JP2021165528A - ブロックマット、ブロックマットの製造方法、および、護岸構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性を有するシートに複数のコンクリートブロックが固定されたブロックマットであって、前記シートが、前記コンクリートブロック側の基材シートと前記コンクリートブロックとは反対側の遮水シートとを備え、前記基材シートが多孔性シートであり、前記コンクリートブロック、前記基材シート、および、前記遮水シートが接着剤により一体化されている、ブロックマット。
【選択図】図2
Description
以上より、本願では、水の透過を抑制でき、かつ、硬化済みのコンクリートブロックを使用して、効率よく製造できるブロックマットを提供することを課題とする。
前記シートが、前記コンクリートブロック側の基材シートと前記コンクリートブロックとは反対側の遮水シートとを備え、
前記基材シートが多孔性シートであり、
前記コンクリートブロック、前記基材シート、および、前記遮水シートが接着剤により一体化されている、ブロックマットを開示する。
本開示のブロックマットは、可撓性を有するシートに複数のコンクリートブロックが固定されたブロックマットである。
図1は、ブロックマット100を概略的に示す平面図である。図2は図1に示したII−II線に沿ったブロックマット100の断面を概略的に示す断面図である。
コンクリートブロック20、20・・・としては、従来のブロックマットに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。コンクリートブロック20の大きさは特に限定されず、通常、平面視(図1に現れる面)における一辺が15cm以上50cm以下程度であり、高さが4cm以上30cm以下程度である。
また、コンクリートブロック20、20・・・の配列パターンは特に限定されない。ただし、ブロックマット100に可撓性を備えさせるため、隣接するコンクリートブロック20同士の間は5mm以上の隙間を設けることが好ましい。
シート10は可撓性を有する積層シートであって、後述する基材シート12と遮水シート14とを備えている。
シート10の大きさは特に限定されないが、通常、幅(図1の左右方向の長さ)は40cm以上2m以下であることが好ましく、長さ(図1の上下方向の長さ)は1m以上10m以下であることが好ましい。ブロックマット100を敷設する際に、ブロックマット10を吊り上げる器具を取り付ける(挟む)ためにシート10の長手方向両端部にはコンクリートブロック20、20・・・が備えられていない部分(挟み代)10a、10bが設けられていることが好ましい。挟み代10a、10bの幅Wa、Wbは、上記器具を取り付けられる大きさであれば特に限定されないが、例えば、400mm以上600mm以下とすることができる。
シート10は、コンクリートブロック20、20・・・側に基材シート12を備えている。基材シート12としては、多孔性のシートであって、後に説明する接着剤を一方の面から他方の面に浸透させることができるシートであって、かつ、基材として所定の強度を有するシートであれば、特に限定されず使用可能である。基材シート12としては、例えば、織布または不織布を用いることができる。
また、不織布としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリウレタン等の合成繊維による短繊維などを含む不織布を用いることができる。ポリプロピレン又はポリエチレンが耐薬品性に優れていることから好ましい。地盤改良材等にアルカリ性の物質が含まれていることがあるからである。
3.3dtex以上6.0dtex未満の繊度の細かい繊維を用いることで、低目付け量であっても繊維同士が絡み合いやすく不織布が透けて見えるのを防止し、費用の低減が図れる。
6.0dtex以上、好ましくは10.0dtex以上の繊度の太い繊維を用いることで、繊維が起立しやすく、起立した繊維と繊維の間に接着剤が入り込むことにより、コンクリートブロックと基材シートとの接着性を高めることができる。6.0dtex以上の繊度の太い繊維の混合率は15重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。
シート10は、コンクリートブロック20、20・・・とは反対側に遮水シート14を備えている。シート10が遮水シート14を備えていることによって、ブロックマット100を法面等に敷設したとき、該法面等に浸水することを抑制できる。
一方、遮水シート14を構成する樹脂の目付量を500g/m2以下とすることによって、必要以上にシート10が厚くなることによるブロックマット100の質量増加を防ぐことができる。
遮水シート14の厚さは特に限定されないが、例えば、厚さが0.15mm以上2.0mm以下となるように構成することが好ましい。
さらに、遮水シート14は基材シート12側の面に厚さ1.0mm〜10.0mm程度の保護層を設けてもよい。保護層は、フィルム、シート、織布、不織布等から選択でき、特に不織布が好ましく用いられる。
本開示のブロックマット100において、コンクリートブロック20、20・・・、基材シート12、および、遮水シート14は、接着剤により一体化されている。よって、図2において、コンクリートブロック20、20・・・と基材シート12との間、および、基材シート12と遮水シート14との間には、不図示の接着剤からなる接着層が存在している。
接着剤は、接着性樹脂とフィラーとを含むことが好ましい。接着性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いたもの、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂等の熱可塑性樹脂を用いたものや、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等合成ゴムを用いたもの等を用いることができる。中でも、強度及び硬化性の優れたエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
接着剤は、上記接着性樹脂の他に、フィラーを含んでいることが好ましい。フィラーを含むことにより、コンクリートブロック20、20・・・とシート10との接着強度を向上できる。フィラーとしては、無機フィラーを用いることが好ましく、例えば、炭酸カルシウム、珪砂、珪石粉を挙げることができる。中でも、フィラーとしては、接着強度を向上する点からは、炭酸カルシウム、珪砂を用いることが好ましく、接着剤の流動性(取り扱性)の点からは、珪砂を用いることが好ましい。
接着層を形成する接着剤は、上記した接着性樹脂およびフィラーを含んでなることが好ましく、その粘度(23℃)は、50mPa・s以上、100,000mPa・s未満であり、より好ましくは、50mPa・s以上、10,000mPa・s未満であり、さらに好ましくは、50mPa・s以上、5,000mPa・s未満である。粘度がこの範囲であれば、流動性が良く、コンクリートへの塗布作業時の作業性が向上する。
また、接着剤の粘度が小さすぎると、コンクリート上に塗布した場合に流れてしまい、塗布量を確保できない場合がある、その点から、粘度の下限は、500mPa・s以上が好ましく、1,000mPa・s以上がより好ましい。なお、前記接着剤の粘度は、主剤と硬化剤とを混合したものを23℃で、B型粘度計にて測定した値を示す。
上記した接着層により、コンクリートブロック、基材シートおよび遮水シートが一体化され形成されたブロックマットにおいて、コンクリートブロックと基材シートとの間における、接着後5時間経過後の剥離強度は、30N/50mm以上が好ましく、50N/50mm以上がより好ましく、100N/50mm以上がさらに好ましく、150N/50mm以上がさらに好ましく、200N/50mm以上がさらに好ましく、300N/50mm以上が特に好ましい。
本開示のブロックマットの製造方法は、遮水シート14、基材シート12、および、複数のコンクリートブロック20、20・・・を、接着剤を用いて一体化させることを特徴とする。本開示の製造方法では、既存の装置を使用して作製した硬化済みのコンクリートブロック20、20・・・を使用してブロックマット100を製造することができる。従来の硬化前のコンクリートブロックの一部を基材である不織布に含浸させて、コンクリートブロックと不織布とを一体化せる方法では、接着強度を発現させ、コンクリートが硬化するのに、数日の養生期間が必要となり、製造効率が悪かった。これに対して、本開示の方法では、数時間で接着剤により一体化が可能であるので、効率的に製造することが可能である。
接着剤塗布工程では、複数のコンクリートブロック20、20・・・の底面に接着剤が塗布される。コンクリートブロック20、20・・・の底面とは、ブロックマット100を法面に設置した際において、法面側となるコンクリートブロック20、20・・・の面である。接着剤は、コンクリートブロック20、20・・・の底面の全面に塗布してもよいが、上記した所定の剥離強度が発揮されるのであれば、コンクリートブロック20、20・・・の底面の全面に塗布する必要はない。ただ、コンクリートブロック20、20・・・を強固に接着する点から、各コンクリートブロック20、20・・・の底面の四隅に接着剤を塗布して、該四隅に接着層を形成することが好ましい。
底面に接着剤を塗布した複数のコンクリートブロック20、20・・・を、底面を上にして並べて、該底面の上に基材シート12が設置される。基材シート12は多孔性シートであるので、接着剤は該基材シート12に含浸して、コンクリートブロック20、20・・・側の面とは反対の面に染み出す。
上記で設置した基材シート12の上に、遮水シート14を設置する。基材シート12および遮水シート14は同一形状であることが好ましく、両者が接着することにより、シート10が形成される。
その後、コンクリートブロック20、20・・・、基材シート12、および、遮水シート14が密着するように、図2紙面の上下方向に所望により加圧することで、これらを接着させることができる。接着強度が発現するための養生時間は、下限が3時間以上が好ましく、4時間以上がより好ましく、上限は10時間以下とすることが好ましく、8時間以下とすることがより好ましい。このように、本開示の方法では比較的短時間にて接着させることが可能である。なお、養生時間の間において、加圧し続けることが好ましい。
本開示のブロックマット100は、河川の水流に対して法面を保護するために使用することができる。法面は、堤外地側法面であっても、堤内地側法面であってもいずれでもよい。なお、「堤外地側」とは、河川側(川表側)を意味し、「堤内地側」とは、市街地側(川裏側)を意味する。
(不織布)不織布は、目付け量125g/m2のポリエステル80wt%と低密度ポリエステル20wt%からなるニードルパンチ製法により得られた厚み3mmの不織布(繊度が3.3〜4.4dtexの繊維70wt%と繊度が6.6dtexの繊維30wt%とからなる混合繊維)を用いた。
(接着剤2)サンユレック社製エポキシ接着剤(サンユボンドA418)に100重量部に対して、フィラーとして7号珪砂を100質量部含有したもの
(接着剤3)サンユレック社製エポキシ接着剤(サンユボンドA418)に100重量部に対して、フィラーとして7号珪砂を150質量部含有したもの
(接着剤4)サンユレック社製エポキシ接着剤(サンユボンドA418)にフィラーを含まないもの。
(粘度、流動性)
B型粘度計を用いて23℃における上記接着剤の粘度を測定した。
また、上記測定した粘度に基づいて接着剤の流動性を以下の基準で評価した。
◎:粘度が50mPa・s以上、5,000mPa・s未満
○:粘度が5,000mPa・s以上、10,000mPa・s未満
△:粘度が10,000mPa・s以上、100,000mPa・s未満
×:粘度が100,000mPa・s以上、または、50mPa・s未満
JIS Z 0237(2009)に準拠して、コンクリートブロックと基材シートとの間の180度剥離強度について以下の基準で評価した。
◎:剥離強度が200N/50mm以上
〇:剥離強度が30N/50mm以上、200N/50mm未満
×:剥離強度が30N/50mm未満
250mm×250mmのコンクリート歩道版(ケレンなし)を準備し、接着剤1を表1に記載の塗布量でコンクリート歩道版に塗布した。その上に、幅50mm、長さ250mmの不織布を、5枚を並べて貼り合せ、さらにその上に厚さ0.4mm、幅50mm、長さ250mmのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)シートを不織布と同方向に貼り合わせた。これを50℃のオーブンに入れ、5時間経過した後の180度剥離試験の数値を剥離強度とした。結果を表1に示す。
接着剤1を接着剤2に変更し、表1に記載した塗布量とした以外は実施例1と同様にして剥離強度を測定した。
接着剤1を接着剤3に変更し、表1に記載した塗布量とした以外は実施例1と同様にして剥離強度を測定した。
接着剤3の塗布量を表1のように変更した以外は実施例3と同様にして剥離強度を測定した。
接着剤1を接着剤4に変更し、表1に記載した塗布量とした以外は実施例1と同様にして剥離強度を測定した。
12:基材シート
14:遮水シート
20:コンクリートブロック
100:ブロックマット
200:護岸構造
Claims (10)
- 可撓性を有するシートに複数のコンクリートブロックが固定されたブロックマットであって、
前記シートが、前記コンクリートブロック側の基材シートと前記コンクリートブロックとは反対側の遮水シートとを備え、
前記基材シートが多孔性シートであり、
前記コンクリートブロック、前記基材シート、および、前記遮水シートが接着剤により一体化されている、ブロックマット。 - 前記コンクリートブロックと前記基材シートとの間、および、前記基材シートと前記遮水シートとの間に、前記接着剤からなる接着層を備える、請求項1に記載のブロックマット。
- 前記接着剤の23℃における粘度が、50mPa・s以上、100,000mPa・s未満である、請求項1または2に記載のブロックマット。
- 前記接着剤が、接着性樹脂およびフィラーを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のブロックマット。
- 前記フィラーの含有量が、接着性樹脂100質量部に対して、1〜450質量部である、請求項4に記載のブロックマット。
- 前記コンクリートブロックと前記基材シートとの間の剥離強度が、30N/50mm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のブロックマット。
- 前記遮水シートにおける、基材シート側とは反対側に、凹凸が形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載のブロックマット。
- 遮水シートと基材シートと複数のコンクリートブロックとを、接着剤を用いて一体化させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のブロックマットの製造方法。
- 複数のコンクリートブロックの底面に接着剤を塗布する工程、前記コンクリートブロックの接着剤を塗布した面に前記基材シートを設置する工程、前記基材シートにおける前記コンクリートブロックを設置した面とは反対側に前記遮水シートを設置する工程、および、前記コンクリートブロックと前記基材シートと前記遮水シートとを接着する工程、を備える、請求項8に記載のブロックマットの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のブロックマットが敷設された護岸構造。
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C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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