JP2021116476A - 高強度熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

高強度熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた穴拡げ性を有する高強度熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】高強度熱延鋼板を製造する方法であって、加熱炉において、鋼片を1150℃以上に加熱した後に、粗圧延機により板厚30〜40mmのシートバーまで圧延し、少なくとも5スタンド以上を備える仕上圧延機を用いて、仕上圧延入側温度が1000〜1150℃、前記仕上圧延機の第1スタンドの圧下率を40〜60%、第2スタンドの圧下率を40〜60%とすると共に、第3スタンド以降での総圧下率を75%未満で熱間圧延を行い、該熱間圧延後に350〜530℃の冷却停止温度まで冷却した後に、巻取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、加工性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法に関する。特に、穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法に関する。
自動車の足回り部品などの素材に用いられる熱延鋼板には、軽量化のための高い強度や大きな伸びに加えて、伸びフランジ加工に耐える良好な穴拡げ性や曲げ性が要求される。
これに対して、従来から多数の検討が行われてきている。例えば、特許文献1には、引張強さが690MPa以上の高強度鋼板に関して、Ti、Nb等の炭化物を形成する元素を添加して、フェライトやベイニティックフェライト等の軟質層を多量に生成させて、硬質第2相の生成を抑制し、かつ、粗大に析出しやすいTiNの粒子径をある程度以下に小さくし、穴拡げ性を向上させることが開示されている。製造方法としては、加熱温度を1200℃以上とすることで、析出物構成元素を十分に再固溶させ、粗圧延終了後の仕上圧延をAr3変態点以上の温度域で終了することが記載されている。
特許文献2では、加工性を向上させるための方法として、特に穴拡げ性を改善する高強度鋼板の製造方法が開示されている。具体的には、鋳造時の凝固組織を十分に破壊して、結晶組織を等軸化するために、連続鋳造後、1150℃以下に温度が低下する以前に60%以上の圧下率で粗圧延を行い、仕上圧延の総圧下率を60%以上とすると共に、展伸された加工フェライトが生成しないようにAr3変態点以上の温度で仕上圧延を終了する方法が開示されている。
また、特許文献3では、鋳造後の鋼片を圧延最終温度880から930℃の間で熱間圧延し、最後から2番目のパスの圧下率を25%未満、最終パスの圧下率を15%未満で、かつ最終パスおよび最終から2番目のパスの総圧延率を37%未満とすると共に、最後から2番目のパスの圧延開始温度を960℃未満とする熱間圧延鋼シートの製造方法が開示されている。これにより、等軸組織を生成することができ、良好な穴拡げ率を確保できるとしている。
特開2004-244651号公報 特開2006-161111号公報 特開2016-47963号公報
しかしながら、特許文献1に記載された高強度鋼板の製造方法は、粗大な析出物の生成を抑制し、穴拡げ性のばらつきを防止するものであり、引張強度が高い鋼板に対する効果が十分ではない。また、仕上圧延をAr3変態点以上の温度域で終了するのは、ひずみの残留により延性が低下しないためとされ、穴拡げ性に対する圧延条件の影響については明らかにされていない。
また、特許文献2の場合、実際の操業上においては、仕上圧延は1150℃以下の条件で行われることが多く、仕上圧延の条件によっては穴拡げ性が悪化する場合がある。
また、特許文献3の場合、仕上圧延の前段の圧延条件によっては穴拡げ性が悪化する場合がある。
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、優れた穴拡げ性を有する高強度熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明における高強度とは、引張強さが780MPa以上のことをいう。
本発明者らが鋭意検討した結果、仕上圧延の前段2スタンドでの圧下率を所定の値以上とすることで、鋼板組織の再結晶を促進すると共に、第3スタンド以降の圧下率を所定の値以下とすることで結晶粒の伸展を抑制することができ、従来に比べて穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板を得ることができるという知見を得た。特に、仕上圧延入側温度が比較的低温であっても優れた穴拡げ性が得られるという知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づき、さらなる検討を加えて完成させたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
[1]高強度熱延鋼板の製造方法であって、
加熱炉において、鋼片を1150℃以上に加熱した後に、粗圧延機により板厚30〜40mmのシートバーまで圧延し、
少なくとも5スタンド以上を備える仕上圧延機を用いて、
仕上圧延入側温度が1000〜1150℃、
前記仕上圧延機の第1スタンドの圧下率を40〜60%、第2スタンドの圧下率を40〜60%とすると共に、第3スタンド以降での総圧下率を75%未満で熱間圧延を行い、
該熱間圧延後に350〜530℃の冷却停止温度まで冷却した後に、巻取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[2]前記高強度熱延鋼板の組織は、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比が1.3以上5.0以下であり、ベイナイト相の面積率が80%以上であることを特徴とする[1]に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
[3]前記高強度熱延鋼板の成分組成は、質量%で、C:0.04〜0.2%、Si:3.0%以下、Mn:1.0〜4.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Ti:0.3%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする[1]または[2]に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
[4]前記第2スタンド入側における鋼板温度Tp2[℃]と、前記第1スタンドで圧延された後の鋼板が、前記第1スタンドを出てから第2スタンドに搬送されるまでの時間T[秒]が、下記式(1)を満足することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
Tp2≧1100−100×log10(T) (1)
[5]前記シートバーは、先行材のシートバーの尾端部または後行材のシートバーの先端部と接合された後に、前記仕上圧延機を用いて熱間圧延を行うことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、穴拡げ性に優れた高強度熱延鋼板を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る熱間圧延設備の模式図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る熱間圧延設備の模式図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に基づく実施形態の熱間圧延設備を説明する模式図である。図1に示すように、搬送方向の上流側から下流側に向けて、加熱炉1、粗圧延機2、仕上圧延機3、ランアウトテーブル4、巻取り装置5が順に配置されている。
加熱炉1では、スラブ(鋼片)を予め設定したスラブ温度まで加熱する。次いで、粗圧延機2において、加熱されたスラブを予め設定した板厚まで粗圧延する。次いで、仕上圧延機3において、目標とする板厚まで仕上圧延する。その後、ランアウトテーブル4において、水冷により鋼板を所定の温度まで冷却し(ランアウト冷却)、巻取り装置(コイラー)5において冷却後の鋼板を巻き取る。本発明において、仕上圧延機3は少なくとも5スタンド以上の圧延機から構成され、好ましくは7スタンド以上とするのが良い。
なお、後述するように、粗圧延機2と仕上圧延機3の間に、シートバー同士を接合し連続して仕上圧延を行うための接合装置やそれに付随する設備があってもよい。また、粗圧延機2の上流側に鋳造機が連結していてもよく、この場合は鋳造された薄スラブが直接粗圧延機に搬送されて圧延されればよい。
本発明では、所定の成分組成を有する鋼片を、加熱炉において1150℃以上に加熱する。鋼片中には、Tiなどの炭窒化物形成元素の殆どが、粗大な炭窒化物として存在している。この粗大で不均一な析出物の存在は、熱延鋼板の加工性を劣化させる。そのため、熱間圧延前の鋼片中の粗大な析出物を十分に固溶させるために、加熱温度を1150℃以上とする必要がある。また、鋼片の加熱温度が高くなりすぎるとスラブ疵の発生や、スケールオフによる歩留まり低下を招くため、鋼片の加熱温度は1350℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、鋼片の加熱温度は1180℃以上である。また、より好ましくは、鋼片の加熱温度は1300℃以下である。さらに好ましくは、鋼片の加熱温度は1200℃以上である。また、さらに好ましくは、鋼片の加熱温度は1280℃以下である。
鋼片を加熱した後、粗圧延機により板厚30〜40mmのシートバーまで圧延する。シートバー厚が30mm未満の場合、仕上圧延の前段スタンドで所定の圧下率を確保できない場合や、粗圧延での温度低下が大きくなって、仕上入側温度が所定の温度を確保できない場合がある。一方、シートバー厚が40mmを超えると、仕上圧延の後段スタンドの圧下率が過大となって穴拡げ性が確保できない場合がある。また、粗圧延機と仕上圧延機の間にシートバー同士を接合し連続して仕上圧延を行うための接合装置を備える場合において、シートバー厚が40mmを超えると、接合装置が大型化し設備コストの増加を招く場合もある。なお、シートバー厚としては、32mm以上とするのが望ましい。
本発明では、少なくとも5スタンド以上を備える仕上圧延機を用いて、仕上圧延入側温度が1000〜1150℃で、仕上圧延機の第1スタンドの圧下率を40〜60%、第2スタンドの圧下率を40〜60%とすると共に、第3スタンド以降での総圧下率を75%未満で熱間圧延を行う。
本発明では、仕上圧延の第1スタンドにおいて大きな圧下率を付与することで、加工発熱により第2スタンド入側の温度を高くすることができる。そこで、本発明では、仕上圧延機入側における仕上入側温度として1000〜1150℃とする。仕上圧延入側温度が1000℃未満では、仕上圧延の前段スタンドにおける再結晶が不十分となり、伸展された結晶粒が巻取後の組織に残存しやすくなって、穴拡げ性が低下してしまう。好ましくは1050℃以上である。一方、仕上圧延入側温度が1150℃を超えると、仕上圧延の後段スタンドにおいてオーステナイト相に蓄積されたひずみの回復が進行し、ベイナイト相の強度が低下する場合があるため、1150℃以下とする。好ましくは1125℃以下とする。
次に、各スタンドの圧下率の限定理由について説明する。
仕上圧延機の第1スタンドの圧下率を40%以上とするのは、加工発熱による温度上昇により第1スタンドでの圧延温度を高く保つことができるため、大きな加工ひずみを付与することができ、第2スタンドまで搬送される間に再結晶が促進され、結晶粒の等軸化が進展する。これにより、最終製品の穴拡げ性が向上する。好ましくは45%以上とする。また、第2スタンドの圧下率を40%以上とするのも、同様な理由であり、第1スタンドの圧下率を高くとることで、加工発熱による温度上昇のため、第2スタンドでの圧延温度を高く保つことができ、さらに、第2スタンドの圧下率を高くすることで、第3スタンドまで搬送される間の再結晶を促進し、結晶粒の等軸化を進展させるためである。そして、第3スタンド以降の圧下により結晶粒に蓄積されるひずみを軽減することで、伸展された結晶粒が巻取後の組織に残存するのを軽減することができる。
一方、第1スタンドおよび第2スタンドの圧下率を60%以下としているのは、圧延負荷が過大となり設備破損のおそれや、スリップによる噛み込み不良が生じて圧延が不安定化するおそれがあるからであり、好ましくは50%以下とする。なお、圧下率をできるだけ大きくするために、潤滑剤を供給しながら圧延することで圧延荷重を低下させ、高圧下率を確保してもよい。
なお、仕上圧延機では後段スタンドほど材料速度が増加するため、前段スタンドの方がスタンド間を通過する時間が後段スタンドより長い。したがって、スタンド間の搬送時間が長い前段スタンドの方がスタンド間での再結晶による結晶粒の等軸化が期待できるため、本発明では第1スタンドおよび第2スタンドの圧下率を高く設定している。
一方、第3スタンドから最終スタンドまでの総圧下率は75%未満とする。第3スタンド以降では、温度低下およびスタンド間での搬送時間が短くなるため、再結晶による結晶粒を等軸化させることが難しい。このため、結晶粒に導入されるひずみを軽減し、伸展された結晶粒が巻取後の組織に残存することを防ぐために、本発明では第3スタンドから最終スタンドまでの総圧下率は75%未満とする。好ましくは、第3スタンドから最終スタンドまでの総圧下率は65%未満とする。
以上のようにして、仕上圧延機を通過した鋼板は、350〜530℃の冷却停止温度まで冷却(ランアウト冷却)した後に、コイラーによって巻き取る。冷却停止温度(巻取り温度)が低いほど、ベイナイト変態が促進しベイナイト相の面積率が増加するが、冷却停止温度が350℃未満の場合は、マルテンサイト変態が生じて粗大なマルテンサイト相を形成し、所望の穴広げ性が得られなくなる。一方、冷却停止温度が530℃を超えると、ベイナイト変態の駆動力が不足し、ベイナイト変態が完了しない。そのため、ベイナイトと未変態オーステナイトの状態で等温保持されるので、未変態オーステナイトに炭素が分配される。そして、粗大なマルテンサイト相またはマルテンサイト−オーステナイト混合相が生成されるので、穴広げ性が低下する。また、冷却停止温度が530℃を超えると、Ti、NbやV等の炭化物形成元素が炭素と結合して直径20nm未満の析出物が形成され、加工性も劣化する。そのため、冷却停止温度は350〜530℃とする。好ましくは、冷却停止温度は380℃以上である。また、好ましくは、冷却停止温度は510℃以下である。より好ましくは、冷却停止温度は410℃以上である。また、より好ましくは、冷却停止温度は480℃以下である。
なお、ランアウト冷却では、平均冷却速度として、30℃/s以上が好適である。強制冷却において、仕上圧延完了温度から巻取り温度までの平均冷却速度が低いと、ベイナイト変態の前にフェライト変態が起こり、所望の面積率のベイナイト相が得られないからである。平均冷却速度の上限は特に規定されないが、平均冷却速度が大きくなりすぎると、表面温度が低くなりすぎて、鋼板表面にマルテンサイトが生成しやすくなって、所望の穴広げ性が得られなくなる場合があるため、平均冷却速度を120℃/s以下とすることが好ましい。また、平均冷却速度は、鋼板の表面における平均冷却速度とする。
さらに、本発明では、仕上圧延機の第2スタンド入側における鋼板温度Tp2[℃]と、第1スタンドで圧延された後の鋼板が、第1スタンドを出てから第2スタンドに搬送されるまでの時間T[秒]が、以下の式(1)を満足することが好ましい。
Tp2≧1100−100×log10(T) (1)
本発明では、上記式(1)を満足することにより、コイル内で圧延速度(仕上圧延機3の最終スタンド出側における鋼板の搬送速度)が変化した場合にも、鋼板の長手方向における材質の均一性を向上させることができる。上述したように、第1スタンドから第2スタンドまでの搬送時間が長いほど、スタンド間での再結晶が促進され、結晶粒の等軸化が進展するため、上記式(1)を満足することにより、第2スタンド入側における鋼板温度Tp2が比較的低くなっても第2スタンドから第3スタンドの間の再結晶を促進することができると共に、第3スタンド以降の圧下により結晶粒に蓄積されるひずみを軽減することができる。
式(1)を満足させるには、例えば、仕上圧延機の圧延速度や第1スタンドと第2スタンドのスタンド間に配置したストリップクーラントの流量を調整すればよい。圧延速度が変化すると、スタンド間の搬送時間や、スタンド間での温度低下量が変化する。本発明では、圧延速度を変更することで、第1スタンドを出てから、第2スタンドに搬送されるまでの時間Tを変化させることができる。また、第1スタンドと第2スタンドのスタンド間に配置したストリップクーラントの流量を低下させることで、第2スタンド入側における鋼板温度Tp2を高くすることができる。
なお、第1スタンドで圧延された後の鋼板が、第1スタンドを出てから第2スタンドに搬送されるまでの時間とは、第1スタンドのロールバイト直下の位置にある鋼板がスタンド間を搬送されて、第2スタンドのロールバイトに到達するまでの時間であり、(第1スタンドと第2スタンドのスタンド間距離)/(第1スタンド出側の材料速度)から計算される。したがって、仕上圧延中に圧延速度が変化する場合には、シートバーの長手方向の位置によって第1スタンドを出てから第2スタンドに搬送されるまでの時間は変化するため、鋼板の全長にわたって式(1)を満足することが好ましい。第1スタンド出側の材料速度については、スタンド間の板速度計による計測値を用いることができる。また、圧延速度と板厚および第1スタンド出側の板厚から、マスフロー一定則により算出してもよい。
また、本発明では、圧延速度が低いほど、スタンド間での再結晶による結晶粒の等軸化が期待でき、良好な穴拡げ性を得ることができるが、圧延速度が低い場合には生産能率が低下する。圧延速度は、仕上圧延のパススケジュール(各スタンドの圧下率配分)によって影響を受けるものであるが、500〜1300mpmであることが好ましい。より好ましくは550〜900mpmである。
次に、本発明が対象とする高強度熱延鋼板の組織について説明する。本発明の高強度熱延鋼板は、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比が1.3以上5.0以下であることが好ましい。その理由は、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比が1.3未満では、引張強さとして780MPa以上を得ることが難しい場合がある。また、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比が5.0を超えると、相界面における応力集中により穴拡げ性が低下する場合がある。
また、本発明の高強度鋼板はベイナイト相を主相とし、面積率80%以上とすることが好ましい。ベイナイト相とは、ラス状のベイニティックフェライトと、ベイニティックフェライトの間および/又は内部にFe系炭化物を有する組織(Fe系炭化物の析出が全くない場合を含む)を意味する。ベイニティックフェライトは、形状がラス状でかつ内部に比較的高い転位密度を有するため、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて容易に区別ができる。引張強さTS:780MPa以上の強度を実現し、穴拡げ性を高めるためにはベイナイト相を主相とすることが好ましく、第2相組織の面積率が20%未満であれば穴拡げ時に相界面でマクロ的な応力集中が起きず、優れた穴拡げ性が得られる。
次に、本発明の高強度熱延鋼板について、質量%で、C:0.04〜0.2%、Si:3.0%以下、Mn:1.0〜4.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Ti:0.3%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することが望ましい。以下に、望ましい成分組成の限定理由について説明する。なお、とくに断らない限り、以下の成分組成を表す%は質量%を意味するものとする。
C:0.04〜0.2%
Cは、焼入れ性を向上させることによってベイナイトの生成を促進する元素である。そのため、本発明では、C含有量を0.04%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.2%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイト相またはマルテンサイト−オーステナイト混合相の生成が増加し、熱延鋼板の穴拡げ性が低下する。したがって、C含有量を0.04〜0.2%とすることが好ましい。より好適な範囲は0.04〜0.18%である。
Si:3.0%以下
Siはフェライト生成を促進する元素であり、Si含有量が3.0%を超えると、フェライトが生成し、熱延鋼板の穴拡げ性が劣化する。したがって、Si含有量は3.0%以下とすることが好ましい。より好適な範囲は0.1〜2.0%である。
Mn:1.0〜4.0%
Mnは、固溶して熱延鋼板の強度増加に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、穴拡げ性を向上させる。このような効果を得るためには、Mn含有量を1.0%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が4.0%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイト相またはマルテンサイト−オーステナイト混合相が増加して熱延鋼板の穴拡げ性が低下する。したがって、Mn含有量を1.0〜4.0%とすることが好ましい。より好適には1.0〜3.0%である。
P:0.1%以下
Pは、固溶して熱延鋼板の強度増加に寄与する元素である。しかし、粒界、特に旧オーステナイト粒界に偏析し、加工性の低下を招く元素でもある。このため、P含有量を極力低くすることが好ましいが、0.1%までのPの含有は許容できる。したがって、P含有量は0.1%以下とすることが好ましい。
S:0.02%以下
Sは、TiやMnと結合して粗大な硫化物を形成し、熱延鋼板の穴拡げ性を低下させる。そのため、S含有量を極力低くすることが好ましいが、0.02%まで含有することは許容できる。したがって、S含有量を0.02%以下とすることが好ましい。より好適には0.005%以下である。
Al:1.0%以下
Alの過剰な添加は酸化物系介在物の増加を招き、熱延鋼板の穴拡げ性を低下させるとともに、疵の発生原因となる。したがって、Al含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好適には0.005〜0.1%である。
N:0.01%以下
Nは、高温でTiと結合して粗大な窒化物になり易く、熱延鋼板の穴拡げ性を低下させる。このため、N含有量を0.01%以下とすることが好ましい。より好適には0.005%以下である。
Ti:0.3%以下
Ti含有量が0.3%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなり、仕上圧延によりオーステナイト粒が扁平してしまい、穴拡げ性が低下する。したがって、Ti含有量を0.3%以下とすることが好ましい。より好適には0.02〜0.15%である。
本発明はさらに必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有してもよい。
V:0.03〜1.0%
Vは、析出強化または固溶強化により鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であるこれらの効果を発現させるためには、V含有量を0.03%以上とすることが好ましい。一方、含有量が1.0%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、仕上圧延完了後のオーステナイト粒のアスペクト比が5.0を超えてしまい、穴拡げ性が低下する場合がある。したがって、Vを含有する場合は、1.0%以下とする。
Nb:0.005〜0.18%
Nbは、析出強化または固溶強化により鋼板の強度を向上させる作用を有する元素である。これらの効果を発現させるためには、Nb含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、含有量が0.18%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎて、仕上圧延完了後のオーステナイト粒のアスペクト比が5.0を超えてしまい、穴拡げ性が低下する場合がある。したがって、Nbを含有する場合は、0.18%以下とする。
Cr:0.1〜1.0%
Crは、炭化物を形成して熱延鋼板の高強度化に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、ベイナイト粒内へのFe系炭化物析出を促進する元素である。これらの効果を発現させるためには、Cr含有量を0.1%以上とすることが好ましい。一方、含有量が1.0%を超えると、マルテンサイト相が生成しやすくなり、熱延鋼板の穴拡げ性が低下する場合がある。したがって、Crを含有する場合は、1.0%以下とする。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、旧オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成・成長を抑制し、熱延鋼板の強度と穴広げ性向上に寄与する元素である。これらの効果を発現させるためには、B含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。一方で、含有量が0.0050%を超えると、効果が飽和する。したがって、Bを含有する場合は、0.0050%以下とする。
Mo:0.05〜0.50%
Moは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、熱延鋼板の強度と穴広げの向上に寄与する。このような効果を得るためには、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方で、含有量が0.50%を超えると、マルテンサイト相が生成しやすくなり、熱延鋼板の穴拡げ性が低下する場合がある。したがって、Moを含有する場合は、0.50%以下とする。
Cu:0.01〜0.30%
Cuは、固溶して熱延鋼板の強度増加に寄与する元素である。また、Cuは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、強度と穴広げ性の向上に寄与する。これらの効果を得るためには、Cu含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方で、含有量が0.30%を超えると、熱延鋼板の表面性状の劣化を招く場合がある。したがって、Cuを含有する場合は、0.30%以下とする。
Ni:0.01〜0.50%
Niは、固溶して熱延鋼板の強度増加に寄与する元素である。また、Niは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、強度と穴広げ性の向上に寄与する。これらの効果を得るためには、Ni含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方で、含有量が0.50%を超えると、マルテンサイト相が生成しやすくなり、熱延鋼板の穴拡げ性が低下する場合がある。したがって、Niを含有する場合は、0.50%以下とする。
Sb:0.0002〜0.0200%
Sbは、スラブ加熱段階でスラブ表面の窒化を抑制する効果を有し、その結果、スラブ表層部のBNの析出が抑制される。また、固溶Bが存在することにより熱延鋼板表層部においてもベイナイトの生成に必要な焼入れ性を得ることができ、熱延鋼板の強度と穴広げ性を向上させる。このような効果の発現のためにはその量を0.0002%以上とすることが好ましい。一方で、含有量が0.0200%を超えると、圧延荷重の増大を招き、生産性を低下させる場合がある。したがって、Sbを含有する場合は、0.0200%以下とする。
残部はFeおよび不可避的不純物とする。
本発明の他の実施形態として、対象材(本発明が対象とする高強度熱延鋼板)に対して先行するシートバー(先行材)と後続のシートバー(後行材)を接合し連続して仕上圧延を行うための接合装置やそれに付随する設備がある場合について、説明する。なお、本発明において、「対象材」は先行材とのみ接合されている場合、「後行材」とのみ接合されている場合、「先行材」と「後行材」の両者と接合されている場合のいずれの場合も含む。
図2に示す熱間圧延設備では、粗圧延機2と仕上圧延機3との間に、コイルボックス6および接合装置7が配置される。コイルボックス6は、粗圧延機による粗圧延を終えた先行材を巻き取って、対象材の粗圧延が終了するまで先行材を待機させる設備である。これにより、先行材の温度低下を抑えることができる。接合装置7は、先行材の尾端部に、対象材の先端部を接合するための設備である。例えば、先行材と対象材の接合部近傍を誘導加熱装置により加熱して、それらを突き合わせして押圧することで、先行材に対象材を接合することができる。さらに、対象材がコイルボックス6に巻き取られた後には、後行材の粗圧延が終了するまで待機し、接合装置7により対象材の尾端部に、後行材の先端部を接合することで、複数のシートバーを接続することができる。なお、接合装置7には、押圧による接合を容易にするために、前材の尾端部と後材の先端部を切り落とすクロップシャーや、押圧部を拘束するクランプ装置が併設される場合がある。
図2に示す熱間圧延設備では、このようにして先行材と後行材とを対象材に接合した状態で、仕上圧延機3により連続圧延を行う。なお、ランアウトテーブル4とコイラー5の間には、切断装置8が配置される。これにより、前材と後材は、接合部近傍で走間での切断が行われてからコイラー5により巻き取られる。
図2に示す熱間圧延設備を用いて本発明の高強度熱延鋼板を製造する場合、本発明の高強度熱延鋼板を「対象材」、「対象材」に先行するシートバーを「先行材」、「対象材」の後続のシートバーを「後行材」として、「対象材」は少なくとも「先行材」および「後行材」のいずれかと接合されて仕上圧延が行われる場合について説明する。
本発明の高強度熱延鋼板を製造する場合、対象材を粗圧延機により板厚30〜40mmのシートバーまで圧延した後に、先行材のシートバーの尾端部または後行材のシートバーの先端部と接合し、その後仕上圧延機3により連続的に熱間圧延を行う。先行材のシートバーの尾端部と接合する場合には、対象材の先端部が仕上圧延機3を通過する際に、先行材のシートバーの定常部に対して圧延速度を低下させる必要がないので、対象材のシートバーの先端部から定常部にかけての温度履歴を均一化することができ、長手方向で材質の変動が小さい高強度熱延鋼板を製造することができる。また、対象材のシートバーの先端部の各スタンドに対する通板作業をなくすことができるので、圧延中のスリップのリスクが減り、第1スタンドおよび第2スタンドにおける対象材のシートバーの先端部の圧下率を大きくすることが容易になる。
一方、対象材の尾端部を後行材のシートバーの先端部と接合する場合には、対象材のシートバーの尾端部が仕上圧延機3を通過する際に、対象材のシートバーの定常部と同一の圧延速度で通過させることができるので、対象材のシートバーの定常部から尾端部にかけての温度履歴を均一化することができ、長手方向で材質の変動が小さい高強度熱延鋼板を製造することができる。また、対象材のシートバーの尾端部の各スタンドに対する尻抜け作業をなくすことができるので、圧延中のスリップのリスクが減り、第1スタンドおよび第2スタンドにおける対象材のシートバーの尾端部の圧下率を大きくすることが容易になる。
対象となるシートバーと接合する先行材または後行材は、成分組成や製品強度などが同種の鋼材であっても、異なる鋼材であってもよいが、成分組成は上述した成分組成であることが好ましい。
本発明においては、図2の熱間圧延設備を用いて高強度熱延鋼板を製造することがより好ましい。すなわち、対象材を先行材のシートバーの尾端部および後行材のシートバーの先端部と接合して、仕上圧延機3により対象材の先端部および尾端部が接合された状態で連続的に熱間圧延を行うのが、より好ましい。図2の熱間圧延設備を用いて高強度熱延鋼板を製造することにより、先端部から尾端部に至るまでの材質の均一性をより向上させることができ、鋼帯の長手方向における圧下率を一定に維持しやすい。
表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ(鋼片)とし、図1に示す熱間圧延設備にて熱間圧延を施した。具体的には、厚さ260mmのスラブを加熱炉1で1180℃まで加熱した後、粗圧延機2により表2に示す厚さのシートバーとなるように圧延した後、さらに7スタンドを備える仕上圧延機3により表2に示す圧下率にて厚さ2.9mmまで圧延した。圧延後、ランアウトテーブル4にて410〜480℃の範囲となるように水冷を行い巻取り装置5にて巻き取った。巻取状態で室温まで冷却した鋼板から、試験片を切り出し、組織観察、引張試験、穴拡げ試験を実施した。
組織観察については、熱延鋼板から光学顕微鏡用試験片を採取し、圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、腐食液(ピクリン酸、界面活性剤、シュウ酸を含有する水溶液)で旧オーステナイト組織を現出させ、板厚1/4位置にて光学顕微鏡を用い、400倍の倍率で5視野撮影して、旧オーステナイト粒を楕円に近似し、すなわち、粒の最長部を長径とし、最短部を短径とし、(長径)/(短径)をアスペクト比として測定した。得られた各旧オーステナイト粒のアスペクト比を算術平均した値を、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比とした。
引張試験については、熱延鋼板から、引張方向が圧延方向と直角方向になるようにJIS5号試験片(GL:50mm)を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を行い、引張強さを求めた。
穴拡げ試験については、試験片の中央に10mm径の穴を打ち抜き、頂角60°の円錐ポンチでこの穴をクラックが断面を貫通するまで押し拡げ、穴直径の増加割合を調べた。穴拡げ率λは式(3)で定義される。
λ=100×(φ1―φ0)/φ0 (3)
λ:穴拡げ率(%)
φ0:初期穴直径(mm)
φ1:クラックが断面を貫通した時点の穴直径(mm)
穴拡げ率λが80%以上のものを合格(〇または◎)とし、なかでも穴拡げ率λが95%以上ものを合格(◎)とした。なお、穴拡げ率λが80%未満のものを不合格(×)とした。
表2に結果を示す。
Figure 2021116476
Figure 2021116476
表2の結果から、本発明例についてはいずれも穴拡げ性を満足した。
表3に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ(鋼片)とし、図2に示す熱間圧延設備にて熱間圧延を施した。本実施例では、同一の成分組成および製品目標寸法を有する鋼片を3本連続して圧延を行った。具体的には、厚さ260mmのスラブを加熱炉1で1230℃まで加熱した後、粗圧延機2により表4に示す厚さのシートバーとなるように圧延した。その際、1本目の鋼片についての粗圧延後のシートバーAをコイルボックス6に巻き取って待機させた後、2本目の鋼片についての粗圧延後のシートバーBを同様に巻き取る。一方で、先行材であるシートバーAはコイルボックスから払い出し、シートバーAの尾端部とシートバーBの先端部とを接合装置7により接合し、その後、仕上圧延機3によりシートバーA、接合部、シートバーBの順に連続的に圧延が行われる。さらに、その間に、3本目の鋼片についての粗圧延後のシートバーCがコイルボックス6で巻き取られ、上記と同様に、シートバーBの尾端部とシートバーCの先端部を接合装置7により接合し、仕上圧延機3により連続的な圧延が行われる。これにより、少なくともシートバーAの尾端部、シートバーBの先端部および尾端部、シートバーCの先端部については、連続圧延が行われたことになる。なお、シートバーBが「対象材」、シートバーAが「先行材」、シートバーCが「後行材」に相当する。したがって、本実施例における、材料試験の対象はシートバーBである。
このとき、仕上圧延機3は7スタンドの圧延機から構成されており、上記シートバーA〜Cはいずれも板厚2.4mmまで圧延された。その後、ランアウトテーブル4にて巻取り温度が410〜480℃の範囲となるように水冷を行い、接合部にて切断後、巻取り装置5にて巻き取った。巻取り状態で室温まで冷却した鋼板として、シートバーBの先端部から、表4の試験No.1〜12で示した試験片を切り出し、実施例1と同じ手法で組織観察、引張試験、穴拡げ試験を実施した。
表4に結果を示す。
Figure 2021116476
Figure 2021116476
表4の結果から、本発明例については、いずれも優れた穴拡げ性を示した。
実施例2における、表4の試験No.10について、シートバーBから製造された熱延鋼板の長手方向から、先端部および尾端部を含む任意の5か所から試験片を採取し、鋼板の引張試験を行い、引張強さを求めた。引張試験の方法は上記と同じである。その結果、引張強さは988〜1008MPaの範囲にあり、熱延鋼板の長手方向で20MPaのばらつきとなった。一方、シートバー厚、第1スタンド圧下率、第2スタンド圧下率および第3スタンド以降の合計圧下率、シートバーの先端部の仕上圧延入側温度を、試験No.10と同一に設定して、先端部または尾端部を接合しない圧延(バッチ圧延)を行った。その結果、引張強さは、968〜1026MPaの範囲で変動し、熱延鋼板の長手方向では58MPaのばらつきが生じた。したがって、図2の熱間圧延設備を用いて熱間圧延することにより、鋼板の材質の均一性をより向上させることができる。
1 加熱炉
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 ランアウトテーブル
5 巻取り装置(コイラー)
6 コイルボックス
7 接合装置
8 切断装置

Claims (5)

  1. 高強度熱延鋼板の製造方法であって、
    加熱炉において、鋼片を1150℃以上に加熱した後に、粗圧延機により板厚30〜40mmのシートバーまで圧延し、
    少なくとも5スタンド以上を備える仕上圧延機を用いて、
    仕上圧延入側温度が1000〜1150℃、
    前記仕上圧延機の第1スタンドの圧下率を40〜60%、第2スタンドの圧下率を40〜60%とすると共に、第3スタンド以降での総圧下率を75%未満で熱間圧延を行い、
    該熱間圧延後に350〜530℃の冷却停止温度まで冷却した後に、巻取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
  2. 前記高強度熱延鋼板の組織は、旧オーステナイト粒の平均アスペクト比が1.3以上5.0以下であり、ベイナイト相の面積率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  3. 前記高強度熱延鋼板の成分組成は、質量%で、C:0.04〜0.2%、Si:3.0%以下、Mn:1.0〜4.0%、P:0.1%以下、S:0.02%以下、Al:1.0%以下、N:0.01%以下、Ti:0.3%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記第2スタンド入側における鋼板温度Tp2[℃]と、前記第1スタンドで圧延された後の鋼板が、前記第1スタンドを出てから第2スタンドに搬送されるまでの時間T[秒]が、下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
    Tp2≧1100−100×log10(T) (1)
  5. 前記シートバーは、先行材のシートバーの尾端部または後行材のシートバーの先端部と接合された後に、前記仕上圧延機を用いて熱間圧延を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
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