以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施の形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施の形態に記載されている構成によって限定されることはない。
図1は、本実施形態の撮像装置100の一例を示す図である。撮像装置100は、例えば、ビデオカメラである。撮像装置100には、例えば、外部装置として他の撮像装置(ビデオカメラ)が接続される。また、所定の情報処理装置に対して複数の撮像装置100が接続されているシステム構成の場合、複数の撮像装置うちの1つが図1の撮像装置100であってもよい。撮像装置100には、所定の端子を介して、外部の撮像装置や所定の情報処理装置から映像同期信号およびタイムコード情報が入力される。所定の端子としては、SDI(SerialDigitalInterface)端子やHDMI(High−DefinitionMultimediaInterface)端子等を適用することができる。
撮像装置100は、システム制御部101、撮像部102、撮像素子部103、動画像記憶部104、表示部105、表示データ記憶部106、入力部107およびシステムクロック生成部108を有する。システム制御部101は、CPU(Central Proccessing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、システムタイマ等を含む。ROMに格納された制御プログラムがRAMに展開され、CPUがRAMに展開された制御プログラムを実行することで、本実施形態の処理が実現される。システム制御部101のCPUは、図1に示されるシステムクロック生成部108が生成するクロックで動作する。システム制御部101は、マイコンやプログラミング回路等であってもよい。システム制御部101は、設定手段、変更手段および表示制御手段に対応する。
撮像部102は、フォーカスレンズやズームレンズ、絞り、シャッター等の光学部を含み、入射する光学像に対して光学処理を行う。撮像素子部103は、撮像部102が光学処理した光学像を電気信号に変換する処理を行う。変換された電気信号は、撮像信号制御部109に出力される。撮像素子部103は、CCD(Carhge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成される。
動画像記憶部104は、動画像データを記憶し、メモリカードや内蔵メモリ等から構成される。表示部105は、表示制御部111の制御により、所定の画面(UI画面等)を表示する。表示データ記憶部106は、表示部105に表示される表示データを記憶する。入力部107は、ユーザによる入力操作を受け付ける部材であり、例えば、ジョグダイヤルやダイヤルスイッチ等を適用することができる。
次に、システム制御部101について説明する。撮像信号制御部109は、撮像素子部103が出力した電気信号に対してA/D変換処理や増幅処理等の画像処理を施して、映像信号を生成する。生成される映像信号は記録方式によりフレームレート(1秒間のフレーム数)が異なる。NTSC方式の場合、フレームレートは、120p、60p、60i、30pまたは24pの何れかである。PAL方式の場合、フレームレートは、100p、50p、50iまたは25pの何れかである。記録される画像のサイズは「4096×2160」や「3840×2160」、「2160×1080」、「1920×1080」、「1280×720」、「1440×1080」等を設定することができる。以下、記録される画像のサイズ(記録画像サイズ)は「1920×1080」であり、フレームレートは30pに設定されているものとして説明する。ただし、記録画像サイズおよびフレームレートは、任意に設定されてよい。撮像信号制御部109が生成した映像信号は、動画像制御部110に送られる。
動画像制御部110は、映像信号の圧縮(エンコード)や伸張(デコード)を行う機能を有している。動画像制御部110は、撮像信号制御部109から映像信号が送られてきた場合、映像信号を圧縮し、圧縮された映像信号により構成される動画像データを動画像記憶部104に記憶させる。また、入力制御部113から指示が送られてきた場合、動画像制御部110は、動画像記憶部104から指示に応じた動画像データを読み出す。動画像制御部110は、動画像記憶部104から動画像データを読み出すと、動画像データの伸張を行い、動画像データを表示制御部111に送る。表示制御部111は、表示部105に動画像データを表示する制御を行う。これにより、動画像データが表示部105に表示される。また、動画像制御部110は、タイムコード位相制御部114からタイムコードが送られてきた場合、映像信号にタイムコードを重畳してから圧縮を行う。動画像制御部110は、撮像信号制御部109が出力する映像信号や動画像記憶部104から読み出される動画像データを外部出力制御部124に送ることができる。
ここで、本実施形態では、動画像データは、タイムコード等の管理情報や音声データをMXF(Material eXchange Format)というコンテナ構造で記録されるものとする。ただし、動画像データは、AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)やMP4(MPEG−4 Part14またはISO/IEC14496−14:2003)等のファイルフォーマットであってもよい。
図2(a)は動画像記憶部104に記録されるMXFのフォルダ構造を示す図であり、図2(b)は、MXFのコンテナ構造を示す図である。入力部107に対する指示(ユーザの指示等)により動画像記憶部104が初期化されると、CONTENTSフォルダ201およびクリップフォルダ202が生成される。図2(b)では、クリップフォルダ202は、CLIPS001と示されている。また、入力部107に対するユーザの指示により、動画像データの記録が開始されるとストリームファイル(MXFファイル204)および編集情報(XMLファイル205)が1つのクリップ内に記録される。図2(a)には、MXFファイル204として「A001C001_141120XX.MXF」およびXMLファイル205として「A001C001_141120XX.XML」が記録される例が示されている。複数のクリップが記録されていくと、MXFファイルおよびXMLファイルは、ファイル名が変更されて、増加していく。インデックスファイル203(図2(a)では、INDEX.MIF)は、複数のクリップ情報を纏めて管理するファイルである。
各クリップ情報は、インデックスファイル203に纏めて管理される。このため、クリップ数が増えたとしても、解析を行う際には、クリップ単位で解析を行う必要はなく、インデックスファイル203を解析すればよい。これにより、解析時間を軽減できる。また、フレーム単位に設定する必要があるフレーム番号やタイムコード等の情報はMXFファイル204に記録される。
図2(b)において、ヘッダ210(Header Metadata)は、ファイルの開始を示す。ヘッダ210には、ファイルに関するメタデータが記録されている。ヘッダ210には、動画像データを記録する際の解像度やフレームレートの情報、再生リフレッシュレートの情報等が記録される。これら各情報は、メタデータを構成するデータある。メタデータには、他の情報が含まれていてもよい。再生リフレッシュレートの情報については、後述する。フレーム211は、フレームのデータであり、メタデータ213(System Metadata)、画像データ214および音声データ215により構成されている。フッタ212(Footer Metadata)はファイルの終了を示す情報である。フレーム番号は、開始フレームを「0」として、フレームのメタデータ213の領域に記録される。XMLファイル205は、マークアップ言語のXML(ExtensibleMarkupLanguage)ファイルであり、タグ情報を使用して編集情報を書き込むこともできる。
外部出力制御部124は、動画像制御部110から送られてくる動画像データを外部装置に出力する。外部装置としては、上述したように、所定の情報処理装置や他の撮像装置がある。外部出力制御部124には、SDI(SerialDigitalInterface)端子やHDMI(High−DefinitionMultimediaInterface)端子等を採用することができる。動画像記憶部104は、MPEG2(Moving Picture Experts Group)、H.264、H.265等の形式に基づいた動画像データを記憶することができる。動画像記憶部104は、動画像制御部110から受けた指示により動画像データの書き込みや読み出しを行うことができる。
入力制御部113は、入力部107が受け付けた入力操作の指示を各部に伝える。入力部107は、ユーザが撮像装置100を操作する際に用いられる。入力制御部113が、動画像制御部110に指示を送ることで記録開始や記録停止、記録フレームレートの選択等が行われる。また、入力制御部113が、表示データ制御部112に指示を送ることで、表示データ記憶部106から所望の表示データを選択することができる。また、入力制御部113が、タイムコード制御部115に指示を送ることで、ユーザが任意に指定したタイムコードを設定することもできる。
表示データ制御部112は、入力制御部113が受け付けたユーザの指示により表示データを表示データ記憶部106から読み出す。表示データ記憶部106は、表示データを記憶しており、表示データ制御部112から受けた指示により表示データが読み出される。表示制御部111は、表示データ制御部112から送られる表示データと、動画像制御部110、タイムコード位相制御部114および同期信号位相制御部120からの情報とを合成し、表示データを表示可能な形式に変換する。そして、表示制御部111は、表示データを表示部105に出力することで、表示制御を行う。
表示部105は、表示制御部111により変換された表示形式の表示データを表示する。表示部105は、例えば、LCD(Liquid Crystal Monitor)やEVF(Electronic View Finder)等の液晶画面により構成される。ただし、表示部105は、液晶画面には限定されない。動画像記憶部104および表示データ記憶部106は、HDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体で構成される。
タイムコード生成部116は、タイムコード制御部115より受けた指示によりタイムコードの生成を行う。タイムコードは、時、分、秒、フレームおよびサブフレームの単位で生成可能である。設定されている記録フレームレートによってフレーム数は変わる。サブフレームは、フレームより精度の高いタイムコードの拡張情報である。図3は、タイムコードおよび拡張タイムコードの一例を示す図である。ここで、SMPTE ST 12−1およびSMPTE ST 12−2で定義されているタイムコード設定値は、時間(HH301)、分(MM302)、秒(SS303)およびフレーム(FF304)で表現される。HH301では、「00〜23」の時間が表現される。MM302では、「00〜59」の分が表現される。SS303は「00〜59」の秒が表現される。FF304は、「00〜29」のフレームが表現される。
ここで、フレームレートが120p等である場合、SMPTE ST 12−1およびSMPTE ST 12−2で定義されているタイムコード設定値では、フレームを区別することができず、異なるフレームに同じタイムコード値が設定される。一方、SMPTE ST 12−3に定義されているタイムコード設定値では、サブフレーム(SF305)が追加されている。図3の拡張タイムコードに示されるように、SF305は、「00〜31」のサブフレームが表現される。これにより、FF304とSF305とを用いて、960p(=30×32p)の各フレームに対して異なるタイムコードを付加することができる。つまり、フレームレートが60pよりも高い場合でも、各フレームに対して異なるタイムコードが付加されるため、各フレームを区別することができる。以下、フレーム(FF304)の情報をフレーム情報とし、サブフレーム(SF305)の情報をサブフレーム情報とする。
タイムコード制御部115は、タイムコード生成部116が生成したタイムコードを読み出して、タイムコード位相制御部114に送る。また、タイムコード制御部115は、タイムコード位相制御部114から送られてきたタイムコードをタイムコード生成部116に送ることで、撮像装置100のタイムコードを変更することもできる。また、タイムコード制御部115は、入力制御部113から送られた指示(入力部107が受け付けた指示)をタイムコード生成部116にタイムコードを送る。
タイムコード位相制御部114は、タイムコード制御部115から送られてくるタイムコードと外部タイムコード制御部117から送られてくる外部タイムコードとの位相制御を行う。位相をずらす必要がある場合、タイムコード位相制御部114は、同期信号位相制御部120に位相をずらす量を送る。タイムコード位相制御部114は、外部タイムコード制御部117からタイムコードが送られてきた場合、タイムコード制御部115にタイムコードを送る。タイムコード制御部115は、送られてきたタイムコードに基づいて、撮像装置100のタイムコードを変更する。タイムコード位相制御部114と動画像制御部110とがタイムコードを共有することで、映像信号にタイムコードを重畳してから圧縮することができる。また、伸張した映像信号からタイムコードを取得することができる。さらに、タイムコード位相制御部114は、位相制御したタイムコードを表示制御部111に送ることで表示部105にタイムコードを表示することができる。
システムクロック制御部123は、同期信号位相制御部120からシステムクロックの位相のずれ量が送られてきた場合、システムクロック生成部108に対して位相のずれを吸収させる制御を行う。この場合、システムクロック制御部123は、システムクロック生成部108のPLL(PhaseLockLoop)制御を行い、位相を合わせる制御を行う。
同期信号位相制御部120は、外部同期信号制御部121から送られてくる映像の水平同期信号および垂直同期信号と、システムクロック制御部123から送られてくるシステムクロックとの位相のずれ量を算出する。同期信号位相制御部120は、算出結果をシステムクロック制御部123に送り、撮像装置100のシステムクロックの位相をずらす要求を出す。また、タイムコード位相制御部114から送られてくる内部タイムコードと外部タイムコードとの位相がずれている場合、同期信号位相制御部120には位相のずれ量が送られてくる。同期信号位相制御部120は、位相のずれ量をシステムクロック制御部123に送る。これにより、外部の動作周期と内部の動作周期とが異なる場合でも、タイムコードのずれ量を考慮したシステムクロックの位相をずらす要求を行うことが可能である。また、同期信号位相制御部120は、表示制御部111に位相合わせが完了した通知を送る。これにより、表示部105に位相合わせが完了したことを表示することができる。
外部入力信号検出部119は、外部装置から信号(入力信号)が入力されたかを検出する。外部入力信号検出部119は、入力信号から、タイムコード信号(以下、外部タイムコード信号)と映像同期信号(同期信号)とを分離する。外部タイムコード信号は外部タイムコード信号検出部118に送られ、映像同期信号は外部同期信号検出部122に送られる。外部タイムコード信号検出部118は、外部タイムコード信号を検出する。外部タイムコード制御部117は、外部タイムコード信号検出部118から送られてくる外部タイムコードの周波数やサブフレーム情報の有無を検出し、タイムコード位相制御部114に通知する。外部同期信号検出部122は、例えば、SDI端子や同期信号入力端子等を用いて、映像同期信号を検出する。外部同期信号制御部121は、映像同期信号から水平同期信号および垂直同期信号を抽出し、抽出した水平同期信号および垂直同期信号を同期信号位相制御部120に送る。
次に、動画像データのフレームレートおよびリフレッシュレートのタイミングチャートについて説明する。図4(a)は、動画像記憶部104に記憶される動画像データの記録フレームレートのタイミングチャートの一例を示す図である。図4(a)のうち、固定フレームレート(Constant Frame Rate:CFR)は、固定のフレームレート(図4(a)では30pとする)で、A1フレーム、A2フレーム・・・という順序で各フレームを撮影し記録する。図4(a)のうち、可変フレームレート(Variable Frame Rate:VFR)は、記録フレームレートが可変である。図4(a)の可変フレームレートの場合、A1フレームからA4フレームまでは30pの撮影フレームレートで撮影し、A5フレームからA8フレームまでは120pの撮影フレームレートで撮影し、A9フレーム以降は30pの撮影フレームレートで撮影し、各フレームを撮影順で記録する。
次に、リフレッシュレートについて、説明する。図4(b)は、リフレッシュレートのタイミングチャーの一例を示す図である。リフレッシュレートは、動画像記憶部104に記憶される動画像データを読み出した映像や撮像部102により撮像された映像を表示部105や外部出力制御部124に出力するときの周期である。図4(b)のうち固定リフレッシュレート(Constant Refresh Rate:CRR)は、30pの固定リフレッシュレートで映像を出力した例を示す。図4(b)のうち可変リフレッシュレート(Variable Refresh Rate:VRR )は、再生リフレッシュレートが可変であることを示す。図4(b)の可変リフレッシュレートでは、A1フレームからA4フレームまでは30pであり、A5フレームからA8フレームまでは120pであり、A9フレーム、A10フレーム・・・は30pで映像が出力される。
図4(c)は、VFRで記録された動画像データを、CRRで映像出力する場合およびVRRで映像出力する場合のタイミングチャートを示す図である。以下、映像の出力先は表示部105であり、動画像データは表示部105で再生されるものとして説明する。VFRで記録された動画像データをCRRで再生する場合、A5フレームからA8フレームまでは120pで記録していたフレームが30pとして再生される。このため、A5フレームからA8フレームまでは、「1/4」のスロー再生であることが分かる。一方、VFRで記録された動画像データをVRRで再生する場合、A5フレームからA8フレームまでは120pで記録されたフレームは120pとして再生される。これにより、A5フレームからA8フレームまでは、記録時と同じ等倍再生(120Hzのリフレッシュレート再生)であることが分かる。
このため、CRR再生するかVRR再生するかによって、VFRで動画像データを記録する場合の記録時のタイムコードの制御を変える必要がある。外部出力制御部124に対する映像出力も同様に、記録時のタイムコードの制御を変える必要がある。図4(c)のように、VFR記録した動画像データを、CRRで再生を行う場合、VFR記録時のタイムコードはCRRで再生を行う際のフレームレートである30pとして制御を行う必要がある。この制御が行われることで、CRR再生時に、VFR記録時に120pで記録された部分が「1/4」のスロー再生がされることとなる。これに対し、VRRで再生を行う場合、120pで記録されたフレームからA8フレームまでは、120pで再生される。120pでも、正しいタイムコードを付与できるように、サブフレーム情報を含むタイムコードを記録するように制御を行う必要がある。この制御が行われることで、VRR再生時に120pで記録した部分(A5フレームからA8フレームまでの部分)が記録時と同じフレームレート(120p)で再生できるようになる。
このように、再生リフレッシュレートを考慮してタイムコードを付与する必要がある。そのため、本実施形態では、再生リフレッシュレートがVRRに設定されている場合は、サブフレーム情報を含むタイムコードを記録し、再生リフレッシュレートがCRRに設定されている場合は、サブフレーム情報を含まないフレームレートを記録する。つまり、VRRに設定された場合は、サブフレームを含むタイムコードを記録する設定となり、CRRが設定された場合は、サブフレームを含まないタイムコードを記録する設定となる。ただし、再生リフレッシュレートが60pよりも大きくなる場合は、サブフレーム情報を含むタイムコードを記録するようにしてもよい。
次に、本実施形態の処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、本実施形態では、複数のビデオカメラを用いたマルチ撮影が実行可能である。図5のフローチャートは、マルチ撮影が行われる場合において、複数のビデオカメラのうち1つの撮像装置100が本実施形態の処理を実行する流れを示す。システム制御部101は、入力部107を介してユーザが受けた指示によりVFR記録モードに設定されているかどうかを判定する(S501)。S501でNoと判定された場合、CFR記録モードの処理を実行する。つまり、図5の処理は、VFR記録がされる場合に行われる。ここで、VFR記録モードは、動画像データの撮影中に、ユーザの指示に応じて、撮影フレームレートを変更可能な記録モード(撮影モード)である。そして、CFR記録モードは、撮影中には撮影フレームレートを変更できず、撮影前に設定された撮影フレームレートで撮影し、撮影した動画像データを記録する記録モード(撮影モード)である。なお、図5のフローチャートの各処理は、本実施形態に関する処理であり、撮像装置100は図5のフローチャートの各処理と共に他の処理を行うことができる。
システム制御部101は、入力部107を介してユーザからの指示によりS502があるかどうかを判定する(S502)。S502でNoと判定された場合、フローは、次のステップに進まず、S502に戻る。記録開始の要求がある場合、S502でYesと判定される。この場合、システム制御部101は、マルチ撮影が行われているかを判定する(S503)。システム制御部101は、外部同期信号検出部122が外部装置から映像同期信号(同期信号)の入力を検出したかに基づいて、マルチ撮影であるかを判定することができる。
S503でYesと判定された場合、システム制御部101は、入力部107を介したユーザからの指示により、再生時のリフレッシュレートの設定が、CRR設定となっているか、またはVRR設定となっているかを判定する(S504)。本実施形態では、前述したように、ユーザにより設定された再生リフレッシュレートがCRRである場合、タイムコード制御部115は、サブフレーム情報を考慮しない制御、つまり、サブフレーム情報を含まないタイムコードの記録を行う。一方、ユーザにより設定された再生リフレッシュレートがVRRである場合、タイムコード制御部115は、サブフレーム情報を考慮した制御、つまり、サブフレーム情報を含むタイムコードの記録を行う。
ユーザにより設定された再生リフレッシュレートがCRRである場合、S504でYesと判定される。この場合、システム制御部101は、再生リフレッシュレートの設定をCRRからVRRに変更する(S505)。つまり、ユーザにより、再生リフレッシュレートがCRRに設定された場合でも、再生リフレッシュレートはCRRからVRRに変更される。これにより、再生リフレッシュレートがCRRに設定され、サブフレーム情報を含まないタイムコードを記録する設定になっている場合であっても、タイムコード制御部115はサブフレームを考慮した制御、つまり、サブフレーム情報を含むタイムコードを記録する設定に変更する。マルチ撮影でなく、1台の撮像装置において動画像データの記録を行う場合は、映像(及びタイムコード)の同期をさせる必要がない。
そのため、ユーザに設定された再生リフレッシュレートに対応する形式のタイムコードを記録する。しかし、マルチ撮影の場合は、複数の撮像装置間で、タイムコードをそろえる必要がある。そして、動画像データをVFRで記録し、再生リフレッシュレートがCRRに設定されている場合には、動画像データを構成する各フレームに正しいタイムコードが付与されないことがある。そのため、マルチ撮影の場合は、再生リフレッシュレートにCRRに設定されていても、VRRに変更することにより、正しいタイムコードを記録することができ、複数の撮像装置間で、タイムコードを同期させることができるようになる。
次に、動画像制御部110は、再生リフレッシュレートの情報を動画像データの付帯情報であるメタデータとして動画像記憶部104に記録するために再生リフレッシュレートの情報を一時保持する処理を実行する(S506)。再生リフレッシュレートの設定は、S505において、CRRからVRRに自動で切り替えられている。しかし、ユーザに設定されていた再生リフレッシュレートはCRRであった。そのため、S506では、再生リフレッシュレートはVRRに変更しているが、動画像制御部110は、再生リフレッシュレートの設定に関するメタデータ(再生リフレッシュレートのメタデータ)をCRRとして、ヘッダ210に記録するように制御する。再生リフレッシュレートのメタデータは、ヘッダ210ではなく、インデックスファイル203に記録してもよい。また、図5のフローには記載していないが、マルチ撮影時ではない通常の撮影時や、マルチ撮影で再生リフレッシュレートの設定がVRRの時にも、再生リフレッシュレートのメタデータを記録する。このとき、設定されている再生リフレッシュレートを、再生リフレッシュレートのメタデータとして記録するようにする。
次に、動画像制御部110は動画像ファイルをオープンする(S507)。このとき、ファイルのヘッダ210には、S506で一時保持した再生リフレッシュレートのメタデータを記録する。そして、動画像制御部110は、S502で記録開始の指示を受け付けてから撮像素子部103により撮像し、撮像信号制御部109で画像処理され、撮像信号制御部109から送られてきた映像信号(フレーム)を圧縮して、符号化を行う(S508)。動画像制御部110は、圧縮された映像信号(フレーム)に対して、タイムコード制御部115から送られてきたタイムコードを含むメタデータを多重化して付与し、動画像記憶部104にフレームを記憶する(S509)。タイムコード生成部116はタイムコード制御部115の指示により、設定されている再生リフレッシュレートに応じたタイムコードのインクリメント制御を行う(S510)。本実施形態では、マルチ撮影である場合、タイムコード生成部116は、VRRで、撮影フレームレートに応じたタイムコードのインクリメント制御を行う。マルチ撮影ではなく、通常の(1台の撮像装置での)撮影の場合は、設定されている再生リフレッシュレート、つまり、VRR設定かCRR設定か、及び、レートに応じたタイムコードのインクリメント制御を行う。
入力制御部113は、入力部107に対してユーザから記録停止の要求の操作がされたかを判定する(S511)。S511でNoと判定された場合、入力制御部113は、入力部107に対してユーザからの撮影フレームレート切り替え要求の操作がされたかを判定する(S512)。S512でYesと判定された場合、不図示の制御部により、撮像素子部103により撮影する際の撮影フレームレートが切り替える(S513)。そして、フローは、S508に戻る。S513でNoと判定された場合、S513の処理は行われず、フローは、S508に戻る。S511でYesと判定された場合、記録停止の要求の操作がされたため、動画像制御部110は、動画ファイルをクローズする(S514)。
上記のフローでは、マルチ撮影であるか否か、再生リフレッシュレート設定を、S502で記録開始の要求があった後に判定し、その結果に応じて、再生リフレッシュレートの変更を行った。しかし、マルチ撮影であるか否か、再生リフレッシュレート設定の判定を、記録開始の要求を受け付ける前の、VFR記録モードの撮影スタンバイ(撮影待機)時に行うようにしてもよい。
図6は、2台のビデオカメラによるマルチ撮影における各フレームのタイミングチャートの一例を示す図である。2台のビデオカメラのうちカメラAは、30pのフレームレートで記録しているときに、フレームレートを120pに切り替え、その後、フレームレートを30pに切り替える。一方、カメラBは、固定された30pのフレームレートで記録をし続ける。以下、120pは第1のフレームレートに対応し、30pは第2のフレームレートに対応するものとして説明する。第1のフレームレートは、サブフレーム情報を用いた任意のフレームレートであり、第2のフレームレートは、サブフレーム情報を用いない任意のフレームレートである。従って、第1のフレームレートは、第2のフレームレートより高い。
図6に示されるように、カメラAは、A1フレームからA3フレームは、30pのフレームレートで記録を行っており、タイムコードは再生リフレッシュレートをVRRとして制御を行う。従って、タイムコードは、時、分、秒、フレームおよびサブフレームの順序で表現される。A1フレームのタイムコードは、「00:00:00:00.0」である。フレームレートは30pであるため、A2フレームのタイムコードは、「00:00:00:01.0」となる。同様に、A3フレームのタイムコードは、「00:00:00:02.0」となる。
ここで、A3フレームが記録されている際に、入力部107に対してユーザより30pから120pへのフレームレート切り替えの要求の操作があったとする。この場合、撮像部102や撮像信号制御部109は、A4フレームから120pのフレームレートで記録するように制御する。A4フレームからA11フレームまでは、60pより高いフレームレートであるフレームレート120pで記録されているため、タイムコードのサブフレームが使用される。A4フレームのタイムコードは、「00:00:00:03.0」となる。A5フレームのタイムコードは、「00:00:00:03.1」となる。そして、A8フレームのタイムコードは、「00:00:00:04.0」となる。ここで、A9フレームが記録されているタイミングで、入力部107に対してユーザより120pから30pへのフレームレート切り替えの要求があったとする。
A9フレームのタイムコードは「00:00:00:04.1」であり、サブフレームは「1」である。このタイミングでフレームレートが120pから30pに切り替えられると、A10フレームから、フレームレートは30pになる。この場合、記録された動画像データをVRR再生した場合、A9フレームからA10フレームで、タイムコードが「00:00:00:04.1」から「00:00:00:05.0」になり、VRR再生時に実時間を保つことができなくなる。そこで、本実施形態では、動画像制御部110は、A9フレームを記録している際に120pから30pへのフレームレート切り替えの要求があった場合、A12フレームから30pで記録するように制御する。つまり、動画像制御部110は、サブフレーム情報を用いずに記録を行っているときに、サブフレーム情報を用いた記録に切り替える要求があった場合、サブフレーム情報がゼロになったタイミングでフレームレートを切り替える。これにより、VRR再生時に実時間を保つことが可能となる。また、A12フレーム以降の各フレームのフレームレートは30pであるため、各フレームのサブフレームはゼロのままとなる。
カメラBでは、B1フレームから固定されたフレームレート30pで記録を行い、フレームレートの切り替えは行われない。ただし、再生リフレッシュレートの設定がCRRであったとしても、タイムコードは再生リフレッシュレートがVRRとして制御される。従って、タイムコードは、時、分、秒、フレームおよびサブフレームの順序で表現される。B1フレームのタイムコードは「00:00:00:00.0」であり、B2フレームのタイムコードは「00:00:00:01.0」である。カメラAでは、A4フレームからフレームレートの切り替えが発生するが、カメラBでは、フレームレート切り替えは発生しない。このため、30pのフレームレートでB4フレームが記録される。B4フレームのタイムコードは「00:00:00:03.0」である。B5フレーム移行、タイムコードのサブフレームはゼロのまま、タイムコードのフレームがインクリメントされていく。
図7および図8は、各種設定を行うUI画面の一例を示す図である。UI画面は、表示部に105に表示される。図7および図8のUI画面は、表示制御部111の制御により表示部105に表示される。この際、表示制御部111は、撮像部102から入力された動画像データの映像400に対してOSD表示を重畳して表示部105に表示させる。図7(a)は、VFR記録モードを設定するためのUI画面を示す。UI画面は、残記録時間401と動作状況402とタイムコード表示403とモード選択画面404とを含む。残記録時間401は、動画像記憶部104にSDカード(登録商標)が適用された場合におけるSDカードの記録可能な残り時間を示す表示である。動作状況402は、撮像装置100が記録動作を行っているかを示す表示である。撮像装置100が記録動作を行っている場合には、所定のマークが表示される。タイムコード表示403は、タイムコード生成部116が生成したタイムコードを示す表示である。モード選択画面404は、VFR記録モードを有効にするかを選択するための第1の画面である。つまり、モード選択画面404は、可変フレームレートで記録を行うモード、または固定フレームレートで記録を行うモードの何れかを選択する画面である。図7(a)の例では、VFR記録モードは、ONまたはOFFを選択できる。VFR記録モードがONに設定された場合、可変フレームレートでの記録が選択される。VFR記録モードがOFFに設定された場合、固定フレームレートでの記録が選択される。
図7(b)は、再生リフレッシュレートモードを設定するためのUI画面を示す。図7(a)によりVFR記録モードがONに設定されると、撮像装置100の動作状況はVFR記録モードの記録待機状態になる。このため、表示制御部111は、動作状況402の表示を、記録待機状態であることを示す「VFR STBY」に変化させる。また、表示制御部111は、再生リフレッシュレートモードをCRRとVRRとの何れにするかを設定可能なモード選択画面404を表示する。ここで、上述したように、S505において、再生リフレッシュレートの設定が自動的にVRRに変更された場合は、表示制御部111は、モード選択画面404において再生リフレッシュレートの選択ができないようにしてもよい。つまり、S505において再生リフレッシュレートの設定がCRRからVRRに自動的に変更された場合、ユーザによるタイムコードの設定の変更は許容されないようにしてもよい。例えば、表示制御部111は、モード選択画面404でCRRとVRRとの何れも選択できないように制御してもよいし、モード選択画面404を表示しないように制御してもよい。
図8(a)は、VFR記録を開始し、記録中にフレームレート設定を行うUI画面を示す。VFR記録が行われている場合、表示制御部111は、動作状況402の表示を、VFR記録中であることを示す「VFR REC」に変化させるとともに、所定のマークを付加する。図8(a)の例では、所定のマークは、ハッチングが施された円で示される。VFR記録が開始されると、タイムコード表示403が示すタイムコードは歩進する。また、VFR記録が開始されると、表示制御部111は、フレームレート情報410を表示する。記録中のフレームレートが30pであり、再生リフレッシュモードがVRRに設定されている場合、フレームレート情報410には、実時間を示す「30fps/30p」が表示される。
また、表示制御部111は、フレームレート選択画面411を表示する。図8(a)に示されるように、フレームレート選択画面411では、4つの撮影フレームレートのうち何れかを選択可能である。ユーザは、入力部107を用いて、任意の撮影フレームレートを選択することができる。選択可能な撮影フレームレートは4つには限定されない。
図8(b)は、VFR記録中に撮影フレームレートを30pから120pに切り替えた後に表示されるUI画面を示す。タイムコード表示403に表示されるタイムコードは、歩進している。また、記録中のフレームレートが120pであり、再生リフレッシュモードがVRRに設定されているとする。この場合、表示部105は、実時間を示す「120fps/120p」をフレームレート情報410に表示する。
以上説明した本実施形態は、マルチ撮影を行う場合に適用され得る。従って、上述したS506において、動画像制御部110は、再生リフレッシュレートの設定に関するメタデータをCRRとして、ヘッダ210に記録する。この点、マルチ撮影でない場合、再生リフレッシュレートの設定に関するメタデータ(再生リフレッシュレートがVRR、または、CRRであることを示す情報)を、ヘッダ210に記録されないようにしてもよい。つまり、同期信号が入力されない場合、上記メタデータをヘッダ210に記録しなくてもよい。また、上述したように、S505において再生リフレッシュレートの設定がCRRからVRRに自動的に変更された場合、再生リフレッシュレート、つまりタイムコードの記録方式の変更は許容されないにようにしてもよいが、許容することもできる。S505において再生リフレッシュレートの設定がCRRからVRRに変更された後、タイムコードの設定(再生リフレッシュレートの設定)が、ユーザの操作によりVRRからCRRに変更されたとき、動画像制御部110はVFRでの記録を禁止(撮影中であれば停止)してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した各実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。本発明は、上述の各実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークや記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。