JP2021091501A - 糸継装置、糸継ノズル構造体及び巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な糸に対応できる糸継装置、糸継ノズル構造体及び巻取装置を提供する。【解決手段】糸継装置26は、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継部50と、糸継部50における圧縮空気の噴射を制御する制御部96と、を備える。糸継部50は、糸走行方向に隣接し且つ互いに連通する下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bと、下流側糸継室113aへ圧縮空気を噴射する第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2と、上流側糸継室113bへ圧縮空気を噴射する第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2と、を有する。制御部96は、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2それぞれからの圧縮空気の噴射開始タイミングの少なくとも何れかを変更可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、糸継装置、糸継ノズル構造体及び巻取装置に関する。
従来の糸継装置として、例えば特許文献1に記載された装置が知られている。特許文献1に記載された糸継装置では、糸継部(スプライシングノズルブロック)の糸継室に、第1空気吹付孔から噴出気流を噴出すると共に、第1空気吹付孔の糸道上流側及び糸道下流側に設けられた第2空気吹付孔から噴出気流を噴出する。
特許第2590565号公報
上述したような糸継装置では、糸の糸種及び番手によっては、継ぎ目の強力または外観品質が不十分となる場合がある。よって、近年、様々な糸(種々の糸種及び番手)にも対応できる糸継装置の開発が求められている。
そこで、本発明は、様々な糸に対応できる糸継装置、糸継ノズル構造体及び巻取装置を提供することを目的とする。
本発明に係る糸継装置は、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継部と、糸継部における圧縮空気の噴射を制御する制御部と、を備える糸継装置であって、糸継部は、糸走行方向に隣接し且つ互いに連通する上流側糸継室及び下流側糸継室と、上流側糸継室へ圧縮空気を噴射する複数の上流側噴射孔と、下流側糸継室へ圧縮空気を噴射する複数の下流側噴射孔と、を有し、制御部は、複数の上流側噴射孔それぞれ及び複数の下流側噴射孔それぞれからの圧縮空気の噴射開始タイミングの少なくとも何れかを変更可能である。
この糸継装置では、適宜の噴射開始タイミングで、複数の上流側噴射孔それぞれ及び複数の下流側噴射孔それぞれから、圧縮空気を上流側糸継室及び下流側糸継室に噴射することができる。よって、糸継ぎの対象となる糸端に対して種々の態様で圧縮空気を作用させることができ、様々な糸に対応することが可能となる。
本発明に係る糸継装置では、複数の上流側噴射孔は、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔を含み、複数の下流側噴射孔は、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔を含み、制御部は、第1上流側噴射孔の噴射開始タイミングと第2上流側噴射孔の噴射開始タイミングとを異ならせ、第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングと異ならせてもよい。この場合、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔の各噴射開始タイミングが互いに異なり且つ第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔の各噴射開始タイミングが互い異なるよう制御することで、様々な糸に対応することが可能となる。
本発明に係る糸継装置では、第1上流側噴射孔の孔形状と第2上流側噴射孔の孔形状とは、異なり、第1下流側噴射孔の孔形状と第2下流側噴射孔の孔形状とは、異なってもよい。この場合、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔の各孔形状が互いに異なり、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔の各孔形状が互いに異なることから、その各孔形状の違いに応じて、様々な糸に対応することが可能となる。
本発明に係る糸継装置では、第1上流側噴射孔の孔形状と第2上流側噴射孔の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、第1上流側噴射孔の孔形状と第2上流側噴射孔の孔形状とのうちの他方は、円形状であり、第1下流側噴射孔の孔形状と第2下流側噴射孔の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、第1下流側噴射孔の孔形状と第2下流側噴射孔の孔形状とのうちの他方は、円形状であってもよい。このような構成により、様々な糸に対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
本発明に係る糸継装置では、上流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、糸走行方向と直交する所定方向の一方側に偏った形状であり、下流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、所定方向の他方側に偏った形状であり、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔は、糸走行方向及び所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して所定方向の一方側に位置し、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔は、糸走行方向及び所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して所定方向の他方側に位置していてもよい。このような構成により、様々な糸に対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
本発明に係る糸継装置では、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、上流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射し、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、下流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射してもよい。この場合、糸継ぎの際に、大きな巻付力を得ることが可能となる。
本発明に係る糸継装置は、綿デニム糸の糸継ぎを行う装置であって、制御部は、第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、綿デニム糸に対応することができる。
本発明に係る糸継装置は、精製セルロース繊維の糸継ぎを行う装置であって、制御部は、第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、精製セルロース繊維に対応することができる。
本発明に係る糸継装置では、上流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、糸走行方向と直交する所定方向の一方側に偏った形状であり、下流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、所定方向の他方側に偏った形状であり、第2上流側噴射孔及び第1下流側噴射孔は、糸走行方向及び所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して所定方向の一方側に位置し、第1上流側噴射孔及び第2下流側噴射孔は、糸走行方向及び所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して所定方向の他方側に位置していてもよい。このような構成により、様々な糸に対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
本発明に係る糸継装置では、第1上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、上流側糸継室の中心に向かって圧縮空気を噴射し、第2上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、上流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射し、第1下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、下流側糸継室の中心に向かって圧縮空気を噴射し、第2下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、下流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射してもよい。この場合、第1上流側噴射孔及び第1下流側噴射孔からの圧縮空気の噴射によって糸端の繊維を絡ませると共に、第2上流側噴射孔及び第2下流側噴射孔からの圧縮空気の噴射によって当該糸端を巻き付けることができる。
本発明に係る糸継装置では、上流側糸継室は、その内面の一部が***するように設けられ、第1上流側噴射孔と対向する壁面を有する上流側噴射受け壁を有し、下流側糸継室は、その内面の一部が***するように設けられ、第1下流側噴射孔と対向する壁面を有する下流側噴射受け壁を有していてもよい。この場合、第1上流側噴射孔及び第1下流側噴射孔からの圧縮空気が、上流側噴射受け壁及び下流側噴射受け壁に当たって拡散する。これにより、糸端の繊維を絡ませる上記作用が顕著となる。
本発明に係る糸継装置では、制御部は、第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、糸端の繊維を絡ませると共に当該糸端を巻き付ける上記作用が効果的に発揮される。
本発明に係る糸継装置では、制御部は、複数の上流側噴射孔及び複数の下流側噴射孔に圧縮空気を導く空気流路に設けられた電磁弁の開閉を制御してもよい。この場合、電磁弁を利用して、圧縮空気の噴射開始タイミングを制御することができる。
本発明に係る糸継装置では、糸継部は、上流側糸継室及び下流側糸継室が形成されたノズルと、ノズルを収容する支持ブロックと、を有する糸継ノズル構造体を含んで構成されていてもよい。このような構成により、様々な糸に対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
本発明に係る巻取装置は、上記糸継装置を備える。この巻取装置においても、上記糸継装置を備えることから、様々な糸に対応することができる。
本発明に係る糸継ノズル構造体は、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継ノズル構造体であって、糸走行方向に隣接し且つ互いに連通する上流側糸継室及び下流側糸継室が形成されたノズルと、ノズルを収容する支持ブロックと、を備え、ノズルは、上流側糸継室へ圧縮空気を噴射する第1及び第2上流側噴射孔と、下流側糸継室へ圧縮空気を噴射する第1及び第2下流側噴射孔と、を有し、第1上流側噴射孔の孔形状と第2上流側噴射孔の孔形状とは、異なり、第1下流側噴射孔の孔形状と第2下流側噴射孔の孔形状とは、異なる。
この糸継ノズル構造体では、第1及び第2上流側噴射孔と第1及び第2下流側噴射孔とのそれぞれから、圧縮空気を上流側糸継室及び下流側糸継室のそれぞれに噴射することができる。第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔の各孔形状が互いに異なり、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔の各孔形状が互いに異なることから、その各孔形状の違いに応じて、様々な糸に対応することができる。
本発明によれば、様々な糸に対応できる糸継装置、糸継ノズル構造体及び巻取装置を提供することが可能となる。
図1は、自動ワインダを示す正面図である。 図2は、図1のワインダユニットを示す側面図である。 図3は、第1実施形態に係る糸継装置を示す正面図である。 図4(a)は、第1実施形態に係る糸継ノズル構造体の前側を示す斜視図である。図4(b)は、第1実施形態に係る糸継ノズル構造体の後側を示す斜視図である。 図5(a)は、図4(a)のV(a)−V(a)に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)のV(b)−V(b)に沿った断面図である。 図6は、第1実施形態に係る糸継装置における圧縮空気の噴射を説明するための図5(a)に対応する断面図である。 図7は、圧縮空気の吹付時間と巻付力との関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る糸継装置における圧縮空気の噴射タイミング条件の例を示す図である。 図9(a)は、第2実施形態に係る糸継装置の図5(a)に対応する断面図である。図9(b)は、図9(a)のIX(b)−IX(b)線に沿った断面図である。 図10は、第2実施形態に係る糸継装置における圧縮空気の噴射を説明するための図9(a)に対応する断面図である。 図11(a)は、第3実施形態に係る糸継装置の図5(a)に対応する断面図である。図11(b)は、図11(a)のXI(b)−XI(b)線に沿った断面図である。 図12は、第3実施形態に係る糸継装置における圧縮空気の噴射を説明するための図11(a)に対応する断面図である。 図13(a)は、第4実施形態に係る糸継装置の図5(a)に対応する断面図である。図13(b)は、図13(a)のXIII(b)−XIII(b)線に沿った断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1に示されるように、自動ワインダ1は、並べて配置された複数のワインダユニット3と、機台制御装置5と、玉揚装置7と、を備える。機台制御装置5は、複数のワインダユニット(巻取装置)3それぞれと通信可能である。自動ワインダ1のオペレータは、機台制御装置5を適宜操作することにより、複数のワインダユニット3を一括して管理できる。各ワインダユニット3は、給糸ボビンSBから糸Yを解舒しつつ、糸Yを綾振りしながら巻取ボビンWBに巻き取ることにより、パッケージPを形成する。玉揚装置7は、各ワインダユニット3においてパッケージPが満巻(規定量の糸が巻き取られた状態)となった際に、当該ワインダユニット3の位置まで走行し、満巻パッケージを取り外すと共に、空の巻取ボビンWBをセットする。
図2に示されるように、ワインダユニット3は、ユニット制御部10と、給糸装置12と、巻取装置14と、を備えている。ユニット制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)を備える。ROMには、ワインダユニット3の各構成を制御するためのプログラムが記憶される。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行する。ユニット制御部10は、後述する制御部96を含む。
給糸装置12は、図略の搬送トレイに載せられた給糸ボビンSBを所定の位置で支持する。給糸装置12は、給糸ボビンSBから糸Yを解舒し、給糸ボビンSBから糸Yを引き出す。給糸装置12は、糸Yを供給する。給糸装置12は、搬送トレイ式の装置に限られず、例えばマガジン式の装置であってもよい。
巻取装置14は、クレードル16及び巻取ドラム18を備える。クレードル16は、巻取ボビンWBを挟み込むことにより、当該巻取ボビンWB(又はパッケージP)を回転可能に支持する。巻取ドラム18は、パッケージPの表面で糸Yをトラバースさせると共にパッケージPを回転させる。巻取ドラム18は、不図示のドラム駆動モータによって回転駆動される。パッケージPの外周を巻取ドラム18に接触させた状態で、当該巻取ドラム18を回転駆動することにより、パッケージPを従動回転させる。巻取ドラム18の外周面には、螺旋状の綾振溝が形成されている。給糸ボビンSBから解舒された糸Yは、綾振溝によって一定の幅でトラバースされながらパッケージPの表面に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有するパッケージPを形成できる。
各ワインダユニット3は、給糸装置12と巻取装置14との間の糸道中に、給糸装置12側から順に、解舒補助装置20と、テンション付与装置22と、テンション検出装置24と、糸継装置26と、糸監視装置28と、を備える。糸継装置26の近傍には、第1捕捉案内装置30及び第2捕捉案内装置32が配置されている。
解舒補助装置20は、給糸ボビンSBから解舒される糸Yが遠心力で過度に振り回されることを防止し、糸Yを給糸ボビンSBから適切に解舒する。テンション付与装置22は、走行する糸Yに所定のテンションを付与する。本実施形態では、テンション付与装置22は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置するゲート式の装置である。
テンション検出装置24は、給糸装置12と巻取装置14との間において、走行する糸Yのテンションを検出する。糸継装置26は、給糸装置12と巻取装置14との間で糸Yが何らかの理由により分断状態となったときに、給糸装置12側の糸Yと巻取装置14側の糸Yとを糸継ぎする。
糸監視装置28は、糸道を走行する糸Yの状態を監視し、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸欠陥としては、例えば、糸Yの太さ異常、糸Yに含有されている異物、及び、糸切れ等の少なくとも何れかである。
第1捕捉案内装置30は、給糸装置12側の待機位置から巻取装置14側の捕捉位置まで旋回可能である。第1捕捉案内装置30は、当該捕捉位置で糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。第2捕捉案内装置32は、給糸装置12側の待機位置から巻取装置14側の捕捉位置まで旋回可能である。第2捕捉案内装置32は、当該補足位置で糸Yを捕捉して糸継装置26に案内する。
次に、上述した糸継装置26について、より詳細に説明する。
図3は、糸継装置26を示す正面図である。以下の説明では、便宜上、巻取装置14側を下流側、給糸装置12側を上流側といい、糸継装置26に対して糸Yの走行経路(糸道)側を前側といい、その反対側を後側という。上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向という。また、巻取装置14側の糸Yの糸端を第1糸端といい、給糸装置12側の糸Yの糸端を第2糸端という。
図3に示されるように、糸継装置26は、フロントプレート(当接部材)90と、第1解撚パイプ部材41A及び第2解撚パイプ部材41Bを含む解撚部40と、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継部50と、解撚部40を挟むように旋回することが可能な一対の糸寄せレバー(不図示)と、糸継部50を挟むように旋回することが可能な第1及び第2糸押さえレバー82,83を含む糸押さえ部材80と、エアーガイド94と、糸継部50における圧縮空気の噴射を制御する制御部96(図5(b)参照)と、を備える。
フロントプレート90は、前後方向を厚さ方向とする板状を呈する。フロントプレート90の前面(当接面)90aは、糸走行方向に沿った平面状を成す。フロントプレート90の前面90aには、糸継部50が設けられている。フロントプレート90の前面90aにおいて、糸継部50の下流側には第1解撚パイプ部材41Aの開口である第1糸端導入口が設けられ、糸継部50の上流側には第2解撚パイプ部材41Bの開口である第2糸端導入口が設けられている。
フロントプレート90の前面90aにおいて、第1解撚パイプ部材41Aの下流側には第1ガイド部45Aが設けられ、第2解撚パイプ部材41Bの上流側には第2ガイド部45Bが設けられている。第1及び第2ガイド部45A,45Bは、糸継部50を挟んで対向するように配置されている。第1及び第2ガイド部45A,45Bのそれぞれは、第1及び第2捕捉案内装置30,32のそれぞれで案内された糸Yをガイドする。
第1解撚パイプ部材41Aは、圧縮空気の作用によって第1糸端を取り込んで解撚する。第2解撚パイプ部材41Bは、圧縮空気の作用によって第2糸端を取り込んで解撚する。糸継部50は、圧縮空気の作用によって、第1解撚パイプ部材41Aで解撚された第1糸端と第2解撚パイプ部材41Bで解撚された第2糸端とを撚り合わせて継ぐ。糸継部50において糸端同士を撚り合わせる際には、第1及び第2糸端は、クランプ(不図示)によって保持されながら、糸寄せレバー(不図示)によって第1及び第2解撚パイプ部材41A,41Bから引き出され、第1及び第2糸押さえレバー82,83によって糸継部50の近傍において押さえられる。
糸押さえ部材80は、カムリンク機構95を介して例えばステッピングモータ等の駆動源(不図示)に接続されている。糸押さえ部材80は、駆動源の駆動力により、フロントプレート90の前面90aに接近及び離間する方向に移動可能に設けられている。すなわち、糸押さえ部材80の第1及び第2糸押さえレバー82,83は、駆動源の駆動力により、先端側がフロントプレート90の前面90aに接近及び離間するように旋回(回動)する。糸押さえ部材80は、フロントプレート90の前面90aに当接することで、第1及び第2糸端を前面90aと協働して押さえる。第1及び第2糸押さえレバー82,83は、例えばねじりコイルばね(不図示)によって、先端側がフロントプレート90に接近する側に付勢されていてもよい。エアーガイド94は、糸継部50において噴射された圧縮空気をガイドする部材であり、糸継部50において第1及び第2糸端が導入される糸継室113の上側及び下側の開口の一部を塞ぐように設けられている。
このように構成された糸継装置26では、まず、第1及び第2糸寄せレバー(不図示)及び第1及び第2糸押さえレバー82が、フロントプレート90側に旋回する。これにより、第1及び第2捕捉案内装置30,32で案内された下流側の糸Y及び上流側の糸Yが、解撚部40側に引き寄せられる。そして、上側の糸Y及び下側の糸Yが、クランプによって保持され、この状態でカッターによって切断される。第1糸端が第1解撚パイプ部材41Aの内部に送り込まれると共に、第2糸端が第2解撚パイプ部材41Bの内部に送り込まれる。第1及び第2解撚パイプ部材41A,41Bにおいて圧縮空気の噴射が開始され、第1及び第2糸端が圧縮空気の作用により解撚される。
続いて、第1及び第2糸寄せレバー(不図示)が更に旋回する。これにより、第1糸端及び第2糸端が第1及び第2解撚パイプ部材41A,41Bのそれぞれから引き出されながら、第1及び第2糸押さえレバー82,83によって糸継部50近傍で押さえられる。糸継部50において圧縮空気の噴射が開始され、解撚された第1糸端と第2糸端とが圧縮空気の作用により撚り合わされる。続いて、第1及び第2糸寄せレバー(不図示)並びに第1及び第2糸押さえレバー82,83が、逆方向に旋回する。そして、クランプによる上側の糸Y及び下側の糸Yの保持を解放する。その結果、繋がれた糸Yが、糸継装置26の前側の走行経路上に復帰する。
図4(a)は、糸継ノズル構造体100の前側を示す斜視図である。図4(b)は、糸継ノズル構造体100の後側を示す斜視図である。図5(a)は、図4(a)のV(a)−V(a)に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)のV(b)−V(b)に沿った断面図である。糸継部50は、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う部位であり、糸継ノズル構造体100を含んで構成されている。糸継ノズル構造体100は、ノズル110と支持ブロック120とを備えている。
図4(a)、図4(b)及び図5(a)に示されるように、ノズル110は、支持ブロック120に対して固定されている。ノズル110は、例えばセラミックで形成されている。ノズル110の前側には、上端から下端に亘って断面V字状で延びる溝111が形成されている。溝111の底部には、通路部112介して当該溝111と連通する糸継室113が形成されている。糸継室113は、圧縮空気の作用によって糸継が行われる空間である。糸継室113は、下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bを有している。
下流側糸継室113aは、ノズル110における上下方向(糸走行方向)の中央から下側に設けられ、下流側に開口している。下流側糸継室113aは、下流側から見て、左右方向において中央から一方側に偏った円形状を有している。上流側糸継室113bは、ノズル110における上下方向の中央から上流側に設けられ、上流側に開口している。上流側糸継室113bは、上流側から見て、左右方向において中央から他方側に偏った円形状を有している。これら下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bは、上下方向に隣接し且つノズル110における上下方向の中央部で互いに連通している。
図5(a)及び図5(b)に示されるように、ノズル110には、圧縮空気を下流側糸継室113aへ供給する第1通路140a及び第2通路140bが形成されている。第1及び第2通路140a,140bは、下流側糸継室113aへ通ずる貫通孔である。第1及び第2通路140a,140bは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第1及び第2通路140a,140bは、前方(糸走行方向及び所定方向と直交する方向)から見て、上下方向に並び、且つ、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置する。第1通路140aは、前方から見て、第2通路140bよりも上流側(ノズル110の内側)に位置する。第1及び第2通路140a,140bそれぞれの下流側糸継室113a側の開口は、第1下流側噴射孔HA1及び第2下流側噴射孔HA2を構成する。
第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2は、下流側糸継室113a内へ第1糸端の撚りの方向に圧縮空気を噴射する。第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置する。第1下流側噴射孔HA1は、前方から見て、第2下流側噴射孔HA2よりも上流側(ノズル110の内側)に位置する。第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2のそれぞれは、上下方向から見て、下流側糸継室113aの縁部に向かって(つまり、接線方向に沿って)圧縮空気P1,P2をそれぞれ噴射する(図6参照)。第1及び第2通路140a,140bの断面形状及び第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2の形状は、矩形形状を呈する。
また、ノズル110には、圧縮空気を上流側糸継室113bへ供給する第1通路145a及び第2通路145bが形成されている。第1及び第2通路145a,145bは、上流側糸継室113bへ通ずる貫通孔である。第1及び第2通路145a,145bは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第1及び第2通路145a,145bは、前方から見て、上下方向に並び、且つ、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。第1通路145aは、前方から見て、第2通路145bよりも下流側(ノズル110の内側)に位置する。第1及び第2通路145a,145bそれぞれの上流側糸継室113b側の開口は、第1上流側噴射孔HB1及び第2上流側噴射孔HB2を構成する。
第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2は、上流側糸継室113b内へ第2糸端の撚りの方向に圧縮空気を噴射する。第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。第1上流側噴射孔HB1は、前方から見て、第2上流側噴射孔HB2よりも下側(ノズル110の内側)に位置する。第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2は、上下方向から見て、上流側糸継室113bの縁部に向かって(つまり、接線方向に沿って)圧縮空気を噴射する。第1及び第2通路145a,145bの断面形状及び第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2の形状は、矩形形状を呈する。
支持ブロック120は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂で形成され、略直方体形状有している。支持ブロック120には、ノズル110を収容するU字状開口部121が形成されている。支持ブロック120には、第1ブロック通路125a及び第2ブロック通路125bが形成されている。第1ブロック通路125aは、圧縮空気を支持ブロック120の外部からノズル110の第1通路140a,145aへ流通させる通路であり、第1通路140a,145aに連通する。第2ブロック通路125bは、圧縮空気を支持ブロック120の外部からノズル110の第2通路140b,145bへ流通させる通路であり、第2通路140b,145bに連通する。
制御部96は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータである。制御部96における各種動作の制御は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されることによって行われる。制御部96は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。制御部9は、ユニット制御部10の一部により構成される。
制御部96は、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1に圧縮空気を導く第1空気流路(空気流路)151に設けられた第1電磁弁161の開閉を制御する。第1空気流路151は、例えばチューブ等で形成され、第1ブロック通路125aに連通する。制御部96は、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2に圧縮空気を導く第2空気流路(空気流路)152に設けられた第2電磁弁162の開閉を制御する。第2空気流路152は、例えばチューブ等で形成され、第2ブロック通路125bに連通する。このような制御部96は、第1及び第2電磁弁161,162の少なくとも何れかを閉から開とするタイミングを制御することで、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2、並びに、第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2からの圧縮空気の噴射開始タイミングの少なくとも何れかを変更可能である。
具体的には、制御部96は、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1に通じる第1空気流路151の第1電磁弁161の開閉を制御することから、第1下流側噴射孔HA1の噴射開始タイミングと第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングとが同じとされる。制御部96は、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2に通じる第2空気流路152の第2電磁弁162の開閉を制御することから、第2下流側噴射孔HA2の噴射開始タイミングと第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングとが同じとされる。そして、制御部96は、第1電磁弁161の開閉タイミングと第2電磁弁162の開閉タイミングとが異なるよう制御し、第1下流側噴射孔HA1の噴射開始タイミングと第2下流側噴射孔HA2の噴射開始タイミングとを異ならせると共に、第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングを第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングと異ならせる。
以上、糸継装置26では、適宜の噴射開始タイミングで、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2のそれぞれから、圧縮空気を下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bのそれぞれに噴射することができる。よって、糸継ぎの対象となる第1及び第2糸端に対して種々の態様で圧縮空気を作用させることができ、様々な糸Yに対応することが可能となる。糸継ぎを行った糸Yの継ぎ目の強力及び外観品質を向上することが可能となる。
図7は、圧縮空気の吹付時間と巻付力との関係を示すグラフである。吹付時間は、圧縮空気の噴射を継続する時間である。巻付力は、解撚された第1及び第2糸端の一方が他方に巻き付く力であり、旋回力とも称される。図中において、M1は、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1から圧縮空気を噴射した場合の巻付力に関する値である。M2は、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2から圧縮空気を噴射した場合の巻付力に関する値である。第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングは、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングよりも遅らせている。M3は、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1から圧縮空気を噴射した後に第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2から圧縮空気を噴射した場合の巻付力(=M1+M2)に関する値である。
図7に示されるように、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングと第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングとをずらすことで、先に噴射した圧縮空気の作用によって生じた巻付力が大きく低下する前に、後に噴射した圧縮空気の作用が働く。その結果、先に噴射した圧縮空気の作用に、後に噴射した圧縮空気の作用が効果的に重畳して、大きな巻付力が得られると推定される。
糸継装置26では、制御部96により、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2の各噴射開始タイミングを互いに適宜に異ならせ、第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2の各噴射開始タイミングを互いに適宜に異ならせることができる。これにより、糸継ぎの対象となる第1及び第2糸端に対して種々の態様で圧縮空気を作用させることができる。
糸継装置26では、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2の孔形状は、矩形形状である。これにより、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2の噴孔面積を効果的に拡げることができる。巻付力を高めることが可能となる。
糸継装置26では、下流側糸継室113aの形状は、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に偏った形状であり、上流側糸継室113bの形状は、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に偏った形状である。第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2は、前方から見て糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置し、第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2は、前方から見て糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。このような構成により、様々な糸Yに対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
糸継装置26では、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2は、上下方向から見て、下流側糸継室113aの縁部に向かって圧縮空気を噴射(接線方向の吹き付け)する。第1上流側噴射孔HB1,HB2は、上下方向から見て、上流側糸継室113bの縁部に向かって圧縮空気を噴射(接線方向の吹き付け)する。この場合、糸継ぎの際に、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2からの圧縮空気が効果的に作用し合い、且つ、第1及び第2上流側噴射孔HB1,HB2からの圧縮空気が効果的に作用し合い、大きな巻付力を得ることが可能となる(図7参照)。ちなみに、糸継装置26では、綿等の短繊維の糸Yの糸継ぎに適している。
糸継装置26では、制御部96は、第1及び第2空気流路151,152に設けられた第1及び第2電磁弁161,162の開閉を制御する。この場合、第1及び第2電磁弁161,162を利用して、圧縮空気の噴射開始タイミングを制御することができる。
糸継装置26では、糸継部50は、下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bが形成されたノズル110と、ノズル110を収容する支持ブロック120と、を有する糸継ノズル構造体100を含んで構成されている。この場合、様々な糸Yに対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
ワインダユニット3は、糸継装置26を備える。このワインダユニット3においても、糸継装置26を備えることから、様々な糸Yに対応することができる。
なお、本実施形態では、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2の各噴射開始タイミングを、別々に自由に設定できるように構成してもよい。また、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2からの圧縮空気の吹付時間を、別々に自由に設定できるように構成してもよい。また、第1及び第2下流側噴射孔HA1,HA2並びに第1上流側噴射孔HB1,HB2からの圧縮空気の噴射圧力を、別々に自由に設定できるように構成してもよい。また、解撚部40において噴射する圧縮空気の停止タイミングを、自由に設定できるように構成してもよい。このような構成は、例えば電磁弁又は減圧弁等の公知技術を用いることで実現できる。
図8は、糸継装置26における圧縮空気の噴射タイミング条件の例を示す図である。図中の時間は、右側に行くに連れて時間が経過したことを表す。図中において、「解撚部」の横棒の存在は解撚部40において圧縮空気が噴射されていることを表し、「第1噴射孔」の横棒の存在は第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1から圧縮空気が噴射されていることを表し、第2噴射孔」の横棒の存在は第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2から圧縮空気が噴射されていることを表す。図中の1〜4の数字は、条件番号である。図8に示されるように、糸継装置26では、条件番号1〜4に係る第1〜第4噴射タイミング条件により解撚部40及び糸継部50において圧縮空気を噴射してもよい。
第1噴射タイミング条件では、解撚部40の噴射停止タイミングを、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングとしている。第1噴射タイミング条件では、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングを、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングに対して遅らせている。第1噴射タイミング条件では、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射停止タイミングと、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射停止タイミングと、を同じにしている。
第2噴射タイミング条件では、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングを、解撚部40の噴射停止タイミングに対して遅らせている。第2噴射タイミング条件では、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングを、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射停止タイミングに対して遅らせている。
第3噴射タイミング条件では、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングを、解撚部40の噴射停止タイミングに対して遅らせている。第3噴射タイミング条件では、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングを、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングに対して遅らせている。第3噴射タイミング条件では、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射停止タイミングを、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射停止タイミングに対して遅らせている。
第4噴射タイミング条件では、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングを、解撚部40の噴射停止タイミングに対して遅らせている。第4噴射タイミング条件では、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングを、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の噴射停止タイミングに対して遅らせている。
糸継装置26では、綿デニム糸である糸Yの糸継ぎを行う場合には、上述した第1噴射タイミング条件とすることで対応できることが見出される。すなわち、糸継装置26は、綿デニム糸の糸継ぎを行う装置である場合、制御部96は、第1下流側噴射孔HA1の噴射開始タイミング及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングを、第2下流側噴射孔HA2の噴射開始タイミング及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、綿デニム糸に対応することができる。このとき、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の圧縮空気の第1圧力を、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の圧縮空気の第2圧力よりも低くしてもよい(例えば第1圧力:5.0kg/cm、第2圧力:5.0kg/cm)。
糸継装置26では、ポリエステルと綿との混紡した素材の糸Yの糸継ぎを行う場合には、上述した第2噴射タイミング条件又は第4噴射タイミング条件とすることで対応できることが見出される。このとき、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の圧縮空気の第1圧力を、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の圧縮空気の第2圧力よりも高くしてもよい(例えば第1圧力:5.5kg/cm、第2圧力:4.5kg/cm)。
糸継装置26では、精製セルロース繊維である糸Yの糸継ぎを行う場合には、上述した第3噴射タイミング条件とすることで対応できることが見出される。すなわち、糸継装置26は、精製セルロース繊維の糸継ぎを行う装置である場合、制御部96は、第2下流側噴射孔HA2の噴射開始タイミング及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングを、第1下流側噴射孔HA1の噴射開始タイミング及び第1上流側噴射孔HB1の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、精製セルロース繊維に対応することができる。このとき、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1の圧縮空気の第1圧力を、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2の圧縮空気の第2圧力と同じにしてもよい(例えば第1圧力:3.0kg/cm、第2圧力:3.0kg/cm)。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
図9(a)は、本実施形態に係る糸継装置226の図5(a)に対応する断面図である。図9(b)は、図9(a)のIX(b)−IX(b)線に沿った断面図である。図9(a)及び図9(b)に示されるように、糸継装置226は、第1通路140a及び第1下流側噴射孔HA1に代えて、第1通路240a及び第1下流側噴射孔HA3を備えると共に、第1通路145a及び第1上流側噴射孔HB1に代えて、第1通路245a及び第1上流側噴射孔HB3を備える点で、上記第1実施形態と異なる。
第1通路240aは、圧縮空気を下流側糸継室113aへ供給する、下流側糸継室113aへ通ずる貫通孔である。第1通路240aは、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。第1通路240aは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第1通路240aの下流側糸継室113a側の開口は、第1下流側噴射孔HA3を構成する。
第1下流側噴射孔HA3は、下流側糸継室113aへ圧縮空気を噴射する。第1下流側噴射孔HA3は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。第1下流側噴射孔HA3は、上下方向から見て、下流側糸継室113aの中心に向かって圧縮空気P1を噴射する(図10参照)。第1通路240aの断面及び第1下流側噴射孔HA3の形状は、矩形形状を呈する。
第1通路245aは、圧縮空気を上流側糸継室113bへ供給する、上流側糸継室113bへ通ずる貫通孔である。第1通路245aは、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置する。第1通路245aは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第1通路245aの上流側糸継室113b側の開口は、第1上流側噴射孔HB3を構成する。
第1上流側噴射孔HB3は、上流側糸継室113bへ圧縮空気を噴射する。第1上流側噴射孔HB3は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置する。第1上流側噴射孔HB3は、上下方向から見て、上流側糸継室113bの中心に向かって圧縮空気を噴射する。第1通路245aの断面及び第1上流側噴射孔HB3の形状は、矩形形状を呈する。
以上、糸継装置226においても、様々な糸Yに対応することが可能となる。糸継ぎを行った糸Yの継ぎ目の強力及び外観品質を向上することが可能となる。ちなみに、糸継装置226では、ウール又は麻等の長繊維で太番手の糸Yの糸継ぎに適している。
糸継装置226では、下流側糸継室113aの形状は、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に偏った形状であり、上流側糸継室113bの形状は、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に偏った形状である。第2下流側噴射孔HA2及び第1上流側噴射孔HB3は、前方から見て糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置し、第1下流側噴射孔HA3及び第2上流側噴射孔HB2は、前方から見て糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。このような構成により、様々な糸Yに対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現することができる。
糸継装置226では、第1下流側噴射孔HA3は、上下方向から見て下流側糸継室113aの中心に向かって圧縮空気を噴射(センターへ吹き付け)する。第2下流側噴射孔HA2は、上下方向から見て、下流側糸継室113aの縁部に向かって圧縮空気を噴射(接線方向の吹き付け)する。第1上流側噴射孔HB3は、上下方向から見て、上流側糸継室113bの中心に向かって圧縮空気を噴射する(センターへ吹き付け)。第2上流側噴射孔HB2は、糸走行方向から見て、上流側糸継室113bの縁部に向かって圧縮空気を噴射(接線方向の吹き付け)する。これにより、第1下流側噴射孔HA3及び第1上流側噴射孔HB3からの圧縮空気の噴射によって第1及び第2糸端の繊維を絡ませると共に、第2下流側噴射孔HA2及び第2上流側噴射孔HB2からの圧縮空気の噴射によって当該第1及び第2糸端を巻き付け、継ぎ目を整える(仕上げる)ことができる。
糸継装置226では、制御部96は、第1下流側噴射孔HA3の噴射開始タイミング及び第1上流側噴射孔HB3の噴射開始タイミングを、第2下流側噴射孔HA2の噴射開始タイミング及び第2上流側噴射孔HB2の噴射開始タイミングよりも、早めてもよい。この場合、第1及び第2糸端の繊維を絡ませると共に当該第1及び第2糸端を巻き付ける上記作用を効果的に発揮することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第2実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
図11(a)は、本実施形態に係る糸継装置326の図5(a)に対応する断面図である。図11(b)は、図11(a)のXI(b)−XI(b)線に沿った断面図である。図11(a)及び図11(b)に示されるように、糸継装置326は、下流側噴射受け壁331及び上流側噴射受け壁332を更に備える点で、上記第2実施形態と異なる。
下流側噴射受け壁331は、下流側糸継室113aの内部に設けられている。下流側噴射受け壁331は、下流側糸継室113aの内面の一部が***するように設けられている。具体的には、下流側噴射受け壁331は、下流側糸継室113aの内面において第1下流側噴射孔HA3から圧縮空気が吹き付けられる部分に設けられている。下流側噴射受け壁331は、第1下流側噴射孔HA3と対向する平面状の壁面331aを有する。
上流側噴射受け壁332は、上流側糸継室113bの内部に設けられている。上流側噴射受け壁332は、上流側糸継室113bの内面の一部が***するように設けられている。具体的には、上流側噴射受け壁332は、上流側糸継室113bの内面において第1上流側噴射孔HB3から圧縮空気が吹き付けられる部分に設けられている。上流側噴射受け壁332は、第1上流側噴射孔HB3と対向する平面状の壁面332aを有する。
以上、糸継装置326においても、様々な糸Yに対応することが可能となる。糸継ぎを行った糸Yの継ぎ目の強力及び外観品質を向上することが可能となる。また、糸継装置326では、下流側噴射受け壁331及び上流側噴射受け壁332を有することから、第1下流側噴射孔HA1及び第1上流側噴射孔HB1からの圧縮空気が、下流側噴射受け壁331及び上流側噴射受け壁332に当たって拡散する(図12参照)。これにより、第1下流側噴射孔HA3及び第1上流側噴射孔HB3から下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bの中心に向かう圧縮空気の噴射(センターへの吹き付け)で第1及び第2糸端の繊維を絡ませるという上記作用が顕著となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態の説明では、上記第3実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
図13(a)は、本実施形態に係る糸継装置426の図5(a)に対応する断面図である。図13(b)は、図13(a)のXIII(b)−XIII(b)線に沿った断面図である。図13(a)及び図13(b)に示されるように、糸継装置426は、圧縮空気を下流側糸継室113aへ供給する第2通路140b及び第2下流側噴射孔HA2(図11参照)に代えて、第2通路440b及び第2下流側噴射孔HA4を備える点で、上記第3実施形態と異なる。糸継装置426は、圧縮空気を上流側糸継室113bへ供給する第2通路145b及び第2上流側噴射孔HB2(図11参照)に代えて、第2通路445b及び第2上流側噴射孔HB4を備える点で、上記第3実施形態と異なる。糸継装置426は、下流側噴射受け壁331及び上流側噴射受け壁332(図11参照)に代えて、下流側噴射受け壁431及び上流側噴射受け壁432を備える点で、上記第3実施形態と異なる。
第2通路440bは、圧縮空気を下流側糸継室113aへ供給する、下流側糸継室113aへ通ずる貫通孔である。第2通路440bは、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側(図示右側)に位置する。第2通路440bは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第2通路440bは、前方から見て第1通路240aの下流側に並ぶ。第2通路440bの下流側糸継室113a側の開口は、第2下流側噴射孔HA4を構成する。
第2下流側噴射孔HA4は、下流側糸継室113aへ圧縮空気を噴射する。第2下流側噴射孔HA4は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の他方側に位置する。第2下流側噴射孔HA4は、上下方向から見て、下流側糸継室113aの中心に向かって圧縮空気を噴射する。第2通路440bの断面及び第2下流側噴射孔HA4の形状は、矩形形状を呈する。第2通路440b及び第2下流側噴射孔HA4は、第2電磁弁162を介して第2空気流路152に通じている。
第2通路445bは、圧縮空気を上流側糸継室113bへ供給する、上流側糸継室113bへ通ずる貫通孔である。第2通路445bは、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側(図示左側)に位置する。第2通路445bは、ノズル110の内部において溝111のV字形状に倣って傾斜して延びる。第2通路445bは、前方から見て第1通路245aの上流側に並ぶ。第2通路445bの上流側糸継室113b側の開口は、第2上流側噴射孔HB4を構成する。
第2上流側噴射孔HB4は、上流側糸継室113bへ圧縮空気を噴射する。第2上流側噴射孔HB4は、前方から見て、糸走行経路Lに対して左右方向の一方側に位置する。第2上流側噴射孔HB4は、上下方向から見て、上流側糸継室113bの中心に向かって圧縮空気を噴射する。第2通路445bの断面及び第2上流側噴射孔HB4の形状は、矩形形状を呈する。第2通路445b及び第2上流側噴射孔HB4は、第2電磁弁162を介して第2空気流路152に通じている。
下流側噴射受け壁431は、下流側糸継室113aの内部に設けられている。下流側噴射受け壁431は、下流側糸継室113aの内面において第1下流側噴射孔HA3及び第2下流側噴射孔HA2から圧縮空気が吹き付けられる部分に設けられている。下流側噴射受け壁431は、下流側糸継室113aの内面の上端から下端に亘る領域が***するように設けられている。下流側噴射受け壁431は、第1下流側噴射孔HA3及び第2下流側噴射孔HA2と対向する平面状の壁面431aを有する。
上流側噴射受け壁432は、上流側糸継室113bの内部に設けられている。上流側噴射受け壁432は、上流側糸継室113bの内面において第1上流側噴射孔HB3及び第2上流側噴射孔HB4から圧縮空気が吹き付けられる部分に設けられている。上流側噴射受け壁432は、上流側糸継室113bの内面の上端から下端に亘る領域が***するように設けられている。上流側噴射受け壁432は、第1上流側噴射孔HB3及び第2上流側噴射孔HB4と対向する平面状の壁面432aを有する。
以上、糸継装置426においても、様々な糸Yに対応することが可能となる。糸継ぎを行った糸Yの継ぎ目の強力及び外観品質を向上することが可能となる。特に糸継装置426では、長繊維単糸及び長繊維双糸である糸Yへの対応に有効である。
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本発明の一態様は上記実施形態に限定されない。
上記実施形態は、複数の下流側噴射孔として第1下流側噴射孔HA1,HA3及び第2下流側噴射孔HA2を備えているが、下流側噴射孔の数は3つ以上であってもよい。上記実施形態は、複数の上流側噴射孔として第1上流側噴射孔HB1,HB3及び第2上流側噴射孔HB2を備えているが、上流側噴射孔の数は3つ以上であってもよい。
上記実施形態では、第1下流側噴射孔HA1の孔形状と第2下流側噴射孔HA2の孔形状とは異なっていてもよい。上記実施形態では、第1上流側噴射孔HB1の孔形状と第2上流側噴射孔HB2の孔形状とは、異なっていてもよい。この場合、各孔形状の違いに応じて、様々な糸Yに対応することが可能となる。
上記実施形態では、第1下流側噴射孔HA1の孔形状と第2下流側噴射孔HA2の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、第1下流側噴射孔HA1の孔形状と第2下流側噴射孔HA2の孔形状とのうちの他方は、円形状であってもよい。第1上流側噴射孔HB1の孔形状と第2上流側噴射孔HB2の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、第1上流側噴射孔HB1の孔形状と第2上流側噴射孔HB2の孔形状とのうちの他方は、円形状であってもよい。この場合、様々な糸Yに対応できる上記効果を奏する一態様を、具体的に実現できる。
上記実施形態において、糸継ノズル構造体100は、圧縮空気の噴射により糸継ぎを行うものであって、下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bが形成されたノズル110と、ノズル110を収容する支持ブロック120と、を備える。ノズル110は、下流側糸継室113aへ圧縮空気を噴射する第1及び第2下流側噴射孔と、上流側糸継室113bへ圧縮空気を噴射する第1及び第2上流側噴射孔と、を有する。第1下流側噴射孔の孔形状と第2下流側噴射孔の孔形状とは異なり、第1上流側噴射孔の孔形状と第2上流側噴射孔の孔形状とは異なっていてもよい。
この場合、第1及び第2下流側噴射孔と第1及び第2上流側噴射孔とのそれぞれから、圧縮空気を下流側糸継室113a及び上流側糸継室113bのそれぞれに噴射することができる。第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔の各孔形状が互いに異なり、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔の各孔形状が互いに異なることから、その各孔形状の違いに応じて、様々な糸Yに対応することができる。
上記実施形態では、本発明の一態様に係る糸継装置をワインダユニット3に適用したが、本発明の一態様に係る糸継装置は、紡績機の巻取ユニット、又は、複数の巻取ユニット間を移動する作業台車等に適用されてもよい。
3…ワインダユニット(巻取装置)、26,226,326,426…糸継装置、50…糸継部、96…制御部、100…糸継ノズル構造体、110…ノズル、113a…下流側糸継室、113b…上流側糸継室、120…支持ブロック、151…第1空気流路(空気流路)、152…第2空気流路(空気流路)、161…第1電磁弁(電磁弁)、162…第2電磁弁(電磁弁)、331,431…下流側噴射受け壁、331a,332a,431a,432a…壁面、332,432…上流側噴射受け壁、HA1,HA3…第1下流側噴射孔(下流側噴射孔)、HA2,HA4…第2下流側噴射孔(下流側噴射孔)、HB1,HB3…第1上流側噴射孔(上流側噴射孔)、HB2,HB4…第2上流側噴射孔(上流側噴射孔)、L…糸走行経路。

Claims (16)

  1. 圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継部と、
    前記糸継部における圧縮空気の噴射を制御する制御部と、を備える糸継装置であって、
    前記糸継部は、
    糸走行方向に隣接し且つ互いに連通する上流側糸継室及び下流側糸継室と、
    前記上流側糸継室へ圧縮空気を噴射する複数の上流側噴射孔と、
    前記下流側糸継室へ圧縮空気を噴射する複数の下流側噴射孔と、を有し、
    前記制御部は、複数の前記上流側噴射孔それぞれ及び複数の前記下流側噴射孔それぞれからの圧縮空気の噴射開始タイミングの少なくとも何れかを変更可能である、糸継装置。
  2. 複数の前記上流側噴射孔は、第1上流側噴射孔及び第2上流側噴射孔を含み、
    複数の前記下流側噴射孔は、第1下流側噴射孔及び第2下流側噴射孔を含み、
    前記制御部は、
    前記第1上流側噴射孔の噴射開始タイミングと前記第2上流側噴射孔の噴射開始タイミングとを異ならせ、
    前記第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを前記第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングと異ならせる、請求項1に記載の糸継装置。
  3. 前記第1上流側噴射孔の孔形状と前記第2上流側噴射孔の孔形状とは、異なり、
    前記第1下流側噴射孔の孔形状と前記第2下流側噴射孔の孔形状とは、異なる、請求項2に記載の糸継装置。
  4. 前記第1上流側噴射孔の孔形状と前記第2上流側噴射孔の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、
    前記第1上流側噴射孔の孔形状と前記第2上流側噴射孔の孔形状とのうちの他方は、円形状であり、
    前記第1下流側噴射孔の孔形状と前記第2下流側噴射孔の孔形状とのうちの一方は、多角形状であり、
    前記第1下流側噴射孔の孔形状と前記第2下流側噴射孔の孔形状とのうちの他方は、円形状である、請求項3に記載の糸継装置。
  5. 前記上流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、糸走行方向と直交する所定方向の一方側に偏った形状であり、
    前記下流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、前記所定方向の他方側に偏った形状であり、
    前記第1上流側噴射孔及び前記第2上流側噴射孔は、糸走行方向及び前記所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して前記所定方向の一方側に位置し、
    前記第1下流側噴射孔及び前記第2下流側噴射孔は、糸走行方向及び前記所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して前記所定方向の他方側に位置する、請求項2〜4の何れか一項に記載の糸継装置。
  6. 前記第1上流側噴射孔及び前記第2上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記上流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射し、
    前記第1下流側噴射孔及び前記第2下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記下流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射する、請求項5に記載の糸継装置。
  7. 綿デニム糸の糸継ぎを行う装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、前記第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早める、請求項5又は6に記載の糸継装置。
  8. 精製セルロース繊維の糸継ぎを行う装置であって、
    前記制御部は、
    前記第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、前記第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早める、請求項5又は6に記載の糸継装置。
  9. 前記上流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、糸走行方向と直交する所定方向の一方側に偏った形状であり、
    前記下流側糸継室の形状は、糸走行経路に対して、前記所定方向の他方側に偏った形状であり、
    前記第2上流側噴射孔及び前記第1下流側噴射孔は、糸走行方向及び前記所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して前記所定方向の一方側に位置し、
    前記第1上流側噴射孔及び前記第2下流側噴射孔は、糸走行方向及び前記所定方向と直交する方向から見て、糸走行経路に対して前記所定方向の他方側に位置する、請求項2〜4の何れか一項に記載の糸継装置。
  10. 前記第1上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記上流側糸継室の中心に向かって圧縮空気を噴射し、
    前記第2上流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記上流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射し、
    前記第1下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記下流側糸継室の中心に向かって圧縮空気を噴射し、
    前記第2下流側噴射孔は、糸走行方向から見て、前記下流側糸継室の縁部に向かって圧縮空気を噴射する、請求項9に記載の糸継装置。
  11. 前記上流側糸継室には、その内面の一部が***するように設けられ、前記第1上流側噴射孔と対向する壁面を有する上流側噴射受け壁を有し、
    前記下流側糸継室には、その内面の一部が***するように設けられ、前記第1下流側噴射孔と対向する壁面を有する下流側噴射受け壁を有する、請求項10に記載の糸継装置。
  12. 前記制御部は、
    前記第1上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第1下流側噴射孔の噴射開始タイミングを、前記第2上流側噴射孔の噴射開始タイミング及び前記第2下流側噴射孔の噴射開始タイミングよりも、早める、請求項10又は11に記載の糸継装置。
  13. 前記制御部は、複数の前記上流側噴射孔及び複数の前記下流側噴射孔に圧縮空気を導く空気流路に設けられた電磁弁の開閉を制御する、請求項1〜12の何れか一項に記載の糸継装置。
  14. 前記糸継部は、前記上流側糸継室及び前記下流側糸継室が形成されたノズルと、前記ノズルを収容する支持ブロックと、を有する糸継ノズル構造体を含んで構成されている、請求項1〜13の何れか一項に記載の糸継装置。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載の糸継装置を備える、巻取装置。
  16. 圧縮空気の噴射により糸継ぎを行う糸継ノズル構造体であって、
    糸走行方向に隣接し且つ互いに連通する上流側糸継室及び下流側糸継室が形成されたノズルと、
    前記ノズルを収容する支持ブロックと、を備え、
    前記ノズルは、前記上流側糸継室へ圧縮空気を噴射する第1及び第2上流側噴射孔と、前記下流側糸継室へ圧縮空気を噴射する第1及び第2下流側噴射孔と、を有し、
    前記第1上流側噴射孔の孔形状と前記第2上流側噴射孔の孔形状とは、異なり、
    前記第1下流側噴射孔の孔形状と前記第2下流側噴射孔の孔形状とは、異なる、糸継ノズル構造体。
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