19、24、26、59)に開示されるバリアントFc領域アミノ酸配列と、を含む、組換えCCR4抗体。
  80. 請求項78に記載の組換えGITR抗体または請求項79に記載の組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む、T細胞免疫を増強する方法。
  81. 請求項78に記載の組換えGITR抗体を対象に投与する工程を含む、対象における腫瘍を治療する方法。
  82. 請求項79に記載の組換えCCR4抗体を対象に投与する工程を含む、CCL22/17分泌腫瘍を治療する方法。
  83. 前記CCL22/17分泌腫瘍が、血液系がんである、請求項82に記載の方法。
  84. 前記血液系がんが、リンパ腫または白血病である、請求項83に記載の方法。
  85. 前記CCL22/17分泌腫瘍が、卵巣癌である、請求項82に記載の方法。
  86. リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞の細胞シグナル伝達を増強する方法であって、前記抗体が、請求項1、51、59、もしくは66に記載のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/またはS440においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
  87. 前記置換が、D270A、K322A、P329V、P331G、P331V、P331F、E333Q、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440W、またはそれらの組み合わせを含む、請求項86に記載の方法。
  88. リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞の受容体クラスター化を誘導する方法であって、前記抗体が、請求項1、51、59、もしくは66に記載のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、K322、P329、P331、E333、E345、E430、および/またはS440においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
  89. 前記置換が、D270A、K322A、P329V、P331G、P331V、P331F、E333Q、E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440W、またはそれらの組み合わせを含む、請求項88に記載の方法。
  90. 腫瘍が、固形腫瘍または液体腫瘍である、請求項83に記載の方法。
  91. リガンドを細胞に結合させる抗体に細胞を接触させる工程を含む、細胞のCDC活性を低減する方法であって、前記抗体が、請求項1、51、59、もしくは66に記載のポリペプチドまたは野生型ヒトIgG Fc領域のFcバリアントを含み、前記Fcバリアントが、D270、L234、L235、K322、P329、P331、および/またはE333においてアミノ酸置換を含み、前記残基が、KabatのEUインデックスに従って付番されている、方法。
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