JP2021142564A - 鋼矢板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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慎也 林
Shinya Hayashi
慎也 林
浩 山下
Hiroshi Yamashita
浩 山下
雅典 河合
Masanori Kawai
雅典 河合
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Abstract

【課題】曲げ加工時における成形負荷や材質劣化を抑制すると共に、成形後のスプリングバックを低減させ、高い製造能率で鋼矢板の製造を行うことが可能な鋼矢板の製造方法を提供する。【解決手段】被圧延材に対して熱間圧延によって粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行った後、曲げ成形を行う鋼矢板の製造方法であって、前記仕上圧延を行った後の被圧延材は、少なくとも、ウェブ対応部と、前記ウェブ対応部の両端部に一方の端部が接続し製品より広がった角度を有する2つのフランジ対応部と、前記ウェブ対応部と前記フランジ対応部それぞれとの接続部であるコーナー部と、を備え、前記曲げ成形では、上下孔型ロールを用いて熱間で前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させ当該コーナー部を曲げる。【選択図】図7

Description

本発明は、例えばハット形鋼矢板、U形鋼矢板等の鋼矢板の製造方法及び製造装置に関する。
ハット形鋼矢板、U形鋼矢板等の両端に継手を有する鋼矢板の製造は、例えば特許文献1に示すような孔型圧延法によって行われている。具体的には、孔型圧延法の一般的な工程として、先ず加熱炉において所定の温度に加熱した矩形材を、孔型を備えた粗圧延機、中間圧延機及び仕上圧延機によって順に圧延することが知られている。
また、特にハット形鋼矢板等の大型で非対称な製品を製造する場合に、上記粗圧延機、中間圧延機及び仕上圧延機で製造するためには、多数の孔型が必要となり大規模な設備が必要となる上、造形方法が複雑化し、製品の形状バラツキや形状不良が発生しやすくなる。更に、異なる形状の鋼矢板を製造するためには多数のロールが必要となる。これに対して、特許文献2に示すように、熱間圧延によって鋼矢板を圧延・製造した後に、ロールフォーミングによる冷間加工で曲げ加工(以下、曲げ成形とも呼称する)を行い、圧延設備を超える広幅の鋼矢板及び断面高の高い鋼矢板を製造する技術が知られている。また、特許文献3に示すように、圧延工程と曲げ工程を分離して、曲げ工程においてユニバーサルミルと2重式ミルを用いる技術が知られている。
特開平10−192905号公報 特許第4012407号 特開昭58−16702号公報
しかしながら、上記特許文献1に例示される、従来の孔型圧延方法では、中間圧延工程〜仕上圧延工程にて孔型シフトを行いながら1孔型で1パスの圧延を行うため、圧延を行う孔型数に応じて被圧延材の総延伸が制約され、製品の延び長さが小さいといった問題がある。また、特に板厚が薄い場合には、孔型シフトを行うことによる端部の形状の崩れや、リバース圧延時に断面内各部の延伸バランスが取れず、反りや断面内での線長変化が生じてしまうといった問題もある。更に、従来の孔型圧延方法によって大型な鋼矢板製品を製造する場合には、1つのロールに配置可能な孔型の数が減少してしまい製造効率の低下が懸念され、また、各ロール間での周速差が大きくなることによって被圧延材とロールとの擦れが強くなり疵が生じてしまうといった問題もある。
また、上記特許文献2に例示されるような鋼矢板の製造方法では、冷間加工によって曲げ加工を行うこととしており、更にフラットロールである支承ロールを用いて被圧延材のコーナー部を直接圧下しない構成となっているため、当該コーナー部に直接塑性変形が加わりにくく、効果的な曲げ加工が行えないといった問題や、冷間加工であるために成形後のスプリングバックが大きくなりやすいといった問題がある。また、複数の成形ロール(支承ロール)でウェブとフランジを別々のタイミングで成形する場合、支点が被圧延材の長手方向にずれるため曲げ成形の効率が低下するといった問題もある。
また、特許文献2に記載の鋼矢板の製造方法では、冷間加工によって曲げ加工を行う際の温度をA1変態温度以下の温度、あるいは再結晶温度以下の温度としている。このような温度域で曲げ加工を行うと加工負荷が大きく、伸びや靭性の低下等の材質の劣化や残留応力の増大等が問題となる場合もある。従って、これらの課題を改善するために多数の成形ロールを配置する必要が生じ、設備の大型化や構造の複雑化が問題となる。
また、上記特許文献3は素材を所定厚みまで直線状に圧延すると共に継手部爪を成形し、その後曲げ加工を施して所定の形状とする技術である。この技術では、フランジの大きな曲げはユニバーサル圧延機の竪ロールで行うとしており、大型で複雑な機構のミルが必要になるといった問題や、直線状態の被圧延材から製品を製造するためには曲げ加工において多台数のミルが必要となるといった問題がある。また、圧延仕上りの被圧延材形状を直線形状としているため、一般的な熱間鋼矢板のように部位によって厚み差が大きい場合には、圧延工程で幅方向の圧下率の分布が大きくなるため、このような製品への適用は困難である。更には、大型の鋼矢板製品を製造する場合に、特許文献3の技術では圧延工程での被圧延材の幅が大きくなり過ぎることから、製造効率が良くないといった問題もある。
加えて、特許文献3の技術では、前段の圧延工程において被圧延材の板厚分布や公差に対して融通が効きにくく、これら被圧延材の板厚分布や公差が生じた場合には後段の曲げ工程が難しくなるといった問題や、平板状態から曲げていくために曲げ工程時の咬み込みにオフセンター等の異常が生じると修正が困難であるといった問題がある。
そこで、上記問題点に鑑み、本発明の目的は、曲げ加工時における成形負荷(荷重やトルク)や材質劣化を抑制すると共に、成形後のスプリングバックを低減させ、高い製造能率で大型の鋼矢板の製造を行うことが可能な鋼矢板の製造方法及び製造装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、被圧延材に対して熱間圧延によって粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行った後、曲げ成形を行う鋼矢板の製造方法であって、前記仕上圧延を行った後の被圧延材は、少なくとも、ウェブ対応部と、前記ウェブ対応部の両端部に一方の端部が接続し製品より広がった角度を有する2つのフランジ対応部と、前記ウェブ対応部と前記フランジ対応部それぞれとの接続部であるコーナー部と、を備え、前記曲げ成形では、上下孔型ロールを用いて熱間で前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させ当該コーナー部を曲げることを特徴とする、鋼矢板の製造方法が提供される。
なお、ここで熱間とは、熱間圧延後に被圧延材の変態が完了する前の温度である。
前記曲げ成形においては、前記コーナー部への当該上下孔型ロールの接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部の他方の端部もしくはその近傍に対し力がかかるように前記上下孔型ロールを接触させても良い。
前記曲げ成形時には、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙は、それぞれ前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みより大きくても良い。
前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みの変化に対応して、各厚みより大きくなるように、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙がそれぞれ設定されても良い。
前記熱間圧延において、前記コーナー部の板厚が製品板厚よりも厚くなるように前記被圧延材を圧延し、前記曲げ成形では、前記上下孔型ロールにより前記コーナー部を圧下しても良い。
前記曲げ成形においては、前記上下孔型ロールのいずれか一方のみを駆動させても良い。
前記曲げ成形では、被圧延材と前記上下孔型ロールとの接触部分を潤滑しても良い。
前記曲げ成形を行う曲げ成形機と、前記仕上圧延を行う仕上圧延機はタンデムとしても良い。
前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記フランジ対応部の他方の端部と接続する腕対応部を備え、前記上下孔型ロールは前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させ当該コーナー部を曲げ、当該コーナー部への当該上下孔型ロールの接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部と前記腕対応部との接続部である他のコーナー部に対し力がかかるように前記上下孔型ロールを接触させても良い。
前記曲げ成形では、前記ウェブ対応部の外側において当該ウェブ対応部に対向する孔型ロールを接触させ、前記腕対応部の外面において当該腕対応部に対向する孔型ロールを接触させても良い。
前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記腕対応部の先端に形成される継手対応部を備え、前記曲げ成形では前記継手対応部が略水平となるように当該継手対応部の外面において当該継手対応部に対向する孔型ロールを接触させても良い。
前記熱間圧延において、前記他のコーナー部の板厚が製品板厚よりも厚くなるように前記被圧延材を圧延し、前記曲げ成形では、前記上下孔型ロールにより前記他のコーナー部を圧下しても良い。
前記鋼矢板はハット形鋼矢板であっても良い。
前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記フランジ対応部の先端に形成される継手対応部を備え、前記曲げ成形では前記継手対応部が略水平となるように当該継手対応部の外面において当該継手対応部に対向する孔型ロールを接触させても良い。
前記鋼矢板はU形鋼矢板であっても良い。
また、別の観点からの本発明によれば、被圧延材に対して熱間圧延によって粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行った後、曲げ成形を行う曲げ成形機を有する鋼矢板の製造装置であって、前記仕上圧延を行った後の被圧延材は、少なくとも、ウェブ対応部と、前記ウェブ対応部の両端部に一方の端部が接続し製品より広がった角度を有する2つのフランジ対応部と、前記ウェブ対応部と前記フランジ対応部それぞれとの接続部であるコーナー部と、を備え、前記曲げ成形機は、上下孔型ロールを有し、当該上下孔型ロールを用いて熱間で前記コーナー部を曲げることを特徴とする、鋼矢板の製造装置が提供される。
前記上下孔型ロールは、前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させた場合に、当該接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部の他方の端部もしくはその近傍に対し力がかかるような形状を有しても良い。
前記曲げ成形時には、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙は、それぞれ前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みより大きい形状を有しても良い。
前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みの変化に対応して、各厚みより大きくなるように、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙がそれぞれ設定されても良い。
本発明によれば、曲げ加工時における成形負荷や材質劣化を抑制すると共に、成形後のスプリングバックを低減させ、高い製造能率で大型の鋼矢板の製造を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態にかかる圧延ラインの概略説明図である。 曲げ成形機の概略側面断面図である。 曲げ成形機の概略正面図である。 第1スタンドの孔型形状を示す概略的な拡大正面図である。 第2スタンドの孔型形状を示す概略的な拡大正面図である。 第1スタンド及び第2スタンドにおいて曲げ成形される被圧延材の形状変化についての説明図であり、(a)は第1スタンドでの加工前、(b)は第1スタンドでの加工時、(c)は第2スタンドでの加工時の概略断面図を示している。 曲げ成形機における仕上材の接触箇所についての説明図である。 孔型のロール隙を変動させた場合の概略説明図である。 他の実施の形態にかかる孔型ロールの概略正面図である。 曲げ成形時の「ロール隙−被圧延材厚」と「荷重」との関係を示すグラフである。 曲げ成形時の「ロール隙−被圧延材厚」と「ウェブ・フランジ間角度」との関係を示すグラフである。 曲げ成形時の寸法関係を示す概略説明図である。 曲げ成形機における接触箇所についての説明図である。 U形鋼矢板の接触箇所についての説明図である。 孔型ロールとの接触状態についての説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、本実施の形態では鋼矢板製品としてハット形鋼矢板を製造する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるハット形鋼矢板を製造する圧延ラインL(図中一点鎖線)と、圧延ラインLに備えられる圧延機等についての説明図である。なお、図1において圧延ラインLの圧延進行方向は矢印で示されている方向であり、当該方向へ被圧延材が流れ、ライン上の各圧延機、曲げ成形機において圧延・曲げ成形が行われ、製品が造形される。また、図1では、同一の圧延機において被圧延材を複数回往復させる圧延方法(所謂、多パス圧延)についても、一点鎖線にて記載している。
図1に示すように、圧延ラインLには、上流から順に粗圧延機10、第1中間圧延機13、第2中間圧延機16、仕上圧延機19、曲げ成形機20が順に配置されている。また、第1中間圧延機13の上流側にはエッジャー圧延機14が、第2中間圧延機16の下流側にはエッジャー圧延機17がそれぞれ隣接して配置されている。
圧延ラインLにおいては、図示しない加熱炉において加熱された矩形材(被圧延材)が粗圧延機10〜仕上圧延機19において順次熱間で圧延され、更に、熱間で曲げ成形機20によって成形され、最終製品となる。なお、以下では説明のため、粗圧延機10で圧延された被圧延材を粗形材、第1中間圧延機13〜第2中間圧延機16によって圧延された被圧延材を中間材、仕上圧延機19によって圧延された被圧延材を仕上材19aとも呼称する。即ち、仕上材19aを曲げ成形機20によって成形(断面変更)したものが最終製品(即ち、ハット形、U形の鋼矢板製品)となる。
ここで、圧延ラインLに配置される粗圧延機10、第1中間圧延機13、第2中間圧延機16、仕上圧延機19や、付随して配置されるエッジャー圧延機14、17は従来から鋼矢板の製造において用いられている一般的な設備であるため、その詳細な装置構成等についての説明は本明細書では省略する。
次に、曲げ成形機20の詳細な構成について図面を参照して説明する。図2は曲げ成形機20の概略側面断面図であり、図3は曲げ成形機20の概略正面図である。図2、3に図示した曲げ成形機20は、仕上圧延機19において仕上圧延された仕上材19aを曲げ加工(曲げ成形)するものである。なお、図3には以下に説明する曲げ成形機20が備える第1スタンド22の概略正面図を図示している。ここで、本実施の形態では曲げ成形機20は2つの成形スタンド(以下に説明する成形スタンド22、23)から構成される場合を例示して説明しているが、曲げ成形機20は単スタンドあるいは任意の複数のスタンドから構成されていても良い。
図2に示すように、本実施の形態にかかる曲げ成形機20は隣接して直列配置された2つの成形スタンド22、23(以下、上流側の第1スタンド22、下流側の第2スタンド23とも呼称する)を備えている。また、図3に示すように、各スタンド22、23それぞれには、上孔型ロールと下孔型ロールとで構成される成形用孔型(後述する孔型45、55)が刻設されており、その孔型形状は第1スタンド22と第2スタンド23とで異なる形状となっている。
ここで、第1スタンド22と第2スタンド23のロール構成ならびに孔型形状について説明する。図4は、第1スタンド22の孔型形状を示す概略的な拡大正面図であり、図5は第2スタンド23の孔型形状を示す概略的な拡大正面図である。なお、図4には曲げ成形機20による成形を行う前の状態である仕上材19aの断面形状を一点鎖線で図示し、図5には第2スタンド23で成形を行う前の状態である仕上材19a’の断面形状を一点鎖線で図示している。また、以下では、略ハット形形状の被圧延材を上開き(後述するウェブ対応部を下方とし、腕対応部を上方に位置させる)姿勢で曲げ成形する場合を例示して説明する。
図3及び図4に示すように、第1スタンド22には、上孔型ロール40と下孔型ロール41が筐体44に支持されて設けられ、上孔型ロール40と下孔型ロール41によって孔型45が構成されている。この孔型45はフランジに対応する部分から継手に対応する部分の形状がハット形鋼矢板製品の一歩手前の形状(即ち、略ハット形鋼矢板製品形状)となっている。孔型45は、仕上材19aのフランジに対応する部分(即ち、フランジ対応部)と、仕上材19aのウェブに対応する部分(即ち、ウェブ対応部)とがなす角度、及び仕上材19aの腕に対応する部分(即ち、腕対応部)とがなす角度をそれぞれ変化させ、仕上材19aの高さ及び幅を所定の形状(即ち、製品に近似した断面形状)に曲げ加工するものである。特にハット形鋼矢板を製造する場合には、粗圧延機10〜仕上圧延機19において高さを低く抑えた形状でもって被圧延材(粗形材〜仕上材19a)の圧延を行い、曲げ成形機20において被圧延材の高さを所望の製品高さまで高めるように曲げ加工を行うといった方法が採られる。これにより、大型サイズのハット形鋼矢板製品を製造することができるようになる。
また、図5に示すように、第2スタンド23には、上孔型ロール50と下孔型ロール51が筐体54に支持されて設けられ、上孔型ロール50と下孔型ロール51によって孔型55が構成されている。この孔型55は所望の製品形状に近い形状となっており、曲げ成形機20の第1スタンド22にて成形されたフランジに対応する部分(即ち、フランジ対応部)と、仕上材19aのウェブに対応する部分(即ち、ウェブ対応部)とがなす角度、及び腕に対応する部分(即ち、腕対応部)とがなす角度をそれぞれ変化させ、フランジ形状、腕形状及び継手形状を所定の形状(即ち、製品の形状)に成形するものである。即ち、この第2スタンド23では、第1スタンド22での成形において製品形状に対して不十分であったフランジ対応部の傾斜角度を、製品形状に応じた角度まで変形させる成形が行われる。
ここで、曲げ成形時における上記孔型45及び孔型55におけるロール隙(上孔型ロール40と下孔型ロール41のロール隙ならびに上孔型ロール50と下孔型ロール51のロール隙)は、仕上材19aのフランジ対応部及びウェブ対応部の厚みより大きくなるように構成されている。即ち、曲げ成形機20においては、仕上材19aの板厚圧下は行われず、第1スタンド22及び第2スタンド23の各孔型ロールと仕上材19aとは、後述する一部の所定箇所のみにおいて接触して曲げ成形が行われる構成となっている。
また、後述するように、曲げ成形時には、第1スタンド22及び第2スタンド23の各孔型ロールと仕上材19aは、一部の所定箇所について接触に加え圧下が行われても良い。本明細書における「接触」とは、曲げ成形機20において、仕上材19aの特定箇所の上面あるいは下面の一方のみが孔型ロールの周面に当接した状態をいう。これに対し、「圧下」とは、曲げ成形機20において、仕上材19aの特定箇所の上面と下面の両方が孔型ロールに当接し、且つ、厚みを減ずるように力がかかるような状態をいう。
例えば、ウェブ対応部ならびにフランジ対応部に対向する部分の上記ロール隙は仕上材19aのフランジ対応部ならびにウェブ対応部の厚みより0.5mm〜3mm程度大きいことが好ましい。加えて、上記孔型45及び孔型55における仕上材19aの腕対応部にかかる箇所においても、そのロール隙は当該腕対応部の厚みよりも断面全域にわたり大きくなるように構成されていても良い。上記ロール隙の猶予範囲が、0.5mmよりも小さい場合には、仕上材19aの板厚の変動の為に厚みを圧下して曲げ成形機20の負荷が増大する可能性があり、3mmよりも大きい場合には、フランジ対応部の傾斜角度を目標の角度に成形できない可能性がある。
ここで本発明者らは、ウェブ対応部ならびにフランジ対応部に対向する部分のロール隙の猶予範囲と、成形機負荷特性(荷重とトルクの変化)及び成形性(曲げ角度の精度)についてより詳細な検討を行った。図10は、仕上材19a曲げ成形時の「ロール隙−材料厚(即ち、ロール隙の猶予値)」と曲げ成形機20にかかる「荷重、トルク」との関係を示すグラフである。また、図11は、仕上材19a曲げ成形時の「ロール隙−材料厚(即ち、ロール隙の猶予値)」と曲げ成形後の「ウェブ・フランジ間角度」との関係を示すグラフである。
なお、図10、図11のグラフは、寸法条件が、仕上圧延後の仕上材19aが幅1400mm、ウェブ厚14.7mm、フランジ厚11.4mm、フランジ角度40°(ウェブ−フランジ間角度140°)の略ハット形鋼矢板形状を、第1スタンド22でフランジ角度56°(ウェブ−フランジ間角度124°)を目標として曲げ成形した場合を示している。図12は、第1スタンド22での曲げ成形時の寸法関係を示す概略説明図である。ここでの検討は、図12に示すウェブ対応部、フランジ対応部、腕対応部の各箇所でのロール隙T1、T2、T3と、各箇所での仕上材19aの厚みt1、t2、t3との差である「T1−t1」、「T2−t2」、「T3−t3」の値をロール隙の猶予値とし検討を行った。
図10に示すように、曲げ成形時にロール隙の猶予値が0.5mm以上では荷重とトルクの変化は緩やかであるのに対し、ロール隙の猶予値が0.5mm未満、特に0.2mm未満の場合には荷重とトルクの増加率が大きくなり、0mm以下(即ち、厚み圧下)での増大化は顕著である。この結果から、曲げ成形機20の成形負荷(荷重・トルク)を低く抑えるためには、実際の厚み変動を考慮し、ロール隙の猶予値を0.5mm以上とすることが好ましいことが分かる。
また、図11に示すように、曲げ成形時にロール隙の猶予値が0.5mm〜3mmであれば、ほぼ曲げ成形を所望の目標角度(即ち、目標のウェブ−フランジ間角度である124°±1°程度)でもって行うことができるのに対し、ロール隙の猶予値が3mm超の場合、孔型ロールによる押込みが小さくなり、曲げが弱くなってウェブ−フランジ角度が目標値に比べ大きくなってしまう傾向がある。そのため、曲げ成形後に精整工程でフランジ角度の大きな矯正が必要となる場合がある。即ち、特に最終スタンドでは、ロール隙の猶予値の上限は3mmとすることが好ましい。
続いて、上述したスタンド22、23における被圧延材の成形について説明する。図6は、第1スタンド22及び第2スタンド23において曲げ成形される被圧延材(仕上材19a)の形状変化についての説明図であり、(a)は第1スタンド22での加工前、(b)は第1スタンド22での加工時、(c)は第2スタンド23での加工時の概略断面図を示している。図6(a)に示すように、仕上材19aは略ハット形形状であり、略水平であるウェブ対応部60と、ウェブ対応部60の両端に製品形状より大きい所定の角度(図中に角度αとして示している)のコーナー部70によって連結しているフランジ対応部62、63と、各フランジ対応部62、63においてウェブ対応部との連結側と異なる端部にコーナー部71を介して連結している腕対応部65、66と、腕対応部65、66の先端に形成される継手対応部68、69から構成されている。また、仕上材19aは、仕上圧延機19における圧延によって厚みが略製品の厚みとなっており、継手対応部68、69の形状も、略製品継手形状となっている。
ここで、コーナー部70(以下、ウェブ−フランジコーナー部70とも呼称)の板厚は、製品板厚より厚くなるように寸法設計されても良い。ウェブ−フランジコーナー部70の板厚は、粗圧延機10、第1中間圧延機13、第2中間圧延機16、仕上圧延機19等(図1参照)で行われる熱間圧延での圧延条件や圧延設計により所望の板厚に圧延することができる。
同様に、コーナー部71(以下、フランジ−腕コーナー部71とも呼称)の板厚は、製品板厚より厚くなるように寸法設計されても良い。フランジ−腕コーナー部71の板厚は、粗圧延機10、第1中間圧延機13、第2中間圧延機16、仕上圧延機19等(図1参照)で行われる熱間圧延での圧延条件や圧延設計により所望の板厚に圧延することができる。
この図6(a)に示す仕上材19aは、第1スタンド22の孔型45においてウェブ対応部60とフランジ対応部62、63とのなす角度αが小さくなる(図6(b)に示す角度αとなる)ように曲げ成形され、図6(b)に示すように所望の高さとなる。即ち、第1スタンド22では、仕上材19aの高さが高くなるような曲げ加工が行われる。
次いで、図6(c)に示すように、第2スタンド23の孔型55において、仕上材19aが略製品形状に曲げ成形される。
また、図7は曲げ成形機20における仕上材19aの接触箇所についての説明図であり、(a)〜(d)はそれぞれ接触箇所の一例を示している。なお、図7では接触箇所を太線にて図示している。第1スタンド22の孔型45及び第2スタンド23の孔型55では、各孔型ロールと仕上材19aとは一部の所定箇所のみにおいて接触しており、板厚の圧下は行われない。孔型ロールと仕上材19aとの具体的な接触箇所は、例えば図7(a)に示すように、ウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部内側70a、70bと、フランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部内側71a、71bである。ここで、「接触」とは、少なくとも材料と孔型ロールが接触していれば良く、更に材料を押圧するような力がかかる状態でも良い。
図7(a)に記載されるように、接触箇所である70a、70bはウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部70の内側である。一方、接触箇所である71a及び71bはフランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部71の内側である。接触箇所である71a及び71bではそれぞれ70a及び70bでの反力に釣り合う方向に反力が生じる。
ここで、図7(b)に示すウェブ対応部60の下面(外側)中央部60aをこれに対向する下孔型ロール41、51に接触させることにより、フランジ対応部62、63とウェブ対応部60とがなす角の曲げが効率的に行える。曲げ成形時には、ウェブ対応部60が図中の下方向に反ろうとするため、ウェブ対応部60の両側(コーナー部70)から離れた下面中央部60aに下孔型ロールを接触させることにより、ウェブ対応部60の両端に効果的に曲げモーメントを付与できるからである。
また、少なくとも最終スタンドである第2スタンド23においては、腕対応部65、66を略水平とするために腕対応部65、66の上面(外面)65a、66aが接触箇所となる。加えて、前述のようにロール隙の猶予値を適正に設定することにより、図7(c)に示すように、第1スタンド22の孔型45及び第2スタンド23の孔型55では、仕上材19aのフランジ対応部62、63の内側上方部分62a、63aを上孔型ロール40、50に接触させると共に、フランジ対応部62、63の外側下方部分62b、63bを下孔型ロール41、51に接触させることが望ましい。この図7(c)に示す箇所を接触させることで、コーナー部70、71に孔型ロール形状による3点曲げを生じさせることにより精度の高い曲げ成形を行うことが可能となる。
また、図7(d)に示すように、上記図7(a)〜(c)で説明した箇所に加え、継手対応部68、69の上面(外面)68a、69aを上孔型ロール40、50に接触させても良い。この図7(d)に示す箇所を接触させることで、継手対応部68、69についても略水平となるような成形を行い、更に精度の高い曲げ成形を行うことが可能となる。
ここで、図7(d)に示した曲げ成形中の仕上材19aと孔型ロールとの接触状態について図15を参照してさらに詳しく説明する。図15には図7(d)の仕上材19aの接触箇所に対応した孔型ロールの接触部分を破線で囲んで表示した。仕上材19aのウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部に対向する上孔型ロールと下孔型ロールのコーナー部90(90a〜90d)や、フランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部に対向する上孔型ロールと下孔型ロールのコーナー部94(94a〜94d)には通常アール(曲率部分)が形成されている。仕上材19aのウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部内側70a、70bに対して、それに対向する上孔型ロール40(あるいは50)のコーナー部90a、90cを接触させる。その際、ウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部外側と、それに対向する下孔型ロール41(あるいは51)のコーナー部90b、90dは接触していない。下孔型ロール41(あるいは51)は仕上材19aのウェブ対応部60の下面(外側)中央部60aに対向する部分と、フランジ対応部62、63の外側下方部分62b、63bに対向する部分で接触している。
また、仕上材19aのフランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部内側71a、71bに対して、それに対向する下孔型ロール41(あるいは51)のコーナー部94b、94dを接触させる。その際、フランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部外側と、それに対向する上孔型ロール40(あるいは50)のコーナー部94a、94cは接触していない。上孔型ロールは仕上材19aの腕対応部65、66の上面(外面)65a、66aに対向する部分と、フランジ対応部62、63の内側上方部分62a、63aに対向する部分で接触している。また、継手対応部68、69の上面(外面)68a、69aは上孔型ロール40(あるいは50)のそれに対向する部分で接触している。ここでは図7(d)に対応した上下孔型ロールとの接触状態を説明したが、図7(a)〜(c)についても仕上材19aの接触箇所に、それに対向する孔型ロールを同様に接触させればよい。
なお、図7(a)〜(d)及び図15を参照して曲げ成形における仕上材19aに対する好適な接触箇所について説明したが、図7、図15に示すように、曲げ成形において接触するそれぞれの箇所は、仕上材19aの板厚を圧下するような位置構成とはなっていない。具体的には、仕上材19aの特定の箇所を上下孔型ロール双方によって両側から押圧する(即ち、圧下する)ような構成とはなっておらず、上下孔型ロールのロール隙も仕上材19aの板厚より大きくなるように構成されていることから、板厚の圧下は行われない。ウェブ対応部60やフランジ対応部62、63を圧下しなければ、圧下反力を不必要に上げなくて済む。
また、図7、図15では、各コーナー部70、71に対し各孔型ロールの一部箇所を接触させる構成の一例について図示説明したが、本発明における各孔型ロールの接触箇所はこれに限られるものではない。即ち、図7を参照して上述した接触箇所に加え、更なる接触箇所を設けても良い。
図13は曲げ成形機20における仕上材19aの接触箇所についての説明図であり、(a)〜(d)は接触箇所の他の一例を示している。ここで、図7と同じ接触箇所については同一の符号を付し、その説明は省略する。図13に示すように、接触箇所として、図7で示したものに加え、ウェブ対応部60とフランジ対応部62、63との境界のコーナー部70の外側70c、70d(以下、ウェブ−フランジコーナー部外側70c、70dとも呼称)と、フランジ対応部62、63と腕対応部65、66との境界のコーナー部71の外側71c、71d(以下、フランジ−腕コーナー部外側71c、71dとも呼称)を設けても良い。
即ち、各孔型ロールと仕上材19aとの接触箇所を図13で示した箇所とした場合、仕上材19aのウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71が上下孔型ロール双方に接触し、両側から圧下されるような位置構成となっている。
上述したように、曲げ成形の上流側工程である熱間圧延(粗圧延、中間圧延、仕上圧延等)においては、ウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71の板厚が製品板厚より厚くなるように圧延された後、曲げ成形機20に搬送されても良い。そして、仕上材19aのウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71に対向する部分の上下孔型ロールのロール隙は、製品板厚となるように設定されても良い。このような寸法構成にあっては、仕上材19aは、曲げ成形機20において、板厚が製品板厚より厚い状態にあるウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71が上下孔型ロール双方により圧下されると共に、材料全体が曲げ成形される。
このように、仕上材19aの曲げ成形時に原則として圧下は行わないものの、所定の一部箇所(図13参照)のみ圧下を行っても良い。仕上材19aに対して圧下を行うと、圧下された領域の板厚方向全体が塑性変形する。圧下による塑性変形によって、曲げによる板厚内の応力分布は全体的に圧縮寄りに移動し、コーナー部に作用する曲げモーメントが小さくなる。このため、板厚方向全体が塑性変形する範囲において曲げ成形後のスプリングバックが非常に小さくなる。
即ち、図13に示したように、ウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71を圧下しながら曲げ成形を行うと、ウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71を圧下しない場合に比べて成形負荷は増加するものの、曲げ成形中の仕上材19aのコーナー部70、71の厚み方向内側の圧縮応力の増大を抑えつつ、外側の引張応力を小さくすることができ、成形後のスプリングバックが減少して仕上材19aの長手方向の寸法形状の変動を小さくすることができる。これにより、製品形状(角度)に制約されることなく最適な形状で圧延を行うことができ、生産性や歩留が向上する。また、寸法精度に優れた大断面の製品を、圧延機のロール径に制約されることなく低コストで製造することができる。更には、冷間で加工する場合に比べて設備を小さくでき、寸法形状や材質の安定化を図ることができる。
なお、図13に示した構成での曲げ成形において、ウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71の圧下率が20%を超えると、断面内各部の延伸バランスがとれなくなり、形状が崩れる恐れがある。このため、曲げ成形における圧下率は、20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10%である。2%も圧下すれば、ウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71の板厚方向全体が塑性域となり、曲げ成形後のスプリングバックを減少させることが可能となる。ただし、このような圧下率の条件を満たすことができるように、圧延工程において被圧延材のウェブ−フランジコーナー部70及びフランジ−腕コーナー部71の板厚を調整しておくことが必要となる。
また、曲げ成形機20が複数スタンドで構成される場合、全てのスタンドでコーナー部70、71の圧下を行っても良いが、少なくとも最終スタンド(本実施形態では第2スタンド23)においてコーナー部70、71の圧下を行えば、成形後のスプリングバッグを減少させる効果を享受することができる。
以上図7や図13を参照して説明した構成によれば、曲げ成形機20の各上下孔型ロールにおけるロール隙が、仕上材19aのフランジ対応部及びウェブ対応部の厚みより大きくなるような構成としたことにより、例えば圧延工程(粗圧延〜仕上圧延)において上下孔型ロールのスラスト方向のずれによって被圧延材の左右のフランジ対応部の厚みに差が生じてしまった場合でも、片側のフランジ対応部のみを厚み圧下を伴いながら曲げ成形し、通材が不安定となってしまうといった事態を回避することができる。
更に、上述したように曲げ成形は、熱間で実施される。好ましくは、仕上圧延機19と曲げ成形機20をタンデムに配置し、仕上圧延と曲げ成形を連続して熱間で行うことで被圧延材の温度低下が少なくなる。ここで、熱間での仕上圧延・曲げ成形とは、被圧延材の変態が完了する前の温度での圧延・成形を言う。このような条件下で曲げ成形を行うことにより、従来の冷間で行う曲げ成形に比べ、曲げ成形機20にかかる成形負荷や、曲げ成形に伴う伸びや靭性の低下等の材質劣化、残留応力を低減させることができる。
このように、図6に示したように曲げ加工が行なわれ、製品であるハット形鋼矢板が製造される。曲げ成形機20においては、孔型ロールによって仕上材19aを成形するものであり、孔型ロール形状によってコーナー部に3点曲げのモーメントが生じ、そのコーナー部をさらに曲げて製品形状に近付けている。このとき、図7あるいは図13に示した仕上材19aの所定箇所のみにおいて各孔型ロールが接触する。なお、図6(b)と図6(c)を参照してそれぞれの孔型45、55で行われる成形について説明したが、これらの曲げ加工は一枚の材料(仕上材19a)に対して連続的に行われるものであり、通常一枚の材料が第1スタンド22と第2スタンド23の双方に同時に通材された状態(即ち、タンデム状態)で成形が行われる。
本実施の形態にかかる鋼矢板の製造方法では、上述したように構成される曲げ成形機20を用いて曲げ成形を行う構成としており、大型で複雑な機構のミルや多台数のミルを用いることなく効率的にハット形鋼矢板製品を製造することができる。加えて、大型のハット形鋼矢板製品を製造する場合にも問題なく適用可能である。
本実施の形態では仕上圧延機19のあとに曲げ成形機20が直結されることによって熱間で曲げ成形が行われるが、このことによって、冷間の曲げ加工に比べて、曲げ反力は小さく、スプリングバックも小さく、曲げる段数も少なくて済む。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、曲げ成形機20が第1スタンド22と第2スタンド23から構成される場合について図示し、説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば曲げ成形機20は単スタンドでもよく、また、任意の数の複数スタンドから構成されてもよい。曲げ成形機20が複数スタンドから構成される場合には、各スタンドにおいて曲げ成形を分担して行うことができるため、曲げ成形に伴う継手対応部68、69の形状変化を小さくすることが可能となる。なお、スタンド数は曲げ成形角度と設備投資のバランスから好適に決定され、例えば曲げ成形角度が20°〜30°程度であれば、2基スタンドが好適である。
また、上記実施の形態において、曲げ成形機20の上下孔型ロールは、上下どちらか一方のみを駆動させ、他方を駆動させないような構成とすることもできる。上下孔型ロールのどちらか一方のみを駆動させる構成とすることで、複数のスタンドのタンデム状態で曲げ成形を行う場合に、通材の速度バランスがとり易くなり、複数のスタンド間での速度バランスの不均衡による被圧延材への張力の発生等が抑えられ、通材の安定化や、不要な被圧延材の形状変化の抑制等が図られる。加えて、ロールを駆動させるためのモータ、スピンドル、ギア等の駆動機構が簡略化できるため、設備の小型化や設備コストの低減が実現される。
また、上記実施の形態において、曲げ成形機20と仕上圧延機19はタンデム状態として通材を行ってもよい。タンデム状態の構成とすることで、仕上圧延機19によって被圧延材の先端を曲げ成形機20へ押し込むことができ、曲げ成形機20における被圧延材の噛み込みの安定化が図られる。この場合、仕上圧延機19のテーブルローラー上面と、曲げ成形機20における下孔型ロールのウェブ対応部上面の高さはほぼ一致させることが好ましい。
また、上記実施の形態に記載の曲げ成形機20においては、被圧延材(仕上材19a)と、各孔型ロールとの接触部分に潤滑油等を供給し、潤滑することが好ましい。特に、ウェブ対応部60の下面及び腕対応部65、66の上面は、孔型ロールに対して局所的に接触し、相対滑り速度が大きい。そのため、曲げ成形後の製品における当該領域には引っ掻き疵が入りやすくなっている。従って、特にウェブ対応部60の下面及び腕対応部65、66の上面と孔型ロールとの接触部分は潤滑を行う必要がある。このような潤滑を行うことで、引っ掻き疵のない良好な品質の製品を製造することが可能となる。
また、上記実施の形態に記載の圧延ラインLは、異なる厚みの製品を製造する場合にも対応できるように構成されているのが好ましい。この圧延ラインLの曲げ成形機20においても、上記実施の形態と同様に仕上材19aの板厚圧下が行われないようにするのが良い。即ち、圧延工程(粗圧延〜仕上圧延)を行って仕上材19aの厚みを製品の厚み寸法にした後、曲げ成形機20によって仕上材19aを板厚圧下することなく、当該仕上材19aを製品に近似した断面形状に成形する。かかる場合、曲げ成形機20においては、仕上材19aのウェブ対応部60及びフランジ対応部62、63の厚みの変化に対応するように、孔型45及び孔型55におけるロール隙を調整する。
ここで、例えば図8に示すように孔型45において、ウェブ対応部60に対向する部分45a(以下、ウェブ部分45aと呼称する)のロール隙をtwとし、フランジ対応部62、63に対向する部分45b(以下、フランジ部分45bと呼称する)のロール隙をtfとし、更にウェブ部分45aに対するフランジ部分45bの角度(以下、フランジ角度と呼称する)をθとする。そして、孔型45のロール隙を鉛直方向にΔだけ大きくすると、図8の点線に示すようにウェブ部分45aのロール隙はΔtw(=Δ)だけ大きくなり、フランジ部分45bのロール隙はΔtf(=Δcоsθ)だけ大きくなる。
圧延工程における圧延機(粗圧延機10〜仕上圧延機19)における孔型のフランジ角度と、曲げ成形機20におけるフランジ角度θとは異なるため、圧延機と曲げ成形機20のロール隙を同じ量だけ調整しても、これら圧延機と曲げ成形機20におけるフランジ部分45bの変化量Δtfが異なってしまう。具体的には、仕上圧延機19のフランジ角度に比べて曲げ成形機20におけるフランジ角度θの方が大きいため、仕上圧延機19における変化量Δtfに比べて曲げ成形機20における変化量Δtfが小さくなる。そうすると、曲げ成形機20におけるフランジ部分45bにおいて仕上材19aの板厚が圧下されるおそれがある。このため、製品の厚みの変化に応じて、圧延機におけるロール隙の変化量と曲げ成形機20におけるロール隙の変化量は個別に設定する必要がある。
即ち、圧延機におけるロール隙の変化量は、仕上材19aの厚みが製品の厚み寸法になるように設定される。
一方、曲げ成形機20におけるロール隙の変化量は、当該曲げ成形機20によって仕上材19aを成形する際に、想定されるすべての厚みの仕上材19aを板厚圧下しないように設定される。換言すれば、曲げ成形機20におけるロール隙は、仕上材19aの厚みの変化に対応して、これら想定されるすべての厚みより大きくなるように設定される。具体的には、曲げ成形機20における基準部位、例えば孔型45のウェブ部分45aにおいて仕上材19aが板厚圧下されないように、当該ウェブ部分45aのロール隙をその部位の製品の厚みよりAだけ大きく設定した場合(製品厚み+A)に、フランジ部分45bにおいても仕上材19aが板厚圧下されないように、当該フランジ部分45bのロール隙がその部位の製品の厚みよりBだけ大きくなるように設定される(製品厚み+B)。これらAとBは、それぞれ0より大きく、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは0.5mm〜3mmである。そして、孔型45を形成する上孔型ロール40と下孔型ロール41は、上記ロール隙が設定できるように設計される。
なお、上記説明においては、フランジ部分45bのロール隙が製品の厚み+Bに設定されたが、孔型45において腕対応部65、66に対向する腕部分も同様に、ロール隙が製品の厚み+Cに設定される。CもA、Bと同様、0より大きく、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは0.5mm〜3mmである。ハット形鋼矢板の場合、製品のウェブ対応部と腕対応部は水平であるため、AとCはほぼ同じになる。また、他の孔型55のロール隙も、上記孔型45のロール隙と同様の方法で設定される。
本形態によれば、上記実施の形態と同様の効果を享受しつつ、曲げ成形機20の同一の上下孔型ロールを用いてロール隙を調整することにより、異なる厚みの製品を製造することができる。したがって、製造可能な製品サイズの自由度を向上させることができる。
以上の実施の形態ならびにその変形例においては、ハット形鋼矢板製品を上開き(ウェブ対応部に対して腕対応部を上側にした)姿勢で製造する場合を例示して説明したが、逆の下開き(ウェブ対応部に対して腕対応部を下側にした)姿勢で製造する場合にも本発明は適用できる。その場合、継手の向き及び上下孔型ロールを逆配置するものとして考えれば良い。また、上記実施の形態ならびにその変形例等にかかる説明では、最終製品としてハット形鋼矢板を製造する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばU形鋼矢板等の鋼矢板製品の製造において適用することもできる。
例えば、U形鋼矢板は、ハット形鋼矢板とは異なり腕対応部を有していないため、U形鋼矢板に対して本発明に係る曲げ成形を行う場合は、図14に太線で示した位置でもって孔型ロールと接触させても良い。また、上記実施の形態でのハット形鋼矢板と同じように、孔型ロールとの接触に加え、各コーナー部を圧下して曲げ成形しても良い。これにより、ハット形鋼矢板の製造時にコーナー部70及びコーナー部71に対して圧下をしながら曲げ成形を行う場合と同様に、U形鋼矢板においても、曲げ成形中の仕上材のコーナー部の厚み方向内側の圧縮応力の増大を抑えつつ、外側の引張応力を小さくすることができ、成形後のスプリングバックを減少させて仕上材の長手方向の寸法形状の変動を小さくすることができる。また、フランジ対応部の他方の端部近傍およびその先端に形成される継手対応部の外面を厚み圧下することなく曲げ成形することで、更に精度の高い曲げ成形を行うことが可能となる。
なお、以上の実施の形態において、孔型ロールはロール軸方向に分割されていてもよい。例えば図9に示すように上孔型ロール40は、スペーサ110を介し、水平方向において分割孔型ロール40a、40bに2等分に分割され、下孔型ロール41は、スペーサ110を介し、水平方向において分割孔型ロール41a、41bに2等分に分割される。ただし、このスペーサ110は被圧延材と接触しないことが望ましい。このようにスペーサ110を挿入し、さらにこのスペーサ110の水平方向の幅を調節することによって、製品となる鋼矢板のウェブの長さを調節することができる。なお、図9の孔型ロールの場合、図7(b)〜(d)におけるウェブ対応部60の下面中央部の接触部60aの代わりに、孔型ロール41a、41bのスペーサ110より外側の孔型部42a、42bでもって被圧延材のウェブ対応部60の下面に接触させればよい。
(実施例1)
本発明にかかる鋼矢板の製造方法により、熱間仕上圧延に引き続き、連続した2スタンドで構成される曲げ成形機によって20°の熱間曲げ成形を行いハット形鋼矢板を製造した場合と、従来技術として、フラットロールからなる複数の支承ロールを用いて冷間加工により曲げ成形を行ってハット形鋼矢板を製造した場合とを比較した。
本発明にかかる鋼矢板の製造方法によれば、曲げ成形後の被圧延材を製品長さに切断後、スプリングバックによってフランジとウェブとがなす角度が最大約0.5°増加した。また、このときの製品長手方向の全幅差は約4.5mmであった。
一方、従来技術にかかる鋼矢板の製造方法によれば、曲げ成形後の被圧延材を製品長さに切断後、スプリングバックによってフランジとウェブとがなす角度が最大約2.2°増加した。また、このときの製品長手方向の全幅差は約25mmであった。
(実施例2)
また、本発明の実施例2として、ウェブ厚15.0mm、フランジ厚11.3mm、腕厚14.5mmの第1のハット形鋼矢板製品(表中の鋼矢板1)と、ウェブ厚17.0mm、フランジ厚12.8mm、腕厚16.5mmの第2のハット形鋼矢板製品(表中の鋼矢板2)を、同じ曲げ成形ロールから製造するため、以下の表1に示した寸法条件でもって、仕上圧延機と2スタンドの曲げ成形機のロールをそれぞれ共用し、ロール隙を調整するだけで、熱間で曲げ成形を行い製造した。
Figure 2021142564
表1に示すように、曲げ成形機の第1スタンドと第2スタンドのいずれのロール隙も、仕上材の厚み(即ち、仕上げ圧延機のロール隙)に対して1.9mm〜2.8mm大きくして曲げ成形を実施した。これにより仕上圧延に比べて非常に低い成形負荷で、良好な製品が成形ロール隙調整により製造できた。
本発明は、例えばハット形鋼矢板、U形鋼矢板等の鋼矢板の製造方法及び製造装置に適用できる。
10…粗圧延機
13…第1中間圧延機
14…エッジャー圧延機
16…第2中間圧延機
17…エッジャー圧延機
19…仕上圧延機
19a…仕上材
20…曲げ成形機
22…第1スタンド
23…第2スタンド
40…上孔型ロール
41…下孔型ロール
44…筐体
45…孔型
45a…ウェブ部分
45b…フランジ部分
50…上孔型ロール
51…下孔型ロール
54…筐体
55…孔型
60…ウェブ対応部
62、63…フランジ対応部
65、66…腕対応部
68、69…継手対応部
70…コーナー部
70a、70b…コーナー部内側
70c、70d…コーナー部外側
71…コーナー部
71a、71b…コーナー部内側
71c、71d…コーナー部外側
110…スペーサ
L…圧延ライン

Claims (19)

  1. 被圧延材に対して熱間圧延によって粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行った後、曲げ成形を行う鋼矢板の製造方法であって、
    前記仕上圧延を行った後の被圧延材は、少なくとも、ウェブ対応部と、前記ウェブ対応部の両端部に一方の端部が接続し製品より広がった角度を有する2つのフランジ対応部と、前記ウェブ対応部と前記フランジ対応部それぞれとの接続部であるコーナー部と、を備え、
    前記曲げ成形では、上下孔型ロールを用いて熱間で前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させ当該コーナー部を曲げることを特徴とする、鋼矢板の製造方法。
  2. 前記曲げ成形においては、前記コーナー部への当該上下孔型ロールの接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部の他方の端部もしくはその近傍に対し力がかかるように前記上下孔型ロールを接触させることを特徴とする、請求項1に記載の鋼矢板の製造方法。
  3. 前記曲げ成形時には、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙は、それぞれ前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みより大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼矢板の製造方法。
  4. 前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みの変化に対応して、各厚みより大きくなるように、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙がそれぞれ設定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  5. 前記熱間圧延において、前記コーナー部の板厚が製品板厚よりも厚くなるように前記被圧延材を圧延し、
    前記曲げ成形では、前記上下孔型ロールにより前記コーナー部を圧下することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  6. 前記曲げ成形においては、前記上下孔型ロールのいずれか一方のみを駆動させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  7. 前記曲げ成形では、被圧延材と前記上下孔型ロールとの接触部分を潤滑することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  8. 前記曲げ成形を行う曲げ成形機と、前記仕上圧延を行う仕上圧延機はタンデムとすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  9. 前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記フランジ対応部の他方の端部と接続する腕対応部を備え、
    前記上下孔型ロールは前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させ当該コーナー部を曲げ、当該コーナー部への当該上下孔型ロールの接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部と前記腕対応部との接続部である他のコーナー部に対し力がかかるように前記上下孔型ロールを接触させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  10. 前記曲げ成形では、前記ウェブ対応部の外側において当該ウェブ対応部に対向する孔型ロールを接触させ、
    前記腕対応部の外面において当該腕対応部に対向する孔型ロールを接触させることを特徴とする、請求項9に記載の鋼矢板の製造方法。
  11. 前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記腕対応部の先端に形成される継手対応部を備え、
    前記曲げ成形では前記継手対応部が略水平となるように当該継手対応部の外面において当該継手対応部に対向する孔型ロールを接触させることを特徴とする、請求項10に記載の鋼矢板の製造方法。
  12. 前記熱間圧延において、前記他のコーナー部の板厚が製品板厚よりも厚くなるように前記被圧延材を圧延し、
    前記曲げ成形では、前記上下孔型ロールにより前記他のコーナー部を圧下することを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  13. 前記鋼矢板はハット形鋼矢板であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の鋼矢板の製造方法。
  14. 前記仕上圧延を行った後の被圧延材は前記フランジ対応部の先端に形成される継手対応部を備え、
    前記曲げ成形では前記継手対応部が略水平となるように当該継手対応部の外面において当該継手対応部に対向する孔型ロールを接触させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造方法。
  15. 前記鋼矢板はU形鋼矢板であることを特徴とする、請求項14に記載の鋼矢板の製造方法。
  16. 被圧延材に対して熱間圧延によって粗圧延、中間圧延及び仕上圧延を行った後、曲げ成形を行う曲げ成形機を有する鋼矢板の製造装置であって、
    前記仕上圧延を行った後の被圧延材は、少なくとも、ウェブ対応部と、前記ウェブ対応部の両端部に一方の端部が接続し製品より広がった角度を有する2つのフランジ対応部と、前記ウェブ対応部と前記フランジ対応部それぞれとの接続部であるコーナー部と、を備え、
    前記曲げ成形機は、上下孔型ロールを有し、当該上下孔型ロールを用いて熱間で前記コーナー部を曲げることを特徴とする、鋼矢板の製造装置。
  17. 前記上下孔型ロールは、前記コーナー部の内側に当該上下孔型ロールの一部を接触させた場合に、当該接触に伴いかかる力と釣り合う方向に、前記フランジ対応部の他方の端部もしくはその近傍に対し力がかかるような形状を有することを特徴とする、請求項16に記載の鋼矢板の製造装置。
  18. 前記曲げ成形時には、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙は、それぞれ前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みより大きい形状を有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の鋼矢板の製造装置。
  19. 前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部の厚みの変化に対応して、各厚みより大きくなるように、前記上下孔型ロールの前記ウェブ対応部ならびに前記フランジ対応部に対向する部分のロール隙がそれぞれ設定されることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載の鋼矢板の製造装置。
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