JP2021091622A - ウド抽出物 - Google Patents

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【課題】一実施形態において、美白剤及び/又は皮膚のターンオーバーの促進剤を提供する。別の実施形態において、ウド根抽出物の新たな用途を提供する。【解決手段】一実施形態において、本発明は、ウドの根の抽出物を含む美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又はこれらのいずれかを含む化粧料に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、ウドの根の抽出物を含む美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又はこれらのいずれかを含む化粧料等に関する。
皮膚の色素沈着の原因は種々の要素が挙げられ、なかでも大きな要因として考えられるものは紫外線である。紫外線の刺激を受けると、色素細胞であるメラノサイトは皮膚を守るためにメラニンを作り出すことが知られている。本来このメラニンは、紫外線を吸収し皮膚を守るために生成されるが、必要以上に過剰に生成されると、皮膚内部に滞留し色素沈着の原因となる。また、洗顔時の摩擦といった外的刺激も、メラニンの発生源であるメラノサイトを活性化させ、メラニン生成の原因となる。メラニンの過剰生成による色素沈着は美容上大きな問題であり、これを防ぐべく様々な美白剤が開発されている。
メラニンの生成には様々な要因が関係しているが、中でもチロシンのメラニンへの変換を触媒する酵素であるチロシナーゼが、主要な働きを担っている。そのため、色素沈着の原因となるメラニン生成を防ぐためには、チロシナーゼの活性を阻害することが重要である。
美白剤の例として、例えば、アスコルビン酸やそれらの誘導体であるα−グリコシル−L−アスコルビン酸(特許文献1)、アルブチン及びグルコシダーゼを有効成分とする組成物(特許文献2)、コウジ酸配糖体(特許文献3)などが挙げられる。また、チロシナーゼの活性阻害剤としては、天然青色色素であるヴィオラセイン(特許文献4)がある。しかし、これらは、コスト面や安定性、安全性において総合的に満足できるものではなかった。
一方、私たちの身体には皮膚を健常に保つ機能として、皮膚の新陳代謝であるターンオーバー機能が備わっている。正常に機能している皮膚では、ターンオーバーによって一定の期間で表皮細胞は新しく生まれ変わり、古い細胞はいずれ垢となり自然に剥がれ落ちていく。このように、ターンオーバーによって一定の周期で皮膚は生まれ変わるが、加齢や紫外線、生活習慣の乱れ、環境汚染による化学物質等が原因で、ターンオーバーは正常に機能しなくなることが知られている。ターンオーバーの乱れは、古い細胞が堆積することによる肌全体のくすみ、肌のキメが失われることによる毛穴の開き、開いた毛穴に皮脂が詰まることによる黒ずみ、本来排出されるべきメラニンの滞留といった様々な原因となり、色素沈着を引き起こす。
例えば、特許文献5には、野生スイカの抽出物を有効成分として含有する皮膚ターンオーバー改善剤が記載されているが、その効果は十分ではなかった。
ウド(Aralia cordata)はウコギ科タラノキ属の多年草で、日本では北海道から九州まで広く分布している山菜である。ウド抽出物の化粧料への利用としては、抗菌作用(特許文献6)等が報告されているが、美白作用等の報告はない。
特許第2981523号公報 特許第3909290号公報 特開平06−056872号公報 特開2017−210451号公報 特開2016−108261号公報 特許第3959593号公報
一実施形態において、本発明は、美白剤及び/又は皮膚のターンオーバーの促進剤を提供することを課題とする。別の実施形態において、本発明は、ウド根抽出物の新たな用途を提供することを課題とする。
本発明者らはウドの根の抽出物が、美白効果及び/又は皮膚のターンオーバー促進効果を有し得ることを見出した。また、本発明者らは、当該抽出物が、チロシナーゼ活性阻害効果等を有し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(1)ウドの根の抽出物を含む、美白剤。
(2)ウドの根の抽出物を含む、チロシナーゼ活性阻害剤。
(3)ウドの根の抽出物を含む、皮膚のターンオーバーの促進剤。
(4)前記抽出物が、アルコール及び/又は水を含む溶媒による抽出物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤を含む、化粧料。
(6)ウドの根の抽出物を得ることを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は化粧料を製造する方法。
本発明によって、美白作用及び/又は皮膚のターンオーバー促進効果等を有し得る成分が提供される。
図1は、ウド抽出物の色素沈着改善作用を示す。ウド抽出物を1日2回3週間継続的に塗布し、試験部位の色素沈着度合をAPI100を用いて測定した。対照区は、1,3−ブチレングリコール50%水溶液を同様に処理した。試験開始前0日目の色素沈着度合を100%とし、継続塗布1週間後および3週間後を評価した。 図2は、ウド抽出物の毛穴の皮脂つまり改善作用を示す。被験者の頬部を試験部位とし、ウド抽出物を1日2回2週間継続的に塗布し、試験部位の毛穴の皮脂つまり量をAPI100にて測定した。対照区は1,3−ブチレングリコール50%(w/w)水溶液とし、同様に処理した。試験開始前0日の毛穴の皮脂つまり量を100%とし、継続塗布2週間後を評価した。
一態様において、本発明は、ウドの根の抽出物を含む、又はこれからなる美白剤に関する。
ウド(Aralia cordata)はウコギ科タラノキ属の多年草で、日本では北海道から九州まで広く分布している山菜である。古くから食用として利用されており、栽培方法や生育環境によって呼び名が変わり、地下に室(むろ)を作りその中で完全に日光を遮断して萌芽、伸長させ栽培したものを軟白ウド、山に自生している天然の物や自生した芽の根株部分にのみ土を被せ、ある程度日光を当てて栽培したものを山ウドと呼ぶことがある。
本発明において原料となるウド(Aralia cordata)の産地及び品種は特に限定されない。例えば、日本産又は中国産濃度を用いることが出来る。また、栽培形態に関しても限定されず、野山に自生している天然物でもよく、或いは山ウド又は軟白ウドのいずれであってもよい。ウドの根は、根の全体又は一部を含むものであってよい。
抽出に供するウドの根は、例えば、乾燥、粗粉砕、微粉砕、圧搾、又は殺菌などの勝利を行った処理物であってもよいし、又は非処理物であってもよい。一実施形態では、抽出に用いるウドの根は、乾燥物である。
ウドの根の抽出物は、任意の抽出方法により得ることができる。抽出は、上記のウドの根又はその処理物を、静置、撹拌又は振とう等することにより行ってもよい。この場合、ウドの根に含まれる液体培地等の水分を溶媒とした抽出が行われる。あるいは、ウドの根からの抽出は、上記のウドの根又はその処理物に、さらに溶媒を添加し、静置、撹拌又は振とう等することにより行ってもよい。
上記のウドの根又はその処理物に対する、抽出のための溶媒の添加量は、以下に限定されないが、通常は、原料のウドの根(乾燥重量又は新鮮重量)の0.1〜10倍量、好ましくは2〜8倍量、例えば4〜6倍量(重量比)であってよい。また、抽出のための溶媒の総量(溶媒の添加量と、抽出に供するウドの根又はその処理物中に含まれる水分量との合計)は、以下に限定されないが、原料のウドの根(乾燥重量又は新鮮重量)の0.1〜100倍量、好ましくは0.2〜50倍量、より好ましくは1〜20倍量、例えば2〜10倍量又は4〜8倍量(重量比)であってよい。
抽出のための溶媒(抽出溶媒)としては、特に限定されないが、アルコール及び/又は水を含む溶媒が好ましく、例えば、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒(含水アルコール)であってもよい。あるいは、抽出のための溶媒は、ウドの根に含まれる液体培地等の水分であってもよいし、それにアルコール及び/又は水等が添加されたものであってもよい。それらの溶媒も「アルコール及び/又は水を含む溶媒」の範囲に含まれる。水としては、純水、超純水、脱塩水、滅菌水、蒸留水、及び水道水等の任意の水であり得る。水を含む溶媒は、緩衝液、生理食塩水、希酸、及び希アルカリ等であってもよい。アルコールとしては、一価アルコール又は多価アルコール(例えば、二価アルコール、又は三価以上のアルコール)が挙げられる。一価アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。多価アルコールとしては、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。一実施形態では、溶媒は、医薬又は化粧料の分野で製剤上許容される溶媒であることが好ましく、例えば、医薬又は化粧料の分野で製剤上許容されるアルコール又は水を含むことが好ましい。あるいは、抽出後に溶媒置換等により溶媒を変更する場合には医薬又は化粧料の分野で製剤上許容されるもの以外の溶媒を抽出のために使用してもよい。より好ましくは、溶媒は、水、アルコール、又は含水アルコール(水とアルコールの混合溶媒)を含む。
一実施形態では、10〜90w/w%、より好ましくは20〜70w/w%、例えば40〜60w/w%のアルコール濃度の溶媒を抽出に用いることが好ましく、例えば、20〜70w/w%又は40〜60w/w%濃度の1,3-ブチレングリコールを含む溶媒を抽出に用いることができる。
溶媒によるウドの根からの抽出は、以下に限定されないが、通常は10〜80℃、好ましくは、20〜60℃、20〜40℃、又は室温の抽出温度で行ってもよい。ウドの根からの抽出は、例えば、10〜80℃の抽出温度で、1時間〜6週間程度、例えば6時間〜1週間、12〜36時間又は約24時間の抽出時間にわたり行うことができる。一実施形態では、ウドの根からの抽出は、20〜60℃の抽出温度で、6時間〜1週間又は12〜36時間の抽出時間にわたり行ってもよい。好ましい例では、ウドの根からの抽出は、抽出温度20〜40℃で12〜36時間の抽出時間にわたり行ってもよい。
本発明におけるウドの根の抽出物は、上記の抽出方法に従って得られる、上記の溶媒による抽出物であってよい。なお、水ベースの溶媒による抽出物は水性抽出物であり、アルコールベースの溶媒による抽出物はアルコール性抽出物であり、含水アルコールベースの溶媒による抽出物は水性-アルコール性抽出物であると言うことができる。
以上のようにして得られたウドの根の抽出物は、そのまま(抽出原液)の状態で用いてもよいし、濃縮、希釈、溶媒交換、乾燥、殺菌・除菌、脱臭・脱色、又は濾過(例えば、精密濾過)や遠心分離等による精製などの1つ以上の処理を行った後に使用してもよい。精製方法は特に限定されないが、例えば、遠心分離を行って沈殿物を濾過により除去することにより精製してもよい。一実施形態において、ウドの根の抽出物は、濾過後に乾燥したものである。
好ましい実施形態では、得られたウドの根の抽出物を、濾過、例えばフィルターで濾過することにより、夾雑物及び不溶物等を除去してもよい。
本発明において、ウドの根のその抽出物の濾過は、任意の濾過法により行うことができる。濾過は、夾雑物及び/又は不溶物等の除去に適したフィルター又は他の濾過デバイスを用いて行えばよい。フィルター又は他の濾過デバイスを用いた通過は、遠心濾過、加圧濾過、吸引濾過等であってよい。ウドの根の抽出物を濾過するために用いるフィルターは、濾過に適した任意のフィルターであってよい。フィルターは、以下に限定されないが、例えばメンブレンフィルター、グラスファイバーフィルター、セルロースフィルター、焼結フィルター等であってもよいし、2種以上のフィルターを組み合わせたものであってもよい。フィルターは、限定するものではないが、例えば、精密濾過フィルターであってよく、典型的には1μm未満、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm〜0.5μm又は0.2μm〜0.5μm、例えば0.45μm、0.22μm、又は0.1μmの孔径を有するフィルターであってよい。一実施形態では、プレフィルターによる濾過後に、精密濾過フィルターによる濾過を行ってもよい。
本発明において、ウドの根の抽出物の希釈は、任意の希釈法により行うことができる。一実施形態では、ウドの根の抽出物は、例えば、上述の抽出のための溶媒を用いて希釈してもよい。
本発明において、ウドの根の抽出物の濃縮や溶媒交換は、任意の濃縮法や溶媒交換法により行うことができ、例えば、限外濾過法、透析法、クロマトグラフィー法等により行うことができる。
本発明において、ウドの根の抽出物の殺菌・除菌は、任意の殺菌又は除菌方法、例えば、加熱殺菌、フィルター除菌、加熱殺菌、紫外線殺菌、放射線殺菌、オゾン殺菌等の方法により行うことができ、当業者は殺菌又は除菌方法を適宜選択することができる。
本発明において、ウドの根の抽出物の脱臭・脱色は、任意の脱臭処理及び/又は脱色処理方法により行えばよく、例えば活性炭カラムなどを用いた方法が挙げられる。
本発明において、ウドの根の抽出物の乾燥は、任意の乾燥法により行うことができ、例えば、真空凍結乾燥物などの凍結乾燥法、スプレードライ法などの熱乾燥法により行うことができる。ウドの根の抽出部を乾燥する場合、乾燥後にさらに溶媒に溶解又は懸濁してもよい。この際に用いる溶媒は、抽出に用いる溶媒と同様であってもよく、例えば10〜90w/w%、より好ましくは20〜70w/w%、例えば40〜60w/w%のエタノール水溶液を用いてもよい。
本発明において、ウドの根の抽出物についてウィンタリング(脱ろう)処理を実施してもよい。
以上のようにして得られたウドの根の抽出物は、美白効果、チロシナーゼ活性阻害効果、及び皮膚のターンオーバーの促進効果の少なくとも一つを有し得る。本発明に係るウドの根の抽出物は、後述の実施例に示すとおり、(例えば溶媒と比較して)優れた美白効果及び/又はチロシナーゼ活性阻害効果を示し得る。本発明に係るウドの根の抽出物はまた、(例えば溶媒と比較して)優れた皮膚のターンオーバーの促進効果を有し得る。
本発明の美白剤は、特に限定するものではないが、生体の皮膚に適用された場合に美白作用をもたらすことができる。本発明において「美白」とは、色素沈着が少ない及び/又はより白い肌を意味し、「美白作用」又は「美白効果」とは、美白をもたらす作用又は効果を意図する。美白作用は、例えば、本発明に係る抽出部を適用後の色相が、当該抽出物を適用しない場合(例えば、当該抽出物の代わりに水又は溶媒を適用した対照群)の色相と比較して、明確に、又はある程度薄くなることを包含する。美白効果の有無は、例えば実施例に記載の通り、被験体に適用し、色素沈着率をAPI100等の皮膚解析装置により解析することで決定することもできる。一実施形態において、「美白効果」は、少なくとも部分的にメラニン産生に関与するチロシナーゼ活性の抑制に基づく。
一実施形態において、本発明の美白剤は、色素沈着抑制剤ということもできる。本発明において「肌の色素沈着抑制」、とは、肌への色素沈着を抑制、軽減、緩和、防止、又は予防等する効果を意味する。肌の色素沈着抑制効果は、例えば、本発明に係る抽出物を適用後の色素沈着が、当該抽出物を適用しない場合(例えば、当該抽出物の代わりに水又は溶媒を適用した対照群)の色素沈着に比べて、低減することを包含する。
一態様において、本発明は、ウドの根の抽出物を含む、又はこれからなるチロシナーゼ活性阻害剤に関する。チロシナーゼ活性阻害効果の有無は、例えば実施例に記載の通りにチロシナーゼを用いて決定することができる。
一態様において、本発明は、ウドの根の抽出物を含む、又はこれからなる皮膚のターンオーバーの促進剤に関する。本明細書において、「皮膚のターンオーバー」とは表皮細胞が新しく生まれ、形を変えながら表面に押し上げられていき、古い細胞がいずれ垢となり自然に剥がれ落ちていくという皮膚の新陳代謝を指す。ターンオーバーは、加齢や紫外線、生活習慣の乱れ、環境汚染による化学物質等が原因で、正常に機能しなくなる場合があることが知られている。また、ターンオーバーの乱れは、古い細胞が堆積することによる肌全体のくすみ、肌のキメが失われることによる毛穴の開き、開いた毛穴に皮脂が詰まることによる黒ずみ、本来排出されるべきメラニンの滞留といった様々な症状の原因となり、色素沈着を引き起こし得る。したがって、本発明の皮膚のターンオーバーの促進剤は、これらの症状の抑制、軽減、緩和、又は予防等する効果を有し得る。皮膚のターンオーバーの促進効果の有無は、例えば実施例に記載の通りヒト表皮角化細胞増殖作用、毛穴の皮脂つまり改善作用、肌のキメ、及び肌のくすみの少なくとも一つ、例えば二つ、三つ、又は四つ全てを調べることによって決定することもできる。一実施形態において、本発明の皮膚のターンオーバー促進剤は、ヒト表皮角化細胞増殖剤、毛穴の皮脂つまり改善剤、肌のキメ改善剤、又は肌のくすみ改善剤ということもできる。本明細書において、毛穴の皮脂つまり改善剤、肌のキメ改善剤、又は肌のくすみ改善剤、肌の皮脂つまり、キメ、及びくすみの少なくとも一つ以上の症状の抑制、軽減、緩和、又は予防等するものであってよい。
本発明に係る抽出物、又はそれを含む美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤は、経口又は非経口的に用いてもよいが、特に皮膚外用剤として有利に用いることができる。本発明に係る抽出物は、皮膚に適用することにより、美白効果、チロシナーゼ活性阻害効果、及び/又は皮膚のターンオーバーの促進効果を奏し得る。
一態様において、本発明は、本明細書に記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤を含む組成物に関する。組成物は、例えば化粧品組成物又は化粧料、医薬品組成物、医薬部外品組成物であってよい。組成物は、美白効果、チロシナーゼ活性阻害効果、及び皮膚のターンオーバーの促進効果の少なくとも一つのためのものであってよい。例えば、本発明に係る組成物、例えば化粧料又は医薬品組成物は、皮膚に適用することにより、美白効果、チロシナーゼ活性阻害効果、及び皮膚のターンオーバーの促進効果の少なくとも一つをもたらすことができる。本発明に係る組成物は、皮膚外用剤であってよい。
本発明に係る組成物、例えば化粧料及び医薬組成物は、任意の剤型であってよく、例えば、軟膏剤、貼付剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、エキス剤、流エキス剤、チンキ剤、エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤、芳香水剤、液剤、懸濁化剤、乳剤、薬用入浴剤、薬用シャンプー、エアゾール剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等であってよい。
本発明に係る組成物、例えば化粧料及び医薬は、溶液状、懸濁液状、乳化状、粉末状、ペースト状、ムース状、又はジェル状などの任意の形態の組成物であってよい。本発明に係る組成物、例えば化粧料及び医薬は、好ましくは、皮膚に接触して使用され得る任意の形態であってよく、具体的には、例えば、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム(フェイスクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム等)、洗顔料(クレンジングクリーム等)、パック、髭剃り用クリーム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼けローション、化粧石鹸、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、マスカラ、入浴剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、スカルプケア剤、ボディリンス、ボディジェル、染毛料、頭髪用化粧品等が挙げられる。ハンドクリーム、アイクリーム、シャンプー、ヘアパック、スカルプケア剤等が特に好ましい。
本発明に係る組成物において、ウドの根の抽出物の配合量は、組成物中、本発明に係る発酵物又はその抽出物の乾燥重量で0.0001〜100 w/w%、好ましくは0.001〜100w/w%、より好ましくは0.01〜30 w/w%、より好ましくは0.1〜10 w/w%の濃度となる量であってよい。ウドの根の抽出物は、本発明に係る組成物に任意の形態で配合することができ、例えば、そのままの状態で他の成分と単に混合してもよいし、液状、ゲル状、粉末状、顆粒状、又はカプセル封入体等の形態で組成物に配合してもよい。
本発明に係る組成物は、ウドの根の抽出物に加えて、化粧料又は医薬組成物において許容される添加剤、及び必要に応じて他の活性成分等を含むことができる。そのような添加剤や他の活性成分等は、組成物、例えば化粧料又は医薬組成物の用途及び形態に適したものを任意に選択して用いることができる。本発明に係る組成物は、任意の製造方法に従って、例えば、原料を混合、撹拌、成形、充填等することにより、製造することができる。
本発明に係る組成物は、担体(固体又は液体担体)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤、pH調整剤、着色料、香料、矯味剤、清涼剤、安定化剤、増泡剤、保存剤、緩衝剤等の製剤用の添加剤を1つ以上含んでもよい。
本発明に係る組成物は、例えば以下の任意の群から任意に選択される1つ又は2つ以上の成分を含んでもよい。
コラーゲン、コラーゲン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、ラクトフェリン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カゼイン、アルブミン、ローヤルゼリー由来タンパク加水分解物、ハチミツ由来タンパク加水分解物等のタンパク質及びタンパク質の加水分解物。
ヒアルロン酸ナトリウム及びヒアルロン酸誘導体、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸及びその塩、ペクチン、コンドロイチン硫酸及びその塩、水溶性キチン、キトサン誘導体及びその塩、プルラン、デオキシリボ核酸、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然高分子及びそれらの誘導体。
アロエ、りんご、みかん、もも、メロン、いちご、シークアーサー、イチジクなどの果実由来物、ラッカセイ、クリ、リュウガン、キビ、大麦、米、ゴヨウマツ、大豆などの種子由来物、ニホンナシ、クサソテツ(若芽のコゴミを含む)などの葉由来物、ワサビなど根茎由来物、桜やナナカマドなど樹木由来等の植物由来物。
植物などが微生物により分解されて得られる最終生成物である腐植物質フミン酸、フルボ酸。
ホオズキ、ラカンカ、ナツメ、ハト麦、甘草、杜仲、ショウガ、ウドなどの生薬。
海藻末や海藻エキスまた海藻由来の多糖類。
プラセンタエキス等の動物由来物。
炭酸水や温泉水、マイクロナノバブル水、精製水、蒸留水等の水。
カルボキシビニルポリマー及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース及びその塩等の酸性ポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースポリビニルメチルエーテル等の中性ポリマー。
カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、カチオン化グアーガム等のカチオン性ポリマー。
エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類。
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、アントラニエール酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤。
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、リン酸L−アスコルビルマグネシウム及びその誘導体、ビタミンD群、酢酸d−α−トコフェノール、ビタミンE群、葉酸類、β−カロチン、γ−オリザノール、ニコチン酸、パントテン酸類、ビオチン類、フェルラ酸等のビタミン類。
グリチルリチン酸及びその塩類、グアイアズレン及びその誘導体、アラントイン等の抗炎症剤。
ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソール、没食子プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール等の抗酸化剤。
パラ安息香酸メチル、パラ安息香酸エチル、パラ安息香酸プロピル、パラ安息香酸ブチル等のパラ安息香酸エステル類、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、フェノキシエタノール、安息香酸等の防腐剤。
エデト酸、エデト酸二ナトリウム等のエデト酸及びその塩類、フィチン酸、ヒドロキシエタンジスルホン酸等の金属イオン封鎖剤。
グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類。
L−アスパラギン酸、DL−アラニン、L−アルギニン、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類及びその塩。
マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N−アセチル−D−グルコサミン、蜂蜜等の糖類。
アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基類。
流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類。
オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等の油脂類。
ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類。
ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類。
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル等のエステル類。
レシチン及びその誘導体等のリン脂質類。
ウシ骨髄脂やウシ脳脂質などの動植物由来脂質。
ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキル硫酸塩。
ポリオキシエチレン(2EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOはエチレンオキサイドでEOの前の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を示す;)、ポリオキシエチレン(3EO)アルキル(炭素数11〜15のいずれか又は2種以上の混合物)エーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル硫酸塩。
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩。
ポリオキシエチレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩。
ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルメチル-L-グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸-L-グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、エーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウンデシノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェノキシジエントキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸アミノスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(炭素鎖12〜15)エーテルリン酸(8〜10EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤。
塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤。
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩などの両性界面活性剤。
ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(7EO)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール・ラノリン(40EO)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等のノニオン性界面活性剤。
イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、硬化牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミドなどの増粘剤。
鎖状又は環状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体、ジメチルポリシロキサンポリプロピレン共重合体、アミノ変性シリコンオイル、第四級アンモニウム変性シリコンオイルなどのシリコンオイル。
チオグリコール酸及びその塩。
システアミン及びその塩。
過酸化水素、過硫酸塩、過ほう酸塩、過酸化尿素などの過酸化物。
臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩。
角質溶解剤、収斂剤、創傷治療剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、抗アレルギー剤、細胞賦活剤等の他の有効成分。
本発明に係る美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は組成物の適用又は投与対象は、ヒト、家畜、愛玩動物、実験動物等を含む任意の哺乳動物の対象(被験体)であってよく、特にヒトが好ましい。本発明に係る美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は組成物は、色素沈着が認められる対象、色素沈着のリスク(例えば、遺伝的要因(素因)、環境、体質、年齢等に伴うリスク)が高い対象、例えば特定の期間、日光に曝露された対象等への適用又は投与に特に有用である。
本発明に係る美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は組成物の適用量又は投与量は、対象の年齢、体重、適用/投与経路、剤型、投与回数等により異なり、当業者の裁量によって広範囲に変更することができる。具体的には、その適用量又は投与量は、特に限定されないが、有効成分である本発明に係るウドの根の抽出物の乾燥重量に換算して、例えば、0.001μmg/回〜10g/回、0.01μmg/回〜1g/回、0.1μmg/回〜0.1g/回、1μmg/回〜0.01g/回とすることができる。本発明に係る美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は組成物は、以下に限定するものではないが、例えば6〜24時間間隔で繰り返し適用又は投与してもよい。投与期間は限定しないが、例えば1日〜数か月、3日〜1ヶ月、1週間〜3週間であってよい。
一態様において、本発明は、ウドの根の抽出物を得ることを含む、本明細書に記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は組成物(例えば化粧料)を製造する方法に関する。本態様において、ウドの根の抽出方法の詳細については、本明細書に記載した通りである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の技術的範囲は、本実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1.ウド抽出物の調製>
ウド根部の乾燥物40gを、抽出溶媒として脱塩水80gと1,3−ブチレングリコール80gの混液を用い、本抽出溶媒に浸漬させた状態で室温にて24時間撹拌し抽出を行った。抽出後の溶液を10,000gで10分間遠心分離し、溶液中の沈殿物を1μmメンブレンフィルターを用いて濾過により除去し、清澄なウド抽出物を得た。その後、固形分が1%になるように50%1,3−ブチレングリコール水溶液にて調整した。
<実施例2.ウド抽出物の凍結乾燥粉末の調製>
ウド根部の乾燥物40gを、抽出溶媒として脱塩水80gと無水エタノール80gの混液を用い、本抽出溶媒に浸漬させた状態で室温にて24時間撹拌し抽出を行った。抽出後の溶液を10,000gで10分間遠心分離し、溶液中の沈殿物を1μmメンブレンフィルターを用いて濾過により除去し、清澄なウド抽出組成物を得た。得られたウド抽出組成物をエバポレーターにより無水エタノールを蒸発させ濃縮した後、真空凍結乾燥させて凍結乾燥粉末を得た。
<実施例3.色素沈着改善作用>
健常な成人男女10名を被験者とし、色素沈着改善作用を測定した。被験者の上腕を試験部位とし、実施例1で調製したウド抽出物を125μl添加した不織布(2×2cm)を3週間継続的に塗布した。試料液は、毎日新しいものを使用した。その後、試験部位の色素沈着度合をAPI100(aram HUVIS社製)を用いて測定した。対照区は1,3−ブチレングリコール50%水溶液を同様に処理した。試験開始前0日目の色素沈着度合を100%とし、継続塗布1週間後および3週間後を評価した。
ウド抽出物の色素沈着改善作用を図1に示す。対照区では色素沈着の改善がほとんど認められなかったが、ウド抽出物を塗布した区では、色素沈着の改善が認められた。なお、その作用は塗布1週間後よりも3週間後では更に高い結果となった。
<実施例4.チロシナーゼ活性阻害作用>
実施例2で調製したウド抽出物の凍結乾燥粉末を50%(v/v)エタノール水溶液に溶解し、濃度が1000ppm又は2000ppmとなるように調製し試料液とした。チロシナーゼ活性は、L−チロシンを基質として以下のように測定した。すなわち、試料液0.3mLに2000U/mLチロシナーゼ(富士フィルム和光純薬製)溶液0.1mL及び1/15Mリン酸緩衝液2.2mLを加え、25℃で10分間静置した。なお対照区として試料液の代わりに50%(v/v)エタノール水溶液を、陽性対照としてコウジ酸を添加して上記と同様の操作を行った。その後、この溶液に1.5mMのL−チロシン溶液(富士フィルム和光純薬製)0.4mLを加えて25℃で10分間反応させた後、得られた溶液の470nmの吸光度を測定し、以下の数式によりチロシナーゼ活性阻害率を算出した。なお、ブランクとして基質溶液であるL−チロシン溶液の代わりにリン酸緩衝液を添加し、同様にして吸光度を測定した。
Figure 2021091622
ウド抽出物のチロシナーゼ活性阻害作用を表1に示す。実施例2で調製したウド抽出物は、一般的にチロシナーゼ活性阻害による美白作用が高いとされるコウジ酸よりも、高いチロシナーゼ活性阻害作用を示した。
Figure 2021091622
<実施例5.正常ヒト表皮角化細胞増殖作用>
ターンオーバー促進作用を、正常ヒト表皮角化細胞増殖作用を評価することで確認した。24well細胞培養プレートに正常ヒト表皮角化細胞(Lifelince Cell Technology社製)を、セミコンフルエントになるまで、培地としてHuMedia(クラボウ社製)を用いて、37℃でCOインキュベーターにて培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した後、実施例2で調製したウド抽出物の凍結乾燥粉末を100ppm、200ppm、400ppmになるように増殖因子を含まないHuMediaにて溶解して得られた試料液を加え、一晩培養した(試料区)。対照区として、試料液の代わりに増殖因子を含まないHuMediaを添加し、同様の操作を行った。その後、ニュートラルレッド染色を行い、570nmの吸光度を測定し、以下の数式により細胞増殖率を算出した。
Figure 2021091622
ウド抽出物の正常ヒト表皮角化細胞増殖作用を表2に示す。表2に示される通り、実施例2で調製したウド抽出物は高い正常ヒト表皮角化細胞の増殖作用を示した。
Figure 2021091622
<実施例6.毛穴の皮脂つまり改善作用>
健常な成人男女10名を被験者とし、毛穴の皮脂つまり改善作用を測定した。被験者の頬部を試験部位とし、実施例1で調製したウド抽出物を0.1% Carbopol Ultrez 30 polymer (Lubrizol Advanced Materials社製)を用いてジェル状に調製し、最終的に10倍希釈にした試験液200μgを1日2回、2週間継続的に塗布した。その後、試験部位の毛穴の皮脂つまり量をAPI100(aram HUVIS社製)にて測定した。対照区は1,3−ブチレングリコール50%(w/w)水溶液とし、同様に処理した。試験開始前0日の毛穴の皮脂つまり量を100%とし、継続塗布2週間後を評価した。
ウド抽出物の毛穴の皮脂つまり改善作用を図2に示す。図2に示される通り、対照区において毛穴の皮脂つまりの改善が認められなかったのに対し、ウド抽出物を塗布した区では、毛穴の皮脂つまり改善作用が認められた。
<実施例7.化粧水の製造>
以下の表3の処方に従い、ウド抽出物を配合した組成物添加品と、ウド抽出物を配合していない対照品のそれぞれについて、成分(1)〜(10)を80℃で撹拌、溶解後室温に冷却し、化粧水を得た。得られた化粧水はいずれも清澄であり、40℃、相対湿度(PH)75% の条件下において3ヶ月間白濁を生じることもなく安定であった。また、得られた化粧水は、使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
Figure 2021091622
また、専門パネラー10名を対象とし、得られた化粧水について1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌のくすみ改善作用の評価を、以下の5段階の評点評価にて実施した。
1.悪化した
2.やや悪化した
3.変わらず
4.やや改善した
5.改善した
パネラー10名の評点の平均を表4に示した。表4に示されるように、ウド抽出物を添加した組成物添加品は、ウド抽出物を添加していない対照品よりも、優れた肌のくすみ改善作用を示した。
Figure 2021091622
<実施例8.クリーム剤の製造>
以下の表5に示す処方に従い、(1)〜(6)を80℃で混合撹拌したものに、別途(7)〜(10)を80℃で混合攪拌したものを加え、ホモジナイズし、攪拌しながら室温まで冷却し、クリーム剤を得た。得られたクリーム剤は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
Figure 2021091622
また、専門パネラー10名を対象とし、得られたクリーム剤について1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌のキメの改善作用の評価を、以下の5段階の評点評価にて実施した。
1.悪化した
2.やや悪化した
3.変わらず
4.やや改善した
5.改善した
パネラー10名の評点の平均を表6に示した。表6に示されるように、ウド抽出物を添加した組成物添加品は、ウド抽出物を添加していない対照品よりも、優れた肌のキメ改善作用を示した。
Figure 2021091622
<実施例9.ボディジェル剤の製造>
以下の表7の処方に従い、(1)〜(8)を撹拌、溶解した。得られた製品は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
Figure 2021091622
<実施例10.シャンプー剤の製造>
以下の表8の処方に従い、成分(1)〜(8)を70℃で混合撹拌し、室温まで冷却させてシャンプー剤を調製した。
Figure 2021091622
得られたシャンプー剤を用いて洗髪したところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えることができた。また、得られたシャンプーは、毛髪に対してキシミが無く櫛通りの良いものであった。
<実施例11.ヘアパック剤の製造>
以下の表9に示す処方に従い、(1)〜(2)を80℃混合撹拌したものに、別途(3)〜(12)を80℃で混合撹拌したものを加え、80℃にて混合攪拌しながら(13)、(14)をさらに添加し混合攪拌してヘアパック剤を得た。
Figure 2021091622
得られた製品を用いて髪のトリートメントをしたところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えるものであった。

Claims (6)

  1. ウドの根の抽出物を含む、美白剤。
  2. ウドの根の抽出物を含む、チロシナーゼ活性阻害剤。
  3. ウドの根の抽出物を含む、皮膚のターンオーバーの促進剤。
  4. 前記抽出物が、アルコール及び/又は水を含む溶媒による抽出物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、又は皮膚のターンオーバーの促進剤を含む、化粧料。
  6. ウドの根の抽出物を得ることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、皮膚のターンオーバーの促進剤、又は化粧料を製造する方法。
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