JP2021051358A - 投票システム、投票プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、単に投票のやり直しを可能にするだけでは、改ざんや本人確認等の機能も同時に達成することが難しいという問題が生じていた。
投票システム100は、本実施形態においては、株主であるユーザーPが、株主総会等における複数の議題それぞれについてYes/Noを回答する株主投票のシステムとして説明するが、かかる構成に限定されるものではない。
投票用システム100は、投票用アプリ31を用いるための携帯端末30と、投票システム100の管理者が管理するサーバー20と、同じく投票システム100の管理者に管理され、株主情報を保管するデータベース40と、投票結果を分散台帳として記録するブロックチェーン10と、を有している。
投票用アプリ31は、図2(a)に示すように、秘密鍵34を生成して投票用アカウントを生成するアカウント生成手段32と、生成された秘密鍵34を用いて後述する投票トークン50に対して署名を行うことでトランザクション情報Txを作成する署名手段33と、を有している。
投票用アプリ31は、例えば図2(b)に示すように、複数の議題それぞれについてYes/Noをラジオボタン等で選択した後、かかる選択を図2(c)に示す投票ボタンを押すことで確定すると、署名手段33によって投票トークン50が署名されて、それぞれの回答に対応する被投票用アカウントに向けて移転される。なお、携帯端末30は、ユーザーPの使用する端末であればPC等であっても良い。
また、投票用アプリ31はサーバー20側にあってWebブラウザ上で動作する所謂Webアプリであっても良いし、携帯端末30にインストールされるアプリケーションプログラムとしても良い。「投票用アプリ31を用いる」とは携帯端末30とサーバー20との間で使用可能なアプリケーションプログラムであることを示している。また、投票用アプリ31がサーバー20上にあって携帯端末30を用いてこれを操作するような場合には、携帯端末30は投票用アプリ31のアプリ操作部としての機能を有する。
サーバー20はまた、所定の期間の終了時にトランザクション情報保持手段22が保持していた署名済みのトランザクション情報Txをブロックチェーン10上にまとめてブロードキャストするための期限管理手段23を有している。
議題記憶部24には、例えば株主投票の議題である議題Q1〜Q5のそれぞれについて、賛成の場合に投票トークン50が投票される被投票用アカウントであるアカウントQy(Q1y、Q2y、Q3y、Q4y、Q5y)と、反対の場合に投票トークン50が投票される被投票用アカウントであるアカウントQn(Q1n、Q2n、Q3n、Q4n、Q5n)とがアドレスとして保存されている。
なお、かかるデータベース40は、株主情報を有する信託銀行等が管理するデータベースであっても良いし、信託銀行から株主情報を提供された任意のデータベースであっても良い。
株主情報付与手段41は、例えばユーザーPがサーバー20にログインする際のログインIDによってユーザーPを特定し、該当するユーザーPの持ち株数をサーバー20へと返す。
なお、本実施形態に限定されるものではなく、ブロックチェーン10はプライベートチェーン以外にもパブリックチェーンやコンソーシアムチェーン等、その他の分散台帳システムであっても良い。
また、ブロックチェーン10は、アカウントベースでコインのカウントを行うことが可能なイーサリアム以外にも、NEMやその他UTXO型のブロックチェーンを用いることもできる。
前提として、本実施形態においては、まず各ユーザーPに対して株主情報を管理している信託銀行等から郵便による通知が届けられる。
かかる通知には携帯端末30を用いた投票用アプリ31の入手方法や、各ユーザーPそれぞれのIDやパスワード等のログイン情報が記載されている。
なお、かかる通知の方法に限定されるものではなく、さらに信託銀行以外からの通知であっても良いし、投票システム100を運営する運営者からの通知であっても良い。
ユーザーPは、まず事前に投票システム100を利用するための投票用アプリ31を各自の携帯端末30にインストールすることとする。
なお、本実施形態においては、1つの株主投票を行う場合についてのみ述べるが、投票用アプリ31は、複数年あるいは複数社の株主投票についてそれぞれのアカウントを生成し、各株主投票について同様の処理を行うことで複数の株主投票を行うこととしても良い。
ログインが適正に行われると、投票用アプリ31のアカウント生成手段32によってアカウント即ち公開鍵と秘密鍵34との生成を行う(ステップS101)。
次に投票用アプリ31は、サーバー20のトークン発行手段21に対して投票トークン50の取得依頼を行う(ステップS102)。
このとき、投票トークン50は、複数の議題Q1〜Q5のそれぞれに対応して、例えば5つの議題に対して5種類の異なるコインとして発行される。
本実施形態においては、投票トークン50は、例えばイーサリアム(Ethereum)のERC20等の規格によるトークンとして実装しても良いし、その他新規のトークン、あるいは仮想通貨を作ることで生成しても良い。
トークン発行手段21は、ステップS105において、それぞれの種類の投票トークン50を、データベース40から得られた持ち株数に応じて投票用アカウントへと移転される。
このような投票トランザクションTx1は、投票用アカウントから、サーバー20上の議題記憶部24に議題Q1〜Q5それぞれに対応して予め設けられた被投票用アカウントQy、Qnへと移転するためのトランザクションであって、かかる投票トランザクションTx1を一時的に保持しておくことで仮投票を完了させる(ステップS107)。
本発明においては、かかる投票トークン50が移転したことによって、例えば議題Q1にYesを選択した場合には、被投票用アカウントQyに議題Q1用の投票トークン50が1つユーザーPから『投票』されることとなる。同様に、議題Q2にYesを選択した場合には、被投票用アカウントQyに議題Q2用の投票トークン50が1つユーザーPから『投票』されることとなる。なお、被投票用アカウントQy、Qnは議題によらず共通のアカウントであって、投票トークン50の種類を変化させることでどの議題に対する投票かを区別するとしても良いし、被投票用アカウントQy、Qnを各議題ごとに分けても良い。
このような投票トークン50は、ユーザーPの株主情報と関連付けられた上で、投票用アプリ31の投票アカウントへ発行されているため、複製は難しく、また投票トークン50の個数は議題の数と投票権の数とによって決められている。
なお、ここではまだ投票トークン50の被投票用アカウントへの移転についてはブロックチェーン10上にはブロードキャストされておらず、従ってユーザーPの投票アカウントから議題記憶部24の被投票用アカウントQy、Qnのそれぞれに移転させるための投票トランザクションTx1はあるものの、かかる投票トランザクションTx1は消去あるいは訂正等が可能な仮投票状態であるといえる。
投票用アプリ31は、ユーザーPの新たな投票指示があるかどうかを判断する(ステップS109)。
投票用アプリ31は、ユーザーPが自身の投票についてやり直したいと考えたときには、ステップS107の投票を再び行うことで、かかる投票トランザクションTx1を上書きする。
具体的には、トランザクション情報保持手段22は、同一の投票用アカウントすなわち同一の秘密鍵34によって署名された投票トランザクションTx1について、最も新しいものを上書きするように保存する。
従って、投票用アプリ31は、かかる仮投票状態における投票トークン50のカウント結果を表示できるとしても良い。
期限管理手段23は、所定の期間、例えば投票日が終了した時点でトランザクション情報保持手段22に保存されている投票トランザクションTx1を読み出し(ステップS201)、ブロックチェーン10へと署名済みの投票トランザクションTx1を送信する(ステップS202)。
ブロックチェーン10は、かかる投票トランザクションTx1が書き込まれることで、かかる投票トランザクションTx1が確定される。
なお、ここで期限管理手段23は、所定の投票日の終了時にブロックチェーン10へとトランザクション情報Txを記録するものの他、例えばクローラーボットのように予め定められた所定の期間ごとにトランザクション情報保持手段22に保存された投票トランザクションTx1をブロードキャストするものであっても良い。
トランザクション情報Txのブロードキャストのタイミングは、設計時に定められたものであっても良いし、サーバー20の運用者が任意に定めたタイミングであっても良い。
このようにブロックチェーン10から投票結果を読み出すとすれば、単に一時的に保存された投票トークン50の数量から投票結果を表示するよりもさらに正確性が向上する。
かかる構成により、投票結果の透明性・信頼性の向上に寄与する。
あるいは、議題記憶部24内の被投票用アカウントQy(Q1y、Q2y、Q3y、Q4y、Q5y)、Qn(Q1n、Q2n、Q3n、Q4n、Q5n)にそれぞれ保有される投票トークン50をカウントすることでも、投票結果を表示することが可能である。
かかる構成により、投票トランザクションTx1は、トランザクション情報保持手段22に保存されている『所定の期間内』すなわち投票日の前までにおいては投票のやり直しが可能になるとともに、『所定の期間』が終了したときにはブロックチェーン10に投票トランザクションTx1がブロードキャストされるので投票結果が確定する。
かかる構成により、投票トランザクションTx1は、トランザクション情報保持手段22に保存されている『所定の期間内』すなわち投票日の前までにおいては投票のやり直しが可能になる。
かかる構成によれば、投票トークン50がユーザーPの株主情報と関連付けられた上で、投票用アプリ31の投票アカウントへ発行されているため、複製は難しく、また投票トークン50の個数は議題の数と投票権の数とによってきめられているから被投票用アカウントQy、Qnのそれぞれが有する投票トークン50を数え上げることにより、各ユーザーからの投票数を確認することができる。
かかる構成によれば、投票トランザクションTx1は、トランザクション情報保持手段22に保存されている『所定の期間内』すなわち投票日の前までにおいては投票のやり直しが可能になる。
本実施形態における投票システム100は、投票を行うための投票用アカウントを生成する生成ステップS101と、投票用アカウントに対して投票トークン50を発行するトークン発行ステップS105と、投票用アカウントによって署名された投票トークン50の投票トランザクションTx1を一時記憶する一時記憶ステップS108と、所定の期間の終了時に、投票トランザクションTx1をブロードキャストし、ブロックチェーン10に記録する記録ステップS202と、を有している。
かかる構成により、投票システム100は、期間内の再投票が可能かつ投票確定後には改ざんが難しい。
秘密鍵34は、最初にユーザーPが投票用アプリ31にログインした際に生成される投票用アカウントであって、ユーザーPと秘密鍵34との組み合わせはブロックチェーン10からは判り得ない。例えば通常の1人1票の選挙やアンケートに用いる場合には、このようにユーザーPの匿名性が確保される。
しかしながら、株主投票という特殊な投票形態に限っては、例えば上場企業等で持ち株数を含む株主情報が公表されている場合が有り得る。
すなわち、ある秘密鍵34を用いた投票が、ブロックチェーン10上に何票あるかを数え上げることができるとすれば、ユーザーPが推定されてしまう場合が有り得る。
具体的には、第1の実施形態のステップS101において、投票用アプリ31が投票用アカウントである秘密鍵34と公開鍵とのペアを複数、単一のユーザーPに対して作成するとしても良い。
かかる構成によれば、ユーザーPの株主情報によらず、1つの投票用アカウント(秘密鍵34)に対して1種類1つの投票トークン50が配布されることとなる。
従って、同じ秘密鍵34を用いて投票トークン50に署名することがなくなるから、ブロックチェーン10において公表される情報のみを用いたユーザーPの特定が困難となる。
また、このように複数の投票用アカウントを用いた投票では、一般的には1票1票が異なる秘密鍵34によって署名されることとなるため、投票用アプリ31の計算処理にかかる時間が増大するというリスクがあるが、第2の実施形態においては、投票トランザクションTx1は、実際にはすぐにブロックチェーン10に記録されることはなく、トランザクション情報保持手段22に一時的に保存されるにすぎない。従って本実施形態においては、投票用アプリ31がまずユーザーPへの表示上では投票完了の旨通知を出して、バックグラウンド処理によってかかる複数のアカウントでの署名を行うとしても良い。このような処理方法とすることによれば、ユーザビリティの低下を招くことなく、ユーザーPの匿名性の向上に寄与する。
このように株主情報付与手段41を省略する場合とは、例えばアンケートや選挙等の投票に用いるための投票システム100’が考えられる。
特に選挙の場合には、投票所入場券として各有権者に自治体から配布される通知に、携帯端末30を用いた投票用アプリ31の入手方法や、各ユーザーPそれぞれのIDやパスワード等のログイン情報を記載すればよい。
投票システム100’は、本実施形態においては、有権者あるいはアンケートの回答者であるユーザーPが、複数の議題それぞれについてYes/Noを回答する投票システムとして説明する。
投票用システム100は、投票用アプリ31がインストールされた携帯端末30と、サーバー20’と、投票結果を分散台帳として記録するブロックチェーン10と、を有している。
なお、機能構成については、第1の実施形態として示されたものと同一の構成である部分については説明を適宜省略する。
サーバー20’はまた、所定の期間の終了時にトランザクション情報保持手段22が保持していた署名済みのトランザクション情報Txをブロックチェーン10上にまとめてブロードキャストするための期限管理手段23’を有している。
議題記憶部24には、例えば株主投票の議題である議題Q1〜Q5のそれぞれについて、賛成の場合に投票トークン50が投票される被投票用アカウントであるQ1y、Q2y、Q3y、Q4y、Q5yと、反対の場合に投票トークン50が投票される被投票用アカウントであるQ1n、Q2n、Q3n、Q4n、Q5nとがアドレスとして保存されている。
すなわち、議題が5つあったとすれば、5種類の投票トークン50が1つずつ投票用アプリ31に作られた投票アカウントに対して配布される。
かかる構成により、ユーザーPはそれぞれの議題Q1〜Q5に対して、1人1票の投票を行うことができる。
このように1人に対して1票の投票ができて、期限までの変更が容易であるとともに期限後の変更が不可能であるため、国政選挙における期日前投票の実施が容易になる等の効果がある。
トランザクション情報Txのブロードキャストのタイミングは、設計時に定められたものであっても良いし、サーバー20の運用者が任意に定めたタイミングであっても良い。
ブロックチェーン10としてパブリックチェーンを用いた場合には、改ざん耐性が更に向上するとともに、投票結果の透明性、信頼性が担保される。
20 サーバー
21 トークン発行手段
22 トランザクション情報保持手段
23 期限管理手段(記録手段)
24 議題記憶部
30 携帯端末
31 投票用アプリ
32 アカウント生成手段
33 署名手段
34 秘密鍵(投票用アカウント)
40 データベース
41 株主情報付与手段
50 投票トークン
100 投票システム
Qy(Q1y、Q2y、Q3y、Q4y、Q5y) 被投票アカウント、Qn(Q1n、Q2n、Q3n、Q4n、Q5n) 被投票アカウント
Tx、Tx1 トランザクション情報、投票トランザクション
Claims (6)
- ネットワークを介し投票用アカウントから被投票アカウントに対して投票トークンの移転を行うことで投票を行う分散台帳を用いた投票システムであって、
アカウント生成手段によって生成された前記投票用アカウントに対して投票トークンを発行するトークン発行手段と、
前記投票用アカウントから前記被投票アカウントへと前記投票トークンを移転させるためのトランザクション情報を所定の期間内保持するトランザクション情報保持手段と、
前記トランザクション情報保持手段に記録された前記トランザクション情報を前記所定の期間の終了時に、前記分散台帳に記録する記録手段と、
を有することを特徴とする投票システム。 - 請求項1に記載の投票システムであって、
前記所定の期間内において前記トランザクション情報保持手段に保持された前記トランザクション情報は上書き可能に保持されることを特徴とする投票システム。 - 請求項1または2に記載の投票システムであって、
前記投票用アカウントと当該投票用アカウントの所有者の株主情報とを関連付けるための株主情報付与手段を有し、
前記トークン発行手段は、前記株主情報付与手段によって取得された前記株主情報に基づいて、発行される前記投票トークンの数量を決定することを特徴とする投票システム。 - 請求項1乃至3の何れか1つに記載の投票システムであって、
前記トランザクション情報は、前記投票用アカウントのそれぞれによって署名されて前記トランザクション情報保持手段に保持されることを特徴とする投票システム。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載の投票システムであって、
前記投票用アカウントと当該投票用アカウントの所有者の株主情報とを関連付けるための株主情報付与手段を有し、
前記アカウント生成手段は、前記株主情報付与手段によって取得された前記株主情報に基づいて、前記所有者の前記投票用アカウントを複数生成することを特徴とする投票システム。 - ネットワークを介して被投票用アカウントに対して投票を行うための分散台帳を用いた投票プログラムであって、
前記投票を行うための投票用アカウントを生成する生成ステップと、
前記投票用アカウントに対して投票トークンを発行するトークン発行ステップと、
前記投票用アカウントによって署名された前記投票トークンのトランザクション情報を一時記憶する一時記憶ステップと、
所定の期間の終了時に、前記トランザクション情報をブロードキャストし、分散台帳に記録する記録ステップと、を有することを特徴とする投票プログラム。
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