JP2021079584A - スクライブヘッド及びスクライブ装置 - Google Patents

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勝喜 中田
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Abstract

【課題】スクライブ荷重を十分に小さくしつつ、スクライブ荷重を精度よく制御する。【解決手段】スクライブヘッド1は、支持部材114と、カッタ機構11と、第1エアシリンダ機構13と、第2エアシリンダ機構15と、を備える。カッタ機構11は、支持部材114に対して上下方向にスライド可能に支持される。第1エアシリンダ機構13は、カッタ機構11に対して基板W側への第1荷重F1を付与する。第2エアシリンダ機構15は、カッタ機構11に対して基板Wと反対側への第2荷重F2を付与する。【選択図】図2

Description

本発明は、スクライブヘッド及びスクライブ装置に関し、特に、基板にスクライブラインを形成するために使用されるスクライブヘッド及びスクライブ装置に関する。
FPD用パネル基板として使用される脆性材料基板は、通常、スクライブ装置によって大判のマザー基板をスクライブし、その後に所定の大きさに分断することによって製造される。ガラス基板をスクライブするために使用されるスクライブ装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
スクライブ装置は、スクライブラインが形成されるガラス基板を水平状態で保持するテーブルと、このテーブル上に保持されたガラス基板をスクライブするスクライブヘッドと、各スクライブヘッドがスライド可能に取り付けられたガイドレールを有するブリッジとを備えている。
スクライブヘッドの下部には、カッタホイール取付機構が設けられている。カッタホイール取付機構は、ホルダと、ホルダに装着されるカッタホイールチップとを有している。カッタホイールチップは、チップ本体と、それに取り付けられたカッタホイールとを有している
カッタホイール取付機構は、スクライブヘッドの昇降機構によりヘッド本体に対して上下方向に移動可能になっており、テーブル上に保持されたガラス基板に圧接されて、ガラス基板に対して相対的に移動することによりガラス基板をスクライブする。これにより、ガラス基板にはスクライブラインが形成される。
特許第4948837号公報
FPD用として用いられるガラス基板の厚みは、従来の主力である0.7mm厚から、携帯端末に用いられる用途等の主力である0.4mm〜0.3mm厚、あるいはそれ以下というようにますます薄くなる傾向にある。このような薄いガラス基板をスクライブする際に、ガラス基板に対するスクライブ荷重を従来より小さく設定された荷重範囲で精度良く制御する必要がある。上記が実現されなければ、基板をスクライブするカッタ機構の自重によって大きなスクライブ荷重がガラス基板に加わり、スクライブ時にガラス基板が破損したり、所定のスクライブ予定ラインに対してずれた状態でスクライブラインが形成されたりするからである。
しかし、ガラス基板に対するスクライブ荷重を、カッタ機構全体の自重よりも小さな荷重に精度よく調整することが容易でない。なぜなら、カッタ機構全体が上下方向にスライドされるので、ガラス基板に対してカッタ機構全体の自重が加わるからである。
本発明の目的は、スクライブヘッドにおいて、スクライブ荷重を十分に小さくしつつ、スクライブ荷重を精度よく制御することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るスクライブヘッドは、基板をスクライブするスクライブヘッドである。スクライブヘッドは、支持部材と、カッタ機構と、第1エアシリンダ機構と、第2エアシリンダ機構と、を備える。カッタ機構は、支持部材に対して上下方向にスライド可能に支持される。第1エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板側への第1荷重を付与する。第2エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板と反対側への第2荷重を付与する。
このスクライブヘッドでは、第1エアシリンダ機構による第1荷重と第2エアシリンダ機構による第2荷重との差(差圧推力)を利用して、カッタ機構を基板に接触させる。したがって、カッタ機構から基板に付与されるスクライブ荷重を極端に小さくできるとともに、精度よくスクライブ荷重を制御できる。その結果、基板を破損させることなく、しかも、精度良くスクライブ動作を実行できる。また、支持部材におけるカッタ機構の位置に依存しないスクライブ荷重を付与できる。
第2荷重はカッタ機構の自重と等しくてもよい。これにより、第2荷重によりカッタ機構の自重を打ち消しつつ、第1エアシリンダ機構による第1荷重のみの調整によりスクライブ荷重を精度よく制御できる。
第1荷重は一定であってもよい。これにより、第2エアシリンダ機構による第2荷重のみの調整によりスクライブ荷重を精度よく制御できる。
第1荷重は0であってもよい。これにより、第2エアシリンダ機構による第2荷重のみを調整して、カッタ機構の自重と第2荷重の差分としてスクライブ荷重を精度よく制御できる。
第2荷重は0であってもよい。これにより、第1エアシリンダ機構による第1荷重のみを調整して、カッタ機構の自重と第1荷重との和としてスクライブ荷重を精度よく制御できる。
本発明の他の見地に係るスクライブ装置は、基板載置部と、スクライブヘッドと、駆動部を備える。スクライブヘッドは基板をスクライブする。駆動部は、スクライブヘッドを駆動する。スクライブヘッドは、支持部材と、カッタ機構と、第1エアシリンダ機構と、第2エアシリンダ機構と、を有する。
カッタ機構は、支持部材に対して上下方向にスライド可能に支持される。第1エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板側への第1荷重を付与する。第2エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板と反対側への第2荷重を付与する。
このスクライブ装置では、スクライブヘッドの第1エアシリンダ機構による第1荷重と第2エアシリンダ機構による第2荷重との差(差圧推力)を利用して、カッタ機構を基板に接触させる。したがって、カッタ機構から基板に付与されるスクライブ荷重を極端に小さくできるとともに、精度よくスクライブ荷重を制御できる。その結果、基板を破損させることなく、しかも、精度良くスクライブ動作を実行できる。
本発明に係るスクライブヘッドでは、スクライブ荷重を十分に小さくし精度よく制御することで、基板を安全にかつ精度良くスクライブできる。
スクライブ装置の概略斜視図。 スクライブヘッドの正面図。 カッタ機構の背面図。 カッタ機構のX−Y平面での断面図。 エアシリンダ機構の内部構造を示す図。 スクライブ荷重の第1の付与方法を模式的に示す図。 スクライブ荷重の第2の付与方法を模式的に示す図。 スクライブ荷重の第3の付与方法を模式的に示す図。 スクライブ荷重の第4の付与方法を模式的に示す図。
1.第1実施形態
(1)スクライブ装置
図1を用いて、スクライブ装置101を説明する。図1は、スクライブ装置の概略斜視図である。スクライブ装置101は、基板Wをスクライブ加工する装置である。基板Wは、例えば、ガラス基板、セラミック基板、サファイア基板、シリコン基板等である。
スクライブ装置101は、基板Wを載置するテーブル102(基板載置部の一例)を備えている。テーブル102は移動台103に載っている。移動台103は、水平なレール105a、105bに沿って移動できるようになっており、駆動モータ106によって回転するボールネジ107により駆動される。
なお、以下の説明では、レール105a、105bの延びる水平方向をY方向として、それに直交する水平方向をX方向という。また、水平方向(X方向、Y方向)に垂直な高さ方向をZ方向とする。
テーブル102は、基板Wを定位置で保持できるように保持手段(図示せず)を備えている。保持手段は、例えば、テーブル102に開口させた多数の小さな吸着孔(図示せず)からのエア吸引である。
スクライブ装置101には、移動台103とテーブル102を跨ぐように、X方向に沿ってブリッジ111が、支柱112a、112bによって架設されている。
ブリッジ111には、第1ガイド113が取り付けられており、第1ガイド113には支持部材114がX方向に沿って移動可能に設置されている。支持部材114は、スクライブヘッド1を支持する。また、第1ガイド113に沿って支持部材114を駆動する駆動モータ(図示せず、駆動部の一例)が設けられている。この駆動モータにより支持部材114が第1ガイド113に沿って移動することで、スクライブヘッド1を第1ガイド113(X方向)に沿って移動できる。
上記のようにしてスクライブ装置101のスクライブヘッド1に取り付けたカッタホイール(後述)を、テーブル102上に載置した基板Wの表面に降下させ、基板Wの表面に押し付けながら相対的に移動させることにより、基板Wの表面に分断用のスクライブラインを形成する。
(2)スクライブヘッドの構成
図2を用いて、スクライブヘッド1を説明する。図2は、スクライブヘッドの正面図である。スクライブヘッド1は、基板Wの表面をスクライブすることによってスクライブラインを形成するものである。スクライブヘッド1は、主に、カッタ機構11と、第1エアシリンダ機構13と、第2エアシリンダ機構15と、を備える。
カッタ機構11は、先端にカッタホイール25を有し、カッタホイール25の刃先を基板Wの表面に所定の荷重を加えた状態で接触させつつ、カッタホイール25の刃先を基板Wに対して相対移動させることで、基板Wの表面にスクライブラインを形成する。カッタ機構11は、支持部材114に対してZ方向にスライド可能に支持されている。
以後、カッタホイール25の刃先を基板Wの表面に接触させるときの荷重を「スクライブ荷重Fs」と呼ぶ。
第1エアシリンダ機構13は、支持部材114の最上部に設けられ、第1シリンダ13a(図5)内の圧力により、カッタ機構11の押圧部材27eを上面から下向きに押圧する。すなわち、第1エアシリンダ機構13は、第1エアシリンダ内の圧力により、カッタ機構11に対して基板W側へ(下向きに)荷重を付与する。第1エアシリンダ機構13がカッタ機構11に付与する下方向の荷重を、第1荷重F1と呼ぶ。
第2エアシリンダ機構15は、支持部材114において、押圧部材27eを挟んで第1エアシリンダ機構13よりも下部に設けられ、第2シリンダ15a(図5)内の圧力により、押圧部材27eを下面から上向きに押圧する。すなわち、第2エアシリンダ機構15は、第2エアシリンダ内の圧力により、カッタ機構11に対して基板Wと反対側へ(上向きに)荷重を付与する。第2エアシリンダ機構15がカッタ機構11に付与する上方向の荷重を、第2荷重F2と呼ぶ。
(3)カッタ機構の構成
次に、図2〜図4を用いて、カッタ機構11の構成を説明する。図3は、カッタ機構の背面図である。図4は、カッタ機構のX−Y平面での断面図である。カッタ機構11は、主に、回転モータ21と、カッタホルダ23と、を有する。
回転モータ21は、カッタホルダ23をZ軸周りに回動させる。具体的には、回転モータ21の出力回転軸は、カップリング部材31を介して、カッタホルダ23の軸方向の一端と接続されている。これにより、カッタホルダ23は、回転モータ21の出力回転軸の回転に従ってその軸周りに回動する。
カッタホルダ23は、軸方向の他端(カップリング部材31が接続されている側とは反対側の端部)において、カッタホイール25を水平軸周りに回転可能に保持する。
カッタホイール25は、円盤形状の部材であり、当該円盤の径方向の端部に刃を有する。基板Wの表面にカッタホイール25の刃を当てた状態で、カッタホイール25が基板Wに対して相対移動し、カッタホイール25が基板W上で水平軸周りに回転することで、カッタホイール25の相対移動の軌跡に対応したスクライブラインが基板Wの表面に形成される。
上記のように、端部にカッタホイール25を有するカッタホルダ23が回転モータ21の出力回転軸に接続されることで、カッタホイール25は、回転モータ21の出力回転軸の回転に従って、Z軸周りに回動可能となる。
カッタ機構11において、カッタホルダ23は、カップリング部材31により、回転モータ21の出力回転軸に直接接続されている。言い換えると、回転モータ21の出力回転軸とカッタホルダ23の間には、ギヤなどにより構成される減速機構などが設けられていない。
この構成により、回転モータ21の出力回転軸の回転が遅れてカッタホルダ23に伝達されること、及び/又は、カッタホルダ23の回転量が出力回転軸の回転量と一致しなくなることを回避できる。その結果、回転モータ21の出力回転軸の回転に対応するよう、カッタホイール25の刃をスクライブラインの形成方向に精度よく向けることができる。
カッタ機構11において、回転モータ21は、収納部材27に収納されている。具体的には、回転モータ21の本体部分は、収納部材27の一対の側面部材27aの間に収納される。また、回転モータ21の本体部分は、一対の側面部材27aを架橋するように配置された拘束部材27bにより拘束される。例えば、拘束部材27bに設けた開口に回転モータ21の本体部分を挿入するか、及び/又は、回転モータ21の本体部分と拘束部材27bとをネジ止め等することで、拘束部材27bは回転モータ21の本体を収納部材27内で動かないよう固定できる。
さらに、一対の側面部材27aの底面には、底面部材27cが固定されている。本実施形態において、底面部材27cは、カップリング部材31とカッタホルダ23との間に配置される。
回転モータ21を収納部材27に収納する構成とすることで、スクライブヘッド1をスクライブ装置101に装着したときに、スクライブヘッド1の重心位置を安定させ、スクライブヘッド1をコンパクトにできる。
また、それぞれの側面部材27aの上部には、最上部が第1エアシリンダ機構13と第2エアシリンダ機構15との間に到達するまでZ方向に延びる延長部材27dが設けられる。この一対の延長部材27dの最上部には、当該一対の延長部材27dを架橋するように押圧部材27eが設けられる。
上記のように、押圧部材27eの上面が第1エアシリンダ機構13により第1荷重F1にて下方向に押され、その下面が第2エアシリンダ機構15により第2荷重F2にて上方向に押される。これにより、押圧部材27eは、第1荷重F1と第2荷重F2との差分に対応した荷重を、カッタ機構11に付与できる。
カッタ機構11は、一対のリニアガイド29を備えている。一対のリニアガイド29のそれぞれは、対応する側面部材27aに、その長さ方向がZ方向に平行となるよう設けられる。一対のリニアガイド29は、支持部材114に設けられた一対の第2ガイド114aに沿って、すなわちZ方向に移動可能に、一対の第2ガイド114aに嵌め込まれる。なお、一対の第2ガイド114aが一対のリニアガイド29を摺動する際の摺動抵抗は小さくしておくことが好ましい。
この構成により、支持部材114は、回転モータ21の両端側でカッタ機構11を支持可能となるので、カッタ機構11をスクライブ装置101において安定して支持できる。具体的には、例えば、カッタ機構11が、水平方向の軸に対して回転するなどして、カッタ機構11がZ方向からずれた方向に向くことを回避できる。
また、カッタ機構11が支持部材114に対してZ方向に移動可能となっていることで、基板Wの厚み及び/又は凹凸などに応じてカッタ機構11がZ方向に移動して、基板Wに対して適切にカッタホイール25の刃を当てることができる。
さらに、収納部材27において、回転モータ21は、収納部材27の背面(支持部材114に近い側)に対して大きく距離が離れない位置に収納されている。これにより、カッタ機構11の重心が支持部材114から大きく離れて、カッタ機構11が支持部材114に対して前方向に傾くことを回避できる。
(4)エアシリンダ機構
以下、図5を用いて、スクライブヘッド1に設けられた第1エアシリンダ機構13及び第2エアシリンダ機構15の構成を説明する。図5は、エアシリンダ機構の内部構造を示す図である。
第1エアシリンダ機構13は、カッタ機構11に対して基板W側(下方向)への第1荷重F1を付与する。第1エアシリンダ機構13は、具体的な構成として、第1シリンダ13aと、第1隔壁13bと、を有する。
第1シリンダ13aの内部空間は、第1隔壁13bにより2つの小空間に分離されている。第1隔壁13bは、押圧部材27eを上面から押圧する第1押圧部13cを有する。
第1シリンダ13aの内部空間が第1隔壁13bにより分離されて形成される小空間のそれぞれは、圧力を独立して調整可能となっている。例えば、各小空間に独立してエアなどの気体を流入または流出させることで、各小空間の圧力を調整できる。
第1シリンダ13aの内部空間において上側の小空間の圧力を下側の小空間の圧力よりも大きくすることで、当該2つの小空間の圧力差により、第1押圧部13cは下方向への第1荷重F1を発生できる。
第2エアシリンダ機構15は、カッタ機構11に対して基板Wと反対側(上方向)への第2荷重F2を付与する。第2エアシリンダ機構15は、具体的な構成として、第2シリンダ15aと、第2隔壁15bと、を有する。
第2シリンダ15aの内部空間は、第2隔壁15bにより2つの小空間に分離されている。第2隔壁15bは、押圧部材27eを下面から押圧する第2押圧部15cを有する。
第2シリンダ15aの内部空間が第2隔壁15bにより分離されて形成される小空間のそれぞれは、圧力を独立して調整可能となっている。例えば、各小空間に独立してエアなどの気体を流入または流出させることで、各小空間の圧力を調整できる。
第2シリンダ15aの内部空間において下側の小空間の圧力を上側の小空間の圧力よりも大きくすることで、当該2つの小空間の圧力差により、第2押圧部15cは上方向への第2荷重F2を発生できる。
第1荷重F1及び第2荷重F2の付与に、気体の圧力差を用いたエアシリンダ機構を用いることで、支持部材114におけるカッタ機構11の位置に依存しないスクライブ荷重Fsを基板Wに付与できる。なぜなら、エアシリンダ機構においては、発生する荷重が伸縮長さに依存する弾性部材(例えば、バネ、ゴムなど)とは異なり、エアシリンダ機構の伸縮長さに荷重が依存しないからである。
(5)エアシリンダ機構によるカッタ機構への荷重付与方法
次に、上記の構成を有するスクライブヘッド1における、第1エアシリンダ機構13及び第2エアシリンダ機構15によるカッタ機構11へのスクライブ荷重Fsの付与方法を説明する。
本実施形態におけるスクライブヘッド1では、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1と第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2との差(差圧推力)を利用して、カッタ機構11を基板W側に移動させる。具体的には、図6A〜図6Dに示すようなスクライブ荷重Fsの付与方法がある。図6Aは、スクライブ荷重の第1の付与方法を模式的に示す図である。図6Bは、スクライブ荷重の第2の付与方法を模式的に示す図である。図6Cは、スクライブ荷重の第3の付与方法を模式的に示す図である。図6Dは、スクライブ荷重の第4の付与方法を模式的に示す図である。
第1の付与方法は、第2エアシリンダ機構15が、カッタ機構11の自重F3と等しい上向きの第2荷重F2(=F3)を付与する一方、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1を可変とする方法である。
第1の付与方法では、第2荷重F2とカッタ機構11の自重F3とが等しいので、第2荷重F2によりカッタ機構11の自重F3を打ち消すことができる。その結果、基板Wへ付与されるスクライブ荷重Fsは、第1エアシリンダ機構13の第1荷重F1と等しくなる。すなわち、第1の付与方法では、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1のみの調整によりスクライブ荷重Fsを精度よく制御できる。なぜなら、第1エアシリンダ機構13のみによりスクライブ荷重Fsを調整する場合には、第1エアシリンダ機構13の制御誤差のみがスクライブ荷重Fsに影響するからである。
第2の付与方法は、第1エアシリンダ機構13が、一定の第1荷重F1を付与する一方、第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2を可変とする方法である。
第2の付与方法では、下向きの第1荷重F1を一定としつつ、上向きの第2荷重F2を可変とすることで、スクライブ荷重Fsを広い荷重範囲で調整できる。例えば、第2荷重F2を0〜F1+F3の範囲で可変とすることで、スクライブ荷重Fsを0〜F1+F3の範囲で調整できる。また、第1の付与方法と同様に、第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2のみの調整によりスクライブ荷重Fsを調整することで、スクライブ荷重Fsを精度よく制御できる。
第3の付与方法は、第1荷重F1を0とする、すなわち、第1エアシリンダ機構13が第1荷重F1の付与を行わない一方、第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2を可変とする方法である。
第3の付与方法では、下向きの第1荷重F1を0としつつ、上向きの第2荷重F2を可変とすることで、カッタ機構11の自重F3と第2荷重F2の差分としてのスクライブ荷重Fsを基板Wに付与できる。この結果、スクライブ荷重Fsを0〜F3の範囲内で調整できる。この第3の付与方法は、例えば、カッタ機構11の自重F3がスクライブ荷重Fsとして過大であるために、カッタ機構11の自重F3よりも小さいスクライブ荷重Fsを基板Wに付与したい場合に使用できる。また、他の付与方法と同様に、第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2のみの調整によりスクライブ荷重Fsを調整することで、スクライブ荷重Fsを精度よく制御できる。
第4の付与方法は、第2荷重F2を0とする、すなわち、第2エアシリンダ機構15が第2荷重F2の付与を行わない一方、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1を可変とする方法である。
第4の付与方法では、上向きの第2荷重F2を0としつつ、下向きの第1荷重F1を可変とすることで、カッタ機構11の自重F3と第1荷重F1の和としてのスクライブ荷重Fsを基板Wに付与できる。この結果、スクライブ荷重FsをF3〜F1+F3の範囲内で調整できる。この第4の付与方法は、例えば、カッタ機構11の自重F3がスクライブ荷重Fsとしては過小であるために、カッタ機構11の自重F3よりも大きいスクライブ荷重Fsを基板Wに付与したい場合に使用できる。また、他の付与方法と同様に、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1のみの調整によりスクライブ荷重Fsを調整することで、スクライブ荷重Fsを精度よく制御できる。
(6)スクライブ動作
次に、上記の構成を有するスクライブヘッド1を備えたスクライブ装置101による、基板Wへのスクライブラインの形成動作(スクライブ動作)を説明する。なお、以下に説明するスクライブ動作は、スクライブ装置101に備わるコントローラ(図示せず)により実行される。この場合、当該コントローラは、コントローラの記憶装置などに記憶したプログラムを実行することで、以下の制御を実現してもよい。
最初に、基板Wが搬送され、テーブル102の上に載置される。そして、スクライブヘッド1がX方向に移動させられて、所定の位置に位置決めされる。
次に、第1エアシリンダ機構13の第1シリンダ13aの内部空間内の圧力(第1隔壁13bの上下の圧力)、及び、第2エアシリンダ機構15の第2シリンダ15aの内部空間内の圧力(第2隔壁15bの上下の圧力)を調整して、スクライブ荷重Fsの大きさを調整する。具体的には、基板Wに付与したいスクライブ荷重Fsに応じて、上記の第1〜第4の付与方法を用いて、スクライブ荷重Fsを調整する。スクライブ荷重Fsを調整した状態で、カッタホイール25の刃を基板Wに接触させる。
その後、基板Wに形成したいスクライブラインの形状に従って、スクライブヘッド1が第1ガイド113に沿ってX方向に移動し、基板Wを載置したテーブル102がレール105a、105bに沿ってY方向に移動することで、カッタホイール25が基板Wに対してX−Y平面内の任意の方向に移動する。このカッタホイール25の任意の方向への移動により、基板Wの表面に任意形状のスクライブラインを形成できる。
また、基板Wの表面にスクライブラインを形成する際に、回転モータ21が、カッタホイール25の刃がスクライブラインの形成方向に向くよう、カッタホイール25をZ方向に平行な軸周りに回動させる。すなわち、基板Wの表面における移動に追従してカッタホイール25の刃の向きが変わるのではなく、回転モータ21の駆動により、カッタホイール25の刃がスクライブラインの形成方向に積極的に向けられる。これにより、カッタホイール25の刃をスクライブラインの形成方向に確実に向けることができる。
上記のように、本実施形態のスクライブヘッド1では、第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1と第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2との差(差圧推力)を利用して、カッタ機構11を基板Wに接触させている。これにより、カッタ機構11から基板Wに付与されるスクライブ荷重Fsを極端に小さくできるとともに、精度よくスクライブ荷重Fsを制御できる。その結果、基板Wを破損させることなく、しかも、精度良くスクライブ動作を実行できる。
また、スクライブラインを形成する際にカッタホイール25の刃をスクライブラインの形成方向に向けることにより、スクライブラインの形成中にカッタホイール25の刃が基板Wの表面で滑ることを抑制できるので、スクライブラインの形成の精度及び品質を向上できる。例えば、基板Wの表面の意図した位置とは異なる位置にスクライブラインが形成されること、及び/又は、基板Wの表面に意図した形状とは異なるスクライブラインが形成されることを回避できる。また、例えば、カッタホイール25の刃が基板Wの表面で滑ることに起因して、基板Wの表面に傷が生じること、及び/又は、カッタホイール25の刃が損傷することを回避できる。
(7)実施形態の特徴
前記実施形態は下記のようにも説明できる。
スクライブヘッド(例えば、スクライブヘッド1)は、支持部材(例えば、支持部材114)と、カッタ機構(例えば、カッタ機構11)と、第1エアシリンダ機構(例えば、第1エアシリンダ機構13)と、第2エアシリンダ機構(例えば、第2エアシリンダ機構15)と、を備える。カッタ機構は、支持部材に対して上下方向にスライド可能に支持される。第1エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板(例えば、基板W)側への第1荷重(例えば、第1荷重F1)を付与する。第2エアシリンダ機構は、カッタ機構に対して基板と反対側への第2荷重(例えば、第2荷重F2)を付与する。
このスクライブヘッドでは、第1エアシリンダ機構による第1荷重と第2エアシリンダ機構による第2荷重との差(差圧推力)を利用して、カッタ機構を基板に接触させる。したがって、カッタ機構から基板に付与されるスクライブ荷重を極端に小さくできるとともに、精度よくスクライブ荷重を制御できる。その結果、基板を破損させることなく、しかも、精度良くスクライブ動作を実行できる。また、支持部材におけるカッタ機構の位置に依存しないスクライブ荷重を付与できる。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)第1エアシリンダ機構13による第1荷重F1及び第2エアシリンダ機構15による第2荷重F2の両方を可変させて基板Wに付与するスクライブ荷重Fsを調整することもできる。
(B)回転モータ21を省略し、カッタホルダ23をZ軸周りに回動可能に収納部材27に設けてもよい。すなわち、回転モータ21によりカッタホルダ23を回動させる構成としなくてもよい。
本発明は、基板にスクライブラインを形成するために使用されるスクライブヘッド及びスクライブ装置に広く適用できる。
1 スクライブヘッド
11 カッタ機構
21 回転モータ
23 カッタホルダ
25 カッタホイール
27 収納部材
27a 側面部材
27b 拘束部材
27c 底面部材
27d 延長部材
27e 押圧部材
29 リニアガイド
31 カップリング部材
13 第1エアシリンダ機構
13a 第1シリンダ
13b 第1隔壁
13c 第1押圧部
15 第2エアシリンダ機構
15a 第2シリンダ
15b 第2隔壁
15c 第2押圧部
101 スクライブ装置
102 テーブル
103 移動台
105a、105b レール
106 駆動モータ
107 ボールネジ
111 ブリッジ
112a、112b 支柱
113 第1ガイド
114 支持部材
114a 第2ガイド
F1 第1荷重
F2 第2荷重
F3 カッタ機構の自重
Fs スクライブ荷重
W 基板

Claims (6)

  1. 基板をスクライブするスクライブヘッドであって、
    支持部材と、
    前記支持部材に対して上下方向にスライド可能に支持されるカッタ機構と、
    前記カッタ機構に対して前記基板側への第1荷重を付与する第1エアシリンダ機構と、
    前記カッタ機構に対して前記基板と反対側への第2荷重を付与する第2エアシリンダ機構と、
    を備えるスクライブヘッド。
  2. 前記第2荷重は前記カッタ機構の自重と等しい、請求項1に記載のスクライブヘッド。
  3. 前記第1荷重は一定である、請求項1又は2に記載のスクライブヘッド。
  4. 前記第1荷重は0である、請求項1〜3のいずれかに記載のスクライブヘッド。
  5. 前記第2荷重は0である、請求項1〜4のいずれかに記載のスクライブヘッド。
  6. 基板載置部と、
    基板をスクライブするスクライブヘッドと、
    前記スクライブヘッドを駆動する駆動部と、を備え、
    前記スクライブヘッドは、
    支持部材と、
    前記支持部材に対して上下方向にスライド可能に支持されるカッタ機構と、
    前記カッタ機構に対して前記基板側への第1荷重を付与する第1エアシリンダ機構と、
    前記カッタ機構に対して前記基板と反対側への第2荷重を付与する第2エアシリンダ機構と、
    を有する、スクライブ装置。
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