JP2021147705A - 蒸着マスク装置の製造方法および有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク装置の製造方法および有機el表示装置の製造方法 Download PDF

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英介 岡本
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Abstract

【課題】フレームに対する蒸着マスクの位置合わせに要する時間を短縮させることができる、蒸着マスク装置の製造方法および有機EL表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】フレーム準備工程と、マスク準備工程と、蒸着マスク20の重なり部21が平面視で第1壁面縁17eに重なるとともに第1壁面縁17eが蒸着マスク20の第1マスク縁20cから第2マスク縁20dにわたって第1方向D1に一直線状に延びるようにフレーム15に蒸着マスク20を配置する配置工程と、配置工程の後蒸着マスク20を第2方向D2に引っ張るとともにフレーム15に押し付けながらフレーム15に対して位置合わせするマスク位置合わせ工程と、マスク位置合わせ工程の後蒸着マスク20を接合張力で第2方向D2に引っ張るとともにフレーム15に押し付けながらフレーム15に接合する接合工程とを備えた、蒸着マスク装置の製造方法。【選択図】図10

Description

本開示は、蒸着マスク装置の製造方法および有機EL表示装置の製造方法に関する。
スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置の分野において、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置などの有機半導体デバイスの製造方法及び製造装置として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成された蒸着マスクを用いて、所望のパターンで画素を形成する方法及び装置が知られている。例えば、まず、有機EL表示装置用の被蒸着基板に、フレームに固定された状態の蒸着マスクを組み合わせる。続いて、有機材料を含む蒸着材料を、蒸着マスクの貫通孔を介して被蒸着基板に蒸着させる。このような蒸着工程を実施することにより、蒸着マスクの貫通孔に対応したパターンで、蒸着材料を含む蒸着層(又は有機EL表示装置の発光層)を画素として被蒸着基板上に形成することができる。
蒸着マスクを被蒸着基板に組み合わせる際には、蒸着マスクは、フレームに架張して固定されている(例えば、特許文献1参照)。この際、蒸着マスクの貫通孔がフレームに対して所望の位置に位置するように、蒸着マスクがフレームに対して位置合わせされる。
特許第5382259号公報
本開示は、フレームに対する蒸着マスクの位置合わせに要する時間を短縮させることができる蒸着マスク装置の製造方法および有機EL表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本開示による蒸着マスク装置の製造方法は、フレーム準備工程と、マスク準備工程と、配置工程と、マスク位置合わせ工程と、接合工程と、を備えている。フレーム準備工程においては、第1フレーム面と、第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、第1フレーム面から第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、第1フレーム面から第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、第2壁面縁から平面視で外側に前記第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有するフレームを準備する。マスク準備工程においては、第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、第1方向に直交する第2方向における両側に位置する一対の重なり部と、一対の重なり部の間に位置する貫通孔と、を有する蒸着マスクを準備する。配置工程においては、蒸着マスクの重なり部は、平面視で、第1壁面縁に重なるとともに、第1壁面縁が、蒸着マスクの第1マスク縁から第2マスク縁にわたって第1方向に一直線状に延びるように、フレームに蒸着マスクを配置する。マスク位置合わせ工程においては、配置工程の後、蒸着マスクを、接合張力で第2方向に引っ張るとともにフレームに押し付けながら、フレームに対して位置合わせする。接合工程においては、マスク位置合わせ工程の後、蒸着マスクを、前記接合張力で前記第2方向に引っ張るとともに前記フレームに押し付けながら、フレームに接合する。
本開示による有機EL表示装置の製造方法は、上述の蒸着マスク装置の製造方法により蒸着マスク装置を準備する装置準備工程と、密着工程と、蒸着工程と、を備えている。密着工程においては、蒸着マスク装置の蒸着マスクを被蒸着基板に密着させる。蒸着工程においては、蒸着マスクの貫通孔を通して蒸着材料を被蒸着基板に蒸着させて蒸着層を形成する。
本開示による蒸着マスク装置は、フレームと、フレーム上に設けられた蒸着マスクと、を備えている。フレームは、第1フレーム面と、第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、第1フレーム面から第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、第1フレーム面から第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、第2壁面縁から平面視で外側に第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有している。蒸着マスクは、第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、第1方向に直交する第2方向における両側に位置し、第1フレーム面に重なる一対の重なり部と、一対の重なり部の間に位置する貫通孔と、を有している。蒸着マスクは、第2方向における両側であって第1壁面縁よりも内側に位置する一対のマスク端を有している。第1壁面縁は、蒸着マスクの第1マスク縁の延長線から第2マスク縁の延長線にわたって第2方向に一直線状に延びている。
本開示による蒸着マスク装置の中間体は、フレームと、フレーム上に設けられた蒸着マスクと、を備えている。フレームは、第1フレーム面と、第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、第1フレーム面から第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、第1フレーム面から第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、第2壁面縁から平面視で外側に第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有している。蒸着マスクは、第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、第1方向に直交する第2方向における両側に位置し、第1フレーム面に重なる一対の重なり部と、一対の重なり部の間に位置する貫通孔と、を有している。第1壁面縁は、平面視で蒸着マスクの重なり部に重なるとともに、蒸着マスクの第1マスク縁から第2マスク縁にわたって第2方向に一直線状に延びている。
本開示によれば、フレームに対する蒸着マスクの位置合わせに要する時間を短縮させることができる。
本開示の実施形態による蒸着マスク装置を備えた蒸着装置を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置を示す平面図である。 図2のA−A線に沿った断面を模式的に示す図である。 図3の部分拡大断面図である。 図4Aの部分拡大断面図である。 図2の蒸着マスク装置を示す部分拡大平面図である。 図2の蒸着マスクの貫通孔群を示す拡大平面図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法における保持工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法における配置工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法におけるマスク位置合わせ工程の第1貫通孔確認工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法におけるマスク位置合わせ工程の移動工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法におけるマスク位置合わせ工程の張力調整工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法のマスク位置合わせ工程において、蒸着マスク装置を示す部分拡大平面図である。 蒸着マスク装置の製造方法のマスク位置合わせ工程において、蒸着マスク装置を示す部分拡大平面図である。 図11のB−B線に沿った断面を模式的に示す図である。 図11のC−C線に沿った断面を模式的に示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法における接合工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法における取り外し工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法において、1つの蒸着マスクが接合されたフレームを示す平面図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法により得られる蒸着マスク装置の中間体を示す平面図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法における切断工程を示す図である。 本開示の実施形態による蒸着マスク装置の製造方法の切断工程において、蒸着マスク装置を示す部分拡大平面図である。 本開示の実施形態による有機EL表示装置の製造方法により得られる有機EL表示装置を模式的に示す断面図である。 本開示の実施形態による有機EL表示装置の製造方法における密着工程を示す図である。 本開示の実施形態による有機EL表示装置の製造方法における蒸着工程を示す図である。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態や変形例と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士や、その他の実施形態と変形例も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。また、変形例同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34〜38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態において、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクやその製造方法に関した例をあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクに対し、本実施形態を適用することができる。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
本開示の第1の態様は、
第1フレーム面と、前記第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、前記フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、前記第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、前記第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、前記第2壁面縁から平面視で外側に前記第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有するフレームを準備するフレーム準備工程と、
第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、前記第1方向に直交する第2方向における両側に位置する一対の重なり部と、一対の前記重なり部の間に位置する貫通孔と、を有する蒸着マスクを準備するマスク準備工程と、
前記蒸着マスクの前記重なり部は、平面視で、前記第1壁面縁に重なるとともに、当該第1壁面縁が、前記蒸着マスクの前記第1マスク縁から前記第2マスク縁にわたって前記第1方向に一直線状に延びるように、前記フレームに前記蒸着マスクを配置する配置工程と、
前記配置工程の後、前記蒸着マスクを、接合張力で前記第2方向に引っ張るとともに前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対して位置合わせするマスク位置合わせ工程と、
前記マスク位置合わせ工程の後、前記蒸着マスクを、前記接合張力で前記第2方向に引っ張るとともに前記フレームに押し付けながら、前記フレームに接合する接合工程と、を備えた、蒸着マスク装置の製造方法、
である。
本開示の第2の態様として、上述した第1の態様による蒸着マスク装置の製造方法において、
前記マスク位置合わせ工程は、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第1確認工程を有している、
ようにしてもよい。
本開示の第3の態様として、上述した第2の態様による蒸着マスク装置の製造方法において、
前記マスク位置合わせ工程は、前記第1確認工程における前記貫通孔の位置確認結果に基づいて、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記第1方向及び前記第2方向で画定される2次元平面内でのいずれかの方向に移動させる移動工程を有している、
ようにしてもよい。
本開示の第4の態様として、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる蒸着マスク装置の製造方法において、
前記マスク位置合わせ工程は、前記移動工程の後、前記蒸着マスクに接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第2確認工程を有している、
ようにしてもよい。
本開示の第5の態様として、上述した第1の態様による蒸着マスク装置の製造方法において、
前記マスク位置合わせ工程は、
前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第3確認工程と、
前記第3確認工程における前記貫通孔の位置確認結果に基づいて、前記蒸着マスクに付与される張力を調整する張力調整工程と、
前記張力調整工程の後、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第4確認工程と、を有している、
ようにしてもよい。
本開示の第6の態様として、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによる蒸着マスク装置の製造方法において、
前記接合工程の後、前記蒸着マスクの前記重なり部を切断する切断工程を更に備え、
前記接合工程において、前記蒸着マスクの前記重なり部から前記フレームに延びる接合部が形成され、
前記切断工程において、前記蒸着マスクの前記重なり部のうち前記接合部よりも前記第2方向の外側の位置で前記蒸着マスクが切断され、切断位置よりも外側の部分が除去される、
ようにしてもよい。
本開示の第7の態様として、上述した第6の態様による蒸着マスク装置の製造方法において、
前記フレームの前記第1フレーム面に、前記第1方向に延びるフレーム溝が設けられ、
前記切断工程において、前記フレーム溝に沿って前記蒸着マスクが切断される、
ようにしてもよい。
本開示の第8の態様として、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによる蒸着マスク装置の製造方法において、
前記フレームに、前記第1方向に並んだ2つ以上の前記蒸着マスクが接合された場合、前記フレームの前記第1壁面縁は、一の前記蒸着マスクから他の前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びている、
ようにしてもよい。
本開示の第9の態様として、上述した第8の態様による蒸着マスク装置の製造方法において、
前記フレームの前記第1壁面縁は、前記第1方向において最も一側に位置する前記蒸着マスクから、当該蒸着マスクとは最も反対側に位置する前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びている、
ようにしてもよい。
なお、上述した第1の態様から上述した第9の態様はそれぞれ、第1の態様から第10の態様のそれぞれの蒸着マスク装置の製造方法により製造された蒸着マスク装置であってもよい。
また、本開示の第10の態様は、
上述した第1の態様から第9の態様のそれぞれの蒸着マスク装置の製造方法により前記蒸着マスク装置を準備する装置準備工程と、
前記蒸着マスク装置の前記蒸着マスクを被蒸着基板に密着させる密着工程と、
前記蒸着マスクの前記貫通孔を通して蒸着材料を前記被蒸着基板に蒸着させて蒸着層を形成する蒸着工程と、を備えた有機EL表示装置の製造方法、
である。
本開示の第11の態様として、上述した第10の態様による有機EL表示装置の製造方法において、
前記密着工程において、前記被蒸着基板は、上方から静電チャックで保持される、
ようにしてもよい。
なお、上述した第10の態様から上述した第11の態様はそれぞれ、第10の態様から第11の態様のそれぞれの有機EL表示装置の製造方法により製造された有機EL表示装置であってもよい。
本開示の第12の態様は、
第1フレーム面と、前記第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、前記フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、前記第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、前記第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、前記第2壁面縁から平面視で外側に前記第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有するフレームと、
前記フレーム上に設けられた蒸着マスクであって、第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、前記第1方向に直交する第2方向における両側に位置し、前記第1フレーム面に重なる一対の重なり部と、一対の前記重なり部の間に位置する貫通孔と、を有する蒸着マスクと、を備え、
前記蒸着マスクは、前記第2方向における両側であって前記第1壁面縁よりも内側に位置する一対のマスク端を有し、
前記第1壁面縁は、前記蒸着マスクの前記第1マスク縁の延長線から前記第2マスク縁の延長線にわたって前記第2方向に一直線状に延びている、蒸着マスク装置、
である。
本開示の第13の態様として、上述した第12の態様による蒸着マスク装置において、
前記第1方向に並んだ2つ以上の前記蒸着マスクを備え、
前記第1壁面縁は、一の前記蒸着マスクから他の前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びている、
ようにしてもよい。
本開示の第14の態様として、上述した第13の態様による蒸着マスク装置において、
前記第1壁面縁は、前記第1方向において最も一側に位置する前記蒸着マスクから、当該蒸着マスクとは最も反対側に位置する前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びているようにしてもよい。
本開示の第15の態様として、上述した第12の態様から上述した第14の態様のそれぞれによる蒸着マスク装置において、
前記フレームの前記第1フレーム面に、前記第1方向に延びるフレーム溝が設けられている、
ようにしてもよい。
また、本開示の第16の態様は、
第1フレーム面と、前記第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、前記フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、前記第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、前記第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、前記第2壁面縁から平面視で外側に前記第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有するフレームと、
前記フレーム上に設けられた蒸着マスクであって、第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、前記第1方向に直交する第2方向における両側に位置し、前記第1フレーム面に重なる一対の重なり部と、一対の前記重なり部の間に位置する貫通孔と、を有する蒸着マスクと、を備え、
前記第1壁面縁は、平面視で前記蒸着マスクの前記重なり部に重なるとともに、前記蒸着マスクの前記第1マスク縁から前記第2マスク縁にわたって前記第2方向に一直線状に延びている、蒸着マスク装置の中間体、
である。
以下、本開示の一実施形態による蒸着マスク装置の製造方法、有機EL表示装置の製造方法、蒸着マスク装置、及び蒸着マスク装置の中間体について、図1〜図22を参照して説明する。
まず、対象物に蒸着材料を蒸着させる蒸着処理を実施する蒸着装置80について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、蒸着装置80は、蒸着源(例えばるつぼ81)と、ヒータ83と、蒸着マスク装置10と、を備えていてもよい。また、蒸着装置80は、蒸着装置80の内部を真空雰囲気にするための排気手段(図示せず)を更に備えていてもよい。るつぼ81は、蒸着装置80の内部に設けられており、有機発光材料などの蒸着材料82を収容するように構成されている。ヒータ83は、るつぼ81を加熱するように構成されている。真空雰囲気でるつぼ81を加熱することにより、蒸着材料82が蒸発する。
蒸着マスク装置10は、るつぼ81に対向するように蒸着装置80内に配置されている。蒸着マスク装置10は、るつぼ81の上方に配置されていてもよい。この蒸着マスク装置10の蒸着マスク20に対面するように被蒸着基板91が配置されている。被蒸着基板91は、蒸着材料82を付着させる対象物である。被蒸着基板91は、蒸着マスク20の上方に配置されていてもよい。被蒸着基板91は、静電気力を利用する静電チャック84に保持されていてもよい。この場合、静電チャック84は、被蒸着基板91の上方に配置される。るつぼ81から飛来した蒸着材料は、蒸着マスク20の後述する貫通孔25を通って、被蒸着基板91に付着する。
図1に示すように、蒸着装置80は、静電チャック84の上方に配置された磁石85を備えていてもよい。磁石85を設けることにより、磁力によって蒸着マスク20を磁石85の側に引き寄せて、蒸着マスク20を被蒸着基板91に密着させることができる。これにより、蒸着工程においてシャドー(後述)が発生することを抑制することができ、被蒸着基板91に付着した蒸着材料82によって形成される蒸着層(又は有機EL表示装置90の発光層92、図20参照)の形状精度や位置精度を高めることができる。静電チャック84と磁石85との間には、蒸着時に被蒸着基板91を冷却する冷却板(図示せず)が介在されていてもよい。なお、このような磁石85を蒸着装置80は備えていなくてもよい。この場合、上述した静電チャック84の静電力によって、蒸着マスク20を被蒸着基板91に密着させてもよい。
次に、本実施形態による蒸着マスク装置10について、図2〜図6を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態による蒸着マスク装置10は、フレーム15と、フレーム15上に設けられた蒸着マスク20と、を備えていてもよい。フレーム15上には、第1方向D1に並んだ2つ以上の蒸着マスク20が設けられていてもよい。本実施形態では、蒸着マスク20は、第1方向D1に直交する第2方向D2が長手方向となるように細長状に形成されており、第2方向D2に一列状に配置された複数の貫通孔群26(又は複数の有効領域27、いずれも後述)を有している。
フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことを抑制するために、蒸着マスク20を平面方向に引っ張った状態で支持する。すなわち、蒸着マスク20はフレーム15に架張して固定されている。
図3に示すように、フレーム15は、蒸着マスク20の側に位置する第1フレーム面15aと、第1フレーム面15aとは反対側に位置する第2フレーム面15bと、を有していてもよい。第1フレーム面15aに、蒸着マスク20の第2マスク面20b(後述)が接合されている。なお、図3は、図2のA−A線断面を模式的に示した図であり、図面を明瞭にするために、後述する貫通孔群26の個数及び貫通孔25の個数を少なくしている。
図2に示すように、フレーム15は、平面視で矩形の枠の形状に形成されていてもよい。また、フレーム15は、第1フレーム面15aから第2フレーム面15bに延びて貫通するフレーム開口16を有していてもよい。フレーム開口16は、平面視で、蒸着マスク20の貫通孔群26に重なっており、貫通孔群26を第2フレーム面15bの側に露出している。図2に示す例では、フレーム開口16は、平面視で、第1方向D1及び第2方向D2に沿うように矩形の形状に形成されている。ここで、「平面視」とは、蒸着マスク20の厚み方向D3で見ることを意味する用語であって、例えば、図2の紙面に垂直な方向で見ることを意味する用語とする。厚み方向D3は、第1方向D1に直交するとともに第2方向D2に直交する方向である。
図2及び図3に示すように、フレーム15は、第1フレーム面15aから第2フレーム面15bに向かって延びる4つのフレーム壁面17a〜17dと、第3フレーム面15cと、を有していてもよい。フレーム壁面17a、17bは、平面視で、第2方向D2におけるフレーム開口16の両側であって外側に位置している。言い換えると、第2方向D2において、フレーム壁面17aとフレーム壁面17bとの間にフレーム開口16が位置している。また、フレーム壁面17c、17dは、第1方向D1において、フレーム開口16の両側であって外側に位置している。言い換えると、第1方向D1において、フレーム壁面17cとフレーム壁面17dとの間にフレーム開口16が位置している。4つのフレーム壁面17a〜17dは、平面視で、フレーム開口16に沿うように矩形の形状に形成されている。第1フレーム面15aは、平面視で、矩形の枠の形状に形成されている。ここで、「外側」とは、平面視において、フレーム開口16の中心側(内側)とは反対側を意味している。例えば、第1方向D1における外側とは、図2における左側又は右側を意味し、第2方向D2における外側とは、図2における上側又は下側を意味している。
フレーム壁面17a〜17dは、第1フレーム面15aには接続されているが、第2フレーム面15bには接続されていない。図3及び図4Aに示すように、フレーム壁面17a〜17dは、厚み方向D3に沿う断面で見たときに、第1フレーム面15aとは交差する方向に延びている。代表的に、図3には、一対のフレーム壁面17a、17bが示されており、図4Aには、フレーム壁面17aが示されている。フレーム壁面17a、17bは、第1フレーム面15aに垂直に形成されている例が示されているが、第1フレーム面15aに対して、第2フレーム面15bに向かって進みながら徐々に外側に位置するように傾斜していてもよい。フレーム壁面17c、17dについても同様である。
フレーム壁面17a、17bは、第1フレーム面15aの側の縁に位置する第1壁面縁17eを含んでいる。第1壁面縁17eは、後述する切断工程の前に、蒸着マスク20の対応する重なり部21(後述)と平面視で重なっている。また、図5に示すように、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eは、切断工程後の蒸着マスク20の第1マスク縁20c(後述)の第1延長線20eから第2マスク縁20dの第2延長線20fにわたって、第1方向D1に一直線状に延びている。ここで、第1壁面縁17eが一直線状に延びているという用語は、第1壁面縁17eが平面視において1本の直線をなしていることを意味しているが、厳密な意味にとらわれることはない。当該用語は、例えば、後述するマスク位置合わせ工程において、蒸着マスク20がフレーム15から受ける反力で蒸着マスク20に生じる応力が集中することを抑制することができる範囲内で、第1壁面縁17eが非直線状に形成されることを含む概念として用いる。
本実施形態においては、上述したように、フレーム15には複数の蒸着マスク20が接合されている。このことにより、図2及び図5に示すように、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eは、一の蒸着マスク20から他の蒸着マスク20にわたって第1方向D1に一直線状に延びていてもよい。また、図2に示すように、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eは、第1方向D1において最も一側に位置する蒸着マスク20から、当該蒸着マスク20とは最も反対側に位置する蒸着マスク20にわたって、第1方向D1に一直線状に延びていてもよい。
図3に示すように、フレーム壁面17a、17bは、第2フレーム面15bの側の縁に位置する第2壁面縁17fを含んでいる。第3フレーム面15cは、第2壁面縁17fから外側に延びており、後述する外壁面15dまで延びている。第3フレーム面15cは、第2フレーム面15bに沿って延びている。図3及び図4Aにおいては、第3フレーム面15cは、第2フレーム面15bに平行に形成されている例が示されているが、外側に向かって進みながら徐々に第2フレーム面15bに近づくように第2フレーム面15bに対して傾斜していてもよい。
本実施形態においては、フレーム壁面17c、17dも、フレーム壁面17a、17bと同様に、第1壁面縁17e及び第2壁面縁17fを含んでいてもよい。第3フレーム面15cは、フレーム壁面17c、17dの第2壁面縁17fからも外側に延びていてもよい。第3フレーム面15cは、後述する外壁面15dまで延びていてもよい。すなわち、図2に示すように、第3フレーム面15cは、平面視で矩形の枠の形状に形成されていてもよい。
図4Bに示すように、厚み方向D3に沿う断面において、フレーム壁面17aが、第1フレーム面15aの側の部分に位置する湾曲部17hを含んでいてもよい。湾曲部17hは、湾曲の形状を有していてもよい。上述した第1壁面縁17eは、湾曲部17hのうち第1フレーム面15aの側の縁に位置する。言い換えると、第1壁面縁17eは、湾曲部17hと第1フレーム面15aとが交わる位置に位置している。湾曲部17hは、例えば、円弧の一部をなす形状で形成されていてもよい。この場合、湾曲部17hは、厚み方向D3に沿う断面であって、フレーム壁面17aに垂直な断面において、例えば、0.3mm以上の半径を有していてもよい。この場合の湾曲部17hの半径の上限値は、フレーム壁面17aの厚み方向D3における寸法以下であってもよい。その他のフレーム壁面17b〜17dも、同様に湾曲部17hを含んでいてもよい。なお、フレーム壁面17aは、湾曲部17hを含んでいなくてもよい。この場合、第1壁面縁17eは、フレーム壁面17aと第1フレーム面15aとが交わる位置に位置する。
図4Aに示すように、第1フレーム面15aに、第1方向D1に延びるフレーム溝18が設けられていてもよい。フレーム溝18は、フレーム壁面17a、17bよりも第2方向D2の内側に位置していてもよく、蒸着マスク20を切断する切断手段(例えば、切断刃62)が挿入可能になっていてもよい。フレーム溝18は、平面視でフレーム開口16とフレーム壁面17a、17bとの間に位置している。フレーム溝18は、第1方向D1に直線状に延びていてもよい。フレーム溝18は、第1方向において最も一側(例えば、図2における最も左側)に位置する蒸着マスク20から、当該蒸着マスク20とは最も反対側(例えば、図2における最も右側)に位置する蒸着マスク20にわたって、第1方向D1に一直線状に延びていてもよい。
フレーム溝18の横断面は、上述した切断刃62が挿入可能であれば、任意の形状とすることができる。図4Aにおいては、一例として、フレーム溝18の横断面が、矩形の形状に形成されている例が示されている。
図2〜図4Aに示すように、フレーム開口16は、4つの内壁面16aによって画定されている。内壁面16aは、第1フレーム面15aから第2フレーム面15bに延びており、第1フレーム面15a及び第2フレーム面15bに垂直に形成されていてもよい。
また、図2〜図4Aに示すように、平面視におけるフレーム15の外周縁は、4つの外壁面15dによって画定されている。外壁面15dは、第3フレーム面15cから第2フレーム面15bに延びており、第3フレーム面15c及び第2フレーム面15bに垂直に形成されていてもよい。このようにして、フレーム15は、平面視で矩形の枠の形状に形成されていてもよい。
図2に示すように、フレーム15の第1フレーム面15aに、フレームアライメントマーク19が設けられていてもよい。フレームアライメントマーク19は、後述するアライメントマスク70の位置合わせのため等に用いられる。フレームアライメントマーク19は、例えば、図2に示すように4つ設けられていてもよく、フレーム開口16の角部の近傍に位置していてもよい。フレームアライメントマーク19は、光を照射させてマスクアライメントマーク71との位置合わせを行う場合には、フレーム15を貫通していてもよい。しかしながら、フレームアライメントマーク19は、マスクアライメントマーク71との位置合わせを行うことができれば、フレーム15を貫通していなくてもよい。フレームアライメントマーク19の平面形状は、任意であるが、図2では、一例として円形の形状としている。
フレーム15は、後述する蒸着マスク20を構成する材料と同じ材料で構成されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、蒸着マスク20とは異なる材料で構成されていてもよい。
図3に示すように、フレーム15は、第1フレーム面15aから第2フレーム面15bにわたる厚みH1を有している。厚みH1は、例えば、10mm以上であってもよく、15mm以上であってもよく、20mm以上であってもよく、25mm以上であってもよい。厚みH1を10mm以上とすることにより、架張した蒸着マスク20から受ける張力によって変形することを抑制することができる。また、厚みH1は、例えば、25mm以下であってもよく、40mm以下であってもよく、45mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。厚みH1を50mm以下とすることにより、重量の増大を抑制することができる。厚みH1の範囲は、10mm、15mm、20mm及び25mmからなる第1グループ、及び/又は、25mm、40mm、45mm及び50mmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みH1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みH1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みH1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上50mm以下であってもよく、10mm以上45mm以下であってもよく、10mm以上40mm以下であってもよく、10mm以上25mm以下であってもよく、10mm以上25mm以下であってもよく、10mm以上20mm以下であってもよく、10mm以上15mm以下であってもよく、15mm以上50mm以下であってもよく、15mm以上45mm以下であってもよく、15mm以上40mm以下であってもよく、15mm以上25mm以下であってもよく、15mm以上25mm以下であってもよく、15mm以上20mm以下であってもよく、20mm以上50mm以下であってもよく、20mm以上45mm以下であってもよく、20mm以上40mm以下であってもよく、20mm以上25mm以下であってもよく、20mm以上25mm以下であってもよく、25mm以上50mm以下であってもよく、25mm以上45mm以下であってもよく、25mm以上40mm以下であってもよく、25mm以上25mm以下であってもよく、25mm以上50mm以下であってもよく、25mm以上45mm以下であってもよく、25mm以上40mm以下であってもよく、40mm以上50mm以下であってもよく、40mm以上45mm以下であってもよく、45mm以上50mm以下であってもよい。
次に、本開示の一実施形態による蒸着マスク20について、図2、図3、図5及び図6を参照して説明する。蒸着マスク20は、任意の製造方法により製造することができる。例えば、圧延材をエッチングすることにより製造されていてもよく、あるいは、めっき処理で製造されていてもよい。めっき処理で製造される場合には、蒸着マスク20は、2つ以上の層で構成されていてもよい。この場合、後述する貫通孔25は、これらの層を貫通するように形成される。
図3に示すように、蒸着マスク20は、第1マスク面20aと、第2マスク面20bとは反対側に位置する第2マスク面20bと、を有していてもよい。第1マスク面20aは、蒸着時に被蒸着基板91が密着する面であってもよい。第2マスク面20bは、上述したフレーム15の側の面であってもよい。
図2及び図5に示すように、蒸着マスク20は、平面視で第1方向D1(蒸着マスク20の幅方向)における両側に位置する第1マスク縁20c及び第2マスク縁20dを有していてもよい。第1マスク縁20cは、第1方向D1における一方(図2における左側)の側縁に位置し、後述する第1マスク端20gから第2マスク端20hまで延びている。第2マスク縁20dは、第1方向D1における他方(図2における右側)の側縁に位置し、第1マスク端20gから第2マスク端20hまで延びている。各マスク縁20c、20dは、第2方向D2に延びている。図5においては、第1マスク縁20cを延長する第1延長線20eが示されているとともに、第2マスク縁20dを延長する第2延長線20fが示されている。各延長線20e、20fは、後述するマスク端20g、20hから第2方向D2の外側に延びる線であり、対応するマスク縁20c、20dから一直線状に延びる線であってもよい。
また、蒸着マスク20は、第1方向D1に直交する第2方向D2における両側に位置する第1マスク端20g及び第2マスク端20hを有していてもよい。第1マスク端20gは、第2方向D2における一方(図2における上側)の端に位置し、上述した第1マスク縁20cから第2マスク縁20dまで延びている。第2マスク端20hは、第2方向D2における他方(図2における下側)の端に位置し、上述した第1マスク縁20cから第2マスク縁20dまで延びている。各マスク端20g、20hは、第1方向D1に延びている。各マスク端20g、20hは、平面視で、フレーム15の対応するフレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eよりも第2方向D2の内側に位置している。より具体的には、第1マスク端20gは、フレーム壁面17aの第1壁面縁17eよりも第2方向D2の内側(図2における下側)に位置し、第2マスク端20hは、フレーム壁面17bの第1壁面縁17eよりも第2方向D2の内側(図2における上側)に位置している。各マスク端20g、20hは、後述する切断刃62で蒸着マスク20を切断することにより形成されており、対応するフレーム溝18に平面視で重なる位置に位置している。
図3及び図5に示すように、蒸着マスク20は、第2方向D2における両側に位置する、第1フレーム面15aに重なる一対の重なり部21を有していてもよい。重なり部21は、第1マスク縁20cと第2マスク縁20dとの間に位置するとともに、第2方向D2において、後述する貫通孔群26よりも平面視で外側に位置している部分である。重なり部21の一部は、後述する切断工程において切断されて、除去される。より具体的には、重なり部21は、フレーム15と溶接されて溶接部30(後述)が形成されるマスク溶接部22と、マスク溶接部22よりも第2方向D2において平面視で外側に位置し、切断工程において切断されて除去される被除去部23と、を含んでいる。被除去部23は、後述するマスク位置合わせ工程において、マスク溶接部22とともにフレーム15に押し付けられる被押付部分23aと、後述するマスク用クランプ60に保持される被保持部23bと、により構成されている。図5においては、被除去部23が二点鎖線で示されている。
図3に示すように、蒸着マスク20は、2つ以上の貫通孔25を有していてもよい。蒸着マスク20は、2つ以上の貫通孔25で構成される貫通孔群26を有していてもよい。本実施形態では、図2に示すように、各蒸着マスク20は、第2方向D2に並んだ2つ以上の貫通孔群26を有している。貫通孔群26は、第1方向D1において第1マスク縁20cと第2マスク縁20dとの間に位置し、第2方向D2において一対の重なり部21の間に位置している。
図3に示すように、貫通孔25は、第1マスク面20aから第2マスク面20bに延びており、蒸着マスク20を貫通している。図3においては、図面を簡略させるために、貫通孔25の壁面が、第1マスク面20aから第2マスク面20bに向かって中心軸線CLから遠ざかるように中心軸線CLに対して直線状に傾斜している例が示されている。このように、貫通孔25の壁面は、第1マスク面20aにおける開口寸法が、第2マスク面20bにおける開口寸法よりも小さくなるように形成されていてもよい。この場合、蒸着装置80のるつぼ81から飛来した蒸着材料82が、被蒸着基板91に到達する前に第2マスク面20bに到達することや、貫通孔25の壁面に到達して付着することを抑制できる。すなわち、被蒸着基板91に形成される発光層92の厚みが、貫通孔25の壁面の近傍で薄くなることを抑制できる。このことにより、被蒸着基板91への蒸着材料82の付着が貫通孔25の壁面によって阻害されること(シャドーとも称する)を抑制することができる。このため、被蒸着基板91に付着した蒸着材料82によって形成される発光層92(図21参照)の形状精度や位置精度を向上させることができ、発光層92の精細度を高めることができる。なお、貫通孔25の断面形状についてのより詳細な説明はここでは省略するが、蒸着マスク20の製造方法に応じて、壁面の形状は湾曲の形状であってもよく、任意とすることができる。
図6に示すように、貫通孔25は、上述した貫通孔群26をなしていてもよい。貫通孔群26は、上述したフレーム15のフレーム開口16(図2及び図3参照)に重なっており、フレーム開口16から露出している。全ての貫通孔群26が、フレーム開口16に重なっていてもよい。図6に示すように、貫通孔群26は、2つ以上の貫通孔25が群をなすように構成されていてもよい。貫通孔群26とは、規則的に配列された複数の貫通孔25の集合体を意味する用語として用いている。1つの貫通孔群26を構成する外縁の貫通孔25は、同様に規則的に配列されている複数の貫通孔25のうち最も外側に位置する貫通孔25である。外縁の貫通孔25の外側には、同様に規則的に配列されて蒸着材料82の通過を意図する貫通孔25は存在していなくてもよい。しかしながら、外縁の貫通孔25の外側には、他の用途の貫通孔や凹部(いずれも図示せず)は形成されていてもよい。これらの他の用途の貫通孔や凹部は、貫通孔25の配列の規則性を持たずに形成されていてもよく、貫通孔群26には属していないと考えてもよい。
図2に示すように、複数の貫通孔群26は、所定の間隔を開けて(所定のピッチで)配列されていてもよい。貫通孔群26は、第2方向D2において所定の間隔を開けて配列されていてもよい。なお、図示しないが、貫通孔群26は、第1方向D1及び第2方向D2にそれぞれ配列されて、並列配列されていてもよい。すなわち、第1方向D1に沿った一の列を構成する各貫通孔群26と、当該列と第2方向D2において隣り合う他の列を構成する各貫通孔群26とは、第2方向D2において整列されていてもよい。
図6に示すように、一の貫通孔群26において、複数の貫通孔25は、所定の間隔を開けて(所定のピッチで)配列されていてもよい。貫通孔25は、第1方向D1において所定の間隔(図6に示す符号C1)を開けて配列されると共に、第2方向D2において所定の間隔(図6に示す符号C2)を開けて配列されていてもよい。貫通孔25の配列ピッチC1、C2は、第1方向D1及び第2方向D2で異なっていてもよいが、等しくてもよい。図6においては、第1方向D1の配列ピッチC1と第2方向D2の配列ピッチC2が等しい例を示している。図6に示すように、貫通孔25は、並列配列されていてもよい。より具体的には、第1方向D1に沿った一の列を構成する各貫通孔25と、当該列と第2方向D2において隣り合う他の列を構成する各貫通孔25とは、第2方向D2において整列されていてもよい。貫通孔25の配列ピッチC1、C2は、表示装置又は投影装置の画素密度に応じて、例えば以下のように定められていてもよい。
・画素密度が600ppi以上の場合:ピッチは42.3μm以下
・画素密度が1200ppi以上の場合:ピッチは21.2μm以下
・画素密度が3000ppi以上の場合:ピッチは8.5μm以下
・画素密度が5000ppi以上の場合:ピッチは5.1μm以下
画素密度が600ppiの表示装置又は投影装置は、眼球から15cm程度の距離で画像や映像を表示するように用いられてもよく、例えば、スマートフォン用の有機EL表示装置として用いられてもよい。画素密度が1200ppiの表示装置又は投影装置は、眼球から8cm程度の距離で画像や映像を表示するように用いられてもよく、例えば、仮想現実(いわゆるVR)を表現するための画像や映像を表示又は投影するために用いられてもよい。画素密度が3000ppiの表示装置又は投影装置は、眼球から3cm程度の距離で画像や映像を表示するように用いられてもよく、例えば、拡張現実(いわゆるAR)を表現するための画像や映像を表示又は投影するために用いられてもよい。画素密度が5000ppiの表示装置又は投影装置は、眼球から2cm程度の距離で画像や映像を表示するように用いられてもよく、例えば、拡張現実を表現するための画像や映像を表示又は投影するために用いられてもよい。
なお、一の貫通孔群26における貫通孔25は、並列配列ではなく、千鳥配列(図示せず)されていてもよい。すなわち、第1方向D1に沿った一の列を構成する各貫通孔25と、当該列と第2方向D2において隣り合う他の列を構成する各貫通孔25とは、第2方向D2において整列されていなくてもよい。一の列を構成する各貫通孔25と、隣り合う他の列を構成する貫通孔25とは、第1方向D1においてずれて配列されていてもよい。そのずれ量は、第1方向D1における配列ピッチC1の半分になっていてもよいが、ずれ量は任意である。
図6に示すように、貫通孔25は、平面視において、略矩形形状の輪郭を有していてもよい。この場合、貫通孔25の輪郭のうちの四隅は湾曲していてもよい。なお、輪郭の形状は、画素の形状に応じて任意に定められ得る。例えば、六角形、八角形などのその他の多角形の形状を有していてもよく、円形の形状を有していてもよい。また、輪郭の形状は、複数の形状の組み合わせであってもよい。また、貫通孔25はそれぞれ、互いに異なる輪郭の形状を有していてもよい。貫通孔25が多角形形状の輪郭を有する場合、貫通孔25の開口寸法は、図6に示すように、多角形において対向する一対の辺の間隔としてもよい。
図3及び図6において、蒸着マスク20の第1マスク面20aにおける貫通孔25の開口寸法が、符号S1で示されている。また、蒸着マスク20の第2マスク面20bにおける貫通孔25の開口寸法が、符号S2で示されている。また、符号S3は、第1マスク面20aにおける互いに隣り合う貫通孔25同士の間の距離を示している。図6においては、貫通孔25の平面形状は正方形としているため、第1方向D1における貫通孔25の開口寸法と第2方向D2における貫通孔25の開口寸法は等しくなっている。代表的に第2方向D2における貫通孔25の寸法を、符号S1、S2で示している。
寸法S1、寸法S2及び寸法S3は、表示装置又は投影装置の画素密度に応じて例えば以下の表1のように定められる。
Figure 2021147705
ところで、貫通孔群26は、有効領域27と称することがある。有効領域27の周囲に位置する領域は周囲領域28と称することがある。本実施形態では、周囲領域28は、1つの有効領域27を囲んでいる。
蒸着マスク20を用いて有機EL表示装置などの表示装置を作製する場合、1つの有効領域27は、1つの有機EL表示装置の表示領域に対応する。このため、図2に示す蒸着マスク20によれば、有機EL表示装置の多面付蒸着が可能である。なお、1つの有効領域27が複数の表示領域に対応する場合もある。
有効領域27は、例えば、図6に示すように、平面視において略矩形の形状の輪郭を有していてもよい。有効領域27の輪郭は、対応する貫通孔群26のうち最も外側に位置する貫通孔25に外側から接する線によって画定されてもよい。より詳細には、有効領域27の輪郭は、貫通孔25の開口に接する線によって画定されていてもよい。図6に示す例では、貫通孔25が並列配列されていることから、有効領域27の輪郭は、略矩形の形状の輪郭となっている。なお、図示はしないが、各有効領域27は、有機EL表示装置の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域27は、円形の形状の輪郭を有していてもよい。
図3に示すように、蒸着マスク20は、第1マスク面20aから第2マスク面20bにわたる厚みH2を有している。厚みH2は、例えば、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。厚みH2を2μm以上とすることにより、蒸着マスク20の機械的強度を確保することができる。また、厚みH2は、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。厚みH2を50μm以下とすることにより、シャドーが発生することを抑制することができる。厚みH2の範囲は、2μm、5μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。厚みH2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。厚みH2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。厚みH2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、2μm以上50μm以下であってもよく、2μm以上40μm以下であってもよく、2μm以上30μm以下であってもよく、2μm以上20μm以下であってもよく、2μm以上15μm以下であってもよく、2μm以上10μm以下であってもよく、2μm以上5μm以下であってもよく、5μm以上50μm以下であってもよく、5μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上30μm以下であってもよく、5μm以上20μm以下であってもよく、5μm以上15μm以下であってもよく、5μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
蒸着マスク20は、例えば、ニッケルを含む鉄合金で構成されていてもよい。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、蒸着マスク20の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で30質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。ニッケルを含む鉄合金の具体例としては、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルを含むインバー材、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルを含む低熱膨張Fe−Ni系めっき合金などを挙げることができる。ニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材などを挙げることができる。このような鉄合金を用いることにより、蒸着マスク20の熱膨張係数を低くすることができる。例えば、被蒸着基板91としてガラス基板が用いられる場合に、蒸着マスク20の熱膨張係数を、ガラス基板と同等の低い値にすることができる。これにより、蒸着工程の際、被蒸着基板91に形成される発光層92の形状精度や位置精度が、蒸着マスク20と被蒸着基板91との間の熱膨張係数の差に起因して低下することを抑制することができる。
蒸着マスク20を構成する材料としては、熱膨張係数をガラス基板と同等の低い値にしなくてもよい場合には、上述した鉄合金の代わりに、例えば、単体のニッケルで構成されていてもよく、又はコバルトを含むニッケル合金で構成されていてもよい。コバルトを含むニッケル合金で構成される場合には、蒸着マスク20の材料として、コバルトの含有量が、8質量%以上且つ10質量%以下であるニッケル合金を用いることができる。このようなニッケル又はニッケル合金を用いることにより、蒸着マスク20をめっき処理で製造する場合には、蒸着マスク20をなすめっき被膜を析出させるめっき液を安定させることができ、管理を容易にさせるとともに取扱性を向上させることができる。また、めっき被膜の成分を均等にさせることができ、蒸着マスク20の品質を向上させることができる。
図3及び図4Aに示すように、各蒸着マスク20は、フレーム15に接合されて固定されている。例えば、蒸着マスク20は、溶接によってフレーム15に接合されていてもよい。例えば、スポット溶接によって形成された溶接部30によって、蒸着マスク20がフレーム15に接合されるようにしてもよい。図5に示すように、溶接部30は、フレーム開口16とフレーム溝18との間の位置で、形成されていてもよい。図2に示すように、1つの蒸着マスク20が、スポット状の複数の溶接部30によってフレーム15に接合されてもよい。この場合、複数の溶接部30は、第1方向D1に並んでいてもよい。あるいは、図示しないが、第1方向D1に連続状に延びるように溶接部30が形成されていてもよい。
図2に示すように、フレーム15上に、2つのアライメントマスク70が設けられていてもよい。一方のアライメントマスク70は、最もフレーム壁面17dの側に位置する蒸着マスク20に対して、フレーム壁面17dの側に位置している。他方のアライメントマスク70は、最もフレーム壁面17cの側に位置する蒸着マスク20に対して、フレーム壁面17cの側に位置している。図2においては、最も左側に位置する蒸着マスク20の左側に一方のアライメントマスク70が位置し、最も右側に位置する蒸着マスク20の右側に他方のアライメントマスク70が位置している。アライメントマスク70は、フレーム15の第1フレーム面15aに接合されている。アライメントマスク70は、フレーム15に架張して固定されていてもよい。
各アライメントマスク70は、2つのマスクアライメントマーク71を含んでいる。各マスクアライメントマーク71は、対応するフレームアライメントマーク19に平面視で重なる位置に位置している。マスクアライメントマーク71は、光を照射させてフレームアライメントマーク19との位置合わせを行う場合には、アライメントマスク70を貫通していてもよい。しかしながら、マスクアライメントマーク71は、フレームアライメントマーク19との位置合わせを行うことができれば、アライメントマスク70を貫通していなくてもよい。マスクアライメントマーク71の平面形状は、任意であるが、図2では、一例として円形の形状としている。マスクアライメントマーク71の直径は、フレームアライメントマーク19の直径よりも小さくなっていてもよい。
次に、このような構成からなる本実施形態による蒸着マスク装置10の製造方法について、図7〜図18を参照して説明する。本実施形態による蒸着マスク装置10の製造方法は、フレーム準備工程と、マスク準備工程と、保持工程と、配置工程と、マスク位置合わせ工程と、接合工程と、取り外し工程と、切断工程と、を備えていてもよい。
まず、フレーム準備工程として、上述したフレーム15を準備する。フレーム15は、任意の製造方法により製造することができる。例えば、図2〜図4Bに示すフレーム15が、板材や鍛造材などを機械加工することにより製造されていてもよい。フレーム15は、図示しない架張装置に取り付けられてもよい。その後、フレーム15に、アライメントマスク70(図2参照)が、架張して接合されてもよい。この際、アライメントマスク70のマスクアライメントマーク71が、フレーム15のフレームアライメントマーク19に対して位置合わせされる。
また、マスク準備工程として、上述した蒸着マスク20を準備する。蒸着マスク20は、上述したように、圧延材のエッチング処理やめっき処理など任意の製造方法により製造することができる。
続いて、保持工程として、蒸着マスク20が、機械式のマスク用クランプ60で保持される。この場合、図7に示すように、蒸着マスク20の第2方向D2における両端部に位置する被除去部23の被保持部23bが、マスク用クランプ60で把持されてもよい(図10参照)。一の被保持部23bは、第1方向D1において異なる位置で2つのマスク用クランプ60で保持されてもよい。各マスク用クランプ60には、駆動部60Dが連結されていてもよい。駆動部60Dは、各マスク用クランプ60を個別に引張可能に構成されていてもよい。駆動部60Dが、各マスク用クランプ60を第2方向D2に引っ張ることにより、第2方向D2の第1張力T1が蒸着マスク20に付与されてもよい。第1張力T1は、保持工程において蒸着マスク20に付与される張力である。第1張力T1は、蒸着マスク20が大きく撓むことを抑制できる程度の比較的小さな値であってもよい。ここで、蒸着マスク20に付与される張力とは、マスク用クランプ60から蒸着マスク20に付与される張力であり、各マスク用クランプ60が蒸着マスク20を引っ張ることにより、その結果として、蒸着マスク20に付与される張力であってもよい。蒸着マスク20に付与される張力は、駆動部60Dの表示部(図示せず)等で確認してもよい。蒸着マスク20をフレーム15に押し付けた場合には、蒸着マスク20の有効領域27における張力は、マスク用クランプ60から蒸着マスク20に付与される張力より小さくなる。
次に、配置工程として、図8に示すように、フレーム15に蒸着マスク20が配置される。より具体的には、まず、蒸着マスク20が、フレーム15の上方に配置され、その後、蒸着マスク20を下降させて、フレーム15に接触させる。この場合、蒸着マスク20の重なり部21は、図10に示すように、平面視で、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eに重なるとともに、第1フレーム面15aに重なる。また、第1壁面縁17eが、蒸着マスク20の第1マスク縁20cから第2マスク縁20dにわたって第1方向D1に一直線状に延びるように配置される。蒸着マスク20は、第1壁面縁17eとフレーム溝18に垂直な方向が長手方向となるように配置される。配置工程において、蒸着マスク20は、保持工程から引き続いて、上述した第1張力T1が付与された状態であってもよい。
次に、マスク位置合わせ工程として、図9A及び図9Bに示すように、蒸着マスク20がフレーム15に対して位置合わせされる。マスク位置合わせ工程においては、蒸着マスク20が、第2張力T2で第2方向D2に引っ張られるとともに、蒸着マスク20がフレーム15に押し付けられる。第2張力T2は、マスク位置合わせ工程において蒸着マスク20に付与される張力である。第2張力T2は、上述した第1張力T1よりも大きい値であってもよい。
マスク位置合わせ工程は、張力増大工程と、第1貫通孔確認工程と、移動工程と、第2貫通孔確認工程と、張力調整工程と、第3貫通孔確認工程と、を有していてもよい。第1貫通孔確認工程は、第1確認工程の一例である。第2貫通孔確認工程は、第2確認工程の一例であり、第3確認工程の一例でもある。第3貫通孔確認工程は、第4確認工程の一例である。
張力増大工程においては、蒸着マスク20に付与される張力を増大させる。より具体的には、上述した駆動部60D(図7参照)が、各マスク用クランプ60の引張力を増大させる。このことにより、蒸着マスク20に付与される張力が、第1張力T1から第2張力T2に増大する。
第1貫通孔確認工程においては、図9Aに示すように、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。より具体的には、貫通孔25の位置が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられているか否かが確認されてもよい。例えば、任意に設定される原点に対する貫通孔25の座標を測定し、その測定された座標と、当該貫通孔25の目標座標とを比較してもよい。例えば、4つのマスクアライメントマーク71(図2参照)の中心を原点として貫通孔25の座標を測定してもよい。例えば、対角線上に位置する2つのマスクアライメントマーク71の中心を通る2つの直線の交点を、原点としてもよい。マスクアライメントマーク71の中心は、アライメントマスク70の下方からカメラ61で撮像して、画像解析することにより測定してもよい。貫通孔25の座標は、平面視における貫通孔25の中心点であってもよい。貫通孔25の座標は、蒸着マスク20の下方からカメラ61で撮像して、画像解析することにより測定してもよい。座標の測定が複数の貫通孔25で行われて、複数の貫通孔25の位置を確認してもよい。これらの貫通孔25の位置の確認結果に基づいて、位置ずれ量と位置ずれの方向を求めてもよい。第1貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に上述した第2張力T2が付与されるとともに蒸着マスク20がフレーム15に押し付けられていてもよい。
第1貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認の結果、貫通孔25が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられている場合には、マスク位置合わせ工程を終了し、接合工程に移行してもよい。この場合、後述する移動工程等を不要にできる。貫通孔25が許容範囲内に位置づけられている場合には、第1貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された第2張力T2が、後述する接合張力T4に等しくなる。一方、貫通孔25の位置が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられていない場合には、移動工程が行われる。
移動工程においては、図9Bに示すように、蒸着マスク20を、第1方向D1及び第2方向D2で画定される2次元平面内でのいずれかの方向に移動させる。例えば、図10における第1方向D1に蒸着マスク20を移動させてもよく、第2方向D2に蒸着マスク20を移動させてもよい。あるいは、蒸着マスク20を、平面視で回動させてもよい。ここでは、各マスク用クランプ60を移動させることによって、蒸着マスク20をフレーム15に対して移動させてもよい。移動工程においては、上述した第1貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認結果に基づいて蒸着マスク20を移動させてもよい。蒸着マスク20の移動量は、第1貫通孔確認工程において求められた位置ずれ量に応じた値であってもよい。蒸着マスク20の移動方向は、第1貫通孔確認工程において求められた位置ずれ方向に応じた方向であってもよい。移動工程においては、蒸着マスク20は、上昇させることなく、フレーム15に押し付けられながら、フレーム15に対して移動する。このことにより、蒸着マスク20を移動させるために上昇及び下降させることを不要にでき、マスク位置合わせ工程に要する時間を短縮させることができる。移動工程において、蒸着マスク20には、上述した第2張力T2が付与されてもよい。
第2貫通孔確認工程においては、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。第2貫通孔確認工程は、第1貫通孔確認工程と同様に行ってもよい。
第2貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認の結果、貫通孔25が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられている場合には、マスク位置合わせ工程を終了し、接合工程に移行してもよい。この場合、後述する張力調整工程を不要にできる。貫通孔25が許容範囲内に位置づけられている場合には、第2貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された第2張力T2が、後述する接合張力T4に等しくなる。一方、貫通孔25の位置が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられていない場合には、張力調整工程が行われる。
張力調整工程においては、図9Cに示すように、第2貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認結果に基づいて、蒸着マスク20に付与される第2張力T2が調整される。より具体的には、各貫通孔25が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられるように、駆動部60Dが各マスク用クランプ60を引っ張る力が調整される。このことにより、貫通孔25の位置を調整して、後述する密着工程において被蒸着基板91の各第1電極94に、対応する貫通孔25を位置合わせすることができる。また、蒸着マスク20のたわみ量を所望のたわみ量に調整することもできる。各マスク用クランプ60の引張力を個別に調整することにより、蒸着マスク20の全ての貫通孔25のうちの一部の貫通孔25の位置を調整することができ、各貫通孔25を許容範囲内に位置づけることができる。張力調整工程においては、各マスク用クランプ60は移動させることなく、張力を変更することにより、貫通孔25の位置が調整されてもよい。各マスク用クランプ60の引張力が個別に調整され、その結果として、蒸着マスク20に付与される張力が調整される。調整後の張力を、第3張力T3とする。張力調整工程においても、蒸着マスク20はフレーム15に押し付けられていてもよい。第3張力T3と第2張力T2との差は、第1張力T1と第2張力との差よりも小さくてもよい。
その後、第3貫通孔確認工程が行われる。第3貫通孔確認工程においては、上述した第1貫通孔確認工程と同様にして、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。第3貫通孔確認工程においては、蒸着マスク20に、上述した第3張力T3が付与されるとともに蒸着マスク20がフレーム15に押し付けられていてもよい。
第3貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認の結果、貫通孔25が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられている場合には、マスク位置合わせ工程を終了し、接合工程に移行してもよい。この場合、第3貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された第3張力T3が、後述する接合張力T4に等しくなる。一方、貫通孔25の位置が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられていない場合には、再び張力調整工程および第3貫通孔確認工程が行われてもよい。貫通孔25が、所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられるまで、張力調整工程と第3貫通孔確認工程とが繰り返し行われてもよい。最後の第3貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された張力を、第3張力T3としてもよい。なお、第2貫通孔確認工程による位置確認結果によっては、再び移動工程が行われて、蒸着マスク20をフレーム15に対して移動させてもよい。第3貫通孔確認工程による位置確認結果によっては、再び移動工程が行われて、蒸着マスク20をフレーム15に対して移動させてもよい。
第1貫通孔確認工程による位置確認結果によっては、移動工程および第2貫通孔確認工程を省略して、張力調整工程を行ってもよい。言い換えると、位置合わせ工程として、第1貫通孔確認工程および移動工程を省略して、第2貫通孔確認工程、が行われてもよい。
上述したように、マスク位置合わせ工程においては、蒸着マスク20が、フレーム15に押し付けられている。この押付力は、蒸着マスク20がフレーム15から浮いてしまうことを抑制することができる程度の力であってもよい。例えば、図10に示すように、蒸着マスク20の第1方向D1における両側に位置する各被保持部23bが、2つのマスク用クランプ60で保持されている場合について説明する。マスク位置合わせ工程においては、一方の被保持部23bに付与される第2方向D2の張力は上述した第2張力になる。他方の被保持部23bに付与する張力も同様である。この張力を付与した状態で、マスク用クランプ60を相対的に下降させることにより、張力が押付力に変換されて、蒸着マスク20がフレーム15に押し付けられる。例えば、マスク用クランプ60に保持される被保持部23bにおける第2マスク面20bが、第1フレーム面15aから0.25mm〜1.00mm下降させるようにしてもよい。この場合、蒸着マスク20の厚みは20μm、画素密度は600ppi(フルハイビジョン相当)、5.5インチの表示領域に対応する有効領域27であってもよい。押付力は、マスク用クランプ60が下方に変位することにより、蒸着マスク20に付与される。このため、蒸着マスク20は、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eから反力を受ける。しかしながら、図10に示すように、第1壁面縁17eが、蒸着マスク20の第1マスク縁20cから第2マスク縁20dにわたって第1方向D1に一直線状に延びるように、蒸着マスク20はフレーム15上に配置されている。このことにより、蒸着マスク20の幅方向にわたって、第1壁面縁17eから受ける反力を均等にさせることができる。
ここで、後述する蒸着工程において、有機EL表示装置90を構成する被蒸着基板91が、機械式の基板用クランプ63(図13参照)で保持される場合について、図11〜図13を参照して説明する。この場合、被蒸着基板91は、基板用クランプ63で保持された状態で、蒸着マスク装置10の蒸着マスク20に密着される。蒸着マスク20は、フレーム15に接合されて固定されているため、フレーム15の第1フレーム面15aには、基板用クランプ63との干渉を回避するためのフレーム凹部40が形成されている。このフレーム凹部40は、図11に示すように、平面視で、フレーム壁面17a、17bから内側に入り込むように矩形の形状に形成されている。フレーム凹部40の第1フレーム面15aの側の凹部端縁41も同様に、平面視で内側に入り込むように矩形の形状に形成されている。フレーム15に固定される蒸着マスク20の重なり部21は、このフレーム凹部40に部分的に重なるように配置される。図11に示すフレーム15は、フレーム凹部40を有している点以外では、図2〜図4A等に示すフレーム15と同様の形状を有しているため、便宜上同一の符号を用いて説明する。
このようなフレーム凹部40が設けられた第1フレーム面15aに蒸着マスク20が押し付けられると、蒸着マスク20は、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eから反力を受けるとともに、フレーム凹部40の凹部端縁41からも反力を受ける。第1壁面縁17eの第2方向D2における位置は、凹部端縁41の第2方向D2における位置よりも外側に位置している。すなわち、第1壁面縁17eから反力を受ける位置は、図12に示すように、第2方向D2において比較的外側(図12における左側)に位置している。一方、凹部端縁41から反力を受ける位置は、図13に示すように、第2方向D2において比較的内側(図13における右側)に位置している。このように、第1壁面縁17eから反力を受ける位置と凹部端縁41から反力を受ける位置とは、第2方向D2において異なっている。このため、蒸着マスク20がフレーム15から受ける反力は、蒸着マスク20の幅方向に偏る傾向にある。
すなわち、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eから反力を受ける位置(図12参照)が、フレーム凹部40の凹部端縁41から反力を受ける位置(図13参照)よりも、マスク用クランプ60に近くなる。このため、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eから受ける反力が、フレーム凹部40の凹部端縁41から受ける反力よりも大きくなり得る。特に、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eと、フレーム凹部40の凹部端縁41との交点の近傍(平面視における第1フレーム面15aの角部15e)で反力が大きくなり得る。このため、当該角部15eで蒸着マスク20に生じる応力が集中する傾向にある。この状態で、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら移動させると、当該角部15eで蒸着マスク20に変形や破損を生じる可能性が考えられる。
このため、図11に示すフレーム15に蒸着マスク20を位置合わせするために蒸着マスク20を移動させる場合には、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら移動させるのではなく、蒸着マスク20を上昇させて第1フレーム面15aから離間させた状態で蒸着マスク20を移動させる。そして、蒸着マスク20の移動工程が終わると蒸着マスク20を下降して再びフレーム15に押し付けて、確認工程が行われる。このように、マスク位置合わせ工程において、蒸着マスク20の上昇工程と下降工程とが追加されるため、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程に多くの時間が費やされていた。
これに対して本実施形態においては、被蒸着基板91は機械式の基板用クランプ63を用いることなく、後述する図21に示すように、静電チャック84で保持される。静電チャック84は、被蒸着基板91よりも上方に位置するため、被蒸着基板91よりも下方や側方に突出する部分が無い。このことにより、フレーム15には、図11に示すようなフレーム凹部40を形成することを不要にできる。このため、蒸着マスク20の重なり部21に重なる第1壁面縁17eを、蒸着マスク20の第1マスク縁20cから第2マスク縁20dにわたって第1方向D1に一直線状に延びるように形成することができる。このため、蒸着マスク20が、フレーム15から受ける反力は、第1壁面縁17eから蒸着マスク20に付与され、第1壁面縁17eから受ける反力を幅方向に均等にさせることができる。このため、蒸着マスク20がフレーム15から受ける反力で蒸着マスク20に生じる応力が集中することを抑制することができる。
この状態で、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら移動させたとしても、蒸着マスク20に変形や破損が生じることを抑制できる。このため、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら移動させることができ、マスク位置合わせ工程において、図11〜図13に示した例のような蒸着マスク20の上昇工程と下降工程を不要にすることができる。従って、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程の時間を短縮させることができる。
マスク位置合わせ工程の後、接合工程として、図14に示すように、蒸着マスク20がフレーム15に接合される。接合工程において、蒸着マスク20は、接合張力T4で第2方向D2に引っ張られるとともにフレーム15に押し付けられてもよい。接合張力T4は、接合工程において、蒸着マスク20に付与される張力である。接合張力T4は、マスク位置合わせ工程において蒸着マスク20に付与された張力であってもよい。すなわち、マスク位置合わせ工程の終了時から接合工程にわたって、蒸着マスク20に付与される張力が不変となってもよい。言い換えると、マスク位置合わせ工程において、接合張力T4が付与された状態で、蒸着マスク20の位置合わせが行われる。また、マスク位置合わせ工程の終了時から接合工程にわたって、フレーム15への蒸着マスク20の押付力が不変となっていてもよい。
例えば、接合張力T4は、上述した第1貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された第2張力T2であってもよい。より具体的には、上述した第1貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認の結果、貫通孔25の位置が所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられている場合には、マスク位置合わせ工程が終了する。この場合、第1貫通孔確認工程において蒸着マスク20に第2張力T2が付与された状態が維持されて、接合工程が行われてもよい。すなわち、第1貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、蒸着マスク20に付与される張力が不変となる。言い換えると、第1貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与されて、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。また、第1貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、フレーム15への蒸着マスク20の押付力が不変となっていてもよい。
あるいは、例えば、接合張力T4は、上述した第2貫通孔確認工程において蒸着マスク20に付与された第2張力T2であってもよい。より具体的には、上述した第2貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認の結果、貫通孔25の位置が所望の位置に対して許容範囲内に位置づけられている場合には、マスク位置合わせ工程が終了する。この場合、第2貫通孔確認工程において蒸着マスク20に第2張力T2が付与された状態が維持されて、接合工程が行われてもよい。すなわち、第2貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、蒸着マスク20に付与される張力が不変となる。言い換えると、第2貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与されて、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。また、第2貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、フレーム15への蒸着マスク20の押付力が不変となっていてもよい。
あるいは、例えば、接合張力T4は、上述した第3張力T3であってもよい。より具体的には、上述した張力調整工程が行われた場合には、蒸着マスク20に付与される張力は、第2張力T2から調整された第3張力T3となる。第3貫通孔確認工程において蒸着マスク20に第3張力T3が付与された状態が維持されて、接合工程が行われてもよい。すなわち、第3貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、蒸着マスク20に付与される張力が不変となる。言い換えると、第3貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与されて、フレーム15に対する貫通孔25の位置が確認される。また、第3貫通孔確認工程の終了時から接合工程にわたって、フレーム15への蒸着マスク20の押付力が不変となっていてもよい。
接合工程においては、上述した接合張力T4が付与された状態で、蒸着マスク20の重なり部21からフレーム15に延びる溶接部30(接合部の一例)が形成される。例えば、レーザ光Lによるスポット溶接で、蒸着マスク20がフレーム15に接合されてもよい。この場合、図14に示すように、蒸着マスク20の第1マスク面20aにレーザ光Lが照射されて、レーザ光Lが照射された領域のうち第1マスク面20aから第2マスク面20bを越えてフレーム15にわたる領域に溶融部が形成されてもよい。レーザ光Lの照射が終了すると溶融部が冷却されて固化して、図14に示すような溶接部30が形成されてもよい。このようにして蒸着マスク20はフレーム15に接合されて固定される。
接合工程の後、取り外し工程として、図15に示すように、蒸着マスク20からマスク用クランプ60が取り外される。このようにして、図16に示すように、1つの蒸着マスク20がフレーム15に固定される。
取り外されたマスク用クランプ60は、次にフレーム15に接合される蒸着マスク20を迎えに行き、保持する。そして、上述した各工程を行って、当該蒸着マスク20がフレーム15に位置合わせされて架張して接合される(図16の二点鎖線で示す蒸着マスク20参照)。その後、同様にして各工程を繰り返すことにより、図17に示すように、所望の個数の蒸着マスク20がフレーム15に位置合わせされて架張して接合される。
このようにして、図17に示すような、複数の蒸着マスク20がフレーム15に接合された蒸着マスク装置の中間体50が得られる。蒸着マスク装置の中間体50は、後述する切断工程の前の段階の蒸着マスク20と、フレーム15とにより構成されている。このため、蒸着マスク装置の中間体50を構成する蒸着マスク20は、切断工程で切断して除去される被除去部23が残存している状態になっている。この点で、蒸着マスク装置の中間体50と蒸着マスク装置10とが区別されてもよい。
その後、切断工程として、図18に示すように、各蒸着マスク20の重なり部21が切断(トリミングとも言う)される。この場合、蒸着マスク20の重なり部21のうち溶接部30よりも第2方向D2の外側の位置で、蒸着マスク20が切断され、切断位置よりも外側の部分である被除去部23が除去される。蒸着マスク20を切断する切断刃62は、フレーム15の第1フレーム面15aに設けられたフレーム溝18に部分的に挿入されながら、蒸着マスク20を切断する。そして、フレーム溝18に沿って第1方向D1に進みながら、図19に示すように、蒸着マスク20を順次切断する。このことにより、フレーム溝18に沿って各蒸着マスク20が切断される。蒸着マスク20の2つの重なり部21は、1つの切断刃62で別々に切断されてもよく(図19参照)、2つの切断刃62で同時に切断されてもよい。
このようにして、図2に示す蒸着マスク装置10が得られる。
次に、本実施形態による蒸着マスク装置10を用いた有機EL表示装置の製造方法について、図1及び図20〜図22を参照して説明する。
ここで、有機EL表示装置90について図20を用いて説明する。図20は、有機EL表示装置90を示す模式断面図である。有機EL表示装置90は、上述した本実施形態による蒸着マスク装置10を用いることにより被蒸着基板91に形成された発光層92(蒸着層の一例)を備えている。1つの有機EL表示装置90は、1つの表示領域に相当していてもよい。
より具体的には、図20に示すように、被蒸着基板91の一方の面に、複数の素子93が並んで設けられている。図示はしないが、素子93は、図20の奥行き方向に並んでいてもよい。素子93は、画素として構成されており、被蒸着基板91上に位置する第1電極94と、第1電極94上に位置する通電層95と、通電層95上に位置する第2電極96と、を有していてもよい。通電層95は、発光層92を含んでいてもよい。複数の素子93によって1つの有機EL表示装置90が構成されている。1つの被蒸着基板91に、複数の有機EL表示装置90の素子93が形成されて、多面付されていてもよい。この場合、被蒸着基板91を有機EL表示装置90毎に裁断することにより、個々の有機EL表示装置90が得られる。図20においては、一例として、2つの有機EL表示装置90が、1つの被蒸着基板91に形成されている例を示している。
被蒸着基板91は、絶縁性を有する板状の部材であってもよい。被蒸着基板91は、光を透過させる光透過性を有していてもよい。被蒸着基板91は、例えば、ガラス基板であってもよく、シリコン基板であってもよい。また、被蒸着基板91は、例えば、石英、光透過性を有するポリイミド、又は光透過性を有する液晶ポリマーで構成されていてもよい。
第1電極94は、導電性を有する材料を含む。例えば、第1電極94は、金属、導電性を有する金属酸化物、又はその他の無機材料などを含んでいてもよい。第1電極94は、インジウム・スズ酸化物などの、光透過性及び導電性を有する金属酸化物を含んでいてもよい。
通電層95は、上述したように、通電により光を放出する発光層92を含んでいてもよい。この場合、通電層95は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを更に含んでいてもよい。例えば、第1電極94が陽極であるとともに第2電極96が陰極である場合には、第1電極94上に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層92、電子輸送層、電子注入層及び第2電極96がこの順番に積層される。通電とは、通電層95に電圧が印加されること、又は通電層95に電流が流れることを意味する。なお、図20においては、図面を簡略させるために、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層は省略している。
第2電極96は、金属などの、導電性を有する材料を含む。第2電極96を構成する材料の例としては、白金、金、銀、銅、鉄、錫、クロム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロム、炭素等及びこれらの合金を挙げることができる。
有機EL表示装置90において画像を表示する場合、素子93を構成する第1電極94と第2電極96との間に電圧が印加される。このことにより、当該素子93の発光層92から光が放出され、放出された光は、第1電極94の側又は第1電極94の側から外部へ取り出される。各素子93において発光層92から光の放出を制御することにより、所望の画像が表示される。
このような有機EL表示装置90の製造方法は、蒸着マスク装置10を用いて被蒸着基板91に蒸着材料82を付着させて発光層92を形成する工程を備えていてもよい。より具体的には、本実施形態による有機EL表示装置の製造方法は、被蒸着基板準備工程と、装置準備工程と、装置位置合わせ工程と、密着工程と、蒸着工程と、を備えていてもよい。
まず、被蒸着基板準備工程として、上述した被蒸着基板91を準備してもよい。
また、装置準備工程として、上述した蒸着マスク装置10を準備してもよい。
装置準備工程の後、装置位置合わせ工程として、蒸着マスク装置10が被蒸着基板91に対して位置合わせされる。装置位置合わせ工程においては、被蒸着基板91に対する蒸着マスク装置10の位置が確認される。例えば、アライメントマスク70のマスクアライメントマーク71と、被蒸着基板91の対応するアライメントマーク(図示せず)とが位置合わせされるように、被蒸着基板91に対するフレーム15の位置が調整されてもよい。このことにより、被蒸着基板91に対する蒸着マスク20の位置を調整することができる。
装置位置合わせ工程の後、密着工程として、図21に示すように、蒸着マスク装置10の蒸着マスク20を被蒸着基板91に密着させてもよい。蒸着マスク20の第1マスク面20aを、被蒸着基板91に密着させてもよい。より具体的には、まず、蒸着マスク20の第1マスク面20aが上方に配置されるように、蒸着マスク装置10が蒸着装置80内に配置される。また、被蒸着基板91が、上方から静電チャック84で保持される。続いて、被蒸着基板91が、静電チャック84に保持された状態で、蒸着マスク20の上方に配置される。次に、被蒸着基板91の下面(被蒸着面)と蒸着マスク20の第1マスク面20aとが突き合わされる。この際、被蒸着基板91と蒸着マスク20とで位置合わせが行われる。
次に、静電チャック84の上面に磁石85が配置され、磁石85の磁力で、蒸着マスク20が被蒸着基板91に引き寄せられる。このことにより、蒸着マスク20の第1マスク面20aに、被蒸着基板91が密着する(図22参照)。なお、第1電極94が陽極である場合、被蒸着基板91には、蒸着マスク20を密着させる前に、第1電極94と、通電層95を構成する正孔注入層及び正孔輸送層とが形成されていてもよい。
なお、磁石85ではなく、静電チャック84によって蒸着マスク20と被蒸着基板91とを密着させてもよい。この場合、被蒸着基板91と蒸着マスク20とで位置合わせを行った後、静電チャック84の静電力を強めて、静電チャック84の静電力で、蒸着マスク20が被蒸着基板91に引き寄せられる。このようにして、蒸着マスク20の第1マスク面20aに被蒸着基板91を密着させてもよい。
密着工程の後、蒸着工程として、図22に示すように、蒸着マスク20の貫通孔25を通して蒸着材料82を被蒸着基板91に蒸着させて発光層92が形成されてもよい。発光層92は、対応する通電層95の正孔輸送層上に形成される。より具体的には、蒸着装置80の内部空間を真空雰囲気にし、蒸着材料82を蒸発させて被蒸着基板91に飛来させる。飛来した蒸着材料82は、蒸着マスク20の各貫通孔25を通って、所望の通電層95の正孔輸送層に到達し、付着する。このことにより、被蒸着基板91に、貫通孔25のパターンに対応したパターンで発光層92が形成される。
上述したように、本実施形態では、貫通孔25が各有効領域27において所定のパターンで配置されている。なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20を備えた蒸着マスク装置10を準備し、各蒸着マスク装置10で、対応する通電層95の正孔輸送層に各色の蒸着材料82を付着させる。これにより、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料及び青色用の有機発光材料を一の被蒸着基板91にそれぞれ蒸着させることができる。
発光層92が形成された後、発光層92上に、通電層95を構成する電子輸送層及び電子注入層が形成され、通電層95が得られる。その後、各通電層95上に、第2電極96が形成される。
このようにして、被蒸着基板91に、各色の発光層92が形成された有機EL表示装置90が得られる。
このように本実施形態によれば、フレーム15に対して蒸着マスク20を位置合わせするマスク位置合わせ工程において、蒸着マスク20はフレーム15に押し付けられている。この間、蒸着マスク20の重なり部21は、平面視で、フレーム15のフレーム壁面17a、17bの第1フレーム面15aの側の第1壁面縁17eに重なるとともに、第1壁面縁17eが、蒸着マスク20の第1マスク縁20cから第2マスク縁20dにわたって第1方向D1に一直線状に延びるように配置される。このことにより、蒸着マスク20がフレーム15から受ける反力は、第1壁面縁17eから蒸着マスク20に付与され、第1壁面縁17eから受ける反力を蒸着マスク20の幅方向に均等にさせることができる。この場合、蒸着マスク20がフレーム15から受ける反力で蒸着マスク20に生じる応力が局所的に集中することを抑制できる。このため、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら移動させることができ、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程に要する時間を短縮させることができる。
また、本実施形態によれば、接合工程において、蒸着マスク20が、接合張力T4で第2方向D2に引っ張られるとともにフレーム15に押し付けられながら、フレーム15に接合される。マスク位置合わせ工程において、蒸着マスク20には、この接合張力T4が付与される。このことにより、接合工程において蒸着マスク20に付与される張力と等しい張力で、蒸着マスク20の位置合わせを行うことができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、マスク位置合わせ工程は、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら、フレーム15に対する貫通孔25の位置を確認する第1貫通孔確認工程を有している。このことにより、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けた状態で貫通孔25の位置を確認することができ、蒸着マスク20の位置合わせを効率良く行うことができる。このため、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程に要する時間をより一層短縮させることができる。また、第1貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与される。このことにより、接合工程において蒸着マスク20に付与される張力と等しい張力で、貫通孔25の位置を確認することができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、マスク位置合わせ工程は、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら第1方向D1及び第2方向D2で画定される2次元平面内でのいずれかの方向に移動させる移動工程を有している。このことにより、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら2次元的に移動させることができ、蒸着マスク20の位置合わせを効率良く行うことができる。このため、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程に要する時間をより一層短縮させることができる。また、第1貫通孔確認工程における貫通孔25の位置確認結果に基づいて、蒸着マスク20を移動させることができる。このことにより、貫通孔25の位置ずれを効果的に解消することができる。この点においても、蒸着マスク20の位置合わせを効率良く行うことができる。また、移動工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与される。このことにより、接合工程において蒸着マスク20に付与される張力と等しい張力で、蒸着マスク20を移動させることができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、マスク位置合わせ工程は、移動工程の後、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けながら、フレーム15に対する貫通孔25の位置を確認する第2貫通孔確認工程を有している。このことにより、蒸着マスク20をフレーム15に押し付けた状態で貫通孔25の位置を確認することができ、蒸着マスク20の位置合わせを効率良く行うことができる。このため、蒸着マスク20のマスク位置合わせ工程に要する時間をより一層短縮させることができる。また、第2貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与される。このことにより、接合工程において蒸着マスク20に付与される張力と等しい張力で、貫通孔25の位置を確認することができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、第2貫通孔確認工程において貫通孔25の位置を確認した後、蒸着マスク20に付与される張力が調整された場合には、その後、第3貫通孔確認工程として貫通孔25の位置が確認される。そして、第3貫通孔確認工程において、蒸着マスク20に接合張力T4が付与される。このことにより、蒸着マスク20に付与される張力が調整された場合には、その後に、接合工程において蒸着マスク20に付与される張力と等しい張力で、貫通孔25の位置を確認することができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、蒸着マスク20をフレーム15に接合する溶接部30が形成された後、蒸着マスク20の重なり部21のうち溶接部30よりも第2方向D2の外側の位置で蒸着マスク20が切断される。このことにより、フレーム15に対して蒸着マスク20を位置合わせした状態で蒸着マスク20をフレーム15に接合することができ、蒸着マスク20を切断した後であっても、位置合わせされた状態を維持することができる。このため、貫通孔25の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、フレーム15の第1フレーム面15aに、第1方向D1に延びるフレーム溝18が設けられ、このフレーム溝18に沿って蒸着マスク20が切断される。このことにより、蒸着マスク20がフレーム15に接合された後であっても、切断刃62などの切断手段を用いて蒸着マスク20を切断することができる。このため、蒸着マスク20を効率良く切断することができる。また、フレーム溝18は第1フレーム面15aに設けられていることから、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eよりも第2方向D2における内側で蒸着マスク20を切断することができる。このことにより、溶接部30よりも第2方向D2の外側に残存する蒸着マスク20の長さを短くすることができる。このため、蒸着マスク20のうち、フレーム15に接合された後に張力から解放される部分を、短くすることができる。この場合、蒸着マスク装置10を洗浄した際に洗浄液が残存することを抑制でき、洗浄液残存により不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、フレーム15のフレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eが、一の蒸着マスク20から他の蒸着マスク20にわたって第1方向D1に一直線状に延びている。このことにより、第1壁面縁17eから受ける反力の影響を、各蒸着マスク20で共通にさせることができる。このため、各蒸着マスク20の位置合わせを、容易にさせることができ、各蒸着マスク20の貫通孔25の位置精度を向上させることができる。とりわけ、本実施形態によれば、第1壁面縁17eが、第1方向D1において最も一側に位置する蒸着マスク20から、当該蒸着マスク20とは反対側に位置する蒸着マスク20にわたって第1方向D1に一直線状に延びている。このため、全ての蒸着マスク20の位置合わせを容易にさせることができ、各蒸着マスク20の貫通孔25の位置精度をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によれば、蒸着マスク装置10の蒸着マスク20を被蒸着基板91に密着させる際に、被蒸着基板91が、上方から静電チャック84で保持される。このことにより、被蒸着基板91から下方や側方に突出してフレーム15に干渉する障害物が形成されることを回避できる。このため、蒸着マスク20の重なり部21に重なる第1壁面縁17eを第1方向D1に一直線状に延びるように形成することができる。
なお、上述した本実施形態においては、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eが、第1方向D1において最も一側に位置する蒸着マスク20から、当該蒸着マスク20とは最も反対側に位置する蒸着マスク20にわたって、第1方向D1に一直線状に延びている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。フレーム15に接合された複数の蒸着マスク20のうちの少なくとも1つの蒸着マスク20に対して、フレーム壁面17a、17bの第1壁面縁17eが、切断工程後の蒸着マスク20の第1マスク縁20cの第1延長線20eから第2マスク縁20dの第2延長線20fにわたって、第1方向D1に一直線状に延びていればよい。また、第1壁面縁17eは、蒸着マスク20毎に一直線状に延びていればよく、一の蒸着マスク20から、隣り合う他の蒸着マスク20にわたって一直線状に延びていなくてもよい。

Claims (11)

  1. 第1フレーム面と、前記第1フレーム面とは反対側に位置する第2フレーム面と、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に貫通するフレーム開口と、前記フレーム開口よりも平面視で外側に位置し、前記第1フレーム面から前記第2フレーム面に向かって延びるフレーム壁面であって、前記第1フレーム面の側に位置する第1壁面縁と、前記第2フレーム面の側に位置する第2壁面縁と、を含むフレーム壁面と、前記第2壁面縁から平面視で外側に前記第2フレーム面に沿って延びる第3フレーム面と、を有するフレームを準備するフレーム準備工程と、
    第1方向における一方の側縁に位置する第1マスク縁と、前記第1方向における他方の側縁に位置する第2マスク縁と、前記第1方向に直交する第2方向における両側に位置する一対の重なり部と、一対の前記重なり部の間に位置する貫通孔と、を有する蒸着マスクを準備するマスク準備工程と、
    前記蒸着マスクの前記重なり部は、平面視で、前記第1壁面縁に重なるとともに、当該第1壁面縁が、前記蒸着マスクの前記第1マスク縁から前記第2マスク縁にわたって前記第1方向に一直線状に延びるように、前記フレームに前記蒸着マスクを配置する配置工程と、
    前記配置工程の後、前記蒸着マスクを、接合張力で前記第2方向に引っ張るとともに前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対して位置合わせするマスク位置合わせ工程と、
    前記マスク位置合わせ工程の後、前記蒸着マスクを、前記接合張力で前記第2方向に引っ張るとともに前記フレームに押し付けながら、前記フレームに接合する接合工程と、を備えた、蒸着マスク装置の製造方法。
  2. 前記マスク位置合わせ工程は、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第1確認工程を有している、請求項1に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  3. 前記マスク位置合わせ工程は、前記第1確認工程における前記貫通孔の位置確認結果に基づいて、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記第1方向及び前記第2方向で画定される2次元平面内でのいずれかの方向に移動させる移動工程を有している、請求項2に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  4. 前記マスク位置合わせ工程は、前記移動工程の後、前記蒸着マスクに接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら、前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第2確認工程を有している、請求項3に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  5. 前記マスク位置合わせ工程は、
    前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第3確認工程と、
    前記第3確認工程における前記貫通孔の位置確認結果に基づいて、前記蒸着マスクに付与される張力を調整する張力調整工程と、
    前記張力調整工程の後、前記蒸着マスクに前記接合張力が付与されるとともに前記蒸着マスクを前記フレームに押し付けながら前記フレームに対する前記貫通孔の位置を確認する第4確認工程と、を有している、請求項1に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  6. 前記接合工程の後、前記蒸着マスクの前記重なり部を切断する切断工程を更に備え、
    前記接合工程において、前記蒸着マスクの前記重なり部から前記フレームに延びる接合部が形成され、
    前記切断工程において、前記蒸着マスクの前記重なり部のうち前記接合部よりも前記第2方向の外側の位置で前記蒸着マスクが切断され、切断位置よりも外側の部分が除去される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  7. 前記フレームの前記第1フレーム面に、前記第1方向に延びるフレーム溝が設けられ、
    前記切断工程において、前記フレーム溝に沿って前記蒸着マスクが切断される、請求項6に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  8. 前記フレームに、前記第1方向に並んだ2つ以上の前記蒸着マスクが接合された場合、前記フレームの前記第1壁面縁は、一の前記蒸着マスクから他の前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  9. 前記フレームの前記第1壁面縁は、前記第1方向において最も一側に位置する前記蒸着マスクから、当該蒸着マスクとは最も反対側に位置する前記蒸着マスクにわたって前記第1方向に一直線状に延びている、請求項8に記載の蒸着マスク装置の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の蒸着マスク装置の製造方法により前記蒸着マスク装置を準備する装置準備工程と、
    前記蒸着マスク装置の前記蒸着マスクを被蒸着基板に密着させる密着工程と、
    前記蒸着マスクの前記貫通孔を通して蒸着材料を前記被蒸着基板に蒸着させて蒸着層を形成する蒸着工程と、を備えた有機EL表示装置の製造方法。
  11. 前記密着工程において、前記被蒸着基板は、上方から静電チャックで保持される、請求項10に記載の有機EL表示装置の製造方法。
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