JP2021159898A - 軟水化装置及びその操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に酸性電解水を用いる軟水化装置において、生成する軟水のpHの低下を抑えることが可能な軟水化装置を提供する。【解決手段】硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、軟水化槽に連通し、弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化した水に対して炭酸ガスの脱気処理を行う脱気処理部と、アルカリ性電解水と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水とを生成する電解槽とを備える軟水化装置である。電解槽で生成した酸性電解水を軟水化槽に通水して弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生した後における、硬度成分を含む酸性電解水と、電解槽で生成したアルカリ性電解水とを混合して硬度成分と反応させる処理槽をさらに備えることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、軟水化装置及びその操業方法に関する。
軟水化装置としては、陽イオン交換樹脂を用いたものが数多く提案されている。例えば、ナトリウムイオンを官能基として有する陽イオン交換樹脂を用い、原水中に含まれる硬度成分であるカルシウムイオンやマグネシウムイオンをナトリウムイオンにイオン交換して軟水を得るものが知られている。
陽イオン交換樹脂は、使用を続けるとイオン交換能力が低下又は消失する。すなわち、陽イオン交換樹脂の官能基であるナトリウムイオンすべてが、硬度成分であるカルシウムイオンやマグネシウムイオンと交換された後は、イオン交換ができなくなる。そのため、イオン交換を再び可能とするために、陽イオン交換樹脂の再生を行う必要がある。再生処理としては、飽和食塩水等の再生水を陽イオン交換樹脂に通水するといった処理が行われる。そのような再生処理は、軟水の使用量に応じて定期的に食塩を補充する必要があり、食塩の補充に手間がかかる。また、多量の食塩を用いるため環境問題の原因となっている。
そこで、食塩を使用しない陽イオン交換樹脂の再生方法として、弱酸性陽イオン交換樹脂を用い、電気分解で生成した酸性電解水により当該弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この方法は、食塩を使用しないため、環境問題が発生しない点で一定の成果があった。
特開2011−30973号公報 特開2009−165954号公報
弱酸性陽イオン交換樹脂を、電気分解で生成した酸性電解水により再生する場合、硬度成分の陽イオンは水素イオンにイオン交換される。そして、軟水化に際し、再生後の弱酸性陽イオン交換樹脂を用いて水中の硬度成分を除去する場合、イオン交換により生じる水素イオンにより、生成した軟水の酸性が強くなる、すなわちpHが低下する傾向にあり、飲料水の水質基準を逸脱することがある。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に酸性電解水を用いる軟水化装置において、生成する軟水のpHの低下を抑えることが可能な軟水化装置及びその操業方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る軟水化装置は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、軟水化槽に連通し、軟水化槽で生成した軟水中の溶存炭酸ガスの脱気処理を行う脱気処理部と、アルカリ性電解水と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水とを生成する電解槽と、を備える。
本発明の第2の態様に係る軟水化装置の操業方法は、軟水を得るに際し、硬度成分を含む原水を軟水化槽に通水して軟水化するステップA1と、ステップA1により生成した軟水を、脱気処理部に通水して軟水中の溶存炭酸ガスを脱気するステップA2とを少なくとも実行し、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するに際し、電解槽により生成した酸性電解水を軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂に供給するステップBを少なくとも実行する。
本開示によれば、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に酸性電解水を用いる軟水化装置において、生成する軟水のpHの低下を抑えることが可能な軟水化装置及びその操業方法を提供することができる。
本実施形態に係る軟水化装置の一例を示す概念図である。 本実施形態に係る軟水化装置の一例を示す概念図である。 本実施形態に係る電解槽の一例を示す概念図である。 実施例・比較例における、処理時間に対する硬度及びpHの変化を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本実施形態の軟水化装置を説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<軟水化装置>
本実施形態の軟水化装置は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽を備える。また、軟水化槽に連通し、軟水化槽で生成した軟水中の溶存炭酸ガスの脱気処理を行う脱気処理部を備える。さらに、アルカリ性電解水と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水とを生成する電解槽を備える。
図1は、本実施形態の軟水化装置10の各要素を概念的に示している。軟水化装置10は、要部として、軟水化槽12と、電解槽14と、処理槽16とを備える。軟水化槽12には、硬度成分を含む原水を通水するための流路20と、軟水化された原水を脱気処理部18に導く流路22とが接続されている。脱気処理部18は、軟水中の溶存炭酸ガスを脱気する機能を有する。脱気処理部18には脱気処理を終えた軟水を外部に導く流路23が接続されている。軟水化槽12には、さらに、電解槽14で生成される酸性電解水を通水する流路24と、軟水化槽12で弱酸性陽イオン交換樹脂を再生処理した後における、硬度成分を含む酸性電解水を処理槽16に通水する流路26とが接続されている。処理槽16には、さらに、電解槽14で生成されるアルカリ性電解水を通水する流路28と、処理槽16で生成した処理水を電解槽14に通水する流路32と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生処理して水が減少した際に水を供給する水供給路38が接続されている。また、処理槽16には、処理を終えた処理水を排水する排水路27が接続されている。
なお、流路26が十分に長く、再生処理に必要な水量を流路内に確保出来る場合は、処理槽16は設けず、流路26を電解槽14に直接接続可能である。また、その際、流路28と水供給路38も流路26に直接接続される。また、本実施形態において、処理槽16は必ずしも必要ではなく、小型化を目的とするなど、特に必要がないのであれば設けなくてもよい。
図1に示す軟水化装置10において、硬度成分を含む原水を軟水化して軟水を生成する場合においては、原水は、流路20を介して軟水化槽12に通水され、軟水化槽12内の弱酸性陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、原水中の硬度成分たる陽イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂により水素イオンと交換されることで軟水化される。ここで、軟水化槽12において、弱酸性陽イオン交換樹脂を通過後の軟水は、硬度成分の陽イオンが水素イオンに交換され、水素イオン濃度が高い状態、すなわちpHが低い状態にある。pHが低い強い場合、飲料水の水質基準を逸脱することがあるため、本実施形態においては、軟水化槽12から排出した水を、脱気処理部18に導き、炭酸ガスを脱気して水素イオン濃度を低下させる。脱気処理部18により軟水を脱気することにより水素イオン濃度が低下する原理については後述する。
一方、イオン交換能力が低下又は消失した弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する際には、電解槽14で生成した酸性電解水を軟水化槽12内に通水し、内部の弱酸性陽イオン交換樹脂を通過させる。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂を通過させることで、弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着されている陽イオン(硬度成分)が、酸性電解水に含まれる水素イオンとイオン交換反応することにより再生される。
ここで、弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換順位は、H>Ca2+>Mg2+>>Naである。すなわち、Hが最もイオン交換順位が高い。従って、イオン交換順位の差から、電解槽14により生成する酸性電解水のみで、弱酸性陽イオン交換樹脂を効率的にイオン交換することができ、再生を容易に行うことができる。
一方、アルカリ性の濃縮水で弱酸性陽イオン交換樹脂を再生することが知られている。しかし、そのようなアルカリ性の濃縮水による再生においては、弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着した硬度イオンとアルカリ成分とが反応し、固体を生成し弱酸性陽イオン交換樹脂内部が生成する固体で閉塞されるために、イオン交換樹脂が劣化する。それに対して、本実施形態においては、酸性電解水を用いるため弱酸性陽イオン交換樹脂の劣化を防止することができる。
弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に際し、弱酸性陽イオン交換樹脂を通過後の陽イオンを含む酸性電解水は流路26を介して処理槽16内に通水される。また、電解槽14で生成されたアルカリ性電解水は流路28を介して処理槽16内に通水される。すなわち、処理槽16内において、陽イオンを含む酸性電解水と、アルカリ性電解水とが混合する。このとき、処理槽16内において、酸性電解水中の陽イオンたる硬度成分は、アルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンの場合、アルカリ性電解水により水酸化カルシウムが生じたり、水中に常在する炭酸イオンと結合して炭酸カルシウムが生じたりする反応が起こる。そして、処理槽16中において硬度成分は不溶化され、分離が可能となる。処理槽16において処理を終えた処理水は、必要に応じて不溶化した硬度成分を分離し、排水路27から排水される。
以上の再生処理時において、酸性電解水は、不図示のポンプにより、電解槽14、流路24、軟水化槽12、流路26、処理槽16、排水路27の順に流れる。
以下に、各槽について詳述する。
[軟水化槽]
軟水化槽12は、内部に弱酸性陽イオン交換樹脂を有し、当該弱酸性陽イオン交換樹脂により、硬度成分を含む原水を軟水化する。軟水化槽12には、流路20を介して硬度成分を含む原水が流入し、弱酸性陽イオン交換樹脂を通過して軟水として流路22から排水される。すなわち、流路22から通水される原水を軟水化する際、流路20及び流路22を用いる。なお、軟水化槽は硬度成分だけではなく、他の陽イオン(例えばカリウムイオンやナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)もイオン交換可能であり、軟水化用途に限らない。
一方、軟水化槽12には、酸性電解水が通水される電解槽14からの流路24と、弱酸性陽イオン交換樹脂を通過した酸性電解水を処理槽16に導く流路26とが接続されている。弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する際は、流路24及び流路26を用いる。
以上のように、軟水化槽12において、原水を軟水化する場合と、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する場合とで使用する流路が異なるため、不図示のバルブにより必要な流路が選択使用される。換言すると、軟水化槽12中には、原水が流れる主水路と、電解槽14により生成された酸性電解水が流れる再生水路とを備える。そして、主水路は、流路20から流路22に向けて軟水化槽12内を流れる流路であり、再生水路は、流路24から流路26に向けて軟水化槽12内を流れる流路である。
弱酸性陽イオン交換樹脂としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができる。例えば、カルボキシル基(−COOH)をイオン交換基とするものが挙げられる。
[脱気処理部]
脱気処理部18は、軟水化槽12で生成した軟水に対して脱気により溶存炭酸ガスを除去する。すなわち、脱気処理部18により、軟水中の溶存炭酸ガスを脱気することにより水素イオン濃度を低下させる。その原理について、以下に説明する。
まず、弱酸性陽イオン交換樹脂により、原水中の硬度成分たる陽イオンを除去する場合、以下のイオン交換反応が起こる。以下において、陽イオンとしてカルシウムイオン(Ca2+)を例示している。また、「RCOOH」は弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換基を示す。
Ca2+ + 2RCOOH → (RCOOCa2+ + 2H
上記イオン交換反応の結果、水素イオン(H)が生成してpHが低下する。
ここで、一般的に水中には硬度成分とほぼ等量のアルカリ度成分が含まれる。中性の領域においては、アルカリ度成分として重炭酸イオン(HCO )が含まれる。水中に重炭酸イオン成分が存在する場合、硬度イオンのイオン交換反応によって放出される水素イオンと、重炭酸イオンとが下記(1)式のように反応する。反応により生成した炭酸(HCO)は直ちに、溶存炭酸ガス(CO)と水(HO)とに変化する。
+ HCO ⇔ HCO → CO + HO ・・・(1)
とHCO とからHCOが生じる反応は化学平衡反応である。従って、炭酸ガスを脱気すると、水中から溶存炭酸ガスが除去され、(1)の化学平衡が右側に移動する。その結果、水素イオンが減少してpHが上昇する。
以上のようにして、脱気処理部18により軟水から溶存炭酸ガスを脱気することでpHが上昇し、pHの低下を抑えた軟水の生成が可能となる。ひいては、飲料水の水質基準に適合するpHとなる。なお、飲料水の水質基準に適合するpHとしては5.8〜9程度である。
脱気処理部18における脱気方法としては、軟水中の溶存炭酸ガスが脱気できれば特に制限はない。例えば、空気曝気、ネブライザー噴霧、減圧脱気、超音波脱気等が挙げられる。
[電解槽]
電解槽14は、導入される水を、酸性電解水とアルカリ性電解水とに電気分解する。そして、電解槽14において生成された酸性電解水は流路24から排出され、軟水化槽12に導かれ、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に供される。また、電解槽14において生成されたアルカリ性電解水は、流路28から排出され、処理槽16に通水される。
本実施形態の軟水化装置10に用いられる電解槽は、酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成することができれば特に制限はない。電解槽14の一例について図3を参照して説明する。
図3に示す電解槽は、水の電気分解を行う電解室50と、電源54と、電源54の陽極に配線56を介して接続される陽極62と、電源54の陰極に配線58を介して接続される陰極60とを備える。電解室50の内部は、イオン透過膜を隔壁64により仕切られており、図3の右側が陽極室、左側が陰極室を構成する。また、陰極室及び陽極室には、流路52から水が流入し、また、陰極室内の水はアルカリ性電解水として、陽極室の水は、酸性電解水として、それぞれ、流路66、68から排出される。
電解室50の陰極室及び陽極室に導入された水は、陰極60と陽極62との間に電圧を印加することで電気分解される。電解室50においては、水の電気分解によって、陰極室では水酸化物イオン(OH)と水素ガス、陽極室では水素イオン(H)と酸素ガスが生成される。そして、陰極室ではアルカリ性電解水が生成され、陽極室では酸性電解水が生成される。アルカリ性電解水は流路66から排出され、酸性電解水は流路68から排出される。
電解槽14で生成される酸性電解水は、水素イオンをより多く含んだ方が弱酸性陽イオン交換樹脂を効率よく再生できるため、pHは小さいほどよい。
[処理槽]
処理槽16には、軟水化槽12内の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生した後における、硬度成分が含まれる酸性電解水が流路26を介して通水される。また、処理槽16には、電解槽14で生成したアルカリ性電解水が流路28を介して通水される。そして、処理槽16において、硬度成分を含む酸性電解水と、アルカリ性電解水とを混合し、希釈及び硬度成分がアルカリ性電解水と反応する。例えば、酸性電解水中の硬度成分がカルシウムイオンの場合、アルカリ性電解水により、炭酸カルシウムが生じたり、水酸化カルシウムが生じる反応が起こったりする。そして、反応した硬度成分は分離することが可能となる。
なお、「硬度成分が反応する」とは、硬度成分すべてが反応することのみならず、反応しない成分もしくは溶解度積を超えない成分が含まれている状態も含むものとする。
軟水化装置10において、以上のようにして酸性電解水を循環させることにより弱酸性陽イオン交換樹脂の再生をすることができる。そして、循環させる水が減少して減少分を補給する場合、又は循環させた水を廃棄した後、新たな水を供給するため、電解槽14と軟水化槽12との間の流路24を除く部位に、水を供給する水供給路をさらに備えることが好ましい。電解槽14と軟水化槽12との間の流路24は、酸性電解水を軟水化槽に供給する流路であり、当該流路に水を供給すると酸性電解水の水素イオン濃度が低くなるため、水供給路は流路24以外に設ける。図1において水供給路38は、処理槽16に流入する位置に設けている。
一方、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するために循環させた水は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの水酸化物を高濃度で含むこととなる。そして、そのような水を取水し、例えば、うがいに使用すれば、カルシウム成分を高濃度で含むため歯の強化等が期待される。
本実施形態においては、反応後の処理槽16中の水(処理水)は、流路32を介して電解槽14に通水することができる。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する際、処理槽16で希釈及び硬度成分をアルカリ性電解水と反応させて得られる処理水を電解槽14に通水して再利用してもよい。処理槽16中の水が電解槽14に通水されることで酸性電解水が生成し、当該酸性電解水は弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に供される。従って、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に使用した酸性電解水が、処理槽16において硬度成分がアルカリ性電解水により、希釈又は反応生成物に変化した状態で酸性電解水として再利用されることとなる。しかも、再利用する酸性電解水は、処理槽により処理され硬度成分が減少しているため再生効率の低下を抑えることができる。ひいては、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に際し、酸性電解水は、再生効率の低下を抑えつつ、再利用することができる。しかも、アルカリ性電解水は、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生に用いる酸性電解水を生成するための電解槽により生成されるため、アルカリ性電解水を生成するための機器を別途設ける必要はない。
以上の図1に示す軟水化装置10は、処理槽16で生成した処理水が電解槽14に直接通水される形態である。本実施形態においては、処理槽16と電解槽14との間に、処理槽16から流出する処理水中における硬度成分との反応生成物を分離する分離槽をさらに備える形態としてもよい。そして、分離槽30により硬度成分との反応生成物が分離された処理水が電解槽14に通水されるように構成することで、電解槽14には、硬度成分との反応生成物が減少した処理水が通水される。図2は、分離槽30を設けた軟水化装置11を示し、図1に示す形態とはその点においてのみ異なる。従って、図2においては、図1と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、相違点である分離槽30についてのみ説明する。
[分離槽]
図2に示す軟水化装置11においては、処理槽16と電解槽14との間に、処理槽16から流出する処理水中の硬度成分との反応生成物を分離する分離槽30をさらに備える。より具体的には、処理槽16と電解槽14との間に、流路33と流路34とを介して分離槽30が設けられている。そして、処理槽16から流出する処理水は分離槽30を通過し、分離槽30において硬度成分との反応生成物が分離され、流路34を介して電解槽14に通水される。また、分離槽30で分離された硬度成分との反応生成物は、廃棄流路36から廃棄される。
分離槽30は、処理水中における硬度成分との反応生成物を分離が可能であればその形態は問わない。例えば、粒状濾材を用いた濾過層、サイクロン型の固液分離機、中空糸膜等を用いる形態が挙げられる。
粒状濾材を用いた濾過層に用いられる粒状濾材は、硬度成分を捕捉して除去することを目的としているが、粒状濾材に吸着するような表面電位を持つ粒子や、原水中のイオン等の存在状態によっては粒子径約1〜10マイクロメートルの粒子や色度も除去可能となる。粒状濾材には、濾過砂をはじめ、ペレット状の繊維濾材等、除去対象物に適した濾材を用いることができる。粒状濾材の材質は、例えば、砂、アンスラサイト、ガーネット、セラミックス、粒状活性炭、オキシ水酸化鉄、マンガン砂など、水中で沈降し、圧力で変形しにくい硬度をもつものであればよい。粒子径は、例えば0.3〜5.0ミリメートル、均等係数1.2〜2.0などのものを用いるとよい。
また、比重が異なる複数の種類の濾材を混合して使用する複層濾過法は、濾過を行う層としてサイズの異なる粒子を小さい粒子から順に下から積層する方法である。複層濾過法では、比重が大きくサイズが小さい粒子と、比重が小さくサイズが大きい粒子を混合して多層構造にするのが一般的である。複層濾過法は、単一の種類の濾材を用いるのに比べて、単位体積あたりの濾過効率が高く、一方で損失水頭が低く抑えられるなどのメリットがあるため好ましい。粒状濾材としては、例えば、ガーネットの0.3ミリメートルと、砂の0.6ミリメートル、アンスラサイトの1.0ミリメートルのものを、2:1:1で混合して使用するが、濁質の粒子特性に応じて混合比率や粒子径を調整することが好ましい。
一方、サイクロン型の固液分離機は、重力の代わりに遠心力を利用して、処理槽16から流出する硬度成分を含む水を、小サイズの結晶を含む原水と、大サイズの結晶を含む原水とに分級分離する装置である。
さらに、分離槽30により、硬度成分を廃棄することにより、軟水化装置11内において硬度成分の付着を防止することができる。
以上の本実施形態の軟水化装置は、使用場所設置型浄水装置(POU)や建物入口設置型浄水装置(POE)に適用することが可能である。
<軟水化装置の操業方法>
本実施形態の軟水化装置の操業方法は、上記の本実施形態の軟水化装置を使用する方法である。そして、軟水を得るに際し、硬度成分を含む原水を前記軟水化槽に通水して軟水化するステップA1と、ステップA1により生成した軟水を、脱気処理部に通水して軟水中の溶存炭酸ガスを脱気するステップA2とを少なくとも実行する。また、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するに際し、電解槽により生成した酸性電解水を軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂に供給するステップBを少なくとも実行する。
本実施形態の軟水化装置の操業方法における軟水化装置は、既述の本実施形態の軟水化装置である。従って、本実施形態の軟水化装置の操業方法において、既述の本実施形態の軟水化装置で説明した好ましい態様及び例示はすべて当て嵌まる。
以下、ステップA1、A2及びBについて説明する。
ステップA1及びA2は、硬度成分を含む原水を軟水化する際に実行するステップである。また、ステップBは、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する際に実行するステップである。
[ステップA1]
ステップA1は、硬度成分を含む原水を軟水化槽に通水して軟水化する。既述の通り、軟水化槽中に備えられた弱酸性陽イオン交換樹脂を原水が通過することで、原水中の硬度成分たる陽イオンはイオン交換反応により水素イオンとなる。すなわち、硬度成分を含む原水は軟水化される。図1又は図2に示す軟水化装置10、11において、ステップA1により、原水は流路20を介して軟水化槽12に通水され、軟水化槽12内の弱酸性陽イオン交換樹脂により硬度成分たる陽イオンがイオン交換により水素イオンとなる。
[ステップA2]
ステップA2は、軟水化ステップにより生じた軟水を、脱気処理部に通水して軟水中の溶存炭酸ガスを脱気する。既述の通り、ステップA1により得られた軟水は、水素イオン濃度が高い。すなわち、pHが低く飲料水の水質基準を逸脱する傾向にある。そこで、ステップA2においては、得られた軟水に対して脱気処理をすることにより溶存炭酸ガスを脱気してpHを上昇させる。炭酸ガスの脱気によりpHが上昇する原理は既に述べたのでここでは省略する。図1又は図2に示す軟水化装置10、11において、ステップA2により、軟水化槽12により生じた軟水は、脱気処理部18に通水され、軟水中の溶存炭酸ガスが脱気されpHが上昇する。脱気処理部18を通過後は飲料用とされ、蛇口等から取水される。
[ステップB]
ステップBは、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するに際し、電解槽により生成した酸性電解水を軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂に供給する。既述の通り、弱酸性陽イオン交換樹脂の使用を続けると、イオン交換能力が低下する。そこで、ステップBにおいては、イオン交換能力が低下した弱酸性陽イオン交換樹脂を電解槽により生成した酸性電解水により水素イオンに交換する。図1又は図2に示す軟水化装置10、11において、ステップBにより、電解槽14を稼働させて酸性電解水を生成し、酸性電解水は流路24を介して軟水化槽12に供給する。
以上のステップA1及びステップA2は連続して実行するが、ステップBの実行と、ステップA1及びステップA2の実行とには直接的な関連はない。例えば、軟水化に当たり、ステップA1及びステップA2を繰り返し実行することにより、弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換能力が低下し、弱酸性陽イオン交換樹脂を再生する必要が生じる。ステップBをそのようなタイミングで実行することにより、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を図る。
以下、実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[参考例1]
まず、軟水中の溶存炭酸ガスの脱気処理によりpHが上昇することを確認するため、以下の操作を行った。
原水として、硬度450mg/Lの水を準備し、弱酸性陽イオン交換樹脂を含む軟水化槽に当該原水を通過させ軟水を得た。得られた軟水のpHを測定したところ4.725であった。次いで、ネブライザー(オムロン株式会社製、二流体式ネブライザー)により軟水中の溶存炭酸ガスの脱気処理を行った。脱気処理後のpHを測定したところ、6.474であった。
以上より、軟水を脱気処理することによりpHが上昇することが確認された。
[実施例1]
まず、図1に示す軟水化装置10を準備した。軟水化装置10の脱気処理部18には、曝気装置を用いた。当該曝気装置は、軟水を曝気することにより炭酸ガスの脱気を促進する装置である。原水としては硬度450mg/Lの水を用い、当該原水を軟水化槽12と、脱気処理部18とを通過させて得られた軟水のpH及び硬度を10分おきに測定した。測定結果を図4に示す。図4においては、pHを丸印のプロットで示し、硬度を三角印のプロットで示す。
[比較例1]
生成した軟水を、脱気処理部18を通過させなかったこと以外は実施例1と同様にして軟水化処理を行い、各時間のpHを測定した。測定結果を図4において×印のプロットで示す。
図4より、いずれの時間においても、実施例1は比較例1よりも大きいpH値を示した。なお、実施例1及び比較例1の双方とも、経時的にpHが上昇しているのは、弱酸性陽イオン交換樹脂の使用によりイオン交換能力が低下したためと考えられる。
10 11 軟水化装置
12 軟水化槽
14 電解槽
16 処理槽
18 脱気処理部
30 分離槽
38 水供給路

Claims (4)

  1. 硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、
    前記軟水化槽に連通し、前記軟水化槽で生成した軟水中の溶存炭酸ガスの脱気処理を行う脱気処理部と、
    アルカリ性電解水と、前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水とを生成する電解槽と、
    を備える軟水化装置。
  2. 前記電解槽で生成した酸性電解水を前記軟水化槽に通水して前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生した後における、硬度成分を含む酸性電解水と、前記電解槽で生成したアルカリ性電解水とを混合して前記硬度成分と反応させる処理槽をさらに備える、請求項1に記載の軟水化装置。
  3. 前記処理槽と前記電解槽との間に、前記処理槽から流出する処理水中の硬度成分の反応生成物を分離する分離槽をさらに備える、請求項2に記載の軟水化装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟水化装置の操業方法であって、
    軟水を得るに際し、硬度成分を含む原水を前記軟水化槽に通水して軟水化するステップA1と、前記ステップA1により生成した軟水を、前記脱気処理部に通水して前記軟水中の溶存炭酸ガスを脱気するステップA2とを少なくとも実行し、
    前記軟水化槽の前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するに際し、前記電解槽により生成した酸性電解水を前記軟水化槽の前記弱酸性陽イオン交換樹脂に供給するステップBを少なくとも実行する、軟水化装置の操業方法。
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