JP2021038893A - 熱処理炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物から放出される粒子状のダストも捕集できる熱処理炉を提供する。【解決手段】熱処理炉10は、容器状の圧力容器12と、被処理物56を収容するタイトボックス16と、圧力容器12およびタイトボックス16に導入するガスのガス源18、26と、圧力容器12およびタイトボックス16からガスを排気するポンプ32と、圧力容器12からポンプ32をつなぐ第1排気配管34と、タイトボックス12につなげられた第2排気配管38と、第2排気配管38の途中を内側配管64と外側配管66とからなる二重配管68で構成し、内側配管64と外側配管66の間に冷却液を流し、内側配管64の中に冷却フィン70を配置したトラップ46と、第2排気配管38におけるトラップ46の下流に設けられた複数のフィルター48とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理炉に関するものである。
従来、金属または磁性材料などからなる被処理物を熱処理炉に入れ、被処理物に対して所定温度および所定圧力をかけて処理している。この処理中に被処理物からガス状になったバインダーおよび粒子状のダストを含む放出物が発生する場合がある。たとえば、下記の特許文献1は、ガス状になったバインダーをトラップで捕集することが記載されている。
WO2017/108417(図3)
しかし、特許文献1はガス状のバインダーを捕集することが記載されているが、粒子状のダストを捕集することは記載されていない。被処理物によっては大量のダストが放出される場合もあり、ダストを捕集する構成も必要になる。
そこで本発明の目的は、被処理物で発生した粒子状の放出物を捕集できる熱処理炉を提供することにある。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る熱処理炉は、以下に述べるような構成を有する。
本発明の熱処理炉は、容器状の圧力容器と、前記圧力容器の内部空間に配置され、被処理物を搭載する炉床と、前記圧力容器の内部空間に導入するガスのガス源と、前記圧力容器の内部空間からガスを排気するポンプと、前記圧力容器からポンプをつなぐ第1排気配管と、前記圧力容器につなげられた第2排気配管と、前記第2排気配管の途中を内側配管と外側配管とからなる二重配管で構成し、該内側配管と外側配管の間に冷却液を流し、該内側配管の中に冷却フィンを配置したトラップと、前記第2排気配管におけるトラップの下流に設けられた複数のフィルターとを備える。
本発明によれば、トラップでガス状のバインダーを液化することで捕集し、フィルターで粒子状のダストを集じんできる。複数のフィルターを使用することで集じんできるダストの量が多くなり、被処理物に対する処理を最後までおこないやすい。被処理物に対する処理を中止しないことで、被処理物を途中で廃棄することもなくなり、生産効率が良くなる。
本願の熱処理炉の構成を示す図である。 冷却液配管にフィンを設けたトラップの構成を示す断面図である。 冷却液配管と内側配管の内面にフィンを設けたトラップの構成を示す断面図である。 内側配管の内面にフィンを設けたトラップの構成を示す断面図である。 フィルターを直列にした熱処理炉の構成を示す図である。 フィルターを直並列にした熱処理炉の構成を示す図である。 フィルターを通過するガスの温度を計測する温度計を備えた熱処理炉の構成を示す図である。 フィルターの上流にバルブを設けた熱処理炉の構成を示す図である。 第2排気配管を複数にした熱処理炉の構成を示す図である。 トラップの途中に補助配管が接続された熱処理炉の構成を示す図である。 フィルターの上流と下流に圧力センサを設けた熱処理炉の構成を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態が異なっていても同じ部材には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。各実施形態は組み合わせて実施することも可能である。
[実施形態1]
図1に示す熱処理炉10は、圧力容器12、その圧力容器12の内部空間14に配置されたタイトボックス(インナーボックス)16、圧力容器12の内部空間14に導入するガスを貯蔵した第1ガス源18、圧力容器12と第1ガス源18とをつなげる第1導入配管20、その第1導入配管20を開閉する第1導入バルブ22、タイトボックス16の内部空間24に導入するガスを貯蔵した第2ガス源26、タイトボックス16と第2ガス源26とをつなげる第2導入配管28、その第2導入配管28を開閉する第2導入バルブ30を備える。
さらに熱処理炉10は、圧力容器12の内部空間14およびタイトボックス16の内部空間24を減圧するポンプ32、圧力容器12とポンプ32をつなぐ第1排気配管34、その第1排気配管34を開閉する第1排気バルブ36、タイトボックス16につなげられた第2排気配管38、その第2排気配管38を開閉する第2排気バルブ40、第1排気配管34と第2排気配管38とをつなげる第3排気配管42、その第3排気配管42を開閉する第3排気バルブ44を備える。
第2排気配管38の途中には、トラップ46、そのトラップ46の下流に配置された複数のフィルター48が備えられる。フィルター48と並列に補助配管(bypass)50およびその補助配管50を開閉する補助バルブ52が備えられる。
熱処理炉10は、焼結、半焼結、焼成、脱脂、ろう付け、メタライズ、焼き入れ、容体化処理、焼戻し、焼きなましまたは時効熱処理などをおこなうための炉である。
[圧力容器]
圧力容器12は円筒形状になっており、その両端を蓋で開閉できるようにしたものである。蓋が閉じられると、圧力容器12の内部空間14は気密な空間になる。圧力容器12の内部空間14は減圧されたり、加圧されたりする。圧力容器12の耐圧はたとえば約10MPaであり、各種設計によって変更できる。
圧力容器12の内部空間14に断熱体(図示せず)が配置されている。たとえば、断熱体は筒状になっていて、その両端が蓋で閉じられる。断熱体はグラファイトフェルトまたはグラファイトフォイルなどの耐熱性材料で構成される。断熱体によって形成された内部空間にヒーター54が配置されている。ヒーター54としてグラファイト製のロッドヒーターが挙げられる。断熱体はヒーター54の熱が外部に放熱されることを防止する。ヒーター54が発熱することでタイトボックス16の内部空間24の温度が上昇する。たとえば、被処理物56を低温で処理する場合は1300℃以上、高温で処理する場合は2000℃以上の温度にする。
圧力容器12の内部空間14の温度を計測する温度計58が設けられている。図1では圧力容器12の内部空間14を計測しているが、温度計58で直接タイトボックス16の内部空間24の温度を計測してもよい。温度計58の数は限定されず、複数の温度計58で温度を計測し、内部空間14の温度のばらつきなどを監視してもよい。温度計58は熱伝対を利用した温度計を使用する。温度計58で測定された温度に応じてヒーター54に供給する電力を制御する。
圧力容器12にファン60およびモーター62が取り付けられている。ファン60およびモーター62は圧力容器12の蓋に取り付けられていてもよい。ファン60によって圧力容器12およびタイトボックス16の中をガスが循環されるようにする。また、圧力容器12の内部空間14に水冷式の冷却装置を配置し、循環するガスを冷却し、被処理物56を冷却できるようにしてもよい。
[タイトボックス]
断熱体によって形成された内部空間の中にタイトボックス16が配置されている。タイトボックス16はグラファイトなどで構成されている。タイトボックス16は筒状になっていて、その両端が蓋によって開閉される。タイトボックス16の中に被処理物56を配置するための棚などを設けておいてもよい。
なお、圧力容器12、断熱体およびタイトボックス16の形状は上記説明した形状に限定されない。たとえば箱状になっていてもよい。
[被処理物]
タイトボックス16の内部空間24に被処理物56が配置される。被処理物56の材料は、超硬金属、鉄系金属、非鉄金属、磁性材料、セラミックス、グラファイト、ハイス鋼、ダイス鋼または低合金鋼などであり、金属は合金を含む。被処理物56は、粉体または所定形状を有した固体である。タイトボックス16の中に被処理物56が収容されることで、被処理物56に対して所定の処理をしたときに被処理物56から放出されるガス状のバインダーおよび粒子状のダストを含む放出物がタイトボックス16の外に放出されることを防ぐことができる。圧力容器12の内面、断熱体およびヒーター54などが汚染されることを防止できる。
[ガス源]
第1ガス源18は圧力容器12の内部空間14に導入する第1ガスを貯蔵、生成またはその両方をおこなう。第2ガス源26はタイトボックス16の内部空間24に導入する第2ガスを貯蔵、生成またはその両方をおこなう。第1ガスは窒素またはアルゴンなどであり、第2ガスは窒素、アルゴン、水素、一酸化炭素、ヘリウム、メタンなどである。図1では各ガス源18、26を1つにしているが、処理に使用するガスの種類が増えればガスの種類の数に応じてガス源を増やす。第1ガスと第2ガスを各内部空間14、24に導入することで各内部空間14、24を加圧状態にすることができる。
圧力容器12と第1ガス源は第1導入配管20でつなげられている。第1ガスは第1導入配管20を通って圧力容器12の内部空間14に導入される。第1導入バルブ22が第1導入配管20に設けられている。第1導入バルブ22を開閉することで第1導入配管20の開閉を制御でき、第1導入バルブ22の開閉度を制御することで第1導入配管20を流れる第1ガスの流量を制御できる。
タイトボックス16と第2ガス源26が第2導入配管28でつなげられている。第2導入配管28は圧力容器12につながり、さらにタイトボックス16まで伸びている。第2ガスは第2導入配管28を通ってタイトボックス16の内部空間24に導入される。第2導入バルブ30が第2導入配管28に設けられている。第2導入バルブ30を開閉することで第2導入配管28の開閉を制御でき、第2導入バルブ30の開閉度を制御することで第2導入配管28を流れる第2ガスの流量が制御される。
[ポンプ]
ポンプ32は圧力容器12の内部空間14およびタイトボックス16の内部空間24からガスを排気する。それらの内部空間14、24は減圧される。ポンプ32の種類として、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、油回転真空ポンプおよび油拡散ポンプなどが挙げられる。
[排気配管]
圧力容器12とポンプ32は第1排気配管34でつなげられている。第1排気配管34の途中に第1排気バルブ36が設けられている。第1排気バルブ36を開けることで圧力容器12の内部空間14のガスがポンプ32によって排気される。第1排気バルブ36の開閉度を調整することでガスの排気量が調節される。
図1において、タイトボックス16からトラップ46、フィルター48および第2排気バルブ40を通るラインが第2排気配管38である。第2排気配管38は圧力容器12の内部空間14につながり、さらにタイトボックス26の内部空間24まで伸ばされている。第2排気バルブ40が第2排気配管38に設けられていて、第2排気バルブ40を開けることでタイトボックス16の内部空間24のガスが排気される。タイトボックス16のガス圧に応じてガスが排気される。また、第2排気バルブ40の開閉度を調整してガスの排気量を調節することもできる。
第1排気配管34と第2排気配管38は第3排気配管42でつなげられている。第3排気バルブ44が第3排気配管42に設けられている。第2排気バルブ40を閉じた状態で第3排気バルブ44を開けると、ポンプ32によってタイトボックス16の内部空間24のガスを強制的に排気し、タイトボックス16の内部空間24を減圧することができる。なお、第2排気バルブ40を開けるときは第3排気バルブ44を閉じておき、第3排気バルブ44を開けるときは第2排気バルブ40を閉じておく。
[トラップ]
トラップ46が第2排気配管38の途中に設けられている。図2に示すトラップ46は、内側配管64と外側配管66からなる二重配管68および内側配管64の中に配置された冷却フィン70を備える。二重配管68の内側配管64と外側配管66の間の空間72に冷却液が流される。冷却液は水であるが、冷却能力を有するその他の液体を使用してもよい。冷却フィン70は冷却液の流れる冷却液配管74に設けられている。冷却フィン70は板状になっており、冷却配管74の表面積を広くしている。内側配管64と冷却フィン70は冷却液によって冷却されている。冷却液は水であるが、冷却能力を有するその他の液体を使用してもよい。内側配管64の内壁、冷却フィン70および冷却配管74の外面に高温になったガスが触れることで、ガスが冷却される。熱処理によって被処理物56から放出されたガス状の放出物(バインダー)が冷却され、液体になって内側配管64の内壁、冷却フィン70の表面および冷却配管74の外面に付着する。液体になったバインダーを溜めるためのタンクを備えてもよい。
冷却フィン70は冷却配管74に設けられているが、冷却フィン70を内側配管64の内面にも設けてもよい(図3)。また、内側配管64の内面にのみ冷却フィン70を設けてもよい(図4)。
冷却フィン70の形状は限定されず、冷却配管74に対して放射状に形成された板であったり、冷却配管74に対してらせん状に形成されていたり、ガスの流れ方向を向いた板であったりしてもよい。
第2排気配管38におけるタイトボックス16からトラップ46までの部分に断熱体を設けてもよい。その断熱体は第2排気配管38の内面に設ける。タイトボックス16から排出されるガスが高温であるため、断熱体によって第2排気配管38を保護する。
[フィルター]
フィルター48は網目状になっており、トラップ46の下流に配置されている。フィルター48は複数であり、並列に配置されている。第2排気配管38が複数に分岐して並列になっており、並列になったそれぞれにフィルター48が配置されている。各フィルター48の目の粗さは同じであり、フィルター48を複数にすることでフィルター48の総面積が大きくなる。被処理物56から同じ粒径の放出物(ダスト)が放出される場合に集じんできるダストの量が多くなる。予め被処理物56から放出されるダストの量を求めておき、フィルター48は放出されるダストよりも多くのダストを集じんできるようにしておく。フィルター48は耐熱性の樹脂で構成し、交換可能なようにしておく。
トラップ46から各フィルター48までの配管の長さを同じにして、各フィルター48に均等にガスが流れるようにしてもよい。各フィルター48に対して同じようにダストが集じんされ、フィルター48の清掃または交換を同時におこなうことができる。
[補助配管]
補助配管50が並列になった複数のフィルター48に対して並列になっている。全てのフィルター48が目詰まりしたとき、補助配管50を通してタイトボックス16の内部空間24のガスを排気することができる。被処理物56に対して処理をしている途中で全てのフィルター48が目詰まりしても、処理を続行することができる。
補助配管50には補助バルブ52を備え、補助バルブ52によって補助配管50が開閉される。フィルター48が目詰まりしていないときは補助バルブ52が閉じられ、フィルター48が目詰まりしたときに補助バルブ52が開けられる。第2排気配管38におけるトラップ46とフィルター48の間にガス圧を検知する第1圧力センサ76を備える。フィルター48が目詰まりすると第1圧力センサ76の値が上昇するため、所定圧力以上になると補助バルブ52が開けられるように制御する。
[その他]
第1排気配管34にガス圧を測定する第2圧力センサ78を備える。トラップ46にバインダーが付着することで第2排気配管38の流れが遮断された場合、タイトボックス16の内部空間24だけでなく、圧力容器12の内部空間14のガス圧にも影響が出る。そのため、第2圧力センサ78で計測された圧力値が所定値以上になれば、第2排気配管38が詰まっていることが分かる。第2圧力センサ38の圧力値が所定値以上になったとき、ヒーター54をオフにして、処理を中止する。この処理を中止する理由は、フィルター48と同様にトラップ46と並列に補助配管50を設けた場合、冷却されていない高温のガスを外部に放出することになり、危険なためである。
温度計58および圧力センサ76、78の値が入力され、バルブ22、30、36、40、44の開閉およびヒーター54の温度を制御するコンピュータを備えてもよい。コンピュータに所定の処理を入力しておくことで、コンピュータが自動的に所定のバルブ22、30、36、40、44を開閉し、ヒーター54を通電してタイトボックス16の内部空間24の温度および圧力を制御し、必要なガスを供給する。
[処理方法]
本願の熱処理炉10を使用した被処理物56の処理方法について説明する。(1)被処理物56をタイトボックス16に収納し、圧力容器12の蓋をして密閉する。(2)ヒーター54をオンにして圧力容器12の内部空間14とタイトボックス16の内部空間24を所定温度に上げるとともに、ガス源18、26から圧力容器12およびタイトボックス16に所定のガスを導入し、被処理物56に対して所定の処理をおこなう。(3)必要に応じてポンプ32を駆動させ、バルブ36、44を開けて圧力容器12の内部空間14およびタイトボックス16の内部空間24からガスを強制排気し、内部空間14、24の空気をガスに置換する。またはバルブ40を開けてタイトボックス16の内部空間24からガスを自然排気する。(4)被処理物56の処理が終了したら、被処理物56が冷却された後、圧力容器12とタイトボックス16を開けて被処理物56を取り出す。
上記(3)において、タイトボックス12から排気されるガスがトラップ46およびフィルター48を通過する。ガスがトラップ46で冷却されると、被処理物56から放出されたバインダーがトラップ48で液化し、内側配管64の内面、冷却フィン70の表面および冷却配管74の外面に付着する。
被処理物56から放出されたダストはフィルター48で集じんされる。第1圧力センサ76で第2排気配管38の圧力を検知しており、所定値以上になれば全てのフィルター48が目詰まりしていることが分かる。第1圧力センサ76の値が所定値以上になれば、補助バルブ52を開け、ガスが補助配管50を通るようにする。フィルター48が目詰まりしてもガスが補助配管50を通過し、被処理物56に対する処理を最後まで続行させる。
以上のように、本願は複数のフィルター48を使用することでフィルター48の除去できるダストの量を多くすることができる。多量のダストを発生する処理において、最後まで処理を続けやすくなっている。フィルター48と並列に補助配管50を設けることで、全てのフィルター48が目詰まりしても、補助配管50を通じてガスを排出することができ、処理を最後まで続行できる。被処理物56に対する処理を最後までおこなうことができ、被処理物56の廃棄を防止できる。
[実施形態2]
図5の熱処理炉80のように、複数のフィルター48が直列になるように配置してもよい。フィルター48の目の粗さを異ならせ、上流から下流に向けて粗い目のフィルター48から細かい目のフィルター48になるように配置してもよい。ダストの大きさによって集じんされるフィルター48が異なる。ダストの大きさが不均一の場合に各フィルター48でダストが集じんできる。フィルター48の総面積が広くなっており、多くのダストを集じんできる。
[実施形態3]
図6の熱処理炉82のように、複数のフィルター48を直並列になるように配置してもよい。フィルター48が多くなればその分だけ集じんできるダストの量が多くなり、多くのダストを発生する被処理物56を最後まで処理できるようになる。
[実施形態4]
図7の熱処理炉84のように、各フィルター48の上流に保護バルブ86を設け、さらにフィルター48に流れるガスの温度を計測する温度計88を備えてもよい。温度計88は熱伝対を使用した温度計を使用することができる。温度計88の値が所定値に満たないときは保護バルブ86を開けて被処理物56に対する処理をおこなう。温度計88の値が所定値以上になると保護バルブ86を閉じる。その所定値はフィルター48が溶融する温度であり、たとえば100℃である。フィルター48を保護し、高温のガスが排気されることを防止する。さらに、補助バルブ52も閉じて被処理物56に対する処理は中止する。他の実施形態においても、フィルター48の上流に保護バルブ86および温度計88を設け、フィルター48の保護と高温のガスの排気を防止してもよい。
[実施形態5]
図8の熱処理炉90のように、並列に並んだ各フィルター48の上流に選択バルブ92を設けてもよい。一の選択バルブ92を開け、他の選択バルブ92は閉じて被処理物56に対する処理をおこなう。第1圧力センサ76が所定値を超えれば、一の選択バルブ92を閉じ、他の1つの選択バルブ92を開ける。第1圧力センサ76が所定値を超えた時点で使用中のフィルター48が目詰まりしており、他のフィルター48を使用する。なお、被処理物56に対する処理が終了した時点で使用しなかったフィルター48があれば、次の被処理物56に対する処理までにそのフィルター48を清掃または交換する必要が無い。フィルター48の下流にもバルブを設け、一のフィルター48を使用している間に他のフィルター48を清掃または交換できるようにしてもよい。
[実施形態6]
第2排気配管38の数は複数であってもよい。たとえば図9の熱処理炉94は2本の第2排気配管38を備える。各第2排気配管38にはトラップ46、フィルター48、第1圧力センサ76を備える。各第2排気配管38のフィルター48は直列になっているが並列であっても良い。2本の第2排気配管38はタイトボックス16につながっている。タイトボックス16の両端など、タイトボックス16の中央に対して対称となる部分に第2排気配管38がつながり、被処理物56に対して均等なガスの流れが生じるようにする。第2排気配管38の長さを揃えて、タイトボックス16から均等にガスが排出できるようにする。
図9の熱処理炉94は複数の第2排気配管38に対して1本の補助配管50を備えているが、各第2排気配管38に補助配管50が備えられてもよい。第2排気配管38ごとにフィルター48の数を異ならせてもよい。さらに、第2排気配管38ごとにフィルター48を直列、並列または直並列など並べ方を変更してもよい。
[実施形態7]
図10の熱処理炉100はトラップ46を2つ備えており、その間から補助配管50がつながっている。その補助配管50の一部が二重配管102になっており、冷却液が流れる。フィルター48が目詰まりして補助バルブ52を開けたときに、トラップ46でガスが完全に冷却される前に補助配管50に流れるおそれがあり、補助配管50に二重配管102を設けて冷却液を流すことでガスを冷却する。
図10の符号50a、50bで示すように、熱処理炉100は補助配管50を2つに分岐させている。各補助配管50a、50bには補助バルブ52を備え、補助バルブ52が開けられた方の補助配管50a、50bをガスが通過する。一方の補助配管50aは冷却液の流れる二重配管104を用い、ガスを冷却できるようにしておく。圧力容器12の内部空間14の温度が一定値以上のときは二重配管104を備えた補助配管50aを使用し、圧力容器12の内部空間14の温度が一定値に満たないときは他方の補助配管50bを使用する。一定温度以下に冷却されたガスが排気されるようにする。二重配管104はトラップ46であってもよい。
[実施形態8]
図11の熱処理装置110はフィルター48の下流に第3圧力センサ112を備える。フィルター48の上流の第1圧力センサ76と下流の第3圧力センサ112の差圧を用いてフィルター48の目詰まりを検出できる。一定以上の圧力差になればフィルター48が目詰まりしたことが分かる。フィルター48の目詰まりが生じたときに差圧が大きくなるため、フィルター48の目詰まりを検出しやすい。他の実施形態においても同様に差圧によってフィルター48の目詰まりを検出してもよい。
[実施形態9]
上記実施形態は被処理物56を収容するタイトボックス16を備えたが、タイトボックス16が省略されてもよい。圧力容器12の内部空間14に有る被処理物56を搭載する炉床(棚)がタイトボックス16に囲まれない。タイトボックス16が無いため、内部空間14から第2排気配管38で直接排気することになる。いずれか一方のガス源18、26は省略されてもよい。
[実施形態10]
上記熱処理炉10、80、82、84、90、94、100、110で計測された温度および圧力の値をネットワークを通じてサーバーに記憶させてもよい。フィルター48の目詰まりをネットワークを通じて確認してもよい。
(第1項)一態様に係る熱処理炉は、容器状の圧力容器と、前記圧力容器の内部空間に配置され、被処理物を搭載する炉床と、前記圧力容器の内部空間に導入するガスのガス源と、前記圧力容器の内部空間からガスを排気するポンプと、前記圧力容器からポンプをつなぐ第1排気配管と、前記圧力容器につなげられた第2排気配管と、前記第2排気配管の途中を内側配管と外側配管とからなる二重配管で構成し、該内側配管と外側配管の間に冷却液を流し、該内側配管の中に冷却フィンを配置したトラップと、前記第2排気配管におけるトラップの下流に設けられた複数のフィルターとを備える。
第1項に記載の熱処理炉によれば、トラップでガス状のバインダーを液化または固化することで捕集し、フィルターでダストを集じんできる。複数のフィルターを使用することで集じんできるダストの量が多くなり、被処理物に対する処理を最後までおこないやすい。被処理物に対する処理を中止しないことで、被処理物を途中で廃棄することもなくなり、生産効率が良くなる。
(第2項)前記複数のフィルターと並列に設けられた補助配管と、前記トラップとフィルターの間におけるガスの圧力を検出する第1圧力センサと、前記補助配管に設けられ、前記第1圧力センサの値が一定値以上になると開けられる補助バルブとを備えてもよい。
第2項に記載の熱処理炉によれば、フィルターと並列に補助配管が設けられることで、フィルターが目詰まりしたときに補助配管を通してガスを排気できる。フィルターが目詰まりしても被処理物に対する処理を続行できる。
(第3項)前記複数のフィルターが直列、並列または直並列に配置されていてもよい。
第3項に記載の熱処理炉によれば、フィルターを自由に配列することができるため、被処理物から放出されるダストに応じてフィルターを配列できる。同じ粒径のダストが放出されるのであればフィルターを並列にし、異なる粒径の粒子が放出されるのであればフィルターを直列にし、さらにダストの量が多ければフィルターを直並列に配置する。
(第4項)前記フィルターの上流に設けられた保護バルブと、前記フィルターに流れるガスの温度を計測する温度計とを備える。前記温度計の温度が所定値以上であれば保護バルブを閉じてもよい。
第4項に記載の熱処理炉によれば、第2排気配管を流れるガスの温度が高い場合に、保護バルブを閉じることでフィルターを保護し、高温のガスが排気されることを防止できる。
(第5項)前記第2排気配管が複数であり、全ての第2排気配管の長さが同じであってもよい。
第5項に記載の熱処理炉によれば、第2排気配管の長さを一定にすることで、タイトボックスの中での被処理物に対するガスの流れを均一にする。被処理物が均一に処理される。
(第6項)前記第1排気管にガスの圧力を検知する第2圧力センサを備え、第2圧力センサの値が所定値以上になれば被処理物に対する処理を停止してもよい。
第6項に記載の熱処理炉によれば、第2圧力センサの値が所定値以上になればトラップが液化したバインダーで詰まっている可能性があり、被処理物に対する処理を停止する。トラップが詰まることで圧力容器の圧力が上昇し、所定の処理ができなくなるためである。
(第7項)前記圧力容器の内部空間に配置され、被処理物を収容するタイトボックスを備える。
第7項に記載の熱処理炉によれば、タイトボックスを備えることで、被処理物から発生するガス状のバインダーおよびダストを圧力容器の内部空間に飛散させずにトラップおよびフィルターで集じん等できる。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10、80、82、84、90、94、100、110:熱処理炉
12:圧力容器
14:圧力容器の内部空間
16:タイトボックス
18、26:ガス源
20、28:導入配管
22、30、36、40、44、52、86、92:バルブ
24:タイトボックスの内部空間
32:ポンプ
34、38、42:排気配管
46:トラップ
48:フィルター
50:補助配管
54:ヒーター
56:被処理物
58、88:温度計
60:ファン
62:モーター
64:内部配管
66:外部配管
68、102、104:二重配管
70:冷却フィン
72:内部配管と外部配管の間の空間
74:冷却配管
76、78、112:圧力センサ

Claims (7)

  1. 容器状の圧力容器と、
    前記圧力容器の内部空間に配置され、被処理物を搭載する炉床と、
    前記圧力容器の内部空間に導入するガスのガス源と、
    前記圧力容器の内部空間からガスを排気するポンプと、
    前記圧力容器からポンプをつなぐ第1排気配管と、
    前記圧力容器につなげられた第2排気配管と、
    前記第2排気配管の途中を内側配管と外側配管とからなる二重配管で構成し、該内側配管と外側配管の間に冷却液を流し、該内側配管の中に冷却フィンを配置したトラップと、
    前記第2排気配管におけるトラップの下流に設けられた複数のフィルターと、
    を備えた熱処理炉。
  2. 前記複数のフィルターと並列に設けられた補助配管と、
    前記トラップとフィルターの間におけるガスの圧力を検出する第1圧力センサと、
    前記補助配管に設けられ、前記第1圧力センサの値が一定値以上になると開けられる補助バルブと、
    を備える請求項1の熱処理炉。
  3. 前記複数のフィルターが直列、並列または直並列に配置された請求項1または2の熱処理炉。
  4. 前記フィルターの上流に設けられた保護バルブと、
    前記フィルターに流れるガスの温度を計測する温度計と、
    を備え、
    前記温度計の温度が所定値以上であれば保護バルブを閉じる請求項1から3のいずれかの熱処理炉。
  5. 前記第2排気配管が複数であり、全ての第2排気配管の長さが同じである請求項1から4のいずれかの熱処理炉。
  6. 前記第1排気配管にガスの圧力を検知する第2圧力センサを備え、第2圧力センサの値が所定値以上になれば被処理物に対する処理を停止する請求項1から5のいずれかの熱処理装置。
  7. 前記圧力容器の内部空間に配置され、被処理物を収容するタイトボックスを備える請求項1から6のいずれかの熱処理炉。
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