JP2021118859A - 靴インソールおよび靴 - Google Patents
靴インソールおよび靴 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021118859A JP2021118859A JP2021067721A JP2021067721A JP2021118859A JP 2021118859 A JP2021118859 A JP 2021118859A JP 2021067721 A JP2021067721 A JP 2021067721A JP 2021067721 A JP2021067721 A JP 2021067721A JP 2021118859 A JP2021118859 A JP 2021118859A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic resin
- methyl
- pentene
- resin composition
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
Abstract
Description
[1]この順番に積層された、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上60以下である熱可塑性樹脂組成物の発泡体を主成分としてなる層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の発泡体を主成分としてなる衝撃吸収層と、滑り止め層と、を含む、靴インソール。
[2]前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、JIS K6262に準拠して測定した23℃での圧縮永久歪は、50%以下である、[1]に記載の靴インソール。
[3]前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度は、0℃以上45℃未満である、[1]または[2]に記載の靴インソール。
[4]前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、0.4以上5.0未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載の靴インソール。
[5]前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)であって、構成単位(i)および(ii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を60モル%以上90モル%以下、構成単位(ii)を10モル%以上40モル%以下含む、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含有する組成物の発泡体である、[1]〜[4]のいずれかに記載の靴インソール。
[6]前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体は、スチレン系エラストマー(A−2)と、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂と、を含有する組成物の発泡体である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の靴インソール。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の靴インソールを含む靴。
凹凸追従層は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上60以下である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる。ΔHSが5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、ΔHSが60以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがなく、歩行者等の足裏の形状に容易に適合することができる。そのため、ΔHSが上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、凹凸追従層としたときに凹凸追従性に優れる。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のΔHSは10以上60以下であることが好ましく、15以上40以下であることがより好ましい。
1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の構成
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、任意に、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
要件(a);
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1dL/g以上5.0dL/g以下であることが好ましく、0.5dL/g以上4.0dL/g以下であることがより好ましく、0.5dL/g以上3.5dL/g以下であるさらに好ましい。上記極限粘度[η]が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)は、1.0以上3.5であることが好ましく、1.2以上3.0以下であることがより好ましく、1.5以上2.8以下であることがさらに好ましい。上記Mw/Mnが上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、低分子量、低立体規則性ポリマーによる成形性の低下が生じにくく、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)のASTM D 1505に準拠して測定される密度は、870kg/m3以上830kg/m3以下であることが好ましく、865kg/m3以上830kg/m3以下であることがより好ましく、855kg/m3以上830kg/m3以下であることがさらに好ましい。上記密度が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、軽量であるため、歩行者等に重量感を感じさせにくく、歩行者等の履き心地を低下させにくい凹凸追従層を製造しやすい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーを、マグネシウム担持型チタン触媒またはメタロセン触媒などの適当な触媒の存在下で重合させて,製造することができる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
2−1.スチレン系エラストマー(A−2)の構成
スチレン系エラストマー(TPS)(A−2)の例には、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと軟質部となるイソプレンまたはブタジエンなどの共役ジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBC)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合(SBS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などが含まれる。スチレン系エラストマー(A−2)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
スチレン系エラストマー(TPS)(A−2)は、重合体を構成する構成単位を導くスチレンおよびその他の共役ジエンなどを、アルキルリチウム化合物を開始剤とするアニオン重合により製造することができる。
3−1.熱可塑性樹脂(B)の構成
熱可塑性樹脂(B)は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)またはスチレン系エラストマー(A−2)以外の熱可塑性樹脂であればよい。
オレフィン系樹脂(B−1)の例には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体などが含まれる。オレフィン系樹脂(B−1)は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、および塩素化ポリオレフィンなどが好ましい。
オレフィン系エラストマー(B−2)の例には、オレフィン系ブロック共重合体から形成されるエラストマーを使用することができる。例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体などが含まれる。オレフィン系エラストマー(B−2)の市販品の例には、JSR株式会社製DYNARON(「DYNARON」は同社の登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(「タフマー」は同社の登録商標)、ノティオ(「ノティオ」は同社の登録商標)、ダウケミカル株式会社製ENGAGE(「ENGAGE」は同社の登録商標)、VERSIFY(「VERSIFY」は同社の登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社製Vistamaxx(「Vistamaxx」は同社の登録商標)などが含まれる。
スチレン系エラストマー(B−3)の例には、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、およびスチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などが含まれる。
熱可塑性エラストマー組成物(B−4)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物を動的架橋して得られる組成物である。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、エチレンから導かれる構成単位(I−a)と、α−オレフィンから導かれる構成単位(I−b)とを、(I−a)/(I−b)が50/50以上95/5以下であることが好ましく、60/40以上80/20以下であることがより好ましく、65/35以上75/25以下であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体であるか、または、二種以上の上記α−オレフィンの共重合体であって、主たるα−オレフィンの含有量が90モル%以上の共重合体である。ポリオレフィン樹脂[II]は、融点(Tm)が70℃以上200℃以下で在ることが好ましく、80℃以上170℃以下であることが好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、プロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、プロピレンの単独重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体とのブロック共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。プロピレン系重合体(II−1)は、融点(Tm)が120℃以上170℃以下であることが好ましく、145℃以上165℃以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。エチレン系重合体(II−2)は、融点(Tm)が80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂(B)は、上記以外の熱可塑性樹脂(B−5)であってもよい。このような熱可塑性樹脂(B−%)の例には、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン612)などを含むポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系エラストマー、ビニル芳香族系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、およびAS樹脂などを含むポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、公知のアイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ならびにポリエーテルスルホンなどが含まれる。
上述したオレフィン系樹脂(B−1)、オレフィン系エラストマー(B−2)、スチレン系エラストマー(B−3)、およびその他の熱可塑性樹脂(B−5)は、公知の重合方法でこれらを構成する構成単位を導くモノマーを重合することにより得られる。
熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法で製造することができる。たとえば、上述した4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)またはスチレン系エラストマー(A−2)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、任意に含まれる上記その他の成分と、を混合して、熱可塑性樹脂組成物とすることができる。このとき、上記各樹脂の溶融温度以上に加熱して混合してもよい。
1.衝撃吸収層の構成
上記衝撃吸収層は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値が40未満である樹脂組成物を主成分とすることが好ましい。上記ショアーA硬度の価が40未満である樹脂組成物は、クッション性および衝撃吸収性が高い。そのため、このような樹脂組成物を主成分とする層を含む積層体は、凹凸追従層による高い凹凸追従性に加えて、上記衝撃吸収層によってクッション性および衝撃吸収性がより高められる。
発泡体は、上記熱可塑性樹脂またはアイオノマーに無機系または有機系の化学発泡剤を所定量添加して成形して、製造することができる。
滑り止め層は、布地、紙、レーヨンおよび綿などの天然繊維から形成されてもよいし、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのオレフィン重合体、ポリエステルテレフタラート(PET)などのポリエステル、ならびにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのビニルアルコール系樹脂などを含む合成繊維、天然皮革および人造皮革などから形成される。滑り止め層は、防臭性を高めるための防臭剤や抗菌性を高めるための抗菌剤を保持していてもよい。滑り止め層は、通気性を高めるためメッシュ地としていてもよい。
靴インソールは、上述の各層を接着させて、製造することができる。これらの接着方法は特に限定されず、凹凸追従層、滑り止め層および衝撃吸収層の材料によって適宜選択することができる。接着方法の例には、接着剤による接着、熱融着、超音波融着、縫合などが含まれる。
靴インソールは、靴の内部底面の形状に合わせて成形されて、上記靴の内部底面に配置されることができる。靴インソールは、靴と一体的に形成されてもよいし、靴から着脱自在に形成されていてもよい。靴インソールを含む靴は、靴インソールが足裏の形状にあわせて容易に変形可能であり、かつ、衝撃吸収性も高いため、歩行者等の履き心地に優れる。
実施例における物性の測定条件等は、以下のとおりである。
ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量およびα−オレフィン含量は、13C−NMRにより以下の装置および条件により測定した。日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
ポリマーの密度および組成物の比重は、ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
ポリマーの融点(Tm)は、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。試料7〜12mgをアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱した。その試料を、完全融解させるために200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、その試料を10℃/分で200℃まで再度加熱した。この再度の(2度目の)加熱でのピーク値温度を、融点(Tm)として採用した。
ポリマーの極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
重合体(A)の分子量は、液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC 150−C plus型(示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続し、移動相媒体としてo−ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃で測定した。
ポリマーのMFRは、JIS K−6721に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
実施例および比較例の物性測定用に使用したプレスシート(シート層)は、190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形した。1〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に80×80×0.5〜3mm、4個取り)の場合、余熱を5〜7分程度とし、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを各種物性評価試料に供した。
圧縮永久歪(JIS K6262に準拠)の測定では、厚さ12mm、直径20mmφのプレスシートを用い、室温で25%に圧縮させた状態で22時間静置させ解放後30分後のシートの厚みから算出した。
ショアー硬度(JIS K6253に準拠)の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、ショアーA硬度計の押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後の目盛りを読み取った。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアー硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアー硬度値)
ここで、ショアー硬度の測定は、原則としてショアーA硬度計を用いて行ったが、ショアーA硬度の測定が困難な測定試料に対しては、代わりにショアーD硬度計を用いて行った。ここで、同じ種類の硬度計を用いたときには、ΔHSが大きいほど凹凸追従性が高いといえる。
動的粘弾性の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜30℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
実施例および比較例の物性測定用に使用した積層体は、220℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、〔各種測定用プレスシートの作製法〕と同様の手法で120×120×3mm厚のシート状のサンプルを作製した。必要に応じて、上記サンプルをEVA発泡体(三井デュポンポリケミカル株式会社製エバフレックスを用いて、厚み2mmtの発泡体を作製)およびポリウレタン発泡体(イノアックコーポレーション製PORON、品番L−24 厚み2mmt)の発泡体と接着剤で接着した。
作製したインソールを50℃に設定したオーブンに30分間入れ、シート全体を柔軟化させた。その後オーブンから取り出して、被験者として20〜50歳台までの男女計5名にシートの上に乗ってもらい、自重で変形させることで、各人の足の形状に合ったインソールを作製した。
その後、インソールを23℃で2時間静置しておき、目視および再度履いた感触により、腑形性について評価した。
〇:足の形状が維持されていた
×:形状が元の形に戻ってしまった
被験者として20〜50歳台までの男女計5名を集めた。被験者を1名ずつ、23℃、50%RHに調湿した環境試験室に入室してもらい、しばらく安静にしてもらった後、実施例または比較例で作製したインソールを靴に入れて履いてもらい、以下の5段階で評価した。
5:履き心地が優れている。
4:履き心地がやや優れている。
3:普通。
2:履き心地がやや劣る。
1:履き心地が劣る。
充分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.13MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいたメチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは36.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は72.5mol%、プロピレン含量は27.5mol%であった。物性測定結果を表1に示す。
合成例1の4−メチルー1−ペンテン共重合体 25質量部と、三井化学株式会社製ミラストマー5030NS 75質量部とを混合して、重合体組成物を得た。この組成物をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
また、上述した作成方法で重合体組成物の3mm厚のプレスシートとEVA発泡体(2mm厚シート)とを接着して積層体を形成し、当該積層体としての物性を測定した。各種物性を表2に示す。
合成例1の4−メチルー1−ペンテン共重合体30質量部と、三井化学株式会社製ミラストマー5030NS:45部と、旭化成ケミカルズ株式会社製タフテックH1221:25部とを混合して、重合体組成物を得た。この組成物をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
また、上述した作成方法で重合体組成物の3mm厚のプレスシートとEVA発泡体(2mm厚シート)とを接着して積層体を形成し、当該積層体としての物性を測定した。各種物性を表2に示す。
合成例1の4−メチルー1−ペンテン共重合体 30質量部と、旭化成ケミカルズ株式会社製タフテックH1221 70質量部と発泡剤としてセルマイクC−2(商品名:三協化成株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA)を2質量部混合して重合体組成物を得た。この組成物をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
また、上述した作成方法で重合体組成物の3mm厚のプレスシートとポリウレタン発泡体(2mm厚シート)とを接着して積層体を形成し、当該積層体としての物性を測定した。各種物性を表2に示す。
合成例1の4−メチルー1−ペンテン共重合体 30質量部と、旭化成ケミカルズ株式会社製タフテックH1221 70質量部、発泡剤としてセルマイクC−2(商品名:三協化成株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA)を2質量部混合して、重合体組成物を得た。この組成物をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
合成例1の4−メチルー1−ペンテン共重合体 50質量部と、三井化学株式会社製ミラストマー5030NS 50質量部と、発泡剤としてセルマイクC−2(商品名:三協化成株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA) 2質量部とを混合して、重合体組成物を得た。この組成物をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
三井化学株式会社製ミラストマー5030NS 100質量部をプレス成形してシート層を形成し、当該シート層の物性を測定した。
また、上述した作成方法で重合体組成物の3mm厚のプレスシートとEVA発泡体(2mm厚シート)とを接着して積層体を形成し、当該積層体としての物性を測定した。各種物性を表2に示す。
EVA発泡体(12mm厚シート)のみの物性を表2に示す。
Claims (7)
- この順番に積層された、
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上60以下である熱可塑性樹脂組成物の発泡体を主成分としてなる層と、
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の発泡体を主成分としてなる衝撃吸収層と、
滑り止め層と、
を含む、靴インソール。 - 前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、JIS K6262に準拠して測定した23℃での圧縮永久歪は、50%以下である、請求項1に記載の靴インソール。
- 前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度は、0℃以上45℃未満である、請求項1または2に記載の靴インソール。
- 前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、0.4以上5.0未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の靴インソール。
- 前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体は、
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および
4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)であって、
構成単位(i)および(ii)の合計を100モル%としたときに、
構成単位(i)を60モル%以上90モル%以下、
構成単位(ii)を10モル%以上40モル%以下含む、
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、
を含有する組成物の発泡体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴インソール。 - 前記熱可塑性樹脂組成物の発泡体は、
スチレン系エラストマー(A−2)と、
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂と、
を含有する組成物の発泡体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴インソール。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の靴インソールを含む靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021067721A JP7195366B2 (ja) | 2016-09-16 | 2021-04-13 | 靴インソールおよび靴 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016181886A JP2018042908A (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 靴インソールおよび靴 |
JP2021067721A JP7195366B2 (ja) | 2016-09-16 | 2021-04-13 | 靴インソールおよび靴 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016181886A Division JP2018042908A (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 靴インソールおよび靴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021118859A true JP2021118859A (ja) | 2021-08-12 |
JP7195366B2 JP7195366B2 (ja) | 2022-12-23 |
Family
ID=61693895
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016181886A Pending JP2018042908A (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 靴インソールおよび靴 |
JP2021067721A Active JP7195366B2 (ja) | 2016-09-16 | 2021-04-13 | 靴インソールおよび靴 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016181886A Pending JP2018042908A (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 靴インソールおよび靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP2018042908A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6830568B1 (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-17 | 株式会社アシックス | 射出成形品および靴 |
JPWO2021201112A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5288765A (en) * | 1989-08-03 | 1994-02-22 | Spherilene S.R.L. | Expanded articles of biodegradable plastics materials and a method for their production |
JPH0617504U (ja) * | 1991-08-30 | 1994-03-08 | 株式会社アシックス | 運動靴底 |
JP3083956U (ja) * | 2001-08-08 | 2002-02-22 | 千賀子 毛尾 | 履物用インソール |
JP2004350737A (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-16 | Morito Co Ltd | 靴の中敷き |
JP2015052128A (ja) * | 2009-11-06 | 2015-03-19 | 三井化学株式会社 | 4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物 |
-
2016
- 2016-09-16 JP JP2016181886A patent/JP2018042908A/ja active Pending
-
2021
- 2021-04-13 JP JP2021067721A patent/JP7195366B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5288765A (en) * | 1989-08-03 | 1994-02-22 | Spherilene S.R.L. | Expanded articles of biodegradable plastics materials and a method for their production |
JPH0617504U (ja) * | 1991-08-30 | 1994-03-08 | 株式会社アシックス | 運動靴底 |
JP3083956U (ja) * | 2001-08-08 | 2002-02-22 | 千賀子 毛尾 | 履物用インソール |
JP2004350737A (ja) * | 2003-05-27 | 2004-12-16 | Morito Co Ltd | 靴の中敷き |
JP2015052128A (ja) * | 2009-11-06 | 2015-03-19 | 三井化学株式会社 | 4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7195366B2 (ja) | 2022-12-23 |
JP2018042908A (ja) | 2018-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5697747B2 (ja) | プロピレン系共重合体、プロピレン系共重合体組成物、その成形体およびその発泡体、およびそれらの製造方法 | |
KR100726276B1 (ko) | 발포체용 수지 조성물 및 그 용도 | |
JP7195366B2 (ja) | 靴インソールおよび靴 | |
TW201404811A (zh) | 衝擊吸收材及密封材 | |
EP2141192B1 (en) | Flexible foam and process for producing the same | |
JP2014210869A (ja) | 熱可塑性重合体組成物、およびその用途 | |
JP6947653B2 (ja) | 挿耳部材 | |
JP6407597B2 (ja) | 積層体およびその用途 | |
KR101207643B1 (ko) | 발포체, 발포체용 조성물 및 그 용도 | |
JPWO2017073695A1 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物、部材、ウェザーシール、ウェザーシール用コーナー部材 | |
JP7213298B2 (ja) | 液体またはゲル状物質用包装体 | |
JP5925295B2 (ja) | 鉄道レール用軌道パッド | |
EP3841909B1 (en) | Cushion and shoe | |
JP2019033798A (ja) | 月経カップ | |
EP3841908A1 (en) | Cushion and shoe | |
JP6029746B2 (ja) | 熱可塑性重合体組成物、およびその用途 | |
JP2021083845A (ja) | クッション部材 | |
JP7137254B2 (ja) | 保冷容器 | |
JP2021092014A (ja) | マスク | |
JP2020189696A (ja) | チューブ型容器 | |
JP6325304B2 (ja) | シート付き鉄道レール用軌道パッド | |
JP7441701B2 (ja) | 成形体 | |
JP2018198838A (ja) | マッサージ器 | |
JPWO2017073747A1 (ja) | 衝撃吸収材及び靴底 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220628 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220803 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7195366 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |