JP2021062690A - 駆動ユニットおよび電動補助自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペダルクランク軸のがたつきが抑制された駆動ユニットおよび電動補助自転車を提供する。【解決手段】本発明のある実施形態に係る駆動ユニット(20)は、第1ベアリング(38L)のハウジング(21)に対するスラスト方向の移動を規制する移動規制構造を有している。第1ベアリング(38L)の第1端面(382c)は、第2端面(382d)よりも左右方向において外側に位置している。ハウジング(21)は、第1ベアリング(38L)の第1端面(382c)に当接する当接部(211a)と、当接部(211a)よりも左右方向において内側に位置する溝(211b)とを有している。移動規制構造は、溝(211b)に嵌った弾性部材(70)と、ハウジング(21)の当接部(211a)および溝(211b)とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、電動補助自転車の車体フレームに取り付けられる駆動ユニットに関する。また、本発明は、そのような駆動ユニットを備えた電動補助自転車にも関する。
自転車は、手軽に利用できる交通手段として、老若男女を問わず、広く普及している。近年、乗員のペダル踏力を電動モータの駆動力でアシストする電動補助自転車の普及が進んでいる。電動補助自転車は、例えば特許文献1に開示されている。
電動補助自転車は、電動モータ等を含む駆動ユニットを備える。駆動ユニットとして、後輪のハブ内に配置されるタイプや、車体フレームの下端(ボトムブラケット周辺)に取り付けられるタイプが知られている。近年では、後者のタイプの駆動ユニットが主流になりつつある。
特許文献1に開示されている電動補助自転車は、車体フレームの下端に取り付けられた駆動ユニットを備える。この駆動ユニットは、ハウジング、電動モータおよびペダルクランク軸等を備える。電動モータは、ハウジングに収容されており、乗員のペダル踏力をアシストするための駆動力を発生させる。ペダルクランク軸は、ハウジングを車両の左右方向に貫通して配置される。ペダルクランク軸には、アームを介してペダルが取り付けられる。ペダルクランク軸は、ハウジング内で一対のベアリング(軸受)によって回転可能に支持されている。ペダルクランク軸の回転は、駆動スプロケット、チェーン、従動スプロケット等を介して、後輪に伝達される。
特開2014−196080号公報
ペダルクランク軸は、電動補助自転車ではない一般的な自転車においても用いられる部材である。一般的な自転車では、様々な手法によりペダルクランク軸の軸方向の隙間をなくしてペダルクランク軸のがたつきを抑えている。例えば、ペダルクランク軸をねじ固定で軸方向に締め上げる構造や、ナットを用いて隙間をなくす構造などが知られている。ペダルクランク軸の軸方向は「スラスト方向」とも呼ばれる。
電動補助自転車の駆動ユニットでは、ペダルクランク軸への左右のスラスト荷重を、両側のベアリングで受けている。ペダルクランク軸と同軸にワンウェイクラッチが配置されており、ワンウェイクラッチを構成する部材同士を相対的に回転させる(つまり複数の機械部品の摺動を許容する)ための隙間(遊び)がスラスト方向に必要である。
しかしながら、一般的な自転車に乗り慣れたユーザーは、そのような隙間に起因するペダルクランク軸のスラスト方向の移動をがたつきとして認識する。本来動かないはずの部分が動くので、ユーザーは異常(緩み)と判断してしまう場合がある。
本発明は、ペダルクランク軸のがたつきが抑制された駆動ユニット、およびその駆動ユニットを備えた電動補助自転車を提供する。
本発明のある実施形態に係る駆動ユニットは、電動補助自転車の車体フレームに取り付けられ、車輪に伝達される駆動力を発生させる駆動ユニットであって、ハウジングと、前記ハウジングに固定された電動モータと、前記ハウジングを前記電動補助自転車の左右方向に貫通して配置されるペダルクランク軸と、それぞれが内輪および外輪を含み、前記ハウジング内で前記ペダルクランク軸を回転可能に支持する一対のベアリングと備え、前記一対のベアリングは、前記ペダルクランク軸の軸方向であるスラスト方向における一側に配置された第1ベアリングおよび他側に配置された第2ベアリングであり、前記第1ベアリングは、前記ペダルクランク軸に対して前記スラスト方向に移動しないように設けられており、前記駆動ユニットは、前記第1ベアリングの前記ハウジングに対する前記スラスト方向の移動を規制する移動規制構造を更に有しており、前記第1ベアリングの前記外輪は、内周面と、外周面と、前記内周面および前記外周面を互いに接続する第1端面および第2端面とを有し、前記第1端面は、前記第2端面よりも前記電動補助自転車の左右方向において外側に位置しており、前記ハウジングは、前記第1ベアリングの前記外輪の前記第1端面に当接する当接部と、前記当接部よりも前記左右方向において内側に位置する溝とを有しており、前記移動規制構造は、前記溝に嵌った弾性部材と、前記ハウジングの前記当接部および前記溝とを含む。
これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきを抑制することが可能になる。
ある実施形態において、前記弾性部材は、前記外輪の前記第2端面と前記溝の壁部とに押圧されて弾性的に変形し、前記外輪を前記第2端面の側から前記第1端面の側に付勢していてもよい。
外部からペダルクランク軸に加わる荷重が、弾性部材が外輪を押す力よりも小さい場合は、ペダルクランク軸はスラスト方向には動かない。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきを抑制することができる。
ある実施形態において、前記ペダルクランク軸は、前記ハウジング内において前記スラスト方向に所定範囲内の距離だけ移動可能であり、前記溝に嵌った前記弾性部材が前記スラスト方向に弾性変形可能な長さは、前記距離よりも長くてもよい。
外部からペダルクランク軸に加わるスラスト方向の荷重が溝の壁部に集中すると、壁部が受ける負担が大きくなる。本発明のある実施形態において、弾性部材が第1ベアリングに印加する与圧よりも、ペダルクランク軸に加わる荷重が大きくなると、ペダルクランク軸はスラスト方向に移動する。ペダルクランク軸が移動すると、第2ベアリングの外輪が第2ケースの第2当接部に当接する。これにより、外部からの荷重の一部は、第2ケースの第2当接部にも加わるようになる。溝の壁部以外の部分でも荷重を受けることで、大きな荷重が掛かったとしてもその荷重を分散させることができ、溝の壁部が受ける負担を低減させることができる。
ペダルクランク軸は、ハウジング内においてスラスト方向に所定範囲内の距離D1だけ移動可能である。溝に嵌った弾性部材がスラスト方向に弾性変形可能な長さD2は、その距離D1よりも長い。ペダルクランク軸がその最大距離D1移動した状態において、弾性部材は、そこからさらに弾性変形可能な余裕を残している。これにより、第2ベアリングの外輪を第2ケースの第2当接部に確実に当接させることができ、外部からの荷重の一部を第2当接部に加えることができる。
ある実施形態において、前記第1ベアリングの前記内輪は、前記ペダルクランク軸に圧入されていてもよい。
第1ベアリングのスラスト方向への移動が規制されていることにより、ペダルクランク軸のスラスト方向への移動を規制することができる。
ある実施形態において、前記弾性変形可能な長さの弾性変形をしているときに前記弾性部材が前記第1ベアリングの前記外輪に印加する弾性力は、前記内輪が前記ペダルクランク軸から外れる力よりも小さくてもよい。
これにより、第1ベアリングの内輪がペダルクランク軸から外れることを抑制できる。
ある実施形態において、前記弾性部材はウェーブスプリングであってもよい。
ウェーブスプリングにより第1ベアリングの移動が規制されることにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきを抑制することができる。
ある実施形態において、前記ウェーブスプリングは、Cリング形状を有していてもよい。
これにより、ウェーブスプリングが弾性変形するときに、ウェーブスプリングが外周側に膨らむことを抑制できる。また、駆動ユニットを組み立てるときに、ウェーブスプリングを所望の位置に配置しやすくすることができる。例えば、溝の壁部を乗り越えて、溝にウェーブスプリングを配置することが容易となる。
ある実施形態において、前記溝は、前記ウェーブスプリングの外周を受け入れるリング形状を有していてもよい。
これにより、ウェーブスプリングを所望の位置に配置することができる。ウェーブスプリングの弾性変形に必要な隙間を確保することができる。
ある実施形態において、前記第1ベアリングの前記外輪は、前記ハウジングに対して摺動可能であってもよい。
第1ベアリングが摺動可能であることにより、荷重に応じてウェーブスプリングを弾性変形させることができる。
ある実施形態において、前記ペダルクランク軸には径方向に延びる突出部が設けられており、前記第1ベアリングの前記内輪は、内周面と、外周面と、前記内輪の前記内周面および前記外周面を互いに接続する第3端面および第4端面とを有し、前記第4端面は、前記第3端面よりも前記電動補助自転車の左右方向において内側に位置しており、前記ペダルクランク軸の突出部は、前記内輪の前記第4端面に当接していてもよい。
ペダルクランク軸の突出部が第4端面に当接することにより、第4端面の側から第3端面の側へ向かう方向のペダルクランク軸の移動を抑制することができる。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきを抑制することができる。
本発明のある実施形態に係る電動補助自転車は、上記のいずれかに記載の駆動ユニットを備える。
これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきが抑制された電動補助自転車を実現することができる。
本発明の実施形態に係る駆動ユニットは、第1ベアリングの外輪に当接する当接部と、当接部よりも内側に位置する溝と、溝に嵌った弾性部材とを備える。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸のがたつきを抑制することが可能になる。
本発明の実施形態に係る電動補助自転車10を示す右側面図である。 本発明の実施形態に係る電動補助自転車10が備える駆動ユニット20の内部構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る駆動ユニット20の第1ベアリング38L近傍を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態に係るハウジング21の第1ケース211、第1ベアリング38L、弾性部材70を互いに分離した状態で示す断面図である。 本発明の実施形態に係る弾性部材70の形状の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るペダルクランク軸22がハウジング21内においてスラスト方向に移動可能な距離を説明する図である。 本発明の実施形態に係るペダルクランク軸22がハウジング21内においてスラスト方向に移動可能な距離を説明する図である。 本発明の実施形態に係る弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な長さを説明する図である。 本発明の実施形態に係る溝211bのスラスト方向の幅Wおよび弾性部材70の厚さtを示す図である。 本発明の実施形態に係るペダルクランク軸22に外部から加わるスラスト方向の荷重と、ペダルクランク軸22の移動量との関係を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るペダルクランク軸22に設けられた突出部22aを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る駆動システム、および駆動システムを備えた電動補助自転車を説明する。実施形態の説明においては、同様の構成要素には同様の参照符号を付し、重複する場合にはその説明を省略する。本発明の実施形態における前後、左右、上下とは、電動補助自転車のサドル(シート)に乗員がハンドルに向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[電動補助自転車]
図1を参照しながら、本発明の実施形態による電動補助自転車10を説明する。図1は、電動補助自転車10の概略構成を示す右側面図である。
電動補助自転車10は、車体フレーム12、前輪14F、後輪14R、ハンドル16およびサドル18を備える。電動補助自転車10は、駆動ユニット20およびバッテリユニット26をさらに備える。
車体フレーム12は、ヘッドチューブ121、トップチューブ122、ダウンチューブ123、シートチューブ124およびブラケット125を含む。
ヘッドチューブ121は、車体フレーム12の前部に配置され、上下方向に延びている。ヘッドチューブ121には、ステム27が回転自在に挿入されている。ステム27の上端には、ハンドル16が固定されている。ステム27の下端には、フロントフォーク28が固定されている。フロントフォーク28の下端には、前輪14Fが回転可能に取り付けられている。つまり、前輪14Fは、ステム27およびフロントフォーク28を介して、車体フレーム12に支持されている。
トップチューブ122は、ヘッドチューブ121の後方に配置され、前後方向に延びている。トップチューブ122の前端は、ヘッドチューブ121に接続されている。トップチューブ122の後端は、シートチューブ124に接続されている。
ダウンチューブ123は、ヘッドチューブ121の後方に配置され、前後方向に延びている。ダウンチューブ123は、トップチューブ122の下方に配置されている。ダウンチューブ123の前端は、ヘッドチューブ121に接続されている。なお、図1に示す例では、ダウンチューブ123の前端部は、トップチューブ122の前端部にも接続されている。ダウンチューブ123の後端は、ブラケット125に接続されている。
ダウンチューブ123には、バッテリユニット26が取り付けられている。バッテリユニット26は、駆動ユニット20に電力を供給する。バッテリユニット26は、バッテリおよび制御回路を有する。バッテリは、充放電可能な充電池である。制御回路は、バッテリの充放電を制御するとともに、バッテリの出力電流および残量等を監視する。
シートチューブ124は、トップチューブ122およびダウンチューブ123の後方に配置され、上下方向に延びている。シートチューブ124の下端は、ブラケット125に接続されている。つまり、シートチューブ124は、ブラケット125から上方に延びている。
図1に示す例では、シートチューブ124は、上下方向の中間部分で折れ曲がっている。その結果、シートチューブ124の下部は上下方向に延びているが、シートチューブ124の上部は上下方向に対して傾斜した方向に延びている。
シートチューブ124には、シートポスト29が挿入されている。シートポスト29の上端には、サドル18が取り付けられている。
ブラケット125は、車体フレーム12の下端に位置している。ブラケット125は、駆動ユニット20を支持する。車体フレーム12に取り付けられた駆動ユニット20は、車輪(ここでは後輪14R)に伝達される駆動力を発生させる。駆動ユニット20の詳細については、後述する。
車体フレーム12は、さらに、スイングアーム30、一対の接続アーム303およびサスペンション304をさらに含む。スイングアーム30は、一対のチェーンステー301および一対のシートステー302を含む。
一対のチェーンステー301は、それぞれ前後方向に延びている。一対のチェーンステー301は、左右方向に並んで配置されている。一対のチェーンステー301の間には、後輪14Rが配置されている。一対のチェーンステー301は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側のチェーンステー301だけが図示されている。
各チェーンステー301の前端部は、ブラケット125に取り付けられている。つまり、各チェーンステー301は、ブラケット125から後方に延びている。各チェーンステー301は、ブラケット125に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
各チェーンステー301の後端部には、後輪14Rの車軸141が回転不能に取り付けられている。つまり、一対のチェーンステー301により、後輪14Rが車軸141の周りで回転可能に支持されている。言い換えると、後輪14Rは、車体フレーム12によって支持されている。後輪14Rには、複数段の従動スプロケット32が固定されている。
一対のシートステー302は、それぞれ前後方向に延びている。一対のシートステー302は、左右方向に並んで配置されている。一対のシートステー302の間には、後輪14Rが配置されている。一対のシートステー302は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側のシートステー302だけが図示されている。
左側のシートステー302の後端部は、左側のチェーンステー301の後端部に接続さ れている。右側のシートステー302の後端部は、右側のチェーンステー301の後端部に接続されている。
一対の接続アーム303は、それぞれ前後方向に延びている。一対の接続アーム303は、左右方向に並んで配置されている。一対の接続アーム303の間には、シートチューブ124が配置されている。一対の接続アーム303は、左右対称に配置されている。そのため、図1では、右側の接続アーム303だけが図示されている。
各接続アーム303は、シートチューブ124に取り付けられている。各接続アーム303は、シートチューブ124に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
車両の側面から見たときに、各接続アーム303の前端は、シートチューブ124よりも前方に位置している。車両の側面から見たときに、各接続アーム303の後端は、シートチューブ124よりも後方に位置している。
右側の接続アーム303の後端部は、右側のシートステー302の前端部に取り付けられている。右側の接続アーム303は、右側のシートステー302に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
左側の接続アーム303の後端部は、左側のシートステー302の前端部に取り付けられている。左側の接続アーム303は、左側のシートステー302に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。
サスペンション304は、シートチューブ124の前方であって、且つ、ダウンチューブ123の後方に配置されている。サスペンション304の上端部は、一対の接続アーム303に取り付けられている。サスペンション304は、一対の接続アーム303に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。サスペンション304の下端部は、ブラケット125に取り付けられている。サスペンション304は、ブラケット125に対して、左右方向に延びる軸線周りで揺動可能に配置されている。サスペンション304のブラケット125への取付位置は、シートチューブ124のブラケット125への取付位置よりも前方にある。
駆動ユニット20には、支持部材33を介して、駆動スプロケット34が取り付けられている。駆動スプロケット34および従動スプロケット32には、チェーン36が巻き掛けられている。
[駆動ユニット]
図2を参照しながら、駆動ユニット20の構成例を説明する。図2は、駆動ユニット20の内部構造の一例を示す断面図である。
図2に示すように、駆動ユニット20は、ハウジング21、ペダルクランク軸22、回転軸(アクスル)23、減速機24および電動モータ25を備える。
まず、本実施形態に係るハウジング21の構成を説明する。
ハウジング21は、複数の締結具により、ブラケット125(図1)に固定される。ハウジング21は、第1ケース211、第2ケース212および内蓋213を含む。第1ケース211、第2ケース212および内蓋213は、それぞれ金属材料(例えばアルミニウム合金)で形成されている。
第2ケース212は、第1ケース211に対して、左右方向で右側から重ね合わせられる。第1ケース211と第2ケース212とは、複数の締結具により固定される。その結果、第1ケース211と第2ケース212との間には、空間214が形成されている。
内蓋213は、第1ケース211の電動モータ25を収容する凹部を塞ぐようにして、左右方向で右側から重ね合わせられる。内蓋213は、第1ケース211に対して、複数の締結具により固定される。第1ケース211の左部分と内蓋213との間には、第1ケース211と内蓋213とで覆われた空間215が形成されている。この空間215には電動モータ25が収容される。
次に、本実施形態に係るペダルクランク軸22の構成を説明する。
ペダルクランク軸22は、ハウジング21を車両の左右方向に貫通して配置されている。つまり、ペダルクランク軸22の中心軸線CL1は、左右方向に延びている。中心軸線CL1は、ペダルクランク軸22の軸方向(スラスト方向)から見た場合に、ペダルクランク軸22の回転中心軸RC1となる。ペダルクランク軸22は、中心軸線CL1周りでハウジング21に対して回転する。
ペダルクランク軸22は、ハウジング21内で一対のベアリング(軸受)38Lおよび38Rによって回転可能に支持されている。一対のベアリング38Lおよび38Rの一方は、スラスト方向における一側(ここでは左側)に配置されており、以下では「第1ベアリング」と呼ぶ。一対のベアリング38Lおよび38Rの他方は、スラスト方向における他側(ここでは右側)に配置されており、以下では「第2ベアリング」と呼ぶ。
第1ベアリング38Lは、内輪381、外輪382および転動体383を含む転がり軸受である。第1ベアリング38Lは、ペダルクランク軸22に対してスラスト方向に移動しないように設けられている。図2に示す例では、第1ベアリング38Lの内輪381は、ペダルクランク軸22に圧入されている。第1ベアリング38Lの外輪382は、弾性部材70によって左方向に付勢されている。
第2ベアリング38Rは、内輪384、外輪385および転動体386を含む転がり軸受である。第2ベアリング38Rは、後述するワンウェイクラッチ50のアウタ部材52および滑り軸受40を介してペダルクランク軸22を回転可能に支持する。
ペダルクランク軸22は、回転軸23を貫通して配置されている。回転軸23は、ハウジング21に収容されている。回転軸23の詳細については、後述する。ペダルクランク軸22には、左右一対のクランクアーム(不図示)が取り付けられる。クランクアームには、ペダル(不図示)が取り付けられる。
次に、本実施形態に係る電動モータ25および減速機24の構成を説明する。
電動モータ25は、ハウジング21に収容され、ハウジング21に固定されている。電動モータ25は、電動補助自転車10の走行をアシストするための駆動力を発生する。電動モータ25は、ステータ251およびロータ252を有する。
ステータ251は、コイル2511が巻き回されたボビン2512を複数(例えば14個)有する。各ボビン2512には、鉄心2513が挿入されている。ステータ251は、空間215内に配置されている。この状態で、ステータ251は、第1ケース211に固定されている。
ステータ251には、支持部材253が取り付けられている。支持部材253は、樹脂材料から形成されている。支持部材253には、複数のバスバー25Bが埋め込まれている。これらのバスバー25Bのそれぞれは、対応するコイル2511に接続されている。バスバー25Bへの通電を制御することにより、ステータ251に磁力が発生する。
ロータ252は、ステータ251の内側に配置されている。ロータ252の中心軸線CL2は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL1と平行である。つまり、ロータ252は、ペダルクランク軸22と平行に配置されている。中心軸線CL2は、ペダルクランク軸22の軸方向から見たときに、ロータ252の回転中心軸RC2となる。
ロータ252は、ロータ本体2521と、出力軸2522とを含む。ロータ本体2521の外周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁されている。本実施形態では、N極およびS極それぞれの数は、例えば7個である。
出力軸2522は、ロータ本体2521を貫通して配置されている。出力軸2522は、ロータ本体2521に固定されている。つまり、出力軸2522は、ロータ本体2521とともに回転する。
出力軸2522は、2つのベアリング42Lおよび42Rにより、中心軸線CL2周りで、ハウジング21に対して、回転可能に支持されている。ベアリング42Lは、第1ケース211に固定されている。ベアリング42Rは、ロータ本体2521よりも右側に配置され、内蓋213に固定されている。出力軸2522は内蓋213を貫通して配置されている。出力軸2522のうち、空間214内に位置する部分には、出力歯車252Aが形成されている。出力歯車252Aは、例えば、はすば歯車である。
減速機24は、ハウジング21に収容されている。具体的には、減速機24は、空間214内に配置されている。減速機24は、伝達軸241、第1伝達歯車242および第2伝達歯車243を有する。伝達軸241は歯車回転軸である。
伝達軸241は、ハウジング21内に配置される。伝達軸241の中心軸線CL3は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL1と平行である。つまり、伝達軸241は、ペダルクランク軸22の中心軸線CL1に対して平行に延びる。中心軸線CL3は、伝達軸241の軸方向、つまり、ペダルクランク軸22の軸方向から見たときに、伝達軸241の回転中心軸RC3となる。
伝達軸241は、2つのベアリング44Lおよび44Rにより、中心軸線CL3周りで回転可能に支持される。ベアリング44Lは、内蓋213に固定される。ベアリング44Rは、第2ケース212に固定される。
第1伝達歯車242は、例えば樹脂材料から形成されている。第1伝達歯車242は、伝達軸241に配置される。第1伝達歯車242は、伝達軸241の軸方向で軸受44Rよりも軸受44Lの近くに配置される。第1伝達歯車242は、出力歯車252Aと噛み合う。これにより、電動モータ25で発生した駆動力が出力歯車252Aから第1伝達歯車242に伝達される。ここで、第1伝達歯車242と伝達軸241との間には、ワンウェイクラッチ244が配置される。これにより、出力歯車252Aの前転方向の回転力は、第1伝達歯車242を介して伝達軸241に伝達されるが、出力歯車252Aの後転方向の回転力は、伝達軸241には伝達されない。また、ワンウェイクラッチ244は、乗員の人力により発生したペダルクランク軸22の前転方向の回転力が、電動モータ25に伝達されることを防止している。第1伝達歯車242は、出力歯車252Aよりも大径であり、出力歯車252Aよりも多い歯を有する。つまり、第1伝達歯車242は、出力歯車252Aよりも減速される。
第2伝達歯車243は、金属材料(例えば鉄)から形成されている。第2伝達歯車243は、伝達軸241に配置される。第2伝達歯車243は、伝達軸241の軸方向で第1伝達歯車242と異なる位置に配置される。本実施形態では、伝達軸241と第2伝達歯車243とは一体に形成されている。第2伝達歯車243は伝達軸241とともに回転する。なお、第2伝達歯車243は、セレーション結合(または圧入)により、伝達軸241に固定されていてもよい。
回転軸23は、ペダルクランク軸22と同軸に配置され、ペダルクランク軸22とともに回転可能である。回転軸23は、連結軸231およびワンウェイクラッチ50を含む。
連結軸231は、円筒形状を有する。連結軸231には、ペダルクランク軸22が挿入されている。連結軸231は、ペダルクランク軸22と同軸に配置されている。
連結軸231の左端部(一端部)231Lは、ペダルクランク軸22に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、ペダルクランク軸22が前転方向および後転方向の何れに回転しても、連結軸231はペダルクランク軸22とともに回転する。
連結軸231の周囲には、トルク検出装置232が配置されている。トルク検出装置232は、第1ケース211に支持されている。
トルク検出装置232は、運転者がペダルを漕ぐときに連結軸231に発生するトルクを検出する。トルク検出装置232は、磁歪式のトルクセンサである。トルク検出装置232は、検出したトルクに応じた信号を、基板48に実装された制御装置に出力する。制御装置は、トルク検出装置232が検出したトルクを参照して、運転者によるペダリングの状態を把握し、電動モータ25を制御する。
トルク検出装置232は、取付軸部2321、コイル2322、検出素子2323およびシールド2324を含む。
取付軸部2321は、連結軸231の外周面に取り付けられており、連結軸231に対して、相対的に回転可能である。コイル2322は、取付軸部2321の外周面に配置されている。コイル2322には、所定の電圧が印加される。検出素子2323は、連結軸231の歪みに起因するコイル2322の電圧変化を検出する。これにより、連結軸231に発生するトルク、つまり、連結軸231と一体的に回転するペダルクランク軸22に発生するトルクを検出する。シールド2324は、外部磁場に起因して検出素子2323の検出精度が低下するのを防ぐ。シールド2324は、連結軸231とともに回転しない。
次に、本実施形態に係るワンウェイクラッチ50の構成を説明する。
ワンウェイクラッチ50は、ペダルクランク軸22の軸方向でトルク検出装置232よりも右側に配置されている。ワンウェイクラッチ50は、ペダルクランク軸22と同軸に配置されている。ワンウェイクラッチ50は、インナ部材51およびアウタ部材52を備える。
インナ部材51は、円筒形状を有する。インナ部材51の左端部(一端部)には、連結軸231の右端部(他端部)231Rが挿入されている。インナ部材51は、連結軸231と同軸に配置されている。この状態で、連結軸231の右端部231Rは、インナ部材51の左端部に対して、セレーション結合等で連結されている。その結果、連結軸231が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、インナ部材51は、連結軸231とともに回転する。つまり、ペダルクランク軸22が前転方向および後転方向のいずれに回転しても、インナ部材51は、ペダルクランク軸22とともに回転する。連結軸231およびインナ部材51は、ペダルクランク軸22と一体的に回転するクランク回転入力軸として機能する。
インナ部材51の外周面にはリング磁石46が固定されている。リング磁石46は、ペダルクランク軸22の軸方向から見て、基板48の一部と重なる位置に配置されている。
リング磁石46は、インナ部材51とともに回転する。基板48に設けられた検出素子を用いて、リング磁石46の回転に伴う磁場の変化を検出することにより、ペダルクランク軸22の回転を検出することができる。
アウタ部材52は、円筒形状を有する。アウタ部材52には、ペダルクランク軸22が挿入されている。アウタ部材52とペダルクランク軸22との間には、すべり軸受40が配置されている。これにより、アウタ部材52は、ペダルクランク軸22に対して同軸で回転可能に配置されている。
アウタ部材52とインナ部材51との間には、ワンウェイクラッチ機構としてのラチェット機構が形成されている。これにより、インナ部材51の前転方向の回転力は、アウタ部材52に伝達されるが、インナ部材51の後転方向の回転力は、アウタ部材52に伝達されない。また、モータ25の回転により発生したアウタ部材52の前転方向の回転力は、インナ部材51に伝達されない。
アウタ部材52は、第2ベアリング38Rにより、ペダルクランク軸22の中心軸線CL1周りで、ハウジング21に対して回転可能に支持されている。第2ベアリング38Rは、その内輪384がワンウェイクラッチ50のアウタ部材52に圧入された状態で、その外輪385が第2ケース212にすきまばめされている。
アウタ部材52は、第2ケース212を貫通して配置されている。アウタ部材52のうち、ハウジング21の外側(右側)に位置する部分には、支持部材33(図1)を介して、駆動スプロケット34(図1)が取り付けられる。
アウタ部材52は、歯車2333を有する。歯車2333は、減速機24が有する第2伝達歯車243と噛み合っている。歯車2333は、第2伝達歯車243よりも大径であって、且つ、第2伝達歯車243よりも多い歯を有する。つまり、歯車2333の回転速度は、第2伝達歯車243の回転速度よりも遅くなる。
アウタ部材52は、連結軸231の他端部231Rに伝達された人力(踏力)と、電動モータ25の補助駆動力との合力を駆動スプロケット34に伝達する。アウタ部材52により、ワンウェイクラッチ50を介して入力される人力と、歯車2333を介して入力される補助駆動力との合力を出力する合力出力軸235が実現されている。合力出力軸235は、回転軸23に含まれる。
本実施形態の駆動ユニット20は、ペダルクランク軸22のスラスト方向のがたつきを抑制することが可能な構造を有する。具体的には、駆動ユニット20は、ハウジング21に対する第1ベアリング38Lのスラスト方向の移動を規制する移動規制構造を備える。第1ベアリング38Lの内輪381はペダルクランク軸22に圧入されているため、第1ベアリング38Lとペダルクランク軸22とは一体となって移動する。第1ベアリング38Lの移動を規制することにより、ハウジング21に対するペダルクランク軸22のスラスト方向の移動を規制することができる。
本実施形態において「移動を規制する」とは、ペダルクランク軸22および第1ベアリング38Lのスラスト方向の移動を完全に止めることを意味していない。本実施形態の移動規制構造は、ペダルクランク軸22に外部から加わる荷重が所定の大きさ未満の場合は、スラスト方向の移動を完全に止める。一方で、荷重が所定の大きさ以上になった場合は、その荷重の大きさに応じてペダルクランク軸22および第1ベアリング38Lをスラスト方向に移動させ、ハウジング21内で荷重を分散させる。
以下、図3から図11を参照しながら、駆動ユニット20が備える移動規制構造の詳細を説明する。
まず、図3および図4を参照する。図3は、駆動ユニット20の第1ベアリング38L近傍を拡大して示す断面図である。図4は、ハウジング21の第1ケース211、第1ベアリング38L、弾性部材70を互いに分離した状態で示す断面図である。
上述したように、第1ベアリング38Lの内輪381は、ペダルクランク軸22に圧入されている。内輪381がペダルクランク軸22に圧入された状態で、第1ベアリング38Lの外輪382は、第1ケース211にすきまばめされている。第1ベアリング38Lの外輪382は、第1ケース211に対して摺動可能である。
図4に示すように、第1ベアリング38Lの外輪382は、内周面382aと、外周面382bと、内周面382aおよび外周面382bを互いに接続する一対の端面382cおよび382dとを有する。ここでは、端面382cを「第1端面」と呼び、端面382dを「第2端面」と呼ぶ。第1端面382cは、第2端面382dよりも左右方向において外側に位置している。
第1ケース211は、第1ベアリング38Lの外輪382の第1端面382cに当接する第1当接部211aを含む。第1当接部211aは、リング形状を有している。
左右方向において第1ケース211の当接部211aよりも内側の位置には、溝211bが形成されている。溝211bは、リング状の凹形状を有する。溝211bには、弾性部材70が嵌っている。本実施形態において、「弾性部材70が溝211bに嵌っている」とは、弾性部材70の全部が溝211bの内部(図4にハッチングで示す部分)に位置することではなく、弾性部材70の一部は溝211bの内部に位置しているが、別の一部は溝211bの外部に位置していることを意味する。弾性部材70の溝211b外部に位置する部分は、第1ベアリング38Lの外輪382と当接している。弾性部材70は、例えば金属材料から形成されている。金属材料としては、例えば炭素工具鋼やばね用冷間圧延鋼を用いることができる。
ここで、弾性部材70の形状の一例を説明する。図5は、弾性部材70の形状の一例を示す図である。本実施形態の弾性部材70は、例えばウェーブスプリングである。図5の左側は、正面視における弾性部材70の形状を示している。図5の右側は、側面視における弾性部材70の形状を示している。
ウェーブスプリングは、正面視における形状が閉じたリング形状または一部が解放されたCリング形状を有し、スラスト方向に弾性変形する弾性体である。側面視における形状は、波を描くように曲がっている。ウェーブスプリングを、波ワッシャと呼んでもよい。波の個数は、1個であってもよいし複数個であってもよい。図5に示す例では、弾性部材70は、Cリング形状のウェーブスプリングである。図5に示す例では、ウェーブスプリングは、スプリングの両端部が互いに離れたCリング形状を有しているが、両端部が互いに重なっているオバーラップ型のウェーブスプリングが用いられてもよい。
再び図3および図4を参照して、溝211bは、弾性部材70の外周部が嵌るリング形状を有している。溝211bの左右方向における内側(溝211bの右側)には、溝211bを構成する壁部211cが位置している。弾性部材70の外周部は、壁部211cに当接している。弾性部材70は、第1ベアリング38Lの外輪382の第2端面382dにも当接している(図8)。左右方向における第1ベアリング38Lの第2端面382dと壁部211cとの間の長さL1(図3)は、左右方向における弾性部材70の自由高さh1(図5)よりも小さい。自由高さは、弾性部材70に荷重をかけていない状態での弾性部材70の高さのことである。
本実施形態の移動規制構造は、溝211bに外周部が嵌った弾性部材70と、ハウジング21の当接部211aおよび溝211bとを含む。
弾性部材70は、第1ベアリング38Lの第2端面382dと壁部211cとに押圧されて弾性的に変形し、外輪382を第2端面382dの側から第1端面382cの側に付勢している。すなわち、第1ベアリング38Lの外輪382には、弾性部材70により与圧が与えられている。
電動補助自転車10の外部からペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重が、弾性部材70が外輪382を押す力(与圧)よりも小さい場合は、ペダルクランク軸22はスラスト方向には動かない。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することができる。
本実施形態では、上述した移動規制構造によって、第1ベアリング38Lの、ハウジング21に対するスラスト方向の移動が抑制される。第1ベアリング38Lは、ペダルクランク軸22に対してスラスト方向に移動しないように設けられている。例えば、第1ベアリング38Lの内輪381はペダルクランク軸22に圧入されている。移動規制構造によって第1ベアリング38Lの移動が抑制されることにより、ペダルクランク軸22の、ハウジング21に対するスラスト方向の移動が抑制される。
また、第1ベアリング38Lの移動の抑制は、ハウジング21の第1当接部211aと、弾性部材70とが第1ベアリング38Lの外輪382を挟み込むことによって行われる。言い換えると、移動規制構造は、ハウジング21の第1当接部211aおよび弾性部材70が配置されている領域において完結している。そのため、弾性部材70よりも内側(右側)に位置する領域においては、ペダルクランク軸22と同軸に配置される部品同士を相対的に回転させるための隙間を確保することができる。例えば、ワンウェイクラッチ50のインナ部材51とアウタ部材52とを相対的に回転させるための隙間を確保することができる。
また、弾性部材70がCリング形状のウェーブスプリングである場合、ウェーブスプリングが弾性変形するときに、ウェーブスプリングが外周側に膨らむことを抑制できる。また、駆動ユニット20を組み立てるときに、ウェーブスプリングを所望の位置に配置しやすくすることができる。例えば、溝211bの壁部211cを乗り越えて、溝211bにウェーブスプリングを配置することが容易となる。
次に、外部からペダルクランク軸22に加わる荷重が大きいときのペダルクランク軸22の移動について説明する。ペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重が、弾性部材70が外輪382に印加する与圧よりも大きくなると、ペダルクランク軸22はスラスト方向に移動する。
まず、ペダルクランク軸22がハウジング21内においてスラスト方向に移動可能な距離を説明する。図6および図7は、ペダルクランク軸22がハウジング21内においてスラスト方向に移動可能な距離を説明する図である。
上述したように、電動補助自転車10の駆動ユニット20では、ペダルクランク軸22と同軸にワンウェイクラッチ50が配置されており、ワンウェイクラッチ50のインナ部材51とアウタ部材52とを相対的に回転させるための隙間(遊び)がスラスト方向に必要である。
図6は、ペダルクランク軸22およびペダルクランク軸22に設けられる各部材のそれぞれが左方向に最も移動した状態を示す図である。図7は、ペダルクランク軸22およびペダルクランク軸22に設けられる各部材のそれぞれが右方向に最も移動した状態を示す図である。
図2を参照しながら上述したように、第2ベアリング38Rの内輪384は、ワンウェイクラッチ50のアウタ部材52に圧入されている。内輪384がアウタ部材52に圧入された状態で、第2ベアリング38Rの外輪385は、第2ケース212にすきまばめされている。第2ケース212は、第2ベアリング38Rの外輪385に当接する第2当接部212aを含む。第2ベアリング38Rの外輪385は、第2ケース212に対して摺動可能である、
図6に示す状態では、第2ベアリング38Rの外輪385と、第2ケース212の第2当接部212aとの間に隙間387が形成されている。第1ベアリング38Lの第1端面382cは、第1ケース211の第1当接部211aに当接している。
ペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重が、弾性部材70が外輪382に印加する与圧よりも大きくなると、ペダルクランク軸22はスラスト方向に移動する。ペダルクランク軸22のスラスト方向の移動と並行して、第1ベアリング38Lの第1端面382cは、第1ケース211の第1当接部211aから離れる。第1端面382cと第1当接部211aとの間には隙間388が形成される。荷重が大きいほど、ペダルクランク軸22の移動量は大きくなり、やがて図7に示すような各部材のそれぞれが右方向に最も移動した状態となる。この状態における隙間387のスラスト方向の長さD1が、ペダルクランク軸22がスラスト方向に移動可能な距離となる。図7に示す状態では、第2ベアリング38Rの外輪385は、第2ケース212の第2当接部212aに当接する。
図7に示す状態になると、外部からの荷重の一部は、ペダルクランク軸22、ワンウェイクラッチ50のインナ部材51およびアウタ部材52、第2ベアリング38Rを介して、第2当接部212aにも加わるようになる。溝211bの壁部211c以外の部分でも荷重を受けることで、大きな荷重が掛かったとしてもその荷重を分散させることができる。これにより、溝211bの壁部211cが受ける負担を低減させることができる。
次に、駆動ユニット20内において、弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な長さを説明する。図8は、弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な長さを説明する図である。図8に示す第1ベアリング38Lは、ペダルクランク軸22に取り付けられていない状態であるとする。図8の左側に示す状態では、第1ベアリング38Lの第1端面382cは、第1ケース211の第1当接部211aに当接している。
図8の左側に示す状態では、上述したように、弾性部材70は、第1ベアリング38Lの第2端面382dと壁部211cとに押圧されて弾性的に変形している。この弾性部材70の変形により、第1ベアリング38Lの外輪382には、弾性部材70により与圧が与えられている。
図8の左側に示す状態から、第1ベアリング38Lに右方向の荷重を加えると、第1ベアリング38Lはスラスト方向に移動する。第1ベアリング38Lの移動と共に弾性部材70は弾性変形する。本実施形態の構造では、例えば、弾性部材70の概ね全周が第1ベアリング38Lの第2端面382dに当接するまで弾性部材70が変形すると、弾性部材70はそれ以上変形しない。図8の右側に示す状態は、この弾性部材70が最も弾性変形した状態である。
図8の右側に示す状態のときの第1端面382cと第1当接部211aとの間の距離をD2とする。この距離D2は、図8の左側に示す状態から図8の右側に示す状態に達するまでに弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な距離に等しい。図9は、溝211bのスラスト方向の幅Wおよび弾性部材70の厚さtを示す図である。図8の右側に示す状態および図9を参照して、弾性部材70が弾性変形可能な距離D2は、溝211bの幅Wと弾性部材70の厚さtとの差分に等しくなり得る。
ここで、ペダルクランク軸22がスラスト方向に移動可能な距離D1(図7)と、弾性部材70が弾性変形可能な距離D2(図8)との関係を示す。本実施形態では、距離D2は距離D1よりも長い。すなわち、ペダルクランク軸22およびペダルクランク軸22に設けられる各部材のそれぞれが右方向に最も移動した状態において、弾性部材70は、そこからさらに弾性変形可能な余裕を残している。これにより、第2ベアリング38Rの外輪385を第2ケース212の第2当接部212aに確実に当接させることができ、外部からの荷重の一部を第2当接部212aに加えることができる。
仮に、距離D2が距離D1よりも短かった場合、荷重が第2ベアリング38Rを介して第2当接部212aに加わる前に、ペダルクランク軸22の移動が止まることになる。そうすると、第2当接部212aで荷重を受けることができず、荷重を分散させることができなくなる。本実施形態では、距離D2は距離D1よりも長いため、外部からの荷重の一部を確実に第2当接部212aに加えることができ、荷重を分散させることができる。
図10は、外部からペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重と、ペダルクランク軸22の移動量との関係を模式的に示す図である。図10の縦軸は、外部からペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重を示している。横軸は、ペダルクランク軸22の移動量を示している。
外部からペダルクランク軸22に加わる荷重の大きさがF1を超えると、弾性部材70は変形し始める。荷重F1は、弾性部材70が第1ベアリング38Lの外輪382に印加する与圧に等しい。図7を参照しながら説明したように、ペダルクランク軸22の移動量がD1に達すると、ペダルクランク軸22はこれ以上移動しない。移動量がD1に達したときの荷重F2以上の荷重がペダルクランク軸22に加わると、その荷重の一部は第2ケース212の第2当接部212aに加わり、荷重は分散される。これにより、溝211bの壁部211cが受ける負担を低減させることができる。
上述したように、第1ベアリング38Lの内輪381は、ペダルクランク軸22に圧入されている。圧入された第1ベアリング38Lをペダルクランク軸22から外すために必要な力F3は、荷重F1およびF2よりも大きい。弾性変形可能な長さの弾性変形をしているときに弾性部材70が第1ベアリング38Lの外輪382に印加する弾性力は、第1ベアリング38Lの内輪381がペダルクランク軸22から外れる力よりも小さい。これにより、ペダルクランク軸22の移動量がD1に達する前に、第1ベアリング38Lがペダルクランク軸22から外れることが防止される。
ペダルクランク軸22の移動量がD1に達した後、荷重のうちのF2よりも大きい部分は、第2ケース212の第2当接部212aで受けるようになる。ペダルクランク軸22に力F3以上の荷重が加わったとしても、ペダルクランク軸22と第1ベアリング38Lとの圧入部に掛かる荷重はF2を超えない。これにより、ペダルクランク軸22に力F3以上の荷重が加わった場合でも、第1ベアリング38Lがペダルクランク軸22から外れることが防止される。
次に、ペダルクランク軸22に設けられた突出部を説明する。図11は、ペダルクランク軸22に設けられた突出部22aを示す図である。図11に示すように、ペダルクランク軸22から径方向に延びている。突出部22aは、例えば、ペダルクランク軸22と一体に形成されていてもよい。また、突出部22aは、例えば、ペダルクランク軸22に取り付けられたサークリップおよびワッシャにより実現されてもよい。
第1ベアリング38Lの内輪381は、内周面381aと、外周面381bと、内周面381aおよび外周面381bを互いに接続する第3端面381cおよび第4端面381dとを有する。第4端面381dは、第3端面381cよりも電動補助自転車10の左右方向において内側に位置している。
図3および図11を参照して、ペダルクランク軸22の突出部22aは、第4端面381dに当接している。突出部22aが第4端面381dに当接することにより、第4端面381dの側から第3端面381cの側へ向かう方向のペダルクランク軸22の移動を抑制することができる。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきをさらに抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、サスペンションを備える電動補助自転車を例示したが、本発明は、サスペンションを備えていない電動補助自転車にも好適に用いることができる。
上述した実施形態では、人力および電動モータ25の補助力がペダルクランク軸22と同軸で回転する部品で合成されるタイプ(クランク合力型)の駆動ユニットを例示したが、本発明はそれに限定されない。本発明は、チェーンで人力および補助力が合成されるタイプ(チェーン合力型)の駆動ユニットにも好適に用いることができる。チェーン合力型の場合、アウタ部材52は、電動モータ25の補助駆動力を受けるための歯車2333を有していない。
上述した実施形態では、ハウジング21の第1ケース211(図2)に形成された凹部に電動モータ25が収容されていたが、ハウジング21の構造はこれに限定されない。例えば、第1ケース211の左部分に電動モータ25が通ることのできる開口部があり、その開口部を通って、電動モータ25がハウジング21に取り付けられてもよい。また、その場合、防塵および防水のために開口部をカバーで覆ってもよい。
上述した実施形態では、第1ベアリング38Lの外輪382は、第1ケース211にすきまばめされていたが、外輪382は第1ケース211に圧入されていてもよい。外輪382が第1ケース211から外れるのに必要な力よりも、外部からの荷重が小さい場合、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することができる。
上述した実施形態では、第1ベアリング38Lは、ペダルクランク軸22に圧入されていたが、ベアリング38Lは、接着またはサークリップ等によりペダルクランク軸22に固定されていてもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。
本発明のある実施形態に係る駆動ユニット20は、電動補助自転車10の車体フレームに取り付けられ、車輪に伝達される駆動力を発生させる駆動ユニット20である。駆動ユニット20は、ハウジング21と、ハウジング21に固定された電動モータ25と、ハウジング21を電動補助自転車10の左右方向に貫通して配置されるペダルクランク軸22と、それぞれが内輪および外輪を含み、ハウジング21内でペダルクランク軸22を回転可能に支持する一対のベアリングとを備える。一対のベアリングは、ペダルクランク軸22の軸方向であるスラスト方向における一側に配置された第1ベアリング38Lおよび他側に配置された第2ベアリング38Rである。第1ベアリング38Lは、ペダルクランク軸22に対してスラスト方向に移動しないように設けられている。駆動ユニット20は、第1ベアリング38Lのハウジング21に対するスラスト方向の移動を規制する移動規制構造を更に有している。第1ベアリング38Lの外輪382は、内周面382aと、外周面382bと、内周面382aおよび外周面382bを互いに接続する第1端面382cおよび第2端面382dとを有する。第1端面382cは、第2端面382dよりも電動補助自転車10の左右方向において外側に位置している。ハウジング21は、第1ベアリング38Lの外輪382の第1端面382cに当接する当接部211aと、当接部211aよりも左右方向において内側に位置する溝211bとを有している。移動規制構造は、溝211bに嵌った弾性部材70と、ハウジング21の当接部211aおよび溝211bとを含む。
これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することが可能になる。
ある実施形態において、弾性部材70は、外輪382の第2端面382dと溝211bの壁部211cとに押圧されて弾性的に変形し、外輪382を第2端面382dの側から第1端面382cの側に付勢していてもよい。
外部からペダルクランク軸22に加わる荷重が、弾性部材70が外輪382を押す力よりも小さい場合は、ペダルクランク軸22はスラスト方向には動かない。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することができる。
ある実施形態において、ペダルクランク軸22は、ハウジング21内においてスラスト方向に所定範囲内の距離D1だけ移動可能であり、溝211bに嵌った弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な長さD2は、距離D1よりも長くてもよい。
外部からペダルクランク軸22に加わるスラスト方向の荷重が溝211bの壁部211cに集中すると、壁部211cが受ける負担が大きくなる。本発明のある実施形態において、弾性部材70が第1ベアリング38Lに印加する与圧よりも、ペダルクランク軸22に加わる荷重が大きくなると、ペダルクランク軸22はスラスト方向に移動する。ペダルクランク軸22が移動すると、第2ベアリング38Rの外輪385が第2ケース212の第2当接部212aに当接する。これにより、外部からの荷重の一部は、第2ケース212の第2当接部212aにも加わるようになる。溝211bの壁部211c以外の部分でも荷重を受けることで、大きな荷重が掛かったとしてもその荷重を分散させることができ、溝211bの壁部211cが受ける負担を低減させることができる。
ペダルクランク軸22は、ハウジング21内においてスラスト方向に所定範囲内の距離D1だけ移動可能である。溝211bに嵌った弾性部材70がスラスト方向に弾性変形可能な長さD2は、その距離D1よりも長い。ペダルクランク軸22がその最大距離D1移動した状態において、弾性部材70は、そこからさらに弾性変形可能な余裕を残している。これにより、第2ベアリング38Rの外輪385を第2ケース212の第2当接部212aに確実に当接させることができ、外部からの荷重の一部を第2当接部212aに加えることができる。
ある実施形態において、第1ベアリング38Lの内輪381は、ペダルクランク軸22に圧入されていてもよい。
第1ベアリング38Lのスラスト方向への移動が規制されていることにより、ペダルクランク軸22のスラスト方向への移動を規制することができる。
ある実施形態において、弾性変形可能な長さの弾性変形をしているときに弾性部材70が第1ベアリング38Lの外輪382に印加する弾性力は、内輪381がペダルクランク軸22から外れる力よりも小さくてもよい。
これにより、第1ベアリング38Lの内輪381がペダルクランク軸22から外れることを抑制できる。
ある実施形態において、弾性部材70はウェーブスプリングであってもよい。
ウェーブスプリングにより第1ベアリング38Lの移動が規制されることにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することができる。
ある実施形態において、ウェーブスプリングは、Cリング形状を有していてもよい。
これにより、ウェーブスプリングが弾性変形するときに、ウェーブスプリングが外周側に膨らむことを抑制できる。また、駆動ユニット20を組み立てるときに、ウェーブスプリングを所望の位置に配置しやすくすることができる。例えば、溝211bの壁部211cを乗り越えて、溝211bにウェーブスプリングを配置することが容易となる。
ある実施形態において、溝211bは、ウェーブスプリングの外周を受け入れるリング形状を有していてもよい。
これにより、ウェーブスプリングを所望の位置に配置することができる。ウェーブスプリングの弾性変形に必要な隙間を確保することができる。
ある実施形態において、第1ベアリング38Lの外輪382は、ハウジング21に対して摺動可能であってもよい。
第1ベアリング38Lが摺動可能であることにより、荷重に応じてウェーブスプリングを弾性変形させることができる。
ある実施形態において、ペダルクランク軸22には径方向に延びる突出部22aが設けられており、第1ベアリング38Lの内輪381は、内周面381aと、外周面381bと、内輪381の内周面381aおよび外周面381bを互いに接続する第3端面381cおよび第4端面381dとを有し、第4端面381dは、第3端面381cよりも電動補助自転車10の左右方向において内側に位置しており、ペダルクランク軸22の突出部22aは、内輪の第4端面381dに当接していてもよい。
ペダルクランク軸22の突出部22aが第4端面381dに当接することにより、第4端面381dの側から第3端面381cの側へ向かう方向のペダルクランク軸22の移動を抑制することができる。これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきを抑制することができる。
本発明のある実施形態に係る電動補助自転車10は、上記のいずれかに記載の駆動ユニット20を備える。
これにより、スラスト方向におけるペダルクランク軸22のがたつきが抑制された電動補助自転車10を実現することができる。
本発明は、電動補助自転車および電動補助自転車に搭載される駆動ユニットの分野において特に有用である。
10:電動補助自転車、 20:駆動ユニット、 21:ハウジング、 22:ペダルクランク軸、 22a:突出部、 25:電動モータ、 34:駆動スプロケット、 38L:第1ベアリング、 38R:第2ベアリング、 40:滑り軸受、 48:基板、 50:ワンウェイクラッチ、 51:インナ部材、 52:アウタ部材、 70:弾性部材、 211a:当接部、 211b:溝、 211c:壁部、 231:連結軸、 381:内輪、 381a:内周面、 381b:外周面、 381c:第3端面、 381d:第4端面、 382:外輪、 382a:内周面、 382b:外周面、 382c:第1端面、 382d:第2端面

Claims (11)

  1. 電動補助自転車の車体フレームに取り付けられ、車輪に伝達される駆動力を発生させる駆動ユニットであって、
    ハウジングと、
    前記ハウジングに固定された電動モータと、
    前記ハウジングを前記電動補助自転車の左右方向に貫通して配置されるペダルクランク軸と、
    それぞれが内輪および外輪を含み、前記ハウジング内で前記ペダルクランク軸を回転可能に支持する一対のベアリングと、
    を備え、
    前記一対のベアリングは、前記ペダルクランク軸の軸方向であるスラスト方向における一側に配置された第1ベアリングおよび他側に配置された第2ベアリングであり、
    前記第1ベアリングは、前記ペダルクランク軸に対して前記スラスト方向に移動しないように設けられており、
    前記駆動ユニットは、前記第1ベアリングの前記ハウジングに対する前記スラスト方向の移動を規制する移動規制構造を更に有しており、
    前記第1ベアリングの前記外輪は、内周面と、外周面と、前記内周面および前記外周面を互いに接続する第1端面および第2端面とを有し、前記第1端面は、前記第2端面よりも前記電動補助自転車の左右方向において外側に位置しており、
    前記ハウジングは、前記第1ベアリングの前記外輪の前記第1端面に当接する当接部と、前記当接部よりも前記左右方向において内側に位置する溝とを有しており、
    前記移動規制構造は、前記溝に嵌った弾性部材と、前記ハウジングの前記当接部および前記溝とを含む、駆動ユニット。
  2. 前記弾性部材は、前記外輪の前記第2端面と前記溝の壁部とに押圧されて弾性的に変形し、前記外輪を前記第2端面の側から前記第1端面の側に付勢している、請求項1に記載の駆動ユニット。
  3. 前記ペダルクランク軸は、前記ハウジング内において前記スラスト方向に所定範囲内の距離だけ移動可能であり、
    前記溝に嵌った前記弾性部材が前記スラスト方向に弾性変形可能な長さは、前記距離よりも長い、請求項1または2に記載の駆動ユニット。
  4. 前記第1ベアリングの前記内輪は、前記ペダルクランク軸に圧入されている、請求項1から3のいずれかに記載の駆動ユニット。
  5. 前記弾性変形可能な長さの弾性変形をしているときに前記弾性部材が前記第1ベアリングの前記外輪に印加する弾性力は、前記内輪が前記ペダルクランク軸から外れる力よりも小さい、請求項4に記載の駆動ユニット。
  6. 前記弾性部材はウェーブスプリングである、請求項1から5のいずれかに記載の駆動ユニット。
  7. 前記ウェーブスプリングは、Cリング形状を有している、請求項6に記載の駆動ユニット。
  8. 前記溝は、前記ウェーブスプリングの外周を受け入れるリング形状を有している、請求項6または7に記載の駆動ユニット。
  9. 前記第1ベアリングの前記外輪は、前記ハウジングに対して摺動可能である、請求項1から8のいずれかに記載の駆動ユニット。
  10. 前記ペダルクランク軸には径方向に延びる突出部が設けられており、
    前記第1ベアリングの前記内輪は、内周面と、外周面と、前記内輪の前記内周面および前記外周面を互いに接続する第3端面および第4端面とを有し、
    前記第4端面は、前記第3端面よりも前記電動補助自転車の左右方向において内側に位置しており、
    前記ペダルクランク軸の突出部は、前記内輪の前記第4端面に当接する、請求項1から9のいずれかに記載の駆動ユニット。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の駆動ユニットを備えた電動補助自転車。
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