JP2021141121A - 磁場成形方法 - Google Patents

磁場成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021141121A
JP2021141121A JP2020035337A JP2020035337A JP2021141121A JP 2021141121 A JP2021141121 A JP 2021141121A JP 2020035337 A JP2020035337 A JP 2020035337A JP 2020035337 A JP2020035337 A JP 2020035337A JP 2021141121 A JP2021141121 A JP 2021141121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
magnetic
samarium
magnetic field
magnetic powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020035337A
Other languages
English (en)
Inventor
昭人 木下
Akito Kinoshita
昭人 木下
紀次 佐久間
Noritsugu Sakuma
紀次 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020035337A priority Critical patent/JP2021141121A/ja
Publication of JP2021141121A publication Critical patent/JP2021141121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

【課題】サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のような高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する粉末を、簡便に効率よく配向させる磁場成形方法を提供する。【解決手段】本開示の磁場成形方法は、積層体形成工程及び圧縮成形工程を有する。積層体形成工程では、磁性粉末を含有する粉末10を一対の第一部材20で挟み、さらに、磁性粉末を含有する粉末10及び一対の第一部材20を一対の第二部材30で挟んで積層体40を得る。圧縮成形工程では、積層体40に圧力を積層方向に付与して、積層体40中の磁性粉末を含有する粉末10を圧縮成形する。磁性粉末は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する。第一部材20の少なくとも一部は、サマリウム−コバルト系希土類磁石である。第二部材30の少なくとも一部は、パーメンジュール系合金である。【選択図】図1

Description

本開示は、磁場成形方法に関する。本開示は、特に、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末の磁場成形方法に関する。
高性能希土類磁石として、サマリウム−コバルト系希土類磁石及びネオジム−鉄−ボロン系希土類磁石が実用化され、広く普及しているが、近年、これら以外の希土類磁石が検討されている。
例えば、サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石が検討されている。サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石は、サマリウム、鉄、及び窒素を含有し、ThZn17型及びThNi17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有している。この磁性相は高い異方性磁界を有していることから、サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石の保磁力は、一般的に、他の希土類磁石と比較して高い。
希土類磁石等の永久磁石には、等方性磁石と異方性磁石がある。等方性磁石は、磁性相の磁化容易軸が特定の方向に揃っておらず、磁気特性が等方的な磁石である。一方、異方性磁石は、磁性相が特定の方向に揃っており、異方性磁石は、等方性磁石と比べて、残留磁化が高い。このことから、高い残留磁化を必要とする用途には、異方性磁石が用いられることが一般的である。希土類磁石は、高い残留磁化を必要とする用途に適用されることが多いため、希土類磁石には、異方性が付与されることが多い。
上述したように、サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石は、高い保磁力を有している。そのため、効率的に異方性を付与することができれば、保磁力と残留磁化の両方に優れる永久磁石を得ることができる。
サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石は、サマリウム、鉄、及び窒素を含有し、ThZn17型及びThNi17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する磁性粉末を成形して製造される。このような磁性粉末を、以下、「サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末」ということがある。
異方性を有するサマリウム−鉄−窒素系希土類磁石の製造方法としては、例えば、特許文献1に開示された製造方法が挙げられる。特許文献1に開示された製造方法は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を温間で圧縮成形し、その圧縮成形体(圧粉体)を焼結(液相焼結を含む)して、サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石を得るものである。特許文献1には、温間とは、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相が分解しない600℃以下を意味することが開示されている。また、特許文献1には、焼結を確実にするため、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末に、金属亜鉛粉末等の金属バインダを添加してもよいことが開示されている。
また、特許文献1には、サマリウム−鉄−窒素系希土類磁石に異方性を付与するため、温間での圧縮成形の前に、予め、常温で、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末に磁場を印加しながら予備成形するか、温間での圧縮成形中に磁場を印加することが開示されている。
国際公開第2015/199096号
磁性粉末を含有する粉末が、サマリウム−鉄−窒素系粉末等の高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する場合、磁性粉末を含有する粉末を磁場成形で配向させるには、磁性粉末を含有する粉末に強力な磁場を印加しながら成形する必要がある。例えば、ネオジム−鉄−ボロン系磁性粉末を含有する粉末を磁場成形する場合と比較して、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を磁場成形する場合には、一層強力な磁場を印加する必要がある。これは、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末は、ネオジム−鉄−ボロン系磁性粉末と比較して、高い異方性磁界を有するためである。
従来、磁性粉末を含有する粉末を磁場成形する方法としては、プレス成形機に磁場印加コイルを付加した装置を使用することが一般的であった。しかし、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を磁場成形するには、強い磁場を印加するため、大型の磁場印加コイルを使用する必要があり、装置全体が大型化していた。
小型の磁場印加コイル使用をすると、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を配向させるのに充分な磁場を印加することができない。これを補うための方法としては、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相が分解しない程度に、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を加熱して、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末の異方性磁界を低減させた状態で、磁場を印加することが考えられる。しかし、プレス成形機は昇降機構等を備えているため、プレス成形機に磁場印加コイルと加熱装置の両方を付加すると、装置全体の構造が非常に複雑になるという問題もある。
上述したことから、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のような高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する粉末を、簡便に効率よく配向させる磁場成形方法が望まれている、という課題を、本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本開示は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のような高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する粉末を、簡便に効率よく配向させる磁場成形方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の磁場成形方法を完成させた。本開示の磁場成形方法は、次の態様を含む。
〈1〉磁性粉末を含有する粉末を一対の第一部材で挟み、さらに、前記磁性粉末を含有する前記粉末及び前記一対の前記第一部材を一対の第二部材で挟んで積層体を得ること、
前記積層体に圧力を積層方向に付与して、前記積層体中の前記磁性粉末を含有する前記粉末を圧縮成形すること、
を含み、
前記磁性粉末が、サマリウム、鉄、及び窒素を含有し、かつ、ThZn17型及びThNi17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有しており、
前記第一部材の少なくとも一部が、サマリウム及びコバルトを含有し、かつ、SmCo型及びSmCo17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有している希土類磁石であり、かつ、
前記第二部材の少なくとも一部が、パーメンジュール系合金である、
磁場成形方法。
本開示によれば、磁力を発する希土類磁石としてサマリウム−コバルト系希土類磁石を選択し、希土類磁石から発する磁力で磁化されて自らも磁力を発する軟磁性材としてパーメンジュール系合金を選択し、これらを所定の位置に配置して磁場成形する。その結果、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のような高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する粉末を、簡便に効率よく配向させる磁場成形方法を提供することができる。
図1は、本開示の磁場成形方法の実施形態の一例を模式的に示す説明図である。 図2は、本開示の磁場成形方法に使用する装置の一例を模式的に示す縦断面図である。 図3は、図2の装置に、磁性粉末を含有する粉末並びに第一部材及び第二部材を配置した状態を模式的示す縦断面図である。 図4は、実施例及び比較例において、第一部材及び第二部材並びに磁場測定センサの配置位置を模式的に示す説明図である。
以下、本開示の磁場成形方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の磁場成形方法を限定するものではない。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末は、高い異方性磁界を有する。そのため、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を充分に配向するには、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末に強力な磁場の印加することが必要である。サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末に強力な磁場の印加することに関し、本発明者らの知見を、図面を用いて説明する。
図1は、本開示の磁場成形方法の実施形態の一例を模式的に示す説明図である。磁性粉末を含有する粉末10を一対の第一部材20で挟み、それらを、さらに、一対の第二部材30で挟む積層体40を形成する。そして、一対の第一部材20の少なくとも一部が永久磁石であり、一対の第二部材30の少なくとも一部が軟磁性材である。このようにすると、一対の第一部材20の磁力が、磁性粉末を含有する粉末10と一対の第二部材30の両方に作用する。そして、一対の第二部材30は、一対の第一部材20からの磁力によって磁化され、一対の第一部材20と一対の第二部材30とが一体となって、一対の第一部材20を単独で配置したときよりも強力な磁場を、磁性粉末を含有する粉末10に印加することができる。
さらに、第一部材20の永久磁石がサマリウム−コバルト系希土類磁石であり、第二部材30の軟磁性材がパーメンジュール系合金であると、磁性粉末を含有する粉末10が、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末でも、これを充分に配向可能である。その理由は、次のとおりであると考えられる。
サマリウム−コバルト系希土類磁石は高い飽和磁化を有し、パーメンジュール系合金は非常に高い飽和磁化を有する。そのため、サマリウム−コバルト系希土類磁石が発する強力な磁力で、パーメンジュール系合金が充分に磁化され、パーメンジュール系合金自体も強力な磁力を発する。
しかし、サマリウム−コバルト系希土類磁石及びパーメンジュール系合金を用いても、これらの配置が逆であると、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する粉末を充分に配向することはできない。その理由について考えられる事項について、図1を用いて説明する。
本開示の磁場成形方法とは逆に、一対の第一部材20の少なくとも一部がパーメンジュール系合金であり、一対の第二部材30の少なくとも一部がサマリウム−コバルト系希土類磁石である場合について説明する。一対の第二部材30の磁力が、一対の第一部材20と磁性粉末を含有する粉末10の両方に作用する。しかし、第二部材30の磁力は、一対の第一部材20と磁性粉末を含有する粉末10の存在しない側(図1の上方及び下方)に多量に漏れている。その結果、磁性粉末を含有する粉末10が充分に配向するほどには、磁性粉末を含有する粉末10に磁場が印加されない。
これらのことから、本開示の磁場成形方法のようにすることによって、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のような高い異方性磁界を有する磁性粉末を含有する粉末を、充分に配向することができることを、本発明者らは知見した。
これまで説明してきた知見等によって完成された、本開示の磁場成形方法の構成要件を、次に説明する。
《磁場成形方法》
本開示の磁場成形方法は、積層体形成工程及び圧縮成形工程を含む。以下、それぞれの工程について説明する。
〈積層体形成工程〉
図1に示したように、磁性粉末を含有する粉末10を一対の第一部材20で挟む。そして、一対の第一部材20で挟んだ磁性粉末を含有する粉末10を、さらに、一対の第二部材30で挟んで、積層体40を得る。
磁性粉末は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有する。磁性粉末の詳細は後述する。磁性粉末を含有する粉末とは、磁性粉末のほかに、例えば、バインダ及び特定の特性を向上する物質等を含有してもよいことを意味する。バインダは、典型的には、金属バインダあるが、これに限られない。バインダとして、樹脂バインダを使用してもよい。あるいは、金属バインダと樹脂バインダを組み合わせて使用してもよい。
特定の特性を向上する物質としては、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等を妨げない限りにおいて特に制限はない。例えば、潤滑剤及び防錆剤等が挙げられる。潤滑剤の含有により、磁場成形時に磁性粉末を含有する粉末の個々の粒子間の潤滑性が向上し、磁場成形体の密度を高めることができる。磁場成形体をさらに加圧焼結等する場合には、磁場成形体中の磁性粉末を含有する粉末の個々の粒子間の潤滑性が向上し、焼結体の密度を向上することができる。
金属バインダとしては、例えば、金属亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム−ランタン系合金、アルミニウム−ランタン−銅系合金、金属錫、及び金属ビスマス等が挙げられる。これらを組み合わせてもよい。亜鉛合金としては、例えば、亜鉛−アルミニウム系合金等が挙げられる。これらの金属バインダの融点は比較的低温であるため、磁場成形体を焼結する場合に、磁性粉末の磁性相が分解する温度以下で液相焼結することができる。なお、金属亜鉛とは、亜鉛以外の金属元素と合金化されていない亜鉛を意味する。金属錫とは、錫以外の金属元素と合金化されていない錫を意味する。金属ビスマスとは、ビスマス以外の金属元素と合金化されていないビスマスを意味する。
樹脂バインダとしては、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹末並びにこれらの組合せ等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチック、液晶ポリマー等のスーバーエンジニアリングプラスチック、並びにポリエチレン及びポリプロピレン等の結晶性プラスチック等が挙げられる。これらを組み合わせてもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びメラミン樹脂並びにこれらの組合せ等が挙げられる。これらの樹脂バインダの含有により、磁場成形体の強度が向上する。
次に、磁性粉末並びに第一部材及び第二部材について説明する。
〈磁性粉末〉
磁性粉末は、サマリウム、鉄、及び窒素を含有し、かつ、ThZn17型及びThNi17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有していればよい。磁性相の結晶構造としては、前述の構造のほかに、TbCu型の結晶構造を有する相等を含有していてもよい。なお、Thはトリウム、Znは亜鉛、Niはニッケル、Tbはテルビウム、そして、Cuは銅である。このような磁性粉末を、以下、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末という。また、上述の磁性相を含有していれば、例えば、ThMn12型、RCo型、RFe14B型の結晶構造を有する磁性相を含有することを妨げない。なお、Rは希土類元素、そして、Bはボロンである。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中には、例えば、組成式(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される磁性相を含有してもよい。本開示の磁場成形方法の成果物は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相に由来して、磁気特性を発現する。なお、i、j、及びhは、モル比である。なお、Smはサマリウム、Feは鉄、Coはコバルト、そして、Nは窒素である。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相には、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等を阻害しない範囲で、Rを含有していてもよい。このような範囲は、上記組成式のiで表される。iは、例えば、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.50以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。Rは、サマリウム以外の希土類元素並びにイットリウム及びジルコニウムから選ばれる1種以上である。本明細書で、希土類元素とは、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、そして、ルテニウムである。
(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17については、典型的には、Sm(Fe(1−j)Co17のSmの位置にRが置換しているが、これに限られない。例えば、Sm(Fe(1−j)Co17に、侵入型でRの一部が配置されていてもよい。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相には、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等を阻害しない範囲で、Coを含有してもよい。このような範囲は、上記組成式で、jで表される。jは、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.52以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。
(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17については、典型的には、(Sm(1−i) Fe17のFeの位置にCoが置換しているが、これに限られない。例えば、(Sm(1−i)Fe17に、侵入型でCoの一部が配置されていてもよい。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末中の磁性相は、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される結晶粒に、Nが侵入型で存在することによって、磁気特性の発現及び向上に寄与する。
(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17については、hは1.5〜4.5をとり得るが、典型的には、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17である。hは、1.8以上、2.0以上、又は2.5以上であってもよく、4.2以下、4.0以下、又は3.5以下であってもよい。(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17全体に対する(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%がより一層好ましい。一方、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17のすべてが(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17でなくてもよい。(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17全体に対する(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17の含有量は、99質量%以下、98質量%以下、又は97質量%以下であってよい。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末は、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される磁性相のほかに、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等を実質的に阻害しない範囲で、酸素及びM並びに不可避的不純物元素を含有してもよい。成果物の磁気特性を確保する観点からは、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末全体に対する、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される磁性相の含有量は、80質量%以上、85質量%以上、又は90質量%以上であってよい。一方、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末全体に対して、(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される磁性相の含有量を過度に高くしなくとも、実用上、問題はない。したがって、その含有量は、99質量%以下、98質量%以下、又は97質量%以下であってよい。(Sm(1−i) (Fe(1−j)Co17で表される磁性相の残部が、酸素及びMの含有量となる。また、Mの一部は、侵入型及び/又は置換型で、磁性相に存在していてもよい。
上述のMとしては、ガリウム、チタン、クロム、亜鉛、マンガン、バナジウム、モリブデン、タングステン、シリコン、レニウム、銅、アルミニウム、カルシウム、ホウ素、ニッケル、及び炭素からなる群より選ばれる一種以上の元素が挙げられる。不可避的不純物元素とは、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末等を製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。これらの元素は、置換型及び/又は侵入型で上述した磁性相に存在していてもよいし、上述した磁性相以外の相に存在していてもよい。あるいは、これらの相の粒界に存在していてもよい。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末の粒径は、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等に支障を及ぼさない限り、特に制限はない。サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末の粒径としては、D50で、例えば、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、又は9μm以上であってよく、20μm以下、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下、又は10μm以下であってよい。なお、D50は、メジアン径を意味する。また、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末のD50は、例えば、乾式レーザ回折・散乱法等によって測定される。
サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末は、これまで説明してきたことを満足すれば、その製造方法に特に制限はなく、市販品を用いてもよい。サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末の製造方法として、例えば、サマリウム酸化物及び鉄粉から還元拡散法でサマリウム−鉄合金粉末を製造し、窒素と水素の混合ガス、窒素ガス、及びアンモニアガス等の雰囲気中で600℃以下の加熱処理をして、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を得る方法等が挙げられる。あるいは、例えば、溶解法でサマリウム−鉄合金を製造し、その合金を粗粉砕して得た粗粉砕粒を窒化し、それを所望の粒径になるまで、さらに粉砕する方法等が挙げられる。粉砕には、例えば、乾式ジェットミル、乾式ボールミル、湿式ボールミル、又は湿式ビーズミル等を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
〈第一部材〉
第一部材の少なくとも一部がサマリウム−コバルト系希土類磁石であればよい。サマリウム−コバルト系磁石は、飽和磁化が高いため、磁性粉末に強力な磁場を印加することができ、その結果、磁性粉末を効率よく配向させることができる。また、サマリウム−コバルト系希土類磁石は、高温(200〜600℃程度)でも飽和磁化の低下が比較的少ないため、加熱しながら磁場成形することができる。加熱しながらの磁場成形の詳細については後述する。
第一部材は、その全てがサマリウム−コバルト系希土類磁石であることが好ましいが、これに限られない。例えば、鋼製のケーシングにサマリウム−コバルト系希土類磁石を入れ子として挿入してもよい。これにより、圧縮成形時にサマリウム−コバルト系希土類磁石の破損及び/又は摩耗等を防止してもよい。第一部材中のサマリウム−コバルト系希土類磁石の体積率は、第一部材全体に対して、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上、又は100体積%であってよい。
サマリウム−コバルト系希土類磁石としては、典型的には、サマリウム及びコバルトを含有し、かつ、SmCo型及びSmCo17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有する希土類磁石が挙げられる。
サマリウム−コバルト系希土類磁石の態様については、特に制限はない。ボンド磁石及び焼結磁石のいずれも適用することができるが、焼結磁石が好ましい。ボンド磁石と比較して、焼結磁石は、飽和磁化が高いことが一般的であり、磁性粉末を含有する粉末に高い磁場を印加できる。また、ボンド磁石と比較して、焼結磁石は、圧縮強度が高いため、磁場成形時に破損することが少なく、繰り返し使用に適している。
サマリウム−コバルト系希土類磁石としては、等方性磁石及び異方性磁石のいずれも使用することができるが、磁性粉末を含有する粉末に高い飽和磁化を印加できる観点から、異方性磁石が好ましい。
〈第二部材〉
第二部材の少なくとも一部がパーメンジュール系合金であればよい。パーメンジュール合金は、45〜52質量%のコバルトを含有し、残部をFeとする合金である。パーメンジュール「系」合金とは、パーメンジュール合金の鉄及び/又はコバルトの少なくとも一部が、特定の元素で置換されていてもよいことを意味する。置換元素としては、典型的には、バナジウム、クロム、タングステン、チタン、タンタル、及びニオブからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、その置換量は、典型的には、1〜3質量%である。複数の元素で置換する場合には、置換量はこれらの合計である。パーメンジュール合金及びパーメンジュール系合金は、鉄及びコバルト並びに特定の置換元素のほかに、不可避的不純物元素を含有してもよいことはもちろんである。
パーメンジュール系合金は、非常に高い飽和磁化を有しており、サマリウム−コバルト系希土類磁石と比較して、パーメンジュール系合金の飽和磁化は高い。そのため、第一部材中のサマリウム−コバルト系希土類磁石が発する磁力で、第二部材中のパーメンジュール系合金の磁化が飽和することは少ない。その結果、サマリウム−コバルト系希土類磁石が発する磁力を有効に活用して、磁性粉末を含有する粉末に高い磁場を印加することができる。
パーメンジュール系合金の態様に特に制限はないが、典型的には、熱間鍛造材である。後述する圧縮成形工程では、パーメンジュール系合金に加圧力が付与されるため、その際に破損し難いように、熱間鍛造後に歪取り熱処理されていることが好ましい。
第二部材は、その全てがパーメンジュール系合金であることが好ましいが、これに限られない。例えば、鋼製のケーシングにパーメンジュール系合金を入れ子として挿入してもよい。これにより、圧縮成形時にパーメンジュール系合金の破損及び/又は摩耗等を防止してもよい。第二部材中のパーメンジュール系合金の体積率は、第二部材全体に対して、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上、又は100体積%であってよい。
これまで説明した第一部材及び第二部材で磁性粉末を含有する粉末を挟んで得られた積層体(図1、参照)を圧縮成形する。次に、圧縮成形工程について説明する。
〈圧縮成形工程〉
積層体に圧力を積層方向に付与して、積層体中の磁性粉末を含有する粉末を圧縮成形する。これを、図1を用いて説明する。
図1に示したように、積層体40は、磁性粉末を含有する粉末10を一対の第一部材20で挟み、それらを、さらに一対の第二部材30で挟んで形成して得られる。積層体40を形成した状態では、磁性粉末を含有する粉末10は圧粉されていない。この状態の積層体40に圧力を積層方向(図1の上下方向)に圧力を付与して、積層体40中の磁性粉末を含有する粉末10を圧縮成形(圧粉)する。
積層体40を圧縮成形する前から、積層体40中の磁性粉末を含有する粉末10には、第一部材20及び第二部材30が発する磁力によって磁場が印加されており、磁性粉末を含有する粉末10の配向が開始している。そして、積層体40に圧力を積層方向に付与することによって、磁性粉末を含有する粉末10の粒子が移動する際、既に印加されている磁場によって、磁性粉末を含有する粉末10の粒子が本格的に配向する。
磁性粉末を含有する粉末を圧粉することができれば、圧縮成形の方法に特に制限はない。圧縮成形方法としては、典型的には、成形型及びパンチを備える装置を用いる方法が挙げられる。この方法について、図面を用いて説明する。
図2は、本開示の磁場成形方法に使用する装置の一例を模式的に示す縦断面図である。図3は、図2の装置に、磁性粉末を含有する粉末並びに第一部材及び第二部材を配置した状態を示す縦断面図である。
図2に示すように、圧縮成形装置500は、成形型110及びパンチ120を備える。成形型110には、キャビティ130が形成されている。パンチ120を加圧装置(図示しない)に連結し、パンチ120がキャビティ130の内部で軸方向(図2の上下方向)に摺動する。加圧装置としては、例えば、油圧シリンダ、空圧シリンダ、又は電動サーボシリンダ並びにこれらの組合せ等が挙げられる。
図3に示すように、積層体40をキャビティ130の内部に装入する。そして、パンチ120を摺動して積層体40を圧縮成形する。図2及び図3に示した圧縮成形装置の態様では、二つのパンチ120を備えているが、その両方を摺動させてもよいし、いずれか一方を摺動させてもよい。
加圧力は、例えば、5MPa以上、10MPa以上、50MPa以上、100MPa以上、又は150MPa以上であってよく、1500MPa以下、1000MPa以下、又は500MPa以下であってよい。
積層体40を加圧圧縮することができれば、圧縮成形装置500の態様は、図2に示した態様に限られない。図2に示した態様では、成形型110に貫通孔を設け、貫通孔をキャビティ130としているが、これに限られない。例えば、成形型110に、底部が閉塞されたキャビティ130を設け、底部と反対側にパンチ120を設けてもよい。
成形型及びパンチの材質は、圧縮成形時に成形型及びパンチが破損等したり、成形型及びパンチに著しい摩耗が発生したりしなければ、特に制限はない。積層体を磁場成形した後、その磁場成形体を無加圧焼結又は加圧焼結してもよい。加圧焼結する場合、磁場成形に用いた圧縮成形装置を加圧焼結に用いてもよい。その際、高温及び高圧に対する耐久性を付与する観点から、成形型及びパンチの材質は、例えば、タングステンカーバイド系超硬合金及び/又はインコネル等が好ましい。
〈変形〉
これまで説明してきたこと以外でも、本開示の磁場成形方法は、特許請求の範囲に記載した内容の範囲内で種々の変形を加えることができる。
一例として、積層体成形工程及び圧縮製工程の少なくともいずれかを、磁性粉末を含有する粉末を加熱しながら行ってもよいことが挙げられる。温度の上昇に伴って、磁性粉末中の磁性相の異方性磁界は低下する。このことから、磁性相の分解温度未満で、磁性粉末を含有する粉末を加熱すれば、磁性粉末を含有する粉末の配向がし易くなり、その結果、配向度を高めることができる。
上述したように、磁性粉末はサマリウム−鉄−窒素系磁性粉末を含有することから、加熱温度は、サマリウム−鉄−窒素系磁性粉末の磁性相の分解温度(550〜600℃)未満であればよい。一方、磁性相の飽和磁化の低下が実用的に認められるのは、200℃以上である。これらのことから、加熱温度としては、例えば、200℃以上、250℃以上、300℃以上、又は350℃以上であってよく、500℃以下、450℃以下、又は400℃以下であってよい。
加熱方法としては、例えば、上述の成形型に孔を形成し、その孔にシースヒータを挿入する方法、成形型を加熱炉に装入する方法、そして、成形型の外周に誘導加熱コイルを配置する方法等が挙げられる。これらの方法を組み合わせてもよい。
別の例として、本開示の磁場成形方法の効果及び成果物の磁気特性等を実質的に阻害しない範囲において、磁性粉末を含有する粉末と第一部材との間、及び/又は、第一部材と第二部材との間に、特定の効果を得るための部材を挿入してもよいことが挙げられる。このような部材としては、第一部材及び/又は第二部材の摩耗を低減して、これらの繰り返し使用を可能にするテフロン(登録商標)シート、加熱しながら磁場成形する場合に、保温性を向上するガラスウール等の断熱材等が挙げられる。
以下、本開示の磁場成形方法を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の磁場成形方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
図4に示すように、第一部材20及び第二部材30並びに磁場測定センサ50を配置し、表1に示すように第一部材及び第二部材を組み合わせて、磁場測定センサ50で磁場測定をした。
Figure 2021141121
磁場測定結果を、表1に併記した。表1から、実施例1のように、第一部材がサマリウム−コバルト系希土類磁石であり、第二部材がパーメンジュール系合金であるとき、印加磁場が強くなることを確認できた。
以上の結果から、本開示の磁場成形方法の効果を確認できた。
10 磁性粉末を含有する粉末
20 第一部材
30 第二部材
40 積層体
50 磁場測定センサ
110 成形型
120 パンチ
130 キャビティ
500 圧縮成形装置

Claims (1)

  1. 磁性粉末を含有する粉末を一対の第一部材で挟み、さらに、前記磁性粉末を含有する前記粉末及び前記一対の前記第一部材を一対の第二部材で挟んで積層体を得ること、
    前記積層体に圧力を積層方向に付与して、前記積層体中の前記磁性粉末を含有する前記粉末を圧縮成形すること、
    を含み、
    前記磁性粉末が、サマリウム、鉄、及び窒素を含有し、かつ、ThZn17型及びThNi17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有しており、
    前記第一部材の少なくとも一部が、サマリウム及びコバルトを含有し、かつ、SmCo型及びSmCo17型の少なくともいずれかの結晶構造を有する磁性相を含有している希土類磁石であり、かつ、
    前記第二部材の少なくとも一部が、パーメンジュール系合金である、
    磁場成形方法。
JP2020035337A 2020-03-02 2020-03-02 磁場成形方法 Pending JP2021141121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020035337A JP2021141121A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 磁場成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020035337A JP2021141121A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 磁場成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021141121A true JP2021141121A (ja) 2021-09-16

Family

ID=77669020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020035337A Pending JP2021141121A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 磁場成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021141121A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6330907B2 (ja) 希土類磁石成形体の製造方法
JP2530641B2 (ja) 磁気異方性ボンド磁石、それに用いる磁粉及びその製造方法
WO2002089153A1 (fr) Materiau solide pour aimant
JP6447380B2 (ja) 比抵抗が大きいSmFeN系のメタルボンド磁石成形体
JP6484994B2 (ja) Sm−Fe−N系磁石成形体およびその製造方法
JP2006303197A (ja) R−t−b系焼結磁石の製造方法
KR101918975B1 (ko) Nd-Fe-B계 자석 및 그 제조방법
JP4968519B2 (ja) 永久磁石およびその製造方法
JP6613730B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
WO1988006797A1 (en) Rare earth element-iron base permanent magnet and process for its production
JP2001210508A (ja) アークセグメント磁石、リング磁石及び希土類焼結磁石の製造方法
JP4900085B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP6569408B2 (ja) 希土類永久磁石
JP4834869B2 (ja) 永久磁石材料とそれを用いた永久磁石およびその製造方法
JP7259705B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP5988017B2 (ja) 希土類窒化物系等方性焼結磁石とその製造方法
JPH0551656B2 (ja)
JP2021141121A (ja) 磁場成形方法
JP7309260B2 (ja) 焼結磁石の製造方法
WO2017191790A1 (ja) 希土類永久磁石及びその製造方法
JP3357421B2 (ja) 磁石用粉末の磁場成形方法および磁石の製造方法
JP2018152526A (ja) RFeB系焼結磁石の製造方法
JP2002319503A (ja) 磁石用固形材料及びその製造方法
JPS59215460A (ja) 永久磁石材料の製造方法
JPS59219452A (ja) 永久磁石材料の製造方法