JP2021158636A - 負荷制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆接保護用の半導体スイッチにおけるオープン故障の発生を検知する。【解決手段】電源供給ライン2において、電源1から負荷3へ向かう方向の電流を規制する寄生ダイオードを有する第1半導体スイッチと、電源1から負荷3へ向かう方向の電流を許容する寄生ダイオードを有する逆接保護用の第2半導体スイッチと、が直列に配置される。電源供給ライン2のうち第1半導体スイッチから第2半導体スイッチまでの区間を迂回する迂回ライン6には第3半導体スイッチが配置される。制御回路10は、第1半導体スイッチがオフ状態、第2半導体スイッチがオン状態、かつ、第3半導体スイッチがオン状態となるように半導体スイッチを制御したときに、中間ノード2cの電位を検出する。【選択図】図1
Description
本発明は、負荷の駆動を制御する負荷制御装置に関し、詳しくは、負荷制御装置の異常を検知する技術に関する。
電源から負荷に電源を供給する電源ラインにおいて、例えば特許文献1に記載されるように、2つの半導体スイッチを、それらの寄生ダイオードの順方向が互いに逆向きとなるように直列接続して電源リレーを構成したものが知られている。これにより、負荷に対して電源が極性を逆にして誤接続されるという逆接による短絡電流の発生を回避するようにしている。
ところで、2つの半導体スイッチのうち逆接保護用の半導体スイッチがオフ状態で固着する異常(オープン故障)が発生しても、この半導体スイッチの寄生ダイオードを介して電源から負荷に通電可能である。
しかし、寄生ダイオードの導通損失は、オープン故障が発生していない正常時の半導体スイッチの導通損失と比較して大きくなる。このため、寄生ダイオードを介して継続的に負荷へ通電すると正常時よりも発熱量が増加して半導体スイッチやその周囲の素子に及ぼす熱的影響が大きくなる可能性がある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、逆接保護用の半導体スイッチにおけるオープン故障の発生を検知可能な負荷制御装置を提供することを目的とする。
このため、本願発明に係る負荷制御装置は、電源から負荷に電力を供給する電源供給ラインに設けられ、電源から負荷へ向かう方向の電流を規制する寄生ダイオードを有する第1半導体スイッチと、第1半導体スイッチよりも負荷側の電源供給ラインに第1半導体スイッチと直列に設けられ、電源から負荷へ向かう方向の電流を許容する寄生ダイオードを有する第2半導体スイッチと、第1半導体スイッチと第2半導体スイッチとの間の電源供給ラインの電圧を検出する電圧検出部と、電源供給ラインのうち第1半導体スイッチから第2半導体スイッチまでの区間を迂回する迂回ラインと、迂回ラインに設けられた第3半導体スイッチと、負荷の駆動を制御するとともに、第1半導体スイッチ、第2半導体スイッチ及び第3半導体スイッチを制御する制御部と、を備え、制御部は、負荷の駆動を停止した状態で、第1半導体スイッチがオフ状態となり、第2半導体スイッチがオン状態となり、かつ、第3半導体スイッチがオン状態となるように、第1半導体スイッチ、第2半導体スイッチ及び第3半導体スイッチを制御したときに、電圧検出部により検出された検出電圧に基づいて第2半導体スイッチに異常があるか否かを検知する。
本発明に係る負荷制御装置及びその異常検知方法によれば、逆接保護用の半導体スイッチにおけるオープン故障の発生を検知することができる。
〔第1実施形態〕
図1〜図3を参照し、本発明を実施するための第1実施形態について詳述する。
図1〜図3を参照し、本発明を実施するための第1実施形態について詳述する。
図1は、第1実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。負荷制御装置100は、電源1から電源供給ライン2を介して電源供給を受ける負荷3の駆動を制御する電子制御ユニットである。負荷制御装置100は、例えば、内燃機関の圧縮比を変更する駆動アクチュエータ等、車載バッテリを電源とする車載アクチュエータを制御対象負荷とする。なお、本明細書において「負荷」という用語は、負荷を駆動するための駆動回路を含む概念であるものとする。
負荷制御装置100は、第1のPチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)4、第2のPチャネル型MOSFET5、迂回ライン6、pnp型バイポーラトランジスタ7、電圧モニタ回路8、スイッチ駆動回路9及び制御回路10を備える。
第1のPチャネル型MOSFET(以下、「第1のPMOS」という)4及び第2のPチャネル型MOSFET(以下、「第2のPMOS」という)5は、電源1から負荷3への電源供給あるいはその遮断を行う電源リレーを構成する。
電源リレーのうち第1の半導体スイッチとしての第1のPMOS4は、その構造上、必然的に形成される寄生ダイオード4aを有する。第1のPMOS4は、その寄生ダイオード4aが電源1から負荷3へ向かう方向の電流を規制するように電源供給ライン2に配置される。電源リレーのうち第2の半導体スイッチとしての第2のPMOS5は、その構造上、必然的に形成される寄生ダイオード5aを有する。第2のPMOS5は、その寄生ダイオード5aが電源1から負荷3へ向かう方向の電流を許容するように、第1のPMOS4よりも負荷3側の電源供給ライン2に第1のPMOS4と直列に配置される。要するに、第1のPMOS4のソース端子4bと電源1との間、第1のPMOS4のドレイン端子4cと第2のPMOS5のドレイン端子5cとの間、及び、第2のPMOS5のソース端子5bと負荷3との間が、いずれも電源供給ライン2を介して接続される。
第1のPMOS4は、オン状態になるとソース端子4bとドレイン端子4cとの間が導通し、第2のPMOS5は、オン状態となると、ソース端子5bとドレイン端子5cとの間が導通する。したがって、PMOS4,5は、いずれもオン状態にされると電源1から負荷3への電源供給を可能にし、いずれもオフ状態にされると電源1から負荷3への電源供給を遮断する。
第1のPMOS4の制御端子であるゲート端子4dは、第1制御ライン11を介してスイッチ駆動回路9に接続され、第1制御ライン11には第1ゲート抵抗(第1電圧降下素子)12が配置される。第1ゲート抵抗12と第1のPMOS4のゲート端子4dとの間の第1制御ライン11は、第1のPMOS4のソース端子4bと電源1との間の電源供給ライン2に、第1ゲート−ソース間ライン13を介して接続される。この第1ゲート−ソース間ライン13には、第1ゲート−ソース間抵抗14が配置される。
第2のPMOS5の制御端子であるゲート端子5dは、第2制御ライン15を介してスイッチ駆動回路9に接続され、第2制御ライン15には第2ゲート抵抗16が配置される。第2ゲート抵抗16と第2のPMOS5のゲート端子5dとの間の第2制御ライン15は、第2のPMOS5のソース端子5bと負荷3との間の電源供給ライン2に、第2ゲート−ソース間ライン17を介して接続される。この第2ゲート−ソース間ライン17には、第2ゲート−ソース間抵抗18が配置される。
第1ゲート抵抗12、第2ゲート抵抗16、第1ゲート−ソース間抵抗14及び第2ゲート−ソース間抵抗18はいずれも、これらを流れる電流が、電源供給ライン2を介して負荷3に流れる負荷電流に影響与えない微弱電流となるように、十分大きい抵抗値を有する。
負荷制御装置100において、電源1から負荷3への電源供給あるいはその遮断を行う電源リレーを、第1のPMOS4に加えて第2のPMOS5を用いて構成しているのは、以下の理由による。すなわち、第1のPMOS4がオフ状態で電源1の逆接が発生した場合には、電源1−グランド−負荷3−第1のPMOS4の寄生ダイオード4a−電源1の順で過大な短絡電流が流れる閉回路が形成されるおそれがあるためである。このため、負荷制御装置100は、第1のPMOS4の寄生ダイオード4aと順方向が逆向きの寄生ダイオード5aを有する第2のPMOS5を逆接保護用の電源リレーとして加えている。
迂回ライン6は、電源供給ライン2のうち第1のPMOS4から第2のPMOS5までの区間を迂回する通電路である。すなわち、迂回ライン6は、第1のPMOS4のソース端子4bより電源1側の電源供給ライン2と、第2のPMOS5のソース端子5bより負荷3側の電源供給ライン2と、を接続する。迂回ライン6が第1のPMOS4のソース端子4bより電源1側の電源供給ライン2に接続される接続点を電源側ノード2aといい、迂回ライン6が第2のPMOS5のソース端子5bより負荷3側の電源供給ライン2に接続される接続点を負荷側ノード2bというものとする。
pnp型バイポーラトランジスタ(以下、「pnpトランジスタ」という)7は、迂回ライン6に配置される第3の半導体スイッチである。pnpトランジスタ7において、エミッタ端子7aは迂回ライン6を介して電源側ノード2aに接続され、コレクタ端子7bは迂回ライン6を介して負荷側ノード2bに接続される。pnpトランジスタ7の制御端子であるベース端子7cは、第3制御ライン19を介してスイッチ駆動回路9に接続される。なお、pnpトランジスタ7の過電流保護及び誤動作防止の観点から、ベース抵抗及びベース−エミッタ間抵抗を配置することができる。以下の実施形態において同様である。
電源供給ライン2のうち第1のPMOS4と第2のPMOS5との間の中間ノード2cは、プルダウン抵抗(第2電圧降下素子)20を介してグランドに接続される。プルダウン抵抗20は、PMOS4,5がオン状態のときにプルダウン抵抗20を介してグランドへ流れる電流が、電源供給ライン2を介して負荷3に流れる負荷電流に影響を与えない微弱電流となるように、十分大きい抵抗値を有する。
電圧モニタ回路8は、これと中間ノード2cとを接続する電圧検出ライン21によって中間ノード2cの電圧をモニタする電圧検出部としての回路である。電圧モニタ回路8は、中間ノード2cの電圧に関する情報を含むモニタ信号を制御回路10へ出力する。
スイッチ駆動回路9は、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7のそれぞれを個別にオン状態又はオフ状態にする所定の制御信号を出力するように構成される。このためスイッチ駆動回路9は、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7へ所定の制御信号を出力する信号ポートP1〜P3を備え、以下のように外部に接続される。すなわち、第1信号ポートP1には第1制御ライン11が接続され、第2信号ポートP2には第2制御ライン15が接続され、第3信号ポートP3には第3制御ライン19が接続される。
スイッチ駆動回路9の信号ポートP1,P2からは、低電位(Low)の制御信号SP(L)、または、これよりも高電位(High)の制御信号SP(H)のいずれか一方が出力される。制御信号SP(L)は、これが第1のPMOS4のゲート端子4d及び第2のPMOS5のゲート端子5dに入力されたときに、PMOS4,5をオン状態にする。また、制御信号SP(H)は、これが第1のPMOS4のゲート端子4d及び第2のPMOS5のゲート端子5dに入力されたときに、PMOS4,5をオフ状態にする。具体的には、制御信号SP(L)がPMOS4,5のゲート端子4d,5dに入力されたときに、それぞれのゲート電圧(制御電圧)がソース電圧からゲートしきい値電圧を減算した減算値以下の電圧値VP(L)となる。また、制御信号SP(H)がPMOS4,5のゲート端子4d,5dに入力されたときに、それぞれのゲート電圧がソース電圧からゲートしきい値電圧を減算した減算値より大きい電圧値VP(H)となる。このようなゲート電圧となるように、制御信号SP(L),SP(H)の2つの電位、並びに、ゲート抵抗12,16並びにゲート−ソース間抵抗14,18の各抵抗値が設定される。制御信号SP(L),SP(H)の2つの電位は、スイッチ駆動回路9の内部又は外部において、電源供給ライン2から供給される電圧を調整することで生成される。
スイッチ駆動回路9の第3信号ポートP3からは、低電位(Low)の制御信号Spnp(L)、または、これよりも高電位(High)の制御信号Spnp(H)のいずれか一方が出力される。制御信号Spnp(L)は、これがpnpトランジスタ7のベース端子7cに入力されたときに、pnpトランジスタ7をオン状態にする。また、制御信号Spnp(H)は、これがpnpトランジスタ7のベース端子7cに入力されたときに、pnpトランジスタ7をオフ状態にする。具体的には、制御信号Spnp(L)がpnpトランジスタ7のベース端子7cに入力されたときに、ベース電圧がエミッタ電圧から接合部飽和電圧を減算した減算値以下の電圧値Vpnp(L)となる。また、制御信号Spnp(H)がpnpトランジスタ7のベース端子7cに入力されたときに、ベース電圧がエミッタ電圧から接合部飽和電圧を減算した減算値より大きい電圧値Vpnp(H)となる。このようなベース電圧となるように、制御信号Spnp(L),Spnp(H)の2つの電位が(ベース抵抗及びベース−エミッタ間抵抗が配置される場合にはこれらの抵抗値も併せて)設定される。制御信号Spnp(L),Spnp(H)の2つの電位は、スイッチ駆動回路9の内部又は外部において、電源供給ライン2から供給される電圧を調整することで生成される。
制御回路10は、例えばマイクロコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、及び、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを有する。また、制御回路10は、外部との間で信号の入出力を行う入出力ポートを有する。入力ポートとしては、電圧モニタ回路8からのモニタ信号等を入力するものがある。出力ポートとしては、負荷3を駆動するための駆動信号を負荷3へ出力したり、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を駆動するためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力したりするものがある。
制御回路10は、電源供給ライン2に接続された図外の電源回路から電源が供給されることで動作を開始し、プロセッサが不揮発性メモリから各種制御プログラムを揮発性メモリに読み出して実行するソフトウェア処理によって各種制御を行う。ただし、制御回路10における各種制御は、その一部又は全部がハードウェアによって行われることを排除するものではない。
制御回路10は、例えば上位の制御装置からの負荷駆動指令信号に従って、負荷駆動制御を行うように構成される。また、制御回路10は、所定のタイミングで、第2のPMOS5がオフ状態で固着する異常(オープン故障)の発生を検知する異常検知制御を行うように構成される。このような異常検知制御を行うのは以下の理由による。すなわち、逆接保護用の第2のPMOS5にオープン故障が発生して寄生ダイオード5aを介して継続的に電源1から負荷3へ通電を行うと、正常時の通電よりも発熱量が増加して第2のPMOS5やその周囲の素子に及ぼす熱的影響が大きくなり得るからである。
なお、負荷制御装置100の制御部は、制御回路10とスイッチ駆動回路9とによって構成されるものとする。以下の実施形態において同様である。
次に、図2及び図3を参照して、負荷駆動制御時及び異常検知制御時のそれぞれにおける負荷制御装置100の動作について説明する。図2は負荷制御装置100の負荷駆動制御時における電流経路を示し、図3は負荷制御装置100の異常検知制御時における電流経路を示す。なお、図中において、電流経路は網掛け矢印によって示すものとする。
図2に示すように、負荷駆動制御時、制御回路10は、負荷3を駆動するための制御信号を生成し、この制御信号を負荷3へ出力する。例えば、制御回路10は、実際の制御量と制御量の目標値との偏差に基づいて操作量としてのデューティを演算し、このデューティが反映されたパルス幅変調(PWM)信号を制御信号として負荷3へ出力する。
制御回路10は、負荷駆動制御を行うために、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。スイッチ駆動回路9は、スイッチ駆動指令信号に応じて、信号ポートP1,P2からそれぞれPMOS4,5をオン状態にする制御信号SP(L)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオフ状態にする制御信号Spnp(H)を出力する。これにより、PMOS4,5のゲート電圧がPMOS4,5をオン状態にする電圧値VP(N)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧がpnpトランジスタ7をオフ状態にする電圧値Vpnp(H)となる。
このように、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードに設定することで、電源1からPMOS4,5を通って負荷3に電流が流れる。また、pnpトランジスタ7によって迂回ライン6を介した負荷3への通電が遮断される。そして、制御回路10は、上記のように、負荷3を駆動するための制御信号を生成し、この制御信号を負荷3へ出力することで、負荷3の駆動を制御する。
図3に示すように、異常検知制御時、制御回路10は、入力された電圧モニタ回路8のモニタ信号に基づいて第2のPMOS5にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
制御回路10は、異常検知制御を行うために、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を異常検知モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。スイッチ駆動回路9は、スイッチ駆動指令信号に応じて、第1信号ポートP1から第1のPMOS4をオフ状態にする制御信号SP(H)を出力し、第2信号ポートP2から第2のPMOS5をオン状態にする制御信号SP(L)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオン状態にする制御信号Spnp(L)を出力する。これにより、第1のPMOS4のゲート電圧が第1のPMOS4をオフ状態にする電圧値VP(H)となり、第2のPMOS5のゲート電圧が第2のPMOS5をオン状態にする電圧値VP(L)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧がpnpトランジスタ7をオン状態にする電圧値Vpnp(L)となる。
また、制御回路10は、異常検知制御を行うために、負荷3を駆動するための制御信号の生成を停止する、あるいは、負荷3に対する制御信号の出力を停止することで、負荷駆動制御を停止する。これにより、電源1から負荷3を介してグランドへ流れる電流が遮断される。
このように、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を異常検知モードに設定することで、電源電圧は迂回ライン6を介して第2のPMOS5のソース端子5bに印可される。
第2のPMOS5にオープン故障が発生していない正常時には第2のPMOS5はオン状態となるので、第2のPMOS5においてソース端子5bからドレイン端子5cへ電流が流れ、この電流は中間ノード2cからプルダウン抵抗20を介してグランドへ流れる。このため、中間ノード2cにおける電圧は電源電圧に相当する電位Vbatとなる。
しかし、第2のPMOS5にオープン故障が発生している異常時には、第2のPMOS5をオン状態にする制御信号SP(L)がゲート端子5dに入力されているにもかかわらず、第2のPMOS5はオフ状態のままである。このため、正常時の第2のPMOS5においてソース端子5bからドレイン端子5cへ流れる電流は、異常時には遮断される。したがって、プルダウン抵抗20において電圧降下が発生しないので、中間ノード2cにおける電圧はグランド電位VGNDとなる。
電圧モニタ回路8は、これと中間ノード2cとを接続する電圧検出ライン21によって、中間ノード2cの電圧をモニタし、モニタ信号を制御回路10に出力する。そして、制御回路10は、入力されたモニタ信号からA/D(Analog to Digital)変換等によって中間ノード2cの電圧を検出し、この検出電圧値に基づいて第2のPMOS5にオープン故障が発生しているか否かを検知する。例えば、制御回路10は、検出電圧値が所定閾値以上である場合には第2のPMOS5は正常であると検知し、検出電圧値が所定閾値未満である場合には第2のPMOS5は異常であると検知する。あるいは、制御回路10は、中間ノード2cの電圧を複数回検出し、検出電圧値の平均値若しくは最小値と所定閾値とを比較することもできる。ここで、所定閾値は、グランド電位VGNDと電源電圧に相当する電位Vbatの間の電圧値である。
なお、電圧モニタ回路8は、中間ノード2cの電圧と上記の所定閾値に相当する基準電圧との大小比較を行って、この比較結果に基づいて低電位と高電位の2つの電位のいずれか一方となるモニタ信号を出力してもよい。この場合、制御回路10は、2つの電位のいずれか一方となるモニタ信号に基づいて、第2のPMOS5が異常であるか否かを直ちに検知できる。
制御回路10は、第2のPMOS5が正常であると検知した場合には、限定するものではないが、以下の正常時処理を行うことができる。制御回路10は、異常検知制御を終了して、負荷駆動制御開始前であれば負荷駆動制御を開始し、負荷駆動制御を中断している場合には負荷駆動制御を再開する。あるいは、制御回路10は、負荷駆動制御停止後に異常検知制御を行った場合には、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を全てオフ状態にするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力してもよい。以下の実施形態において同様である。
制御回路10は、第2のPMOS5にオープン故障が発生していると検知した場合には、限定するものではないが、以下のような異常時処理を行うことができる。以下の実施形態において同様である。
第1の異常時処理として、制御回路10は負荷駆動制御を行わないようにする。具体的には、制御回路10は、第1のPMOS4及びpnpトランジスタ7をいずれもオフ状態にするためのスイッチ駆動指令信号を出力するとともに、負荷3を駆動するための制御信号の生成を停止する、あるいは、負荷3に対する制御信号の出力を停止する。
第2の異常時処理として、制御回路10は、負荷駆動制御を行う際に、第2のPMOS5の寄生ダイオード5aを通過する電流を抑制すべく、負荷3の駆動制御における操作量を正常時よりも強制的に減少させる。
第3の異常時処理として、制御回路10は、第1のPMOS4をオフ状態にし、pnpトランジスタ7をオン状態にするためのスイッチ駆動指令信号を出力し、電源1から負荷3へ迂回ライン6を経由して電流を流して負荷3を駆動する。ただし、負荷3の駆動制御における操作量は、pnpトランジスタ7や迂回ライン6の許容電流値を超えない値に制限される。
第1実施形態に係る負荷制御装置100によれば、電源リレーのうち逆接保護用の第2のPMOS5に異常が発生したか否かを検知することができる。したがって、第2のPMOS5のオープン故障時に寄生ダイオード5aに継続的に流れる電流による発熱に対処すべく、第2のPMOS5として耐熱性の高い半導体スイッチや過熱保護回路を採用する必要性を低減できる。
また、第1実施形態に係る負荷制御装置100によれば、正常時(電源電圧に相当する電位Vbat)と異常時(グランド電位VGND)との間で電位が顕著に変化する中間ノード2cの電圧を検出することで、第2のPMOS5のオープン故障を検知している。これに対し、第2のPMOS5のソース端子5bとドレイン端子5cとの間の端子間電位差からオープン故障を検知することも考えられる。しかし、この場合には、正常時のオン抵抗による電位差から異常時の寄生ダイオード5aの順方向電圧による電位差への微妙な変化(例えば1ボルト未満)を検出する必要がある。したがって、負荷制御装置100によれば、第2のPMOS5の端子間電位差を検出する場合と比較すると、電圧検出のばらつきや電源電圧のばらつき及び低下が生じていても、第2のPMOS5のオープン故障の発生を良好な精度で検知することができる。
〔第2実施形態〕
図4を参照して、本発明を実施するための第2実施形態について詳述する。図4は第2実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置101では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図4を参照して、本発明を実施するための第2実施形態について詳述する。図4は第2実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置101では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置101は、電源リレーを構成する第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチとして、Pチャネル型MOSFETに替えてNチャネル型MOSFET(以下、「NMOS」という)を用いる点で負荷制御装置100と異なる。すなわち、負荷制御装置101は、第1の半導体スイッチとして第1のPMOS4に替えて第1のNMOS22を用い、第2の半導体スイッチとして第2のPMOS5に替えて第2のNMOS23を用いる。
第1のNMOS22は、その寄生ダイオード22aが電源1から負荷3へ向かう方向の電流を規制するように電源供給ライン2に配置される。第2のNMOS23は、その寄生ダイオード23aが電源1から負荷3へ向かう方向の電流を許容するように配置される。第2のNMOS23は、第1のNMOS22よりも負荷3側の電源供給ライン2に第1のNMOS22と直列に配置される。要するに、第1のNMOS22のドレイン端子22cと電源1との間、第1のNMOS22のソース端子22bと第2のNMOS23のソース端子23bとの間、及び、第2のNMOS23のドレイン端子23cと負荷3との間が、いずれも電源供給ライン2を介して接続される。なお、負荷制御装置101において、電源1から負荷3への電源供給あるいはその遮断を行う電源リレーを、第1のNMOS22に加えて第2のNMOS23を用いて構成しているのは、負荷制御装置100と同様の理由による。
第1のNMOS22は、オン状態になるとソース端子22bとドレイン端子22cとの間が導通し、第2のNMOS23は、オン状態になるとソース端子23bとドレイン端子23cとの間が導通する。したがって、NMOS22,23は、いずれもオン状態にされると電源1から負荷3への電源供給を可能にし、いずれもオフ状態にされると電源1から負荷3への電源供給を遮断する。
第1のNMOS22の制御端子であるゲート端子22dは、第1ゲート抵抗12が配置された第1制御ライン11を介してスイッチ駆動回路9に接続される。第1ゲート抵抗12と第1のNMOS22のゲート端子22dとの間の第1制御ライン11は、第1のNMOS22のソース端子22bと第2のNMOS23のソース端子23bとの間の電源供給ライン2に、第1ゲート−ソース間ライン13を介して接続される。この第1ゲート−ソース間ライン13に第1ゲート−ソース間抵抗14が配置される。
第2のNMOS23の制御端子であるゲート端子23dは、第2ゲート抵抗16が配置された第2制御ライン15を介してスイッチ駆動回路9に接続される。第2ゲート抵抗16と第2のNMOS23のゲート端子23dとの間の第2制御ライン15は、第1のNMOS22のソース端子22bと第2のNMOS23のソース端子23bとの間の電源供給ライン2に、第2ゲート−ソース間ライン17を介して接続される。この第2ゲート−ソース間ライン17に第2ゲート−ソース間抵抗18が配置される。
迂回ライン6は、電源供給ライン2のうち第1のNMOS22から第2のNMOS23までの区間を迂回する通電路である。すなわち、迂回ライン6は、第1のNMOS22のドレイン端子22cより電源1側の電源供給ライン2と、第2のNMOS23のドレイン端子23cより負荷3側の電源供給ライン2と、を接続する。
電源供給ライン2のうち第1のNMOS22と第2のNMOS23との間の中間ノード2cは、プルダウン抵抗20を介してグランドに接続される。
スイッチ駆動回路9は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7のそれぞれを個別にオン状態又はオフ状態にする所定の制御信号を出力するように構成される。このためスイッチ駆動回路9において、第1信号ポートP1が第1制御ライン11に接続され、第2信号ポートP2が第2制御ライン15に接続され、第3信号ポートP3が第3制御ライン19に接続される。
スイッチ駆動回路9の信号ポートP1,P2からは、低電位(Low)の制御信号SN(L)、または、これよりも高電位(High)の制御信号SN(H)のいずれか一方が出力される。制御信号SN(L)は、これが第1のNMOS22のゲート端子22d及び第2のNMOS23のゲート端子23dにそれぞれ入力されたときに、NMOS22,23をオフ状態にする。また、制御信号SN(H)は、これが第1のNMOS22のゲート端子22d及び第2のNMOS23のゲート端子23dにそれぞれ入力されたときに、NMOS22,23をオン状態にする。具体的には、制御信号SN(L)がNMOS22,23のゲート端子22d,23dに入力されたときに、それぞれのゲート電圧がソース電圧にゲートしきい値電圧を加算した加算値未満の電圧値VN(L)となる。また、制御信号SN(H)がNMOS22,23のゲート端子22d,23dに入力されたときに、それぞれのゲート電圧がソース電圧にゲートしきい値電圧を加算した加算値以上の電圧値VN(H)となる。このようなゲート電圧となるように、制御信号SN(L),SN(H)の2つの電位、並びに、ゲート抵抗12,16並びにゲート−ソース間抵抗14,18の各抵抗値が設定される。制御信号SN(L),SN(H)の2つの電位は、スイッチ駆動回路9の内部又は外部において、電源供給ライン2から供給された電圧が調整されることで生成される。
制御回路10は、負荷制御装置100と同様に入出力ポートを有しているが、出力ポートでは、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を駆動するためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する点で負荷制御装置100と異なる。
制御回路10は、例えば上位の制御装置からの負荷駆動指令信号に従って、負荷駆動制御を行うように構成される。また、制御回路10は、所定のタイミングとなると、負荷駆動制御を停止した状態で、第2のNMOS23がオフ状態で固着する異常(オープン故障)の発生を検知する異常検知制御を行うように構成される。
負荷駆動制御時、制御回路10は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。スイッチ駆動回路9は、スイッチ駆動指令信号に応じて、信号ポートP1,P2からそれぞれNMOS22,23をオン状態にする制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオフ状態にする制御信号Spnp(H)を出力する。これにより、NMOS22,23のゲート電圧がNMOS22,23をオン状態にする電圧値VN(H)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧がpnpトランジスタ7をオフ状態にする電圧値Vpnp(H)となる。
このように、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードに設定することで、電源1からNMOS22,23を通って負荷3に電流が流れる。また、pnpトランジスタ7によって迂回ライン6を介した負荷3への通電が遮断される。そして、制御回路10は、上記のように、負荷3を駆動するための制御信号を生成し、この制御信号を負荷3へ出力することで、負荷3の駆動を制御する。
異常検知制御時、制御回路10は、負荷駆動制御を停止した状態で、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を異常検知モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。スイッチ駆動回路9は、スイッチ駆動指令信号に応じて、第1信号ポートP1から第1のNMOS22をオフ状態にする制御信号SN(L)を出力し、第2信号ポートP2から第2のNMOS23をオン状態にする制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオン状態にする制御信号Spnp(L)を出力する。これにより、第1のNMOS22のゲート電圧が第1のNMOS22をオフ状態にする電圧値VN(L)となり、第2のNMOS23のゲート電圧が第2のNMOS23をオン状態にする電圧値VN(H)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧がpnpトランジスタ7をオン状態にする電圧値Vpnp(L)となる。
このようにNMOS22,23及びpnpトランジスタ7を異常検知モードに設定することで、電源電圧は迂回ライン6を介して第2のNMOS23のドレイン端子23cに印可される。第2のNMOS23が正常であれば第2のNMOS23はオン状態となるので、中間ノード2cの電圧は電源電圧に相当する電位Vbatとなる。一方、第2のNMOS23が異常であれば第2のNMOS23はオフ状態となるので、中間ノード2cの電圧はグランド電位VGNDとなる。このように中間ノード2cの電圧は、正常時と異常時との間で電位が顕著に変化する。そして、制御回路10は、負荷制御装置100と同様に、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力して、このモニタ信号に基づいて第2のNMOS23にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
第2実施形態に係る負荷制御装置101によれば、負荷制御装置100と同様の効果を奏することができる。
〔第3実施形態〕
図5を参照して、本発明を実施するための第3実施形態について詳述する。図5は第3実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置102では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100〜101と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図5を参照して、本発明を実施するための第3実施形態について詳述する。図5は第3実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置102では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100〜101と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置102では、制御ライン11,15が共に第1信号ポートP1に接続され、第2信号ポートP2が省略される。図中では、制御ライン11,15が共通制御ライン24を介して第1信号ポートP1に接続されている。共通制御ライン24から第1制御ライン11と第2制御ライン15とに分岐する部分を第1分岐ノード24aというものとする。
また、負荷制御装置102では、第1のPMOS4のゲート端子4dと第1ゲート抵抗12との間の第1制御ライン11をpnpトランジスタ7と負荷側ノード2bとの間の迂回ライン6に接続する接続ライン25をさらに備える。なお、図示の例とは異なるが、接続ライン25は、第1のPMOS4のゲート端子4dと第1ゲート抵抗12との間の第1制御ライン11を第2のPMOS5のソース端子5bと負荷3との間の電源供給ライン2に接続するものであってもよい。
接続ライン25が迂回ライン6に接続される部分を第1接続ノード25aといい、接続ライン25が第1制御ライン11に接続される部分を第2接続ノード25bというものとする。以下の実施形態において同様である。
さらに、負荷制御装置102では、第1接続ノード25aと負荷側ノード2bとの間の迂回ライン6に設けられ、負荷側ノード2bから迂回ライン6を介して電源側ノード2aへ向かう方向の電流を規制するダイオード(整流素子)26を備える。すなわち、ダイオード26は、アノードが第1接続ノード25aに接続され、カソードが負荷側ノード2bに接続されるように迂回ライン6に配置される。
負荷駆動制御時、制御回路10は、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からPMOS4,5に向けて共通の制御信号SP(L)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオフ状態にする制御信号Spnp(H)を出力する。
このように負荷駆動モードにするための制御信号が出力されると、第2接続ノード25bでは、オフ状態のpnpトランジスタ7及びダイオード26によって、迂回ライン6から接続ライン25を介した通電が遮断される。このため、第2のPMOS5のゲート電圧だけでなく、第1のPMOS4のゲート電圧も共通の制御信号SP(L)によって電圧値VP(L)に定まり、PMOS4,5はオン状態となる。したがって、電源1からPMOS4,5を通って負荷3に電流が流れる。
一方、異常検知制御時、制御回路10は、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を異常検知モードに設定するためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からPMOS4,5に向けて共通の制御信号SP(L)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオン状態にする制御信号Spnp(L)を出力する。
このように異常検知モードにするための制御信号が出力されると、第2接続ノード25bは、共通の制御信号SP(L)にかかわらず、オン状態のpnpトランジスタ7によって迂回ライン6から接続ライン25を介して通電される。これにより、第1のPMOS4のゲート電圧が電位Vbatとなる。したがって、ソース電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなっている第1のPMOS4のゲート−ソース間電圧はゲートしきい値電圧未満となって、第1のPMOS4はオフ状態となる。これに対し第2のPMOS5のゲート電圧は、第3信号ポートP3から出力される制御信号Spnp(H)が制御信号Spnp(L)へ変化したか否かにかかわらず、共通の制御信号SP(L)によって電圧値VP(L)に定まる。
上記のように第1のPMOS4は、共通の制御信号SP(L)にかかわらず、pnpトランジスタ7がオン状態となることで自律的にオフ状態となるので、電源電圧は迂回ライン6を介して第2のPMOS5のソース端子5bに印可される。中間ノード2cの電圧は、第2のPMOS5が正常であれば電源電圧に相当する電位Vbatとなり、第2のPMOS5が異常であればグランド電位VGNDとなって、正常時と異常時との間で電位が顕著に変化する。そして、制御回路10は、負荷制御装置100と同様に、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力し、このモニタ信号に基づいて第2のPMOS5にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
第3実施形態に係る負荷制御装置102によれば、負荷制御装置100と同様の効果を奏することができることに加え、PMOS4,5に対する制御信号を共通にして異常検知制御を行うことが可能となるので、スイッチ駆動回路9の信号ポート数を低減できる。
〔第4実施形態〕
図6を参照して、本発明を実施するための第4実施形態について詳述する。図6は第4実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置103では、図4の負荷制御装置101との相違点について説明し、負荷制御装置100〜102と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図6を参照して、本発明を実施するための第4実施形態について詳述する。図6は第4実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置103では、図4の負荷制御装置101との相違点について説明し、負荷制御装置100〜102と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置103では、制御ライン11,15が共に第1信号ポートP1に接続され、第2信号ポートP2が省略される。また、負荷制御装置103では、第1のNMOS22のゲート端子22dと第1ゲート抵抗12との間の第1制御ライン11をpnpトランジスタ7と負荷側ノード2bとの間の迂回ライン6に接続する接続ライン25をさらに備える。
接続ライン25には、第4の半導体スイッチとしてnpn型バイポーラトランジスタ(以下、「npnトランジスタ」という)27が配置される。npnトランジスタ27は、第1接続ノード25aにおける電源電圧に相当する電位Vbatを、第2接続ノード25bにおいてNMOS22がオフ状態となる電位に反転させるためのものである。npnトランジスタ27は、接続ライン25により第1接続ノード25aで迂回ライン6に接続されたベース端子27aを有する。また、npnトランジスタ27は、接続ライン25により第2接続ノード25bで第1制御ライン11に接続されたコレクタ端子27bと、グランドに接続されたエミッタ端子27cと、を有する。npnトランジスタ27のベース端子27aとエミッタ端子27cとの間には、ベース−エミッタ間抵抗28が配置される。ベース−エミッタ間抵抗28は、プルダウン抵抗20と同様に、十分大きい抵抗値を有する。なお、図示省略するが、npnトランジスタ27の過電流保護の観点から、接続ライン25上にベース抵抗を設けることができる。
負荷駆動制御時、制御回路10は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からNMOS22,23に向けて共通の制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオフ状態にする制御信号Spnp(H)を出力する。
このように負荷駆動モードにするための制御信号が出力されると、npnトランジスタ27のベース端子27aでは、オフ状態のpnpトランジスタ7及びダイオード26によって、迂回ライン6から接続ライン25を介した通電が遮断される。これにより、npnトランジスタ27は、そのベース電圧がグランド電位VGNDとなってオフ状態となる。このため、第2のNMOS23のゲート電圧だけでなく、第1のNMOS22のゲート電圧も共通の制御信号SN(H)によって電圧値VN(H)に定まり、NMOS22,23はオン状態となる。したがって、電源1からNMOS22,23を通って負荷3に電流が流れる。
一方、異常検知制御時、制御回路10は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を異常検知モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からNMOS22,23に向けて共通の制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からpnpトランジスタ7をオン状態にする制御信号Spnp(L)を出力する。
このように異常検知モードにするための制御信号が出力されると、npnトランジスタ27のベース端子27aは、オン状態のpnpトランジスタ7によって、迂回ライン6から接続ライン25を介して通電される。これにより、npnトランジスタ27は、そのベース電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなってオン状態となるので、第2接続ノード25bでは、共通の制御信号SN(H)の出力にかかわらず、グランド電位VGNDとなる。このため、第1のNMOS22のゲート電圧もグランド電位VGNDとなり、ソース電圧がグランド電位VGNDとなっている第1のNMOS22のゲート−ソース間電圧はゲートしきい値電圧未満となって、第1のNMOS22はオフ状態となる。これに対し第2のNMOS23のゲート電圧は、第3信号ポートP3から出力される制御信号Spnp(H)が制御信号Spnp(L)へ変化したか否かにかかわらず、共通の制御信号SN(H)によって電圧値VN(H)に定まる。
上記のように第1のNMOS22は、共通の制御信号SN(H)にかかわらず、pnpトランジスタ7がオン状態となることで自律的にオフ状態となるので、電源電圧は迂回ライン6を介して第2のNMOS23のドレイン端子23cに印可される。中間ノード2cの電圧は、第2のNMOS23が正常であれば電源電圧に相当する電位Vbatとなり、第2のNMOS23が異常であればグランド電位VGNDとなって、正常時と異常時との間で電位が顕著に変化する。そして、制御回路10は、負荷制御装置100と同様に、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力し、このモニタ信号に基づいて第2のNMOS23にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
第4実施形態に係る負荷制御装置103によれば、負荷制御装置100と同様の効果を奏することができることに加え、NMOS22,23に対する制御信号を共通にして異常検知制御を行うことが可能となるので、スイッチ駆動回路9の信号ポート数を低減できる。
〔第5実施形態〕
図7を参照して、本発明を実施するための第5実施形態について詳述する。図7は第5実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置104では、図5の負荷制御装置102との相違点について説明し、負荷制御装置100〜103と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図7を参照して、本発明を実施するための第5実施形態について詳述する。図7は第5実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置104では、図5の負荷制御装置102との相違点について説明し、負荷制御装置100〜103と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置104では、第3制御ライン19が制御ライン11,15と共に第1信号ポートP1に接続され、第2信号ポートP2に加えて第3信号ポートP3が省略される。図中では、第3制御ライン19は共通制御ライン24を介して第1信号ポートP1に接続されている。共通制御ライン24から第3制御ライン19へ分岐する部分を第2分岐ノード24bというものとする。
また、負荷制御装置104では、第3制御ライン19に一定時間動作回路29がさらに配置される。一定時間動作回路29は、第1信号ポートP1から出力された制御信号を入力してから一定時間が経過するまでは、入力した制御信号をその電位を保持しつつ出力する。そして、一定時間動作回路29は、一定時間が経過したときに、入力した制御信号をその電位を反転させつつ出力する。
第1信号ポートP1からは、PMOS4,5及び一定時間動作回路29へ、共通の制御信号SP(L),SP(H)のいずれか一方が出力される。一定時間動作回路29を介してpnpトランジスタ7のベース端子7cに共通の制御信号SP(L)が入力された場合には、pnpトランジスタ7は、そのベース電圧が電圧値Vpnp(L)となってオン状態となる。また、一定時間動作回路29を介してpnpトランジスタ7のベース端子7cに制御信号SP(H)が入力された場合には、pnpトランジスタ7は、そのベース電圧が電圧値Vpnp(H)となってオフ状態となる。
制御回路10は、負荷駆動制御を行う場合、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1から、PMOS4,5及び一定時間動作回路29に向けて共通の制御信号SP(L)を出力する。一定時間動作回路29は、共通の制御信号SP(L)を入力してから一定時間が経過するまでは、pnpトランジスタ7に向けて制御信号SP(L)を出力する。これにより、pnpトランジスタ7はオン状態となるため、第1のPMOS4のゲート電圧は、迂回ライン6から接続ライン25を介した通電により、制御信号SN(H)の電位にかかわらず、電源電圧に相当する電位Vbatとなる。したがって、ソース電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなっている第1のPMOS4のゲート−ソース間電圧はゲートしきい値電圧未満となって、第1のPMOS4はオフ状態となる。これに対し、第2のPMOS5のゲート電圧は、共通の制御信号SP(L)によって電圧値VP(L)に定まる。
このように負荷駆動制御を開始すべく第1信号ポートP1から共通の制御信号SP(L)が出力されると、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7は、一定時間、自律的に異常検知モードとなる。そして、制御回路10は、一定時間が経過するまでに、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力し、このモニタ信号に基づいて第2のPMOS5にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
一定時間動作回路29は、第1信号ポートP1より共通の制御信号SP(L)を入力してから一定時間が経過したときに、制御信号SP(L)の電位を反転させて制御信号SP(H)を出力する。これにより、pnpトランジスタ7はオフ状態となるため、第1のPMOS4のゲート電圧は、接続ライン25を介した迂回ライン6からの通電が遮断されて、共通の制御信号SP(L)によって電圧値VP(L)に定まり、オン状態となる。これに対し、第2のPMOS5のゲート電圧は、共通の制御信号SP(L)によって電圧値VP(L)のままである。したがって、電源1からPMOS4,5を通って負荷3に電流が流れるとともに、pnpトランジスタ7によって迂回ライン6を介した負荷3への通電が遮断される。そして、制御回路10は、上記のように、負荷3を駆動するための制御信号を生成し、この制御信号を負荷3へ出力することで、負荷3の駆動を制御する。
第5実施形態に係る負荷制御装置104によれば、負荷制御装置100と同様の効果に加え、以下の効果を奏することができる。すなわち、負荷制御装置104では、負荷駆動制御を開始する際に一定時間が経過するまでは、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7が自律的に異常検知モードに設定される。このため、制御回路10は、異常検知モード設定に伴う処理負荷を軽減させて異常検知制御を行うことができる。また、PMOS4,5だけでなくpnpトランジスタ7に対する制御信号も共通にしているので、スイッチ駆動回路9の信号ポート数をさらに低減できる。
〔第6実施形態〕
図8を参照して、本発明を実施するための第6実施形態について詳述する。図8は第6実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置105では、図6の負荷制御装置103との相違点について説明し、負荷制御装置100〜104と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図8を参照して、本発明を実施するための第6実施形態について詳述する。図8は第6実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置105では、図6の負荷制御装置103との相違点について説明し、負荷制御装置100〜104と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置105では、第3制御ライン19が制御ライン11,15と共に第1信号ポートP1に接続され、第2信号ポートP2に加えて第3信号ポートP3が省略される。図中では、第3制御ライン19は共通制御ライン24を介して第1信号ポートP1に接続されている。
また、負荷制御装置105では、第3制御ライン19に一定時間動作回路29がさらに配置される。第3制御ライン19は、npnトランジスタ30を介してpnpトランジスタ7のベース端子7cに接続される。
npnトランジスタ30は、第1信号ポートP1に接続されるベース端子30a、pnpトランジスタ7のベース端子7cに接続されるコレクタ端子30b、及び、グランドに接続されるエミッタ端子30cを有する。なお、npnトランジスタ30の過電流保護及び誤動作防止の観点からベース抵抗及びベース−エミッタ間抵抗を配置することができる。
pnpトランジスタ7のベース端子7cは、ベース−エミッタ間抵抗31を介して、pnpトランジスタ7のエミッタ端子7aと負荷側ノード2bとの間の迂回ライン6、あるいは、第1のNMOS22のドレイン端子22cと電源1との間の電源供給ライン2に接続される。ベース−エミッタ間抵抗31は、プルダウン抵抗20と同様に、十分大きい抵抗値を有する。
第1信号ポートP1から、NMOS22,23及び一定時間動作回路29へ、共通の制御信号SN(L),SN(H)のいずれか一方が出力される。一定時間動作回路29を介してnpnトランジスタ30のベース端子30aに制御信号SN(H)が入力された場合には、npnトランジスタ30がオン状態となってエミッタ−コレクタ間が導通する。また、一定時間動作回路29を介してnpnトランジスタ30のベース端子30aに制御信号SN(L)が入力された場合には、npnトランジスタ30がオフ状態となってエミッタ−コレクタ間の導通が遮断される。具体的には、制御信号SN(H)がnpnトランジスタ30のベース端子30aに入力されたときに、ベース電圧がエミッタ電圧に接合部飽和電圧を加算した加算値以上の電圧値Vnpn(H)となる。また、制御信号SN(L)がnpnトランジスタ30のベース端子30aに入力されたときに、ベース電圧がエミッタ電圧に接合部飽和電圧を加算した加算値未満の電圧値Vnpn(L)となる。このようなベース電圧となるように、制御信号SN(L),SN(H)の2つの電位が(ベース抵抗及びベース−エミッタ間抵抗が配置される場合にはこれらの抵抗値も併せて)設定される。
制御回路10は、負荷駆動制御を行う場合、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードに設定するためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1から、NMOS22,23及び一定時間動作回路29に向けて共通の制御信号SN(H)を出力する。一定時間動作回路29は、共通の制御信号SN(H)を入力してから一定時間が経過するまでは、npnトランジスタ30に向けて制御信号SN(H)を出力する。これにより、npnトランジスタ30はオン状態となるため、pnpトランジスタ7は、そのベース電圧がグランド電位VGNDとなってオン状態となる。このため、npnトランジスタ27は、そのベース電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなってオン状態となるので、第1のNMOS22のゲート電圧は制御信号SN(H)の電位にかかわらず、グランド電位VGNDとなる。したがって、ソース電圧がグランド電位VGNDとなっている第1のNMOS22のゲート−ソース間電圧はゲートしきい値電圧未満となって、第1のNMOS22はオフ状態となる。これに対し、第2のNMOS23のゲート電圧は共通の制御信号SN(H)によって電圧値VN(H)に定まる。
このように負荷駆動制御を開始すべく第1信号ポートP1から共通の制御信号SN(H)が出力されると、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7は、一定時間、自律的に異常検知モードとなる。そして、制御回路10は、一定時間が経過するまでに、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力し、このモニタ信号に基づいて第2のNMOS23にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
一定時間動作回路29は、第1信号ポートP1から共通の制御信号SN(H)を入力してから一定時間が経過したときに、制御信号SN(H)の電位を反転させて制御信号SN(L)を出力する。そうすると、npnトランジスタ30はオフ状態となって、pnpトランジスタ7は、そのベース電圧がベース−エミッタ間抵抗31を介して電源電圧に相当する電位Vbatとなってオフ状態となる。これにより、npnトランジスタ27は、そのベース電圧がグランド電位VGNDとなってオフ状態となるので、第1のNMOS22のゲート電圧は制御信号SN(H)の電位によって電圧値VN(H)に定まり、オン状態となる。これに対し、第2のNMOS23のゲート電圧は、共通の制御信号SN(H)によって電圧値VN(H)のままである。したがって、電源1からNMOS22,23を通って負荷3に電流が流れるとともに、pnpトランジスタ7によって迂回ライン6を介した負荷3への通電が遮断される。そして、制御回路10は、上記のように、負荷3を駆動するための制御信号を生成し、この制御信号を負荷3へ出力することで、負荷3の駆動を制御する。
第6実施形態に係る負荷制御装置105によれば、負荷制御装置100と同様の効果に加え、以下の効果を奏することができる。すなわち、負荷制御装置105では、負荷駆動制御を開始する際には一定時間が経過するまでは、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7が異常検知モードに設定される。このため、制御回路10は、異常検知モード設定に伴う処理負荷を軽減させて異常検知制御を行うことができる。また、NMOS22,23だけでなくnpnトランジスタ30(ひいてはpnpトランジスタ7)に対する制御信号も共通にしているので、スイッチ駆動回路9の信号ポート数をさらに低減できる。
〔第7実施形態〕
図9を参照して、本発明を実施するための第7実施形態について詳述する。図9は第7実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置106では、図4の負荷制御装置101との相違点について説明し、負荷制御装置100〜105と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図9を参照して、本発明を実施するための第7実施形態について詳述する。図9は第7実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置106では、図4の負荷制御装置101との相違点について説明し、負荷制御装置100〜105と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置106では、制御ライン11,15が共に第1信号ポートP1に接続され、第2信号ポートP2が省略される。図中では、制御ライン11,15が共通制御ライン24を介して第1信号ポートP1に接続されている。また、負荷制御装置106では、第3制御ライン19が、第3信号ポートP3に接続されず、第1のNMOS22のゲート端子22dと第1ゲート抵抗12との間の第1制御ライン11に接続される。したがって、第1信号ポートP1から共通の制御信号SN(H)が出力されると、NMOS22,23のゲート電圧はNMOS22,23をオン状態にする電圧値VN(H)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧はpnpトランジスタ7をオフ状態にする電圧値Vpnp(H)となる。
第3制御ライン19には、第5の半導体スイッチとしてnpnトランジスタ32が配置される。npnトランジスタ32は、第1信号ポートP1から出力された制御信号SN(H)を、第1のNMOS22がオフ状態となり、かつ、pnpトランジスタ7がオン状態となる電位に反転させるためのものである。具体的には、npnトランジスタ32は、そのベース端子32aが第3信号ポートP3に接続され、コレクタ端子32bが第3制御ライン19に接続され、エミッタ端子32cがグランドに接続されて、第3制御ライン19に配置される。なお、図示省略するが、npnトランジスタ32の過電流保護及び誤動作防止の観点からベース抵抗及びベース−エミッタ間抵抗を設けてもよい。
負荷駆動制御時、制御回路10は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を負荷駆動モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からNMOS22,23に向けて共通の制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からnpnトランジスタ32をオフ状態にする制御信号Snpn(L)を出力する。
このように負荷駆動モードにするための制御信号が出力されると、第1のNMOS22のゲート電圧及び第2のNMOS23のゲート電圧は電圧値VN(H)となり、pnpトランジスタ7のベース電圧は電圧値Vnpn(L)となる。したがって、NMOS22,23はオン状態となり、pnpトランジスタ7はオフ状態となる。これにより、電源1からNMOS22,23を通って負荷3に電流が流れる。
一方、異常検知制御時、制御回路10は、NMOS22,23及びpnpトランジスタ7を異常検知モードにするためのスイッチ駆動指令信号をスイッチ駆動回路9へ出力する。これに応じて、スイッチ駆動回路9は、第1信号ポートP1からNMOS22,23に向けて共通の制御信号SN(H)を出力し、第3信号ポートP3からnpnトランジスタ32をオン状態にする制御信号Snpn(H)を出力する。
このように異常検知モードにするための制御信号が出力されると、npnトランジスタ32がオン状態となる。このため、第1のNMOS22のゲート電圧及びpnpトランジスタ7のベース電圧は、共通の制御信号SN(H)の出力にかかわらず、グランド電位VGNDとなる。したがって、ソース電圧がグランド電位VGNDとなっている第1のNMOS22のゲート−ソース間電圧はゲートしきい値電圧未満となって、第1のNMOS22はオフ状態となる。また、エミッタ電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなっているpnpトランジスタ7のベース電圧がエミッタ電圧から接合部飽和電圧を減算した減算値以下の電圧値となって、pnpトランジスタ7はオン状態となる。これに対し第2のNMOS23のゲート電圧は、第3信号ポートP3から出力される制御信号Snpn(L)が制御信号Spnp(H)へ変化したか否かにかかわらず、共通の制御信号SN(H)によって電圧値VN(H)に定まる。
上記のように、第1のNMOS22は、共通の制御信号SN(H)が出力されているにもかかわらず、npnトランジスタ32がオン状態となる、すなわち、pnpトランジスタ7がオン状態となることで、自律的にオフ状態となる。これにより、電源電圧は迂回ライン6を介して第2のNMOS23のドレイン端子23cに印可される。第2のNMOS23が正常であれば第2のNMOS23はオン状態となっているので、中間ノード2cの電圧は、電源電圧に相当する電位Vbatとなる。一方、第2のNMOS23が異常であれば、第2のNMOS23がオフ状態となっているので、中間ノード2cの電圧はグランド電位VGNDとなる。したがって、中間ノード2cの電圧は、正常時と異常時との間で顕著に変化する。そして、制御回路10は、負荷制御装置100と同様に、電圧検出ライン21を介して中間ノード2cに接続された電圧モニタ回路8のモニタ信号を入力し、このモニタ信号に基づいて第2のNMOS23にオープン故障が発生しているか否かを検知する。
第7実施形態に係る負荷制御装置106によれば、負荷制御装置100と同様の効果を奏することができることに加え、NMOS22,23に対する制御信号を共通にして異常検知制御を行うことが可能となるので、スイッチ駆動回路9の信号ポート数を低減できる。
〔第8実施形態〕
図10を参照して、本発明を実施するための第8実施形態について詳述する。図10は第8実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置107では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100〜106と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
図10を参照して、本発明を実施するための第8実施形態について詳述する。図10は第8実施形態に係る負荷制御装置の一例を示す。なお、本実施形態の負荷制御装置107では、図1〜図3の負荷制御装置100との相違点について説明し、負荷制御装置100〜106と類似の構成については同一の符号を付すことで、その説明を簡略化ないし省略する。
負荷制御装置107では、プルダウン抵抗20が電圧モニタ回路8に組み込まれている。具体的には、電圧モニタ回路8の内部において、電圧検出ライン21がプルダウン抵抗20を介してグランドに接続される。これに代えて、図示省略するが、負荷制御装置107において、電圧モニタ回路8の外部において、電圧検出ライン21がプルダウン抵抗20を介してグランドに接続されてもよい。これにより、電圧モニタ回路8に近い位置で電圧を検出することができる。
なお、負荷制御装置107におけるプルダウン抵抗20の接続態様は、負荷制御装置100のみならず、負荷制御装置101〜106についても同様に適用可能である。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
負荷制御装置100において、PMOS4,5が相互に異なるゲートしきい値電圧を有していてもよい。したがって、制御回路10から出力される制御信号SP(L)及び制御信号SP(H)の2つの電位は、第1のPMOS4と第2のPMOS5との間で異なっていてもよい。同様に、負荷制御装置101において、NMOS22,23が相互に異なるゲートしきい値電圧を有していてもよい。したがって、制御回路10から出力される制御信号SN(L)及び制御信号SN(H)の2つの電位は、第1のNMOS22と第2のNMOS23との間で異なっていてもよい。
負荷制御装置102〜106では、負荷制御装置100,101のように、第1制御ライン11が第1信号ポートP1に接続され、第2制御ライン15が第2信号ポートに接続されて、制御ライン11,15が個別に異なる信号ポートに接続されてもよい。このように接続したとしても、pnpトランジスタ7がオン状態となれば、第1のPMOS4または第1のNMOS22は自律的にオフ状態となって、異常検知制御を開始できるという効果を奏することができる。
負荷制御装置100,102,104,107において、負荷駆動制御を開始する場合にオフ状態からオン状態への第2のPMOS5の切り替え確実性を向上すべく、第2のPMOS5のソース電圧が一定電圧に維持されていることが好ましい。このため、負荷制御装置100,102,104,107において、第2のPMOS5のソース端子5b側の電源供給ライン2とグランドとを接続する図外のコンデンサを配置して、このコンデンサが前回の負荷駆動制御時等に電源電圧で充電されるようにしてもよい。あるいは、負荷制御装置100において、制御回路10は、負荷駆動制御を開始してから所定時間が経過するまでの間、pnpトランジスタ7をオン状態にしてもよい。これにより、第2のPMOS5のソース電圧が電源電圧に相当する電位Vbatとなるので、第2のPMOS5をオン状態にし易くすることができる。
負荷制御装置102,104において、PMOS4をオフ状態にすべくスイッチ駆動回路9から制御信号SP(H)を出力すると、第1制御ライン11から接続ライン25を介して迂回ライン6へ電流が流れる可能性がある。この場合、第1のPMOS4はそのゲート電位の低下により誤ってオン状態となるおそれがある。そこで、負荷制御装置102,104では、接続ライン25において、第1制御ライン11から迂回ライン6へ流れる電流を遮断するダイオードを配置してもよい。
負荷制御装置100,102,104,107において、制御回路10の電源電圧で、PMOS4,5及びpnpトランジスタ7に対する制御信号を生成できる場合には、制御回路10に信号ポートP1〜P3を設けて、スイッチ駆動回路9を省略することができる。また、負荷制御装置101,103,105,106において、制御回路10の電源電圧で、NMOS22,23並びにpnpトランジスタ7及びnpnトランジスタ27,30,32に対する制御信号を生成できる場合には、同様にスイッチ駆動回路9を省略することができる。なお、制御回路10の電源電圧あるいは電源1の電源電圧では制御信号の電位に対して不足である場合には、既存の昇圧回路を利用してもよい。
負荷制御装置100〜107において、第3の半導体スイッチとして、pnpトランジスタ7に代えて、npnバイポーラトランジスタあるいはMOSFET等の各種半導体スイッチを用い得る。
なお、上記の第1〜第8実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合せて使用することができる。
1…電源、2…電源供給ライン、2c…中間ノード、3…負荷、4…第1のPMOS(第1半導体スイッチ)、4a…寄生ダイオード、4d…ゲート端子、5…第2のPMOS(第2半導体スイッチ)、5a…寄生ダイオード、5d…ゲート端子、6…迂回ライン、7…pnpトランジスタ(第3半導体スイッチ)、7c…ベース端子、8…電圧モニタ回路(電圧検出部)、9…スイッチ駆動回路、10…制御回路、11…第1制御ライン、15…第2制御ライン、19…第3制御ライン、20…プルダウン抵抗、21…電圧検出ライン、22…第1のNMOS(第1半導体スイッチ)、22a…寄生ダイオード、22d…ゲート端子、23…第2のNMOS(第2半導体スイッチ)、23a…寄生ダイオード、23d…ゲート端子、25…接続ライン、25a…第1接続ノード、26…ダイオード(整流素子)、27…npnトランジスタ(第4半導体スイッチ)、29…一定時間動作回路、30…npnトランジスタ、32…npnトランジスタ(第5半導体スイッチ)、100〜107…負荷制御装置、P1…第1信号ポート(共通の信号ポート)
Claims (7)
- 電源から負荷に電力を供給する電源供給ラインに設けられ、前記電源から前記負荷へ向かう方向の電流を規制する寄生ダイオードを有する第1半導体スイッチと、
前記第1半導体スイッチよりも前記負荷側の前記電源供給ラインに前記第1半導体スイッチと直列に設けられ、前記電源から前記負荷へ向かう方向の電流を許容する寄生ダイオードを有する第2半導体スイッチと、
前記第1半導体スイッチと前記第2半導体スイッチとの間の前記電源供給ラインの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電源供給ラインのうち前記第1半導体スイッチから前記第2半導体スイッチまでの区間を迂回する迂回ラインと、
前記迂回ラインに設けられた第3半導体スイッチと、
前記負荷の駆動を制御するとともに、前記第1半導体スイッチ、前記第2半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記負荷の駆動を停止した状態で、前記第1半導体スイッチがオフ状態となり、前記第2半導体スイッチがオン状態となり、かつ、前記第3半導体スイッチがオン状態となるように、前記第1半導体スイッチ、前記第2半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチを制御したときに、前記電圧検出部により検出された検出電圧に基づいて前記第2半導体スイッチに異常があるか否かを検知する、負荷制御装置。 - 前記制御部は、前記第1半導体スイッチ、前記第2半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチがオン状態となる制御信号を出力して、前記第2半導体スイッチに異常があるか否かを検知するように構成され、
前記第1半導体スイッチの制御端子と、前記第3半導体スイッチよりも前記負荷側の前記迂回ライン、あるいは、前記第2半導体スイッチよりも前記負荷側の前記電源供給ラインと、を接続する接続ラインと、
前記迂回ラインのうち前記接続ラインが接続された接続点よりも前記負荷側に設けられ、前記負荷から前記迂回ラインを介して前記電源へ向かう方向の電流を規制する整流素子と、
をさらに備えた、請求項1に記載の負荷制御装置。 - 前記第1半導体スイッチは、前記第3半導体スイッチがオン状態であるときに前記第3半導体スイッチよりも前記負荷側の前記迂回ラインの電圧が前記接続ラインを介して前記第1半導体スイッチの制御端子に印可されるとオン状態となる半導体スイッチであり、
前記接続ラインには、前記制御部によって制御され、前記迂回ラインの電圧を前記第1半導体スイッチがオフ状態となる電位に反転させる第4半導体スイッチが設けられた、請求項2に記載の負荷制御装置。 - 前記第1半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチは、両方の制御端子が互いに前記制御部の共通の接続ポートに接続され、
前記第3半導体スイッチは、前記共通の接続ポートから出力された、前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号を入力したときに、オン状態となる半導体スイッチであり、
前記制御部と前記第3半導体スイッチとの間に、前記制御部から前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号を入力してから一定時間、前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号をその電位を保持して前記第3半導体スイッチへ出力し、前記一定時間が経過したときに、前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号をその電位を反転させつつ前記第3半導体スイッチへ出力する一定時間動作回路をさらに備えた、請求項2または請求項3に記載の負荷制御装置。 - 前記制御部は、前記第1半導体スイッチ及び前記第2半導体スイッチがオン状態となる制御信号を出力して、前記第2半導体スイッチに異常があるか否かを検知するように構成され、
前記第1半導体スイッチ及び前記第3半導体スイッチは、両方の制御端子が互いに前記制御部の共通の接続ポートに接続され、
前記第3半導体スイッチは、前記共通の接続ポートから出力された、前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号を入力したときに、オフ状態となる半導体スイッチであり、
前記第2半導体スイッチに異常があるか否かを検知するときに、前記第1半導体スイッチがオン状態となる制御信号を、前記第1半導体スイッチがオフ状態となり、かつ、前記第3半導体スイッチがオン状態となる電位に反転させる第5半導体スイッチをさらに備えた、請求項1に記載の負荷制御装置。 - 前記第1半導体スイッチの制御端子と前記第2半導体スイッチの制御端子とが互いに接続された、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の負荷制御装置。
- 前記第1半導体スイッチと前記第2半導体スイッチとの間の前記電源供給ラインとグランドとが電圧降下素子を介して接続され、
前記電圧降下素子は、前記電圧検出部の一部として、あるいは、前記電源供給ラインと前記電圧検出部とを接続する電圧検出ラインの途中に設けられた、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の負荷制御装置。
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