JP2021504909A - 接合された超電導テープ - Google Patents

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Abstract

本発明は接合された超電導テープの分野にある。特に、本発明は、基材、バッファ層、超電導体層、及び安定化層をそれぞれに含む2つの超電導テープを含む超電導物品に関し、ここで、前記バッファ層及び前記超電導体層が前記基材と前記安定化層との間にあり、前記超電導物品が、接合領域の長さの少なくとも2倍に沿ってはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられる少なくとも1つの金属テープをさらに含む。【選択図】図1

Description

本発明は接合された超電導テープの分野にある。
テープ形態の高温超伝された導体は、典型的に、フレキシブル金属基材、例えばニッケル、ニッケル合金又はステンレス鋼へのエピタキシャル堆積によって製造される。多くの利用、例えばケーブルにおいて、キロメートル範囲の非常に長いテープが必要である。しかしながら、そのような長いテープを1枚で製造することは非常に困難である。実用的な解決策は、短いテープを製造し、それらを結合することである。
WO 01/08233 A2(特許文献1)はテープの典型的な接合を開示している。2つのテープは金属層を介してはんだ付け(soldered)される。金属層は、超電導が故障した場合に電気を伝導することによってテープを安定化させ、それによって制御されないフラッシュオーバーを回避するので、安定化層と呼ばれる。しかしながら、超電導体がその通常の超電導動作モードにあるとき、しばしば安定化層が有効であるためには一定の厚さを有する必要があるので、そのような接合部は接合されたテープにかなりの抵抗を加える。例えば、WO 2010/011739 A1(特許文献2)又はWO 2012/037231 A1(特許文献3)から、接合部の様々な変形が知られている。しかしながら、それらはすべて、2つの接合されたテープ間の比較的高い接触抵抗に悩まされている。
YBaCu7−xなどの典型的に使用される超電導体は、はんだ付けに使用されるフラックスとの接触に非常に敏感であるか、又ははんだとして使用される溶融金属又は合金でまったく濡れないため、それらの超電導体層を介して2つのテープを直接接続する試みは失敗した。
WO 01/08233 A2 WO 2010/011739 A1 WO 2012/037231 A1
したがって、本発明は、テープが十分に安定化され、テープの超電導体性能が接合部によって損なわれない一方で、低い接触抵抗を有する接合部を提供することを目的とした。本発明のさらなる目的は、特にコイルの巻き付け中に発生する力に対して機械的に強い接合部を提供することであった。
これらの目的は、基材、バッファ層、超電導体層、及び安定化層をそれぞれに含む2つの超電導テープを含む超電導物品によって達成され、ここで、バッファ層及び超電導体層が基材と安定化層の間にあり、超電導物品が、接合領域の少なくとも2倍の長さに沿ってはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられる少なくとも1つの金属テープをさらに含む。
本発明は、基材、バッファ層、超電導体層、及び安定化層をそれぞれに含む2つの超電導テープに金属テープをラミネート加工することを含む超電導物品の製造方法に関し、ここで、バッファ層及び超電導体層が基材と安定化層の間にあり、金属テープが、接合領域の少なくともの2倍長さに沿ってはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられる。
図1は、超電導体層間の距離を最小化するために逆向きに接触される第1及び第2の超電導テープ10及び20の間の接合部を示す。 図2は、第1及び第2の超電導テープ10及び20がはんだ層2を介して金属テープ1の反対側で1つの金属テープ1に取り付けられる、図1の実施形態の代替を示す。 図3は、はんだ層2を介してブリッジ30に接続された2つの超電導体テープ10及び20の接合部を示す。 図4は、2つの超電導テープ10及び20を覆う金属テープ1を有する2つの超電導テープ10及び20の接合部を示す。 図5は、超電導テープにおける欠陥のブリッジに本発明の代替の使用を示す。 図6は、前記超電導テープの最小の側面がテープの長さと形成する角度を示す。
本発明の好ましい実施態様は、明細書及び請求の範囲に見出すことができる。異なる実施態様の組合せは、本発明の範囲内にある。
本発明による超電導物品は、超電導テープを含む。超電導テープは基材を含む。基材は、バッファ層及び/又は超電導層を支持することができる任意の材料で形成されてもよい。好適な基材は、例えば、EP 830 218、EP 1 208 244、EP 1 198 846及びEP 2 137 330に開示されている。しばしば、基材は、金属及び/又は合金のストリップ/テープであり、ここで、金属がニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム、バナジウム、パラジウム、モリブデン、タングステンであり得るか、又は合金がそれらを含んでもよい。好ましくは、基材はニッケルをベースとし、すなわち、基材の少なくとも50at−%、より好ましくは少なくとも70at−%、特に少なくとも85at−%がニッケルである。時には、これらの合金の一部は、Hastelloy(登録商標)の商品名で呼ばれる。より好ましくは、基材は、ニッケルをベースとし、1〜10at−%、特に3〜9at−%のタングステンを含有する。ラミネート加工された金属テープ、ガルバニックコーティング(galvanic coating)のような第2の金属でコーティングされたテープ、又は適切な表面を有する任意の他の多材テープも、基材として使用することができる。
基材は、非テクスチャ加工、部分的にテクスチャ加工、又はテクスチャ加工することができ、好ましくはテクスチャ加工されている。基材が部分的にテクスチャ加工される場合、好ましくは、その表面はテクスチャ加工される。基材は、典型的に20〜200μm、好ましくは30〜100μmの厚さを有する。長さは、典型的に1〜1000m、例えば100mであり、幅は典型的に0.4cm〜1mである。長さの幅に対する比は、典型的に少なくとも100、好ましくは少なくとも200、特に少なくとも500である。
好ましくは、基材は低い粗さの表面を有する。このため、表面は、好ましくは、例えば電解研磨によって平坦化される。このように平坦化された基材を熱処理することはしばしば有利である。この熱処理は、基材を600〜1000℃で2〜15分加熱することを含み、ここで、この時間は、基材が最高温度にある時間を指す。好ましくは、この熱処理は、水素含有雰囲気などの還元雰囲気下で行われる。平坦化及び/又は熱処理は繰り返されてもよい。
好ましくは、基材の表面は、DIN EN ISO 4287及び4288によるrmsでの15nm未満の粗さを有する。この粗さは、金属基材の結晶粒界が指定された粗さ測定に影響を与えないように、基材表面の結晶粒の境界内の10×10μmの領域に関する。
本発明による超電導テープは、バッファ層をさらに含む。バッファ層は、超電導体層を支持することができる任意の材料を含有することができる。バッファ層材料の例には、金属及び金属酸化物、例えば銀、ニッケル、TbO、GaO、CeO、イットリア安定化ジルコニア酸化物(YSZ)、Y、LaAlO、SrTiO、Gd、LaNiO、LaCuO、SrRuO、NdGaO、NdAlO、及び/又は当業者に知られている一部の窒化物が含まれる。好ましいバッファ層材料は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ);ジルコン酸塩、例えばジルコン酸ガドリニウム、ジルコン酸ランタン;チタン酸塩、例えばチタン酸ストロンチウム;単純な酸化物、例えば酸化セリウム、又は酸化マグネシウムである。より好ましくは、バッファ層は、ジルコン酸ランタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム及び/又は希土類金属でドープされた酸化セリウム、例えばガドリニウムでドープされた酸化セリウムを含有する。さらにより好ましくは、バッファ層はジルコン酸ランタン及び/又は酸化セリウムを含有する。好ましくは、バッファ層の表面はテクスチャ加工されている。バッファ層のテクスチャ部分の格子パラメータは、格子定数に対するわずかな不一致のみを示す超電導体層の格子パラメータに似ている。
テクスチャ転移の程度及び/又は拡散バリアとしての効率を高めるために、超電導テープは、好ましくは、互いの上に2つ以上のバッファ層を含有する。好ましくは、超電導テープは、2つ又は3つのバッファ層、例えばジルコン酸ランタンを含む第1のバッファ層及び酸化セリウムを含む第2のバッファ層を含む。
バッファ層は、好ましくは、片面で基材の全表面、すなわち、表面の少なくとも95%、より好ましくは表面の少なくとも99%を覆う。バッファ層は、典型的に5〜500nm、例えば10〜30nm又は150〜300nmの厚さを有する。
バッファ層は、イオンビームアシスト堆積(IBAD)又はレーザー堆積などの物理的堆積、又は化学溶液堆積を含む様々な方法で作製することができる。バッファ層が化学溶液堆積によって作製される場合、バッファ層は、しばしば、同じ化学組成の複数の個別の層、例えば3つのそれぞれ100nmの層を含有するように、複数の工程で作製される。このようなプロセスは、例えばWO 2006/015819 A1に記載されている。好ましくは、バッファ層は、例えばDIN EN ISO 4287及び4288によるrmsの50nm未満又は30nm未満の低い表面粗さを有する。
本発明による超電導テープは、超電導体層をさらに含む。好ましくは、超電導体層は式REBaCu7−δの化合物を含有する。REは、1種以上の希土類金属、好ましくはイットリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム、ネオジム、プラセオジム、又はランタン、特にイットリウムを表す。REが1種以上の希土類金属を表す例は、RE=Y0.9Gd0.1である。指数xは、0.9〜1.8、好ましくは1.2〜1.5の値をとる。指数yは、1.4〜2.2、好ましくは1.5〜1.9の値をとる。指数δは、0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.5の値をとる。超電導体層は、好ましくは200nm〜5μm、より好ましくは400nm〜3.5μm、例えば1〜2μmの厚さを有する。好ましくは、超電導体層は相互に高度の配向性を有する結晶粒を有する。超電導体層が化学溶液堆積によって作製される場合、それは、しばしば、同じ化学組成の複数の個別の層、例えば3つのそれぞれ100nmの層を含有するように、複数の工程で作製される。このようなプロセスは、例えばWO 2016/150781 A1に記載されている。
好ましくは、超電導体層は、ピン止め中心として作用し、磁場の適用時の臨界電流密度損失を最小化することができる非伝導性粒子をさらに含む。典型的なピン止め中心は、ZrO、安定化されたZrO、HfO、BaZrO、LnZr、CeO、BaCeO、Y又はRE(式中、REは1種以上の希土類金属を表す)を含有する。この粒子は、一般に1〜100nm、好ましくは2〜20nmの平均直径を有する。
好ましくは、超電導層は、例えばDIN EN ISO 4287及び4288によるrmsの100nm未満又は50nm未満の低い表面粗さを有する。超電導層は典型的に、低温で、好ましくは少なくとも77K以下の温度で、ゼロに近い抵抗を有する。好ましくは、超電導体層は、少なくとも1・10A/cm、より好ましくは少なくとも1.5・10A/cmの外部から印加された磁場なしでの臨界電流密度を有する。好ましくは、0.1Tの磁場が超電導体層の表面に対して垂直に印加された場合、臨界電流密度は、30%未満減少し、より好ましくは20%未満減少する。好ましくは、0.1Tの磁場が超電導体層の表面に平行に印加された場合、臨界電流密度は、15%未満減少し、より好ましくは10%未満減少する。
超電導層は、パルスレーザー堆積(PLD)、スパッタリング又は共蒸着などの物理蒸着法;又は化学溶液堆積(CSD)を含む、様々な方法で作製することができる。しばしば、特に超電導体層がCSDによって作製される場合、フッ素含有前駆体、例えばBaF又はBa(TFA)(式中、TFAはトリフルオロアセテートを表す)は、これらのプロセスに使用される。この場合、超電導層は、微量、例えば10−10〜10−5at−%の残留フッ素をよく含有する。
本発明による超電導テープは、安定化層をさらに含む。安定化層は典型的に、好ましくは室温で1μΩm未満、より好ましくは室温で0.2μΩm未満、特に室温で0.05μΩm未満の低い電気抵抗を有する。しばしば、安定化層は、金属、好ましくは銅、銀、スズ、亜鉛又はこれらの1種を含有する合金、特に銅を含む。好ましくは、安定化層は、少なくとも50at−%、より好ましくは少なくとも70at−%、特に少なくとも85at−%の銅、スズ又は亜鉛を含有する。好ましくは、安定化層は、0.1〜50μm、より好ましくは0.5〜20μm、特に1〜10μmの厚さを有する。
安定化層は、物理蒸着、化学溶液堆積、スパッタリング、電着、又はラミネーションを含む様々な方法で作製することができる。電着が好ましい。すなわち、安定化層は、好ましくは電着層であり、より好ましくは、安定化層は、貴金属層上の電着層である。安定化層の電着は、例えばWO 2007/032207 A1に記載されている。
安定化層は、超電導層をちょうど覆うことができる。好ましくは、安定化層はテープの全周囲を覆い、すなわち、安定化層は、超電導層、基材、及び少なくとも2つの側面を覆う。安定化層はテープの異なる側又は同じ側で異なる厚さを有することが可能である。厚さが異なる場合、上記の厚さの範囲は、最も厚い側に関する。特に安定化層が亜鉛メッキされた層である場合、いわゆる「ドッグボーン(dog-bone)」効果は、しばしば、平坦な領域と比較してエッジでより高い厚さをもたらす。
好ましくは、超電導テープは、超電導体層と安定化層の間に貴金属含有層をさらに含有する。そのような層は、安定化層が堆積されるときの超電導体層の劣化を回避する。それはまた、電着が使用される場合に特に関連する、安定化層の堆積のためのテープの導電率を増加させる。典型的には、貴金属含有層は銀を含有する。超電導層上に貴金属含有層を製造する方法は、例えばWO 2008/000485 A1に記載されている。
超電導物品における2つの超電導テープは、典型的には互いに密接に、好ましくは超電導層が互いに近接しているように接触している。これは、例えば図1に示しているように、例えば2つのテープをその長さのごく一部(多くの場合0.2%未満)で重ね合わせて、超電導層に平行であり、超電導層との最短距離を有するテープの表面を互いに密接させることによって達成される。
あるいは、2つの超電導テープは、それらの最小の側面が互いに面し、少なくとも部分的に互いに接触するか、又は小さなギャップによって分離されるように配置することができ、ここで、ギャップの幅は、好ましくは超電導テープの幅よりも小さい。好ましくは、例えば図3及び4に示しているように、2つの超電導テープにおける基材、バッファー、超電導及び安定化層の方向は、同じである。この場合、通常、2つの超電導テープ間のギャップを埋めるブリッジを超電導物品に追加する必要がある。ブリッジは、高導電性の短い部品、例えば銀テープ、又は好ましくは別の超電導テープである。ブリッジが超電導テープである場合、それは超電導テープと同じ組成及び厚さを有するか、又は互いに異なることができる。例えば、ブリッジとして機能する超電導テープは安定化層を有しないことができるか、又はそれは、接合されている2つの超電導テープよりも薄く及び/又は狭くすることができる。2つの超電導テープ及びブリッジを含む接続構造は、しばしばスプライス(splice)と呼ばれる。
最初に2つの超電導テープを補助テープを介して一時的に接続して、次のラミネート加工プロセスのためにそれらを所定の位置に保持することが有用である。この場合、超電導物品は、好ましくは、2つの超電導テープに取り付けられた、特に、それらの基材により近い超電導テープの側面に取り付けられた補助テープをさらに含む。後続のラミネート加工プロセス中に十分な機械的安定性がある限り、補助テープには特別な要件はないので、補助テープは、鋼、ニッケル、アルミニウムなどの金属テープ、又はポリアミドなどの耐熱性ポリマーストリップであり得る。補助テープは、はんだ付け又は接着などの様々な方法で接続することができる。補助テープの幅は、好ましくは、超電導テープの幅と同じ又はそれよりも小さい。
超電導テープの最小の側面は、例えば2つの超電導テープ10及び20の上面図を示す図6に示されるように、テープの長さと角度αを形成する。通常、角度αは90°又は約90°である。しかしながら、2つの超電導テープの最小の側面が互いに接触している場合、角度αは、好ましくは90°未満、例えば20°〜80°、より好ましくは30°〜70°、例えば45°である。このようにして、接合部は機械的にさらに安定し、2つの超電導テープ間の接合部の抵抗はより低い。
2つの超電導テープは、好ましくは、はんだによって互いに取り付けられる。好ましくは、超電導テープは、第1の超電導テープの超電導層と第2の超電導テープの超電導層との間の最短経路が2つ以下の安定化層及びはんだ層を含有するように、互いに取り付けられる。好ましくは、第1の超電導テープの超電導層と第2の超電導テープの超電導層との間の最短経路は、60μm未満、より好ましくは40μm未満、特に30μm未満、例えば25μm未満である。
本発明による超電導物品は、両方の超電導テープに取り付けられる少なくとも1つの金属テープをさらに含む。2つの超電導テープは、金属テープの同じ側に取り付けることができるか、又はそれらは金属テープの反対側に取り付けることができる。本発明によれば、金属テープは、接合領域の少なくとも2倍の長さ、好ましくは接合領域の少なくとも5倍の長さ、特に少なくとも10倍の長さに沿って、両方の超電導テープに取り付けられる。接合領域は、2つの超電導テープが重なっている、又はブリッジによって重なっている超電導物品の一部である。特に好ましくは、金属テープは超電導物品の全長に沿って伸びている。
本発明の文脈における金属は、少なくとも1種の金属元素を含有し、室温で少なくとも10S/mの金属電気伝導率を有するあらゆる金属を指す。金属テープは、様々な金属、好ましくは銅、ニッケル、クロム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、スズ、又はそれらの合金、例えば黄銅、青銅、又はステンレス鋼を含有することができる。金属テープが均質な組成を有すること、又はそれが異なる金属組成の層状構造を有することが可能である。組成の勾配も考えられる。
金属テープは、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは20〜500μm、特に50〜300μmの厚さを有する。金属テープは、好ましくは5cm〜100km、より好ましくは10m〜10km、例えば500m又は1kmの長さを有する。好ましくは、金属テープの長さは超電導体テープの長さより長く、より好ましくは金属テープの長さは超電導体テープの長さの1.5倍より長い。金属テープの幅は、超電導テープと同じにすることができるか、又はそれはより広く又はより狭くすることもできる。金属テープは、好ましくは20μm〜500μm、より好ましくは30〜400μm、特に50〜300μmの厚さを有する。
金属テープが超電導テープの片側のみを覆うか、又はそれが超電導テープの全周又は大部分の外周、例えば80%以上を覆う2つの超電導テープの周りで曲がっていることが可能である。好ましくは、超電導物品は2つの金属テープを含む。より好ましくは、超電導物品は超電導テープの反対側に2つの金属テープを含む。特に、超電導物品は、超電導テープの幅を超えて伸びる超電導テープの反対側に2つの金属テープを含む。
本発明によれば、少なくとも1つの金属テープは、はんだ層を介して2つの超電導テープに取り付けられる。典型的なはんだ材料、好ましくはスズ又はインジウム合金、例えばSn−Pb、Sn−Ag、Sn−Cu、Sn−Bi、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag−Bi、In−Sn、In−Ag、In−Pb、In−Pb−Agを使用することができる。例は、60%のSn−40%のPb又は52%のIn−48%のSnである。はんだの融点は、好ましくは300℃以下、特に250℃以下である。金属テープと超電導テープとの間のはんだ層は、好ましくは0.1〜5μmの平均厚さを有し、ここで、金属テープ及び超電導体テープの側面を超えて潜在的に伸びる任意のはんだは、厚さの計算に考慮されない。好ましくは、金属テープを超電導テープに取り付けるはんだは、2つの超電導テープを互いに取り付けるはんだよりも高い融点を有する。
好ましくは、超電導物品は、例えば互いに積み重ねられた2つの超電導テープによって形成されるコーナーにおいて、エッジで金属テープを支持するために、超電導テープと金属テープとの間の支持片(support piece)をさらに含む。支持片は、例えば金属テープのラミネート加工プロセス中又はその後の超電導体物品の処理中に、エッジで金属テープへの時間的応力(punctual stress)を低減し、接合領域の向上した機械的強度を提供する。好ましくは、支持片は、金属テープと超電導体テープとの間の通常ははんだが充填されている空間に似た形状を有し、特に、支持片は三角柱の形状を有する。好ましくは、支持片は、超電導体物品の全幅又は実質的に全幅に沿って伸びる。支持片は、液体はんだに対して耐性のある任意の材料、例えば耐熱性ポリマー又は金属であり得る。
各超電導テープ及び両方の超電導テープに取り付けられた少なくとも金属テープに安定化層を有することの利点は、電気接触抵抗が減少し、従来の接合部と比較して、接合部の機械的安定性が増加することである。好ましくは、超電導体製品における2つの超電導体テープ間の77Kで測定された電気接触抵抗は、100nΩ・cm以下、より好ましくは70nΩ・cm以下、特に50nΩ・cm以下である。さらに、接合部での超電導物品の厚さは、接合領域の外側の超電導物品の厚さの2倍未満である。例えばコイルでは、接合部をコイルの欠陥と見なすことができるため、規則的なパターンを巻くことがより容易である。従来の接合部では、この厚さの比は、はんだ層の厚さを考慮して2以上である。
図1〜5は、本発明の好ましい実施態様を示す。図1では、超電導体層間の距離を最小化するために逆向きに接触される第1及び第2の超電導テープ10及び20の間の接合部が示されている。超電導テープ10及び20は、基材11及び21、バッファ層12及び22、超電導体層13及び23、貴金属層14及び24、及び超電導体テープの周囲を取り囲み、上部15a及び25a及び下部15b及び25bが描かれている安定化層を有する。2つの超電導体テープ10及び20は、はんだ層2を介して互いに取り付けられている。接合部は、両方の超電導体テープ10及び20にはんだ層2を介して取り付けられた2つの金属テープ1a及び1bでラミネート加工される。
図2は、第1及び第2の超電導テープ10及び20がはんだ層2を介して金属テープ1の反対側で1つの金属テープ1に取り付けられる、図1の実施形態の代替を示す。
図3は、はんだ層2を介してブリッジ30に接続された2つの超電導体テープ10及び20の接合部を示す。ブリッジ30は、基材31、バッファ層32、超電導体層33、貴金属層34、及びブリッジ30の周囲を取り囲み、上部35a及び下部35bが描かれている安定化層を有する短い超電導体テープである。金属テープ1bは、片側で2つの超電導テープ10及び20を覆い、金属テープ1aは、反対側で2つの超電導テープ10及び20及びブリッジ30を覆う。
図4は、2つの超電導テープ10及び20を覆う金属テープ1を有する2つの超電導テープ10及び20の接合部を示す。図3と比較して、金属テープ1はブリッジ30を覆っていないが、ブリッジ30は、2つの超電導体テープ10及び20以外の金属テープ1の反対側に配置されている。
図5は、超電導テープにおける欠陥のブリッジでの本発明の代替の使用を示す。超電導テープ10は、その超電導層13で欠陥13’を有する。欠陥13’は、例えば、結晶の局所的な誤配向、誤った化学組成、又は単に局所的な亀裂又は引っかき傷があるので、超電導性ではない。これらの欠陥は、しばしば絶縁性であり、テープ全体を役に立たなくする。時に、それらは、超電導テープを金属テープでラミネート加工する前に検出されない。欠陥の上にブリッジ30をはんだ付けすることにより、電流は、テープの超電導性を大幅に回復する代替の流路を有する。
10 第1の超電導テープ
20 第2の超電導テープ
11、21、31 基材
12、22、32 バッファ層
13、23、33 超電導体層
14、24、34 貴金属層
15a、25a、35a 上部
15b、25b、35b 下部
2 はんだ層
1、1a、1b 金属テープ
30 ブリッジ
13’ 欠陥

Claims (14)

  1. 基材、バッファ層、超電導体層、及び安定化層をそれぞれに含む2つの超電導テープを含む超電導物品であって、前記バッファ層及び前記超電導体層が前記基材と前記安定化層との間にあり、前記超電導物品が、接合領域の長さの少なくとも2倍に沿ってはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられた少なくとも1つの金属テープをさらに含む、超電導物品。
  2. 前記超電導物品が、反対側のはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられた少なくとも2つの金属テープを含む、請求項1に記載の超電導物品。
  3. 第1の超電導テープの超電導層と第2の超電導テープの超電導層との間の最短経路が、60μm未満である、請求項1又は2に記載の超電導物品。
  4. 前記超電導テープの最小の側面が、テープの長さと20°〜80°の角度を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導物品。
  5. 前記安定化層が0.1〜20μmの厚さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導物品。
  6. 前記安定化層が亜鉛メッキされた層である、請求項1から5のいずれか一項に記載の超電導物品。
  7. 前記金属テープが、前記接合領域の少なくとも5倍の長さに沿って、それぞれの超電導テープに取り付けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の超電導物品。
  8. 前記2つの超電導テープが、第1のはんだを含むはんだ層を介して互いに取り付けられ、前記金属テープが、第2のはんだを含むはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられ、前記第1のはんだが前記第2のはんだより高い融点を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の超電導物品。
  9. 前記金属テープが、銅、黄銅、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム又はスズを含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の超電導物品。
  10. 前記金属テープが20〜500μmの厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の超電導物品。
  11. 前記2つの超電導テープが、第3の超電導テープを介して接続される、請求項1から10のいずれか一項に記載の超電導物品。
  12. 前記2つの超電導テープが前記金属テープの片側に配置され、前記第3の超電導テープが前記金属テープの反対側に配置される、請求項11に記載の超電導物品。
  13. 前記第3の超電導テープの厚さ及び/又は幅が、それぞれの前記超電導テープの厚さ及び/又は幅よりも小さい、請求項11又は12に記載の超電導物品。
  14. 基材、バッファ層、超電導体層、及び安定化層をそれぞれに含む2つの超電導テープに金属テープをラミネート加工することを含む超電導物品の製造方法であって、前記バッファ層及び前記超電導体層が前記基材と前記安定化層との間にあり、前記金属テープが、接合領域の少なくとも2倍の長さに沿ってはんだ層を介して両方の超電導テープに取り付けられる、方法。
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