JP2021062442A - リペア溶接装置およびリペア溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えてより効率的にリペア溶接する。【解決手段】リペア溶接装置は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、外観検査結果に基づいて、複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致する順序に並び替えた複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える。【選択図】図8

Description

本開示は、リペア溶接装置およびリペア溶接方法に関する。
特許文献1には、溶接ビードにスリット光を投射し、スリット光の走査により溶接ビード上に順次形成される形状線を撮像し、順次形成された各形状線の撮像データに基づいて、溶接ビードの三次元形状を点群データとして取得する形状検査装置が開示されている。この形状検査装置は、点群データに基づいて表示された溶接ビードに、入力に応じて、スリット光の走査により形成された形状線とは異なる任意の切断線を設定し、切断線に対応した点群データにより、切断線における溶接ビードの断面形状を算出する。また、形状検査装置は、算出された断面形状に応じて算出した各種の特徴量を予め登録している各種の特徴量の許容範囲と比較し、特徴量の良否を判定する。
特開2012−37487号公報
本開示は、本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えてより効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法を提供する。
本開示は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、前記外観検査結果に基づいて、前記複数の不良箇所の出力順序を前記溶接ロボットの動作方向と一致する順序に並び替えた前記複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える、リペア溶接装置を提供する。
また、本開示は、リペア溶接装置により実行されるリペア溶接方法であって、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する工程と、前記外観検査結果に基づいて、前記複数の不良箇所の出力順序を前記溶接ロボットの動作方向と一致する順序に並び替えた前記複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示する工程と、を有する、リペア溶接方法を提供する。
本開示によれば、本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えてより効率的にリペア溶接できる。
溶接システムのシステム構成例を示す概略図 実施の形態1に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態1に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態1に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図 複数の検出点の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するための並び替えに関する第1動作概要例を模式的に示す図 図4に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図 複数の検出点の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するための並び替えに関する第2動作概要例を模式的に示す図 図6に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図 複数の検出点の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するための並び替えに関する第3動作概要例を模式的に示す図 図8に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図 リペア溶接プログラムの作成に関する動作手順例を示すフローチャート 実施の形態2に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態2に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態2に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図 実施の形態3に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態3に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態3に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図
(本開示に至る経緯)
特許文献1を含む従来技術では、本溶接により生産されたワーク(以下、「被溶接ワーク」と称する)の外観検査結果に基づいて、溶接の欠陥(つまり不良)が発生した箇所に補修等の修正を行うためのリペア溶接を溶接ロボット等で自動的に行う技術は未だ開示されていない。リペア溶接を溶接ロボットで自動的に行うためには、本溶接と同様に、リペア溶接を行う箇所を特定したリペア溶接用のプログラムを事前に準備する必要がある。実際に溶接の不良箇所をリペア溶接する間に、溶接ロボットの先端部と被溶接ワークあるいは被溶接ワークを固定するための治具との干渉を防止するため、被溶接ワークを生産するために作成された本溶接プログラムを部分的に変更することで、リペア溶接プログラムを作成することが好ましいと考えられる。言い換えると、本溶接時の溶接ロボットの動作軌跡を巧みに利用することで、リペア溶接中の溶接ロボットの動作を安定化できる。
被溶接ワークの外観検査において、溶接の不良箇所(以下、単に「不良箇所」と称する)の位置に関する情報(例えば座標)は、例えばカメラあるいはレーザ光を投射するセンサ等の検査装置により検出され、不良箇所情報として出力される。ここで、外観検査時に被溶接ワークにおける不良箇所の有無の検出方向と、本溶接時に溶接ロボットにより行われる本溶接の方向とが一致しないことがある。例えば外観検査によって複数の不良箇所が検出された場合、不良箇所情報が出力された順序と、溶接ロボットがリペア溶接する方向とが一致しないことになる。このような不一致があると、不良箇所情報の出力された順に溶接ロボットがリペア溶接するので、例えば不良箇所間を往来して補修等の修正を行うことになり、リペア溶接時の溶接ロボットの作業効率が劣化するという課題がある。
そこで、以下の実施の形態では、本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えて自動的かつ効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るリペア溶接装置およびリペア溶接方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るリペア溶接装置は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得し、この外観検査結果に基づいて、複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向(例えば本溶接時あるいはリペア溶接時の動作方向)と一致する順序に並び替えた複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を溶接ロボットに指示する。以下、本溶接されるワークを「元ワーク」、本溶接により生産(製造)されたワークを「被溶接ワーク」、更に、「被溶接ワーク」に検出された溶接の不良箇所がリペア溶接されたワークを「被リペア溶接ワーク」とそれぞれ定義する。また、元ワークと他の元ワークとが溶接ロボットにより接合等されて被溶接ワークを生産する工程を「本溶接」、被溶接ワークの不良箇所が溶接ロボットにより補修等の修正がなされる工程を「リペア溶接」と定義する。なお、「被溶接ワーク」あるいは「被リペア溶接ワーク」は、1回の本溶接により生産されたワークに限らず、2回以上の本溶接により生産された複合的なワークであってもよい。
(溶接システムの構成)
図1は、溶接システム100のシステム構成例を示す概略図である。溶接システム100は、外部ストレージST、入力インターフェースUI1およびモニタMN1のそれぞれと接続された上位装置1と、ロボット制御装置2と、検査制御装置3と、本溶接ロボットMC1aと、リペア溶接ロボットMC1bとを含む構成である。本溶接ロボットMC1aおよびリペア溶接ロボットMC1bは、それぞれ別体のロボットとして構成されてもよいが、同一の溶接ロボットMC1として構成されてもよい。以降の説明を分かり易くするために、溶接ロボットMC1により本溶接およびリペア溶接の工程が実行されるとして説明する。なお、図1には1台のロボット制御装置2と本溶接ロボットMC1aおよびリペア溶接ロボットMC1bとのペアが1つだけ示されているが、このペアは複数設けられてよい。また、溶接システム100は、検査装置4を更に含む構成としてもよい。
リペア溶接装置の一例としての上位装置1は、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行される本溶接の実行(例えば本溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、ユーザ(例えば溶接作業者あるいはシステム管理者。以下同様。)により予め入力あるいは設定された溶接関連情報を外部ストレージSTから読み出し、溶接関連情報を用いて、溶接関連情報の内容を含めた本溶接の実行指令を生成して対応するロボット制御装置2に送る。上位装置1は、溶接ロボットMC1による本溶接が完了した場合に、溶接ロボットMC1による元ワークの本溶接が完了した旨の本溶接完了報告をロボット制御装置2から受信し、対応する元ワークの本溶接が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。なお、上述した本溶接の実行指令は上位装置1により生成されることに限定されず、例えば本溶接が行われる工場等内の設備の操作盤(例えばPLC:Programmable Logic Controller)、あるいはロボット制御装置2a,2b,…の操作盤(例えばTP:Teach Pendant)により生成されてもよい。なお、ティーチペンダント(TP)は、ロボット制御装置2a,2b,…に接続された本溶接ロボットMC1a,MC1b,…を操作するための装置である。
また、上位装置1は、検査制御装置3を介して検査装置4により実行される外観検査の実行(例えば外観検査の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、ロボット制御装置2から元ワークの本溶接完了報告を受信すると、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送る。上位装置1は、検査装置4による外観検査が完了した場合に、検査装置4による被溶接ワークの外観検査が完了した旨の外観検査報告を検査制御装置3から受信し、対応する被溶接ワークの外観検査が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。
また、上位装置1は、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行されるリペア溶接の実行(例えばリペア溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、検査制御装置3から被溶接ワークの外観検査報告を受信すると、その被溶接ワーク(つまり溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワーク)のリペア溶接の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る。上位装置1は、溶接ロボットMC1による被溶接ワークのリペア溶接が完了した場合に、溶接ロボットMC1による被溶接ワークのリペア溶接が完了した旨のリペア溶接完了報告をロボット制御装置2から受信し、対応する被溶接ワークのリペア溶接が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。
ここで、溶接関連情報とは、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の内容を示す情報であり、本溶接の工程ごとに予め作成されて外部ストレージSTに登録されている。溶接関連情報は、例えば本溶接に使用される元ワークの数と、本溶接に使用される元ワークのID、名前および溶接箇所を含むワーク情報と、本溶接が実行される実行予定日と、被溶接ワークの生産台数と、本溶接時の各種の溶接条件とを含む。なお、溶接関連情報は、上述した項目のデータに限定されなくてよい。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた実行指令に基づいて、その実行指令で指定される複数の元ワークを用いた本溶接の実行を溶接ロボットMC1に行わせる。なお、上述した溶接関連情報は、上位装置1が外部ストレージSTを参照して管理することに限定されず、例えばロボット制御装置2において管理されてもよい。この場合、ロボット制御装置2は本溶接の完了を把握できるので、溶接関連情報のうち溶接工程が実行される予定の実行予定日の代わりに実際の実行日が管理されてよい。なお本明細書において、本溶接の種類は問わないが、説明を分かり易くするために、複数の元ワークのそれぞれを接合する工程を例示して説明する。
上位装置1は、モニタMN1、入力インターフェースUI1および外部ストレージSTのそれぞれとの間でデータの入出力が可能となるように接続され、更に、ロボット制御装置2との間でデータの通信が可能となるように接続される。上位装置1は、モニタMN1および入力インターフェースUI1を一体に含む端末装置PP1でもよく、更に、外部ストレージSTを一体に含んでもよい。この場合、端末装置PP1は、本溶接の実行に先立ってユーザにより使用されるPC(Personal Computer)である。なお、端末装置PP1は、上述したPCに限らず、例えばスマートフォン、タブレット端末等の通信機能を有するコンピュータ装置でよい。
モニタMN1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)等の表示用デバイスを用いて構成されてよい。モニタMN1は、例えば上位装置1から出力された、元ワークの本溶接が完了した旨の通知、あるいは被溶接ワークのリペア溶接が完了した旨の通知を示す画面を表示してよい。また、モニタMN1の代わりに、あるいはモニタMN1とともにスピーカ(図示略)が上位装置1に接続されてもよく、上位装置1は、元ワークの本溶接が完了した旨の通知、あるいは被溶接ワークのリペア溶接が完了した旨の内容の音声を、スピーカを介して出力してもよい。
入力インターフェースUI1は、ユーザの入力操作を検出して上位装置1に出力するユーザインターフェースであり、例えば、マウス、キーボードまたはタッチパネル等を用いて構成されてよい。入力インターフェースUI1は、例えばユーザが溶接関連情報を作成する時の入力操作を受け付けたり、ロボット制御装置2への本溶接の実行指令を送る時の入力操作を受け付けたりする。
外部ストレージSTは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive)を用いて構成される。外部ストレージSTは、例えば本溶接ごとに作成された溶接関連情報のデータ、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接により生産された被リペア溶接ワークのワーク情報(上述参照)を記憶する。
リペア溶接装置の一例としてのロボット制御装置2は、上位装置1との間でデータの通信が可能に接続されるとともに、溶接ロボットMC1との間でデータの通信が可能に接続される。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接の実行指令を受信すると、その実行指令に基づいて対応する元ワークを用いて溶接ロボットMC1を制御して本溶接を実行させる。ロボット制御装置2は、元ワークの本溶接の完了を検出すると元ワークの本溶接が完了した旨の本溶接完了報告を生成して上位装置1に通知する。これにより、上位装置1は、ロボット制御装置2に基づく元ワークの本溶接の完了を適正に検出できる。なお、ロボット制御装置2による本溶接の完了の検出方法は、例えばワイヤ送給装置300が備えるセンサ(図示略)からの本溶接の完了を示す信号に基づいて判別する方法でよく、あるいは公知の方法でもよく、本溶接の完了の検出方法の内容は限定されなくてよい。
また、ロボット制御装置2は、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、検査制御装置3により作成されるリペア溶接プログラムに従い、その実行指令に基づいて対応する被溶接ワークを用いて溶接ロボットMC1を制御してリペア溶接を実行させる。ロボット制御装置2は、被溶接ワークのリペア溶接の完了を検出すると被溶接ワークのリペア溶接が完了した旨のリペア溶接完了報告を生成して上位装置1に通知する。これにより、上位装置1は、ロボット制御装置2に基づく被溶接ワークのリペア溶接の完了を適正に検出できる。なお、ロボット制御装置2によるリペア溶接の完了の検出方法は、例えばワイヤ送給装置300が備えるセンサ(図示略)からのリペア溶接の完了を示す信号に基づいて判別する方法でよく、あるいは公知の方法でもよく、リペア溶接の完了の検出方法の内容は限定されなくてよい。
溶接ロボットの一例としての溶接ロボットMC1は、ロボット制御装置2との間でデータの通信が可能に接続される。溶接ロボットMC1は、対応するロボット制御装置2の制御の下で、上位装置1から指令された本溶接あるいはリペア溶接を実行する。なお、上述したように、溶接ロボットMC1は、本溶接用に設けられた本溶接ロボットMC1aと、リペア溶接用に設けられたリペア溶接ロボットMC1bとにより構成されてもよい。
リペア溶接装置の一例としての検査制御装置3は、上位装置1、ロボット制御装置2および検査装置4のそれぞれとの間でデータの通信が可能に接続される。検査制御装置3は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令を受信すると、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークの溶接箇所の外観検査(例えば、本溶接により形成された被溶接ワークの溶接ビードが予め既定されたマスタービードの形状と適合するか否かの検査)を検査装置4に実行させる。例えば、検査制御装置3は、外観検査の実行指令に含まれる被溶接ワークの溶接箇所情報に基づいて、検査装置4を制御して溶接箇所に形成された溶接ビードの形状を検出させ、本溶接ごとに予め既定された溶接のマスタービード(図示略)と実際に検出された溶接ビードとの形状をそれぞれ比較する。検査制御装置3は、前述した比較に基づいて外観検査報告を生成し、外観検査報告を上位装置1に送る。
また、検査制御装置3は、被溶接ワークの外観検査が不合格であると判定すると、検査装置4から得られる溶接の不良が検出された箇所を示す検出点の位置情報を含む外観検査結果を用いて、溶接の不良箇所の補修等の修正を行う旨のリペア溶接プログラムを作成する。本明細書では、外観検査結果に含まれる検出点は複数個である。検査制御装置3は、このリペア溶接プログラムと外観検査結果とを対応付けてロボット制御装置2に送る。
検査装置4は、検査制御装置3との間でデータの通信が可能に接続される。なお図1では図示していないが、検査装置4が溶接ロボットMC1に取り付けられている場合には(図2参照)、検査装置4は、ロボット制御装置2の制御に基づくマニピュレータ200の駆動に応じて、ワークWkが載置された載置台を3次元のスキャンが可能に稼動可能である。検査装置4は、ロボット制御装置2の制御に基づくマニピュレータ200の駆動に応じて、ワークWkにおける溶接の不良箇所の有無を検査するために、検査制御装置3から送られた外観検査の実行指令に基づいて、その実行指令に含まれる溶接箇所情報と、溶接箇所の溶接ビードの形状データを取得して検査制御装置3に送る。検査制御装置3は、検査装置4から得られた形状データと前述したマスタービードの形状データとに基づいて、溶接箇所における溶接不良の有無を判定する(外観検査)。検査制御装置3は、溶接箇所のうち溶接不良であると判定された不良箇所情報(例えば、溶接の不良が検出された箇所を示す検出点、溶接の不良種別)を外観検査報告として作成する。
図2は、実施の形態1に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2および上位装置1の内部構成例を示す図である。説明を分かり易くするために、図2ではモニタMN1および入力インターフェースUI1の図示を省略する。
溶接ロボットMC1は、ロボット制御装置2の制御の下で、例えば上位装置1から指令された本溶接、リペア溶接等の各種の工程を実行する。溶接ロボットMC1は、本溶接あるいはリペア溶接の工程において、例えばアーク溶接を行う。しかし、溶接ロボットMC1は、アーク溶接以外の他の溶接(例えば、レーザ溶接、ガス溶接)等を行ってもよい。この場合、図示は省略するが、溶接トーチ400に代わって、レーザヘッドを、光ファイバを介してレーザ発振器に接続してよい。溶接ロボットMC1は、マニピュレータ200と、ワイヤ送給装置300と、溶接ワイヤ301と、溶接トーチ400とを少なくとも含む構成である。
マニピュレータ200は、多関節のアームを備え、ロボット制御装置2のロボット制御部25(後述参照)からの制御信号に基づいて、それぞれのアームを可動させる。これにより、マニピュレータ200は、ワークWkと溶接トーチ400との位置関係(例えば、ワークWkに対する溶接トーチ400の角度)をアームの駆動によって変更できる。
ワイヤ送給装置300は、ロボット制御装置2からの制御信号(後述参照)に基づいて、溶接ワイヤ301の送給速度を制御する。なお、ワイヤ送給装置300は、溶接ワイヤ301の残量を検出可能なセンサ(図示略)を備えてよい。ロボット制御装置2は、このセンサの出力に基づいて、本溶接あるいはリペア溶接の工程が完了したことを検出できる。
溶接ワイヤ301は、溶接トーチ400に保持されている。溶接トーチ400に電源装置500から電力が供給されることで、溶接ワイヤ301の先端とワークWkとの間にアークが発生し、アーク溶接が行われる。なお、溶接トーチ400にシールドガスを供給するための構成等は、説明の便宜上、これらの図示および説明を省略する。
上位装置1は、ユーザにより予め入力あるいは設定された溶接関連情報を用いて、複数の元ワークのそれぞれを用いた本溶接あるいは被溶接ワークの溶接の不良箇所を補修等の修正を施すリペア溶接の各種の工程の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る。上位装置1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12とを少なくとも含む構成である。
通信部10は、ロボット制御装置2および外部ストレージSTのそれぞれとの間でデータの通信が可能に接続される。通信部10は、プロセッサ11により生成される本溶接あるいはリペア溶接の各種の工程の実行指令をロボット制御装置2に送る。通信部10は、ロボット制御装置2から送られる本溶接完了報告、外観検査報告あるいはリペア溶接完了報告を受信してプロセッサ11に出力する。なお、本溶接あるいはリペア溶接の実行指令には、例えば溶接ロボットMC1が備えるマニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれを制御するための制御信号が含まれてもよい。
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、セル制御部13を機能的に実現する。
メモリ12は、例えばプロセッサ11の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11の処理を規定したプログラムを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ12は、外部ストレージSTから読み出された溶接関連情報のデータ、ロボット制御装置2から送られた被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(後述参照)のデータをそれぞれ記憶する。
セル制御部13は、外部ストレージSTに記憶されている溶接関連情報に基づいて、溶接関連情報において規定(言い換えると、設定)されている複数の元ワークを用いた本溶接あるいは被溶接ワークへのリペア溶接を実行するための実行指令を生成する。また、セル制御部13は、外部ストレージSTに記憶されている溶接関連情報に基づいて、本溶接された後のワークWk(例えば被溶接ワーク)の外観検査時の溶接ロボットMC1の駆動に関する外観検査用プログラム、更に、この外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を作成する。なお、この外観検査用プログラムは予め作成されて外部ストレージSTに保存されていてもよく、この場合には、セル制御部13は、外部ストレージSTから単に外観検査用プログラムを読み出して取得する。セル制御部13は、溶接ロボットMC1で実行される本溶接あるいはリペア溶接の各種の工程ごとに異なる実行指令を生成してよい。セル制御部13によって生成された本溶接あるいはリペア溶接の実行指令、あるいは外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令は、通信部10を介して、対応するロボット制御装置2に送られる。
ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令に基づいて、対応する溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、電源装置500)の処理を制御する。ロボット制御装置2は、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22とを少なくとも含む構成である。
通信部20は、上位装置1、検査制御装置3、溶接ロボットMC1との間でデータの通信が可能に接続される。なお、図2では図示を簡略化しているが、ロボット制御部25とマニピュレータ200との間、ロボット制御部25とワイヤ送給装置300との間、ならびに、電源制御部26と電源装置500との間は、それぞれ通信部20を介してデータの送受信が行われる。通信部20は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令を受信する。通信部20は、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接による修正によって生産された被リペア溶接ワークのワーク情報を上位装置1に送る。
ここで、ワーク情報には、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのIDだけでなく、本溶接に使用される複数の元ワークのID、名前、溶接箇所、本溶接の実行時の溶接条件、リペア溶接の実行時の溶接条件が少なくとも含まれる。更に、ワーク情報には、被溶接ワークの不良箇所を示す複数の検出点のそれぞれの位置を示す情報(例えば座標)が含まれてもよい。また、溶接条件あるいはリペア溶接条件は、例えば元ワークの材質および厚み、溶接ワイヤ301の材質およびワイヤ径、シールドガス種、シールドガスの流量、溶接電流の設定平均値、溶接電圧の設定平均値、溶接ワイヤ301の送給速度および送給量、溶接回数、溶接時間等である。また、これらの他に、例えば本溶接あるいはリペア溶接の種別(例えばTIG溶接、MAG溶接、パルス溶接)を示す情報、マニピュレータ200の移動速度および移動時間が含まれても構わない。
プロセッサ21は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21は、メモリ22に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、本溶接プログラム作成部23、演算部24、ロボット制御部25および電源制御部26を機能的に実現する。
メモリ22は、例えばプロセッサ21の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ21の処理を規定したプログラムを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ22は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令のデータ、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接により生産された被リペア溶接ワークのワーク情報のデータをそれぞれ記憶する。また、メモリ22は、溶接ロボットMC1が実行する本溶接のプログラムを記憶する。本溶接のプログラムは、本溶接における溶接条件を用いて複数の元ワークを接合等する本溶接の具体的な手順(工程)を規定したプログラムである。
本溶接プログラム作成部23は、通信部20を介して上位装置1から送られた本溶接の実行指令に基づいて、実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを生成する。本溶接プログラムには、本溶接の実行中に電源装置500、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、溶接トーチ400等を制御するための、溶接電流、溶接電圧、オフセット量、溶接速度、溶接トーチ400の姿勢等の各種のパラメータが含まれてよい。なお、生成された本溶接プログラムは、プロセッサ21内に記憶されてもよいし、メモリ22内のRAMに記憶されてもよい。
演算部24は、各種の演算を行う。例えば、演算部24は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムに基づいて、ロボット制御部25により制御される溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれ)を制御するためのパラメータの演算等を行う。
ロボット制御部25は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムに基づいて、溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれ)を駆動させるための制御信号を生成する。ロボット制御部25は、この生成された制御信号を溶接ロボットMC1に送る。また、ロボット制御部25は、上位装置1から送られた外観検査用プログラムに基づいて、本溶接プログラムにて規定されている溶接ロボットMC1の動作範囲を対象とするように外観検査中に溶接ロボットMC1のマニピュレータ200を駆動させる。これにより、溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4(図2参照)は、溶接ロボットMC1の動作に伴って移動できて、ワークWkの溶接ビードを対象とした溶接不良の外観検査を行える。
電源制御部26は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムと演算部24の演算結果とに基づいて、電源装置500を駆動させる。
検査制御装置3は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令に基づいて、溶接ロボットMC1による本溶接により生産された被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの外観検査の処理を制御する。外観検査は、例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークに形成された溶接ビードの形状が既定の溶接基準あるいは溶接箇所の強度基準、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの品質基準を満たすか否かの検査である。以下の説明を簡単にするために、検査制御装置3は、検査装置4により取得された溶接ビードの形状を示す3D(Dimension)の点群データに基づいて、ワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)に形成された溶接ビードが所定の溶接基準(例えばワークWkに応じた既定のマスタービードの形状と同一あるいは類似する)を満たすか否かの外観検査を行う。以下、溶接ビードの形状を示す3Dの点群データ中でマスタービードの形状とは大きく異なる(つまり、マスタービードの形状と一致も類似もしない)と判定された溶接箇所を「検出点」と定義する。言い換えると、検出点の位置を示す情報(例えば3Dの位置座標)は、検査制御装置3により検出される。検査制御装置3は、通信部30と、プロセッサ31と、メモリ32と、検査結果記憶部33とを少なくとも含む構成である。
通信部30は、上位装置1、ロボット制御装置2、検査装置4との間でデータの通信が可能に接続される。なお、図2では図示を簡略化しているが、形状検出制御部35と検査装置4との間は、それぞれ通信部30を介してデータの送受信が行われる。通信部30は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令を受信する。通信部30は、検査装置4を用いた外観検査の外観検査結果(例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークにおける溶接の不良箇所の有無)を上位装置1に送る。
プロセッサ31は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ32と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ31は、メモリ32に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、判定閾値記憶部34、形状検出制御部35、データ処理部36、検査結果判定部37およびリペア溶接プログラム作成部38を機能的に実現する。
メモリ32は、例えばプロセッサ31の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ31の処理を規定したプログラムを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ31により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ31の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ32は、上位装置1から送られた被溶接ワークの外観検査の実行指令のデータ、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接により生産された被リペア溶接ワークのワーク情報のデータをそれぞれ記憶する。また、メモリ32は、リペア溶接プログラム作成部38により作成されたリペア溶接プログラムのデータを記憶する。リペア溶接プログラムは、リペア溶接における溶接条件と外観検査結果に含まれる複数の検出点の出力順序を溶接ロボットMC1の本溶接時あるいはリペア溶接時の動作方向と一致するように並び替えた複数の検出点に基づく対象区間(後述参照)の位置情報とを用いて、被溶接ワークにおける溶接の複数の不良箇所のそれぞれの補修等の修正を行うリペア溶接の具体的な手順(工程)を規定したプログラムである。このプログラムは、リペア溶接プログラム作成部38により作成され、検査制御装置3からロボット制御装置2に送られる。
検査結果記憶部33は、例えばハードディスクあるいはソリッドステートドライブを用いて構成される。検査結果記憶部33は、プロセッサ31により生成あるいは取得されるデータの一例として、ワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)における溶接箇所の外観検査結果を示すデータを記憶する。この外観検査結果を示すデータは、例えば検査結果判定部37により生成される。
判定閾値記憶部34は、例えばプロセッサ31内に設けられたキャッシュメモリにより構成され、溶接箇所に応じて検査結果判定部37による判定処理において用いられる閾値(例えば、溶接箇所に応じて設定されたそれぞれの閾値)を記憶する。それぞれの閾値は、例えば溶接箇所の位置ずれに関する許容範囲(閾値)、溶接ビードの高さに関する閾値、溶接ビードの幅に関する閾値である。判定閾値記憶部34は、リペア溶接後の外観検査時の各閾値として、顧客等から要求される最低限の溶接品質を満たす許容範囲(例えば、溶接ビードの高さに関する最小許容値、最大許容値など)を記憶してよい。更に、判定閾値記憶部34は、溶接箇所ごとに外観検査の回数上限値を記憶してもよい。これにより、検査制御装置3は、リペア溶接によって不良箇所を修正する際に所定の回数上限値を上回る場合に、溶接ロボットMC1による自動リペア溶接による不良箇所の修正が困難あるいは不可能と判定して、溶接システム100の稼動率の低下を抑制できる。
形状検出制御部35は、上位装置1あるいはロボット制御装置2から送られたワークWk(例えば被溶接ワーク)の溶接箇所の外観検査の実行指令に基づいて、外観検査においてロボット制御装置2が外観検査用プログラムに基づいて検査装置4が取り付けられた溶接ロボットMC1を動作させている間、検査装置4から送られた溶接箇所における溶接ビードの形状データ(例えば3Dの点群データ)を取得する。形状検出制御部35は、上述したロボット制御装置2によるマニピュレータ200の駆動に応じて検査装置4が溶接箇所を撮像可能(言い換えると、溶接箇所の3次元形状を検出可能)な位置に位置すると、例えばレーザ光線を検査装置4から照射させて溶接箇所における溶接ビードの形状データを取得させる。形状検出制御部35は、検査装置4により取得された溶接ビードの形状データを受信すると、この形状データをデータ処理部36に渡す。
データ処理部36は、形状検出制御部35からの溶接箇所における溶接ビードの形状データを、溶接箇所の3次元形状を示す画像データに変換する。形状データは、例えば、溶接ビードの表面に照射されたレーザ光線の反射軌跡からなる形状線の点群データである。データ処理部36は、入力された形状データに対して統計処理を実行し、溶接箇所における溶接ビードの3次元形状に関する画像データを生成する。なお、データ処理部36は、溶接ビードの位置および形状を強調するために、溶接ビードの周縁部分を強調したエッジ強調補正を行ってもよい。なお、データ処理部36は、溶接箇所あるいは不良箇所ごとに外観検査回数をカウントし、外観検査回数がメモリ32に予め記憶された回数を超えても溶接検査結果が良好にならない場合、自動リペア溶接による不良箇所の修正が困難あるいは不可能と判定してよい。この場合、検査結果判定部37は、不良箇所の位置および不良要因を含むアラート画面を生成し、生成されたアラート画面を、通信部30を介して上位装置1に送る。上位装置1に送られたアラート画面は、モニタMN1に表示される。
検査結果判定部37は、判定閾値記憶部34に記憶された閾値を用いて、形状検出制御部35により取得された溶接箇所における溶接ビードの形状データに基づいて、溶接箇所が所定の溶接基準を満たすか否か(例えば、本溶接あるいはリペア溶接により形成された溶接ビードが対応するマスタービードの形状と一致あるいは類似するか否か)の判定を行う。検査結果判定部37は、溶接不良の検出点(上述参照)の位置(例えば、不良箇所の開始位置と終了位置(図4、図6、図8参照)等)を計測し、不良内容を分析して不良要因を推定する。検査結果判定部37は、上述した判定において、溶接ビードの形状データに基づいて、溶接ビード上に形成される溶接線上の溶接箇所ごとに検査スコアを算出する。取得部の一例としての検査結果判定部37は、計測された不良箇所の位置、検査スコア、推定された不良要因のそれぞれを溶接箇所に対する外観検査結果(外観検査報告)として生成して取得し、生成された外観検査結果をメモリ32に記憶するとともに、通信部30を介して上位装置1に送る。なお、検査結果判定部37は、上述した検査スコアに基づいて、溶接ロボットMC1によるリペア溶接が可能であるか否か(言い換えると、溶接ロボットMC1によるリペア溶接がよいか、あるいは人手によるリペア溶接がよいか)を判定し、その判定結果を外観検査結果(外観検査報告)に含めて出力してよい。
リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37によるワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークに発生した溶接不良の複数の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4、図5、図6、図7、図8、図9および図10を参照して後述する。リペア溶接プログラムには、リペア溶接の実行中に電源装置500、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、溶接トーチ400等を制御するための、溶接電流、溶接電圧、オフセット量、溶接速度、溶接トーチ400の姿勢等の各種のパラメータが含まれてよい。なお、生成されたリペア溶接プログラムは、プロセッサ31内に記憶されてもよいし、メモリ32内のRAMに記憶されてもよい。
検査装置4は、例えば3次元形状センサであり、溶接ロボットMC1の先端に取り付けられ、ワークWk(例えば、被溶接ワーク)上の溶接箇所の形状を特定し得る複数の点群データを取得可能であり、この点群データに基づいて溶接箇所の形状データ(言い換えると、溶接ビードの画像データ)を生成して検査制御装置3に送る。なお、検査装置4は、溶接ロボットMC1の先端に取り付けられていなく、溶接ロボットMC1とは別個に配置されている場合には、検査制御装置3から送られた溶接箇所の位置情報に基づいて、ワークWk(例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)上の溶接箇所を走査可能に構成されたレーザ光源(図示略)と、溶接箇所の周辺を含む撮像領域を撮像可能に配置され、溶接箇所に照射されたレーザ光のうち反射されたレーザ光の反射軌跡(つまり、溶接箇所の形状線)を撮像するカメラ(図示略)とにより構成されてよい。この場合、検査装置4は、カメラにより撮像されたレーザ光に基づく溶接箇所の形状データ(言い換えると、溶接ビードの画像データ)を検査制御装置3に送る。なお、上述したカメラは、少なくともレンズ(図示略)とイメージセンサ(図示略)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semi−conductor)等の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図3Aを参照して説明する。図3Aは、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図3Bは、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図3Aおよび図3Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1とロボット制御装置2と検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。
図3Aあるいは図3Bにおいて、上位装置1は、本溶接の対象となる元ワークのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)をそれぞれ取得し(St1)、元ワークのワーク情報を含む本溶接の実行指令を生成する。上位装置1は、元ワークのワーク情報を含む本溶接の実行指令をロボット制御装置2に送る(St2)。なお、上位装置1を介さずに、ロボット制御装置2が、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2のメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2が外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。
ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接の実行指令を受信すると、その実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを作成し、その本溶接プログラムに従った本溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St3)。ロボット制御装置2は、種々の公知方法により、溶接ロボットMC1による複数の元ワークのそれぞれの本溶接の完了を判定すると、複数の元ワークのそれぞれの本溶接が完了した旨の本溶接完了通知を生成して上位装置1に送る(St4)。上位装置1は、この本溶接完了通知を受けて、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送る(St5)。なお、図3Bに示すように、上位装置1は、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2に送ってよい(St4.5)。この場合、図3Bに示すように、ロボット制御装置2は、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1から受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ロボット制御装置2により検査装置4が被溶接ワークの溶接箇所を走査可能に動いている中で、ステップSt5において送られた外観検査の実行指令に基づいて、被溶接ワークを対象とした外観検査を検査装置4に実行させる(St6)。検査制御装置3は、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには複数の溶接の不良箇所があるために検査スコア等に基づいてリペア溶接が必要であると判定し(St7)、本溶接プログラムをロボット制御装置2より取得し(St8)、この本溶接プログラムの一部を改変することでリペア溶接プログラムを作成する(St8)。なお、改変される一部は、例えばリペア溶接が行われる箇所(範囲)を示す内容である。また、図3Aでは詳細の図示を省略しているが、検査制御装置3は、ステップSt8において本溶接プログラムのデータをロボット制御装置2に要求し、この要求に応じてロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを取得してよいし、あるいはステップSt3の後にロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを予め取得してもよい。これにより、検査制御装置3は、この取得した本溶接プログラムのデータを部分的に改変することで、効率的にリペア溶接プログラムのデータを作成することができる。検査制御装置3は、ステップSt7での判定結果とリペア溶接プログラムとを含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2に送る(St9)。また、検査制御装置3は、同様に生成された外観検査報告を上位装置1に送る(St10)。
上位装置1は、ステップSt10での外観検査報告を受けて、被溶接ワークを対象としたリペア溶接の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る(St11)。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt9で受領)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ロボット制御装置2は、種々の公知方法により、溶接ロボットMC1による被溶接ワークのリペア溶接の完了を判定すると、リペア溶接により生産された被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば、被リペア溶接ワークのID、本溶接に使用された複数の元ワークのそれぞれのIDを含むワーク情報(例えば元ワークのID、名前、元ワークの溶接箇所)、本溶接およびリペア溶接の各実行時の溶接条件))を上位装置1に送る(St13)。
上位装置1は、ロボット制御装置2から送られた被リペア溶接ワークのIDを含むワーク情報を受信すると、被リペア溶接ワークのIDに対応するユーザ事業者に適する管理用IDを設定するとともに、この管理用IDに対応する被リペア溶接ワークの溶接が完了した旨のデータを外部ストレージSTに保存する(St14)。
次に、リペア溶接プログラムの作成において、検査装置4から出力された複数の検出点(つまり、溶接の不良箇所を示す位置)を用いて、複数の検出点の出力順序を溶接ロボットMC1の本溶接時あるいはリペア溶接時の動作方向と一致するように並び替える動作概要例について、図4、図5、図6、図7、図8、図9および図10を参照して詳細に説明する。以下の説明の前提として、外観検査時に被溶接ワークにおける不良箇所の有無の検出方向と、本溶接時およびリペア溶接時に溶接ロボットMC1により行われる本溶接およびリペア溶接の方向とが一致せず、反対方向である(図4、図6、図8参照)。
(第1動作概要例)
図4は、複数の検出点の出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するための並び替えに関する第1動作概要例を模式的に示す図である。図5は、図4に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図である。図10は、リペア溶接プログラムの作成に関する動作手順例を示すフローチャートである。実施の形態1では、図8に示すフローチャートは、検査制御装置3に内蔵されるプロセッサ31(具体的には、リペア溶接プログラム作成部38)により実行される。第1動作概要例では、溶接線(本溶接時の溶接ロボットMC1が動作した動作軌跡。以下同様。)上に、不良箇所の位置を示す複数の検出点が存在しており、例えば溶接の不良としてビード欠け(つまり、本溶接により溶接ビードが部分的に欠損したこと)が発生したとする。
図10において、リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37により生成された外観検査結果を取得する(St8−1)。この外観検査結果には、例えば複数の検出点の位置を示す情報と、溶接不良の種別と、外観検査結果に含まれる溶接ビードの形状を示す点群データとが少なくとも含まれる。図4を参照すると、溶接線WLN1上の溶接ロボットMC1の動作軌跡上に、複数の検出点(具体的には、検出点P1,P2,P3,P4)が外観検査によって検出点P1,P2,P3,P4の順に検出されている。なお、検出点P1は終了検出点、検出点P2は開始検出点、検出点P3は終了検出点、検出点P4は開始検出点としての属性を有して外観検査結果として出力されている。
リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、本溶接された区間ZN1,ZN2,ZN3の連なった組み合わせ)に基づいて、検出点が含まれる溶接線WLN1を区間ごとに分割する(St8−2)。図4を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査結果に含まれる溶接ビードの形状を示す点群データに基づいて、検出点P3,P2,P1,P4のそれぞれが含まれる溶接線WLN1を区間ZN1,ZN2,ZN3に分割する。検出点P3は直線状の区間ZN1(分割区間番号「1」)に含まれ、検出点P2,P1は円弧状の区間ZN2(分割区間番号「2」)に含まれ、検出点P4は直線状の区間ZN3(分割区間番号「3」)に含まれる。
なお、端点D1は、区間ZN1の一方の端点(例えば開始点)である。端点D2は、区間ZN1の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、区間ZN2の一方の端点(例えば開始点)である。端点D3は、区間ZN2の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、区間ZN3の一方の端点(例えば開始点)である。端点D4は、区間Z3の他方の端点(例えば終了点)である。開始点は溶接ロボットMC1の本溶接時およびリペア溶接時の動作方向の開始位置を示し、終了点は溶接ロボットMC1の本溶接時およびリペア溶接時の動作方向の終了位置を示す。
リペア溶接プログラム作成部38は、検出点P3,P2,P1,P4の位置を示す情報を用いて、区間ZN1〜ZN3のそれぞれに含まれる検出点が該当する区間の開始点からどのような位置に存在しているかを示すパラメータ(例えば距離あるいは割合)を算出してメモリ32に記録する(St8−3)。図4を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、例えば分割区間番号「1」の区間ZN1内の検出点P3が開始点(つまり端点D1)からの距離Sあるいは割合(区間内割合)S/Lを算出する。なお、Lは区間ZN1の長さを示す。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、分割区間番号「2」の区間ZN2内の検出点P2,P1のそれぞれが開始点(つまり端点D2)からの円弧に沿った距離あるいは割合(区間内割合)、更に、分割区間番号「3」の区間ZN3内の検出点P4のそれぞれが開始点(つまり端点D3)からの距離あるいは割合(区間内割合)を算出する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−3の算出結果を用いて検出点に対応する分割区間番号および区間内距離(区間内割合でも可。以下同様。)の関係を示すテーブルTBL1を作成してメモリ32に一時的に記憶する(図5参照)。リペア溶接プログラム作成部38は、テーブルTBL1を参照し、分割区間番号および区間内距離の順に検出点をソート(並び替え)したテーブルTBL2を生成する(St8−4)。言い換えると、先ずは分割区間番号でソートされ、分割区間番号が同一となる区間に複数の検出点が含まれる場合には区間内距離でソートされる。これにより、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査において得られた複数の検出点P1,P2,P3,P4のそれぞれの出力順序を、本溶接時およびリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向と一致する順序(具体的には、検出点P3,P2,P1,P4の順)に並び替えできる。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−4でソートされた検出点P3,P2,P1,P4の順序(整列結果の一例)と各検出点の属性(開始検出点あるいは終了検出点)とに基づいて、リペア溶接区間を決定して設定する(St8−5)。図4を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査の検出方向と本溶接時あるいはリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向とが逆であることを考慮してそれぞれの検出点の属性を逆に変更し、外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える検出点P3から外観検査の開始点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える検出点P2までを第1のリペア溶接区間として設定する。更に、リペア溶接プログラム作成部38は、同様に外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える検出点P1から外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える検出点P4までを第2のリペア溶接区間として設定する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−5で決定されたリペア溶接区間とリペア溶接で使用する各種のパラメータ(例えば溶接条件)とを規定したリペア溶接プログラムを作成する(St8−6)。
(第2動作概要例)
図6は、複数の検出点の出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するための並び替えに関する第2動作概要例を模式的に示す図である。図7は、図6に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図である。第2動作概要例では、溶接線上ではない位置に、不良箇所の位置を示す複数の検出点が存在しており、例えば溶接の不良としてビード欠け(つまり、本溶接により溶接ビードが部分的に欠損したこと)が発生したとする。第2動作概要例において、図4および図5の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図10において、リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37により生成された外観検査結果を取得する(St8−1)。図6を参照すると、溶接線WLN1上の溶接ロボットMC1の動作軌跡から離れた位置に、複数の検出点(具体的には、検出点P7,P6,P5,P8)が外観検査によって検出点P5,P6,P7,P8の順に検出されている。なお、検出点P5は終了検出点、検出点P6は開始検出点、検出点P7は終了検出点、検出点P8は開始検出点としての属性を有して外観検査結果として出力されている。
リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、本溶接された区間ZN1,ZN2,ZN3の連なった組み合わせ)に基づいて、検出点に最も近接する溶接線WLN1上の対応点P7h,P6h,P5h,P8hが含まれる溶接線WLN1を区間ごとに分割する(St8−2)。図6を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査結果に含まれる溶接ビードの形状を示す点群データに基づいて、対応点P7h,P6h,P5h,P8hのそれぞれが含まれる溶接線WLN1を区間ZN1,ZN2,ZN3に分割する。対応点P7hは直線状の区間ZN1(分割区間番号「1」)に含まれ、対応点P6h,P5hは円弧状の区間ZN2(分割区間番号「2」)に含まれ、対応点P8hは直線状の区間ZN3(分割区間番号「3」)に含まれる。
リペア溶接プログラム作成部38は、対応点P7h,P6h,P5h,P8hの位置を示す情報を用いて、区間ZN1〜ZN3のそれぞれに含まれる対応点が該当する区間の開始点からどのような位置に存在しているかを示すパラメータ(例えば距離あるいは割合)を算出してメモリ32に記録する(St8−3)。図6を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、例えば分割区間番号「1」の区間ZN1内の対応点P7hが開始点(つまり端点D1)からの距離あるいは割合(区間内割合)を算出する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、分割区間番号「2」の区間ZN2内の対応点P6h,P5hのそれぞれが開始点(つまり端点D2)からの円弧に沿った距離あるいは割合(区間内割合)、更に、分割区間番号「3」の区間ZN3内の対応点P8hのそれぞれが開始点(つまり端点D3)からの距離あるいは割合(区間内割合)を算出する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−3の算出結果を用いて対応点に対応する分割区間番号および区間内距離(区間内割合でも可。以下同様。)の関係を示すテーブルTBL3を作成してメモリ32に一時的に記憶する(図7参照)。リペア溶接プログラム作成部38は、テーブルTBL3を参照し、分割区間番号および区間内距離の順に検出点をソート(並び替え)したテーブルTBL4を生成する(St8−4)。言い換えると、先ずは分割区間番号でソートされ、分割区間番号が同一となる区間に複数の対応点が含まれる場合には区間内距離でソートされる。これにより、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査において得られた複数の検出点P5,P6,P7,P8のそれぞれの出力順序を、本溶接時およびリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向と一致する順序(具体的には、対応点P7h,P6h,P5h,P8hの順)に並び替えできる。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−4でソートされた対応点P7h,P6h,P5h,P8hの順序(整列結果の一例)と各検出点の属性(開始検出点あるいは終了検出点)とに基づいて、リペア溶接区間を決定して設定する(St8−5)。図6を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査の検出方向と本溶接時あるいはリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向とが逆であることを考慮してそれぞれの検出点の属性を逆に変更し、外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える対応点P7hから外観検査の開始点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える対応点P6hまでを第1のリペア溶接区間として設定し、更に、外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える対応点P5hから外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える対応点P8hまでを第2のリペア溶接区間として設定する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−5で決定されたリペア溶接区間とリペア溶接で使用する各種のパラメータ(例えば溶接条件)とを規定したリペア溶接プログラムを作成する(St8−6)。
(第3動作概要例)
図8は、複数の検出点の出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するための並び替えに関する第3動作概要例を模式的に示す図である。図9は、図8に示される複数の検出点の並び替え例を模式的に示す図である。第3動作概要例では、溶接線上ではない位置と溶接線上の位置とに分かれて、不良箇所の位置を示す複数の検出点が存在しており、例えば溶接の不良としてビード欠け(つまり、本溶接により溶接ビードが部分的に欠損したこと)が発生したとする。第3動作概要例において、図4、図5、図6および図7の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図10において、リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37により生成された外観検査結果を取得する(St8−1)。図8を参照すると、溶接線WLN1上の溶接ロボットMC1の動作軌跡上あるいはその動作軌跡から離れた位置に、複数の検出点(具体的には、検出点P11,P10,P9,P12)が外観検査によって検出点P9,P10,P11,P12の順に検出されている。なお、検出点P9は終了検出点、検出点P10は開始検出点、検出点P11は終了検出点、検出点P12は開始検出点としての属性を有して外観検査結果として出力されている。
リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、本溶接された区間ZN1,ZN2,ZN3の連なった組み合わせ)に基づいて、検出点P11h,P9あるいは検出点P10,P12に最も近接する溶接線WLN1上の対応点P10h,P12hが含まれる溶接線WLN1を区間ごとに分割する(St8−2)。図8を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査結果に含まれる溶接ビードの形状を示す点群データに基づいて、検出点P11,対応点P10h,検出点P9,対応点P12hのそれぞれが含まれる溶接線WLN1を区間ZN1,ZN2,ZN3に分割する。検出点P11は直線状の区間ZN1(分割区間番号「1」)に含まれ、対応点P10h,検出点P9は円弧状の区間ZN2(分割区間番号「2」)に含まれ、対応点P12hは直線状の区間ZN3(分割区間番号「3」)に含まれる。
リペア溶接プログラム作成部38は、検出点P11,対応点P10h,検出点P9,対応点P12hの位置を示す情報を用いて、区間ZN1〜ZN3のそれぞれに含まれる検出点あるいは対応点が該当する区間の開始点からどのような位置に存在しているかを示すパラメータ(例えば距離あるいは割合)を算出してメモリ32に記録する(St8−3)。図8を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、例えば分割区間番号「1」の区間ZN1内の検出点P11が開始点(つまり端点D1)からの距離あるいは割合(区間内割合)を算出する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、分割区間番号「2」の区間ZN2内の対応点P10h,検出点P9のそれぞれが開始点(つまり端点D2)からの円弧に沿った距離あるいは割合(区間内割合)、更に、分割区間番号「3」の区間ZN3内の対応点P12hのそれぞれが開始点(つまり端点D3)からの距離あるいは割合(区間内割合)を算出する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−3の算出結果を用いて検出点あるいは対応点に対応する分割区間番号および区間内距離(区間内割合でも可。以下同様。)の関係を示すテーブルTBL5を作成してメモリ32に一時的に記憶する(図9参照)。リペア溶接プログラム作成部38は、テーブルTBL5を参照し、分割区間番号および区間内距離の順に検出点をソート(並び替え)したテーブルTBL6を生成する(St8−4)。言い換えると、先ずは分割区間番号でソートされ、分割区間番号が同一となる区間に複数の検出点あるいは対応点が含まれる場合には区間内距離でソートされる。これにより、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査において得られた複数の検出点P9,P10,P11,P12のそれぞれの出力順序を、本溶接時およびリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向と一致する順序(具体的には、検出点P11,対応点P10h,検出点P9,対応点P12hの順)に並び替えできる。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−4でソートされた検出点P11,対応点P10h,検出点P9,対応点P12hの順序(整列結果の一例)と各検出点の属性(開始検出点あるいは終了検出点)とに基づいて、リペア溶接区間を決定して設定する(St8−5)。図8を参照すると、リペア溶接プログラム作成部38は、外観検査の検出方向と本溶接時あるいはリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向とが逆であることを考慮してそれぞれの検出点の属性を逆に変更し、外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える検出点P11から外観検査の開始点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える対応点P10hまでを第1のリペア溶接区間として設定し、更に、外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の開始点)と言える検出点P9から外観検査の終了点(言い換えると、リペア溶接時の終了点)と言える対応点P12hまでを第2のリペア溶接区間として設定する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−5で決定されたリペア溶接区間とリペア溶接で使用する各種のパラメータ(例えば溶接条件)とを規定したリペア溶接プログラムを作成する(St8−6)。
以上により、実施の形態1に係る溶接システム100では、リペア溶接装置(例えば検査結果判定部37)は、溶接ロボットMC1による本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所(例えば検出点P1〜P4)のそれぞれの位置の情報を含む外観検査結果を取得する。リペア溶接装置(例えばロボット制御部25)は、外観検査結果に基づいて、複数の不良箇所のそれぞれの出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致する順序に並び替えた複数の不良箇所に基づく対象区間(例えば第1のリペア溶接区間、第2のリペア溶接区間)のリペア溶接の実行を溶接ロボットMC1に指示する。
これにより、リペア溶接装置は、本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えて自動的かつ効率的にリペア溶接できる。したがって、たとえ外観検査での溶接不良の有無の検出方向と本溶接時あるいはリペア溶接時における溶接ロボットMC1の動作方向とが逆である場合でも、リペア溶接装置は、外観検査により得られた複数の検出点のそれぞれの出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向に合わせてリペア溶接できるので、溶接ロボットMC1の作業効率の劣化を抑制できる。また、リペア溶接装置は、リペア溶接の際に、リペア溶接の対象となる被溶接ワークあるいはその被溶接ワークを固定する治具との干渉を抑制できるので、溶接ロボットMC1のスムーズな駆動を効率的に支援できる。また、リペア溶接装置は、ロボット制御装置2により作成される本溶接プログラムの一部(例えばリペア溶接する不良箇所の情報)を部分的に変更するだけで簡単にリペア溶接プログラムを作成できるので、リペア溶接プログラムを効率的に作成できる。
また、リペア溶接装置は、外観検査結果に基づいて、複数の検出点を溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて並び替えた後に設定されたリペア溶接の対象区間(上述参照)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対象区間を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた複数の検出点P1〜P4のそれぞれの出力順序をリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて、溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
また、リペア溶接装置は、複数の不良箇所のそれぞれが溶接ロボットMC1の本溶接時の動作軌跡上に位置する場合に、動作軌跡を複数の区間ZN1,ZN2,ZN3に分割し、複数の不良箇所のそれぞれごとに複数の区間のそれぞれの動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、区間と距離あるいは割合とを用いて複数の不良箇所の出力順序を動作方向と一致するように並び替えて対象区間を設定する。これにより、リペア溶接装置は、外観検査により得られた溶接線上に存在する複数の検出点のそれぞれの出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するように並び替えでき、並び替えた後の検出点の順に従ってリペア溶接できるので、検査装置4の検出方向に制約を設けなくても効率的にリペア溶接を行える。
また、リペア溶接装置は、複数の不良箇所の全てが溶接ロボットMC1の本溶接時の動作軌跡上に位置しない場合に、動作軌跡を複数の区間ZN1,ZN2,ZN3に分割し、複数の不良箇所のそれぞれから動作軌跡への最近接点(例えば対応点P7h,P6h,P5h,P8h)ごとに複数の区間のそれぞれの動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、区間と距離あるいは割合とを用いて複数の不良箇所の出力順序を動作方向と一致するように並び替えて対象区間を設定する。これにより、リペア溶接装置は、外観検査により得られた溶接線上に存在しない複数の検出点のそれぞれの出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するように並び替えでき、並び替えた後の検出点に対応する対応点の順に従ってリペア溶接できるので、検査装置4の検出方向に制約を設けなくても効率的にリペア溶接を行える。
また、リペア溶接装置は、複数の不良箇所の一部が溶接ロボットMC1の本溶接時の動作軌跡上に位置しかつ複数の不良箇所の残りが動作軌跡上に位置しない場合に、動作軌跡を複数の区間ZN1,ZN2,ZN3に分割し、一部の不良箇所あるいは残りの不良箇所から動作軌跡への最近接点ごとに複数の区間のそれぞれの動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、区間と距離あるいは割合とを用いて複数の不良箇所の出力順序を動作方向と一致するように並び替えて対象区間を設定する。これにより、リペア溶接装置は、外観検査により得られた溶接線上に存在する検出点ならびに溶接線上に存在しない検出点のそれぞれの出力順序を溶接ロボットMC1の動作方向と一致するように並び替えでき、並び替えた後の検出点に対応する対応点の順に従ってリペア溶接できるので、検査装置4の検出方向に制約を設けなくても効率的にリペア溶接を行える。
(実施の形態2)
実施の形態1では、リペア溶接プログラムは検査制御装置3により作成される。実施の形態2では、リペア溶接プログラムはロボット制御装置2aによって行われる例を説明する。
(溶接システムの構成)
図11は、実施の形態2に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2aおよび上位装置1の内部構成例を示す図である。図11の説明において、図2の各部の構成と同一のものには同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。また、実施の形態2に係る溶接システム100aの構成は実施の形態1に係る溶接システム100と同一の構成である(図1参照)。
リペア溶接装置の一例としてのロボット制御装置2aは、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令、または外観検査用プログラムの実行指令に基づいて、対応する溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、電源装置500)の処理を制御する。ロボット制御装置2aは、通信部20と、プロセッサ21aと、メモリ22とを少なくとも含む構成である。
プロセッサ21aは、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21aは、メモリ22に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、本溶接/リペア溶接プログラム作成部23a、演算部24、ロボット制御部25および電源制御部26を機能的に実現する。
本溶接/リペア溶接プログラム作成部23aは、通信部20を介して上位装置1から送られた本溶接の実行指令に基づいて、実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを生成する。また、本溶接/リペア溶接プログラム作成部23aは、検査結果判定部37によるワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの溶接不良の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4〜図10を参照して実施の形態1で説明した内容と同一であるため説明を省略する。なお、生成された本溶接プログラムおよびリペア溶接プログラムは、プロセッサ21a内に記憶されてもよいし、メモリ22内のRAMに記憶されてもよい。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図12Aを参照して説明する。図12Aは、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図12Bは、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図12Aおよび図12Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1とロボット制御装置2aと検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。また、図12Aあるいは図12Bの説明において、図3Aあるいは図3Bの処理と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図12Aあるいは図12Bにおいて、上位装置1を介さずに、ロボット制御装置2aが、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2aのメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2aが外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。なお、図10Bに示すように、図3Bと同様に、上位装置1は、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2aに送ってよい(St4.5)。この場合、図10Bに示すように、ロボット制御装置2aは、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1から受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ロボット制御装置2により検査装置4が被溶接ワークを走査可能に移動されている中で検査装置4と協働して外観検査を行い、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには複数の溶接の不良箇所があるために検査スコア等に基づいてリペア溶接が必要であると判定し(St7)、ステップSt7での判定結果を含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2aに送る(St21)。ロボット制御装置2aは、ステップSt21で送られた外観検査報告を受信すると、この外観検査報告の内容(つまり外観検査結果)を用いてリペア溶接プログラムを作成する(St22)。ロボット制御装置2aは、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt22で作成)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ステップSt12以降の処理は図3Aと同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態2に係る溶接システム100aでは、ロボット制御装置2aは、外観検査結果に基づいて、複数の検出点を溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて並び替えた後に設定されたリペア溶接の対象区間(上述参照)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対象区間を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた複数の検出点P5〜P8のそれぞれの出力順序をリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて、溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、リペア溶接プログラムはロボット制御装置2aにより作成される。実施の形態3では、リペア溶接プログラムは上位装置1aによって行われる例を説明する。
(溶接システムの構成)
図13は、実施の形態3に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2および上位装置1aの内部構成例を示す図である。図13の説明において、図2の各部の構成と同一のものには同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。また、実施の形態3に係る溶接システム100bの構成は実施の形態1に係る溶接システム100と同一の構成である(図1参照)。
リペア溶接装置の一例としての上位装置1aは、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行されるリペア溶接の実行(例えばリペア溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1aは、検査制御装置3から外観検査報告を受信すると、リペア溶接プログラムを作成するとともに、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークのリペア溶接の実行指令を生成してリペア溶接プログラムを含めてロボット制御装置2に送る。上位装置1aは、通信部10と、プロセッサ11aと、メモリ12とを少なくとも含む構成である。
プロセッサ11aは、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11aは、メモリ12に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、セル制御部13およびリペア溶接プログラム作成部14を機能的に実現する。
リペア溶接プログラム作成部14は、検査制御装置3から送られたワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの溶接不良の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4〜図10を参照して実施の形態1で説明した内容と同一であるため説明を省略する。なお、生成されたリペア溶接プログラムは、プロセッサ11a内に記憶されてもよいし、メモリ12内のRAMに記憶されてもよい。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図14Aを参照して説明する。図14Aは、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図14Bは、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図14Aおよび図14Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1aとロボット制御装置2と検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。また、図14Aあるいは図14Bの説明において、図3Aあるいは図3Bの処理と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図14Aあるいは図14Bにおいて、上位装置1aを介さずに、ロボット制御装置2が、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2のメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2が外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。なお、図12Bに示すように、図3Bと同様に、上位装置1aは、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2に送ってよい(St4.5)。この場合、図12Bに示すように、ロボット制御装置2は、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1aから受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ロボット制御装置2により検査装置4が被溶接ワークを走査可能に移動されている中で検査装置4と協働して外観検査を行い、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには複数の溶接の不良箇所があるために検査スコア等に基づいてリペア溶接が必要であると判定し(St7)、ステップSt7での判定結果を含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2に送る(St21)。また、検査制御装置3は、同様に生成された外観検査報告を上位装置1aに送る(St10)。
上位装置1aは、ステップSt10で送られた外観検査報告を受信すると、この外観検査報告の内容(つまり外観検査結果)を用いてリペア溶接プログラムを作成する(St31)。上位装置1aは、被溶接ワークを対象としたリペア溶接の実行指令を生成して作成されたリペア溶接プログラムを含めてロボット制御装置2に送る(St32)。ロボット制御装置2は、上位装置1aから送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt32で受領)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ステップSt12以降の処理は図3Aと同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態3に係る溶接システム100bでは、上位装置1aは、外観検査結果に基づいて、複数の検出点を溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて並び替えた後に設定されたリペア溶接の対象区間(上述参照)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対象区間を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた複数の検出点P9〜P12のそれぞれの出力順序をリペア溶接時の溶接ロボットMC1の動作方向に合わせて、溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、本溶接により生産された被溶接ワークの外観検査により得られた複数の不良箇所の出力順序を溶接ロボットの動作方向と一致するよう並び替えてより効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法として有用である。
1、1a 上位装置
2、2a ロボット制御装置
10、20、30 通信部
11、11a、21、21a、31 プロセッサ
12、22、32 メモリ
13 セル制御部
14、38 リペア溶接プログラム作成部
23 本溶接プログラム作成部
24 演算部
25 ロボット制御部
26 電源制御部
33 検査結果記憶部
34 判定閾値記憶部
35 形状検出制御部
36 データ処理部
37 検査結果判定部
100、100a、100b 溶接システム
200 マニピュレータ
300 ワイヤ送給装置
301 溶接ワイヤ
400 溶接トーチ
500 電源装置
MC1 溶接ロボット
MC1a 本溶接ロボット
MC1b リペア溶接ロボット
ST 外部ストレージ

Claims (6)

  1. 溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、
    前記外観検査結果に基づいて、前記複数の不良箇所の出力順序を前記溶接ロボットの動作方向と一致する順序に並び替えた前記複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える、
    リペア溶接装置。
  2. 前記外観検査結果に基づいて、前記対象区間のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成するリペア溶接プログラム作成部、を更に備え、
    前記ロボット制御部は、前記リペア溶接プログラムに従い、前記対象区間を前記溶接ロボットにリペア溶接させる、
    請求項1に記載のリペア溶接装置。
  3. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記複数の不良箇所のそれぞれが前記溶接ロボットの本溶接時の動作軌跡上に位置する場合に、前記動作軌跡を複数の区間に分割し、前記複数の不良箇所のそれぞれごとに前記複数の区間のそれぞれの前記動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、前記区間と前記距離あるいは割合とを用いて前記複数の不良箇所の出力順序を前記動作方向と一致するように並び替えて前記対象区間を設定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  4. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記複数の不良箇所の全てが前記溶接ロボットの本溶接時の動作軌跡上に位置しない場合に、前記動作軌跡を複数の区間に分割し、前記複数の不良箇所のそれぞれから前記動作軌跡への最近接点ごとに前記複数の区間のそれぞれの前記動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、前記区間と前記距離あるいは割合とを用いて前記複数の不良箇所の出力順序を前記動作方向と一致するように並び替えて前記対象区間を設定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  5. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記複数の不良箇所の一部が前記溶接ロボットの本溶接時の動作軌跡上に位置しかつ前記複数の不良箇所の残りが前記動作軌跡上に位置しない場合に、前記動作軌跡を複数の区間に分割し、前記一部の不良箇所あるいは前記残りの不良箇所から前記動作軌跡への最近接点ごとに前記複数の区間のそれぞれの前記動作方向の開始点からの距離あるいは割合を算出するとともに、前記区間と前記距離あるいは割合とを用いて前記複数の不良箇所の出力順序を前記動作方向と一致するように並び替えて前記対象区間を設定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  6. リペア溶接装置により実行されるリペア溶接方法であって、
    溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの複数の不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する工程と、
    前記外観検査結果に基づいて、前記複数の不良箇所の出力順序を前記溶接ロボットの動作方向と一致する順序に並び替えた前記複数の不良箇所に基づく対象区間のリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示する工程と、を有する、
    リペア溶接方法。
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