JP2021160209A - 多色成形品の製造方法、及び金型 - Google Patents

多色成形品の製造方法、及び金型 Download PDF

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Abstract

【課題】多様なデザインに対応可能な多色成形品の製造方法、及び多色成形品用の金型の提供。【解決手段】第一の成形材料を成形する際に形成される第一キャビティC1と、第二の成形材料を成形する際に形成される第二キャビティC2と、第二キャビティC2に成形材料Bを案内するためのランナーC3と、を形成可能であり、スライド型54がコアバックすることにより、第二キャビティC2が形成されるものであり、コアバック前には、第一キャビティC1の一部が閉塞され、コアバック後には、第二キャビティC2が形成されるとともに、閉塞されていた第一キャビティC1の一部がランナーC3と連通して成形材料Bを第二キャビティC2に案内する湯道を形成することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、射出成形方法に関し、特に、色違いの樹脂など複数種類の成形材料を同一金型内で一体的に成形する、いわゆる多色成形法に関する。
自動車用の内装部品には、射出成形により成形されているものが多々ある。また、近年では、意匠性の観点から多色成形で成形されるものが提供されている。ここで、多色成形では、第一の成形材料(一色目の樹脂材料)を射出した後、金型をコアバック(後退)させてキャビティを形成し、第二の成形材料(二色目の樹脂材料)を射出するといった手法が取られている。また、自動車用内装部品では、例えば下記特許文献1のように、一色目の本体部に対して二色目のステッチ部を島状に射出成形するなどして、安価でさらなる見栄え向上が図られている。
特開2014−8707号公報
しかしながら、ステッチ状に(飛び石状に)二色目部分が形成されたものと異なり、二色目部分が金型の奥(可動型の奥側)に島状に形成される多色成形品を成形しようとする場合、ランナーを設定するスペースに対して制約が多くなり、従来どおりのランナー構造では二色目の樹脂を流すことが困難となる場合がある。そのため、島状に2色目部分が形成された製品や、固定型側から見て奥側となる部分に二色目部分が形成された製品など、製品のデザインによっては従来の多色成形品の技術では対応できないものがあった。
そこで本発明は、多様なデザインに対応可能な多色成形品の製造方法、及び多色成形品用の金型の提供を目的とした。
ところで、二色目部分が一色目の奥側に形成されたもののうち、例えばインストルメントパネルのボックス部等を二色目で射出成形する場合には、ゲート(ランナー)位置を二色目近傍にまで設定したいが、インストルメントパネルの形状が複雑なため、アンダーカットとなるランナーを抜くためのスライドの設定が困難となるといった問題があった。
より具体的には、インストルメントパネルなど、他の部品や機器が取り付けられる部品では、部品を取り付けるために多数のリブや穴など、凹凸形状をなす取付構造が形成されている。そのため、このような多色成形品の金型では、取付構造のアンダーカットに対応するために複数のブロック(傾斜ブロックなど)が設けられており、ブロックの作動方向により(ブロックが作動する領域により)さらにランナーを設けることができる位置の制約が大きくなる。
また、インストルメントパネルなど、大型の部品を多色成形で実現しようとすると、一色目部分と二色目部分との間に設けられたブロックなどの作動領域や抜き勾配がさらに大きくなり、ますますランナー設定の制約が大きくなる。さらに、インストルメントパネルなど大型の部品において、可動型の深部(固定型から見た場合の奥側)に二色目部分が形成されているものの場合(例えばボックス部など)、成形品を離型させるためのブロックが大きくならざるを得ないといった問題が発生する。その結果、ブロックの作動領域がさらに大きくなり、ランナーを設定する位置の制約がさらに多くなるといった問題があった。
上述の課題についてさらに本発明の発明者らが検討したところ、一色目を射出成形する際のキャビティ(第一キャビティ)の一部を、二色目成形の際のランナー(湯道)として機能させることとすれば、可動型の内部を通るランナーの距離を短くすることができ、ブロックの作動領域等によるランナー設定位置の制約を緩和することができるとの知見に至った。また、ランナーを短くすることで、ランナーが金型内に残り金型を破損させるリスクを低減するとともに、製品として不要となるランナー重量の低減により歩留まり向上の効果を得ることができるとの知見に至った。
上述の知見に基づき提供される本発明の多色成形品の製造方法は、第一の成形材料及び第二の成形材料を同一の金型内で多色成形品として成形する多色成形品の製造方法であって、前記金型が、固定型及び可動型を備え、前記第一の成形材料を成形する際に形成される第一キャビティと、前記第二の成形材料を成形する際に形成される第二キャビティと、前記第二キャビティに前記第二の成形材料を案内するためのランナーと、を形成可能であり、前記可動型の少なくとも一部がコアバックすることにより、前記第二キャビティが形成されるものであり、前記コアバック前には、前記第一キャビティの一部が閉塞され、前記コアバック後には、前記第二キャビティが形成されるとともに、閉塞されていた前記第一キャビティの一部が前記ランナーと連通して前記第二の成形材料を前記第二キャビティに案内する湯道を形成することを特徴とするものである。
上述の構成によれば、一色目を射出成形する際のキャビティ(第一キャビティ)の一部を、二色目成形の際のランナー(湯道)として機能させ、可動型の内部を通るランナーの距離を短くすることができる。また、多色成形品を離型させるためのブロックの作動領域等によるランナー設定位置の制約を緩和することができる。さらに、離型性を向上させて、ランナーが金型内に残り金型を破損させるリスクを低減することができる。さらに、ランナーを短くすることで、製品として不要となるランナー重量の低減により歩留まり向上の効果を得ることができる。
本発明の金型は、第一の成形材料及び第二の成形材料を同一の金型内で多色成形品として成形するための金型であって、固定型及び可動型を備え、前記第一の成形材料を成形する際に形成される第一キャビティと、前記第二の成形材料を成形する際に形成される第二キャビティと、前記第二キャビティに前記第二の成形材料を案内するためのランナーと、を形成可能であり、前記可動型の少なくとも一部がコアバックすることにより、前記第二キャビティが形成されるものであり、前記コアバック前には、前記第一キャビティの一部が閉塞されて、前記第一キャビティ内に前記第二の成形材料を前記第二キャビティに案内するための擬似ランナーを形成可能であることを特徴とするものである。
本発明の金型によれば、一色目を射出成形する際のキャビティ(第一キャビティ)の一部を、二色目成形の際のランナー(湯道)として機能させ、可動型の内部を通るランナーの距離を短くすることができる。また、多色成形品を離型させるためのブロックの作動領域等によるランナー設定位置の制約を緩和することができる。さらに、離型性を向上させて、ランナーが金型内に残り金型を破損させるリスクを低減することができる。さらに、ランナーを短くすることで、製品として不要となるランナー重量の低減により歩留まり向上の効果を得ることができる。
本発明によれば、多様なデザインに対応可能な多色成形品の製造方法、及び多色成形品用の金型を提供できる。
本発明の実施形態に係る多色成形品を示す図である。(a)は正面図、(b)は図1(a)のE−E’線断面図、(c)は湯道部近傍の断面図である。 図1の多色成形品の第2成形部の近傍を示す斜視図である。 図1の多色成形品を製造するために用いられる金型を示す模式図である。 図3の金型の構成を示す断面図である。 図1の多色成形品を製造する工程を示す図である。 図1の多色成形品を製造する過程における金型の位置を示す図である。(a)は型締め工程、(b)は第一成形工程における金型の位置を示している。 図1の多色成形品を製造する過程における金型の位置を示す図である。(a)は第二成形工程においてスライド型が後退した状態、(b)は第二成形工程において成形材料が充填された状態を示している。 図1の多色成形品を製造する過程における押出工程を示す図である。(a)は離型前の状態、(b)は離型後の状態を示している。 多色成形品を別の構成とした場合を示す参考図である。 従来の多色成形品を示す参考図である。
以下、本発明の実施形態に係る多色成形品10、多色成形品10の製造方法、及び多色成形品10を製造するために用いられる金型30について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、まず多色成形品10について説明し、次いで金型30、及び多色成形品10の製造方法における各工程について説明する。
本実施形態の多色成形品10は、自動車のインストルメントパネルである。図1に示すとおり、多色成形品10は、複数種類の樹脂材料(成形材料)で成形されている(いわゆる多色成形)。より具体的には、多色成形品10は、成形材料A(第一の成形材料)と、成形材料Aと色違いとなる成形材料B(第二の成形材料)とが、同一の金型30内で成形されたものである。すなわち、多色成形品10は、一部に色違いの部分(成形材料Bにより成形された部分)を備えるデザインとされている。
なお、本実施形態の多色成形品10は、インストルメントパネルとした例を示したが、本発明の多色成形品10は、本実施形態に限定されず、他の部品であってもよい。
図1(a)に示すとおり、多色成形品10は、製品とされる部分(製品部11)と、射出成形時の成形材料の流路となるランナー部12とが形成されている。ランナー部12は、製品部11から切り離されて不要となる部分である。なお、以下の多色成形品10の説明では、主にランナー部12が取り除かれた状態を前提として説明する。
また、以下の多色成形品10の説明では、多色成形品10(インストルメントパネル)の表裏をなす面のうち、搭乗者から視認した場合における表面となる側の面(手前側の面)を「意匠面Fa」と記載し、他方の面(裏側の面)を「裏面Fb」と記載して説明する場合がある。
さらに、以下の説明では、多色成形品10(インストルメントパネル)が車両に配置された状態において、搭乗者から視認した場合の手前側を単に「手前側」と記載し、搭乗者から視認した場合の奥側を単に「奥側」と記載して説明する場合がある。また同様に、多色成形品10が金型30内で成形される場合において、金型30の開閉方向Xにおける固定型40側を「手前側」と記載し、可動型50側を「奥側」と記載して説明する場合がある。
さらに、以下の説明では、多色成形品10において、成形材料Aにより成形された部分(第一成形部20)を「色A部分」と記載し、成形材料Bにより成形された部分(第二成形部22)を「色B部分」と記載して説明する場合がある。
図1(a)に示すとおり、多色成形品10は、成形材料Aにより成形された第一成形部20と、成形材料Bにより成形された第二成形部22とを有している。また、多色成形品10では、第二成形部22が、第一成形部20に囲まれて島状に成形されている。
より具体的に説明すると、図1(a)に示すとおり、多色成形品10には、インストルメントパネルとしてのインパネ本体の正面をなす正面部13や、小物入れとして機能するボックス部14が形成されている。ボックス部14は、正面部13から奥側に向けて凹状に形成されている。また、ボックス部14は、一部が色B部分(第二成形部22)として形成されており、第二成形部22(色B部分)は、第一成形部20(色A部分)に取り囲まれている。
なお、図1及び図2に示すとおり、本実施形態の多色成形品10では、第二成形部22は、一部(上部や下部)が第一成形部20と接した状態となっており、両側方が第一成形部20と離間した状態となっている。すなわち、第二成形部22は、一部が第一成形部20と繋がった状態で、第一成形部20に囲まれて島状に形成されている。
図2に示すとおり、多色成形品10には、第一成形部20(色A部分)と第二成形部22(色B部分)との境界線となる見切り線Lが形成されている。例えば、図2に示すとおり、多色成形品10の意匠面Fa側には、ボックス部14の上方において、ボックス部14と正面部13との境界線となる見切り線Laが形成されている。見切り線Laは、多色成形品10(インストルメントパネル)が車両に取り付けられた状態において、搭乗者から視認可能な位置に形成されている。
また、図2に示すとおり、多色成形品10の裏面Fb側には、後述する湯道部24(第二成形部22)と第一成形部20との境界となる見切り線Lbが形成されている。
なお、多色成形品10には、機器類等を取り付けるための複数の凹凸が形成されている。例えば、図2に示すとおり、多色成形品10のボックス部14には、他の部品を取り付けるためのリブ等、凹凸形状とされた取付構造15が設けられている。その他にも、多色成形品10には、インパネ本体や別部品の取付構造をなす穴やリブ等が設けられている。
図1(b)及び図2に示すとおり、第二成形部22(色B部分)には、延伸部25と、湯道部24とが形成されている。また、図2に示すとおり、第二成形部22には、色B部分として大きい範囲(領域)をなす主領域部23があり、主領域部23と通じるように湯道部24が形成されている。すなわち、湯道部24は、第一成形部20がなす領域に形成されているとともに、第二成形部22の主領域部23とランナー部12とを連通させる連通部をなしている。また、後述するとおり、湯道部24を形成するためのキャビティC(湯道形成部C2a)は、成形材料Aを射出形成する際に形成される第一キャビティC1内に設けられている。すなわち、湯道部24は、言わば射出成形の際に成形材料Bを主領域部23に案内するための擬似的なランナーとして機能させた結果形成された部分であると言える。
延伸部25は、湯道部24を延伸(延長)させるように形成されている。より具体的に説明すると、図1(b)に示すとおり、延伸部25は、第一成形部20の縁部20aから距離D分超えるように形成されている。なお、延伸部25は、金型30内で成形される際、ランナー部12(図1(b)及び図2中の仮想線参照)と連続するように形成される。
図1(a)及び(c)に示すとおり、湯道部24は、第一成形部20(色A部分)に挟まれるように通路状に形成されている。また、上述のとおり、延伸部25は、湯道部24を延伸させるように形成されている。より詳細に説明すると、図1(b)に示すとおり、延伸部25は、第一成形部20として形成された正面部13の裏面側に形成されており、第一成形部20(正面部13)の裏面Fb側において、第一成形部20の縁部20aを超えて形成されている。
これにより、多色成形品10は、射出成形時の金型30内の樹脂漏れを抑制して、見切り線Lbが不明瞭になるといった問題や、金型30の動作不良等を抑制することができる。なお、多色成形品10の成形時の動作については、後で詳述する。
続いて、多色成形品10を成形するための金型30について図面を参照しつつ説明する。
図3に示すとおり、金型30は、固定型40及び可動型50を備えている。なお、金型30は、図示を省略した射出成形設備のプラテンに取り付けられ、固定型40に対して可動型50が近接及び離反するように移動する。また、固定型40には、射出成形設備の射出ユニットが接続されており、成形材料(樹脂材料)は固定型40に形成された供給孔(図示を省略)を通じて、金型30内に形成されたキャビティCに充填される。
なお、以下の説明では、可動型50が移動可能とされている方向(図3の左右方向)を「開閉方向X」と記載して説明する場合がある。また、開閉方向Xのうち、固定型40に対して可動型50が接近する方向を、「型閉め方向X1」と記載して説明し、固定型40に対して可動型50が離間する方向を、「型開き方向X2」と記載して説明する場合がある。
図4に示すとおり、金型30は、型締めされた状態において、固定型40と可動型50との間や、可動型50を構成する複数の型の間に、キャビティCや、ランナーC3が形成される。なお、金型30に形成されるキャビティCやランナーC3については、後で詳述する。
図4に示すとおり、可動型50は、主型52、スライド型54、及び傾斜ブロック56(ブロック)を含む複数の型(構成型)を備えている。また、可動型50には、傾斜ブロック56等の複数のブロックを押し出すための押出装置60が設けられている(図3参照)。
スライド型54は、成形材料Bが充填される第二キャビティC2を形成する。より具体的には、図6及び図7に示すとおり、スライド型54は、型締め状態において、主型52と摺動しつつ開閉方向Xに沿って前進位置Pa及び後退位置Pbに進退可能(スライド可能)とされており、固定型40側の前進位置Paと、前進位置Paから後退した後退位置Pbとにスライド可能とされている。
図6(a)に示すとおり、スライド型54が前進位置Paまで前進した状態では、スライド型54の固定型40側の端面54aは、第一成形部20を成形するための第一キャビティC1や、ゲートC4を閉塞する。
図7(a)に示すとおり、スライド型54が後退位置Pbまで後退した状態では、スライド型54は固定型40や傾斜ブロック56と離間した状態となり、成形材料Bを充填するための第二キャビティC2が金型30内に形成される。また、スライド型54が後退位置Pbまで後退した状態では、スライド型54に閉塞されていたゲートC4が開放される。これにより、ランナーC3を介して充填された成形材料Bを第二キャビティC2に案内可能となる。
傾斜ブロック56(ブロック)は、多色成形品10に形成されたアンダーカットに対応するために設けられている。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の金型30には、傾斜ブロック56を含め、アンダーカットに対応する複数のブロックが設けられている。
傾斜ブロック56は、型締め状態においてランナーC3を形成する。また、傾斜ブロック56は、後述する押出工程において、押出装置60により開閉方向Xに対して角度をなすように(斜め方向に)変位して、ランナー部12を避けるように離型する。
押出装置60は、多色成形品10を可動型50から離型させるために設けられている。図3に示すとおり、押出装置60は、複数の押出ピン63や押出板62を備えている。押出装置60は、図示を省略した駆動部(油圧シリンダ等)により作動する。
<多色成形品の製造工程>
続いて、多色成形品10を製造する方法について説明する。図5に示すとおり、本実施形態の多色成形品10の製造方法では、(1)型締め工程、(2)第一成形工程、(3)第二成形工程、(4)型開き工程、及び(5)押出工程が行われる。
図6(a)に示すとおり、型締め工程では、固定型40と可動型50とが型締めされた状態で、スライド型54を前進位置Paまで前進させ、スライド型54の端面54aを固定型40の当接面40a及び傾斜ブロック56のランナー形成面56aに当接させる。このようにして、金型30内(固定型40と可動型50との間)に、成形材料Aを成形するための第一キャビティC1がスライド型54により閉塞された状態で形成される。
さらに詳細に説明すると、図6(a)に示すとおり、スライド型54の端面54aに対して、固定型40の当接面40a及び傾斜ブロック56のランナー形成面56aが、それぞれ面接触した状態で第一キャビティC1が形成される。別の言い方をすれば、第一キャビティC1が閉塞された状態では、スライド型54の端面54aと、固定型40の当接面40aと、傾斜ブロック56のランナー形成面56aとが、面一となる。図6(b)に示すとおり、第一キャビティC1が閉塞された状態で、成形材料Aが第一キャビティC1に充填される。
このように、第一キャビティC1に成形材料Aが充填される際、スライド型54と固定型40及び傾斜ブロック56が面接触した状態となる。そのため、第一成形部20(色A部分)の成形時に、スライド型54と傾斜ブロック56や固定型40とを確実に接触させ、樹脂漏れを抑制することができる。その結果、多色成形品10の見切り部(見切り線L)の見た目を向上させることができる。また、スライド型54と傾斜ブロック56との間から成形材料が漏れて金型30の摺動面に入り込み、金型30の不具合(動作不良や故障等)の要因となるとの懸念を低下させることができる。
さらに詳細に説明すると、例えば、第一成形部の縁部と第二成形部の縁部とが略面一となるように成形された多色成形品では、図10(b)に示すような金型430が用いられる。また、図10(b)に示すとおり、スライド型454と、傾斜ブロック456とを「略線状」に接触させることとなる。また、このように複数の型を「略線状」に接触させて成形材料を充填すると、複数の金型30の接触箇所から、高圧で充填された成形材料が漏れ出す懸念がある。
これに対し、本発明の多色成形品10では、第二成形部22(色B部分)の一部(湯道部24)を、第一成形部20(色A部分)の縁部20aを超えて延長させている(延伸部25が設けられている)。これにより、第一成形部20を成形する工程(第一成形工程)において、金型30を面接触させた状態で、第一キャビティC1を形成させることができる(図6(a)参照)。その結果、上述のとおり、見切り線Lが不明瞭となるといった問題の改善や、金型30の摺動面に成形材料が入り込み、不具合の要因となることを抑制することができる。
また、型締め工程において(成形材料Aを射出形成する際には)、湯道部24を形成するためのキャビティC(湯道形成部C2a)は、第一キャビティC1内に形成されており、スライド型54により閉塞された状態となっている。すなわち、湯道形成部C2aは、スライド型54をコアバック(後退)させる前の段階で形成されている。別の観点から説明すると、湯道形成部C2aは、成形材料Bが充填されるキャビティCではあるが、コアバック前において第一キャビティC1の一部として形成されている。
第一成形工程の後、第二成形工程が行われる。第二成形工程では、成形材料Bを成形するための第二キャビティC2を形成するために、スライド型54を後退位置Pbまで後退させる(コアバックさせる)。図7(a)に示すとおり、スライド型54を後退位置Pbまで移動すると、成形材料Bを成形するための第二キャビティC2が形成される。また、スライド型54に閉塞されていたランナーC3の開口部(ゲートC4)が開放され、ランナーC3と第二キャビティC2とが連通する。また、スライド型54に閉塞されていた湯道形成部C2aは、第二キャビティC2やランナーC3と連通した状態となる。
図7(b)に示すとおり、第二キャビティC2を形成させた後、成形材料Bが充填される。成形材料Bは、ランナーC3、ゲートC4を介して湯道形成部C2aを通り、第二キャビティC2に到達して充填される。このように、湯道形成部C2aは、第二キャビティC2(多色成形品10において主領域部23に相当するキャビティC)に成形材料Bを案内するための擬似的なランナー(湯道)として機能する。
第二成形工程の後、型開き工程が行われる。図8(a)に示すとおり、型開き工程では、固定型40(図8では図示を省略)から可動型50が離反される。型開き工程後の状態では、多色成形品10は、可動型50に保持された状態となる。
型開き工程の後、押出工程が行われる。図8(b)に示すとおり、押出工程では、押出装置60を作動させ、可動型50の各ブロックや多色成形品10が押出ピン63により押されて多色成形品10から離反される。なお、図8(b)に示すとおり、傾斜ブロック56は、押出工程において、開閉方向Xに対して角度をなすように(斜め方向に)押し出される。また、押出工程において、傾斜ブロック56は、成形されたランナー部12を避けるように移動する。
このように、本実施形態の金型30を用いた製造方法によれば、金型30内(可動型50内)にランナーC3を設けて、島状に形成された色違い部分を備える多色成形品10など、多様な意匠に対応することが可能となる。
また、本実施形態の金型30を用いた製造方法によれば、可動型50の内部を通しつつ、可動型50の奥側までランナーC3を到達させることができる。その結果、本実施形態の多色成形品10のように、第一成形部20(例えば正面部13)が手前側にあり、その奥側に(可動型50の深部に)第二成形部22(例えばボックス部14)が形成されたインストルパネルであっても、可動型50の深部まで色違いの成形材料(成形材料B)を到達させることができる。
<ランナー及びゲートの構成について>
次に、金型30に形成されるランナーC3やゲートC4の構成について、図面を参照しつつ説明する。
ところで、インストルメントパネルなど、大型の部品を成形する場合、アンダーカットに対応するためのブロックなども大きくなる場合がある。また、アンダーカットが設けられた位置や、アンダーカットに対応するためのブロックの大きさにより、ブロックの作動領域(移動範囲)や抜き勾配により、ランナーを設定する位置などの制約がさらに大きくなる。
このような問題に対して、本実施形態の多色成形品10では、湯道部24をランナーC3として機能させ、ランナーC3の距離を小さくするとともに、アンダーカットに対応するブロック(傾斜ブロック56)による制限を緩和している。
例えば、図9(a)に示すとおり、湯道部24が設けられていない多色成形品100では、ランナーC103を、さらに可動型の深部(奥側)に到達させる必要があり、距離が長くならざるを得ない。このような場合、ランナー部112を避けるように離型させるためのブロック156が大きくならざるを得ない上、抜き勾配やランナーC103の上方に形成されるアンダーカットを考慮する必要があり、ますますランナーC103の設定が困難となる。
また、例えば、図9(b)に示すとおり、第一成形部220の裏面Fb側に沿って成形材料Bの流路228を設けるとすると、第二成形部222を成形するために成形材料Bを充填する際に、成形材料Bが流れにくくなる、あるいはすでに成形された第一成形部220が高圧で充填される成形材料Bに押されて製品に白化が生じるなどの懸念が生じる。
本実施形態の多色成形品10を製造するために用いられる金型30では、上述の問題に対応して、金型30内部を通るランナーC3の距離を短くするために多色成形品10に湯道部24が設けられている。以下、詳細に説明する。
図4に示すとおり、金型30には、型締め状態(第一成形工程時及び第二成形工程時)において、第二キャビティC2に成形材料Bを案内するためのランナーC3が形成される。また、ランナーC3から第二キャビティC2への入口となるゲートC4が形成される。
図4に示すとおり、ランナーC3は、可動型50の内部を通るように形成される。より詳細に説明すると、ランナーC3は、主型52と傾斜ブロック56と、図示を省略した他のブロックとの間の隙間として形成される。
また、第一成形部20が成形された状態では(第一成形工程の後には)、第一成形部20に湯道部24となる湯道形成部C2aが形成される。上述のとおり、湯道形成部C2aはコアバック前に形成された状態となっており、言わば第一キャビティC1の一部として形成される。また、コアバック前の状態では、湯道形成部C2aは、第一成形部20に囲まれた状態で(第一成形部20の一部に)形成されており、スライド型54に閉塞された状態となっている。さらに、コアバック後(成形材料Bが射出される際)には、湯道形成部C2aは、第二キャビティC2とランナーC3とを連通させるように開放された状態となり、成形材料Bが充填される際に擬似ランナー(湯道)として機能する。すなわち、多色成形品10は、製品の一部にランナーとして機能する部分(湯道部24)が形成されている。別の観点から説明すると、本実施形態の多色成形品10では、固定型40側(手前側)から第二成形部22まで成形材料Bを到達させるためのランナーC3の全長のうちの一部を、製品側(湯道部24)が兼ねている。
これにより、色B部分(第二成形部22)の一部を、射出成形時のランナーC3として機能させ、可動型50の内部を通るランナーC3の距離を短くすることができる。また、多色成形品10を離型させるためのブロック(傾斜ブロック56など)を小さなものとして、ブロックの作動領域等によるランナー設定位置の制約を緩和することができる。
さらに、離型性を向上させて、ランナーC3が金型30内に残るなど、金型30を破損させるリスクを低減することができる。さらに、ランナーC3を短くすることで、製品として不要となるランナー部12重量を低減させ、歩留まり向上の効果を得ることができる。
このように、本発明の多色成形品10の製造方法では、金型30内にランナーC3を形成して多様なデザインに対応可能としつつ、金型30内にランナーC3を設ける場合の制限を緩和している。より詳細に説明すると、本実施形態の多色成形品10の製造方法では、成形材料Bを充填する際に、第一成形部20の裏側から充填することが可能となり、第二成形部22が島状に形成された製品など、多様なデザインに対応する多色成形品10の成形が可能となる。その結果、製品の意匠自由度を向上させることができる。
本発明は、多色成形品を成形するものとして、好適に採用することができる。
10 多色成形品
20 第一成形部
20a 縁部
22 第二成形部
24 湯道部
25 延伸部
30 金型
40 固定型
50 可動型
52 主型
54 スライド型
56 傾斜ブロック
C キャビティ
C1 第一キャビティ
C2 第二キャビティ

Claims (2)

  1. 第一の成形材料及び第二の成形材料を同一の金型内で多色成形品として成形する多色成形品の製造方法であって、
    前記金型が、
    固定型及び可動型を備え、
    前記第一の成形材料を成形する際に形成される第一キャビティと、
    前記第二の成形材料を成形する際に形成される第二キャビティと、
    前記第二キャビティに前記第二の成形材料を案内するためのランナーと、を形成可能であり、
    前記可動型の少なくとも一部がコアバックすることにより、前記第二キャビティが形成されるものであり、
    前記コアバック前には、前記第一キャビティの一部が閉塞され、
    前記コアバック後には、前記第二キャビティが形成されるとともに、閉塞されていた前記第一キャビティの一部が前記ランナーと連通して前記第二の成形材料を前記第二キャビティに案内する湯道を形成することを特徴とする多色成形品の製造方法。
  2. 第一の成形材料及び第二の成形材料を同一の金型内で多色成形品として成形するための金型であって、
    固定型及び可動型を備え、
    前記第一の成形材料を成形する際に形成される第一キャビティと、
    前記第二の成形材料を成形する際に形成される第二キャビティと、
    前記第二キャビティに前記第二の成形材料を案内するためのランナーと、を形成可能であり、
    前記可動型の少なくとも一部がコアバックすることにより、前記第二キャビティが形成されるものであり、
    前記コアバック前には、前記第一キャビティの一部が閉塞されて、前記第一キャビティ内に前記第二の成形材料を前記第二キャビティに案内するための擬似ランナーを形成可能であることを特徴とする金型。
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