JP2013244430A - 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置 - Google Patents

塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013244430A
JP2013244430A JP2012118368A JP2012118368A JP2013244430A JP 2013244430 A JP2013244430 A JP 2013244430A JP 2012118368 A JP2012118368 A JP 2012118368A JP 2012118368 A JP2012118368 A JP 2012118368A JP 2013244430 A JP2013244430 A JP 2013244430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste liquid
copper chloride
acidic waste
containing acidic
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012118368A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Kobayashi
琢也 小林
Atsushi Kobayashi
厚史 小林
Kazunori Kano
一憲 加納
Toshihiro Suzuki
利宏 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Swing Corp
Original Assignee
Swing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Swing Corp filed Critical Swing Corp
Priority to JP2012118368A priority Critical patent/JP2013244430A/ja
Priority to PCT/JP2013/064040 priority patent/WO2013176111A1/ja
Publication of JP2013244430A publication Critical patent/JP2013244430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25CPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC PRODUCTION, RECOVERY OR REFINING OF METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25C1/00Electrolytic production, recovery or refining of metals by electrolysis of solutions
    • C25C1/12Electrolytic production, recovery or refining of metals by electrolysis of solutions of copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25CPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC PRODUCTION, RECOVERY OR REFINING OF METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25C7/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells; Servicing or operating of cells
    • C25C7/06Operating or servicing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/467Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction
    • C02F1/4672Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electrooxydation
    • C02F1/4674Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electrooxydation with halogen or compound of halogens, e.g. chlorine, bromine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/66Treatment of water, waste water, or sewage by neutralisation; pH adjustment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/10Inorganic compounds
    • C02F2101/20Heavy metals or heavy metal compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2103/00Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated
    • C02F2103/34Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated from industrial activities not provided for in groups C02F2103/12 - C02F2103/32
    • C02F2103/346Nature of the water, waste water, sewage or sludge to be treated from industrial activities not provided for in groups C02F2103/12 - C02F2103/32 from semiconductor processing, e.g. waste water from polishing of wafers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】塩化銅含有酸性廃液を処理して銅を酸化銅として効率よく回収するとともに、塩化銅含有酸性廃液の処理後に発生する高濃度塩水を処理し排出可能な処理水とすることができる塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】塩化銅含有酸性廃液1を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液3中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液4を生成し、当該懸濁液中から酸化銅を主成分とする固形物を分離して回収する処理方法であって、当該固形物5を分離した後に発生する高濃度食塩水6を隔膜を備えた電解槽14の陽極室19に導いて電解する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩化銅含有酸性廃液の処理・回収法に関し、更に詳細には、例えば銅プリント基板を塩化第二銅エッチング液でエッチングする際に生じるエッチング廃液、電解銅箔製造におけるメッキ浴液の更新廃液、多層プリント基板を生産する際の積層工程において基板表面の粗化処理で発生するエッチング廃液などの高濃度の銅イオンを含有する塩化銅含有酸性廃液を中和処理し、溶液中から銅を除去して回収する処理方法及び装置に関する。また、本発明は、上記塩化銅含有酸性廃液より銅を除去した後に発生する高濃度塩水の処理方法及び装置に関する。
銅イオンを高濃度で含有する酸性の廃液としては、銅プリント基板を塩化第二銅エッチング液でエッチングする際に生じるエッチング廃液、電解銅箔製造におけるメッキ浴液の更新廃液、多層プリント基板を生産する際の積層工程において基板表面の粗化処理で発生するエッチング廃液などが知られている。これら銅イオンを高濃度で含有する酸性の廃液のうち、銅プリント基板を塩化第二銅エッチング液でエッチングする際に生じるエッチング廃液は銅濃度が5〜20質量%(以下、単に「%」で示す)程度と高い一方で、共存する塩化物イオン濃度も通常5〜30%と高い。
このような塩化銅含有酸性廃液を対象にした銅の回収処理方法として、本発明者らは、先に、特許第4199821号(特許文献1)にて銅含有酸性廃液と酸化剤を混合した後、混合液をアルカリ剤溶液に添加することで、酸化銅を効率よく回収できる方法を提案した。この方法によれば、銅含有酸性廃液と酸化剤の混合液をアルカリ剤溶液中に滴下することで、酸化銅を主成分とする固形物が得られる。すなわちこの方法によれば、銅含有酸性廃液を酸化剤と共に、少量ずつアルカリ剤溶液に混合することで、適切な希釈効果を得ながら銅含有酸性廃液を中和し、銅含有酸性廃液に含まれる銅イオンを酸化し、酸化銅とすることができる。
特許文献1の方法は高濃度の塩化銅含有酸性廃液を希釈することなく処理できる特長がある。しかしながら、処理対象の塩化銅含有酸性廃液には、その性質上、塩化物イオンが高濃度に含まれており、塩化銅含有酸性廃液を処理し、生成した固形成分を分離除去した後には高濃度塩水が発生する。
塩化銅エッチング廃液の場合、塩化銅エッチング廃液には約200〜300g/Lの塩化物イオンが含まれている。この塩化銅エッチング廃液を特許文献1の方法で処理した場合、酸化銅スラリーの上澄液には約100g/Lの塩化物イオンが含まれる場合がある。これは食塩濃度に換算すると約170g/Lになる。
本処理で発生した上澄液は、残留する銅などの金属類は数mg/L未満になるまで回収除去されており、金属類に関しては簡単なpH調整をすることで放流基準を満たすことができる。しかし、日本国内では事業所からの排水について塩化物イオンに関する基準はないものの、上澄液には上述したように高濃度塩水が含まれるため、希釈などの適切な処理がなければ設備の腐食や放流先の環境変化の原因となり得る。また、海外では事業所からの放流水に対し例えば塩化物イオン濃度が規制されている場合も多く、適切な処理がされない場合放流できないことも起こりうる。したがって、塩化銅エッチング廃液の処理後に発生する高濃度塩水を適切に処理することが求められる場合がある。
特許第4199821号公報
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、塩化銅含有酸性廃液を処理して銅を酸化銅として効率よく回収するとともに、塩化銅含有酸性廃液の処理後に発生する高濃度塩水を処理し排出可能な処理水とすることができる塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法は、塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成し、当該懸濁液中から酸化銅を主成分とする固形物を分離して回収する処理方法であって、当該固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を隔膜を備えた電解槽の陽極室に導いて電解することを特徴とする。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法によれば、銅を酸化銅として回収し、固液分離後の高濃度食塩水を隔膜を備えた電解槽で電解することにより、再利用可能な水酸化ナトリウムを生成するとともに、塩濃度を低減し処理水をそのまま排出することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記隔膜はイオン交換膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることを特徴とする。
電解槽の隔膜にイオン交換膜を用いることにより、再利用可能な水酸化ナトリウム溶液を生成し、生成した水酸化ナトリウムを塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記隔膜は多孔質膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることを特徴とする。
電解槽の隔膜に多孔質膜を用いることにより、再利用可能な水酸化ナトリウム溶液を生成し、生成した水酸化ナトリウムを塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることができる。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法は、塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成し、当該懸濁液中から酸化銅を主成分とする固形物を分離して回収する処理方法であって、当該固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を無隔膜電解槽に導いて電解することを特徴とする。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法によれば、銅を酸化銅として回収し、さらに高濃度食塩水を電解することにより、再利用可能な次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成するとともに、塩濃度を低減し処理水をそのまま排出することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記無隔膜電解槽において、陽極付近で生成した塩素ガスと陰極付近で生成した水酸化ナトリウムとを反応させ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成することを特徴とする。
無隔膜電解槽を用いて電解することにより、再利用可能な次亜塩素酸ナトリウムを生成することができる。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理装置は、塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成する混合反応槽と、前記懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水を分離する固液分離装置と、隔膜によって分離された陽極室と陰極室とを有した電解槽とを備え、前記固液分離装置において固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を前記電解槽の陽極室に導いて電解するようにしたことを特徴とする。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理装置によれば、銅を酸化銅として回収し、再利用可能な水酸化ナトリウムを生成するとともに、塩濃度を低減し処理水をそのまま排出することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記隔膜はイオン交換膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を前記混合反応槽に供給する配管を備えたことを特徴とする。
このような構成の処理装置を用いることにより、生成した水酸化ナトリウム溶液を廃液の処理に再利用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記隔膜は多孔質膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を前記混合反応槽に供給する配管を備えたことを特徴とする。
このような構成の処理装置を用いることにより、生成した水酸化ナトリウム溶液を廃液の処理に再利用することができる。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理装置は、塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成する混合反応槽と、前記懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水を分離する固液分離装置と、前記固液分離装置において固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を電解する無隔膜電解槽とを備えたことを特徴とする。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理装置によれば、銅を酸化銅として回収し、電解槽において有用な物質を生成するとともに、塩濃度を低減し処理水をそのまま排出することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記無隔膜電解槽において、陽極付近で生成した塩素ガスと陰極付近で生成した水酸化ナトリウムとを反応させ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成することを特徴とする。
無隔膜電解槽において、再利用可能な次亜塩素酸ナトリウムを生成することができる。
本発明によれば、これまでの処理技術では複塩の生成などにより処理が困難であった、銅イオンの含有濃度が5〜20%という高濃度の塩化銅含有酸性廃液を希釈することなく直接処理することができ、銅成分として酸化銅を主成分とする生成物を回収することができる。同時に固形生成物を分離した後に残る高濃度塩水を隔膜を備えた電解槽で電解処理することで排水中の塩濃度の低減と塩化銅含有酸性廃液の処理に必要な水酸化ナトリウムを回収することが可能となる。また、高濃度塩水を無隔膜電解槽で処理した場合には、排水中の塩濃度を低くすることができるとともに次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造することが可能となり、発生した塩水を有効に活用できる。
本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法を実施する処理装置の一態様を示す模式図である。 本発明の塩化銅含有酸性廃液の処理方法を実施する処理装置の別の一態様を示す模式図である。 実施例1における塩化銅エッチング廃液と水酸化ナトリウム水溶液の中和曲線を示すグラフである。
本発明の塩化銅含有酸性廃液からの銅の回収方法(以下、「本発明の回収方法」という)による処理プロセスでは、処理対象の塩化銅含有酸性廃液の中和当量に対して過剰量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液(以下アルカリ性溶液ともいう)が供給された混合反応槽中に、塩化銅含有酸性廃液を徐々に注加し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成させるというものである。
本発明の回収方法においては、基本的に塩化銅含有酸性廃液とアルカリ性溶液の中和を、中和点よりアルカリ側で実施することが重要である。従って、本発明の回収方法を実施するには、アルカリ性溶液が過剰の状態、例えば、中和当量に対して1.2倍程度となるように、アルカリ性溶液が過剰な状態で中和を行うことが必要であり、アルカリ性溶液中に、塩化銅含有酸性廃液(および酸化剤)を徐々に、十分に撹拌しつつ加えていく必要がある。また、反応中は常にアルカリ性溶液が中和当量より過剰にあることが必要である。
従って、本発明の回収方法を実施するに当たっては、処理する塩化銅含有酸性廃液や、使用するアルカリ性溶液について予め実験を行い、処理すべき塩化銅含有酸性廃液量に対しアルカリ性溶液量を調べておくことが好ましい。
本発明の回収方法で処理対象となる塩化銅含有酸性廃液は、銅と塩素をイオン状態で含有する酸性廃液であり、銅イオン濃度や塩化物イオン濃度は特に制約されない。本発明の回収方法で特に好適に処理できる塩化銅含有酸性廃液の具体例として、銅プリント基板を塩化第二銅エッチング液でエッチングする際に生じるエッチング廃液が挙げられる。
また、本発明の回収方法でのアルカリ性溶液の調製に利用されるアルカリ剤としては、ナトリウムの水酸化物または炭酸塩を使用することができ、その形態としては、固体状でも液体状でもよい。これは、ナトリウムの水酸化物または炭酸塩で塩化銅含有酸性廃液を処理すると反応終了後に高濃度食塩水を生成するので、この高濃度食塩水を電解処理することにより生成される物質を水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムの原料として利用することができるためである。
ナトリウムの水酸化物や炭酸塩として、固体状のアルカリ(例えば粒状の水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム)を使用する場合は、廃液量の増加を抑制できる利点がある。固体状のアルカリ剤を用いる場合、固体状のアルカリ剤を水等で予め溶解させてから混合反応槽に供給しても良く、混合反応槽内に固体状のまま供給して混合反応槽で溶解させても良い。また、高濃度食塩水の電解処理により発生する水酸化ナトリウム溶液を利用することも可能である。
更に、固体状のアルカリ剤を溶解させる水としては固液分離により固形物から分離される分離液、分離された固形物の洗浄処理で生じる洗浄処理排水等を用いることもできる。一方、アルカリ剤としてアルカリ性溶液を用いる場合は、使用するアルカリ剤の量の調整制御が容易である点や、薬剤の補充が容易であり、溶解操作が不要であるなどの取り扱い面での利点がある。
塩化銅含有酸性廃液を酸化剤とともにアルカリ剤に添加すると、塩化銅含有酸性廃液中の銅イオンから酸化銅を主成分とする沈殿物が生成する。反応終了後、この沈殿物は洗浄工程に移送される。塩化銅含有酸性廃液には銅イオンの他に塩化物イオンが含まれる。このため、塩化銅含有酸性廃液をナトリウムの水酸化物や炭酸塩の溶液に添加すると、塩化銅含有酸性廃液中のアニオン(塩化物イオン)がアルカリ性溶液中のナトリウムイオンと反応して食塩を形成する。
本反応において、ナトリウムイオンと塩化物イオンから生成する食塩は溶解性のため、反応終了時点において食塩は酸化銅を含む沈殿物のスラリー中に溶解状態で存在する。酸化銅は有価物なので回収するが、このままスラリーを乾燥するだけでは酸化銅に食塩が残留し、回収した酸化銅の品質低下の原因となる。
回収した酸化銅から食塩を含む不純物を除去するため、酸化銅のスラリーは洗浄工程に移送し、不純物を洗浄する。この工程では、上述した食塩を高濃度に含む廃液が発生する。一般に塩化銅含有酸性廃液は高濃度のアニオンを含むため、洗浄工程で発生する廃液の塩濃度も高くなる。
例えば、塩化銅エッチング廃液の場合、廃液には約200〜300g/Lの塩化物イオンが含まれている。この塩化銅エッチング廃液を本反応で処理した場合、酸化銅スラリーの上澄液には約100g/Lの塩化物イオンが含まれる場合がある。これは食塩濃度に換算すると約170g/Lになる。従って、酸化銅スラリーの洗浄工程において、酸化銅スラリーより上澄液を分離すると約170g/Lの食塩水が発生することになる。
上述したように、洗浄工程で発生した高濃度塩水をそのまま放流することは種々の問題の原因となり得るので、高濃度塩水を処理し、さらには有効活用するため、本発明では発生した高濃度食塩水を電解処理する。電解槽としては様々な形態が提案されているが、食塩水を電解できる方式の電解槽であれば特に限定されず、電解処理後の生成物の利用形態に応じて選定することが好ましい。
本発明の一つの形態として、洗浄工程にイオン交換膜を隔膜として用いた電解槽を組み合わせた場合、高濃度食塩水は陽極室に供給され電解処理される。陽極室では食塩水中のナトリウムイオンはイオン交換膜を通過し、陰極側へ移動する。一方、塩化物イオンは隔膜を通過せず、陽極で酸化され塩素ガスとして放出される。このため、陽極室からは食塩濃度が低下した処理水が排出される。
陰極室には純水が供給され、水素イオンは陰極で還元され水素ガスとなり水酸化物イオンが存在することになる。水酸化物イオンは隔膜を通過しないため、陰極室に移動したナトリウムイオンの存在下液性がアルカリ性となる。陰極室全体としては、水素ガスが発生し水酸化ナトリウム溶液が排出される。
陰極室で発生した水酸化ナトリウム溶液は、塩化銅含有酸性廃液の処理反応に利用できるので、アルカリ剤購入費用の低減効果も期待できる。
本発明の別の形態として、多孔質膜を隔膜とした電解槽を組み合わせた場合、高濃度食塩水は陽極室に供給され電解処理される。陽極室では高濃度食塩水中の塩化物イオンが塩素ガスに酸化される。また、陽極室に供給された高濃度食塩水は多孔質膜を通過し、陰極室に移動する。陰極室では流入した食塩水中の水が陰極で還元され、水素ガスと水酸化物イオンが生成する。従って陰極室全体では、水素ガスが発生し、水酸化ナトリウム溶液が排出される。
ここで、多孔質膜電解槽の陰極室から排出される水酸化ナトリウム溶液には食塩が含まれている。このため、多孔質膜電解槽で回収した水酸化ナトリウム溶液を本発明における塩化銅含有酸性廃液とアルカリ剤の反応に用いる場合、食塩の分離操作が必要となる場合がある。
イオン交換膜電解槽と多孔質膜電解槽は、高濃度食塩水を電解した場合、いずれも陽極室から塩素ガス、陰極室から水素ガスが発生する。これらをそのまま放出することは危険なため、例えば発生した塩素ガスと水素ガスを混合・燃焼する設備を設け、塩酸として回収することが可能である。工場排水の処理ではpH調整が必要となる場合も多く、回収した塩酸をpH調整の用途に用いれば、工場内の使用薬品量の削減に寄与することができる。
本発明の他の形態として、隔膜を持たない電解槽を用いることも可能である。無隔膜電解槽では、供給された高濃度食塩水が電解され、陽極では塩化物イオンが塩素ガスに酸化される。一方、陰極では水が還元され、水素ガスと水酸化物イオンが生成し、水酸化ナトリウム溶液が生成する。無隔膜電解槽では隔膜がないため、隔膜電解槽とは異なり陽極付近で発生した塩素ガスと陰極付近で発生した水酸化ナトリウムが以下の反応式のように反応し、次亜塩素酸ナトリウムを生成する。
Cl+2NaOH→NaOCl+NaCl+H
生成した次亜塩素酸ナトリウムは殺菌剤として利用できるため、例えば工場内から放流される放流水中の微生物の殺菌や配管内の生物付着の抑制等に利用できる。
このように、銅回収工程から排出される高濃度食塩水の電解処理においては、生成物の再利用の形態に応じて電解方式を任意に選択することが可能である。
以上のことを踏まえ、プリント基板製造工程から排出される塩化銅エッチング廃液とアルカリ性溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合を例にとり、塩化銅含有酸性廃液の処理について以下に説明する。
本発明の回収方法による処理プロセスにおいては、まず、処理すべき塩化銅エッチング廃液の中和当量を超える量の水酸化ナトリウム水溶液を準備し、混合反応槽に入れる。次いで、塩化銅エッチング廃液を、混合反応槽中に少量ずつ注加して行く。この注加は、連続的でも間欠的でもかまわないが、好ましくは間欠的に行う。
本発明の回収方法において、水酸化ナトリウム水溶液と塩化銅エッチング廃液の混合では、塩化銅エッチング廃液中の銅イオンは、最初に水酸化銅に変化するが、次いで酸化剤の存在下、速やかに酸化銅へ変化する。
なお、反応中に塩化銅エッチング廃液の注加量が、混合反応槽内の水酸化ナトリウム水溶液の中和当量を超えると、混合反応槽内の懸濁液のpHが7未満となり、銅がCu2+の形態で再溶解し、処理水中の銅濃度が上昇する。本発明の目的の一つは、塩化銅エッチング廃液からの銅の除去・回収であるため、このような現象は好ましくない。そのため、塩化銅エッチング廃液の注加、混合に当たり、反応系内において、一時的にでもまた部分的にでもpHが中和点より酸性側にならないよう管理することも重要である。具体的には、反応中、混合反応槽のpHを測定し、反応中の液のpH値を7より高く、好ましくは8以上に維持するよう管理することで、銅がCu2+の形態で再溶解することを抑制することが望ましい。
本発明の回収方法を実施するための中和、回収処理装置(以下、「本発明の回収装置」と略称する)としては、アルカリ性溶液の供給手段、塩化銅含有酸性廃液の注加手段および混合手段を有し、アルカリ性溶液と塩化銅含有酸性廃液とを反応させてアルカリ性懸濁液を生成する混合反応槽と;当該アルカリ性懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水とを分離する固液分離装置と;当該高濃度食塩水を陽極室に導く配管、イオン交換膜からなる隔膜、陰極室で生成する水酸化ナトリウム水溶液を当該混合反応槽に導く配管を有した電解槽と;を備えた装置が挙げられる。
本発明の回収装置の一態様を図1に模式的に示す。図1に示すように、本発明の回収装置は、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2とを混合する混合槽11と、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2の混合液とアルカリ性溶液3とを混合して反応させる混合反応槽12と、混合反応槽12における反応終了後のアルカリ性懸濁液4が供給される固液分離装置13と、固液分離装置13で発生した高濃度食塩水6が供給される電解槽14とを備えている。
図1に示す本発明の回収装置では、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2とは、混合槽11に供給されて混合槽11内で混合される。そして、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2との混合液は、アルカリ性溶液3が供給された混合反応槽12に少量ずつ注加される。混合反応槽12においてアルカリ性溶液3と塩化銅含有酸性廃液とが反応してアルカリ性懸濁液が生成される。反応終了後、アルカリ性懸濁液4は固液分離装置13に移送され、固液分離装置13において固液分離後、酸化銅を主成分とする酸化銅スラリー5が回収される。一方、固液分離装置13で発生した高濃度食塩水6は電解槽14に供給される。
電解槽14には隔膜17が設けられており、電解槽14内は隔膜17によって陽極室19と陰極室20とに2分されている。隔膜17はイオン交換膜または多孔質膜を利用することができる。そして、陽極室19には陽極15が配設され、陰極室20には陰極16が配設されている。
隔膜17にイオン交換膜を用いた場合、高濃度食塩水は陽極室19に供給され電解処理される。陽極室19では食塩水中のナトリウムイオンはイオン交換膜を通過し、陰極室20へ移動する。一方、塩化物イオンは隔膜17を通過せず、陽極15で酸化され塩素ガス8として放出される。このため、陽極室19からは食塩濃度が低下した脱塩処理水(低濃度食塩水)7が排出される。陰極室20では水が還元され、水素ガス9と水酸化ナトリウム溶液10が排出される。水酸化ナトリウム溶液10は、点線で示すように水酸化ナトリウム溶液返送配管21を介して混合反応槽12に供給することも可能である。
隔膜17に多孔質膜を用いた場合、高濃度食塩水は陽極室19に供給され電解処理される。陽極室19では塩化物イオンが酸化され塩素ガス8が発生する。また、陽極室19に供給された高濃度食塩水は多孔質膜を通過し、陰極室20へ流入する。陰極室20では流入した食塩水中の水が還元され、水素ガス9と水酸化ナトリウム溶液10が排出される。なお、多孔質膜を用いた場合、排出される水酸化ナトリウム溶液10には食塩が含まれる。従って、必要に応じて水酸化ナトリウム溶液10の脱塩設備を設けることが望ましい。
また、本発明の回収装置の別の態様としては、アルカリ性溶液の供給手段、塩化銅含有酸性廃液の注加手段および混合手段を有し、アルカリ性溶液と塩化銅含有酸性廃液とを反応させてアルカリ性懸濁液を生成する混合反応槽と;当該アルカリ性懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水とを分離する固液分離装置と;当該高濃度食塩水を供給する配管を有した電解槽と;を備えた装置が挙げられる。
このような本発明の回収装置の別の一態様を図2に模式的に示す。図2に示す態様においては、高濃度食塩水を電解処理する電解槽は、隔膜を持たない無隔膜電解槽18から構成されている。
図2に示す本発明の回収装置では、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2とは、混合槽11に供給されて混合槽11内で混合される。そして、塩化銅含有酸性廃液1と酸化剤2との混合液は、アルカリ性溶液3が供給された混合反応槽12に少量ずつ注加される。混合反応槽12においてアルカリ性溶液3と塩化銅含有酸性廃液とが反応してアルカリ性懸濁液が生成される。反応終了後、アルカリ性懸濁液4は固液分離装置13に移送され、固液分離装置13において固液分離後、酸化銅を主成分とする酸化銅スラリー5が回収される。一方、固液分離装置13で発生した高濃度食塩水6は無隔膜電解槽18に供給される。
無隔膜電解槽18には高濃度食塩水6が供給される。無隔膜電解槽18の陽極15では塩化物イオンが酸化され塩素ガス8が発生する。また、陰極16では水が還元され、水素ガス9と水酸化ナトリウム溶液10が生成する。無隔膜電解槽18には隔膜がないため、陽極15付近で生成した塩素ガス8と陰極16付近で生成した水酸化ナトリウムが反応し、次亜塩素酸ナトリウムが生成する。無隔膜電解槽18の内部はアルカリ条件下のため、無隔膜電解槽18からはアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液21が排出される。
以上説明した本発明の回収方法では、塩化銅含有酸性廃液をアルカリ剤に注加することで、酸化銅を主成分とする生成物を得ることができる。また、生成した酸化銅の洗浄工程に電解設備を備えることで、酸化銅の洗浄工程で発生する高濃度食塩水を水酸化ナトリウム溶液または次亜塩素酸ナトリウムの原料として有効に利用することが可能となる。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、塩化銅含有酸性廃液として塩化銅エッチング廃液、アルカリ性溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いた。処理終了(反応終了)時点の混合反応槽内のpH値を7より高くするため、使用する25重量%水酸化ナトリウム水溶液をpH7に中和するのに必要な塩化銅エッチング廃液量に対し、塩化銅エッチング廃液の積算の注加量が0.8当量となる量の塩化銅エッチング廃液を最終的に混合反応槽に供給することとした。また、水酸化ナトリウム水溶液を中和するために必要な塩化銅エッチング廃液の混合反応槽への注加操作は、8回に分けて行った。
<予備試験>
処理の前に、処理する予定の塩化銅エッチング廃液量に対する必要最低限の25重量%水酸化ナトリウム水溶液の量を求めるため、中和処理試験を行った。25重量%水酸化ナトリウム水溶液に塩化銅エッチング廃液を少量ずつ添加し、塩化銅エッチング廃液の添加量に対するpHを測定したところ、図3に示すような中和曲線が得られた。図3において、横軸は25重量%水酸化ナトリウム水溶液からなるアルカリ性溶液1mあたりの塩化銅エッチング廃液の添加量(m)を示し、縦軸はpHを示す。図3より1mの25重量%水酸化ナトリウム水溶液を中和してpH7とするための塩化銅エッチング廃液量を求めると、図3中の太い点線で示すように約1.15mであった。この結果より、本実施例で使用する塩化銅エッチング廃液と25重量%水酸化ナトリウム水溶液を混合してpH7とするための混合比率は、容積比で1.15:1であるとした。
<処理操作>
予備試験の結果に従い、2リットル(L)のビーカーに25重量%水酸化ナトリウム水溶液を500mL添加し、マグネティックスターラーで撹拌しながら、加熱した。水酸化ナトリウム水溶液の温度が80℃に達した後、塩化銅エッチング廃液58mLと30wt%過酸化水素水12mLとを混合し、この混合液を2リットルのビーカー内を撹拌しながら、3分間かけて水酸化ナトリウム水溶液に添加した。混合液の注加終了後は、2リットルのビーカーを撹拌しながら3分間放置した。その後、再び、塩化銅エッチング廃液58mLと30wt%過酸化水素水12mLとの混合液を2リットルのビーカーに注加し、3分間放置する操作を計8回繰り返した。この8回の注加操作中、2リットルのビーカーは常時撹拌し、ビーカー中の反応液の温度を、80〜90℃に維持した。
8回目の注加操作が終了した後、撹拌を更に30分間継続し、反応を終了した。以上の操作により、やや褐色を帯びた黒色の固形物を含む懸濁液を生成した。この懸濁液を約12時間放置した後、上澄液を分離した。黒色固形物はX線結晶回折分析により酸化銅であることが確認された。
得られた上澄液は約700mLであった。これを分析したところ、pHが12、塩化物イオン濃度が約120g/Lであった。上澄液の電気分解には、イオン交換膜を備え電極面積が50cmの電解槽を用いた。ここに電極間に電流密度が15A/dmの条件で電圧をかけ、陽極室に上澄液を1時間当たり165mLの流量で供給した。その結果、陰極室からは30wt%の水酸化ナトリウム水溶液が総量で約118mL回収された。一方、陽極室からは塩化物イオン濃度が118g/Lである食塩水が約580mL回収された。
また、陽極室からは塩素ガスが約20g発生した。本試験では発生した塩素ガスは水に吸収させたが、陰極室から発生した水素ガスと混合・燃焼させることで塩酸として回収することができる。
このような結果より、塩化銅エッチング廃液の処理反応に再利用できる水酸化ナトリウム水溶液を上澄液の電解処理で回収できることを確認した。
<実施例2>
実施例2では、実施例1と同じ条件で塩化銅エッチング廃液を合計464mL処理した。さらに実施例1の場合と同様に、得られた黒色固形物を含む懸濁液を約12時間放置した後、上澄液を分離した。得られた上澄液700mLを分析したところ、pHが12、塩化物イオン濃度が約120g/Lであった。
上澄液の電気分解には、電極面積が50cmの無隔膜電解槽を用いた。ここに、電極間に電流密度が15A/dmの条件で電圧をかけ、電解槽に上澄液を1時間当たり165mLの流量で供給した。その結果、電解槽からの流出水には有効塩素濃度約38g/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成した。
この結果より、塩化銅エッチング廃液処理から発生する高濃度食塩水を無隔膜電解することで次亜塩素酸ナトリウム溶液を回収することができた。
本発明によれば、塩化銅含有酸性廃液を処理するに当たり発生する高濃度食塩水を電解することで、塩化銅含有酸性廃液の処理のために必要となる水酸化ナトリウム溶液を製造・回収することができると同時に、排水中の塩化物イオン濃度を低減することが可能となる。
また、無隔膜電解を用いることで水酸化ナトリウム溶液の代わりに次亜塩素酸ナトリウム溶液を回収することができる。この場合、排水中の総塩素量としては変わらないものの、殺菌や酸化剤の用途があれば、有効に活用することが可能となる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 塩化銅含有酸性廃液
2 酸化剤
3 アルカリ性溶液
4 アルカリ性懸濁液
5 酸化銅スラリー
6 高濃度食塩水
7 脱塩処理水(低濃度食塩水)
8 塩素ガス
9 水素ガス
10 水酸化ナトリウム溶液
11 混合槽
12 混合反応槽
13 固液分離装置
14 電解槽
15 陽極
16 陰極
17 隔膜
18 無隔膜電解槽
19 陽極室
20 陰極室
21 次亜塩素酸ナトリウム溶液

Claims (10)

  1. 塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成し、当該懸濁液中から酸化銅を主成分とする固形物を分離して回収する処理方法であって、当該固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を隔膜を備えた電解槽の陽極室に導いて電解することを特徴とする塩化銅含有酸性廃液の処理方法。
  2. 前記隔膜はイオン交換膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることを特徴とする請求項1記載の塩化銅含有酸性廃液の処理方法。
  3. 前記隔膜は多孔質膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を塩化銅含有酸性廃液の中和処理に用いることを特徴とする請求項1記載の塩化銅含有酸性廃液の処理方法。
  4. 塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成し、当該懸濁液中から酸化銅を主成分とする固形物を分離して回収する処理方法であって、当該固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を無隔膜電解槽に導いて電解することを特徴とする塩化銅含有酸性廃液の処理方法。
  5. 前記無隔膜電解槽において、陽極付近で生成した塩素ガスと陰極付近で生成した水酸化ナトリウムとを反応させ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成することを特徴とする請求項4記載の塩化銅含有酸性廃液の処理方法。
  6. 塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成する混合反応槽と、
    前記懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水を分離する固液分離装置と、
    隔膜によって分離された陽極室と陰極室とを有した電解槽とを備え、
    前記固液分離装置において固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を前記電解槽の陽極室に導いて電解するようにしたことを特徴とする塩化銅含有酸性廃液の処理装置。
  7. 前記隔膜はイオン交換膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を前記混合反応槽に供給する配管を備えたことを特徴とする請求項6記載の塩化銅含有酸性廃液の処理装置。
  8. 前記隔膜は多孔質膜からなり、前記電解槽の陰極室で発生する水酸化ナトリウム溶液を前記混合反応槽に供給する配管を備えたことを特徴とする請求項6記載の塩化銅含有酸性廃液の処理装置。
  9. 塩化銅含有酸性廃液を、当該塩化銅含有酸性廃液に対して中和当量以上の液量のナトリウムの水酸化物または炭酸塩の溶液中に注加して混合し、酸化銅を主成分とする固形物を含有する懸濁液を生成する混合反応槽と、
    前記懸濁液より酸化銅を主成分とする固形物と高濃度食塩水を分離する固液分離装置と、
    前記固液分離装置において固形物を分離した後に発生する高濃度食塩水を電解する無隔膜電解槽とを備えたことを特徴とする塩化銅含有酸性廃液の処理装置。
  10. 前記無隔膜電解槽において、陽極付近で生成した塩素ガスと陰極付近で生成した水酸化ナトリウムとを反応させ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成することを特徴とする請求項9記載の塩化銅含有酸性廃液の処理装置。
JP2012118368A 2012-05-24 2012-05-24 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置 Pending JP2013244430A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118368A JP2013244430A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置
PCT/JP2013/064040 WO2013176111A1 (ja) 2012-05-24 2013-05-21 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118368A JP2013244430A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013244430A true JP2013244430A (ja) 2013-12-09

Family

ID=49623801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012118368A Pending JP2013244430A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013244430A (ja)
WO (1) WO2013176111A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112125449A (zh) * 2020-09-21 2020-12-25 深圳市祺鑫环保科技有限公司 棕化废液的处理方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107662988A (zh) * 2016-07-30 2018-02-06 湖北永绍科技股份有限公司 一种酸性蚀刻废液的处理方法
CN109354078A (zh) * 2018-02-05 2019-02-19 蔡智 一种高纯度净水剂的生产方法及其设备
CN110697998B (zh) * 2019-11-12 2022-04-22 东江环保股份有限公司 氧化铜生产废水的处理方法
CN111957180A (zh) * 2020-08-13 2020-11-20 佰仕邦水处理环保科技(大连)有限公司 一种处理气体或溶液中的低浓度酸和/或酸根的工艺
CN114016034A (zh) * 2021-11-04 2022-02-08 兴平市秦兴环保科技有限公司 一种刻蚀废液混酸的回收再利用处理方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0489315A (ja) * 1990-07-30 1992-03-23 Toagosei Chem Ind Co Ltd 塩酸含有塩化銅水溶液から硫酸銅及び塩化アルカリを回収する方法
IT1263900B (it) * 1993-02-12 1996-09-05 Permelec Spa Nora Migliorata cella di elettrolisi cloro-soda a diaframma poroso e processo relativo
JP2000126773A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Hitachi Ltd 次亜塩素酸塩溶液の製造設備及び水処理設備
JP5102157B2 (ja) * 2008-09-05 2012-12-19 水ing株式会社 銅含有酸性廃液からの銅の除去回収方法及び装置
JP5417871B2 (ja) * 2009-02-06 2014-02-19 東ソー株式会社 食塩水の精製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112125449A (zh) * 2020-09-21 2020-12-25 深圳市祺鑫环保科技有限公司 棕化废液的处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013176111A1 (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013176111A1 (ja) 塩化銅含有酸性廃液の処理方法及び装置
JP5102157B2 (ja) 銅含有酸性廃液からの銅の除去回収方法及び装置
CN102459096B (zh) 从镀敷清洗废水中回收水和金属的方法
JP6331186B2 (ja) 廃水の処理装置、処理方法、および廃水処理システム
JP6223442B2 (ja) 金属塩溶液から塩酸を生成又は回収するための方法及び装置
TWI423935B (zh) 從含有銅之酸性廢液去除回收銅的方法與裝置,及含銅物的製造方法
CN100389076C (zh) 一种电解法降解废水中苯胺或/和硝基苯的方法
JP5808131B2 (ja) 銅含有酸性廃液の処理・回収方法及びそのための装置
JP5431998B2 (ja) 銅含有酸性廃液からの銅の回収方法及び装置
CN111560615B (zh) 一种酸性蚀刻废液在线回收铜、氯气及蚀刻液再生的方法
WO2008005641A2 (en) Formulation of electrolyte solutions for electrochemical chlorine dioxide generators
TW201604142A (zh) 含有銅的酸性廢液的處理方法
JP2008162823A (ja) 銅エッチング廃液から酸化第2銅を製造する方法
JP2018035024A (ja) 次亜塩素酸ソーダの製造方法及び次亜塩素酸ソーダの製造装置
JP2021070861A (ja) マグネシウムの回収方法およびマグネシウム回収装置
CN106637215B (zh) 一种线路板酸性蚀刻废液资源电解氧化剂回用方法
JP5965213B2 (ja) 銅含有酸性廃液からの酸化銅の回収方法及び装置
JP5689954B2 (ja) プロセス水を生成するために未処理の塩水を処理する方法、それによって生成されるプロセス水、および前記方法を行うための装置
JP5808132B2 (ja) 銅含有酸性廃液の処理・回収法およびそのための装置
CN108545803B (zh) 一种光促破络复合药剂与uv联用降解铜络合物并同步除铜的方法
JP2008149222A (ja) 温泉水中のフッ素イオン除去方法
JPH10290987A (ja) 写真処理由来の液状残留物の処理方法
WO2017138047A1 (ja) 水処理装置
JP2000263049A (ja) 畜舎排水の浄化処理法及びその装置
TWI671434B (zh) 利用鹵水生產二氧化氯的方法及生產二氧化氯設備