JP2021161246A - 多孔質セルロースビーズの製造方法 - Google Patents

多孔質セルロースビーズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】毒性・腐食性の高い副原料を使わず、工業的に不利である煩雑な工程を経ることなく簡便に、抗体吸着に適したセルロースビーズを製造する方法を提供する。【解決手段】(a)−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程、(b)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程、(c)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程、(d)前記エマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程、(e)析出したセルロースビーズを架橋する工程を含み、前記工程(a)の水酸化ナトリウム/水酸化リチウムのモル比が0.3/0.7〜0.8/0.2であることを特徴とする、多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質セルロースビーズを製造するための方法に関する。
多孔質セルロースビーズは、他の合成系高分子を用いる場合に比べて安全性が高く、非特異的吸着が少ないという利点があり、多孔質セルロースビーズは、各種クロマトグラフィー用吸着体やアフィニティー吸着体などの各種吸着体用の基材として用いられている。特に、アフィニティー吸着体は、効率よく目的物を精製でき、且つ不要物濃度を低減できることから、医療用吸着体や抗体医薬品精製用吸着体として利用されてきている。特に、リウマチ、血友病、拡張型心筋症の治療用吸着体または医療用吸着体として、プロテインAをアフィニティーリガンドとして多孔質担体に固定化した吸着体が注目されている(例えば非特許文献1、非特許文献2)。
多孔質セルロースビーズの製造は、セルロースの溶解が困難であるとされていたことから、通常の合成ポリマーと比べて煩雑な工程を含むものが多い。その一つとして、チオシアン酸カルシウム水溶液など腐食性や毒性が高く、設備化の難易度を高くしてしまう溶媒に溶解し、凝固する方法が開示されている(例えば特許文献1)。この方法で用いられるセルロース溶液が特異な挙動を示し、また、この方法で得られる多孔質セルロースビーズは、かなり大きい細孔を有しており、また細孔径分布も広いことが知られている(例えば非特許文献3)。よって、当該方法で得られた多孔質セルロースビーズを抗体などの吸着体として用いる場合、比表面積が小さいことから、高い吸着性能を示すことは期待できない。一方、セルロースの溶解性を上げるためにセルロースの水酸基に置換基を付与し、汎用の溶媒に溶解させて造粒を行い、造粒後に置換基を脱離させて多孔質セルロース系担体を得る方法が例示されている(例えば特許文献2)が、工程が煩雑であり、置換基を付与したり脱離させたりする過程で分子量の低下が起こり、近年求められている高速処理や大スケールで使用するのに適切な機械的強度が得られ難い傾向がある。
一方、セルロースを低温のアルカリ/尿素/水の混和溶液に溶解させる方法が報告されている(非特許文献4)。この溶解方法は環境負荷が低く、溶解工程も煩雑ではないので、種々の検討がなされている。
特表2009−242770号公報 国際公開WO2006/025371
Annals of the New York Academy of Sciences,Vol.1051,(2005),p.635−646 American Heart Journal,Vol.152,Number 4,(2006),p.712e1−712e6 Macromolecular Bioscience, vol.5, (2005), p.539−548 Journal of Chromatography,Vol.316,(1984),p.311−332
本発明は、毒性・腐食性の高い副原料を使わず、工業的に不利である煩雑な工程を経ることなく簡便に、効率良く、抗体吸着に適した細孔構造を有するセルロースビーズを開発することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液を用いることで、抗体吸着に最適な構造を持ったセルロースビーズを製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明の一態様は、(a)−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程、(b)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程、(c)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程、(d)前記エマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程、(e)析出したセルロースビーズを架橋する工程を含む多孔質架橋セルロースビーズの製造方法であり、前記工程(a)の水酸化ナトリウム/水酸化リチウムのモル比が0.3/0.7〜0.8/0.2であることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズの製造方法に関する。
本発明によれば、毒性・腐食性の高い副原料を使わず、工業的に不利である煩雑な工程を経ることなく簡便に、抗体吸着に適したセルロースビーズを製造することができる。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
〔1.本発明の概要〕
本発明の一実施形態に係る多孔質セルロースビーズの製造方法(以下、「本製造方法」と称する。)は、(a)−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程、(b)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程、(c)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程、(d)前記エマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程、(e)析出したセルロースビーズを架橋する工程を含む。低温の水酸化ナトリウム水溶液にセルロースを分散させ、凝固溶媒に接触させることにより、多孔質セルロースが得られることは、本出願人により開発済である(国際公開WO2012/121258など)。
理由は定かではないが、驚くべきことに、本発明者らは、単種のアルカリ性物質を使用するのではなく、複数のアルカリ性物質を併用することで抗体吸着に適した細孔を持つ架橋セルロースビーズを製造できることを初めて見出した。
以下、本製造方法の構成について詳説する。
〔2.多孔質セルロースビーズの製造方法〕
本製造方法は、下記の工程(a)および工程(b)を必須の工程として含む方法である。
・工程(a):−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程
・工程(b):前記工程(a)で調製したセルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程
・工程(c):前記工程(b)で調製したセルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程
・工程(d):前記工程(c)で作製したエマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程
・工程(e):前記工程(d)で析出させたセルロースビーズを架橋する工程
以下、本発明方法を工程ごとに説明する。
(工程(a))
本製造方法における工程(a)では、−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を作製する。
ここで水酸化ナトリウム/水酸化リチウムのモル比は0.3/0.7〜0.8/0.2であることが好ましい。さらに好ましくは、0.4/0.6〜0.7/0.3であり、より好ましくは、0.45/0.55〜0.65/0.35である。水酸化ナトリウムモル比が高くなりすぎると、細孔半径が抗体吸着にとって大きくなりすぎ、水酸化ナトリウムモル比が低くなりすぎると細孔半径が抗体吸着にとって小さくなる。
本発明の一実施形態において、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液中の水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの合計濃度は5重量%〜20重量%が好ましい。さらに好ましくは6重量%〜15重量%であり、より好ましくは7重量%〜12重量%である。上記濃度範囲であれば、セルロースを良好に溶解させることができる。
本発明の一実施形態において、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液の尿素濃度は10重量%〜20重量%であることが好ましい。さらに好ましくは11重量%〜18重量%であり、より好ましくは11重量%〜16重量%である。上記濃度範囲であれば、セルロースを良好に溶解させることができる。
本発明の本発明の一実施形態において、セルロース溶液のセルロース濃度は3重量%以上、9重量%以下であることが好ましい。上記濃度範囲であれば、セルロースを良好に溶解させることができる。
本発明の一実施形態において、用いるセルロース原料の分子量は特に制限されないが、重合度としては100〜1000であることが好ましい。さらに好ましくは、150〜900であり、より好ましくは200〜800である。セルロース分子量が上記範囲であれば、セルロースが溶解しやすい。
本発明の一実施形態において、セルロース溶液の温度は−5℃〜−20℃であることが好ましい。さらに好ましくは、−8℃〜−19℃であり、より好ましくは−10℃〜−17℃である。−5℃以上の温度であれば、セルロースが溶解しにくく、−20℃以下であれば、セルロース溶液が凍結してしまい、操作性が悪くなる。
(工程(b))
本製造方法における工程(b)では、工程(a)で調製したセルロース溶液を加温し、10℃〜40℃とする。さらに好ましくは、15℃〜30℃であり、より好ましくは20℃〜28℃である。加温温度が上記範囲であれば、セルロースが析出せず、また溶液粘性が高くならないので、好適に操作することができる。
(工程(c))
本製造方法における工程(c)では、工程(b)で調製したセルロース溶液を分散媒に分散させてエマルションを作製する。
本発明の一実施形態において、分散媒はセルロース溶液と混和しなければ特に制限されないが、例えば、炭化水素系溶媒、動植物油脂、水素添加動植物油脂、脂肪酸グリセリド、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒を挙げることができる。また、非イオン界面活性剤などの界面活性剤を分散媒に添加してもよい。
炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、デカン、流動パラフィンなどを挙げることができる。動植物油脂としては、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、豚脂、牛脂、ナタネ油、米油、落花生油、オリーブ油、コーン油、大豆油、シソ油、綿実油、ヒマワリ油、月見草油、ゴマ油、サフラワー油、ヤシ油、カカオ脂、パーム核油、魚油、ワカメ油、コンブ油などを挙げることができる。水素添加動植物油脂としては、パーム硬化油、パーム極度硬化油、ナタネ硬化油、ナタネ極度硬化油、大豆硬化油、豚脂硬化油、魚油硬化油などを挙げることができる。脂肪酸グリセリドとしては、トリ−、ジ−、モノ−グリセリドのいずれでもよく、ステアリングリセリド、パルミチングリセリド、ラウリングリセリドなどを挙げることができる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、米ぬかロウなどを挙げることができる。芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどを挙げることができる。
エマルション作製のために、さらに界面活性剤を分散媒に適量添加してもよい。界面活性剤としては、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリンポリリシノレート、デカグリセリンオレート、デカグリセリンステアレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができる。
本発明の一実施形態において、分散媒の使用量は特に限定されないが、工程(b)で調製したセルロース溶液を十分に分散できる量とすればよい。例えば、前記セルロース溶液に対して1体積倍〜10体積倍とすることができる。より好ましくは2体積倍〜8体積倍であり、より好ましくは4体積倍〜10体積倍である。前記範囲外の分散媒使用量となると廃液量が過剰に増えるおそれがあり得る。
エマルションは、常法により調製すればよい。例えば、前記セルロース溶液、分散媒および界面活性剤を含む混合液を激しく攪拌することにより調製することができる。
(工程(d))
本製造方法における工程(d)では、工程(c)で調製したエマルションに凝固溶媒を接触させて多孔質セルロースビーズを作製する。
凝固溶媒は、セルロース溶液に親和性を示すものであれば特に制限されないが、例えば、アルコール系溶媒、または水とアルコール系溶媒との混合溶媒を挙げることができる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールなどのC1-4アルコールを挙げることができる。水とアルコール系溶媒との混合溶媒における水とアルコール系溶媒の割合は、例えば、体積比で水:アルコール系溶媒=80:20〜1:99とすることができる。
本発明の一実施形態において、凝固方法は特に制限されないが、エマルションは不安定である場合があるので、液滴同士が結合しないよう激しく攪拌した状態で凝固溶媒を添加することが好ましい。
凝固溶媒を添加した後は、凝固した多孔質セルロースビーズを濾過や遠心分離などにより分離し、水やアルコールなどで洗浄すればよい。得られた多孔質セルロースビーズは、粒径を揃えるため、篩などを用いて分級してもよい。
(工程(e))
本製造方法における工程(e)では、工程(d)で作製したセルロースビーズに、架橋剤により架橋して多孔質架橋セルロースビーズを作製する。
架橋剤は、セルロース上の水酸基と共有結合を形成できる反応性基を2以上有し、セルロース分子間を架橋できるものをいう。本発明で用いることができる架橋多孔質セルロース粒子の架橋の条件や架橋剤に特に限定は無い。例えばWO2008/146906に記載の方法を用いることができる。この国際公報の全内容が、本願に参考のため援用される。
架橋剤としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、ジクロロヒドリンなどのハロヒドリン;2官能性ビスエポキシド(ビスオキシラン);多官能性ポリエポキシド(ポリオキシラン)を挙げることができる。架橋剤は、一種のみを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
多孔質セルロースビーズを架橋剤により架橋する反応の溶媒は適宜選択すればよいが、例えば、水の他、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒や、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒などの水混和性有機溶媒を挙げることができる。また、架橋反応溶媒は、2以上を混合して用いてもよい。
架橋反応は、複数回実施してもよく、各回で反応溶媒や架橋剤を変更してもよい。例えば、1回目の架橋反応を水混和性有機溶媒中で行い、最終回の架橋反応を水中で行ってもよい。この場合、途中の溶媒組成は、1回目と最終回のどちらかと同じであっても異なっていてもよく、それらの中間組成であってもよい。さらには全ての回を水溶媒中で実施してもよい。架橋剤についても同様である。なお、架橋反応を複数回繰り返す場合、各架橋反応の間では、架橋多孔質セルロースビーズを水などで洗浄して架橋剤を除去することが好ましい。
架橋反応を促進するために、反応液には塩基を添加してもよい。かかる塩基としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどアルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどアルカリ金属の炭酸塩;トリエチルアミンやピリジンなどの有機塩基を挙げることができる。
架橋反応後は、多孔質架橋セルロースビーズは不溶性であることから、水などの溶媒で洗浄すればよい。
本製造方法によると、高い生産性で、抗体吸着に優れた架橋多孔質セルロースビーズを得ることができる。
〔3.多孔質架橋セルロースビーズ〕
本発明の一実施形態に係る多孔質架橋セルロースビーズ(以下、「本ビーズ」と称する。)は粒子内空孔率が90%以上であり、細孔半径が35〜50nmであり、体積メジアン径が45〜70μmである。
本ビーズは、本製造方法により製造されるため、抗体吸着能に優れるという利点を有する。
本ビーズの体積メジアン径は、特に限定されないが、優れた動的抗体吸着能が達成されるという観点から、45〜70μmが好ましく、50〜65μmがより好ましく、55〜63μmがさらに好ましい。本ビーズの体積メジアン径は、実施例に記載の方法により測定される。
本ビーズの粒子内空孔率は、優れた動的抗体吸着能が達成されるという観点から、90%以上が好ましく、91%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましい。本ビーズの粒子内空孔率は、実施例に記載の方法により測定される。
本ビーズの細孔半径は、優れた動的抗体吸着能が達成されるという観点から、35〜50nmが好ましく、37〜48nmがより好ましく、40〜45nmがさらに好ましい。本ビーズの平均細孔半径は、実施例に記載の方法により測定される。
本ビーズは抗体を特異的に吸着させるために、プロテインAリガンドを結合させることができ、その結合条件やプロテインAリガンドに特に限定は無い。例えばWO2012/133349に記載の方法を用いることができる。この国際公報の全内容が、本願に参考のため援用される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下である。
<1>(a)−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程、
(b)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程、
(c)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程、
(d)前記エマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程、
(e)析出したセルロースビーズを架橋する工程を含むことを特徴とする、多孔質架橋セルロースビーズの製造方法であり、
前記工程(a)の水酸化ナトリウム/水酸化リチウムのモル比が0.3/0.7〜0.8/0.2であることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
<2>前記工程(a)の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液の尿素濃度が10重量%〜20重量%であることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
<3>前期セルロース溶液のセルロース濃度が3重量%以上、9重量%以下であることを特徴とする、多孔質架橋セルロースビーズ製造方法
<4>前記凝固溶媒が、アルコール系溶媒、または水とアルコール系溶媒との混合溶媒であることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
<5>粒子内空孔率が90%以上、細孔半径が35nm〜50nm、及び体積メジアン径が45μm〜70μmであることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズ。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔測定および評価方法〕
実施例、比較例および製造例における測定および評価を、以下の方法で行った。
(体積メジアン径)
本ビーズの体積メジアン径は、HORIBA製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950を用いて測定した。
(細孔半径)
本ビーズ22.8mLを蒸留水に分散させ、30分間脱気した。脱気した多孔質セルロースビーズをカラム(GEヘルスケア・ジャパン社製「Tricorn 10/300」)に充填した。島津製作所社製のサイズ排除クロマトグラフィーシステム(「DGU−20A3」、「RID−10A」、「LC−20AD」、「SIL−20AC」、「CTO−20AC」を含み、ソフトウェアとしては「LCSolution」を使用)を用いて測定を行った。
マーカーとしては、表1に示すデキストランまたはグルコースを、0.2M NaClを含む20mMリン酸バッファ(pH7.5)に溶解して用いた。
Figure 2021161246
カラムに0.2M NaClを含む20mMリン酸バッファ(pH7.5)を流速0.33mL/minで通液しながら、先ず、カラム中のビーズ部分以外の体積を求めるために、分子量4×107のデキストランの溶液を注入し、注入からRIモニターでピークが観測されるまでの通液量を求めた。分子量4×107のデキストランの溶液の濃度は10mg/mL、注入量は40μLとした。次いで、各マーカーの溶液でも同様に通液量を求めた。測定値を下記式に代入し、KDの値を算出した。
D=(VR−V0)/(Vt−V0
[式中、VRは各マーカー溶液を注入してからピークが観測されるまでの通液量(mL)を示し、V0は分子量4×107のデキストラン溶液を注入してからピークが観測されるまでの通液量(mL)を示し、Vtはカラム内のビーズ細孔の体積(mL)を示す。Vtは分子量180のマーカーより測定される。]
粒子内空孔率は(Vt−V0)/V0で表される。
Dの値より非特許文献4記載の下記式で細孔半径を算出した。
Figure 2021161246
は平均細孔半径を、sは標準偏差を示す。
(動的吸着量の測定)
(1) 溶液調製
下記A〜E液及び中和液を調製し、使用前に脱泡した。
A液: シグマ社製「Phosphate buffered saline」と蒸留水を用いてpH7.4のPBS緩衝液を調製した。
B液: 酢酸、酢酸ナトリウム、および蒸留水を用いてpH3.5の35mM酢酸ナトリウム水溶液を調製した。
C液: 酢酸と蒸留水を用いて1M酢酸水溶液を調製した。
D液: ポリクロナール抗体(「ガンマガード」バクスター社製)と前記A液を用いて濃度3mg/mLのIgG水溶液を調製した。
E液: 和光純薬社製の水酸化ナトリウムと塩化ナトリウムの濃度が、それぞれ0.1N水酸化ナトリウムと1M塩化ナトリウムとなる水溶液を作製し、アルカリ洗浄液とした。
中和液: トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと超純水で2Mのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液を調製した。
(2) 充填、準備
カラムクロマトグラフィー用装置としてAKTA Pure 150(GEヘルスケア社製)を用い、内径0.5cmのカラムに吸着体試料を3mL入れ、吸着体層高さを15cmとした。塩化ナトリウムと蒸留水から調製した0.2MのNaCl水溶液を流速3mL/分で10分間通液して吸着体をカラムに充填した。フラクションコレクターに15mLの採取用チューブをセットし、溶出液の採取用チューブにはあらかじめ中和液を入れておいた。
(3) IgG精製
前記カラムにA液を15mL通液し、次いでD液を必要量通液した。次いで、A液を12mL通液後、B液を12mL通液してIgGを溶出させた。次にC液を9mL、A液を15mL、E液を9mL、A液を15mL通液した。なお流速はD液以外は1mL/minとし、D液の流速は所定の滞留時間(RT)に合わせた。例えばRT4分の流速は0.75mL/minに調整した。
(4) 動的吸着量
IgGが5%破過するまでに吸着体に吸着したIgG量と吸着体体積からIgGの動的吸着量を求めた。当該動的吸着量を5%DBCという。
〔実施例1〕
(セルロース溶液の調製)
48.0wt%水酸化ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)水溶液30.2gと水酸化リチウム1水和物(キシダ化学株式会社製)15.4g、尿素(和光純薬株式会社製)57.5g、純水200gを混合、溶解させ10℃に保持し、アルカリ水溶液を作製した。粉末状のセルロース(日本製紙製、W200G)17gを80gの水に分散させ、前記アルカリ水溶液に添加した後、−12℃まで温度を下げ、セルロースを溶解させた。セルロース重量を除いた溶媒の水酸化ナトリウム濃度は3.8重量%、水酸化リチウム濃度は2.3重量%、尿素濃度は15重量%であり、水酸化ナトリウムモル量/水酸化リチウムモル量は0.5/0.5である。セルロース溶液を60分間、−12℃で保持した後、40℃に加温し30分間保持した。
(多孔質セルロースビーズの作製)
ハイコールK―230(流動パラフィン、カネダ株式会社製)234.5gとハイコールK―290(流動パラフィン、カネダ株式会社製)404.5g、PR−100(理研ビタミン製)9.8gを内径85 mmの円筒型容器に入れ、300rpmで攪拌し、40℃とし、上記セルロース溶液161gを添加、攪拌することでエマルションを作製した。攪拌は3段攪拌翼を用い、上から傾斜パドル、フラットタービン、ディスクタービンである。20分撹拌し、メタノール/純水体積比70/30の凝固溶媒を150 ml添加し、セルロースビーズを得た。得られたセルロースビーズはイソプロパノールで洗浄した後、水で洗浄した。
(セルロースビーズの分級)
得られた残りのセルロースビーズを櫛目開き38μmと櫛目開き90μmメッシュを用いて篩分けし、38μmから90μmの範囲のビーズを集めた。
(セルロースビーズの架橋)
分級後の多孔質セルロースビーズに含まれる液体部100mLをエタノールで置換した後、反応容器に移し、セルロース粒子とエタノールの合計量が125gとなるようにし、そこにエピクロロヒドリン80mLを添加した。溶液温度を40℃に調整し、1.8N NaOH水溶液(ナカライテスク社製水酸化ナトリウムと蒸留水で調製)を96mL添加し、架橋反応を開始させた。反応開始から1.5時間後に17.0N NaOH水溶液を9.6mL添加し、反応開始から3時間後と4.5時間後にも17.0N NaOH水溶液を9.6mL添加した。反応開始から6時間後にゲルを回収し、ビーズの20倍体積量以上の蒸留水で洗浄した。
上記架橋反応で得られた架橋セルロースビーズを反応容器に移し、セルロースビーズと蒸留水の合計量が116.7gとなるようにした。そこに硫酸ナトリウムを37.8g添加、溶解させた後、エピクロロヒドリンを33mL添加し、40℃で保持した。17.0N NaOH水溶液を21mL添加し、架橋反応を開始させ、反応開始から2.5時間後に17.0N NaOH水溶液を5mL添加した。反応開始から5時間後に粒子を回収し、粒子の20倍体積量以上の蒸留水で洗浄した。
(多孔質架橋セルロースビーズの分級)
得られた残りのセルロースビーズを櫛目開き38μmと櫛目開き75μmメッシュを用いて篩分けし、38μmから75μmの範囲のビーズを集めた。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は61μm、平均細孔半径は45.0nm、粒子内空孔率は98%だった。
〔実施例2〕
セルロース溶液調製時の加温温度と多孔質セルロースビーズの作製の温度を25℃にした以外は実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は60μm、平均細孔半径は38.4nm、粒子内空孔率は97%だった。
〔実施例3〕
セルロース溶液調製時の尿素濃度を11.5重量%以外は実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は60μm、平均細孔半径は41.9nm、粒子内空孔率は98%だった。
〔実施例4〕
48.0wt%水酸化ナトリウム水溶液45.3gと水酸化リチウム1水和物7.7g、尿素57.5g、純水200gを混合、溶解させ10℃に保持し、アルカリ水溶液を作製した。粉末状のセルロース17gを80gの水に分散させ、前記アルカリ水溶液に添加した後、−12℃まで温度を下げ、セルロースを溶解させた。セルロース重量を除いた溶媒の水酸化ナトリウム濃度は5.6重量%、水酸化リチウム濃度は1.1重量%、尿素濃度は15重量%であり、水酸化ナトリウムモル量/水酸化リチウムモル量は0.25/0.75である。セルロース溶液を60分間、−12℃で保持した後、40℃に加温し30分間保持した。それ以外は実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は60μm、平均細孔半径は39.9nm、粒子内空孔率は98%だった。
〔実施例5〕
多孔質セルロースビーズの作製時にメタノール/純水体積比45/55の凝固溶媒を150 ml添加した以外は、実施例4と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は62μm、平均細孔半径は40.7nm、粒子内空孔率は94%だった。
〔実施例6〕
多孔質セルロースビーズの作製時にセルロース量を14gとした以外は、実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は58μm、平均細孔半径は44.9nm、粒子内空孔率は97%だった。
〔比較例1〕
48.0wt%水酸化ナトリウム水溶液52.5g、尿素46.0gを混合、溶解させ10℃に保持し、アルカリ水溶液を作製した。粉末状のセルロース17gを283.5gの水に分散させ、前記アルカリ水溶液に添加した後、−12℃まで温度を下げ、セルロースを溶解させた。セルロース重量を除いた溶媒の水酸化ナトリウム濃度は6.7重量%、尿素濃度は12重量%である。セルロース溶液を60分間、−12℃で保持した後、40℃に加温し30分間保持した。それ以外は実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は60μm、平均細孔半径は51.2nm、粒子内空孔率は90%だった。
〔比較例2〕
水酸化リチウム1水和物31.0g、尿素57.5g、純水210gを混合、溶解させ10℃に保持し、アルカリ水溶液を作製した。粉末状のセルロース17gを80gの水に分散させ、前記アルカリ水溶液に添加した後、−12℃まで温度を下げ、セルロースを溶解させた。セルロース重量を除いた溶媒の水酸化リチウム濃度は4.7重量%、尿素濃度は15.2重量%である。それ以外は実施例2と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は58μm、平均細孔半径は28.0nm、粒子内空孔率は95%だった。
〔比較例3〕
水酸化リチウム1水和物31.5g、尿素46.0g、純水137.3gを混合、溶解させ10℃に保持し、アルカリ水溶液を作製した。粉末状のセルロース17gを170gの水に分散させ、前記アルカリ水溶液に添加した後、−12℃まで温度を下げ、セルロースを溶解させた。セルロース重量を除いた溶媒の水酸化リチウム濃度は4.7重量%、尿素濃度は12.0重量%である。セルロース溶液を60分間、−12℃で保持した後、40℃に加温し30分間保持した。それ以外は実施例1と同様の方法で、架橋セルロースビーズを得た。得られた架橋セルロースビーズの体積メジアン径は60μm、平均細孔半径は33.8nm、粒子内空孔率は98%だった。
〔試験例〕
実施例1から5、比較例1から2で得られた多孔質架橋セルロースビーズを下記方法で、プロテインAリガンドを結合させた。
(エポキシ開環処理)
得られた架橋ビーズと水の50%スラリーをオートクレーブにて121℃、60分間加熱することでエポキシ基を開環し、ジオール基とした。エポキシ基が無くなっていることは、フェノールフタレイン指示薬にて確認することができる。
(アルデヒド化反応)
クエン酸一水和物0.165gとクエン酸三ナトリウム二水和物0.0646gに水を加えて100mLとし、pH3.4のバッファーを作製した。
架橋後のセルロースビーズ3.5mLに対して上記バッファーを3倍量以上用いて液体部分を上記バッファーで置換し、更に上記バッファーを加えて総量を6.0mLとした。11.2mg/mLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を2.01mL投入し、25℃で35分間攪拌した。その後、#3のグラスフィルターにて濾過を行ない、蒸留水で濾液の電気伝導度が1μS/cm以下となるまで洗浄し、アルデヒド基含有ビーズを得た。洗浄濾液の電気伝導度は、導電率計(「ECTester10 Pure+」EUTECH INSTRUMENTS社製)で測定した。本反応条件にて、架橋多孔質セルロースビーズ1mLあたり約30μmolのアルデヒド基が導入される。
(プロテインA固定化反応)
<配向制御型アルカリ耐性プロテインAの調製>
WO2012/133349を参照して、配向制御型アルカリ耐性プロテインAとして、WO2012/133349に記載の改変Cドメイン5連結体を調製した。配向制御型アルカリ耐性プロテインAは、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する。なお、このWO2012/133349の全内容が、本願に参考のため援用される。以下、「プロテインA」を「PA」と略記する。
<イミノ化反応−PA仕込量が20mg/mLの場合>
クエン酸三ナトリウム二水和物2.941gに水を加えて100mLとし、pH8のバッファーを作製した。#3のグラスフィルター上でアルデヒド基含有ビーズの全量(3.5mL)に対して3倍量の前記バッファーを通液して、ビーズ内の液体部分を上記バッファーで置換した。置換後のアルデヒド基含有ビーズを反応容器に入れ、総体積が7.5mLとなるようにPA固定化バッファーを添加した。プロテインAをビーズ1mLに対して20mg(正味量)添加した。6℃に温調後、0.08Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを12に調整した後、6℃にて一晩攪拌した。
<中和および還元反応>
一晩反応後のイミノ化反応液を濾過し、濾液をUV測定してPA固定化量を求めた。前記pH8.0のクエン酸Naバッファーに、0.1Mのクエン酸水溶液を加えて、pHを5.0に調整したバッファーを作製し、前記濾過ビーズに対して3倍量の当該バッファーを用い、ビーズ内の液体部分を置換した。p5.0のバッファーで総量を7.0mLに調整しながら反応器に移し、4時間6℃で中和を保持しながら攪拌した。
その後、5.5%ジメチルアミンボラン水溶液を1.93mL加えた後、反応温度を25℃に上昇させ、25℃で一晩攪拌した。反応後のビーズを#3のグラスフィルター上で、ビーズの3倍体積量の水で洗浄した。
<洗浄>
#3のグラスフィルター上でPA固定化ビーズ1mLに対して3mLの0.1Mクエン酸(以下「酸バッファー」と略記する)を通液して、ビーズ内の液体部分を酸バッファーで置換した。置換後のPA固定化ビーズを容器に移し、酸バッファーを加えて全量を2mL以上とし、25℃で30分間攪拌し、酸洗浄とした。
次いで、上記酸バッファーの代わりに0.05N水酸化ナトリウム+1M硫酸ナトリウム水溶液を用いた以外は同様の方法でアルカリ洗浄を行なった。
次いで、上記酸バッファーの代わりに、0.1Mクエン酸と0.1Mクエン酸ナトリウムを混合してpHを5.9に調整した液を用いた以外は、同様の方法で中性洗浄を行なった。
中性洗浄後のビーズを蒸留水を用いて洗浄濾液の電導度が10μs/cm以下になるまで洗浄し、プロテインAが固定化された吸着体を得た。
得られた吸着体のRT4分の5%DBCを表2に示す。
Figure 2021161246
〔結果〕
表2より、実施例では、比較例に比して、高い抗体吸着性能を持つことが示された。また、セルロース溶液の水酸化ナトリウムモル量/水酸化リチウムモル量が特定の範囲でのみ、抗体吸着にとって好適な細孔半径を持つことが示された。
以上より、本製造方法によると、高い抗体吸着能力を有する多孔質架橋セルロースビーズを製造することができることが分かった。

Claims (5)

  1. (a)−5℃以下、−20℃以上の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液にセルロースを溶解させ、セルロース溶液を調製する工程、
    (b)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下に加温する工程、
    (c)前記セルロース溶液を10℃以上、40℃以下の分散媒に分散させてエマルションを作製する工程、
    (d)前記エマルションを凝固溶媒に接触させ、セルロースビーズを析出させる工程、
    (e)析出したセルロースビーズを架橋する工程を含むことを特徴とする、多孔質架橋セルロースビーズの製造方法であり、
    前記工程(a)の水酸化ナトリウム/水酸化リチウムのモル比が0.3/0.7〜0.8/0.2であることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
  2. 前記工程(a)の水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、尿素及び水の混和溶液の尿素濃度が10重量%〜20重量%であることを特徴とする、請求項1記載の多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
  3. 前期セルロース溶液のセルロース濃度が3重量%以上、9重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜2記載の多孔質架橋セルロースビーズ製造方法。
  4. 前記凝固溶媒が、アルコール系溶媒、または水とアルコール系溶媒との混合溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質架橋セルロースビーズの製造方法。
  5. 粒子内空孔率が90%以上、平均細孔半径が35nm〜50nm、及び体積メジアン径が45μm〜70μmであることを特徴とする多孔質架橋セルロースビーズ。
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