JP2021158286A - 卑金属含有内部電極ペースト及び製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】等価直列抵抗(ESR)が低い、温度補償型の積層セラミックコンデンサの内部電極層を焼成により形成するための汎用性の高い卑金属含有内部電極ペーストを提供する。【解決手段】誘電体層3と内部電極層2とが交互に積層されてなる、ESRの低い積層セラミックコンデンサ1の内部電極層2を焼成により形成するための内部電極ペーストであり、卑金属粉末と、平均粒径が75〜150nmで高結晶性のCSZT粉末と、を含み、前記CSZT粉末は、組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]で表される酸化物固溶体の粉末であり、実数m、x、yは、0.98≦m≦1.02,0.14≦x≦0.46,0.01≦y≦0.05を満たし、粉末X線回折法により計測される平均結晶粒径が24nm以上であることを特徴とする内部電極ペーストである。【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の積層セラミック電子部品の内部電極層を焼成により形成するための内部電極ペーストとその製法に関し、より詳細には、卑金属を含有する内部電極ペーストとそれを用いて形成される、等価直列抵抗(ESR)の低い積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサの製造においては、グリーンシートと呼ばれるシート状のセラミックの未焼成体の表面に、金属粒子を含む内部電極ペーストをスクリーン印刷等の方法で塗布した印刷済シートを、複数枚重ね合わせ、乾燥ののち、焼成することにより、セラミックからなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積み重なった積層体構造が形成される。この焼成の際、セラミックの未焼成体と内部電極ペーストの収縮挙動が異なると、内部電極層の連続性の欠如や、誘電体層と内部電極層の結合強度の低下などの問題が発生し、その結果、積層セラミックコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が高くなるという課題がある。
ニッケルや銅等の卑金属の金属粒子を含む内部電極ペーストを使用する場合には、通常、金属粒子の融点が低いため、内部電極ペーストの収縮率が、セラミックの未焼成体の収縮率より大きくなり、局所的に焼結が進行し、内部電極層に不連続部分が生じ、ESRが高くなることがある。そこで、内部電極ペーストの収縮率を抑制する目的で、誘電体層を構成するセラミック材料を、共材として内部電極ペーストに添加する方法が知られている。
特許第4562973号公報(特許文献1)には、内部電極ペーストが、卑金属粉末に加えて添加剤を含み、該添加剤は、共材である、誘電体層を構成するセラミックスの粉末に加えて、Mn酸化物を含む、積層セラミックコンデンサの製造方法の発明が開示されている。しかし、この発明のように、添加剤に含まれる共材以外の成分(Mn酸化物)によって内部電極ペーストの焼結抑制の程度を調整する場合には、当該成分の種類や質量割合を、誘電体層を構成するセラミックの組成によって変えなければならないことから、幅広い組成の誘電体層に対応した汎用性の高い内部電極ペーストを得ることができない欠点がある。また、内部電極ペースト中の共材は一般に分散性が悪く、焼結時に偏析が生じやすい。偏析が生じると、内部電極層の連続性の欠如やMLCCのESRが高くなる、といった問題を引き起こす。更には添加剤の成分が内部電極層から誘電体層へと拡散され、その結果、誘電体層の誘電率温度依存性等の電気的特性が設計特性からずれてしまうといった問題も生じるのであるが、特許文献1には、こうした問題の解決法は記載されていない。
特許第5454294号公報(特許文献2)には、内部電極ペーストが卑金属粉末とセラミック粉末とを含み、該セラミック粉末は誘電体層を構成するぺロブスカイト型化合物と同じぺロブスカイト型化合物を主成分とし、Mg等を含む副成分粉末を副成分とし、該セラミックス粉末は主成分と副成分を混合した混合粉末を所定の粉砕率で粉砕する粉砕工程により作製される、積層セラミックコンデンサの製造方法の発明が開示されている。しかし、この発明のように、共材以外の成分(Mg等を含む副成分粉末)によって内部電極ペーストの焼結抑制の程度を調整する場合には、当該成分の種類や量を、誘電体層を構成するセラミックによって変えなければならないことから、幅広い組成の誘電体層に対応した汎用性の高い内部電極ペーストを得ることができない欠点がある。また、特許文献2の実施例においては、固相法で作製したぺロブスカイト型化合物を主成分とする混合粉末を粉砕することにより内部電極ペーストに添加するセラミック粉末を作製しているが、固相法で合成したのちに粉砕して作製したセラミック粉末は一般に球形度が低いので、内部電極ペーストにおける分散性が悪く、焼結時に偏析が生じやすく、そのため、内部電極層の連続性の欠如やMLCCのESRが高くなる、といった問題を引き起こす難点がある。更には、該セラミック粉末の成分が内部電極層から誘電体層へと拡散され、その結果、誘電体層の誘電率温度依存性等の電気的特性が設計特性からずれてしまうといった問題もある。
卑金属をMLCCの内部電極層に用いる場合には、大気雰囲気で焼成すると卑金属が酸化されて電極の電気伝導度が下がるため、還元雰囲気で焼成を行う必要がある。しかし、内部電極層と誘電体層を還元雰囲気下で同時焼成により形成すると、誘電体層を構成する従来のセラミックが半導体化してしまい、コンデンサとして機能しなくなる問題があった。そこで、卑金属を内部電極層に用いる場合には、誘電体層を形成するためのセラミックは耐還元性を有する必要がある。
電気容量の温度変化が少ない、温度補償型のMLCCの誘電体層を形成するためのセラミックで、耐還元性を有するものとして、「CSZT系セラミック」が知られている。「CSZT系セラミック」は、一般に組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]で表される酸化物固溶体であるが、我々は本明細書において、特に、実数m、x、yが
0.98≦m≦1.02,
0.14≦x≦0.46,
0.01≦y≦0.05
を満たす場合をCSZT系セラミックと呼ぶ。また、上記組成式において、x=0,y=0,0.98≦m≦1.02の場合の酸化物固溶体をCZ系セラミックと呼ぶ。
MLCCの誘電体層をCSZT系セラミックで形成する場合、卑金属を含む内部電極ペーストに共材としてCSZT系セラミックの粉末(以下、CSZT粉末とする)を添加することで内部電極ペーストの焼結を抑制して、焼成時における、誘電体層を形成するための未焼成体と、内部電極ペーストの収縮特性のマッチングを行うことが考えられる。この際、共材として添加するCSZT粉末の平均粒径は約100nm程度が好ましいと考えられる。なぜなら、該平均粒径が約75nmより小さいと内部電極ペースト中で該共材の粒子の凝集が起こり分散性が悪くなるため、偏析が生じやすい。また、該平均粒径が約150nmより大きいと内部電極ペースト中で該共材の粒子の分散性が悪く焼結抑制効果が十分に発揮されず、又、電極膜密度が低くなるために、ESRが高くなってしまう欠点があるからである。
また、上記の場合に共材として添加するCSZT粉末は高結晶性で球形度が高いことが好ましい。粉末の結晶性が高いほど焼結抑制効果が大きく、また、球形度が高いほど分散性が良いので、共材の添加量が少量で済み、内部電極ペーストにおける共材の分散性が良くなり、したがって、形成されるMLCCの内部電極層の連続性が向上し、ESRを低減することができるからである。しかし、平均粒径が約100nm程度の高結晶性で球形度が高いCSZT粉末は、従来、利用可能ではなかった。なお、本明細書において、ある粉末が「高結晶性」であるとは、粉末X線回折法により計測されるその粉末の平均結晶粒径Dが24nm以上であることをいう。
ところで、平均粒径が約100nm程度の高結晶性で球形度が高いCZ系セラミック粉末(以下、CZ粉末とする)は、水熱合成法により作製できることが知られている(特許文献3)。しかし、CSZT粉末の代わりに該CZ粉末を添加した内部電極ペーストを用いて形成したMLCCであって、誘電体層がCSZT系セラミックで形成されたMLCCは、残念ながらESRが十分に低いものとはならない。
特開2019−179683号公報(特許文献5)には、導電性粉末と、チタン酸ストロンチウム又はジルコン酸カルシウム等の誘電体粉末を含む導電性ペーストであって、分散安定性が良好なために焼成時の導電性粒子の異常粒成長を抑制することができ、MLCCの内部電極の形成に用いた際に、誘電体層の耐電圧の低下を招かない導電性ペーストの発明が開示されている。しかし、当該文献においては、分散安定性の計測方法は開示されているものの、分散安定性を確保するための具体的条件、例えば誘電体粉末の結晶性等については記載されていない。また、等価直列抵抗(ESR)については言及がなく、導電性ペーストの分散安定性とMLCCのESRとの関係も不明である。
特許第4562973号公報 特許第5454294号公報 特開2005−200297号公報 特開2005−307229号公報 特開2019−179683号公報
特許文献1及び2には、積層セラミックコンデンサの誘電体層を構成するセラミックと同じセラミックの粉末(共材)と、該セラミックには含まれないMn等の元素の酸化物とを、卑金属を含む内部電極ペーストに添加することにより焼結を抑制して、焼成時の内部電極ペーストの収縮特性を、誘電体層を構成するセラミックの未焼成体の収縮特性とマッチングさせる技術が開示されている。しかし、これらの従来技術の内部電極ペーストには、添加する元素の酸化物の種類や量を、誘電体層を構成するセラミックの組成に応じて変えなければならないため、幅広い組成のセラミックを誘電体層とするMLCCの作製に汎用的に利用可能な内部電極ペーストを提供できない欠点がある。
特許文献2には、誘電体層を構成するセラミックと同じセラミックの粉末を、固相法で合成した後に粉砕することで作製し、共材として卑金属を含む内部電極ペーストに添加する発明が開示されている。しかし、この方法で作製された共材の粉末は、球形度が低いため内部電極ペーストにおける分散性が悪く、また結晶性が悪いため焼結抑制効果が低い欠点があった。また、粒子サイズが大きいことにより電極の薄層化においては不向きであった。
誘電体層がCSZT系セラミックで形成され、ESRが低く、温度補償型であるMLCCを焼成により形成するための内部電極ペーストとして、平均粒径が約100nm程度で高結晶性で球形度が高いCSZT粉末を添加した卑金属を含む内部電極ペーストが有望であると考えられる。
したがって、本発明の第1の目的は、CSZT粉末を添加した卑金属を含む内部電極ペーストであって、ESRが低い積層セラミック電子部品の内部電極層を焼成により形成することができる、汎用性の高い内部電極ペーストとその製法を提供することである。本発明の第2の目的は、CSZT粉末を添加した卑金属を含む内部電極ペーストであって、ESRが低く、温度補償型の特性を有する積層セラミックコンデンサの内部電極層を焼成により形成することができる、汎用性の高い内部電極ペーストとその製法を提供することである。本発明の第3の目的は、上記の内部電極ペーストを用いて焼成により形成される内部電極層を有する積層セラミックコンデンサを提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層セラミックコンデンサの内部電極層を焼成により形成するための内部電極ペーストであり、卑金属粉末と、平均粒径が75〜150nmのCSZT粉末と、を含み、前記CSZT粉末は、組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]で表される酸化物固溶体の粉末であり、実数m、x、yは、0.98≦m≦1.02,0.14≦x≦0.46,0.01≦y≦0.05を満たし、内部電極ペーストが前記CSZT粉末の代わりに同じ平均粒径のCZ粉末を同じ質量比で含有する場合と比べて、積層セラミックコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が低くなることを特徴とする内部電極ペーストである。
本発明の第2の形態は、前記積層セラミックコンデンサの前記誘電体層が、CSZT系セラミックからなる内部電極ペーストである。
本発明の第3の形態は、前記卑金属粉末が、プラズマPVD法により作製された、平均粒径が80〜600nmのニッケル粉末又は平均粒径が100〜500nmの銅粉末である内部電極ペーストである。
本発明の第4の形態は、前記CSZT粉末が、平均結晶粒径が24nm以上と高結晶性である内部電極ペーストである。
本発明の第5の形態は、前記内部電極ペーストを塗布し、焼成して形成された内部電極層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサである。
本発明の第6の形態は、前記内部電極ペーストの製法であり、卑金属を蒸発させるために、表面が、少なくとも元素Ca及びZrを含むセラミックで構成された坩堝を使用して、プラズマPVD法により前記卑金属粉末を作製するステップを含むことを特徴とする内部電極ペーストの製法である。
なお、本明細書において、平均粒径とは、電子顕微鏡写真を画像解析して求めた個数基準の粒度分布における50%粒子径(D50)のことであり、個々の粒子についての粒子径とは、上記画像における様々な方向の定方向径の最大値を意味し、定方向径とは、特定の方向をもつ直線を様々に変えたとき、その直線と上記画像における粒子との共有部分の両端点の距離の最大値のことである。
本発明の第1の形態によれば、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層セラミックコンデンサの内部電極層を焼成により形成するための内部電極ペーストであり、卑金属粉末と、平均粒径が75〜150nmのCSZT粉末と、を含み、前記CSZT粉末は、組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]で表される酸化物固溶体の粉末であり、実数m、x、yは、0.98≦m≦1.02,0.14≦x≦0.46,0.01≦y≦0.05を満たし、内部電極ペーストが前記CSZT粉末の代わりに同じ平均粒径のCZ粉末を、前記卑金属粉末に対して同じ質量比で含有する場合と比べて、積層セラミックコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が低くなることを特徴とする内部電極ペーストを提供できる。
本発明に係る内部電極ペーストは、卑金属粉末と前記CSZT粉末のほかに、エチルセルロース等のバインダー材、ターピネオール等の溶剤を含み、更に分散剤等の添加剤を含んでもよい。
本発明におけるバインダー剤には、樹脂結合剤が好ましく、例えばエチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂等であり、その他電極塗料に使用される樹脂は全て利用可能である。
本発明における溶剤には、例えば、アルコール、アセトン、プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、エーテル、石油エーテル、ミネラルスピリット、その他のパラフィン系炭化水素溶剤、あるいは、ブチルカルビトール、ターピネオールやジヒドロターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ジヒドロターピネオールアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、カルビルアセテート、ターピニルアセテート、リナリールアセテート等のアセテート系や、ターピニルプロピオネート、ジヒドロターピニルプロピオネート、ジヒドロカルビルプロピオネート、イソボニルプロピオネートなどのプロピオネート系溶剤、エチルセロソルブやブチルセロソルブなどのセロソルブ類、芳香族類、ジエチルフタレート、その他電極ペーストに使用可能な溶剤は全て利用可能である。
本発明の卑金属粉末としては、銅またはニッケルの粉末が例示される。なお、本明細書において卑金属とは、金、銀、白金、パラジウムからなる群に含まれない金属をいい、卑金属粉末とは、卑金属の粉末、又は、2以上の卑金属からなる混合粉末、共沈粉末、コート粉末若しくは合金粉末をいう。
本発明が想定する、誘電体層のセラミックの未焼成体の焼結温度は約1000〜1300℃である。また、卑金属粉末の粒径が小さいほど、その焼結温度は低くなる。誘電体層のセラミックの未焼成体の焼結温度と内部電極ペーストの焼結温度とをマッチングする観点からは、卑金属粉末の平均粒径は大きいほうが望ましい。また、内部電極ペースト中での卑金属粉末の分散性を確保する観点からは、平均粒径は大きすぎないことが望ましい。これらの観点を踏まえて、卑金属粉末の平均粒径は約500nmのオーダーであることが好ましい。例えば、卑金属粉末が銅粉末の場合、平均粒径は好ましくは100〜1000nm、より好ましくは300〜500nmである。卑金属粉末がニッケル粉末の場合、平均粒径は好ましくは50〜600nm、より好ましくは80〜600nmである。
卑金属粉末の平均粒径をa、CSZT粉末の平均粒径をbとしたとき、次の(式1)で表される関係が満たされていることがより好ましい。
(式1) |b−0.2247×a|≦0.022×a
(式1)において「0.2247×a」は、仮に卑金属粉末がすべて等しい直径aの球形粒子からなるとして、多数の卑金属粉末が互いに接しながら空間で最密充填構造を形成する場合に、隙間に入れることのできる球形粒子の直径の最大値(61/2−2)×a/2≒0.2247×aである。(式1)は、CSZT粉末の平均粒径が、そのような互いに接する卑金属粉末の隙間に入れることのできる球形粒子の直径の最大値とほぼ等しく、相対割合にして約10%以内のずれであることを意味している。(式1)で示される関係が満たされているので、CSZT粉末の各粒子は、互いに接する卑金属粉末の隙間に存在し、焼成時に卑金属粉末どうしが焼結結合してもその隙間に留まって殆ど移動しないから、本形態の内部電極ペーストの焼成により形成されるMLCCの内部電極層は、緻密で連続性が良く、また、CSZT粉末を構成する各元素が内部電極層から誘電体層へと拡散して誘電体層の組成を変化させてしまうおそれが少ない。従って、ESRが低く、設計通りの誘電率温度依存性等の電気的特性を有するMLCCを形成することができる。
なお、(式1)が満たされている場合には、卑金属粉末及びCSZT粉末の粒径分布幅はいずれも狭いことが好ましい。すなわち、卑金属粉末の粒径分布における、粒径の標準偏差は、平均粒径の10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。CSZT粉末の粒径分布についても同様であり、粒径の標準偏差は、平均粒径の10%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造においては、グリーンシートと呼ばれるシート状のセラミックの未焼成体の表面に、本発明に係る内部電極ペーストをスクリーン印刷等の方法で塗布した印刷済シートを、複数枚重ね合わせ、乾燥ののち、焼成することにより、内部電極層とセラミックからなる誘電体層とが交互に積み重なった積層体構造が形成される。本発明に係る内部電極ペーストに含有されるCSZT粉末は、その平均粒径が75〜150nmであるから、内部電極ペースト中で凝集せず、かつ、均一に分散する。そのため、焼成前の乾燥(BBO, Binder Burn Out)により、樹脂成分を脱離させた後にも、CSZT粉末は卑金属粉末と均一に混合している。したがって、焼成時にCSZT粉末による内部電極ペーストの焼結抑制効果が発揮され、誘電体層の未焼成体と内部電極層の未焼成体の収縮挙動が近くなる結果、内部電極層の連続性が向上して、製造される積層セラミックコンデンサのESRが低くなる。
なお、本形態の誘電体層を構成するセラミックとしては、限定されるものではないが、温度補償型のMLCCを形成する場合にはEIA規格のCOG特性に相当する比誘電率の温度変化特性を示す任意のセラミックを好適に利用することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記積層セラミックコンデンサの前記誘電体層が、CSZT系セラミックからなる内部電極ペーストを提供できる。焼成前の内部電極ペーストにおいて、卑金属粉末とCSZT粉末は均一に混合した混合物を形成している。卑金属粉末は一般にCSZT粉末より融点が低いから、焼成時には、卑金属粉末どうし、CSZT粉末どうしがそれぞれ接触、ネッキングを起こし、偏析する小領域が生じる。CSZTが偏析した小領域が、誘電体層を構成するセラミックの未焼成体と接していた場合、もし、当該セラミックがCSZT系セラミックでなければ、該小領域と未焼成体で各元素の濃度が異なるから、濃度勾配による元素拡散が生じ、その元素拡散に促されて、内部電極ペースト中の卑金属元素等の元素が誘電体層の未焼成体中へと拡散し、また、誘電体層の未焼成体中の元素が内部電極ペースト中へと拡散する。これらの元素拡散が上記偏析を促し、製造される積層セラミックコンデンサの内部電極の連続性や卑金属濃度を低下させ、ESRを高くしてしまう。しかし、本発明の本形態の内部電極ペーストにおいては、積層セラミックコンデンサの誘電体層を構成するセラミックがCSZT系セラミックであり、かつ、内部電極ペーストがCSZT系セラミックの粉末を含有しているから、前記小領域と未焼成体で各元素の濃度が近く、濃度勾配による元素拡散がほとんど生じず、内部電極ペースト中の卑金属元素等の元素が誘電体層の未焼成体中へと拡散したり、また、誘電体層の未焼成体中の元素が内部電極ペースト中へと拡散することが少ない。したがって、製造される積層セラミックコンデンサの内部電極の連続性や卑金属濃度が高くなり、ESRを低くすることができる。実施例において詳述するように、CSZT粉末を含有する本形態の内部電極ペーストを用いてMLCCを作製すると、CZ粉末を含有する場合と比べて、卑金属粉末として銅粉末を用いた場合には50%以上、ニッケル粉末を用いた場合には20%以上、MLCCのESRを低下させることができる。
更に、本発明の本形態においては、誘電体層がCSZT系セラミックで構成されるから、電気容量の温度変化が少ない、温度補償型の積層セラミックコンデンサの内部電極を形成するための内部電極ペーストを提供することができる。なお、CSZT系セラミックの組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]において、実数mは、0.98≦m≦1.02の範囲に選ばれる。これは、mが1.02を超えると焼結温度が1300℃を超えてしまい、また、mが0.98未満であると後述する比誘電率の温度変化特性が満たされないからである。
また、実数xは、0.14≦x≦0.46の範囲に選ばれる。これは、内部電極ペーストに添加可能なCSZT粉末で、高結晶性かつ球形度が高く、平均粒径が約100nm程度で製造又は入手が容易なものの組成式における実数xの範囲が0.14≦x≦0.46であり、その範囲に揃えるためである。内部電極ペーストが含有するCSZT粉末と誘電体層を構成するCSZT系セラミックの組成を近づけることで、焼成時に、内部電極ペーストと誘電体層の未焼成体の間の元素拡散を抑制することができる。
また、実数yは、0.01≦y≦0.05の範囲に選ばれる。これは、Ti/Zr比、すなわちy/(1−y)を制御することにより、比誘電率の温度変化特性を制御することができるところ、EIA規格のCOG特性に相当する温度変化特性である、−55℃〜+125℃において定格温度係数0ppm/℃で許容差±30ppm/℃を実現するために、yを上記範囲に設定するものである。
なお、CSZT系セラミックの比誘電率の温度変化特性は、yだけでなくxにも依存する。すなわち、mとyの値を固定した場合、上記のxの範囲(0.14≦x≦0.46)においてはSr/Ca比、換言すればx/(1−x)が大きくなるほど、比誘電率の温度係数は減少するのである。逆に、mとxを上記の範囲内のある値に固定したとき、その固定したmとxの値に応じてyの値を上記の範囲(0.01≦y≦0.05)から選ぶことで、COG特性が実現できる。
本発明の第3の形態によれば、前記卑金属粉末が、プラズマPVD法により作製された、平均粒径が80〜600nmのニッケル粉末又は平均粒径が100〜500nmの銅粉末である内部電極ペーストを提供できる。
既述の通り、これらの平均粒径は、誘電体層のセラミックの未焼成体の焼結温度と内部電極ペーストの焼結温度とをマッチングする観点、及び、内部電極ペースト中での卑金属粉末の分散性を確保する観点から選択される。
また、プラズマPVD法は、原料の気化温度若しくは蒸発温度が高いため、CVD法、噴霧熱分解法、湿式化学還元法等の他の製法に比べて高結晶性で焼結温度が高く分散性も高い卑金属粉末を得ることができる利点がある。また、プラズマPVD法により作製された卑金属粉末は、卑金属を配置して蒸発させるための坩堝の構成材料であるセラミック等が含有する元素やそれらの元素の化合物を微量の不純物として体積的に含有しているために、焼結温度が高くなり、MLCCの焼成の際、誘電体層のセラミックの未焼成体と内部電極ペーストの収縮挙動が近づき、内部電極層の連続性が向上し、誘電体層と内部電極層の結合強度が強くなり、その結果、等価直列抵抗(ESR)が低くなる効果を奏する。
プラズマPVD法で作製された卑金属粉末には、卑金属を蒸発させるための坩堝の構成材料であるセラミック等が含有する元素やそれらの元素の化合物が不純物として混入して格子欠陥を形成するが、粉末全体としては結晶性が高く保たれている。このような卑金属粉末の態様を、組成と結晶構造によって特定することが困難であるゆえ、本明細書では「プラズマPVD法により作製された卑金属粉末」という用語を用いている。なお、上記の格子欠陥(あるいは不純物が含有する元素の原子)の存在量は、卑金属粉末が高結晶性を失わないためには卑金属原子1000個について数個程度でなければならない。プラズマPVD法により卑金属粉末が形成される際に、これらの格子欠陥が少なく且つ不純物が含有する元素の原子が卑金属粉末の表面エネルギーを低下させるように体積的に配置されることが、卑金属粉末の焼結温度を高くする効果を奏している可能性がある。
本発明の第4の形態によれば、前記CSZT粉末が、平均結晶粒径が24nm以上と高結晶性である内部電極ペーストを提供できる。本形態におけるCSZT粉末は高結晶性であるから、焼結温度が高く、少量でも高い焼結抑制効果を発揮する。したがって、内部電極ペーストに含有されるCSZT粉末の質量比率を小さくすることができ、その分、内部電極ペースト中でのCSZT粉末の分散性が良くなり、結果として、形成される積層セラミックコンデンサの内部電極層の連続性が向上し、ESRを低減することができる。
なお、CSZT粉末が高結晶性であるか否かは、例えば、粉末X線回折法(デバイ=シェラー法)により判定することができる。粉末X線回折において、横軸に回折角2θ、縦軸に回折X線の強度をとったグラフで、回折強度のピークの半値全幅をβ、装置に固有の補正定数をB、X線の波長をλとする。シェラー(P.Scherrer)によると、試料粉末の平均結晶粒径Dの目安値は
(式2) D=K×λ/((β−B)cosθ)
で与えられる。ここで、Kはシェラー定数と呼ばれる定数で、平均結晶粒径D等の定義により多少異なった値をとるが、平均結晶粒径を、球形結晶粒の体積加重平均直径で定義する場合には、K=8/3π≒0.849である。実施例のところで詳述するように、粉末X線回折により計測される上記の意味でのCSZT粉末の平均結晶粒径が20nm以上又は24nm以上である場合に、当該粉末を含有する内部電極ペーストを用いて形成されるMLCCのESRの低下が著しい。そこで、本明細書では、粉末X線回折法により計測される粉末の平均結晶粒径Dが24nm以上である場合に、その粉末が「高結晶性」であるものと定義する。
本発明の第5の形態によれば、前記内部電極ペーストを塗布し、焼成して形成された内部電極層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ(MLCC)を提供できる。該MLCCは、ESRが低いという特徴を有する。また、該MLCCの誘電体層が前記CSZT系セラミックで構成される場合には、該MLCCの電気容量値は温度に対してほぼ直線的な変化を示すという特徴を有する。
本形態の第6の形態によれば、前記内部電極ペーストの製法であり、卑金属を蒸発させるために、表面が、少なくとも元素Ca及びZrを含むセラミックで構成された坩堝を使用して、プラズマPVD法により前記卑金属粉末を作製するステップを含むことを特徴とする内部電極ペーストの製法が提供できる。
卑金属粉末としてニッケル粉末を例に、本形態の作用と効果を説明する。MLCCの内部電極ペーストに使用するニッケル粉末には、高結晶性で焼結温度が高いこと、ペースト中での分散性が高く凝集しにくいこと、粒形や粒径が揃っていること等の特性が要求される。また、ニッケル粉末の製造法としては一般に、塩化ニッケル等のニッケル化合物の蒸気を高温で還元性ガスにより還元してニッケル粉末を得るCVD法(再表2014−80600号公報)、ニッケル塩を含む溶液を噴霧して液滴にし、その液滴を高い温度に加熱して熱分解によりニッケル粉末を得る噴霧熱分解法(特開昭62−1807号公報)、ニッケル化合物の溶液に還元剤を作用させてニッケル粉末を得る湿式化学還元法(特開昭59−162206号公報)、ニッケルの試料を直流アーク放電などの熱によって蒸発させ、急冷することでニッケル粉末を得るプラズマPVD法(特開2005−307229号公報)などが知られている。
CVD法には、高結晶性で焼結温度が高く分散性も高いニッケル粉末を得ることができる利点があるが、小粒径のニッケル粉末を得たい場合には多量の冷却ガスを必要とすることや、塩化ニッケルを使用する場合にはニッケル粉末に塩素ガスが残留し、除去にコストを要する欠点がある。噴霧熱分解法には、高結晶性で焼結温度が高く分散性も高いニッケル粉末を得ることができる利点があるが、溶媒を多量に使用するためエネルギーロスが大きいことや、粒径の揃ったニッケル粉末を得るための反応条件の設定が難しいという欠点がある。湿式化学還元法には、粒径制御が容易であるという利点があるが、高結晶性とするには反応速度を極めて遅くする必要があるため生産性が悪いことや、分散性の良好な粉末を得ようとすると反応液からの固液分離が困難になって不純物量が増す欠点がある。
プラズマPVD法には、他の製法に比べて高結晶性で焼結温度が高く分散性も高いニッケル粉末を得ることができる利点があり、加えて、化学反応を用いないため冷却速度を上げることで細かい粉末を製造することができ、粒径や粒径分布幅の制御が容易である利点がある。一般に、プラズマPVD法には、蒸発源として用いるニッケルの試料を配置する坩堝の構成材料が、不純物としてニッケル粉末に混入する特徴があるが、坩堝を元素Ca及びZrを含むセラミック製としたり、表面を元素Ca及びZrを含むセラミックでコートした坩堝を用いることで、ニッケル粉末に含まれる不純物の大部分を、該セラミック又はそれを構成する元素若しくはそれらの元素の化合物とすることができる。したがって、本発明の本形態の製法により製造された内部電極ペーストを用いて作製されるMLCCは、本発明の第3の形態について既述したのと同様の理由により、内部電極の連続性や卑金属濃度が高くなり、ESRを低くすることができる。
加えて、本形態の製法により製造された内部電極ペーストを用いて作製されるMLCCにおいて、誘電体層が、CSZT系セラミックからなる場合には、誘電体層の主な構成元素はCa及びZrであり、ニッケル粉末に含まれる不純物の構成元素もCa及びZrを含むから、誘電体層と、内部電極層の卑金属粉末に含まれる不純物の元素組成の相違が小さく、したがって、焼成によりMLCCを形成する際に、誘電体層と内部電極層との間で濃度勾配に起因する元素拡散が少なくなるので、内部電極の連続性や卑金属濃度が高くなり、ESRを低くすることができる。また、誘電体層の組成の変化も少ないから、設計通りの誘電率温度依存性等の電気的特性を有するMLCCを形成することができる。
本発明の一形態においては、誘電体層がCSZT系セラミックからなるMLCCの内部電極形成用の前記内部電極ペーストの製法であり、卑金属を蒸発させるために、表面が、CSZT系セラミックで構成された坩堝を使用して、プラズマPVD法により前記卑金属粉末を作製するステップを含むことを特徴とする内部電極ペーストの製法を提供できる。本形態の製法により製造された内部電極ペーストを用いて作製されるMLCCにおいては、誘電体層がCSZT系セラミックからなり、ニッケル粉末に含まれる不純物の大部分も、CSZT系セラミックを構成する元素またはそれらの化合物よりなるから、誘電体層と、内部電極層の卑金属粉末に含まれる不純物の元素組成の相違が小さく、したがって、焼成によりMLCCを形成する際に、誘電体層と内部電極層との間で濃度勾配に起因する元素拡散が少なくなるので、内部電極の連続性や卑金属濃度が高くなり、ESRを低くすることができる。また、誘電体層の組成の変化も少ないから、設計通りの誘電率温度依存性等の電気的特性を有するMLCCを形成することができる。
図1は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の断面構造の説明図である。 図2は、Cu含有内部電極ペーストを使用して形成したMLCCの等価直列抵抗(ESR)を示すグラフ図である。 図3は、Cu含有内部電極ペーストを使用して形成したMLCCの断面写真図である。 図4は、Ni含有内部電極ペーストを使用して形成したMLCCのESRを示すグラフ図である。 図5は、Ni含有内部電極ペーストを使用して形成したMLCCの断面写真図である。 図6は、CSZT粉末からの回折X線の強度の角度分布を示すグラフ図である。 図7は、前記角度分布から推定されるピークの位置と角度幅の説明図である。
以下に、本発明に係る卑金属含有内部電極ペーストとその製造方法、及び該内部電極ペーストを塗布・焼成することに形成される積層セラミックコンデンサの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る卑金属含有内部電極ペーストは、等価直列抵抗(ESR)の低いMLCCの作製に利用できる。その特徴は、平均粒径100nm程度の高結晶性のセラミック粉末(CSZT粉末)を含有することである。まず、CSZT粉末の作製法について検討した後に、内部電極ペーストがCSZT粉末に加えて、銅粉末を含有する本発明の実施形態と、ニッケル粉末を含有する実施形態について、順に説明する。更に、本発明に係る内部電極ペーストを使用して作製されたMLCCの等価直列抵抗(ESR)等の特性について説明する。
<1.セラミック粉末の準備>
<1.1 CSZT粉末とその組成>
あらかじめ、平均粒径が約10〜50nm程度の高結晶性のCSZT(Ca,Sr,Zr,Ti)微粉末を水熱合成法で作製しておく。次いで、固相法でCSZT粉末を作製する際に、Ca,Sr,Zr若しくはTiの酸化物、水酸化物又は炭酸塩等からなる原料粉末に、結晶成長の種として用いる目的で上記の水熱合成法で作製したCSZT微粉末を追加・ボールミルで混合して、反応炉内に投入する。すなわち、水熱合成法でCSZT微粉末を合成しそれを種にしてCa,Sr,Zr,Ti原料を所定量ボールミルなどで均一に混合し焼成炉で1300℃以上で固相反応させた。この製法により、平均粒径1.0×102nmで、球形若しくは粒状の高結晶性のCSZT粉末を作製した。当該CSZT粉末の試料(#CSZT100)の、平均粒径、組成(組成式におけるx,y,mの値)、及び結晶性を表1に示す。ここで、粉末の結晶性は、粉末X線回折法により計測されるその粉末の平均結晶粒径Dが24nm以上の場合を「結晶性が高い」(記号:○)、同じく20nm以上24nm未満の場合を「結晶性がやや高い」(記号:△)、同じく20nm未満の場合を「結晶性が普通又は悪い」(記号:×)として表している。
なお、本発明に係る内部電極ペーストが含有するCSZT粉末は、その組成、平均粒径、球形度、結晶性等が所定の条件を満たす限りにおいて、水熱合成法、固相法、蓚酸塩法、気相熱分解法(CVD法)等、どのような製法で製造されたものであってもよい。
Figure 2021158286
<1.2 CSZT粉末の組成>
上記のCSZT粉末の試料(#CSZT100)の元素組成、比表面積、水分含有量、微量成分濃度等の分析結果を表2に示す(誤差は±2σ)。特に、Si、Al、Mn、Na、Feの各元素の含有量は、質量比で50ppm以下又は100ppm以下である。Mgは検出されなかった。
Figure 2021158286
<1.3 CZ粉末の準備>
また、比較例としての内部電極ペーストの作製に供するために、平均粒径1.0×102nmで、球形若しくは粒状の高結晶性のCZ粉末として、水熱合成法で作製したCZ粉末を用いた。当該CZ粉末の試料(#CZ100)の、平均粒径、組成(組成式におけるx,y,mの値)、及び結晶性を表3に示す。
Figure 2021158286
<2.Cu含有内部電極ペーストの実施形態>
<2.1 Cu含有内部電極ペーストの作製>
銅粉末、CSZT粉末、バインダー剤及び溶剤を混練して、Cu含有内部電極ペーストを作製した。構成比を、Cuを蒸発させるためにSiO2−AlO3−CaO−ZrO2系セラミックで構成された坩堝を用いてプラズマPVD法で作製した平均粒径5×102nmの銅粉末が49質量%、平均粒径1.0×102nmのCSZT粉末(#CSZT100)が6質量%、バインダー剤としてエチルセルロースが12質量%、及び溶剤としてターピネオールが33質量%として、Cu含有内部電極ペーストの試料(#Cu500CSZT100)を得る。この試料の密度は4.05g/cm3であった。また、この試料の25℃における動的粘性を粘度測定器(Brookfield DV−III)で計測すると、10rpmにおいて20.0Pa・s, 100rpmにおいて11.4Pa・sであった。適当な塗布条件のもとで、この試料を塗布した表面の表面粗さ(Ra)は0.19μm,表面粗さ(Pt)は1.74μmであった。表4に当該内部電極ペーストの試料(実施例)の特徴を示す。
Figure 2021158286
また、比較例とするために、銅粉末(49質量%)、CZ粉末(6質量%)、バインダー剤としてエチルセルロース(12質量%)及び溶剤としてターピネオール(33質量%)を混練して、Cu含有内部電極ペーストを作製した。すなわち、上記と同様にして作製した平均粒径5×102nmの銅粉末と、平均粒径1.0×102nmのCZ粉末(#CZ100)を用いて、Cu含有内部電極ペーストの試料(#Cu500CZ100)を得た。表4に当該内部電極ペーストの試料(比較例)の特徴を併記した。
<2.2 Cu内部電極型MLCCの作製>
MLCCの誘電体層を形成するためのセラミック材料として、市販のCSZT系セラミックの粉末(製品名:KYORIX,型番:C6A,共立マテリアル株式会社)を用意した。この粉末は、EIA規格のCOG特性に相当する比誘電率の温度変化特性を示す温度補償型のMLCCの誘電体層を形成するために用いることができる。当該粉末の粒径(D50)は0.407μm、比表面積(BET)は8.1m2/g、水分含有量は0.09mass%以下、焼成設定温度は1023℃、比誘電率(25℃)は30.0、比誘電率の温度係数は、+25℃〜+125℃において21.2ppm/℃,+25℃〜+85℃において23.6ppm/℃,+25℃〜−30℃において0.0ppm/℃,+25℃〜−55℃において0.0ppm/℃であり、組成は、CSZT系セラミックの組成式における係数に換算すると、x=0.29,y=0.03,m=1.00である。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルブチラール及び溶剤としてトルエンとエタノールを加え、混合、分散し、誘電体スラリーを作製した。なお、当該粉末に替えて、焼成によりMLCCの誘電体層のセラミック、好ましくは温度補償型の誘電体層のセラミックを形成することのできる任意の原料粉末を用いてもよく、有機バインダーとしてポリビニルブチラール以外の既述のバインダーを用いても良く、溶剤としてトルエン、エタノール以外の既述の溶剤を用いても良い。また、内部電極の形成のためにCu含有内部電極ペーストを使用する場合にのみ、誘電体スラリーの焼成設定温度を低下・調整する目的で、更にオプションで少量のSiO2粉末を誘電体スラリーに加えてもよい。
まず、上記の誘電体スラリーを用いてPETフィルム上にドクターブレード法で厚さ約12μmのグリーンシートを形成した。また、上記のようにして得たグリーンシート上にスクリーン(SUS#400,ワイヤ直径23μm,カレンダ加工)を用いてCu含有内部電極ペーストを厚み約3μmでスクリーン印刷した。PETフィルムを剥離して、グリーンシート及び印刷済みグリーンシートを得た。印刷済みグリーンシート5枚と、その上下にグリーンシート複数枚を積層し、加圧接着し、内部電極の未焼成体を5層有するグリーン積層体を得た。次いで、グリーン積層体を焼成したのちに、サイズが3.2×2.5×0.5mm(3225タイプ)となるように切断してチップ焼結体を得た。
焼成はまず、空気中で200℃、3時間の熱処理により脱脂を行った後、加湿したN2とH2の混合ガス(H2のモル比率が0.2%)の雰囲気中で、約70分をかけて800℃までほぼ一定の昇温速度で昇温した。その後、純粋なN2ガスの雰囲気中で、約50分の時間をかけて800℃から983℃までほぼ一定の昇温速度で昇温しながら本焼成を行った。
得られたチップ焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した後、平均粒径500nmのCu粉末80質量部とガラス粉末5質量部とアクリル樹脂2質量部とブチルカルビトール13質量部とを混練してなる外部電極ペーストを該端面に塗布し、N2雰囲気中で800℃、30分間焼成して外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサ(MLCC)を得た。このようにして得た各サンプルの誘電体層の厚さは10μm、内部電極の厚さは1.5μm、層数は4であった。
<2.3 Cu内部電極型MLCCの電気的特性>
Cu含有内部電極ペーストの試料(#Cu500CSZT100)を用いて、上記の方法で作製したMLCCについて、静電容量、誘電正接、及び等価直列抵抗(ESR)の3つの電気的特性を計測し、また、CZ粉末を含む内部電極ペースト(#Cu500CZ100)を用いて上記の方法で作製したMLCCの電気的特性を計測し、両者を比較した。5つのサンプルを作製して各サンプルについて計測を行い、平均値を求めた。静電容量と誘電正接は、周波数1kHz、実効電圧1Vの交流電圧に対する値であり、ESRは、周波数1MHz、実効電圧1Vの交流電圧に対する値である。表5はその計測結果を示す。また、図2は、ESRの計測結果をグラフ化したグラフ図である。
Figure 2021158286
静電容量、誘電正接、ESRのすべてについて、CSZT含有内部電極ペースト(#Cu500CSZT100)で作製したMLCCの方が、CZ含有内部電極ペースト(#Cu500CZ100)で作製したMLCCより、良い電気的特性を示す。前者は後者より、静電容量は約1%大きく、誘電正接は約9%小さく、ESRは約58%低い。図2のグラフ図からもわかる通り、特にESR(等価直列抵抗)の低さは際立っている。
<2.4 Cu内部電極型MLCCの断面写真>
図(3A)は、CSZT含有内部電極ペースト(#Cu500CSZT100)で作製したMLCCの断面写真図であり、図(3B)はその拡大図である。図(3C)は、CZ含有内部電極ペースト(#Cu500CZ100)で作製したMLCCの同様な断面写真図であり、図(3D)はその拡大図である。内部電極の連続性については両者に大きな違いは認められないが、CZ含有内部電極については内部電極の表面に凹凸が目立ち、内部電極を構成する物質が誘電体層へと拡散している様子が観察できるのに対し、CSZT含有内部電極ではそのような表面の凹凸と物質の拡散があまり見られない。CSZT含有内部電極ペーストで作製したMLCCは、焼成時に内部電極2の未焼成体と誘電体層3の未焼成体の間の物質拡散が抑制されるため、内部電極2の連続性が良く、内部電極及び誘電体層における物質拡散による組成のばらつきが抑制されて、低いESR等の良好な電気的特性が得られたものと考えられる。
<2.5 銅粉末の平均粒径とESR>
CSZT含有内部電極ペーストとCZ含有内部電極ペーストについて、含まれる銅粉末の平均粒径だけを、それぞれ0.5×102nm、1×102nm、3×102nm、5×102nm、1×103nmと変更して、上記の方法で作製したMLCCのESRを測定して比較した。セラミック粉末は平均粒径1.0×102nmのものを用いた。CSZT含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、同じ平均粒径の銅粉末を含むCZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、銅粉末の平均粒径が1×102〜5×102nmの範囲では約50%以上低下し、銅粉末の平均粒径が0.5×102〜1×103nmの範囲では約20%以上低下することがわかった。
<2.6 CSZT粉末の平均粒径とESR>
CSZT含有内部電極ペーストとCZ含有内部電極ペーストについて、含まれるセラミック粉末の平均粒径だけを、それぞれ5.0×101nm、7.5×101nm、1.0×102nm、1.5×102nm、2.0×102nmと変更して、上記の方法で作製したMLCCのESRを測定して比較した。銅粉末は平均粒径5×102nmのものを用いた。CSZT含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、同じ平均粒径のセラミック粉末を含むCZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、セラミック粉末の平均粒径が7.5×101〜1.5×102nmの範囲では約50%以上低下し、セラミック粉末の平均粒径が5.0×101〜2.0×102nmの範囲では約20%以上低下することがわかった。
<2.7 CSZT粉末の結晶性とESR>
含まれるセラミック粉末(CSZT粉末)の結晶性が異なる2種類のCSZT含有内部電極ペーストを用いて、上記の方法でそれぞれ作製したMLCCのESRを測定して比較した。その結果を表6に示す。
Figure 2021158286
セラミック粉末(#CSZT100)を用いて作製した内部電極ペースト(#Cu500CSZT100)は既述の実施例である。固相法で製造した結晶性の悪い平均粒径1.0×102nmのセラミック粉末(#CSZT100s)を用いて作製した内部電極ペースト(#Cu500CSZT100s)は比較例である。銅粉末は平均粒径5×102nmのものを用いた。CZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRも比較のために再掲している。なお、CSZT粉末の結晶粒径(平均結晶粒径の意)の計測法については第4節で述べる。
CSZT粉末を含む内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、CZ粉末(#CZ100)を含む内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、CSZT粉末の平均結晶粒径が26nmと大きくて結晶性が高い場合には約58%低下するが、CSZT粉末の平均結晶粒径が14nmと小さくて結晶性が低い場合には約43%しか低下しない。CSZT粉末の結晶性が高い場合にはそうでない場合と比べて、該粉末の焼結温度が高くなるため内部電極ペーストの焼結が抑制されるので、焼成時において、誘電体層の未焼成体と内部電極ペーストの収縮挙動が近くなり、形成される内部電極の連続性が良くなり、かつ、内部電極ペーストと誘電体層の未焼成体との間の物質拡散も抑制されるので、内部電極及び誘電体層における物質拡散による組成のばらつきが抑制されて、低いESRが実現できるものと考えられる。なお、表7において、CSZT粉末の結晶粒径が14〜26nmの範囲で、ESRが該結晶粒径の1次関数でよく近似できると仮定すれば、該結晶粒径が20nm以上であればESRが50%以上低下すると言える。
<3.Ni含有内部電極ペーストの実施形態>
<3.1 Ni含有内部電極ペーストの作製>
ニッケル粉末、CSZT粉末、バインダー剤及び溶剤を混練して、Ni含有内部電極ペーストを作製した。構成比を、Niを蒸発させるためにSiO2−AlO3−CaO−ZrO2系セラミックで構成された坩堝を用いてプラズマPVD法で作製した平均粒径5×102nmのニッケル粉末が41質量%、既述の平均粒径1.0×102nmのCSZT粉末(#CSZT100)が8.7質量%、バインダー剤としてエチルセルロースが10.3質量%、及び溶剤としてターピネオールが40質量%として、Ni含有内部電極ペーストの試料(#Ni500CSZT100)を得る。この内部電極ペーストの25℃における動的粘性を粘度測定器(Brookfield DV−III)で計測すると、10rpmにおいて20Pa・sで100rpmにおいて10.5Pa・sであった。表7に当該示内部電極ペーストの試料(実施例)の特徴を示す。
Figure 2021158286
また、比較例とするために、上記と同じニッケル粉末(41質量%)、既述のCZ粉末(8.7質量%)、バインダー剤としてエチルセルロース(10.3質量%)及び溶剤としてターピネオール(40質量%)を混練して、Ni含有内部電極ペーストを作製した。すなわち、上記と同様にして作製した平均粒径5×102nmのニッケル粉末と、平均粒径1.0×102nmのCZ粉末(#CZ100)を用いて、Ni含有内部電極ペーストの試料(#Ni500CZ100)を得た。この内部電極ペーストの動的粘性を粘度測定器で計測すると、10rpmにおいて19Pa・sで100rpmにおいて11.0Pa・sであった。上の表7に当該示内部電極ペーストの試料(比較例)の特徴を併記した。
<3.2 Ni内部電極型MLCCの作製>
MLCCの誘電体層を形成するためのセラミック材料として、市販のCSZT系セラミックの粉末(製品名:KYORIX,型番:C6A,共立マテリアル株式会社)を用意した。この粉末に有機バインダーとしてポリビニルブチラール及び溶剤としてトルエンとエタノールを加え、混合、分散し、誘電体スラリーを作製した。なお、当該粉末に替えて、焼成によりMLCCの誘電体層のセラミック、好ましくは温度補償型の誘電体層のセラミックを形成することのできる任意の原料粉末を用いてもよく、有機バインダーとしてポリビニルブチラール以外の既述のバインダーを用いても良く、溶剤としてトルエン、エタノール以外の既述の溶剤を用いても良い。
まず、上記の誘電体スラリーを用いてPETフィルム上にドクターブレード法で厚さ約10μmのグリーンシートを形成した。また、上記のようにして得たグリーンシート上にスクリーン(SUS#400,ワイヤ直径23μm,カレンダ加工)を用いてNi含有内部電極ペーストを厚み約3μmでスクリーン印刷した。PETフィルムを剥離して、グリーンシート及び印刷済みグリーンシートを得た。印刷済みグリーンシート6枚と、その上下に複数枚のグリーンシートを積層し、加圧接着し、内部電極の未焼成体を6層有するグリーン積層体を得た。次いで、グリーン積層体を焼成したのちに、サイズが3.2×2.5×0.4mm(3225タイプ)となるように切断してチップ焼結体を得た。
焼成は、空気中で280℃、8時間の熱処理により脱脂を行った後、加湿したN2とH2の混合ガスからなる強還元雰囲気中(酸素分圧10-13MPa)にて1250℃で2時間本焼成し、更に誘電体の再酸化を目的とした熱処理を本焼成よりもやや酸化性の雰囲気中(酸素分圧10-6〜10-7MPa)にて1000℃、3時間行った。なお、酸素分圧は、ウェッターを用いてN2−H2−H2O混合ガス中のH2とH2Oの比率で制御した。
得られたチップ焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した後、平均粒径500nmのCu粉末80質量部とガラス粉末5質量部とアクリル樹脂2質量部とブチルカルビトール13質量部とを混練してなる外部電極ペーストを該端面に塗布し、N2雰囲気中で800℃、30分間焼成して外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサ(MLCC)を得た。このようにして得た各サンプルの誘電体層の厚さは8μm、内部電極の厚さは1.5μm、層数は5であった。
<3.3 Ni内部電極型MLCCの電気的特性>
Ni含有内部電極ペーストの試料(#Ni500CSZT100)を用いて、上記の方法で作製したMLCCについて、静電容量、誘電正接、絶縁抵抗、及び等価直列抵抗(ESR)の4つの電気的特性を計測し、また、CZ粉末を含む内部電極ペースト(#Ni500CZ100)を用いて上記の方法で作製したMLCCの電気的特性を計測し、両者を比較した。10個のサンプルを作製して各サンプルについて計測を行い、平均値を求めた。静電容量と誘電正接は、周波数1kHz、実効電圧1Vの交流電圧に対する値であり、絶縁抵抗(IR)は50Vの電圧を印加して1分後の電流値から求めた。また、ESRは、周波数1MHz、実効電圧1Vの交流電圧に対する値である。表8はその計測結果を示す。また、図4は、ESRの計測結果をグラフ化したグラフ図である。
Figure 2021158286
CSZT含有内部電極ペースト(#Ni500CSZT100)で作製したMLCCの方が、CZ含有内部電極ペースト(#Ni500CZ100)で作製したMLCCより、良い電気的特性を示す。前者は後者より、静電容量は約1%大きく、誘電正接と絶縁抵抗はほぼ同等であり、ESRは約22%低い。図4のグラフ図からもわかる通り、特にESR(等価直列抵抗)の低さは際立っている。
<3.4 Ni内部電極型MLCCの断面写真>
図(5A)は、CSZT含有内部電極ペースト(#Ni500CSZT100)で作製したMLCCの断面写真図であり、図(5B)はその拡大図である。図(5C)は、CZ含有内部電極ペースト(#Ni500CZ100)で作製したMLCCの同様な断面写真図であり、図(5D)はその拡大図である。内部電極の連続性については、CSZT含有内部電極のほうがCZ含有内部電極より連続性が良い。内部電極表面の凹凸についても、CZ含有内部電極については内部電極の表面に凹凸が目立ち、内部電極を構成する物質が誘電体層へと拡散している様子が観察できるのに対し、CSZT含有内部電極ではそのような表面の凹凸と物質の拡散がほとんど見られない。CSZT含有内部電極ペーストで作製したMLCCは、焼成時に内部電極2の未焼成体と誘電体層3の未焼成体の間の物質拡散が抑制されるため、内部電極2の連続性が良く、内部電極及び誘電体層における物質拡散による組成のばらつきが抑制されて、低いESR等の良好な電気的特性が得られたものと考えられる。
<3.5 ニッケル粉末の平均粒径とESR>
CSZT含有内部電極ペーストとCZ含有内部電極ペーストについて、含まれるニッケル粉末の平均粒径だけを、それぞれ0.5×102nm、0.8×102nm、5×102nm、6×102nm、8×102nmと変更して、上記の方法で作製したMLCCのESRを測定して比較した。セラミック粉末は平均粒径1.0×102nmのものを用いた。CSZT含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、同じ平均粒径のニッケル粉末を含むCZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、ニッケル粉末の平均粒径が0.8×102〜6×102nmの範囲では約20%以上低下し、ニッケル粉末の平均粒径が0.5×102〜8×102nmの範囲では約7%以上低下することがわかった。
<3.6 CSZT粉末の平均粒径とESR>
CSZT含有内部電極ペーストとCZ含有内部電極ペーストについて、含まれるセラミック粉末の平均粒径だけを、それぞれ5.0×101nm、7.5×101nm、1.0×102nm、1.5×102nm、2.0×102nmと変更して、上記の方法で作製したMLCCのESRを測定して比較した。ニッケル粉末は平均粒径5×102nmのものを用いた。CSZT含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、同じ平均粒径のセラミック粉末を含むCZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、セラミック粉末の平均粒径が7.5×101〜1.5×102nmの範囲では約20%以上低下し、セラミック粉末の平均粒径が5.0×101〜2.0×102nmの範囲では約7%以上低下することがわかった。
<3.7 CSZT粉末の結晶性とESR>
含まれるセラミック粉末の結晶性が異なる2種類のCSZT含有内部電極ペーストを用いて、上記の方法でそれぞれ作製したMLCCのESRを測定して比較した。その結果を表9に示す。
Figure 2021158286
セラミック粉末(#CSZT100)を用いて作製した内部電極ペースト(#Ni500CSZT100)は既述の実施例である。固相法で製造した平均粒径1.0×102nmの結晶性の悪いセラミック粉末(#CSZT100s)を用いて作製した内部電極ペースト(#Ni500CSZT100s)は比較例である。ニッケル粉末は平均粒径5×102nmのものを用いた。CZ含有内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRも比較のために再掲している。なお、CSZT粉末の結晶粒径(平均結晶粒径の意)の計測法については第4節で述べる。
CSZT粉末を含む内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRは、CZ粉末(#CZ100)を含む内部電極ペーストを用いて作製したMLCCのESRに比べて、CSZT粉末の平均結晶粒径が26nmと大きくて結晶性が高い場合には約22%低下するが、CSZT粉末の平均結晶粒径が14nmと小さくて結晶性が低い場合には約10%しか低下しない。CSZT粉末の結晶性が高い場合にはそうでない場合と比べて、該粉末の焼結温度が高くなるため内部電極ペーストの焼結が抑制されるので、焼成時において、誘電体層の未焼成体と内部電極ペーストの収縮挙動が近くなり、形成される内部電極の連続性が良くなり、かつ、内部電極ペーストと誘電体層の未焼成体との間の物質拡散も抑制されるので、内部電極及び誘電体層における物質拡散による組成のばらつきが抑制されて、低いESRが実現できるものと考えられる。なお、表9において、CSZT粉末の平均結晶粒径が14〜26nmの範囲で、ESRが平均結晶粒径の1次関数でよく近似できると仮定すれば、該平均結晶粒径が24nm以上であればESRが20%以上低下すると言える。
<3.8 ニッケル粉末の製造方法>
ここでニッケル粉末を例に、本発明に用いる卑金属粉末の製造方法の一形態について説明する。プラズマPVD法でニッケル粉末(#Ni500等)を製造するにあたっては、Niを蒸発させるために、SiO2−Al23−CaO−ZrO2系の耐火物製の坩堝を使用し、特開2005−307229号公報(特許文献4)に開示された公知の製造方法を用いた。すなわち、反応炉内に、ニッケルを収容した坩堝を収容すると共に、その上にプラズマトーチを収容し、プラズマトーチより発生するプラズマにより坩堝内のニッケルを加熱して溶融、蒸発させ、蒸発したニッケル蒸気をガスにより冷却管を通して粒子凝集ユニットに送り、そこでニッケル粉として収集し、取り出す方法である。前記ガスとは、反応炉内に供給される窒素、ヘリウム、アルゴンなどの希釈化ガスのことであり、その役割は、ニッケル蒸気の局在化を防止すると共に、ニッケル蒸気を冷却管を介してサイクロン等でなる粒子収集装置に送ることである。このようにして得られるニッケル粉末は、不純物として元素Si,Al,Ca及びZrをいずれも約50〜100ppm程度の質量濃度で体積的に含んでいることを特徴とする。
なお、金属粉末に含まれる不純物の元素構成を、誘電体層を構成するCSZT系セラミックの元素構成に近づける観点から、プラズマPVD法で用いる坩堝としては、CSZT系セラミック製の坩堝、又は、任意の耐火性の坩堝の表面全体にCSZT系セラミックをコート、すなわち塗布焼付けした坩堝を用いることが、より好ましいと考えられる。
<4. CSZT粉末の結晶粒径の計測>
内部電極ペーストに用いるCSZT粉末が高結晶性であるか否かを確かめるために、粉末X線回折法を利用した。図6の曲線Cは、CSZT粉末の試料(#CSZT100)について得られた回折X線強度の回折角度依存性を示すグラフである。図6に添えた2種類の縦棒は、いずれもPDFカードデータに基づく類似の2種類の物質の回折ピーク位置を示している。縦棒PCSZは、CaZrO3にSrがモル比で38.8%固溶した固溶体(以下、CSZとする。化学組成Ca0.621Sr0.388ZrO3)の回折ピークの位置を示し、縦棒PCZは、CaZrO3(以下、CZとする)の回折ピークの位置を示す。我々のCSZT粉末の試料においてTiは微量であるため、回折ピーク位置への影響は小さい。当該試料は、メイン組成がCaZrO3でこれにSrがモル比で約30%固溶した酸化物であると考えられる。CZの回折ピーク位置を出発点として、Sr固溶の影響でベガード則に従って、ほぼSr濃度に比例する低角度側へのピークシフトが起きていると考えられる。
回折強度を示す曲線Cにおいては、近接する複数のピークが重ね合されて、いくつかの幅の広い山型の波形を描いているが、ピークの角度幅から結晶性の良さを評価するためには、個々のピークを分離しなければならない。そこで、比較的少数のピークのみが近接していると考えられる、回折角が2θ=22°付近の山型波形C1、同じく31°付近の山型波形C2、同じく45°付近の山型波形C3の3つについて分析を行った。
まず、山型波形C1を2θ=20°〜24°の範囲で「(定数)+(3つのコーシー分布の重ね合わせ)」の形をもつ関数で最小2乗法でフィットしたところ、図(7A)に示すように、ピーク位置21.99°,半値半幅0.125°,ピーク強度21.99(任意単位)の1つのピーク(ピーク1とする)が同定された。「(定数)+(残り2つのコーシー分布の重ね合わせ)」の部分は、その半値半幅の広さから、ほぼ一定のバックグラウンドを表していると考えられる。なお、半値全幅は半値半幅の2倍で与えられる。また、コーシー分布はローレンツ分布とも呼ばれる。
次に、山型波形C2を2θ=28°〜34°の範囲で「(定数)+(3つのコーシー分布の重ね合わせ)」の形をもつ関数で最小2乗法でフィットしたところ、図(7B)に示すように、ピーク位置30.98°,半値半幅0.159°,ピーク強度2.95(任意単位)のピーク(ピーク2とする)と、ピーク位置31.28°,半値半幅0.160°,ピーク強度5.55(任意単位)のピーク(ピーク3とする)と、ピーク位置31.38°,半値半幅0.195°,ピーク強度5.21のピーク(ピークA1とする)の、計3つのピークが同定された。ピークA1は、その半値半幅がやや広いことから考えて、単独のピークではなく、複数のピークが重ね合されたものが、1つのコーシー分布により近似的に表現されていると考えられる。
更に、山型波形C3を2θ=43°〜47°の範囲で「(定数)+(3つのコーシー分布の重ね合わせ)」の形をもつ関数で最小2乗法でフィットしたところ、図(7C)に示すように、ピーク位置44.83°,半値半幅0.156°,ピーク強度1.57(任意単位)のピーク(ピーク4とする)と、ピーク位置44.98°,半値半幅0.155°,ピーク強度1.67(任意単位)のピーク(ピーク5とする)と、ピーク位置44.58°,半値半幅0.247°,ピーク強度0.99のピーク(ピークA2とする)の、計3つのピークが同定された。ピークA2は半値全幅がやや広いことから考えて、単独のピークではなく、複数のピークが重ね合されたものが、1つのコーシー分布により近似的に表現されていると考えられる。
このようにして同定した5つのピーク(ピーク1〜5)について、シェラーの式(式2)に基づき、試料の平均結晶粒径を計算した。その結果を表10に示す。波長λとしては、CuKα線の波長0.154nmを用い、装置に固有の補正定数Bは無視できるものと仮定してゼロとおいた。試料(#CSZT100)の平均結晶粒径が(26.3±2.6)nmであることがわかる。
Figure 2021158286
同様にして、結晶性が低いと考えられるCSZT粉末の試料(#CSZT100s)について、粉末X線回折法で4つのピークを同定して、シェラーの式(式2)に基づき、試料の平均結晶粒径を計算した。その結果を表11に示す。試料(#CSZT100)におけるピーク4に対応するピークは同定できなかった。この結果より、試料(#CSZT100s)の平均結晶粒径が(13.7±1.4)nmであることがわかった。
Figure 2021158286
これらの実施例において説明した、粉末X線回折法により平均結晶粒径を求める手続をより厳密に行うには、次のステップ(1)〜(6)に従うとよい。
(1)所定の角度範囲において、測定された回折強度を示す曲線を
「(低次の多項式)+(m個のコーシー分布の和)」 (*)
からの等分散ガウス分布により最尤法でフィットする。対数尤度Lは、式(*)で表される関数をf(x)(ただし、x=2θ=回折角度)として、
L = Σi ln(ps(yi−f(xi))) (**)
と定義する。ここで、測定された回折強度を示す曲線は、離散点(xi,yi)(i=1,2,..,n)で表しておく。低次の多項式としては、例えば1次又は2次の多項式を用いることができる。また、ps(..)は平均0、分散sのガウス分布の確率密度関数である。
(2)mを固定して、対数尤度Lを最大にする式(*)のパラメータ及び分散sを決定し、決定された最適なパラメータに対する対数尤度の値Lmを求める。
(3)mを動かして、赤池情報量規準 AICm = −2×Lm +2×Km などの情報量規準を最小にするmの値(Mとする)を決定する。ここで、Kmは式(**)に含まれる自由なパラメータの数である。なお、情報量規準としては、赤池情報量規準(AIC)の代わりに、赤池情報量規準の有限修正(c−AIC)、ベイズ情報量規準(BIC)等の別の情報量規準を用いてもよい。
(4)測定された回折強度を、M個のコーシー分布の和を含む関数f(x)により最尤法でフィットした場合の、それぞれのコーシー分布の半値全幅βj(j=1,2,..,M)を求め、それぞれの半値全幅から(式2)により計算される平均結晶粒径をDj(j=1,2,..,M)とし、これらが作る集合をU=(D1,D2,..,DM)とする。
(5)集合Uから外れ値を除く。たとえば、Uの要素が小さい順にD1,D2,..,DAと並んでいるとして、D1以外の(A−1)個の平均結晶粒径の平均をD,不変標準偏差をσとするとき、D1が(D−3σ)以上、かつ(D+3σ)以下の区間内に含まれていなければ、UからD1を除く。更に、DA以外の(A−1)個の平均結晶粒径の平均をD’,不変標準偏差をσ’とするとき、DAが(D’−3σ’)以上、かつ(D’+3σ’)以下の区間内に含まれていなければ、UからDAを除く。次に、このような除外の手続を、除くべきUの要素がなくなるか、Uの要素の数が2個以下となるまで繰り返す。
(6)外れ値が除かれた新しいUの要素について、それらの平均と標準偏差を、平均結晶粒径の測定値の平均及び標準偏差とする。
本発明は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係る、高結晶性のCSZT粉末を添加した卑金属を含む内部電極ペーストを用いて内部電極を形成した、温度補償型の特性を有する積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、従来のCZ粉末を添加した内部電極ペーストを用いて内部電極を形成したMLCCに比べて、Cu含有内部電極ペーストの場合で約50%以上、Ni含有内部電極ペーストの場合で約20%以上、等価直列抵抗(ESR)が低くなる。しかも、本発明に係る内部電極ペーストは、Mn等の添加物元素をほとんど含有しないから、誘電体層の元素構成によらず使用可能であって汎用性が高い。本発明は、エレクトロニクス分野に関係する多くの業界において広く利用できるものである。
1 積層セラミックコンデンサ(MLCC)
2 内部電極層(内部電極)
3 誘電体層(誘電体)
4 外部電極
C (回折強度を示す)曲線
C1,C2,C3 山型波形
CSZT,PCZ (回折ピーク位置を示す)縦棒

Claims (6)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層セラミックコンデンサの内部電極層を焼成により形成するための内部電極ペーストであり、
    卑金属粉末と、平均粒径が75〜150nmのCSZT粉末と、を含み、
    前記CSZT粉末は、組成式[(Ca1-xSrx)О]m[(Zr1-yTiy)О2]で表される酸化物固溶体の粉末であり、実数m、x、yは
    0.98≦m≦1.02,
    0.14≦x≦0.46,
    0.01≦y≦0.05
    を満たし、内部電極ペーストが前記CSZT粉末の代わりに同じ平均粒径のCZ粉末を同じ質量比で含有する場合と比べて、積層セラミックコンデンサの等価直列抵抗(ESR)が低くなることを特徴とする内部電極ペースト。
  2. 前記積層セラミックコンデンサの前記誘電体層は、CSZT系セラミックからなる請求項1に記載の内部電極ペースト。
  3. 前記卑金属粉末は、プラズマPVD法により作製された、平均粒径が80〜600nmのニッケル粉末又は平均粒径が100〜500nmの銅粉末である請求項1又は2に記載の内部電極ペースト。
  4. 前記CSZT粉末は、平均結晶粒径が24nm以上と高結晶性である請求項1〜3のいずれかに記載の内部電極ペースト。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の内部電極ペーストを塗布し、焼成して形成された内部電極層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の内部電極ペーストの製法であり、卑金属を蒸発させるために、表面が、少なくとも元素Ca及びZrを含むセラミックで構成された坩堝を使用して、プラズマPVD法により前記卑金属粉末を作製するステップを含むことを特徴とする内部電極ペーストの製法。
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