JP2021095308A - ガラスの製造方法 - Google Patents

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康志 紀井
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【課題】溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を効果的に低減又は防止する方法を提供する。【解決手段】本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を備えるガラスの製造方法であって、該金属部材間に印加される交流電圧を以下の式で算出される電流密度I未満に制御することを特徴とする。I=0.0346×η+40I:電流密度(mA/cm2)、η:金属部材に接触する溶融ガラスの粘度(dPa・s)【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスの製造方法に関し、具体的には溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を備えるガラスの製造方法において、電気化学的な気泡を効果的に低減又は防止し得る方法に関する。
ガラスの製造工程では、溶融ガラスを加熱するために、溶解槽内に挿入した電極による直接通電加熱が行われる場合があり、フィーダー、成形装置等への通電加熱が行われる場合もある。
溶融ガラスが通電加熱される場合、異なる金属部材間で溶融ガラスに電位差が生じると、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成されて、金属部材と溶融ガラスの界面近傍の溶融ガラス中に気泡が発生することがある。このような気泡がガラスの製造工程の下流域、具体的には清澄領域より下流域で発生すると、気泡が浮上して脱泡するための時間を十分に確保できなくなる。結果として、ガラス製品中に気泡が残留して、泡欠陥となる。
例えば、特許文献1には、交流電流密度及び直流電流密度をモニタリングして、気泡が発生する直流電流密度以下となるように、直流電流を相殺する補償直流電流を印加する方法が開示されている。
特許第5863836号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、電気化学的な気泡を低減又は防止する点で未だ改善の余地がある。例えば、交流電圧の周波数が低い領域では、直流電流が生じていない場合でも、印加する電圧によっては、気泡が発生することがある。
そこで、本発明の目的は、溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を効果的に低減又は防止する方法を提供することである。
本発明者等は、金属部材間の溶融ガラス中に生じている交流電流が、金属部材上で気泡を形成する際に、その電流密度及び気泡の発生量が金属部材上の溶融ガラスの粘度と密接に関係していることを見出し、本発明を提案するに至った。
詳述すると、金属部材上で気泡を形成する電流密度は、金属部材に接する溶融ガラスの粘度と直線関係にあり、金属部材間の溶融ガラスに生じる交流電流の電流密度の増加に伴って、気泡の発生量は増加する。そして、金属部材間の溶融ガラスに生じる交流電流の電流密度Iが式1を上回ると、金属部材上に発生した気泡が金属部材上から容易に離脱する。
I=0.0346×η+40 ・・・式1
I:電流密度(mA/cm)、η:金属部材に接触する溶融ガラスの粘度(dPa・s)
以上の知見に基づく本発明のガラスの製造方法は、溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を備えるガラスの製造方法であって、金属部材間に印加される交流電圧を式1で算出される電流密度I未満に制御することを特徴とする
また、交流電流の電流密度が式2を上回ると、金属部材上で気泡が形成され易くなる
I=0.0346×η+9 ・・・式2
I:電流密度(mA/cm)、η:金属部材に接触する溶融ガラスの粘度(dPa・s)
また、本発明のガラスの製造方法では、金属部材間の溶融ガラスに生じる交流電流の電流密度を式2で算出される電流密度I未満に制御することが好ましい。これにより、金属部材上での気泡の発生をより効果的に低減又は防止することができる。
ここで、「金属部材」は、ガラス製造装置を構成する金属製部材を意味する。「金属部材間に印加される交流電圧」は、ガラス製造装置を構成する複数の金属部材のうち、少なくとも2つの金属部材間における交流電圧を意味する。「電流密度」は、交流電圧が印加された金属部材間に流れる交流電流を市販のオシロスコープ等で測定した上で、交流電流と、金属部材における溶融ガラスに接触する面とその反対側に相当する面との合計面積(金属部材における溶融ガラスに接触する面の2倍の面積)の平均値から求めるものとする。「溶融ガラスの粘度」は、金属部材に接する溶融ガラスの粘度であり、白金球引き上げ法等で溶融ガラスの粘度と温度の関係を事前に求めた上で、金属部材の温度を測定することで求めることができる。
また、本発明のガラスの製造方法では、交流の周波数が1000Hz以下であることが好ましい。
また、本発明のガラスの製造方法では、金属部材がPt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金であることが好ましい。
また、本発明のガラスの製造方法では、金属部材に接触する溶融ガラスの粘度が104.0dPa・s以下であることが好ましい。
また、本発明のガラスの製造方法では、少なくとも清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接すると共に、複数の金属部材のうちの少なくとも2つの金属部材間で交流電圧を印加することが好ましい。これにより、気泡を除去し難い領域において気泡の発生を効果的に低減又は防止することができる。
本発明によれば、溶融ガラスに接する異なる金属部材間に交流電圧を印加した際に発生する気泡を効果的に低減又は防止することができる。
溶融ガラスの電流密度を測定し、金属部材上での気泡の発生を観察するための実験装置を示す概略図である。 金属部材上の溶融ガラスの粘度と気泡の発生との関係を示すデータである。
以下、本発明について詳述する。但し、以降の記載は本発明を限定するものではない。
本発明のガラスの製造方法では、溶融、清澄及び成形領域を備えることができる。
溶融領域とは、ガラス原料やガラスカレットをガラス化、溶融する領域である。連続溶融炉では、この領域は一般に溶解槽に該当する。
清澄領域とは、溶融ガラスの温度を上昇させることにより、溶融ガラス中に含まれる気泡を拡大、浮上させて除去する領域であり、連続溶融炉では、一般にホットスプリング又はホットスポットが該当する。この領域は、通常、ガラスの製造工程中で最も高温となる。またこの領域より下流側では、溶融ガラスに含まれる気泡が浮上して脱泡するための時間が不十分になることから、清澄領域より下流側で気泡が発生しないようにすることが求められる。
成形領域とは、溶融ガラスを均質化し、また成形に適した粘度となるように調整した後、所定の形状に成形する領域である。連続溶融炉では、一般にフィーダー、撹拌槽、成形装置等が該当する。
本発明のガラスの製造方法において、溶融ガラスは複数の金属部材と接する。連続溶融炉では、ガラスに通電したり、ガラスの汚染を防止したりする等の目的から、Pt、Rh、Ir、Mo、W等の金属、或いはこれらの合金で作製される耐熱性の金属部材が多用される。金属部材としては、溶解槽内に設置される電極、撹拌槽やフィーダーの壁面、スターラー、ガラスの移送装置、成形装置等が例示される。
清澄領域より下流側で溶融ガラスが複数の金属部材と接して交流電圧が生じる例としては、例えば撹拌槽壁面と撹拌槽内部に設けられるスターラーとの間、フィーダーの互いに絶縁された壁面の間、ガラスの移送装置と成形装置の間等である。
溶融ガラスが通電加熱されている場合、金属部材間で電位差が生じ、溶融ガラスを介して電気的な回路が形成され易い。電気的な回路が形成されると、以下の反応により気泡が生じ得る。
2− → 0.5O + 2e
上記の通り、清澄領域より下流側では気泡を除去し難いことから、その領域で金属部材間での電流密度が大きくならないようにすることが、ガラス製品の泡品位を向上させる上で極めて重要となる。
本発明のガラスの製造方法では、金属部材間に印加される交流電圧を、泡が金属部材から離脱し難いレベルに制御することを特徴とする。泡が金属部材から離脱し難いレベルに制御するには、金属部材に接触する溶融ガラスの粘度ηに対して、式1で求められる電流密度Iを下回るように交流電圧を制御すればよい。
本発明のガラスの製造方法では、金属部材に接触する溶融ガラスの粘度ηに対して、式2で求められる電流密度Iを下回るように交流電圧を制御することが好ましい。これにより、金属部材上で気泡が発生しないレベルに制御することができる。
交流電圧の制御箇所となる、溶融ガラスの電流密度及び温度の測定箇所は特に限定されるものではないが、気泡の発生を抑制したい位置で測定することが望ましい。特にフィーダーと呼ばれる製造工程の下流域で発生した泡は浮上の機会を得ずガラス製品に流出するため、フィーダーで電流密度及び温度を測定することが望ましい。
交流の周波数が低い程、気泡が発生し易くなる。よって、交流の周波数が低い程、本発明を実施する必要性が高くなる。交流の周波数は、好ましくは1000Hz以下、500Hz以下、特に200Hz以下である。交流の周波数が大き過ぎると、ガラス製造装置への費用負担が増加する。
金属部材に接触する溶融ガラスの粘度が低い程、気泡が発生し易くなる。よって、金属部材に接触する溶融ガラスの粘度が低い程、本発明を実施する必要性が高くなる。金属部材に接触する溶融ガラスの粘度は、好ましくは104.0dPa・s以下、103.5dPa・s以下、特に103.0dPa・s以下である。
本発明のガラスの製造方法において、ガラスの種類は特に限定されない。例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、Eガラス、アルミノ珪酸塩ガラス等のガラスを製造することができる。その中でも、リチウムアルミノ珪酸塩ガラス、Eガラス及び無アルカリアルミノ珪酸塩ガラスは、ガラスの製造工程で気泡の除去が困難であるため、本発明を適用する必要性が高くなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら制限されない。
図1は本実施例で用いる実験装置の概略図、つまり溶融ガラスの電流密度を測定し、金属部材上での気泡の発生を観察するための実験装置の概略図である。本実施例で使用するガラスは、ソーダ石灰ガラス(ガラスA)、ホウ珪酸ガラス(ガラスB)、リチウムアルミノ珪酸塩ガラス(ガラスC)、Eガラス(ガラスD)及び無アルカリアルミノ珪酸塩ガラス(ガラスE)である。
まず、ガラスA〜Eのガラスカレットを石英容器1にそれぞれ投入した後、表1に示す粘度ηになるように電気炉で溶融し、溶融ガラスGを得た。
Figure 2021095308
続いて、幅1.0cm、厚み0.04cmの白金板2a、2bを0.7cmの間隔で溶融ガラスG中に1.5cm浸漬するように平行に設置した後、交流電源3により白金板2a、2b間に交流電圧を300秒間印加し、電流密度を測定した。周波数は60Hzとした。更に白金板2a、2bの周囲の様子をCCDカメラ4で撮影した。
このようにして得られた交流電圧の印加前後の画像から、2枚の白金板2a、2b上に直径100μm以上の泡が観察されなかった場合を「〇」、100μm以上の泡が観察されたが、泡の発生量が少なく、電極から離れなかった場合を「●」、泡の発生量が多く、電極から離れた場合を「×」とし、気泡発生の程度を判定した。その結果を表2及び図2に示す。
Figure 2021095308
表2及び図2から明らかなように、白金板2a、2b間の電流密度が式2を下回るように交流電圧を調整した場合は気泡の発生が認められず、白金板2a、2b間の電流密度が式2を上回り、式1を下回るように交流電圧を調整した場合は気泡の発生量が少なく、気泡は電極から離れなかった。
1 石英容器、2a、2b 白金板、3 交流電源、4 CCDカメラ、G 溶融ガラス

Claims (6)

  1. 溶融ガラスが複数の金属部材と接する工程を備えるガラスの製造方法であって、金属部材間に印加される交流電圧を以下の式で算出される電流密度I未満に制御することを特徴とするガラスの製造方法。
    I=0.0346×η+40
    I:電流密度(mA/cm)、η:金属部材に接触する溶融ガラスの粘度(dPa・s)
  2. 交流電流の電流密度を以下の式で算出される電流密度I未満に制御することを特徴とする請求項1に記載のガラスの製造方法。
    I=0.0346×η+9
    I:電流密度(mA/cm)、η:金属部材に接触する溶融ガラスの粘度(dPa・s)
  3. 交流の周波数が1000Hz以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスの製造方法。
  4. 金属部材がPt、Rh、Ir、Mo、W又はこれらの合金であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラスの製造方法。
  5. 金属部材に接触する溶融ガラスの粘度が104.0dPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラスの製造方法。
  6. 少なくとも清澄領域より下流側の領域で溶融ガラスが複数の金属部材と接すると共に、複数の金属部材の内、少なくとも2つの金属部材間で交流電圧を印加することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラスの製造方法。
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