JP2021148780A - 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント - Google Patents

磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント Download PDF

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Abstract

【課題】計時器用ムーブメントが止まった後のバレルの巻きの間に、磁気的システムを備えるエスケープが有効に始動することを確実にする。【解決手段】バレルばねが巻かれていないことに起因する計時器用ムーブメントの停止の後のバレルの巻きの間に、機械式共振器2とエスケープ12によって形成されるアセンブリーの有効な自己始動を可能にするために、エスケープ車16には、歯42があり、パレットアセンブリー14は、2つの機械的パレット石28、29を備え、これらは、始動時に、歯の1つを介してエスケープ車の少なくとも1回の機械的力のインパルスを受けることができるように構成しており、この機械的力のインパルスは、機械式共振器のバランスへと伝達される始動力トルクをパレットアセンブリーにて発生させ、これによって、機械式共振器の振動を開始させる。このようにして、始動段階の後にパレットアセンブリーを通常動作させることができる。【選択図】図1A

Description

本発明は、磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメントに関する。特に、本発明は、エスケープ車と、機械式共振器から分離しているパレットアセンブリーの間に磁気的結合システムを備えるエスケープに関する。このパレットアセンブリーは、機械式共振器とは異なる回転軸を有する。スイス式パレットアセンブリーについて、このようなパレットアセンブリーは、機械式共振器の周期的な運動と同期するがこのような運動とは異なるような往復運動を行う。磁気的エスケープとは、磁石を備えるエスケープであって、これらの磁石が、パレットアセンブリーに部分的に配置され、エスケープ車に部分的に配置されて、パレットアセンブリーとエスケープ車の間に磁気的結合を発生させるものをいうものと理解することができる。
いくつかの特許出願において、磁気的エスケープを備える様々な計時器用ムーブメントが既に提案されている。機械式共振器から分離しているパレットアセンブリーを備える磁気的エスケープについては、欧州特許文献EP3208667を引用することができる。これは、機械式共振器に機械的につながっておりエスケープ車に磁気的につながっているパレットアセンブリーを備える磁気的エスケープについて記載している。このエスケープ車には、平坦かつ連続的な磁化構造によって形成される2つの環状の磁気的トラックがあり、この磁化構造は、前記2つの磁気的トラックの区画に交互的に追従するように構成しているパレットアセンブリーの少なくとも1つの磁気的パレット石のための磁気的ポテンシャルエネルギーの傾斜及び磁気バリアを定める。前記磁気的パレット石は、磁石によって形成される。
磁気的エスケープは、始動の際に問題が発生することがしばしばある。バレルの巻きが緩まり計時器用ムーブメントが止まると、エスケープ車はバレルによって回転駆動されなくなり、このときに、機械式共振器の振動が著しく減衰し、そして、機械式共振器は、その停滞位置又はそれに近い位置に対応する角位置にて止まる。実際に、機械式共振器の止め位置は、パレットアセンブリーとのエスケープ車の磁気的結合が与えられて止まったときのエスケープ車の角位置に応じて、停滞位置のまわりの特定の角度領域において、ばらつきがあることがある。前記角度領域は、パレットアセンブリーの往復運動を制限するための2つのピンに対抗するようなパレットアセンブリーの2つの止め位置によって制限される。なぜなら、機械式共振器のピンは、前記共振器が最終的に不動となっているときに、パレットアセンブリーのフォーク内に位置するからである。
一部の磁気的エスケープ、特に、文献EP3208667に記載されているもの、において設けられた磁気的システムを考慮すると、始動時に、エスケープ車が再び回転して、バレルが巻かれるにしたがって増大する力トルクを与え始めたときに、エスケープが自己始動できない可能性が非常に高い。機械式共振器は、まだ振動していないので、パレットアセンブリーをアンロックして往復運動させる機能を実行することができず、これによって、エスケープは、機械式共振器の通常の振動を確立させるのに十分なエネルギーを機械式共振器に与えることができない。また、設けられた磁気的システムにおいては、エスケープ車の特定の角位置において磁気的反発力によってパレットアセンブリーとエスケープ車が相互にロックすることがある。これは、機械式共振器が振動しない又は通常のように振動しないためである。このように、計時器用ムーブメントが止まった後のバレルの巻きの間に、磁気的システムを備えるエスケープが有効に始動することを確実にするための手法を見出す必要がある。
概して、本発明は、機械式共振器と、及びこれに関連づけられたエスケープを備える計時器用ムーブメントであって、このエスケープが、第1の回転軸を有するエスケープ車と、及び前記機械式共振器から分離されており前記機械式共振器の回転軸とは異なる第2の回転軸を有するパレットアセンブリーとを備えるものに関する。前記機械式共振器は、前記機械式共振器が振動しているときに、前記パレットアセンブリーが2つの停滞位置の間で往復運動を行うように前記パレットアセンブリーにつながっており、前記パレットアセンブリーは、順次的な時間間隔の間に、この2つの停滞位置に交互的にとどまる。前記パレットアセンブリーは、磁石によって形成される少なくとも1つの磁気的パレット石を備え、前記エスケープ車は、前記磁気的パレット石に対する複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜を定める周期的磁化構造を備え、前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のそれぞれは、前記パレットアセンブリーが2つの停滞位置のうちの対応する停滞位置にあるとき、及び前記エスケープ車に与えられる力トルクが公称力トルクに等しいとき又は前記計時器用ムーブメントの通常動作のために与えられる値の範囲内にあるときに、前記磁気的パレット石が前記傾斜を昇ることができるように設けられている。前記磁気的パレット石及び前記周期的磁化構造は、前記磁気的パレット石が前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、前記磁気的パレット石が前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜の前記いずれか1つを昇ることを可能にした、2つの停滞位置のうちの一方の停滞位置から前記パレットアセンブリーが傾斜するときに、前記パレットアセンブリーが、その往復運動の方向における磁力インパルスを受けるように構成している。
上述の課題を解決し、パレットアセンブリーを介して機械式共振器に磁力インパルスを与えるように設けられた磁気的システムを備えるエスケープ場の効果的かつ迅速な自己始動を確実にするために、前記エスケープ車には、第1の回転軸に対して遠位である少なくとも1つの第1の遠位部分があり、前記パレットアセンブリーには、第2の回転軸に対して遠位である少なくとも1つの第2の遠位部分がある。その後に、前記機械式共振器が停滞状態にあるときに、前記パレットアセンブリーは、前記エスケープ車の任意の角位置θにおいて、止まったときに、前記角位置θに依存する平衡角位置βER(θ)を有する。本発明によると、前記エスケープ車の角位置の少なくとも1つの範囲の任意の角位置θに対して、前記機械式共振器が停滞しており前記パレットアセンブリーが対応する平衡角位置βER(θ)にある間に、前記第1及び第2の遠位部分は互いに接触し、前記第1及び第2の遠位部分は、前記パレットアセンブリーの平衡角位置βER(θ)が、前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲それぞれの少なくとも1つの部分上にて、前記パレットアセンブリーの中央位置から離れる前記エスケープ車の角位置θの単調関数であり、前記角位置θが前記エスケープ車のために行われる回転方向にて変動するように構成しており、前記中央位置は、前記パレットアセンブリーの2つの停滞位置から等しいように離れた角距離にてゼロの角位置を定める。また、前記少なくとも1つの角度的範囲における前記パレットアセンブリーの前記平衡角位置βERθの最大絶対値AMEは、厳密に、2つの停滞位置の絶対角度値(βMax)よりも小さい。
第1の特定の実施形態によると、前記第1の回転軸に垂直であり前記第1の回転軸を中心とする極座標系において、前記少なくとも1つの第1の遠位部分うちの第1の遠位部分にはそれぞれ、第1の傾斜面があり、これによって、前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの対応する角位置範囲を前記エスケープ車が通過する間、そして、前記パレットアセンブリーが対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線を角度的に追従する間に、前記少なくとも1つの第2の遠位部分のそれぞれが前記第1の傾斜面の少なくとも一部上を摺動することがある。
第1の特定の実施形態と組み合わせることができる第2の特定の実施形態によると、前記少なくとも1つの第2の遠位部分のうちの第2の遠位部分にはそれぞれ、前記極座標系において、前記パレットアセンブリーが前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲のいずれかに対応する前記平衡角位置βER(θ)のいずれか1つにあるときに、第2の傾斜面があり、前記第2の遠位部分は、前記少なくとも1つの第1の遠位部分のうちの第1の遠位部分と接触し、前記第2の傾斜面は、前記少なくとも1つの第1の遠位部分のうちの第1の遠位部分のそれぞれが前記第2の傾斜面の少なくとも一部上を摺動することがあり、一方で、前記エスケープ車が、関心事の前記第1の遠位部分及び第2の遠位部分に対する前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲を通過するように構成しており、前記パレットアセンブリーは、対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線に追従する。
一般的な実施形態において、前記パレットアセンブリーの前記少なくとも1つの第2の遠位部分は、2つの機械的パレット石によって形成され、前記エスケープ車には、前記少なくとも1つの第1の遠位部分を構成している複数の遠位部分があり、前記複数の遠隔部分は、前記複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜にそれぞれ関連づけられる。その後に、2つの機械的パレット石は、2つの磁石によって形成される2つの磁気的パレット石とそれぞれ関連づけられ、これらの磁石のそれぞれは、前記エスケープ車の前記周期的磁化構造に対して、磁気的反発するように少なくとも周期的につながるように構成している。主な形態において、前記複数の遠位部分は、複数の歯によって形成され、前記2つの機械的パレット石は、機械式ムーブメントの通常動作時に、前記複数の歯のための機械的止めを形成するように構成しており、これによって、エスケープの動作を改善させたり、前記パレットアセンブリーの往復運動に同期し、したがって、前記機械式共振器の振動に同期するような、エスケープ車のステップごとの回転を可能にしたりする。
前記一般的な実施形態の改善された形態において、前記パレットアセンブリーと前記エスケープ車は、前記パレットアセンブリーが前記往復運動をしており前記エスケープ車に与えられる力トルクが前記公称力トルクに等しい又は通常動作時における前記値の範囲の少なくとも1つの上側部分内にあり、前記2つの磁気的パレット石のうちの1つが、対応する停滞位置における前記パレットアセンブリーの傾斜の後に前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つに関連づけられた前記エスケープ車の前記歯が、前記パレットアセンブリーの前記2つの機械的パレット石のうちの1つにて少なくとも1回の衝撃を受けるように構成している。前記第1の衝撃は、前記パレットアセンブリーの次の傾斜の前に、前記第1又は第2の機械的パレット石によって定められる角度的当接位置を超えた前記エスケープ車の回転を一時的に防ぎ、前記傾斜の後に得られる前記エスケープ車の運動エネルギーを少なくとも部分的に散逸させる。好ましい形態において、前記エスケープは、前記第1の衝撃の後であって前記パレットアセンブリーの次の傾斜の前に、前記エスケープ車が一時的に不動化されるように構成している。
以下、添付の図面を用いて本発明について詳細に説明する。なお、これは例として与えられるものであり、これに限定されるものではない。
図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 図1A〜1Iは、本発明の実施形態の1つに係る計時器用ムーブメントを部分的に示している。これは、いくつかの順次的な位置において、エスケープの自己始動を確実にするように構成しており、ハイブリッドエスケープを備える。 計時器用ムーブメントが通常動作をしているときであって機械式共振器が停滞状態にありエスケープ車が止まっているときの、エスケープ車の角位置θに応じた、図1Aのハイブリッドエスケープのパレットアセンブリーの周期的な角度的経路β(θ)を概略的に示している。
以下、図面を用いて、本発明に係る計時器用ムーブメントの一実施形態について説明する。これは、機械式のものであり、機械式共振器2を備え、この機械式共振器2においては、アーバー4、ノッチが形成された安全ローラー6、及びピン10のみを示している。計時器用ムーブメントは、機械式共振器に関連づけられたエスケープ12を備え、この機械式共振器においては、安全ローラー6及びピン10が前記エスケープ12を形成する要素である。エスケープ12は、さらに、エスケープ車16とパレットアセンブリー14を備え、このパレットアセンブリー14は、機械式共振器から分離しているメンバーであり、回転軸が前記機械式共振器のものとは異なる。
パレットアセンブリー14は、一方では、2つのホーン19a及び19bを備えるフォーク18を端とするレバー20とダート8によって形成され、他方では、2つのアーム24及び26によって形成され、これらのアーム24及び26の自由端が2つの機械的パレット石28及び29をそれぞれ形成する。2つの機械的パレット石は、パレットアセンブリー14の2つの磁気的パレット石を形成する2つの磁石30及び32をそれぞれ支持する。機械式共振器2は、この機械式共振器2が通常の振動を行っているときに、2つのバンキングピン21及び22によって形成される2つの停滞位置の間にて機械式共振器の振動に同期した往復運動をパレットアセンブリーが行うように、パレットアセンブリーにつながっている。このパレットアセンブリーは、順次的な時間間隔の間に交互的であり続ける。
エスケープ車16は、好ましくは非磁性材料(磁場に導かれない)によって作られた、ディスク34上に配置される周期的磁化構造36を有する。この構造36には、全体的に、2つの磁気的パレット石30、32のための磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜を形成する環状の磁化部分38があり、これらの磁気的パレット石30、32はそれぞれ、周期的磁化構造の軸方向の磁化とは反対方向の極性を有するように軸方向に磁化されており、これによって、磁気的パレット石と磁化構造の間の磁気的反発を発生させる。各磁化部分38の幅は、単調に増加している。特に、磁化部分の幅は、その有用長さ全体にわたって、中心における角度に応じて線形的に増加する。好ましい形態において、周期的磁化構造36は、その外周が円形であり、前記磁化構造の円弧部分38は、互いに同じ構成を有し、エスケープ車の回転軸のまわりに環状に配置されるように構成している。
一般的に、磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜はそれぞれ、パレットアセンブリーが2つの停滞位置のうちの所定の停滞位置にある場合、そして、エスケープ車において与えられる力トルクが公称力トルクに実質的に等しいとき(エスケープ車を駆動するための一定の力システムを備える機械式ムーブメントの場合)、又は計時器用ムーブメントの通常の動作を確実にするように与えられる値の範囲内にあるときに(1つのバレル、又は複数が直列に設けられている場合には複数のバレルの、巻きレベルに応じて、エスケープ車に与えられる力トルクが可変な伝統的な機械式ムーブメントの場合)、2つの磁気的パレット石のそれぞれが昇ることができるように構成している。パレットアセンブリーがその2つの停滞位置の間で往復運動を行うとき、そして、エスケープ車に与えられる力トルクが、前記公称力トルクに等しいとき又は通常動作時に前記力トルクのために与えられる値の範囲内にあるときに、パレットアセンブリーがそれぞれその第1及び第2の停滞位置にあるときには第1及び第2の磁気的パレット石のそれぞれによって順次的に、また、パレットアセンブリーの往復運動中には第1及び第2の磁気的パレット石によって交互的に、磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜を昇る。2つの磁気的パレット石及び磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜は、2つの磁気的パレット石のいずれか1つが前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか一方を昇った後に、パレットアセンブリーが磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のその一方に対応する停滞位置から他方の停滞位置となるように傾斜したときに、パレットアセンブリーがその運動方向における磁力インパルスを受けることができるように構成している。図2に示している曲線52は、計時器用ムーブメントの通常動作時に、エスケープ車の角位置θに応じて、パレットアセンブリーの角位置βFN(θ)を与える。曲線52の水平方向の区画は、2つの停滞位置のうちの一方又は他方の停滞位置(角位置:±βMax)にあるパレットアセンブリー14に対応し、立ち上がりフランク及び立ち下がりフランクは、パレットアセンブリー14の2つの停滞位置の間の交互的な傾斜に対応し、この間に、パレットアセンブリー14は磁力インパルスを順次的に受け、このことによって、フォーク18を介して機械式共振器に持続的インパルスを与えることが可能になる。
周期的磁化構造36は、さらに、2つの磁気的パレット石のそれぞれに対して、磁化部分38によって定められる磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜の後にそれぞれ配置される磁気バリア46を定め、この磁気バリア46は、特に、構造36の磁化範囲46によって形成され、その半径方向の寸法は、パレットアセンブリーの磁気的パレット石を形成する2つの磁石30及び32の各長手方向の寸法と実質的に等しい又はそれよりも大きい。磁化範囲/磁気バリアはそれぞれ、エスケープ車16が自身に与えられる力の平衡角位置にあり、一方で、2つの磁気的パレット石の一方又は他方が磁気的ポテンシャルエネルギーの傾斜の頂部/関心事の磁気バリア/磁化範囲46に先行する磁化部分38の最も広い端に位置しているときに、エスケープ車16に与えられる力トルクの方向とは反対方向の磁力トルクをエスケープ車16に与えるように構成している。磁気バリアは、力の各平衡角位置においてエスケープ車に与えられる磁力トルクが、エスケープ車が力の平衡角位置に到達する前に考慮される磁気バリアの前の磁気的ポテンシャルエネルギーの傾斜/磁化部分38によって生成される最大磁力トルクよりも大きいように設けられる。
エスケープ車は、さらに、磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜にそれぞれ関連づけられた突出部を備える。これらの突出部は、エスケープ車と一体化されているローラー40から半径方向に延在している歯42によって形成され、このローラー40は、磁化構造36を支持するディスク34の上に位置している。これらの歯42は、磁化部分38の後に、その最も広い端の側にそれぞれ位置しており、対応する磁化範囲46と部分的に重なり合う。後に詳細に開示するように、これらの歯42は、始動時に、機械的パレット石28及び29と連係するように構成している。これらの歯及び機械的パレット石は、非磁性材料によって形成される。
図示している好ましい形態において、これらの歯42は、基本平面内にて延在しており、この基本平面内に、パレットアセンブリーの2つの機械的パレット石28、29も延在している。2つの磁石30、32は、これらの2つの機械的パレット石によってそれぞれ支持され、これらの磁石30、32も前記基本平面内に配置される。図面には、基本平面の下に位置する下側磁化構造のみを示している。しかし、好ましい形態において、エスケープ車は、さらに、下側磁化構造と同じ構成の上側磁化構造を備え、この上側磁化構造は、好ましくは非磁化材料によって形成される、上側ディスクによって支持される。上側及び下側磁化構造は一緒に、周期的磁化構造を形成する。これらの磁化構造は、パレットアセンブリーの2つの磁石とは反対方向の同じ方向の磁極性を有し、2つの磁気的パレット石を形成する前記2つの磁石が、好ましくは同じ距離にて、配置される、幾何学的平面の両側に配置される。
本発明の主な狙いを詳細に説明する前に、関心事の好ましい実施形態におけるエスケープについての特定の特徴を説明する。この特徴によって、このエスケープの通常動作(すなわち、力トルクMREによって始動段階の後に発生する安定動作のことであり、この力トルクMREは、エスケープ車に実質的に与えられ、公称力トルクに等しく又は計時器用ムーブメントの通常動作を確実にするために与えられる値の範囲内であり、この通常動作は、特に、エスケープ車の正しいステップごとの回転のことである)を改善することが可能になる。パレットアセンブリー14とエスケープ車16は、通常の動作において、エスケープ車の歯42のうちの1つが、パレットアセンブリーの傾斜の後に、対応する磁気的パレット石が磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、2つの機械的パレット石のうちの一方又は他方にて少なくとも1回の衝撃を受けるように構成している。前記衝撃は、前記傾斜の後に獲得したエスケープ車の運動エネルギーを少なくとも部分的に散逸させるように発生する。エスケープ車の歯は、エスケープにおいて磁気的ポテンシャルエネルギーが蓄積された後のエスケープ車の各ステップにおいて、機械式共振器の次の持続インパルスのために、前記エスケープ車の運動エネルギーを吸収し、したがって、ステップごとの回転の各ステップの間の終端振動を制限するように設けられる。
伝統的な機械式計時器用ムーブメントの場合、すなわち、一定の力でエスケープ車を駆動するシステムがない場合、通常動作時にエスケープ車に与えられる力トルクMREの値PVMの範囲全体において、エスケープ車の歯42のいずれか1つとパレットアセンブリーの機械的パレット石のいずれか1つの間の少なくとも1つの第1の衝撃が、前記対応する磁気的パレット石及び前記少なくとも1つの第1の衝撃を受けた歯に関連づけられる磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜の1つを昇った後に発生する。
主な形態において、エスケープは、2つの機械的パレット石のいずれか1つがエスケープ車のいずれか1つの歯に対して衝撃を与えた後に、前記第1の衝撃が、角度的当接位置を超えてエスケープ車の回転を一時的に止め、そして、次のパレットアセンブリーの傾斜の前に、エスケープ車が、定義的に存在する力の平衡位置に対応する、角度的止め位置にて不動化されるように構成している。
好ましい形態において、通常の動作時に、エスケープ車が一時的に止まった後に、歯42は、2つの機械的パレット石の一方又は他方によって形成されるパレットアセンブリーの機械的止めを押す。したがって、エスケープは、ハイブリッドエスケープ、すなわち、磁気的及び機械的なエスケープである。したがって、伝統的なムーブメントにおいて、通常動作時に、力トルクMREの値PVMの範囲全体にわたって、2つの機械的パレット石のいずれか1つに対して、エスケープ車の歯のいずれか1つの歯の少なくとも1つの第1の衝撃の後であって、その後のパレットアセンブリーの傾斜の前に、前記いずれか1つの歯が前記機械的パレット石のいずれか1つを押す角度的止め位置において、エスケープ車が一時的に不動化される。したがって、各止め角位置は、機械的パレット石に支持される歯によって定められる。
一般的な形態において、通常動作時にエスケープ車に与えられる前記力トルクMREの前記値の範囲PVMの少なくとも1つの上側部分に対して、対応する磁気的パレット石が前記対応する磁気的パレット石及び関心事の歯に関連づけられた磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のうちの1つを昇った後に、エスケープ車の歯のいずれか1つとパレットアセンブリーの機械的パレット石のいずれか1つの間に、少なくとも1回の第1の衝撃が発生する。この一般的な形態の特定の形態において、力トルクMREが値PVMの範囲の前記上側部分の少なくとも1つの上側領域における値を有する場合に、前記少なくとも1回の第1の衝撃を経験した歯が、対応する角度的止め位置にて一時的に不動となった後に、当接する機械的パレット石を押すように構成している。
続いて、本発明の狙いを具体的に説明する。一般的に、エスケープ車には、その回転軸に対して遠位にある少なくとも1つの第1の遠位部分があり、パレットアセンブリーには、その回転軸に対して遠位にある少なくとも1つの第2の遠位部分がある。図示している実施形態において、エスケープ車には、歯42によって形成される複数の第1の遠位部分があり、パレットアセンブリーには、第1及び第2の機械的パレット石28、29によってそれぞれ形成される2つの第2の遠位部分がある。バレルばねの巻きが緩められていることによって計時器用ムーブメントが止まると、エスケープ車16も止まり、機械式共振器2がすぐに停滞状態となる(すなわち、振動しなくなり運動エネルギーがなくなる)。その後に、パレットアセンブリー14は、エスケープ車16がいずれの角位置θ(角度的止め位置)にあっても、その角位置に依存する対応する平衡角位置βER(θ)にある。一般的には、機械式共振器は、停滞状態であったとしても、必ずしもその停滞位置(バランスばねが緩んでいる最小の機械的エネルギーの位置)にあるわけではない。なぜなら、パレットアセンブリーは、本発明の範囲内に設けられたエスケープ及び/又は機械的デバイスの磁気的システムに起因して、機械式共振器に特定の力を与え、前記機械式共振器のバランスばねがわずかに締め付けられるような各位置に前記機械式共振器を動かし、したがって、小さな復元力を与えることがあるからである。このような場合、一般的には、エスケープ車の各角位置θに対して、エスケープと機械式共振器によって構成しているアセンブリーについての平衡位置が定められ、パレットアセンブリーに対して平衡角位置βER(θ)が定められる。エスケープ車16の角位置θに依存するパレットアセンブリー14の平衡角位置βER(θ)が与えられている図2の曲線50には、中央位置にて実質的に水平な区画がある。これは、パレットアセンブリーの往復運動における2つの極端な角度値±βMaxに対応するパレットアセンブリーの2つの停滞位置から等しいように離れた角距離において、パレットアセンブリー14のゼロ角位置を定める。パレットアセンブリー14が中央位置「0」にあるときに、機械式共振器2はその停滞位置にあり、そのバランスがバランスばねによる回復力を受けないようにする。なお、一般的には、この場合、中央値に近い又は中央値であるようなパレットアセンブリーの平衡角位置βER(θ)には、パレットアセンブリーのフォーク18の2つのホーン19aと19bの間のピン10のクリアランスの順に、ある程度の不確実性があるが、この不確実性(又は潜在的な角度的平衡領域)は非常に小さい。しかし、これは図示している実施形態の場合には当てはまらない。なぜなら、エスケープ12の磁気的システムは、パレットアセンブリーが停滞位置にあるときの不動の機械共振器によってパレットアセンブリーに力が与えられていない状態で、パレットアセンブリーを実質的に角位置「0」に保持するからである。
計時器用ムーブメントのバレルの巻きが緩められると(すなわち、バレルのばねが緩んで、エスケープ車に与える力トルクが駆動を可能にしなくなったとき)、エスケープ車は角位置θのいずれか1つで止まり、機械式共振器2の振動の減衰期間の後で、この機械式共振器2が停滞状態となり、パレットアセンブリーは対応する角位置βER(θ)となる。この状況においては、第1及び第2の機械的パレット石28及び29がエスケープ車の複数の歯42のうちの対応する歯と接触するようなエスケープ車16の角位置範囲PCP1及びPCP2が発生する。その後に、図2に示しているように、歯42と2つの機械的パレット石28、29は、パレットアセンブリー14の平衡角位置βER(θ)が、角位置範囲PCP1及びPCP2それぞれの少なくとも1つの第1の部分にあり、エスケープ車の角位置θの単調関数が、エスケープ車の回転方向における前記角位置θの変動を伴って、パレットアセンブリーの中央位置「0」から離れるように動くように構成している。また、図2に示しているように、角位置範囲PCP1及びPCP2におけるパレットアセンブリーの平衡角位置βER(θ)に対して、パレットアセンブリーの残りの2つの停滞位置の絶対角度値βMaxよりも厳密に小さいような最大絶対値AMEが与えられる。
上述の特徴のおかげで、エスケープ車16がその回転方向(図1A〜1Iにおいて時計回り)の回転を再開することを可能にするバレルばねの新しい巻きの間に、2つの機械的パレット石28、29のうちの少なくとも1つが、機械的始動力トルク、したがって、機械的始動インパルス、をパレットアセンブリー14に与えることがあるエスケープ車の歯42に接触する。このようにして、エスケープ12、したがって、機械式計時器用ムーブメント、の迅速な自己始動が可能となる。
具体的には、エスケープ車16とパレットアセンブリー14は、始動段階において、前記エスケープ車16が通常動作時に与えられる力トルク以下の大きさの始動トルクを受けることによって角位置のいずれか1つから回転し始めたときに、このエスケープ車16が、次の角位置範囲PCP1又はPCP2に到達する前に、前記エスケープ車を止めるであろう磁気的又は機械的な物に接触しないように構成しており、特に、前記次の角位置範囲の前記少なくとも1つの第1の部分は、前記単調な関数に従う。また、歯42と機械的パレット石28、29は、前記次の角位置範囲において、前記始動トルクを受けるエスケープ車16が、関心事の歯と機械的パレット石の間の接触によって止まらないが、その歯が、前記始動トルクの少なくとも大部分をパレットアセンブリーに伝達することがあるように構成している。なお、図示している形態は、特に、エスケープの特定の磁気的システムに対するものである。実際に、歯42がない場合、パレットアセンブリーの平衡角位置は、エスケープ車の磁気周期PREにわたって、したがって、前記エスケープ車の完全な1回転にわたって、実質的にゼロのままに維持される。このような状況において、機械式共振器を再び動作させて、その結果としてパレットアセンブリーが往復運動を行うことを可能にする特別な手段を設けなければ、機械式共振器及びこれに関連づけられたエスケープの始動が行われないことを理解することができる。
図1A〜1C、1E及び1Gに示している第1の好ましい形態において、歯42のそれぞれには、エスケープ車16の回転軸に垂直でありこの回転軸を中心とする極座標系R,θ(図1A〜1Iを参照)において、第1の傾斜面SI1(θ)があり、この第1の傾斜面SI1(θ)は、第1及び第2の機械的パレット石28、29のそれぞれが、始動段階において、前記第1の傾斜面上を摺動し、一方で、エスケープ車が、角位置範囲PCP1又はPCP2のうちの対応する角位置θの範囲を通過し、また、パレットアセンブリー14が、前記角位置範囲に対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線50の部分を少なくとも部分的に追従するように傾斜している。極座標系における「傾斜面」とは、半径方向でも接線方向でもない方向の面をいうものと理解することができる。
また、同様に図1A〜1C、1E及び1Gに示している第2の好ましい形態において、パレットアセンブリーの2つの機械的パレット石のそれぞれには、エスケープ車に関連づけられた極座標系R,θにおいて、パレットアセンブリーが、角位置範囲PCP1及びPCP2のうちの角位置範囲のいずれか1つの角位置θに対応する平衡角位置βER(θ)のいずれか1つにあるときに、第2の傾斜面SI2があり、関心事の機械的パレット石は、エスケープ車の歯42の1つに接触している。第2の傾斜面SI2は、歯42のそれぞれが、始動段階において、前記第2の傾斜面上を摺動し、一方で、エスケープ車が、関心事の歯と機械的パレット石に対する、角位置範囲PCP1及びPCP2のうちの角位置θの範囲を通過し、また、パレットアセンブリー14が、前記角位置範囲に対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線50の部分を少なくとも部分的に追従するように構成している。
最後に、図1A〜1Iを参照して、本発明に係るハイブリッドエスケープ12の始動シーケンス/始動段階について説明する。これらの図1A〜1Iは、巻きが緩められたバレルばねに起因して計時器用ムーブメントが止まった後において、前記アセンブリーを組み込んだ計時器用ムーブメントのバレルの巻きの間に、機械式共振器2とエスケープ12によって形成されるアセンブリーを始動する際に発生する一連の順次的な事象を示している。図1Aにおいて、計時器用ムーブメントは止まっており、機械式共振器は停滞状態となっており、パレットアセンブリーは、ゼロ角位置を定めるパレットアセンブリーの中央位置である対応する平衡角位置にある。歯42との接触がない場合に前記平衡角位置が「0」となることは(図2)、磁気的パレット石30、32が、周期的磁化構造36の磁化部分38と部分的に重なり合い、その磁化部分38それぞれが、エスケープ車に関連づけられた極座標系において正である半径方向の磁力に対応する位置にあり、このことによって、パレットアセンブリー上に発生する2つの反対方向の磁力トルクが相殺することに起因する。
図1Bにおいて、始動時に、エスケープ車16を駆動する機構は、前記エスケープ車に力トルクを与え、これによって、前記エスケープ車のために時計回りの回転を再開することを可能とし、そして、歯42が機械的パレット石28に接触して(図1Bに示した事象)、これによって、前記機械的パレット石上にて、前記パレットアセンブリー14に関連づけられた、すなわち、前記パレットアセンブリー14の回転軸に垂直でありこの回転軸を中心とする、極座標系r,βにおいて、接線方向の力FTDを発生させる。特に、前記接線方向の力FTDは、歯と機械的パレット石の間の初期接触点が、エスケープ車に関連づけられた極座標系において歯42と機械的パレット石28をそれぞれ備える2つの傾斜面SI1及びSI2(図1C参照)のうちの少なくとも1つ上に位置するということによって得られる。エスケープ車は、そのエスケープ車に与えられる始動トルクのおかげで回転し続け、この場合に、歯の丸まった端は、接触点が実質的に前記傾斜面SI2の底部に位置するまで(図1Cに示している事象)、機械的パレット石28の傾斜面SI2(エスケープ車に関連づけられた極座標系において傾斜している)上を摺動し、歯42は、図1Bと図1Cの間のエスケープ車の回転全体にわたって接線方向の力FTDを与え、したがって、パレットアセンブリー14上に始動トルクを与え、このことによって、始動トルクの少なくとも大部分をフォーク18のホーンを介して機械式共振器2に伝達する。したがって、機械式共振器は、第1の機械的始動インパルスを受け、このことによって振動を始動することによって、この機械式共振器を再び動作させることができる。特定の形態において、傾斜面SI1及びSI2は、傾斜している面である。なお、歯と機械的パレット石の間にて接触しているときの始動の際に、図示しているように、磁気バリア46を、対応する傾斜面SI1及びSI2と重ね合わせて、その歯と接触する機械的パレット石に関連づけられた磁石にて特定の磁気的反発力を発生させることができるようにすることが有利である。前記磁気的反発力は、歯と機械的パレット石の間の接触力を減少させ、したがって、一方が他方に摺動するときの摩擦を減少させ、この摺動は、エスケープ車の回転に対抗し、したがって、始動に対抗する。このような特定の構成によって、自己始動を容易にし、したがって、エスケープ車に与えられる広い範囲のトルクに対して自己始動が行われる。
別の形態においては、図示している形態と同様であるが、パレットアセンブリーが備える機械的パレット石が長く、上に開示しているように、始動段階の間に、機械的パレット石28の内側コーナー、又は機械的パレット石29の外側コーナーは、エスケープ車が時計回りに回転するときに、歯の傾斜面SI1上を摺動することによって始動し、その後に、歯の丸まった端のみが機械的パレット石の傾斜面SI2上で摺動する。したがって、図示しているような、傾斜面SI1の傾斜が傾斜面SI2よりもわずかに大きく、一方で、歯と機械的パレット石が、エスケープと機械式共振器によって形成されるアセンブリーの始動段階の間に接触しているような、2つの傾斜面SI1及びSI2があるエスケープの構成を有する利点を理解することができる。前記の好ましい形態において、始動段階の間に、各角度的接触領域が、2つの傾斜面SI1及びSI2の一方及び/又は他方の傾斜面上の接触点に対応するようにされる。一般的な形態において、歯又は2つのパレット石のみにそれぞれ、傾斜面があり、一方で、2つのパレット石又は歯にそれぞれ、始動時に、各角度的接触領域において前記傾斜面のそれぞれに沿って摺動可能なように構成している突出部がある。パレットアセンブリーについては、そのパレットアセンブリーに関連づけられた極座標系において、始動時の角度的接触領域、すなわち、始動時に接触している角位置領域β(θ)は、エスケープ車に対する角度的接触領域上における、予め定められた、平衡角位置βER(θ)の曲線50によって実質的に与えられる(図2)。
図1Dにおいては、機械共振器2と、2つの停滞位置のうちの1つにおけるパレットアセンブリー14との振動の第1の振動の振幅が低いことがわかる。その後に、図1Eにおいて、ピン10が再びパレットアセンブリーのフォーク18内にある間に、パレットアセンブリーに与えられフォーク18とバランスと一体化されたピン10を介して機械式共振器のバランスに伝達される、新しい機械的インパルスが、機械的パレット石29と歯42の間の接触によって発生する。特に、歯の端は、機械的パレット石29の傾斜面SI2に当接し、適宜、前記傾斜面の一部上にて摺動して、到来する機械的インパルスを発生させて、この機械的インパルスは、エスケープの磁気的システムによって発生する第1の磁気始動インパルスも発生させる。このように、特定の量のエネルギーが再び機械式共振器2に伝達され、その振動の振幅が増加し、一方で、エスケープ車が少し速く回転する。この結果、図1Fに示しているように、歯が機械的パレット石28の接触面に当接するようになり、一方で、対応する磁気的パレット石は、磁気的ポテンシャルエネルギーの傾斜38の全体を昇ることができる。この時点から、機械的自己始動システムは、アクティブでなくなることができ、機械式共振器のバランスにつながっているエスケープの磁気的システムが、磁力インパルスを発生させて、機械式共振器の振動を維持する。
図1Gにおいて、パレットアセンブリーの傾斜が前の振動のときよりも速くなったことを考えると、機械的パレット石28の傾斜面に接触する歯はなく、第1の完全に磁気的な持続インパルスを与えるエスケープを見ることができる。図1H及び1Iは、バレルばねが再び巻かれた計時器用ムーブメントの通常動作に対応する固定動作段階の出現の前の短い遷移段階における、機械式共振器2とエスケープ12によって形成されるアセンブリーを示している。
2 機械式共振器
4 アーバー
6 安全ローラー
10 ピン
12 エスケープ
14 パレットアセンブリー
16 エスケープ車
24 アーム
28、29 機械的パレット石
30、32 磁石
36 周期的磁化構造
38 磁化部分
42 歯
46 磁気バリア

Claims (11)

  1. 機械式共振器(2)と、及びこの機械式共振器に関連づけられたエスケープ(12)とを備える計時器用ムーブメントであって、
    前記エスケープは、第1の回転軸を有するエスケープ車(16)と、及び前記機械式共振器から分離されており前記機械式共振器の回転軸とは異なる第2の回転軸を有するパレットアセンブリー(14)とを備え、
    前記機械式共振器は、前記機械式共振器が振動しているときに前記パレットアセンブリーが2つの停滞位置の間で往復運動を行うように前記パレットアセンブリーにつながっており、
    前記パレットアセンブリーは、順次的な時間間隔の間に交互的であり続け、
    前記パレットアセンブリーは、磁石(30、32)によって形成される少なくとも1つの磁気的パレット石を備え、前記エスケープ車は、前記磁気的パレット石に対する複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜(38)を定める周期的磁化構造(36)を備え、
    前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のそれぞれは、前記パレットアセンブリーが2つの停滞位置のうちの対応する停滞位置にあるとき、及び前記エスケープ車に与えられる力トルクが公称力トルクに等しいとき又は前記計時器用ムーブメントの通常動作のために与えられる値の範囲内にあるときに、前記磁気的パレット石が前記傾斜を昇ることができるように設けられており、
    前記磁気的パレット石及び前記周期的磁化構造は、前記磁気的パレット石が前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、前記磁気的パレット石が前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜の前記いずれか1つを昇ることを可能にした、2つの停滞位置のうちの一方の停滞位置から前記パレットアセンブリーが傾斜するときに、前記パレットアセンブリーが、その往復運動の方向における磁力インパルスを受けるように構成しており、
    前記エスケープ車には、前記第1の回転軸に対して遠位にある少なくとも1つの第1の遠位部分(42)があり、
    前記パレットアセンブリーには、前記第2の回転軸に対して遠位にある少なくとも1つの第2の遠位部分(28、29)があり、
    前記機械式共振器が停滞状態にあるときに、前記パレットアセンブリーは、前記エスケープ車の任意の角位置θにおいて、止まったときに、前記角位置に依存する平衡角位置βER(θ)を有し、
    前記エスケープ車の少なくとも1つの角位置範囲(PCP1、PCP2)の任意の角位置に対して、前記機械式共振器が停滞しており前記パレットアセンブリーが対応する平衡角位置βER(θ)にある間に、前記第1及び第2の遠位部分は互いに接触し、
    前記第1及び第2の遠位部分は、前記パレットアセンブリーの平衡角位置βER(θ)が、前記エスケープ車の前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲それぞれの少なくとも1つの第1の部分上にて、前記パレットアセンブリーの中央位置から離れる前記エスケープ車の角位置θの単調関数であり、前記角位置θが前記エスケープ車のために行われる回転方向にて変動するように構成しており、
    前記中央位置は、前記パレットアセンブリーの2つの停滞位置から等しいように離れた角距離にてゼロの角位置を定め、
    前記少なくとも1つの角位置範囲における前記パレットアセンブリーの前記平衡角位置βER(θ)の最大絶対値(AME)は、厳密に、2つの停滞位置の絶対角度値(βMax)よりも小さい
    ことを特徴とする計時器用ムーブメント。
  2. 前記エスケープ車(16)と前記パレットアセンブリー(14)は、始動段階において、前記エスケープ車が前記力トルク以下の大きさの始動トルクを受けることによって角位置θのいずれか1つから回転し始めたときに、前記エスケープ車が、前記少なくとも1つの角位置範囲(PCP1、PCP2)から、次の角位置に到達する前に、前記エスケープ車を止めるであろう磁気的又は機械的な物に接触しないように構成しており、その後に、前記角位置範囲の少なくとも一部において、前記少なくとも1つの第1の遠位部分及び前記少なくとも1つの第2の遠位部分が接触し、
    前記少なくとも1つの第1の遠位部分及び前記少なくとも1つの第2の遠位部分は、前記次の角位置範囲において、前記始動トルクを与えられる前記エスケープ車が、前記第1の遠位部分と前記第2の遠位部分の間の接触によって止められないように構成しており、前記第1の遠位部分が、少なくとも大部分の前記始動トルクを前記パレットアセンブリーに伝達することがあるように構成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の計時器用ムーブメント。
  3. 前記第1の回転軸に垂直であり前記第1の回転軸を中心とする極座標系(R,θ)において、前記少なくとも1つの第1の遠位部分うちの第1の遠位部分(42)にはそれぞれ、第1の傾斜面(SI1)があり、これによって、前記少なくとも1つの角位置範囲(PCP1、PCP2)のうちの対応する角位置範囲を前記エスケープ車が通過する間、そして、前記パレットアセンブリーが対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線(50)を角度的に追従する間に、前記少なくとも1つの第2の遠位部分(28、29)のそれぞれが前記第1の傾斜面(SI1)上を摺動することがある
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計時器用ムーブメント。
  4. 前記少なくとも1つの第2の遠位部分のうちの第2の遠位部分(28、29)にはそれぞれ、前記第1の回転軸に垂直であり前記第1の回転軸を中心とする極座標系(R,θ)において、前記パレットアセンブリー(14)が前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲のいずれかに対応する前記平衡角位置βER(θ)のいずれか1つにあるときに、第2の傾斜面(SI2)があり、
    前記第2の遠位部分は、前記少なくとも1つの第1の遠位部分(PCP1、PCP2)のうちの第1の遠位部分と接触し、前記第2の傾斜面は、前記少なくとも1つの第1の遠位部分のうちの第1の遠位部分(42)のそれぞれが前記第2の傾斜面上を摺動することがあり、一方で、前記エスケープ車が、関心事の前記第1の遠位部分及び第2の遠位部分に対する前記少なくとも1つの角位置範囲のうちの角位置範囲を通過するように構成しており、前記パレットアセンブリーは、対応する平衡角位置βER(θ)によって定められる曲線(50)に追従する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  5. 前記磁気的パレット石は、第1の磁気的パレット石(30)であり、前記第2の突出部は、前記第1の磁気的パレット石に関連づけられた第1の機械的パレット石(28)であり、
    前記パレットアセンブリーは、第2の磁気的パレット石(32)と、この第2の磁気的パレット石に関連づけられた第2の機械的パレット石(29)とを備え、
    前記周期的磁化構造(36)と前記パレットアセンブリー(14)は、前記複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜(38)が前記第2の磁気的パレット石に対しても定められるように構成しており、
    前記エスケープ車に与えられる力トルクが前記公称力トルクに等しい又は前記計時器用ムーブメントの通常動作のために与えられる前記値の範囲内である場合に、前記増大傾斜を、前記パレットアセンブリーが周期的に前記2つの停滞位置のうちの第1の停滞位置又は第2の停滞位置にあるときには、前記第1及び第2の磁気的パレット石のそれぞれによって順次的に昇ることができ、また、前記パレットアセンブリーが往復運動をしているときには、前記第1及び第2の磁気的パレット石によって交互的に昇ることができ、
    前記第2の磁気的パレット石(32)及び前記複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜は、前記パレットアセンブリーが前記第2の停滞位置から前記第1の停滞位置へと傾斜したときに、前記第2の磁気的パレット石が前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、前記パレットアセンブリー(14)がその運動方向における磁力インパルスを受けるように構成しており、
    前記複数の磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜の増大傾斜はそれぞれ、前記少なくとも1つの第1の突出部を構成している複数の突出部(42)とは異なる突出部に関連づけられている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  6. 前記パレットアセンブリー(14)の前記第1及び第2の機械的パレット石(28、29)は、通常動作時に、前記複数の突出部に対する2つの機械的止めを定め、
    前記パレットアセンブリーと前記エスケープ車は、前記パレットアセンブリーが前記往復運動をしており前記エスケープ車に与えられる力トルクが前記公称力トルクに等しい又は前記値の範囲の少なくとも1つの上側部分内にあり、前記第1又は第2の磁気的パレット石が、対応する第1又は第2の停滞位置における前記パレットアセンブリーの傾斜の後に前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つを昇った後に、前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つに関連づけられた前記エスケープ車(16)の突出部(42)が、前記パレットアセンブリーの前記第1又は第2の機械的パレット石にて少なくとも1回の衝撃を受けるように構成しており、
    前記第1の衝撃は、前記第1又は第2の機械的パレット石(28、29)によって定められる角度的当接位置を超えた前記エスケープ車の回転を一時的に止め、前記傾斜の後に得られる前記エスケープ車の運動エネルギーを少なくとも部分的に散逸させるように発生する
    ことを特徴とする請求項5に記載の計時器用ムーブメント。
  7. 前記エスケープ(12)は、前記第1の衝撃の後であって前記パレットアセンブリー(14)の次の傾斜の前に、前記エスケープ車が角度的止め位置にて一時的に不動化されるように構成している
    ことを特徴とする請求項6に記載の計時器用ムーブメント。
  8. 前記エスケープ車に与えられる力トルクが前記公称力トルクに等しい又は前記値の範囲の前記上側部分の少なくとも1つの上側領域にある値を有する場合に、前記少なくとも1回の第1の衝撃を受けた前記突出部(42)は、前記エスケープ車が前記角度的止め位置にて一時的に不動化された後に、前記第1又は第2の機械的パレット石を押し、これによって、前記角度的止め位置を前記角度的当接位置にする
    ことを特徴とする請求項7に記載の計時器用ムーブメント。
  9. 前記値の範囲内の任意の力トルクに対して、前記少なくとも1回の第1の衝撃を、前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜のいずれか1つに関連づけられた前記エスケープ車の突出部(42)によって受け、
    前記突出部は、前記エスケープ車が一時的に止まった後に、前記第1又は第2の機械的パレット石を押す
    ことを特徴とする請求項7に記載の計時器用ムーブメント。
  10. 前記周期的磁化構造(36)は、その外周が実質的に円形であり、前記磁気的ポテンシャルエネルギーの増大傾斜を定める前記磁化構造の円弧部分(38)が前記第1の回転軸のまわりに環状に配置されるように構成している
    ことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
  11. 前記突出部は、基本平面内に延在している歯(42)によって形成され、
    この基本平面においては、前記第1及び第2の機械的パレット石(28、29)も延在しており、
    前記第1及び第2の機械的パレット石(28、29)は、同様にこの基本平面内に位置している前記第2の磁気的パレット石を形成する前記磁石(30)及び別の磁石(32)をそれぞれ支持する
    ことを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の計時器用ムーブメント。
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