JP2021050791A - 吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】吊りボルトにワンタッチで取り付けられ、容易に吊りボルトから脱落し得ない吊りボルト用固定金具を提供することにある。【課題を解決するための手段】本発明に係る吊りボルト用固定金具10は、長手方向に両端を備えた支持部材20と、前記支持部材20の両端に、吊りボルト14の軸部16に形成された雄ネジ18に沿う内面を備えてそれぞれ該内面が向き合う方向に該吊りボルト14の直径以上の間隔30を開けて配設され、前記内面のいずれか一方又は双方に前記雄ネジ18と螺合し得る雌ネジ28が形成された対をなす当接部材22a、22bと、前記対をなす当接部材22a、22bの間に配設された吊りボルト14に対して斜めにならないようにロックするロック機構24を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、吊りボルト用固定金具及び該金具を用いた構造物に関する。
ビルなどの鉄筋コンクリート製の構造物では、天井面から間隔を開けて室内の天井面を構成する化粧パネルが取り付けられている。天井面と化粧パネルとの間の天井裏空間には、電気・通信用のケーブルや、空調用のダクト、空調設備や照明設備などが配設されている。これらケーブルやダクト、設備などは、コンクリート製の天井面から吊り下げられた吊りボルトを多数設け、吊りボルトと吊りボルトとの間を張り渡している。新設の構造物の場合は、天井用の化粧パネルが貼られていない場合があるが、脚立足場での高所作業となる。既設の構造物の場合は、天井用の化粧パネルが貼られているため、コンクリート造の天井面と化粧パネルとの間の狭い天井裏空間での作業となる。このため、吊りボルトにワンタッチで取り付けられる金具が望まれていた。
実用新案登録第3135385号公報
そこで鋭意研究を重ねた結果、着想を得て図11に示す試作品の金具200を製作した。この金具200は、支持部材20と、支持部材20に固定された対をなす螺合部材122a、122bと、吊り下げ治具26とから構成されている。螺合部材122a、122bの内面には、吊りボルト14の軸部16に形成された雄ネジ18と螺合させられる雌ネジ28が形成されている。また、支持部材20の側面に吊り下げ治具26を設けている。この金具200は、吊りボルト14に対して斜めにして、螺合部材122aと螺合部材122bとの隙間に吊りボルト14の軸部16を通した後、金具200を吊りボルト14の軸部16に沿うように垂直方向に戻して、螺合部材122a、122bの雌ネジ28と吊りボルト14の雄ネジ18とを螺合させて、両者を螺着させる。吊り下げ治具26にワイヤーなどを用いてダクトなどを吊り下げることにより、金具200に吊りボルト14に対して反転力(螺合部材122a、122bがそれぞれ吊りボルト14の軸部16を押圧する方向の力)が加わり、螺合が緊密になる。
ところが、金具200にダクトなどを吊り下げる作業をしている時、吊り下げ治具26に下から上方向への力が作用すると、金具200が吊りボルト14に対して斜めになり、螺合部材122a、122bの雌ネジ28と吊りボルト14の雄ネジ18との螺合が外れてしまい、金具200が吊りボルト14から脱落してしまうという問題があることに気が付いた。金具200を作業者の落下防止に使用している時に、金具200が突然外れるのは非常に危険である。また、金具200をダクトや配管・配線の設置のために使用している時に、不意に外れると、作業のやり直しになるという問題があった。そこで、吊りボルト14に金具200を取り付けた後は、作業者が故意に外す動作をしない限り外れないようにするために、更に研究を重ねた本発明を想到した。
なお、本願発明者が出願にあたり先願調査をしたところ、特許文献1を見出した。この特許文献1の図1及び図2に示す実施態様は、上記金具200と基本構成はほぼ同じと言い得るものであるが、本発明者が課題とするところは何ら解決するものではなかった。
本発明の課題は、吊りボルトにワンタッチで取り付けられ、容易に吊りボルトから脱落し得ない吊りボルト用固定金具を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明に係る吊りボルト用固定金具は、構造物から吊り下げられた軸部に雄ネジが形成された吊りボルトの任意の箇所に固定し得る吊りボルト用固定金具において、前記吊りボルトに沿う長手方向を有する支持部材と、前記支持部材の長手方向に離れた位置であって、前記吊りボルトの軸部に形成された雄ネジに沿う内面を備えてそれぞれ該内面が向き合う方向に配置され該吊りボルトの直径以上の間隔を開けた位置に配設され、前記内面のいずれか一方又は双方に前記雄ネジと螺合し得る雌ネジが形成された当接部材と、前記支持部材に設けられ、前記当接部材の向き合う内面の間に配設された吊りボルトに対して斜めにならないようにロックするロック機構と、を備えたことにある。
かかる吊りボルト用固定金具において、前記ロック機構は、前記吊りボルトの軸部の進入を許容してロックし、外力によるロックを解除することによって該吊りボルトの軸部を排出できることにある。
また、かかる吊りボルト用固定金具において、前記ロック機構は、前記吊りボルトを導く並行部と該吊りボルトを定置する底部を備えたJ字状部材と、該J字状部材に垂直に形成された回動軸部と、該回動軸部を中心に回動し得て、該吊りボルトを前記並行部に導く傾斜端面と該J字状部材の底部に位置する吊りボルトと係合する係合端部とを備えた回動部材と、前記回動軸部を中心に該回動部材を付勢する付勢手段とを備えることにある。
また、かかる吊りボルト用固定金具において、前記ロック機構は、全部又は一部がバネ性を有する部材から形成され、吊りボルトの軸部により押し広げて収納する傾斜部と収納部とを備えることにある。
更に、かかる吊りボルト用固定金具において、前記ロック機構は、少なくとも一方の前記当接部材の内面に向き合う位置であって、前記支持部材の裏面から突出し得て、且つ外力により該裏面側に戻す突起体を備えることにある。
上記いずれかに記載の吊りボルト用固定金具を用いた構造物であることにある。
本発明に係る吊りボルト用固定金具によれば、少なくとも一方の内面に雌ネジが形成された当接部材がその内面を向き合うように軸方向(長手方向)に位置をずらせて支持部材に配置されている。2個の当接部材は吊りボルトの軸部が少なくとも通過し得る幅(距離)を開けて配置されているため、吊りボルトの軸部に対して斜めにして2個の当接部材の間に軸部を通させた後、吊りボルト用固定金具を吊りボルトに並行するように垂直方向に引き起こす。この動作によって吊りボルトの雄ネジと当接部材の雌ネジとが螺合させられるが、更に吊りボルトの軸部がロック機構によってロックされ、吊りボルト用固定金具が吊りボルトに対して斜めになることはない。したがって、吊りボルト用固定金具が吊りボルトから不用意に外れることはないため、天井裏などの狭所でのダクトや配管・配線などのための作業を安心して行うことができ、作業性が飛躍的に向上する。しかも、吊りボルト用固定金具をワンタッチで吊りボルトに固定できるため、一層作業性が向上する。
本発明に係る吊りボルト用固定金具を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。 図1に示す吊りボルト用固定金具を示す図であり、図(a)は右側面図、図(b)は底面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は右側面図、図(c)は平面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す要部正面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は要部正面図、図(b)は平面図、図(c)は図(a)のC−C断面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す要部正面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。 本発明に係る吊りボルト用固定金具の他の実施態様を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は底面図である。 試作に係る吊りボルト用固定金具を示す図であり、図(a)は正面図、図(b)は右側面図、図(c)は平面図である。
(吊りボルト)
本発明に係る吊りボルト用固定金具(以下「本金具」という。)10は、図1及び図2に示すように、構造物12に吊り下げられた吊りボルト14の任意の箇所に取り付けられる。構造物12は、ビルやトンネルなどの鉄筋コンクリート製の建造物であることが多いが、これらに限定されるものではない。吊りボルト14は、軸部16の表面全体に雄ネジ18が形成されている。吊りボルト14の有効径は、吊り下げられる対象物の重量に応じて設定される。吊りボルト14の材質は、湿度の高い環境で用いられる場合は、ステンレススチールやメッキや防錆処理が施された鋼が選定され、通常は鋼材が使用される。吊りボルト14は、一端がU字状やL字状に曲げられてコンクリートに埋設固定され、他端が下方に吊り下げられる。
(吊りボルト用固定金具)
本金具10は、支持部材20と、対をなす当接部材22a,22bと、ロック機構24及び吊り下げ治具26を備えて構成されている。
(支持部材・当接部材)
支持部材20は、平面視U字形状をしている。支持部材20のU字形状の内径寸法は、対をなす半円筒形状の当接部材22a,22bが吊りボルト14を間に挟んで向き合うように配設されたとき、その当接部材22a,22bが収納できる幅で、その当接部材22a,22bが長手方向に間隔を開けて配設できる長さに設定される。
当接部材22a,22bは、吊りボルト14の軸部16と当接する半円筒状の内面には雌ネジ28が形成されていて、吊りボルト14の雄ネジ18と螺合させられる。当接部材22a,22bは支持部材20の一側端と他側端に雌ネジ28が形成された内面が向き合う方向に配設されていて、当接部材22aと当接部材22bとは軸方向に隙間30を開けて配設されている。当接部材22aの雌ネジ28と、当接部材22bの雌ネジ28とはいずれも吊りボルト14の雄ネジ18に螺合し得るように、隙間30の調節がされる。当接部材22a,22bと支持部材20とは溶接により接合されていて、相応の荷重が負荷されても分離しないようにされている。
当接部材22aと当接部材22bとの隙間30は、図1(a)に斜め方向に吊りボルト14を示すように、吊りボルト14の軸部16が通過し得る幅に設定される。ただし、当接部材22a,22bの角部を面取り32して両当接部材22a,22bを接近させて配置し、本金具10を全体としてコンパクトにするのが好ましい。当接部材22aと当接部材22bとの隙間30に吊りボルト14の軸部16が斜め方向に配置(本金具10が吊りボルト14に対して斜めに配置)された後、当接部材22a,22bの雌ネジ28と吊りボルト14の軸部16の雄ネジ18とが螺合させられるように本金具10が時計方向に回転させられる。このとき、吊りボルト14の軸部16が、支持部材20の側面と干渉しないように段差34が形成されている。
(ロック機構)
支持部材20の下端部にはロック機構24が設けられている。ロック機構24はJ字状部材36と、そのJ字状部材36の一端に垂直に形成された軸部38と、その軸部38の周りを回動する回動部材40と、回動部材40を付勢する付勢手段42とを備えて構成されている。J字状部材36は、支持部材20とその支持部材20に固定された当接部材22とに溶接などにより固定されている。図1(b)及び図2(b)に示すように、J字状部材36は吊りボルト14の軸部16を導く並行部44と並行部44により導かれてきた軸部16を定置させる半円弧状の底部46を備える。したがって、吊りボルト14の軸部16はJ字状部材36の並行部44に導かれるように両サイドへの動きを規制されて内部へ進入し、底部46に達して停止する。なお、底部46の形状は当接部材22bの雌ネジ28の径よりも大きく形成されている。
J字状部材36に設けられた回動軸部38を中心に回動する回動部材40は、並行部44を塞ぐように形成された傾斜端部48と、底部46に定置させられる吊りボルト14の軸部16と係合させられる係合端部50と、作業者が手で回動させる把手52とを備える。回動部材40は、図2(b)において、付勢手段42により時計回りの方向に回動するように付勢されていて、J字状部材36の一部と当接して停止させられている。したがって、吊りボルト14の軸部16が回動部材40の傾斜端部48に当接されて押されると、回動部材40が付勢手段42に抗して反時計方向に回動させられる。吊りボルト14の軸部16が底部46に達して停止したとき、回動部材40の傾斜端部48は吊りボルト14の軸部16との係合から外れ、付勢手段42により元の位置にまで回動させられ、係合端部50が吊りボルト14の軸部16と係合させられる。次いで、回動部材40は、作業者が把手52に指をかけて反時計方向に回動させると、係合端部50は吊りボルト14の軸部との係合が解除され、本金具10は吊りボルト14に対して斜め方向に動かすことができ、除去できる。なお、J字状部材36に形成されている窪み54は、回動部材40の回動させられる角度を大きくするために形成されている。
(吊り下げ治具)
図1(a)に示すように、支持部材20の側面には、吊り下げ治具26が溶接などにより固定されている。本実施例における吊り下げ治具26は、大きく形成された開口部56にワイヤーなどを通して、ダクトや配線などを吊り下げるために用いられる。吊り下げ治具26は、その吊り下げ治具26に荷重が負荷されたとき、当接部材22aと当接部材22bがそれぞれ吊りボルト14の軸部16に押し付けられる位置に設けられていて、当接部材22a,22bの雌ネジ28と吊りボルト14の軸部16の雄ネジ18との螺合が一層確実なものとなる。
(本金具の使用方法)
以上の構成に係る本金具10は、予め天井などに設置されている吊りボルト14に取り付けられる。本金具10を取り付けるべき吊りボルト14の所定位置に持って行き、本金具10を斜めにして吊りボルト14の軸部16にあてがう。このとき、本金具10の当接部材22aと当接部材22bとの隙間30に吊りボルト14の軸部16が入るように傾ける角度を調節しながら押し込む。吊りボルト14の軸部16が隙間30に入ったのを確認した後、本金具10を吊りボルト14の軸部16に沿うように垂直方向に回転させる。この動作により、吊りボルト14の軸部16と本金具10のロック機構24の傾斜端部48とが当接し、回動部材40が回動させられ、吊りボルト14の軸部16がJ字状部材36の底部46に達する。このとき、本金具10の当接部材22a、22bの雌ネジ28と吊りボルト14の軸部16の雄ネジ18とは螺合させられ、更に吊りボルト14の軸部16はロック機構24における回動部材40の係合端部50と係合されて、ロックされる。したがって、本金具10にあらゆる方向から力を加えても、ロックが解除されて吊りボルト14から脱落することはない。なお、本金具10の位置を若干上下させたい場合は、本金具10を吊りボルト14に対して回転させることにより、上下させることができる。また、大きく位置を変えたい場合や取り外したい場合は、ロック機構24における回動部材40に形成された把手52を持ち上げるように回動させて、係合端部50と吊りボルト14の軸部16との係合を解除することにより、直ちに本金具10を吊りボルト14から外すことができる。
(効果)
この操作は、片手でのワンタッチでできるので、天井裏などの狭小空間であっても、作業性が大幅に向上する。
(他の実施態様)
次に、本発明に係る他の実施態様を説明する。以下の説明において、上記実施態様と同様の構成については、同じ符号を付すことにとって説明を省略する場合がある。
(他の実施態様1)
図3に示すように、本金具58は、支持部材60、当接部材62a、62b及び吊り下げ治具64を一体的に形成しても良い。この場合、本金具58は金属のブロックを切り出して、当接部材62a、62bとなる部分に下穴を形成した後、その下穴に雌ネジをネジきりする。その後、隙間66となる箇所と、当接部材62a、62bとなるように雌ネジの部分を切削で切り開く。また、吊り下げ治具64についても、切削により一体的に形成する。また、ロック機構として、本金具58を吊りボルト14に取り付けたとき、吊りボルト14の軸部16に接する支持部材60の位置に、換言すると当接部材62bの内面に当接するように配設された軸部16を間に挟んだ支持部材60の位置に雄ネジ68を挿通させる。すなわち、本金具58の当接部材62a、62bに吊りボルト14を螺合させた後、雄ネジ(突起体)68をねじ込み、雄ネジ68の軸部69で吊りボルト14の軸部16がその軸と直角方向に動かないように抑え込む。吊りボルト14から本金具58を取り外すときは、雄ネジ68を支持部材60から突出しないように、引っ込めることにより、容易に行うことができる。
かかる実施態様において、ロック機構である雄ネジ68をスライド部材(突起体)とし、このスライド部材と支持部材60との接触部にゴムや樹脂などからなる抵抗部材を設けても良い。すなわち、吊りボルト14に本金具58を取り付けたとき、スライド部材を抵抗部材の抵抗力に抗して押し込み、スライド部材の軸部と本金具58の当接部材62bとの間に吊りボルト14の軸部16を挟みこんで固定する。また、吊りボルト14から本金具58を取り除くときは、スライド部材を支持部材から突出しないように引き抜くことで行うことができる。
この本金具58は、切削等の加工に時間が掛かるが、当接部材62aの雌ネジと、当接部材62bの雌ネジとがピッチが合うように、支持部材60に当接部材62a、62bを接合する手間がなくなる。
(他の実施態様2)
次に、図4に示すように、本金具86は、支持部材88と吊り下げ治具26とを鋼板をレーザー加工や打ち抜き加工などにより同時に一体的に形成し、支持部材88部分に当接部材90a、90b及びロック機構24を溶接により固着することによって構成しても良い。当接部材90a、90bは、4角柱の金属ブロックに下穴をあけた後、吊りボルト14の雄ネジ18に螺合し得る雌ネジ28にタップを立て、次いで雌ネジ28の軸心を含む平面で切断して、製造される。得られた当接部材90a、90bは、支持部材88の所定の位置に配置して、溶接して固定される。また、ロック機構24は図1及び図2に示すものと同じ構成のものを予め組み立てておき、支持部材88に溶接などにより固定される。
このようにして得られた本金具86は、上記図1等に示す実施態様と比較して部品点数と加工工数が少なく、安価に得られる。ただし、本金具86の作用効果は上記実施態様と全く同じである。
(他の実施態様3)
また、図5に示すように、吊り下げ治具としてフック92を利用することも可能である。フック92の側面に本金具94の支持部材を溶接などにより固着しても良く、あるいはフック92の側面を支持部材として直接、当接部材90a、90bとロック機構24を固着しても良い。フック92には、図示しないチェーンブロックが設けられているのが好ましい。この場合、フック92をひっかける金具がなく、吊りボルト14しかない場合は、本金具94を用いて吊りボルト14にチェーンブロックを取り付けることができる。なお、フック92に限定されるものではなく、たとえばCカンなどの側面に本金具94を形成しても良い。
(他の実施態様4)
更に、本金具に取り付けられる吊り下げ治具は図1等に示す形状のものに限定されるものではない。たとえば、図6に示すように、吊り下げ治具80はロック機構24のJ字状部材36と一体的に形成された金属プレート81にボルト孔を設け、そのボルト孔にボルト82を通してナット84で螺着した構成とする。ボルト82の下端部にダクトや配管などを取り付け、高さ調節はナット84を緩めて、上下方向の調節を行う。
(他の実施態様5)
更に、図7及び図8に示すように、本金具96の支持部材としてL字鋼98を用いることができる。L字鋼98の一端には当接部材90a、90bが固定され、その他端にはロック機構100が設けられる。ロック機構100は、吊りボルト14の軸部16を受ける半円形の内面102を備えた受台104と、その受台104を貫通する孔に一端に雄ネジ106、他端にJ字状に曲げられた押さえ部108が形成された押さえ部材110を備えている。受台104の内面102には、雌ネジが形成されていても良い。
本金具96は、吊りボルト14に対して斜めにして当接部材90aと当接部材90bとの間の隙間112に吊りボルト14を通した後、L字鋼(支持部材)98を吊りボルト14の方向にすることにより、当接部材90aと当接部材90bとの間に吊りボルト14を挟みこむようにする。次いで、吊りボルト14の先端側をロック機構100の受台104の上に移動させ、内面102に吊りボルト14の軸部16を載せる。その後、押さえ部材110の押さえ部108により、吊りボルト14の軸部16を雄ネジ106に設けられたナット112を締め付けて内面102に押さえ込む。これにより、本金具96はナット112を緩めないかぎり、吊りボルト14から外れることはない。
本金具96のL字鋼(支持部材)98には、図7に示すようなフック形状を備えた部材114や、図8に示すようなU字状の金具116を設け、複数の配管あるいは配線を併設することができる。
(他の実施態様6)
次に、図9に示すように、本金具70は、当接部材72a、72bのうちたとえば当接部材72aにのみ雌ネジ28を形成し、当接部材72bには雌ネジを形成しない構成とすることも可能である。上述の実施態様は重量物を吊り下げるために、当接部材22a,22bのいずれにも雌ネジ28を形成していたが、軽量物である場合には一方の当接部材72aに雌ネジを形成するだけでも良い。本金具70は、吊りボルト14の雄ネジ18と当接部材72aの雌ネジ28とが螺合する面(螺合面)のせん断力で吊り下げ力が定まる。すなわち、半円筒状の螺合面の面積が大きければ、そのせん断力は大きくなり、吊り下げ力も大きくなる。本金具70で吊り下げるダクトや配管などの重量が小さい場合は、たとえば当接部材72aにのみ雌ネジ28を形成する構成で、充分に吊り下げ力に耐えうる。このように、たとえば当接部材72aにのみ雌ネジ28を形成し、当接部材72bには雌ネジを形成しない構成とすることにより、当接部材72bは、当接部材72aの雌ネジ28のピッチと合わせる必要がなくなり、本金具70の製造コストを下げることが可能となる。
本金具70において、当接部材72aの長さを長くする、すなわち当接部材72aの雌ネジ28の長さを長くすることにより、吊り下げ力を大きくすることが可能となる。また、雌ネジを形成していない当接部材72bは、吊りボルト14の軸部16を押さえる作用をするだけであるため、長さは短くても良い。吊りボルト14の軸部16を当接部材72a、当接部材72b及びロック機構24の係合端部50の3点で支持して、吊りボルト14の軸心に対して直角方向に本金具70が動かないようになっていれば当接部材72bの長さは問題にならない。更に、当接部材72aには雌ネジを形成しないで、当接部材72bに雌ネジを設ける構成としても良い。
(他の実施態様7)
ロック機構は吊りボルト14の軸部16に2か所の当接部材をそれぞれ向き合う方向に当接させたとき、同時にロック機構により軸部16をロックして、交互に3点で支持できれば良い。ロック機構は上述の実施態様に限定されるものではなく、たとえば図10に示す構成でも良い。すなわち、支持部材20の一端にバネ鋼からなる把持部材74でロック機構を構成することができる。把持部材74は、吊りボルト14の軸部16を把持する把持部75と、その把持部75に軸部16を導き、把持部75を押し広げる傾斜部76と、一体的に形成された把持部75と傾斜部76とを支持部材20に固定する固定部77を備えて構成される。固定部77は支持部材20に溶接で固定するのが好ましい。把持部75が吊りボルト14の軸部16を把持した後、容易に把持部75から軸部16が出ないようにするのが好ましい。図示を省略するが、たとえば2つの傾斜部76をワイヤーなどで連結して拡がらないようにしたり、傾斜部76と固定部77との連結部に孔を開け、ワイヤーを通して締結しておくのが好ましい。
(他の実施態様8)
上記の各種本金具を用いて構造物を作ることができる。すなわち、ビルの各階や大小様々なトンネルなどに配設されるダクトや配線、配管などの敷設作業を行うことができる。本金具を用いることによって、敷設作業の作業効率が高まり、作業日程の短縮ができ、全体として構造物の建築に伴うコストダウンが図れる。
(その他の実施態様)
吊り下げ治具の形状、構造は吊り下げるべき設備や目的、使用期間、あるいは作業環境などを考慮して選定される。
ロック機構は上記実施態様では本金具の下部に設けていたが、本金具の上部に設けることも可能で、更に本金具の上下両端部分に設けることも可能である。
当接部材は上記実施態様では本金具に適合する部材を作っていたが、既存の製品例えばナットを軸方向に切断して利用することも可能である。いずれの実施態様においても、当接部材の少なくとも雌ネジ部分は焼き入れが入っているのが強度の点で好ましい。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正又は変形を加えた態様で実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10、58、70,86,94,96:吊りボルト用固定金具
12:構造物
14:吊りボルト
16:軸部
18:雄ネジ
20、60、88:支持部材
22a、22b、62a、62b、72a、72b、90a、90b:当接部材
24,100:ロック機構
26、64、80:吊り下げ治具
28:雌ネジ
30、66,112:隙間
36:J字状部材
40:回動部材
42:付勢手段
48:傾斜端部
50:係合端部
68:雄ネジ(突起体)
74:把持部材(ロック機構)
92:フック(吊り下げ治具)
98:L字鋼(支持部材)

Claims (6)

  1. 構造物から吊り下げられた軸部に雄ネジが形成された吊りボルトの任意の箇所に固定し得る吊りボルト用固定金具において、
    前記吊りボルトに沿う長手方向を有する支持部材と、
    前記支持部材の長手方向に離れた位置であって、前記吊りボルトの軸部に形成された雄ネジに沿う内面を備えてそれぞれ該内面が向き合う方向に配置され該吊りボルトの直径以上の間隔を開けた位置に配設され、前記内面のいずれか一方又は双方に前記雄ネジと螺合し得る雌ネジが形成された当接部材と、
    前記支持部材に設けられ、前記当接部材の向き合う内面の間に配設された吊りボルトに対して斜めにならないようにロックするロック機構と
    を備えた吊りボルト用固定金具。
  2. 前記ロック機構は、前記吊りボルトの軸部の進入を許容してロックし、外力によりロックを解除することによって該吊りボルトの軸部を排出できる請求項1に記載の吊りボルト用固定金具。
  3. 前記ロック機構は、前記吊りボルトを導く並行部と該吊りボルトを定置する底部を備えたJ字状部材と、該J字状部材に垂直に形成された回動軸部と、該回動軸部を中心に回動し得て、該吊りボルトを前記並行部に導く傾斜端面と該J字状部材の底部に位置する吊りボルトと係合する係合端部とを備えた回動部材と、前記回動軸部を中心に該回動部材を付勢する付勢手段とを備える請求項1又は2に記載の吊りボルト用固定金具。
  4. 前記ロック機構は、全部又は一部がバネ性を有する部材から形成され、吊りボルトの軸部により押し広げて収納する傾斜部と収納部とを備える請求項1又は2に記載の吊りボルト用固定金具。
  5. 前記ロック機構は、少なくとも一方の前記当接部材の内面に向き合う位置であって、前記支持部材の裏面から突出し得て、且つ外力により該裏面側に戻す突起体を備える請求項1又は2に記載の吊りボルト用固定金具。
  6. 前記請求項1から5までのいずれかに記載の吊りボルト用固定金具を用いた構造物。
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