JP2021117442A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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涼香 松本
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Abstract

【課題】レリーフパターンの解像度の低下を抑制しつつ、Tg及び熱重量減少温度が高く、耐薬品性に優れる樹脂膜を製造することができる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)ポリイミド前駆体と、(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、(C)感光剤と、(D)溶剤と、(E)遊離塩素とを含む感光性樹脂組成物であって、上記遊離塩素の量は、上記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜2ppmである、感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関する。
従来、電子部品の絶縁材料、及び半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気特性及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂の中でも、感光性ポリイミド前駆体の形態で提供されるものは、該前駆体の塗布、露光、現像、及びキュアによる熱イミド化処理によって、耐熱性のレリーフパターン皮膜を容易に形成することができる。
一方、半導体装置における半導体パッケージ手法には、様々な方法がある。半導体パッケージ手法としては、近年、ファンナウト(Fan−Out)という半導体パッケージ手法が主流となっている。ファンナウト型の半導体パッケージでは、半導体チップを封止材で覆うことにより半導体チップのチップサイズよりも大きいチップ封止体を形成する。更に、半導体チップ及び封止材の領域にまで及ぶ再配線層を形成する。再配線層は、薄い膜厚で形成される。また、再配線層は、封止材の領域まで形成できるため、外部接続端子の数を多くすることができる。
例えば、ファンナウト型の半導体装置としては、下記の特許文献1が知られている。
特許5563814号公報
一方、近年は、集積度及び演算機能の向上、並びにチップサイズの矮小化の観点から、半導体装置のプリント配線基板への実装方法が変化している。より高密度の実装が可能なSiPのような構造では、ポリイミド被膜が、直接ハンダバンプに接触する構造が用いられるようになってきている。このようなバンプ構造を形成するときには、当該ポリイミド被膜には高い耐熱性と耐薬品性が要求され、耐熱性のない樹脂組成物の場合、半田リフロー工程を経て半導体チップとともに基板上に実装されたときに、耐熱性の低い硬化膜が製造される。耐熱性の低い硬化膜は、温度変化によって脱ガスや収縮が起こり、亀裂や剥離が発生しやすい。
さらに最近では、低温硬化処理が可能な熱硬化性材料(低温硬化材料)の需要が高まっている。絶縁膜用途での低温硬化材料としてはフェノール樹脂が多く開発されてきたが、耐薬品性や耐熱性の観点から、ポリイミド樹脂を使用することが望まれる。通常300〜400℃で処理されるポリイミド樹脂を低温で硬化させるためには、イミド化を促進する化合物を添加する化学イミド化や、可溶型ポリイミドを用いるのが一般的である。
一方、低温で加熱処理すると、硬化膜中に低分子化合物が多く残存し、また樹脂間の相互作用が弱くなることから、膜物性の維持が困難である。特に、半導体装置の処理工程における半田リフローのような加熱工程では、脱ガスや収縮により、亀裂や剥離が発生しやすい。
リフロー工程で樹脂膜のCu配線からの剥離を抑制するためには、樹脂膜のガラス転移点(Tg)や重量減少温度を上昇させることが求められるが、しかしながら、近年の低温加熱硬化処理では、リフロー以下の温度で硬化処理されるため、Tgがリフロー温度より低くなり、低分子化合物が揮発せずに残存するという問題点があった。硬化膜の架橋点間分子量を下げることでTgは上昇する傾向にあるが、しかしながら、ネガ型感光性樹脂組成物で一般的にポリイミド前駆体と合わせて用いられるラジカル重合性化合物の官能基濃度や添加量を増加させると、レリーフパターンの解像度が低下するため、解像度を維持したまま樹脂膜のTgを向上させることは困難であった。また、樹脂膜の熱重量減少温度を上昇させるためには、樹脂膜中の低分子化合物を完全に揮発させるか、固定化する必要があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、レリーフパターンの解像度の低下を抑制しつつ、Tg及び熱重量減少温度が高く、耐薬品性に優れる樹脂膜を製造することができる感光性樹脂組成物を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、特定量に調整した遊離塩素及び/又は共有結合性塩素とを含む樹脂組成物により、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
(A)ポリイミド前駆体と、
(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、
(C)感光剤と、
(D)溶剤と、
(E)遊離塩素と、
を含む感光性樹脂組成物であって、
上記遊離塩素の量は、上記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜2ppmである、感光性樹脂組成物。
[2]
上記(C)感光剤が、光重合開始剤である、項目1に記載の感光性樹脂組成物。
[3]
上記(A)ポリイミド前駆体が、下記一般式(1)で表される、項目1または2に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2021117442
{式(1)中、Xは、炭素数6〜40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6〜40の2価の有機基であり、n1は、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜40の1価の有機基である。ただし、R及びRの少なくとも一方は、下記一般式(2):
Figure 2021117442
で表される基であり、式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の1価の有機基であり、そしてm1は、2〜10の整数である。}
[4]
上記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、上記(D)溶剤を100〜860質量部含む、項目1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[5]
上記(D)溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、及び2−オクタノンからなる群から選択される一つ又は複数の化合物を含む、項目1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[6]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、2つ以上の重合性不飽和結合を有する、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[7]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、エポキシ樹脂と(メタ)アタクリル酸との反応物である、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[8]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(3)または(4)で表される、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2021117442
{式(3)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
Figure 2021117442
{式(4)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
[9]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(5)または(6)で表される、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2021117442
{式(5)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
Figure 2021117442
{式(6)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
[10]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(7)で表される化合物を含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2021117442
{式(7)中、R2は、炭素数1〜40の2価の有機基である。}
[11]
上記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(8)で表される化合物を含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2021117442
{式(8)中、R6は、炭素数1〜40の2価の有機基である。}
[12]
(A)ポリイミド前駆体と、
(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、
(C)感光剤と、
(D)溶剤と、
(E)遊離塩素と
を含む感光性樹脂組成物であって、
上記感光性樹脂組成物を、硬化後の膜厚が約10μmとなるように回転法で基板上に塗布し、110℃で180秒間ホットプレートで加熱して硬化させたとき、得られる塗膜に含まれる上記遊離塩素の量が、上記塗膜の全質量を基準として、0.0001〜5ppmである、感光性樹脂組成物。
[13]
(G)エポキシ樹脂を更に含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[14]
上記(G)エポキシ樹脂の量は、上記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜10質量部である、項目13に記載の感光性樹脂組成物。
[15]
ネガ型感光性樹脂組成物である、項目1〜14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[16]
(A)ポリイミド前駆体と、
(B)ヒドロキシル基及び複数の重合性不飽和結合を有する化合物と、
(C)感光剤と、
(D)溶剤と、
(E)遊離塩素及び/又は共有結合性塩素と、
を含む感光性樹脂組成物であって、
上記感光性樹脂組成物を調整後、23℃±0.5℃、相対湿度50%±10%で3日静置した際の上記感光性樹脂組成物中の全塩素量が、上記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜250ppmである、感光性樹脂組成物。
本発明によれば、形成されるレリーフパターンの解像度を維持したまま、ガラス転移温度及び熱重量減少温度が高く、耐薬品性に優れる樹脂膜を製造することができる、感光性樹脂組成物を提供することができる。一実施形態において、樹脂中のポリマーの架橋密度を、レリーフパターン形成後に向上させることができ、解像度を維持したまま、硬化膜のガラス転移温度が高くなる傾向がある。また、一実施形態において、膜中の低沸点化合物を反応によって固定化することができ、熱重量減少温度を向上させることが可能である。さらには、一実施形態において、架橋密度の高さや遊離塩素が特定量であることにより、硬化膜への薬液の侵入が防がれるため、レリーフパターンの耐薬品性も向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合、別途規定しない限りそれぞれ独立して選択され、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また、異なる一般式において共通する符号で表されている構造もまた、別途規定しない限りそれぞれ独立して選択され、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
[感光性樹脂組成物]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体と、(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、(C)感光剤と、(D)溶剤と、(E)特定量の遊離塩素及び/又は共有結合性塩素とを含む。所望により、感光性樹脂組成物はその他の成分を含む。各成分を以下に順に説明する。
感光性樹脂組成物は、所望の用途に応じて、ネガ型又はポジ型のいずれであってもよく、後述される(A)ポリイミド前駆体の物性の観点からネガ型であることが好ましい。
(A)ポリイミド前駆体
本実施形態では、(A)ポリイミド前駆体は、感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分であり、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドであることが好ましい。
Figure 2021117442
{式(1)中、X1は、炭素数6〜40の4価の有機基であり、Y1は、炭素数6〜40の2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜40の1価の有機基である。ただし、R及びRの少なくともいずれかは、下記一般式(2):
Figure 2021117442
で表される基であり、式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の1価の有機基であり、そしてmは2〜10の整数である。}
(A)ポリイミド前駆体中に含まれる上記一般式(1)で表される前駆体のR及びRの全てに対する、上記一般式(2)で表される1価の有機基の割合は、高解像度の観点から、50モル%〜100モル%が好ましく、さらに、高耐薬品性と感度の観点から、75モル%〜100モル%がより好ましい。
上記一般式(1)におけるn1は、感光性樹脂組成物の感光特性及び機械特性の観点から、3〜100の整数が好ましく、5〜70の整数がより好ましい。
上記一般式(1)中、Xで表される4価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の有機基であり、より好ましくは、−COOR基及び−COOR基と−CONH−基とが互いにオルト位置にある芳香族基、又は脂環式脂肪族基である。Xで表される4価の有機基として、具体的には、芳香族環を含有する炭素原子数6〜40の有機基、例えば、下記一般式(20):
Figure 2021117442
{式(20)中、R6は水素原子、フッ素原子、C1〜C10の炭化水素基、及びC1〜C10の含フッ素炭化水素基から成る群から選ばれる1価の基であり、lは0〜2から選ばれる整数であり、mは0〜3から選ばれる整数であり、そしてnは0〜4から選ばれる整数である。}
で表される構造を有する基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Xの構造は1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(20)で表される構造を有するX基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で特に好ましい。
上記一般式(1)中、Yで表される2価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の芳香族基であり、例えば、下記式(21):
Figure 2021117442
{式(21)中、R6は水素原子、フッ素原子、C1〜C10の炭化水素基、及びC1〜C10の含フッ素炭化水素基から成る群から選ばれる1価の基であり、そしてnは0〜4から選ばれる整数である。}
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Yの構造は1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(21)で表される構造を有するY基は、耐熱性及び感光特性を両立するという点で特に好ましい。
基としては、上記式(21)で表される構造のなかでも特に、下式:
Figure 2021117442
で表される構造は、低温加熱時のイミド化率、脱ガス性、銅密着性、及び耐薬品性の観点から好ましい。
上記一般式(2)中のRは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R及びRは、感光特性の観点から水素原子であることが好ましい。また、mは、感光特性の観点から2以上10以下の整数、好ましくは2以上4以下の整数である。
一実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、下記一般式(9):
Figure 2021117442
{式(9)中、R、R、及びnは上記に定義したものである。}
で表される構造単位を有するポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
一般式(9)において、R及びRの少なくとも一方は、上記一般式(2)で表される1価の有機基であることがより好ましい。
一実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、下記一般式(10):
Figure 2021117442
{式(10)中、R、R、及びnは上記に定義したものである。}
で表される構造単位を有するポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
一般式(10)において、R及びRの少なくとも一方は、上記一般式(2)で表される1価の有機基であることがより好ましい。
(A)ポリイミド前駆体の調製方法
本実施形態における上記一般式(1)で表される構造を含むポリイミド前駆体は、例えば、前述の炭素数6〜40の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物と、(a)上記一般式(2)で表される1価の有機基と水酸基とが結合した構造を有するアルコール類、及び所望により(b)上記一般式(2)で表される基以外の構造を有するアルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製することと;続いて、得られたアシッド/エステル体と、前述の炭素数6〜40の2価の有機基Yを含むジアミン類とを重縮合させることとを含む方法により得られる。
(アシッド/エステル体の調製)
本実施形態において、炭素数6〜40の4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。また、これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して、使用することができる。
(b)上記一般式(2)で表される基以外の構造を有するアルコール類として、例えば、炭素数5〜30の脂肪族又は炭素数6〜30の芳香族アルコール類、例えば、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール等を挙げることができる。
ポリイミド前駆体中の一般式(2)の有機基の含有量は、R、R、R、及びRの全ての含有量に対し、50モル%以上であることが好ましい。一般式(2)の有機基の含有量が50モル%を超えると、所望の感光特性を得ることができるので好ましい。
感光性樹脂組成物中の一般式(2)の有機基の含有量は、R、R、R、及びRの全ての含有量に対し、75モル%以上であることが好ましい。
上記のテトラカルボン酸二無水物と上記(a)のアルコール類とを、ピリジン等の塩基性触媒の存在下、反応溶媒中に溶解及び混合することにより、酸二無水物のハーフエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。反応条件は、反応温度20〜50℃で4〜10時間に亘って撹拌することが好ましい。
上記反応溶媒としては、該アシッド/エステル体、及び該アシッド/エステル体とジアミン類との重縮合生成物であるポリイミド前駆体を溶解するものが好ましい。反応溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ガンマブチロラクトン、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
(ポリイミド前駆体の調製)
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中の溶液)に、氷冷下、既知の脱水縮合剤を混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とした後、これに、炭素数6〜40の2価の有機基Y1を含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、重縮合させることにより、ポリイミド前駆体を得ることができる。脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等が挙げられる。
炭素数6〜40の2価の有機基Y1を含むジアミン類としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン等で置換されたもの、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、及びこれらの混合物等も挙げられる。しかしながら、ジアミン類はこれらに限定されるものではない。
本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって基板上に形成される感光性樹脂層と各種の基板との密着性を向上させるために、(A)ポリイミド前駆体の調製時に、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のジアミノシロキサン類を共重合することもできる。
上記重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を、必要に応じて濾別した後、水、脂肪族低級アルコール、又はその混合液等の貧溶媒を、反応液に投入して重合体成分を析出させてもよい。さらに、上記再溶解及び再沈析出操作等を繰り返すことにより、重合体を精製してもよい。そして、重合体を真空乾燥して、ポリイミド前駆体を単離することができる。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
(A)ポリイミド前駆体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、8,000〜150,000であることが好ましく、9,000〜50,000であることがより好ましく、18,000〜40,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が8,000以上である場合には、機械物性が良好であるため好ましく、一方で、150,000以下である場合には、現像液への分散性及びレリーフパターンの解像性能が良好であるため好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、及びN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。また分子量は、標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物
本実施形態における、(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物(以下、単に「(B)化合物」ともいう。)について説明する。(B)化合物は、分子内に少なくとも一つのヒドロキシル基と少なくとも一つの重合性不飽和結合を有する。重合性不飽和結合としては、ラジカル重合可能な官能基であれば限定されず、アクリル基、メタアクリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、及びアリル基等が挙げられ、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(本願明細書において「(メタ)アクリロイルオキシ基」という。)が好ましい。重合性不飽和結合として(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(B)化合物としては、アクリル酸又はメタアクリル基(本願明細書において「(メタ)アクリル酸」という。)とエポキシ樹脂との反応物、又は(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂の開環体との反応物であってもよい。中でも、耐薬品性と熱物性の観点から、下記一般式(3)〜(6)で表される(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応物、または(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂の開環体との反応物が好ましい。
Figure 2021117442
{上記式(3)〜(6)中、R、R、R及びRは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
(B)化合物は、重合性不飽和結合を同一分子内に1つ、2つ以上、又は3つ以上有してもよい。重合性不飽和結合が2つの場合、下記一般式:
Figure 2021117442
{上記一般式中、R2、Rは、炭素数1〜40の2価の有機基である。}
で表される化合物が挙げられる。
より具体的に、重合性不飽和結合が2つの(B)化合物としては、下記の化合物群が挙げられるが、これらに限定されるものではない:
Figure 2021117442
Figure 2021117442
Figure 2021117442
Figure 2021117442
重合性不飽和結合を2つ以上有する(B)化合物は、(メタ)アクリル酸と二官能以上のエポキシ樹脂とを反応させて製造することができる。その場合、反応不純物として分子内に一官能以上のオキサシクロオプロピル基を有する化合物が生成する場合がある。反応不純物としては、下記一般式:
Figure 2021117442
{上記式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の2価の有機基である。}で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、下記一般式:
Figure 2021117442
{上記式(8)中、Rは、炭素数1〜40の2価の有機基である。}で表される化合物が好ましい。
(B)化合物としては、重合性不飽和結合が1つの場合、下記の化合物群が挙げられるが、これらに限定されるものではない:
Figure 2021117442
(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物の調製方法
(B)化合物の製造方法は、分子内に少なくとも一つのヒドロキシル基と少なくとも一つの重合性不飽和結合を有する化合物が得られれば特に限定されない。(B)化合物は、遊離塩素及び/又は共有結合性塩素の量を特定量に調整する観点から、エポキシ樹脂に由来する化合物であることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂またはその開環体に、重合性不飽和結合を有する化合物を反応させることにより、(B)化合物を製造することができる。好ましくは、エポキシ樹脂またはその開環体に、塩基性触媒及び重合禁止剤を投入混合した溶液を得て、当該溶液にメタクリル酸もしくはアクリル酸を添加し、反応させることにより、(B)化合物を製造してもよい。反応は、例えば100℃で、酸価が一定の値以下になるまで継続してよい。合成後、陰イオン交換樹脂との混相で1日撹拌し、これをろ過することで、(B)化合物を得ることができる。陰イオン交換樹脂としては、例えばIRA96SBを用いることができる。
(B)化合物の合成反応に用いられるエポキシ樹脂としては、下記一般式で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない:
Figure 2021117442
(B)化合物の合成反応に用いられるエポキシ樹脂の開環体としては、エポキシ基が開環した下記一般式:
Figure 2021117442
{上記式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
で表される構造に変換された化合物であることが好ましい。
本実施形態の感光剤樹脂組成物は、上記(B)化合物を含有することで、保存安定性を維持しつつ、ガラス転移温度及び熱重量減少温度が高く、さらに耐薬品性に優れる樹脂膜を提供することができる。理論に拘束されないが、ガラス転移温度が上昇する理由としては、露光時に重合せず残存した重合性不飽和結合が、高温硬化時にヒドロキシ基と付加反応が進行することで、通常の重合性不飽和結合含有化合物よりも高密度で架橋した硬化膜が得られて、樹脂を構成するポリマーの運動を妨げるからであると考えられる。なお、重合性不飽和結合が(メタ)アクリル基である場合、マイケル付加反応が進行する。耐薬品性が向上する理由については、同様に架橋密度の高さで薬品への溶解性が低下すること、また、遊離塩素及び/又は共有結合性塩素の量が特定の範囲内であることにより、溶解促進作用のある薬液とのイオン対の形成が抑制され、耐薬品性が向上すると考えられる。熱重量減少温度が上昇する理由としては、特に低温硬化時に熱重量減少温度を低下させる要因であるポリイミド前駆体の側鎖に対し、重合性不飽和結合とヒドロキシ基が付加反応するため、硬化温度以上に上昇させた際もポリイミド前駆体の側鎖に由来する成分が揮発せず残存し、加熱による重量減少を防ぐからであると考えられる。
(B)化合物の合成に二官能以上のエポキシ樹脂を用いる場合、(B)化合物は未反応のエポキシ基を有する場合がある。この場合、熱硬化時にヒドロキシ基を開始種としてアニオン重合が進行するため、さらに架橋密度が上昇する。
(B)化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、1質量部〜60質量部であり、保存安定性の観点から1質量部〜30質量部が好ましく、解像度の観点から4質量部〜20質量部がさらに好ましい。
(C)感光剤
本実施形態の感光性樹脂組成物は感光剤を含有する。一実施形態では、感光剤は、光重合開始剤であってもよい。光重合開始剤は、光照射によるレリーフパターンの硬化を促進するため好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましく、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類、α−(n−オクタンスルフォニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
光重合開始剤の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部であり、より好ましくは1質量部以上8質量部以下である。上記配合量は、光感度又はパターニング性の観点で0.1質量部以上であり、感光性樹脂組成物の硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から20質量部以下であることが好ましい。
(D)溶剤
本実施形態の感光性樹脂組成物は溶剤を含有する。溶剤としては、(A)ポリイミド前駆体に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。溶剤としては、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オクタノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、例えば、30質量部〜1500質量部、好ましくは100質量部〜1000質量部、更に好ましくは100質量部〜860質量部の範囲で用いることができる。
感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、アルコール類を含む溶剤が好ましい。好適に使用できるアルコール類は、典型的には、分子内にアルコール性水酸基を持ち、オレフィン系二重結合を有さないアルコールであり、具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類;乳酸エチル等の乳酸エステル類;プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類;2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類;エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のジアルコール類を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、及びプロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
溶剤が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含有する場合、全溶剤中のオレフィン系二重結合を有さないアルコールの含有量は、全溶剤の質量を基準として、5質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10質量%〜30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含有量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり、一方で、50質量%以下の場合、(A)ポリイミド前駆体の溶解性が良好になるため好ましい。
(E)遊離塩素及び/又は共有結合性塩素
本実施形態の感光性樹脂組成物は、遊離塩素及び/又は共有結合性塩素の形態で、塩素を含む。遊離塩素とは、陰イオン化された塩素を指し示し、共有結合性塩素は、共有結合を形成して分子内に存在する塩素を示す。
一実施形態において、遊離塩素の量は、前記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜10ppm、好ましくは0.0001〜5ppm、より好ましくは0.0001〜2.0ppm、より更に好ましくは0.0001〜0.5ppmである。他の実施形態において、硬化後の樹脂膜の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転法で基盤上に塗布し、110℃で180秒間ホットプレートで加熱して硬化させたとき、得られる塗膜に含まれる遊離塩素の量が、塗膜の全質量を基準として0.0001〜15ppm、好ましくは0.0001〜10ppm、より好ましくは0.0001〜5ppm、より更に好ましくは0.0001〜0.8ppmである。更に他の実施形態において、感光性樹脂組成物を調整後、23℃±0.5℃、相対湿度50%±10%で3日静置した際の感光性樹脂組成物中の全塩素量(遊離塩素及び共有結合性塩素の合計量)が、感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜600ppm、好ましくは0.0001〜420ppm、より好ましくは0.0001〜250ppm、より更に好ましくは0.0001〜40ppmである。
塩素の供給源は限定されず、例えば、感光性樹脂組成物は、遊離塩素を発生することができる化合物、及び/又は共有結合性の塩素を有する化合物を含むことにより、塩素の量を上記範囲内に調整することができる。一般的にエポキシ樹脂は、その原料物質であるエピクロロヒドリンに由来して、樹脂中の遊離塩素及び/又は共有結合性塩素の形態で塩素を多く含む。したがって、(B)化合物がエポキシ樹脂に由来する化合物である場合、(B)化合物中に塩素が含まれ、その結果、感光性樹脂組成物中にも塩素が含まれることとなるため、塩素の量を上記範囲内に調整することがより容易である。しかしながら、従来、そのようにエポキシ樹脂に由来する(B)化合物を用いた場合、塩素の量は上記の量より遥かに多くなる。従来、そのような塩素の存在は許容されてきたため、当業者は塩素の量に着目することはなかった。しかしながら、発明者らは、本発明の好ましい実施形態において、エポキシ樹脂に由来する(B)化合物を用いた場合には、化合物中に存在する塩素を除去して、塩素量を適切に制御することが好ましいことを見いだした。
エポキシ樹脂に由来する(B)化合物中に存在する塩素を除去する方法は、特に限定されない。例えば、(B)化合物を陰イオン交換樹脂と混相で撹拌することで、塩素を除去することが可能である。塩素除去に用いられる陰イオン交換樹脂としては、IRA96SBが挙げられるが、これに限られるものではない。
その他の成分
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外の成分をさらに含有してもよい。その他の成分としては、例えば、(A)ポリイミド前駆体以外の樹脂成分;増感剤;(F)光重合性の不飽和結合を有する(B)化合物以外のモノマー;接助剤;(G)エポキシ樹脂;熱重合禁止剤;アゾール化合物;ヒンダードフェノール化合物;及び有機チタン化合物などが挙げられる。
感光性樹脂組成物は、高架橋度の硬化膜を得る観点から、(G)エポキシ樹脂をさらに含有してもよい。(G)エポキシ樹脂の量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して,好ましくは0.01〜25質量部、より好ましくは0.1〜15質量部、より更に好ましくは0.1〜10質量部である。エポキシ樹脂に由来する(B)化合物を用いる場合、原料のエポキシ樹脂が感光性樹脂組成物に含まれることがあり、エポキシ樹脂の量を上記範囲に調整することがより容易である。
一実施形態では、感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体以外の樹脂成分をさらに含有してもよい。感光性樹脂組成物に含有させることができる樹脂成分としては、例えば、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜20質量部の範囲である。
(A)ポリイミド前駆体とともにポリオキサゾール前駆体を用いてポジ型感光性樹脂組成物を調製する場合には、ポジ型感光材として、キノンジアジド基を有する化合物、例えば1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物などを併用してよい。
一実施形態では、感光性樹脂組成物は、光感度を向上させるために増感剤を任意に含むことができる。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は複数(例えば2〜5種類)の組合せで用いることができる。
増感剤の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1質量部〜25質量部であることが好ましい。
一実施形態では、レリーフパターンの解像度を向上させるために、感光性樹脂組成物は、(F)光重合性の不飽和結合を有する(B)化合物以外のモノマーを任意に含むことができる。このようなモノマーとしては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましく、特に以下に限定するものではないが、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのモノ、ジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキサンジアクリレート及びジメタクリレート、1,4−ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、ビスフェノールAのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、ベンゼントリメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラアクリレート及びメタクリレート、並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
光重合性の不飽和結合を有するモノマーの配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、1質量部〜50質量部であることが好ましい。
一実施形態では、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜と基材との接着性を向上させるために、感光性樹脂組成物は、任意に接着助剤を含むことができる。接着助剤としては、例えば、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤等が挙げられる。
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.5質量部〜25質量部の範囲が好ましい。
一実施形態では、特に溶剤を含む溶液の状態での保存時の感光性樹脂組成物の粘度及び光感度の安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物は、熱重合禁止剤を任意に含むことができる。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
熱重合禁止剤の配合量としては、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.005質量部〜12質量部の範囲が好ましい。
例えば、銅又は銅合金から成る基板を用いる場合には、基板変色を抑制するために、感光性樹脂組成物は、アゾール化合物を任意に含むことができる。アゾール化合物としては、例えば、1H−トリアゾール、5−メチル−1H−トリアゾール、5−エチル−1H−トリアゾール、4,5−ジメチル−1H−トリアゾール、5−フェニル−1H−トリアゾール、4−t−ブチル−5−フェニル−1H−トリアゾール、5−ヒドロキシフェニル−1H−トリアゾール、フェニルトリアゾール、p−エトキシフェニルトリアゾール、5−フェニル−1−(2−ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5−ベンジル−1H−トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5−ジメチルトリアゾール、4,5−ジエチル−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール等が挙げられる。特に好ましくは、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、及び4−メチル−1H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、これらのアゾール化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いてもよい。
アゾール化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5質量部〜5質量部であることがより好ましい。アゾール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合には、感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成したときに、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、一方、20質量部以下である場合には、光感度に優れるため好ましい。
本実施形態では、銅上の変色を抑制するために、感光性樹脂組成物は、ヒンダードフェノール化合物を含むことができる。ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N’ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−イソプロピルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−s−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−(1−エチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−トリエチルメチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−フェニルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5−エチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5,6−ジエチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5‐エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンが特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5質量部〜10質量部であることがより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、例えば銅又は銅合金の上に感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、一方、20質量部以下である場合には光感度に優れるため好ましい。
一実施形態では、感光性樹脂組成物には、有機チタン化合物を含有させてもよい。有機チタン化合物を含有することにより、約250℃という低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる感光性樹脂層を形成できる。
使用可能な有機チタン化合物としては、例えば、チタン原子に有機化学物質が共有結合又はイオン結合を介して結合しているものが挙げられる。
有機チタン化合物の具体例を以下のI)〜VII)に示す:
I)チタンキレート化合物としては、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートが、感光性樹脂組成物の保存安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましい。チタンキレート化合物として具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
II)テトラアルコキシチタン化合物としては、例えば、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等が挙げられる。
III)チタノセン化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
IV)モノアルコキシチタン化合物としては、例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド等が挙げられる。
V)チタニウムオキサイド化合物としては、例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等が挙げられる。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物としては、例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。
VII)チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。
上記I)〜VII)の中でも、有機チタン化合物が、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが、より良好な耐薬品性を奏するという観点から好ましい。特に、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、及びビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムが好ましい。
有機チタン化合物を配合する場合の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.05質量部〜10質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2質量部であることがより好ましい。該配合量が0.05質量部以上である場合には良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、一方10質量部以下である場合には保存安定性に優れるため好ましい。
ポリマー側鎖にイミド化促進剤(塩基性を示す化合物)と類似構造を持つ化合物を導入してもよく、そうすることで、イミド化促進剤を添加剤として用いる場合より高いイミド化率が得られ、保存安定性と耐薬品性を両立した感光性樹脂組成物を得ることができる。
感光性樹脂組成物は、該樹脂組成物を温度23℃、湿度50%Rhで4週間保存した際の樹脂組成物の粘度変化率が、初期と比較して5%以内であることが好ましい。さらに、感光性樹脂組成物は、該樹脂組成物を170℃で2時間加熱して硬化塗膜を得た際に、該硬化塗膜のイミド化率が70%以上であることが好ましく、該硬化塗膜のイミド化率が85%以上であることがより好ましい。このように、一実施形態において、感光性樹脂組成物は、イミド化率が高く、保存安定性と耐薬品性の両方に優れたポリイミドを提供することができる。
[ポリイミド]
上記ポリイミド前駆体組成物から形成される、硬化レリーフパターンに含まれるポリイミドの構造は、下記一般式(11)で表されることが好ましい。
Figure 2021117442
{一般式(11)中、X及びYは、一般式(1)中のX及びYと同じであり、mは正の整数である。}
一般式(1)中の好ましいXとYは、同じ理由により、一般式(11)のポリイミドにおいても好ましい。一般式(11)の繰り返し単位数mは、特に限定は無いが、2〜150の整数であってもよい。
本発明によれば、上記で説明された感光性樹脂組成物をポリイミドに変換する工程を含む、ポリイミドの製造方法も提供することができる。
[硬化レリーフパターン]
本発明によれば、上記で説明された感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターン、及びその製造方法を提供することができる。一実施形態では、硬化レリーフパターンを製造する方法は、以下の工程(1)〜(4):
(1)本実施形態に係る感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を該基板上に形成する工程、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程、及び
(4)該レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程
を含む、方法である。
以下、各工程について説明する。
(1)本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を該基板上に形成する工程
本工程では、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じて、その後に乾燥させて、感光性樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
必要に応じて、感光性樹脂組成物から成る塗膜を乾燥させることができ、そして乾燥方法としては、例えば、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の(A)ポリイミド前駆体のイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上により基板上に感光性樹脂層を形成できる。
(2)該感光性樹脂層を露光する工程
本工程では、上記(1)工程で形成した感光性樹脂層を、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に、紫外線光源等により露光する。
この後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40℃〜120℃であることが好ましく、時間は10秒〜240秒であることが好ましいが、ネガ型感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程
本工程では、感光性樹脂組成物がネガ型である場合に、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を現像除去する。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。現像に使用される現像液としては、例えば、ネガ型感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましい。貧溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
(4)該レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)ポリイミド前駆体をイミド化させることによって、ポリイミドから成る硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、例えば、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば、170℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化時の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
[半導体装置]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述した硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する、半導体装置も提供することができる。したがって、半導体素子である基材と、上述した硬化レリーフパターン製造方法により該基材上に形成されたポリイミドの硬化レリーフパターンとを有する半導体装置が提供されることができる。また、本発明は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
[表示体装置]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、表示体素子と該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備える表示体装置であって、該硬化膜は上述の硬化レリーフパターンである表示体装置をも提供することができる。ここで、当該硬化レリーフパターンは、当該表示体素子に直接接して積層されていてもよく、別の層を間に挟んで積層されていてもよい。例えば、該硬化膜として、TFT液晶表示素子及びカラーフィルター素子の表面保護膜、絶縁膜、及び平坦化膜、MVA型液晶表示装置用の突起、並びに有機EL素子陰極用の隔壁を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、及び液晶配向膜等の用途にも有用である。
以下、実施例により本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。実施例、比較例、及び製造例においては、感光性樹脂組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価を行った。
[測定及び評価方法]
(1)重量平均分子量
各樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。測定に用いたカラムは昭和電工(株)製の商標名「Shodex 805M/806M直列」であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製の商標名「Shodex STANDARD SM−105」を選択し、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工(株)製の商標名「Shodex RI−930」を使用した。
(2)樹脂組成物の遊離塩素量測定
感光性樹脂組成物を調製後、室温(23.0℃±0.5℃、相対湿度50%±10%)で3日間静置した後、樹脂組成物の遊離塩素量を測定した。イオン濃度測定は、23.0℃にて、ThermoFicher社ICS−3000を用いて行った。測定結果をもとに、以下の測定条件で、樹脂組成物中の塩素イオンの含有量を求めた。
感光性樹脂組成物を2g秤量し、4mLのNMPに加えたものを振とう機にて10分撹拌、溶解させた。さらにイオン交換水30mLを加えて振とう機にて10分撹拌し、遠心分離機(himac社製CF15RN)により不溶性分を除去したものをディスクフィルター(DISMIC製JP050AN)にてろ過して用いた。処理されたサンプル溶液はオートサンプラーにて1mLが自動的にカラムに挿入される。
・陰イオン分析用ガードカラム:IonPac AS4A−SC(4mm×250mm)
・ガードカラムポンプ流量:0.500mL/min
・陰イオン分析用お分離カラム:IonPac AS4A−SZ(4mm×50mm)
・試料導入ラインポンプ流量:0.500mL/min
・陰イオンケミカルサプレッサー:ACRS−500(4mm用)
(3)硬化ポリイミド塗膜の遊離塩素量測定
6インチシリコンウエハー上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布し、110℃で180秒間ホットプレートで加熱して、硬化ポリイミド塗膜を得た。膜厚は膜厚測定装置、ラムダエース(大日本スクリーン社製)にて測定した。以下の測定条件で、得られたポリイミド塗膜の遊離塩素量を測定した。
ポリイミド塗膜を2g秤量し、4mLのNMPに加えたものを振とう機にて10分撹拌、溶解させた。さらにイオン交換水30mLを加えて振とう機にて10分撹拌し、遠心分離機(himac社製CF15RN)により不溶性分を除去したものをディスクフィルター(DISMIC製JP050AN)にてろ過して用いた。処理されたサンプル溶液はオートサンプラーにて1mLが自動的にカラムに挿入される。
・陰イオン分析用ガードカラム:IonPac AS4A−SC(4mm×250mm)
・ガードカラムポンプ流量:0.500mL/min
・陰イオン分析用お分離カラム:IonPac AS4A−SZ(4mm×50mm)
・試料導入ラインポンプ流量:0.500mL/min
・陰イオンケミカルサプレッサー:ACRS−500(4mm用)
(4)硬化ポリイミド塗膜のガラス転移温度測定
6インチシリコンウエハー上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布し、110℃で180秒間ホットプレートにてプリベークを行った後、昇温プログラム式キュア炉(VF−000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、170℃で2時間加熱して硬化ポリイミド塗膜を得た。膜厚は膜厚測定装置、ラムダエース(大日本スクリーン社製)にて測定した。得られたポリイミド塗膜を短冊状に取り出し、荷重200g/mm、昇温速度10℃/分、20〜500℃の範囲で熱機械試験装置(島津製作所製 TMA−50)により測定し、温度を横軸、変位量を縦軸に取った測定チャートにおけるポリイミド膜の熱降伏点の接線交点をガラス転移温度(Tg)とした。
(5)硬化ポリイミド塗膜の熱重量減少温度(5%重量減少温度)の測定
6インチシリコンウエハー上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布し、110℃で180秒間ホットプレートにてプリベークを行った後、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、170℃で2時間加熱して硬化ポリイミド塗膜を得た。膜厚は膜厚測定装置、ラムダエース(大日本スクリーン社製)にて測定した。得られたポリイミド塗膜を削り取り、熱重量測定装置(島津社製、TGA−50)を用いて、室温から10℃/minで昇温した際に、170℃に達した際の膜の重量を100%として重量が5%減少する温度(5%重量減少温度)を測定した。
(6)Cu上の硬化レリーフパターンの耐薬品性試験
6インチシリコンウエハー(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L−440S−FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuをこの順にスパッタした。続いて、このウェハー上に、後述の方法により調製した感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、乾燥することにより10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜に、テストパターン付マスクを用いて、プリズマGHI(ウルトラテック社製)により500mJ/cmのエネルギーを照射した。次いで、この塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いてコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスすることにより、Cu上のレリーフパターンを得た。
Cu上に該レリーフパターンを形成したウェハーを、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、170℃で2時間加熱処理することにより、Cu上に約6〜7μm厚の樹脂からなる硬化レリーフパターンを得た。
作製したレリーフパターンを、レジスト剥離膜(ATMI社製、製品名ST−44、主成分は2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン)を50℃に加熱したものに5分間浸漬し、流水で30分間洗浄し、風乾した。その後、膜表面を光学顕微鏡で目視観察し、クラック等の薬液によるダメージの有無、及び薬液処理後の膜厚変化率をもって耐薬品性を評価した。耐薬品性は、以下の基準に基づき、評価した。
膜厚変化率(%)=(薬液処理後の膜厚)−(薬液処理前の膜圧)/(薬液処理前の膜厚)×100
「優」:膜厚変化率が薬液浸漬前の膜厚を基準として5%未満
「良」:膜厚変化率が薬液浸漬前の膜厚を基準として5%以上10%未満
「可」:膜厚変化率が薬液浸漬前の膜厚を基準として10%以上15%未満
「不可」:膜厚変化率が薬液浸漬前の膜厚を基準として15%以上
(7)Cu上の硬化レリーフパターンの解像度
6インチシリコンウエハー(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L−440S−FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuをこの順にスパッタした。続いて、このウェハー上に、後述の方法により調製した感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、乾燥することにより10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜に、テストパターン付マスクを用いて、プリズマGHI(ウルトラテック社製)により500mJ/cmのエネルギーを照射した。次いで、この塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いてコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスすることにより、Cu上のレリーフパターンを得た。
Cu上に該レリーフパターンを形成したウェハーを、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、170℃で2時間加熱処理することにより、Cu上に約6〜7μm厚の樹脂からなる硬化レリーフパターンを得た。
作製したレリーフパターンを、光学顕微鏡下で観察し、最少開口パターンのサイズを求めた。このとき、得られたパターンの開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1/2以上であれば解像されたものとみなし、解像された開口部のうち最小面積を有するものに対応するマスク開口辺の長さを解像度とした。
「優」:最小開口パターンのサイズが10μm未満
「良」:最小開口パターンのサイズが10μm以上14μm未満
「可」:最小開口パターンのサイズが14μm以上18μm未満
「不可」:最小開口パターンのサイズが18μm以上
(8)樹脂組成物の全塩素量測定
感光性樹脂組成物を調製後、室温(23.0℃±0.5℃、相対湿度50%±10%)で3日間静置した後、樹脂組成物の全塩素量(遊離塩素と共有結合性塩素の合計量)を測定した。感光性樹脂組成物を800℃で燃焼・分解させ、その分解ガスを超純水に吸収させ、イオンクロマトグラフィーで樹脂組成物中の全塩素量を決定した。イオンクロマトグラフィーは、ダイオネクス社製IC−1000とIonPac AS12A(4mm)カラムから構成され、溶離液を0.3mM NaHCO/2.7mM NaCO水溶液として、流量1.5mL/minで測定した。
[(A)ポリイミド前駆体の製造]
<製造例1>ポリイミド前駆体A−1の合成
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2L容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ−ブチロラクトン400mLを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に反応混合物を室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mLに溶解した溶液を攪拌しながら40分掛けて反応混合物に加え、続いて4,4’−オキシジアニリン(ODA)93.0gをγ−ブチロラクトン350mLに懸濁したものを攪拌しながら60分掛けて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mLを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mLを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3Lのエチルアルコールに加えて粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5Lに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28Lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリマーA−1)を得た。ポリマー(A−1)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
なお、各製造例で得られた樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算での重量平均分子量を求めた。
ポンプ:JASCO PU−980
検出器:JASCO RI−930
カラムオーブン:JASCO CO−965 40℃
カラム:Shodex KD−806M 直列に2本
移動相:0.1mol/L LiBr/NMP
流速:1mL/min.
<製造例2>ポリイミド前駆体A−2の合成
製造例1の4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマー(A−2)を得た。ポリマー(A−2)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
<製造例3>ポリイミド前駆体A−3の合成
製造例1の4,4’−オキシジアニリン(ODA)93.0gに代えて、p−フェニレンジアミン48.7gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマー(A−3)を得た。ポリマー(A−3)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は24,000であった。
<製造例4>ポリイミド前駆体A−4の合成
製造例1の4,4’−オキシジアニリン(ODA)93.0gに代えて、4,4‘−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル98.6gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマー(A−4)を得た。ポリマー(A−4)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
[(B)化合物の製造]
<製造例5>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−1の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gを1L容量のセパラブルフラスコに入れ、ジメチルアニリン0.4g、p−メトキシフェノール0.04g、メタクリル酸15.5gを投入し、100℃で反応させた。酸価を測定することで反応が進行したことを確認した後、イオン交換樹脂IRA96SB40.5gと混合して一終夜撹拌し、イオン交換樹脂を濾別除去する過程を3回繰り返すことで、{[プロパン−2,2−ジイルビス(4,1−フェニレン)]ビス(オキシ)}ビス(2−ヒドロキシプロパン−3,1−ジイル)=ジメタクリレートを主成分とするB−1を得た。
<製造例6>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−2の合成
メタクリル酸15.5gに代えてアクリル酸13.0gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、{[プロパン−2,2−ジイルビス(4,1−フェニレン)]ビス(オキシ)}ビス(2−ヒドロキシプロパン−3,1−ジイル)=ジアクリレートを主成分とするB−2を得た。
<製造例7>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−3の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてエチレングリコールジグリシジルエーテル17.42gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、1,2−ビス(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)エタンを主成分とするB−3を得た。
<製造例8>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−4の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてエチレングリコールジグリシジルエーテル17.42gを用い、メタクリル酸15.5gに代えてアクリル酸13.0gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、1,2−ビス(3−アクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタンを主成分とするB−4を得た。
<製造例9>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−5の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてグリセリンジグリシジルエーテル23.23gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、グリセロール1,3−ジグリセロレートジメタクリレートを主成分とするB−5を得た。
<製造例10>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−6の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてグリセリンジグリシジルエーテル23.23gを用い、メタクリル酸15.5gに代えてアクリル酸13.0gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、グリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレートを主成分とするB−6を得た。
<製造例11>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−7の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてビスフェノールF型エポキシ31.24gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、ビス[p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)]メタンを主成分とするB−7を得た。
<製造例12>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−8の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてグリシジルフェニルエーテル15.02gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートを主成分とするB−8を得た。
<製造例13>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−9の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてグリシジルフェニルエーテル15.02gを用い、メタクリル酸15.5gに代えてアクリル酸13.0gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを主成分とするB−9を得た。
<製造例14>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−10の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えてビスフェノールAジグリシジルエーテル水添物35.3gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ−1−プロポキシ)フェニル]プロパンを主成分とするB−10を得た。
<製造例15>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−11の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えて9,9−ビス[4−(2−グリシジルエトキシ)フェニル]フルオレン46.25gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、4,4‘−(9−フルオレニリデン)ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート)を主成分とするB−11を得た。
<製造例16>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−12の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gに代えて1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン24.30gを用いた以外は、前述の製造例5に記載の方法と同様にして反応を行い、1,6−ビス(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)ナフタレンを主成分とするB−12を得た。
<製造例17>エポキシ(メタ)アクリレート化合物B−13の合成
ビスフェノールAジグリシジルエーテル34.0gを1L容量のセパラブルフラスコに入れ、ジメチルアニリン0.4g、p−メトキシフェノール0.04g、メタクリル酸17.4gを投入し、100℃で反応させた。酸価を測定することで反応が進行したことを確認し、イオン交換樹脂による遊離塩素の除去を行うことなく、{[プロパン−2,2−ジイルビス(4,1−フェニレン)]ビス(オキシ)}ビス(2−ヒドロキシプロパン−3,1−ジイル)=ジメタクリレートを主成分とするB−13を得た。
[感光性樹脂組成物の製造]
<実施例1>
ポリイミド前駆体A−1を用いて以下の方法でネガ型感光性樹脂組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。(A)ポリイミド前駆体としてA−1:100g、(B)エポキシ(メタ)アクリレート化合物としてB−1:10g、(C)光重合開始剤として1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム(以下ではPDOと表記):5g、(F)モノマーとしてテトラエチレングリコールジメタクリレート(以下ではM4Gと表記):5gを、(D)γ−ブチロラクトン(以下ではGBLと表記):100gに溶解した。得られた溶液の粘度を、少量のGBLをさらに加えることによって、約40ポイズに調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。以上の手順から、(E)感光性樹脂組成物中の遊離塩素の量及び全塩素の量、並びに硬化膜に含まれる遊離塩素の量を調整した。該組成物を、前述の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
<実施例2〜18、比較例1〜4>
表1に示すとおりの配合比で調製したこと以外は、実施例1と同様のネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1及び2に示す。
Figure 2021117442
Figure 2021117442
表1および2から明らかなように、実施例1の感光性樹脂組成物では、ガラス転移温度は210℃であり、5%重量減少温度が300℃、解像度は「優」、耐薬品性試験結果は「優」であった。同様に実施例2〜10の感光性樹脂組成物はいずれも、ガラス転移温度は195℃以上であり、5%重量減少温度は290℃以上、解像度の結果は「可」以上、耐薬品性試験の結果は「可」以上であった。
これに対し、比較例1では、解像度は「優」であったが、ガラス転移温度は170℃、5%重量減少温度は260℃となった。耐薬品性試験の結果、膜厚変化率が浸漬前の膜厚を基準とすると20%変化しており、評価は「不可」となった。比較例2では、ガラス転移温度は210℃、5%重量減少温度は300℃、解像度は「良」であったが、耐薬品性は15%変化しており、評価は「不可」となった。比較例3ではガラス転移温度は200℃であり、5%重量減少温度が300℃であったが、解像度は「不可」であった。比較例4では耐薬品性が「不可」であった。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明による感光性樹脂組成物を用いることで、低温処理された硬化膜において高い解像度を維持しつつ、ガラス転移温度および5%重量減少温度を向上させ、耐薬品性を向上させることが可能である。したがって、本発明による感光性樹脂組成物は、例えば半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野で好適に利用できる。

Claims (16)

  1. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、
    (C)感光剤と、
    (D)溶剤と、
    (E)遊離塩素と、
    を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記遊離塩素の量は、前記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜2ppmである、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)感光剤が、光重合開始剤である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)ポリイミド前駆体が、下記一般式(1)で表される、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2021117442
    {式(1)中、Xは、炭素数6〜40の4価の有機基であり、Yは、炭素数6〜40の2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜40の1価の有機基である。ただし、R及びRの少なくとも一方は、下記一般式(2):
    Figure 2021117442
    で表される基であり、式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の1価の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。}
  4. 前記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、前記(D)溶剤を100〜860質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(D)溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、及び2−オクタノンからなる群から選択される一つ又は複数の化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、2つ以上の重合性不飽和結合を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、エポキシ樹脂と(メタ)アタクリル酸との反応物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(3)または(4)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2021117442
    {式(3)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
    Figure 2021117442
    {式(4)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
  9. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(5)または(6)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2021117442
    {式(5)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
    Figure 2021117442
    {式(6)中、Rは、炭素数1〜40の1価の有機基である。}
  10. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(7)で表される化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2021117442
    {式(7)中、R2は、炭素数1〜40の2価の有機基である。}
  11. 前記(B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物が、下記一般式(8)で表される化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2021117442
    {式(8)中、R6は、炭素数1〜40の2価の有機基である。}
  12. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)ヒドロキシル基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、
    (C)感光剤と、
    (D)溶剤と、
    (E)遊離塩素と
    を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物を、硬化後の膜厚が約10μmとなるように回転法で基盤上に塗布し、110℃で180秒間ホットプレートで加熱して硬化させたとき、得られる塗膜に含まれる前記遊離塩素の量が、前記塗膜の全質量を基準として、0.0001〜5ppmである、感光性樹脂組成物。
  13. (G)エポキシ樹脂を更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 前記(G)エポキシ樹脂の量は、前記(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項13に記載の感光性樹脂組成物。
  15. ネガ型感光性樹脂組成物である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  16. (A)ポリイミド前駆体と、
    (B)ヒドロキシル基及び複数の重合性不飽和結合を有する化合物と、
    (C)感光剤と、
    (D)溶剤と、
    (E)遊離塩素及び/又は共有結合性塩素と、
    を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物を調整後、23℃±0.5℃、相対湿度50%±10%で3日静置した際の前記感光性樹脂組成物中の全塩素量が、前記感光性樹脂組成物の全質量を基準として0.0001〜250ppmである、感光性樹脂組成物。
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