(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例1は、施設における所定のエリアへの人の進入、あるいは当該エリアからの人の退出を管理する管理システムに関する。人の進入あるいは退出を管理するために、管理システムでは、エリアへの進入退出権限を有する人(以下、「権限者」という)が認証される。この認証の一例が、顔画像を使用した認証処理(以下、「顔認証処理」という)である。
顔認証処理では、権限者に割り当てられた識別情報(以下、「顔用識別情報」という)毎に、当該権限者の顔を撮像した顔画像が参照画像として予め用意される。権限者は、エリアの入口に到着すると、エリアの入口に設置された撮像装置に顔を撮像させる。管理システムは、撮像装置において撮像した顔画像と参照画像とを比較して、その人が権限者であるか否かを判定する。管理システムは、顔認証処理の結果に応じて、入口に設けられた戸の開閉状態あるいは施解錠状態を制御する。
このような管理システムには、警戒設定(警戒セット)というモードが予め用意されている。警戒設定では、戸が閉状態かつ施錠状態である場合において戸が開けられようとする場合、これをセンサが検知して、警報器の鳴動、警備会社への連絡がなされる。警戒設定は、例えば、戸が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされた場合に有効にされる。具体的に説明すると、戸が閉じている状態において、権限者が警戒設定を有効にするためのボタンを押し下げ、かつ権限者に対する顔認証処理が成功した場合に警戒設定が有効にされる。一方、警戒設定を無効(解除)にするためには、警戒設定を無効にするための動作と、権限者による操作の確認が必要とされる。
戸が自動ドアである場合、権限者が入口付近を通過すると顔認証処理が成功することにより、戸が開けられてしまう。これにより、権限者は警戒設定を有効にできなくなる。これに対応するために、本実施例では、警戒設定を有効にするための動作を受けつけると、戸を開けるための顔認証処理を停止させることにより、戸が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされる。
図1(a)−(b)、特に図1(a)は、管理システム1000の構成を示す。管理システム1000は、施設に設けられた第1エリア100aから第Nエリア100nについて、人の進入および退出を管理する。第1エリア100aから第Nエリア100nはエリア100と総称され、各エリア100には、撮像部130、モニタ140、操作部180、戸制御装置150、戸160が設置される。管理システム1000が管理するエリア100は1つのみであってもよい。
管理システム1000は、顔認証システム300を含む。また、顔認証システム300は、撮像部130、モニタ140、操作部180、顔認証管理装置310を含む。顔認証管理装置310と、各エリア100の撮像部130、モニタ140、戸制御装置150、操作部180は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク400により通信可能に接続される。
管理システム1000は、エリア100の入口に位置する人に対して認証処理を実行し、認証が成功した場合にのみ、入口の戸160の開放、解錠、閉鎖、施錠の少なくとも1つを制御する。例えば、管理システム1000は、通常は閉鎖されている入口の戸160を開放する。認証処理の一例は顔認証処理であり、顔認証処理の結果をもとに、その人がエリア100への進入権限を有する権限者であるか否かが判定される。
顔認証処理を実行するために、戸160の付近には撮像部130が設置される。撮像部130は、エリア100の入口において、エリア100への進入あるいは退出を希望する人の顔を撮像する。撮像された映像では複数の画像が時系列に並べられるので、以下では、映像および画像を画像と総称する。撮像された画像から抽出される人の顔は顔認証処理に使用されるので、撮像部130には、入口に位置する人に対する顔認証処理を高精度に実行可能な画像の撮像が求められる。そのため、撮像部130は、例えば、戸160の付近の、人の顔の平均的な高さの位置に設置され、入口の映像を撮像する。これは、エリア100に進入しようとする人あるいはエリア100から退出しようとする人は、通常、入口において戸160に顔を向けるからである。撮像部130は、撮影した画像をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に送信する。その際、撮像部130は、撮像部130が設置されたエリア100を識別する情報(以下、「エリア情報」という)もネットワーク400経由で顔認証管理装置310に送信してもよい。
顔認証管理装置310は、撮像部130から受信した画像に対して、画像に含まれる人の顔に対する顔認証処理を実行する。顔認証処理とは、画像に含まれる人の顔をもとに、その人がエリア100への進入権限を有する権限者であるか否かを判定する処理である。顔認証管理装置310は、顔認証処理の結果をもとに、戸160に対する制御内容を決定する。制御内容は、例えば、戸160を開放させることであったり、戸160を閉鎖させることであったりする。また、制御内容は、戸160に設けられた電子錠を解錠させることであったり、施錠させることであったりしてもよい。顔認証管理装置310は制御内容を制御情報としてネットワーク400経由でモニタ140と戸制御装置150に送信する。
戸160の付近には、前述の撮像部130とともにモニタ140も設置される。モニタ140は、顔認証管理装置310から制御情報を受信する。モニタ140は、制御情報における制御内容をメッセージとして表示する。メッセージは、例えば、戸160が開放されることであったり、戸160が閉鎖されることであったりする。また、メッセージは、戸160に設けられた電子錠を解錠させることであったり、施錠させることであったりしてもよい。エリア100の入口において、エリア100への進入あるいはエリア100からの退出を希望する人は、モニタ140に表示されるメッセージを確認することによって、例えば、戸160が開放されるか、戸160が開放されないかを認識可能である。
戸制御装置150は、顔認証管理装置310から制御情報を受信し、受信された制御情報にしたがって、戸160の開閉、つまり開放あるいは閉鎖を制御する。戸160の開放とは、戸160の電子錠を解錠すること、自動ドアとしての戸160を開けることを含んでもよい。また、戸160の閉鎖とは、戸160の電子錠を施錠すること、自動ドアとしての戸160を閉めることを含んでもよい。戸制御装置150は、通常状態において、戸160を閉鎖させている。戸160は、エリア100の入口に設けられており、エリア100に進入する人が通過する部分である。戸160は、例えば、電子錠がついた扉、自動ドアである。
管理システム1000には、警戒設定というモードが予め用意されている。警戒設定は警戒セットと呼ばれることもある。警戒設定では、戸160が閉状態かつ施錠状態である場合において戸160が開けられようとようとする場合、戸160に接続されたセンサ(図示せず)、あるいは戸160の付近に設置されたセンサ(図示せず)がこれを検知する。センサは、検知した結果をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に通知する。顔認証管理装置310は、センサからの検知結果を受信すると、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。
警戒設定は、例えば、戸160が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされた場合に有効にされる。警戒設定を有効にするための動作は、戸160の付近に設置された操作部180を操作することによってなされる。操作部180は、例えば、ボタンであり、ボタンが押し下げられることが警戒設定を有効にするための動作に相当する。また、権限者による操作の確認は、顔認証管理装置310において権限者に対する顔認証処理が成功することに相当する。
警戒設定を無効(解除)にするためには、例えば、警戒設定を無効にするための動作と、権限者による操作の確認が必要とされる。警戒設定を無効(解除)にするための動作は、戸160の付近に設置された操作部180のボタンを操作することによってなされる。警戒設定を有効にするためのボタンと、警戒設定を無効(解除)にするためのボタンとは別に設けられてもよい。ここでも、権限者による操作の確認は、顔認証管理装置310において権限者に対する顔認証処理が成功することに相当する。
前述のごとく戸160が自動ドアである場合、権限者がエリア100付近を通過すると、撮像部130が権限者の顔を撮像し、顔認証管理装置310において顔認証処理が成功することにより、戸160が開けられてしまう。このような状態で権限者が操作部180を操作しても、警戒設定が有効にされない。このような状況においても警戒設定を実行することが望まれる。
図1(b)は、顔認証管理装置310の構成を示す。顔認証管理装置310は、通信部320、制御部330、顔検出部340、顔情報記憶部350、顔認証部360、報知部370を含む。制御部330は指示部332を含む。通信部320は、ネットワーク400に接続するための通信インタフェースであり、ネットワーク400を介して図1の撮像部130、モニタ140、戸制御装置150、操作部180と通信可能である。また、通信部320は、警戒設定において使用されるセンサ(図示せず)、警報器(図示せず)、警備会社のサーバ(図示せず)にもネットワーク400を介して通信可能である。顔検出部340は、通信部320、制御部330を介して撮像部130から画像を受信する。また、顔検出部340は、顔情報記憶部350に記憶した顔検出情報を使用して、受信した画像から顔を検出する。顔検出部340は、検出された顔の領域を示す情報、あるいは検出された顔の特徴を示す情報を顔認証部360へ出力する。顔検出部340における顔検出は周期的になされる。
顔情報記憶部350は、顔を含む画像から、当該顔を検出するための顔検出情報を記憶する。顔検出情報は、例えば、多数の顔画像のサンプルから得られた顔のガボール特徴量、目や口等の各顔部品の画像パターン等の顔画像の特徴を表す。また、顔情報記憶部350は、検出された顔が、権限者の顔であるか否かを判定するために参照すべき顔参照情報を、権限者の顔毎に当該権限者の顔用識別情報と対応づけて記憶する。顔参照情報は、例えば、顔の幅と左右の目尻の間の距離と左右の口角の間の距離との比率等の顔の特徴を示す。さらに、顔情報記憶部350は、顔用識別情報に対応した権限者が進入を許可されたエリア100を示す許可エリア情報も記憶する。許可エリア情報では、権限者が進入を許可されたエリア100として、例えば、第1エリア100aが示される。顔情報記憶部350に記憶される情報は、例えば、顔認証管理装置310が備えるモニタ、キーボード、およびマウス等のユーザインタフェース(図示せず)を介して管理者により設定されてもよいし、外部の装置(図示せず)から遠隔で設定されてもよい。
顔認証部360は、顔情報記憶部350の顔参照情報を使用して、顔検出部340により検出された顔に対して顔認証処理を実行する。ここで、入口に人が長時間立ち止まっているような場合において、顔認証処理が複数回なされてもよい。顔認証部360は、顔認証処理が成功した場合、そのときの顔参照情報に対応する権限者の顔用識別情報を特定する。顔認証部360は、顔認証処理の結果を制御部330に出力する。顔認証処理の結果が成功である場合、顔認証部360は、特定した顔用識別情報も制御部330に出力する。
制御部330は、顔認証部360からの顔認証処理の結果が成功を示す場合、戸160の開放および解錠の少なくとも1つを指示する制御情報を通信部220からモニタ140と戸制御装置150に送信する。制御情報おいて、戸160の閉鎖および施錠の少なくとも1つが指示されてもよい。一方、制御部330は、顔認証部360からの顔認証処理の結果が失敗を示す場合、戸160の一定期間の閉鎖を指示する制御情報を通信部220からモニタ140と戸制御装置150に送信する。つまり、制御部330は、所定のエリア100の入口に設けられた戸160の開放、解錠、閉鎖、施錠の少なくとも1つを制御する。
また、制御部330は、顔認証部360からの顔認証処理の結果が成功を示す場合に、顔認証部360から受けつけた顔用識別情報をもとに、施設の内部に存在する権限者を管理してもよい。さらに、制御部330は、通信部320経由で戸制御装置150と通信することにより、戸160の状態を取得し、戸160の状態を管理してもよい。戸160の状態とは、戸160の開放、解錠、閉鎖、施錠を示す。
報知部370は、制御部330において決定された制御内容を取得し、制御内容がメッセージとして示された画面を生成する。報知部370は、生成した画面を通信部320、ネットワーク400経由で図1のモニタ140に表示させることによって、制御内容を報知する。
本実施例に係る警戒設定を有効にするための処理は、(1)第1パターン、(2)第2パターン、(3)第3パターンのいずれかでなされる。以下では、当該処理を(1)第1パターン、(2)第2パターン、(3)第3パターンの順に説明する。
(1)第1パターン
ここでは、第1パターンを説明するために、図2(a)−(g)も使用する。図2(a)−(g)は、管理システム1000による動作の第1パターンを示す。図2(a)−(e)はモニタ140に表示される画面を示す。図2(f)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図2(g)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1において、戸160は閉じており、警戒設定を有効にしたい権限者が撮像部130の前を通ることによって、撮像部130は権限者の顔を撮像する。顔認証管理装置310の顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合、エリア100の入口に設けられた戸160に対する制御を実行する。ここでは、時間T2において戸160が開けられる。
戸160が開けられた状態の時間T3において、図2(a)に示された操作部180を権限者が操作することによって、操作部180は、エリア100の警戒設定を有効にするための操作(以下、「有効操作」という)を受けつける。操作部180は、有効操作をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に通知する。顔認証管理装置310の通信部320は、操作部180からの有効操作を受信する。制御部330は、操作部180が有効操作を受けつけた場合を認証停止条件として予め規定しており、通信部320から有効操作を受けつけると、認証停止条件を満たしていると判定する。制御部330は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。その結果、時間T3から顔認証処理がなされなくなる。顔認証処理の停止は、開いた戸160が閉じる時間T4まで継続される。その間、図2(b)に示される画面がモニタ140に表示される。
時間T4において、戸160が閉じられる。制御部330は、戸制御装置150からの通知を受けつけると、顔認証処理を再開する。その結果、撮像部130は権限者の顔を撮像し、顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合であっても、通信部320から有効操作を受けつけていれば、前述の戸160に対する制御を実行しない。一方、指示部332は、顔認証部360が顔認証処理を完了し、かつ操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を警戒設定条件として予め規定する。指示部332は、時間T3において有効操作を受けつけ、かつ時間T4において顔認証処理が完了したので、警戒設定条件を満たしていると判定する。時間T5において指示部332は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。これに続いて、指示部332は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。その際、図2(d)に示される画面がモニタ140に表示される。
戸制御装置150は、時間T5において顔認証管理装置310から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に送信する。顔認証管理装置310の通信部320が、センサからの検知結果を受信すると、制御部330は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。また、制御部330は、エリア100の警戒設定が有効である場合、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。警戒設定が有効である場合、図2(e)に示される画面がモニタ140に表示される。
(2)第2パターン
ここでは、第2パターンを説明するために、図3(a)−(f)も使用する。図3(a)−(f)は、管理システム1000による動作の第2パターンを示す。図3(a)−(d)はモニタ140に表示される画面を示す。図3(e)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図3(f)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1から時間T4までの処理は、第1パターンと同一である。そのため、図3(a)−(b)は、図2(a)−(b)と同一である。時間T4において、戸160が閉じられる。制御部330は、戸制御装置150からの通知を受けつける。指示部332は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を警戒設定条件として予め規定する。指示部332は、時間T1において顔認証処理が完了し、かつ時間T3において有効操作を受けつけており、時間T1と時間T3との時間差が所定期間内であれば、警戒設定条件を満たしていると判定する。これは、時間T1と時間T3との時間差が所定期間内であれば、第1パターンのように有効操作を受けつけた後に顔認証処理を改めて実行するのではなく、有効操作を受けつける前になされた顔認証処理を使用することに相当する。時間T4において指示部332は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。これに続いて、指示部332は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。その際、図3(c)に示される画面がモニタ140に表示される。
戸制御装置150は、時間T4において顔認証管理装置310から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定の実行については第1パターンと同一であるので、ここでは説明を省略する。警戒設定が有効である場合、図3(d)に示される画面がモニタ140に表示される。
(3)第3パターン
ここでは、第3パターンを説明するために、図4(a)−(d)も使用する。図4(a)−(d)は、管理システム1000による動作の第3パターンを示す。図4(a)−(b)はモニタ140に表示される画面を示す。図4(c)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図4(d)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。第3パターンにおける警戒設定条件は、これまでとは異なり、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合と規定される。
時間T1において、図4(a)に示された操作部180を権限者が操作することによって、操作部180は有効操作を受けつける。操作部180は、有効操作をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に通知する。顔認証管理装置310の通信部320は、操作部180からの有効操作を受信する。指示部332は、通信部320から有効操作を受けつけると、警戒設定条件を満たしていると判定する。時間T2において指示部332は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。これに続いて、指示部332は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。
戸制御装置150は、時間T2において顔認証管理装置310から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。また、制御部330は、エリア100の警戒設定が有効である場合、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。警戒設定が有効である場合、図4(b)に示される画面がモニタ140に表示される。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
本実施例によれば、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させるので、顔認証処理を停止できる。また、認証停止条件を満たす場合に顔認証処理が停止されるので、顔認証処理を適切に実行できる。また、認証停止条件は、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含むので、顔認証処理を適切に停止できる。また、認証停止条件は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含むので、顔認証処理を適切に停止できる。
また、警戒設定条件を満たす場合、所定エリアの警戒設定を指示するので、警戒設定を適切に実行できる。また、警戒設定条件は、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含むので、警戒設定を適切に実行できる。また、警戒設定条件は、顔認証部360が顔認証処理を完了し、かつ操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含むので、警戒設定を適切に実行できる。また、警戒設定条件は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含むので、警戒設定を適切に実行できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の顔認証システム(300)は、撮像部(130)が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する顔認証部(360)と、撮像部(130)と顔認証部(360)の少なくとも1つを制御する制御部(330)とを備える。制御部(330)は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部(130)と顔認証部(360)の少なくとも1つを停止させる。
認証停止条件は、撮像部(130)からの画像に所定の表情の顔が含まれる場合を含んでもよい。
所定エリアの警戒設定を有効にするための操作を受けつける操作部(180)をさらに備えてもよい。認証停止条件は、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含んでもよい。
認証停止条件は、顔認証部(360)が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含んでもよい。
本開示の別の態様もまた、顔認証システム(300)である。この顔認証システム(300)は、撮像部(130)が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する顔認証部(360)と、顔認証部(360)における顔認証処理の結果をもとに、所定エリアの入口に設けられた戸に対する制御を実行する制御部(330)と、警戒設定条件を満たす場合、所定エリアの警戒設定を指示する指示部(332)と、を備える。
所定エリアの警戒設定を有効にするための操作を受けつける操作部(180)をさらに備えてもよい。警戒設定条件は、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含んでもよい。
警戒設定条件は、顔認証部(360)が顔認証処理を完了し、かつ操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含んでもよい。
警戒設定条件は、顔認証部(360)が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合を含んでもよい。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、施設における所定のエリアへの人の進入、あるいは当該エリアからの人の退出を管理する管理システムに関する。実施例1では、認証の一例として顔認証処理が実行される。実施例2では、顔認証処理に加えて、IC(Integrated Circuit)カードを使用した認証(以下、「ID認証処理」という)も実行する。
ID認証処理では、権限者に割り当てられた識別情報(以下、「カード用識別情報」という)を保持したICカードが当該権限者に予め渡される。権限者は、エリアの入口に到着すると、エリアの入口に設置されたカードリーダにICカードを近づける。カードリーダがICカードからカード用識別情報を取得すると、管理システムは、取得したカード用識別情報をもとに、その人が権限者であるか否かを判定する。管理システムは、ID認証処理の結果に応じて、入口に設けられた戸の開閉状態あるいは施解錠状態を制御する。
実施例2において、警戒設定は、例えば、戸が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされた場合に有効にされる。具体的に説明すると、戸が閉じている状態において、権限者が警戒設定を有効にするためのボタンを押し下げ、かつ権限者に対するID認証処理が成功した場合に警戒設定が有効にされる。一方、警戒設定を無効(解除)にするためには、警戒設定を無効にするための動作と、権限者による操作の確認が必要とされる。
戸が自動ドアである場合、権限者が入口付近を通過すると顔認証処理が成功することにより、戸が開けられてしまう。これにより、権限者は警戒設定を有効にできなくなる。これに対応するために、本実施例でも、警戒設定を有効にするための動作を受けつけると、戸を開けるための顔認証処理を停止させることにより、戸が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされる。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
図5(a)−(b)、特に図5(a)は、管理システム1000の構成を示す。第1エリア100aから第Nエリア100nは、図1(a)と同様に施設に設けられる。各エリア100には、カードリーダ110、撮像部130、モニタ140、操作部180、戸制御装置150、戸160が設置される。
管理システム1000は、入退管理システム200、顔認証システム300を含む。また、入退管理システム200は、カードリーダ110、操作部180、入退管理装置210を含み、顔認証システム300は、撮像部130、モニタ140、顔認証管理装置310を含む。入退管理装置210と顔認証管理装置310と、各エリア100のカードリーダ110、撮像部130、モニタ140、戸制御装置150、操作部180はネットワーク400により通信可能に接続される。
管理システム1000における認証処理の別の一例はID認証処理であり、ID認証処理の結果をもとに、その人がエリア100への進入権限を有する権限者であるか否かが判定される。人はICカード120を保持しており、ICカード120には、権限者に割り当てられた文字列等のカード用識別情報が記憶される。
ICカード120は、戸160の付近に設置されたカードリーダ110に近づけられた場合、カードリーダ110に対してカード用識別情報を無線により送信する。ICカード120が非接触型ICカードである場合、ICカード120は、カードリーダ110との間で電磁誘導方式によりカード用識別情報を無線送信する。この場合、カードリーダ110とICカード120との通信距離は、約2mmから約70cmである。カードリーダ110は、ICカード操作が行われた場合にのみ、ICカード120からカード用識別情報を取得する。カードリーダ110は、取得したカード用識別情報をネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。その際、カードリーダ110は、カードリーダ110が設置されたエリア100を識別する情報(以下、「エリア情報」という)もネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。
入退管理装置210は、カードリーダ110からカード用識別情報を受信し、カード用識別情報をもとにID認証処理を実行する。ID認証処理とは、カード用認証情報をもとに、その人がエリア100への進入権限を有する権限者であるか否かを判定する処理である。入退管理装置210は、ID認証処理の結果をもとに、戸160に対する制御内容を決定する。制御内容は、例えば、戸160を開放させることであったり、戸160を閉鎖させることであったりする。また、制御内容は、戸160に設けられた電子錠を解錠させることであったり、施錠させることであったりしてもよい。入退管理装置210は制御内容を制御情報としてネットワーク400経由でモニタ140と戸制御装置150に送信する。
前述のごとく、顔認証管理装置310は、戸160の付近に設置された撮像部130において撮像された画像に対して、画像に含まれる人の顔に対する顔認証処理を実行する。顔認証管理装置310は、顔認証処理の結果をもとに、戸160に対する制御内容を決定する。顔認証管理装置310は制御内容を制御情報としてネットワーク400経由でモニタ140と戸制御装置150に送信する。
戸160の付近に設置されたモニタ140は、入退管理装置210あるいは顔認証管理装置310からの制御情報を受信する。モニタ140は、制御情報における制御内容をメッセージとして表示する。ここで、戸160が開放されるか、戸160が開放されないかは、カードリーダ110に備えられたLED(Light Emitting Diode)が点灯することによって、エリア100への進入を希望する人、あるいはエリア100からの退出を希望する人に認識されてもよい。戸制御装置150は、入退管理装置210あるいは顔認証管理装置310から制御情報を受信し、受信された制御情報にしたがって、戸160の開閉、つまり開放あるいは閉鎖を制御する。
管理システム1000には、警戒設定というモードが予め用意されている。警戒設定は、例えば、戸160が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされた場合に有効にされる。実施例1において、警戒設定を有効にするための動作は、操作部180を操作することによってなされ、権限者による操作の確認は、顔認証管理装置310において権限者に対する顔認証処理が成功することに相当する。一方、実施例2において、警戒設定を有効にするための動作は、操作部180を操作することによってなされ、権限者による操作の確認は、入退管理装置210において権限者に対するID認証処理が成功することに相当する。警戒設定を無効(解除)にするための動作も同様である。
実施例1と同様に、戸160が自動ドアである場合、権限者がエリア100付近を通過すると、撮像部130が権限者の顔を撮像し、顔認証管理装置310において顔認証処理が成功することにより、戸160が開けられてしまう。このような状態で権限者が操作部180を操作しても、警戒設定が有効にされない。このような状況においても警戒設定を実行することが望まれる。
図5(b)は、入退管理装置210の構成を示す。入退管理装置210は、通信部220、制御部230、カード情報記憶部240、ID認証部250、記憶部260を含む。制御部230は、指示部232を含む。通信部220は、ネットワーク400に接続するための通信インタフェースであり、ネットワーク400を介して図1のカードリーダ110、戸制御装置150、操作部180、顔認証管理装置310と通信可能である。また、制御部230は、警戒設定において使用されるセンサ(図示せず)、警報器(図示せず)、警備会社のサーバ(図示せず)にもネットワーク400を介して通信可能である。
カード情報記憶部240は、カード用識別情報を記憶する。また、カード情報記憶部240は、カード用識別情報に対応した権限者が進入を許可されたエリア100を示す許可エリア情報も記憶する。許可エリア情報では、権限者が進入を許可されたエリア100として、例えば、第1エリア100aが示される。カード情報記憶部240に記憶される情報は、例えば、カード情報記憶部240が備えるモニタ、キーボード、およびマウス等のユーザインタフェース(図示せず)を介して管理者により設定されてもよいし、外部の装置(図示せず)から遠隔で設定されてもよい。
ID認証部250は、通信部220を介してカードリーダ110からカード用識別情報を受信する。ID認証部250は、受信したカード用識別情報をもとに、入口に位置する人に対するID認証処理を実行する。具体的に説明すると、ID認証部250は、カード情報記憶部240に記憶された複数のカード用識別情報のうちのいずれかに、受信したカード用識別情報が一致するか否かを判定する。これは、ICカード120(非接触ID装置)に対するID認証処理を実行することに相当する。ID認証部250は、通信部220を介してカードリーダ110からエリア情報も受信し、受信したエリア情報もID認証処理に使用してもよい。ID認証部250は、ID認証処理が成功した場合に認証成功を制御部230に出力し、ID認証処理が失敗した場合に認証失敗を制御部230に出力する。
制御部230は、ID認証部250から認証成功を受けつけた場合、戸160の開放および解錠の少なくとも1つを指示する制御情報を通信部220からモニタ140と戸制御装置150に送信する。制御情報おいて、戸160の閉鎖および施錠の少なくとも1つが指示されてもよい。一方、制御部230は、ID認証部250から認証失敗を受けつけた場合、戸160の一定期間の閉鎖を指示する制御情報を通信部220からモニタ140と戸制御装置150に送信する。つまり、制御部230は、所定のエリア100の入口に設けられた戸160の開放、解錠、閉鎖、施錠の少なくとも1つを制御する。
また、制御部230は、ID認証部250からのID認証処理の結果が成功を示す場合に、ID認証部250から受けつけたカード用識別情報をもとに、施設の内部に存在する権限者を管理する。施設の内部に存在する権限者の情報は、通信部220を介して顔認証管理装置310との間で交換される。さらに、制御部230は、通信部220経由で戸制御装置150と通信することにより、戸160の状態を取得し、戸160の状態を管理する。戸160の状態とは、戸160の開放、解錠、閉鎖、施錠を示す。これらの管理された情報は記憶部260に記憶される。
本実施例に係る警戒設定を有効にするための処理は、(4)第4パターン、(5)第5パターンのいずれかでなされる。以下では、当該処理を(4)第4パターン、(5)第5パターンの順に説明する。
(4)第4パターン
ここでは、第4パターンを説明するために、図6(a)−(f)も使用する。図6(a)−(f)は、管理システム1000による動作の第4パターンを示す。図6(a)−(c)はモニタ140に表示される画面を示す。図6(d)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図6(e)は、入退管理システム200、特に入退管理装置210の動作を示す。図6(f)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1において、戸160は閉じており、警戒設定を有効にしたい権限者が撮像部130の前を通ることによって、撮像部130は権限者の顔を撮像する。顔認証管理装置310の顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。その間、モニタ140には、図6(a)に示される画面が表示される。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合、エリア100の入口に設けられた戸160に対する制御を実行する。ここでは、時間T2において戸160が開けられる。
戸160が開けられた状態の時間T3において、図5(a)に示されたカードリーダ110にICカード120を近づけることによって、入退管理装置210のID認証部250は、ICカード120に対してID認証処理を実行する。これに続いて時間T4において、図5(a)に示された操作部180を権限者が操作することによって、操作部180は、エリア100の警戒設定を有効にするための有効操作を受けつける。操作部180は、有効操作をネットワーク400経由で入退管理装置210に通知する。
入退管理装置210の通信部220は、操作部180からの有効操作を受信する。指示部232は、時間T3においてID認証処理が完了し、時間T4において有効操作を受けつけているが、戸160が開いているので、警戒設定条件を満たしていないと判定する。そのため、戸160が閉じられた時間T5になってから、指示部232は、警戒設定条件を満たしていると判定する。指示部232は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。指示部232は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。その際、図6(b)に示される画面がモニタ140に表示される。
一方、指示部232は、時間T4において、操作部180が有効操作を受けつけた場合、顔認証管理装置310においてなされる顔認証処理と画像の撮像の少なくとも1つを停止させるための情報(以下、「停止指示」という)を通信部220から顔認証管理装置310に送信する。顔認証管理装置310の通信部320は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、ネットワーク400を介して入退管理装置210から停止指示を受信する。制御部330は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、通信部320が停止指示を受信した場合を認証停止条件として予め規定しており、通信部320から停止指示を受けつけると、認証停止条件を満たしていると判定する。制御部330は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。その結果、時間T4から顔認証処理がなされなくなる。
時間T5において、戸160が閉じられる。前述のごとく、入退管理装置210の指示部232は、警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。戸制御装置150は、時間T5において入退管理装置210から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。入退管理装置210の通信部220が、センサからの検知結果を受信すると、制御部230は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。警戒設定が有効である場合、図6(c)に示される画面がモニタ140に表示される。
(5)第5パターン
ここでは、第5パターンを説明するために、図7(a)−(d)も使用する。図7(a)−(d)は、管理システム1000による動作の第5パターンを示す。図7(a)はモニタ140に表示される画面を示す。図7(b)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図7(c)は、入退管理システム200、特に入退管理装置210の動作を示す。図7(d)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
第5パターンは、第4パターンと比較して、顔認証管理装置310による顔認証処理がなされない。時間T1において、図5(a)に示されたカードリーダ110にICカード120を近づけることによって、入退管理装置210のID認証部250は、ICカード120に対してID認証処理を実行する。これに続いて時間T2において、図5(a)に示された操作部180を権限者が操作することによって、操作部180は、エリア100の警戒設定を有効にするための有効操作を受けつける。操作部180は、有効操作をネットワーク400経由で入退管理装置210に通知する。
入退管理装置210の通信部220は、操作部180からの有効操作を受信する。指示部232は、戸160が閉まっている状態において、時間T1においてID認証処理が完了し、時間T2において有効操作を受けつけたので、警戒設定条件を満たしていると判定する。指示部232は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。指示部232は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。
戸制御装置150は、時間T3において入退管理装置210から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。入退管理装置210の通信部220が、センサからの検知結果を受信すると、制御部230は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。警戒設定が有効である場合、図7(a)に示される画面がモニタ140に表示される。
一方、指示部232は、時間T2において、操作部180が有効操作を受けつけた場合、停止指示を通信部220から顔認証管理装置310に送信する。顔認証管理装置310の通信部320は、ネットワーク400を介して入退管理装置210から停止指示を受信する。制御部330は、通信部320が停止指示を受信した場合を認証停止条件として予め規定しており、通信部320から停止指示を受けつけると、認証停止条件を満たしていると判定する。制御部330は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。その結果、時間T2から顔認証処理がなされなくなる。
本実施例によれば、認証停止条件は、通信部320が停止指示を受信した場合を含むので、顔認証処理を適切に停止できる。また、認証停止条件は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、通信部320が所定の信号を受信した場合を含むので、顔認証処理を適切に停止できる。また、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合、顔認証管理装置310においてなされる顔認証処理と画像の撮像の少なくとも1つを停止させるための情報を顔認証管理装置310に送信するので、顔認証処理を適切に停止できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。外部と通信する通信部(320)をさらに備えてもよい。認証停止条件は、通信部(320)が所定の信号を受信した場合を含んでもよい。
認証停止条件は、顔認証部(360)が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、通信部(320)が所定の信号を受信した場合を含んでもよい。
本開示のさらに別の態様は、入退管理システム(200)である。この入退管理システム(200)は、非接触ID装置に対するID認証処理を実行するID認証部(250)と、ID認証部(250)におけるID認証処理の結果をもとに、所定エリアの入口に設けられた戸に対する制御を実行する制御部(230)と、所定エリアの警戒設定を有効にするための操作を受けつける操作部(180)と、撮像した画像をもとに顔認証処理を実行する顔認証システム(300)と通信する通信部(220)とを備える。通信部(220)は、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけた場合、顔認証システム(300)においてなされる顔認証処理と画像の撮像の少なくとも1つを停止させるための情報を顔認証システム(300)に送信する。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、施設における所定のエリアへの人の進入、あるいは当該エリアからの人の退出を管理する管理システムに関する。実施例3では、実施例2と同様に、顔認証処理とID認証処理とが実行される。実施例3においも、警戒設定は、例えば、戸が閉じている状態において、警戒設定を有効にするための動作と、権限者による操作の確認がなされた場合に有効にされる。しかしながら、権限者による操作の確認として、権限者に対する顔認証処理が成功した場合に警戒設定が有効にされる。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
以下では、本実施例に係る警戒設定を有効にするための処理として、(6)第6パターンを説明する。
(6)第6パターン
ここでは、第6パターンを説明するために、図8(a)−(d)も使用する。図8(a)−(d)は、管理システム1000による動作の第6パターンを示す。図8(a)はモニタ140に表示される画面を示す。図8(b)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図8(c)は、入退管理システム200、特に入退管理装置210の動作を示す。図8(d)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1において、図5(a)に示された操作部180を権限者が操作することによって、操作部180は、エリア100の警戒設定を有効にするための有効操作を受けつける。操作部180は、有効操作をネットワーク400経由で入退管理装置210に通知する。入退管理装置210の通信部220は、操作部180からの有効操作を受信する。指示部232は、通信部220が有効操作を受信すると、顔認証管理装置310に顔認証処理の実行を要求するための情報(以下、「要求信号」という)を通信部220から顔認証管理装置310に送信させる。
顔認証管理装置310の通信部320が要求信号を入退管理装置210から受信すると、制御部330は撮像部130に権限者の顔を撮像させる。時間T2において、顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。その間、モニタ140には、図8(a)に示される画面が表示される。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合、顔認証処理の完了を示す情報(以下、「完了信号」という)を通信部320から入退管理装置210に送信させる。
時間T3において、入退管理装置210の通信部220は、完了信号を顔認証管理装置310から受信する。指示部232は、戸160が閉まっている状態において、時間T1において有効操作を受けつけ、時間T3において顔認証処理の完了を示す情報を顔認証管理装置310から受信したので、警戒設定条件を満たしていると判定する。指示部232は、警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。指示部232は、エリア100の警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。
戸制御装置150は、入退管理装置210から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。入退管理装置210の通信部220が、センサからの検知結果を受信すると、制御部230は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。
本実施例によれば、操作部180が警戒設定を有効にするための操作を受けつけると、顔認証管理装置310に要求信号を送信するので、顔認証処理を適切に実行させることができる。また、完了信号を受信すれば警戒設定を指示するので、警戒設定を適切に実行できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のさらに別の態様もまた、入退管理システム(200)である。この入退管理システム(200)は、非接触ID装置に対するID認証処理を実行するID認証部(250)と、ID認証部(250)におけるID認証処理の結果をもとに、所定エリアの入口に設けられた戸に対する制御を実行する制御部(230)と、所定エリアの警戒設定を有効にするための操作を受けつける操作部(180)と、撮像した画像をもとに顔認証処理を実行する顔認証システム(300)と通信する通信部(220)と、操作部(180)が警戒設定を有効にするための操作を受けつけ、かつ通信部(220)が顔認証処理の完了を示す情報を顔認証システム(300)から受信した場合、所定エリアの警戒設定を指示する指示部(232)と、を備える。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、施設における所定のエリアへの人の進入、あるいは当該エリアからの人の退出を管理する管理システムに関する。実施例4では、実施例2、3と同様に、顔認証処理とID認証処理とが実行される。実施例4における警戒設定は、例えば、戸が閉じている状態において、施設の内部に存在する権限者がいなく、かつ権限者に対する顔認証処理が成功した場合に有効にされる。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
本実施例に係る警戒設定を有効にするための処理は、(7)第7パターン、(8)第8パターンのいずれかでなされる。以下では、当該処理を(7)第7パターン、(8)第8パターンの順に説明する。
(7)第7パターン
ここでは、第7パターンを説明するために、図9(a)−(d)も使用する。図9(a)−(d)は、管理システム1000による動作の第7パターンを示す。図9(a)は警戒設定の設定内容を示し、ハイレベルが有効を示し、ローレベルが無効を示す。図9(b)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。図9(c)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図9(d)は、入退管理システム200、特に入退管理装置210の動作を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1において、戸160は閉じており、警戒設定を有効にしたい権限者が撮像部130の前を通ることによって、撮像部130は権限者の顔を撮像する。顔認証管理装置310の顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合、エリア100の入口に設けられた戸160に対する制御を実行する。ここでは、時間T2において戸160が開けられる。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功することによって戸160を開けた場合に、顔認証処理の完了を示す情報(以下、「完了信号」という)を通信部320から入退管理装置210に送信させる。完了信号には、顔認証処理が成功した権限者に関する情報、例えば顔用識別情報が含まれる。
入退管理装置210の通信部220は、完了信号を顔認証管理装置310から受信する。制御部230は、完了信号に含まれた権限者に関する情報をもとに、施設の内部に存在する権限者の情報を更新する。更新により施設の内部に存在する権限者の情報がなくなった場合、制御部230は、最終退出者の退出と判定する。指示部232は、エリア100から最終退出者が退出し、かつ通信部220が顔認証処理の完了を示す情報を顔認証管理装置310から受信した場合を警戒設定条件として予め規定する。指示部232は、時間T3において警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。
一方、指示部232は、エリア100から最終退出者が退出した場合、停止指示を通信部220から顔認証管理装置310に送信する。顔認証管理装置310の通信部320は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、ネットワーク400を介して入退管理装置210から停止指示を受信する。制御部330は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、通信部320が停止指示を受信した場合を認証停止条件として予め規定しており、通信部320から停止指示を受けつけると、認証停止条件を満たしていると判定する。制御部330は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。その結果、時間T3から顔認証処理がなされなくなる。
時間T4において、入退管理装置210の指示部232は、警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。戸制御装置150は、時間T4において入退管理装置210から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で入退管理装置210に送信する。入退管理装置210の通信部220が、センサからの検知結果を受信すると、制御部230は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。
(8)第8パターン
ここでは、第8パターンを説明するために、図10(a)−(d)も使用する。図10(a)−(d)は、管理システム1000による動作の第8パターンを示す。図10(a)は警戒設定の設定内容を示し、ハイレベルが有効を示し、ローレベルが無効を示す。図10(b)は、戸160の動作を示し、ハイレベルが開放を示し、ローレベルが閉鎖を示す。図10(c)は、顔認証システム300、特に顔認証管理装置310の動作を示し、ハイレベルが顔認証処理の実行を示し、ローレベルが顔認証処理の非実行を示す。図10(d)は、入退管理システム200、特に入退管理装置210の動作を示す。これらにおいて横軸が時間を示す。
時間T1において、戸160は閉じており、警戒設定を有効にしたい権限者が撮像部130の前を通ることによって、撮像部130は権限者の顔を撮像する。顔認証管理装置310の顔認証部360は、撮像部130が撮像した顔を含む画像をもとに顔認証処理を実行する。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功した場合、エリア100の入口に設けられた戸160に対する制御を実行する。ここでは、時間T2において戸160が開けられる。制御部330は、顔認証部360における顔認証処理が成功することによって戸160を開けた場合に、完了信号を通信部320から入退管理装置210に送信させる。
入退管理装置210の通信部220は、完了信号を顔認証管理装置310から受信する。制御部230は、完了信号に含まれた権限者に関する情報をもとに、施設の内部に存在する権限者の情報を更新する。更新により施設の内部に存在する権限者の情報がなくなった場合、制御部230は、最終退出者の退出と判定する。指示部232は、エリア100から最終退出者が退出し、かつ通信部220が顔認証処理の完了を示す情報を顔認証管理装置310から受信した場合を警戒設定条件として予め規定する。指示部232は、時間T3において警戒設定条件を満たす場合、エリア100の警戒設定を有効にすることを決定する。指示部232は、警戒設定条件を満たすことを示す通知と、停止指示とを通信部220から顔認証管理装置310に送信する。
顔認証管理装置310の通信部320は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、ネットワーク400を介して入退管理装置210から停止指示を受信する。制御部330は、顔認証部360が顔認証処理を完了した後の所定期間内に、通信部320が停止指示を受信した場合を認証停止条件として予め規定しており、通信部320から停止指示を受けつけると、認証停止条件を満たしていると判定する。制御部330は、認証停止条件を満たす場合に、撮像部130と顔認証部360の少なくとも1つを停止させる。その結果、時間T4から顔認証処理がなされなくなる。
時間T4において、指示部332は、警戒設定の実行を戸制御装置150に指示する。戸制御装置150は、時間T4において入退管理装置210から警戒設定の実行を指示された場合、警戒設定を実行する。警戒設定を実行している間、戸制御装置150は、戸160が開けられようとようとすることをセンサ(図示せず)が検知した場合、検知結果をネットワーク400経由で顔認証管理装置310に送信する。顔認証管理装置310の通信部320が、センサからの検知結果を受信すると、制御部330は、警報器(図示せず)を鳴動させたり、警備会社に検知結果を連絡したりする。
本実施例によれば、所定エリアから最終退出者が退出し、かつ通信部220が完了信号を顔認証管理装置310から受信した場合、警戒設定を指示するので、警戒設定を適切に実行できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のさらに別の態様もまた、入退管理システム(200)である。この入退管理システム(200)は、非接触ID装置に対するID認証処理を実行するID認証部(250)と、ID認証部(250)におけるID認証処理の結果をもとに、所定エリアの入口に設けられた戸に対する制御を実行する制御部(230)と、撮像した画像をもとに顔認証処理を実行する顔認証システム(300)と通信する通信部(220)と、所定エリアから最終退出者が退出し、かつ通信部(220)が顔認証処理の完了を示す情報を顔認証システム(300)から受信した場合、所定エリアの警戒設定を指示する指示部(232)と、を備える。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1において、承認停止条件には、操作部180が有効操作を受けつけた場合を含む。しかしながらこれに限らず例えば、認証停止条件には、撮像部130からの画像に所定の表情の顔が含まれる場合を含んでいてもよい。本変形例によれば、操作部180に対する有効操作を不要にできる。