JP2021123819A - 対人用拭き取りシート用不織布及びその製造方法、並びに対人用拭き取りシート - Google Patents

対人用拭き取りシート用不織布及びその製造方法、並びに対人用拭き取りシート Download PDF

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Abstract

【課題】使用感及び取扱い性がより良好な対人用拭き取りシートの基材として使用される不織布及びその不織布を含む対人用拭き取りシートを提供する。【解決手段】 第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維を含む不織布を含み、第1再生セルロース系繊維の繊度が1.5dtex以上1.9dtex以下、第2再生セルロース系繊維の繊度が2.0dtex以上2.4dtex以下であり、不織布は単層構造であり、第1再生セルロース系繊維を50質量%以上80質量%以下含み、第2再生セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下含み、接着性繊維を10質量%以上30質量%以下含み、不織布の繊維同士が接着性繊維によって接着されており、不織布は、1.00以上1.50以下の柄高さ比を有する、対人用拭き取りシートである。【選択図】なし

Description

本発明は、対人用拭き取りシートの基材となる不織布、及びその不織布を含む対人用拭き取りシートに関する。
液体を含浸させて湿潤(ウェットな)状態で使用するウェットシートの基材となる不織布が種々提案されている。そのようなウェットシートは、対人用拭き取りシートとして、人の肌に使用される。
特許文献1は、2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布に含浸され、水及びエタノールを含む含浸液を含む拭き取りシートであって、KFX法による加圧下湿潤時表面試験による測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内であり、前記不織布の目付量が30〜100g/mである、拭き取りシートを開示する(請求項1参照)。特許文献1は、含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方又は両方における表面の凹凸の間隔が0.5〜3.5mmであること、不織布の2種類のセルロース繊維の一方がレーヨンで、他方がリヨセルであること、不織布は、熱融着繊維を含むこと、レーヨンの繊度とリヨセルの繊度が各々特定の繊度を有することなどを開示する(請求項2、4、5、10など参照)。
特許文献2は、再生セルロース繊維と熱接着性繊維を含む、上側繊維層及び下側繊維層の間に、再生セルロース繊維を含む中間繊維層が位置し、3つの繊維層が繊維同士の交絡により一体化されている、ウェットワイピング用不織布であって、熱接着性繊維により繊維同士が接着されており、表面に凹凸が形成されており、各繊維層は互いに独立して、1又は複数の再生セルロース繊維を含む、ウェットワイピング用不織布を開示する(請求項1参照)。更に、その不織布は、凹凸が、繊維密度の大きい部分からなる凸部と、繊維密
度の小さい部分からなる凹部とにより形成されており、繊維密度の小さい部分(以下、「低繊維密度領域」)が不織布の機械方向(以下、「MD方向」)に対して5〜60゜の角度で存在したMD方向に延びるパターン(A)列と、パターン(A)列を反転させたMD方向に延びるパターン(B)列とが、MD方向に直交する方向(以下、「CD方向」)に交互に繰り返して存在し、かつ隣り合う低繊維密度領域の間に、繊維密度の大きい領域(
以下、「高密度繊維領域」)が位置していて、凹部である低繊維密度領域と凸部である高繊維密度領域とが不織布のMD方向において交互に繰り返して存在することを開示する(請求項3参照)。
WO2016/052527 特開2017−101341号公報
ウェットシートの基材として使用される不織布について、使用感及び取扱い性がより良好なことが、求められつつある。より具体的には、例えば、2枚の不織布を重ねて使用したとしても、又は1枚の不織布を折り重ねて使用したとしても、「ヨレにくいこと」「丸まりにくいこと」「不織布同士が滑りにくいこと」等がより求められつつある。「ヨレにくいこと」「丸まりにくいこと」については、ある程度の不織布強度を有しながら、剛性を高めることが必要と考えられる。「不織布同士が滑りにくいこと」は、不織布と不織布との間の(不織布同士の)摩擦抵抗を増加させながら、不織布と肌の間の摩擦抵抗を減少させることが必要と考えられる。
特許文献1〜2の不織布は、いずれも、ある程度の不織布強度を有しながら、剛性を高めること、及び不織布と不織布との間の(不織布同士の)摩擦抵抗を増加させながら、不織布と肌の間の摩擦抵抗を減少させることについて、特に言及は無く、いずれも更に検討すべきである。
本発明は、(例えば、2枚の不織布を重ねて使用したとしても、又は1枚の不織布を折り重ねて使用したとしても、)使用感及び取扱い性がより良好なウェットシートの基材として使用される不織布及びその不織布を含む対人用拭き取りシートを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の繊度を有する第1再生セルロース系繊維と、特定の繊度を有する第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維を、特定の量で含み、繊維同士を接着性繊維で接着した不織布が、特定の柄高さ比を有する場合、使用感及び取扱い性がより良好な不織布が得られることを見出した。更に、そのような不織布は、対人拭き取りシート用途に好適であることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本明細書は、以下の態様を含む。
1.
第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維とを含む、対人用拭き取りシート用不織布であって、
前記不織布は単層構造であり、
前記第1再生セルロース系繊維の繊度が1.5dtex以上1.9dtex以下であり、
前記第2再生セルロース系繊維の繊度が2.0dtex以上2.4dtex以下であり、
前記不織布は第1再生セルロース系繊維を50質量%以上80質量%以下含み、
前記不織布は第2再生セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下含み、
前記不織布は前記接着性繊維を10質量%以上30質量%以下含み、
前記不織布において、繊維同士が前記接着性繊維によって接着されており、
前記不織布は、表面と裏面の両方の面に凹凸が形成されており、
前記不織布は、以下の試験による1.00以上1.50以下の柄高さ比を有する、
対人用拭き取りシート用不織布。
(柄高さ比)
不織布を光学顕微鏡で150倍に拡大し、不織布の断面を観察し、不織布の表面の凸部の高さと、同一箇所における不織布の裏面の凸部の高さを測定する。高さの基準は測定対象となる凸部の隣に位置する不織布の凹部の不織布の厚さについて厚さ方向における中間地点をゼロ点とする。測定した表面の凸部高さを裏面の凸部高さで割って、柄高さ比とする。柄高さ比は11箇所の凸部について測定し、その平均で示す。
2.
(a)1.5dtex以上1.9dtex以下の繊度を有する第1再生セルロース系繊維、2.0dtex以上2.4dtex以下の繊度を有する第2再生セルロース系繊維、および接着性繊維を、50質量%以上80質量%以下、5質量%以上25質量%以下、および10質量%以上30質量%以下の量で、各々含む繊維ウェブを準備すること;
(b)繊維ウェブの表面と裏面の両方の面に凹凸を形成して、繊維ウェブに、以下の試験による1.00以上1.50以下の柄高さ比を与えること;及び
(c)接着処理を施して、接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含む、対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
(柄高さ比)
不織布を光学顕微鏡で150倍に拡大し、不織布の断面を観察し、不織布の表面の凸部の高さと、同一箇所における不織布の裏面の凸部の高さを測定する。高さの基準は測定対象となる凸部の隣に位置する不織布の凹部の不織布の厚さについて厚さ方向における中間地点をゼロ点とする。測定した表面の凸部高さを裏面の凸部高さで割って、柄高さ比とする。柄高さ比は11箇所の凸部について測定し、その平均で示す。
本発明は、例えば、2枚の不織布を重ねて使用したとしても、又は1枚の不織布を折り重ねて使用したとしても、使用感及び取扱い性がより良好な不織布を提供することができる。本発明の実施形態の不織布は、対人用拭き取りシートを製造するために好適に使用することができる。
図1は、本発明の一実施形態の不織布の表面の一例を模式的に示す。 図2は、比較例として作製した不織布の表面の一例を模式的に示す。
本発明の実施形態の対人用拭き取りシート用不織布は、
第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維とを含む、対人用拭き取りシート用不織布であって、
前記不織布は単層構造であり、
前記第1再生セルロース系繊維の繊度が1.5dtex以上1.9dtex以下であり、
前記第2再生セルロース系繊維の繊度が2.0dtex以上2.4dtex以下であり、
前記不織布は第1再生セルロース系繊維を50質量%以上80質量%以下含み、
前記不織布は第2再生セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下含み、
前記不織布は前記熱着性繊維を10質量%以上30質量%以下含み、
前記不織布において、繊維同士が前記接着性繊維によって接着されており、
前記不織布は、表面と裏面の両方の面に凹凸が形成されており、
前記不織布は、1.00以上1.50以下の柄高さ比を有する。
本発明の実施形態の対人用拭き取りシート用不織布は、第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維とを含む。
<再生セルロース系繊維>
本明細書において、再生セルロース系繊維とは、通常、再生セルロース系繊維と理解される繊維であって、本発明が目的とする対人用拭き取りシート用不織布が得られる限り、特に制限されることはない。
再生セルロース系繊維として、例えば、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、ポリノジック、溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))、およびアセテートが含まれる。アセテートは、厳密には再生セルロース系繊維ではなく、半合成繊維に分類されるものであるが、本明細書においては再生セルロース系繊維として扱う。再生セルロース系繊維として、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、ポリノジック、アセテートを使用することが好ましく、再生セルロース系繊維として、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、ポリノジックを使用することが、より好ましい。再生セルロース系繊維として、ビスコースレーヨンを使用することが、湿潤時に繊維の伸び率が少なく、液保持性または液含浸性が優れる点で好ましい。
再生セルロース系繊維の繊維長は、本発明が目的とする対人用拭き取りシート用不織布を得られる限り、特に制限されることはないが、例えば、20mmを超える繊維長であってよい。
再生セルロース系繊維の繊維長は、例えば、30mm以上76mm以下であってよく、35mm以上60mm以下であってよい。この範囲の繊維長の繊維は、後述する方法で不織布を製造するときに、カードを用いて繊維ウェブを作製するのに適する。
第1再生セルロース系繊維の繊度は、1.5dtex以上1.9dtex以下であり、1.6dtex以上1.8dtex以下であってよい。第1再生セルロース系繊維の繊度が上述の範囲である場合、拭き取り時の風合いが好ましい。第1再生セルロース系繊維の繊度が1.5dtex以上であると、不織布の厚さが低くなりすぎず、不織布の風合いが良く、液体を含浸させた場合の液放出性が良い。
第2再生セルロース系繊維の繊度は、2.0dtex以上2.4dtex以下であり、2.1dtex以上2.3dtex以下であってよい。第2再生セルロース系繊維の繊度が上述の範囲である場合、不織布が適度な剛性を有し好ましい。第2再生セルロース系繊維の繊度が2.4dtex以下であると、不織布の風合いが硬くなりすぎない。
第1再生セルロース系繊維の繊度と第2再生セルロース系繊維の繊度との差は0.2dtex以上0.9dtex以下であることが好ましく、0.3dtex以上0.8dtex以下であることがより好ましく、0.4dtex以上0.6dtex以下であることがさらにより好ましい。第1再生セルロース系繊維の繊度と第2再生セルロース系繊維の繊度との差が0.2dtex以上0.9dtex以下であると、不織布が適度な剛性と適度な風合いを有するため好ましい。
第1再生セルロース系繊維と第2再生セルロース系繊維との組み合わせは、例えば、ビスコースレーヨンとビスコースレーヨン、ビスコースレーヨンと銅アンモニアレーヨン等を例示することができる。ビスコースレーヨンとビスコースレーヨンの組み合わせ、ビスコースレーヨンと銅アンモニアレーヨンの組み合わせが好ましい。ビスコースレーヨン及び銅アンモニアレーヨンは再生セルロース系繊維の中でも風合いが柔らかいため好ましく使用される。
本実施形態の不織布は、例えば、第1再生セルロース系繊維を、50質量%以上80質量%以下含み、55質量%以上75質量%以下含むことが好ましく、60質量%以上70質量%以下含むことがより好ましい。本実施形態の不織布は第1再生セルロース系繊維を50質量%以上含むことで、所定の柄高さ比を得やすく、第1再生セルロース系繊維を80質量%以下含むことで第2再生セルロース系繊維または接着性繊維を適度に含むことができ好ましい。
本実施形態の不織布は、例えば、第2再生セルロース系繊維を、5質量%以上25質量%以下含み、7質量%以上23質量%以下含むことが好ましく、10質量%以上20質量%以下含むことがより好ましい。本実施形態の不織布は第2再生セルロース系繊維を5質量%以上含むことで、適度に剛性が向上し得、第2再生セルロース系繊維を25質量%以下含むことで、不織布がよりヨレにくくなり得る。
<接着性繊維>
本明細書において、接着性繊維は、不織布において繊維同士を接着する役割をし、不織布の強度を向上させる。接着性繊維は、一般には、熱可塑性樹脂から成る合成繊維であり、加熱により軟化または溶融して繊維同士を接合することができる熱接着性繊維であるが、接着性を有する限りにおいて熱接着性繊維でなくてよく、本発明が目的とする対人用拭き取りシート用不織布を得られる限り、特に制限されることはない。
本明細書において、接着性繊維が合成繊維である場合、接着性繊維を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、下記の樹脂を例示することができる:
ポリエチレン(高密度、低密度、直鎖状低密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン系共重合体(例えば、エチレン−αオレフィン共重合体であって、エチレンが50質量%以上)、プロピレン系共重合体(例えば、プロピレン−αオレフィン共重合体であって、プロピレンが50質量%以上であり、エチレン系共重合体を除く)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等などのポリオレフィン系樹脂;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートおよびその共重合体などのポリエステル系樹脂;
ナイロン66、ナイロン12、およびナイロン6などのポリアミド系樹脂;
アクリル系樹脂;
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレンおよび環状ポリオレフィンなどのエンジニアリング・プラスチック;
それらの混合物、ならびに
それらのエラストマー系樹脂。
接着性繊維は、単一繊維であっても、複合繊維であってもよい。接着性繊維が複合繊維である場合、低融点樹脂と、低融点樹脂の融点よりも10℃以上融点が高い高融点樹脂(すなわち、低融点樹脂の融点(℃)≦高融点樹脂の融点−10(℃)を満たす2種類の樹脂)で構成され、繊維表面の少なくとも一部に低融点樹脂が露出している複合繊維であることが好ましい。
前記接着性繊維が低融点樹脂と高融点樹脂とを含む複合繊維であり、低融点樹脂の融点が100℃以上145℃以下であることが好ましく、105℃以上140℃以下であることがより好ましく、110℃以上135℃以下であることが更により好ましい。
接着性繊維が低融点樹脂と高融点樹脂とを含む複合繊維であり、低融点樹脂の融点が100℃以上120℃以下である場合、不織布の強力が出やすく、コシのある不織布に仕上がりやすいという有利な効果がある。
接着性繊維が、熱接着性の複合繊維(以下、「熱接着性複合繊維」)である場合、低融点樹脂が鞘成分であり、高融点樹脂が芯成分である、同心または偏心の芯鞘型複合繊維、二つの樹脂が貼り合わされた並列型複合繊維、低融点樹脂からなる海成分と、高融点樹脂からなる島成分で構成される海島型複合繊維、および高融点樹脂と低融点樹脂が繊維断面において交互に配置されている分割型複合繊維であってよい。繊維間の熱接着性を考慮すると、熱接着性複合繊維は芯鞘型複合繊維であることが好ましい。
熱接着性複合繊維を構成する樹脂の組み合わせ(高融点/低融点)としては、例えば、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン6/高密度ポリエチレン、ナイロン6/低密度ポリエチレン、ナイロン6/直鎖状低密度ポリエチレン、ナイロン6/ポリプロピレン、ポリ乳酸/ポリエチレン、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート、およびポリ乳酸/ポリブチレンサクシネートアジペートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
熱接着性複合繊維を構成する樹脂の組み合わせ(高融点/低融点)として、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンを好ましく用いることができ、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンをより好ましく用いることができ、これらの組み合わせを有する芯鞘型複合繊維(同心または偏心)を接着性繊維として好ましく用いることができる。これらの繊維は、比較的低い温度(110℃以上140℃以下)で接着性を示し、接着後の不織布の風合いを良好にするため好ましい。ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステルの組み合わせは、不織布の強力が出やすく、コシのある不織布に仕上がりやすいため好ましい。また、ポリプロピレン/ポリエチレンの組み合わせは、不織布の風合いが良く仕上がりやすいため好ましい。
熱接着性複合繊維が芯鞘型複合繊維である場合、複合比(芯成分と鞘成分の体積比:芯/鞘)は2/8以上、8/2以下であることが好ましい。複合比が2/8以上であると、繊維自体にコシがあり、熱加工時の耐久性に優れた熱接着性繊維となりうる。複合比が8/2以下であると、構成繊維間を熱接着した際、繊維間接着が強固なものとなり得る。熱接着性複合繊維の複合比は、2.5/7.5以上、7.5/2.5以下であってよく、3/7以上、7/3以下であってよく、3.5/6.5以上、6.5/3.5以下であってよい。
接着性繊維の繊度は特に限定されず、例えば、1.0dtex以上4.0dtex以下でありえ、1.2dtex以上3.0dtex以下でありえ、1.5dtex以上2.5dtex以下でありえる。接着性繊維の繊度が、1.0dtex以上4.0dtex以下の場合、接着点の数が適度となり得、強力が出やすく、良好な取り扱い性を付与できるため好ましい。
接着性繊維の繊維径は特に限定されず、例えば、10μm以上24μm以下でありえ、12μm以上20μm以下でありえ、14μm以上17μm以下でありえる。接着性繊維の繊維径が10μm以上24μm以下の場合、接着点の数が適度となり得、強力が出やすく、良好な取り扱い性を付与できるため好ましい。
接着性繊維の繊維長は特に限定されず、例えば、20mmを超えてよく、30mm以上76mm以下でありえ、35mm以上60mm以下であってよい。接着性繊維が、この範囲の繊維長を有する場合、後述する方法で不織布を製造するときに、カードを用いて繊維ウェブを作製するのに適する。また接着性繊維がこの範囲の繊維長を有する場合、接着点の数が適度となり得、強力が出やすく、良好な取り扱い性を付与できるため好ましい。接着性繊維の繊維長は、再生セルロース系繊維の繊維長と同じであってよく、異なっていてもよい。
本実施形態の不織布は、例えば、接着性繊維を、10質量%以上30質量%以下含み、12質量%以上28質量%以下含むことが好ましく、15質量%以上25質量%以下含むことがより好ましい。本実施形態の不織布は接着性繊維を10質量%以上含むことで、剛性が増すことによって不織布がよりヨレにくくなり得、接着性繊維を30質量%以下含むことで、柄の発現性が良好となり得、また、不織布の風合いが良好となり得る。
<その他の繊維>
本発明の実施形態の不織布は、他の繊維を含むことができ、本発明が目的とする対人用拭き取りシート用不織布を得られる限り、他の繊維は特に制限されることはない。他の繊維として、例えば、コットン、およびケナフ繊維等のセルロース系の天然繊維、シルク、およびウール等の動物由来の天然繊維、接着性繊維で繊維同士を接着させるときに接着性を示さない合成繊維等を例示できる。
合成繊維を構成し得る熱可塑性樹脂は、先に接着性繊維に関連して説明したとおりである。合成繊維は単一繊維であっても、複合繊維であってもよい。複合繊維の複合形態については先に接着性繊維に関連して説明したとおりである。他の繊維の繊度および繊維長も特に限定されない。例えば、他の繊維が天然繊維である場合には、その繊度および繊維長は、再生セルロース系繊維に関連して説明した範囲内にあってよい。あるいは、例えば、他の繊維が合成繊維である場合には、その繊度および繊維長は、接着性繊維に関連して説明した範囲内にあってよい。
<不織布の構造>
本実施形態の不織布は、上述の特定の繊度を有する第1再生セルロース系繊維、上述の特定の繊度を有する第2再生セルロース系繊維、および上述の接着性繊維を、各々特定の割合で含む。更に、繊維同士が接着性繊維によって接着されている。また、繊維同士が、交絡されていてよい。繊維同士を交絡させる方法は、例えば、ニードルパンチ処理、または高圧流体流(特に水流)交絡処理等を使用することができるが、本発明が目的とする対人用拭き取りシート用不織布を得られる限り特に制限されることはない。高圧流体流処理において、高圧流体は、例えば、圧縮空気等の高圧気体、および高圧水等の高圧液体である。不織布の製造においては、高圧流体として高圧水を用いた水流交絡処理を用いることが多く、水流交絡法で、繊維同士を交絡させることが好ましい。
本実施形態の不織布は、第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維とを含む、単層構造の不織布であり、繊維同士が接着性繊維によって接着されている。本実施形態の不織布は単層構造であり、不織布において、上記三種類の繊維がほぼ均一に混合された状態にある。かかる構成の不織布は、柄を付与する際に明瞭な柄を発生させやすく、所定の柄高さ比を得やすく好ましい。
本発明の実施形態の不織布は、表面と裏面の両方の面に凹凸が形成されている。
本発明の実施形態の不織布は、1.00以上1.50以下の柄高さ比を有する。本明細書において、柄高さ比とは、表面の凸部の高さと裏面の凸部の高さとの比(表面の凸部の高さ/裏面の凸部の高さ)をいい、具体的には実施例に記載した方法で測定することができる。なお、ここで言う「表面」および「裏面」は、凸部の高さが大きい方を表面、凸部の高さが小さい方を裏面として良い。
柄高さ比は、1.05以上1.45以下であることがより好ましく、1.10以上1.40以下であることが更により好ましい。柄高さ比が、1.00以上1.50以下である場合、不織布同士の間の摩擦係数、より具体的には静摩擦係数が大きくなる傾向にある。従って、不織布同士を重ねて使用する場合、1枚の不織布を折り重ねて使用する場合などにおいて、不織布同士がずれにくく、使用感がより向上する傾向にある。柄高さ比は水流交絡により与えられることがエンボスロール等の押圧処理による柄の付与と比べて不織布自体の厚さが保持されやすく好ましい。
本発明の実施形態の不織布は、不織布の少なくとも一方の表面における凸部高さが0.16mm以上であることが好ましく、0.17mm以上であることがより好ましく、0.18mm以上であることがさらに好ましい。また、本発明の実施形態の不織布は、不織布の両方の表面における凸部高さが0.16mm以上であることが好ましく、0.17mm以上であることがより好ましく、0.18mm以上であることがさらに好ましい。不織布の少なくとも一方の表面における凸部高さが0.16mm以上であると、不織布同士を重ねて使用する場合、1枚の不織布を折り重ねて使用する場合などにおいて、不織布同士がずれにくく、使用感がより向上する傾向にあるため好ましい。また、不織布の両方の表面における凸部高さが0.16mm以上であると、特に、不織布同士を重ねて使用する場合、1枚の不織布を2回以上折り重ねて使用する場合などにおいて、不織布同士がずれにくく、使用感がより向上する傾向にあるため好ましい。
本発明の実施形態の不織布は、不織布の少なくとも一方の表面における凸部高さが0.43mm以下であることが好ましく、0.37mm以下であることがより好ましく、0.31mm以下であることがさらに好ましい。また、本発明の実施形態の不織布は、不織布の両方の表面における凸部高さが0.43mm以下であることが好ましく、0.37mm以下であることがより好ましく、0.31mm以下であることがさらに好ましい。不織布の少なくとも一方の表面における凸部高さが0.43mm以下であると、拭き取る際に肌に刺激や痛みを生じにくくなるため好ましく、特に不織布の両方の表面における凸部高さが0.43mm以下であると、拭き取る際に肌に刺激や痛みをより生じにくくなるため好ましい。
不織布全体の目付は、対人用拭き取りシートが具体的に適用される用途等に応じて適宜決定される。例えば、不織布の目付は、30g/m2以上50g/m2以下の範囲内にあってよく、35g/m2以上45g/m2以下の範囲内にあってよい。不織布の目付が、30g/m2以上50g/m2以下の範囲内の場合、柄が両方の表面に明瞭に発現しやすく好ましい。
本実施形態において、不織布の密度は、好ましくは0.050g/cm3以上0.100g/cm3以下、より好ましくは0.055g/cm3以上0.095g/cm3以下、さらに好ましくは0.058g/cm3以上0.090g/cm3以下、最も好ましくは0.060g/cm3以上0.068g/cm3以下の範囲内にあってよい。ここで、密度は、294Paの荷重を加えて測定される厚さから求められる値である。密度がこの範囲内にある不織布は、しなやかに折れ曲がれやすくなりえるという優れた効果を奏し得る。
本実施形態において、不織布の剛軟度は、好ましくは40cN以上80cN以下、より好ましくは45cN以上70cN以下、さらにより好ましくは63cN以上70cN以下の範囲内にあってよい。ここで、剛軟度は、後述する実施例に記載の方法で測定される値である。剛軟度がこの範囲内にある不織布は、拭き取りの際に不織布のヨレや丸まりを低減しやすく好ましい。本実施形態において、不織布の単位目付あたりの剛軟度(剛軟度/目付)は、好ましくは1.1cN/(g/m2)以上2.0cN/(g/m2)以下、より好ましくは1.2cN/(g/m2)以上1.9cN/(g/m2)以下、さらにより好ましくは1.6cN/(g/m2)以上1.8cN/(g/m2)以下の範囲内にあってよい。ここで、不織布の単位目付あたりの剛軟度(剛軟度/目付)は、後述する実施例に記載の方法で測定される値である。不織布の単位目付あたりの剛軟度(剛軟度/目付)がこの範囲内にある不織布は、拭き取りの際に不織布のヨレや丸まりを低減しやすく好ましい。
本実施形態において、不織布同士の静摩擦係数は、好ましくは1.70以上3.50以下、より好ましくは1.80以上3.00以下、最も好ましくは1.90以上2.50以下の範囲内にあってよい。ここで、不織布同士の静摩擦係数は、後述する実施例に記載の方法で測定される値である。不織布同士の静摩擦係数がこの範囲内にある不織布は、2枚の不織布を重ねて使用した場合、又は、1枚の不織布を折り重ねて使用した場合に不織布同士が滑りにくく好ましい。
本実施形態において、不織布−肌の動摩擦係数の変動係数は、好ましくは0.050以上0.098以下、より好ましくは0.060以上0.095以下、最も好ましくは0.070以上0.092以下の範囲内にあってよい。ここで、不織布−肌の動摩擦係数の変動係数は、後述する実施例に記載の方法で測定される値である。不織布−肌の動摩擦係数の変動係数がこの範囲内にある不織布は、拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じにくく好ましい。
本実施形態の不織布は、例えば、第1再生セルロース系繊維を、50質量%以上80質量%以下含み、第2再生セルロース系繊維を、5質量%以上25質量%以下含み、接着性繊維を、10質量%以上30質量%以下含み、
第1再生セルロース系繊維を、55質量%以上75質量%以下含み、第2再生セルロース系繊維を、7質量%以上23質量%以下含み、接着性繊維を、12質量%以上28質量%以下含むことが好ましく、
第1再生セルロース系繊維を、60質量%以上70質量%以下含み、第2再生セルロース系繊維を、10質量%以上20質量%以下含み、接着性繊維を、15質量%以上25質量%以下含むことがより好ましい。
本実施形態の不織布においては、繊維同士が接着性繊維により接着されている。繊維同士が接着されていることにより、不織布の強度が向上し得る。繊維同士の接着は、接着性繊維の一部が熱により溶融または軟化することにより接着点を形成する、熱接着であってよい。電子線等の照射、または超音波溶着による接着であってよい。
本実施形態の不織布においては、両方の表面に凹凸(柄)が形成されている。本実施形態では、不織布の表面に凹凸を形成することによって、不織布を折りたたんだ際または2枚の不織布を重ねた際に凹凸同士が引っかかり、不織布同士が滑りにくいという効果を奏する。
表面の凹凸は、上述の柄高さ比の範囲内であれば、特に制限されることはないが、後述する、いわゆる杉綾柄であることが好ましい。
凹凸は、不織布の圧密化により凹部を形成して得られるものであってよい。あるいは、後述するように、適切な支持体を用いた高圧水流処理によって、繊維密度が小さい部分と、繊維密度が大きい部分とを形成して、凹凸を得てもよい。繊維密度の小さい部分は一般に厚さが小さいため、凹部となり、繊維密度の大きい部分は一般に厚さが大きいため、凸部となる。また、凹部には開口部が形成されていてもよい。開口部もまた、本明細書でいう凹部または低繊維密度領域である。
凹凸を、繊維密度が大きい部分(凸部)と繊維密度が小さい部分(凹部)とにより形成する場合、凹凸は、凹部が規則的に繰り返し形成され、凹部と凹部との間に繊維密度が大きく厚い部分(凸部)が形成された形態であってよい。その場合、凹部の形状は、正方形、長方形、ひし形、三角形、六角形、もしくはその他の多角形、円形、または楕円形であってよい。
凹凸は、図1に示すように、凹部となる繊維密度の小さい部分(低繊維密度領域)2aが不織布の機械方向(以下、MD方向という)に対して5〜60゜の角度で存在したMD方向に延びるパターン(A)列と、パターン(A)列を反転させたMD方向に延びるパターン(B)列とがMD方向に直交する方向(以下、CD方向という)に交互に繰り返して存在し、かつ隣り合う低繊維密度領域2aの間に、凸部となる繊維密度の大きい部分(高繊維密度領域)2bが形成されて、低繊維密度領域2aと高繊維密度領域2bとが不織布のMD方向において交互に繰り返して存在している形態であってよい。このような凹凸において、低繊維密度領域2aには、開口部が形成されていてよい。開口部の形状は、例えば、円形、楕円形、ひし形、または長方形である。開口部の大きさ(面積)は、直径0.2mm〜2mmの円に相当する大きさ(面積)であることが好ましい。直径が2mmを超えると、拭き取った汚れ等が開口部を介して手指に付着することがある。
このようなパターンにおいては、凹部(低繊維密度領域)の占める割合が比較的大きくなるため、このパターンを有する不織布の凹部へ、もう一つの不織布の凸部が入り込みやすく、それにより2枚の不織布同士がそれらの接触面で滑りにくいという効果を奏する。更に、一枚の不織布を半分に折った場合、折り重なった面で滑りにくいという効果を奏する。また、凹部と凸部(高繊維密度領域)とが斜め方向に交互に配置されているため、不織布に加わる力の方向の違いに起因する、汚れの拭き取りやすさの差が小さい。
図1に示すような凹凸パターンにおいて、低繊維密度領域の幅d1および高繊維密度領域の幅d2のうち少なくとも一方が0.2mm〜3mmの範囲内にあってよく、d1/d2は0.2〜1.2であってよい。また、パターン(A)列およびパターン(B)列の幅dは、10mm〜50mmであってよい。図1においては、A列とB列の幅が等しいが、A列とB列の幅は互いに異なっていてよい。図1に示す凹凸パターン(柄)を、杉綾柄ともいう。
凹凸はあるいは、凹部と凸部とが不織布のCD方向またはMD方向において交互に配置された、ストライプ状のものであってよい。ストライプは、直線状の凹部と凸部とが交互に配置された形態であってよく、あるいは波形の凹部と凸部とが交互に配置された形態であってよい。ストライプ状の凹凸において、凹部および凸部の幅(交互に配置される方向と平行な方向の寸法)は、0.5mm〜5mmであることが好ましく、1mm〜3mmであることがより好ましい。ストライプ状の凹凸においても、凹部に開口部が形成されていてもよい。
<不織布の製造方法〉
本発明の実施形態の不織布の製造方法は、目的とする対人用拭き取りシートの基材として使用できる不織布を得られる限り、特に制限されることなく、いずれの製造方法を用いて製造してもよい。
そのような製造方法として、例えば、下記の製造方法を例示できる。
(a)1.5dtex以上1.9dtex以下の繊度を有する第1再生セルロース系繊維、2.0dtex以上2.4dtex以下の繊度を有する第2再生セルロース系繊維、および接着性繊維を、50質量%以上80質量%以下、5質量%以上25質量%以下、および10質量%以上30質量%以下の量で、各々含む繊維ウェブを準備すること;
(b)繊維ウェブの表面と裏面の両方の面に凹凸を形成して、繊維ウェブに、1.00以上1.50以下の柄高さ比を与えること;及び
(c)接着処理を施して、接着性繊維により繊維同士を接着させること
を含む。
上述の製造方法について、第1再生セルロース系繊維、第2再生セルロース系繊維、および接着性繊維、不織布等について、本明細書の記載を参照することができる。
繊維ウェブは、カードウェブであることが好ましい。カードウェブを用いると、例えば湿式抄紙ウェブを用いるときと比較して、不織布において繊維間空隙をある程度確保でき、嵩の大きい不織布を得やすくなる。カードウェブとして、パラレルウェブ、クロスウェブ、クリスクロスウェブ、セミランダムウェブ、およびランダムウェブが挙げられる。
繊維ウェブを製造後、繊維ウェブに、1.00以上1.50以下の柄高さ比を与える。
柄高さ比を繊維ウェブに与える前に、繊維の交絡処理をすることができる。交絡処理は、後述する水流交絡処理、ニードルパンチ処理、または水蒸気流処理で行うことができる。
繊維ウェブを支持体に配置して、これに柱状水流を噴射して繊維同士を交絡させながら、柄高さ比を与えることができる。柱状水流により繊維同士を交絡させる処理は、水流交絡処理またはウォータージェット処理と称される。また、水流交絡処理によれば、触感が良好であり、地合の良好な不織布を得ることができる。
水流交絡処理条件は、処理対象となる繊維ウェブの目付、および支持体の搬送速度等に応じて適宜設定される。例えば、水流交絡処理は、孔径0.05mm〜0.5mmのオリフィスが0.3mm〜1.5mmの間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa以上10MPa以下の柱状水流を、繊維ウェブの一方の面にのみ1〜5回噴射することにより、あるいは繊維ウェブの両方の面にそれぞれ1〜5回ずつ噴射することにより実施してよい。水圧は、好ましくは2MPa以上7MPa以下であり、より好ましくは2MPa以上6MPa以下である。水圧が高すぎないことで、柄高さ比が1.00以上1.50以下である不織布を得やすくなり、また、拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じにくい不織布を得やすくなる。柱状水流の噴射回数は合計で5回以下であることが好ましい。柱状水流の噴射回数は、例えば繊維ウェブの一方の表面に1回、もう一方の表面に1回、模様を形成する際に1回噴射した場合は、柱状水流の噴射回数は合計で3回である。柱状水流の噴射回数が合計で5回以下であると、柄高さ比が1.00以上1.50以下である不織布を得やすくなり、また、拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じにくい不織布を得やすくなる。
あるいは、水流交絡処理条件は、柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和が0.05kWh/kg/m以上1.5kWh/kg/m以下となるように、水圧、噴射回数および搬送速度等を選択して実施してよく、より好ましくはエネルギー(E)の総和が0.08kWh/kg/m以上1.0kWh/kg/m以下とすると良く、さらに好ましくは0.10kWh/kg/m以上0.70kWh/kg/m以下とすると良い。柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギーが高すぎないことで、柄高さ比が1.00以上1.50以下である不織布を得やすくなり、また、拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じにくい不織布を得やすくなる。Eは、下記の式によって求められる。
E=W×N×T/(M/1000×U×60)/1000
E:1kg当たりの繊維ウェブに対し、1m幅当たりに1時間で印加するエネルギー(kWh/kg/m)
W:ノズルのオリフィス1孔当たりの流体の仕事率(W)
N:ノズルに1m幅当たりに開いているオリフィス数
T:噴射回数
M:水流交絡処理対象の目付(g/m
U:搬送速度(m/分)
上記式におけるW(ノズルのオリフィス1孔当たりの流体の仕事率)は、下記の式によって求められる。
W=P1×(F/100)×0.163
W:ノズルのオリフィス1孔当たりの流体の仕事率(W)
P1:水圧(kgf/cm
F:ノズルの1つのオリフィスから吐出される水の流量(cm/分)
上記式におけるF(ノズルの1つのオリフィスから吐出される水の流量)は、下記の式によって求められる。
F=S×V
F:ノズルの1つのオリフィスから吐出される水の流量(cm/分)
S:ノズルの1つのオリフィスから吐出される流体の面積(mm
V:ノズルから吐出される流体の流速(m/分)
上記式におけるV(ノズルから吐出される流体の流速)は、下記の式によって求められる。
V=(20×g×(P1−P2)/ρ)1/2×60
V:ノズルから吐出される流体の流速(m/分)
g:重力加速度、9.8m/s
P1:流体の水圧(kgf/cm
P2:大気圧(kgf/cm
ρ:流体の密度(g/cm
E等の決定方法についての詳細は、特許第4893256号公報に記載されている。
また、水流交絡処理条件は、繊維ウェブに柄高さ比を与える際において柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和が0.01kWh/kg/m以上0.70kWh/kg/m以下となるように、水圧、噴射回数および搬送速度等を選択して実施してよく、より好ましくはエネルギー(E)の総和が0.02kWh/kg/m以上0.50kWh/kg/m以下とすると良く、さらに好ましくは0.03kWh/kg/m以上0.30kWh/kg/m以下とすると良い。
本実施形態においては、柱状水流の噴射を少なくとも1回、上述の範囲の柄高さ比を与えることが可能な支持体に繊維ウェブを載せて実施する。そのような支持体として、例えば、杉綾織り構造の支持体を例示できる。杉綾織り構造の支持体を用いると、図1に示すような凹凸を得ることができる。杉綾織りの支持体は、好ましくは経糸(モノフィラメント)の線径が0.1〜2mm、経糸密度が5〜250本/インチ、緯糸(モノフィラメント)の線径が0.1〜2mm、緯糸密度が5〜250本/インチであるものである。またその他の支持体として、スパイラル織り構造の支持体を例示できる。スパイラル織りの支持体は、好ましくはスパイラル線(モノフィラメント)の線径が0.5〜4mm、スパイラルピッチが1〜20mm、ロット線(モノフィラメント)の線径が0.5〜4mm、ロットピッチが2〜7mmであるものである。スパイラル織り構造の支持体は、スパイラル線がロット線を2本以上巻き込んで織られたものでもよい。
前記繊維ウェブに柄高さ比を与えることは、凹凸を形成することが可能な支持体(例えば、杉綾織り構造の支持体、スパイラル織り構造の支持体等)に前記繊維ウェブを置いて柱状水流により繊維同士を交絡させる水流交絡処理を含み、前記支持体が杉綾織り構造の支持体であることが好ましい。
水流交絡処理後、繊維ウェブを乾燥処理に付した後、接着処理を実施して、接着性繊維で繊維同士を接着させることができる。接着処理は、熱接着処理であってよく、あるいは、電子線照射による接着、または超音波溶着であってよい。接着処理が熱接着処理である場合、水流交絡処理後の繊維ウェブの乾燥処理と、熱接着のための熱処理とを同時に実施してよい。熱処理は、熱接着性繊維が溶融または軟化して、熱接着性を示す温度にて実施することができる。熱処理温度は、熱接着性繊維の熱接着成分(複合繊維の場合は低融点樹脂)の融点に応じて、その融点よりも3℃〜15℃程度、高い温度にて実施することができる。例えば、熱接着成分が高密度ポリエチレンである場合には、熱処理温度は135℃〜145℃としてよい。例えば、熱接着成分が共重合ポリエステル(例えば、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート)である場合には、熱処理温度は110℃〜145℃としてよい。
熱処理は、例えば、熱風を吹き付ける熱風加工処理、熱ロール加工(熱エンボスロール加工)、または赤外線を使用した熱処理である。熱風加工処理は、所定の温度の熱風を繊維ウェブに吹き付ける装置、例えば、熱風貫通式熱処理機、および熱風吹き付け式熱処理機を用いて実施してよい。不織布の嵩をできるだけ大きくするためには、熱風加工処理が好ましく実施される。熱風加工処理によれば、比容積の減少を比較的抑制できる。
別の実施形態の製造方法において、繊維同士の交絡はニードルパンチ処理、または水蒸気流処理によって実施してよい。また、柄高さ比(凹凸)は、交絡処理を施した繊維ウェブに、熱エンボス加工を施すことにより形成してよい。その場合、圧密された繊維密度の高いエンボス部が凹部となり、エンボスされていない凹部の周囲の繊維密度の低い領域が凸部となる。
<対人用拭き取りシート>
本発明は、上述の実施形態の不織布、または上述の製造方法により得られる不織布を含む対人用拭き取りシートを提供することができ、例えば不織布に液体(又は流体)を含浸させて対人用拭き取りシートを得ることができる。対人用拭き取りシートに含まれる液体は、それが人体から拭い取る対象物(例えば、メイク、汗、マニキュア、***物等)に応じて適宜選択される。液体の含浸量は、例えば、不織布100質量部に対し、100質量部以上700質量部以下としてよく、好ましくは200質量部以上500質量部以下であり、より好ましくは250質量部以上400質量部以下である。シートが拭い取る対象物に応じて、液体には、例えば、固形分が含まれていてよい。例えば、固形分は汗拭きシートにおいては、汗を吸収する制汗パウダーであってよい。
対人用拭き取りシートは、例えば、乳幼児用または成人用のおしり拭き、経血拭き、化粧落とし用シート、洗顔シート、汗拭きシート、およびネイルリムーバー等である。本実施形態の対人用拭き取りシートは、特に、顔、腕、足、首筋、および脇等に付着した汗を拭き取るために用いる、汗拭きシートに適する。本実施形態のシートは適度なコシを有していてシートがヨレにくく、汗を拭き取るときに比較的強い力を加えても、シートが丸まりにくく、拭き取りがしやすい。また、汗拭きシートに含浸されている液体には、一般には制汗用のパウダーを含むことができ、拭き取りの際には、これを同時に皮膚に付着させることができる。本実施形態のシートは、折りたたんで使用しても、または2枚重ねて使用したとしても、シート間の接触面でずれを生じにくく、使用感がより良好でありえる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本実施例で使用する繊維として以下のものを用意した。
レーヨン繊維A:繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)。
レーヨン繊維B:繊度2.2dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)。
レーヨン繊維C:繊度1.4dtex、繊維長44mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)。
接着性繊維D:繊度2.2dtex(繊維径14.4μm)、繊維長51mmの同心芯鞘型複合繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯鞘比が50:50)(商品名:サフメットT9611、東レ(株)製)。
接着性繊維E:繊度1.7dtex(繊維径15.4μm)、繊維長51mmの同心芯鞘型複合繊維(芯成分:ポリプロピレン(融点163℃)、鞘成分:高密度ポリエチレン(融点133℃)、芯鞘比が50:50)(商品名:NBF(H)、ダイワボウポリテック(株)製)。
レーヨン繊維F:繊度3.3dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)。
溶剤紡糸セルロース繊維G:1.7dtex、繊維長38mmの溶剤紡糸セルロース繊維(商品名:リヨセル、レンツィング社製)。
(実施例1)
表1に示す割合で繊維を混合して、パラレルカード機を用いて、ウェブ狙い目付約40g/mでパラレル短繊維ウェブを作製した。
短繊維ウェブを90メッシュの平織の支持体に載置して、4m/分の速度で搬送しつつ、一方の表面の側から1.5MPaの水圧の柱状水流を1回噴射し、続いてもう一方の表面の側から2.0MPa水圧の柱状水流を1回噴射する水流交絡処理を行った。水流交絡処理で使用したノズルは、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルであり、処理中、ノズルと繊維ウェブとの間の間隔は20mmとした。
さらに、杉綾模様を形成するための支持体として、経糸(モノフィラメント)の線径0.4mm、緯糸(モノフィラメント)の線径0.8mm、織り密度64/18(本/inch)の3/1杉綾織りネットを用意し、繊維ウェブを載置して、先程と同じノズルを用いてウェブの一方の表面の側から1.5MPaの水圧の柱状水流を1回噴射して、水流交絡処理を行った。柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和は0.38kWh/kg/mであった。また、杉綾模様を形成する際における柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和は0.11kWh/kg/mであった。
次いで、水流交絡処理後の繊維ウェブを、135℃に設定した熱風貫通式熱処理機を用いて、乾燥処理と熱処理を同時に1分間行った。熱処理により接着性繊維の鞘成分のみを溶融させて、鞘成分によって構成繊維同士を熱接着させて実施例1の不織布を得た。なお、杉綾模様を形成する水流交絡処理の際に支持体と接触していた面を不織布の表面、反対側を不織布の裏面とする。
得られた不織布は図1に示すような凹凸であって、凹部の幅が1mm、凸部の幅が1.7mmであり、凹部および凸部が共にMD方向に対して23°の角度で存在し、図1に示す幅dが27mmである凹凸が形成された。
(実施例2、比較例3、4、5、7)
繊維の種類および割合を表1及び2に示すとおりにしたことを除いて、実施例1で採用した条件と同じ条件で水流交絡処理、乾燥及び熱処理を実施して実施例2、比較例3、4、5、7の各々の不織布を得た。
(比較例1)
模様を形成するための支持体として、経糸(モノフィラメント)の線径0.9mm、緯糸(モノフィラメント)の線径1.0mm、織り密度9/10(本/inch)の平織りネットであって、経糸を2本ずつ同じ状態に並べて緯糸を1本ずつ打ち込んだもの(波状凸部模様)に変更した以外は、実施例1で採用した条件と同じ条件で水流交絡処理、乾燥及び熱処理を実施して比較例1の不織布を得た。
得られた不織布は図2に示すような、MD方向に連続し、波長(d5a)が5.9mm、幅(d5b)が1.7mmである波状凸部(5a)が形成され、前記波状凸部はCD方向に隣り合う波状凸部同士の間隔が2.0mm〜5.2mmになるように配置されていた。なお、CD方向に隣り合う前記波状凸部間には長軸の長さが5.2mmの楕円状凹部(5b)が形成され、MD方向に隣り合う前記楕円状凹部同士を連結する、幅2.0mmの連結凹部(5c)が形成された。
(比較例2)
繊維の種類および割合を表1に示すとおりにしたことを除いて、比較例1で採用した条件と同じ条件で水流交絡処理、乾燥及び熱処理を実施して比較例2の不織布を得た。
(比較例6)
実施例1の水流交絡処理において、以下のように変更したことを除いて、実施例1と同様の方法を用いて比較例6の不織布を得た。
(水流交絡処理)
短繊維ウェブを90メッシュの平織の支持体に載置して、5m/分の速度で搬送しつつ、一方の表面の側から3.0MPaの水圧の水流を1回、4.0MPaの水圧の水流を1回噴射し、続いてもう一方の表面の側から5.0MPa水圧の水流を1回噴射する水流交絡処理を行った。水流交絡処理で使用したノズルは、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルであり、処理中、ノズルと繊維ウェブとの間の間隔は20mmとした。
さらに、杉綾模様を形成するための支持体として、経糸(モノフィラメント)の線径0.4mm、緯糸(モノフィラメント)の線径0.8mm、織り密度64/18(本/inch)の3/1杉綾織りネットを用意し、繊維ウェブを載置して、先程と同じノズルを用いてウェブの一方の表面の側から3.0MPaの水圧の水流を1回、4.0MPaの水圧の水流を1回、5.0MPaの水圧の水流を1回噴射して、水流交絡処理を行った。柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和は2.3kWh/kg/mであった。また、杉綾模様を形成する際における柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和は1.2kWh/kg/mであった。
(比較例8)
繊維の種類および割合を表2に示すとおりにしたことを除いて、比較例6で採用した条件と同じ条件で水流交絡処理、乾燥及び熱処理を実施して比較例8の不織布を得た。
各不織布の各物性は以下の方法により測定した。
[厚さ、密度、厚さ変化率]
不織布の厚さは、厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、294Paまたは1.96kPaの荷重を加えた状態で測定した。
密度は、不織布の目付と294Pa荷重時の厚さとから計算により求めた。
厚さ変化率(%)は294Pa荷重時の厚さと、1.96kPa荷重時の厚さとから、次の式を用いて算出した。
厚さ変化率(%)=(294Pa荷重時の厚さ−1.96kPa荷重時の厚さ)/294Pa荷重時の厚さ×100
[剛軟度]
不織布の剛軟度は、JIS L 1096:2010 8.21.5 E法(ハンドルオメータ法)に準じて測定した。具体的には、次の手順で測定した。
縦:20cm、横:20cmの試料片を試料台の上に、試料片の測定方向がスロット(隙間幅10mm)と直角になるように置く。
次に、試料台の表面から8mmまで下がるように調整されたペネトレータのブレードを下降させ、試料片を押し込んだとき、いずれか一方の辺から6.7cm(試料片の幅の1/3)の位置で、縦方向及び横方向それぞれ表裏異なる個所について、押し込みに対する抵抗値を読み取る。抵抗値として、マイクロアンメータの示す最高値(cN)を読み取る。4辺の最高値の合計値を求めて3回の平均値を算出して、当該試料の剛軟度(cN)とする。
また、不織布の単位目付あたりの剛軟度(剛軟度/目付)は、剛軟度(cN)を不織布の目付(g/m2)で割って求める。
[強伸度(引張強さ、伸び率、10%伸長時応力)]
JIS L 1913:2010 6.3に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅50mm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、乾燥時(標準時)及び湿潤時における、切断時の荷重値(引張強さ)、伸び率、ならびに10%伸長時応力を測定した。引張試験は、不織布の縦方向(MD方向)および横方向(CD方向)を引張方向として実施した。評価結果はいずれも3点の試料について測定した値の平均で示している。
[柄高さ比、凸部高さ]
不織布を光学顕微鏡で150倍に拡大し、不織布の断面を観察し、不織布の表面の凸部の高さと、同一箇所における不織布の裏面の凸部の高さを測定した。高さの基準は測定対象となる凸部の隣に位置する不織布の凹部の不織布の厚さについて厚さ方向における中間地点をゼロ点とした。測定した表面の凸部高さを裏面の凸部高さで割って、柄高さ比とした。柄高さ比は11箇所の凸部について測定し、その平均で示している。また、表面及び裏面の凸部高さについて、それぞれ11箇所の平均値を表面及び裏面の凸部高さとした。
[静摩擦係数(不織布同士)]
静摩擦係数は、静・動摩擦測定機(トライボマスターTL201Ts、株式会社トリニティラボ製)を用いて測定した。試料片として5cm×10cmの不織布と7cm×10cmの不織布を1枚ずつ用意した。なお試料片は不織布のMD方向が長辺となるものとCD方向が長辺となるものをそれぞれ用意した。測定機の接触端子には触覚接触子(株式会社トリニティラボ製)を使用した。1枚の試料片(5cm×10cm)を測定機(テーブル摺動型)の測定テーブルに固定し、また、もう1枚の試料片(7cm×10cm)を接触端子に取り付け(接触面積5.0cm×6.5cm)、2枚の試料片を不織布の表面同士を接触させて、荷重10gf、速度10mm/sec、距離30mmで往復2回移動させ評価した。2往復目の往の動き出しの数値と復の動き出しの数値との平均値を、1つの試料片の静摩擦係数とした。MD方向を長辺とした試験片について6回、CD方向を長辺とした試験片について6回測定を行い、12回の測定値の平均値を、各実施例及び比較例の不織布の表面の静摩擦係数μsとした。
また、測定の際に2枚の試料片を不織布の裏面同士を接触させて測定を行い、同様にして不織布の裏面の静摩擦係数μsを測定した。
[動摩擦係数の変動係数(不織布−肌)]
上述した静摩擦係数の測定において、7cm×10cmの試料片は使用せず、測定テーブルに固定した試料片と、人の肌を想定した接触端子(触覚接触子(株式会社トリニティラボ製))とを接触させて動摩擦係数の変動係数を測定した。具体的には、荷重10gf、速度10mm/sec、距離30mmで往復2回移動させ、2往復目の数値を読み取り、往の数値と復の数値との平均値を、1つの試料片の動摩擦係数とした。MD方向を長辺とした試験片について6回、CD方向を長辺とした試験片について6回測定を行い、12回の測定値の平均値を、各実施例及び比較例の動摩擦係数μkとした。そして、測定の際に得られた動摩擦係数の標準偏差σと上述した動摩擦係数の平均値μkとから、下記の式に従って不織布の表面の動摩擦係数の変動係数CVを求めた。
動摩擦係数の変動係数CV=σ/μk
なお試料片の表面と接触端子とを接触させた際の測定値を表面の測定結果とし、試料片の裏面と接触端子とを接触させた際の測定値を裏面の測定結果とした。
[官能試験(ヨレにくさ、丸まりにくさ、滑りにくさ、肌への刺激・痛さ]
10cm×15cm(MD方向×CD方向)の試料片を用意し、試料片100質量部に300質量部の蒸留水を含浸させた。試料片を表面が外側となるようにMD方向に沿って二つ折りにし、手の甲について5往復拭き取りを行った。手の甲の水分を除去した後、試料片を開き、試料片を裏面が外側となるようにMD方向に沿って二つ折りにし、手の甲について5往復拭き取りを行った。
官能試験は3名で行い、「ヨレにくさ、丸まりにくさ、滑りにくさ」について下記の観点に基づいて点数評価を行い、3名の平均点(小数点第1位を四捨五入)を算出した。
5点:不織布同士が滑らず、不織布のヨレ・丸まりがない
4点:不織布同士が滑らず、不織布のヨレ・丸まりが少しある
3点:不織布同士が拭き取り中に少し滑り、不織布のヨレ・丸まりが少しある
2点:不織布同士が拭き取り開始後すぐに滑り、不織布のヨレ・丸まりがある
1点:不織布同士が拭き取り開始後すぐに滑り、不織布のヨレ・丸まりが大きくある
また、拭き取り中に1名以上が肌に痛みを感じた場合は、「肌への刺激・痛み」について「あり」とし、それ以外は「なし」とした。












































Figure 2021123819



Figure 2021123819































Figure 2021123819

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「ヨレにくいこと」及び「丸まりにくいこと」を向上させるためには、ある程度剛性を高めることが必要であり、それは、剛軟度を高めることと対応すると考えられる。
一方、「不織布同士が滑りにくいこと」を向上させるためには、不織布同士の摩擦係数を高めることが必要で有り、それは、不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数をある程度高めることと対応すると考えられる。
従って、全体的に、剛軟度を高めつつ、不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数をある程度高めることが必要と考えられる。
実施例1と比較例1を比べると、柄高さ比について相違する。実施例1の不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数は、比較例1の不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数より、大きくなる傾向にある。官能試験では、実施例1の不織布同士の滑りが少ないのに対し、比較例1の不織布同士が滑る。この結果に、不織布の柄高さ比が影響していると推測される。
実施例2と比較例2を比べると、柄高さ比について相違する。実施例2の不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数は、比較例2の不織布同士の表−静摩擦係数と裏−静摩擦係数より、大きくなる傾向にある。官能試験では、実施例2の不織布同士の滑りが少ないのに対し、比較例2の不織布同士が滑る。この結果に、不織布の柄高さ比が影響していると推測される。
実施例1と比較例3を比べると、第2再生セルロース系繊維の使用の有無について相違する。実施例1の不織布の剛軟度は、比較例3の不織布の剛軟度より、大きくなる傾向にある。官能試験では、実施例1の不織布はヨレや丸まりが少なく、比較例3の不織布はヨレや丸まりがある。この結果に、剛軟度、さらに第2再生セルロース系繊維の使用の有無が影響していると推測される。
実施例2と比較例4を比べると、第2再生セルロース系繊維の使用の有無について相違する。実施例2の不織布の剛軟度は、比較例4の不織布の剛軟度より、大きくなる傾向にある。官能試験では、実施例2の不織布はヨレや丸まりが少なく、比較例4の不織布はヨレや丸まりがある。この結果に、剛軟度、さらに第2再生セルロース系繊維の使用の有無が影響していると推測される。
更に、実施例2と比較例5を比べると、第2再生セルロース系繊維について相違する。実施例2の不織布の剛軟度は、比較例5の不織布の剛軟度より、大きくなる傾向にある。官能試験では、実施例2の不織布はヨレや丸まりが少なく、比較例5の不織布はヨレや丸まりがある。この結果に、剛軟度、さらに第2再生セルロース系繊維の繊度の違いが影響していると推測される。
実施例1と比較例6を比べると、柄高さ比について相違する。実施例1の不織布と肌との動摩擦係数の変動係数は、比較例6の不織布と肌との動摩擦係数の変動係数より、小さくなる傾向にある。官能試験では、実施例1の不織布を使用すると拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じないのに対し、比較例6の不織布を使用すると肌に刺激や痛みを生じる。この結果に、不織布と肌との動摩擦係数の変動係数が影響していると推測される。
実施例1と比較例7を比べると、第2再生セルロース系繊維の繊度について相違する。官能試験では、実施例1の不織布同士の滑りが少ないのに対し、比較例7の不織布同士が滑る。この結果に、第2再生セルロース系繊維の繊度の大きさが影響していると推測される。
実施例1と比較例8を比べると、第2再生セルロース系繊維の繊度について相違し、柄高さ比について相違する。実施例1の不織布と肌との動摩擦係数の変動係数は、比較例8の不織布と肌との動摩擦係数の変動係数より、小さくなる傾向にある。官能試験では、実施例1は拭き取りの際に肌に刺激や痛みを生じないのに対し、比較例8は肌に刺激や痛みを生じる。この結果に、不織布と肌との動摩擦係数の変動係数が影響していると推測される。
本発明は、例えば、2枚の不織布を重ねて使用したとしても、又は1枚の不織布を折り重ねて使用したとしても、使用感及び取扱い性がより良好な不織布及びその不織布を含む対人用拭き取りシートを提供することができる。本発明の実施形態の不織布は、対人用拭き取りシートを製造するために好適に使用することができる。
2a 凹部(低繊維密度領域)
2b 凸部(高繊維密度領域)
5a 波状凸部
5b 楕円状凹部
5c 連結凹部
d5 波状凸部の波長
d5 波状凸部の幅

Claims (11)

  1. 第1再生セルロース系繊維と、第2再生セルロース系繊維と、接着性繊維とを含む、対人用拭き取りシート用不織布であって、
    前記不織布は単層構造であり、
    前記第1再生セルロース系繊維の繊度が1.5dtex以上1.9dtex以下であり、
    前記第2再生セルロース系繊維の繊度が2.0dtex以上2.4dtex以下であり、
    前記不織布は第1再生セルロース系繊維を50質量%以上80質量%以下含み、
    前記不織布は第2再生セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下含み、
    前記不織布は前記接着性繊維を10質量%以上30質量%以下含み、
    前記不織布において、繊維同士が前記接着性繊維によって接着されており、
    前記不織布は、表面と裏面の両方の面に凹凸が形成されており、
    前記不織布は、以下の試験による1.00以上1.50以下の柄高さ比を有する、
    対人用拭き取りシート用不織布。
    (柄高さ比)
    不織布を光学顕微鏡で150倍に拡大し、不織布の断面を観察し、不織布の表面の凸部の高さと、同一箇所における不織布の裏面の凸部の高さを測定する。高さの基準は測定対象となる凸部の隣に位置する不織布の凹部の不織布の厚さについて厚さ方向における中間地点をゼロ点とする。測定した表面の凸部高さを裏面の凸部高さで割って、柄高さ比とする。柄高さ比は11箇所の凸部について測定し、その平均で示す。
  2. 前記不織布の繊維は、交絡している、請求項1に記載の対人用拭き取りシート用不織布。
  3. 前記不織布の目付が、30g/m以上50g/m以下である、請求項1又は2に記載の対人用拭き取りシート用不織布。
  4. 不織布は、杉綾模様を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の対人用拭き取りシート用不織布。
  5. 前記第1再生セルロース系繊維と第2再生セルロース系繊維が、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジック、およびアセテートから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の対人用拭き取りシート用不織布。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布を含む、対人用拭き取りシート。
  7. (a)1.5dtex以上1.9dtex以下の繊度を有する第1再生セルロース系繊維、2.0dtex以上2.4dtex以下の繊度を有する第2再生セルロース系繊維、および接着性繊維を、50質量%以上80質量%以下、5質量%以上25質量%以下、および10質量%以上30質量%以下の量で、各々含む繊維ウェブを準備すること;
    (b)繊維ウェブの表面と裏面の両方の面に凹凸を形成して、繊維ウェブに、以下の試験による1.00以上1.50以下の柄高さ比を与えること;及び
    (c)接着処理を施して、接着性繊維により繊維同士を接着させること
    を含む、対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
    (柄高さ比)
    不織布を光学顕微鏡で150倍に拡大し、不織布の断面を観察し、不織布の表面の凸部の高さと、同一箇所における不織布の裏面の凸部の高さを測定する。高さの基準は測定対象となる凸部の隣に位置する不織布の凹部の不織布の厚さについて厚さ方向における中間地点をゼロ点とする。測定した表面の凸部高さを裏面の凸部高さで割って、柄高さ比とする。柄高さ比は11箇所の凸部について測定し、その平均で示す。
  8. 前記繊維ウェブに柄高さ比を与える前に、繊維の交絡処理をすることを含む、請求項7に記載の対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
  9. 前記繊維の交絡処理をすること及び前記繊維ウェブに柄高さ比を与えることが、柱状水流により繊維同士を交絡させる水流交絡処理を含み、前記柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和が0.05kWh/kg/m以上1.5kWh/kg/m以下である、請求項7又は8に記載の対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
  10. 前記繊維ウェブに柄高さ比を与える際において柱状水流により繊維ウェブに印加されるエネルギー(E)の総和が0.01kWh/kg/m以上0.70kWh/kg/m以下である、請求項9に記載の対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
  11. 前記繊維ウェブに柄高さ比を与えることが、凹凸を形成することが可能な支持体に前記繊維ウェブを置いて柱状水流により繊維同士を交絡させる水流交絡処理を含み、前記支持体が杉綾織り構造の支持体である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の対人用拭き取りシート用不織布の製造方法。
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